(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】債権管理装置、債権管理方法および債権管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20241017BHJP
【FI】
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2021103426
(22)【出願日】2021-06-22
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 海
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-054764(JP,A)
【文献】特開2020-166445(JP,A)
【文献】特表2007-531941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える債権管理装置であって、
得意先と、複数の請求先と、を紐付けるため、予め数値が割り当てられた複数の請求区分種別を管理する請求区分種別マスタと、
前記複数の請求先に関する請求先情報と、前記複数の請求区分種別のいずれか一つと、を前記得意先に関する得意先情報に紐付けて債権管理する請求先マスタと、
前記得意先情報と、前記複数の請求先を一括管理する請求先一括情報と、を紐付けた得意先マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記請求区分種別マスタ、前記請求先マスタおよび前記得意先マスタを参照し、伝票の受注入力画面に入力された前記得意先情報を基に、最小の値が割り当てられた前記請求区分種別に紐付けられた前記請求先情報を特定する特定手段と、
当該特定した前記請求先情報を前記受注入力画面に表示する表示制御手段と、
を備えること、
を特徴とする債権管理装置。
【請求項2】
前記受注入力画面において表示する前記請求区分種別が変更された場合において、前記請求先マスタを参照し、前記請求区分種別が複数あるか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記受注入力画面において表示する前記請求区分種別が変更された場合において、前記判定手段によって前記請求区分種別が複数あると判定されたとき、前記請求先マスタを参照し、前記得意先情報に紐付く前記複数の請求先情報を含む請求先検索画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記請求先検索画面における前記複数の請求先情報のいずれか一つが選択された場合、前記請求先検索画面から前記受注入力画面に切り替えて表示し、かつ、当該選択された請求先情報を前記受注入力画面に表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の債権管理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
当該特定した前記請求先情報に紐付けられた前記請求区分種別に関する請求区分種別名および前記得意先に関する得意先名を前記受注入力画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の債権管理装置。
【請求項5】
制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理方法であって、
得意先と、複数の請求先と、を紐付けるため、予め数値が割り当てられた複数の請求区分種別を管理する請求区分種別マスタと、
前記複数の請求先に関する請求先情報と、前記複数の請求区分種別のいずれか一つと、を前記得意先に関する得意先情報に紐付けて債権管理する請求先マスタと、
前記得意先情報と、前記複数の請求先を一括管理する請求先一括情報と、を紐付けた得意先マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記請求区分種別マスタ、前記請求先マスタおよび前記得意先マスタを参照し、伝票の受注入力画面に入力された前記得意先情報を基に、最小の値が割り当てられた前記請求区分種別に紐付けられた前記請求先情報を特定する特定ステップと、
当該特定した前記請求先情報を前記受注入力画面に表示する表示制御ステップ、
を含むことを、
を特徴とする債権管理方法。
【請求項6】
制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理プログラムであって、
得意先と、複数の請求先と、を紐付けるため、予め数値が割り当てられた複数の請求区分種別を管理する請求区分種別マスタと、
前記複数の請求先に関する請求先情報と、前記複数の請求区分種別のいずれか一つと、を前記得意先に関する得意先情報に紐付けて債権管理する請求先マスタと、
前記得意先情報と、前記複数の請求先を一括管理する請求先一括情報と、を紐付けた得意先マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記請求区分種別マスタ、前記請求先マスタおよび前記得意先マスタを参照し、伝票の受注入力画面に入力された前記得意先情報を基に、最小の値が割り当てられた前記請求区分種別に紐付けられた前記請求先情報を特定する特定ステップと、
当該特定した前記請求先情報を前記受注入力画面に表示する表示制御ステップ、
を含むこと、
を特徴とする債権管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権管理装置、債権管理方法および債権管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、帳合取引の商流における取引先の組み合わせパターンに変更が生じた場合、ユーザ操作の抽出条件に合致する複数の取引先をそれぞれ識別するための複数の取引先識別情報を次店管理商流パターンマスタから抽出して更新要画面に表示し、ユーザ操作の変更先に一括更新する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的な債権管理では、債権を管理する単位の請求先に対して、売上実績を管理する複数の得意先が多数の構成(1:N(N=2以上の整数))が一般的である。
【0005】
しかしながら、美容室(サロン)等の理美容業界では、得意先としての美容室に対して、美容室の業務に請求する場合、美容室の通常の業務以外の用途で美容室に卸して美容室に請求する場合、および美容室で働く店員(スタッフ)等の個人用で美容室に在籍する個人に卸して請求する場合がある。このため、理美容業界では、一般的な債権管理の構成(1:N)と異なり、複数の請求先に対して、1つの得意先とする構成(N:1)で管理する必要があるが、上述した特許文献1では、何ら考慮されておらず、受注または売上の入力が煩雑になるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の請求先に対して、1つの得意先とする構成で管理する場合であっても、受注または売上の入力を容易に選択することができる債権管理装置、債権管理方法および債権管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権管理装置は、制御部を備える債権管理装置であって、得意先と、複数の請求先と、を紐付けるため、予め数値が割り当てられた複数の請求区分種別を管理する請求区分種別マスタと、前記複数の請求先に関する請求先情報と、前記複数の請求区分種別のいずれか一つと、を前記得意先に関する得意先情報に紐付けて債権管理する請求先マスタと、前記得意先情報と、前記複数の請求先を一括管理する請求先一括情報と、を紐付けた得意先マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記請求区分種別マスタ、前記請求先マスタおよび前記得意先マスタを参照し、伝票の受注入力画面に入力された前記得意先情報を基に、最小の値が割り当てられた前記請求区分種別に紐付けられた前記請求先情報を特定する特定手段と、当該特定した前記請求先情報を前記受注入力画面に表示する表示制御手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る債権管理方法は、制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理方法であって、得意先と、複数の請求先と、を紐付けるため、予め数値が割り当てられた複数の請求区分種別を管理する請求区分種別マスタと、前記複数の請求先に関する請求先情報と、前記複数の請求区分種別のいずれか一つと、を前記得意先に関する得意先情報に紐付けて債権管理する請求先マスタと、前記得意先情報と、前記複数の請求先を一括管理する請求先一括情報と、を紐付けた得意先マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、前記請求区分種別マスタ、前記請求先マスタおよび前記得意先マスタを参照し、伝票の受注入力画面に入力された前記得意先情報を基に、最小の値が割り当てられた前記請求区分種別に紐付けられた前記請求先情報を特定する特定ステップと、当該特定した前記請求先情報を前記受注入力画面に表示する表示制御ステップ、を含むことを、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権管理プログラムは、制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理プログラムであって、得意先と、複数の請求先と、を紐付けるため、予め数値が割り当てられた複数の請求区分種別を管理する請求区分種別マスタと、前記複数の請求先に関する請求先情報と、前記複数の請求区分種別のいずれか一つと、を前記得意先に関する得意先情報に紐付けて債権管理する請求先マスタと、前記得意先情報と、前記複数の請求先を一括管理する請求先一括情報と、を紐付けた得意先マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記請求区分種別マスタ、前記請求先マスタおよび前記得意先マスタを参照し、伝票の受注入力画面に入力された前記得意先情報を基に、最小の値が割り当てられた前記請求区分種別に紐付けられた前記請求先情報を特定する特定ステップと、当該特定した前記請求先情報を前記受注入力画面に表示する表示制御ステップ、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の請求先に対して、1つの得意先とする構成で管理する場合であっても、受注または売上の入力を容易に選択することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る債権管理装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る請求区分種別マスタにおける請求区分種別データテーブルの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る請求先マスタにおける請求先データテーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る特先マスタにおける得意先データテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る債権管理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、受注入力画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、受注入力画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、受注入力画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、受注入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る債権管理装置、債権管理方法および債権管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.構成]
本実施形態に係る債権管理装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、債権管理装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【0014】
図1に示す債権管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、債権管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
債権管理装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。債権管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、債権管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と、通信回線と、を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権管理装置100と、サーバ200と、を相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112と、出力装置114と、が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、請求区分種別マスタ106aと、請求先マスタ106bと、得意先マスタ106cと、を記憶している。
【0019】
請求区分種別マスタ106aは、得意先と、複数の請求先と、を紐付けるため、予め数値が割り当てられた複数の請求区分種別を管理する。
【0020】
図2は、請求区分種別マスタ106aにおける請求区分種別データテーブルの一例を示す図である。
図2に示す区分種別データテーブルT1には、予め数値が割り当てられた請求区分種別を示す請求区分種別情報(請求区部種別コード)と、請求区部種別名と、を対応付けて設定された状態で保存されている。例えば、
図2に示すように、区分種別データテーブルT1の1列目には、請求区分種別情報としての請求区分種別コードが「1」、請求区分種別名が「業務」を対応付けて設定された状態で保持されている。さらに、
図2に示すように、区分種別データテーブルT1の2列目には、請求区分種別情報としての請求区分種別コードが「2」、請求区分種別名が「別口」を対応付けて設定された状態で保持されている。さらにまた、区分種別データテーブルT1の3列目には、請求区分種別情報としての請求区分種別コードが「9」、請求区分種別名が「個人」を対応付けて設定された状態で保持されている。ここで、業務とは、主要な取引、例えば通常業務を示す。具体的には、業務とは、基本的に1つの美容室(サロン)で1つの請求先が所属する。また、別口とは、主要以外、例えば通常業務以外(エステ、ネイルおよび雑品・備品等)の取引を示す。具体的には、別口とは、1つの美容室(サロン)で複数の請求先が紐付けられた場合である。さらに、個人とは、美容室(サロン)に所属する美容師との取引を示す。具体的には、個人とは、1つの美容室(サロン)に所属する複数の美容室の各々に対して複数の請求先が紐付けられた場合である。
【0021】
請求先マスタ106bは、複数の請求先に関する請求先情報と、複数の請求区分種別のいずれか一つと、を得意先に関する得意先情報に紐付けて債権管理する。
【0022】
図3は、請求先マスタ106bにおける請求先データテーブルの一例を示す図である。
図3に示す請求先データテーブルT2には、複数の請求先に関する請求先情報(請求先コード)と、請求先名と、複数の請求区分種別(請求区分種別コード)のいずれか一つと、を得意先に関する得意先情報(得意先コード)と、を紐付けられた状態で保存されている。例えば、
図3に示すように、請求先データテーブルT2の1列目には、請求先情報としての請求先コードが「45210-101」、請求先名が「業務」、請求区分種別情報としての請求区分種別コードが「1」および得意先情報としての得意先コードが「45210」を紐付けられた状態で保存されている。
【0023】
得意先マスタ106cは、得意先情報と、複数の請求先を一括管理する請求先一括情報とを紐付けて売上実績を管理する。
【0024】
図4は、得意先マスタ106cにおける得意先データテーブルの一例を示す図である。
図4に示す得意先データテーブルT3の1列目には、得意先情報としての得意先コードが「45210」、得意先名が「サロン○○○」および請求先一括情報としての請求先一括コードが「45210」を紐付けられた状態で保存されている。
【0025】
図1に戻り、債権管理装置100の構成の説明を続ける。
制御部102は、債権管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、特定部102aと、判定部102bと、表示制御部102cと、を備える。
【0026】
特定部102aは、請求区分種別マスタ106a、請求先マスタ106bおよび得意先マスタ106cを参照し、伝票の受注入力画面に入力された得意先情報(得意先コード)を基に、最小の値が割り当てられた請求区分種別に紐付けられた請求先情報(請求先コード)を特定する。
【0027】
判定部102bは、受注入力画面において表示する請求区分種別が変更された場合において、請求先マスタ106bを参照し、請求区分種別が複数あるか否かを判定する。
【0028】
表示制御部102cは、特定部102aが特定した請求先情報を出力装置114に受注入力画面を表示する。また、表示制御部102cは、受注入力画面において表示する請求区分種別が変更された場合において、判定部102bによって請求区分種別が複数あると判定されたとき、請求先マスタ106bを参照し、得意先情報に紐付く複数の請求先情報を含む請求先検索画面を出力装置114に表示する。さらに、表示制御部102cは、請求先検索画面における複数の請求先情報のいずれか一つが選択された場合、請求先検索画面から受注入力画面に切り替えて表示し、かつ、ユーザによって選択された請求先情報を受注入力画面に表示する。また、表示制御部102cは、特定部102aが特定した請求先情報に紐付けられた請求区分種別に関する請求区分種別名および得意先に関する得意先名を受注入力画面に表示する。
【0029】
[2.債権管理装置100が実行する処理]
次に、債権管理装置100が実行する処理について説明する。
図5は、債権管理装置100が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0030】
図5に示すように、まず、表示制御部102cは、ユーザの入力装置112の操作に応じて、出力装置114に受注入力画面を出力することによって、出力装置114に受注入力画面を表示させる(ステップS101)。
【0031】
図6は、受注入力画面の一例を示す図である。
図6に示す受注入力画面P1には、受注番号の入力を受け付け可能な受注番号入力領域m1、受注日の入力を受け付け可能な受注日入力領域m2、出荷日の入力を受け付け可能な出荷日入力領域m3、得意先情報の入力を受け付け可能な得意先入力領域m4、請求区分種別の入力を受け付け可能な請求区分種別領域m5および請求先情報が表示される請求先情報表示領域m6が含まれる。さらに、受注入力画面P1には、得意先情報に応じて得意先名が表示される得意先表示領域m11と、請求先名が表示される請求先表示領域m12が含まれる。さらにまた、受注入力画面P1には、受注商品の商品名、売上数、単価および金額を含む商品領域m21が含まれる。
【0032】
図5に戻り、ステップS102以降の説明を続ける。
ステップS102において、判定部102bは、ユーザが入力装置112を操作することによって、得意先入力領域m4に得意先情報が入力されたか否かを判定する。判定部102bによって得意先入力領域m4に得意先情報が入力されたと判定された場合(ステップS102:Yes)、債権管理装置100は、後述するステップS103へ移行する。これに対して、判定部102bによって得意先入力領域m4に得意先情報が入力されていないと判定された場合(ステップS102:No)、債権管理装置100は、後述するステップS111へ移行する。
【0033】
続いて、特定部102aは、得意先入力領域m4に入力された得意先情報を取得し(ステップS103)、請求区分種別マスタ106a、請求先マスタ106bおよび得意先マスタ106cを参照し、最小の値が割り当てられた請求区分種別に紐付けられた請求先情報を特定する(ステップS104)。具体的には、
図7に示すように、特定部102aは、得意先入力領域m4に入力された得意先情報が「45210」の場合、請求先マスタ106bを参照し、請求先マスタ106bにおいて、最小の値が割り当てられた請求区分種別に紐付けられた請求先情報として、業務の「45210-101」を特定する(
図3の請求先データテーブルT2を参照)。
【0034】
続いて、表示制御部102cは、特定部102aが特定した最小の値が割り当てられた請求先情報を受注入力画面P1に表示させる(ステップS105)。具体的には、
図8に示すように、表示制御部102cは、特定部102aが特定した最小の値が割り当てられた請求区分種別として「1」を受注入力画面P1の請求区分種別領域m5に表示させる。この場合、表示制御部102cは、請求区分種別情報を保持している請求先情報が一意に定まる請求先情報、具体的には「45210-101」を受注入力画面P1の請求先情報表示領域m6に初期設定して表示させる。さらに、表示制御部102cは、得意先表示領域m11に得意先に関する得意先名「サロンA」、および、請求先表示領域m12に請求先名「業務」を表示させる。これにより、ユーザは、複数の請求先に対して、1つの得意先とする構成で管理する場合であっても、受注または売上の入力を容易に選択することができる。
【0035】
その後、判定部102bは、ユーザが入力装置112を操作することによって、請求区分種別が変更されたか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、
図9に示すように、判定部102bは、ユーザが入力装置112を操作することによって、請求区分種別が「1」から「2」に変更されたか否かを判定する。判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することによって、請求区分種別が変更されたと判定された場合(ステップS106:Yes)、債権管理装置100は、後述するステップS107へ移行する。これに対して、判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することによって、請求区分種別が変更されていないと判定された場合(ステップS106:No)、債権管理装置100は、後述するステップS111へ移行する。
【0036】
ステップS107において、判定部102bは、請求先マスタ106bを参照し、ユーザが入力装置112を操作することによって入力した請求区分種別が複数あるか否かを判定する。判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することによって入力した請求区分種別が複数あると判定された場合(ステップS107:Yes)、債権管理装置100は、後述するステップS108へ移行する。これに対して、判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することによって入力した請求区分種別が複数ないと判定された場合(ステップS107:No)、債権管理装置100は、後述するステップS110へ移行する。
【0037】
ステップS108において、表示制御部102cは、請求先マスタ106bおよび得意先マスタ106cを参照し、得意先情報に紐付く複数の請求先を含む請求先検索画面を出力装置114へ出力することによって出力装置114に請求先検索画面を表示させる。
【0038】
図10は、請求先検索画面の一例を示す図である。
図10に示す請求先検索画面P2には、得意先情報に紐付く複数の請求先を含む検索結果画面K1が含まれる。この検索結果画面K1には、得意先情報として得意先コード「45210」に紐付く複数の請求先それぞれの複数の請求先情報としての請求先コード「45210-201」、「45210-202」、および「45210-203」が含まれる。これにより、ユーザは、出力装置114が表示する請求先検索画面P2を見ながら、入力装置112を操作することによって、所望の請求先を選択することができる。
【0039】
図5に戻り、ステップS109移行の説明を続ける。
ステップS109において、判定部102bは、ユーザが入力装置112を操作することで、複数の請求先のいずれか1つを選択したか否かを判定する。判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することで、複数の請求先のいずれか1つを選択したと判定された場合(ステップS109:Yes)、債権管理装置100は、後述するステップS110へ移行する。これに対して、判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することで、複数の請求先のいずれか1つを選択していないと判定された場合(ステップS109:No)、債権管理装置100は、上述したステップS108へ戻る。
【0040】
ステップS110において、表示制御部102cは、ユーザが入力装置112を操作することで選択した請求先情報を受注入力画面P1に表示させる。例えば、
図11に示すように、表示制御部102cは、ユーザが入力装置112を操作することで、
図10の検索結果画面K1から請求先情報として請求先コード「45210-201」、請求先名「エステ」を選択した場合、この選択結果に応じた受注入力画面P3に表示させる。これにより、ユーザは、複数の請求先に対して、1つの得意先とする構成で管理する場合であっても、受注または売上の入力を容易に選択することができる。
【0041】
続いて、判定部102bは、ユーザが入力装置112を操作することで終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS111)。判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することで終了操作が行われたと判定した場合(ステップS111:Yes)、債権管理装置100は、本処理を終了する。これに対して、判定部102bによってユーザが入力装置112を操作することで終了操作が行われていないと判定された場合(ステップS111:No)、債権管理装置100は、上述したステップS106へ戻る。
【0042】
以上説明した実施形態によれば、特定部102aが請求区分種別マスタ106a、請求先マスタ106bおよび得意先マスタ106cを参照し、伝票の受注入力画面P1に入力された得意先情報(得意先コード)を基に、最小の値が割り当てられた請求区分種別に紐付けられた請求先情報(請求先コード)を特定し、表示制御部102cが特定部102aが特定した請求先情報を出力装置114に受注入力画面P1(
図8を参照)を表示するため、複数の請求先に対して、1つの得意先とする構成で管理する場合であっても、受注または売上の入力を容易に選択することができる。
【0043】
また、実施形態によれば、表示制御部102cは、受注入力画面P1において表示する請求区分種別が変更された場合において、判定部102bによって請求区分種別が複数あると判定されたとき、請求先マスタ106bを参照し、得意先情報に紐付く複数の請求先情報を含む請求先検索画面P2を出力装置114に表示する。これにより、ユーザは、複数の請求先を直感的に把握することができる。
【0044】
また、実施形態によれば、表示制御部102cが請求先検索画面P2における複数の請求先情報のいずれか一つが選択された場合、請求先検索画面P2(
図10を参照)から受注入力画面P3(
図11を参照)に切り替えて表示し、かつ、ユーザによって選択された請求先情報を受注入力画面P3に表示する。これにより、ユーザは、選択した請求先に対する受注または売上の入力を容易に行うことができる。
【0045】
また、実施形態によれば、表示制御部102cが特定部102aによって特定された請求先情報に紐付けられた請求区分種別に関する請求区分種別名および得意先に関する得意先名を受注入力画面P1(
図8を参照)に表示するため、ユーザは、選択した請求先の請求区分種別および得意先名を直感的に把握することができる。
【0046】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0049】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0050】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0051】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0052】
また、債権管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0053】
例えば、債権管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0054】
また、このコンピュータプログラムは、債権管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0055】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0056】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0057】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0058】
また、債権管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0059】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、複数の請求先に対して、1つの得意先とする構成の理美容業界や化粧品業界等において有用である。
【符号の説明】
【0061】
100 債権管理装置
102 制御部
102a 特定部
102b 判定部
102c 表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 請求区分種別マスタ
106b 請求先マスタ
106c 得意先マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク