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特許7572857独立展開システムを備える展開式癒合装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】独立展開システムを備える展開式癒合装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
A61F2/44
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020545552
(86)(22)【出願日】2019-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019020354
(87)【国際公開番号】W WO2019169302
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】16/290,428
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/637,306
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517237861
【氏名又は名称】インテグリティ インプランツ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】INTEGRITY IMPLANTS INC.
【住所又は居所原語表記】Suite 100, 354 Hiatt Drive, Palm Beach Gardens, Florida 33418, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ショシュテフ,ユージーン
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-511110(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0148908(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0209282(US,A1)
【文献】特表2011-509766(JP,A)
【文献】特表2011-516181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開式癒合装置であって、以下:
相互嵌合エンドプレートシステムであって、
第1のエンドプレートおよび第2のエンドプレートを有し、第1のエンドプレートは、第1の複数の突部を有し、および第2のエンドプレートは、第2の複数の突部を有する、分離可能な上方エンドプレートアセンブリと、
第3のエンドプレートおよび第4のエンドプレートを有し、第3のエンドプレートは、第3の複数の突部を有し、および第4のエンドプレートは、第4の複数の突部を有する、分離可能な下方エンドプレートアセンブリとを含む、前記相互嵌合エンドプレートシステム;
上方エンドプレートアセンブリと下方エンドプレートアセンブリとの間に頭尾方向展開を起こすように構成された、頭尾方向展開アセンブリ;および
(i)上方エンドプレートアセンブリの第1のエンドプレートと第2のエンドプレートの間、および(ii)下方エンドプレートアセンブリの第3のエンドプレートと第4のエンドプレートの間を横方向展開を起こすように構成された、横方向展開アセンブリを含み、
第1の複数の突部は、第2の複数の突部と相互嵌合して水平展開時に伸縮し、
第3の複数の突部は、第4の複数の突部と相互嵌合して水平展開時に伸縮し、
相互嵌合エンドプレートシステムは、装置が上方および下方の椎骨エンドプレートに接触する領域を広げ、 横方向展開アセンブリが、アクチュエータを介してウェッジに第1の力を加えることにより、第1のステップにおいて第1の距離で互いに引き寄せられる遠位ウェッジおよび近位ウェッジを含む、ウェッジアセンブリを含み、
頭尾方向展開が、アクチュエータを使用して遠位ウェッジと近位ウェッジを第2の距離で互いに引き寄せ、ウェッジを介してランプに第2の力を加えることによって、第2のステップにおいて互いに引き寄せられる遠位ランプおよび近位ランプを含むランプアセンブリを含
遠位ウェッジおよび近位ウエッジは、それぞれ、複数の実矧ぎコネクタと、複数の制御スロットとを含み、それぞれの実矧ぎコネクタは、舌部と溝部とを含み、遠位ウエッジの実矧ぎコネクタおよび近位ウエッジの実矧ぎコネクタは、それぞれ遠位ランプおよび近位ランプの実矧ぎコネクタと摺動可能に係合し、
遠位ウエッジの制御スロットおよび近位ウエッジの制御スロットは、それぞれ、遠位ランプの突部および近位ランプの突部を摺動可能に収容する、
前記展開式癒合装置。
【請求項2】
第1の複数の突部が、第1のエンドプレートから内側に延在し、第2のエンドプレート上の溝に入れ子になっており、
第3の複数の突部が、第3のエンドプレートから内側に延在し、第4のエンドプレート上の溝に入れ子になっている、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項3】
第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第3のエンドプレート、および第4のエンドプレートの各々が前後軸を有する剛性ビームを含む、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項4】
第1の複数の突部の各々が、第2のエンドプレート上に嵌合面を有し、該嵌合面は、凹部であり、
第3の複数の突部の各々が、第4のエンドプレート上に嵌合面を有し、該嵌合面は、凹部である、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項5】
第1の複数の突部の各々が、第2のエンドプレート上に嵌合面を有し、嵌合面は、溝であり、
第3の複数の突部の各々が、第4のエンドプレート上に嵌合面を有し、嵌合面は、溝である、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項6】
第1の複数の突部の各々が、第2のエンドプレート上に嵌合面を有し、嵌合面は、チャネルであり、
第3の複数の突部の各々が、第4のエンドプレート上に嵌合面を有し、嵌合面は、チャネルである、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項7】
第1の複数の突部の各々が、第2のエンドプレート上に嵌合面を有し、嵌合面は、ポートであり、
第3の複数の突部の各々が、第4のエンドプレート上に嵌合面を有し、嵌合面は、ポートである、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項8】
第1の複数の突部が、第1のエンドプレートから内側に延在し、第2のエンドプレート上の溝に入れ子になっており、
第3の複数の突部が、第3のエンドプレートから内側に延在し、第4のエンドプレート上の溝に入れ子になっている、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項9】
第1の複数の突部と第2の複数の突部とが実矧ぎ構成で摺動可能に平行移動して、水平展開時に上方エンドプレートアセンブリに更なる剛性を提供し、
第3の複数の突部と第4の複数の突部とが実矧ぎ構成で摺動可能に平行移動して、水平展開時に下方エンドプレートアセンブリに更なる剛性を提供する、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項10】
第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第3のエンドプレート、および第4のエンドプレートの各々が前後軸を有する剛性ビームを含む、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項11】
横方向展開アセンブリが、遠位ウェッジおよび近位ウェッジ、近位ウェッジと遠位ウェッジとを一緒にまたは互いに離して引き寄せるように構成されたアクチュエータを含むウェッジアセンブリを含み、
頭尾方向展開アセンブリが、遠位ウェッジに動作可能に取り付けられた遠位ランプと、近位ウェッジに動作可能に取り付けられた近位ランプとを含むランプアセンブリを含み、
ウェッジアセンブリは、アクチュエータを介して装置を展開する力を提供し、ランプアセンブリは、ウェッジアセンブリからの力をエンドプレートへ向け直す、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項12】
装置が、第1の作動方向での第1の作動回数による駆動機構の作動が、頭尾方向展開を介した装置の高さを増加させることなく、横方向展開を介した装置の幅を増加させることができるように構成されている、
請求項3に記載の装置。
【請求項13】
ランプアセンブリが、第1の遠位ランプ、第2の遠位ランプ、第1の近位ランプ、および第2の近位ランプを含む、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項14】
第2のエンドプレートおよび第4のエンドプレートの少なくとも一方が、第1のエンドプレートおよび第3のエンドプレートの少なくとも一方より大きい、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項15】
アクチュエータが、ネジ機構を含む、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項16】
装置が、展開ロックを含む、
請求項1に記載の展開式癒合装置。
【請求項17】
長さにおいて展開可能な展開式癒合装置であって、装置は以下:
第2の展開式装置に直列に結合されている、請求項1に記載の展開式装置を含む、前記装置。
【請求項18】
請求項1に記載の水平展開式癒合装置であって、
第1の複数の突部を備える第1のエンドプレートと、第2の複数の突部を備える第2のエンドプレートとを有する上方エンドプレートアセンブリと、
第3の複数の突部を備える第3のエンドプレートと、第4の複数の突部を備える第4のエンドプレートとを有する下方エンドプレートアセンブリと、
を含み、
第1の複数の突部が第2の複数の突部と相互嵌合して水平展開時に伸縮し、椎間スペースで上方椎骨エンドプレートとの接触のための表面積を提供し、
第3の複数の突部が第4の複数の突部と相互嵌合して水平展開時に伸縮し、椎間スペースで下方椎骨エンドプレートとの接触のための表面積を提供し、
第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートの各々が、(i)装置の折り畳み時に当該複数の突部の各々を収容するためと、(ii)装置の展開時に当該複数の突部の各々を平行移動するための複数の溝を有する、
前記水平展開式癒合装置。
【請求項19】
第1の複数の突部と第2の複数の突部とが実矧ぎ構成で摺動可能に平行移動して、水平展開時に上方エンドプレートアセンブリに更なる剛性を提供し、
第3の複数の突部と第4の複数の突部とが実矧ぎ構成で摺動可能に平行移動して、水平展開時に下方エンドプレートアセンブリに更なる剛性を提供する、
請求項18に記載の水平展開式癒合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月1日出願の米国仮出願第62/637、306号の優先権を主張する2019年3月1日出願の米国出願第16/290、428号の優先権を主張し、各出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願の教示は一般的に、小さい外科用通路を通り折り畳まれた状態で患者へ挿入されて、頭尾方向のみ、横断方向のみ、または両方向に展開して、所望の場合には挿入後にそれらの方向にさらに独立して伸長がなされる装置など、椎間癒合を促進するための装置および方法を含む医療装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本願で提供される教示は、脊椎インプラント処置を患者に実施するための方法と装置とシステムとを含む。脊椎癒合は典型的に、変性した椎間板材料の動きにより起こされる痛みを排除するために採用される。癒着成功時に、癒合装置は椎間板スペース内に永久的に固定される。外傷または老化など様々な要因のために変性した椎間板と関連する痛みに対処するための一般的な処置は、1つ以上の隣接する椎体を癒合するための椎間癒合装置の使用である。一般的に、隣接する椎体を癒合するには、椎間板が最初に部分的または完全に除去される。そして椎間癒合装置が概して隣接する椎骨の間へ挿入されて、正常な椎間板間隔を維持して脊椎安定性を回復し、これにより椎間癒合を促進する。
【0004】
椎間癒合を達成するために、当該技術分野において既知の従来の癒合装置および方法は幾つかある。これらは、スクリュロッド構成、固体骨インプラント、および、典型的には骨および/または骨成長誘発物質が充填されたケージまたは他のインプラント機構を含む癒合装置を含む。これらの装置は、椎体を一緒に癒合するため隣接する椎体の間に埋入され、関連する痛みを緩和する。
【0005】
しかしながら、周知である従来の癒合装置および方法に関連する難題がある。例えば、従来の癒合装置を設置するための現在の方法は、癒合装置の埋入に先立って病的な椎間板スペースをその正常なまたは健康な高さに戻すために隣接の椎体が伸延されることを必要とし得る。癒合装置が挿入されたら、高さを維持するため、癒合装置は通常、最初の伸延高さより高さの大きい寸法にされる。この高さの差は、外科医が伸延された椎間スペースに癒合装置を設置することを困難にし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、椎間板スペース内に最小で邪魔にならない高さで設置することができる癒合装置、および埋入したときに隣接する椎体の間の通常の距離を維持することができる癒合装置が必要とされている。
【0007】
椎間癒合手術について最も一般的な術後合併症の1つは、より大きな設置面積の椎間ケージまたはグラフトを使用することにより、最小化または軽減される椎間グラフトまたはケージの陥没である。脊椎手術と関連する外傷および病的状態を最小にするには、手術の目的を達成することが可能な最小の手術アクセス路を利用することがたいていは有利であるため、これはたいてい困難である。そのため、比較的小さい外科用通路を通り挿入されることが可能であり、陥没に抵抗するのに適したより大きな設置面積までその後で展開することが可能である癒合装置が必要とされる。
【0008】
脊椎癒合は、例えば、痛みを排除するのに使用されうる処置であることは理解されるであろう。この痛みは、例えば、変性した椎間板材料の動きにより起こされうる。癒合成功時には、癒合装置は椎間板スペースに永久的に固定される。残念ながら、当該技術で使用される装置および処置は、上に検討したものを含めて幾つかの問題を依然として抱えている。例えば、(i)最小から極小の椎間伸延の使用を通して、または恐らく伸延せずに、外科的合併症および装置の挿入リスクの低減、(ii)小さい外科用通路を通しての装置の挿入での外科的合併症およびリスクの低減、(iii)所望の整合を達成するため、またはおそらくは使用中の装置の陥没を回避するためのより大きく、またおそらくは偏った可能性のある設置面積である所望の設置面積について、実行中の選択を提供する単一装置の可変の横断展開システムを通した装置の展開における所望幅の制御、(iv)周囲の組織に加えられる展開の速度、量、および圧力の漸増的な制御により神経要素を制御可能に減圧して安全性を高めた所望の椎間高さを達成するための、駆動システムを介した所望の量および速度が徐々に増加させる漸進的な装置の頭尾方向展開を通した高さ展開の所望の制御、(v)所望のいかなる展開幅をも選択する自由を提供し、その所望の幅は漸進的な高さ制御から独立して得られる設計により提供される制御を通しての、隣接する椎体の整合についての所望の制御、および、(vi)例えば相互嵌合エンドプレートシステムを使用して達成される、装置と、上方および下方椎骨エンドプレートとの間に望まれる所望の接触面積の制御とを、少なくとも含むこれらの問題の幾つかに、ここで説明される発明が対処することを、当業者は理解するだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
展開式脊椎癒合装置、システム、そしてこれらを使用する方法が提供され、これらは小さい外科用通路を通通り折り畳まれた状態で患者へ挿入され、頭尾方向のみ、横断方向のみ、または両方に展開し、所望の場合には挿入後にそれらの方向にさらに独立して伸長がなされ得る。これらの発明は、リスクおよび外科的合併症の低減、所望の幅設置面積についての実行中の選択の許容、漸進的な頭尾方向展開を通した高さ展開についての所望の制御、隣接する椎体の整合についての所望の制御において、有益である。装置、システムおよび方法は、例えば相互嵌合型エンドプレートシステムを使用して達成される装置と上方および下方の椎骨エンドプレートとの間に所望される所望の接触面積の制御の提供にも役立てられる。
【0010】
いくつかの態様において、展開式癒合装置は第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとを含み、そのうち2つのエンドプレートが上方エンドプレートアセンブリを形成し、その残りの2つが下方エンドプレートアセンブリを形成する。装置は、上方エンドプレートアセンブリと下方エンドプレートアセンブリとの間に頭尾方向展開を起こすように構成される頭尾方向展開アセンブリも含みうる。また、装置は、上方エンドプレートアセンブリおよび下方エンドプレートアセンブリにおいて横断方向展開を起こすように構成される横断方向展開アセンブリも含みうる。いくつかの態様では、
(a)駆動機構と前後軸とを含むアクチュエータと、アクチュエータに結合されるウェッジアセンブリと、ウェッジアセンブリと摺動可能に結合されるランプアセンブリとを有する駆動システムであって、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートの各々がランプアセンブリと摺動可能に結合される、駆動システムと、
(b)第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとから成るグループから選択される第1の隣接エンドプレートペアの間への挿入のために構成される第1のスペーサを少なくとも有するスペーサシステムと、
のうち一つから頭尾方向展開アセンブリが選択されて、他から横断方向展開アセンブリが選択される。
【0011】
スペーサシステムが単一のスペーサまたは複数のスペーサを有しうることが認識されるべきである。いくつかの態様では、例えば等しいか異なる幅および/または等しいか異なる長さの一対のスペーサを有しうるので、例えば、スペーサシステムが所望のいかなる構成を有しうる。いくつかの態様では、1対のスペーサが単独で、または、組み合わせスペーサユニットの部分として挿入されうる。このような組み合わせスペーサユニットは、例えば、フォーク状であり、生体内で所望のスペースを確立した後にツールとして除去可能であるか、処置中にインプラントとして患者の所定部位に残されうる。当業者は、所望の展開量が変動して処置中に変化しうるので、例えば所望の幅を実現するために実行中にスペーササイズを選択する際の多様性を認識するだろう。また、当業者は、駆動システムを使用する装置の展開は、スペーサシステムを使用する装置の展開とは無関係に働き、手術室での多様性の向上を提供することも、当業者は強く認識するだろう。
【0012】
いくつかの態様では、1対のスペーサが使用される。そのため、第1の隣接エンドプレート対の間への第1のスペーサの挿入後に、スペーサシステムは、残りの隣接エンドプレート対の間への挿入のために構成される第2のスペーサを含み、残りの対は、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートから成るグループから選択され、第2のスペーサが所望量の展開のために選択される。第2のスペーサの挿入は第1のスペーサの挿入とは無関係であるか、または同時に挿入されうる。
【0013】
いくつかの態様では、上方エンドプレートアセンブリは第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとを含み、下方エンドプレートアセンブリは第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとを含む。このような態様では、頭尾方向展開アセンブリは駆動システムを含み得て、上方エンドプレートアセンブリはランプアセンブリと摺動可能に結合され、下方エンドプレートアセンブリはランプアセンブリと摺動可能に結合され、頭尾方向展開アセンブリは、アクチュエータの起動時に、上方エンドプレートアセンブリと下方エンドプレートアセンブリとの間に頭尾方向展開を起こすように構成される。そしていくつかの態様では、横断方向展開アセンブリは横断方向展開のためのスペーサシステムを含み、第1のスペーサは第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとの間への挿入のために構成され、第2のスペーサは第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとの間への挿入のために構成される。
【0014】
エンドプレートが装置の構造的コンポーネントであって、患者の椎間スペースに存在する重大な力を支持するように、装置が設計されることが認識されるべきである。このため、いくつかの態様では、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートの各々は、前後軸を有し、その剛性の故に選択されるビームである。しかしながら、いくつかの態様では、おそらくいくらかの可撓性を提供するように設計が選択されるため、おそらくは椎骨エンドプレートに適合する所望量の可撓性について第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートの各々が選択され、例えば椎骨エンドプレートへの点圧力を低減させて陥没のリスクを低減する限定的な順応性を提供することが認識されるべきである。いくつかの態様では、第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第3のエンドプレートおよび第4のエンドプレートのそれぞれが剛性、可撓性、または剛性と可撓性の組み合わせを有するように設計されうることが認識されるべきである。いくつかの態様では、例えば、第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第3のエンドプレートおよび第4のエンドプレートの各々が(複数の)材料の組み合わせから形成されて、おそらくは各々が、各ビームの前後軸の直線形態を維持する剛性の特性を付与する第1の剛性材料で設計され、椎骨エンドプレートと接触するビーム表面に充分な順応性を持つ第2の可撓性材料は、椎骨エンドプレートに適合する第2の材料であり、例えば椎骨エンドプレートへの点圧力を低減させて陥没のリスクを低減させうる限定的な順応性を提供する。エンドプレートの各々は、これらの特徴のいずれか1つまたはいかなる組み合わせをも有するように設計されるので、エンドプレートのセットは設計上、大きな柔軟性を有し得る。例えば、上部エンドプレートアセンブリは、当該の椎骨エンドプレートとの接触状態にある可撓性の表面を有し、底部エンドプレートアセンブリは、当該の椎骨エンドプレートとの接触状態にある剛性の表面を有し、その他も同様にということである。反対に、すべてのエンドプレートが可撓性の接触表面を有しても、すべてのエンドプレートが剛性の接触表面を有してもよい。さらに、エンドプレートの大きさは単独でも組み合わせでも変動しうる。いくつかの態様では、第2のエンドプレートと第4のエンドプレートの少なくとも一方が第1のエンドプレートと第3のエンドプレートの少なくとも一方より大きい。
【0015】
駆動システムは、垂直または水平のいずれかの展開のための装置において、単独で、または、やはり垂直または水平のいずれかの展開のためのシステムに使用されうるスペーサシステムとの組み合わせで、使用され得る。駆動システムのアクチュエータは、遠位端と近位端とを有するように構成され、遠位端の少なくとも一部分は第1のねじ機構を包み、近位端の少なくとも一部分は第2のねじ機構を含み、近位端は、駆動機器の対応する駆動要素に装着するように構成されうる駆動機構を有する。駆動システムのウェッジアセンブリは装置を伸長させる力を提供し、いくつかの態様においては、ウェッジアセンブリは遠位ウェッジと近位ウェッジとを有する。ランプアセンブリはウェッジアセンブリからの力をエンドプレートへ向け直し、いくつかの態様においては、ランプアセンブリは第1の遠位ランプ、第2の遠位ランプ、第1に近位ランプ、および、第2の近位ランプを有する。
【0016】
当業者は、生体内で装置がその展開状態から後退することを阻止または防止したいと考えるので、駆動システムおよび/またはスペーサシステムに展開ロックが設けられ得る。いくつかの態様で、展開ロックは、ウェッジアセンブリとランプアセンブリとの間の接触により係止するように構成される摩擦ロックを含む。そしていくつかの態様では、単一のスペーサまたは複数のスペーサが使用されるかどうかに応じて、展開ロックは、第1のスペーサと第1の隣接するエンドプレート対との間、第2のスペーサと残りの隣接するエンドプレート対との間、またはその両方のスナップロックを含む。いくつかの態様で、アクチュエータは、スペーサシステムが自由で装置を展開させる「中立」位置と、スペーサシステムが係止されて展開も折り畳みもしない「嵌合」位置とを有する。嵌合位置は、例えば、摩擦ロックであるか、相補的な歯、スロットの中のキー等の嵌合でありうる。ここに提示される手段を考慮すると、展開ロックは、第1の隣接するエンドプレート対、残りの隣接するエンドプレート対、または両方を所定部位に係止するための何らかの手段も含みうる。
【0017】
椎間スペースを癒合する方法も提供される。いくつかの態様で、患者の椎間スペースを癒合する方法は、ここで教示される装置を挿入具により患者の椎間スペースへ挿入することと、(i)駆動システムの起動と、(ii)装置へのスペーサシステムの挿入とにより装置の頭尾方向展開と横断方向展開とを実施することとを含み、起動および挿入は独立的に別々のステップで実施される。当業者は、作動する駆動システムを使用する展開の実施は、スペーサシステムを使用する展開から独立しており、必要とされる手術室内での多様性と制御を多く提供する。
【0018】
いくつかの態様で、本方法は、挿入のために装置へ挿入具を装着することと、駆動機器の駆動要素でアクチュエータを駆動することとを含み、駆動要素は、アクチュエータの駆動方法と嵌合するように構成される。いくつかの態様で、アクチュエータは遠位端と近位端とを有し、遠位端の少なくとも一部分は第1のネジ機構を含み、近位端の少なくとも一部分は第2のネジ機構を含み、近位端は駆動機構を含み、駆動機構は駆動機器の対応する駆動要素に装着するように構成される。いくつかの態様で、方法はさらに、挿入のために装置へ挿入具を装着することと、駆動機器の駆動要素でアクチュエータを駆動することとを含み、駆動要素はアクチュエータの駆動特徴と嵌合して駆動機器でアクチュエータを回転させるために構成される。
【0019】
いくつかの態様で、患者の椎間スペースを癒合する方法は、ここで教示される装置を患者の椎間空間へ挿入することと、スペーサシステムを使用して横断方向展開を実施することとを含み、この実施は、所望量の展開のために装置へ第1のスペーサを挿入することを含む。いくつかの態様で、第1のスペーサの挿入は、装置への第2のスペーサの挿入により達成され、これは連続的または同時的に生じ得る。この方法は、駆動システムを使用して頭尾方向展開を実施することも含み、この実施は装置で駆動システムを起動することを含み、スペーサの起動および挿入は、いくつかの態様では、独立的に別々のステップで実施される。同様に、このような方法はさらに、挿入のために装置へ挿入具を装着することと、駆動機器の駆動要素でアクチュエータを駆動することとを含み、駆動要素はアクチュエータの駆動機構と嵌合するために構成される。いくつかの態様で、アクチュエータは遠位端と近位端とを有し、遠位端の少なくとも一部分は第1のネジ機構を含み、近位端の少なくとも一部分は第2のネジ機構を含み、近位端は駆動機構を含み、駆動機構は、駆動機器の対応する駆動要素に装着するように構成される。このような態様では、方法はさらに、挿入のために装置へ挿入具を装着することと、駆動機器の駆動要素でアクチュエータを駆動することとを含み、駆動要素はアクチュエータの駆動機構と嵌合して駆動機器でアクチュエータを回転させるために構成される。
【0020】
長さにおいて伸長可能である装置も提供される。いくつかの態様で、長さが展開可能である展開式癒合装置は、第2の展開式装置に結合される第1の展開式装置と、第1の展開式装置と第2の展開式装置とを伸長させるための第1のアクチュエータと、第1の展開式装置を第2の展開式装置に結合するように構成される第2のアクチュエータとを含み得る。いくつかの態様で、第1のアクチュエータは、第1のアクチュエータに結合される第1の展開式装置のための第1のウェッジアセンブリと、第1のウェッジアセンブリと摺動可能に結合される第1のランプアセンブリと、第1のアクチュエータに結合される第2の展開式装置のための第2のウェッジアセンブリと、第2のウェッジアセンブリと摺動可能に結合される第2のランプアセンブリとを有する駆動システムの一部である。いくつかの態様で、第1の展開式装置と第2の展開式装置の各々は第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとを含み、各エンドプレートはランプアセンブリと摺動可能に結合される。
【0021】
同様に、椎骨エンドプレートに接触する領域を大幅に増加させながら水平方向に展開するデバイスが提供される。いくつかの態様で、水平展開式癒合装置は、第1の複数の突部を備える第1のエンドプレートと、第2の複数の突部を備える第2のエンドプレートとを有する上方エンドプレートアセンブリと、第3の複数の突部を備える第3のエンドプレートと、第4の複数の突部を備える第4のエンドプレートとを有する下方エンドプレートアセンブリとを含むことができる。いくつかの態様で、前記第1の複数の突部が前記第2の複数の突部と相互嵌合して水平展開時に伸縮し、椎間スペースで上方椎骨エンドプレートとの接触のための表面積を大幅に増大させ、前記第3の複数の突部が前記第4の複数の突部と相互嵌合して水平展開時に伸縮し、椎間スペースで下方椎骨エンドプレートとの接触のための表面積を大幅に増大させ、前記第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートの各々が、(i)前記装置の折り畳み時に前記当該の複数の突部の各々を収容するためと、(ii)前記装置の展開時に前記当該の複数の突部の各々を解放するための複数の収容部を有する。いくつかの態様において、1つのエンドプレート上の各突起は、例えば、対向するまたは隣接するエンドプレートと嵌合するか、またはそれを受け入れるために、例えば、凹部、溝、チャネル、またはポートなどの対向するエンドプレート上に嵌合面を有することができる。いくつかの態様において、前記第1の複数の突部と前記第2の複数の突部とが実矧ぎ構成で摺動可能に平行移動して、前記水平展開時に前記上方エンドプレートアセンブリに更なる剛性を提供し、前記第3の複数の突部と前記第4の複数の突部とが実矧ぎ構成で摺動可能に平行移動して、前記水平展開時に前記下方エンドプレートアセンブリに更なる剛性を提供する。
【0022】
本開示のさらなる適用領域は、以下に提示される詳細な説明から明白になるだろう。詳細な説明と具体例とは、本開示の好適または例示的な態様を表しているが、例示のみを目的とすることを意図したものであり、開示の範囲を限定する意図はないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の新規の特徴は添付の請求項で詳しく提示される。しかしながら、ここで教示される発明の特徴および利点の良好な理解は、開示の原理が利用されている例示的な態様を提示する以下の詳細な説明と添付図面とを参照することにより得られる。
【0024】
図1-4】図1は、いくつかの態様による、2つの椎体の間に埋入された初期折り畳み状態での展開式癒合装置の一例を示す。図2は、いくつかの態様による、2つの椎体の間に埋入された完全展開状態での図1の展開式癒合装置を示す。図3は、いくつかの態様による、折り畳み状態での展開式癒合装置の一例の斜視図である。図4は、いくつかの態様による、完全展開状態での図3の展開式癒合装置の斜視図である。
図5-6】図5は、いくつかの態様による、図3の展開式癒合装置の分解斜視図である。図6は、いくつかの態様による、図3の展開式癒合装置の一部を形成するアクチュエータの一例の斜視図である。
図7-9】図7は、いくつかの態様による、図3の展開式癒合装置の一部を形成する遠位ウェッジの一例の上面図である。図8は、いくつかの態様による、図7の遠位ウェッジの斜視図である。図9は、いくつかの態様による、図8の遠位ウェッジの別の斜視図である。
図10-12】図10は、いくつかの態様による、図3の展開式癒合装置の一部を形成する近位ウェッジの一例の上面図である。図11は、いくつかの態様による、図10の近位ウェッジの斜視図である。図12は、いくつかの態様による、図10の近位ウェッジの別の斜視図である。
図13-16】図13は、いくつかの態様による、図3の展開式癒合装置の一部を形成する遠位ランプの一例の側面図である。図14~15は、いくつかの態様による、図13の遠位ランプの斜視図である。図16は、いくつかの態様による、図13の遠位ランプの上面図である。
図17-20】図17~19は、いくつかの実施形態による、図3の展開式癒合装置の一部を形成する近位ランプの一例の斜視図である。図20は、いくつかの態様による、図17の近位ランプの平面図である。
図21-23】図21~22は、いくつかの態様による、図3の展開式癒合装置の一部を形成するエンドプレートの一例の斜視図である。図23は、いくつかの態様による、図21のエンドプレートの上面図である。
図24-25】図24は、いくつかの態様による、完全展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図25は、いくつかの態様による、完全展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。
図26-27】図26は、いくつかの態様による、図25の展開式癒合装置の分解斜視図である。図27は、いくつかの態様による、図25の展開式癒合装置の一部を形成する遠位ランプの一例の斜視図である。
図28-29】図28は、いくつかの態様による、完全展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図29は、いくつかの態様による、図28の展開式癒合装置の分解斜視図である。
【0025】
図30-31】図30は、いくつかの態様による、図28の展開式癒合装置の一部を形成する遠位ランプの一例の斜視図である。図31は、いくつかの態様による、図3の展開式癒合装置の一部を形成する遠位ランプの別の例の斜視図である。
図32-33】図32は、いくつかの態様による、完全展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図33は、いくつかの態様による、図32の展開式癒合装置の一部を形成する近位ランプの一例の斜視図である。
図34-38】図34は、いくつかの態様による、幅展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図35は、いくつかの態様による、図34の展開式癒合装置の一部を形成するアクチュエータの一例の斜視図である。図36~38は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図34の展開式癒合装置の断面図である。
図39-42】図39は、いくつかの態様による、幅展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図40~41は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図39の展開式癒合装置の断面図である。図42は、いくつかの態様による、図39の展開式癒合装置の近位部分の断面図である。
図43-48】図43は、いくつかの態様による、完全展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図44は、いくつかの態様による、図43の展開式癒合装置の一部を形成するアクチュエータの一例の斜視図である。図45~47は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図43の展開式癒合装置の断面図である。図48は、いくつかの態様による、図43の展開式癒合装置の近位部分の断面図である。
図49-53】図49は、いくつかの態様による、完全圧縮状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図50は、いくつかの態様による、図49の展開式癒合装置の一部を形成するロッキング要素の一例の斜視図である。図51~53は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図49の展開式癒合装置の断面図である。
図54-56】図54は、いくつかの態様による、図49の展開式癒合装置の一部を形成するロッキング要素の別の例の斜視図である。図55~56は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図48の展開式癒合装置の断面図である。
図57-59】図57は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図58は、いくつかの態様による、幅折り畳み状態での図57の斜視図である。図59は、いくつかの態様による、図57の展開式癒合装置の分解斜視図である。
図60-65】図60~61は、いくつかの態様による、図57の展開式癒合装置の一部を形成する遠位ランプの一例の斜視図である。図62は、いくつかの態様による、図57の展開式癒合装置の一部を形成するエンドプレートの一例の斜視図である。図63~65は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図57の展開式癒合装置の平面図である。
図66-69】図66は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図67は、いくつかの態様による、幅展開状態での図66の展開式癒合装置の斜視図である。図68は、いくつかの態様による、完全展開状態での図66の展開式癒合装置の斜視図である。図69は、いくつかの態様による、図66の展開式癒合装置の一部を形成する近位および遠位ランプの一例の斜視図である。
【0026】
図70-75】図70は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図71は、いくつかの態様による、幅展開状態での図70の展開式癒合装置の斜視図である。図72は、いくつかの態様による、完全展開状態での図70の展開式癒合装置の斜視図である。図73は、いくつかの態様による、図71の展開式癒合装置の一部を形成する幅安定器の一例の斜視図である。図74~75は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図70の展開式癒合装置の断面図である。
図76-80】図76は、いくつかの態様による、完全展開状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図77は、いくつかの態様による、図76の展開式癒合装置の一部を形成する幅安定器の一例の斜視図である。図78~80は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図76の展開式癒合装置の断面図である。
図81-84】図81は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図82は、いくつかの態様による、完全展開状態での図81の展開式癒合装置の斜視図である。図83は、いくつかの態様による、幅展開状態でのエンドプレートを伴わない図81の展開式癒合装置の斜視図である。図84は、いくつかの態様による、図84の展開式癒合装置の一部を形成する幅安定器の一例の斜視図である。
図85-88】図85は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図86は、いくつかの態様による、図85の展開式癒合装置の一部を形成する幅安定器の一例の斜視図である。図87~88は、いくつかの態様による、エンドプレートが除去された様々な展開状態での図85の展開式癒合装置の斜視図である。
図89-92】図89は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図90は、いくつかの態様による、幅展開状態での図89の展開式癒合装置の斜視図である。図91は、いくつかの態様による、完全展開状態での図89の展開式癒合装置の斜視図である。図92は、いくつかの態様による、幅安定器の代替例とともに示された図89の展開式癒合装置の斜視図である。
図93-99】図93~94は、いくつかの態様による、図89の展開式癒合装置の一部を形成する上方エンドプレートアセンブリのそれぞれ上面図と斜視図である。図95~99は、いくつかの態様による、幅安定器の様々な例を表す図93の上方エンドプレートアセンブリの断面図である。
図100-105】図100は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図101は、いくつかの態様による、幅展開状態での図100の展開式癒合装置の斜視図である。図102は、いくつかの態様による、完全展開状態での図100の展開式癒合装置の斜視図である。図103は、いくつかの態様による、図100の展開式癒合装置の一部を形成する遠位ランプの一例の斜視図である。図104は、いくつかの態様による、図100の展開式癒合装置の一部を形成する近位ランプの一例の斜視図である。図105は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。
図106-109】図106は、いくつかの態様による、完全圧縮状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図107は、いくつかの態様による、幅展開状態での図106の展開式癒合装置の斜視図である。図108は、いくつかの態様による、完全展開状態での図106の展開式癒合装置の斜視図である。図109は、いくつかの態様による、図108の展開式癒合装置の断面図である。
図110-113】図110~113は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図106の展開式癒合装置の平面図である。
図114-116】図114は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図115~116は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図114の展開式癒合装置の斜視図である。
【0027】
図117-121】図117~118は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図114の展開式癒合装置の斜視図である。図119~120は、いくつかの態様による、図114の展開式癒合装置の断面図である。図121は、いくつかの態様による、エンドプレートが除去された図114の展開式癒合装置の斜視図である。
図122-124】図122は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図123~124は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図122の展開式癒合装置の斜視図である。
図125-128】図125は、いくつかの態様による、様々な展開状態での図122の展開式癒合装置の斜視図である。図126~127は、いくつかの態様による、図122の展開式癒合装置の上面図である。図128は、いくつかの態様による、完全展開状態での図122の展開式癒合装置の斜視図である。
図129-133】図129~130は、いくつかの態様による、図122の展開式癒合装置の近位端の斜視図である。図131~133は、いくつかの態様による、図122の展開式癒合装置にシムを使用する場合のいくつかの例の斜視図である。
図134-138】図134は、いくつかの態様による、完全折り畳み状態での展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図135は、いくつかの態様による、幅展開状態での図134の展開式癒合装置の斜視図である。図136は、いくつかの態様による、完全展開状態での図134の展開式癒合装置の斜視図である。図137~138は、いくつかの態様による、図134の展開式癒合装置の一部を形成するウェッジの斜視図である。
図139-140】図139~140は、いくつかの態様による、幅展開状態での図134の展開式癒合装置の上面図である。
図141-143】図141~143は、いくつかの態様による、展開式癒合装置の別の例の斜視図である。
図144-145】図144~145は、いくつかの態様による、展開式癒合装置の別の例の斜視図である。
図146-148】図146~148は、いくつかの態様による、展開式癒合装置の別の例の斜視図である。
図149-151】図149~151は、いくつかの態様による、図146の展開式癒合装置の端面図である。
図152-156】図152は、いくつかの態様による、完全展開状態での前弯性展開のために構成された展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図153は、いくつかの態様による、図152の展開式癒合装置の一部を形成する近位ランプの一例の斜視図である。図154は、いくつかの態様による、完全展開状態での前弯性展開のために構成された展開式癒合装置の別の例の斜視図である。図155は、いくつかの態様による、図154の展開式癒合装置の一部を形成する近位ランプの一例の斜視図である。図156は、いくつかの態様による、完全展開状態での横断方向前弯性展開のために構成された展開式癒合装置の別の例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
展開式脊椎癒合装置、システム、およびこれらを使用する方法が提供され、最小から極小の椎間伸延の使用を通して、または恐らく伸延せずに、および、小さい外科用通路の使用を通して、手術合併症およびリスクを低減する。装置、システム、および方法は、所望の整合を達成するため、またはおそらくは使用中の装置の陥没を回避するためのより大きく、またおそらくは偏った可能性のある設置面積である所望の設置面積について、実行中の選択を提供する単一の装置の可変の横断方向展開システムを通した装置の展開での所望の幅制御を許容する。これは、駆動システムを介して所望の量および速度で漸進的に増加する装置の漸進的な頭尾方向展開を通した高さ展開の所望の制御が、周囲の組織に加えられる展開の速度、量、圧力の漸増的制御により、神経要素を制御可能に減圧し、安全性の高い所望の椎間高さに達するため、所望の椎間高さおよび/または圧力を実現することも許容する。隣接する椎体の整合の所望の制御は、いかなる所望の展開幅をも選択する自由を外科医に付与する設計と、漸進的高さ制御から独立して所望の幅の実現とを通して得られる。例えば相互嵌合型エンドプレートシステムを使用して達成される装置と上方および下方椎骨エンドプレートとの間に所望される所望の接触面積の制御を許容する装置、システム、および方法も得られる。
【0029】
ここで教示される癒合装置は、近位ウェッジ、遠位ウェッジ、第1のランプ、第2のランプ、第3のランプ、第4のランプ、第1のエンドプレート、第2のエンドプレート、第3のエンドプレート、第4のエンドプレート、アクチュエータ、そして近位ウェッジに対するアクチュエータの線形運動を制約するように設計される保持部材を含みうる。アクチュエータが、近位ウェッジと遠位ウェッジとを一緒にまたは互いに離して引き寄せ、第1のランプを第4のランプから強制的に離し、第2のランプを第3のランプから強制的に離し、第2のランプを第3のランプから強制的に離し、そして第1のランプを第2のランプから強制的に離すかこれに近づけ、第3のランプを第4のランプから強制的に離すかこれに近づけることが可能である結果、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとを互いから、そして展開構成へ外向きに移動させる。
【0030】
任意で、いかなる態様でも、装置は上方エンドプレートアセンブリと下方エンドプレートアセンブリの少なくとも一方の外側幅を含む幅を有しうる。任意で、いかなる態様でも、装置は上方エンドプレートアセンブリと下方エンドプレートアセンブリとの間の外側距離を含む高さを有しうる。任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数による駆動機構の作動は、高さを増加させずに幅を増加させうる。任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数による駆動機構の作動は、高さおよび幅の少なくとも一方を増加させうる。
【0031】
当業者は、ここで提示される装置により当該技術に付与される頭尾方向と横断方向の両方の展開の、可能であると共に改良された自律的な制御の展開範囲を認識するだろう。いくつかの態様で、装置の幅(生体内で装置が横断方向に展開する寸法)は、折り畳み状態では約5mmから約30mmの範囲で1mmの増分でのいかなる量または範囲であり、展開状態では約10mmから約60mmの範囲で1mmの増分でのいかなる量または範囲でありうる。いくつかの態様で、装置の高さ(生体内で装置が頭尾方向に展開する寸法)は、折り畳み状態では約5mmから約20mm、展開状態では約10mmから約40mmの範囲でありうる。いくつかの態様では、いずれかの方向でのパーセント展開は約1%から約100%の範囲であり、その中のいかなるパーセントも1%の増分での範囲でありうる。このように、折り畳み状態では、装置の幅は、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25ミリ、約26mm、約27mm、約28mm、約29mm、約30mm、またはこの中でいかなる量または範囲も0.1mmの増分で可能であり、高さは、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、またはこの中でいかなる量または範囲も0.1mmの増分で可能である。同様に、展開状態で、装置の幅は、約10mm、約12mm、約14mm、約16mm、約18mm、約20mm、約24mm、約24mm、約26mm、約28mm、約30mm、約32mm、約34mm、約36mm、約38mm、約40mm、約42mm、約44mm、約46mm、約48mm、約50mm、約52mm、約54mm、約56mm、約58mm、約60mm、またはその中で0.1mmの増分を含む量または範囲であり、高さは、約10mm、約12mm、約14mm、約16mm、約18mm、約20mm、約22mm、約24mm、約26mm、約28mm、約30mm、約32mm、約34mm、約36mm、約38mm、約40mm、またはこの中でいかなる量または範囲も0.1mmの増分で可能である。いくつかの態様では、上記の高さおよび幅寸法のいかなる組み合わせまたは範囲の組み合わせも、一緒に使用することができる。いくつかの態様では、例えば、装置は折り畳み時に約7~8mmの範囲の高さを有し、一方で生体内での展開時に高さは約12~14mmの範囲であり、折り畳み時には約7~20mmの範囲の幅を有し、一方で生体内での展開時には幅は約14~40mmの範囲であることが可能である。いくつかの態様では、例えば、装置は折り畳み時に約6~10mmの範囲の高さを有し、一方で生体内での展開時に高さは約12~20mmの範囲であり、折り畳み時には約6~24mmの範囲の幅を有し、一方で生体内での展開時には幅は約12~48mmの範囲であることが可能である。
【0032】
図1~2は、ここに開示されるタイプの展開式癒合装置7の一態様の一例を図示し、以下で例として説明される各実施形態に共通する展開タイプの代表的な例である。例として、図1は、手術アクセス路5としてエンドプレート6、8をそれぞれ有する、隣接する椎体2、4の間の椎間スペース3に配置された初期折り畳み状態での展開癒合装置7を図示している。初期折り畳み状態での展開式癒合装置7の埋入は、埋入に必要とされる嵌入力および外科用通路5の大きさを低減させる。図2は、隣接する椎骨2、4の椎骨エンドプレート6、8とそれぞれ嵌合する、展開状態(幅と高さの両方で展開)での展開式癒合装置7を図示している。展開式癒合装置7は初期圧折り畳み状態の幅よりも長く、エンドプレートも幅より長くなりうる。椎体2、4の間に配置された状態での癒合装置7の展開(例えば術中展開)は、さもなければ外科用通路5により許容されるものを超えて、癒合装置7の幅と、これに対応した癒合装置7とエンドプレート6、8との間の間隔や接触面積(または設置面積)との増加を許容する。さらに、展開式癒合装置7の術中展開は、インプラントの高さおよび/またはそのコンポーネントの角度配向を増加および維持することにより椎骨2、4の間の距離および/または角度を増加および維持するためにエンドプレート6、8に展開力を加えることを促進する。
【0033】
好ましくは、ここに説明される癒合装置7(およびさらなる態様)の様々なコンポーネントは、チタン合金(Ti‐6Al‐4V合金を限定的にではなく含む)、またはCoCrMo合金を限定的にではなく含むコバルト合金から製造される。また、癒合装置7のネジコンポーネントのいくつかをCoCrベースの合金から製造すると、強度上昇、サイズ縮小、そして他の性能事案を許容する。しかしながら、展開式癒合装置7(および/またはここに説明される何らかの態様)の様々なコンポーネントが、金属および合金(例えば、工業用純チタン、Ti‐6Al‐4Vベースの合金を含むチタン合金、CoCrMo合金を含むコバルト合金、ステンレス鋼、タンタルとその合金、白金とその合金等)、ポリマー(例えば、例えば炭素繊維、炭素ナノチューブ、グラフェン、硫酸バリウム、またはヒドロキシアパタイトを含む炭素繊維強化品種および他の充填された品種を含むPEEK、PEKK、PEKEK、PEI、PET、PETG、UHMWPE、PPSU、アセタール、ポリアセタール等)、セラミック(例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、ダイヤモンドライクカーボン等とともに様々な金属化セラミックおよび金属セラミック複合材料)を限定的にではなく含む多様な材料で製作されうることが理解されるべきである。
【0034】
そのため、いかなる態様でも、アクチュエータ、ウェッジアセンブリ、ランプアセンブリ、上方エンドプレートアセンブリ、下方エンドプレートアセンブリのうち少なくとも1つは、チタン、コバルト、ステンレス鋼、タンタル、白金、PEEK、PEKK、炭素繊維、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、セラミック、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭素、骨グラフト、脱灰骨基質製品、合成骨代用材、骨形態形成剤、骨成長誘発材、またはこれらの何らかの組み合わせを含みうる。
【0035】
任意で、いかなる態様でも、骨同種移植片、骨自家移植片、骨異種移植片、脱灰骨基質製品、合成骨代用材、骨形態形成剤、または他の骨成長誘発材が、癒合装置7の中および/または周りに導入されて、椎間癒合をさらに促進および促進する。1態様では、好ましくは展開した後に、骨移植片、脱灰骨基質製品、合成骨代用材、骨形態形成剤、または他の骨成長誘発材が癒合装置7に好ましくは充填または注入されるが、他の態様では、埋入の前に、または埋入の後だが展開の前にも、移植片材が癒合装置7の中または周りの椎間スペース3へ導入されうる。
【0036】
任意で、いかなる態様でも、装置はさらに1つ以上のピンを含む。任意で、いかなる態様でも、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートのうち少なくともひとつが貫通孔を含有しない骨対向表面を含みうる。任意で、いかなる態様でも、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートのうち少なくとも二つが同等でありうる。任意で、いかなる形態でも、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートのうち少なくとも二つが鏡像対称性を有しうる。
【0037】
図3~23は、いくつかの態様による、2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための展開式癒合装置10の一例を図示している。最初に図3~5を単なる例として参照すると、本態様の展開式癒合装置10は、アクチュエータ12と遠位ウェッジ14と近位ウェッジ16と一対の遠位ランプ18a、18bと一対の近位ランプ20a、20bと複数のエンドプレート22a~22dと複数のガイドピン23とを含む。以下でより詳細に説明するように、遠位および近位ウェッジ14、16はアクチュエータ12と結合される。遠位ランプ18a、18bは遠位ウェッジ14と摺動可能に結合される。近位ランプ20a、20bは近位ウッジ16と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート22a~22dは、ランプ18a、18b、20a、20bと摺動可能に結合される。より具体的には、第1のエンドプレート22aは第1の遠位ランプ18aおよび第1の近位ランプ20aと摺動可能に連動する第1の上方エンドプレートを含み、第2のエンドプレート22bは第2の遠位ランプ18bおよび第2の近位ランプ20bと摺動可能に連動する第2の上方エンドプレートを含み、第3のエンドプレート22cは第1の遠位ランプ18aおよび第1の近位ランプ20aと摺動可能に連動する第1の下方エンドプレートを含み、第4のエンドプレート22dは第2の遠位ランプ18bおよび第2の近位ランプ20bと摺動可能に連動する第2の下方エンドプレートを含む。例示的実施形態において、エンドプレート22a~22dはまた、装置が初期折り畳み状態にある時にウェッジ14、16との摺動接触状態にある。
【0038】
図6は、本態様の展開式癒合装置10の一部を形成するアクチュエータ12の一例を図示している。単なる例として、アクチュエータ12は、遠位端24と近位端26と前後軸Lとを有する円筒形の細長いシャフトを含みうる。遠位端24の少なくとも一部分は第1のネジ機構28を含む。同様に、近位端26の少なくとも一部分は第2のネジ機構30を含む。第1および第2のネジ機構28、30は、第1のネジ機構289と第2のネジ機構30との間に配設される非ネジ区分29により分離されうる。遠位および近位端24、26の少なくとも一方は、前後軸Lと一致する駆動機器(不図示)と嵌合してアクチュエータを作動させるように構成される駆動機構32を含む。第1および第2のネジ機構28、30の各々は、アクチュエータ12のシャフトを中心に外側に配設されるネジを含む。例として、第1のネジ機構28と第2のネジ機構30とは反対のネジ方向を有し得る。または、第1および第2のネジ機構28、30が同じネジ方向を有してもよい。例えば、第1および第2のネジ機構28、30のうち少なくとも一方は右ネジを含みうる。代替的(または付加的)に、第1および第2のネジ機構28、30のうち少なくとも一方は左ネジを含みうる。駆動機構32は、駆動機器を収容するように構成される陥凹領域を含む。陥凹領域は、スロット、フィリップス、ポジドライブ、フリアスン、ロバートソン、12ポイントフランジ、六角ソケット、安全六角ソケット、スタードライブ、安全トルクス、ta、トリポイント、トリウィング、スパナヘッド、クラッチ、ワンウェイ、ダブルスクエア、トリプルスクエア、ポリドライブ、スプラインドライブ、ダブル六角、ブリストル、ペンタローブ凹部、または他のいずれかの形状の凹部を限定的にではなく(単なる例として)含む駆動機器の対応の駆動要素と嵌合することが可能ないずれかの形状を含みうる。または、駆動機構32は、近位および/または遠位端から長手方向に延出して駆動機器に結合されるように構成される突出部(例えば六角、ヘクサロビュラ、または方形の突部、あるいは他の形状の突出部)を含みうる。
【0039】
任意で、いかなる態様でも、アクチュエータは遠位端と近位端とを有しうる。任意で、いかなる態様でも、遠位端の少なくとも一部分は第1のネジ機構を含みうる。任意で、いかなる態様でも、近位端の少なくとも一部分は第2のネジ機構を含みうる。任意で、いかなる実施形態でも、近位端は駆動機構を含みうる。任意で、いかなる態様でも、第1のネジ機構と第2のネジ機構の少なくとも一方が、アクチュエータの外側に配設されるネジを含みうる。任意で、いかなる態様でも、第1のネジ機構と第2のネジ機構の少なくとも一方が反対のネジ方向を有しうる。
【0040】
任意で、いかなる態様でも、ウェッジアセンブリは遠位ウェッジと近位ウェッジとを含みうる。任意で、いかなる態様でも、第1の方向での駆動機構の作動が遠位ウェッジと近位ウェッジとを互いの方へ近づけさせ得る。任意で、いかなる態様でも、遠位ウェッジは第3のネジ機構を含み、第3のネジ機構は第1のネジ機構にネジ結合されうる。任意で、いかなる態様でも、近位ウェッジは第4のネジ機構を含み、第4のネジ機構は第2のネジ機構にネジ結合され得る。任意で、いかなる態様でも、第3のネジ機構は、遠位ウェッジの内側に配設されるネジを含みうる。任意で、いかなる態様でも第4のネジ機構は、近位ウェッジの内側に配設されるネジを含みうる。
【0041】
図7図9は、本態様による遠位ウェッジ14の一例を図示している。例として、遠位ウェッジ14は、遠位面36と、近位面38と、遠位面および近位面36、38の間に軸方向に延在するネジ機構40とを含む等脚台形プリズム形状を有しうる。遠位ウェッジ14は、挿入プロセスを助ける遠位方向テーパ状の上部および底部表面41、43を含む。遠位ウェッジ14はさらに、挿入具への一時的な装着のために構成される一つ以上の嵌合機構42、例えば遠位ウェッジ14の上部および/または底部表面41、43での一つ以上の凹部42を含む。ネジ機構40は、アクチュエータ12の第1のネジ機構28とネジ結合するために構成される内ネジを含む。遠位ウェッジ14は、第1および第2の遠位ランプ18a、18bおよび/またはエンドプレート22a、22b、22c、22dとの摺動可能結合のために構成されうる。第1および第2の遠位ランプ18a、18bとの摺動可能結合を促進するため、遠位ウェッジ14は、リッジまたは舌部(例えばリッジ46a~46d)とスロットまたは溝部(例えばスロット48a~48d)とを各々が含む複数の実矧ぎコネクタ44a~44dと、複数の制御スロット50a~50dとを含む。単なる例として、実矧ぎコネクタ44a~44dは遠位ランプ18a、18bの実矧ぎコネクタ88a~88dと摺動可能に係合し、制御スロット50a~50dは遠位ランプ18a、18bの突部94a~94dを摺動可能に収容する。例として、実矧ぎコネクタ44aは((図9に示されているように)遠位ウェッジ14の近位面38を見た時に)右上の実矧ぎコネクタ44aを含み、実矧ぎコネクタ44bは右下の実矧ぎコネクタ44bを含み、実矧ぎコネクタ44cは左上の実矧ぎコネクタ44cを含み、実矧ぎコネクタ44dは左下の実矧ぎコネクタ44dを含む。例として、右上の実矧ぎコネクタ44aと左上の実矧ぎコネクタ44c、そして右下の実矧ぎコネクタ44bと左下の実矧ぎコネクタ44dは、遠位ウェッジ14の矢状面に対して鏡像対象性を有する。同様に、右上の実矧ぎコネクタ44aと右下の実矧ぎコネクタ44b、そして左上の実矧ぎコネクタ44cと左下の実矧ぎコネクタ44dは、遠位ウェッジ14の横断面に対して鏡像対称性を有する。例として、実矧ぎコネクタ44a~44dの各々の正中面は、遠位ウェッジ14の矢状面から正面接触角で配向される。
【0042】
任意で、いかなる態様でも、ランプアセンブリは第1の遠位ランプと第2の遠位ランプと第1の近位ランプと第2の近位ランプとを含みうる。任意で、いかなる態様でも、ウェッジアセンブリとランプアセンブリ、ランプアセンブリと上方エンドプレートアセンブリ、ランプアセンブリと下方エンドプレートアセンブリのうち少なくとも一つの間での摺動可能結合は、前後軸から正面接触角にある。正面接触角は、例えば、約0度から約90度を含む範囲でありうる。したがって、いかなる態様でも、正面接触角は少なくとも約0度でありうる。
【0043】
任意で、いかなる態様でも、ウェッジアセンブリとランプアセンブリ、ランプアセンブリと上方エンドプレートアセンブリ、ランプアセンブリと下方エンドプレートアセンブリとの間の摺動可能結合は突部とスロットとを含みうる。任意で、いかなる態様でも、突部はウェッジアセンブリ、ランプアセンブリ、上方エンドプレートアセンブリ、下方エンドプレートアセンブリのうち少なくとも一つから延在し、スロットは、上方エンドプレートアセンブリと下方エンドプレートアセンブリの少なくとも一方に配設される。任意で、いかなる態様でも、突部は、ピン、リッジ、くぼみ、ボルト、ねじ、ベアリング、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。任意で、いかなる態様でも、スロットは、貫通スロット、ブラインドスロット、tスロット、vスロット、溝部、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。
【0044】
単なる例として、制御スロット50aは((図9に示されているように)遠位ウェッジ14の近位面38を見た時に)右上の制御スロット50aを含み、制御スロット50bは右下の制御スロット50bを含み、制御スロット50cは左上制御スロット50を含み、制御スロット50dは左下の制御スロット50dを含む。例として、右上の制御スロット50aと左上の制御スロット50c、そして右下の制御スロット50bと左下の制御スロット50dは、遠位ウェッジ14の矢状面に対して鏡像対称性を有する。同様に、右上の制御スロット50aと左下の制御スロット50b、そして左上の制御スロット50cと左下の制御スロット50dは、遠位ウェッジ14の横断面に対して鏡像対称性を有する。例として、中央スロット50a~40dの各々の正中面は遠位ウェッジ14の矢状面から正面接触角に配向される。制御スロット50a~50dの各々は、当該の制御スロットの遠方側方末端に平行移動ストッパ51を含む。平行移動ストッパ51は遠位ランプ18a、18bの突部94a~94dのさらなる遠方側方平行移動を阻止し、これは遠位ランプ18a、18bの外向き移動を停止させ、ゆえに展開式癒合装置10の幅展開を停止させる。
【0045】
図10~12は、本実施形態による近位ウェッジ16の一例を図示する。例として、近位ウェッジ16は、遠位面52と、近位面54と、遠位および近位面52、54の間に軸方向に延在するネジ機構56とを含む等脚台形プリズム形状を有する。近位ウェッジ34はさらに、挿入具への一時的装着のために構成される一つ以上の嵌合機構58、例えば遠位ウェッジ16の上部および/または底部側の一つ以上の凹部58を含む。ネジ機構56は、アクチュエータ12の第2のネジ機構30とネジ結合されるために構成される内ネジを含む。近位ウェッジ16は、第1および第2の近位ランプ20a、20bおよび/またはエンドプレート22a、22b、22c、22dと摺動可能に結合するために構成されうる。摺動可能結合を促進するため、近位ウェッジ16は、リッジまたは舌部(例えばリッジ62a~62d)とスロットまたは溝部(例えばスロット64a~64d)とを各々が含む複数の実矧ぎコネクタ60a~60dと、複数の制御スロット66a~66dとを含む。例として、実矧ぎコネクタ60a~60dは近位ランプ20a、20bの実矧ぎコネクタ130a~130dと摺動可能に係合し、制御スロット66a~66dは近位ランプ20a、20bの突部136a~136dを摺動可能に収容する。例として、実矧ぎコネクタ60aは、((図12に示されているように)近位ウェッジ16の遠位面52を見た時に)左上の実矧ぎコネクタ60aを含み、実矧ぎコネクタ60bは左下の実矧ぎコネクタ60bを含み、実矧ぎコネクタ60bは左下の実矧ぎコネクタ60bを含み、実矧ぎコネクタ60cは右上の実矧ぎコネクタ60cを含み、実矧ぎコネクタ60dは右下の実矧ぎコネクタ60dを含む。例として、左上の実矧ぎコネクタ60aと右上の実矧ぎコネクタ60c、そして左下の実矧ぎコネクタ60bと右下の実矧ぎコネクタ60dは、近位ウェッジ16の矢状面に対して鏡像対称性を有する。同様に、左上の実矧ぎコネクタ60aと左下の実矧ぎコネクタ60b、そして右上の実矧ぎコネクタ60cと右下の実矧ぎコネクタ60dは、近位ウェッジ16の横断面に対して鏡像対称性を有する。例として、実矧ぎコネクタ60a~60dの各々の正中面は、近位ウェッジ16の矢状面から正面接触角で配向される。
【0046】
単なる例として、制御スロット66aは、((図12に示されているように)近位ウェッジの遠位面52を見た時に)左上制御スロット66aを含み、制御スロット66bは左下制御スロット66bを含み、制御スロット66cは右上制御スロット66cを含み、制御スロット66dは右下制御スロット66dを含む。例として、左上制御スロット66aと右上制御スロット66c、そして左下制御スロット66bと右下制御スロット66dは、近位ウェッジ16の矢状面に対して鏡像対称性を有する。同様に、左上制御スロット66aと左下制御スロット66b、そして右上制御スロット66cと右下制御スロット66dは、近位ウェッジ16の横断面に対して鏡像対称性を有する。例として、制御スロット66a~66dの各々の正中面は、近位ウェッジ16の矢状面から正面接触角に配向される。制御スロット66a~66dの各々は、当該の制御スロットの近位外側終点に平行移動ストッパ67を含む。平行移動ストッパ67は、近位ランプ20a、20bの突部136a~136dのさらなる近位外側平行移動を阻止し、これは近位ランプ20a、20bの外向き移動を停止させ、ゆえに展開式癒合装置10の幅展開を停止させる。
【0047】
例として、第1および第2の遠位ランプ18a、18bは互いに同一の鏡像であり、ゆえにここでは第2の遠位ランプ18bのみが詳細に説明され、しかしながら、第2の遠位ランプ18bに関して説明した特徴は第1の遠位ランプ18aにも無条件で適用されることが理解されるべきである。同様に、第1および第2の近位ランプ20a、20bは互いに同一の鏡像であり、ゆえにここでは第1の近位ランプ20aのみが詳しく説明され、しかしながら第1の近位ランプ20aに関してここで説明された特徴は第2の近位ランプ20bにも無条件で適用されることが理解されるべきである。
【0048】
図13~16は、本態様による第2の遠位ランプ18bの一例を図示している。例として、第2の遠位ランプ18bは、遠位端76と、近位端78と、内側80(例えば組み立てられた展開式癒合装置10ではアクチュエータ12の方に配向)と、外側82(例えば組み立てられた展開式癒合装置10ではアクチュエータ12と反対の配向)とを有する。一般的に、第2の遠位ランプ18bは、第1のローブ84と第2のローブ86の二つのローブに分割される矩形プリズムを含み、これは展開式癒合装置10の高さ展開を促進する。
【0049】
第2の遠位ランプ18bは、遠位ウェッジ14および/またはエンドプレート22b、22dと摺動可能に結合するために構成されうる。摺動可能結合を促進するため、遠位端76は、リッジまたは舌部(例えばリッジ90c、90d)とスロットまたは溝部(例えばスロット92c、92d)とを各々が含む一対の実矧ぎコネクタ88c、88d、および、突部94c、94dを含む。実矧ぎコネクタ88c、88dは遠位ウェッジ14の実矧ぎコネクタ44c、44dと摺動可能に係合し、突部94c、94dは遠位ウェッジ14の制御スロット50c、50dと摺動可能に係合する。図示されていないが、第1の遠位ランプ18aの類似の機構(例えば実矧ぎコネクタと突部)は、遠位ウェッジ14の対応の機構(例えば実矧ぎコネクタ44a、44bと制御スロット50a、50b)と係合する。例として、実矧ぎコネクタ44cは実矧ぎコネクタ44c(例えば図14)を含み、実矧ぎコネクタ44dは下方実矧ぎコネクタ44dを含み、突部50cは上方突部50cを含み、突部50dは下方突部50dを含む。上方および下方突部50c、50dは第2の遠位ランプ18bの当該の内側遠位角部に配置される。実矧ぎコネクタ88c、88dは、遠位ウェッジ14の実矧ぎコネクタ44c、44dの角度に対応するように内側外側方向に傾斜している。
【0050】
第1のローブ84は、近位方向に配向される頂点を有するシェブロン形状を含む。第1のローブ84は、上表面96と底表面98と側表面99と傾斜近位表面100a、100bとを含む。例として、第1のローブ84は一般的にL形状の断面形状を有するが、しかしながら、円形、卵形、楕円形、三角形、方形、T形状、V形状、正多角形、非正多角形、またはこれらの組み合わせを限定的にではなく(単なる例として)含むいずれかの好適な断面を有しうることに注意すべきである。傾斜近位表面100aは第2の上方エンドプレート22bの傾斜表面152と摺動可能に嵌合し、傾斜近位表面100bは第2の下方エンドプレート22dの傾斜表面152と摺動可能に係合して高さ展開を促進する。第1のローブ84はさらに、側表面99に形成され、1つ以上のガイドピン(図5参照)をその中に摺動可能に収容するように構成されるV形状陥凹ランプスロット102を含み、高さ展開中に構造物を安定化させるのに役立つとともに高さ展開のためのハードストッパ103となる。
【0051】
例として、V形状ランプスロット102は上方ランプスロット102aと下方ランプスロット102bとを含む。図13に例として示されているように、上方および下方ランプスロット102a、102bは等しい勾配を有しうる。ランプスロット102a、102bの同等勾配は、上方エンドプレートアセンブリおよび下方エンドプレートアセンブリが、アクチュエータ12の回転に関して同じ速度でアクチュエータ12からそれぞれ上向きおよび下向きに平行移動することを可能にする。代替的に、ランプスロット102a、102bは非同等勾配を有しうる。このような構成で、ランプスロット102a、102bの非同等勾配は、上方エンドプレートアセンブリおよび下方エンドプレートアセンブリが、アクチュエータ12の回転に関して異なる速度でアクチュエータ12からそれぞれ上向きおよび下向きに平行移動することが可能である。さらに、図13に例として示されているように、上方および下方ランプスロット102a、10bは一点に向かい交差する。いくつかの態様で、ランプスロット102a、102bは一点に向かうが交差しない。
【0052】
第2のローブ86は、近位方向に配向される切頭頂点を有する切頭シェブロン形状を含む。近位ローブ86は、上表面106と底表面108と側表面110と傾斜近位表面112a、112bと傾斜遠位表面114a、114bとを含む。例として、第2のローブ86は一般的に台形の断面形状を有する(例えば図16参照)。二重シェブロン形状の非平行な先頭接触表面(例えば傾斜表面100a、100bと傾斜表面112a、112b)を有すると高さ展開中に構造物の安定性を高めるので、第2のローブ86の台形断面は有利である。さらに、第2のローブ86の台形形状は、近位傾斜表面112a、112bおよび遠位傾斜表面114a、114bの表面積を増大させ、これが構造物の強度を高めて、高さ展開が完了した後に圧縮力に抵抗する。傾斜近位表面112aは第2の上方エンドプレート22bの傾斜表面156と摺動可能に嵌合し、傾斜近位表面112bは第2の下方エンドプレート22dの傾斜表面156と摺動可能に嵌合して、高さ展開を促進する。
【0053】
図17~20は、本態様による第1の近位ランプ20aの一例を図示している。例として、第1の近位ランプ20aは、近位側116と、遠位側118と、内側120(例えば、組立後の展開式癒合装置10ではアクチュエータ12の方に配向)と、外側122(例えば、組立後の展開式癒合装置10ではアクチュエータ12と反対の配向)とを有する。第1の近位ランプ20aは上方部分124と、下方部分126と、上方および下方部分124、126を接続する垂直ポスト128とを含む。例として、垂直ポスト128はランプ20aの外側122に配置される。
【0054】
第1の近位ランプ20aは近位ウェッジ16および/またはエンドプレート22a、22cと摺動可能に結合するために構成されうる。摺動可能結合を促進するため、近位側116は、リッジまたは舌部(例えばリッジ132a、132b)とスロットまたは溝部(例えばスロット134a、134b)とを各々が含む一対の実矧ぎコネクタ130a、130bと、一対の突部136a、136bとを含む。実矧ぎコネクタ130a、130bは近位ウェッジ16の実矧ぎコネクタ60a、60bと摺動可能に係合し、突部136a、136bは近位ウェッジ16の制御スロット66a、66bと摺動可能に係合する。図示されていないが、第2の近位ランプ20bの類似の機構(例えば実矧ぎコネクタおよび突部)は近位ウェッジ16の対応の機構(例えば実矧ぎコネクタ60c、60dおよび突部)と係合する。例として、実矧ぎコネクタ130aと突部136aは上方部分124に配設されて上方実矧ぎコネクタ130aと上方突部136aをそれぞれ含み、実矧ぎコネクタ130bと突部136は下方部分126に配設されて下方実矧ぎコネクタ130bと下方突部136bをそれぞれ含む。上方および下方突部136a、136bは、第1の近位ランプ20aの当該の内側近位角部に配置される。実矧ぎコネクタ130a、130bは、近位ウェッジ16の実矧ぎコネクタ60a、60bの角度と対応するように内側外側方向に傾斜している。
【0055】
垂垂直ポスト128は、上表面129aと底表面129bとを有し、第1の上方エンドプレート22aと第1の下方エンドプレート22cとの間で垂直に延在するように構成され、第1の上方エンドプレート22aおよび第1の下方エンドプレート22cの垂直通路150と摺動式に係合するように構成される。ポスト128は垂直に配向されるので、第1の近位ランプ20a(および第2近位ランプ20b)が近位ウェッジ16により軸方向に平行移動すると、エンドプレート22a、22cのみが第1の近位ランプ20aに対して垂直に平行移動できる。
【0056】
任意で、いかなる態様でも、上方エンドプレートアセンブリは第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとを含み、下方エンドプレートアセンブリは第3のエンドプレートと第4のエンドプレートとを含みうる。任意で、いかなる態様でも、第1のエンドプレートと第2のエンドプレート、第3のエンドプレートと第4のエンドプレート、第1の近位ランプと第2近位ランプ、そして第1遠位ランプと第2遠位ランプの少なくとも1つは、鏡像同等性を有しうる。任意で、いかなる態様でも、第2のエンドプレートと第4のエンドプレートの少なくとも一方は第1のエンドプレートと第3のエンドプレートの少なくとも一方より大きい。任意で、いかなる態様でも、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートと第3のエンドプレートと第4のエンドプレートの外面のうち少なくとも一つは、椎骨を把持するように構成されるテクスチャを含みうる。
【0057】
例として、様々なエンドプレート22a~22dは同一であるか互いに同一の鏡像であり、ゆえにエンドプレートの少なくとも一つがより詳しく説明される必要がある。単なる例として、エンドプレート22b(例えば第2上方エンドプレート)がここで詳しく説明されるが、しかしながら、エンドプレート22bに関してここで説明される特徴は他のエンドプレート22a、22c、22dにも無条件に適用されることが理解されるべきである。図21~23は、本開示のエンドプレート22bの一例を図示している。単なる例として、エンドプレート22bは第1の(例えば遠位)端部138と第2の(例えば近位)端部140とを有する。図示された態様で、エンドプレート22bはさらに、第1の端部138および第2の端部140と接触する椎骨接触外表面142と、第1の端部138および第2の端部140と接触する内向表面144とを含む。椎骨接触外表面142は、椎骨を把持するように構成されるテクスチャを含みうる。
【0058】
例として、テクスチャ加工は、少なくとも一つの歯、リッジ、凹凸エリア、金属コーティング、セラミックコーティング、キール、スパイク、突起、溝部、またはこれらのいずれかの組み合わせを含みうる。内向表面144は一般的に平面状で平滑であり、癒合装置10が完全に収縮した時に別のエンドプレート(例えばエンドプレート22d)の対応の内向表面と同一平面で当接する。
【0059】
エンドプレート22bはさらに、第1の端部138の近位で内向表面144から外表面142まで延在する第1の傾斜スロット146と、第1の傾斜スロット146の近位に配置される第2の傾斜スロット148であって、内向表面144から外表面142まで延在する第2の傾斜スロット148と、第2の端部140の近位に配置されて内向表面144から外表面142まで延在する垂直通路150とを含む。任意で、いかなる態様でも、傾斜スロット146、148の傾斜または形状は互いに等しいか異なる。
【0060】
第1の傾斜スロット146は、一般的にL形状の断面と、インプラントの前後軸線を一般的に横断する傾斜表面152と、傾斜表面152の反対にあって前後軸線を一般的に横断する傾斜表面154とを有し、傾斜表面152、154は平行である。第1の傾斜スロット146は、第2の遠位ランプ18bの第1のローブ84の遠位表面100aが傾斜表面152と摺動可能に連動するように、第1のローブの一部分(例えば上方部分)を摺動可能に収容するような大きさと構成とを持つ。ゆえに、幅展開が完了した後に、遠位ウェッジ14が遠位ランプ18aを近位ウェッジ16(および近位ランプ20a)の方へ前進させると、一部には傾斜表面152に沿った角度平行移動のためエンドプレート22bが垂直に変位する(結果的に高さ展開が生じる)。
【0061】
傾斜スロット148は、一般的に台形の断面と、インプラントの前後軸線を一般的に横断する角度表面156と、角度表面156の反対にあって前後軸線を一般的に横断する角度表面158とを有し、角度表面156、158は互いに向かってテーパ状である。第2の傾斜スロット148は、第2のローブ86の遠位表面112aが角度表面156と摺動可能に連動するように第2の遠位ランプ18bの第2のローブ86の一部分(例えば上方部分)を摺動可能に収容するような大きさおよび構成を持つ。ゆえに、幅展開が完了した後に、遠位ウェッジ14が遠位ランプ18aを近位ウェッジ16(および近位ランプ20a)の方へ前進させると、一部には角度のついた表面156に沿った角度平行移動のためエンドプレート22bが垂直に変位する(結果的に高さ展開が生じる)。
【0062】
垂直通路150は、近位ランプ20bの垂直ポスト128の大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状を有し、近位ランプ22bに対するエンドプレート22bの垂直平行移動を促進するように構成される。
【0063】
例として、エンドプレート22bはさらに、第1の端部138でのエンドプレート22bの高さを減少させることでテーパ状の先頭縁部を設けることにより隣接の椎体2、4の間への癒合装置10の導入を促進する第1の端部138の近位の面取り160を含みうる。エンドプレート22bはさらに、ガイドピン23を保持するように構成されるピン開口部162を含みうる。接触外表面142はさらに、傾斜スロット146、148に対応する複数の開口部と、垂直通路150とを含む。例として、第1の開口部164は第1の端部138の近位に配置されて第1の傾斜スロット146に対応する。そのため、第1の開口部164は一般的にL形状の断面を有する。展開式癒合装置10が完全収縮した時に第1のローブ84の上表面96が外表面142と一般的に同じ高さであるように、第1のローブ84の一部分を中に収容する大きさおよび寸法を持つ。第2の開口部166は第1の開口部164の近位に配設されて第2の傾斜スロット148に対応する。そのため、第2の開口部166は一般的に台形の断面を有する。第2の開口部166は、展開式癒合装置10が完全に収縮した時に第2のローブ86の上表面106が外表面142と一般的に同じ高さになるように、第2のローブ86の一部分を中に収容する大きさおよび寸法を持つ。第3の開口部168は近位端の近くに配設されて垂直通路150に対応する。そのため、第3の開口部168は、垂直通路150の断面形状と一致する断面形状を有する。第3の開口部168は、展開式癒合装置10が完全に収縮した時に垂直ポストの上表面129aが外表面142と一般的に同じ高さになるように、垂直ポスト128の一部分を中に収容する大きさおよび寸法を持つ。ランプ18b、20bの部分がエンドプレート22b内でその外表面142と同じ高さになるように延在することを許容すると、完全収縮位置で展開式癒合装置10がより低い高さhを有することが可能であるという点で、この特徴は有益である。
【0064】
図21~23に図示されているように、エンドプレート22bの接触外表面142は一般的に平面状であって、接触外表面142が隣接の椎体(例えば図1の椎体2)と嵌合することを可能にする。代替的に、接触外表面142は一つ以上の平面で湾曲して隣接の椎体2とのより高い程度の嵌合を許容する。別の態様で、接触外表面142は一般的に平面状であるが、一般的に直線状のランプ表面または湾曲したランプ表面を含む。ランプ表面は、前弯形態および/または例えば冠状テーパ形態での隣接の椎体2との嵌合を許容する。任意で、いかなる態様でも、異なる高さの非ランプ状エンドプレートとともに異なる高さのランプ状および非ランプ状エンドプレートの配置も、エンドプレートとの前弯嵌合に好適な幾何学形状が結果的に得られる。一態様では、癒合装置10のすべてのエンドプレートが同じ長さを有するが、他の形態では、対象の人体により良好に適応するようにエンドプレートのいくつかまたはすべてが異なる長さを有することがさらに考えられる。任意で、1つ以上のエンドプレートが他よりも短かくても、長くても、細くても、広くてもよい。エンドプレートの様々な代替的幾何学形状がここで別々の実施形態として提示されているが、これらの代替的な態様は、明細書の任意の他の態様に置き換えられるか混合/組み合わされうる任意の機構であることが理解されるべきである。エンドプレートコンポーネントで上述した任意の代替的機構のいずれかを置き換えるには、癒合装置10の様々なコンポーネントの間と、これらのコンポーネントと周囲の人体との間に考えられる適切な嵌合のためにこれらの特徴の逆および/または相補的な幾何学形状を使用するために係合コンポーネント(例えばエンドプレート、ランプ、ウェッジ)を必要とするかもしれない、または、必要とするだろうということと、この逆および/または相補的幾何学形状の形状は上に説明した任意の代替的特徴の幾何学形状から必然的に得られるということも理解されるべきである。
【0065】
スロット146、148の勾配の変動と、またはエンドプレートの各々におけるランプとスロット146、148との間で許容可能な移動の制限とが結果的に生じるが、癒合装置10の上部と底部の両方で均一に展開するか、上部と底部の両方で不均一に展開するか、上部で均一に、底部で不均一に展開するか、展開装置10の底部で均一に、上部で不均一に展開する、第1の端部138および第2の端部140をもたらすことには限定されない。
【0066】
任意で、いかなる態様でも、第1のエンドプレート22aと第2のエンドプレート22bと第3のエンドプレート22cと第4のエンドプレート22dとは実質的に同一であるが、四つすべてが同じ特徴組を有していても、これらの特徴に固有の大きさおよび角度配向はすべての態様で、または特定の態様で同一である必要はない。同様に、第1の遠位ランプ18aと第2の遠位ランプ18bは互いに実質的に同一であって、第1の近位ランプ20aと第2の近位ランプ20bは互いに実質的に同一であるが、各ペアが同じ機構のペアを有していても、これらの機構に固有の大きさおよび角度配向はすべての態様で、または特定の態様で同一である必要はない。ランプがある態様で同一であっても、ここで例として示された配置に組み込まれるように好適に回転されるか鏡像でありうるかその必要があることに注意すべきである。
【0067】
使用時に、アクチュエータ12は遠位ウェッジ14と近位ウェッジ16とを引き寄せてエンドプレート22a、22cをエンドプレート22b、22dから離間させるように機能し、そしてエンドプレートが第1の遠位ランプ18aを第2の遠位ランプ18bから離間させるとともに第1の近位ランプ20aを第2の近位ランプ20bから離間させる(結果的に癒合装置10の幅展開が生じる)。他の形態では、アクチュエータ12は遠位ウェッジ14と近位ウェッジ16とを引き寄せて、第1の遠位ランプ18aを第2の遠位ランプ18bから離間させるとともに第1の近位ランプ20aを第2の近位ランプ20bから離間させるように機能し、これらのランプがさらにエンドプレート22a、22cをエンドプレート22b、22dから離間させる(結果的に癒合装置10の幅展開が生じる)ことに言及すべきである。そして、幅展開が少なくとも部分的に完了した後で初めて、第1の遠位ランプ18aと第1の近位ランプ20aが互いに引き寄せられて第2の遠位ランプ18bと第2の近位ランプ20bが互いに引き寄せられる。第1の遠位ランプ18aと第1の近位ランプ18bの互いへの移動は、第1の上方エンドプレート22aを第1の下方エンドプレート22cから離間させ、第2の近位ランプ20bへの第2の遠位ランプ18bの移動は、第2の上方エンドプレート22bを第2の下方エンドプレート22dから離間させる(結果的に高さ展開を生じる)。
【0068】
任意で、いかなる態様でも、幅展開が完全または実質的にまたは少なくとも部分的に行われてランプ18a、18bが遠位ウェッジ14に対する移動リミットに実質的に達してランプ20a、20bが近位ウェッジ16に対する移動リミットに実質的に達した後でのみ、ランプ18a、20aとランプ18b、20bが互いへの移動を開始する。任意で、いかなる態様でも、高さ展開のこの遅延は、エンドプレート22a、22b、22c、22dが遠位ウェッジ14と摺動可能に嵌合することで達成され、任意で、いくつかの態様では、幅展開プロセスの初期部分での近位ウェッジ16と摺動可能に嵌合することで達成される(いくつかの態様では、エンドプレートとウェッジとの間のこの嵌合は遠位および近位ランプが互いの方へ移動するのを防止または阻止することで高さ展開を阻止しうる)。幅展開プロセス中に、ウェッジ14、16が互いの方へ移動すると、最終的にはエンドプレート22a、22b、22c、22dから解離して、高さの展開を許容する。任意で、幅展開が実質的に行われるまで高さ展開を抑制する挿入具によって、高さ展開の遅延がさらに達成されうる。
【0069】
任意で、いかなる態様でも、初期の折り畳み状態ではエンドプレートとウェッジとの間に小さい間隙が存在しうる。この結果、第1の起動方向での第1の数度の起動が、高さおよび幅の両方を増加するが、必ずしも同時とは限らない。例えば、外部負荷条件および/または挿入機器構成に応じて、装置は最初に高さまたは幅の展開を開始する(例えば、挿入器は最初に高さ展開または幅展開を制約するか、いずれも制約しない)。そして第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数の駆動機構の作動は、高さと幅の少なくとも一方を増加させる。幾つかの態様で、アクチュエータ12の第1の作動回数は少なくともいくらかの高さ展開(そしていくつかの態様では―排他的に高さ展開)を結果的に生じるが、アクチュエータ12のさらなる回転は幅と高さの少なくとも一方を増加させる。
【0070】
完全に組み立てられると、第1の展開式癒合装置10は、「実矧ぎ」接合、例えばピン、ボール、スクリュ、セットスクリュなどの締結具の使用によって、動作範囲全体ですべてがアセンブリ内に拘留されるコンポーネントの安定したアセンブリとなる。任意で、いかなる態様でも、締結具が一つのコンポーネントに固定されて別のコンポーネントの係合機構(トラックなど)を移動することにより、トラック機構により許容可能な量に第1コンポーネントの動作範囲を限定することでコンポーネントの分解を防止する。
【0071】
例として、展開式癒合装置10が折り畳み状態にある時に、第1のエンドプレート22aと第2のエンドプレート22bと第3のエンドプレート22cと第4のエンドプレート22dのうち少なくとも一つが遠位ウェッジ18aと近位ウェッジ18bの少なくとも一方と接触する。代替的に、展開式癒合装置10が折り畳み状態にある時に、第1のエンドプレート22aと第2のエンドプレート22bと第3のエンドプレート22cと第4のエンドプレート22dのうち少なくとも一つは遠位ウェッジ18aと近位ウェッジ18bの少なくとも一方と接触しない。第1のエンドプレート22aと第2のエンドプレート22bと第3のエンドプレート22cと第4のエンドプレート22dのうち少なくとも一つと遠位ウェッジ18aと近位ウェッジ18bの少なくとも一方との間の接触は、展開式癒合装置10の展開に影響する。
【0072】
展開式癒合装置10は、上方エンドプレートアセンブリ(例えばエンドプレート22a、22b)と下方エンドプレートアセンブリ(例えばエンドプレート22c、22d)の少なくとも一方の外側幅を含む幅wを有する。任意で、いかなる態様でも、装置は、上方エンドプレートアセンブリと下方エンドプレートアセンブリの間(例えばエンドプレート22a、22cおよび/または22b、22dの間)の外側距離を含む高さhを有する。
【0073】
任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数による駆動機構32の作動は、高さhを増加させずに幅wを増加させる。任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数での作動機構32の作動は高さhと幅wの少なくとも一方を増加させる。任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数での作動機構32の作動は高さhと幅wの両方を増加させ、第1の作動方向での第2の作動回数を超える第3の作動回数での作動機構32の作動は、幅wを増加させずに高さhを増加させる。任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数での作動機構32の作動は、高さhも幅wも増加させず、第1の作動方向での第2の作動回数を超える第3の作動回数での作動機構32の作動は、幅wを増加させずに高さhを増加させる。任意で、いかなる態様でも、少なくとも第1の作動回数で作動機構32が作動すると、装置10の幅wが頂点に達する。任意で、いかなる態様でも、少なくとも第1および第2の作動回数で作動機構32が作動すると、装置10の高さhが頂点に達する。
【0074】
任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数での作動機構32の作動は高さhと幅wの両方を増加させる。任意で、いかなる態様でも、第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数での作動機構32の作動は、幅wを増加させずに高さhを増加させる。
【0075】
任意で、いかなる態様でも、少なくとも第1の作動回数での第1の作動方向の作動機構32の作動は、約30%から約400%だけ装置10の高さhを増加させる。任意で、いかなる態様でも、少なくとも第1および第2の作動回数での第1の作動方向の作動機構32の作動は、約14%から約150%だけ装置の幅wを増加させる。
【0076】
図24は、開示の別の態様による、2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための展開式癒合装置210の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置210は、アクチュエータ212と遠位ウェッジ214と近位ウェッジ216と一対の遠位ランプ218a、218bと一対の近位ランプ220a、220bと複数のエンドプレート222a~222dとを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ214、216はアクチュエータ212と結合される。遠位ランプ218a、218bは遠位ウェッジ214と摺動可能に結合される。近位ランプ220a、220bは近位ウェッジ216と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート222a~222dはランプ218a、218b、220a、220bに摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置210は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置210に適用されうる。
【0077】
単なる例として、本態様では、装置210はガイドピン(例えば装置10のピン23)を包含せず、その結果、エンドプレート222a、222b、222c、222dは、ピンを受け入れるように構成される開口部(例えば装置10の開口部162)を包含せず、遠位ランプ218a、218bは対応のランプスロット(例えば装置10のランプスロット102)を含まない。ゆえに本態様(そしてランプスロットおよび/またはガイドピンを有していないあらゆる態様)では、図24に例として示されているように、遠位および近位ウェッジ218a、220aと遠位および近位ウェッジ218b、220bとの間の物理的境界面251により、高さ展開が停止されうる。さらに、単なる例として、一つ以上のエンドプレート222a、222b、222c、222dは、連続的で不断の骨接触外表面242を含む。すなわち、一つ以上のエンドプレート222a、222b、222c、222dは、第1のスロット、第2のスロット、および/または垂直通路に対応する開口部(例えば装置10の開口部164、166、168)を含まないのである。
【0078】
本態様例の展開式癒合装置210はさらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置はさらに、展開式癒合装置210の機構、コンポーネント、または特性を含みうる。
【0079】
図25~27は、開示の別の態様による二つの隣接の椎骨の間への埋め込みのための展開式癒合装置310の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置310は、アクチュエータ312と遠位ウェッジ314と近位ウェッジ316と一対の遠位ランプ318a、318bと一対の近位ランプ320a、320bと複数のエンドプレート322a~322dと複数のガイドピン323とを含む。前に説明した実施形態のように、遠位および近位ウェッジ314、316はアクチュエータ312と結合される。遠位ランプ318a、318bは遠位ウェッジ314と摺動可能に結合される。近位ランプ320a、320bは近位ウェッジ316と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート322a~322dはランプ318a、318b、320a、320bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置310は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置310に適用されうる。
【0080】
図27は、本態様による第2遠位ランプ318bの一例を図示している。例として、第2の遠位ランプ318bは、遠位端376と、近位端378と、内側380(例えば組み立てられた展開式癒合装置310ではアクチュエータ312の方に配向)と、外側382(例えば組み立てられた展開式癒合装置310ではアクチュエータ312と反対の配向)とを有する。一般的に、第2の遠位ランプ318bは、第1のローブ384と第2のローブ386の二つのローブに分割される矩形プリズムを含み、これは展開式癒合装置310の高さ展開を促進する。第2の遠位ランプ318bは、遠位ウェッジ314および/またはエンドプレート322b、322dと摺動可能に結合するために構成されうる。ウェッジ314との摺動可能結合は、癒合装置10に関して上で説明したものと同一である。
【0081】
第1のローブ384は、近位方向に配向される頂点を有する一般的なシェブロン形状を含む。第1のローブ384は上表面396と底表面398と側表面399とを含む。例として、第1のローブ384は一般的にL形状の断面形状を有する、しかしながら、円形、卵形、楕円形、三角形、方形、T形状、V形状、正多角形、非正多角形、不規則形状、またはこれらの組み合わせを限定的にではなく(単なる例として)含む好適な断面形状を第1のローブ384が有しうることに注意すべきである。第1のローブ384はさらに、側表面399に形成され、1つ以上のガイドピン323をその中に摺動可能に収容するように構成されるV形状陥凹ランプスロット402を含み、高さ展開中に構造物の安定化に役立つとともに高さ展開のためのハードストッパとなる。
【0082】
第2のローブ386は、近位方向に配向される切頭頂点を有する半シェブロン形状を含む。第2のローブ386は、底表面404と一般的にL形状の断面形状を有するが、しかしながら、円形、卵形、楕円形、三角形、方形、T形状、V形状、正多角形、非正多角形、不規則形状、またはその組み合わせを限定的にではなく(単なる例として)含む好適な断面形状を有しうることに注意すべきである。
【0083】
例として、第2の遠位ランプ318bはさらに、第2の近位ランプ320bの対応するL形状切除表面と摺動可能に係合するように構成されるL形状切除表面400を含む。L形状切除は、遠位ランプ318a、318bおよび近位ランプ320a、320bが互いに同一であることを可能にするという点で有利である。さらに、ランプ318a、318b、320a、320bが同一であるので、エンドプレート322a、322b、322c、322dも同一である。これは組立中に必要である様々な部品の数を減少させる。
【0084】
本態様例の展開式癒合装置310はさらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置310の機構、コンポーネント、または特性を含みうる。
【0085】
図28~31は、開示の別の態様による二つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための展開式癒合装置410の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置410は、アクチュエータ412と遠位ウェッジ414と近位ウェッジ416と一対の遠位ランプ418a、418bと一対の近位ランプ420a、420bと複数のエンドプレート422a~422dと複数のガイドピン423とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ414、416はアクチュエータ412と結合される。遠位ランプ418a、418bは遠位ウェッジ414と摺動可能に結合される。近位ランプ420a、420bは近位ウェッジ416と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート422a~422dはランプ418a、418b、420a、420bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置410は上に説明した展開式癒合装置310と実質的に類似しており、癒合装置310(そして特に展開式癒合装置10を含む、上に説明した任意の他の展開式癒合装置)の機構のいずれか/すべては、他の記載がなければ癒合装置410に適用されうる。
【0086】
図30は、本態様による第2の遠位ランプ418bの一例を図示している。例として、第2の遠位ランプ418bは、遠位端476と、近位端478と、内側480(例えば組み立てられた展開式癒合装置410ではアクチュエータ412の方に配向)と、外側482(例えば組み立てられた展開式癒合装置410ではアクチュエータ412と反対の配向)とを有する。一般的に、第2の遠位ランプ418bは、第1のローブ484と第2のローブ486の二つのローブに分割される矩形プリズムを含み、これは展開式癒合装置410の高さ展開を促進する。第2の遠位ランプ418bは、遠位ウェッジ414および/またはエンドプレート422b、422dと摺動可能に結合するために構成されうる。ウェッジ414との摺動可能結合は、癒合装置10に関して上で説明したものと同一である。
【0087】
第1のローブ484は、近位方向に配向される頂点を有する一般的なシェブロン形状を含む。第1のローブ484は上表面496と底表面498と側表面499とを含む。例として、第1のローブ484は一般的にL形状の断面形状を有する、しかしながら、円形、卵形、楕円形、三角形、方形、T形状、V形状、正多角形、非正多角形、不規則形状、またはこれらの組み合わせを限定的にではなく(単なる例として)含む好適な断面形状を第1のローブ484が有しうることに注意すべきである。第1のローブ484はエンドプレート422bの第1の傾斜スロット446と摺動可能に係合するために構成され、第1の傾斜スロット446は相補的な断面形状を有する。第1のローブ484はさらに、側表面499に形成され、1つ以上のガイドピン423をその中に摺動可能に収容するように構成されるV形状陥凹ランプスロット502を含み、高さ展開中に構造物の安定化に役立つとともに高さ展開のためのハードストッパとなる。第2のローブ486は、近位方向に配向される切頭頂点を有する半シェブロン形状を含む。第2ローブ486は底表面と一般的に台形の断面形状とを有する。第2ローブ486はエンドプレート422bの第2傾斜スロット448と摺動可能に係合するように構成され、第2傾斜スロット448は相補的な台形断面形状を有する。
【0088】
例として、第2の遠位ランプ418bはさらに、第2の近位ランプ420bの対応するL形状切除表面と摺動可能に係合するように構成されるL形状切除表面500を含む。L形状切除は、遠位ランプ418a、418bおよび近位ランプ420a、420bが互いに同一であることを可能にするという点で有利である。さらに、ランプ418a、418b、420a、420bは同一であるので、エンドプレート422a、422b、422c、422dも同一である。これは組立中に必要である様々な部品の数を減少させる。
【0089】
本態様例の展開式癒合装置410はさらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置410の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0090】
図31は、いくつかの態様による二重シェブロンランプの代替的な態様の一例を図示している。例えば、二重シェブロンランプは、展開式癒合装置10に関連して上に説明した近位ランプ18bの代替的な態様例を含み、しかしながら本態様の近位ランプ18bは、二重シェブロンランプを含む、ここ説明する任意の展開式癒合装置に使用されうる。
【0091】
図31に示されている本態様で、第2のローブ86は、近位方向に配向される切頭頂点を有する切頭シェブロン形状を含む。近位ローブ86は、上表面106と底表面108と側表面110と湾曲近位表面112a、112bと湾曲遠位表面114a、114bを含む。例として、第2のローブ86は一般的に切頭断面形状を有する(例えば図16参照)。本例の第2のローブ86の切頭楕円形断面形状は、上に説明した第2ローブ86の台形断面に類似している。二重シェブロン形状の非平行な先頭接触表面(例えば角度表面100a、100bと湾曲表面112a、112b)を有すると高さ展開中に構造物の安定性を高める。さらに、第2のローブ86の切頭楕円形状は近位湾曲表面112a、112bと遠位湾曲表面114a、114bの表面積を(台形断面形状と比較しても)増大させ、これは高さ展開が完了した後に圧縮力に抵抗する構造物の強度を高める。湾曲近位表面112aは第2の上方エンドプレート22bの対応する湾曲表面と摺動可能に嵌合し、湾曲近位表面112bは第2の下方エンドプレート22dの対応する湾曲表面と摺動に嵌合して高さ展開を促進させる。
【0092】
図32~33は、開示の別の態様による二つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための展開式癒合装置510の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置510は、アクチュエータ512と遠位ウェッジ514と近位ウェッジ516と一対の遠位ランプ518a、518bと一対の近位ランプ520a、520bと複数のエンドプレート522a~522dと複数のガイドピン523とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ514、516はアクチュエータ512と結合される。遠位ランプ518a、518bは遠位ウェッジ514と摺動可能に結合される。近位ランプ520a、520bは近位ウェッジ516と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート522a~522dはランプ518a、518b、520a、520bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置510は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置510に適用されうる。
【0093】
図33は、いくつかの態様による展開式癒合装置510の一部を形成する近位ランプ520bの一例を図示している。一般的に、近位ランプ520bは上に説明した遠位ランプ(例えば遠位ランプ18aまたは18b)の遠位側の半分に似ている。単なる例として、近位ランプ520bは、近位端576と、遠位端578と、内側580(例えば組立後の展開式癒合装置510でアクチュエータ512の方に配向)と、外側(例えば組立後の展開式癒合装置510でアクチュエータ512と離れて配向)とを有する。
【0094】
近位ランプ520bは、近位ウェッジ516および/またはエンドプレート522b、522dと摺動可能な結合のために構成されうる。摺動可能な結合を促進するため、近位端576は、近位ウェッジ516の対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合する、前に説明した実矧ぎコネクタのような、一対の実矧ぎコネクタ588c、588dを含む。近位ランプ520bはさらに、遠位方向に配向される切頭頂点を有するシェブロン形状を含む単一ローブ584を含む。ローブ584は、上表面596と底表面598と側表面599と角度遠位表面600a、600bとを含む。例として、ローブ584は一般的にL形状の断面形状を有するが、しかしながら、円形、卵形、楕円形、三角形、方形、T形状、V形状、正多角形、非正多角形、不規則形状、またはこれらの組み合わせを限定的にではなく(単なる例として)含む好適な断面形状をローブ584が有しうることに注意すべきである。前の態様に関して上に説明したのと類似のやり方で、角度遠位表面600a、600bはエンドプレート522b、522dの対応する傾斜表面と摺動可能に嵌合して高さ展開を促進する。ローブ584はさらに、側表面599に形成されて1つ以上のガイドピン523をその中に摺動可能に収容するように構成されるV形状陥凹ランプスロット602を含み、高さ展開中の構造物の安定化を助けるとともに高さ展開のためのハードストッパとなる。本態様例によれば、近位ランプ520aは鏡像同等の近位ランプ520bである。
【0095】
本態様例の展開式癒合装置510はさらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置510の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0096】
図34~38は、開示の別の態様による二つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための展開式癒合装置610の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置610は、アクチュエータ612と遠位ウェッジ614と近位ウェッジ616と一対の遠位ランプ618a、618bと一対の近位ランプ620a、620bと複数のエンドプレート622a~622dと複数のガイドピン623とナット630とロックスクリュ634とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ614、616はアクチュエータ612と結合される。遠位ランプ618a、618bは遠位ウェッジ614と摺動可能に結合される。近位ランプ620a、620bは近位ウェッジ616と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート622a~622dはランプ618a、618b、620a、620bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置610は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置610に適用されうる。単なる例として、展開式癒合装置610は、いくつかの態様による、ここに説明する展開式癒合装置の例に適用されうる代替的なアクチュエータ機構を例示している。
【0097】
図35は、本態様の展開式癒合装置610の一部を形成するアクチュエータ612の一例を図示している。単なる例として、アクチュエータ612は、遠位端624と、近位端626と、その間に延在する前後軸とを有する円筒形状の長形シャフトを含む。上に説明したアクチュエータ12と異なり、本態様のアクチュエータ612は長形シャフトの実質的に全長にわたって延在する単一のネジ機構628を有する。遠位および近位端624、626の少なくとも一方は、前後軸線と一致しており、駆動機構がナット630を回す間に機器(不図示)と嵌合してアクチュエータ612を固定化するように構成される駆動機構632を含む。ネジ機構628は、アクチュエータ612のシャフトの外側に配設されるネジを含む。例として、ネジ機構628は右巻きネジを含みうる。代替的に、ネジ機構628は左巻きネジを含んでもよい。駆動機構632は、駆動/保持機器を収容するように構成される陥凹領域を含む。
【0098】
陥凹領域は、スロット、フィリップス、ポジドライブ、フリアスン、ロバートソン、12ポイントフランジ、六角ソケット、安全六角ソケット、スタードライブ、安全トルクス、ta、トリポイント、トリウィング、スパナヘッド、クラッチ、ワンウェイ、ダブルスクエア、トリプルスクエア、ポリドライブ、スプラインドライブ、ダブル六角、ブリストル、ペンタローブ凹部、または他のいずれかの形状の凹部を限定的にではなく(単なる例として)含む適切な機器の対応する要素との嵌合が可能な形状を含みうる。代替的に、駆動機構632は、近位および/または遠位端から長手方向に延出して駆動/保持機器に結合されるように構成される突出部(例えば六角、ヘクサロビュラ、または方形の突出部、あるいは他の形状の突出部)を含みうる。
【0099】
図36は、完全圧縮形での展開式癒合インプラント610(の断面)を図示している。アクチュエータ612は、遠位端624が遠位ウェッジ614のネジ開口部640へ部分的にネジ結合されるように配置される。近位端626は近位ウェッジ616から近位方向に延在し、ナット630と連動する。アクチュエータ612のシャフトは、近位ウェッジ616の非ネジ開口部656を遠位ウッジ614まで延在する。展開式癒合装置610の幅展開を実施するため、アクチュエータ612と嵌合して固定化するのに機器(不図示)が使用される。そしてナット630を(例えば右巻きネジには時計方向、左巻きネジには反時計方向に)回転させるのに、同じか異なる機器が使用される。この回転はナット630をアクチュエータ612に沿って遠位方向に前進させ、これは近位ウェッジ616を遠位ウェッジ614に向かって構造物へ押圧する。近位ウェッジ616はまたランプを移動させ、これによりアクチュエータまたは遠位ウェッジ614の移動を伴わずに展開式癒合インプラント610の展開(例えば幅のみ、最初に幅その後高さ、幅と高さ)を実施する。
【0100】
所望の展開の完了時には、図37に示されているように、アクチュエータ612の近位部分626の少なくとも一部分は近位ウェッジ616(例えば近位張出部)から近位方向に突出しているであろう。それが望ましい場合に、アクチュエータ612は、ナット630を所定箇所に保持する機器(不図示)を使用することによりアクチュエータ612が展開癒合装置610へ前進し、その間、アクチュエータを(例えば右巻きネジでは時計方向に、左巻きネジでは反時計方向に)回転させるのに同じか異なる機器が使用され、これによりアクチュエータ612を遠位ウェッジ614へ所望の距離だけネジ結合する(例えば図38は完全に前進したアクチュエータ612を図示している)。アクチュエータ612が所望の通りに前進して近位張出部を最小にすると、非ネジ開口部656に隣接してウェッジ616に形成されるネジロックスクリュ開口部635へロックネジ634が前進するので、ロックネジ634はアクチュエータ612と嵌合して近位ウェッジ616がアクチュエータ612に対して移動するのを防止することにより、ウェッジ616(および展開)を所定箇所に「係止」する。
【0101】
本態様例の展開式癒合装置610はさらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置610の機構、コンポーネント、または特性をさらに含み得る。
【0102】
図39~4
2は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための展開式癒合装置710の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置710は、アクチュエータ712と遠位ウェッジ714と近位ウェッジ716と一対の遠位ランプ718a、718bと一対の近位ランプ720a、720bと複数のエンドプレート722a~722dと複数のガイドピン723とロッキング要素730とロックスクリュ734とを含む。前に説明した態様の通り、遠位および近位ウェッジ714、716はアクチュエータ712と結合される。遠位ランプ718a、718bは遠位ウェッジ714と摺動可能に結合される。近位ランプ720a、720bは近位ウェッジ716と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート722a~722dは、ランプ718a、718b、720a、720bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置710は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置710に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置710は、いくつかの態様による、ここに説明する展開式癒合装置の例に適用され得る代替的なアクチュエータ機構を例示している。
【0103】
単なる例として、アクチュエータ712は、遠位端724と近位端726とを有する円筒形の細長いシャフトを含みうる。遠位端724は、遠位ウェッジ714に取り付けられているか、または一体型になっており、アクチュエータ712は遠位ウェッジ714からの近位突起を含む。本態様例のアクチュエータ712はねじ機構を有することなく、代わりにスムースな細長いシャフトである。近位端726には、機器(図示せず)と確実に噛み合うように構成されたかみ合い機能732(例えば、溝、隆起など)が含まれ得る。
【0104】
図40は、完全に折り畳まれた形での
展開式癒合インプラント710(の断面)を図示している。アクチュエータ712の近位端726は、近位ウェッジ716のねじ山のない開口部756のかみ合い機構732の近位を確保するために、近位ウェッジ716から近位まで延在する(そのため、かみ合い機器からアクセスできる)。アクチュエータ612のシャフトは、近位ウェッジ716の非ネジ開口部756を遠位ウッジ714まで延在する。展開式癒合装置710の幅展開を実施するため、かみ合い機構723においてアクチュエータ712と確実に嵌合するためにかみ合い機器(不図示)が使用される。その後、同じ機器または異なる機器を使用して、近位ウェッジ716に対して固定し、展開中に近位ウェッジ716が確実に動かないようにする。次に、機器を使用してアクチュエータ712を、さらに進めて遠位ウェッジ714を近位ウェッジ716に向かって構造内に引く。近位ウェッジ714はまたランプを移動させ、これによりアクチュエータまたは遠位ウェッジ716の移動を伴わずに展開式癒合インプラント710の展開(例えば幅のみ、最初に幅その後高さ、幅と高さ)を実施する。
【0105】
所望の展開が達成されたら(例えば図41)、アクチュエータ712はロック要素730で固定されなければならない。これを容易にするため、近位ウェッジ716は、クロスボア737内で少なくとも部分的に保持されているロック要素730を含む。クロスボア737は、ロック要素730(例えば、ボールデテント、ピンデテント、アクチュエータシャフトに固定力を加えることができるその他の適切な機構)をその中に保持し、また、ねじ山のない開口部756(アクチュエータ712に接触するため)およびロックねじ開口部735(ロックねじ734に接触するため)にも露出できるように構成されている(例えば、図42参照)。所望の展開が完了すると、ロックスクリュ734がロックスクリュ開口部735内で締め付けられ、次にロック要素730を内側にそらせ、アクチュエータ712の移動を防ぐようにロック要素730がアクチュエータ712に強制的に接触する。ロックスクリュ734はテーパノーズ739を有し、これによりロッキング要素730に軸からはずれた横方向力を加え、ロックエレメント730を内側方向にそらせるか、または、偏らせることができる。たとえば、アクチュエータ712は、スリップに対する抵抗を改善するためにロック要素730と相互作用するように設定された対応するロック機能(例えば、溝、一連の溝、ギザギザ、摩擦面など)を有することもある。さらには、図41に示されているように、アクチュエータ712の近位部分726の少なくとも一部分は近位ウェッジ716から近位方向に突出しているであろう。必要に応じて、アクチュエータ712の露出した近位部を切断して取り除くことができる。
【0106】
本態様例の展開式癒合装置710はさらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置710の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0107】
図43~48は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置810の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置810は、アクチュエータ812と遠位ウェッジ814と近位ウェッジ816と一対の遠位ランプ818a、818bと一対の近位ランプ820a、820bと複数のエンドプレート822a~822dと複数のガイドピン823とロッキング要素830とロックスクリュ834とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ814、816はアクチュエータ812と結合される。遠位ランプ818a、818bは遠位ウェッジ814と摺動可能に結合される。近位ランプ820a、820bは近位ウェッジ816と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート822a~822dは、ランプ818a、818b、820a、820bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置810は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置810に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置810は、いくつかの態様による、ここに説明する展開式癒合装置の例に適用され得る代替的なアクチュエータ機構を例示している。
【0108】
図44は、本態様の
展開式癒合装置810の一部を形成するアクチュエータ812の一例を図示している。単なる例として、アクチュエータ812は、遠位端824と近位端826と前後軸とを有する円筒形の細長いシャフトを含みうる。本例のアクチュエータ812には、遠位端824の近く/その場に1つのねじ機構828を有する。近位端826は、機器(図示せず)と噛み合うように構成されて、アクチュエータ812を回転させ、展開後の近位余剰部を減少させる、前後軸と一致する駆動機構832、および、機器と確実(図示せず)に連動するように構成されているかみ合い機構838(例えば、溝、隆起部、など)を含む。ネジ機構828は、アクチュエータ812のシャフトの外側に配設されるネジを含む。例として、ネジ機構828は右巻きネジを含みうる。代替的に、ネジ機構828は左巻きネジを含んでもよい。駆動機構828は、駆動/保持機器を収容するように構成される陥凹領域を含む。代替的に、駆動機構828は、近位および/または遠位端から長手方向に延出して駆動/保持機器に結合されるように構成される突出部(例えば六角、ヘクサロビュラ、または方形の突出部、あるいは他の形状の突出部)を含みうる。
【0109】
図45は、完全に折り畳まれた形での
展開式癒合インプラント810(の断面)を図示している。アクチュエータ812は、遠位端824が遠位ウェッジ814のネジ開口部840へ部分的にネジ結合されるように配置される。アクチュエータ812の近位端826は、近位ウェッジ816のねじ山のない開口部856のかみ合い機構736の近位を確保するために、近位ウェッジ816から近位まで延在する(そのため、かみ合い機器からアクセスできる)。アクチュエータ812のシャフトは、近位ウェッジ816の非ネジ開口部856を通り、遠位ウッジ814まで延在し、アクチュエータ812にねじ結合する。展開式癒合装置810の幅展開を実施するため、かみ合い機構836においてアクチュエータ812と確実に嵌合するためにかみ合い機器(不図示)が使用される。その後、同じ機器または異なる機器を使用して、近位ウェッジ816に対して固定し、展開中に近位ウェッジ816が確実に動かないようにする。次に、機器を使用してアクチュエータ812を、さらに進めて遠位ウェッジ814を近位ウェッジ816に向かって構造内に引く。近位ウェッジ814はまたランプを移動させ、これによりアクチュエータまたは遠位ウェッジ816の移動を伴わずに展開式癒合インプラント810の展開(例えば幅のみ、最初に幅その後高さ、幅と高さ)を実施する。
【0110】
所望の
展開の完了時には、図46に示されているように、アクチュエータ812の近位部分826の少なくとも一部分は近位ウェッジ816(例えば近位張出部)から近位方向に突出しているであろう。それが望ましい場合に、アクチュエータ812は、アクチュエータ812を回転させる(例えば右巻きネジでは時計方向に、左巻きネジでは反時計方向に)駆動機器(不図示)を使用することにより、アクチュエータ812が展開癒合装置810へ前進し、これによりアクチュエータ812を遠位ウェッジ814へ所望の距離だけネジ結合する(例えば図47は完全に前進したアクチュエータ812を図示している)。アクチュエータ812が所望の通り前進し、近位のオーバーハングを減少または最小化したら、アクチュエータ812をロックエレメント830で固定する必要がある。これを容易にするため、近位ウェッジ816は、クロスボア837内で少なくとも部分的に保持されているロック要素830を含む。クロスボア837は、ロック要素830(例えば、ボールデテント、ピンデテント、アクチュエータシャフトに固定力を加えることができるその他の適切な機構)をその中に保持し、また、ねじ山のない開口部856(アクチュエータ812に接触するため)およびロックねじ開口部835(ロックねじ834に接触するため)にも露出できるように構成されている(例えば、図48参照)。所望の展開が完了すると、ロックスクリュ834がロックスクリュ開口部835内で締め付けられ、次にロック要素830を内側にそらせ、アクチュエータ812の移動を防ぐようにロック要素830がアクチュエータ812に強制的に接触する。例として、ロックスクリュ834はテーパノーズ839を有し、これによりロッキング要素830に軸からはずれた横方向の力を加え、ロックエレメント830を内側方向にそらせるか、または、偏らせることができる。たとえば、アクチュエータ812は、スリップに対する抵抗を改善するためにロック要素830と相互作用するように設定された対応するロック機能838(例えば、溝、一連の溝、ギザギザ、摩擦面など)を有することもある。
【0111】
本態様例の展開式癒合装置810はさらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置810の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0112】
図49~53は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのた
めの展開式癒合装置910の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置910は、アクチュエータ912と遠位ウェッジ914と近位ウェッジ916と一対の遠位ランプ918a、918bと一対の近位ランプ920a、920bと複数のエンドプレート922a~922dと複数のガイドピン923とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ914、916はアクチュエータ912と結合される。遠位ランプ918a、918bは遠位ウェッジ914と摺動可能に結合される。近位ランプ920a、920bは近位ウェッジ916と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート922a~922dは、ランプ918a、918b、920a、920bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置910は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置910に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置910は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得るピンデテントロッキング機構を例示している。
【0113】
例として、図49~53に示すアクチュエータ912は、上記のアクチュエータ10と実質的に同一で、遠位端924、近位端926、および前後軸で構成されているが、ここに記載されているロック機構は、ここに記載されている他のアクチュエータ例にも適用でき得る。例えば、遠位端924と近位端926のうち少なくとも1つはねじが切られている。
【0114】
図50は、本態様のロック要素930で構成された近位ウェッジ916の一例を示している。たとえば、本態様のロック要素930は、そらせるピン940とロックスクリュ934を含む。近位ウェッジ916は、上述の近位ウェッジ16と実質的に類似している。例えば、本実施形態の近位ウェッジ916は、アクチュエータ912と結合するためのねじ穴956とねじ穴956に隣接するロックねじ開口部935が含まれる。近位ウェッジ916は、クロスボア937がねじ開口部956およびロックねじ開口部935と交差するように、ウェッジ916を通して延伸するクロスボア937をさらに含む。ピン940をその中に受けるように構成されたピン開口部946は、ピン開口部に挿入されたピン940がロックスクリュ開口部935、クロスボア937、およびねじ開口部956の交差部に延伸するように、近位ウェッジ916を垂直通り延伸する。
【0115】
例えば、ピン940はシャフト942とヘッド944を含む。好ましくは、ヘッド944の周長がシャフト942の周長よりも大きい。ピン940はピン開口部946に対して、ヘッド944がピン開口部946内に面一に受けられ、シャフト942がピン開口部946内でそらせるように、サイズと構成が成される。
【0116】
図51および52は、折り畳んでロック解除状態の、本実施形態の展開式癒合装置910を示す。図53は、展開してロック状態の本実施形態の展開式癒合装置910を示す。所望の展開が完了すると、ロックスクリュ934がロックスクリュ開口部935内で締め付けられ、次にピン940のシャフト942を内側にそらせ、アクチュエータ912の後退を防ぐようにシャフト942がアクチュエータ912に強制的に接触する。例として、ロックスクリュ934はテーパノーズ939を有し、これによりピン940に軸からはずれた横方向の力を加え、ピン940を内側方向にそらせるか、または、偏らせることができる。たとえば、アクチュエータ912は、スリップに対する抵抗を改善するためにピン940と相互作用するように設定された対応するロック機能(例えば、溝、一連の溝、ギザギザ、摩擦面など)を有することもある。
【0117】
本態様例の展開式癒合装置910は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置910の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0118】
図54~56は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1010の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1010は、アクチュエータ1012と遠位ウェッジ1014と近位ウェッジ1016と一対の遠位ランプ1018a、1018bと一対の近位ランプ1020a、1020bと複数のエンドプレート1022a~1022dと複数のガイドピンとを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1014、1016はアクチュエータ1012と結合される。遠位ランプ1018a、1018bは遠位ウェッジ1014と摺動可能に結合される。近位ランプ1020a、1020bは近位ウェッジ1016と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1022a~1022dは、ランプ1018a、1018b、1020a、1020bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1010は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1010に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1010は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得るボールデテントロッキング機構を例示している。
【0119】
例として、図54~56に示すアクチュエータ1012は、上記のアクチュエータ10と実質的に同一で、遠位端1024、近位端1026、および前後軸を含んでいるが、ここに記載されているロック機構は、ここに記載されている他のアクチュエータの例にも適用でき得る。例えば、遠位端1024と近位端1026のうち少なくとも1つはねじが切られている。
【0120】
図54は、本実施形態のロック要素1030で構成された近位ウェッジ1016の一例を示している。たとえば、本実施形態のロック要素1030は、ボール1040とロックスクリュ1034を含む。近位ウェッジ1016は、上述の近位ウェッジ16と実質的に類似している。例えば、本実施形態の近位ウェッジ1016は、アクチュエータ1012と結合するためのねじ穴1056とねじ開口部1056に隣接するロックスクリュ開口部1035を含む。近位ウェッジ1016は、クロスボア1037がねじ開口部1056およびロックスクリュ開口部1035と交差するように、ウェッジ1016を通して横断方向に延伸するクロスボア1037をさらに含む。特に、クロスボア1037とロックスクリュ開口部1035の交差部は、ボール1040の一部だけがロックスクリュ開口部1035に入ることができる大きさの開口部を含む。これにより、ロックスクリュ1034がボール1040に接触することが確実になり、ボール1040がロックスクリュ開口部1035に落下しないことが確実になる。
【0121】
図55は、折り畳んでロック解除状態の、本態様の展開式癒合装置1010を示す。図56は、展開してロック状態の本態様の展開式癒合装置1010を示す。所望の展開が完了すると、ロックスクリュ1034がロックスクリュ開口部1035内で締め付けられ(または、取り付けてから締め付けられ)、次にボール1040を内側にそらせ、アクチュエータ1012の後退を防ぐようにボール1040がアクチュエータ1012に強制的に接触する。例として、ロックスクリュ1034はテーパノーズ1039を有し、これによりピン1040に軸からはずれた横方向の力を加え、ボール1040を内側方向にそらせるか、または、偏らせることができる。たとえば、アクチュエータ1012は、スリップに対する抵抗を改善するためにボール1040と相互作用するように構成された対応するロック機能(例えば、溝、一連の溝、ギザギザ、摩擦面など)を有することもある。
【0122】
本態様例の展開式癒合装置1010は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例のいずれかの機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、追加説明される展開式癒合装置のいずれかは、展開式癒合装置1010の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0123】
図57~65は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1110の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1110は、アクチュエータ1112と遠位ウェッジ1114と近位ウェッジ1116と一対の遠位ランプ1118a、1118bと一対の近位ランプ1120a、1120bと複数のエンドプレート1122a~1122dと複数のガイドピンとを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1114、1116はアクチュエータ1112と結合される。遠位ランプ1118a、1118bは遠位ウェッジ1114と摺動可能に結合される。近位ランプ1120a、1120bは近位ウェッジ1116と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1122a~1122dは、ランプ1118a、1118b、1120a、1120bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1110は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1110に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1110は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る脊椎すべり症を軽減する構成を例示している。
【0124】
脊椎すべり症は脊椎の疾患であり、椎体がずれた(一般的には前方向に)ときに起こる。ここで説明するように、本実施形態の展開式癒合装置1110は、高さ展開の間に上方エンドプレート1122a、1122bを下方エンドプレート1122cと1122dに対して横方向にシフトし、癒合装置1110を使用して置換された椎骨にトルクを加えることで、脊椎すべり症を緩和することに役立ち得る。
【0125】
単なる例として、遠位ウェッジ1114は、装置10に関しての前述の近位ウェッジ14と実質的に同一であり得る。同様に、近位ウェッジ1116は、上述の近位ウェッジ16と実質的に同一であり得る。その代わりに、遠位および近位ウェッジ1114は互いに同一である場合がある。
【0126】
図60~61は、本態様による第2の遠位ランプ1118bの一例を図示している。例として、遠位ランプ1118bは、遠位端1176と、近位端1178と、内側1180(例えば組み立てられた
展開式癒合装置1110ではアクチュエータ1112の方に配向)と、外側1182(例えば組み立てられた展開式癒合装置1110ではアクチュエータ1112と反対の配向)とを有する。一般的に、遠位ランプ1118bは、第1のローブ1184と第2のローブ1186と、展開式癒合装置1110の高さ展開を促進する垂直ポスト1206とを含む。第2の遠位ランプ1118bは、遠位ウェッジ1114および/またはエンドプレート1122b、1122dと摺動可能に結合するために構成されうる。ウェッジ1114との摺動可能結合は、癒合装置10に関して上で説明したものと同一である。
【0127】
第1のローブ1184は、近位方向に配向される頂点を有する傾斜構造(例えば、前述の態様のシェブロン形状の半分)を
含む。第1のローブ1184は上表面1196と底表面1198と側表面1199とを含む。例として、第1のローブ1184は一般的にU形状の断面形状を有するが、円形、卵形、楕円形、三角形、方形、T形状、V形状、正多角形、非正多角形、不規則形状、またはこれらの組み合わせを限定的にではなく(単なる例として)含む好適な断面形状を第1のローブ1184が有しうることに注意すべきである。第1のローブ1184はさらに、側表面1199内に形成され、1つ以上のガイドピンをその中に摺動可能に収容するように構成される平行移動ストッパを含む陥凹ランプスロット1202を含み、高さ展開中に構造物の安定化に役立つ。第1のローブ1184はさらに、エンドプレート22bの傾斜面1152を摺動可能に嵌合するように構成される近位面の角度付き平行移動面1200を含み、高さの展開を容易にする。
【0128】
第2のローブ1186は、近位方向に配向される頂点を有する傾斜構造(例えば、前述の態様のシェブロン形状の半分)を
含む。第2のローブ1186は上表面1197と底表面1198と側表面1205とを含む。例として、第2のローブ1186は一般的にU形状の断面形状を有するが、円形、卵形、楕円形、三角形、方形、T形状、V形状、正多角形、非正多角形、不規則形状、またはこれらの組み合わせを限定的にではなく(単なる例として)含む好適な断面形状を第2のローブ1186が有しうることに注意すべきである。第2のローブ1186はさらに、側表面1203に形成され、1つ以上のガイドピンをその中に摺動可能に収容するように構成される平行移動ストッパを含む陥凹ランプスロット1203を含み、高さ展開中に構造物の安定化に役立つ。第2のローブ1186はさらに、エンドプレート22bの傾斜面1156を摺動可能に嵌合するように構成される近位面の角度付き平行移動面1201を含み、高さの展開を容易にする。
【0129】
例として、底表面1198は、上述のL形状切除表面500に機能的に似ている (そして基本的には、垂直ポスト1206と共にL字型を形成する)。すなわち、底表面1198は、第2の近位ランプ1120bの対応する表面と摺動可能に係合するように構成される。
【0130】
例として、遠位端1176は、遠位ウェッジ1114の対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合する実矧ぎコネクタ1188c、1188dを含む。遠位端1176は、高さ展開を容易にするように構成される垂直突部1208を含む垂直ポスト1206も含む。
【0131】
例として、様々なエンドプレート1122a
~1122dは同一であるか互いに同一の鏡像であり、ゆえにエンドプレートの1つのみがより詳しく説明される必要がある。図62は、本開示のエンドプレート1122bの一例を図示している。単なる例として、エンドプレート1122bは第1の(例えば遠位)端部1138と第2の(例えば近位)端部1140とを有する。
【0132】
エンドプレート1122bはさらに、第1の端部1138に近接する第1の傾斜スロット1146と、第1の傾斜スロット1146の近傍に位置する第2の傾斜スロット1148と、第2の端部1140近傍に位置する垂直チャネル1150とを含む。任意で、いかなる態様でも、傾斜スロット1146、1148の傾斜または形状は互いに等しいか異なる。第1の傾斜スロット1146は、通常はインプラントの前後軸に対して横断方向になっている傾斜面1152を有する。第1の傾斜スロット1146は、第1のローブ1184の傾斜平行移動面1200が傾斜表面1152と摺動可能に連動するように、第2の遠位ランプ1118bの第1のローブ1184の少なくとも一部分を摺動可能に収容するような大きさと構成とを持つ。第2の傾斜スロット1148は、通常はインプラントの前後軸に対して横断方向になっている傾斜面1156を有する。第2の傾斜スロット1148は、第2のローブ1186の傾斜平行移動面1201が傾斜表面1156と摺動可能に連動するように、第2の遠位ランプ1118bの第2のローブ1186の少なくとも一部分を摺動可能に収容するような大きさと構成とを持つ。ゆえに、幅展開が完了した後に、遠位ウェッジ1114が遠位ランプ1118bを近位ウェッジ1116(および近位ランプ1120b)の方へ前進させると、一部には傾斜表面152に沿った角度平行移動のためエンドプレート1122bが垂直に変位する(結果的に高さ展開が生じる)。
【0133】
垂直通路1150は、第2の近位ランプ1120bの垂直ポストの大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状を有し、以下に説明する通り、遠位ランプ1118bの垂直ポスト1206と同一または鏡像と同等であり、近位ランプ1120bに対するエンドプレ
ート1122bの垂直平行移動を促進するように構成される。垂直通路1150はさらに、垂直の突部1208(またはそれの鏡像同等のもの)を収容するような大きさおよび形状の垂直陥凹部1151を含む。このように、本態様においては、下方エンドプレート1122c、1122dは遠位ランプ1118a、1118bに対して垂直に平行移動し、近位ランプ1120a、1120bに対して斜めに平行移動する。上方エンドプレート1122a、1122bは、近位ランプ1120a、1120bに対して垂直に平行移動し、遠位ランプ1118a、1118bに対して斜めに平行移動する
【0134】
例として、第1の遠位ランプ 1118a、第2の遠位ランプ 1118b、第1の近位ランプ 1120a、および第2の近位ランプ 1120bのうち少なくとも2つは同一である。さらに、第1の遠位ランプ 1118a、第2の遠位ランプ 1118b、第1の近位ランプ 1120a、および第2の近位ランプ 1120bのうち少なくとも2つは鏡像同等のものを有する。例えば、本態様においては、第1の遠位ランプ1118aは第2の近位ランプ1120bに同一であり、第2の遠位ランプ1118bは第1の近位ランプ1120aに同一であり、第1および第2の遠位ランプ1118a、1118bは鏡像同等性を有し、第1および第2の近位ランプ1120a、1120bは鏡像同等性を有する。同様に、単なる例として、エンドプレート1122a、1122b、1122c、1122dのうち少なくとも2つは同一であり、エンドプレート1122a、1122b、1122c、1122dのうち少なくとも2つは鏡像同等性を有する。
【0135】
図63~65は、いくつかの態様による、高さ展開と水平エンドプレート変位との関係を示す。例として、図63は、高さ展開Hと水平変位dを有する完全に折り畳まれたインプラントを示し、これらは基本的にゼロである。図64は、高さ展開Hの後に水平変位dが起きたことを示す。同様に、図65は、高さ展開Hが水平変位dの結果として引き起こすことを示す。特定の高さ展開Hに対して発生する水平変位dの正確な値は、ランプおよびエンドプレート上の傾斜平行移動面の角度によって異なり得る。鋭角を大きくすると、水平変位が大きくなるという結果になる。
【0136】
本態様例の展開式癒合装置1110は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1110の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0137】
図66~69は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1210の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1210は、アクチュエータ1212と遠位ウェッジ1214と近位ウェッジ1216と一対の遠位ランプ1218a、1218bと一対の近位ランプ1220a、1220bと複数のエンドプレート1222a~1222dと複数のガイドピン(任意で)とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1214、1216はアクチュエータ1212と結合される。遠位ランプ1218a、1218bは遠位ウェッジ1214と摺動可能に結合される。近位ランプ1220a、1220bは近位ウェッジ1216と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1222a~1222dは、ランプ1218a、1218b、1220a、1220bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1210は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1210に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1210は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る脊椎すべり症を軽減する構成を例示している。
【0138】
椎骨回転は脊椎の疾患であり、例えば脊柱側弯症患者において、椎体が回転してずれたときに起こる。ここで説明するように、本実施形態の展開式癒合装置1210は、高さ展開の間に同じ側の上方および下方エンドプレート(例えば、エンドプレート1222a、1222cとエンドプレート1212bと1212d)をお互いに対して水平にシフトし、癒合装置1210を使用して置換された椎骨にトルクを加えることで、減捻を達成することに役立ち得る。
【0139】
本態様においては、アクチュエータ1212、遠位ウェッジ1214、および近位ウェッジ1216は、前の態様で説明した対応する部品と同一または実質的に類似している。例として、遠位ランプ1218a、1218b、および、近位ランプ1220b、1220bは、以下に更なる詳細を説明する任意のアリ継ぎコネクタを除いてはお互いに同一である。例として、ランプ1218a、1218b、1220a、1220bは、上述の第2の遠位ランプ1118bに形状と機能が(アリ継ぎコネクタを除いて)同一である。さらに、ランプ1218a、1218b、1220a、1220bは同一であるので、エンドプレート1222a、1222b、1222c、1222dも同一である。これは組立中に必要である様々な部品の数を減少させる。例として、エンドプレート1222a、1222b、1222c、1222dは、上述のエンドプレート1122bと同一である。
【0140】
例として、図66に、完全に折りたたまれた状態の本態様の展開式癒合装置1210を示す。図67は、完全幅展開状態の展開式癒合装置1210を示す。この時点で、エンドプレート1222a、1222b、1222c、1222dは、水平方向にずれていない。図68は、完全に幅と高さが展開状態での展開式癒合装置1210示す。見る通り、第1の上方エンドプレート1222aと第2の下方エンドプレート1222d が近位方向にずれ、第2の上方エンドプレート1222bと第1の下方エンドプレート1222cが遠位方向にずれている。
【0141】
図69は、展開式癒合装置1210が椎骨にかかるねじれ力(および椎骨によって装置1210のかかる反ねじり力)の中で構造的完全性を維持するように、アリ継ぎコネクタが装備された第2の遠位および近位ランプ1218b、1220bの例を示す。。本態様では、遠位傾斜路1218bには、滑らかな底表面1298aに沿って延伸している細長いアリフランジ1250が含まれる。近位ランプ1220bは、底表面1298b内に形成された補完的アリ溝1252を含む。長いアリフランジ1250は、アリ溝1252と摺動可能に連動しており、軸方向の移動は可能だが、遠位および近位ランプ1218b、1220b間の他の相対的な動き(例えば、回転運動など)はできない。
【0142】
本態様例の展開式癒合装置1210は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1210の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0143】
図70~75は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1310の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1310は、アクチュエータ1312と、遠位ウェッジ1314と、近位ウェッジ1316と、一対の遠位ランプ1318a、1318bと、一対の近位ランプ1320a、1320bと、複数のエンドプレート1322a~1322dと、複数のガイドピン1323とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1314、1316はアクチュエータ1312と結合される。遠位ランプ1318a、1318bは遠位ウェッジ1314と摺動可能に結合される。近位ランプ1320a、1320bは近位ウェッジ1316と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1322a~1322dは、ランプ1318a、1318b、1320a、1320bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1310は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1310に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1310は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る幅スタビライザを例示している。
【0144】
最初に図73を参照すると、幅スタビライザ1340の一例を示している。単なる例として、本例の幅スタビライザ1340は、かみ合い要素1346によって第2のクロスバー1344から垂直に分離されている第1のクロスバー1342を含む。第1および第2のクロスバー1344は、エンドプレート1322a~1322dが幅展開中に通常互いに平行であることを保証する任意の断面形状を持つことができ、これには、楕円、長方形、台形、多角形などが含まれるが、これらに限定されない。かみ合い要素1346は、幅スタビライザ1340をアクチュエータ1312に位置合わせできる構造要素を含み得る。単なる例として、本態様のかみ合い要素1346は、それを貫通して延伸するねじ開口部1348を有するリング部材を含む。ねじ穴1348は、アクチュエータ1312が貫通できるような大きさと構成を持つ。
【0145】
図70~75を参照するに、エンドプレート1322a~1322dはそれぞれ、エンドプレートの前後軸に対して垂直に延伸し、エンドプレートを通り形成される側面開口部1350を有し、側面開口部1350は、第1または第2のクロスバー1342、1344の少なくとも一部分を収容するように構成される。例として、側面開口部1350は各エンドプレートの中間点に配置されるが、この位置は使用されている幅スタビライザの数、および、使用されている特定の態様のランプ構成によって異なり得る。図70および図74に示す通り、側面開口部1350は、揺れる動作を少しもすることなく、クロスバー1342、1344を密接に収容するような大きさと形状になっている。この密接な相互作用により、エンドプレート1322a~1322dは幅展開の間、平行な向きに維持される。図71および図75に示す通り幅展開が完了すると、第1と第2のクロスバー1342、1344は側面開口部1350内でそれ以上かみ合わされず、高さ展開はこれ以上禁止でなくなる(例えば、図72)。
【0146】
本態様例の展開式癒合装置1310は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1310の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0147】
図76~80は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1410の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1410は、アクチュエータ1412と、遠位ウェッジ1414と、近位ウェッジ1416と、一対の遠位ランプ1418a、1418bと、一対の近位ランプ1420a、1420bと、複数のエンドプレート1422a~1422dと、複数のガイドピン1423とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1414、1416はアクチュエータ1412と結合される。遠位ランプ1418a、1418bは遠位ウェッジ1414と摺動可能に結合される。近位ランプ1420a、1420bは近位ウェッジ1416と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1422a~1422dは、ランプ1418a、1418b、1420a、1420bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1410は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1410に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1410は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の別の例に適用され得る幅スタビライザを例示している。
【0148】
最初に図77を参照すると、幅スタビライザ1440の一例を示している。単なる例として、本例の幅スタビライザ1440は、クロスバー1442とかみ合い要素1446とを含む。クロスバー1442は、エンドプレート1422a~1422dが幅展開中に通常互いに平行であることを保証する任意の断面形状を有することができ、これには、楕円、長方形、台形、多角形などが含まれるが、これらに限定されない。かみ合い要素1446は、幅スタビライザ1440をアクチュエータ1412に位置合わせできる任意の構造要素を含み得る。単なる例として、本態様のかみ合い要素1446は、アクチュエータ1412を嵌合するように構成された弧状面1448を有するハーフリング部材を含む。
【0149】
図76~80を参照するに、エンドプレート1422a~1422dはそれぞれ、エンドプレートの前後軸に対して垂直に延伸し、エンドプレートを通り形成される側面開口部1450を有し、側面開口部1450は、クロスバー1442の少なくとも一部分を収容するように構成される。例として、側面開口部1450は各エンドプレートの中間点に配置されるが、この位置は使用されている幅スタビライザの数、および、使用されている具体的な態様のランプ構成によって異なり得る。幅スタビライザ1440は単一のクロスバーであるため、幅展開中にエンドプレートを平行に保つために、一対の幅スタビライザ1440が本態様で使用される。図78~79に示す通り、側面開口部1450は、揺れる動作を少しもすることなく、クロスバー1442を密接に収容するような大きさと形状になっている。この密接な相互作用により、エンドプレート1422a~1422dは幅展開の間、平行な向きに維持される。本例の幅スタビライザ1440は、前の態様のデバイス1310のように、アクチュエータ1412に取り付けられていないため、いつでも高さ展開を妨げない(例えば、図79参照)。図80に示す通り、 幅展開が完了した後でさえも、クロスバー1442の少なくとも一部が側面開口部1450内でかみ合わされている可能性がある。
【0150】
本態様例の展開式癒合装置1410は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1410の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0151】
図81~84は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1510の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1510は、アクチュエータ1512と、遠位ウェッジ1514と、近位ウェッジ1516と、一対の遠位ランプ1518a、1518bと、一対の近位ランプ1520a、1520bと、複数のエンドプレート1522a~1522dと、(任意で)複数のガイドピンとを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1514、1516はアクチュエータ1512と結合される。遠位ランプ1518a、1518bは遠位ウェッジ1514と摺動可能に結合される。近位ランプ1520a、1520bは近位ウェッジ1516と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1522a~1522dは、ランプ1518a、1518b、1520a、1520bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1510は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1510に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1510は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の別の例に適用され得る幅スタビライザを例示している。
【0152】
最初に図84を参照すると、幅スタビライザ1540の一例を示している。単なる例として、本例の幅スタビライザ1540は、クロスバー1542とかみ合い要素1546とを含む。クロスバー1542は、エンドプレート1522a~1522dが幅展開中に通常互いに平行であることを保証する任意の断面形状を有することができ、これには、楕円形、長方形、台形、多角形などが含まれるが、これらに限定されない。たとえば、クロスバー1542は、遠位方向に頂点を持つ一般的なシェブロン形状で、一対の角度付きストラット1544を含む。角度付きストラット1544は、ストラットコンポーネントとかみ合い要素1546を、正中線でまっすぐなストラットを排除するランプ構造を有する態様において、エンドプレートの間の中心に配置することを可能にする。さらに、角度付きストラット1544は、高さ展開中にストラット1544が側面開口部1550から外れないようにする。かみ合い要素1546は、幅スタビライザ1540をアクチュエータ1512に位置合わせできる任意の構造要素を含み得る。単なる例として、本態様のかみ合い要素1546は、アクチュエータ1512を嵌合するように構成された弧状面1548を有するハーフリング部材を含む。
【0153】
図81~84を参照するに、エンドプレート1522a~1522dはそれぞれ、エンドプレートの前後軸に対して斜めの角度で延伸し、エンドプレートを通り形成される側面開口部1550を有し、側面開口部1550は、クロスバー1542の少なくとも一部分を収容するように構成される(例えば、図83)。例として、側面開口部1550は各エンドプレートの中間点の近位だが装置1510の中心線に対して角度を付けて配置されるが、この位置は使用されている幅スタビライザの数、および、使用されている具体的な態様のランプ構成によって異なり得る。幅スタビライザ1540は単一のクロスバーであるため、幅展開中にエンドプレートを平行に保つために、一対の幅スタビライザ1540が本態様で使用される。図81および図83に示す通り、側面開口部1550は、揺れる動作を少しもすることなく、クロスバー1542を密接に収容するような大きさと形状になっている。この密接な相互作用により、エンドプレート1522a~1522dは幅展開の間、平行な向きに維持される。本例の幅スタビライザ1540は、上述の装置1310のように、アクチュエータ1512に取り付けられていないため、いつでも高さ展開を妨げない。図83に示す通り、 幅展開が完了した後でさえも、クロスバー1542の少なくとも一部が側面開口部1550内でかみ合わされている可能性がある。
【0154】
本態様例の展開式癒合装置1510は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1510の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0155】
図85~88は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1610の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1610は、アクチュエータ1612と、遠位ウェッジ1614と、近位ウェッジ1616と、一対の遠位ランプ1618a、1618bと、一対の近位ランプ1620a、1620bと、複数のエンドプレート1622a~1622dと、複数のガイドピン1623とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1614、1616はアクチュエータ1612と結合される。遠位ランプ1618a、1618bは遠位ウェッジ1614と摺動可能に結合される。近位ランプ1620a、1620bは近位ウェッジ1616と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1622a~1622dは、ランプ1618a、1618b、1620a、1620bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1610は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1610に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1610は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の別の例に適用され得る幅スタビライザを例示している。
【0156】
最初に図86を参照すると、幅スタビライザ1640の一例を示している。単なる例として、本例の幅スタビライザ1640は、一対の横方向フランジ1644がクロスバー1642の両端に配置された1本の線型のクロスバー1640を含む。クロスバー1642は、エンドプレート1622a~1622dが幅展開中に通常互いに平行であることを保証する任意の断面形状を有することができ、これには、楕円形、長方形、台形、多角形などが含まれるが、これらに限定されない。
【0157】
図85~88を参照するに、エンドプレート1622a~1622dはそれぞれ、エンドプレートの前後軸に対して垂直に延伸し、エンドプレートを通り形成される側面開口部1650を有し、側面開口部1650は、クロスバー1642の少なくとも一部分を収容するように構成される。開口部1650の内側の開口部には、平行移動ストッパ1652があり、フランジ1644と相互作用してクロスバー1642が開口部1650から出ることを防いでいる。平行移動ストッパ1642は分解を防ぐだけでなく、幅の展開を制限する機能も備えている。側面開口部1650にクロスバー1642を挿入できるようにするために(例えば、平行移動ストッパ1652を通過して)、たとえば、クロスバー1642の端をたわませる、押す、溶接する、または、フランジ1644をクロスバー1642の端部に取り付けることにより、組立後に1つ以上のフランジ1644を形成し得る。または、展開式癒合装置1610の組み立て中に、少なくとも1つの横方向フランジ1644が部分的に収縮して、エンドプレート1622a~1622dの側面開口部1650にクロスバー1642を挿入できるようにすることもできる。例として、側面開口部1650は各エンドプレートの中間点に配置されるが、この位置は使用されている幅スタビライザの数、および、使用されている具体的な態様のランプ構成によって異なり得る。幅スタビライザ1640は単一のクロスバーであるため、幅展開中にエンドプレートを平行に保つために、一対の幅スタビライザ1640が本態様で使用される。側面開口部1450は、揺れる動作を少しもすることなく、クロスバー1642を密接に収容するような大きさと形状になっている。この密接な相互作用により、エンドプレート1622a~1622dは幅展開の間、平行な向きに維持される。本例の幅スタビライザ1640は、上述の装置1310のように、アクチュエータ1612に取り付けられていないため、いつでも高さ展開を妨げない。
【0158】
本態様例の展開式癒合装置1610は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1610の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0159】
図89~99は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1710の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1710は、アクチュエータ1712と、遠位ウェッジ1714と、近位ウェッジ1716と、一対の遠位ランプ1718a、1718bと、一対の近位ランプ1720a、1720bと、複数のエンドプレート1722a~1722dと、複数のガイドピン1723とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1714、1716はアクチュエータ1712と結合される。遠位ランプ1718a、1718bは遠位ウェッジ1714と摺動可能に結合される。近位ランプ1720a、1720bは近位ウェッジ1716と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1722a~1722dは、ランプ1718a、1718b、1720a、1720bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1710は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1710に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1710は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の別の例に適用され得る幅スタビライザを例示している。
【0160】
単なる例として、本例の幅スタビライザ1750は、1つのエンドプレートから内側に向かって延伸し、別のエンドプレートの溝1752に入れ子になる相互嵌合型突部1750を含む。例えば、図89~91、および、図93~94は、第2の上方エンドプレート1722bの外側接触面1742で形成され、第1の上方エンドプレート1722aに向かい内側に延伸する単一の突部1750bを有する展開式癒合装置1710を示す。単一の突部1750bは、第1の上方エンドプレート1722aの外側接触面1742内に形成された補完溝1752a内に収容され、溝1752a内での突部1750bの単軸平行移動が可能になる。同時に、第1の上方エンドプレート1722aは、第2の上方エンドプレート1722bに向かい内側に延伸する一対の突部1750aを有する。突部1750aは、 第2の上方エンドプレート1722bの外側接触面1742内に形成された補完溝1752b内に受容され、溝1752b内での突部1750aの単軸平行移動が可能になる。突部1750aは、突部1750bの両側に延伸し、突部1750bと面一でスライド可能に接触している。溝1752bは、第2の上方エンドプレート1722bの突部1750bの両側に位置する。突部間の面一接触と同時に、溝1752の内部に突部1750が入れ子になることによって、幅展開の間、エンドプレートが平行な向きに維持される。いくつかの態様で、(特に)癒合体積を最大化するために、相互嵌合型突部1750と、任意で、相補溝1752は、1組のエンドプレート(上方の組または下方の組)にのみ存在し、他方には存在しない。
【0161】
本態様によれば、展開式癒合インプラント1710には、本開示の範囲を逸脱することなく、任意の数の相互嵌合型突部1750が提供されて得る。例えば、図92は、それぞれのエンドプレート1722a、1722bから延伸する2つ以上の突部1750を有する展開式癒合インプラント1710を示す。単なる例として、図92の展開式癒合インプラント1710は、第2の上方エンドプレート1722bから延伸する4本の突部1752bと相互嵌合する、第1の上方エンドプレート1722aから延伸する5本の突部1750aを含む。したがって、第1の上方エンドプレート1722a1722aは4つの補完溝1752aを含み、第2の上方エンドプレート1722bは5つの補完溝1752bを含む。
【0162】
突部1750および溝1752は、エンドプレート1722a~1722dが幅展開中に通常互いに平行であることを保証する任意の断面形状を有することができ、これには、正方形、長方形、台形、多角形などが含まれるが、これらに限定されない。さらに、突部1750と溝1752は、アリ継ぎのかみ合いを有し得る。図95~99に、突部の相互作用の例をいくつか示す。単なる例として、図95に、突部1750bが「+」型のアリを有し、突部1750aはそれに対応する細長い陥凹を有してアリを収容する態様を示す。図96に、突部1750bが「T」型のアリを有し、突部1750aはそれに対応する細長い陥凹を有してアリを収容する態様例を示す。図97には、突部1750aと1750bが単純に相互嵌合する図89~91および図93~94の例を示す。図98は、突部1750aにブリッジ1754が含まれており、その中に突部1750bが含まれている例を示す。図99は、図92の態様の相互嵌合型を示す。
【0163】
本態様例の展開式癒合装置1710は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1710の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0164】
図100~105は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1810の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1810は、アクチュエータ1812と、遠位ウェッジ1814と、近位ウェッジ1816と、一対の遠位ランプ1818a、1818bと、一対の近位ランプ1820a、1820bと、複数のエンドプレート1822a~1822dと、複数の任意のガイドピン1823とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1814、1816はアクチュエータ1812と結合される。遠位ランプ1818a、1818bは遠位ウェッジ1814と摺動可能に結合される。近位ランプ1820a、1820bは近位ウェッジ1816と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1822a~1822dは、ランプ1818a、1818b、1820a、1820bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1810は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1810に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1810は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る、幅が展開してそして前弯性展開を有する展開式癒合装置を例示している。
【0165】
例として、アクチュエータ1812、遠位ウェッジ1814、および近位ウェッジ1816は、本書で他の態様に関して開示されている、対応する要素と同一または実質的に類似し得る。
【0166】
図103は、本態様例による遠位ランプ1818bの一例を示す。単なる例として、遠位ランプ1818bは、近位端1840、遠位端1842、内面1844、側面1846、上部1848、下部1850を有する。上部および下部1848、1850の遠位側にはそれぞれ実矧ぎコネクタ1852があり
、上述のように、遠位ウェッジ1814の対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に相互作用するように構成されている。上部および下部1848、1850はそれぞれ、遠位ランプ1818bの近位側面角に、平行移動部材1854を有する。単なる例として、平行移動部材1854は、それぞれ一般的に円形で、一般的には平面の外側に面した面1856と弧状の平行移動面1858を有する。一般的には平面の外側に面した面1856は、展開式癒合装置1810が完全に折り畳まれた状態(例えば、挿入のために折り畳まれたインプラントの高さ寸法を最小化すること)で、エンドプレート1822の第1の開口部1894内に入れ子になるように構成されている。平行移動面1856は、エンドプレート(例えば、エンドプレート1822b)の角度付きスロット1886を摺動可能にかみ合わさるように構成され、さらに、前弯症展開中に角度付きスロット1886に沿って平行移動する。任意に、少なくとも1つの平行移動部材1854は、ガイドピン1823 を収容するためのガイドピン開口部1859を有し得る。ガイドピンは、ガイドピン1823がランプ溝1888の端に達すると、前弯症展開を停止するため、ガイドピンは前弯症展開制限部材として機能する。
【0167】
図104は、本態様例による第2の遠位ランプ1820bの一例を示す。単なる例として、近位ランプ1820bは遠位端1860近位端1862とを有する。近位ランプ1820bは、少なくとも1つの(例えば、第1の)弓形ランプ1864を含み、任意で、第1の弓形ランプ1864の遠位に配置された第2の(またはそれ以上の)弓形ランプ1866(例のみ示す)を含む。弓形
ランプ1864、1868は、近位方向に中心点を有する同中心の円弧に沿ってカーブしている。弓形ランプ1864、1866は、対応するエンドプレート1822(例えば、1822b、1822d)の第1および第2の弓型チャネル1890、1892それぞれに摺動可能に合致するように構成される。例として、弓形ランプ1864、1866は、基本的には、前弯症展開時のピボットガイドとして機能するが、また、前弯症展開が完了したら、展開角度を所定の位置に保持するのにも役立つ。各弓形ランプ1864、1866は、一対の外側に面した平面1870、1872をそれぞれ有し、これは、展開式癒合装置1810が完全に折り畳まれた状態(例えば、挿入のために折り畳まれたインプラントの高さ寸法を最小化すること)で、エンドプレート1822の第1の開口部1896、1898内に入れ子になるように構成されている。近位端1862は、一対の実矧ぎコネクタ1868を有し、上述のように、遠位ウェッジ1816の対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に相互作用するように構成されている。
【0168】
図100および図105を特に参照して、関連するエンドプレート構造について説明する。例として、エンドプレート1822aの説明をするが、各エンドプレートはエンドプレート1822aと同一(例えば、1822d)であるか、または、鏡像同等(例えば、エンドプレート1822b、1822c)であり、説明する要素は無条件で各エンドプレートに含まれると理解すべきである。
単なる例として、エンドプレート1822aは、遠位端1880と、近位端1882と、外側の椎骨接触面1884とを有する。角度付き溝1886は、エンドプレート1822aの遠位部分に形成され、外側の接触面1884と交差し(例えば、開口部1894において)、そこから近位に角度がついている。角度付き溝1886は、前弯症展開を容易にするために、遠位ランプ1818aの平行移動部材1854を摺動可能に収容するように構成されている。角度付き溝1886は、さらに、ガイドピン1823摺動可能に収容する任意のランプ溝1888を含み得る。エンドプレート1822aの近位部分は、少なくとも1つの弓形チャネル1890を含み(前述の通り弓形ランプの数に応じて)、本例では、第2の弓形チャネル1892も含む。弓形チャネルは、近位方向に中心点を有する同中心の円弧に方向付けられ、それぞれが開口部(例えば、開口部1896、1898)で外側の接触面1884と交差する。弓形チャネル1890、1892は、上述のように、対応する近位ランプ1820a、1820bの第1および第2の弓形ランプ1864、1866にそれぞれ摺動可能に係合するように構成されている。したがって、弓形チャネル1890、1892の弓形は、それぞれの弓形ランプ1864、1866の弓形と等しくなる。
【0169】
手術では、第1の幅展開が、前の態様に対して、上記の通り実質的に進められる。つまり、アクチュエータ1812は、ある程度の幅展開に達し、エンドプレートが遠位ウェッジ1814から外れるまで、選択した数の作動分回される。一度離脱が起き、アクチュエータ1812をさらに回転させると、遠位ランプ1818a、1818bがエンドプレートのそれぞれの角度の付いた溝に沿って平行移動し、処理中に幅、高さ、および前弯角度の少なくとも1つが増加する。つまり、第1の作動方向での第1の作動数の駆動機構の作動により、少なくともある程度の幅が展開される。第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数の駆動機構の作動はそして、幅、高さ、および、前弯角度の少なくとも1つを増加させる。
【0170】
本態様例の展開式癒合装置1810は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1810の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0171】
図106~113は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置1910の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1910は、アクチュエータ1912と遠位ウェッジ1914と近位ウェッジ1916と一対の遠位ランプ1918a、1918bと一対の近位ランプ1920a、1920bと複数のエンドプレート1922a~1922dと複数のガイドピンとを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ1914、1916はアクチュエータ1912と結合される。遠位ランプ1918a、1918bは遠位ウェッジ1914と摺動可能に結合される。近位ランプ1920a、1920bは近位ウェッジ1916と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート1922a~1922bは、ランプ1918a、1918b、1920a、1920bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置1910は上に説明した展開式癒合装置10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置1910に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置1910は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る側方前弯性展開の機構を例示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置1910は、後部側面1936と前部側面1934を有する。
【0172】
展開式癒合インプラント1910は、完全に折り畳まれた位置では、最初にインプラント1910が椎間スペースに挿入されるときに、インプラントの前弯角度∂1が背骨の前湾症と合うように、あらかじめ選択された側方前弯角度∂1を有するように構成されている(例えば、図110)。また、上方エンドプレート1922a、1922bの外側の接触面、および、下方エンドプレート1922c、1922dの外側の接触面は、前弯角度∂1で定義される平面で、一般的に同一平面上にあり得ることに留意されたい。これは、インプラントの後部側の高さが前部側よりも大きくなるように、後部のエンドプレート対(例えば、エンドプレート1922b、1922d)を前部のエンドプレート対(例えば、エンドプレート1922a、1922c)よりも厚くすることで実現される。ただし、展開式インプラントで発生する課題は、幅展開中に、後方エンドプレートが前方エンドプレートから離れるにつれて、インプラントの前弯角度が減少し、関連する外部接触面が同一平面上になくなることである。エンドプレートの高さが同じ割合で増加すると、その後の高さ展開は問題の解決にはならない。この問題を解決するために、本例の展開式癒合装置1910は、エンドプレートの後方の対(例えば、1922b、1922d)が、所望の前弯角度∂1を再確立するのに十分な高さ(h)に展開し(例えば、図112)、上方エンドプレートと下方エンドプレートの対の外側接触面が一直線になるまで、エンドプレートの前方の対(例えば、1922b、1922c)の高さ展開を遅らせるように構成されている。一度この状態になれば、エンドプレートの前方の対1922a、1922cは、エンドプレートの後方の対1922b、1922dと同じ割合で高さ展開し、それでもまだ、所望の前弯角度∂1を維持する。従って、後方エンドプレート1922c、1922dの最大高さ展開(h)は、前方エンドプレート1922a、1922cの最大高さ展開(h)より大きくなる(例えば、図 113 )。
【0173】
例として、アクチュエータ1912、遠位ウェッジ1914、近位ウェッジ1916、遠位ランプ1918a、1918b、および、近位ランプ1920a、1920bは、他の態様に関してここに記載されている対応する要素と同一または実質的に類似している場合があるため、必要な場合を除き、その具体的な構造については説明しない。
【0174】
例として、エンドプレートは、後部エンドプレート1922c、1922d、および、前部エンドプレート1922a、1922cを含む。エンドプレート1922cはエンドプレート1922aと同一または鏡像等価であり、同じ要素を有するので、ここでは、エンドプレート1922aを前部エンドプレートの代表として説明する。例として、第1の前部エンドプレート1922aは、遠位端1930、近位端1932、外側接触面1937a、および、複数の角度付き溝(図示しないが前述と同一または類似)を有し、遠位および近位ランプ1918a、1920aの傾斜面(図示しないが前述と同一または類似)と相互作用して、他の態様に関して前述と同じ方法で高さ展開を促進する。単なる例として、本態様において、複数の角度付き溝は、外側接触面1937aと第1の遠位開口部1946aで交差する第1の遠位角度付き溝、外側接触面1937aと第1の遠位開口部1948aで交差する第2の遠位角度付き溝、外側接触面1937aと第1の近位開口部1950aで交差する第1の近位角度付き溝、および、外側接触面1937aと第2の近位開口部1952aで交差する第2の近位角度付き溝を含む。高さ展開に先立って(幅展開に関係なく)、遠位ランプ1918aの関連部分(例えば、第1および第2のローブ)がエンドプレート1922aの角度付き表面に面一で接しており、エンドプレート1922aがウェッジ1914、1916から分離するとすぐに高さ展開が開始され得る。
【0175】
例として、エンドプレート1922dはエンドプレート1922bと同一または鏡像等価であり、同じ要素を有するので、ここでは、エンドプレート1922bを後部エンドプレートの代表として説明する。例として、第1の後部エンドプレート1922bは、遠位端1930、近位端1932、外側接触面1937b、および、複数の角度付き溝(図示しないが前述と同一または類似)を有し、遠位および近位ランプ1918b、1920bの傾斜面(図示しないが前述と同一または類似)と相互作用して、他の態様に関して前述と同じ方法で高さ展開を促進する。単なる例として、本態様において、複数の角度付き溝は、外側接触面1937bと第1の遠位開口部1946bで交差する第1の遠位角度付き溝、外側接触面1937bと第1の遠位開口部1948bで交差する第2の遠位角度付き溝、外側接触面1937bと第1の近位開口部1950bで交差する第1の近位角度付き溝、および、外側接触面1937bと第2の近位開口部1952bで交差する第2の近位角度付き溝を含む。高さ展開に先立って(幅展開に関係なく)、遠位ランプ1918aの関連部分(例えば、第1および第2のローブ)がエンドプレート1922bの角度付き表面からギャップ1954で間隔をもって離れており、エンドプレート1922aが装置1910の前弯角度を復元する充分な高さに到達するまで高さ展開は遅れ得る。ギャップ1954により、前部ランプ1918b、1920bは、後部ランプ1918a、1920aと同じ割合で平行移動できるが、ランプの傾斜面がエンドプレートの傾斜面と噛み合う前に、ランプはギャップ1954を越える必要がある。それが起こると後部側面1936の高さ展開が起こる。
【0176】
側面展開式癒合装置のエンドプレートは長くなっているため、展開中にインプラントの中央を確実に一直線上にするために、垂直方向の安定化機能が必要になる場合がある。例として、図109に、本態様の展開式癒合装置1910で使用されている第1および第2の垂直スタビライザ1960、1970の一例を示す。例として、第1の垂直スタビライザ1960は、上部後方エンドプレート1922aに関連するポスト1962を含み、このポストは、下部後方エンドプレート1922cに向かい垂直に延伸し、エンドプレート1922c内に形成された垂直チャネル1944内で収容される。単なる例として、ポスト1962は、エンドプレート1922aと不可分に関連し、(例えば、一体成型、プレスフィット、または、対応するくぼみ内に固定されているなど)チャンネル1964と摺動可能に連動する。ポスト1962とそれに対応するチャンネル1964には、円形、長円形、楕円形、正方形、多角形、不規則形などを含むがこれらに限定されない、通りを維持できる任意の断面形状を有し得る。いくつかの態様で、ポスト1962とチャネル1964の位置が逆になることがあり、ポスト1962が下部後方エンドプレート1922cに配置され、対応するチャンネルが上部後方エンドプレート1922a内に形成される。さらに、後方に1つの垂直スタビライザ1960を有することが示されているが、展開式癒合装置1910は、開示の範囲から離れることなく、任意の数の垂直スタビライザを有し得ることを理解しておく必要がある。
【0177】
例として、第2の垂直スタビライザ1970は、下部前方エンドプレート1922dに関連するポスト1972を含み、このポストは下部前方エンドプレート1922d内に形成された陥凹1974から上部前方エンドプレート1922bに向かって垂直に延伸する。第2の垂直スタビライザ1970はさらに、上部前方エンドプレート1922bに関連するスリーブ1976を含み、このスリーブは、ポスト1980をその中に摺動可能に収容するように構成される、細長い側面1978、および、チャネル1980を有する。単なる例として、ポスト1972は、エンドプレート1922dと不可分に関連する(例えば、一体成型、プレスフィット、または、対応するくぼみ内に固定されているなど)。同様に、スリーブ1976はエンドプレート1922bと不可分に関連する(例えば、一体成型、プレスフィット、または、対応するくぼみ内に固定されているなど)。細長い側面1978は、ポスト1972を囲繞する陥凹1974と係合するような大きさと構成を持つ。スリーブ1976は、垂直展開中にポスト1972がチャネル1980から分離しないように、チャネル1980の長さを延長する機能を備える。例として、ポスト1972とそれに対応するチャネル1980は、円形、長円形、楕円形、正方形、多角形、不規則形などを含むがこれらに限定されない、通りを維持できる任意の相補的断面形状を有し得る。同様に、スリーブ1976とそれに対応する陥凹1974は、円形、長円形、楕円形、正方形、多角形、不規則形などを含むがこれらに限定されない、通りを維持できる任意の断面形状を有し得る。さらに、前方に1つの垂直スタビライザ1970を有することが示されているが、展開式癒合装置1910は、開示の範囲から離れることなく、任意の数の垂直スタビライザを有し得ることを理解しておく必要がある。
【0178】
手術では、第1の幅展開が、前の態様に対して、上記のとおり実質的に進められる。つまり、アクチュエータ1912は、ある程度の幅展開(またいくつかの態様では、排他的に幅展開)に達し、エンドプレートが遠位ウェッジ1914から分離するまで、選択した数の作動分回される。分離が起こると、アクチュエータ1912のさらに回転が行われ、幅、高さ、および前弯の角度の少なくとも1つが増加する。他の態様では、アクチュエータ1912の第1の作動回数は少なくともいくらかの高さ展開(そしていくつかの態様では―排他的に高さ展開)を結果的に生じるが、アクチュエータ1912のさらなる回転は幅、高さ、そして前弯角度の少なくとも1つを増加させる。
【0179】
本態様例の展開式癒合装置1910は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置1910の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0180】
図114~121は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2010の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置2010は、アクチュエータ2012と、遠位ウェッジ2014と、近位ウェッジ2016と、一対の遠位ランプ2018a、2018bと、一対の近位ランプ2020a、2020bと、複数のエンドプレート2022a~2022dと、複数(しかし少なくとも1つ)の展開シム2024とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ2014、2016はアクチュエータ2012と結合される。遠位ランプ2018a、2018bは遠位ウェッジ2014と摺動可能に結合される。近位ランプ2020a、2020bは近位ウェッジ2016と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2022a~2022dは、ランプ2018a、2018b、2020a、2020bと摺動可能に結合される。単なる例として、展開式癒合装置2010は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る独立幅展開機構を例示している。一般的に、幅展開は、近位ランプ2020a、2020bの間に所望の幅展開に対応する展開シム2024を手動で挿入することによって達成され、これにより、エンドプレート2012a~2012dと遠位ランプ2018a、2018bが横方向に離れる。高さ展開は、アクチュエータ2012を回すことで達成され、これにより、ウェッジ2014、2016は互いに向かい前進する。これにより次に、遠位ランプ2018a、2018bが近位ランプ2020a、2020bに向かって移動し、上方および下方エンドプレートの対が垂直にずれる。幅展開と高さ展開は互いに独立して起こるため、一方が必ずしも他方の必須条件とは限らない。いくつかの態様では、幅展開シム2024が、ランプではなくエンドプレートに幅展開力をかける場合がある。いくつかの態様では、幅展開シム2024が、エンドプレートではなくランプに幅展開力をかける場合がある。いくつかの態様では、シム2024は、上方エンドプレートの対、および/または、下方エンドプレートの対に幅展開力を加え、アリ継ぎをこのようなエンドプレートの対に働かせて、更なる幅展開を防止し、次に各シムは逆戻りしないように少なくとも1枚のエンドプレートに拘束され、高さ展開および高さ縮小時にそれぞれのエンドプレート対とともに上下に移動する。
【0181】
例として、アクチュエータ2012は上述のアクチュエータ12と同一または実質的に類似しているため、必要な場合を除き、その具体的な構造は説明しない。
【0182】
例として、遠位ウェッジ2014は一般的に長方形の部材で、アクチュエータ2012のねじ付き遠位端をその中にねじで収容するように構成された中央のねじ穴2030を有し得る。上面と下面はそれぞれ、横方向の実矧ぎコネクタ2032を含み、このコネクタは、遠位ランプ2018a、2018bの対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合するように構成されている。例として、実矧ぎコネクタ2032は、横方向の隆起2034と横方向の溝2036を含み、それぞれが少なくとも実質的に遠位ウェッジ2014の近位側の幅だけ延伸している。
【0183】
近位ウェッジ2016は、一般的に長方形の部材であり、アクチュエータ2012のねじ付き近位端をその中にねじで収容するように構成された中央のねじ穴2040を有する。上面と下面はそれぞれ、横方向の実矧ぎコネクタ2042を含み、このコネクタは、近位ランプ2020a、2020bの対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合するように構成されている。例として、実矧ぎコネクタ2042は、横方向の隆起2044と横方向の溝2046を含み、それぞれが少なくとも実質的に近位ウェッジ2016の遠位側の幅だけ延伸している。上面と下面はそれぞれ、近位ウェッジ2016の近位側に第2の横方向の溝2048を含み、この第2の横方向の溝2048は、その中にシム2024のフランジ2109を収容するように構成される。
【0184】
単なる例として、遠位ランプ2018a、2018bはそれぞれ、横方向の隆起2052と横方向の溝2054を含む一対の遠位に面する横方向の実矧ぎコネクタ2050を含み、この実矧ぎコネクタ2050は、遠位ウェッジ2014の実矧ぎコネクタ2032と係合するように構成されて、遠位ウェッジ2014と遠位ランプ2018a、2018bとの間に確実な接点を提供する。遠位ランプ2018a、2018bはそれぞれ、エンドプレート2022a~2022dの遠位角度付き面2096と相互作用する近位に面する傾斜面2056を含む。アリの突部2058は、エンドプレートの遠位端でアリ溝2098と摺動可能に係合し、エンドプレートの遠位端を遠位ランプ2018a、2018bに合わせる。遠位ランプ2018a、2018bはさらに、デバイス2010の前後軸に平行に延伸する内側の実矧ぎコネクタ2060を含み、挿入される時にシム2024を誘導するために、展開シム2024の細長いリップ2106をかみ合わせるように構成されている。
【0185】
単なる例として、近位ランプ2020a、2020bはそれぞれ、横方向の隆起2072と横方向の溝2074を含む一対の遠位に面する横方向の実矧ぎコネクタ2070を含み、この実矧ぎコネクタ2070は、近位ウェッジ2016の実矧ぎコネクタ2042と係合するように構成されて、近位ウェッジ2016と近位ランプ2020a、2020bとの間に確実な接点を提供する。近位ランプ2020a、2020bはそれぞれ、エンドプレート2022a~2022dの近位角度付き面2096と相互作用する遠位に面する傾斜面2076を含む。アリの凸部2078は、エンドプレートの近位端でアリ溝2098と摺動可能に係合し、エンドプレートの近位端を近位ランプ2020a、2020bに合わせる。近位ランプ2020a、2020bはさらにそれぞれが、デバイス2010の前後軸に平行に延伸する内側の実矧ぎコネクタ2080を含み、挿入される時にシム2024を誘導するために、展開シム2024の細長いリップ2106をかみ合わせるように構成されている。さらに近位ランプ2020a、2020bはそれぞれ、内側近位の角で内側に角度が付いたガイド面2082を含み、展開シム2024のテーパ付き遠位端2102とかみ合い、シム2024の挿入時にランプ2020aと2020bを強制的に離して幅展開を遂げる。
【0186】
単なる例として、エンドプレート2022a~2022dはそれぞれ、遠位端2090と、近位端2092と、外側の椎骨接触面2094とを有する。各遠位端2090は、高さ展開を促進するために、遠位ランプ2018a、2018bの傾斜面2056と摺動可能に係合するように構成される遠位に面した傾斜面2096を含む。各遠位端2090はさらに、遠位ランプ2018a、2018bでアリの突部2058と摺動可能に係合するように構成されたアリ溝2098を含み、エンドプレートの遠位端を遠位ランプ2018a、2018bに合わせる。各近位端2092は、近位ランプ2020a、2020bの傾斜面2076と摺動可能に係合するように構成された近位に面した傾斜面2096を含み、高さ展開を促進する。各近位端2092はさらに、近位ランプ2020a、2020bでアリの突部2078と摺動可能に係合するように構成されたアリの溝2098を含み、エンドプレートの近位端を近位ランプ2020a、2020bに合わせる。
【0187】
単なる例として、展開シム2024はそれぞれ、近位端2100、先細り遠位端2102、および、平行側面2104を含む(ただし、他の態様では、シムは段付きになり、2組以上の平行な側面を含みて、異なるシム幅の2つ以上の領域を形成することが想定される)。平行側面2104はそれぞれ、アクチュエータ2012に向かって延伸する細長いリップ2106を含み、挿入の間位置合わせを維持するために、軸方向の実矧ぎコネクタ2060、2080と係合するように構成される。任意で、実矧ぎコネクタの係合は、ランプではなくエンドプレート上の場合もある。近位端2100は、つめ2108の近位端にある垂直フランジ2109を含む偏向可能なつめ2108を含む。展開シム2024が装置2010に完全に挿入されると、垂直フランジ2109が近位ウェッジ2016の第2の横方向溝2048にカチッと収まり、シム2024が固定され、そのため幅展開が所定部位に係止される。
【0188】
本態様例の展開式癒合装置2010は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置2010の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0189】
図122~133は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2110の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置2110は、アクチュエータ2112と遠位ウェッジ2114と近位ウェッジ2116と一対の遠位ランプ2118a、2118bと一対の近位ランプ2120a、2120bと複数のエンドプレート2122a~2122dとを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ2114、2116はアクチュエータ2112と結合される。遠位ランプ2118a、2118bは遠位ウェッジ2114と摺動可能に結合される。近位ランプ2120a、2120bは近位ウェッジ2116と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2122a~2122dは、ランプ2118a、2118b、2120a、2120bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置2110は上に説明した展開式癒合装2010と実質的に類似しており癒合装置2010(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置2110に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置2110は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る独立幅展開機構を例示している。一般的に、幅展開は、近位ランプ2120a、2120bの間に所望の幅展開に対応する展開シム2124を手動で挿入することによって達成され、これにより、エンドプレート2012a~2112dと遠位ランプ2118a、2118bが横方向に離れる。シム2124が取り外され、ウェッジ2114、2116の側壁とランプ2118a、2118b、2120a、2120bがかみ合うことにより、幅展開が所定の位置に固定される。高さ展開は、アクチュエータ2112を回すことで達成され、これにより、ウェッジ2114、2116は互いに向かい前進する。これにより次に、遠位ランプ2118a、2118bが近位ランプ2120a、2120bに向かって移動し、上方および下方エンドプレートの対が垂直にずれる。幅展開と高さ展開は互いに独立して起こるため、一方が必ずしも他方の必須条件とは限らない。一態様では、シム2124は少なくとも1つの縦方向フィンがあり、少なくとも近位ウェッジ、任意で遠位ウェッジの、少なくとも1か所(例えば、中心部)の溝/チャネルと係合するように意図されている(図129または130で最もよく見られる)。シムのフィンがウェッジ上のチャネルに摺動可能に嵌合すると、シムが平面上を横方向にシムの長軸方向に移動して幅の不均一な幅展開を可能にすることを防ぐ。(左対右―図131~133を参照)。いくつかの態様では、シム2124がエンドプレートの上方の対および/またはエンドプレートの下方の対に、幅展開力を加え得る。いくつかの態様では、幅展開シム2124が、ランプではなくエンドプレートに幅展開力をかける場合がある。いくつかの態様では、幅展開シム2124が、エンドプレートではなくランプに幅展開力をかける場合がある。
【0190】
例として、アクチュエータ2112は上述のアクチュエータ12と同一または実質的に類似しているため、必要な場合を除き、その具体的な構造は説明しない。同様に、遠位および近位ランプ2118a、2118b、2120a、2120bの高さ展開を可能にする特定の構造(例えば、傾斜面、アリ突部など)は、上述の遠位および近位ランプ2018a、2018b、2020a、2020bの対応する構造と同一である。さらに、エンドプレート2122a~2122dは、上述のエンドプレート2022a~2022dと構造および機能が同一であるため、本態様については詳細に説明しない。
【0191】
例として、遠位ウェッジ2114は一般的に長方形の部材で、アクチュエータ2112のねじ付き遠位端をその中にねじで収容するように構成された中央のねじ穴2130を有し得る。上面と下面はそれぞれ、横方向の実矧ぎコネクタ2132を含み、このコネクタは、遠位ランプ2118a、2118bの対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合するように構成されている。例として、実矧ぎコネクタ2132は、横方向の隆起2134と横方向の溝2136を含み、それぞれが少なくとも実質的に遠位ウェッジ2114の近位側の幅だけ延伸している。特に、横方向溝2136の遠位壁は、以下で説明する通り、遠位ランプ2118a、2118bで提供される補完的な側壁2156と係合するように構成された複数の側壁2138を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。
【0192】
例として、近位ウェッジ2116は一般的に長方形の部材で、アクチュエータ2112のねじ付き遠位端をその中にねじで収容するように構成された中央のねじ穴2140を有し得る。上面と下面はそれぞれ、横方向の実矧ぎコネクタ2142を含み、このコネクタは、近位ランプ2120a、2120bの対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合するように構成されている。例として、実矧ぎコネクタ2142は、横方向の隆起2144と横方向の溝2146を含み、それぞれが少なくとも実質的に近位ウェッジ2116の近位側の幅だけ延伸している。特に、横方向溝2146の近位壁は、以下で説明する通り、近位ランプ2120a、2120bで提供される補完的な側壁2166と係合するように構成された複数の側壁2148を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。
【0193】
単なる例として、遠位ランプ2118a、2118bはそれぞれ、横方向の隆起2152と横方向の溝2154を含む一対の遠位に面する横方向の実矧ぎコネクタ2150を含み、この実矧ぎコネクタ2150は、遠位ウェッジ2114の実矧ぎコネクタ2132と係合するように構成されて、遠位ウェッジ2114と遠位ランプ2118a、2118bとの間に確実な接点を提供する。特に、横方向隆起2152の遠位に面する面は、以下で説明する通り、遠位ウェッジ2114で提供される補完的な側壁2138と係合するように構成された複数の側壁2156を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。遠位ランプ2118a、2118bはさらにそれぞれ、内側遠位の角で内側に角度が付いたガイド面2158を含み、展開シム2124のテーパ付き遠位端とかみ合い、シム2124の挿入時にランプ2118aと2118bを強制的に離して幅展開を遂げる。本態様の展開式癒合装置2110が複数の平面において対称的であり、「近位」および「遠位」という用語は例示のみを目的とする相対用語であり、近位端と遠位端の両方が、現行では、先端と終端として扱う場合がある。
【0194】
単なる例として、近位ランプ2120a、2120bはそれぞれ、横方向の隆起2162と横方向の溝2164を含む一対の遠位に面する横方向の実矧ぎコネクタ2160を含み、この実矧ぎコネクタ2160は、近位ウェッジ2116の実矧ぎコネクタ2142と係合するように構成されて、近位ウェッジ2116と近位ランプ2120a、2120bとの間に確実な接点を提供する。特に、横方向隆起2162の近位に面する面は、以下で説明する通り、近位ウェッジ2116の補完的な側壁2148と係合するように構成された複数の側壁2166を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。近位ランプ2120a、2120bはさらにそれぞれ、内側近位の角で内側に角度が付いたガイド面2168を含み、展開シム2124のテーパ付き遠位端とかみ合い、シム2124の挿入時にランプ2120aと2120bを強制的に離して幅展開を遂げる。
【0195】
さて、図129~130を参照して、図129に例として示す通り、幅展開を遂げるために近位ランプ2120a、2120bの平行移動を可能にすることにより側壁の非固定状態を維持するために、近位ウェッジの横方向溝2146は、第1および第2の近位ランプ2120a、2120bの隆起2162より幅が広く、また、第1および第2の近位ランプ2120a、2120bの横方向溝2164は、近位ウェッジ2116の隆起2144より幅が広いことに注意する必要がある。同様に、幅展開を遂げるために遠位ランプ2118a、2118bの平行移動を可能にすることにより側壁の非固定状態を維持するために、遠位ウェッジの横方向溝2136は、第1および第2の遠位ランプ2118a、2118bの隆起2152よりも幅が広く、第1および第2の遠位ランプ2118a、2118bの横方向溝2154は遠位ウェッジ2114の隆起2134よりも幅が広い。アクチュエータ2112の初期の回転により、遠位および近位ウェッジ2114、2116が、それぞれの遠位および近位ランプ2118a、2118b、2120a、2120bに向かって引かれ、図130に示す通り、それぞれの側壁がかみ合わされ、これにより、装置2110の幅展開を固定する。アクチュエータ2112の回転を続けると、幅を変えずに高さが展開する。
【0196】
側壁を使用すると、デバイス2110の幅を展開して、どのような構成でも所定の位置に固定できる。このため、手順で選択したシム2124のサイズと構成に基づいて、特定の幅設置面積をカスタマイズできる。例えば、図131~133に、本態様例に使用できるシム2124のいくつかの例を示す。例えば、図131は、使用すると、対称的な両側性展開となるシム2124の例を示す。図132は、使用すると偏りのある展開となるシム2124の例を示す。図133は、使用すると片側性の展開となるシム2124の例を示す。
【0197】
本態様例の展開式癒合装置2110は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置2110の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0198】
図134~140は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2210の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置2210は、アクチュエータ2212と、遠位ウェッジ2214と、近位ウェッジ2216と、一対の遠位ランプ2218a、2218bと、一対の近位ランプ2220a、2220bと、複数のエンドプレート2222a~2222dと、複数のガイドピン2223とを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ2214、2216はアクチュエータ2212と結合される。遠位ランプ2218aは、遠位ウェッジ2214と摺動可能に結合され、遠位ランプ2218bは遠位ウェッジ2214と一体形成される(または、それ以外の場合は、固定される)。近位ランプ2220aは近位ウェッジ2216と摺動可能に結合され、近位ランプ2220bは近位ウェッジ2216と一体形成される(または、それ以外の場合は、固定される)。複数のエンドプレート2222a~2222dは、ランプ2218a、2218b、2220a、2220bと摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置2210は上に説明した展開式癒合装2110と実質的に類似しており、癒合装置2110(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置2210に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置2210は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る独立単一指向性幅展開機構を例示している。一般的に、幅展開は、近位ウェッジ2116と近位ランプ2120aの間に所望の幅展開に対応する展開シム(図示せず)を手動で挿入することによって達成され、これにより、エンドプレート2112a~2112dと遠位構造が横方向に離れる。シムが取り外され、ウェッジ2214、2216の側壁とランプ2218a、2220aがかみ合うことにより、幅展開が所定の位置に固定される。高さ展開は、アクチュエータ2212を回すことで達成され、これにより、ウェッジ2214、2216は互いに向かい前進する。これにより次に、遠位ランプ2218a、2218bが近位ランプ2220a、2220bに向かって移動し、上方および下方エンドプレートの対が垂直にずれる。幅展開と高さ展開は互いに独立して起こるため、一方が必ずしも他方の必須条件とは限らない。
【0199】
単なる例として、アクチュエータ2112は上述のアクチュエータ12と同一または実質的に類似しているため、必要な場合を除き、その具体的な構造は説明しない。同様に、遠位および近位ランプ2218a、2220aの高さ展開を可能にする特定の構造(例えば、傾斜面、アリ突部など)は、上述の遠位および近位ランプ2018a、2020a、の対応する構造と同一である。さらに、エンドプレート2122a~2122dは、上述のエンドプレート2022a~2022d(および/または、他の態様)と構造および機能が同一(または、実質的に類似)であるため、本態様については詳細に説明しない。
【0200】
図137図138は、本態様の遠位ウェッジ2214の一例を図示している。例として、遠位ウェッジ2214は一般的に長方形の部材で、アクチュエータ2212のねじ付き遠位端をその中にねじで収容するように構成された中央のねじ穴2230を有し得る。上面と下面はそれぞれ、横方向の実矧ぎコネクタ2232を含み、このコネクタは、遠位ランプ2118aの対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合す
るように構成されている。例として、実矧ぎコネクタ2232は、横方向の隆起2234と横方向の溝2236を含み、それぞれが少なくとも実質的に遠位ウェッジ2214の近位側の幅だけ延伸している。特に、横方向溝2236の遠位壁は、以下で説明する通り、遠位ランプ2218aで提供される補完的な側壁2256と係合するように構成された複数の側壁2238を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。
【0201】
例として、近位ウェッジ2216は一般的に長方形の部材で、アクチュエータ2212のねじ付き遠位端をその中にねじで収容するように構成された中央のねじ穴2240を有し得る。上面と下面はそれぞれ、横方向の実矧ぎコネクタ2242を含み、このコネクタは、近位ランプ2220aの対応する実矧ぎコネクタと摺動可能に係合するように構成されている。例として、実矧ぎコネクタ2242は、横方向の隆起2244と横方向の溝2246を含み、それぞれが少なくとも実質的に近位ウェッジ2216の近位側の幅だけ延伸している。特に、横方向溝2246の近位壁は、以下で説明する通り、近位ランプ2220aで提供される補完的な側壁2266と係合するように構成された複数の側壁2248を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。
【0202】
単なる例として、第1の遠位ランプ2218aは、最大幅展開距離を延長するために機能する、一対の細長い中間延長部2251を含む。第1の遠位ランプ2218aは、中間延長部2251の長さに延伸し、横方向の隆起2252と横方向の溝2254を含む一対の遠位に面する横方向の実矧ぎコネクタ2250を含み、この実矧ぎコネクタ2250は、遠位ウェッジ2214の実矧ぎコネクタ2232と係合するように構成されて、遠位ウェッジ2214と遠位ランプ2218aとの間に確実な接点を提供する。特に、横方向隆起2252の遠位に面する面は、遠位ウェッジ2214で提供される補完的な側壁2238と係合するように構成された複数の側壁2256を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。初期の折り畳み状態では、アクチュエータによって近位および遠位ウェッジが離されると、係合している側壁が離されて(または「掴まれてない」)、幅展開が行われる。アクチュエータが作動し、ウェッジが互いに引き寄せられると、少なくとも1対の側壁がかみ合い、相互嵌合して、如何なるそれ以上の幅展開、および/または、幅縮小が固定/禁止される。遠位ランプ2218aはさらに、内部に向けて角度の付いたガイド面2258を含み、展開シム(図示せず)のテーパ付き遠位端とかみ合い、シム挿入の間ランプ2218aを横方向に移動して幅展開を遂げる。本態様の展開式癒合装置2210が複数の平面において対称的であり、「近位」および「遠位」という用語は例示のみを目的とする相対用語であり、近位端と遠位端の両方が、現行では、先端と終端として扱う場合がある。
【0203】
本態様においては、図137~138に示す通り、第2の遠位ランプ2218bは遠位ウェッジ2214と一体で形成されている。例として、第2の遠位ランプ2218bは、エンドプレート2222b、2222d(本公開を通して教示する方法で)の傾斜した表面と相互作用する傾斜した平行移動面2253、および、任意のランプ溝2255(ガイドピン2223を収容するため)を含む、切頂形シェブロン形状ランプを含む。
【0204】
単なる例として、第1の近位ランプ2220aは、最大幅展開距離を延長するために機能する、一対の細長い中間延長部2261を含む。第1の近位ランプ2220aは、中間延長部2261の長さに延伸し、横方向の隆起2262と横方向の溝2264を含む一対の遠位に面する横方向の実矧ぎコネクタ2260を含み、この実矧ぎコネクタ2260は、近位ウェッジ2216の実矧ぎコネクタ2242と係合するように構成されて、近位ウェッジ2216と近位ランプ2220aとの間に確実な接点を提供する。特に、横方向隆起2262の近位に面する面は、近位ウェッジ2216で提供される補完的な側壁2248と係合するように構成された複数の側壁2266を含み、所望の幅で幅展開を選択的に固定する。近位ランプ2220aはさらに、内部に向けて角度の付いたガイド面2268を含み、展開シム2224のテーパ付き遠位端とかみ合い、シム挿入の間ランプ2220aを横方向に移動して幅展開を遂げる。上述の第2の遠位ランプ2218bと同様に、第2の近位ランプ2220bは近位ウェッジ2216と一体形成される。例として、第2の遠位ランプ2218bは、エンドプレート2222b、2222d(本公開を通して教示する方法で)の傾斜した表面と相互作用する傾斜した平行移動面、および、任意のランプ溝(ガイドピン2223を収容するため)を含む、切頂形シェブロン形状ランプを含む。
【0205】
前の態様と同様に、図138に例として示す通り、幅展開を遂げるために近位ランプ2220aの平行移動を可能にすることにより側壁の非固定状態を維持するために、近位ウェッジ2216の横方向溝2246は、第1の近位ランプ2220aの隆起2262より幅が広く、また、第1の近位ランプ2220aの横方向溝2264は、近位ウェッジ2216の隆起2244より幅が広いことに注意する必要がある。同様に、幅展開を遂げるために遠位ランプ2218aの平行移動を可能にすることにより側壁の非固定状態を維持するために、遠位ウェッジ2214の横方向溝2236は、第1の遠位ランプ2218aの隆起2252よりも幅が広く、第1の遠位ランプ2218aの横方向溝2254は遠位ウェッジ2214の隆起2234よりも幅が広い。アクチュエータ2212の初期の回転により、遠位および近位ウェッジ2214、2216が、それぞれの遠位および近位ランプ2218a、2220aに向かって引かれ、図139に示す通り、それぞれの側壁がかみ合わされ、これにより、装置2210の展開幅を固定する。アクチュエータ2212の回転を続けると、幅を変えずに高さが展開する。
【0206】
側壁を使用すると、デバイス2210の幅を展開して、どのような構成でも所定の位置に固定できる。このため、手順で選択したシムのサイズと構成に基づいて、特定の幅設置面積をカスタマイズできる。
【0207】
本態様例の展開式癒合装置2210は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置2210の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0208】
図141~145は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2310の一例を図示している。展開式癒合装置2310は、幅と高さ同様に長さの展開性があるという点で、ここで以前に開示されている態様とは異なるが、他の態様では、本書の他のどこかで教示するように、さらに前弯角度を変更/展開することも可能であると考えられる。ここで使用されているように、「長さ」とは、任意のエンドプレートの最近位点から任意のエンドプレートの最遠位点までの距離として定義される。単なる例として、本態様の展開式癒合装置2310は、第1の展開ユニット2311a、第2の展開ユニット2311b、第1のアクチュエータ2312、および、第2のアクチュエータ2313を含む。第1のアクチュエータは、幅と高さにおいて、展開ユニット2311a、2311bを展開するために動作可能である。第2のアクチュエータ2313は、展開式癒合装置2310の長さを調整するために動作可能である。
【0209】
例として、第1の展開ユニット2311aは、例えば上述の展開式癒合装置10など、ここに開示されている展開式癒合装置の態様の例の1つ以上と実質的に類似し得る。単なる例として、第1の展開ユニット2311aは、近位ウェッジ2314、内側ウェッジ2316、一対の近位ランプ2318、一対の内側ランプ2320、および、複数のエンドプレート2322を含む。前に説明した態様のように、近位ウェッジ2318は近位ウェッジ2314と摺動可能に結合される。内側ランプ2320は内側ウェッジ2316と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2322は、ランプ2318、2320と摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置2310は、上に説明した展開式癒合装10と実質的に類似しており、癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置2310に適用され得る。特に、近位ウェッジ2314、内側ウェッジ2316(これは、基本的には展開ユニット2311aの幅と高さ展開用の遠位ウェッジである)、ランプ2318、2320、および、エンドプレート2322の間の構造と相互作用に関わる展開ユニット2311aの幅と高さの展開の構造は、上述の展開式癒合装置10の対応する要素の構造と相互作用と同じであるため、展開ユニット2311の幅と高さの展開コンポーネントの詳細についてはこれ以上ここでは説明しない。
【0210】
例として、第2の展開ユニット2311bは、例えば上述の展開式癒合装置10など、ここに開示されている展開式癒合装置の態様の例の1つ以上と実質的に類似し得る。単なる例として、第2の展開ユニット2311bは、遠位ウェッジ2315、内側ウェッジ2317、一対の遠位ランプ2319、一対の内側ランプ2321、および、複数のエンドプレート2323を含む。前に説明した態様のように、遠位ウェッジ2318は遠位ウェッジ2315と摺動可能に結合される。内側ランプ2321は内側ウェッジ2317と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2323は、ランプ2319、2321と摺動可能に結合される。特に、遠位ウェッジ2315、内側ウェッジ2317(これは、基本的には展開ユニット2311bの幅と高さ展開用の近位ウェッジである)、ランプ2319、2321、および、エンドプレート2323の間の構造と相互作用に関わる展開ユニット2311bの幅と高さの展開の構造は、上述の展開式癒合装置10の対応する要素の構造および相互作用と同じであるため、展開ユニット2311bの幅と高さの展開コンポーネントの詳細についてはこれ以上ここでは説明しない。
【0211】
第1のアクチュエータ2312は、上述のアクチュエータ12と実質的に似ており(ただし長さにおいては長い)、遠位端に第1のねじ機構、近位端に第2のねじ機構を有する、円筒形の細長いシャフトを含む。ねじ機構は、遠位端と近位端の間に配置されたねじ山なし部分によって分けられる。遠位および近位端の少なくとも一方は、駆動機器(不図示)と嵌合してアクチュエータを作動させるように構成される駆動機構2324を含む。第1および第2のネジ機構の各々は、アクチュエータ2312のシャフトの周囲外側に配設されるネジを含む。例として、第1のネジ機構と第2のネジ機構とは反対のネジ方向を有し得る。第1のアクチュエータ2312の近位端は近位ウェッジ2314のねじ開口部をかみ合わせるように設定され、第1のアクチュエータ2312の遠位端は遠位ウェッジのねじ開口部をかみ合わせるように設定されている。
【0212】
第2のアクチュエータ2313は、近位端に第1のねじ機構2326、遠位端に第2のねじ機構2327を有する、円筒形の細長いシャフトを含む。ねじ機構は、シャフト上に配置されたターンバックル2328によって、例えば、シャフトの中間点またはその近くで分けられている。ターンバックル2328は、アクチュエータ2313の回転を遂げるための機器(例えば、レンチ)のかみ合い点を提供する形状または梨地の領域を含む。第1および第2のネジ機構の各々は、アクチュエータ2313のシャフトの周囲外側に配設されるネジを含む。例として、第1のネジ機構2326と第2のネジ機構2327とは反対のネジ方向を有し得る。
【0213】
内側ウェッジ2316、2317は同一または鏡像等価であり、そのため内側ウェッジ2316のみがここで説明されるが、内側ウェッジ2316に関連して説明されているすべての機構が内側ウェッジ2317にも適用されることを理解しておく必要がある。前述したように、第1の展開ユニット2311aの幅、および/または、高さの展開を促進する内側ウェッジ2316の特定の要素は、上述の展開式癒合装置10の(例えば)近位ウェッジ16の対応する要素と同じか、または実質的に類似しているため、さらに詳細には説明しない。単なる例として、内側ウェッジ2316は、第1のアクチュエータ2312が通過するのを邪魔するものがないように構成された、ねじ山のない中央開口部2330を含む。内側ウェッジ2316はさらに、中央開口部2330の横に配置された少なくとも1つのねじ路2332を含み、第2のアクチュエータ2313の近位部分(第1のねじ機構2326を有する)を収容するように構成される。内側ウェッジ2317の関係する機構は、第2のアクチュエータ2313の遠位部分(第2のねじ機構2327を有する)を収容するように構成される。内側ウェッジ2316はさらに、内側切り欠き部分2334を含み、第2のアクチュエータ2313のターンバックル2328をかみ合わせるためのレンチまたは他の適切な作動機器(図示せず)のためのスペースを確保する機能をする。
【0214】
図141は、初期の完全に折り畳まれた構成の、本態様の展開式癒合装置2310を示す。図143は、長さ展開状態の展開式癒合装置2310を示す。この状態に至るには、2段階のプロセスが必要である。第1の段階は、内側ウェッジ2316、2317の間の距離を調整する。この距離を設定したら、第2の段階はそして、近位および遠位ウェッジ2314、2315の間の距離を調整する。内側ウェッジ2316、2317の間の距離を調整するには、レンチまたはその他の適切な機器をターンバックル2328に噛み合わせ、第2のアクチュエータ2313を回転させる。これにより、第2のアクチュエータ2313と内側ウェッジ2316、2317の間のねじ相互作用により内側ウェッジ2316、2317が互いに離れて平行移動し、図142に示す通り展開式癒合装置2310の長さ展開の量を最終的に示す内側ウェッジ2316、2317の間の距離が生成される。しかし、近位および遠位ウェッジ2314、2315はこのプロセス中に移動しないため(または内側ウェッジ2416、2417よりも少なく移動するため)、内側ウェッジ2316、2317が平行移動すると、最初に、第1および第2の展開式ユニット2311a、2311bの長さ展開ではなく幅展開が起きる。このように、内側ウェッジ2316、2317の間の距離を設定した後、第1のアクチュエータ2312を(例えば)反時計回りに回転させて、近位および遠位ウェッジ2314、2315を互いに離して平行移動させ、それにより、幅を元の状態に戻し、図143に示す通り完全に伸長した長さを実現する(例えば、展開式癒合装置2310は今、長さにおいて展開したが、幅と高さにおいては折り畳まれている)この手順は、椎間スペース内で、エンドプレート2322、2323が適切な位置にあることを確認するために重要である。この時点で、第1のアクチュエータ2312を回転させて(例えば、時計回りに)、上述の方法で、幅展開(例えば、図144)と高さ展開(例えば、図145)を遂げ得る。
【0215】
本態様例の展開式癒合装置2310は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置2310の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0216】
図146~151は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2410の一例を図示している。展開式癒合装置2410は、幅と高さだけでなく長さも展開可能であるという点で、上で説明した装置2310 と似ている。ここで使用されているように、「長さ」とは、任意のエンドプレートの最近位点から任意のエンドプレートの最遠位点までの距離として定義される。単なる例として、本態様の展開式癒合装置2410は、第1の展開ユニット2411a、第2の展開ユニット2411b、第1のアクチュエータ2412、および、第2のアクチュエータ2413を含む。第1のアクチュエータは、幅と高さにおいて、展開ユニット2411a、2411bを展開するために動作可能である。第2のアクチュエータ2413は、展開式癒合装置2410の長さを調整するために動作可能である。
【0217】
例として、第1の展開ユニット2411aは、例えば上述の展開式癒合装置10など、ここに開示されている展開式癒合装置の態様の例の1つ以上と実質的に類似し得る。単なる例として、第1の展開ユニット2411aは、近位ウェッジ2414、内側ウェッジ2416、一対の近位ランプ2418、一対の内側ランプ2420、および、複数のエンドプレート2422を含む。前に説明した態様のように、近位ランプ2418は近位ウェッジ2414と摺動可能に結合される。内側ランプ2420は内側ウェッジ2416と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2422は、ランプ2418、2420と摺動可能に結合される。本態様では、ランプ2418、2420の位置がエンドプレート2422の横方向の端に移動され、第2のアクチュエータ2413が装置2410の近位端または遠位端からアクセスできるようになった(例えば、図149~151参照)。一般的に、展開式癒合装置2410は、上に説明した展開式癒合装10と実質的に類似しており癒合装置10(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置2410に適用され得る。特に、近位ウェッジ2414、内側ウェッジ2416(これは、基本的には展開ユニット2411aの幅と高さ展開用の遠位ウェッジである)、ランプ2418、2420、および、エンドプレート2422の間の構造と相互作用に関わる展開ユニット2411aの幅と高さの展開の構造は、上述の展開式癒合装置10の対応する要素の構造および相互作用と同じであるため、展開ユニット2411aの幅と高さの展開コンポーネントの詳細についてはこれ以上ここでは説明しない。
【0218】
例として、第2の展開ユニット2411bは、例えば上述の展開式癒合装置10など、ここに開示されている展開式癒合装置の態様の例の1つ以上と実質的に類似し得る。単なる例として、第2の展開ユニット2411bは、遠位ウェッジ2415、内側ウェッジ2417、一対の遠位ランプ2419、一対の内側ランプ2421、および、複数のエンドプレート2423を含む。前に説明した態様のように、遠位ランプ2418は遠位ウェッジ2415と摺動可能に結合される。内側ランプ2421は内側ウェッジ2417と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2423は、ランプ2419、2421と摺動可能に結合される。本態様では、ランプ2419、2421の位置がエンドプレート2423の横方向の端に移動され、第2のアクチュエータ2413が装置2410の近位端または遠位端からアクセスできるようになった。特に、遠位ウェッジ2415、内側ウェッジ2417(これは、基本的には展開ユニット2411bの幅と高さ展開用の近位ウェッジである)、ランプ2419、2421、および、エンドプレート2423の間の構造と相互作用に関わる展開ユニット2411bの幅と高さの展開の構造は、上述の展開式癒合装置10の対応する要素の構造および相互作用と同じであるため、展開ユニット2411bの幅と高さの展開コンポーネントの詳細についてはこれ以上ここでは説明しない。
【0219】
第1のアクチュエータ2412は、上述のアクチュエータ12と実質的に似ており(ただし長さにおいては長い)、遠位端に第1のねじ機構、近位端に第2のねじ機構を有する、円筒形の細長いシャフトを含む。ねじ機構は、遠位端と近位端の間に配置されたねじ山なし部分によって分けられる。遠位および近位端の少なくとも一方は、駆動機器(不図示)と嵌合してアクチュエータを作動させるように構成される駆動機構2424を含む。第1および第2のネジ機構の各々は、アクチュエータ2412のシャフトの周囲外側に配設されるネジを含む。例として、第1のネジ機構と第2のネジ機構とは反対のネジ方向を有し得る。第1のアクチュエータ2412の近位端は近位ウェッジ2414のねじ開口部をかみ合わせるように設定され、第1のアクチュエータ2412の遠位端は遠位ウェッジのねじ開口部をかみ合わせるように設定されている。
【0220】
第2のアクチュエータ2413は、近位端に第1のねじ機構2426、そして、遠位端に第2のねじ機構2427を有する、円筒形の細長いシャフトを含む。ねじ機構は、シャフト上に配置されたねじ山なし部分2428によって、例えば、シャフトの中間点またはその近くで分けられている。遠位および近位端の少なくとも一方は、駆動機器(不図示)と嵌合して第2のアクチュエータ2413を作動させるように構成される駆動機構2425を含む。第1および第2のネジ機構の各々は、アクチュエータ2413のシャフトの周囲外側に配設されるネジを含む。例として、第1のネジ機構2426と第2のネジ機構2427とは反対のネジ方向を有し得る。
【0221】
内側ウェッジ2416、2417は同一または鏡像等価であり、そのため内側ウェッジ2416のみがここで説明されるが、内側ウェッジ2416に関連して説明されているすべての機構が内側ウェッジ2417にも適用されることを理解しておく必要がある。前述したように、第1の展開ユニット2411aの幅、および/または、高さの展開を促進する内側ウェッジ2416の特定の要素は、上述の展開式癒合装置10の(例えば)近位ウェッジ16の対応する要素と同じか、または実質的に類似しているため、さらに詳細には説明しない。単なる例として、内側ウェッジ2416は、第1のアクチュエータ2412が通過するのを邪魔するものがないように構成された、ねじ山のない中央開口部2430を含む。内側ウェッジ2416はさらに、中央開口部2430の横に配置された少なくとも1つのねじ路2432を含み、第2のアクチュエータ2413の近位部分(第1のねじ機構2426を有する)を収容するように構成される。内側ウェッジ2417の関係する機構は、第2のアクチュエータ2413の遠位部分(第2のねじ機構2427を有する)を収容するように構成される。図149~151に示すように、第2のアクチュエータ2413は、展開式癒合装置2410の近位端および / または遠位端からアクセスできる。その結果、展開式癒合装置2410が椎間板スペースにある間に、長さ、幅、および高さを手術中に調整し得る。
【0222】
図146は、初期の完全に折り畳まれた構成の、本態様の展開式癒合装置2410を示す。図148は、長さ展開状態の展開式癒合装置2410を示す。この状態に至るには、2段階のプロセスが必要である。第1の段階は、内側ウェッジ2416、2417の間の距離を調整する。この距離を設定したら、第2の段階はそして、近位および遠位ウェッジ2414、2415の間の距離を調整する。内側ウェッジ2416、2417の間の距離を調整するには、近位ウェッジ2414(または遠位ウェッジ2415)に駆動機器を挿入し、第2のアクチュエータ2413の駆動機構2428にかみ合い、第2のアクチュエータ2413を回転させる。これにより、第2のアクチュエータ2413と内側ウェッジ2416、2417の間のねじ相互作用により内側ウェッジ2416、2417が互いに離れて平行移動し、図147に示す通り展開式癒合装置2410の長さ展開の量を最終的に示す内側ウェッジ2416、2417の間の距離が生成される。しかし、近位および遠位ウェッジ2414、2415はこのプロセス中に移動しないため(または内側ウェッジ2416、2417よりも少なく移動するため)、内側ウェッジ2416、2417が平行移動すると、最初に、第1および第2の展開式ユニット2411a、2411bの長さ展開ではなく幅展開が起きる。このように、内側ウェッジ2416、2417の間の距離を設定した後、第1のアクチュエータ2412を(例えば)反時計回りに回転させて、近位および遠位ウェッジ2414、2415を互いに離して平行移動させ、それにより、幅を元の状態に戻し、図148および149に示す通り完全に伸長した長さを実現する(例えば、展開式癒合装置2410は今、長さにおいて展開したが、幅と高さにおいては折り畳まれている)この手順は、椎間スペース内で、エンドプレート2422、2423が適切な位置にあることを確認するために重要である。この時点で、第1のアクチュエータ2412を回転させて(例えば、時計回りに)、上述の方法で、幅展開(例えば、図150)と高さ展開(例えば、図151)を遂げ得る。
【0223】
本態様例の展開式癒合装置2410は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置2410の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0224】
図152~153は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2510の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置2510は、アクチュエータ2512と、遠位ウェッジ2514と、近位ウェッジ2516と、一対の同一の遠位ランプ2518、一対の同一の近位ランプ1820、複数のエンドプレート1822a~1822d、および、複数の任意のガイドピンを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ2514、2516はアクチュエータ2512と結合される。遠位ランプ2518は遠位ウェッジ2514と摺動可能に結合される。近位ランプ2520は近位ウェッジ2516と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2522a~2522dはランプ2518、2520と摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置2510は、上に説明した展開式癒合装1810と実質的に類似しており、癒合装置1810(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置2510に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置2510は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る、幅と高さ、そして前弯性展開において展開する、展開式癒合装置を例示している。
【0225】
例として、アクチュエータ2512、遠位ウェッジ2514、および近位ウェッジ2516は、本書で他の態様に関して開示されている、対応する要素と同一または実質的に類似であり得る。
【0226】
図153は、本態様例による近位ランプ2520の一例を示す。単なる例として、本態様の近位ランプ2520は、装置1810の近位ランプ1820と実質的に似ているが、前弯性
展開をサポートする1つ以上の弓形ランプ(例えば、上記の弓形ランプ1864、1866)のかわりに、本態様の近位ランプ2520は、各エンドプレート2522a~2522dの近位端にあるボス開口部2532内に収容されるように構成された横方向に面する円筒形ボス2530を有し、エンドプレート2522a~2522dが近位ランプ2520と旋回可能に係合される。単一ボスの態様において、エンドプレート2522a~2522dは、ボス開口部2532が形成される入れ子突起2234で構成され得る。ボスの端部は、ボス開口部2532内でかしめられるか、その他の方法で拘束され得る。
【0227】
手術では、第1の幅展開が、前の態様に対して、上記のとおり実質的に進められる。つまり、アクチュエータ2512は、ある程度の幅展開(またいくつかの態様では、排他的に幅展開)に達し、エンドプレートが遠位ウェッジ2514から分離するまで、選択した数の作動分回される。一度離脱が起き、アクチュエータ2512をさらに回転させると、遠位ランプ2518がエンドプレートのそれぞれの角度の付いた溝に沿って平行移動し、エンドプレートは円筒形ボス2530の周りを旋回し、処理中に幅、高さ、および前弯角度の少なくとも1つが増加する。つまり、第1の作動方向での第1の作動数の駆動機構の作動により、幅が展開される。第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数の駆動機構の作動はそして、幅、前弯角度、いくつかの態様では高さの、少なくとも1つを増加させる。他の態様では、アクチュエータ2512の第1の作動回数は少なくともいくらかの高さ展開(そしていくつかの態様では―排他的に高さ展開)を結果的に生じるが、アクチュエータ1912のさらなる回転は幅、高さ、そして前弯角度の少なくとも1つを増加させる。
【0228】
本態様例の展開式癒合装置2510は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置2510の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0229】
図154~155は、本開示の別の態様による2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2610の一例を図示している。単なる例として、本態様の展開式癒合装置2610は、アクチュエータ2612と、遠位ウェッジ2614と、近位ウェッジ2616と、一対の同一の遠位ランプ2618、一対の同一の近位ランプ1820、複数のエンドプレート1822a~1822d、および、複数の任意のガイドピンを含む。前に説明した態様のように、遠位および近位ウェッジ2614、2616はアクチュエータ2612と結合される。遠位ランプ2618は遠位ウェッジ2614と摺動可能に結合される。近位ランプ2620は近位ウェッジ2616と摺動可能に結合される。複数のエンドプレート2622a~2622dはランプ2618、2620と摺動可能に結合される。一般的に、展開式癒合装置2610は、上に説明した展開式癒合装1810(図100~105)と実質的に類似しており、癒合装置1810(そしてここで説明する任意の他の癒合装置)に関して上に説明した機構のいずれか/すべてが、他に記載がなければ癒合装置2610に適用され得る。単なる例として、展開式癒合装置2610は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る、幅と高さ、そして前弯性展開において展開する、展開式癒合装置を例示している。
【0230】
例として、アクチュエータ2612、遠位ウェッジ2614、および近位ウェッジ2616は、本書で他の態様に関して開示されている、対応する要素と同一または実質的に類似であり得る。
【0231】
図155は、本態様例による
近位ランプ2620の一例を示す。単なる例として、本態様の近位ランプ2620は、装置1810の近位ランプ1820と実質的に似ているが、前弯性展開を遂げる1つ以上の弓形ランプ(例えば、上記の弓形ランプ1864、1866)のかわりに、本態様の近位ランプ2620は、各エンドプレート2622a~2622dの近位端にあるボス開口部2632内に収容されるように構成された横方向に面する円筒形ボス2630を有し、エンドプレート2622a~2622dが近位ランプ2620と旋回可能に係合される。ボスの端部は、ボス開口部2632内でかしめられるか、その他の方法で拘束され得る。
【0232】
手術では、第1の幅展開が、前の態様に対して、上記のとおり実質的に進められる。つまり、アクチュエータ2612は、最大の幅展開に達し、エンドプレートが遠位ウェッジ2614から外れるまで、選択した数の作動分回される。一度離脱が起き、アクチュエータ2612をさらに回転させると、遠位ランプ2618がエンドプレートのそれぞれの角度の付いた溝に沿って平行移動し、各エンドプレートは別の円筒形ボス2630の周りを旋回し、処理中に幅、高さ、および前弯角度の少なくとも1つが増加する。つまり、第1の作動方向での第1の作動数の駆動機構の作動により、幅が展開される。第1の作動方向での第1の作動回数を超える第2の作動回数の駆動機構の作動はそして、幅、高さ、および、前弯角度の少なくとも1つを増加させる。他の態様では、アクチュエータ2512の第1の作動回数は少なくともいくらかの高さ展開(そしていくつかの態様では―排他的に高さ展開)を結果的に生じるが、アクチュエータ1912のさらなる回転は幅、高さ、そして前弯角度の少なくとも1つを増加させる。
【0233】
本態様例の展開式癒合装置2610は、さらにまたは代替的に、ここに説明する展開式癒合装置の任意の様々な態様例の任意の機構、コンポーネント、特性を含みうる。さらに、任意の追加説明される展開式癒合装置は、展開式癒合装置2610の任意の機構、コンポーネント、または特性をさらに含みうる。
【0234】
図156は、本開示の別の態様による、2つの隣接する椎骨の間への埋め込みのための
展開式癒合装置2710の一例を図示している。単なる例として、展開式癒合装置2710は、いくつかの態様による、ここに説明する任意の展開式癒合装置の例に適用され得る、幅と高さ、そして横方向の前弯性展開において展開する、展開式癒合装置を例示している。
【0235】
この態様においては、ランプは装置の長軸を横断する平面で湾曲し、次にエンドプレートが長軸を横断する平面で前弯展開するようにする。任意でエンドプレートは、同じ横断する平面のランプと実質的に同じ曲率を有する入れ子式スタビライザ摺動で、位置合わせを維持され得る。
【0236】
ここに含まれる教示は本質的に例示的なものにすぎない説明を含み、教示、それらの適用または使用を限定することを決して意図しない。一般に、展開可能な癒合装置の態様、および側方、後方および経椎間孔アプローチを用いた脊椎への2つの隣接する腰椎骨間のその埋入のための方法に向けられている一方で、同様のメカニズムおよびそれのアレンジメントは、椎弓根、経腸骨、前方および前方-側方アプローチを含むがこれらに限定されない、他の外科的アプローチを利用して、頸、胸、および脊椎セグメントの処置にも用いられ、それぞれの解剖学的構造およびアプローチ角度を連動させるように構成されることは理解されるべきである。同様に、本教示は、一般的に、展開式癒合装置の態様に向けられているが、これは、例えば、駆動システムから独立しているスペーサシステムと恐らく組み合わせて、展開を引き起こすためにウェッジを共に引き合わせるアクチュエータを有する駆動システムを含み得て、他の態様では、アクチュエータがウェッジを強制的に離すことによって同じ機能を達成できること、またはおそらく1つまたは複数のスペーサが、本明細書で述べる教示と同様の、または実質的に同様の方法で構造コンポーネントを分離できる任意の形状、サイズまたは構成の任意の適切な物体であり得ることを理解されたい。
【0237】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、本開示が属する分野の当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有することを意図する。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうではないと明確に指示しない限り、複数の参照を含む。本明細書における「または」への言及は、特に明記しない限り「および/または」を含むことを意図する。「約」という用語は、記載された量の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または 1%に近い、0.1%の量または範囲をその中に含む、記載された量の差異を表すために使用され得る。「前後軸(longitudinal axis)」という用語は、物体の回転対称の軸を含む空間内の理論的な軸を指す為に使用され得る。「摺動可能に連結(slidably coupled)」という用語は、コンポーネントが少なくとも1つの自由度を共有する2つ以上のコンポーネント間の関係を指すために使用され得る。「外側幅(external width)」という用語は、物体の最も外側の表面間の幅を指すために使用され得る。「外側距離(external distance)」という用語は、物体の最も外側の表面間の距離を指すために使用され得る。「頂点(apex)」という用語は、距離、測定値、またはパラメータの最大値を指すために使用され得る。「ねじ機構(thread feature)」という用語は、別のねじ機構として作用する、またはそれと連結することができる1つ以上のらせん状または渦巻状の突起または陥凹を指すために使用され得る。
【0238】
さらに、ここで教示する装置は展開可能であること、つまり、一部の態様では折り畳み可能であることを理解されたい。その利点の1つは、各態様が折り畳まれた構成を有し、例えば椎間スペースなどの小さな外科用通路を介して対象のスペースに挿入できることである。それらは、例えば、椎間スペースを取り巻く組織、ならびに脊椎癒合術における骨移植材料であり得る周囲の組織を支持するための足場として機能する、対象のスペースにおける展開のための展開された構成を有する。一部の態様では、装置は頭尾方向(cephalocaudal)のみに展開するように設計され、「頭尾方向(cephalocaudal)」展開は「頭尾方向(craniocaudal)」展開とも呼ばれ、また恐らくは「垂直方向(vertical)」展開とも呼ばれる。一部の態様では、装置は横方向(transverse)のみに展開するように設計され、横方向(transverse)展開は「横方向(lateral)」展開とも呼ばれる。つまり、この設計は、本明細書で説明するただ1つの展開のシステムを含めるように、およびそれと連動するように設計されていることを、当業者は理解するであろう。つまり、本教示は、頭尾方向展開可能のみ、および横方向展開可能のみの片側性展開式装置を代表することを明示的に意図しており、装置のエンドプレートを横方向にのみ、または縦方向にのみのいずれかに展開する本明細書に教示する展開システムの任意の1つを当業者は使用できる。しかしながら、最も詳細に図示および説明される態様は、本明細書で教示される展開システムの両方を含む装置であり、駆動システムおよびスペーサシステムを含む協調設計であり、各システムは1つの装置で互いに独立して動作するように設計されており、少なくとも本明細書で説明するように、改善を得て、当技術分野の問題に対処する。
【0239】
さらに、本明細書で教示される方法、装置、およびシステムは、例えば、実験目的のために、または医学的治療のために、任意の対象に使用することができる。「患者(subject)」と「患者(patient)」という用語は、いくつかの態様で互換的に使用でき、例えば牛、豚、馬、猫、犬などの非霊長類を含むがこれらに限定されない哺乳類などの動物、および、例えば猿や人間などの霊長類を指すために使用され得る。このように、「患者(subject)」と「患者(patient)」という用語は、家畜、ペット、商業家畜などを含むがこれらに限定されない、ヒト以外の生物学的用途にも適用することができる。
【0240】
さらに、「程度(degree)」という用語は、本明細書で教示されるシステムのコンポーネントの位置および/または動作の間の相対的な関係を提供するために本明細書で使用される。たとえば、「少なくとも実質的」という語句は、量や位置、または量や位置の関数、またはその他に関する関数に関連する近似値を指すために使用することができる。例えば、別の軸に少なくとも実質的に平行である軸は、すべての実用的な目的のために平行であることが意図されている方向を指すために使用することができるが、これは単なる便利な参照であり、 システム内部の応力とデバイスおよびシステムの欠陥による変動があり得ることが理解される、同様に、「少なくとも実質的に平行」、「少なくとも実質的に平面上」、または「少なくとも実質的に一致」という句は、例えば、すべての実用的な目的のために、例えば、軸や平面などの上または近くにあるということを意図する方向または動きのタイプ、あるいは場合によっては、当業者に定義が便利な参照として知られていない限り、難しい定義や最終的な評価に苦しむことなく、方向または動きの便利な尺度としての点をそれぞれ指すことができ、システム内部の応力、および、方法、装置およびシステムの動作にそれらがこれ以上使用できないという点まで、いくつかの態様においては機能しないという点まで影響を与える装置とシステムの欠陥による変動があるまで差異を許容する。いくつかの態様においては、「少なくとも実質的に平行」、「少なくとも実質的に平面上」、または「少なくとも実質的に一致」という用語は、例えば、「0°」からの任意の寸法許容差(いくつかの態様においては、「平行」または「平面上で」を意味する)と記述でき、角度の寸法許容差に付いては平行または平面から約1°、約2°、約3°、約4°、約5°の量の寸法許容差またはその中の0.1の増分で任意の範囲または量のように、 距離の寸法許容差に付いては、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mmの量またはその中の0.1mmの増分で任意の範囲または量のように記述できる。
図1-4】
図5-6】
図7-9】
図10-12】
図13-16】
図17-20】
図21-23】
図24-25】
図26-27】
図28-29】
図30-31】
図32-33】
図34-38】
図39-42】
図43-48】
図49-53】
図54-56】
図57-59】
図60-65】
図66-69】
図70-75】
図76-80】
図81-84】
図85-88】
図89-92】
図93-99】
図100-105】
図106-109】
図110-113】
図114-116】
図117-121】
図122-124】
図125-128】
図129-133】
図134-138】
図139-140】
図141-143】
図144-145】
図146-148】
図149-151】
図152-156】