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特許7572901コーティングシステム及びそれによって製造された物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】コーティングシステム及びそれによって製造された物品
(51)【国際特許分類】
   C03C 17/245 20060101AFI20241017BHJP
   C03B 17/06 20060101ALI20241017BHJP
   H01L 31/0216 20140101ALI20241017BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20241017BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20241017BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20241017BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20241017BHJP
【FI】
C03C17/245 Z
C03B17/06
H01L31/04 240
H05B33/02
H05B33/10
H05B33/12 E
H05B33/14 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021070154
(22)【出願日】2021-04-19
(62)【分割の表示】P 2019237961の分割
【原出願日】2016-12-09
(65)【公開番号】P2021120343
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-04-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】62/266,239
(32)【優先日】2015-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/967,953
(32)【優先日】2015-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/967,981
(32)【優先日】2015-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/968,011
(32)【優先日】2015-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/968,039
(32)【優先日】2015-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518301590
【氏名又は名称】ビトロ フラット グラス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッカミー、ジェイムズ、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ハン、チェン - ハン
(72)【発明者】
【氏名】アーバブ、メーラン
(72)【発明者】
【氏名】バーンダーリ、アビーナブ
【合議体】
【審判長】宮澤 尚之
【審判官】深草 祐一
【審判官】増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-510364(JP,A)
【文献】特表2012-509829(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0304941(US,A1)
【文献】特開2014-234487(JP,A)
【文献】特表2010-510152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 7/00-7/22, 9/00-17/06, 21/00-21/06
C03C 15/00-23/00
H01L 27/32,51/50
H05B 33/00-33/28, 45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスドローダウンコーティングシステムであって、
第1側面及び第2側面を有するガラスリボンを形成するために、溶融ガラスが重力により流れ落ちるように構成された放出スロットを備えた容器と、
前記ガラスリボンの前記第1側面に隣接して設けられた、第1のナノ粒子領域を形成するための第1のナノ粒子コーティング装置と、
前記ガラスリボンの前記第1側面に隣接して設けられ、前記第1のナノ粒子コーティング装置の下方に設けられた、第2のナノ粒子領域を形成するための第2のナノ粒子コーティング装置と、
前記ガラスリボンの前記第2側面に隣接して設けられた第3のナノ粒子コーティング装置とを備え、
前記第1のナノ粒子領域と前記第2のナノ粒子領域とは、前記ガラスリボン内に形成される深さが異なり、
前記第1のナノ粒子コーティング装置、前記第2のナノ粒子コーティング装置、又は前記第3のナノ粒子コーティング装置は、
ハウジング、
ナノ粒子放出スロット、および
第1の火炎を点火するように構成された第1の燃焼スロット
を備え、
前記第1の燃焼スロットは前記ナノ粒子放出スロットの上流側に位置し、前記第1の火炎は前記ガラスリボンの表面を加熱して、ナノ粒子が所望の深さまで浸透できるように前記ガラスリボンの表面の粘度を低下させるように構成されており
前記ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源およびキャリア流体源に接続され、前記ナノ粒子放出スロットは、前記ナノ粒子が所望の深さまで浸透できるように、キャリア流体の速度を制御するように構成されている、ガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項2】
前記第1のナノ粒子コーティング装置は、前記ハウジングと、前記ナノ粒子放出スロットと、前記第1の燃焼スロットとを備える、請求項1に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項3】
前記ナノ粒子源は蒸発器を備える、請求項に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項4】
前記ナノ粒子源は、金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項5】
前記ナノ粒子源は、発光性及び/又は燐光性ナノ粒子を含む、請求項に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項6】
前記前記ナノ粒子源は、蛍光体を含む、請求項に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項7】
前記前記ナノ粒子源は、発光性ナノ結晶ナノ粒子を含む、請求項に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項8】
前記第1の燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続される、請求項1に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項9】
前記燃料源は天然ガスを含む、請求項に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項10】
前記酸化剤源は酸素を含む、請求項に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項11】
前記第1のナノ粒子コーティング装置、前記第2のナノ粒子コーティング装置、又は前記第3のナノ粒子コーティング装置は、第2の燃焼スロットを更に備え、該第2の燃焼スロットは前記第1の燃焼スロットと同じナノ粒子コーティング装置に設けられ、前記ナノ粒子放出スロットは、前記第1の燃焼スロットと前記第2の燃焼スロットとの間に配置される、請求項1に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項12】
前記第1のナノ粒子コーティング装置が第1のナノ粒子源に接続され、前記第2のナノ粒子コーティング装置が第2のナノ粒子源に接続される、請求項1に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項13】
前記第1のナノ粒子源は、前記第2のナノ粒子源とは異なる、請求項12に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項14】
前記ガラスリボンの第2側面に隣接して設けられた第4のナノ粒子コーティング装置を備える、請求項1に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項15】
前記第3のナノ粒子コーティング装置が第3のナノ粒子源に接続され、前記第4のナノ粒子コーティング装置が第4のナノ粒子源に接続される、請求項14に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項16】
前記第3のナノ粒子源は、前記第4のナノ粒子源とは異なる、請求項15に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【請求項17】
前記第1のナノ粒子コーティング装置、前記第2のナノ粒子コーティング装置、又は前記第3のナノ粒子コーティング装置は、第2の火炎を点火するように構成された第2の燃焼スロットをさらに備え、該第2の燃焼スロットは前記第1の燃焼スロットと同じナノ粒子コーティング装置に設けられ、
前記第2の燃焼スロットは前記ナノ粒子放出スロットの下流側に位置し、前記第2の火炎は前記ガラスリボンの表面を平滑にすることを助けるように構成される、請求項1に記載されたガラスドローダウンコーティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、有機発光ダイオード、太陽光又は光電池(PV)セル、昼光窓、光抽出基板、摩擦改質面を有する基板、及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、有機化合物を組み込んだ発光型電界発光(エレクトロルミネッセント)層を有する発光デバイスである。
【0003】
有機化合物は、電流に応答して発光する。典型的には、有機半導体材料の発光層は、2つの電極(陽極及び陰極)の間に配置される。陽極と陰極との間に電流が流れると、有機材料が発光する。OLEDは、多くの用途(例えば、テレビスクリーン、コンピュータモニタ、携帯電話、PDA、時計、照明、及び様々な他の電子デバイス)に使用されている。
【0004】
OLEDは、従来の無機デバイス(例えば、液晶ディスプレイ)よりも多くの利点を提供する。例えば、OLEDは、バックライトを必要とせずに機能することができる。低周囲光(例えば、暗室)では、OLEDスクリーンは、従来の液晶ディスプレイよりも高いコントラスト比を達成することができる。OLEDはまた、典型的に、液晶ディスプレイ及び他の照明デバイス(装置)よりも薄く、軽く、より柔軟である。OLEDはまた、典型的に、多くの他の従来の照明デバイスよりも少ない動作させるためのエネルギーを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第4,924,936号明細書
【文献】米国特許第5,356,451号明細書
【文献】米国特許第7,730,747号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、OLEDデバイスの1つの欠点は、無機固体状態ベースの点光源よりも単位面積当たりの光の放出が少ないことである。典型的なOLED照明デバイスでは、有機材料から放出された光の大部分は、有機発光層からの光が有機発光層/導電層(陽極)の界面、導電層(陽極)/基板の界面、及び外面/空気界面から反射して戻る光導波路効果のためデバイス内部に捕捉される。有機材料から放射された光の比較的小さな割合のみが光導波路効果を免れ、デバイスによって放射される。したがって、従来の方法で可能であるよりも多くの光をOLEDデバイスから抽出するためのデバイス及び/又は方法を提供することが有利であろう。
【0007】
光起電太陽電池は、原則的に発光ダイオードの対応物である。ここで、半導体材料は、光(光子)のエネルギーを吸収し、そのエネルギーを電気に変換する。OLEDと同様に、光起電デバイスの効率は比較的低い。例えば、モジュールレベルでは、典型的には、入射光の最大20%のみが電気エネルギーに変換される。薄膜PVセルからなる光起電デバイスの1つのクラスでは、この効率は、半導体材料及び接合設計に依存して、はるかに低くなる可能性がある。したがって、光起電デバイスの効率を高めるために、光起電半導体接合部の近くで吸収される太陽光の割合を増加させることが有利であろう。
【0008】
OLED及び光起電デバイスは、典型的には、各コーティング層がコーティングステーション内で塗布されるバッチコーティングプロセス内で製造される。次いで、その基板は、次の層の塗布のために、別の分離したコーティングステーションに搬送され、以下同様である。これは、時間のかかる労働集約的なプロセスである。デバイスのコーティング層又は機能領域の2以上をバッチプロセスではなく連続プロセスで作製することができれば有利である。また、基板の摩擦係数を、例えば、連続コーティングプロセスで改質することができれば有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
フロートガラスシステムは、少なくとも1つのナノ粒子堆積コーティング装置と、オプションとして、少なくとも1つの蒸着コーティング装置とを含む。フロートバスコーティングシステムは、フロートバス内に配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置を含む。少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置は、ハウジングと、ナノ粒子放出スロットと、第1燃焼スロットと、第2燃焼スロットとを含む。ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源及びキャリア流体源に接続される。第1燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続される。第2燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続される。
【0010】
本発明は添付の図面に示されており、全体を通して同様の参照符号は同様の部分を示している。反対の指示がない限り、図面は縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のフロートバスコーティングシステムを組み込んだフロートガラスシステムの側面図である。
図2図1のフロートバスコーティングシステムの平面図である。
図3】本発明のナノ粒子コーティング装置の側面断面図である。
図4】本発明の蒸発コーティング装置の側面断面図である。
図5】改変したノズルブロックを有する図4の蒸発コーティング装置の側面断面図である。
図6】物品中にナノ粒子領域を有する本発明の物品の側面断面図である。
図7】物品の表面上に摩擦改質面を有する本発明の物品の側面断面図である。
図8】プライバシーグレージングの形態の本発明の物品の側面断面図である。
図9】OLEDデバイスの形態の本発明の物品の側面断面図である。
図10】本発明のドローダウンコーティングシステムの概略図である。
図11】物品の対向する主側面に隣接するナノ粒子領域を有する、図10のドローダウンコーティングシステムによって製造された物品の側面断面図である。
図12】物品の対向する主側面に摩擦改質面を有する本発明の物品の側面断面図である。
図13】プライバシーグレージングの形態の本発明の物品の側面断面図である。
図14】基板の対向する主側面に隣接する光抽出領域を有する、OLEDの形態の本発明の物品の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
空間的又は方向的用語(例えば、「左」、「右」、「内側」、「外側」など)は、図面に示されているように本発明に関するものである。本発明は様々な代替の方向を想定することができ、したがって、そのような用語は限定的であるとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0013】
明細書及び特許請求の範囲で使用される全ての数字は、すべての場合において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。全ての範囲は、開始及び終了範囲値及びその中に包含される任意の及びすべての部分範囲を包含するものと理解されるべきである。本明細書に記載の範囲は、特定の範囲にわたる平均値を表す。
【0014】
コーティングの層に言及する場合、「上方に」という用語は、「基板表面からより遠い」ことを意味する。例えば、第1層の「上方」に位置する第2層とは、第2層が、第1層よりも層が上に存在する基板表面から遠くに位置することを意味する。第2層は第1層と直接接触することができる、又は1以上の他の層が第2層と第1層との間に配置されることができる。
【0015】
用語「ポリマー」又は「ポリマー性」には、オリゴマー、ホモポリマー、コポリマー、及びターポリマーが含まれる。
【0016】
本明細書で言及されるすべての文書は、その全体が「参照により援用される」とみなされるべきである。
【0017】
量に関する言及は、他に特定しない限り、「重量%」である。
【0018】
「膜」という用語は、所望の又は選択された組成を有する領域を意味する。「層」は、1以上の「膜」を含む。「コーティング」は、1以上の「層」から構成される。用語「有機材料」は、有機光電子デバイスを製造するために使用可能なポリマー並びに低分子有機材料を含む。
【0019】
用語「可視光」は、380nm~780nmの範囲内の波長を有する電磁放射線を意味する。用語「赤外線放射」は、780nmを超え100000nmまでの範囲内の波長を有する電磁放射を意味する。「紫外線放射」という用語は、100nm~380nm未満の範囲の波長を有する電磁エネルギーを意味する。
【0020】
「金属」及び「金属酸化物」という用語は、ケイ素は従来は金属とは見なされなくても、従来から認められている金属及び金属酸化物と同様に、それぞれケイ素及びシリカを含む。用語「硬化性」は、重合又は架橋可能な組成物を意味する。「硬化」とは、材料が少なくとも部分的に重合又は架橋される(好ましくは、完全に重合又は架橋される)ことを意味する。「少なくとも」とは、「以上」を意味する。「超えない」とは、「以下」を意味する。用語「上流」及び「下流」とは、ガラスリボンの移動方向を指す。
【0021】
本明細書中のヘイズ値及び透過率値は、(BYK-Gardner USAから市販されている)ヘイズ-ガードプラスヘイズメーター又はPerkin Elmer Lamda 9分光光度計を使用して決定された値である。表面粗さの値は、Instrument Dimension 3100 Atomic Force Microscope(原子間力顕微鏡)を使用して決定された値である。
【0022】
本発明の議論は、特定の制約内で「特別の」又は「好ましい」(例えば、特定の制約内で「好ましい」、「より好ましくい」、又は「更により好ましい」)ものとしてある特定の構成を説明することができる。本発明は、これらの特別な又は好ましい制約に限定されず、本開示の範囲全体を包含することが理解されるべきである。
【0023】
本発明は、本発明の以下の態様を、任意の組み合わせで含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。本発明の様々な態様が別々の図面に示されている。しかしながら、これは単に例示及び説明を容易にするためのものであることを理解されたい。本発明の実施において、1つの図面に示される本発明の1以上の態様は、1以上の他の図面に示される本発明の1以上の態様と組み合わせることができる。
【0024】
本発明のフロートバスコーティングシステム11を組み込んだ例示的なフロートガラスシステム10を図1及び図2に示す。フロートガラスシステム10は、フロートバス14の上流にガラス炉12を含む。フロートバス14は、冷却炉16の上流に配置されている。第1コンベア18は、フロートバス14と炉16との間に延在する。カッティングステーション20は、炉16の下流に配置されている。炉16とカッティングステーション20との間には第2コンベア22が延在する。
【0025】
フロートバス14は、溶融金属24(例えば、溶融スズ)のプールを含む。フロートバス14は、炉12に隣接する入口端部26と、第1コンベア18に隣接する出口端部28とを有する。フロートガラスプロセスでは、炉12からの溶融ガラスが、フロートバス中の溶融金属24の頂部に注がれる。溶融ガラスは冷却され始め、溶融金属24の頂部を横切って広がり、表面32を有するガラスリボン30を形成する。
【0026】
フロートバス14の内部に延在する複数の対向するローラアセンブリ34のセットは、フロートバス14の側面に沿って配置され、フロートバス14の内部へと延びる。ローラアセンブリ34は、回転可能なヘッド38に接続されたシャフト36を含む。ヘッド38は、ガラスリボン30を把持するように構成された複数の円周歯を含む。ローラアセンブリヘッド38の回転は、ガラスリボン30を溶融金属24の頂部に沿ってフロートバス14の出口端部28に向かって引っ張る。ヘッド38の回転速度は、ガラスリボン30の厚さに影響を与える。回転速度が速ければ速いほど、他のすべてのパラメータが同じである限り、ガラスリボン30はより薄くなる。回転速度ヘッド38の角度(又は傾斜)は、ガラスリボン30の幅に影響を与える。例えば、ヘッド38を外向きに(フロートバス14の外側に向かって)傾けると、ガラスリボン30の幅が増加する。ヘッド38を内向きに傾けると、ガラスリボン30の幅が減少する。ヘッド38のこの傾斜付けはまた、ガラスリボン30の厚さにも影響を及ぼす可能性がある。
【0027】
フロートバス14のローラアセンブリ34が位置する部分は、「減衰領域」40と呼ばれる。主として、この減衰領域40において、ガラスリボン30は、例えば、横方向及び/又は縦方向に、ローラアセンブリ34の動作によって伸びる。
【0028】
フロートバスコーティングシステム11では、本発明の少なくとも1つの第1ナノ粒子コーティング装置44が、フロートバス14内に配置される。図1図3に示すように、第1ナノ粒子コーティング装置44は、ナノ粒子放出スロット48及び少なくとも1つの燃焼スロットを有するハウジング46を含む。図示の例では、第1ナノ粒子コーティング装置44は、第1燃焼スロット50と第2燃焼スロット52とを含む。図示の例では、ナノ粒子放出スロット48は、第1燃焼スロット50と第2燃焼スロット52との間に位置する。
【0029】
ナノ粒子放出スロット48は、ナノ粒子源54及びキャリア流体源56に接続されている。ナノ粒子源54は、ナノ粒子放出スロット48から放出するためのナノ粒子又はナノ粒子前駆体を含む及び/又は生成する及び/又は供給する。
【0030】
ナノ粒子源は、任意の従来の方法によって製造されたナノ粒子を提供するか、又は含むことができる。1つの特定の例では、蒸気を形成するために液体前駆体を蒸発器内で加熱することができる。蒸気は、所望のナノ粒子を形成するために反応ゾーンに向けることができる。液体反応物蒸発器の例は、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に開示されている。例えば、金属塩化物(例えば、四塩化チタン)を蒸発器内で加熱して前駆体蒸気を形成することができる。蒸気は、第1ナノ粒子コーティング装置44又はコレクタに向けることができる。例えば、蒸発器を第1ナノ粒子コーティング装置44に接続することができる。四塩化チタン蒸気を加水分解又は酸化して二酸化チタンナノ粒子を形成することができる。他の前駆体(例えば、有機金属化合物)を使用することができる。チタンイソプロポキシドは、気化して二酸化チタンナノ粒子を形成することができる別の材料の一例である。前駆体の流れは、純粋な組成物、混合相及び/又は組成を有する組成物、又は単一又は複数の相の均質な合金を有するナノ粒子を形成するように、異なる組成の1つ、2つ、又はそれ以上の液体反応材料から構成することができる。当業者には理解されるように、液体反応物質を様々な比率で供給して、ナノ粒子及び/又は所望の組成のナノ粒子の混合物を形成することができる。更に、1以上の前駆体を気体源から供給して、ナノ粒子及び/又は所望の組成のナノ粒子の混合物を形成することができる。これの一例は、硫化物含有ナノ粒子を形成するために硫黄含有前駆体として硫化水素を供給することを含む。別の一例は、アンモニア(NH)を供給して窒化物含有ナノ粒子を形成することである。
【0031】
適切なナノ粒子の例は、酸化物ナノ粒子を含む。例えば、金属酸化物ナノ粒子である。例えば、アルミナ、チタニア、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、シリカ、及びジルコニアである。他の例は、金属ナノ粒子を含む。例えば、鉄、鋼、銅、銀、金、及びチタンが挙げられるが、これらに限定されない。更なる例は、2以上の材料の合金を含む合金ナノ粒子を含む。例えば、亜鉛、スズ、金、銅、及び銀のうちの2以上の合金である。更なる例には、硫化物含有ナノ粒子及び/又は窒化物含有ナノ粒子が含まれる。他の例には、発光材料及び/又はフォトルミネセント材料が含まれる。例えば、燐光体(蛍光体)(例えば、燐光ナノ粒子及び/又は蛍光ナノ粒子)である。例えば、青色、緑色、及び/又は赤色の蛍光体である。例としては、BaMgAl1017、Eu2+、Y:Eu、ZnS系蛍光体(例えば、ZnS:Mn、ZnS:Cu)、CdS、YSiO:Ce3+、ZnSiO:Mn、(Ca、Sr)S:Bi、SrAl:Eu(II):Dy(III)が含まれる。更なる例としては、発光ナノ結晶性材料が含まれる。例えば、ナノ結晶性ナノ粒子である。例えば、ユーロピウムをドープした酸化イットリウム、テルビウムをドープした酸化イットリウム、及び/又はマンガンをドープしたスズ酸亜鉛である。
【0032】
キャリア流体源56は、ナノ粒子源54から第1ナノ粒子コーティング装置44にナノ粒子蒸気又はナノ粒子を推進又は搬送するためのキャリア流体を供給する。キャリア流体は、好ましくはキャリアガスを含む。例えば、窒素又はアルゴンである。
【0033】
燃焼スロット50、52は、燃料源58及び酸化剤源60に接続されている。燃料源58は、可燃性材料を含む。例えば、天然ガスである。酸化剤源60は、酸素含有材料を含む。例えば、空気又は酸素ガスである。
【0034】
第1燃焼スロット50用の燃料源58は、第2燃焼スロット52用の燃料源58と同じでも異なっていてもよい。すなわち、第1燃焼スロット50及び第2燃焼スロット52に同じ種類の燃料を供給することができる。又は、一方の燃焼スロットに第1燃料を供給することができ、他方の燃焼スロットに第2燃料を供給することができ、第1燃料は第2燃料と同じでも異なっていてもよい。
【0035】
第1燃焼スロット50用の酸化剤源60は、第2燃焼スロット52用の酸化剤源60と同じでも異なっていてもよい。すなわち、第1燃焼スロット50及び第2燃焼スロット52には、同じ種類の酸化剤を供給することができる。又は、一方の燃焼スロットに第1酸化剤を供給することができ、他方の燃焼スロットに第2酸化剤を供給することができ、第1酸化剤は第2酸化剤と同じでも異なっていてもよい。
【0036】
上記の構造は、燃料及び酸化剤の流量をナノ粒子及びキャリア流体の流量とは別に制御することを可能にする。
【0037】
第1ナノ粒子コーティング装置44は、減衰ゾーン40の上流に配置することができる。あるいはまた、第1ナノ粒子コーティング装置44は、減衰ゾーン40の下流に配置することができる。あるいはまた、第1ナノ粒子コーティング装置44は、減衰ゾーン40内に配置することができる。
【0038】
フロートバスコーティングシステム11は、少なくとも1つの第2ナノ粒子コーティング装置64を含むことができる。第2ナノ粒子コーティング装置64は、上記の第1ナノ粒子コーティング装置44と同じとすることができる。図示の例では、第2ナノ粒子コーティング装置64のナノ粒子放出スロットは、第2ナノ粒子源66及び第2キャリア流体源67に接続されている。第2ナノ粒子コーティング装置64の燃焼スロットは、第2燃料源68及び第2酸化剤源70に接続される。
【0039】
第2ナノ粒子源66は、第1ナノ粒子源54と同じでも異なっていてもよい。すなわち、第2ナノ粒子源66によって供給されるナノ粒子は、第1ナノ粒子源54によって供給される粒子と同じでも異なっていてもよい。例えば、第1ナノ粒子源54は、第2ナノ粒子源66によって供給されるナノ粒子とは異なるサイズ及び/又は組成のナノ粒子を提供することができる。例えば、第1ナノ粒子源54は、第2ナノ粒子源66によって供給されるナノ粒子よりも小さい及び/又は高密度のナノ粒子を提供することができる。
【0040】
第2燃料源68は、第1燃料源58と同じでも異なっていてもよい。第2酸化剤源70は、第1酸化剤源60と同じでも異なっていてもよい。
【0041】
2以上のナノ粒子コーティング装置44、64が存在する場合、1以上のナノ粒子コーティング装置44、64を減衰ゾーン40の上流に配置することができる、及び/又は1以上のナノ粒子コーティング装置44、64を減衰ゾーン40の下流に配置することができる、及び/又は1以上のナノ粒子コーティング装置44、64を減衰ゾーン40内に配置することができる。
【0042】
ナノ粒子コーティング装置44、64は、フロートバス14内の位置に配置することができ、そこではガラスリボン30は、ナノ粒子コーティング装置44、64から放出されたナノ粒子がガラスリボン30内に所望の深さで埋め込まれるような粘度を有する。
【0043】
あるいはまた、ナノ粒子コーティング装置44、64は、ガラスリボン30の粘度が、ナノ粒子の所望の深さを達成するための粘度に対応しない位置に配置することができる。例えば、ガラスリボン30の温度が所望の粘度を提供するのに必要な温度よりも低い位置においてである。この状況では、燃焼スロット50、52の一方又は両方を作動させて、ガラスリボン30の温度を上昇させる、及び/又はガラスリボン30の粘度を所望の量に低下させることができる。
【0044】
ナノ粒子コーティング装置44、64は、フロートバス14内の位置に配置することができ、そこではガラスリボン30の粘度は、ナノ粒子コーティング装置44、64から堆積されたナノ粒子がガラスリボン30内に完全に埋め込まれるようなものである。「完全に埋め込まれた」とは、ナノ粒子コーティング装置44、64から堆積されたナノ粒子の少なくとも一部(好ましくはナノ粒子の大部分、より好ましくはナノ粒子のすべて)が、ガラスリボン30によって完全に取り囲まれていることを意味する。
【0045】
ナノ粒子は、25ナノメートル(nm)~1000nmの範囲内の直径を有することができる。例えば、ナノ粒子は、50nm~750nmの範囲内の直径を有することができる。例えば、ナノ粒子は、150nm~600nmの範囲内の直径を有することができる。例えば、ナノ粒子は、200nm~500nmの範囲内の直径を有することができる。
【0046】
例えば、ナノ粒子は、25ナノメートル(nm)~2000nmの範囲内の深さ(すなわち、ガラスリボンの表面32からナノ粒子の縁部までの距離)に埋め込むことができる。例えば、ナノ粒子は、50nm~1500nmの範囲内の深さに埋め込むことができる。例えば、ナノ粒子は、100nm~750nmの範囲内の深さに埋め込むことができる。例えば、ナノ粒子は、150nm~600nmの範囲内の深さに埋め込むことができる。例えば、ナノ粒子は、200nm~500nmの範囲内の深さに埋め込むことができる。
【0047】
図1に示す例では、第1ナノ粒子コーティング装置44は、第2ナノ粒子コーティング装置64よりもフロートバス14の入口端26の近くに配置されている。したがって、ガラスリボン30の温度は、第2ナノ粒子コーティング装置64よりも第1ナノ粒子コーティング装置44の方が高い。これは、ガラスリボン30の粘度が、第2ナノ粒子コーティング装置64よりも第1ナノ粒子コーティング装置44の方が低いことを意味する。他の全ての因子が同じままであるならば、第1ナノ粒子コーティング装置44で堆積されたナノ粒子は、第2ナノ粒子コーティング装置64で堆積されたナノ粒子よりも深くガラスリボン30内に埋め込まれる。したがって、異なるナノ粒子領域をガラスリボン30内に形成することができる。
【0048】
あるいはまた、ナノ粒子コーティング装置44、64は、フロートバス内の位置に配置することができ、ガラスリボン30の粘度は、ナノ粒子がガラスリボン30内に部分的に埋め込まれるようなものである。「部分的に埋め込まれた」とは、ナノ粒子コーティング装置44、64から堆積されたナノ粒子の少なくとも一部(好ましくはナノ粒子の大部分、より好ましくはナノ粒子のすべて)は、ガラスリボン30によって完全には取り囲まれていないことを意味する。すなわち、少なくとも一部のナノ粒子の少なくとも一部分は、ガラスリボン30の表面32の上方に延在する。例えば、1以上のナノ粒子の一部は、ガラスリボン30の表面の上方に延在する。
【0049】
フロートバス14内には、少なくとも1つの蒸着コーティング装置74(例えば、化学蒸着(CVD)コーティング装置)を配置することができる。例えば、蒸着コーティング装置74は、ナノ粒子コーティング装置44、64の下流に配置することができる。蒸着コーティング装置74は、当業者にはよく理解されているように、従来のCVDコーティング装置とすることができる。
【0050】
揮発性前駆体を塗布するために特に適した蒸着コーティング装置74が、図4及び図5に示されている。蒸着コーティング装置74は、プレナムアセンブリ76と、ノズルブロック78とを含む。ノズルブロック78は、ガラスリボン30に向けられた放出面80を有する。図示された例示的なプレナムアセンブリ76は、第1入口プレナム82と、第2入口プレナム84と、第3の入口プレナム86とを含む。プレナムアセンブリ76は、第1排出プレナム88及び第2排出プレナム90を有する。例示的なノズルブロック78は、プレナムアセンブリ76に(例えば、ボルトによって)接続される。
【0051】
第1入口プレナム82は、第1放出口(スロット)94を有する第1放出路92と流体連通している。第2入口プレナム84は、第2放出口(スロット)98を有する第2放出路96と流体連通している。第3入口プレナム86は、第3放出口(スロット)102を有する第3放出路100と流体連通している。入口混合チャンバ104は、放出路92、96、100内に配置することができる。
【0052】
第1排出導管106は、放出面80から第1排出プレナム88まで延びている。第2排出導管108は、放出面80から第2排出プレナム90まで延びている。放出チャンバ110は、排出導管106、108内に配置することができる。
【0053】
図示の例では、第2放出路96は、放出面80に対して垂直である(すなわち、第2放出路96の中心軸線は、放出面80の平面に垂直である)。しかしながら、第1放出路92及び第3放出路100は、放出面80に対して角度が付けられている。第1放出路92及び第3放出路100の中心軸線は、放出面80の下方の位置で交差している。放出口94、98、102からの前駆体蒸気は、ノズルブロック78から放出されるまで混合されない。これは、前駆体の予混合が早期反応を引き起こす揮発性前駆体に対して特に有用である。
【0054】
放出面92に対する放出路92、96、100のうちの1以上の角度は、放出路92、96、100のうちの2以上の中心軸線が所望の位置(例えば、放出面80からの距離及び/又は下地のガラスリボン30に対する位置)で交差するように変更することができる。例えば、異なる放出路角度を有する異なる/交換可能なノズルブロック78を設けることができる。所望の放出路角度を有するノズルブロック78を選択してプレナムアセンブリ76上にボルト締めすることができる。あるいはまた、ノズルブロック78は別個の部分によって形成することができる。第1排出導管106は、1つの部分内に存在することができ、第2排出導管108は、別の部分内に存在することができ、放出路92、96、100は、第3の部分内に存在することができる。異なる部分はプレナムアセンブリ76と個別に接続可能とすることができる。この態様では、放出路92、96、100を有するノズルブロック78の部分のみを、所望の放出路角度を有する部分に置き換える必要がある。
【0055】
あるいはまた、第1放出路92、第2放出路96、及び第3放出路100は、ノズルブロック78の別々の部分に配置され、プレナムアセンブリ76に移動可能に接続される(例えば、スライド可能に接続される)ことができる。例えば、図4を参照すると、第1放出路92が1つのスライド可能部分に位置し、第3放出路100が別個のスライド可能部分に位置する場合、第1放出路92を含むスライド可能部分及び/又は第3放出路100を含む他のスライド可能部分を、図4を参照して左又は右にスライドさせることは、放出路92、96、100の中心線の交点を変える。例えば、図4において、第1放出路92を含む部分を左にスライドさせ、第3放出路100を含む部分を右にスライドさせることは、放出面80に対して交点の距離を増加させる。
【0056】
放出路92及び/又は100の角度は、中心軸線がガラスリボン30の表面上の位置で、又はガラスリボン30の表面で、又はガラスリボンの表面より下の位置で交差するように変えることができる。計算された交点がガラスリボン30の表面より下にある場合、放出面80に垂直な第2放出路96からの蒸気は、ガラスリボン30上に単分子層を形成し、第1放出路92及び第3放出路100からの物質は、それと反応する。図4では、放出路92、96、100の中心軸線は、ガラスリボン96の上で交差している。
【0057】
改変したノズルブロック78を有する蒸着コーティング装置74の中央部分が図5に図示される。この改変例では、第1放出口94及び第3放出口102は、第2放出面80の上方で第2放出流路96と流体連通している。したがって、3つの放出路92、96、100からの蒸気は、第2放出口98から放出される前に混合される。
【0058】
1以上のコーティング層を、蒸着コーティング装置74によってガラスリボン30上に塗布することができる。コーティング層は、複数の前駆体材料の選択的堆積によって塗布することができる。例えば、層は、2以上の異なる前駆体を用いて形成することができる。モノブチルスズトリクロリド(MBTC)で作られたスズ酸化物コーティングは、典型的には、他のスズ前駆体(例えば、四塩化スズ(TTC))よりも低い曇り(ヘイズ)を有するコーティングを提供する。しかしながら、TTCに対する堆積効率は、MBTCよりも優れている。また、TTCは、MBTC製のコーティングよりも低いシート抵抗を有するコーティングを生成する傾向がある。したがって、(曇りのために)MBTCを用いて層を最初に形成し、次に前駆体材料をTTCに切り替えて残りの層を形成することができる。全体的な効率が高められ、得られたコーティングは、MBTCの曇りの利点及びTTCのシート抵抗の利点を有する。
【0059】
次に、フロートガラスシステム10を動作させる例示的な方法をここで説明する。
【0060】
図1に関して、ガラスリボン30が第1ナノ粒子コーティング装置44の下を進むにつれて、ナノ粒子114は、キャリア流体によってガラスリボン30の表面32に向かって推進される。ほとんどのナノ粒子の質量が比較的小さいため、ナノ粒子114の浸透深さは、主としてガラスリボン30の粘度によって決定される。ガラスリボン30の粘度が低いほど、ナノ粒子114はより遠くまでガラスリボン30内に浸透する。キャリア流体の速度もまた、浸透の深さに影響を及ぼす可能性がある。速度が速いほど、ナノ粒子114はより深くガラスリボン30内に浸透する。
【0061】
第1ナノ粒子コーティング装置44は、ガラスリボン30の粘度が、ナノ粒子114がガラスリボン30を所望の深さまで浸透可能とするのに必要な粘度に対応するフロートバス14内の位置に配置することができる。あるいはまた、第1ナノ粒子コーティング装置44の下のガラスリボン30の粘度が所望のものよりも高い場合、燃焼スロット50、52の一方又は両方を作動させることができる。例えば、燃料及び酸化剤を第1燃焼スロット50に供給して点火して第1火炎116を形成することができる。第1燃焼スロット50からの第1火炎116は、ガラスリボン30の表面32を加熱し、ガラスリボン30の粘度を所望のレベルまで低下させ、ナノ粒子114を所望の深さまで浸透可能にする。代替的に又は追加的に、第2燃焼スロット52を作動させて、第2火炎118を形成することができる。第2燃焼スロット52からの第2火炎118はまた、ガラスリボン30の粘度を低下させる。第2火炎118は、ナノ粒子114を付加した後のガラスリボン30の表面32上を平滑にする(表面32の粗さを低下させる)のを助長することもできる。
【0062】
複数のナノ粒子コーティング装置44、64を使用することができる。例えば、図1及び図2に示すように、第1ナノ粒子コーティング装置44は、第2ナノ粒子コーティング装置64の位置よりもガラスリボン30の温度が高い(したがって粘度が低い)フロートバス14の入口端26のより近くに配置される。したがって、他のすべての因子が等しいままならば、第1ナノ粒子コーティング装置44に堆積したナノ粒子114は、第2ナノ粒子コーティング装置64に堆積したナノ粒子114よりもガラスリボン30内で遠くまで浸透する。このように、ナノ粒子の異なる領域又はバンドをガラスリボン30内に形成することができる。例えば、第1ナノ粒子コーティング装置44は、第2ナノ粒子コーティング装置64から堆積した第2ナノ粒子122とは異なる質量及び/又は組成を有する第1ナノ粒子120を堆積させることができる。
【0063】
1以上のコーティング層は、1以上の蒸着コーティング装置74によってガラスリボン30の表面32上に塗布することができる。
【0064】
図6は、第1寸法及び/又は質量及び/又は組成を有する第1ナノ粒子120が第1ナノ粒子コーティング装置44からガラスリボン30内の第1深さに堆積される物品126を示す。第2寸法及び/又は質量及び/又は組成を有する第2ナノ粒子122は、第2ナノ粒子コーティング装置64からガラスリボン30内の第2深さに堆積されるガラスリボン30内において、第1ナノ粒子120は、第1ナノ粒子バンド又はナノ粒子領域128を形成し、第2ナノ粒子122は、第2ナノ粒子バンド又はナノ粒子領域128を形成する。第1領域128は、ガラスリボン30内の第2領域130とは異なる深さにある。図示の例では、第1ナノ粒子領域128と第2ナノ粒子領域130は重ならない。しかしながら、第1ナノ粒子領域128の少なくとも一部は、第2ナノ粒子領域130の少なくとも一部と重なり合うことができる。
【0065】
減衰ゾーン40に対するナノ粒子コーティング装置44、64の位置は、ガラスリボン30内のナノ粒子の濃度(例えば、ナノ粒子の個数濃度)に影響を及ぼす。例えば、ガラスリボン30が減衰ゾーン40内に引き伸ばされるとき、ナノ粒子コーティング装置44、64が減衰ゾーン40の上流に位置するならば、ガラスリボン30内のナノ粒子間の個数濃度及び/又は密度及び/又は距離(横方向及び/又は鉛直方向)は影響を受ける可能性がある。例えば、ナノ粒子が減衰ゾーン40の上流に堆積され、次にガラスリボン30が減衰ゾーン40に入り、横方向に伸張される場合、ガラスリボン30の厚さは減少する。隣接するナノ粒子間の距離(例えば、横方向の距離)は増加する。
【0066】
ナノ粒子コーティング装置44、64が減衰ゾーン40の下流に位置する場合、ガラスリボン30がフロートバス14の残りを通って移動するのと同様に、ナノ粒子の相対的な配置が維持されるべきである。
【0067】
ナノ粒子コーティング装置44、64によってナノ粒子が堆積された後、フロートバス14内に配置された1以上の蒸着コーティング装置74によって、1以上のオプションのコーティング層を塗布することができる。図6の物品126は、1以上の蒸着コーティング装置174によって塗布されたオプションのコーティング132を示している。コーティング132は、以下に記載されるように、OLED用の1以上の層とすることができるか、または1以上の層を含むことができる。例えば、コーティング132は、導電性酸化物層とすることができる。
【0068】
ガラスリボン30がフロートバス14を出た後に、追加のコーティング層をコーティング132上に塗布することができる。例えば、ガラスリボン30を所望の形状に切断することができ、任意の従来の方法(例えば、化学蒸着及び/又はMSVD)によって追加することができる。あるいはまた、ナノ粒子120、122は、蒸気コーティング装置74による後続のコーティング層の塗布なしにナノ粒子コーティング装置44、64によってガラスリボン30の上及び/又は中に堆積させることができる。
【0069】
図7は、基板137の表面139上に堆積されたナノ粒子114を有する基板137を有する物品136を示しており、摩擦改質面138を形成している。例えば、ナノ粒子114は、ガラスリボン30の表面32上にガラスリボン30の粘度で及び/又はナノ粒子114がガラスリボン30内に完全には埋め込まれないような堆積速度で堆積させることができる。部分的に埋め込まれたナノ粒子114は、物品136上に摩擦改質面138を形成する。例えば、ナノ粒子114は、ガラス表面139よりも低い摩擦係数を有する材料から選択することができる。部分的に埋め込まれたナノ粒子114は、物品136上に摩擦改質面138を形成する。例えば、ナノ粒子114は、ガラス表面139よりも低い摩擦係数を有する材料から選択することができる。基板137の表面139上に延在するナノ粒子114の部分は、ナノ粒子114なしで存在するよりも低い摩擦係数を表面139にもたらす。一例では、ナノ粒子114は、チタニアを含むことができる。あるいはまた、ナノ粒子114は、基板137のガラスよりも高い摩擦係数を有するように選択することができる。これは、ナノ粒子114を含まない表面139よりも高い摩擦係数を有する摩擦改質面138を物品136に提供する。
【0070】
本発明の別の例示的な物品142が図8に示されている。この物品142は、図6に示す物品126と同様である。この物品142は、プライバシーグレージングとしての使用に特に適している。物品142は、表面32に隣接する少なくとも1つのナノ粒子領域130、132を有するガラス基板144を含む。オプションのコーティング132が存在してもよい。光源146は、物品142の縁部148に隣接して配置される。光源146が停止されると、物品142は第1透明度レベルを有する。光源146が作動されると、ナノ粒子114は光源146からの光波150を散乱させ、物品142は第2透明度レベルを有する。第2透明度レベルは、ナノ粒子120、122による光波150の散乱のため、第1透明度レベルよりも低い。
【0071】
本発明の構成を組み込んだOLEDデバイス154が図9に示されている。OLEDデバイス154は、基板156と、電極(例えば、カソード158)と、発光層160と、別の電極(例えば、アノード162)とを含む。
【0072】
カソード158は、任意の従来のOLEDカソードとすることができる。適切なカソード158の例には、バリウム及びカルシウムなどの金属が含まれるが、これらに限定されない。カソード158は、通常、低い仕事関数を有する。
【0073】
発光層160は、当技術分野で知られているような従来の有機エレクトロルミネッセンス層とすることができる。そのような材料の例には、小分子(例えば、有機金属キレート(例えば、Alq))、蛍光及び燐光染料、及び共役デンドリマーが含まれるが、これらに限定されない。適切な材料の例には、トリフェニルアミン、ペリレン、ルブレン、及びキナクリドンが含まれる。あるいはまた、エレクトロルミネセンスポリマー材料も知られている。このような導電性ポリマーの例としては、ポリ(p-フェニレンビニレン)及びポリフルオレンが挙げられる。燐光材料を使用することもできる。このような材料の例としては、有機金属錯体(例えば、イリジウム錯体)がドーパントとして添加されたポリマー(例えば、ポリ(n-ビニルカルバゾール))が挙げられる。
【0074】
アノード162は、導電性透明材料(例えば、金属酸化物材料(例えば、酸化インジウムスズ(ITO)又はアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)が挙げられるが、これらに限定されない))とすることができる。アノード162は、通常、高い仕事関数を有する。
【0075】
基板156は、ガラス基板を含み、上述したフロートガラスシステム10で作製することができる。基板156は、550ナノメートル(nm)の基準波長及び3.2mmの基準厚さで高い可視光透過率を有する。「高い可視光透過率」とは、3.2mmの基準厚さで、85%以上(例えば、87%以上(例えば、90%以上(例えば、91%以上(例えば、92%以上(例えば、93%以上(例えば、95%以上))))))の550nm以上の可視光透過率を意味する。例えば、可視光透過率は、3.2mmの基準厚さで、550nmの波長に対して、85%~100%(例えば、87%~100%(例えば、90%~100%(例えば、91%~100%(例えば、92%~100%(例えば、93%~100%(例えば、94%~100%(例えば、95%~100%(例えば、96%~100%))))))))の範囲内とすることができる。本発明の実施に用いることができるガラスの非限定的な例には、ペンシルベニア州ピッツバーグのPPGインダストリーズ社からすべて市販されているStarphire(商標名)、Solarphire(商標名)、Solarphire(商標名)PV、及びCLEAR(商標名)ガラスが含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
基板156は、任意の所望の厚さ(例えば、0.5mm~10mmの範囲内)を有することができる。例えば、基板156は、1mm~10mmの範囲内の厚さを有することができる。例えば、基板156は、1mm~4mmの範囲内の厚さを有することができる。例えば、基板156は、2mm~3.2mmの範囲内の厚さを有することができる。
【0077】
基板156は、上述したように、1以上のナノ粒子領域128及び/又は130によって形成された内部光抽出領域164を含む。適切なナノ粒子の例としては、酸化物ナノ粒子が挙げられるが、これに限定されない。例えば、アルミナ、チタニア、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、シリカ、及びジルコニアが挙げられるが、これらに限定されない。他の例は、金属ナノ粒子を含む。例えば、鉄、鋼、銅、銀、金、及びチタンが挙げられるが、これらに限定されない。更なる例は、2以上の材料の合金を含む合金ナノ粒子を含む。更なる例は、硫化物含有ナノ粒子及び窒化物含有ナノ粒子を含む。
【0078】
内部光抽出領域164のナノ粒子114は、上記のような発光性及び/又は燐光性のナノ粒子114を含むことができる。発光層160が電磁放射線を放出するとき、この放射線はナノ粒子114によって吸収されることができ、次いでそれ自体、電磁放射線を放出する。したがって、ナノ粒子114は、光散乱を増大させるだけでなく、OLEDの電磁放射線出力を増加させる。また、ナノ粒子用に選択される燐光体(蛍光体)は、発光層160から放出される電磁放射線と組み合わせたときに、所望の色の電磁放射を提供するように選択することができる。例えば、発光層160が青色光を放射する場合、発光性及び/又は燐光性ナノ粒子114は、結合して緑色光を形成する赤色光を放出するように選択することができる。
【0079】
これらのナノ粒子は、0ミクロン~50ミクロンの範囲の深さで基板156に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0ミクロン~10ミクロンの範囲の深さで基板156に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0ミクロン~5ミクロンの範囲の深さで基板156に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0ミクロン~3ミクロンの範囲の深さで基板156に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0ミクロンより大きく3ミクロンまでの範囲の深さで基板156に組み込むことができる。
【0080】
OLEDデバイス154は、外部光抽出領域166を含むことができる.EELは、例えば、コーティング中に分散されたナノ粒子114を有するコーティングとすることができる。
【0081】
ナノ粒子は、0.1重量パーセント~50重量パーセントの範囲でコーティング材料に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0.1重量%~40重量%の範囲でコーティング材料に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0.1重量%~30重量%、例えば、0.1重量%~20重量%、例えば、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~8重量パーセント、例えば、0.1重量パーセント~6重量パーセント、例えば、0.1重量パーセント~5重量パーセントである。例えば、ナノ粒子は、0.1~2重量%、例えば、0.1~1重量%、例えば、0.1~0.5重量%、例えば、0.1~0.4重量%、例えば、0.1~0.3重量パーセント、例えば、0.2重量パーセント~10重量パーセント、である。例えば、ナノ粒子は、0.2重量%~5重量%、例えば、0.2重量%~1重量%の範囲でコーティング材料に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0.2重量%~0.8重量%の範囲でコーティング材料に組み込むことができる。例えば、ナノ粒子は、0.2重量%~0.4重量%の範囲でコーティング材料に組み込むことができる。
【0082】
本発明は、フロートガラスプロセスに限定されない。本発明は、例えば、ガラスドローダウンプロセスを用いて実施することができる。ドローダウンプロセスでは、溶融ガラスは、レシーバ内に配置される。溶融ガラスがレシーバから流出し、ガラスリボンを形成する。ガラスリボンは、重力の影響を受けて下方に移動する。ドローダウンプロセスの例には、スロットドローダウンプロセス及び溶融ドローダウンプロセスが含まれる。スロットドローダウンプロセスにおいて、レシーバは、トラフの底部に開放された放出スロットを有する細長い容器又はトラフである。溶融ガラスは、放出スロットを通って流れ、ガラスリボンを形成する。溶融ドローダウンプロセスにおいて、レシーバは、上部が開放されているが、トラフの底部に放出スロットがないトラフである。溶融ガラスは、トラフの上部からトラフの対向する外側面を流れ落ち、トラフの下にガラスリボンを形成する。
【0083】
図10は、スロットドローダウンシステムとして構成された例示的なドローダウンシステム170を示す。溶融ガラス172は、容器174の底部に放出スロット176を有する容器174(例えば、トラフ)内に配置される。溶融ガラス172は、放出スロット176から流出し、第1側面180及び第2側面182を有するガラスリボン178を形成する。ガラスリボン178は、重力の下で下方に移動する。ガラスリボン178が移動する垂直面は、ドローダウンシステム170用のガラスリボン経路184を画定する。ガラスリボン経路184は、第1側面186及び第2側面188を有する。
【0084】
1以上のナノ粒子コーティング装置は、ガラスリボン経路184の第1側面186に隣接して配置されている。図示の例では、第1ナノ粒子コーティング装置44は、第2ナノ粒子コーティング装置64の上に配置されている。ガラスリボン経路184の第1側面186に隣接して、1以上の追加のコーティング装置190(例えば、CVDコーティング装置及び/又はスプレーコーティング装置及び/又はフレームスプレーコーティング装置及び/又は蒸着コーティング装置)を配置することができる。追加のコーティング装置190は、例えば、上記のような蒸着コーティング装置74とすることができる。
【0085】
1以上のナノ粒子コーティング装置は、ガラスリボン経路184の第2側面188に隣接して配置されている。図示の例では、第3ナノ粒子コーティング装置192は、第4ナノ粒子コーティング装置194の上に配置されている。第3ナノ粒子コーティング装置192及び第4ナノ粒子コーティング装置194は、上述のナノ粒子コーティング装置44、64と同じとすることができる。ガラスリボン経路184の第2側面188に隣接して、1以上の追加のコーティング装置190(例えば、CVDコーティング装置及び/又はスプレーコーティング装置及び/又はフレームスプレーコーティング装置及び/又は蒸着コーティング装置)を配置することができる。追加のコーティング装置190は、例えば、上記のような蒸着コーティング装置74とすることができる。
【0086】
1以上のナノ粒子領域は、ガラスリボン178の片側又は両側180、182の上及び/又は中にナノ粒子コーティング装置44、64、192、194によって堆積させることができる。例えば、図11図14に示すように、第1及び/又は第2ナノ粒子コーティング装置44、64によって、1以上の第1及び/又は第2ナノ粒子領域128、130を形成することができる。第3及び/又は第4のナノ粒子コーティング装置192、194によって、1以上の第3及び/又は第4ナノ粒子領域228、230を形成することができる。追加のコーティング装置190によって、ガラスリボン178の片面又は両面180、182の上に、1以上のコーティング層202を塗布することができる。
【0087】
図11は、図6に示されたものと同様の物品200を示しているが、本発明のドローダウンシステム170を用いて作られている。1以上の第1及び/又は第2ナノ粒子領域128、130は、物品200の第1側面180に隣接して配置することができる。1以上の第3及び/又は第4ナノ粒子領域228、230は、物品200の第2側面182に隣接して配置することができる。追加のコーティング装置190によって堆積されたオプションのコーティング202は、物品200の第1側面180及び/又は第2側面182上に配置することができる。
【0088】
図12は、図7に示したものと同様の物品204を示しているが、本発明のドローダウンシステム170を用いて作られている。物品204は、物品204の各側面180、182に形成された摩擦改質面138を含む。
【0089】
図13は、図8に示したものと同様の物品206を示しているが、本発明のドローダウンシステム170を用いて作られている。物品206は、第1表面180に隣接する1以上の第1及び/又は第2ナノ粒子領域128、130及び第2側面182に隣接する1以上の第3及び/又は第4のナノ粒子領域228、230を含む。光源146は、ナノ粒子領域128、130、228、230に隣接する物品206の縁部148に隣接して配置される。
【0090】
図14は、図8に示したものと同様のOLEDデバイスの形態の物品208を示しているが、基板156は本発明のドローダウンシステム170を用いて作られている。基板156は、第1表面210に隣接する1以上の第1及び/又は第2ナノ粒子領域128、130、及び第2表面212に隣接する1以上の第3及び/又は第4ナノ粒子領域228、230を含む。
【0091】
本発明は、以下の番号付けされた項で更に説明することができる。
【0092】
第1項:フロートバス内に配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置と、少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置の下流に配置された少なくとも1つの蒸着コーティング装置とを含むフロートバスコーティングシステム。
【0093】
第2項:フロートバスは、減衰領域を含み、少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置は、減衰領域の上流に配置されている、第1項に記載のシステム。
【0094】
第3項:フロートバスは、減衰領域を含み、少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置は、減衰領域の下流に配置されている、第1項に記載のシステム。
【0095】
第4項:ナノ粒子コーティング装置は、ハウジングと、ナノ粒子放出スロットと、少なくとも1つの燃焼スロットとを含む、第1項~第3項に記載のシステム。
【0096】
第5項:ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源及びキャリア流体源に接続されている、第4項に記載のシステム。
【0097】
第6項:ナノ粒子源は、蒸発装置を含む、第5項に記載のシステム。
【0098】
第7項:ナノ粒子源は、金属酸化物ナノ粒子を含む、第5項又は第6項に記載のシステム。
【0099】
第8項:ナノ粒子源は、発光性及び/又は燐光性ナノ粒子を含む、第5項~第7項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0100】
第9項:ナノ粒子源は、リンを含む、第5項~第8項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0101】
第10項:ナノ粒子源は、発光ナノ結晶性ナノ粒子を含む、第5項~第9項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0102】
第11項:ナノ結晶性ナノ粒子は、ユーロピウムをドープした酸化イットリウム、テルビウムをドープした酸化イットリウム、及びマンガンをドープしたスズ酸亜鉛から選択される、第10項に記載のシステム。
【0103】
第12項:キャリア流体は、窒素を含む、第5項~第11項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0104】
第13項:少なくとも1つの燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続されている、第5項~第12項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0105】
第14項:燃料源は、天然ガスを含む、第13項に記載のシステム。
【0106】
第15項:酸化剤源は、酸素を含む、第13項又は第14項に記載のシステム。
【0107】
第16項:少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置は、第1燃焼スロット及び第2燃焼スロットを含み、第1燃焼スロットと第2燃焼スロットとの間にナノ粒子放出スロットが配置されている、第4項~第15項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0108】
第17項:第1ナノ粒子コーティング装置及び第2ナノ粒子コーティング装置を含む、第1項~第16項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0109】
第18項:第1ナノ粒子コーティング装置は、第1ナノ粒子源に接続され、第2ナノ粒子コーティング装置は、第2ナノ粒子源に接続される、第17項に記載のシステム。
【0110】
第19項:第1ナノ粒子源は、第2ナノ粒子源とは異なる、第18項に記載のシステム。
【0111】
第20項:第1ナノ粒子源は、第2ナノ粒子源のナノ粒子よりも小さいナノ粒子を含む、第18項又は第19項に記載のシステム。
【0112】
第21項:第1ナノ粒子コーティング装置は、第1燃料源及び第1酸化剤源に接続され、第2ナノ粒子コーティング装置は、第2燃料源及び第2酸化剤に接続されている、第17項~第20項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0113】
第22項:第1燃料源は、第2燃料源とは異なる、第21項に記載のシステム。
【0114】
第23項:第1酸化剤源は、第2酸化剤源とは異なる、第21項又は第22項に記載のシステム。
【0115】
第24項:フロートバス内に配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置を含み、少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置は、ハウジングと、ナノ粒子放出スロットと、第1燃焼スロットと、第2燃焼スロットとを含み、ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源及びキャリア流体源に接続され、第1燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続され、第2燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続されるフロートバスコーティングシステム。
【0116】
第25項:フロートバスと、減衰ゾーンを画定する複数の対向するローラアセンブリの組と、フロートバス中に配置された少なくとも1つの第1ナノ粒子コーティング装置とを含むフロートガラスシステム。
【0117】
第26項:第1ナノ粒子コーティング装置は、ナノ粒子放出スロット及び少なくとも1つの燃焼スロットを有するハウジングを含む、第25項に記載のシステム。
【0118】
第27項:第1ナノ粒子コーティング装置は、第1燃焼スロット及び第2燃焼スロットを含む、第25項又は第26項に記載のシステム。
【0119】
第28項:ナノ粒子放出スロットは、第1燃焼スロットと第2燃焼スロットとの間に配置されている、第25項~第27項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0120】
第29項:ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源及びキャリア流体源に接続されている、第26項~第28項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0121】
第30項:ナノ粒子源は、金属酸化物ナノ粒子、金属ナノ粒子、2以上の材料の合金を含む合金ナノ粒子、硫化物含有ナノ粒子、窒化物含有ナノ粒子、発光ナノ粒子、燐光ナノ粒子、及び発光ナノ結晶性ナノ粒子からなる群から選択されるナノ粒子を含む、及び/又は発生させる、及び/又は供給する、第29項に記載のシステム。
【0122】
第31項:燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続されている、第27項~第30項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0123】
第32項:減衰ゾーンの上流に配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置を含む、第25項~第31項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0124】
第33項:減弱ゾーンの下流に配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置を含む、第25項~第32項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0125】
第34項:減衰ゾーン内に配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置を含む、第25項~第33項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0126】
第35項:少なくとも1つの第2ナノ粒子コーティング装置を含む、第25項~第34項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0127】
第36項:第2ナノ粒子コーティング装置は、第2ナノ粒子源、第2燃料源、及び第2酸化剤源に接続されている、第35項に記載のシステム。
【0128】
第37項:ナノ粒子コーティング装置は、フロートバス内の位置に配置され、ガラスリボンは、ナノ粒子コーティング装置から放出されたナノ粒子がガラスリボン内に所望の深さで埋め込まれるような粘度を有する、第25項~第36項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0129】
第38項:ナノ粒子コーティング装置は、ガラスビーズがナノ粒子コーティング装置から放出されたナノ粒子が所望の深さでガラスリボン内に埋め込まれるような粘度をガラスリボンが有さないフロートバス内の位置に配置されている、第25項~第36項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0130】
第39項:ナノ粒子コーティング装置は、ガラスビーズがナノ粒子コーティング装置から放出されたナノ粒子が所望の深さでガラスリボン内に完全に埋め込まれるような粘度をガラスリボンが有するフロートバス内の位置に配置されている、第25項~第36項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0131】
第40項:ナノ粒子コーティング装置は、ガラスビーズがナノ粒子コーティング装置から放出されたナノ粒子が所望の深さでガラスリボン内に部分的に埋め込まれるような粘度をガラスリボンが有するフロートバス内の位置に配置されている、第25項~第36項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0132】
第41項:少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置の下流のフロートバス内に配置された少なくとも1つの蒸着コーティング装置を含む、第25項~第40項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0133】
第42項:ハウジングと、ナノ粒子放出スロットと、少なくとも1つの燃焼スロットとを含むナノ粒子コーティング装置。
【0134】
第43項:ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源及びキャリア流体源に接続されている、第42項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0135】
第44項:ナノ粒子源は、蒸発器を含む、第43項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0136】
第45項:ナノ粒子源は、金属酸化物ナノ粒子を含む、第42項~第44項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0137】
第46項:ナノ粒子源は、発光性及び/又は燐光性のナノ粒子を含む、第42項~第45項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0138】
第47項:少なくとも1つの燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続されている、第42項~第46項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0139】
第48項:ナノ粒子は、リン光体である、第42項~第47項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0140】
第49項:ナノ粒子は、ナノ結晶性発光材料である、第42項~第48項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0141】
第50項:ナノ結晶性ナノ粒子は、ユーロピウムをドープした酸化イットリウム、テルビウムをドープした酸化イットリウム、及びマンガンをドープしたスズ酸亜鉛から選択される、請求項49に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0142】
第51項:キャリア流体は、窒素を含む、第43項~第50項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0143】
第52項:燃料源は、天然ガスを含む、第47項~第51項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0144】
第53項:酸化剤源は、酸素を含む、第47項~第52項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0145】
第54項:ナノ粒子コーティング装置は、第1燃焼スロット及び第2燃焼スロットを含み、第1燃焼スロットと第2燃焼スロットとの間にナノ粒子放出スロットが配置されている、第42項~第53項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0146】
第55項:第1燃焼スロットは、第1燃料源及び第1酸化剤源に接続され、第2燃焼スロットは、第2燃料源及び第2酸化剤源に接続される、第54項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0147】
第56項:第1燃料源は、第2燃料源とは異なる、第55項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0148】
第57項:第1酸化剤源は、第2酸化剤源とは異なる、第55項又は第56項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0149】
第58項:ハウジングと、ナノ粒子放出スロットと、第1燃焼スロットと、第2燃焼スロットとを含むナノ粒子コーティング装置。
【0150】
第59項:ナノ粒子放出スロットは、第1燃焼スロットと第2燃焼スロットとの間に配置されている、第58項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0151】
第60項:ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源及びキャリア流体源に接続されている、第58項又は第59項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0152】
第61項:ナノ粒子源は、蒸発器を含む、第60項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0153】
第62項:ナノ粒子源は、金属酸化物ナノ粒子を含む、第59項又は第61項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0154】
第63項:ナノ粒子源は、発光性及び/又は燐光性ナノ粒子を含む、第60項~第62項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0155】
第64項:第1燃焼スロットは、第1燃料源及び第1酸化剤源に接続され、第2燃焼スロットは、第2燃料源及び第2酸化剤源に接続されている、第58項~第63項のうちのいずれか1項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0156】
第65項:第1燃料源は、第2燃料源とは異なる、第64項に記載のナノ粒子コーティング装置。
【0157】
第66項:第1表面、第2表面、及び縁部を有するガラス基板と、第1表面及び第2表面のうちの少なくとも1つに隣接して配置された少なくとも1つのナノ粒子領域とを含むガラス物品。
【0158】
第67項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、第1ナノ粒子を含む第1ナノ粒子領域と、第2ナノ粒子を含む第2ナノ粒子領域とを含む、第66項に記載の物品。
【0159】
第68項:第1ナノ粒子は、第2ナノ粒子とは異なる、第67項に記載の物品。
【0160】
第69項:第1ナノ粒子は、第2ナノ粒子よりも大きい、第67項又は第68項に記載の物品。
【0161】
第70項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、金属酸化物ナノ粒子を含む、第66項~第69項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0162】
第71項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、発光性及び/又は燐光性ナノ粒子を含む、第66項~第70項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0163】
第72項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、蛍光体を含む、第66項~第71項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0164】
第73項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、発光ナノ結晶性ナノ粒子を含む、第66項~第72項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0165】
第74項:ナノ粒子は、ユーロピウムをドープした酸化イットリウム、テルビウムをドープした酸化イットリウム、及びマンガンをドープしたスズ酸亜鉛から選択される、第66項~第73項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0166】
第75項:基板の縁部に隣接する光源を含む、第66項~第74項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0167】
第76項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、摩擦改質面を含む、第66項~第75項のいずれか1項に記載の物品。
【0168】
第77項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、基板内に完全に埋め込まれたナノ粒子を含む、第66項~第76項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0169】
第78項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、基板内に部分的に埋め込まれたナノ粒子を含む、第66項~第77項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0170】
第79項:第1表面に隣接する少なくとも1つのナノ粒子領域と、第2表面に隣接する少なくとも1つの他のナノ粒子領域とを含む、第66項~第78項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0171】
第80項:第1表面に隣接する第1ナノ粒子領域及び第2ナノ粒子領域と、第2表面に隣接する第3ナノ粒子領域及び第4ナノ粒子領域とを含む、第79項に記載の物品。
【0172】
第81項:第1ナノ粒子領域は、第2ナノ粒子領域から離間している、第79項又は第80項に記載の物品。
【0173】
第82項:第3ナノ粒子領域は、第4ナノ粒子領域から離間している、第80項又は第81項に記載の物品。
【0174】
第83項:第1表面及び第2表面のうちの少なくとも1つの上に少なくとも1つのコーティング層を含む、第66項~第82項のうちのいずれか1項に記載の物品。
【0175】
第84項:少なくとも1つのコーティング層は、導電性金属酸化物層を含む、第83項に記載の物品。
【0176】
第85項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、第1表面及び第2表面のうちの少なくとも1つの中に部分的に埋め込まれたナノ粒子を含み、ナノ粒子は、基板よりも低い摩擦係数を有する材料を含む、第66項~第84項のいずれか1項に記載の物品。
【0177】
第86項:少なくとも1つのナノ粒子領域は、第1表面及び第2表面のうちの少なくとも1つの中に部分的に埋め込まれたナノ粒子を含み、ナノ粒子は、基板よりも高い摩擦係数を有する材料を含む、第66項~第85項のいずれか1項に記載の物品。
【0178】
第87項:第1表面と、第2表面と、縁部とを有するガラス基板と、第1表面に隣接して配置され、ナノ粒子を含む光抽出領域と、基板の縁部に隣接する光源とを含むプライバシーグレージング。
【0179】
第88項:第1面及び第2面を有するガラスリボン経路を画定する容器と、ガラスリボン経路の第1面及び/又は第2面に隣接して配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置とを含むガラスドローダウンコーティングシステム。
【0180】
第89項:少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置は、ハウジングと、ナノ粒子放出スロットと、少なくとも1つの燃焼スロットとを含む、第88項に記載のシステム。
【0181】
第90項:ナノ粒子放出スロットは、ナノ粒子源及びキャリア流体源に接続されている、第89項に記載のシステム。
【0182】
第91項:ナノ粒子源は、蒸発器を含む、第90項に記載のシステム。
【0183】
第92項:ナノ粒子源は、金属酸化物ナノ粒子を含む、第90項又は第91項に記載のシステム。
【0184】
第93項:ナノ粒子源は、発光性及び/又は燐光性のナノ粒子を含む、請求項90~92のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0185】
第94項:ナノ粒子源は、リンを含む、第90項~第93項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0186】
第95項:ナノ粒子源は、発光ナノ結晶性ナノ粒子を含む、第90項~第94項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0187】
第96項:少なくとも1つの燃焼スロットは、燃料源及び酸化剤源に接続されている、第89項~第95項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0188】
第97項:燃料源は、天然ガスを含む、第96項に記載のシステム。
【0189】
第98項:酸化剤源は、酸素を含む、第96項又は第97項に記載のシステム。
【0190】
第99項:少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置は、第1燃焼スロット及び第2燃焼スロットを含み、第1燃焼スロットと第2燃焼スロットとの間にナノ粒子放出スロットが配置されている、第88項~第98項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0191】
第100項:ガラスリボン経路の第1側面に隣接して配置された少なくとも1つのナノ粒子コーティング装置と、ガラスリボン経路の第2側面に隣接して配置された少なくとも1つの他のナノ粒子コーティング装置とを含む、第88項~第99項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0192】
第101項:ガラスリボン経路の第1側面に隣接して配置された第1ナノ粒子コーティング装置及び第2ナノ粒子コーティング装置を含む、第88項~第100項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0193】
第102項:第1ナノ粒子コーティング装置は、第1ナノ粒子源に接続され、第2ナノ粒子コーティング装置は、第2ナノ粒子源に接続されている、第101項に記載のシステム。
【0194】
第103項:第1ナノ粒子源は、第2ナノ粒子源とは異なる、第102項に記載のシステム。
【0195】
第104項:ガラスリボン経路の第2側に隣接して配置された第3のナノ粒子コーティング装置及び第4のナノ粒子コーティング装置を含む、第101項~第103項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0196】
第105項:第3ナノ粒子コーティング装置は、第3ナノ粒子源に接続され、第4ナノ粒子コーティング装置は、第4ナノ粒子源に接続されている、第104項に記載のシステム。
【0197】
第106項:第3ナノ粒子源は、第4ナノ粒子源とは異なる、第104項又は第105項に記載のシステム。
【0198】
第107項:ガラスリボン経路の第1側面及び/又は第2側面に隣接して配置された少なくとも1つの蒸着コーティング装置を含む、第88項~第106項のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0199】
第108項:少なくとも1つの表面と、摩擦改質面を形成するために前記少なくとも1つの表面内に部分的に埋め込まれたナノ粒子とを含む物品。
【0200】
第109項:ナノ粒子は、基板よりも低い摩擦係数を有する、第108項に記載の物品。
【0201】
第110項:ナノ粒子は、基板よりも高い摩擦係数を有する、第108項に記載の物品。
【0202】
第111項:少なくとも1つの表面を有する基板と、前記表面に隣接する少なくとも1つのナノ粒子領域とを含む物品。
【0203】
第112項:第1ナノ粒子領域及び第2ナノ粒子領域を含む、第111項に記載の物品。
【0204】
第113項:第1表面及び第2表面を有する基板と、電極と、発光層と、別の電極とを含み、基板は、第1表面及び/又は第2表面に隣接する少なくとも1つのナノ粒子領域を含むOLED。
【0205】
第114項:第1側面及び第2側面を有するガラスリボン経路と、ガラスリボン経路の第1側面及び/又は第2側面に隣接して配置された1以上のナノ粒子コーティング装置とを含むドローダウンシステム。
【0206】
第115項:ガラスリボン経路の第1側面及び/又は第2側面に隣接して配置された少なくとも1つの蒸着コーティング装置を含む、第114項に記載のシステム。
【0207】
当業者であれば、上記の説明に開示された概念から逸脱することなく本発明を変更することができることは容易に理解されるであろう。したがって、本明細書に詳細に記載される特定の実施形態は、例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲及びその任意の及び全ての均等物の全範囲を与えられるべきである本発明の範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14