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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/14 20060101AFI20241017BHJP
   B60T 17/18 20060101ALI20241017BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B60T7/14
B60T17/18
B60R16/02 640K
B60R16/02 650D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021053727
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150918
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 仁希
(72)【発明者】
【氏名】増田 敦
(72)【発明者】
【氏名】巻幡 智明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友哉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光伸
(72)【発明者】
【氏名】及川 和紀
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-079707(JP,A)
【文献】特開2019-043365(JP,A)
【文献】特開2022-144819(JP,A)
【文献】特開2017-138724(JP,A)
【文献】特許第6552472(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0362013(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0319379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/14
B60T 17/18
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバの異常時に車両を減速させて停車させる自動停車制御に関する案内情報を表示装置に表示させる案内情報表示部と、
車両状態を検出する車両状態検出部と、
前記車両状態検出部が検出した前記車両状態に応じて、前記案内情報表示部により前記表示装置に表示させる前記案内情報を、前記ドライバに向けたドライバ向け案内情報及び前記ドライバ以外の第三者に向けた第三者向け案内情報から選択する案内情報選択部と、を備える、
表示制御装置。
【請求項2】
前記車両状態検出部は、前記車両状態として、前記車両のスターターキーONを検出し、
前記案内情報選択部は、前記車両状態検出部により前記車両のスターターキーONが検出されると、前記案内情報表示部により前記表示装置に表示させる前記案内情報として、前記ドライバ向け案内情報を選択する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記車両状態検出部は、前記車両状態として、前記車両のスターターキーONを検出し、
前記案内情報選択部は、前記車両状態検出部により前記車両のスターターキーONが検出されると、前記案内情報表示部により前記表示装置に表示させる前記案内情報として、自動停車制御の解除操作を案内する前記ドライバ向け案内情報を選択する、
請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記案内情報表示部は、前記車両状態検出部による前記車両のスターターキーONの検出を契機として、前記案内情報選択部により選択された前記ドライバ向け案内情報を前記表示装置に表示させる、
請求項2又は3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記車両状態検出部は、前記車両状態として、前記自動停車制御の実行を検出し、
前記案内情報選択部は、前記車両状態検出部により前記自動停車制御の実行が検出されると、前記案内情報表示部により前記表示装置に表示させる前記案内情報として、前記ドライバ向け案内情報を選択する、
請求項1~4の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記車両状態検出部は、前記車両状態として、前記自動停車制御による前記車両の停車を検出し、
前記案内情報選択部は、前記車両状態検出部により前記自動停車制御による前記車両の停車が検出されると、前記案内情報表示部により前記表示装置に表示させる前記案内情報として、前記第三者向け案内情報を選択する、
請求項1~5の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記車両状態検出部は、前記車両状態として、前記自動停車制御による前記車両の停車を検出し、
前記案内情報選択部は、前記車両状態検出部により前記自動停車制御による前記車両の停車が検出されると、前記案内情報表示部により前記表示装置に表示させる前記案内情報として、パーキングブレーキの作動を案内する前記第三者向け案内情報を選択する、
請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記案内情報表示部は、前記車両状態検出部により前記自動停車制御による前記車両の停車が検出されると、前記車両がスターターキーOFFされるまで、前記案内情報選択部で選択された前記第三者向け案内情報を前記表示装置に表示させる、
請求項6又は7に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバの異常時に車両を減速させて停車させる自動停車制御に関する案内情報を表示装置に表示させる表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドライバの異常時に車両を減速させて停車させる自動停車制御を行う停車制御装置が記載されている。この停車制御装置は、自動停車制御の起動判断の状況、自動停車制御の状況、自動停車制御の解除判断の状況についての情報を表示装置に表示する状態表示部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6552472号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された停車制御装置では、ドライバに向けて自動停車制御に関する情報を表示させている。しかしながら、自動停車制御を行い得る車両においては、車両状態によっては、ドライバに向けた案内情報だけでなく、ドライバ以外の第三者に向けた案内情報も表示することが適切な場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、車両状態に応じた適切な自動停車制御に関する案内情報を表示することができる表示制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示制御装置は、ドライバの異常時に車両を減速させて停車させる自動停車制御に関する案内情報を表示装置に表示させる案内情報表示部と、車両状態を検出する車両状態検出部と、車両状態検出部が検出した車両状態に応じて、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報を、ドライバに向けたドライバ向け案内情報及びドライバ以外の第三者に向けた第三者向け案内情報から選択する案内情報選択部と、を備える。
【0007】
この表示制御装置では、案内情報表示部が自動運転制御に関する案内情報を表示装置に表示させるとともに、案内情報選択部が、車両状態に応じて案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報をドライバ向け案内情報及び第三者向け案内情報から選択する。このため、車両状態に応じた適切な自動停車制御に関する案内情報を表示することができる。
【0008】
車両状態検出部は、車両状態として、車両のスターターキーONを検出し、案内情報選択部は、車両状態検出部により車両のスターターキーONが検出されると、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として、ドライバ向け案内情報を選択してもよい。自動停車制御は頻繁に実行されるものではないため、ドライバは、自動停車制御のことを忘れてしまいやすい。そこで、この表示制御装置では、車両のスターターキーONが検出されると、案内情報選択部が、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報としてドライバ向け案内情報を選択する。これにより、ドライバが自動停車制御のことを忘れるのを防止することができる。
【0009】
車両状態検出部は、車両状態として、車両のスターターキーONを検出し、案内情報選択部は、車両状態検出部により車両のスターターキーONが検出されると、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として、自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報を選択してもよい。車両走行時に自動停車制御が誤って実行されると、ドライバは状況を把握できずに何をすればよいか分からなくなることも考えられる。そこで、この表示制御装置では、車両のスターターキーONが検出されると、案内情報選択部が、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報を選択する。これにより、車両走行時に自動停車制御が誤って実行された際に、ドライバに適切に解除操作を行わせることができる。
【0010】
案内情報表示部は、車両状態検出部による車両のスターターキーONの検出を契機として、案内情報選択部により選択されたドライバ向け案内情報を表示させてもよい。この表示制御装置では、案内情報表示部が、車両状態検出部による車両のスターターキーONの検出を契機として、案内情報選択部により選択されたドライバ向け案内情報を表示装置に表示させる。これにより、車両の運転を開始する前に、ドライバに自動停車制御に関する案内情報を見せることができる。
【0011】
車両状態検出部は、車両状態として、自動停車制御の実行を検出し、案内情報選択部は、車両状態検出部により自動停車制御の実行が検出されると、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として、ドライバ向け案内情報を選択してもよい。この表示制御装置では、車両状態検出部により自動停車制御の実行が検出されると、案内情報選択部が、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として、ドライバ向け案内情報を選択する。これにより、自動停車制御が誤って実行された際に、ドライバは自動停車制御が実行されていることを適切に把握することができる。
【0012】
車両状態検出部は、車両状態として、自動停車制御による車両の停車を検出し、案内情報選択部は、車両状態検出部により自動停車制御による車両の停車が検出されると、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として、第三者向け案内情報を選択してもよい。自動停車制御が誤って実行された場合は、ドライバにより自動停車制御が解除されるため、自動停車制御により車両が停車した場合は、ドライバの異常により自動停車制御が正常に実行されたものと考えられる。このような場合、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者がドライバの救助や車両の操作等を行うことが考えられる。そこで、この表示制御装置では、車両状態検出部により自動停車制御による車両の停車が検出されると、案内情報選択部が、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として第三者向け案内情報を選択する。これにより、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者が、自動停車制御により停車したことを知ることができる。
【0013】
車両状態検出部は、車両状態として、自動停車制御による車両の停車を検出し、案内情報選択部は、車両状態検出部により自動停車制御による車両の停車が検出されると、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報として、パーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報を選択してもよい。自動停車制御により車両が停車すると、非常ブレーキが作動した状態でエンジンが停止していることが多い。このため、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者により、パーキングブレーキを作動させる前にスターターキーOFFされると、非常ブレーキが解除されて車両が動き出すことも考えられる。そこで、この表示制御装置では、車両状態検出部により自動停車制御による車両の停車が検出されると、案内情報選択部が、案内情報表示部により表示装置に表示させる案内情報としてパーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報を選択する。これにより、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者により、パーキングブレーキを作動させる前にスターターキーOFFされるのを抑制することができる。
【0014】
案内情報表示部は、車両状態検出部により自動停車制御による車両の停車が検出されると、車両がスターターキーOFFされるまで、案内情報選択部で選択された第三者向け案内情報を表示装置に表示させてもよい。この表示制御装置では、車両状態検出部により自動停車制御による車両の停車が検出されると、案内情報表示部が、車両がスターターキーOFFされるまで、案内情報選択部で選択された第三者向け案内情報を表示装置に表示させる。これにより、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者に、より確実に案内情報に気付かせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両状態に応じた適切な自動停車制御に関する案内情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る表示制御装置を示すブロック構成図である。
図2】自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報の例を示す図である。
図3】自動停車制御の実行状態及び自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報の例を示す図である。
図4】パーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報の例を示す図である。
図5】表示制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、実施形態に係る表示制御装置を示すブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る表示制御装置1は、車両2に搭載されて、車両2における表示制御を行う装置である。表示制御装置1は、自動停車制御部3と、スターターキー検出部4と、停車検出部5と、表示装置6と、制御部7と、記憶部8と、を備える。
【0019】
自動停車制御部3は、ドライバの異常時に車両2を減速させて停車させる自動停車制御を実行する。自動停車制御部3は、ドライバ異常時対応システム(EDSS)とも呼ばれる。自動停車制御では、ドライバに運転不能な異常が検出された場合に、非常ブレーキにより車両2を減速させて停車させ、スターターキーOFFされるまで非常ブレーキを作動状態に保持しておく。非常ブレーキは、例えば、フットブレーキ、サービスブレーキ、常用ブレーキ等と呼ばれる電動ブレーキである。自動停車制御の具体的な制御は、例えば、特許文献1等に記載された公知の制御とすることができる。
【0020】
スターターキー検出部4は、車両2のスターターキーON及びスターターキーOFFを検出する。スターターキー検出部4は、例えば、車両2のスターターキーに設けられたスターターキーセンサ(不図示)の検出結果に基づいて、車両2のスターターキーON及びスターターキーOFFを検出する。
【0021】
停車検出部5は、自動停車制御による車両2の停車を検出する。つまり、停車検出部5は、自動停車制御部3が実行する自動停車制御により車両2が停車したことを検出する。停車検出部5は、例えば、自動停車制御部3により自動停車制御が実行されている際に、車速センサ(不図示)により車速がゼロになったことを検出することで、自動停車制御による車両2の停車を検出する。
【0022】
表示装置6は、ドライバが視認可能な位置に配置された表示装置である。表示装置6は、ドライバが運転中に視認可能な位置に配置されている。表示装置6は、例えば、各種情報を表示可能なHMI[Human Machine Interface]により実現される。
【0023】
制御部7は、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニット(ECU)である。制御部7では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。制御部7は、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。制御部7は、案内情報表示部11と、車両状態検出部12と、案内情報選択部13と、を有する。なお、案内情報表示部11、車両状態検出部12、及び案内情報選択部13は、同じ電子制御ユニットにより構成されていてもよく、異なる電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
【0024】
案内情報表示部11は、ドライバの異常時に車両を減速させて停車させる自動停車制御に関する案内情報を表示させる。つまり、案内情報表示部11は、表示装置6の表示制御を行う。
【0025】
車両状態検出部12は、車両状態を検出する。車両状態は、車両2の様々な状態である。車両状態には、車両2の操作状態、走行状態、制御状態等が含まれる。車両状態検出部12は、車両状態として、車両2のスターターキーON、自動停車制御の実行、自動停車制御による車両2の停車を検出する。なお、車両状態検出部12は、これら以外の車両状態を検出してもよい。スターターキーONの車両状態の検出は、例えば、スターターキー検出部4の検出結果を取得することにより行うことができる。自動停車制御の実行の車両状態の検出は、例えば、自動停車制御部3から自動停車制御の実行状態を取得することにより行うことができる。自動停車制御による車両2の停車の車両状態の取得は、例えば、停車検出部5の検出結果を取得することにより行うことができる。
【0026】
案内情報選択部13は、車両状態検出部12が検出した車両状態に応じて、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報をドライバ向け案内情報及び第三者向け案内情報から選択する。
ドライバ向け案内情報は、ドライバに向けた案内情報、つまり、ドライバに案内するための情報である。ドライバ向け案内情報には、車両2が自動停車制御を行い得ることを案内する情報、自動停車制御の内容を案内する情報、自動停車制御の解除操作を案内する情報、自動停車制御が実行されていることを案内する情報、自動停車制御の実行状態を案内する情報等がある。
【0027】
第三者向け案内情報は、ドライバ以外の第三者に向けた情報、つまり、ドライバ以外の第三者に案内するための情報である。第三者向け案内情報には、例えば、自動停車制御が実行されていることを案内する情報、自動停車制御により非常ブレーキが作動していることを案内する情報、自動停車制御により車両が停車したためパーキングブレーキの作動を案内する情報等がある。
【0028】
ここで、スターターキーONの車両状態、自動停車制御の実行の車両状態、及び自動停車制御による車両2の停車の車両状態における、案内情報選択部13による案内情報の選択及び案内情報表示部11による案内情報の表示の例について説明する。
【0029】
[スターターキーONの車両状態]
案内情報選択部13は、車両状態検出部12により車両2のスターターキーONが検出されると、つまり、車両2がスターターキーONされた車両状態である場合に、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、ドライバ向け案内情報を選択する。このとき、案内情報選択部13は、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、例えば、自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報を選択する。図2は、自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報の例を示す図である。図2に示すドライバ向け案内情報Aには、車両2が自動停車制御を行い得ることを案内する情報A1、自動停車制御により非常ブレーキが作動することを案内する情報A2、及び自動停車制御の解除操作を案内する情報A3が含まれている。なお、この例では、自動停車制御により非常ブレーキが作動することを案内する情報A2は、自動停車制御の解除操作を案内する情報A3に含まれている。
【0030】
そして、案内情報選択部13は、車両状態検出部12により車両2のスターターキーONが検出されると、車両状態検出部による車両のスターターキーONの検出を契機として、所定期間、案内情報選択部13により選択されたドライバ向け案内情報を表示させる。これにより、表示装置6には、例えば、図2に示すような、自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報が表示される。
【0031】
[自動停車制御の実行の車両状態]
案内情報選択部13は、車両状態検出部12により自動停車制御の実行が検出されると、つまり、自動停車制御の実行の車両状態である場合に、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、ドライバ向け案内情報を選択する。このとき、案内情報選択部13は、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、例えば、自動停車制御の実行状態及び自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報を選択する。図3は、自動停車制御の実行状態及び自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報の例を示す図である。図3に示すドライバ向け案内情報Bには、自動停車制御が実行されていることを案内する情報B1、自動停車制御の実行状態を案内する情報B2、及び自動停車制御の解除操作を案内する情報B3が含まれている。
【0032】
案内情報選択部13は、車両状態検出部12により自動停車制御の実行が検出されると、車両状態検出部による自動停車制御の実行の検出を契機として、所定期間、案内情報選択部13により選択されたドライバ向け案内情報を表示装置6に表示させる。これにより、表示装置6には、例えば、図3に示すような、自動停車制御の実行状態及び自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報が表示される。
【0033】
[自動停車制御による車両の停車の車両状態]
案内情報選択部13は、車両状態検出部12により自動停車制御による車両2の停車が検出されると、つまり、自動停車制御による車両2の停車の車両状態である場合に、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、第三者向け案内情報を選択する。このとき、案内情報選択部13は、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、例えば、パーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報を選択する。図4は、パーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報の例を示す図である。図4に示す第三者向け案内情報Cには、自動停車制御が実行されていることを案内する情報C1、自動停車制御により非常ブレーキが作動していることを案内する情報C2、及び自動停車制御により車両2が停車したためパーキングブレーキの作動を案内する情報C3が含まれている。
【0034】
案内情報選択部13は、車両状態検出部12により自動停車制御による車両2の停車が検出されると、車両状態検出部12による自動停車制御による車両2の停車の検出を契機として、車両2がスターターキーOFFされるまで、案内情報選択部13により選択されたドライバ向け案内情報を表示装置6に表示させる。これにより、表示装置6には、例えば、図4に示すような、パーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報が表示される。なお、車両2がスターターキーOFFされると、表示装置6への電源供給も遮断されるため、案内情報選択部13は、特に案内情報の表示を終了させる制御を行わなくても、車両2がスターターキーOFFされた際に案内情報の表示が終了する。但し、車両2のスターターキーOFFは、スターターキー検出部4により検出することも可能であるため、案内情報選択部13は、スターターキー検出部4により車両2のスターターキーOFFが検出されると、案内情報の表示を終了させる制御を行ってもよい。
【0035】
記憶部8は、案内情報表示部11が表示装置6に表示させる案内情報を記憶している。このため、例えば、案内情報選択部13は、記憶部8に記憶されている案内情報の中から案内情報表示部11から表示装置6に表示させる案内情報を選択する。また、案内情報表示部11は、案内情報選択部13により選択された案内情報を、記憶部8から取得して表示装置6に表示させる。
【0036】
次に、図5を参照して、表示制御装置1の処理動作の一例について説明する。図5は、表示制御装置の処理動作を示すフローチャートである。図5に示す処理は、車両2がスターターキーOFFされるまで繰り返し行われる。
【0037】
まず、表示制御装置1は、車両状態としての車両2のスターターキーONを検出したか否かを判定する(ステップS1)。車両2のスターターキーONの検出は、車両状態検出部12が行う。表示制御装置1は、車両2のスターターキーONを検出するまで待機する(ステップS1:NO)。
【0038】
車両2のスターターキーONを検出したと判定すると(ステップS1:YES)、表示制御装置1は、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報を選択する(ステップS2)。案内情報の選択は、案内情報選択部13が行う。自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報は、例えば、図2に示すドライバ向け案内情報Aである。そして、表示制御装置1は、車両2のスターターキーONの検出を契機として、ステップS2で選択されたドライバ向け案内情報を表示装置6に表示させる(ステップS3)。
【0039】
その後、表示制御装置1は、車両状態としての自動停車制御の実行を検出したか否かを判定する(ステップS4)。自動停車制御の実行の検出は、車両状態検出部12が行う。表示制御装置1は、自動停車制御の実行を検出するまで待機する(ステップS4:NO)。
【0040】
自動停車制御の実行を検出したと判定すると(ステップS4:YES)、表示制御装置1は、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、自動停車制御の実行状態及び自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報を選択する(ステップS5)。自動停車制御の実行状態及び自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報は、例えば、図3に示すドライバ向け案内情報Bである。そして、表示制御装置1は、ステップS4で選択されたドライバ向け案内情報を表示装置6に表示させる(ステップS6)。
【0041】
その後、表示制御装置1は、車両状態としての自動停車制御による車両2の停車を検出したか否かを判定する(ステップS7)。自動停車制御による車両2の停車の検出は、車両状態検出部12が行う。表示制御装置1は、自動停車制御による車両2の停車を検出するまで待機する(ステップS7:NO)。
【0042】
自動停車制御による車両2の停車を検出したと判定すると(ステップS7:YES)、表示制御装置1は、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、パーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報を選択する(ステップS8)。パーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報は、例えば、図4に示す第三者向け案内情報Cである。そして、表示制御装置1は、車両2がスターターキーOFFされるまで、ステップS8で選択された第三者向け案内情報を表示装置6に表示させる(ステップS9)。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る表示制御装置1では、案内情報表示部11が自動運転制御に関する案内情報を表示装置6に表示させるとともに、案内情報選択部13が、車両状態に応じて案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報をドライバ向け案内情報及び第三者向け案内情報から選択する。このため、車両状態に応じた適切な自動停車制御に関する案内情報を表示することができる。
【0044】
ところで、自動停車制御は頻繁に実行されるものではないため、ドライバは、自動停車制御のことを忘れてしまいやすい。そこで、この表示制御装置1では、車両2のスターターキーONが検出されると、案内情報選択部13が、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報としてドライバ向け案内情報を選択する。これにより、ドライバが自動停車制御のことを忘れるのを防止することができる。
【0045】
また、車両走行時に自動停車制御が誤って実行されると、ドライバは状況を把握できずに何をすればよいか分からなくなることも考えられる。そこで、この表示制御装置1では、車両2のスターターキーONが検出されると、案内情報選択部13が、案内情報表示部により表示装置6に表示させる案内情報として自動停車制御の解除操作を案内するドライバ向け案内情報を選択する。これにより、車両走行時に自動停車制御が誤って実行された際に、ドライバに適切に解除操作を行わせることができる。
【0046】
また、この表示制御装置1では、案内情報表示部11が、車両状態検出部12による車両2のスターターキーONの検出を契機として、案内情報選択部13により選択されたドライバ向け案内情報を表示装置6に表示させる。これにより、車両の運転を開始する前に、ドライバに自動停車制御に関する案内情報を見せることができる。
【0047】
また、この表示制御装置1では、車両状態検出部12により自動停車制御の実行が検出されると、案内情報選択部13が、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として、ドライバ向け案内情報を選択する。これにより、自動停車制御が誤って実行された際に、ドライバは自動停車制御が実行されていることを適切に把握することができる。
【0048】
ところで、自動停車制御が誤って実行された場合は、ドライバにより自動停車制御が解除されるため、自動停車制御により車両2が停車した場合は、ドライバの異常により自動停車制御が正常に実行されたものと考えられる。このような場合、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者がドライバの救助や車両2の操作等を行うことが考えられる。そこで、この表示制御装置1では、車両状態検出部12により自動停車制御による車両2の停車が検出されると、案内情報選択部13が、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報として第三者向け案内情報を選択する。これにより、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者が、自動停車制御により停車したことを知ることができる。
【0049】
また、自動停車制御により車両2が停車すると、非常ブレーキが作動した状態でエンジンが停止していることが多い。このため、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者により、パーキングブレーキを作動させる前にスターターキーOFFされると、非常ブレーキが解除されて車両2が動き出すことも考えられる。そこで、この表示制御装置1では、車両状態検出部12により自動停車制御による車両2の停車が検出されると、案内情報選択部13が、案内情報表示部11により表示装置6に表示させる案内情報としてパーキングブレーキの作動を案内する第三者向け案内情報を選択する。これにより、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者により、パーキングブレーキを作動させる前にスターターキーOFFされるのを抑制することができる。
【0050】
また、この表示制御装置1では、車両状態検出部12により自動停車制御による車両2の停車が検出されると、案内情報表示部11が、車両2がスターターキーOFFされるまで、案内情報選択部13で選択された第三者向け案内情報を表示装置6に表示させる。これにより、レスキュー隊等のドライバ以外の第三者に、より確実に案内情報に気付かせることができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…表示制御装置、2…車両、3…自動停車制御部、4…スターターキー検出部、5…停車検出部、6…表示装置、7…制御部、8…記憶部、11…案内情報表示部、12…車両状態検出部、13…案内情報選択部、A…ドライバ向け案内情報、B…ドライバ向け案内情報、C…第三者向け案内情報。
図1
図2
図3
図4
図5