(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】タッチ表示パネル及びその製造方法、駆動方法、タッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20241017BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20241017BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20241017BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20241017BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20241017BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20241017BHJP
H10K 50/81 20230101ALI20241017BHJP
H10K 50/82 20230101ALI20241017BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20241017BHJP
【FI】
G06F3/041
H05B33/02
H05B33/04
H05B33/10
H05B33/14 A
H05B33/22 Z
H10K50/81
H10K50/82
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2020505270
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2019079825
(87)【国際公開番号】W WO2019223419
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-03-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】201810515682.8
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ドン シャンダン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ユンシェン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ティンリャン
(72)【発明者】
【氏名】マー ホンウェイ
【合議体】
【審判長】山澤 宏
【審判官】北元 健太
【審判官】富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-4925(JP,A)
【文献】特開2012-212076(JP,A)
【文献】特開2015-114704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0031512(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0349899(US,A1)
【文献】特開2001-93667(JP,A)
【文献】国際公開第2013/140632(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/041-3/047
H10K50/00-99/00
H05B33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板と、
前記アレイ基板の一側に設けられ
る画素定義層であって、
前記画素定義層によって定義されたサブ画素領域
内に発光層が設けられる画素定義層と、
前記画素定義層の前記アレイ基板から離れた側に設けられ、タッチ領域を複数のストリップ形状領域に分割する複数の電極分割ストリップと、
前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた側及び前記複数のストリップ形状領域内に設けられる分割電極層と、を備えるタッチ表示パネルであって、
前記分割電極層は、
前記複数のストリップ形状領域に位置する複数の第1電極ストリップと、
前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた表面に位置する複数の第2電極ストリップとを含み、
前記複数の第2電極ストリップと前記複数の第1電極ストリップとの間は、互いに絶縁され、
前記複数の第1電極ストリップのうちの少なくとも1つの前記第1電極ストリップは、第1レベル信号端子に接続され、且つ各隣り合う2つの前記第1電極ストリップの間は、互いに短絡されており;前記複数の第2電極ストリップのうちの各前記第2電極ストリップは、それぞれ第1タッチ信号端子に接続され、且つ前記複数の第2電極ストリップにおける各隣り合う2つの第2電極ストリップの間が互いに絶縁され、
前記タッチ表示パネルは、少なくともタッチ領域の両端の辺縁領域に設けられる第1レベル信号線をさらに含み、前記第1レベル信号線と前記複数の第1電極ストリップとは互いに垂直であり、且つ前記複数の第1電極ストリップの両端はそれぞれ、対応する側の第1レベル信号線に電気的に接続されている;
前記第1レベル信号端子は、前記第1レベル信号線を含み、
前記電極分割ストリップは、前記第1電極ストリップと前記第2電極ストリップとの間を電気的に絶縁する絶縁材料で形成され、
前記複数の第1電極ストリップは、前記発光層の前記アレイ基板から離れた表面に形成され、前記複数の第2電極ストリップは、前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた表面に形成されている、
タッチ表示パネル。
【請求項2】
前記タッチ領域の形状は、矩形を含み、
前記複数の第1電極ストリップは、前記タッチ領域の長手方向に沿って延び、
又は、前記複数の第1電極ストリップは、前記タッチ領域の幅方向に沿って延びる、請求項1に記載のタッチ表示パネル。
【請求項3】
前記電極分割ストリップの材料は、ポジ型フォトレジストを含み、前記電極分割ストリップの、前記電極分割ストリップの延在方向に垂直な断面は台形であり、前記台形の前記アレイ基板から離れた辺の長さは、前記台形の前記アレイ基板に近接する辺の長さより短く、
又は、前記電極分割ストリップの材料は、ネガ型フォトレジストを含み、前記電極分割ストリップの、前記電極分割ストリップの延在方向に垂直な断面は逆台形であり、前記逆台形の前記アレイ基板から離れた辺の長さは、前記逆台形の前記アレイ基板に近接する辺の長さより長い、請求項1に記載のタッチ表示パネル。
【請求項4】
前記複数の電極分割ストリップの延在方向は、前記画素定義層によって定義されたサブ画素領域の列方向に平行であり、隣り合う2つの前記電極分割ストリップの間に1列又は複数列のサブ画素領域が設けられ、
又は、前記複数の電極分割ストリップの延在方向は、前記画素定義層によって定義されたサブ画素領域の行方向に平行であり、隣り合う2つの前記電極分割ストリップの間に1行又は複数行のサブ画素領域が設けられる、請求項1~3のいずれかに記載のタッチ表示パネル。
【請求項5】
前記複数の第1電極ストリップのうちの少なくとも1つの第1電極ストリップは、対応するサブ画素領域内の前記発光層の前記アレイ基板から離れた表面に位置する、請求項4に記載のタッチ表示パネル。
【請求項6】
前記電極分割ストリップの前記アレイ基板に垂直な方向における厚さは1μm~2μmであり、
前記分割電極層の前記アレイ基板に垂直な方向における厚さは10nm~20nmである、請求項1~3のいずれかに記載のタッチ表示パネル。
【請求項7】
前記分割電極層の前記アレイ基板から離れた側に設けられる薄膜封止層と、
前記薄膜封止層の前記アレイ基板から離れた側に設けられるタッチ電極層とをさらに含み、
前記タッチ電極層は、前記複数の第1電極ストリップ又は前記複数の第2電極ストリップと交差配置する複数の第3電極ストリップを含み、前記複数の第3電極ストリップはそれぞれ、第2タッチ信号端子に接続され、且つ前記複数の第3電極ストリップにおける各隣り合う2つの第3電極ストリップの間が互いに絶縁されている、請求項1~3のいずれかに記載のタッチ表示パネル。
【請求項8】
前記複数の第3電極ストリップと前記複数の第1電極ストリップ又は前記複数の第2電極ストリップとは、互いに垂直である、請求項7に記載のタッチ表示パネル。
【請求項9】
アレイ基板を製造するステップと、
前記アレイ基板の一側に画素定義層を形成し、前記画素定義層によって定義されたサブ画素領域
内に発光層を形成するステップと、
前記画素定義層の前記アレイ基板から離れた側に、タッチ領域を複数のストリップ形状領域に分割する複数の電極分割ストリップを形成するステップと、
前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた側及び前記複数のストリップ形状領域内に電極材料を堆積し、分割電極層を形成するステップとを備え、
前記電極材料を堆積する過程において、前記分割電極層は、前記複数の電極分割ストリップによって分割され、前記複数のストリップ形状領域に位置する複数の第1電極ストリップと、前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた表面に位置する複数の第2電極ストリップとを形成し、且つ前記複数の第1電極ストリップと前記複数の第2電極ストリップとの間は、互いに絶縁され、
前記複数の第1電極ストリップのうちの少なくとも1つの前記第1電極ストリップは、第1レベル信号端子に接続され、且つ各隣り合う2つの前記第1電極ストリップの間は、互いに短絡されており;前記複数の第2電極ストリップのうちの各前記第2電極ストリップは、それぞれ第1タッチ信号端子に接続され、且つ前記複数の第2電極ストリップにおける各隣り合う2つの第2電極ストリップの間が互いに絶縁され、
タッチ表示パネルは、少なくともタッチ領域の両端の辺縁領域に設けられる第1レベル信号線をさらに含み、前記第1レベル信号線と前記複数の第1電極ストリップとは互いに垂直であり、且つ前記複数の第1電極ストリップの両端はそれぞれ、対応する側の第1レベル信号線に電気的に接続されている;
前記第1レベル信号端子は、前記第1レベル信号線を含み、
前記電極分割ストリップは、前記第1電極ストリップと前記第2電極ストリップとの間を電気的に絶縁する絶縁材料で形成され、
前記複数の第1電極ストリップは、前記発光層の前記アレイ基板から離れた表面に形成され、前記複数の第2電極ストリップは、前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた表面に形成されている、
タッチ表示パネルの製造方法。
【請求項10】
前記分割電極層の前記アレイ基板から離れた側に薄膜封止層を形成するステップと、
前記薄膜封止層の前記アレイ基板から離れた側にタッチ電極層を形成し、前記タッチ電極層は、前記複数の第1電極ストリップ又は前記複数の第2電極ストリップと交差して配置される複数の第3電極ストリップを含み、且つ前記複数の第3電極ストリップにおける各隣り合う2つの第3電極ストリップの間が互いに絶縁されているステップとをさらに備える、請求項9に記載のタッチ表示パネルの製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載のタッチ表示パネルに適用され、
1フレームの時間内に、前記複数の第1電極ストリップに第1レベル信号を印加し、さらに前記複数の第2電極ストリップにそれぞれ第1タッチ信号を伝送させるステップを含む、タッチ表示パネルの駆動方法。
【請求項12】
請求項1~8のいずれかに記載のタッチ表示パネルを備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
この出願は、2018年05月25日に提出された、出願番号が201810515682.8で、発明の名称が「タッチ表示パネル及びその製造方法、駆動方法、タッチ表示装置」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、表示技術分野に関し、特にタッチ表示パネル及びその製造方法、駆動方法、タッチ表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
OLED(Organic Light Emitting Diode、自発光有機発光ダイオード)表示装置は、自発光、高コントラスト、高色域、広視野角、薄型軽量構造及びフレキシブル性の両立などの特徴により、表示業界からますます注目及び重視されており、次世代の表示技術の1つと呼ばれる。さらに、表示技術の弛まぬ発展に伴い、タッチ構造が表示装置に集積されることもますます多くなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、タッチ表示パネルを提供する。前記タッチ表示パネルは、アレイ基板と、前記アレイ基板の一側に設けられ、定義されたサブ画素領域に発光層が配置される画素定義層と、前記画素定義層の前記アレイ基板から離れた側及び前記複数のストリップ形状領域内に設けられ、タッチ領域を複数のストリップ形状領域に分割する複数の電極分割ストリップと、前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた側に設けられる分割電極層と、を備える。
前記分割電極層は、前記複数のストリップ形状領域に位置する複数の第1電極ストリップと、前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた表面に位置する複数の第2電極ストリップとを含み、前記複数の第2電極ストリップと前記複数の第1電極ストリップとの間は、互いに絶縁されている。
【0005】
本開示の幾つかの実施例において、前記複数の第1電極ストリップのうちの少なくとも1つの前記第1電極ストリップは、第1レベル信号端子に接続され、且つ各隣り合う2つの前記第1電極ストリップの間は、互いに短絡されており;前記複数の第2電極ストリップのうちの各前記第2電極ストリップは、それぞれ第1タッチ信号端子に接続され、且つ前記複数の第2電極ストリップの間は、2つずつ絶縁されている。
【0006】
本開示の幾つかの実施例において、前記タッチ表示パネルは、少なくともタッチ領域の両端の辺縁領域に設けられる第1レベル信号線をさらに含む。前記第1レベル信号線と前記複数の第1電極ストリップとは互いに垂直であり、且つ前記複数の第1電極ストリップの両端はそれぞれ、対応する側の第1レベル信号線に電気的に接続されている;前記第1レベル信号端子は、前記第1レベル信号線を含む。
【0007】
本開示の幾つかの実施例において、前記複数の第1電極ストリップのうちの各前記第1電極ストリップはそれぞれ、第1レベル信号端子及び第1タッチ信号端子に接続され、且つ前記複数の第1電極ストリップの間は、2つずつ絶縁されている。
【0008】
本開示の幾つかの実施例において、前記タッチ領域の形状は、矩形を含む。ここで、前記複数の第1電極ストリップは、前記タッチ領域の長手方向に沿って延びる。又は、前記複数の第1電極ストリップは、前記タッチ領域の幅方向に沿って延びる。
【0009】
本開示の幾つかの実施例において、前記電極分割ストリップの材料は、ポジ型フォトレジストを含み、前記電極分割ストリップの、前記電極分割ストリップの延在方向に垂直な断面は台形であり、前記台形の前記アレイ基板から離れた辺の長さは、前記台形の前記アレイ基板に近接する辺の長さより短い。又は、前記電極分割ストリップの材料は、ネガ型フォトレジストを含み、前記電極分割ストリップの、前記電極分割ストリップの延在方向に垂直な断面は逆台形であり、前記逆台形の前記アレイ基板から離れた辺の長さは、前記逆台形の前記アレイ基板に近接する辺の長さより長い。
【0010】
本開示の幾つかの実施例において、前記複数の電極分割ストリップの延在方向は、前記画素定義層によって定義されたサブ画素領域の列方向に平行であり、隣り合う2つの前記電極分割ストリップの間に1列又は複数列のサブ画素領域が設けられる。又は、前記複数の電極分割ストリップの延在方向は、前記画素定義層によって定義されたサブ画素領域の行方向に平行であり、隣り合う2つの前記電極分割ストリップの間に1行又は複数行のサブ画素領域が設けられる。
【0011】
本開示の幾つかの実施例において、前記複数の第1電極ストリップのうちの少なくとも1つの第1電極ストリップは、対応するサブ画素領域内の前記発光層の前記アレイ基板から離れた表面に位置する。本開示の幾つかの実施例において、前記電極分割ストリップの前記アレイ基板に垂直な方向における厚さは1μm~2μmであり、前記分割電極層の前記アレイ基板に垂直な方向における厚さは10nm~20nmである。
【0012】
本開示の幾つかの実施例において、前記タッチ表示パネルは、前記分割電極層の前記アレイ基板から離れた側に設けられる薄膜封止層と、前記薄膜封止層の前記アレイ基板から離れた側に設けられるタッチ電極層とをさらに含む。前記タッチ電極層は、前記複数の第1電極ストリップ又は前記複数の第2電極ストリップと交差配置する複数の第3電極ストリップを含み、前記複数の第3電極ストリップはそれぞれ、第2タッチ信号端子に接続され、且つ前記複数の第3電極ストリップの間は、2つずつ絶縁されている。
【0013】
本開示の幾つかの実施例において、前記複数の第3電極ストリップと前記複数の第1電極ストリップ又は前記複数の第2電極ストリップとは、互いに垂直である。
【0014】
別の一態様では、タッチ表示パネルの製造方法を提供する。前記製造方法は、
アレイ基板を製造するステップと、
前記アレイ基板の一側に画素定義層を形成し、前記画素定義層によって定義されたサブ画素領域に発光層を形成するステップと、
前記画素定義層の前記アレイ基板から離れた側に、タッチ領域を複数のストリップ形状領域に分割する複数の電極分割ストリップを形成するステップと、
前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた側及び前記複数のストリップ形状領域内に電極材料を堆積し、分割電極層を形成するステップとを備える。
前記電極材料を堆積する過程において、前記分割電極層は、前記複数の電極分割ストリップによって分割され、前記複数のストリップ形状領域に位置する複数の第1電極ストリップと、前記複数の電極分割ストリップの前記アレイ基板から離れた表面に位置する複数の第2電極ストリップとを形成し、且つ前記複数の第1電極ストリップと前記複数の第2電極ストリップとの間は、互いに絶縁されている。
【0015】
本開示の幾つかの実施例において、前記タッチ表示パネルの製造方法は、
前記分割電極層の前記アレイ基板から離れた側に薄膜封止層を形成するステップと、
前記薄膜封止層の前記アレイ基板から離れた側にタッチ電極層を形成し、前記タッチ電極層は、前記複数の第1電極ストリップ又は前記複数の第2電極ストリップと交差して配置される複数の第3電極ストリップを含み、且つ前記複数の第3電極ストリップの間は、2つずつ絶縁されているステップとをさらに備える。
【0016】
さらに別の一態様では、タッチ表示パネルの駆動方法を提供する。前記駆動方法は、1フレームの時間内に、前記複数の第1電極ストリップに第1レベル信号を印加し、さらに前記複数の第2電極ストリップにそれぞれ第1タッチ信号を伝送させるステップを含む。
【0017】
さらに別の一態様では、タッチ表示パネルの駆動方法を提供する。前記駆動方法は、1フレームの時間内の表示期間内に、前記複数の第1電極ストリップに第1レベル信号を印加するステップと、1フレームの時間内のタッチ期間内に、前記複数の第1電極ストリップにそれぞれ第1タッチ信号を伝送させるステップとを含む。
【0018】
さらに別の一態様では、上述のタッチ表示パネルを備えるタッチ表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の幾つかの実施例における技術案をより明確に説明するために、以下は実施例の説明に用いられる図面について簡単に説明するが、言うまでもなく、以下の説明における図面は、本開示の幾つかの実施例に過ぎなく、当業者であれば、格別創意を要することなく、これらの図面によって他の図面が取得できる。
【
図1】関連技術による従来のOLED表示パネルの構造を示す図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示パネルの構造を示す断面図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施例に係る別のタッチ表示パネルの構造を示す断面図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示パネルの構造を示す平面図である。
【
図5】本開示の幾つかの実施例に係る別のタッチ表示パネルの構造を示す平面図である。
【
図6】本開示の幾つかの実施例に係るさらに別のタッチ表示パネルの構造を示す平面図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【
図8】本開示の幾つかの実施例に係る別のタッチ表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【
図9】
図8に示されたタッチ表示パネルの製造方法の各ステップを示す図である。
【
図10】
図8に示されたタッチ表示パネルの製造方法の各ステップを示す図である。
【
図11】
図8に示されたタッチ表示パネルの製造方法の各ステップを示す図である。
【
図12】
図8に示されたタッチ表示パネルの製造方法の各ステップを示す図である。
【
図13】
図8に示されたタッチ表示パネルの製造方法の各ステップを示す図である。
【
図14】
図8に示されたタッチ表示パネルの製造方法の各ステップを示す図である。
【
図15】
図8に示されたタッチ表示パネルの製造方法の各ステップを示す図である。
【
図16】本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示パネルの駆動方法のタイミングチャートである。
【
図17】本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
OLED表示装置に集積されるタッチ構造は現在、主に以下の3種類の構造がある。
(1)OLED表示パネルの上にタッチ感応モジュールを個別に貼り合わせ、この構造はアドオン型構造と呼ばれる。
(2)OLED表示パネルの薄膜封止層(Thin Film Encapsulation、TFE)の上に、多層フィルムオンセル(Muti Layer On Cell、MLOC)のタッチ構造を直接製造する。
(3)OLED表示パネルのカソード層を、複数のブロック電極にパターニングする。各ブロック電極を多重化することにより、カソード機能とタッチ感応機能とを実現する。
【0021】
前述した(1)及び(2)に記載の構造には、構造が複雑で、表示パネルの厚さが比較的厚く、製造コストが比較的高いという欠点がある。(3)に記載の構造は、構造が簡単で、表示パネルの厚さが比較的薄く、製造コストが比較的低いが、カソード層がブロック電極にパターニングされると、カソード抵抗が極めて大幅に増大することになり、これによりカソードの電圧降下が極めて大幅に増加し、表示パネルの消費電力が増大する。
【0022】
これに基づき、本開示の幾つかの実施例における図面を参照し、本開示の幾つかの実施例における技術案に対して明確かつ完全な説明を行う。勿論、ここに記載された実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではない。本開示における幾つかの実施例に基づいて、当業者が格別の創意がなく容易に想到できる他のすべての実施例は、本開示の権利範囲に属するものとする。
【0023】
本開示の幾つかの実施例はOLED表示パネルを適用場面とし、以下では、まず従来のOLED表示パネルの構造を簡単に紹介する。指摘されるべきなのは、本開示の幾つかの実施例が基づく適用場面は単なる例示であり、当業者は、本開示の幾つかの実施例の発明思想を他の場面に適用することができる。
【0024】
図1に示すように、従来のOLED表示パネル100は、主に、アレイ基板1、画素定義層2、発光層3、カソード層4及び薄膜封止層5を含む。アレイ基板1は、ベース基板、ベース基板上に設けられる薄膜トランジスタアレイ、及び薄膜トランジスタアレイのベース基板から離れた側に設けられる複数の画素電極を含む。ここで、複数の画素電極は、各サブ画素の駆動用薄膜トランジスタと一対一に接続されている。画素定義層2は、OLED表示パネルの各サブ画素領域を定義するように配置される。発光層3は、画素定義層2によって定義された各サブ画素領域内に位置している。カソード層4は、画素定義層2及び発光層3のアレイ基板1から離れた表面を覆っている。1つのサブ画素領域内の画素電極、発光層3及びカソード層4は、1つの発光素子を構成する。薄膜封止層5は、カソード層4のアレイ基板1と背向する側を覆い、各発光素子を封止する役割を果たす。
【0025】
図2及び
図3に示すように、本開示の幾つかの実施例は、タッチ構造の
タッチ表示パネル
200内の集積を実現するタッチ表示パネル200を提供する。タッチ表示パネル200は、アレイ基板1、及びアレイ基板1の一側に設けられる画素定義層2を含む。画素定義層2によって定義されたサブ画素領域には、発光層3が設けられている。タッチ表示パネル200は、画素定義層2のアレイ基板1から離れた側に設けられる複数の電極分割ストリップ6、及び前記複数の電極分割ストリップ6のアレイ基板1から離れた側に設けられる分割電極層7をさらに含む。
【0026】
図2~
図6に示すように、複数の電極分割ストリップ6は、タッチ領域を複数のストリップ形状領域に分割する。分割電極層7は、複数のストリップ形状領域に位置する複数の第1電極ストリップ71、及び複数の電極分割ストリップ6のアレイ基板1から離れた表面に位置する複数の第2電極ストリップ72を含む。前記複数の第1電極ストリップ71と前記複数の第2電極ストリップ72との間は、互いに絶縁されている。
【0027】
ここでは、タッチ表示パネル200のタッチ領域も表示領域であり、タッチ領域は、画素定義層2によって定義された各サブ画素領域を含む。これにより、複数の電極分割ストリップ6によって分割されたストリップ形状領域の少なくとも一部には、発光層3を有し、発光層3のアレイ基板1から離れた表面は、分割電極層7における第1電極ストリップ71の少なくとも一部によって覆われている。即ち、分割電極層7の複数の第1電極ストリップ71のうちの少なくとも1つの第1電極ストリップ71は、対応する発光層3が属する発光素子の1つの電極として、対応するサブ画素領域において発光層3のベース基板1から離れた表面に位置する。さらに
図2~
図6に示すように、複数の電極分割ストリップ6は、画素定義層2のアレイ基板1から離れた側に設けられ、即ち複数の電極分割ストリップ6が、それぞれ2行又は2列のサブ画素領域の間の隙間領域に設けられることに相当し、これにより、各電極分割ストリップ6が対応するサブ画素領域の発光を遮断することを防止することができる。
【0028】
例示的には、複数の電極分割ストリップ6の間は、互いに平行又は互いに略平行であり、隣り合う2つの電極分割ストリップ6の間には、一定の間隔が設けられ、これにより各2つの電極分割ストリップ6の間には、いずれも1つのストリップ形状領域が存在する。各隣り合う2つの電極分割ストリップ6間の間隔領域は、少なくとも1行又は1列のサブ画素領域である。さらに、各隣り合う2つの電極分割ストリップ6間の間隔領域の大きさは同じであり、これにより後続に形成される複数の第1電極ストリップ71及び第2電極ストリップ72を均等に分布させることができ、タッチ表示パネルの性能向上に寄与する。
【0029】
また、複数の電極分割ストリップ6の延在方向は、各サブ画素領域が配列される列方向に平行であってもよく、又は各サブ画素領域が配列される行方向に平行であってもよく、これは後続に形成される複数の第1電極ストリップ71及び複数の第2電極ストリップ72の設計要件に対応して決定される。電極分割ストリップ6が、各サブ画素領域が配列される列方向に平行であると、隣り合う2つの電極分割ストリップ6の間には、1列又は複数列のサブ画素領域が介在する。電極分割ストリップ6が、各サブ画素領域が配列される行方向に平行であると、隣り合う2つの電極分割ストリップ6の間には、1行又は複数行のサブ画素領域が介在する。
【0030】
隣り合う2つの電極分割ストリップ6の間に1列(又は1行)のサブ画素領域が介在する時、各列(又は各行)のサブ画素領域には、いずれも1つの第1電極ストリップ71及び1つの第2電極ストリップ72が対応して存在する。第1電極ストリップ71及び第2電極ストリップ72の数が比較的多いことにより、タッチポイントの数が比較的多くなり、こうしてタッチ表示パネル200のタッチ精度を向上させることができる。
隣り合う2つの電極分割ストリップ6の間に複数列(又は複数行)のサブ画素領域が介在する時、複数列(又は複数行)のサブ画素領域には、1つの第1電極ストリップ71及び1つの第2電極ストリップ72が対応して存在する。これにより、分割電極層7が分割される数が比較的少なく、即ち第1電極ストリップ71の数が比較的少ないことを意味する。しかしながら、各第1電極ストリップ71の面積はいずれも比較的大きいので、発光素子の1つの電極として機能する(対応するサブ画素領域の発光層3を覆う)時の抵抗を低減させることができ、これにより発光素子の1つの電極である第1電極ストリップ71での電圧降下が低減される。
【0031】
理解すべきなのは、電極分割ストリップ6の形成材料は絶縁材料であり、後続に形成される第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72との間の電気的絶縁を保証することができる。選択的には、電極分割ストリップ6の形成材料はフォトレジストであり、画素定義層2及び発光層3のアレイ基板1から離れた表面にフォトレジスト層を塗布し、さらにフォトレジスト層の特定の領域を露光及び現像することによって、必要な電極分割ストリップ6を形成することができる。
【0032】
これに基づき、さらに、電極分割ストリップ6を作製するフォトレジストの種類が異なるため、最終的に形成される電極分割ストリップ6の形状も異なる。例示的には、電極分割ストリップ6の材料はポジ型フォトレジストである。ポジ型フォトレジストは、露光後に不溶性フォトレジストから可溶性フォトレジストに変化するため、電極分割ストリップ6を作製するには、フォトレジスト層の非電極分割ストリップ領域を露光する必要がある。従って、
図2に示すように、最終的に形成された電極分割ストリップ6の、アレイ基板1に垂直で、且つ電極分割ストリップ6の延在方向に垂直な断面は、台形である。反対の場合、電極分割ストリップ6の材料がネガ型フォトレジストである。ネガ型フォトレジストは、露光後に可溶性フォトレジストから不溶性フォトレジストに変化するため、電極分割ストリップ6を作製するには、フォトレジスト層の電極分割ストリップ領域を露光する必要がある。従って、
図3に示すように、最終的に形成された電極分割ストリップ6の、アレイ基板1に垂直で、且つ電極分割ストリップ6の延在方向に垂直な断面は、逆台形である。
【0033】
説明すべきなのは、「台形」とは、アレイ基板1に平行な2辺のうち、アレイ基板1から離れた辺の長さが、アレイ基板1に近接する辺の長さよりも短いことを指す。これに対し、「逆台形」とは、アレイ基板1に平行な2辺のうち、アレイ基板1から離れた辺の長さが、アレイ基板1に近接する辺の長さよりも長いことを指す。
【0034】
指摘される必要があるのは、断面が台形である電極分割ストリップ6と比較して、断面が逆台形である電極分割ストリップ6の側壁は、その底面(即ち、画素定義層2と接する面)に対して鈍角をなすため、後続の第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72を同時に形成するように分割電極層7を堆積する過程において、第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72との間は、より容易に切断される。言い換えると、分割電極層7はより完全に切断されやすく、且つ切断残留がより少ない。
【0035】
さらに、電極分割ストリップ6の厚さ(即ち、アレイ基板1に垂直な方向の寸法)と分割電極層7の厚さをそれぞれ個別に設計することにより、後続の第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72を同時に形成するように分割電極層7を堆積する過程において、第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72との間は、容易に切断でき、さらに両者の間の電極材料の残留を低減することを保証することもできる。例えば、タッチ表示パネル全体の厚さを顕著に増加させないことを保証するという前提で、電極分割ストリップ6の厚さを可能な限り厚くする。そして、第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72との良好な導電性能が確保されるという前提で、分割電極層7の厚さを可能な限り薄くする。こうして、電極分割ストリップ6の表面に分割電極層7を堆積する過程で、第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72との間は、比較的容易に分割することができる。
【0036】
選択的には、電極分割ストリップ6の厚さは1μm~2μmであり、分割電極層7の厚さは10nm~20nmである。両者の厚さが全く同程度ではないので、分割電極層7を電極分割ストリップ6上に堆積する時に容易に分割され、第1電極ストリップ71と第2電極ストリップ72を形成することができる。
【0037】
さらに
図2及び
図3に示すように、本開示の幾つかの実施例において、タッチ表示パネル200に含まれる複数の第1電極ストリップ71は、複数の電極分割ストリップ6がタッチ領域を分割してなる複数のストリップ形状領域内、及び発光層3のアレイ基板1から離れた表面に対応して位置する。タッチ表示パネル200に含まれる複数の第2電極ストリップ72は、複数の電極分割ストリップ6のアレイ基板1から離れた表面に対応して位置する。各第1電極ストリップ71と各第2電極ストリップ72とは、交互に配置される。これにより、複数の電極分割ストリップ6及び発光層3のアレイ基板1から離れた表面に電極材料を堆積する時、複数の第1電極ストリップ71及び複数の第2電極ストリップ72を一括で形成することができ、且つ両者の間を自然に分離させ、しかも絶縁を保持することができる。
【0038】
タッチ表示パネル200は、表示機能とタッチ機能を同時に備えている。本開示の幾つかの実施例において、
図4及び
図5に示すように、複数の第1電極ストリップ71のうちの少なくとも1つの第1電極ストリップ71は第1レベル信号端子(例えば、共通電圧信号端子VSS)に接続され、且つ各隣り合う2つの第1電極ストリップ71の間は、互いに短絡される。これにより、各第1電極ストリップ71の電位は、第1レベル信号端子によって提供される電位である。各第1電極ストリップ71は、対応するサブ画素領域内の発光素子の1つの電極として用いることができ、これによりタッチ表示パネルの表示機能が実現できることを確保する。同時に、さらに
図4及び
図5に示すように、複数の第2電極ストリップ72の各々は、それぞれ第1タッチ信号端子S1に接続され、且つ複数の第2電極ストリップ72の間は、2つずつ絶縁されている。これにより、各第2電極ストリップ72は、いずれも第1タッチ信号端子S1と第1タッチ信号を伝送することができ、且つ異なる第2電極ストリップ72によって伝送される第1タッチ信号の間が互いに干渉しないことを確保し、これによりタッチ表示パネルのタッチ機能が実現できることを確保する。
【0039】
これにより、本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示パネル200が上述した構造を採用する時、タッチ表示パネル200における表示機能とタッチ機能を同時に行うことができ、且つ該2つの機能は互いに独立しており、互いの干渉が少ない。タッチ表示パネル200は、より良好な表示効果、及びより高いタッチ感度を有することができる。
【0040】
説明すべきなのは、通常の場合、アレイ基板1には、各サブ画素領域にそれぞれ対応する画素電極が、対応する発光素子のアノードとして設けられている。上記の複数の第1電極ストリップ71のうち発光層3を覆う各第1電極ストリップ71は、対応する発光層3が属する発光素子のカソードとして機能する。また、各隣り合う2つの第1電極ストリップ71の間が互いに短絡されているため、各第1電極ストリップ71の間は互いに接続されており、これにより、1つのみ又は少数の幾つかの第1電極ストリップ71が第1レベル信号端子(例えばVSS信号端子)に接続されていても、各第1電極ストリップ71の電位を、全て第1レベル信号端子によって供給される電位(例えば、共通電圧VSS)に揃えることができる。このように、本開示の幾つかの実施例において、1つ又は少数の幾つかの第1電極ストリップ71が第1レベル信号端子(例えばVSS信号端子)に接続されることは、各第1電極ストリップ71と第1レベル信号端子との間の接続構造を簡素化することができる。もちろん、本開示の幾つかの実施例は、多数、ひいては全部の第1電極ストリップ71が全て第1レベル信号端子(例えばVSS信号端子)に接続する構造を採用することも可能である。こうして、第1レベル信号端子によって提供される電位信号(例えばVSS信号)が伝送中に発生する損失を低減することができる。
【0041】
説明すべきなのは、本開示の幾つかの実施例に言及される「第1タッチ信号」は、駆動信号又は感応信号である。第1タッチ信号が駆動信号である場合、各第2電極ストリップ72は、タッチ構造中の駆動線T(例えば、
図5におけるT1、T2、…、Tn)として機能する。第1タッチ信号が感応信号である場合、各第2電極ストリップ72は、タッチ構造中の感応線R(例えば、
図4におけるR1、R2、…、Rn)として機能する。
【0042】
さらに、本開示の幾つかの実施例に言及される「第1レベル信号端子」とは、対応する第1電極ストリップ71が、第1レベル信号(例えばVSS信号)を提供するように配置された部品に接続されるノード、ポート又はガイドワイヤを指す。同様に、「第1レベル信号端子」とは、対応する第2電極ストリップ72が、第1タッチ信号を提供又は読取るように配置された部品に接続されるノード、ポート又はガイドワイヤを指す。
【0043】
これに基づき、1つの可能な設計として、
図4に示す
ように、タッチ表示パネル200は、少なくともアレイ基板1におけるタッチ領域Aの両端の辺縁領域(例えば、A1領域及びA2領域)に設けられる第1レベル信号線(以下はVSS信号線と称する)をさらに含む。VSS信号線と各第1電極ストリップ71とは互いに垂直で、且つ各第1電極ストリップ71の両端は、それぞれ対応する側のVSS信号線に電気的に接続されて、各第1電極ストリップ71の間が互いに短絡され、且つVSS信号端子に接続されるという目的を実現し、これによりタッチ表示パネルにおいて各第1電極ストリップ71の間を互いに短絡させるために必要な総配線数を低減することができる。
第1レベル信号端子は、第1レベル信号線を含む。
【0044】
さらに、
図5に示すように、本開示の幾つかの実施例において、VSS信号線は枠状構造を採用し、即ちアレイ基板1におけるタッチ領域Aの辺縁領域にVSS信号線をクローズした形式で設け、こうして
図4のA1領域とA2領域に設けられたVSS信号線の間を、互いに電気的に接続することができ、これによりそれらにそれぞれVSS信号を伝送するために設けられる構造及び配線を省略することができる。
第1レベル信号端子は、第1レベル信号線を含む。
【0045】
説明すべきなのは、VSS信号線は、アレイ基板1中に設けられ、例えば、アレイ基板1中のソース・ドレイン金属層に設けられる。VSS信号線は、薄膜トランジスタアレイ内の各薄膜トランジスタのソース及びドレインと同時に形成される。又は、さらに例えば、VSS信号線は、アレイ基板1中の画素電極層に設けられる。VSS信号線は、画素電極と同時に形成される。これにより、タッチ表示パネル200の製造工程を簡素化することができる。各第1電極ストリップ71とVSS信号線とが同層に配置されていない時、各第1電極ストリップ71とVSS信号線との間は、ビアを介して電気的接続を実現する。また、各第2電極ストリップ72のアレイ基板1に近接する側が、少なくとも電極分割ストリップ6及び画素定義層2を含む絶縁膜層を有するため、各第2電極ストリップ72の両端とVSS信号線との間は、これらの絶縁膜層によって離間されて電気的絶縁を保持する。
【0046】
さらに、本開示の幾つかの実施例に記載の「第1レベル信号端子」は通常、ローレベル信号端子である。相応的には、前述の「第1レベル信号線」は通常、ローレベル信号線であり、「第1レベル信号」は通常、ローレベル信号である。
【0047】
図4及び
図5に示す構造とは異なり、本開示の幾つかの実施例において、
図6に示すように、複数の第1電極ストリップ71のうちの各第1電極ストリップ71はそれぞれ、第1レベル信号端子(例えばVSS信号端子)及び第1タッチ信号端子S1に接続され、且つ複数の第1電極ストリップ71の間は、2つずつ絶縁されている。各第1電極ストリップ71は、時分割多重化されてもよい。例えば、1フレームの時間を、表示期間t1とタッチ期間t2に分割する。表示期間t1では、第1レベル信号端子(例えばVSS信号端子)を介して各第1電極ストリップ71に第1レベル信号を入力し、各第1電極ストリップ71は、対応するサブ画素領域内の発光素子の1つの電極として用いることができ、これによりタッチ表示パネルの表示機能が実現できることを確保する。タッチ期間t2では、第1タッチ信号端子S1を介して各第1電極ストリップ71に第1タッチ信号を入力し、又は第1タッチ信号端子S1を介して各第1電極ストリップ71から第1タッチ信号を読み取り、これにより各第1電極ストリップ71と第1タッチ信号端子S1との間の第1タッチ信号の伝送を実現する。各第1電極ストリップ71の間は互いに絶縁されるため、異なる第1電極ストリップ71によって伝送される第1タッチ信号の間は互いに干渉しなく、これによりタッチ表示パネルのタッチ機能が実現できることを確保する。
【0048】
本開示の幾つかの実施例が
図6に示す構造を採用する場合、第2電極ストリップ72を使用せず、各第1電極ストリップ71を時分割多重化することにより、タッチ表示パネル200の表示機能及びタッチ機能を実現することができる。従って、第1電極ストリップ71及び第2電極ストリップ72の延在方向がその長手方向である場合、第1電極ストリップ71の幅が第2電極ストリップ72の幅よりも大きい設計を採用する。各第1電極ストリップ71の幅は、可能な限り広く設定される(この幅は、対応するサブ画素領域内の発光層3の面積によって制限されない)。各第2電極ストリップ72の幅は、可能な限り狭く設定される。これにより、各第1電極ストリップ71における抵抗を可能な限り低減することができ、各第1電極ストリップ71における電圧降下をさらに低減することに寄与する。さらに、各第1電極ストリップ71がタッチ構造における感応線Rとして用いられる時、各第1電極ストリップ71の抵抗が小さいほど、各第1電極ストリップ71によって得られる感応信号の信号対雑音比が高くなり、これによりタッチ表示パネル200が良好なタッチ効果を有するのを確保することができる。また、1つの可能な設計として、各第1電極ストリップ71と第1レベル信号端子(例えば、VSS信号端子)との間に絶縁膜層が設けられる。各第1電極ストリップ71は、それぞれ絶縁膜層中に設けられた対応するビアを介して第1レベル信号端子(例えば、VSS信号端子)に接続される。これにより、各第1電極ストリップ71の間が互いに絶縁することを保証するという前提で、第1レベル信号端子(例えば、VSS信号端子)によって提供された第1レベル信号を各第1電極ストリップ71に入力する。
【0049】
本開示の幾つかの実施例において、タッチ表示パネル200のタッチ領域Aは、矩形に設置される。
図4に示すように、各第1電極ストリップ71及び各第2電極ストリップ72は、タッチ領域Aの長手方向Yに沿って延び、即ち、各第1電極ストリップ71及び各第2電極ストリップ72は、タッチ領域Aの長辺に平行である。又は、
図5に示すように、各第1電極ストリップ71及び各第2電極ストリップ72は、タッチ領域Aの幅方向Xに沿って延び、即ち、各第1電極ストリップ71及び各第2電極ストリップ72は、タッチ領域Aの短辺に平行である。指摘されるべきなのは、各第1電極ストリップ71がタッチ領域Aの長手方向Yに沿って延びる設計に対して、各第1電極ストリップ71がタッチ領域Aの幅方向Xに沿って延びる設計は、各第1電極ストリップ71の長さをより短くすることができる。こうして、各第1電極ストリップ71の抵抗をさらに低減し、ひいては各第1電極ストリップ71における電圧降下をさらに低減させることができる。
【0050】
さらに、本開示の幾つかの実施例において、
図2~
図6に示すように、タッチ表示パネル200は、分割電極層7のアレイ基板1から離れた側に設けられる薄膜封止層5と、薄膜封止層5のアレイ基板1から離れた側に設けられるタッチ電極層とをさらに含む。タッチ電極層は、複数の第1電極ストリップ71又は複数の第2電極ストリップ72と交差して配置される複数の第3電極ストリップ9を含む。各第3電極ストリップ9は、第2タッチ信号を伝送するように、それぞれ第2タッチ信号端子S2に接続され、且つ第3電極ストリップ9の間は、2つずつ絶縁されている。さらに、前記複数の第3電極ストリップ9と前記複数の第1電極ストリップ71とは、互いに垂直である。又は、前記複数の第3電極ストリップ9と前記複数の第2電極ストリップ72とは、互いに垂直である。
【0051】
説明すべきなのは、上記の幾つかの実施例において、薄膜封止層5は、一方で発光層3の有機発光材料を外部環境における水蒸気から保護することができ、他方で複数の第1電極ストリップ71及び複数の第2電極ストリップ72と複数の第3電極ストリップ9との間の絶縁層として用いることもできる。
【0052】
各第1電極ストリップ71(又は各第2電極ストリップ72)が第1タッチ信号を伝送し、且つ各第3電極ストリップ9が第2タッチ信号を伝送する時、各第1電極ストリップ71(又は各第2電極ストリップ72)と各第3電極ストリップ9との間は、薄膜封止層5によって離間されるため、各第1電極ストリップ71(又は第2電極ストリップ72)と各第3電極ストリップ9との各交差位置に相互容量Cが形成され、これによりタッチ表示パネル200はタッチ機能を実現することができる。
【0053】
説明すべきなのは、上記の第1タッチ信号がタッチ機能を実現するための駆動信号であり、第2タッチ信号がタッチ位置を検知することによって発生する感応信号である場合、各第1電極ストリップ71(又は各第2電極ストリップ72)は、タッチ構造の駆動線Tとして用いられ、各第3電極ストリップ9は、タッチ構造の感応線Rとして用いられる。反対的には、第1タッチ信号がタッチ位置を検知することによって発生する感応信号で、第2タッチ信号がタッチ機能を実現するための駆動信号である場合、各第1電極ストリップ71(又は各第2電極ストリップ72)は、タッチ構造の感応線Rとして用いられ、各第3電極ストリップ9は、タッチ構造の駆動線Tとして用いられる。
【0054】
また、さらに
図4~
図6に示すように、各第3電極ストリップ9の位置を設計する際に、各第3電極ストリップ9はそれぞれ、対応する隣り合う2列の画素電極8間の間隙領域に位置することに留意されたい。こうして、各第3電極ストリップ9及び各画素電極8のベース基板への正投影から見ると、各第3電極ストリップ9の正投影と隣り合う2列の画素電極8の正投影との間の隙間領域は、少なくとも部分的に重なり、各第3電極ストリップ9の正投影のその自体の延在方向に沿う両側の辺縁は、その両側に位置する2列の画素電極8の正投影とが、小部分の重なりが存在してもよい(もちろん重ならなくてもよい)。こうして、各第3電極ストリップ9と隣り合う画素電極8との間の寄生容量を低減することができ、さらに各第3電極ストリップ9がその所在するサブ画素領域の光透過率に与える影響を低減することができる。
【0055】
本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示パネル200は、複数の電極分割ストリップ6を用いて、分割電極層7を複数の第1電極ストリップ71と複数の第2電極ストリップ72に分割し、各第1電極ストリップ71を発光層3のアレイ基板1から離れた表面に位置させ、各第2電極ストリップ72を電極分割ストリップ6のアレイ基板1から離れた表面に位置させる。こうして、各第1電極ストリップ71は、対応するサブ画素領域内の発光素子の一種の電極(カソード又はアノード)として用いられ、各第2電極ストリップ72は、タッチ構造内の一種の信号線(駆動線T又は感応線R)として用いられ、これによりタッチ構造を表示パネル中に集積させ、タッチ表示パネル200を得ることができる。又は、各第1電極ストリップ71を時分割多重化することにより、各第1電極ストリップ71を表示期間t1でその対応するサブ画素領域内の発光素子の一種の電極として機能させ、タッチ期間t2でタッチ構造内の一種の信号線として機能させ、これによってもタッチ構造を表示パネル中に集積させ、タッチ表示パネル200を取得することができる。
【0056】
関連技術におけるアドオン型構造及びMLOCタッチ構造と比較して、本開示の幾つかの実施例に係る発光素子の一種の電極とタッチ構造の一種の信号線とは、同一フィルム層(分割電極層7)に属し、その構造はより簡単である。さらに、該分割電極層7は、薄膜封止層5の内側(薄膜封止層5のアレイ基板1に近接する側)に位置し、即ち、本開示の幾つかの実施例は、少なくとも一部のタッチ構造を表示パネルの内部に集積するので、この構造で得られるタッチ表示パネル200は、より軽量薄型になる。
【0057】
また、従来技術において表示パネルのカソード層を複数のブロック状電極にパターニングする構造と比較して、本開示の幾つかの実施例において、ストリップ形状の複数の第1電極ストリップ71を対応するサブ画素領域内の発光素子の一種の電極として用いることにより、各発光素子中の対応する電極の抵抗を効果的に低減することができ、これにより、各発光素子中の対応する電極での電圧降下を低減することができる。
【0058】
本開示の幾つかの実施例は、タッチ表示パネルの製造方法をさらに提供する。
図7に示すように、この製作方法はS100~S400を備える。
【0059】
S100:アレイ基板を製造する。
上記のアレイ基板を製造するステップは、ベース基板上に薄膜トランジスタアレイを製造する工程と、薄膜トランジスタアレイのベース基板から離れた側に複数の画素電極を製造する工程とを含む。ここで、各画素電極は、それぞれ薄膜トランジスタアレイ中の対応する駆動薄膜トランジスタに接続されている。
【0060】
S200:アレイ基板の一側に画素定義層を形成し、画素定義層によって定義されたサブ画素領域に発光層を形成する。
図9に示すように、製造されたアレイ基板1の一側にパターニングされた画素定義層2を製造する。前記画素定義層2は、タッチ表示パネルの複数のサブ画素領域を定義するように、複数の開口状のサブ画素パターンを有する。
図10に示すように、画素定義層2によって定義された各サブ画素領域の開口内には、発光層3が形成される。選択的には、発光層3の材料は有機発光材料である。異なる色のサブ画素領域には、対応する色の光を発光することができる発光層3が形成される。
【0061】
S300:画素定義層のアレイ基板から離れた側に、タッチ領域を複数のストリップ形状領域に分割する複数の電極分割ストリップを形成する。
図11及び
図12に示すように、画素定義層2のアレイ基板1から離れた側に複数の電極分割ストリップ6を製造するステップは、
S301:画素定義層2のアレイ基板1から離れた側にフォトレジスト層6’を塗布するステップと、
S302:フォトレジスト層6’を露光、現像及びエッチングして、非電極分割ストリップの領域に位置するフォトレジスト材料を除去する;画素定義層2上に保留された残りのフォトレジスト材料によって、複数の電極分割ストリップ6を形成するステップと、を含む。
【0062】
説明すべきなのは、フォトレジスト層6’がポジ型フォトレジスト材料で形成されるか、又はネガ型フォトレジスト材料で形成されるかによって、露光及び現像が必要な領域が異なる。例えば、フォトレジスト層6’がポジ型フォトレジスト材料で形成されると、フォトレジスト層6’の露光及び現像が必要な領域は、非電極分割ストリップ領域を指す。又は、さらに例えば、フォトレジスト層6’がネガ型フォトレジスト材料で形成されると、フォトレジスト層6’の露光及び現像が必要な領域は、電極分割ストリップ領域を指す。
図9及び
図10は、フォトレジスト層6’がポジ型フォトレジスト材料で形成される例で説明する。
【0063】
S400:複数の電極分割ストリップのアレイ基板から離れた側に電極材料を堆積し、分割電極層を形成する。ここで、電極材料を堆積する過程において、分割電極層は、複数の電極分割ストリップによって分割され、複数のストリップ形状領域に位置する複数の第1電極ストリップと、複数の電極分割ストリップのアレイ基板から離れた表面に位置する複数の第2電極ストリップとを形成し、且つ前記複数の第1電極ストリップと前記複数の第2電極ストリップとの間は、互いに絶縁されている。
【0064】
図13に示すように、複数の電極分割ストリップ6のアレイ基板1から離れた側に電極材料を堆積する時、一部の電極材料は、発光層3のアレイ基板1から離れた表面に堆積し、複数の第1電極ストリップ71を形成する。他の一部の電極材料は、複数の電極分割ストリップ6のアレイ基板1から離れた表面に堆積し、複数の第2電極ストリップ72を形成する。複数の各電極分割ストリップ6の存在により、複数の第1電極ストリップ71と複数の第2電極ストリップ72との間は、自然的に互いに絶縁されることができる。即ち、これは、分割電極層7が前記複数の電極分割ストリップ6によって、複数の第1電極ストリップ71と複数の第2電極ストリップ72とに分割されることに相当する。ここで、複数の第1電極ストリップ71は、前記複数の電極分割ストリップ6がタッチ領域を分割してなる複数のストリップ形状領域内に対応して位置し、且つ発光層3のアレイ基板1から離れた表面に位置する。複数の第2電極ストリップ72は、前記複数の電極分割ストリップ6のアレイ基板1から離れた表面に対応して位置する。
【0065】
本開示の幾つかの実施例において、
図8に示すように、タッチ表示パネルの製造方法は、S500及びS600をさらに含む。
【0066】
S500:分割電極層のアレイ基板から離れた側に薄膜封止層を形成する。
図14に示すように、分割電極層7のアレイ基板1から離れた側に薄膜封止層5を製造し、薄膜封止層5によって分割電極層7及び発光層3における発光材料を保護することができる。
【0067】
S600:薄膜封止層のアレイ基板から離れた側にタッチ電極層を形成する。前記タッチ電極層は、複数の第1電極ストリップ又は複数の第2電極ストリップと交差して配置される複数の第3電極ストリップを含み、且つ複数の第3電極ストリップの間は、2つずつ絶縁されている。
選択的には、
図15に示すように、複数の第1電極ストリップ71と複数の第2電極ストリップ72とは、平行に配置されている。薄膜封止層5のアレイ基板1から離れた側に複数の第3電極ストリップ9を製造し、複数の第3電極ストリップ9の延在方向と複数の第1電極ストリップ71の延在方向とを互いに垂直にさせ、且つ複数の第3電極ストリップ9の延在方向と複数の第2電極ストリップ72の延在方向とを互いに垂直にさせる。
【0068】
上記の幾つかの実施例による製造方法では、1回のフィルム層堆積工程によって複数の第1電極ストリップ71及び複数の第2電極ストリップ72を同時に形成して、タッチ表示パネルの製造プロセスを大幅に簡素化することができる。
【0069】
本開示の幾つかの実施例は、本開示の幾つかの実施例に係るタッチ表示パネルに適用される、タッチ表示パネルの駆動方法をさらに提供する。1フレームの時間は、1つの駆動周期tであり、前記タッチ表示パネルの駆動方法は、以下の2つの形態のいずれかを含む。
【0070】
形態一:さらに
図4及び
図5に示すように、形態一が適用されるタッチ表示パネルにおいて、複数の第1電極ストリップ71のうちの少なくとも1つの第1電極ストリップ71は、第1レベル信号端子(例えば、VSS信号端子)に接続され、且つ各隣り合う2つの第1電極ストリップ71の間は、互いに短絡される。複数の第2電極ストリップ72の各々は、それぞれ第1タッチ信号端子S1に接続され、且つ複数の第2電極ストリップ72の間は、2つずつ絶縁されている。前記タッチ表示パネルを駆動する時、1フレームの時間内に、複数の第1電極ストリップ71に第1レベル信号(例えば、VSS信号)を印加し、さらに複数の第2電極ストリップ72のそれぞれに第1タッチ信号を伝送させる。
【0071】
補充して説明する必要があるのは、形態一における第1レベル信号(例えばVSS信号)が発光素子のカソードを駆動する信号として用いられる場合、タッチ表示パネルの各画素電極8は、その対応するサブ画素領域内の発光素子のアノードとして用いられ、カソードとアノードが共同で発光素子における発光層3を駆動して発光させることにより、タッチ表示パネルの表示機能を実現することができる。さらに、形態一における第1タッチ信号がタッチ機能を実現するために各第2電極ストリップ72に印加される駆動信号として用いられる場合、タッチ表示パネルにおける各第3電極ストリップ9上から読み取られる第2タッチ信号がタッチ位置を検知することによって発生する感応信号である。又は、形態一における第1タッチ信号がタッチ位置を検知することによって発生する感応信号であって、かつ各第2電極ストリップ72から読み取られる場合、タッチ表示パネルにおける各第3電極ストリップ9に印加する必要がある第2タッチ信号は、タッチ機能を実現するための駆動信号である。こうして、各第2電極ストリップ72と各第3電極ストリップ9との交差位置に相互容量Cを形成することができ、これによりタッチ表示パネルにタッチ機能を実現させる。
【0072】
形態二:さらに
図6に示すように、形態二に適用されたタッチ表示パネルにおいて、複数の第1電極ストリップ71は、それぞれ第1レベル信号端子(例えばVSS信号端子)及び第1タッチ信号端子S1に接続され、且つ複数の第1電極ストリップ71の間は、2つずつ絶縁されている。前記タッチ表示パネルを駆動する時、1フレームの時間を表示期間t1とタッチ期間t2に分割する。表示期間t1内では、複数の第1電極ストリップ71に第1レベル信号(例えばVSS信号)を印加する。タッチ期間t2内では、複数の第1電極ストリップ71は、それぞれ第1タッチ信号を伝送する。
【0073】
図16に示すように、本開示の幾つかの実施例は、形態二の駆動タイミングを例示的に提供する。本開示の幾つかの実施例において、タッチ表示パネル
200は、垂直駆動信号VDによってタッチ期間t2又は表示期間t1に移行するように制御される。タッチ期間t2は通常、各フレーム時間の垂直ブランキング(Vertical Blanking )期間に設定される。例えば、タッチ期間t2は垂直ブランキング期間にあり、且つ両期間の時間長は同じである。ここで、各フレーム時間の垂直ブランキング期間の時間長は、現フレームの画面走査が完了した後、次のフレームの画面走査を開始する前に、画面画像の右下隅から画面画像の左上隅に戻る時間間隔に等しい。タッチ期間t2は垂直ブランキング期間に位置し、タッチ表示パネルの正常な表示に影響を与えない。
【0074】
選択的には、第nフレームの時間のタッチ期間t2では、垂直駆動信号VDをハイに設定し、垂直同期信号(VSYNC,VS)及び水平同期信号(HSYNC,VS)をいずれもローに設定して、タッチ表示パネルに対してタッチ駆動を行う。第nフレームの時間の表示期間t1では、垂直駆動信号VDをローに設定し、垂直同期信号(VSYNC)をハイに設定し、水平同期信号(HSYNC)は、1つの水平タイミングサイクル(Horizontal Timing Cycles)内で複数のハイレベルパルスを順次出力し、タッチ表示パネルに対して表示駆動を行う。補充して説明する必要があるのは、形態二における第1レベル信号(例えばVSS信号)が発光素子のカソードを駆動する信号として用いられる場合、タッチ表示パネルにおける各画素電極8は、その対応するサブ画素領域内の発光素子のアノードとして用いられ、カソードとアノードが共同で発光素子における発光層3を駆動して発光させることにより、表示期間t1でタッチ表示パネルの表示機能を実現することができる。さらに、形態二における第1タッチ信号がタッチ機能を実現するために各第1電極ストリップ71上に印加される駆動信号として用いられる場合、タッチ表示パネルにおける各第3電極ストリップ9上から読み取られる第2タッチ信号は、タッチ位置を検知することによって発生する感応信号である。又は、形態二における第1タッチ信号がタッチ位置を検知することによって発生する感応信号であって、かつ各第1電極ストリップ71から読み取られる場合、タッチ表示パネルにおける各第3電極ストリップ9に印加する必要がある第2タッチ信号は、タッチ機能を実現するための駆動信号である。こうしてタッチ期間t2では、各第1電極ストリップ71と各第3電極ストリップ9との交差位置に相互容量Cを形成することができ、これによりタッチ期間t2でタッチ表示パネルのタッチ機能を実現することができる。
【0075】
言及される価値があるのは、上記の形態二において、各第2電極ストリップ72を使用せず、各第1電極ストリップ71を時分割多重化することにより、タッチ表示パネル200の表示及びタッチ機能を実現することができる。従って、第1電極ストリップ71及び第2電極ストリップ72の延在方向をその長手方向とした場合、第1電極ストリップ71の幅が第2電極ストリップ72の幅より大きい設計を採用する。各第1電極ストリップ71の幅は、対応するサブ画素領域における発光層3の面積によって制限されなくてもよく、各第1電極ストリップ71の幅を可能な限り広く設定することができ、これにより各第1電極ストリップ71上の抵抗を可能な限り低減することができ、さらに各第1電極ストリップ71によって得られる感応信号の信号対雑音比を向上させることができる。
【0076】
本開示の幾つかの実施例は、タッチ表示装置をさらに提供する。
図17に示すように、前記タッチ表示装置1001は、本開示の幾つかの実施例によるタッチ表示パネル200を含む。このタッチ表示装置は、構造全体が簡単で、薄型軽量で、及び製造工程が簡単であるという利点を有する。
【0077】
本開示の幾つかの実施例に係る表示装置は、OLEDパネル、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、又はナビゲーション等のいかなる表示機能を有する製品又は部品である。
【0078】
上記は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これらに限定されない。当業者が本開示の技術的範囲内で容易に想到できる変更や置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された権利範囲を準拠するものとする。