(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】水処理剤
(51)【国際特許分類】
B01D 21/01 20060101AFI20241017BHJP
C02F 1/52 20230101ALI20241017BHJP
【FI】
B01D21/01 110
C02F1/52 Z
(21)【出願番号】P 2020190649
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】福田 雅弥
(72)【発明者】
【氏名】小島 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】石塚 仁
【審査官】松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-141801(JP,A)
【文献】特開2016-083611(JP,A)
【文献】特開2003-321523(JP,A)
【文献】特開平10-017616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0274369(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109205745(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00 - 21/01
B01D 21/02 - 21/34
C02F 1/00
C02F 1/52 - 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)無機凝集剤[ 以下(a)成分という]、(b)高分子凝集剤[ 以下(b)成分という] 、及び(c) 芳香環を有する分子量500以上の化合物
であって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩から選ばれるアニオン性の化合物[以下(c)成分という]を
、
(a)成分1,000質量部に対して(c)成分を200質量部以上2000質量部以下、
(b)成分10質量部に対して(c)成分を200質量部以上2000質量部以下
含有する水処理剤。
【請求項2】
(c)成分が、分子量1,000以上の化合物である、請求項1に記載の水処理剤。
【請求項3】
(c)成分が、水溶性の化合物である、請求項1
又は2に記載の水処理剤。
【請求項4】
水、及び汚れ成分を含む被処理水に、(a)無機凝集剤[以下(a)成分という] 、(b)高分子凝集剤[ 以下(b)成分という] 、及び(c)芳香環を有する分子量500以上の
、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属塩から選ばれるアニオン性の化合物[以下(c)成分という]を
(a)成分1,000質量部に対して(c)成分を200質量部以上2000質量部以下、
(b)成分10質量部に対して(c)成分を200質量部以上2000質量部以下
添加する水の浄化方法であって、
被処理水中の(c)成分の濃度が100ppm以上10,000ppm以下になるように(c)成分を添加する、水の浄化方法。
【請求項5】
請求項1~
3の何れか1項に記載の水処理剤を用いて(a)成分と(b)成分と(c)成分を添加する、請求項
4に記載の水の浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理剤及び水の浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般生活において安全な水の確保は最も重要な活動の一つである。先進国では、水の利用に関するインフラストラクチャーの整備が進んでいる。しかしながら、十分な水が確保できない地域が地球上には未だ多く存在し、そのような地域に住む生活者は水の確保のために多大な労力が強いられている現状がある。そのため、河川水、湖沼水、地下水、雨水などに存在する汚泥などの汚れ成分を簡便に浄化できる技術が強く求められている。
【0003】
特許文献1には、界面活性剤及び着色剤を含む水系分散体を製造する工程から排出される、界面活性剤含有排水を処理対象とする排水処理方法であって、前記排水に凝集剤を添加して前記排水中の懸濁物質を凝集させる凝集処理工程と、前記凝集処理された処理液を濃縮処理して、凝集物と処理水とに分離する濃縮処理工程と、を含む排水処理方法が記載されている。
特許文献2には、所定量の粘土を含み、無機凝集剤、有機高分子凝集剤から選択される1種以上の凝集剤を含んでなり、該無機凝集剤が亜硫酸ナトリウム又は鉄塩を含有する複合凝集剤が開示されている。
特許文献3には、体積平均粒子径が0.0005~500μmである樹脂粒子(A)と、界面活性剤(B)及び/又は水溶性ポリマー(C)を含有する廃水の処理方法において、無機凝集剤(a)を添加する工程、高分子凝集剤(b)を添加する工程及び必要により有機凝結剤(c)を添加する工程を含む廃水の処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-75751号公報
【文献】特開2007-61718号公報
【文献】特開2006-7208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
廃水を再利用するには、さまざまな汚れ成分を廃水から効率よく分離することが望まれる。その方法の1つとして、汚れ成分を凝集させて水から分離させる方法が考えられる。この方法では、汚れ成分の凝集物(フロックとも称される)は、凝集が促進されて肥大化した方が除去しやすくなる。
【0006】
しかしながら、水処理に用いる装置や設備の規模により、用いる凝集剤などの薬剤が、設計通りの性能を発揮しない場合があることが判明した。例えば、処理の規模が大きくなるほど、処理能力が低下することがあり、大規模な処理設備では薬剤の添加量を想定よりも多くしないと十分な凝集効果が得られない場合がある。
【0007】
また、界面活性剤などの起泡性の汚れ成分を含む廃水を処理する場合は、処理後の水を生活用水などとして再利用する場合は、泡立ちが少ない方が望ましい。そのため、水処理剤には、例えば界面活性剤などの汚れ成分を十分に除去できるといった、浄化処理能力に優れることも要求される。
【0008】
本発明は、水の浄化処理能力に優れ、処理の規模が大きくなっても被処理水から汚れ成分を凝集物として十分に分離でき、また、水処理の際に過剰な泡立ちを抑制できる水処理剤及び水の浄化方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(a)無機凝集剤[以下(a)成分という]、(b)高分子凝集剤[以下(b)成分という]、及び(c)芳香環を有する分子量500以上の化合物[以下(c)成分という]を含有する水処理剤に関する。
【0010】
また、本発明は、水、及び汚れ成分を含む被処理水に、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を添加する水の浄化方法であって、
被処理水中の(c)成分の濃度が100ppm以上10,000ppm以下になるように(c)成分を添加する、水の浄化方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水の浄化処理能力に優れ、処理の規模が大きくなっても被処理水から汚れ成分を凝集物として十分に分離でき、また、水処理の際に過剰な泡立ちを起こさない水処理剤及び水の浄化方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<水処理剤>
本発明では、汚れ成分、例えば懸濁粒子である土を(a)成分が凝集させて凝集物を形成し、この凝集物の間に(b)成分が介在して凝集物同士の結合を強固にして凝集を解けにくくしているものと推察される。(c)成分は電荷反発により(b)成分の分子鎖を適度に拡張し、凝集物を肥大化させているものと推察される。そして、本発明の(c)成分は(b)成分の分子鎖の拡張能に優れており、処理の規模が大きくなっても(b)成分の性能が十分に発揮されるものと推察される。本発明の水処理剤は、界面活性剤などの汚れ成分の凝集能に優れ、それらの除去効果も高いため、処理後の水は起泡性の低いものとなる。本発明の水処理剤を用いると、汚れ成分の凝集物が肥大化することから、処理水からの汚れ成分(凝集物)の除去が容易となる。例えば、後述の実施例で示したように、凝集物を直接手で掴んで処理水から取り除くことができる。また、例えば、上澄み液を掬い取るなどの簡易な手順で凝集物を分離することもできる。そのため、本発明の水処理剤によれば、非常に簡易に水の浄化を行うことができる。
【0013】
(a)成分は、無機凝集剤である。
(a)成分は、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄、珪酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及びアルミニウムミョウバンから選択される1種以上の無機凝集剤が挙げられる。
(a)成分は、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、及びポリ硫酸鉄から選択される1種以上の無機凝集剤が好ましい。
【0014】
本発明の水処理剤は、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量に対して、(a)成分を、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下含有する。なお、本発明では、(a)成分、(b)成分、(c)成分等の含有量は、本発明の水処理剤を調製する際の(a)成分、(b)成分、(c)成分等の配合量をそれぞれの含有量と見なすことができる(以下、同様)。
【0015】
(b)成分は、高分子凝集剤である。
(b)成分の重量平均分子量は、好ましくは50万以上、より好ましくは100万以上、更に好ましくは200万以上、そして、好ましくは1,500万以下、より好ましくは1,200万以下、更に好ましくは1,000万以下である。(b)成分の重量平均分子量は、ポリエチレンオキサイドについては極限粘度から計算により算出したものであり、それ以外はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)から算出したものである。
【0016】
(b)成分の高分子凝集剤としては、水溶性モノマー(b1)を構成単位とする水溶性(共)重合体からなる高分子凝集剤が挙げられる。水溶性モノマー(b1)には、下記の非イオン性モノマー(b11)、陽イオン性モノマー(b12)、陰イオン性モノマー(b13)及びこれらのうちの2種又はそれ以上の混合物が含まれる。水溶性モノマーは、水溶性不飽和モノマーが好ましい。前記水溶性(共)重合体を構成するモノマーとしては、本発明の効果を阻害しない範囲で水溶性モノマー(b1)の他に必要により水不溶性不飽和モノマー(x)及び架橋性モノマー(y)を併用してもよい。
【0017】
ここにおいて水溶性モノマーもしくは水溶性(共)重合体とは、水に対する溶解度(20℃)が1g/水100g以上であるモノマーもしくは(共)重合体を意味し、水不溶性モノマーとは、水に対する溶解度(20℃)が1g/水100g未満であるモノマーを意味する。
【0018】
なお、以下においてゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される数平均分子量はGMn、重量平均分子量はGMwと略記し、該GMn、GMwは下記のGPC測定条件で求められる。
<GPC測定条件>
装置:HLC-802A、東ソー(株)製
カラム:TSKgelGMH6(2本)
測定温度:40℃
試料溶液:0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置:屈折率検出器
標準:ポリエチレングリコール
【0019】
(b11)非イオン性モノマー
下記のもの、及びこれらの混合物が挙げられる。
(b11-1)(メタ)アクリレート
炭素数(以下、Cと略記)4以上かつ数平均分子量[測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下GMnと略記。]5,000以下、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル-、ジエチレングリコールモノ-、ポリエチレングリコール(重合度3以上50以下)モノ-及びポリグリセロール(重合度1以上10以下)モノ(メタ)アクリレート]及びアクリル酸アルキル(アルキル基はC1以上2以下)エステル(C4以上5以下、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル)
(b11-2)(メタ)アクリルアミド及びその誘導体
C3以上30以下、例えば(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(C1以上3以下)(メタ)アクリルアミド[N-メチル及びイソプロピル(メタ)アクリルアミド等]、N-アルキロール(メタ)アクリルアミド[N-メチロール(メタ)アクリルアミド等]
(b11-3)上記以外の窒素原子含有エチレン性不飽和化合物
C3以上30以下、例えばアクリロニトリル、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルスクシンイミド、及び2-シアノエチル(メタ)アクリレート
(b11-4)アルキレンオキサイド
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
【0020】
(b12)陽イオン性モノマー
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩及びベンジルクロライド塩等]、及びこれらの混合物が挙げられる。
(b12-1)窒素原子含有(メタ)アクリレート
C5以上30以下、例えばアミノアルキル(C2以上3以下)(メタ)アクリレート、N,N-ジアルキル(C1以上2以下)アミノアルキル(C2以上3以下)(メタ)アクリレート[N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N-モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]
(b12-2)窒素原子含有(メタ)アクリルアミド誘導体
C5以上30以下、例えばN,N-ジアルキル(C1以上2以下)アミノアルキル(C2以上3以下)(メタ)アクリルアミド[N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等];
(b12-3)アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物
C5以上30以下、例えばビニルアミン、(メタ)アリルアミン等]
(b12-4)アミンイミド基を有する化合物
C5以上30以下、例えば1,1,1-トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1-ジメチル-1-エチルアミン(メタ)アクリルイミド等
(b12-5)上記以外の窒素原子含有ビニルモノマー
C5以上30以下のもの
【0021】
(b13)陰イオン性モノマー
下記の酸、これらの塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩及びアミン(C1以上20以下)塩等]、及びこれらの混合物が挙げられる。
(b13-1)不飽和カルボン酸
C3以上30以下、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、アリル酢酸
(b13-2)不飽和スルホン酸
C2以上20以下の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート[スルホアルキル(C2以上20以下)(メタ)アクリレート[2-(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3-(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、4-(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2-ジメチルエタンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[2-(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2-及び3-(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2-及び4-(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2-ジメチルエタンスルホン酸等]、アルキル(C1以上20以下)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等
(b13-3)(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(C1以上6以下)硫酸エステル
(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2以上50以下)硫酸エステル等。
【0022】
必要により(b)と併用してもよい水不溶性不飽和モノマー(x)としては、以下の(x1)~(x5)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0023】
(x1)C6以上23以下の(メタ)アクリレート
脂肪族又は脂環式アルコール(C3以上20以下)の(メタ)アクリレート[プロピル-、ブチル-、ラウリル-、オクタデシル-及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]及びエポキシ基(C4以上20以下)含有(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等]
【0024】
(x2)[モノアルコキシ(C1以上20以下)-、もしくはモノシクロアルコキシ(C3以上12以下)]ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記)(重合度2以上50以下)の不飽和カルボン酸モノエステル
モノオール(C1以上20以下)のプロピレンオキサイド(以下POと略記)付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω-メトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω-エトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω-プロポキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω-ブトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω-シクロヘキシルPPGモノ(メタ)アクリレート等]及びジオール(C2以上20以下)のPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω-ヒドロキシエチル(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等]等
【0025】
(x3)C2以上30以下の不飽和炭化水素
エチレン、ノネン等
(x4)不飽和アルコール[C2以上4以下、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2以上30以下)エステル(酢酸ビニル等)
(x5)ハロゲン含有モノマー(C2以上30以下、例えば塩化ビニル)
【0026】
また、架橋性モノマー(y)としては、以下の(y1)~(y5)、これらの塩[例えば、塩基性モノマーについては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、硝酸等)塩、メチルクロライド塩及びジメチル硫酸塩等、酸性モノマーについては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン(C1以上20以下、例えばメチルアミン、エチルアミン、シクロヘキシルアミン)塩]、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
(y1)ビスポリ(2以上4以下)(メタ)アクリルアミド
C5以上30以下、例えばN,N’-メチレンビスアクリルアミド
【0028】
(y2)ポリ(2以上4以下)(メタ)アクリレート
C8以上30以下、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール[ポリ(2以上4以下)](メタ)アクリレート
【0029】
(y3)ビニル基(2個以上20個以下)含有モノマー
C4以上かつGMn6,000以下、例えばジビニルアミン、多価(2以上5以下)アミン[C2以上かつGMn3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(C4以上かつGMn3,000以下)]のポリ(2以上20以下)ビニルアミン、ジビニルエーテル、多価アルコール〔C2以上かつGMn3,000以下、例えばアルキレン(C2以上6以下)グリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール(以下、それぞれEG、PG、HDと略記)等]、ポリオキシアルキレン[GMn2,000以上3,000以下、例えばポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(分子量106以上かつGMn3,000以下)、PPG(分子量134以上かつGMn3,000以下)、ポリオキシエチレン(分子量106以上かつGMn3,000以下)/ポリオキシプロピレン(分子量134以上かつGMn3,000以下)ブロックコポリマー]、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ポリ)(2以上50以下)グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(以下、それぞれTME、TMP、GR、PE、SOと略記)、デンプン〕のポリ(2以上20以下)ビニルエーテル等
【0030】
(y4)アリル基(2個以上20個以下)含有モノマー
C6以上かつGMn3,000以下、例えばジ(メタ)アリルアミン、N-アルキル(C1以上20以下)ジ(メタ)アリルアミン、多価アミン(上記のもの)のポリ(2以上20以下)(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルエーテル、多価アルコール(上記のもの)のポリ(2以上20以下)(メタ)アリルエーテル、ポリ(2以上20以下)(メタ)アリロキシアルカン(C1以上20以下)(テトラアリロキシエタン等)
【0031】
(y5)エポキシ基含有モノマー
C8以上かつGMn6,000以下、例えばEGジグリシジルエーテル、PEGジグリシジルエーテル、GRトリグリシジルエーテル
【0032】
(b)成分としては、前記非イオン性モノマー(b11)、及び前記陰イオン性モノマー(b13)から選ばれる1種以上の水溶性モノマーを構成単位とする水溶性(共)重合体からなる高分子凝集剤が挙げられる。
(b)成分としては、前記非イオン性モノマー(b11)を構成単位とする水溶性(共)重合体、及び前記陰イオン性モノマー(b13)を構成単位とする水溶性(共)重合体から選ばれる1種以上の水溶性(共)重合体からなる高分子凝集剤が挙げられる。
前記非イオン性モノマー(b11)を構成単位とする水溶性(共)重合体としては、(b11-2)(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、並びに前記(b11-4)アルキレンオキサイドから選ばれる1種以上の非イオン性モノマー、更に前記(b11-4)アルキレンオキサイドから選ばれる1種以上の非イオン性モノマー、を構成単位とする水溶性(共)重合体が挙げられる。
陰イオン性モノマー(b13)を構成単位とする水溶性(共)重合体としては、(b13-1)不飽和カルボン酸を構成単位とする水溶性(共)重合体が挙げられる。
(b)成分は、非イオン高分子凝集剤、及び陰イオン高分子凝集剤から選ばれる1種以上の高分子凝集剤が好ましい。(b)成分は、非イオン高分子凝集剤がより好ましい。
(b)成分としては、ポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド、及びポリアクリル酸又はその塩から選ばれる1種以上の高分子凝集剤が挙げられる。
(b)成分は、ポリアルキレンオキサイドが好ましく、ポリエチレンオキサイドがより好ましい。
【0033】
ポリアルキレンオキサイドは、重合単位としてエチレンオキサイドを含むものが好ましい。
ポリアルキレンオキサイドは、ポリエチレンオキサイドが好ましい。ポリエチレンオキサイドは、重量平均分子量50万以上が好ましい。
【0034】
(b)成分は、曳糸性を有する高分子凝集剤が好ましい。
【0035】
本開示において、「曳糸性」とは、物体の伸張特性が現れる、いわゆる「糸を曳く」性質であり、例えば「納豆の糸曳き」等がその一例として挙げられる。曳糸性は、一又は複数の実施形態において、液状組成物を低速度で滴下又はその一端を保持して伸張した際に、破断して液滴を形成することなく連続した糸状構造体を呈する性質であり、例えば「動植物の粘液の糸曳き」等が例として挙げられる。曳糸性は、液状組成物の弾性的緩和現象の一つであり、一般的に、表面張力や粘度とは全く独立の物性であることが知られている。
(b)成分について、曳糸性の有無は、以下の方法で判定することができる。例えば、所定の濃度(例えば、10質量%)となるよう高分子凝集剤を精製水に溶解させて得た水溶液を用いて、下記〔曳糸性判定法〕に準じた方法で判定し、曳糸性を有する場合、曳糸性を有する高分子凝集剤と判断できる。
【0036】
〔曳糸性判定法〕
先端内径1mmのパスツールピペット(ガラス、例えばASAHITECHNO GLASS、IK-PAS-5P)より静かに滴下操作をした際に、糸を曳いた水溶液を、本開示において曳糸性を呈する水溶液とすることができる。
【0037】
(b)成分は、好ましくはその濃度30g/L以下の水溶液が曳糸性を呈する高分子凝集剤であり、より好ましくはその濃度10g/L以下の水溶液が曳糸性を呈する高分子凝集剤であり、更に好ましくはその濃度5g/L以下の水溶液が曳糸性を呈する高分子凝集剤である。
【0038】
本発明の水処理剤は、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計含有量に対して、(b)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.7質量%以下含有する。
【0039】
(c)成分は、芳香環を有する分子量500以上の化合物である。
(c)成分の分子量は、処理後の上澄みの泡立ち、処理可能な最大水量の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,500以上、更に好ましくは2,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは20,000以下である。ここで、(c)成分が重合体である場合は、この分子量は重量平均分子量であってよい。その場合、重量平均分子量の測定法は、(b)成分と同じ条件のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法である。
【0040】
(c)成分は、アニオン性の化合物が好ましい。アニオン性の化合物は、スルホン酸基、カルボン酸基、硫酸エステル基などのアニオン基を有する化合物が挙げられる。アニオン基は塩であってもよい。
【0041】
(c)成分は、水溶性の化合物が好ましい。(c)成分について、水溶性とは、水に対する溶解度(20℃)が1g/水100g以上であることをいう。
【0042】
(c)成分は、単独では、凝集性能を示さない化合物であってよい。ここで凝集性能を示さないとは、30℃に調整したイオン交換水に試料を濃度800ppmになるように添加し、直径11mm、長さ43mmの円柱型撹拌子を入れ、マグネチックスターラー(NISSIN stirrer SW-M120)の目盛4で5分撹拌した際に、凝集物が形成されないことであってよい。
【0043】
(c)成分の芳香環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、トリアジン環、ピロール環などが挙げられる。
【0044】
(c)成分は、芳香環を1以上、好ましく5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは1,000以下、更に500以下、更に200以下有する化合物が挙げられる。
【0045】
(c)成分としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩などが挙げられる。これらはいずれも分子量が500以上である。塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩などが挙げられ、アルカリ金属塩が好ましい。
【0046】
本発明の水処理剤は、処理可能な最大水量の観点から、(a)成分1,000質量部に対して(c)成分を、好ましくは100質量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは400質量部以上、そして、好ましくは3,000質量部以下、より好ましくは2,000質量部以下、更に好ましくは1,500質量部以下含有する。
【0047】
本発明の水処理剤は、処理可能な最大水量の観点から、(b)成分10質量部に対して(c)成分を、好ましくは100質量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは400質量部以上、そして、好ましくは3,000質量部以下、より好ましくは2,000質量部以下、更に好ましくは1,500質量部以下含有する。
【0048】
本発明の水処理剤は、任意成分として、水溶性無機化合物、漂白剤、殺菌剤、抗菌剤、防腐剤、pH調整剤などの成分((a)成分、(b)成分、及び(c)成分を除く)を含有することができる。pH調整剤は、本発明の水処理剤で被処理水を浄化処理する時の被処理水のpHを制御するもので、アルカリ剤、酸剤がある。アルカリ剤としては苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、モノエタノールアミンなどがあり、酸剤としては、硫酸水素ナトリウムなどの無機酸、クエン酸、乳酸などの有機酸などがある。
【0049】
本発明の水処理剤は、粉末、液体、いずれの形態であってもよい。
本発明の水処理剤は、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分から選択される成分を含む剤の組み合わせからなり、(a)成分と(b)成分が別の剤に配合されている、多剤型水処理剤であってよい。例えば、本発明の水処理剤は、(a)成分を含有する第一剤と(b)成分を含有する第二剤とを含む多剤型水処理剤であってよい。第一剤は、(b)成分を含有しないものであってよい。また、第二剤は、(a)成分を含有しないものであってよい。(c)成分や任意成分は、第一剤及び/又は第二剤に適宜配合でき、また、第一剤、第二剤とは別の剤に配合して三剤以上の多剤型とすることもできる。
【0050】
本発明の水処理剤は、後述する本発明の水の浄化方法に好適に用いることができる。
【0051】
<水の浄化方法>
本発明の水の浄化方法は、水、及び汚れ成分を含む被処理水に、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を添加する水の浄化方法であって、被処理水中の(c)成分の濃度が100ppm以上10,000ppm以下になるように(c)成分を添加する。
本発明の水の浄化方法には、本発明の水処理剤で述べた事項を適宜適用することができる。(a)成分、(b)成分、(c)成分の具体例、好ましい例などは、本発明の水処理剤と同じである。
【0052】
被処理水が含む汚れ成分は、有機物、無機物、これらの複合物で形成されてよい。
汚れ成分としては、例えば、土(粘土、泥などを含んでよい意味である)、菌、重金属及びそのイオン、皮脂、脂質、染料、角質、毛髪、染料、色素、食品、繊維、界面活性剤などが挙げられる。被処理水が含む汚れ成分は、処理後の水の用途などに応じて決定されてもよい。例えば、処理後の水を生活排水として利用する場合、被処理水中の土、界面活性剤などは汚れ成分となり得る。
【0053】
被処理水中の汚れ成分の濃度は、例えば、0.1ppm以上、更に1ppm以上、更に10ppm以上、そして、100,000ppm以下、更に10,000ppm以下、更に5,000ppm以下である。なお、汚れ成分の濃度はJIS K0102の全蒸発残留物を測定に準拠して、被処理水中の全蒸発残留物の濃度として求めたものとする。
【0054】
本発明の対象となる被処理水は、工業施設、建設現場、掘削場、一般家庭などから排出される廃水であってよく、例えば、繊維製品の洗濯、硬質物品の洗浄などの洗浄処理で排出される廃水などが挙げられる。
【0055】
(a)成分は、被処理水中の(a)成分の濃度が、例えば、10ppm以上、更に100ppm以上、更に500ppm以上、そして、20,000ppm以下、更に10,000ppm以下、更に5,000ppm以下、更に3,000ppm以下、更に2,000ppm以下になるように添加する。
【0056】
(b)成分は、被処理水中の(b)成分の濃度が、例えば、0.1ppm以上、更に1ppm以上、更に2ppm以上、そして、500ppm以下、更に300ppm以下、更に100ppm以下、更に80ppm以下、更に60ppm以下、更に50ppm以下になるように添加する。
【0057】
(c)成分は、被処理水中の(c)成分の濃度が、100ppm以上、更に150ppm以上、更に200ppm以上、そして、100,000ppm以下、更に10,000ppm以下、更に5,000ppm以下、更に2,000ppm以下、更に1,500ppm以下、更に1,200ppm以下になるように添加する。なお、本発明は、界面活性剤を含有する被処理水に対しても効果があるが、被処理水が界面活性剤を含有する場合は、その量と、添加する(c)成分の量との合計がこの範囲となるのが好ましい。
【0058】
本発明では、処理可能な最大水量の観点から、(a)成分1,000質量部に対して(c)成分を、好ましくは100質量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは400質量部以上、そして、好ましくは3,000質量部以下、より好ましくは2,000質量部以下、更に好ましくは1,500質量部以下添加する。
【0059】
本発明では、被処理水に(a)成分、(b)成分を添加する順序や形態は問わないが、(a)成分を添加した後、(b)成分を添加し、その後(c)成分を添加することが好ましい。
【0060】
本発明では、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含む被処理水のpHが4以上、更に5以上、そして、9以下、更に8.5以下であることが好ましい。すなわち、被処理水のpHを前記範囲に調整する工程を有することが好ましい。pHは、前記pH調整剤、例えば、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、モノエタノールアミンなどのアルカリ剤、硫酸水素ナトリウムなどの無機酸、クエン酸、乳酸などの有機酸などの酸剤で調整することができる。
【0061】
本発明の水の浄化方法では、前記本発明の水処理剤を用いて(a)成分と(b)成分と(c)成分を被処理水に添加することができる。
【実施例】
【0062】
<実験方法>
(1)汚水の調製方法
プラスチック製の容器(容量1~50L)に、それぞれの容量に応じて1~50Lのイオン交換水を入れた。洗剤成分として下記の粉洗剤を1333ppm、汚れ成分として下記の泥を1000ppmになるように添加した。容器の底に指がつくまで水に腕を入れ、同じ方向に10周撹拌した。
粉洗剤:Sunlight Oxifresh (Unilever)
泥:鹿沼土の粉砕品(市販の鹿沼赤玉土を衝撃型スクリーン式微粉砕機AP-1(ホソカワミクロン株式会社製)により粉砕したもの)
【0063】
(2)評価
(2-1)処理可能な最大水量
上記で調製した汚水を被処理水として水の浄化効果を評価した。30℃に調温した前記汚水に容器の底に指がつくまで腕を入れ、毎分50周のペースで同じ方向に攪拌しながら(a)成分の濃度が表1に示す値になるように添加し、30秒後、炭酸Naを添加しpH7に調整した。更に30秒後、(b)成分の濃度が表1に示す値になるように添加した。更に30秒後、(c)成分を評価用汚水中の濃度が表1に示す値になるように添加し、前記のペースで合計5分間攪拌した。撹拌後、気温25℃に調整した部屋で5分静置し、手で凝集物を取り除いた。この評価を水量1Lから開始し、凝集物の形成、除去が可能である場合は、水量を5Lに増量、以降は5L刻みで50Lまで水量を増やし、凝集物の形成、除去が可能な最大の水量を確認した。結果を表1に示す。なお、この評価は、水量50Lまでを行ったが、表中、処理可能な最大水量を50Lと示したものは、50Lを超えて処理できる可能性があるものである。
【0064】
表中の成分は以下のものである。
(a)成分
・硫酸Al:硫酸アルミニウム(無水)、大明化学工業株式会社
・硫酸Fe:硫酸鉄(III)(無水)、富士フイルム和光純薬株式会社
・ポリ塩化Al:ポリ塩化アルミニウム、大明化学工業株式会社
・ポリ硫酸Fe:ポリ硫酸第二鉄、タイキ薬品工業株式会社
【0065】
(b)成分
・PEO(700万):ポリエチレンオキサイド、PEO-27、住友精化株式会社、曳糸性あり
・AAm(500万):ポリアクリルアミド、富士フイルム和光純薬株式会社、曳糸性あり
・AA(500万):ポリアクリル酸Na、AP199、三菱ケミカル株式会社、曳糸性あり
・PEO(200万):ポリエチレングリコール2,000,000、富士フイルム和光純薬株式会社、曳糸性あり
・PEO(50万):ポリエチレンオキサイド、PEO-2、住友精化株式会社、曳糸性あり
【0066】
(c)成分
・c-1:デモール N(β-ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物、重量平均分子量4,600)、花王株式会社
・c-2:マイテイ 150(β-ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物、重量平均分子量14,000)、花王株式会社
・c-3:ペレックスSS-L(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸Na、重量平均分子量550)、花王株式会社
【0067】
(c’)成分
・LAS:ネオペレックスG-15(ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、分子量348)、花王株式会社
・AS:エマール10G(ラウリル硫酸エステルナトリウム)、花王株式会社
・AA(1万):ポリアクリル酸Na、重量平均分子量10,000、富士フイルム和光純薬株式会社
【0068】
(2-2)処理水の泡立ち抑制
(2-1)の試験で、水量1Lで行った際の上澄みの泡高さをRoss-miles試験により測定し、以下の基準で泡立ち抑制を評価した。結果を表1に示す。
○:測定開始後5分の時の泡高さが50mm以下である。
△:測定開始後5分の時の泡高さが50mmを超え100mm以下である。
×:測定開始後5分の時の泡高さが100mmを超える。
【0069】
【0070】
表中、(c)/[(a)1,000部]は、(a)成分1,000質量部に対する(c)成分の質量比である。表中では(c’)成分を(c)として(c)/[(a)1,000部]を示した。
また、表中、(c)/[(b)10部]は、(b)成分10質量部に対する(c)成分の質量比である。表中では(c’)成分を(c)として(c)/[(b)10部]を示した。
また、表中、(c)成分、(c’)成分の括弧内の数字は重量平均分子量である。
【0071】
比較例1-3は、水量1Lで凝集物は形成されたが、粒径が小さく、除去が困難であったため、表中の処理可能な最大水量を「1以下」と表示した。なお、比較例1-3では、水流が発生しないように上澄みをスポイトで慎重に採取して泡立ち抑制の試験を行った。