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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】水位センサの設置構造
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/00 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
A01G25/00 501D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021166551
(22)【出願日】2021-10-11
(65)【公開番号】P2023057190
(43)【公開日】2023-04-21
【審査請求日】2023-12-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 試験設置の説明会(北陸農政局 関川用水農業水利事業所)2021年2月16日開催〔刊行物等〕 試験設置の利用者対象説明会(新潟県上越市)2021年3月1日開催〔刊行物等〕 新潟県上越市内 2021年4月26日設置
(73)【特許権者】
【識別番号】505142964
【氏名又は名称】株式会社クボタケミックス
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(72)【発明者】
【氏名】井内 友昭
(72)【発明者】
【氏名】平尾 和弘
(72)【発明者】
【氏名】四元 友治
(72)【発明者】
【氏名】氏家 光晴
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-201427(JP,A)
【文献】特開2018-124163(JP,A)
【文献】特開2017-211360(JP,A)
【文献】特開2004-350501(JP,A)
【文献】特開平11-123027(JP,A)
【文献】特開平10-195856(JP,A)
【文献】特開平09-327242(JP,A)
【文献】特開平08-278184(JP,A)
【文献】特開平07-133764(JP,A)
【文献】国際公開第2021/035309(WO,A2)
【文献】水田の多機能型自動給水機 「水 み まわりくん」「水 み まわりゲートくん」専用 『水位水温センサー』発売のお知らせ ~水位・水温の見える化~,プレスリリース,日本,株式会社ほくつう,2021年04月,第1―2頁,https://www.hokutsu.co.jp/_kanri/wp-content/uploads/2021/04/f64e70bc7ab215fe285912012671cc1a.pdf
【文献】WATARAS 再設置の手順と注意事項について,説明書,日本,株式会社クボタケミックス,2021年03月24日,第1―5頁,https://agriculture.kubota.co.jp/after-support/manual/download.html?hash=234833147b97bb6aed53a8f4f1c7a7d8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の水位を検出する水位センサの設置構造であって、
圃場水の静電容量または圧力の変化を利用して前記圃場の水位を検出するセンサ部と、前記センサ部を収容する縦筒状の筐体とを備える水位センサ、
厚み方向に貫通する複数の孔を有し、前記筐体を囲繞するように下端部が前記圃場に埋め込まれて立設された防護筒、および
前記筐体を保持するセンサ保持部を有する設置台を備える、水位センサの設置構造。
【請求項2】
前記センサ保持部には、前記筐体の下端部が着脱可能に嵌め入れられる、請求項1記載の水位センサの設置構造。
【請求項3】
前記防護筒は、側壁と底壁とを有する有底筒状に形成され、
前記設置台が前記底壁に取り付けられている、請求項2記載の水位センサの設置構造。
【請求項4】
前記設置台は、前記センサ保持部の高さ位置を調整可能に設けられる、請求項2または3記載の水位センサの設置構造。
【請求項5】
前記防護筒の上端部と前記筐体の上端部とを連結するように設けられ、前記防護筒に対する前記筐体の横ずれを防止する位置決め部材をさらに備える、請求項2から4のいずれかに記載の水位センサの設置構造。
【請求項6】
前記設置台は、前記筐体の上端部を保持する前記センサ保持部と、前記センサ保持部と前記防護筒の上端部とを連結する連結部とを有する、請求項1記載の水位センサの設置構造。
【請求項7】
前記防護筒の内面側に設けられ、前記複数の孔から当該防護筒内への泥の侵入を防ぐ遮泥フィルタをさらに備える、請求項1から6のいずれかに記載の水位センサの設置構造。
【請求項8】
前記防護筒から外方に突出するアンカをさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の水位センサの設置構造。
【請求項9】
前記防護筒の上部開口を覆うカバーをさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載の水位センサの設置構造。
【請求項10】
前記圃場は、当該圃場を区画する畦畔に設けられた圃場拡張部を含み、
当該水位センサの設置構造が前記圃場拡張部に設けられた、請求項1から9のいずれかに記載の水位センサの設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水位センサの設置構造に関し、特にたとえば、圃場の水位を検出する水位センサの設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の水位センサの設置構造の一例が特許文献1に開示される。特許文献1の技術では、圃場に単管パイプ(棒状の固定具)を突き刺し、自在クランプ等を用いて、この単管パイプに水位センサ(センサ端末)の筐体を連結固定することで、水位センサが圃場に立設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-103099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、給水栓からの給水時および強風時などに用水に発生する波の影響により、水位センサの読取値が振動して、圃場の水位を正確に測定(検出)できない場合があった。また、水位センサを圃場に突き立てるので、水位センサの筐体内に土が入り込み、センサ部に土が付着することで誤測定される場合があった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、水位センサの設置構造を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、水位センサの検出精度を高めることができる、水位センサの設置構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、圃場の水位を検出する水位センサの設置構造であって、圃場水の静電容量または圧力の変化を利用して圃場の水位を検出するセンサ部と、センサ部を収容する縦筒状の筐体とを備える水位センサ、厚み方向に貫通する複数の孔を有し、筐体を囲繞するように下端部が圃場に埋め込まれて立設された防護筒、および筐体を保持するセンサ保持部を有する設置台を備える、水位センサの設置構造である。
【0008】
第1の発明では、水位センサの設置構造は、水位センサ、防護筒および設置台を備える。水位センサは、圃場の水位を検出するセンサ部と、センサ部を収容する縦筒状の筐体とを備える。また、防護筒は、下端部が圃場に埋め込まれることで圃場に立設され、水位センサの筐体を囲繞するように設けられる。この防護筒には、厚み方向に貫通する複数の孔が形成されており、これら複数の孔は、用水の出入口として用いられる。また、設置台は、筐体を保持するセンサ保持部を有する。
【0009】
第1の発明によれば、水位センサを防護筒によって囲繞するので、水位センサは、給水時および強風時などに発生する波の影響を受け難くなり、水位センサの読取値を安定させることができる。また、水位センサを防護筒によって囲繞すると共に設置台によって保持することで、水位センサが土壌に埋没することが防止され、センサ部に土が付着することによる誤測定を防止できる。したがって、水位センサの検出精度を高めることができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、センサ保持部には、筐体の下端部が着脱可能に嵌め入れられる。
【0011】
第2の発明によれば、センサ保持部に筐体の下端部を嵌め入れるだけで、水位センサを正確に設置できる。つまり、水位センサの設置が容易となり、かつ水位センサの設置精度を高めることができる。また、センサ保持部から筐体の下端部を引き抜くだけで、水位センサを取り外すことができる。つまり、水位センサの撤去も容易となる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明に従属し、防護筒は、側壁と底壁とを有する有底筒状に形成される。また、設置台は、底壁に取り付けられている。
【0013】
第4の発明は、第2または第3の発明に従属し、設置台は、センサ保持部の高さ位置を調整可能に設けられる。
【0014】
第4の発明によれば、水位センサをより正確に設置することができる。
【0015】
第5の発明は、第2から第4のいずれかの発明に従属し、防護筒の上端部と筐体の上端部とを連結するように設けられ、防護筒に対する筐体の横ずれを防止する位置決め部材をさらに備える。
【0016】
第5の発明によれば、水位センサの上端部の横ずれ(傾き)を確実に防止できるので、水位センサの設置精度および検出精度をより高めることができる。
【0017】
第6の発明は、第1の発明に従属し、設置台は、筐体の上端部を保持するセンサ保持部と、センサ保持部と防護筒の上端部とを連結する連結部とを有する。
【0018】
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明に従属し、防護筒の内周面に設けられ、複数の孔から当該防護筒内への泥の侵入を防ぐ遮泥フィルタをさらに備える。
【0019】
第7の発明によれば、防護筒内への泥の侵入を防ぐことができるので、水位センサのセンサ部に泥が付着することによる誤測定を防止できる。
【0020】
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明に従属し、防護筒から外方に突出するアンカをさらに備える。
【0021】
第8の発明によれば、軟弱な圃場に防護筒を立設した場合でも、防護筒が浮き上がって傾いてしまうこと等を防止でき、圃場に対する防護筒(延いては水位センサ)の設置精度を向上できる。
【0022】
第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明に従属し、防護筒の上部開口を覆うカバーをさらに備える。
【0023】
第9の発明によれば、除草および耕転などで草切れおよび土などの異物が飛散しても、その飛散した異物が防護筒内に入り込むことが防止される。したがって、水位センサのセンサ部に草切れおよび土などの異物が付着することによる誤測定を防止でき、水位センサの検出精度をより高めることができる。
【0024】
第10の発明は、第1から第9のいずれかの発明に従属し、圃場は、当該圃場を区画する畦畔に設けられた圃場拡張部を含む。そして、この水位センサの設置構造は、圃場拡張部に設けられる。
【0025】
第10の発明によれば、水位センサが給水時の水位変動の影響をより受け難くなるので、水位センサの検出精度をより高めることができる。また、防護筒および設置台の設置状態が安定するため、農閑期などに水位センサの撤去および再設置を行っても、水位センサを同じ位置により正確に設置できる。さらに、圃場の耕作領域内にはみ出さないので、水位センサ等が農作業の邪魔になり難い。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、給水時および強風時などに発生する波の影響を受け難くなり、また、センサ部に土が付着することによる誤測定を防止できるので、水位センサの検出精度を高めることができる。
【0027】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この発明の一実施例である水位センサの設置構造を適用した圃場水管理システムを示す図解図である。
図2】電動アクチュエータの内部構造を示す断面図である。
図3】水位センサを示す図解図である。
図4】水位センサの設置構造を示す断面図である
図5】防護筒および設置台を示す断面図である。
図6】防護筒の外観を示す斜視図である。
図7】この発明の他の実施例の水位センサの設置構造を示す断面図である。
図8】この発明のさらに他の実施例の水位センサの設置構造を示す断面図である。
図9】この発明のさらに他の実施例の水位センサの設置構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照して、この発明の一実施例である水位センサの設置構造60(以下、単に「設置構造60」と言う。)は、圃場水管理システム10(以下、単に「システム10」と言う。)において、水位センサ50を設置する際に適用される。詳細は後述するように、この設置構造60は、圃場100の水位を検出する水位センサ50を含み、水位センサ50を防護筒62によって囲繞すると共に設置台64によって保持することで、水位センサ50の検出精度を高めている。
【0030】
先ず、設置構造60の具体的な説明に先立ち、システム10の構成の一例について簡単に説明する。ただし、システム10の構成(給水栓12、落水口14および電動アクチュエータ16の構成など)については、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0031】
図1に示すように、システム10は、圃場100の水管理を遠隔操作または予め記憶されたプログラムに基づく自動制御などによって行う圃場用設備である。この実施例では、システム10は、給水栓12と落水口14とを備え、給水栓12および落水口14のそれぞれには、電動アクチュエータ16が取り付けられる。つまり、給水栓12および落水口14の変位機構を駆動する電動アクチュエータとしては、同じ構造を有する電動アクチュエータ16が用いられる。
【0032】
また、この実施例では、システム10は、畦畔102によって区画された複数の耕作区を含むシステムとなっている。給水栓12および落水口14のそれぞれは、各耕作区に設置され、これらに取り付けられた各電動アクチュエータ16は、特定小電力無線規格(920MHz帯)に従った無線通信方法によって中継機(親機)と無線通信可能に接続される。そして、各電動アクチュエータ16は、この中継機およびネットワーク上に設けられた管理サーバ等を経由して、ユーザが所有するスマートフォン、タブレット端末、PDAおよびPCのような遠隔操作端末と無線通信可能に接続される。ただし、電動アクチュエータ16は、中継機を介さずに、管理サーバまたは遠隔操作端末などの外部機器と無線通信を行うようにしてもよい。
【0033】
なお、この無線通信においては、クラウドコンピューティングを利用するとよい。たとえば、各電動アクチュエータ16で取得された情報(給水栓12のバルブ開度および落水口14の排水口高さなどの給水栓12および落水口14の状態に関する情報、および水位センサ50から受信した圃場100の水位などのセンサ情報など)を管理サーバの一例であるクラウドサーバに随時送信して記憶しておく。ユーザは、遠隔操作端末からクラウドサーバにアクセスすることで、各電動アクチュエータ16で取得された情報を確認し、遠隔操作端末を用いて各電動アクチュエータ16を遠隔操作することで、圃場100の水管理を行うことができる。
【0034】
給水栓12は、用水パイプライン106から耕作区(圃場100)への給水を制御するための給水装置であって、弁軸および弁体などを含む変位機構を有する。この実施例では、一般的に広く普及している、弁軸の軸回転に伴い弁軸及び弁体が上下動する方式の給水栓12を用いている。このような給水栓12は、畦畔102に設けられた給水桝104内に配置され、畦畔102の下に敷設される用水パイプライン106から分岐して圃場100内まで延びる分岐管108の下流側端部に取り付けられる。そして、給水栓12には、電動アクチュエータ16が取り付けられ、電動アクチュエータ16によって給水栓12の変位機構(弁軸および弁体)が作動される。
【0035】
一方、落水口14は、圃場100からの排水を制御するための排水装置であって、仕切体などを含む変位機構を有する。この実施例では、水位設定機能を有する落水口14を用いている。簡単に説明すると、落水口14は、上端開口が排水口として機能する円筒状の仕切体18を備えており、この仕切体18が上下動することで、排水口を任意の高さに調整することが可能である。このような落水口14は、畦畔102に設けられた排水桝110内に配置され、排水路112まで延びる排水管114の上流側端部に取り付けられる。そして、落水口14には、電動アクチュエータ16が取り付けられ、電動アクチュエータ16によって落水口14の変位機構(仕切体)が上下動される。ただし、落水口14に電動アクチュエータ16を取り付ける際には、電動アクチュエータの回転軸46(図2参照)の回転力を上下方向(軸方向)の力に変換して仕切体に伝達可能なアダプタ20が用いられる。
【0036】
図1と共に図2を参照して、電動アクチュエータ16は、円筒状の本体ケース30を備える。本体ケース30の上には、太陽電池パネル32が着脱可能に取り付けられる。太陽電池パネル32は、屈曲板状の金属製の保持体34によって所定角度となるように支持される。
【0037】
また、本体ケース30の内部には、電子基板36と、蓄電池38と、モータ40およびメインギア42等を含む駆動機構とが収容される。
【0038】
電子基板36には、図示は省略するが、CPUおよびメモリ等を含む制御部、および無線通信モジュール等を含む無線通信部などが配設される。制御部には、モータ40、操作パネル48、無線通信部および水位センサ50等が電気的に接続される。制御部のCPUは、電動アクチュエータ16の全体制御を司り、モータ40等の駆動を制御する。メモリは、ROM、RAMおよびHDDなどを包括的に示したものであり、電動アクチュエータ16の動作を制御する制御プログラムを記憶したり、CPUが動作する際のワークエリアとして機能したりする。また、無線通信部は、アンテナ(図示せず)と接続され、このアンテナを介して中継機などの外部機器と無線通信を行う。
【0039】
蓄電池38は、太陽電池パネル32によって発電された電力を蓄電する。モータ40は、蓄電池38に蓄えられた電力によって駆動される。このモータ40の出力軸40aの先端部には、小ギア44が設けられており、メインギア42は、この小ギア44と連結されることで、モータ40からの駆動力を受けて軸線回りに回転する。
【0040】
メインギア42は、両ボス型のギアであり、メインギア42の軸部には、略円柱状の回転軸46が挿通される。この回転軸46の下端部には、給水栓12の弁軸と連結されるカップリング部46aが形成される。また、メインギア42の軸部の内周面には、軸方向に沿って延びるキー溝42aが形成され、回転軸46の外周面には、キー溝42aと嵌合される滑りキー46bが軸方向に沿って延びるように形成される。これによって、回転軸46は、メインギア42が回転すると共に回転し、かつメインギア42の軸部に対して軸方向に摺動可能となる。
【0041】
また、本体ケース30の外側面には、手動(電動手動)でモータ40を作動させるための操作パネル48が設けられる。操作パネル48には、主電源スイッチ、上昇ボタン、下降ボタン、および電動アクチュエータ16の動作モード(遠隔モード、自動モードまたは手動モード等)を切り替えるための選択ボタン等が適宜設けられる。この操作パネル48には、水位センサ50から延びる配線58を接続するための接続端子なども設けられる。
【0042】
上述のような電動アクチュエータ16を取り付けた給水栓12においては、たとえば、ユーザが遠隔操作端末を用いて管理サーバにアクセスし、給水栓12を全閉、全開または任意の開度とするため等の操作指示(制御信号)を送信すると、この操作指示に応じた制御信号が管理サーバから中継機を介して電動アクチュエータ16に対して送信される。電動アクチュエータ16の制御部は、受信した制御信号に応じてモータ40を駆動させる。このモータ40の駆動力は、メインギア42に伝達されて、メインギア42と共に回転軸46が回転する。これにより、回転軸46に固定的に連結された給水栓12の弁軸に対して、回転力が付与される。回転力が加えられた弁軸は、送りねじ機構によって上下動され、弁体が全開位置および全閉位置などに移動される。
【0043】
同様に、電動アクチュエータ16を取り付けた落水口14においては、ユーザが落水口14の排水口高さ(仕切体18の高さ位置)を設定するための操作指示を送信すると、電動アクチュエータ16の制御部は、制御信号に応じてモータ40を駆動させ、落水口14の排水口高さを変更する。
【0044】
図1に戻って、圃場100には、給水栓12および落水口14の周辺位置において、水位センサ50(センサ端末)が設けられる。水位センサ50としては、たとえば、用水(圃場水)の静電容量または圧力の変化を利用して圃場水位を計測するセンサを用いるとよい。
【0045】
簡単に説明すると、水位センサ50は、図3に示すように、硬質塩化ビル等の合成樹脂によって形成される縦筒状の筐体52を備える。筐体52の呼び径(内径)は、たとえば40mmである。この筐体52内には、圃場100の水位を検出するセンサ部54(センサ基板)が、ねじ等によって固定された状態で収容される。筐体52の下端部には、用水の出入口となるスリット52aが上下方向に延びるように形成される。また、筐体52の下端部外周面には環状の標線52bが設けられ、水位センサ50を設置する際には、この標線52bの高さ位置と圃場100の上面(田面)の高さ位置とが合わせられる。さらに、筐体52の上端部には、筐体52の上端開口を封止するキャップ56(図4参照)が設けられる。
【0046】
また、図示は省略するが、圃場100には、用水の温度を検出する水温センサ、気温を検出する気温センサ、湿度を検出する湿度センサ、気圧を検出する圧力センサ、土壌水分を検出する土壌水分センサ、土壌の温度を検出する地温センサ等のセンサが適宜設けられてもよい。この実施例の水位センサ50としては、圃場100の水位に加えて、その水温を検出可能な水位水温センサが用いられる。
【0047】
このような水位センサ50は、たとえばRS-485規格に準拠した配線58(信号ケーブル)によって、電動アクチュエータ16の電子基板36と接続される。そして、水位センサ50で検出された水位および水温に関するセンサ情報は、電動アクチュエータ16の電子基板36に入力される。また、水位センサ50のセンサ部54を作動させるための電源としては、電動アクチュエータ16の蓄電池38に蓄えられた電力が用いられ、この電力は電子基板36から水位センサ50に対して供給される。水位センサ50の電源として電動アクチュエータ16が備える太陽電池パネル32および蓄電池38を用いることで、水位センサ50に乾電池などの電源を別途設ける必要がなくなり、電池交換などの手間が不要となる。
【0048】
ここで、水位センサ50は、上述のように配線58によって電動アクチュエータ16と接続されるため、電動アクチュエータ16の近傍位置に設置することが好ましい。しかし、給水栓12の近くに水位センサ50を設置すると、給水時に生じる波によって水位センサ50の読取値が振動して、圃場100の水位を正確に検出できない場合がある。強風時に発生する波についても同様のことが言える。また、スリット52aから筐体52内に土が入り込んでセンサ部54に土が密着することで、水位が誤測定される場合もある。さらに、不安定な土壌に水位センサ50を設置するため、水位センサ50の設置精度を高めたいという要望もある。
【0049】
そこで、この実施例では、以下に示す設置構造60を採用することで、水位センサ50の検出精度を高めるようにした。以下、図4図6を参照して、設置構造60の構成について具体的に説明する。
【0050】
図4に示すように、設置構造60は、水位センサ50、水位センサ50を囲繞するように圃場100に立設された防護筒62、および防護筒62内に設けられて水位センサ50を保持する設置台64を備える。
【0051】
図4図6に示すように、防護筒62は、円筒状の側壁70と円板状の底壁72とを備える有底筒状に形成され、下端部が圃場100に埋め込まれることで圃場100に立設される。防護筒62の側壁70および底壁72には、厚み方向に貫通する複数の孔70aが管壁全体に分散して形成される。複数の孔70aは、用水の出入口として用いられる。孔70aの径は、たとえば3mmから20mmである。さらに、底壁72には、後述するボルト82aを挿通するための複数の挿通孔(図示せず)が周方向に所定間隔で並ぶように形成される。また、側壁70の外周面には、環状の標線70bが設けられる。この標線70bは、設置台64に設置された状態の水位センサ50の標線52bと同じ高さ位置に設けられ、防護筒62を圃場100に立設する際には、この標線70bの高さ位置と圃場100の上面の高さ位置とが合わせられる。
【0052】
防護筒62の呼び径は、水位センサ50の筐体52を内部に挿通可能な大きさであれば特に限定されないが、たとえば150mm~200mmに設定される。また、防護筒62の高さ寸法(軸方向長さ)は、防護筒62の上端面が圃場100に溜められる用水の最大水位と同じまたは少し上の高さ位置にくるように設定され、たとえば350~450mmに設定される。なお、この実施例では、水位センサ50の上端部が防護筒62の上端面よりも上方に突出しているが、防護筒62の上端面は、水位センサ50の上端面と同じ高さ位置または水位センサ50の上端面よりも上方の高さ位置にあっても構わない。また、防護筒62の標線70bから下の部分(圃場100に埋められる部分)の軸方向長さは、圃場100に防護筒62をしっかりと固定できるように、たとえば100mm~200mmに設定される。
【0053】
このような防護筒62は、たとえば、硬質ポリ塩化ビニルおよびポリエチレン等の合成樹脂製の有孔管と有底短筒状のキャップ部材とを接着接合等することで形成することができる。ただし、有孔管とキャップ部材とは、着脱可能に嵌め合わされるだけでもよい。つまり、側壁70は、底壁72に対して着脱可能に接続されていてもよい。また、防護筒62の大きさ、形状および材質などは、水位センサ50の周囲を覆うように立設でき、かつ、強風などに耐え得る所定の強度を有するものであれば、特に限定されない。
【0054】
また、防護筒62の下端部には、外方に突出するアンカ74が設けられる。アンカ74は、たとえば、ステンレス製のアングル材を防護筒62の外側面下端部にボルト等の締結部材を用いて固定することで設けられる。このようなアンカ74を防護筒62に設けておくことで、軟弱な圃場100に防護筒62を立設した場合でも、防護筒62が浮き上がって傾いてしまうこと等を防止でき、圃場100に対する防護筒62(延いては水位センサ50)の設置精度を向上できる。
【0055】
図4および図5に示すように、設置台64は、水位センサ50の筐体52を保持するセンサ保持部76を備え、防護筒62の底壁72に取り付けられる。この実施例では、センサ保持部76は、短円筒状に形成され、センサ保持部76の下端部には、内方に突出する環状突起状の係止部76aが形成される。センサ保持部76の内径は、筐体52が着脱可能であってかつ装着された筐体52が傾くことがないように、筐体52の外径と略同じ大きさに設定され、たとえば48mmである。また、センサ保持部76の係止部76aから上の部分の軸方向長さは、装着された筐体52が傾くことがないように、たとえば40mm~70mmに設定される。
【0056】
また、設置台64は、センサ保持部76の下端部から外方に突出する鍔状の固定部80が形成される。この固定部80には、後述するボルト82aを挿通するための複数の挿通孔(図示せず)が周方向に所定間隔で並ぶように形成される。
【0057】
防護筒62の底壁72に設置台64を取り付ける際には、ボルト82aおよびナット82b等の締結部材を用いる。すなわち、防護筒62の底壁72および設置台64の固定部80に形成された挿通孔にボルト82aを挿通すると共に、ナット82bで締め付けることで、防護筒62の底壁72に設置台64を固定する。この際、ボルト82aには、所定の軸方向長さを有する円筒状のスペーサ84が外嵌めされる。このスペーサ84の軸方向長さを変更することで、センサ保持部76の高さ位置を調整することができる。すなわち、設置台64は、センサ保持部76の高さ位置を調整可能に設けられている。
【0058】
そして、水位センサ50は、筐体52の下端部がセンサ保持部76に着脱可能に嵌め入れられると共に、筐体52の下端が係止部76aに係止されることで、設置台64によって直立状態で保持される。なお、防護筒62に設置台64を取り付ける際には、センサ保持部76に水位センサ50を仮装着して、水位センサ50の標線52bの高さ位置と防護筒62の標線70bの高さ位置とが一致するように、センサ保持部76の高さ位置を調整しておくとよい。これにより、設置台64が取り付けられた防護筒62を圃場100に立設した後、設置台64のセンサ保持部76に筐体52の下端部を嵌め入れるだけで、水位センサ50の設置作業が完了する。
【0059】
このような設置構造60においては、水位センサ50の周囲が防護筒62によって覆われているため、給水時および強風時などに発生する波が水位センサ50に到達することを防止でき(つまり水位変動を緩和でき)、正確で安定した水位計測が可能となる。また、水位センサ50を設置台64によって保持しており、防護筒62によって水位センサ50の下端部が土壌に埋没することが防止されるので、センサ部54に土が付着することによる誤測定が防止される。特に、スペーサ84を用いて設置台64を防護筒62の底壁72から底上げしておく(つまり水位センサ50の下端を防護筒62の下端から浮かせておく)ことで、仮に防護筒62内に泥などの異物が侵入しても、異物は底壁72上に溜まり、水位センサ50に悪影響を及ぼすことが低減される。
【0060】
また、上述のような防護筒62および設置台64は、時期を問わず圃場100に常設しておくとよい。一方、水位センサ50は、冬季などの農閑期には、圃場100から撤去して保管庫などに保管しておくとよい。水位センサ50は、センサ保持部76から下端部を引き抜くだけで取り外すことができるので、撤去作業を容易に行うことができる。また、防護筒62および設置台64を一度しっかりと設置しておけば、センサ保持部76に筐体52の下端部を嵌め入れるだけで、水位センサ50を同じ位置に正確に設置できる。すなわち、水位センサ50の撤去作業および設置作業を容易に行うことができ、かつ、圃場100に対する水位センサ50の設置精度も向上させることができる。
【0061】
なお、防護筒62の側壁70が底壁72に対して着脱可能に接続されている場合には、冬季などの農閑期において、防護筒62の側壁70部分も圃場100から撤去して保管庫などに保管しておくこともできる。また、底壁72上に異物が溜まった場合には、側壁70部分を取り外すことで、底壁72上の異物を容易に除去することができる。
【0062】
以上のように、この実施例によれば、水位センサ50を防護筒62によって囲繞するので、水位センサ50は、給水時および強風時などに発生する波の影響を受け難くなり、センサ部54の読取値が安定する。また、水位センサ50を防護筒62によって囲繞すると共に設置台64によって保持することで、水位センサ50が土壌に埋没することが防止され、センサ部54に土が付着することによる誤測定を防止できる。したがって、水位センサ50の検出精度を高めることができる。
【0063】
なお、上述の実施例では、防護筒62の側壁70として、管壁に複数の孔70aが分散配置された有孔管を用いたが、孔70aの形状、大きさ、形成位置および数などは、適宜変更可能である。たとえば、管壁に無数の孔が形成された網目構造を有するネトロン(登録商標)パイプによって防護筒62の側壁70を形成することもできる。
【0064】
また、図7に示す実施例のように、防護筒62の内面側には、遮泥フィルタ90を設けることもできる。遮泥フィルタ90は、防護筒62の孔70aよりも小さな小孔を無数に有しており、たとえば、円筒状に形成されて側壁70の内周面を覆うように設けられる。遮泥フィルタ90としては、合成樹脂製の不織布などを用いるとよい。
【0065】
このように、防護筒62の側壁70の内周面に遮泥フィルタ90を設けることで、側壁70の孔70aから防護筒62内への泥の侵入を防ぐことができるので、水位センサ50のセンサ部54に泥が付着することによる誤測定を防止できる。したがって、水位センサ50の検出精度をより高めることができる。また、防護筒62の側壁70に対して遮泥フィルタ90を着脱可能としておけば、遮泥フィルタ90が目詰まりしたとき等に、防護筒62から遮泥フィルタ90を取り外して洗浄することで、遮泥フィルタ90を繰り返し何度も使用することが可能となる。
【0066】
なお、図7では、分かり易くするため、水位センサ50の図示を省略している。また、上述の実施例と共通する部分については、同じ参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。重複する説明を省略等することは、後述する他の実施例についても同様である。
【0067】
また、上述の実施例では、水位センサ50の下端部を設置台64によって保持するだけであったが、図8に示す実施例のように、位置決め部材92をさらに設けることもできる。位置決め部材92は、水位センサ50の筐体52の横方向の動きを規制して、防護筒62に対する筐体52の横ずれを防止するための部材であり、防護筒62の側壁70の上端部と水位センサ50の筐体52の上端部とを連結するように設けられる。たとえば、位置決め部材92は、筐体52の上端部に外嵌めされるリング状の保持部92aと、保持部92aと防護筒62の側壁70の上端部とを連結する連結部92bとを備える。連結部92bの防護筒62側の端部は、側壁70の上端部に固定される。保持部92aの内径は、筐体52が軸方向に着脱可能なように、筐体52の外径と略同じ大きさに設定するとよい。これにより、位置決め部材92の上方から保持部92aおよび設置台64のセンサ保持部76に水位センサ50を抜き差しするだけで、水位センサ50の撤去作業および設置作業を容易に行うことができる。
【0068】
このように、防護筒62の上端部と水位センサ50の上端部とを連結して水位センサ50の横方向の動きを規制する位置決め部材92を設けることで、強風時においても、水位センサ50の上端部の横ずれ(傾き)が確実に防止されるので、水位センサ50の設置精度および検出精度をより高めることができる。
【0069】
なお、図示は省略するが、位置決め部材92の保持部92aは、縮径可能(締付可能)に形成しておくこともできる。たとえば、保持部92aの周方向の一部に切欠きを形成しておき、締付部を締め付けることで保持部92aが縮径される構成を採用するとよい。これにより、保持部92aによって筐体52を締め付けるようにして、保持部92aの内周面と筐体52の外周面とをしっかりと密着させることができるので、位置決め部材92によって水位センサ50の上下方向の動きも規制できる。したがって、水位センサ50の上下方向の位置決め(特に抜け止め)も適切に行うことができ、水位センサ50の設置精度および検出精度をより高めることができる。
【0070】
さらに、図8に示す実施例のように、防護筒62の上部開口を覆うカバー94を設けることもできる。カバー94は、たとえば、中央部から周縁部に向かって下り勾配となる(つまり上方に向かうに従い縮径する)テーパ状に形成され、防護筒62上に載置される。なお、この実施例では、水位センサ50の上端部が防護筒62の上端面よりも上方に突出しているので、カバー94の中央部には水位センサ50が挿通される開口が形成される。
【0071】
このように、防護筒62の上部開口を覆うカバー94を設けることで、除草および耕転などで草切れおよび土などの異物が飛散しても、その飛散した異物が防護筒62内に入り込むことが防止される。したがって、水位センサ50のセンサ部54に草切れおよび土などの異物が付着することによる誤測定を防止でき、水位センサ50の検出精度をより高めることができる。なお、位置決め部材92の連結部92bを円環板状に形成することで、位置決め部材92(連結部92b)をカバーとして兼用することもできる。
【0072】
また、上述の実施例では、設置台の一例として、水位センサ50の筐体52の下端部を保持する設置台64を例示したが、設置台の態様はこれに限定されない。たとえば、図9に示す実施例のように、筐体52の上端部を保持する設置台96を用いることもできる。簡単に説明すると、設置台96は、筐体52の上端部に外嵌めされるリング状のセンサ保持部96aを備える。センサ保持部96aは、周方向の一部に切欠きを有しており、締付部96bを締め付けることで縮径可能である。また、設置台96は、センサ保持部96aと防護筒62の側壁70の上端部とを連結する連結部96cを備え、この連結部96cの防護筒62側の端部は、側壁70の上端部に固定される。そして、センサ保持部96aに水位センサ50の筐体52の上端部を嵌め入れ、センサ保持部96aによって筐体52の上端部を締め付けるようにして、センサ保持部96aの内周面と筐体52の外周面とをしっかりと密着させることで、設置台96によって水位センサ50が直立状態で保持される。
【0073】
図9に示す実施例においても、上述の実施例と同様に、水位センサ50を防護筒62によって囲繞すると共に設置台96によって保持するので、水位センサ50は、給水時および強風時などに発生する波の影響を受け難くなる。また、水位センサ50が土壌に埋没することが防止されるので、センサ部54に土が付着することによる誤測定が防止される。したがって、水位センサ50の検出精度を高めることができる。
【0074】
なお、図9に示す実施例では、センサ保持部96aで筐体52の上端部を締め付けるようにして水位センサ50を保持するようにしたが、筐体52の外側面に突出部(ストッパ)を設け、この突出部をセンサ保持部96aの上端で係止することで、水位センサ50を保持することもできる。また、設置台96の連結部96cを円環板状に形成することで、設置台96(連結部96c)を防護筒62の上部開口を覆うカバーとして兼用することもできる。
【0075】
さらに、上述の実施例では、畦畔102で区画された圃場100の耕作領域内に設置構造60を設けたが、これに限定されない。図示は省略するが、畦畔102を掘削する等して、畦畔102に圃場100の耕作領域と連通する圃場拡張部を設け、この圃場拡張部に設置構造60を設けることもできる。
【0076】
圃場拡張部に設置構造60を設けることで、給水時の水位変動の影響をより受け難くなり、水位センサ50の検出精度をより高めることができる。また、防護筒62および設置台64,96の設置状態が安定するため、農閑期などに水位センサ50の撤去および再設置を行っても、水位センサ50を同じ位置により正確に設置できる。つまり、水位センサ50の設置精度をより高めることができ、延いては水位センサ50の検出精度をより高めることができる。さらに、設置構造60が圃場100の耕作領域内にはみ出さないので、農作業の邪魔になり難い。
【0077】
さらにまた、上述の実施例では、設置台64を防護筒62の底壁72に固定するようにしたが、設置台64は、防護筒62から独立(分離)させて設置することもできる。たとえば、圃場拡張部に設置構造60を設ける場合には、圃場拡張部をコンクリート等で形成することもできる。そして、防護筒62には底壁72を設けずに、圃場拡張部を形成するコンクリートに設置台64を固定するとよい。防護筒62と設置台64とを分離させておくことで、仮に、防護筒62に農機等がぶつかって防護筒62が少し傾くような事態が生じても、設置台64および水位センサ50にその影響が及ぶことを防止できる。
【0078】
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値および具体的形状などは、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 …圃場水管理システム
12 …給水栓
14 …落水口
16 …電動アクチュエータ
50 …水位センサ
52 …筐体
54 …センサ部
60 …水位センサの設置構造
62 …防護筒
64,96 …設置台
76 …センサ保持部
90 …遮泥フィルタ
92 …位置決め部材
94 …カバー
100 …圃場
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9