(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】帳票作成装置、帳票作成方法及び帳票作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20241017BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20241017BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2021199475
(22)【出願日】2021-12-08
【審査請求日】2024-03-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 翔馬
(72)【発明者】
【氏名】大隈 祐治
(72)【発明者】
【氏名】村野 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154490(JP,A)
【文献】特開2021-144688(JP,A)
【文献】特開昭62-117065(JP,A)
【文献】特開2011-141693(JP,A)
【文献】特開2013-140543(JP,A)
【文献】特開2021-144344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクト毎に付された固有のプロジェクト番号及び各前記プロジェクトの受注番号がそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から選択された前記プロジェクト番号及び前記受注番号を含む、所定の明細情報の入力を行う明細入力画面を表示部に表示する表示制御部と、
前記明細入力画面を介して前記明細情報の入力が行われる毎に、入力された前記明細情報、及び、前記明細情報の入力時に選択されていた前記プロジェクト番号及び前記受注番号を取得して同じ帳票に入力した帳票データを生成するデータ生成部
と、を備え、
前記表示制御部は、前記記憶部から選択された前記プロジェクト番号及び前記受注番号と共に、前記プロジェクト番号及び前記受注番号における行番号を示す受注行番号を、所望の受注行番号に変更可能な状態で前記明細入力画面に表示し、
前記データ生成部は、それぞれ同じ前記プロジェクト番号及び前記受注番号の前記明細情報を、前記受注行番号毎に分けて前記同じ帳票に入力した前記帳票データを生成し、
前記明細入力画面に対する前記プロジェクト番号、前記受注番号及び前記受注行番号を全て非表示とする第1の表示形態、前記プロジェクト番号のみを表示する第2の表示形態、前記プロジェクト番号及び前記受注番号を表示する第3の表示形態、及び、前記プロジェクト番号、前記受注番号及び前記受注行番号を全て表示する第4の表示形態のうち、所望の表示形態を選択する表示形態選択部を、さらに備え、
前記表示制御部は、前記明細入力画面に対して、選択された前記表示形態の表示を行うこと
を特徴とする帳票作成装置。
【請求項2】
プロジェクト毎に付された固有のプロジェクト番号及び各前記プロジェクトの受注番号がそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から選択された前記プロジェクト番号及び前記受注番号を含む、所定の明細情報の入力を行う明細入力画面を、表示制御部が表示部に表示する表示制御ステップと、
前記明細入力画面を介して前記明細情報の入力が行われる毎に、データ生成部が、入力された前記明細情報、及び、前記明細情報の入力時に選択されていた前記プロジェクト番号及び前記受注番号を取得して同じ帳票に入力した帳票データを生成するデータ生成ステップ
と、を備え、
前記表示制御ステップでは、前記記憶部から選択された前記プロジェクト番号及び前記受注番号と共に、前記プロジェクト番号及び前記受注番号における行番号を示す受注行番号を、所望の受注行番号に変更可能な状態で前記明細入力画面に表示し、
前記データ生成ステップでは、それぞれ同じ前記プロジェクト番号及び前記受注番号の前記明細情報を、前記受注行番号毎に分けて前記同じ帳票に入力した前記帳票データを生成し、
前記明細入力画面に対する前記プロジェクト番号、前記受注番号及び前記受注行番号を全て非表示とする第1の表示形態、前記プロジェクト番号のみを表示する第2の表示形態、前記プロジェクト番号及び前記受注番号を表示する第3の表示形態、及び、前記プロジェクト番号、前記受注番号及び前記受注行番号を全て表示する第4の表示形態のうち、所望の表示形態を選択する表示形態選択ステップを、さらに備え、
前記表示制御ステップでは、前記明細入力画面に対して、選択された前記表示形態の表示を行うこと
を特徴とする帳票作成方法。
【請求項3】
コンピュータを、
プロジェクト毎に付された固有のプロジェクト番号及び各前記プロジェクトの受注番号がそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から選択された前記プロジェクト番号及び前記受注番号を含む、所定の明細情報の入力を行う明細入力画面を表示部に表示する表示制御部と、
前記明細入力画面を介して前記明細情報の入力が行われる毎に、入力された前記明細情報、及び、前記明細情報の入力時に選択されていた前記プロジェクト番号及び前記受注番号を取得して同じ帳票に入力した帳票データを生成するデータ生成部
として機能させ、
前記表示制御部は、前記記憶部から選択された前記プロジェクト番号及び前記受注番号と共に、前記プロジェクト番号及び前記受注番号における行番号を示す受注行番号を、所望の受注行番号に変更可能な状態で前記明細入力画面に表示し、
前記データ生成部は、それぞれ同じ前記プロジェクト番号及び前記受注番号の前記明細情報を、前記受注行番号毎に分けて前記同じ帳票に入力した前記帳票データを生成し、
前記明細入力画面に対する前記プロジェクト番号、前記受注番号及び前記受注行番号を全て非表示とする第1の表示形態、前記プロジェクト番号のみを表示する第2の表示形態、前記プロジェクト番号及び前記受注番号を表示する第3の表示形態、及び、前記プロジェクト番号、前記受注番号及び前記受注行番号を全て表示する第4の表示形態のうち、所望の表示形態を選択する表示形態選択部として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記表示制御部は、前記明細入力画面に対して、選択された前記表示形態の表示を行うこと
を特徴とする帳票作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票作成装置、帳票作成方法及び帳票作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、様々な帳票の作成業務が存在する。例えば、工事等のプロジェクトを受注した場合、受注入力、工事に必要な物品等の発注、及び、仕入れた物品の仕入入力等が行われ、これに伴い様々な帳票が作成される。
【0003】
特許文献1(特開2021-015607号公報)には、建物の工事の候補の場所等現場にて見積りを即座かつ精度よく発行可能とした情報処理システムが開示されている。この情報処理システムは、担当者処理制御部が、建物のリフォームの工事の施工内容、当該工事に必要な1以上の製品(建材等)、及び当該工事の施工の日程を、リフォーム担当者端末と適宜通信をすることで決定する。担当者処理制御部は、この工事について決定された施工内容及び製品についての、工事の施工者の候補との間で予め合意された原価情報に基づいて、工事に関する見積りを発行する。これにより、建物の工事の候補の場所等現場にて見積りを即座かつ精度よく発行できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来は、例えば注文書を作成する場合、一つの注文書に対して同じプロジェクトの物品をまとめて記載することで、プロジェクト毎に注文書を分けて作成する。このため、合理性に欠ける帳票が作成される問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、合理的な帳票の作成を可能とする帳票作成装置、帳票作成方法及び帳票作成プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る帳票作成装置は、プロジェクト毎に付された固有のプロジェクト番号及び各プロジェクトの受注番号がそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から選択されたプロジェクト番号及び受注番号を含む、所定の明細情報の入力を行う明細入力画面を表示部に表示する表示制御部と、明細入力画面を介して明細情報の入力が行われる毎に、入力された明細情報、及び、明細情報の入力時に選択されていたプロジェクト番号及び受注番号を取得して同じ帳票に入力した帳票データを生成するデータ生成部と、を備え、表示制御部は、記憶部から選択されたプロジェクト番号及び受注番号と共に、プロジェクト番号及び受注番号における行番号を示す受注行番号を、所望の受注行番号に変更可能な状態で明細入力画面に表示し、データ生成部は、それぞれ同じプロジェクト番号及び受注番号の明細情報を、受注行番号毎に分けて同じ帳票に入力した帳票データを生成し、明細入力画面に対するプロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を全て非表示とする第1の表示形態、プロジェクト番号のみを表示する第2の表示形態、プロジェクト番号及び受注番号を表示する第3の表示形態、及び、プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を全て表示する第4の表示形態のうち、所望の表示形態を選択する表示形態選択部を、さらに備え、表示制御部は、明細入力画面に対して、選択された表示形態の表示を行う。
【0008】
また、本発明に係る帳票作成方法は、プロジェクト毎に付された固有のプロジェクト番号及び各プロジェクトの受注番号がそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から選択されたプロジェクト番号及び受注番号を含む、所定の明細情報の入力を行う明細入力画面を、表示制御部が表示部に表示する表示制御ステップと、明細入力画面を介して明細情報の入力が行われる毎に、データ生成部が、入力された明細情報、及び、明細情報の入力時に選択されていたプロジェクト番号及び受注番号を取得して同じ帳票に入力した帳票データを生成するデータ生成ステップと、を備え、表示制御ステップでは、記憶部から選択されたプロジェクト番号及び受注番号と共に、プロジェクト番号及び受注番号における行番号を示す受注行番号を、所望の受注行番号に変更可能な状態で明細入力画面に表示し、データ生成ステップでは、それぞれ同じプロジェクト番号及び受注番号の明細情報を、受注行番号毎に分けて同じ帳票に入力した帳票データを生成し、明細入力画面に対するプロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を全て非表示とする第1の表示形態、プロジェクト番号のみを表示する第2の表示形態、プロジェクト番号及び受注番号を表示する第3の表示形態、及び、プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を全て表示する第4の表示形態のうち、所望の表示形態を選択する表示形態選択ステップを、さらに備え、表示制御ステップでは、明細入力画面に対して、選択された表示形態の表示を行う。
【0009】
また、本発明に係る帳票作成プログラムは、コンピュータを、プロジェクト毎に付された固有のプロジェクト番号及び各プロジェクトの受注番号がそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から選択されたプロジェクト番号及び受注番号を含む、所定の明細情報の入力を行う明細入力画面を表示部に表示する表示制御部と、明細入力画面を介して明細情報の入力が行われる毎に、入力された明細情報、及び、明細情報の入力時に選択されていたプロジェクト番号及び受注番号を取得して同じ帳票に入力した帳票データを生成するデータ生成部として機能させ、表示制御部は、記憶部から選択されたプロジェクト番号及び受注番号と共に、プロジェクト番号及び受注番号における行番号を示す受注行番号を、所望の受注行番号に変更可能な状態で明細入力画面に表示し、データ生成部は、それぞれ同じプロジェクト番号及び受注番号の明細情報を、受注行番号毎に分けて同じ帳票に入力した帳票データを生成し、明細入力画面に対するプロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を全て非表示とする第1の表示形態、プロジェクト番号のみを表示する第2の表示形態、プロジェクト番号及び受注番号を表示する第3の表示形態、及び、プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を全て表示する第4の表示形態のうち、所望の表示形態を選択する表示形態選択部としてコンピュータをさらに機能させ、表示制御部は、明細入力画面に対して、選択された表示形態の表示を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、合理的な帳票を作成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態の帳票作成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、帳票作成装置の帳票の作成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、帳票の作成に用いられる工事の基本情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、発注明細入力画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、発注入力画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、注文出力画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、仕入入力明細画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、経費の仕入入力明細画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、経費の仕入入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる帳票作成装置1を、図面に基づいて詳細に説明する。また、以下に説明する実施の形態の帳票作成装置1においては、プロジェクトとして所定の場所の工事を受注し、工事に必要な物品の注文伝票等の帳票を作成する例を説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではなく、例えばプロジェクトは工事以外の他のプロジェクトでもよいし、作成する帳票も受注伝票、仕入伝票等の他の帳票でもよい。このような他のプロジェクトの場合も、以下の説明を参照されたい。
【0013】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の帳票作成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この帳票作成装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、帳票作成装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような帳票作成装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0014】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(表示部:家庭用テレビを含む)を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、帳票に入力される仕入先情報が記憶された記憶領域である仕入先名マスタ11が設けられている。
【0016】
また、記憶部2には、帳票作成装置1における帳票作成動作を制御するための帳票作成プログラムが記憶されている。また、記憶部2には、プログラムの一例である工事を受注した際に業務オペレータの入力操作により生成される工事基本データ、受注ヘッダデータ、受注明細データが記憶される。
【0017】
また、記憶部2には、工事に必要な物品の発注を行う際に、業務オペレータの入力操作により生成される発注ヘッダデータ、発注明細データが記憶される。また、記憶部2には、業務オペレータが、発注した物品の仕入入力を行った際に生成される仕入ヘッダデータ及び仕入明細データが記憶される。また、記憶部2には、注文書を印刷する際に生成される注文書データが記憶される。
【0018】
また、詳しくは後述するが、業務オペレータが各種帳票の入力操作を行う入力画面には、プロジェクト番号及び受注番号の入力欄と共に、受注行番号の選択欄が表示されるようになっている。記憶部2には、デフォルト設定、又は、業務オペレータにより設定された、プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号の表示形態を示す表示形態選択データが記憶される。
【0019】
(機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている帳票作成プログラムを実行することで、表示制御部21、入力処理部22、演算部23、データ生成部24、表示形態選択部25、注文書作成部26、及び、出力制御部27として機能する。
【0020】
表示制御部21は、受注明細入力画面、発注入力画面及び仕入入力明細画面等の各種帳票の入力画面等を、出力装置7を介して表示する。入力処理部22は、このような各種帳票の入力画面を介して業務オペレータにより入力された各種情報を取得する。演算部23は、例えば工事に必要な物品の発注数量及び発注単価に基づいて発注金額を算出する。データ生成部24は、業務オペレータの入力操作に応じて、
図1に示した工事基本データ、受注ヘッダデータ、受注明細データ、発注ヘッダデータ等の各種帳票のデータを生成する。
【0021】
表示形態選択部25は、業務オペレータにより選択された、プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号の表示形態を示す表示形態選択データを生成し、記憶部2に記憶する。注文書作成部26は、工事に必要な物品の注文書を印刷する際に、印刷用のデータである注文書データを生成して記憶部2に記憶する。出力制御部27は、入出力インターフェース部5を介して出力装置7の一例であるプリンタ装置に注文書データを出力して、注文書の印刷を行う。
【0022】
(帳票の作成動作)
次に、実施の形態の帳票作成装置1における、各種帳票の作成動作を説明する。
図2のフローチャートは、各種帳票の作成動作の流れ示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、まず、工事の受注を行うと、業務オペレータは、受注した工事の基本情報を、入力装置6を介して入力する(ステップS1)。
【0023】
図3は、業務オペレータにより入力された工事の基本情報の一例を示す図である。このうち、
図3(a)は工事基本情報の一例を、
図3(b)は受注ヘッダデータの一例を、
図3(c)は受注明細データの一例を、それぞれ示している。この
図3(a)~
図3(c)に示す工事基本情報、受注ヘッダデータ及び受注明細データは、それぞれ関連付けされて記憶部2に記憶される。
【0024】
工事基本情報は、
図3(a)に示すように受注した工事毎に付される固有の番号であるプロジェクト番号(PJ番号)、工事件名、直間区分及び工事場所の各情報を含んで生成される。工事件名としては、例えば「東京駅改良工事」又は「新宿駅改良工事」等の名称が入力される。工事場所は、例えば「東京都中央区八重洲」又は「東京都新宿区西新宿」等の工事の場所となる住所が入力される。
【0025】
「直間区分」は、売上が発生する工事に対して使用される「直接」、及び、部門費用等の売上に直接関係しない原価を関連付けするためのプロジェクトに付される「間接」の各区分を示す情報である。上述の「東京駅改良工事」及び「新宿駅改良工事」は、売上が発生する工事であるため、それぞれ「直接」の直間区分が入力される。また、「直接」の直間区分が付された各工事に対しては、「直接」の直間区分用の例えば「PJ001」又は「PJ002」等の固有のPJ番号が付される。
【0026】
これに対して、
図3(a)に示す「東京支店間接費」は、売上が発生しないため、「間接」の直間区分が付され、また、「間接」の直間区分用の、例えば「PJK01」等の固有のPJ番号が付される。また、「間接」の直間区分のプロジェクトに対しては、下記に示す受注ヘッダデータ及び受注明細データは、作成されない。
【0027】
受注ヘッダデータは、
図3(b)に示すように、PJ番号、受注番号、及び、工事件名を含んで生成される。同じ「PJ001」のPJ番号のプロジェクトであっても、例えば「東京駅改良工事の建設作業分」は受注番号を「JU001」とし、「東京駅改良工事の電気設備分」は受注番号を「JU002」として、それぞれ分けて管理できる。これにより、例えばPJ番号が「PJ001」の同じプロジェクトの工事現場であり、建設作業及び電気設備作業等の作業単位で客先との間に契約が結ばれている場合でも、受注番号を分けて管理することができる。
【0028】
受注明細データは、
図3(c)に示すように、PJ番号、受注番号、受注行番号、売上予定日、及び、受注金額を含んで生成される。同じPJ番号及び同じ受注番号の工事(プロジェクト)であっても、受注行番号を分けることが可能となっている。具体的には、
図3(c)に示すように、PJ番号が「PJ001」で受注番号が「JU001」の工事に対して、「2021年8月31日」を売上予定日とする「2000000円」の受注金額は、受注行番号を「001」とし、「2021年9月30日」を売上予定日とする「900000円」の受注金額は、受注行番号を「002」とすることができる。これにより、例えば、同じ工事の受注金額を、月毎に管理可能とすることができる。
【0029】
次に、このようにして工事の基本情報が入力されると、合理性のある帳票の作成が可能となる。すなわち、工事の基本情報が入力されると、
図2のフローチャートのステップS2において、入力処理部22が、帳票の入力指示操作の有無を監視する。入力処理部22により、帳票の入力指示操作が検出されると、表示制御部21は、ステップS3において、記憶部2に記憶されている表示形態選択データを参照する。そして、表示制御部21は、この表示形態選択データで示される表示形態となるプロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を含む発注明細画面を、出力装置7を介して表示する。
【0030】
具体的には、プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号の表示形態としては、「プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を初期表示しない」表示形態、「プロジェクト番号だけを初期表示する」表示形態、「プロジェクト番号と受注番号を初期表示する」表示形態、及び、「プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を初期表示する」表示形態の中から、所望の表示形態を選択可能となっている。デフォルト設定としては、「プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を初期表示する」の表示形態が設定されている。
【0031】
このような表示形態のうち、デフォルト設定の表示形態、又は、業務オペレータにより選択された表示形態を示す表示形態選択データが表示形態選択部25により、記憶部に記憶されている。表示制御部21は、この表示形態選択データで示される表示形態で、プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を発注明細画面に表示する。
【0032】
図4は、業務オペレータにより、工事に必要な物品を発注する入力操作が行われることで表示制御部21により表示される発注明細入力画面の一例である。業務オペレータは、
図3に示した工事の基本情報に基づいて、各工事のうち(プロジェクトのうち)、仕入商品の発注を行う工事を選択する。表示制御部21は、
図4に示すように、業務オペレータにより選択された工事のPJ番号、受注番号及び受注行番号を入力した発注明細入力画面を表示する。
【0033】
図4の例は、
図3に示した工事の基本情報のうち、「PJ001」のPJ番号の工事が、仕入商品の明細入力を行う工事として選択された例である。この
図4の例は、上述の表示形態選択データで、「プロジェクト番号、受注番号及び受注行番号を初期表示する」の表示形態が設定されている例である。この場合、表示制御部21は、
図3(c)に示す受注明細データを参照し、「PJ001」のPJ番号と共に、「PJ001」のPJ番号に関連付けされている「JU001」の受注番号、及び、「001」の受注行番号を入力した発注明細入力画面を表示する。
【0034】
ここで、
図3(c)に示すように、「JU001」の受注番号に対しては、「001」及び「002」の受注行番号が関連付けされている。このように受注番号に対して複数の受注行番号が関連付けされている場合、一例ではあるが、表示制御部21は、先頭の番号となる「001」の受注行番号をデフォルト表示する。なお、業務オペレータにより、予め指定されている受注行番号を表示してもよい。
【0035】
このデフォルト表示された受注行番号は、業務オペレータがプルダウンメニューで選択可能となっている。すなわち、この例の場合、「001」及び「002」の受注行番号が「JU001」の受注番号に関連付けされている。このため、表示制御部21は、「001」及び「002」の受注行番号をプルダウンメニューで表示する。業務オペレータは、所望の受注行番号をプルダウンメニューから選択する。
図4は、「001」の受注行番号が業務オペレータにより選択された例である。
【0036】
このように、PJ番号及び受注番号を入力した発注明細入力画面を表示することにより、PJ番号及び受注番号で示される工事用の発注明細入力画面を表示することができる。また、上述の「001」及び「002」の受注行番号により、同じ受注番号の工事において、受注行番号を分けて指定できる。このため、例えば「PJ001」及び「JU001」の受注行番号「001」及び「002」を、例えば客先との契約はまとめて行われているが、売上月が異なる明細用として分けて用いることができる。これにより、例えば売上月毎の原価管理を可能とすることができる。この場合、完成振替時に、適切に売上月の作業内容のみを振り替える作業を行えばよい。
【0037】
また、表示制御部21は、このようなPJ番号、受注番号及び受注行番号と共に、発注行番号、仕入商品名、発注数量、発注単価、及び、発注金額(合計金額)を、発注明細入力画面に表示する。
【0038】
この
図4の例は、発注明細入力画面の発注行番号としては、「1」の発注行番号が付された発注明細入力画面の例である。また、この
図4の例は、工事に必要となる仕入商品として、発注単価が「2000円」の「照明器具A」を、発注数量を「100個」として指定した例である。このように、仕入商品の発注単価及び発注数量が指定されると、
図1に示す演算部23は、「発注単価×発注数量」の演算を行うことで、発注金額を算出する。表示制御部21は、算出された発注金額を発注明細入力画面に表示する。この例の場合、「2000円×100個」で「200000円」の発注金額が表示される。
【0039】
次に、表示制御部21は、このような発注明細入力画面に対して、
図4に示す「確定」の文字が表示されたボタンである入力の確定ボタンを表示する。業務オペレータは、このような発注明細入力画面を介して指定した仕入商品の発注を確定する場合、確定ボタンを操作する。
図2のフローチャートのステップS4では、入力処理部22が、確定ボタンの操作の有無を監視する。入力処理部22により、確定ボタンの操作が検出されると、処理がステップS5に進む。
【0040】
ステップS5では、確定ボタンの操作が検出されたため、表示制御部21が、確定ボタンが操作された発注明細入力画面で指定された仕入商品の明細を、
図5に例示する発注入力画面に一覧表示する。
【0041】
図5は、PJ番号が「PJ001」、受注番号が「JU001」、受注行番号が「001」の発注入力画面の例である。この
図5に示すように、表示制御部21は、発注入力画面に対して、上述のPJ番号、受注番号及び受注行番号と共に、発注日、仕入先、工事件名、及び、工事場所を表示する。
【0042】
表示制御部21は、発注日としては、当日の日付を取得して表示し、又は、業務オペレータにより入力された日付を表示する。また、表示制御部21は、仕入先としては、
図1に示す仕入先マスタ11に登録されている仕入先のうち、業務オペレータにより選択された仕入先を表示する。
図5の例は、仕入先番号が「TKY001」の「東京建設」が、仕入先として業務オペレータにより選択された例である。
【0043】
また、工事件名は、表示制御部21が、
図3(b)に示した受注ヘッダデータを参照し、発注入力画面に表示したPJ番号及び受注番号に対応する工事件名を取得して発注入力画面に表示する。同様に、工事場所は、表示制御部21が、
図3(a)に示した工事基本情報を参照し、発注入力画面に表示したPJ番号に対応する工事場所を取得して発注入力画面に表示する。
図5の例は、「PJ001」のPJ番号、「JU001」の受注番号、及び、「001」の受注行番号を表示した例である。
【0044】
また、表示制御部21は、
図4に示した発注明細入力画面で発注が確定される毎に、行を追加して各仕入商品の明細を発注入力画面に表示することで、発注入力画面に各仕入商品の一覧を表示する。
図5の例は、「東京駅改良工事 建設作業分」用の明細の一覧である。このうち、「照明器具A」、「照明器具B」、「ケーブルA」は、「東京駅改良工事 建設作業分」の工事用として発注される仕入商品である。
【0045】
これに対して、「ケーブルB」は、受注番号が「JU002」であるため、
図3(b)に示したように「東京駅改良工事 電気設備分」の工事用として発注される仕入商品である。また、PJ番号が「PJ002」、受注番号が「JU003」の仕入商品は、
図3(b)に示したように「新宿改良工事」用として発注される仕入商品である。さらに、PJ番号が「PJK01」の「台車」は、
図3(a)に示したように、売上に直接関係しない原価である、直間区分が「間接」の仕入商品である。
【0046】
このように、実施の形態の帳票作成装置1では、業務オペレータが
図3に示した工事の基本情報から所望の工事を指定して仕入商品の発注を行う。これにより、一つの発注入力画面に対して、異なる工事の仕入商品を含めることができる。
【0047】
次に、表示制御部21は、
図5に示す受注入力画面対して、業務オペレータにより入力された仕入商品の明細の登録を指定するための、「登録」の文字が表示されたボタンである登録ボタンを表示する。業務オペレータは、このような発注入力画面に一覧表示された仕入商品の明細を登録する場合、登録ボタンを操作する。
図2のフローチャートのステップS6では、入力処理部22が、登録ボタンの操作の有無を監視する。入力処理部22により、登録ボタンの操作が検出されると、処理がステップS7に進む。
【0048】
なお、業務オペレータは、続けて所望の工事に対する仕入商品の発注を行う場合、再度、
図4に示した発注明細入力画面の表示を指定操作する。
図2のフローチャートのステップS9では、入力処理部22が、このような発注明細入力画面の表示の指定操作の有無を監視している。ステップS9で、発注明細入力画面の表示の指定操作が検出されると(ステップS9:Yes)、ステップS3に処理が戻り、表示制御部21により、再度、
図4に示した発注明細入力画面が表示される。これにより、業務オペレータは、所望の工事の仕入商品の発注入力を継続することができる。
【0049】
次に、登録ボタンの操作が検出されることで処理がステップS7に進むと、データ生成部24は、発注入力画面に対して入力された各種データに基づいて、
図6に示す発注データを生成し、記憶部2に記憶(登録)する。発注データは、
図6(a)に示す発注ヘッダデータ及び発注明細データで構成されている。
【0050】
図6(a)に示す発注ヘッダデータは、発注番号、発注日、仕入先コード、PJ番号、受注番号、受注行番号、及び、発注金額を含む。このうち、「HC001」の発注番号は、自動採番されて付加される。発注日、仕入先コード、PJ番号、受注番号及び受注行番号は、データ生成部24により、発注入力画面から取得される。
図6(a)の例は、データ生成部24が、発注日として「2021年7月1日」を、仕入先コードとして「TKY001」を、PJ番号として「P001」を、受注番号として「JU001」を、受注行番号として「001」を、それぞれ発注入力画面から取得して発注ヘッダデータを生成した例である。
【0051】
また、演算部23は、発注入力画面に一覧表示された各明細の発注金額を加算処理することで、発注金額の合計金額を算出する。
図5の例は、「1990000円」が、発注金額の合計金額として算出された例である。データ生成部24は、各明細の発注金額の合計金額を取得し、
図6(a)に示す発注ヘッダデータの発注金額に入力する。
【0052】
図6(b)に示す発注明細データは、発注番号、及び、発注入力画面に一覧表示された各仕入商品の明細に対応する発注行番号、仕入商品名、PJ番号、受注番号、受注行番号、発注数量、発注単価、及び、発注金額を含んで生成される。
図6(b)の例の場合、発注番号は「HC001」である。この「HC001」の発注番号に、照明器具A及びケーブルB等の各仕入商品のPJ番号、発注数量、発注金額等の明細が関連付けされて記憶部2に登録される。また、PJ番号が「PJK01」の「台車」のように、直間区分が「間接」の工事に対して原価を関連付けできる。
【0053】
次に、このような発注データが登録されると、注文書の出力(印刷)が可能となる。業務オペレータにより、注文書の出力が指定されると、表示制御部21は、
図7に例示するように、抽出条件の入力欄として、発注番号、発注日及び仕入先の各入力欄を含む注文出力画面を表示する。業務オペレータは、抽出条件の入力欄に対して、出力する注文書を指定するための抽出条件を入力する。
図7の例は、抽出条件として「HC001」の発注番号が業務オペレータにより入力された例である。
【0054】
業務オペレータは、このように抽出条件を指定し、
図7に示す注文出力画面の出力ボタンを操作する。
図2のフローチャートのステップS8では、入力処理部22が、
図7に示す注文出力画面の出力ボタンの操作の有無を監視している。入力処理部22により、出力ボタンの操作が検出されると、ステップS10において、注文書作成部26が、
図6に示した発注データに基づいて注文書データを生成し、記憶部2に記憶する。そして、出力制御部27が、記憶部2から注文書データを読み出し、入出力インターフェース部5を介して出力装置7に送信する。これにより、注文書の印刷が行われる。
【0055】
図8は、注文書の一例を示す図である。この
図8に示す注文書は、
図6に示した「HC001」の発注番号の発注データに基づいて生成された注文書データに対応する注文書である。この
図8に示すように、注文書には、「東京建設御中」等の仕入先、注文日、発注番号、発注金額、「PJ001-JU001-001」等のPJ番号、受注番号、受注行番号、「東京都中央区八重洲」等の納入先が印刷される。
【0056】
納入先は、注文書作成部26が、
図6に示した発注ヘッダデータに含まれる「PJ001」のPJ番号に基づいて、
図3(a)に示した工事基本情報を参照して取得される。注文書作成部26は、「PJ001」のPJ番号に基づいて「東京都中央区八重洲」の工事場所を取得すると、これを納入先として上述の注文書データを生成する。これにより、注文書の印刷時に、納入先として、「東京都中央区八重洲」の工事場所が印刷される。
【0057】
また、注文書には、照明器具A、照明器具B、ケーブルB,台車等の明細の一覧が印刷される。上述のように、実施の形態の帳票作成装置1の場合、
図3に示した工事の基本情報に基づいて、所望の工事を指定して明細を作成、これを一枚の注文書で発注することができる。換言すると、
図6に示す発注ヘッダデータのPJ番号以外の工事の明細であっても、PJ番号、受注番号、受注行番号で一枚の注文書に明細を含めて指定することができる。このため、複数の工事の明細を1枚の注文書に含めた、合理的な注文書を作成できる。
【0058】
なお、
図3(b)に示す「東京駅改良工事 建設作業分」及び「東京駅改良工事 電気設備分」の各仕入商品を、
図3(a)示す「東京都中央区八重洲」を納入先として1枚の注文書で指定した場合、各仕入商品が一括して「東京都中央区八重洲」を納入先に搬送される。この場合、各仕入商品は、同じ「「東京駅改良工事」用であるため、納入された際に、一部の仕入商品を「東京駅改良工事 建設作業分」の工事現場に運搬し、他の仕入商品を「東京駅改良工事 電気設備分」の工事現場に運搬すればよい。
【0059】
(他の帳票の作成動作)
次に、仕入入力明細の作成動作を説明する。業務オペレータにより仕入入力が指定されると、表示制御部21は、
図6に示した発注データを参照し、
図9に示す仕入入力明細画面を表示する。この
図9は、照明器具Aに対応する仕入入力画面の表示例である。
【0060】
この
図9に示すように、表示制御部21は、
図6に示した発注データを参照することで、「照明器具A」との仕入商品に対応する「PJ001」のPJ番号、「JU001」の受注番号、「001」の受注行番号、「2000円」の仕入単価、「200000円」の仕入金額及び「100個」の仕入数量を仕入入力明細画面に表示する。このうち、仕入数量のみが変更可能となっている。例えば、分納を行う場合、この仕入数を変更することで分納に対応することができる。仕入数量以外の項目を変更する場合は、発注データから修正を行う。業務オペレータは、この仕入入力明細画面に基づいて、基本的には、仕入商品の仕入数量及び仕入金額の確認を行い、
図9に示す「確定」の文字が表示された「確定ボタン」を操作する。
【0061】
この確定ボタンが操作されると、表示制御部21は、確定された仕入商品の明細を、
図10に示す仕入入力画面に表示する。このように、仕入入力明細画面で、仕入商品の確認を行う毎に確定ボタンを操作することで、確定された仕入商品の明細が、
図10に示すように仕入入力画面に一覧表示される。なお、
図10に示す仕入入力画面において、仕入日は仕入入力で登録され、その他の項目は発注データの内容となり変更不可とされる。仕入日以外の項目を変更する場合は、発注データから修正を行う。
【0062】
このような仕入入力画面で確認した仕入商品の明細を登録する場合、業務オペレータは、
図10に示す「登録」の文字が表示された登録ボタンを操作する。登録ボタンが操作されると、データ生成部24は、
図11に示す仕入データを生成し、記憶部2に記憶する。仕入データは、
図11(a)に示す仕入ヘッダデータ及び
図11(b)に示す仕入明細データを含んで構成される。
【0063】
図11(a)に示す仕入ヘッダデータは、「SI001」等の仕入番号に対して、仕入日、仕入先、PJ番号、受注番号、受注行番号、及び、仕入金額が付加されて形成される。また、
図11(b)に示す仕入明細データは、
図10に示した仕入入力画面に一覧表示された各仕入商品の仕入行番号、仕入商品名、PJ番号、受注番号、受注行番号、仕入数量、仕入単価、及び、仕入金額を、「SI001」等の仕入番号に関連付けて形成される。
【0064】
(経費の仕入入力動作)
次に、経費の仕入入力を行う場合も同様であり、業務オペレータにより仕入入力が指定されると、表示制御部21は、
図6に示した発注データを参照し、
図12に示す仕入入力明細画面を表示する。この
図12は、「水」に対応する仕入入力明細画面の表示例である。
【0065】
この
図12に示すように、表示制御部21は、
図6に示した発注データを参照することで、「水」との仕入商品に対応する「PJ001」のPJ番号、「JU001」の受注番号、「001」の受注行番号、「20円」の仕入単価、「2000円」の仕入金額及び「100個」の仕入数量を仕入入力明細画面に表示する。業務オペレータは、この仕入入力明細画面に基づいて、経費とする仕入商品の仕入数量及び仕入金額の確認を行い、
図12に示す「確定」の文字が表示された「確定ボタン」を操作する。
【0066】
この確定ボタンが操作されると、表示制御部21は、確定された仕入商品の明細を、
図13に示す仕入入力画面に表示する。このように、仕入入力明細画面で、仕入商品の確認を行う毎に確定ボタンが操作されると、確定された仕入商品の明細が、
図13に示すように仕入入力画面に一覧表示される。
【0067】
このような仕入入力画面で確認される仕入商品の明細を登録する場合、業務オペレータは、
図13に示す「登録」の文字が表示された登録ボタンを操作する。登録ボタンが操作されると、データ生成部24は、
図14に示す経費の仕入データを生成し、記憶部2に記憶する。経費の仕入データも、
図14(a)に示す仕入ヘッダデータ及び
図14(b)に示す仕入明細データを含んで構成される。
【0068】
図14(a)に示す仕入ヘッダデータは、「SI002」等の仕入番号に対して、仕入日、仕入先、PJ番号、受注番号、受注行番号、及び、仕入金額が付加されて形成される。また、
図14(b)に示す仕入明細データは、
図13に示した仕入入力画面に一覧表示された各仕入商品の仕入行番号、仕入商品名、PJ番号、受注番号、受注行番号、仕入数量、仕入単価、及び、仕入金額を、「SI002」等の仕入番号に関連付けて形成される。
【0069】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の帳票作成装置1は、発注入力又は仕入入力等の帳票作成の際に、明細単位でプロジェクト(工事)を指定可能とすることができる。このため、以下に説明するように合理的な帳票の作成を行うことができる。
【0070】
(原価管理の精緻化)
プロジェクト毎に注文を分けることを避けたい場合、各プロジェクトの注文を、一つのプロジェクトの注文としてまとめる場合がある。この場合、原価管理が粗くなる問題がある。しかし、実施の形態の帳票作成装置1の場合、発生した原価を適切なプロジェクトに関連付けできるため、原価管理を精緻化できる。
【0071】
換言すると、明細ごとにPJ番号-受注番号-受注行番号を3階層で管理できるため、同じ発注伝票内でも各階層を明細単位で指定でき、原価管理を精緻化できる。
【0072】
(原価管理の早期把握)
また、プロジェクト毎に注文を分けることを避けたい場合、一旦、所望のプロジェクトに原価をまとめて関連付けておき、後から適切なプロジェクトに原価を振り替える運用が知られている(原価の振替作業)。この運用を行う場合、仕入計上してから原価の振替作業が終わるまでの間は、いずれかのプロジェクトに対して原価がまとめて関連付けされたままの状態となり、原価の振替作業を行われるまでの間、原価を正確に把握困難となる問題がある(原価を把握するまでにタイムラグが発生する)。
【0073】
しかし、実施の形態の帳票作成装置1の場合、複数のプロジェクトの明細を一つの注文書にまとめることができる。このため、原価を正確かつ早期に把握可能とすることができる。
【0074】
(伝票入力処理の効率化)
また、従来は発注伝票をわけて入力していたのに対して、実施の形態の帳票作成装置1は、1つの発注伝票で複数明細に異なるプロジェクト(工事)を関連付けできるため、発注伝票の入力作業時間を削減でき、伝票入力処理の効率化を図ることができる。
【0075】
(印紙代の節約)
また、日本国の印紙税法により、発注金額が1万円を超える伝票に対しては印紙代が発生するが、複数のプロジェクトの明細単位で1枚の注文書にまとめることができるため、印紙代を節約できる。
【0076】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0079】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0081】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0082】
また、帳票作成装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0083】
例えば、帳票作成装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて帳票作成装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0084】
また、この帳票作成装置1の帳票作成プログラムは、帳票作成装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための帳票作成プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0086】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した帳票作成装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0087】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0088】
また、帳票作成装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0089】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、帳票の作成業務に有用である。
【符号の説明】
【0091】
1 帳票作成装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 仕入先名マスタ
21 表示制御部
22 入力処理部
23 演算部
24 データ生成部
25 表示形態選択部
26 注文書作成部
27 出力制御部