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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】検知装置、及び、検知方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/04 20060101AFI20241017BHJP
   B60W 40/12 20120101ALI20241017BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20241017BHJP
   B60W 40/09 20120101ALI20241017BHJP
   F16D 66/00 20060101ALI20241017BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B60W50/04
B60W40/12
B60W40/02
B60W40/09
F16D66/00 A
B60T8/17 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020203357
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090814
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】石坂 俊
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-112605(JP,A)
【文献】特開2018-184096(JP,A)
【文献】特開2019-001452(JP,A)
【文献】特開2018-184095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 50/04
B60W 40/12
B60W 40/02
B60W 40/09
F16D 66/00
B60T 8/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたブレーキの温度情報を取得する第1取得部と、
前記車両の前記ブレーキの温度と異なる複数の要素に関する情報を取得する第2取得部と、
前記複数の要素に関する情報のそれぞれに基づいて、前記ブレーキの温度の許容上限値を複数設定する設定部と、
前記温度情報に基づいて、前記ブレーキの温度が複数の前記許容上限値のうちの最も高い前記許容上限値である最大上限値を越えているか否かを判定し、前記ブレーキの温度が前記最大上限値を越えている場合に前記ブレーキに異常があると判定する第1判定処理を実行する第1判定部と、
を備える検知装置。
【請求項2】
前記第2取得部は、前記複数の要素の1つとして、前記車両の積載量及び/又は車重と、前記車両の走行経路と、を含む走行状態に関する情報を取得し、
前記設定部は、前記走行状態に関する情報に基づいて前記ブレーキの予想熱量を推定すると共に、当該推定された予想熱量に基づいて前記許容上限値の1つを設定する、
請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記第2取得部は、前記複数の要素の1つとして、前記車両の外気温と、前記車両の周囲の降水雪の有無と、前記車両の走行する路面の温度と、を含む外部環境に関する情報を取得し、
前記設定部は、前記外部環境に関する情報に基づいて前記ブレーキの熱伝達量を推定すると共に、当該推定された熱伝達量に基づいて前記許容上限値の1つを設定する、
請求項1又は2に記載の検知装置。
【請求項4】
前記第2取得部は、前記複数の要素の1つとして、前記ブレーキの使用履歴に関する情報を取得し、
前記設定部は、前記使用履歴に関する情報に基づいて前記ブレーキの温度変化の傾向を推定すると共に、当該推定された傾向に基づいて前記許容上限値の1つを設定する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の検知装置。
【請求項5】
現在の前記車両の原動機出力、変速機の段数、前記変速機の変速比、及び、走行経路に基づいて、現在の前記車両の走行に要しているエネルギーを推定すると共に、当該推定されたエネルギーを前記車両の現在の車速での走行に必要となるエネルギーと比較することにより、前記ブレーキの異常の有無を判定する第2判定処理を実行する第2判定部をさらに備え、
前記第1判定部は、前記第2判定部が前記第2判定処理において前記ブレーキに異常があると判定した場合に、前記第1判定処理を実行する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の検知装置。
【請求項6】
車両に搭載されたブレーキの温度情報を取得する第1取得工程と、
前記車両の前記ブレーキと異なる複数の要素に関する情報を取得する第2取得工程と、
前記複数の要素に関する情報のそれぞれに基づいて、前記ブレーキの温度の許容上限値を複数設定する設定工程と、
前記温度情報に基づいて、前記ブレーキの温度が複数の前記許容上限値のうちの最も高い前記許容上限値である最大上限値を越えているか否かを判定し、前記ブレーキの温度が前記最大上限値を越えている場合に前記ブレーキに異常があると判定する判定工程と、
を備える検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知装置、及び、検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、異常判定装置が記載されている。この異常判定装置は、車両の車軸に設けられたドラムブレーキの温度であるブレーキ温度を取得する温度取得部と、運転者がドラムブレーキを作動させているか否かを判定する作動判定部と、ドラムブレーキの作動によるブレーキ温度の変動を推定した値である温度変動量を算出する算出部と、温度変動量が所定の変動閾値以下である場合に判定タイミングであると判定するタイミング判定部と、判定タイミングであると判定された場合に、ブレーキ温度に基づいてドラムブレーキの異常が発生しているか否かを判定する判定実行部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-190537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、ドラムブレーキの温度変動量が閾値以下となった判定タイミングにおいて異常が発生しているか否かの判定を行うことにより、ドラムブレーキを多用した状況とブレーキ引き摺りが生じている状況とを識別することを図り、結果として、ドラムブレーキの異常を精度よく判定することを図っている。このように、上記技術分野にあっては、異常検知の精度向上が望まれている。
【0005】
本発明は、異常検知の精度を向上可能な検知装置、及び、検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を進めることにより、次のような知見を得た。すなわち、一例として、車両の外部環境の1つである車両周囲の外気温が高く、ブレーキからの熱伝達量(放熱量)が低下する場合等には、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくてもブレーキの温度変化量が大きくなりやすい(すなわち高温になりやすい)。したがって、この場合には、ブレーキの異常の有無を判定するための閾値を相対的に高く設定しないと、誤検知が発生するおそれがある。つまり、異常検知に際して、ブレーキ以外の要素をも考慮しないと、異常検知の精度が低下するおそれがある。本発明は、このような知見に基づいてさらなる研究を進めることによりなされたものである。
【0007】
すなわち、本発明に係る検知装置は、車両に搭載されたブレーキの温度情報を取得する第1取得部と、車両のブレーキの温度と異なる複数の要素に関する情報を取得する第2取得部と、複数の要素に関する情報のそれぞれに基づいて、ブレーキの温度の許容上限値を複数設定する設定部と、温度情報に基づいて、ブレーキの温度が複数の許容上限値のうちの最も高い許容上限値である最大上限値を越えているか否かを判定し、ブレーキの温度が最大上限値を越えている場合にブレーキに異常があると判定する第1判定処理を実行する第1判定部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る検知方法は、車両に搭載されたブレーキの温度情報を取得する第1取得工程と、車両のブレーキと異なる複数の要素に関する情報を取得する第2取得工程と、複数の要素に関する情報のそれぞれに基づいて、ブレーキの温度の許容上限値を複数設定する設定工程と、温度情報に基づいて、ブレーキの温度が複数の許容上限値のうちの最も高い許容上限値である最大上限値を越えているか否かを判定し、ブレーキの温度が最大上限値を越えている場合にブレーキに異常があると判定する判定工程と、を備える。
【0009】
この装置及び方法では、ブレーキの異常の有無の判定に際して、車両のブレーキ以外の要素に関する情報が取得され、その要素に応じてブレーキの温度の許容上限値が設定される。車両のブレーキ以外の要素とは、例えば、後述するように、車両の走行状態や外部環境等である。そして、ブレーキの温度が当該許容上限値を越えているか否かに基づいてブレーキの異常の有無の判定が行われる。このように、この装置及び方法によれば、ブレーキ以外の要素を考慮して設定される閾値に基づいて、ブレーキの異常判定が行われるため、上記知見に示されるように、ブレーキの異常の誤検知が抑制され、異常検知の精度の向上が図られる。特に、この装置及び方法では、ブレーキ以外の複数の要素のそれぞれについて許容上限値が設定され、その中の最大の上限値とブレーキの温度との比較が行われる。よって、より確実に誤検知を抑制が、異常検知の精度が確実に向上される。
【0010】
ここで、ブレーキの異常の有無の判定に用いるブレーキの温度の閾値(許容上限値)に関係する要素の一例としては、車両の積載量・車重や、車両の走行経路及び走行状態等が考えられる。これは、例えば積載量が大きいほど、一定の減速量に対するブレーキの発熱量が大きくなったり、下り勾配やカーブがある経路を走行する場合にブレーキが多用されてブレーキの発熱量が大きくなったりする結果、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくても、ブレーキの温度変化量が大きくなりやすい(すなわち、高温になりやすい)ためである。よって、許容上限値の設定の際にこれらに関する情報を考慮することにより、さらなる精度向上が見込まれる。
【0011】
そこで、本発明に係る検知装置では、第2取得部は、複数の要素の1つとして、車両の積載量及び/又は車重と、車両の走行経路と、を含む走行状態に関する情報を取得し、設定部は、走行状態に関する情報に基づいてブレーキの予想熱量を推定すると共に、当該推定された予想熱量に基づいて許容上限値の1つを設定してもよい。この場合、車両の積載量・車重や車両の走行経路及び走行状態に関する情報に基づいて予想熱量が推定され、その予想熱量に基づいて許容上限値の1つが設定される。よって、ブレーキの異常の有無の判定に際して、このように設定された値を含む複数の許容上限値の最大のものとブレーキの温度との比較を行うことにより、走行状態の影響を排除してより確実に精度向上が図られる。
【0012】
また、ブレーキの異常の有無の判定に用いるブレーキの温度の閾値(許容上限値)に関係する要素の一例としては、車両周囲の外気温や、車両周囲の降水雪の有無や、車両の走行する路面の温度といった車両の外部環境が考えられる。これは、例えば、車両の周囲に降水雪がなく、外気温及び路面の温度が高い場合には、ブレーキからの熱伝達量が低下する結果、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくても、ブレーキの温度変化量が大きくなりやすい(すなわち、高温になりやすい)ためである。よって、許容上限値の設定の際にこれらに関する情報を考慮することにより、さらなる精度向上が見込まれる。
【0013】
そこで、本発明に係る検知装置では、第2取得部は、複数の要素の1つとして、車両の外気温と、車両の周囲の降水雪の有無と、車両の走行する路面の温度と、を含む外部環境に関する情報を取得し、設定部は、外部環境に関する情報に基づいてブレーキの熱伝達量を推定すると共に、当該推定された熱伝達量に基づいて許容上限値の1つを設定してもよい。この場合、車両の外気温や、車両の周囲の降水雪の有無や、車両の走行する路面の温度といった車両の外部環境に基づいて、ブレーキの熱伝達量が推定され、その推定された熱伝達量に基づいて許容上限値の1つが設定される。よって、ブレーキの異常の有無の判定に際して、このように設定された値を含む複数の許容上限値の最大のものとブレーキの温度との比較を行うことにより、外部環境の影響を排除してより確実に精度向上が図られる。
【0014】
さらに、ブレーキの異常の有無の判定に用いるブレーキの温度の閾値(許容上限値)に関係する要素の一例としては、ブレーキの使用履歴が考えられる。これは、例えば、相対的に高頻度で加減速を繰り返すようにブレーキが使用されている場合には、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくても、ブレーキの温度変化量が大きくなりやすい(すなわち、高温になりやすい)傾向にあるためのである。よって、許容上限値の設定の際にこれらに関する情報を考慮することにより、さらなる精度向上が見込まれる。
【0015】
そこで、本発明に係る検知装置では、第2取得部は、複数の要素の1つとして、ブレーキの使用履歴に関する情報を取得し、設定部は、使用履歴に関する情報に基づいてブレーキの温度変化の傾向を推定すると共に、当該推定された傾向に基づいて許容上限値の1つを設定してもよい。この場合、ブレーキの使用履歴に基づいて、ブレーキの温度変化の傾向が推定され、その推定された温度変化の傾向に基づいて許容上限値の1つが設定される。よって、ブレーキの異常の有無の判定に際して、このように設定された値を含む複数の許容上限値の最大のものとブレーキの温度との比較を行うことにより、ブレーキ使用の個癖の影響を排除してより確実に精度向上が図られる。
【0016】
なお、本発明に係る検知装置は、現在の車両の原動機出力、変速機の段数、変速機の変速比、及び、走行経路に基づいて、現在の車両の走行に要しているエネルギーを推定すると共に、当該推定されたエネルギーを車両の現在の車速での走行に必要となるエネルギーと比較することにより、ブレーキの異常の有無を判定する第2判定処理を実行する第2判定部をさらに備え、第1判定部は、第2判定部が第2判定処理においてブレーキに異常があると判定した場合に、第1判定処理を実行してもよい。この場合、上記の判定に先立って、ブレーキの異常(引き摺り)の有無を簡易的に判定することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、異常検知の精度を向上可能な検知装置、及び、検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態に係る検知装置を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る検知方法の一工程を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態に係る検知方法の一工程を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施形態に係る検知方法の一工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、一実施形態に係る検知装置、及び、検知方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る検知装置を示す図である。図1に示される検知装置1は、ブレーキの異常を検知するためのものである。以下では、検知装置1の異常検知の対象となるブレーキを搭載した車両を自車両と称する場合がある。検知装置1は、一例として自車両に搭載されている。自車両は、少なくとも一部が自動運転制御されるものであってもよい。また、自車両は、例えば大型車両や中型車両、普通乗用車、小型車両又は軽車両等の何れであってもよい。
【0021】
検知装置1は、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニット(ECU)においいて構成される。検知装置1では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御が実行される(すなわち、以下の各部の機能が実現される)。検知装置1は、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
【0022】
検知装置1は、第1取得部11、第2取得部12、設定部13、第1判定部21、及び、第2判定部22を備える。第1取得部11は、自車両に搭載されたブレーキの温度に関する情報(温度情報)を取得する。したがって、第1取得部11は、温度情報を取得するために、ブレーキの温度センサからの情報が入力可能に構成されている。なお、ブレーキの種類は問われず、ドラムブレーキやディスクブレーキといった任意のブレーキを対象とすることができる。第1取得部11は、自車両のブレーキの温度情報を任意のタイミングで取得することができる。したがって、検知装置1は、第1取得部11が時間的に連続・継続して取得した温度情報に基づいて、自車両におけるブレーキの温度を監視することができる。
【0023】
第2取得部12は、自車両のブレーキの温度と異なる(ブレーキの温度以外の)複数の要素に関する情報を取得する。自車両のブレーキの温度と異なる要素とは、例えば、自車両の走行状態、自車両の周囲の外部環境、及び、自車両のブレーキの使用履歴等である。
【0024】
より具体的には、第2取得部12は、ブレーキの温度以外の複数の要素の1つとして、自車両の積載量及び/又は車重と、自車両の走行経路と、を含む走行状態に関する情報(走行状態情報)を取得することができる。走行状態情報は、走行経路に関する情報として、例えば走行経路の地図情報及び勾配情報を含む。したがって、第2取得部12は、自車両の積載量や車重を取得するための各種のセンサや、自車両の走行経路の地図情報、及び走行経路の勾配情報を生成・保持する装置、或いはGPS等の各種装置から情報を取得可能に構成されている。
【0025】
また、第2取得部12は、ブレーキの温度以外の複数の要素の1つとして、自車両の周囲の外気温と、自車両の周囲の降水雪(積雪)の有無(或いは路面の湿潤状況)と、自車両の走行する路面の温度と、を含む外部環境に関する情報(外部環境情報)を取得することができる。したがって、第2取得部12は、自車両の周囲の外気温や路面の温度を取得するための温度センサ(例えば車載温度計)や、自車両の周囲の降水雪の有無を取得するためのセンサや撮像装置(例えば車載カメラ)等から情報を取得可能に構成されている。なお、第2取得部12は、自車両の位置情報に基づいて、自車両の走行経路周辺の気象情報や道路情報を所得することによって、上記の情報を取得するように構成されてもよい。
【0026】
また、第2取得部12は、ブレーキの温度以外の複数の要素の1つとして、ブレーキの使用履歴に関する情報(使用履歴情報)を取得することができる。したがって、第2取得部12は、例えばブレーキの制御ユニットからブレーキ指令の履歴を取得可能に構成されている。さらに、第2取得部12は、自車両の原動機出力、自車両の変速機の段数、及び、自車両の変速機の変速比等に関する情報を取得することができる。第2取得部12は、その他、ブレーキの温度と異なる任意の要素に関する情報を取得するように構成され得る。
【0027】
設定部13は、第2取得部12が取得した上記の複数の要素に関する情報のそれぞれに基づいて、ブレーキの温度の許容上限値を複数設定する。より具体的には、設定部13は、第2取得部12が取得した走行状態情報に基づいて、ブレーキの予想熱量を推定すると共に、当該推定された予想熱量に基づいて、ブレーキの許容上限値の1つを設定することができる。この点について説明する。
【0028】
一例として、自車両の積載量や車重が大きいほど、一定の減速量に対するブレーキで発生する熱量が大きくなったり、下り勾配やカーブがある経路を走行する場合にブレーキが多用されてブレーキで発生する熱量が大きくなったりする結果、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくても、ブレーキの温度変化量が大きくなりやすい(すなわち高温になりやすい)と考えられる。
【0029】
したがって、自車両の積載量や車重や走行経路を考慮しないでブレーキの温度の許容範囲(すなわち許容上限値)を設定すると、ブレーキが正常であっても、ブレーキの温度が当該許容範囲を超過することによって異常が検知されるおそれがある。このため、設定部13は、自車両の積載量や車重や走行経路に応じて、一定の時間tmの間にブレーキで発生する予想熱量を推定し、当該推定された予想熱量に基づいて、時間tmの経過後のブレーキの温度の許容上限値を含む許容範囲ΔT1を設定する。
【0030】
また、設定部13は、第2取得部12が取得した外部環境情報に基づいて、ブレーキの熱伝達量を推定すると共に、当該推定された熱伝達量に基づいて許容上限値の別の1つを設定する。この点について説明する。
【0031】
一例として、自車両の周囲に降水雪がなく、外気温及び路面の温度が高い場合には、ブレーキからの熱伝達量が低下する結果、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくても、ブレーキの温度変化量が大きくなりやすい(すなわち高温になりやすい)。したがって、このような自車両の周囲の環境を考慮しないでブレーキの温度の許容範囲(すなわち許容上限値)を設定すると、ブレーキが正常であっても、ブレーキの温度が当該許容範囲を超過することによって異常が検知されるおそれがある。
【0032】
このため、設定部13は、第2取得部12が取得した外部環境情報に応じて、ブレーキの熱伝達量を推定すると共に、当該推定された熱伝達量に基づいて、時間tmの経過後のブレーキの温度の許容上限値を含む許容範囲ΔT2を設定する。
【0033】
さらに、設定部13は、第2取得部12が取得した使用履歴情報に基づいて、ブレーキの温度変化の傾向を推定すると共に、当該推定された傾向に基づいて許容上限値の別の1つを設定する。この点について説明する。
【0034】
一例として、車両の「走りかた」やブレーキの「使われかた」には、個癖が介在する場合がある。そして、相対的に高頻度で加減速を繰り返すようにブレーキが使用されている場合には、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくても、ブレーキの温度変化量が大きくなりやすい(すなわち高温になりやすい)傾向にある。したがって、このような自車両の個癖を考慮しないでブレーキの温度の許容範囲(すなわち、許容上限値)を設定すると、ブレーキが正常であって、ブレーキの温度が当該許容範囲を超過することによって異常が検知されるおそれがある。
【0035】
このため、設定部13は、第2取得部が取得した使用履歴情報に基づいてブレーキの温度変化の傾向を推定すると共に、当該推定された傾向に基づいて、時間tmの経過後のブレーキの温度の許容上限値を含む許容範囲ΔT3を設定する。以上のように、設定部13は、第2取得部12が取得したブレーキ以外の複数の要素の情報のそれぞれに基づいて、要素ごとにブレーキの温度の許容上限値を設定する。
【0036】
第1判定部21は、第1取得部11が取得したブレーキの温度情報に基づいて、ブレーキの温度が、設定部13が設定した複数の許容上限値のうちの最も高い許容上限値である最大上限値を越えているか否かを判定し、ブレーキの温度が当該最大上限値を越えている場合にブレーキに異常が有ると判定する(第1判定処理)。上記の例では、最大上限値は、許容範囲ΔT1,ΔT2,ΔT3のそれぞれの上限値のうちの最も高い値である。これにより、ブレーキ以外の要素の影響を排除し、正確にブレーキの異常の検知を行うことが可能となる。
【0037】
なお、第2判定部22は、第1判定部21の第1判定処理に先立って、簡易的に、ブレーキの異常の有無を判定することができる。すなわち、第2判定部22は、第2取得部12が取得した現在の自車両の原動機出力、変速機の段数、前記変速機の変速比、及び、走行経路に基づいて、現在の自車両の走行に要しているエネルギーを推定すると共に、当該推定されたエネルギーを自車両の現在の車速での走行に必要となるエネルギーと比較することにより、ブレーキの異常の有無を判定する(第2判定処理)。第1判定部21は、第2判定処理の結果、第2判定部22がブレーキに異常があると簡易的に判定した場合に、上記の第1判定処理を実行する。
【0038】
引き続いて、検知装置1により実施される検知方法について説明する。図2~4は、本実施形態に係る検知方法の一工程を示すフローチャートである。図2に示されるように、この検知方法では、まず、検知装置1が、ブレーキ指令の履歴を把握する(工程S1)。一例として、検知装置1では、第2取得部12がブレーキの制御ユニットからブレーキ指令を継続的に取得することにより、ブレーキ指令の履歴が把握される。
【0039】
続いて、検知装置1が、工程S1で取得されたブレーキ指令の履歴に基づいて、現時点でブレーキ指令がなく、且つ、直近のブレーキ指令から一定の時間tcが経過しているか否かの判定を行う(工程S2)。工程S2の判定の結果、現時点でブレーキ指令がある、及び/又は、直近のブレーキ指令から時間tcが経過していない場合(工程S2:NO)、処理を終了する。
【0040】
工程S2の判定の結果、現時点でブレーキ指令がなく、且つ、直近のブレーキ指令から時間tcが経過している場合(工程S2:YES)、検知装置1が、ブレーキの温度を計測する(工程S3)。一例として、検知装置1では、第1取得部11がブレーキの温度センサから温度情報を取得することにより、ブレーキの温度が計測される。
【0041】
続いて、検知装置1が、工程S3で計測されたブレーキの温度に基づいて、ブレーキの温度が所定の閾値以上か否かの判定を行う(工程S4)。工程S4の判定の結果、ブレーキの温度が所定の閾値以上でない場合(工程S4:NO)、処理を終了する。工程S4の判定の結果、ブレーキの温度が所定の閾値以上である場合(工程S4:YES)、検知装置1が、自車両の駆動軸に動力を伝達させる(工程S5)。
【0042】
続いて、検知装置1が、現在の原動機出力に関する情報、変速機に関する情報、及び、自車両の走行経路における勾配に関する情報を取得する(工程S6)。変速機に関する情報は、例えば、現在の変速機の段数、及び、変速機の変速比等を含む。検知装置1では、第2取得部12がこれらの情報を取得することができる。
【0043】
続いて、検知装置1が、現在の自車両の原動機出力、変速機の段数、変速機の変速比、及び、走行経路に基づいて、現在の自車両の走行に要しているエネルギーを推定すると共に、当該エネルギーが所定の閾値以上であるか否かの判定を行う(工程S7)。ここでの閾値は、自車両の現在の車速での走行に必要となるエネルギーの値である。
【0044】
したがって、この工程S7では、例えば第2判定部22が、現在の自車両の走行に要しているエネルギーを推定すると共に、当該推定されたエネルギーを自車両の現在の車速での走行に必要となるエネルギー(閾値)と比較して、それ以上であるか否かの判定を行うこととなる。
【0045】
推定された現在の自車両の走行に要しているエネルギーが閾値以上である場合には、例えばブレーキ引き摺り等の異常によって、ブレーキにおいてエネルギーのロスが発生しているものとして、ブレーキに異常があると判定することができる。したがって、この工程S7では、簡易的にブレーキの異常の有無を判定する第2判定処理が実行されることとなる。
【0046】
工程S7の判定の結果、現在の自車両の走行に要しているエネルギーが閾値以上でない場合(工程S7:NO)、処理を終了する。一方、工程S7の判定の結果、現在の自車両の走行に要しているエネルギーが閾値以上である場合(工程S7:YES)、ブレーキの温度の監視を開始する(工程S8)。すなわち、検知装置1では、第1取得部11が、連続的・継続的なブレーキの温度情報の取得を開始する。
【0047】
続いて、図3に示されるように、検知装置1では、第2取得部12が、自車両の周囲の外気温と、自車両の周囲の降水雪(積雪)の有無(或いは路面の湿潤状況)と、自車両の走行する路面の温度と、を含む外部環境情報を取得する(工程S9)。
【0048】
続いて、検知装置1では、設定部13が、工程S9で取得された外部環境情報に基づいて、ブレーキの熱伝達量を推定する(工程S10)。そして、検知装置1では、設定部13が、工程S10で推定された熱伝達量に基づいて、ブレーキの温度の許容上限値の1つを設定する(工程S11)。一例として、この工程S11では、設定部13が、工程S10で推定された熱伝達量に基づいて、時間tmの経過後のブレーキの温度の許容上限値を含む許容範囲ΔT2を設定する。
【0049】
続いて、検知装置1では、第2取得部12が、ブレーキの使用履歴に関する使用履歴情報を取得する(工程S12)。続いて、検知装置1では、設定部13が、工程S12で取得された使用履歴情報に基づいて、ブレーキの温度変化の傾向を推定する(工程S13)。そして、検知装置1では、工程S13で推定された傾向に基づいて、許容上限値の1つを設定する(工程S14)。一例として、この工程S14では、設定部13が、工程S13で推定された傾向に基づいて、時間tmの経過後のブレーキの温度の許容上限値を含む許容範囲ΔT3を設定する。
【0050】
続いて、検知装置1では、第2取得部12が、自車両の積載量及び/又は車重と、自車両の走行経路と、を含む走行状態に関する走行状態情報を取得する(工程S15)。続いて、検知装置1では、設定部13が、工程S15で取得された走行状態情報に基づいて、ブレーキの予想熱量を推定する(工程S16)。そして、検知装置1では、設定部13が、工程S16推定された予想熱量に基づいて、ブレーキの許容上限値の1つを設定する(工程S17)。一例として、この工程S17では、設定部13が、工程S16で推定された予想熱量に基づいて、時間tmの経過後のブレーキの温度の許容上限値を含む許容範囲ΔT1を設定する。
【0051】
以上により、複数(ここでは3つ)の要素に応じた許容上限値(一例として許容範囲ΔT1,ΔT2,ΔT3)が設定される。すなわち、この検知方法では、第2取得部12が、ブレーキの温度と異なる複数の要素に関する情報(外部環境情報、使用履歴情報、走行状態情報)を取得する第2取得工程と、設定部13が、複数の要素に関する情報のそれぞれに基づいて、ブレーキの温度の許容上限値を複数設定する設定工程と、を実施することとなる。
【0052】
なお、外部環境情報を取得して当該外部環境情報に応じた許容上限値の1つを設定するための工程S9~工程S11、使用履歴情報を取得して当該使用履歴情報に応じた許容上限値の1つを設定するための工程S12~工程S14、及び、走行状態情報を取得して当該走行状態情報に応じた許容上限値の1つを設定するための工程S15~工程S17は、上記と異なる順番で実施されてもよいし、互いに並行して実施されてもよい。
【0053】
引き続いて、検知装置1では、第1判定部21が、工程S11,S14,S17で設定された複数の許容上限値のうちの最も高い許容上限値である最大上限値を設定する(工程S18)。一例として、この工程S18では、第1判定部21が、上記の許容範囲ΔT1,ΔT2,ΔT3のそれぞれの上限値のうちの最大値を最大上限値Tsとして設定する。
【0054】
続いて、検知装置1では、第1取得部11が、工程S8でブレーキの温度の監視を開始してから一定の時間tmの経過した時点でのブレーキの温度を取得する(工程S19)。すなわち、この検知方法では、自車両に搭載されたブレーキの温度情報を取得する第1取得工程を実施することとなる。
【0055】
続いて、図4に示されるように、検知装置1では、第1判定部21が、工程S19で取得されたブレーキの温度が、工程S18で設定された最大上限値を超過するか否かの判定を行う(工程S20)。工程S20の判定の結果、ブレーキの温度が最大上限値を超過している場合(工程S20:YES)、第1判定部21が、自車両のブレーキに異常があると判定する(工程S21)。
【0056】
すなわち、この検知方法では、工程S19で取得された温度情報に基づいて、工程S20で設定された最大上限値をブレーキの温度が越えているか否かを判定し、ブレーキの温度が最大上限値を越えている場合にブレーキに異常があると判定する判定工程を実施することとなる。
【0057】
続く工程では、検知装置1が、例えば自車両の自動運転制御を行う制御ユニットに対して、ブレーキに異常がある旨を通知する(工程S22)。この工程S22では、自車両のドライバに対してブレーキに異常がある旨を通知してもよい。その後、自動運転にて自車両を退避させつつ停車させ(工程S23)、処理を終了する。
【0058】
一方、工程S20の判定の結果、ブレーキの温度が最大上限値を超過していない場合(工程S20:NO)、第1判定部21が、自車両のブレーキに異常がある懸念があると判定する(工程S24)。これは、工程S20でブレーキの温度が最大上限値を超過していなくても、工程S7において、簡易的にブレーキに異常があると判定されているためである。
【0059】
続いて、検知装置1が、例えば自車両の自動運転制御を行う制御ユニットに対して、ブレーキに異常がある懸念がある旨を通知する(工程S25)。この工程S25では、自車両のドライバに対してブレーキに異常の懸念がある旨を通知してもよい。その後、自車両が停車されてパーキングブレーキが作動されたか否かの判定を行い(工程S26)、自車両が停車されてパーキングブレーキが作動された場合(工程S26:YES)には、処理を終了する。一方、自車両が停車されずにパーキングブレーキが作動されていない場合(工程S26:NO)には、工程S8に戻り以降の工程を再度実施する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る検知装置1及び検知方法では、ブレーキの異常の有無の判定に際して、自車両のブレーキ以外の要素に関する情報が取得され、その要素に応じてブレーキの温度の許容上限値が設定される。自車両のブレーキ以外の要素とは、例えば、後述するように車両の走行状態や外部環境等である。そして、ブレーキの温度が当該許容上限値を越えているか否かに基づいてブレーキの異常の有無の判定が行われる。このように、本実施形態に係る検知装置1及び検知方法によれば、ブレーキ以外の要素を考慮して設定される閾値(許容上限値)に基づいて、ブレーキの異常判定が行われるため、ブレーキの異常の誤検知が抑制され、異常検知の精度の向上が図られる。
【0061】
特に、本実施形態に係る検知装置1及び検知方法では、ブレーキ以外の複数の要素のそれぞれについて許容上限値が設定され、その中の最大の上限値とブレーキの温度との比較が行われる。よって、より確実に誤検知を抑制が、異常検知の精度が確実に向上される。
【0062】
ここで、ブレーキの異常の有無の判定に用いるブレーキの温度の閾値(許容上限値)に関係する要素の一例としては、車両の積載量及び車重や、車両の走行経路及び走行状態が考えられる。これは、例えば、積載量が大きいほど、一定の減速量に対するブレーキの発熱量が大きくなったり、下り勾配やカーブがある経路を走行する場合にブレーキが多用されてブレーキの発熱量が大きくなったりする結果、ブレーキ引き摺り等の異常が発生していなくても、ブレーキが高温になりやすいためである。よって、許容上限値の設定の際にこれらに関する情報を考慮することにより、さらなる精度向上が見込まれる。
【0063】
そこで、本実施形態に係る検知装置1及び検知方法では、第2取得部12が、複数の要素の1つとして、自車両の積載量及び/又は車重と、自車両の走行経路と、を含む走行状態に関する情報を取得し、設定部13が、走行状態に関する情報に基づいてブレーキの予想熱量を推定すると共に、当該推定された予想熱量に基づいて許容上限値の1つを設定する。このため、ブレーキの異常の有無の判定に際して、このように設定された値を含む複数の許容上限値の最大のものとブレーキの温度との比較を行うことにより、より確実に精度向上が図られる。
【0064】
また、本実施形態に係る検知装置1及び検知方法では、第2取得部12が、複数の要素の1つとして、自車両の周囲の外気温と、自車両の周囲の降水雪の有無と、自車両の走行する路面の温度と、を含む外部環境に関する情報を取得し、設定部13が、外部環境に関する情報に基づいてブレーキの熱伝達量を推定すると共に、当該推定された熱伝達量に基づいて許容上限値の1つを設定する。このため、ブレーキの異常の有無の判定に際して、このように設定された値を含む複数の許容上限値の最大のものとブレーキの温度との比較を行うことにより、より確実に精度向上が図られる。
【0065】
また、本実施形態に係る検知装置1及び検知方法では、第2取得部12が、複数の要素の1つとして、ブレーキの使用履歴に関する情報を取得し、設定部13が、使用履歴に関する情報に基づいてブレーキの温度変化の傾向を推定すると共に、当該推定された傾向に基づいて許容上限値の1つを設定する。このため、ブレーキの異常の有無の判定に際して、このように設定された値を含む複数の許容上限値の最大のものとブレーキの温度との比較を行うことにより、より確実に精度向上が図られる。
【0066】
さらに、本実施形態に係る検知装置1では、現在の自車両の原動機出力、変速機の段数、変速機の変速比、及び、走行経路に基づいて、現在の自車両の走行に要しているエネルギーを推定すると共に、当該推定されたエネルギーを車両の現在の車速での走行に必要となるエネルギーと比較することにより、ブレーキの異常の有無を判定する第2判定処理を実行する第2判定部22をさらに備える。そして、本実施形態に係る検知装置1及び検知方法では、第1判定部21は、第2判定部22が第2判定処理においてブレーキに異常があると判定した場合に、第1判定処理を実行する。このため、第1判定処理に先立って、ブレーキの異常(引き摺り)の有無を簡易的に判定することができる。
【0067】
以上の実施形態は、本発明の一態様を説明したものである。したがって、本発明は、上記実施形態に限定されず、任意に変形され得る。
【0068】
例えば、上記実施形態では、ブレーキの温度以外の要素として、走行状態、外部環境、及び、使用履歴を例示し、それぞれについて許容上限値を含む許容範囲ΔT1,ΔT2,ΔT3を設定した。しかし、ブレーキの温度以外の要素はこれらに限定されず、さらには、これらの3つを併用する場合にも限定されない。例えば、ブレーキの温度以外の要素として、走行状態と外部環境の2つを採用し、それぞれに応じた2つの許容範囲ΔT1,ΔT2が設定されてもよい(他の組み合わせでもよい)。
【符号の説明】
【0069】
1…検知装置、11…第1取得部、12…第2取得部、13…設定部、21…第1判定部、22…第2判定部。
図1
図2
図3
図4