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特許7572970鋳造材料混合物の添加物としての、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を含む粒子材料の使用、対応する方法、混合物、及びキット
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  • 特許-鋳造材料混合物の添加物としての、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を含む粒子材料の使用、対応する方法、混合物、及びキット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】鋳造材料混合物の添加物としての、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を含む粒子材料の使用、対応する方法、混合物、及びキット
(51)【国際特許分類】
   B22C 1/18 20060101AFI20241017BHJP
   B22C 1/02 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B22C1/18 B
B22C1/02 Z
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021564550
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2020063520
(87)【国際公開番号】W WO2020229623
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】102019113008.5
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591194322
【氏名又は名称】ヒュッテネス-アルベルトゥス ヒェーミッシェ ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【住所又は居所原語表記】Wiesenstrasse 23,D-40549 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【弁理士】
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】ライノルト ルーカス ミルコ
(72)【発明者】
【氏名】ルスティヒ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルゴヴィッチ レネ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー エドガー
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/059969(WO,A1)
【文献】特開2013-094834(JP,A)
【文献】特開2008-307604(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0306658(US,A1)
【文献】国際公開第2018/097180(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 1/00-26
B22C 9/00-30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造材料混合物の熱硬化により製造可能な鋳造物の耐湿性を高めることを目的とする、少なくとも以下:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を含む前記鋳造材料混合物の添加物として
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の使用。
【請求項2】
向上した耐湿性を有する熱硬化鋳造物を製造するプロセスであって、以下:
(i)少なくとも下記構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を一緒に混合することによって鋳造材料混合物を製造するステップ、
(ii)前記鋳造材料混合物を成形するステップ、
(iii)前記成形された鋳造材料混合物を熱硬化して、鋳造物を得るステップ
を含み、
前記鋳造材料混合物の前記構成物質が、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料と、さらに混合されることを特徴とするプロセス。
【請求項3】
前記鋳造材料混合物が、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を混合することによる固体状態混合物若しくは懸濁液の作製によって製造され、
ここで、作製された前記固体状態混合物又は懸濁液は、前記鋳造材料混合物のさらなる構成物質と混合される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のプロセスに使用するための混合物であって、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含み、
ここで、前記混合物が、固体状態混合物又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液ある、混合物。
【請求項5】
少なくとも以下の構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、
- 水ガラス、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含む、請求項4に記載の混合物。
【請求項6】
前記混合物中、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満あり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満あり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素と、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の合計割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満あり、
及び/又は
非晶質二酸化ケイ素の合計割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満ある、
請求項5に記載の混合物。
【請求項7】
以下:
(i)レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の個別量を用意又は生成するステップ、
(ii)レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質として又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の量を用意又は生成するステップ、
(iii)ステップ(i)及び(ii)で用意又は生成された前記量を混合するステップ
を含むプロセスによって製造可能な、請求項4~6のいずれか1項に記載の混合物。
【請求項8】
以下:
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の総質量と、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量
の比が、20:1~1:20の範囲ある、請求項4~7のいずれか1項に記載の混合物。
【請求項9】
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合で二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、請求項1に記載の使用
【請求項10】
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し
且つ/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、請求項1又は9に記載の使用
【請求項11】
1つ若しくは複数の構成物質が、前記鋳造材料混合物添加されるか、又は硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、請求項1及び9~10のいずれかに記載の使用
【請求項12】
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、請求項1及び9~11のいずれかに記載の使用
【請求項13】
前記鋳造材料混合物のRa226の活性が、1Bq/g以下である、請求項1及び9~12のいずれかに記載の使用
【請求項14】
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合で二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、請求項2又は3に記載のプロセス。
【請求項15】
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し;
且つ/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、請求項2、3及び14のいずれかに記載のプロセス。
【請求項16】
1つ若しくは複数の構成物質が、前記鋳造材料混合物に添加されるか、又は硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、請求項2~3及び14~15のいずれかに記載のプロセス。
【請求項17】
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、請求項2~3及び14~16のいずれかに記載のプロセス。
【請求項18】
前記鋳造材料混合物中のRa226の活性が、1Bq/g以下である、請求項2~3及び14~17のいずれかに記載のプロセス。
【請求項19】
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合で二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、請求項4~8のいずれかに記載の混合物。
【請求項20】
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し;
且つ/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、請求項4~8及び19のいずれかに記載の混合物。
【請求項21】
1つ若しくは複数の構成物質が、前記混合物に添加されるか、又は硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、請求項4~8及び19~20のいずれかに記載の混合物。
【請求項22】
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、請求項4~8及び19~21のいずれかに記載の混合物。
【請求項23】
前記混合物中のRa226の活性が、1Bq/g以下である、請求項4~8及び19~22のいずれかに記載の混合物。
【請求項24】
請求項4~8及び19~23のいずれか1項に記載の混合物を製造するためのキットであって、
少なくとも以下:
- 前記キットの第1構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の量、
- 前記キットの第2構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の量
を含み、
前記キットの第1及び第2構成物質が、互いに空間的に分離して配置されているキット。
【請求項25】
金属加工のための鋳型又は中子の製造における請求項4~8及び19~23のいずれか1項に記載の混合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造材料混合物の熱硬化により製造可能な鋳造物の耐湿性を高めるための鋳造材料混合物の添加物としての、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の使用に関する。本発明による使用のさらなる詳細は、添付の特許請求の範囲及び以下の説明から明らかになるであろう。本発明は、さらに、向上した耐湿性を有する給熱養鋳造物を製造するための対応するプロセスにも関する。加えて、本発明は、混合物及びその使用にも関する。本発明は、さらにキットに関する。各々の詳細は、添付の特許請求の範囲及び以下の説明から明らかになるであろう。
【背景技術】
【0002】
ロストモールドを用いる鋳造は、ニアネットシェイプ部品を製造するために広く使用されているプロセスである。鋳造後、鋳型が破壊されて、鋳造部品が取り出される。ロストモールドは、鋳型であることから、ネガティブであり;それらは、鋳造しようとする空洞を含み、それによって最終鋳造部品が得られる。未来の鋳物の内形は、中子(なかご)によって形成される。鋳型の製造の際に、製造しようとする鋳造部品のモデルが、鋳造材料内に空洞を形成する。
【0003】
鋳造後に鋳型(ロストモールド)を破壊して、鋳造部品を取り出す砂型鋳造方法とは対照的に、例えば、鋳鉄又は鋼から製造される金属永久鋳型は、鋳造部品を取り出した後、次の鋳造に再利用することができる。また、ダイカストにより鋳造することも可能であり、その場合、液体状の融解金属を、高圧下、高い鋳型充填速度でダイカスト鋳型内に射出する。前述の鋳造方法も、本発明に関して好ましい。鋳型(ロストモールドを用いる砂型鋳造法での)及び中子に用いられるモールドベース材料は、主に、耐火性粒状物質、例えば、洗浄分類ケイ砂である。鋳型の製造のために、モールドベース材料を無機又は有機結合剤で結合させる。結合剤は、鋳型又は中子が、必須の機械的安定性を含むように、モールドベース材料の粒子の間に一定のコヒーレンスを生み出す。結合剤と予め混合された耐火性モールドベース材料は、それが好適な空洞内に導入されて、そこで圧縮され得るように、自由流動形態であるのが好ましい。鋳造材料は、強度を高めるために、圧縮される。
【0004】
鋳型及び中子は、様々な要求を満たさなければならない。実際の鋳造工程中、それらはまず、1つ又は複数の(部分的)鋳型から形成される空洞内に液体金属を収容することを可能にするのに十分な強度及び熱安定性を備えていなければならない。凝固工程が開始した後、鋳造部品の機械的安定性は、鋳型の壁に沿って形成される凝固金属層によって確実にされる。
【0005】
次に、鋳型の材料は、金属により放出される熱の影響下で変化すると考えられ、それにより、その機械的強度を喪失する、即ち、耐火性材料の個々の粒子間のコヒーレンスが失われる。理想的な場合では、鋳型及び中子が再度崩壊して、鋳造部品から容易に取り出すことができる微砂を形成し、それに応じて好都合な破壊特性を有する。
【0006】
ドイツ特許出願公開第10 2013 111 626 A1号明細書は、少なくとも以下:耐火性モールドベース材料、結合剤としての水ガラス、粒子状非晶質二酸化ケイ素及び1つ又は複数の粉状酸化ホウ素化合物を含む、鋳型又は中子の製造のための鋳造材料混合物を開示している。この文献はさらに、鋳造材料混合物にホウ素化合物を添加すると、それらから製造される中子及び鋳型の湿度安定性が向上することをも開示している。
【0007】
ドイツ特許出願公開第10 2013 106 276 A1号明細書は、少なくとも1つの耐火性モールドベース材料、粒子状非晶質SiO2、水ガラス及びリチウム化合物を含む、金属加工を目的とする鋳型及び中子の製造のための鋳造材料混合物を開示している。この文献はさらに、鋳造材料混合物にリチウム化合物を添加すると、それらから製造される鋳型の湿度安定性が向上することをも開示している。
【0008】
ドイツ特許出願公開第10 2012 020 509 A1号明細書は、少なくとも以下:耐火性モールドベース材料、無機結合剤及び粒子状非晶質SiO2(ZrSiO4の熱破壊によってZrO2及びSiO2を形成することにより製造可能な)を含む、金属加工を目的とする鋳型及び中子の製造のための鋳造材料混合物を開示している。
【0009】
ドイツ特許出願公開第10 2012 020 510 A1号明細書は、少なくとも1つの耐火性モールドベース材料、無機結合剤及び粒子状非晶質SiO2(酸素含有ガスを用いた金属ケイ素の酸化により製造可能な)を含む、金属加工を目的とする鋳型及び中子の製造のための鋳造材料混合物を開示している。
【0010】
ドイツ特許出願公開第10 2012 020 511 A1号明細書は、少なくとも1つの耐火性モールドベース材料、無機結合剤及び粒子状非晶質SiO2(結晶質石英の溶融及び急速再冷により製造可能な)を含む、金属加工を目的とする鋳型及び中子の製造のための鋳造材料混合物を開示している。
【0011】
欧州特許第1 802 409 B1号明細書は、少なくとも以下:耐火性モールドベース材料、水ガラスを基材とする結合剤を含む、金属加工を目的とする鋳型及び中子の製造のための鋳造材料混合物を開示しており、これは、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の1部分が、鋳造材料混合物に添加されていることを特徴とする。
【0012】
国際公開第2009/056320 A1号パンフレットは、少なくとも以下:耐火性モールドベース材料;水ガラスを基材とする結合剤を含む、金属加工を目的とする鋳型の製造のための鋳造材料混合物を開示しており;ここで、特定の割合の、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン及び酸化亜鉛の群から選択される粒子状酸化金属;特定の割合の少なくとも1種の界面活性物質が、鋳造材料混合物に添加されている。
【0013】
専門誌“Giesserei-Praxis”,4,2018,p.35-36に公開された、著者Haanappel及びMorsinkによる論文“Pruefmethoden zur Charakterisierung der Fliessfaehigkeit anorganischer Kernsandmischungen - Kernherstellung mit anorganischen Bindersystemen”[Test Methods for Characterizing the Flowability of Inorganic Core Sand Mixtures - Core Production with Inorganic Binder Systems]は、中子砂混合物の流動性を改善するための界面活性剤及び粉状添加物の使用を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、先行技術は、粒子状非晶質SiO2を含む鋳造材料混合物を既に開示している。また、ZrO2製造からの粒子状SiO2を鋳造材料混合物のために使用できることも知られている。加えて、石英の還元工程で(例えば、アーク炉でコークスを用いて)形成される粒子状SiO2を鋳造材料混合物のために使用できることもわかっている。また、粒子状基材配合物に先立ち、リチウム化合物又はホウ素化合物を添加すると、それらを用いて製造される鋳造物の湿度安定性(耐湿性)を向上させ得ることもわかっている。
【0015】
さらには、その使用によって、最大圧縮、従って、最大相対鋳造物重量(予定される幾何学的形状の所与の物体の体積に基づく重量;これは、中子の場合、中子重量と呼ばれる)を達成することができる鋳造材料混合物が求められている。最大中子重量を有する中子の使用は、こうした鋳造用中子により、欠損が少なく、優れたエッジシャープニング及びより高い表面品質を有する鋳造部品が得られることから、有利である。
【0016】
より具体的には、高い相対鋳造物重量(中子の場合の中子重量)及び良好な湿度安定性を同時に備えた鋳造物(鋳型又は中子)を製造することを可能にする鋳造材料混合物が求められている。
【0017】
より具体的には、高い相対鋳造物重量(中子の場合の中子重量)及び良好な湿度安定性を同時に備えた鋳造物(鋳型又は中子)を製造することを可能にし、その構成物質が、極めて少量のリチウム又はホウ素化合物(もし存在すれば)を含む鋳造材料混合物も求められている。
【0018】
本発明は、このカテゴリーにおいて、本発明の粒子材料の使用、本発明のプロセス、本発明の混合物、本発明のキット、及び本発明の混合物の使用に関する。これらのカテゴリーの1つに関連して記載される、又は好ましいものとして記載される実施形態、態様及び特性は、各々それぞれ他のカテゴリーに、相応に又は同様に適用が可能であり、逆も同様である。
【0019】
他に記載のない限り、本発明の好ましい態様又は実施形態、並びにそれらの様々なカテゴリーは、本発明の他の態様又は実施形態、並びにそれらの様々なカテゴリーと、とりわけ、他の好ましい態様又は実施形態と組み合わせることができる。それぞれ好ましい態様又は実施形態を互いに組み合わせることによっても、各々のケースで、やはり本発明の好ましい態様又は実施形態が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の主要な態様では、前述した目的及び問題は、鋳造材料混合物の熱硬化により製造可能な鋳造物の耐湿性を高めることを目的とする、少なくとも以下:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を含む鋳造材料混合物の添加物として、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の使用によって達成及び解決される。
【0021】
本発明に関連する鋳造材料混合物は、複数の構成物質の1つとして、耐火性モールドベース材料を含む。
【0022】
鋳造材料混合物の、又は添加物と一緒に提供される鋳造材料混合物の製造における別の構成物質への添加物の添加の時点は任意であり、自由に選択することができる。例えば、添加物は、そうでなければ完成した鋳造材料混合物に最後に添加してもよいし、又は1つ若しくは複数の別の構成物質を鋳造材料混合物に最終的に混合する前に、まず前述した構成物質の1つ若しくは複数と予め混合してもよい。
【0023】
「粒子(状)」という用語は、好ましくは、注入可能で、そのため、篩に掛けることもできる固体粉末(粒子を含む)又は顆粒状物質を指す。
【0024】
粒子材料は、好ましくは、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む。
【0025】
本発明に関連して、合成により生成される粒子状非晶質二酸化ケイ素とは、当該非晶質二酸化ケイ素が、
- 非晶質二酸化ケイ素の工業的合成のために計画された化学反応プロセスの目標生成物
又は
- 非晶質二酸化ケイ素ではない目標生成物の工業的合成のために計画された化学反応プロセスの副産物
であることを意味する。
【0026】
その目標生成物として非晶質二酸化ケイ素を有する反応プロセスの一例は、四塩化ケイ素の火炎加水分解法である。このプロセスにより生成される非晶質SiO2(「二酸化ケイ素」)は、「焼成SiO2」(「焼成二酸化ケイ素」)若しくは焼成シリカ又はフュームドシリカとも呼ばれる(CAS RN 112945-52-5)。
【0027】
非晶質二酸化ケイ素が、副産物として形成される反応プロセスの一例は、例えば、目標生成物としてケイ素又はフェロシリコンの生成のためのアーク炉内で、コークスを用いた石英の還元である。このようにして生成された非晶質SiO2(「二酸化ケイ素」)は、シリカダスト、二酸化ケイ素ダスト若しくはSiO2フューム凝縮物又は「シリカフューム」若しくはマイクロシリカとも呼ばれる(CAS RN 69012-64-2)。
【0028】
非晶質二酸化ケイ素が、合成により生成される別の反応プロセスは、例えば、アーク炉内での、コークスを用いたZrSiO4の熱破壊により、ZrOとSiO2を取得するものである。
【0029】
文献では、四塩化ケイ素の火炎加水分解法により形成される非晶質二酸化ケイ素、例えば、アーク炉内で、コークスを用いた石英の還元の際に副産物として形成される非晶質二酸化ケイ素、並びに「焼成SiO2」(「焼成二酸化ケイ素」)若しくは焼成シリカとして、ZrSiO4の熱破壊により形成される非晶質二酸化ケイ素が頻繁に言及される。この学術用語も、本出願に関連して使用される。
【0030】
本発明に関連して、本発明に関して特に好ましく使用される焼成粒子状非晶質二酸化ケイ素としては、CAS RN 69012-64-2及びCAS RN 112945-52-5により識別されるタイプの粒子状非晶質二酸化ケイ素が挙げられる。本発明に従って特に好ましく使用されるこれらのタイプの焼成粒子状非晶質二酸化ケイ素は、それ自体公知の方法で、特にアーク炉内で炭素(例えば、コークス)を用いた石英の還元、続いて二酸化ケイ素への酸化(好ましくは、フェロシリコン及びケイ素の生成中に)によって、生成することができる。同様に、ZrSiO4からZrO2を取得するためのZrSiO4の熱破壊により生成されるSiO2、及び四塩化ケイ素の火炎加水分解法により得られるSiO2が特に好ましい。
【0031】
アーク炉内で炭素(例えば、コークス)を用いた石英の還元(フェロシリコン及びケイ素の生成中に)により生成されるタイプの粒子状非晶質二酸化ケイ素は、炭素を含有する。ZrSiO4の熱破壊により生成されるタイプの粒子状非晶質二酸化ケイ素は、二酸化ジルコニウムを含有する。
【0032】
酸素含有ガスを用いた金属ケイ素の酸化により生成可能な粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び溶融二酸化ケイ素のクエンチングにより生成可能な粒子状非晶質二酸化ケイ素は、非常に少数の不可避の不純物しか含まない極めて純粋なSiO2である。
【0033】
最も好ましくは、本発明に従って好ましく使用される焼成粒子状非晶質二酸化ケイ素は、CAS RN 69012-64-2により識別されるタイプの粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む。これは、好ましくは、アーク炉内で炭素(例えば、コークス)を用いた石英の還元(例えば、フェロシリコン及びケイ素の生成中に)によって生成されるか、又はフェロシリコン及びケイ素の生成工程中に副産物(シリカフューム)として得られる。同様に、ZrSiO4からZrO2を取得するためのZrSiO4の熱破壊により生成されるSiO2が特に好ましい。これらのタイプの粒子状非晶質二酸化ケイ素はまた、当技術分野で「マイクロシリカ」とも呼ばれる。
【0034】
「CAS RN」は、CAS登録番号及びCASレジスタ番号(CAS=ケミカル・アブストラクツ・サービス(Chemical Abstracts Service))を意味する。
【0035】
その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、鋳造材料混合物の添加物として含む粒子材料の使用とは、上記添加物が、排他的に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素から構成されるか、又は上記添加物が、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素以外に、別の粒子状若しくは非粒子状構成物質を含むことを意味する。レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素以外に、添加物は、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である別の粒子状構成物質を一切含まない場合が好ましい。
【0036】
粒度分布の中央値は、検査した粒子集団の半分が、当該値より小さい粒径を有すると共に、検査した粒子集団の残り半分が、当該値より大きい粒径を有する値を意味すると理解される。この値は、好ましくは、以下の実施例1で説明される通りに確認される。
【0037】
「レーザ散乱により決定して」が意味する(ここで、及び以後)のは、検査対象の粒子状物質のサンプル(必要であれば)を実施例1(以下を参照)の方法に従って前処理した後、このようにして前処理した物質の粒度分布を、実施例1(以下を参照)のレーザ散乱により決定することである。
【0038】
モールドベース材料は、好ましくは耐火性モールドベース材料である。本明細書において、当業者には通常理解される通り、「耐火性」の塊、材料及び鉱物は、溶鉄、通常、鋳鉄の鋳造又は凝固の過程での熱ストレスに少なくとも短時間耐えることができるものを指す。好適なモールドベース材料は、天然及び合成モールドベース材料材、例えば、ケイ砂、ジルコンサンド又はクロム鉱石砂、かんらん石、バーミキュライト、ボーキサイト若しくは耐火粘土である。
【0039】
本発明に関連して、モールドベース材料は、好ましくは鋳造材料混合物の総質量の80重量%超、好ましくは90重量%超、より好ましくは95重量%超を占める。耐火性モールドベース材料は、好ましくは自由流動状態である。本発明に従い使用されるモールドベース材料は、そのため、好ましくは、また通常通り、粒状又は粒子形態である。
【0040】
耐火性モールドベース材料は、30~100の範囲のAFS粒度指数を有する。AFS粒度指数は、ここでは、VDG-Merkblatt(“Verein deutscher Giessereifachleute”[Society of German Foundry Experts]からの情報シート)P 34 of October 1999,point 5.2に従って決定される。そこで、AFS粒度指数は、以下の式:
【数1】
により規定されている。
【0041】
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する、使用され得る粒子状非晶質二酸化ケイ素は、合成により生成されるタイプ又は天然に存在するタイプのいずれであってもよい。後者は、例えば、ドイツ特許第10 2007 045 649号明細書から公知であるが、こうしたタイプは、かなりの結晶質構成物質を含有することが多く、そのため、発癌性として分類されていることから、好ましくない。
【0042】
水ガラスは、例えば、オートクレーブ内でガラス質ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムを溶解させることにより、又は熱水プロセス中にケイ酸リチウムから生成され得る。本発明によれば、言及したアルカリ金属イオンの1つ、2つ若しくはそれ以上を含有する、及び/又は1つの、若しくはさらに1つ以上の多価カチオン、例えば、アルミニウムを含有する水ガラスを使用することが可能である。本発明に関連して、鋳造材料混合物中の水ガラスの割合は、0.6重量%~3重量%の範囲にあるのが好ましい。
【0043】
「耐湿性を高める」が意味する(ここで、及び以後)のは、同じ組成、幾何学的形状及び生成方法を用いるが、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する合成非晶質二酸化ケイ素を一切含有しない同等の鋳造物と比較して、本発明の使用の場合に製造される鋳造物が、指定される試験条件下で、向上した耐湿性(湿度安定性)を有することである。湿度安定性(耐湿性)の決定については、実施例4を参照されたい。
【0044】
「熱硬化」という用語は、鋳造材料混合物が、硬化の工程で、100℃超、好ましくは100~300℃の温度、より好ましくは120~250℃の温度に付されることを意味すると理解される。
【0045】
熱硬化は、マイクロ波の入射により実施又は補助することもできる。
【0046】
熱硬化は、同様に、形成される鋳造材料混合物を介した、又はそれに対する、好ましくは均一、且つより好ましくは均質の電流通過により、又は好ましくは均一、且つより好ましくは均質の電磁場の適用によって実施又は補助することもできる。これは、鋳造材料混合物を、好ましくは均一に加熱し、それによって混合物を特に均質に、最終的には高品質に硬化させる。詳細は、ドイツ特許第102017217098B3号明細書(Wolfram Bach; Michael Kaftan)及びそこに引用されている文献に開示されている。
【0047】
熱硬化のための鋳造材料混合物の加熱は、例えば、100℃を超える温度、好ましくは100~300℃の温度、より好ましくは120~250℃の温度を有する鋳型で実施することができる。熱硬化は、鋳造物の工業生産用の慣例的鋳型で完全に又は少なくとも一部を実施するのが好ましい。
【0048】
鋳造材料混合物は、好適な設備において及び/又は好適な装置(例えば、導管、ポンプなど)を使用して硬化することができ、そこで、熱硬化は、制御温度の周囲空気を用いた、成形された鋳造材料混合物の制御曝気によって補助される。周囲温度は、好ましくは100℃~250℃、より好ましくは110℃~180℃に加熱する。この周囲空気は、二酸化炭素を含有するが、これは、とりわけ、好適な設備で及び/又は好適な装置(例えば、導管、ポンプなど)を用いる、本発明の場合、CO2リッチガスによる鋳造材料混合物の特殊な曝気を必要とするCO2法による硬化と同等ではない。このように、本発明に従って、又はそれと組み合わせて考慮される熱硬化に関連して、実施しないのが好ましいことは、空気中の濃度に対して高い濃度でCO2を含有するガスによる鋳造材料混合物の曝気である。
【0049】
制御温度の周囲空気による、成形された鋳造材料混合物の制御曝気における制御温度の周囲空気の流量及び/又は体積流量は、好ましくは、工業用途に好ましい、しかし少なくともそれに適した期間内で鋳造材料混合物を硬化するように調節される。
【0050】
熱硬化の期間、即ち、制御温度の周囲空気による、成形された鋳造材料混合物の加熱及び制御曝気の期間は、個々のケースの要件に応じて変動し得、例えば、硬化しようとする鋳造材料混合物又は硬化しようとする鋳造物の大きさ及び幾何学的特徴に左右され得る。
【0051】
本発明の場合には、5分未満の期間内での熱硬化による硬化が好ましく;特に、2分未満以内の硬化が好ましい。しかしながら、個々のケースの要件により、非常に大型の鋳造物の場合、より長い時間が必要になることもある。
【0052】
鋳造材料混合物の熱硬化は、鋳型又は中子が得られるように、鋳造材料混合物の構成物質を互いに化学反応させることによって実施される。水ガラスを含有する溶液又は分散液を含む鋳造材料混合物の熱硬化の原因となるのは、主として、水ガラスの凝縮、即ち、水ガラスのケイ酸塩単位の相互の結合である。
【0053】
鋳造材料混合物の熱硬化は、硬化が完全であることを要求しない。従って、鋳造材料混合物の熱硬化は、鋳造材料混合物の不完全な硬化も包含する。これは、当業者による用語「熱硬化」の理解と一致する。何故なら、反応速度論の理由から、生成又は提供される鋳造材料混合物中のあらゆる反応性構成物質は、かなり短期間の熱硬化工程中に反応することになるとは期待し得ないからである。当業者は、これに関して、(例えば、熱硬化されていない)例えば鋳造材料混合物の硬化後の現象を把握している。
【0054】
鋳造材料混合物は、鋳型内で既に硬化している可能性があるが、それが、鋳型から取り出すのに十分な強度を有するように、鋳造材料混合物を最初にそのエッジ領域のみ硬化させることも可能である。その後、さらに水を除去する(例えば、炉内で、又は減圧下で水の蒸発により、又はマイクロ波オーブン内で)ことにより、鋳造材料混合物をさらに硬化させることができる。
【0055】
本発明の使用は、金属鋳造に慣例的なあらゆる鋳造物、即ち、例えば、中子及び鋳型の製造に適している。また、特に有利なことには、壁が非常に薄い区間を有する鋳造物を製造することも可能である。
【0056】
本発明の使用の場合に製造が可能な本発明の鋳造物は、とりわけ、比較的高い相対鋳造物重量(予定される幾何学的形状の所与の物体の体積に基づく重量;これは、中子の場合、中子重量と呼ばれる)の特性と、高い耐湿性(湿度安定性)の有望な組合せを有する。社内研究によれば、この比較的高い相対鋳造物重量(中子の場合、中子重量)は、同様に存在する中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素と一緒に本発明に従って使用される添加物の組合せ(前述した通り)の場合に、鋳造材料混合物の流動性、従って圧縮可能性及び圧縮に対する正の相乗効果によって可能になり、達成される。本発明は、共通の技術的教示を介して共同で関連するその様々な態様(レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素と一緒に、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を含む粒子材料の使用)と共に、前述した目的又はニーズの各々又は全てに関する。
【0057】
本発明はまた、向上した耐湿性を有する熱硬化鋳造物を製造するプロセスであって、以下:
(i)少なくとも下記構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を一緒に混合することによって鋳造材料混合物を製造するステップ、
(ii)鋳造材料混合物を成形するステップ、
(iii)成形された鋳造材料混合物を熱硬化して、鋳造物を得るステップ
を含み、ここで、
鋳造材料混合物の構成物質が、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料と、さらに混合されるプロセスにも関する。
【0058】
本発明の使用及びそれらの特徴に関する詳細も同様に適用可能である。
【0059】
(少なくとも)以下:耐火性モールドベース材料(30~100の範囲のAFS粒度指数を有する)、粒子状非晶質二酸化ケイ素(レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する)、水ガラス、及び添加物としての粒子材料(レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む)の構成物質の本発明の混合によって、鋳造材料混合物が得られ、これを後にさらに処理する(ステップ(ii))。ここで、混合工程中のさらに別の構成物質の存在は排除されない。
【0060】
個別の構成物質の組合せ又は添加の順序は任意であり、自由に選択することができる。
【0061】
鋳造材料混合物の成形(ステップ(ii))は、鋳造材料混合物又は鋳造材料混合物の部分が、明確な外形に変えられることを意味すると理解される。これは、例えば、鋳造材料混合物が鋳型内に導入されることで達成することができ;より好ましくは、これは、鋳造材料混合物を、対応する鋳型内に圧縮空気によって導入することを意味する。
【0062】
成形された鋳造材料混合物の熱硬化(ステップ(iii))によって鋳造が達成される。添加物(レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素)の存在のために、これは、高い耐湿性を有する。
【0063】
鋳造材料混合物が、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を混合することによる固体状態混合物又は懸濁液の作製によって製造され、
ここで、作製された固体状態混合物又は懸濁液は、鋳造材料混合物のさらなる構成物質と混合される、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)が好ましい。
【0064】
記述される固体構成物質の粒子は、好ましくは、その粒度分布だけではなく、少なくとも1つのさらなる化学的及び/又は物理的特性(特に好ましくは、化学組成)が異なっている。ここで、1つ又は複数のさらなる構成物質の存在は排除されず、同様に、本発明の固体状態混合物が得られる。
【0065】
個々のケースの要件に応じて、本発明の目的のために、多くの場合、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布(レーザ散乱により決定して)を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素と、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布(レーザ散乱により決定して)を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を含む粒子材料から、固体状態混合物を製造することが有利である。
【0066】
鋳造材料混合物のさらなる構成物質とこのようにして作製された固体状態混合物の混合が意味するのは、記載の固体状態混合物が、少なくとも以下:耐火性モールドベース材料(30~100の範囲のAFS粒度指数を有する)、粒子状非晶質二酸化ケイ素(レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する)、及び水ガラスの構成物質と混合されることである。この混合によって、本発明の鋳造材料混合物が得られる。
【0067】
本発明はまた、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)で使用するための、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含む混合物にも関し、
ここで、混合物は、液体キャリア媒体中の固体状態混合物又は固体構成物質の懸濁液、好ましくは固体状態混合物である。
【0068】
本発明の混合物は、本発明のプロセスで使用される場合、熱硬化の耐湿性の増大に寄与すると同時に、有利なことには、高い相対鋳造物重量(中子の場合、中子重量)を有する。
【0069】
本発明の混合物は、さらに、粒子状及び/又は液体物質を含み得る。本発明の混合物は、好ましくは懸濁液、即ち、液体及びそこに分布する粒子の均質な混合物、又は固体状態混合物(即ち、液体物質が存在しない)の懸濁液の形態である。
【0070】
少なくとも以下の構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、
- 水ガラス、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含む、本発明の混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、好ましくは鋳造材料混合物が好ましい。
【0071】
本発明のこのような混合物は、成形、続いて、成形された混合物の熱硬化により使用して、特に高い耐湿性を有する鋳造物を製造することができる。この高い耐湿性は、この目的のために典型的に使用される添加物/成分の存在なしで得られる。例えば、粒子状酸化ホウ素化合物又はリチウムイオン含有水ガラスの存在は、鋳造物の耐湿性を高め得ることが知られている。しかし、こうした物質は、追加的に導入しなければならないため、多くの場合、それらから形成される鋳造物及び鋳造部品の必須パラメータ、例えば、鋳造部品の強度、中子重量及び(表面)品質を損なう。従って、こうした物質の存在は、多くの場合、望ましくなく、高い耐湿性を達成するために、本発明の混合物には必要ではない。従って、粒子状酸化ホウ素化合物の群及び/又はリチウム含有水ガラスの群からのさらなる添加物/成分は、好ましくは本発明の混合物中に存在しない。
【0072】
加えて、混合物中、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.015重量%超、より好ましくは0.02重量%超であり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.015重量%超、より好ましくは0.02重量%超であり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素と、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の合計割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.3重量%超であり、
及び/又は
非晶質二酸化ケイ素の合計割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.3重量%超である、
混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、好ましくは固体状態混合物が好ましい。
【0073】
個別の事例の要件に従って、特に好都合な特性の組合せを達成するために、記載される(全体の、又は上に規定した粒度分布を有する)非晶質二酸化ケイ素の割合を制限するのが好ましい場合もある。ここでも、粒度分布又は粒度分布のそれぞれの中央値は、実施例1に記載されるようにレーザ散乱を用いて決定される。
【0074】
さらには、以下:
(i)レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の個別量を用意又は生成するステップ、
(ii)その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を含む粒子材料の量を用意又は生成するステップ、
(iii)ステップ(i)及び(ii)で用意又は生成された量を混合するステップ
を含むプロセスによって製造可能な混合物、好ましくは鋳造材料混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)が好ましい。
【0075】
本発明のこうした好ましい(鋳造材料)混合物は、従って、2つのタイプの粒子状非晶質二酸化ケイ素を含み、それらは、互いに混合される。
【0076】
以下:
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の総質量と、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量
の比が、20:1~1:20の範囲、好ましくは5:1~1:20、より好ましくは3:1~1:20、特に好ましくは2:1~1:20、最も好ましくは1.5:1~1:20の範囲である、混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)が好ましい。
【0077】
この好ましい範囲内で、湿度安定性は、中子重量に関して特に問題なく特定の度合まで増大する。この範囲を超えると、この効果は弱まる。
【0078】
以下:
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有する、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、
本発明の使用(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、及び本発明の混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)がそれぞれ好ましい。
【0079】
以下の態様14、15及び16に記載される構成も同様に好ましい。
【0080】
これらの種が粒子状非晶質二酸化ケイ素から選択される、及び独立に選択されるとは、2つの種が、異なる群に由来するか、又は各々が同じ群に由来することを意味する。従って、2つの種の粒子状非晶質二酸化ケイ素は、それらが化学的に異なり、且つ異なる粒度分布を有するように選択することが可能である。或いは、両方の種は、それらが、同じ化学組成で、単に粒度分布が異なるように選択してもよい。
【0081】
ここで、本発明の使用、本発明のプロセス及び本発明の混合物に関連して上に挙げた効果及び利点は、特定の程度まで達成される。
【0082】
以下:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成可能であり;
及び/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、また好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成可能である粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、
本発明の使用(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、及び本発明の混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)がそれぞれ好ましい。
【0083】
これは、本発明の使用(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、及び本発明の混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)において、指定された非晶質二酸化ケイ素の種の両方が、記載のように選択されるか、又はただ1つの種が記載のように選択されることを意味する。
【0084】
ここで、本発明の使用、本発明のプロセス又は本発明の混合物に関連して上に挙げた効果及び利点は、特定の程度まで達成される。
【0085】
1つ若しくは複数の構成物質が、鋳造材料混合物若しくは混合物に添加されているか、又はこれらが、以下:硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、本発明の使用(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、及び本発明の混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)が好ましい。
【0086】
本発明の使用、本発明のプロセス又は本発明の混合物によって得られる、又はそれらから製造することができる鋳造物の高い耐湿性を有する、本発明の使用、本発明のプロセス又は本発明の混合物に、当業者には公知の群の1つ又は複数の構成物質の使用の利点を組み合わせることができる。
【0087】
ここで、本発明の使用、本発明のプロセス又は本発明の混合物に関連して上に挙げた効果及び利点は、特定の程度まで達成される。
【0088】
また、以下:
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、
本発明の使用(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、及び本発明の混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)も好ましい。
【0089】
中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素、又は中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素が、ポゾラン活性を有するとき、これらは、水の存在下で水酸化カルシウムと反応することができる。
【0090】
中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素と、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の両方が、ポゾラン活性を有するのが好ましい。
【0091】
鋳造材料混合物又は混合物中のRa226の活性が、1Bq/g以下である、本発明の使用(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、本発明のプロセス(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)、及び本発明の混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)が好ましい。
【0092】
より高い活性を有する(鋳造材料)混合物の使用は、容認されないものとして益々認識されてきている。
【0093】
上記の活性は、ISO19581:2017に従い、γ線スペクトロメトリーによって決定するのが好ましい。
【0094】
少なくとも以下:
- キットの第1構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の量、
- キットの第2構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の量
を含む混合物(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)を製造するためのキットであって、
キットの第1及び第2構成物質が、互いに空間的に分離して配置されているキットが好ましい。
【0095】
以下の態様4、6、8、10、12、16、19、22若しくは28の1つに従って本発明の混合物を製造するための、又は以下の態様2、3、15、18、21若しくは24の1つに従って本発明のプロセスを実施するための本発明のキットの使用が好ましい。
【0096】
ここでも、本発明の使用、本発明のプロセス又は本発明の混合物に関連して上に挙げた効果及び利点が達成される。
【0097】
金属加工のための鋳型又は中子の製造における混合物の使用(前述した通り、好ましくは上に好ましいものとして明示した通り)が好ましい。このようにして製造された中子は、後に、好ましくは金属永久鋳型(例えば、ダイカスト鋳型)及びロストモールド(例えば、砂型)からなる群から選択される鋳型の外側部品に使用される。
【0098】
ここでも、本発明の使用及び本発明の混合物に関連して上に挙げた効果及び利点が達成される。
【発明を実施するための形態】
【0099】
以下に、本発明の好ましい態様を具体的に挙げる。
【0100】
1.鋳造材料混合物の熱硬化により製造可能な鋳造物の耐湿性を高めることを目的とする、少なくとも以下:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を含む鋳造材料混合物の添加物として、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の使用。
【0101】
2.向上した耐湿性を有する熱硬化鋳造物を製造するプロセスであって、以下:
(i)少なくとも下記構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を一緒に混合することによって鋳造材料混合物を製造するステップ、
(ii)鋳造材料混合物を成形するステップ、
(iii)成形された鋳造材料混合物を熱硬化して、鋳造物を得るステップ
を含み、ここで、
鋳造材料混合物の構成物質が、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料と、さらに混合されるプロセス。
【0102】
3.鋳造材料混合物が、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を混合することによる固体状態混合物の作製によって製造され、
ここで、作製された固体状態混合物は、鋳造材料混合物のさらなる構成物質と混合される、態様2に記載のプロセス。
【0103】
4.態様2及び3のいずれかに記載のプロセスに使用するための混合物であって、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含み、
ここで、混合物は、液体キャリア媒体中の固体状態混合物又は固体構成物質の懸濁液、好ましくは鋳造材料混合物である、混合物。
【0104】
5.以下:
(i)純粋な物質として、又は固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素を生成若しくは用意するステップ、及び個別に
(ii)純粋な物質として、又は固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料を生成若しくは用意するステップ、続いて、
(iii)ステップ(i)~(ii)で生成若しくは用意された物質(各々独立に、純粋な物質、固体状態混合物、又は懸濁液)を混合するステップ
を有する、態様4に記載の混合物を製造するプロセス。
【0105】
6.少なくとも以下の構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、
- 水ガラス、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含む、態様4に記載の混合物、好ましくは鋳造物製造のための鋳造材料混合物。
【0106】
7.以下:
(i)純粋な物質として、又は固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素を生成若しくは(好ましくは)用意するステップ、
(ii)純粋な物質として、又は固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料を生成若しくは(好ましくは)用意するステップ、
(iii)AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料を生成又は(好ましくは)用意するステップ、
(iv)水ガラスを生成又は(好ましくは)用意するステップ、
(v)ステップ(i)~(iv)で生成又は用意した物質を混合するステップ(好ましくは、まず、ステップ(i)及び(ii)で生成又は用意した物質を互いに混合した後に初めて、得られた予備混合物をさらに別の物質と混合する)
を有する、態様6に記載の混合物を製造するプロセス。
【0107】
8.混合物中、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.015重量%超、より好ましくは0.02重量%超であり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.015重量%超、より好ましくは0.02重量%超であり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素と、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の合計割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.3重量%超であり、
及び/又は
非晶質二酸化ケイ素の合計割合は、混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.3重量%超である、
態様6に記載の混合物、好ましくは鋳造材料混合物。
【0108】
9.以下:
(i)固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素を生成若しくは用意するステップ、
(ii)固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を生成若しくは用意するステップ、
(iii)さらなる液体若しくは粒子状物質又は物質混合物を生成又は用意するステップ、
(iv)ステップ(i)~(iii)で生成又は用意された構成物質を対応する量で混合するステップ(態様6を参照)
を有する、態様8に記載の混合物を製造するプロセス。
【0109】
10.以下:
(i)レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の個別量を用意又は生成するステップ、
(ii)レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の量を用意又は生成するステップ、
(iii)好ましくは、態様5、7及び9のいずれかに記載のプロセスにより製造可能な、ステップ(i)及び(ii)で用意又は生成された量を混合するステップ
を含むプロセスによって製造可能な、先行態様4、6及び8のいずれかに記載の混合物、好ましくは鋳造材料混合物。
【0110】
11.以下:
(i)レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の個別量を用意又は生成するステップ、
(ii)レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の量を用意又は生成するステップ、
(iii)ステップ(i)及び(ii)で用意又は生成された量を混合するステップ
を有する、態様4、6、8又は10のいずれかに記載の混合物を製造するプロセス。
【0111】
12.以下:
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の総質量と、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量
の比が、20:1~1:20の範囲、好ましくは5:1~1:20、より好ましくは3:1~1:20、特に好ましくは2:1~1:20、最も好ましくは1.5:1~1:20の範囲である、態様4、6、8又は10のいずれかに記載の混合物。
【0112】
13.以下:
(i)固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の量を用意若しくは生成するステップ、
(ii)固体状態混合物の構成物質として、又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液の構成物質として、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の個別量を用意若しくは生成するステップ、
(iii)ステップ(i)~(ii)で生成又は用意された量の物質を混合するステップにおいて、上記物質の量が、得られた混合物中で、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の総質量と、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量
が、20:1~1:20の範囲、好ましくは5:1~1:20、より好ましくは3:1~1:20、特に好ましくは2:1~1:20、最も好ましくは1.5:1~1:20の範囲であるステップ
を有する、態様4、6、8又は10のいずれかに記載の混合物を製造するプロセス。
【0113】
14.レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有する、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成される(この場合、典型的には、副産物として得られる)粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、態様1に記載の使用。
【0114】
15.レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、態様2及び3のいずれかに記載のプロセス。
【0115】
16.レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、態様4、6、8、10又は12のいずれかに記載の混合物。
【0116】
17.-レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、また、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成され;
且つ/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、また、好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、態様1又は14のいずれかに記載のプロセス。
【0117】
18.-レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、また、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成され;
且つ/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、また、好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成される粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、態様2、3又は15のいずれかに記載のプロセス。
【0118】
19.-レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、また、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成可能であり;
且つ/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、また、好ましくはZrSiO4の熱的破壊により生成可能である粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、態様4、6、8、10、12又は16のいずれかに記載の混合物。
【0119】
20.1つ若しくは複数の構成物質が、鋳造材料混合物に添加され、これらは、以下:硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、態様1、14又は17のいずれかに記載の使用。
【0120】
21.1つ若しくは複数の構成物質が、鋳造材料混合物に添加され、これらは、以下:硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、態様2、3、15又は18のいずれかに記載のプロセス。
【0121】
22.1つ若しくは複数の構成物質が、鋳造材料混合物に添加され、これらは、以下:硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、態様4、6、8、10、12、16又は19のいずれかに記載の混合物。
【0122】
23.レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、態様1、14、17又は20のいずれかに記載のプロセス。
【0123】
24.
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、態様2、3、15、18又は21のいずれかに記載の混合物。
【0124】
25.レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、態様4、6、8、10、12、16、19又は22のいずれかに記載の混合物。
【0125】
26.鋳造材料混合物中のRa226の活性が、1Bq/g以下である、態様1、14、17、20又は23のいずれかに記載の使用。
【0126】
27.鋳造材料混合物中のRa226の活性が、1Bq/g以下である、態様2、3、15、18又は21のいずれかに記載のプロセス。
【0127】
28.混合物中のRa226の活性が、1Bq/g以下である、先行態様4、6、8、10、12、16、19又は22のいずれかに記載の混合物。
【0128】
29.先行態様4、6、8、10、12、16、19、22若しくは28のいずれかに記載の混合物を製造するための、又は態様2、3、15、18、21若しくは24のいずれかに記載のプロセスを実施するためのキットであって、
少なくとも以下:
- キットの第1構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の量、
- キットの第2構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の量
を含み、
キットの第1及び第2構成物質が、互いに空間的に分離して配置されているキット。
【0129】
30.金属加工のための鋳型又は中子の製造における先行態様4、6、8、10、12、16、19、22若しくは29のいずれかに記載の混合物の使用であって、製造された中子が、好ましくは、金属永久鋳型(例えば、ダイカスト鋳型)及びロストモールド(例えば、砂型)からなる群から選択される鋳型の外側部品に使用される使用。
【0130】
以下:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、異なる化学組成を有する、
本発明の使用、混合物及びプロセスが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
図1】テストバーの中子重量の決定の結果(実施例3を参照)及びテストバーの耐湿性の決定の結果(実施例4)を示す。 X軸は、鋳造材料混合物中の整粒RW充填材及びRW充填材Q1 Plusの合計量における整粒RW充填材の割合(%)を示す。Y軸は、実施例3に従って決定された中子重量(グラム)を示す。Z軸は、実施例4に従って決定された耐湿性(%)を示す。 黒丸は、(実施例3に従って)実験により確認されたテストバーの中子重量の測定値を示す。一点鎖線は、測定点の進行を概略的に示す。破線は、鋳造材料混合物中の整粒RW充填材及びRW充填材Q1 Plusの合計量における整粒RW充填材の割合と、中子重量の間で、当業者により予想される線形相関(純粋な材料の値に基づく線形結合)を示す。 十字記号は、(実施例4に従って)実験により確認されたテストバーの耐湿性の測定値を示す。実線は、測定点の進行を概略的に示す。破線は、鋳造材料混合物中の整粒RW充填材及びRW充填材Q1 Plusの合計量における整粒RW充填材の割合と、耐湿性の間で、当業者により予想される線形相関(純粋な材料の値に基づく線形結合)を示す。
図2】テストバー(混合物1.1、1.2及び1.3から製造、表5、実施例6を参照)の中子重量の決定の結果、並びにテストバー(混合物1.1、1.2及び1.3から製造、表5、実施例6を参照)の3時間後の残留強度の決定の結果を示す。 X軸は、ここで、並びに図3図4及び図5において、鋳造材料混合物中のElkem Microsilica(登録商標)971及びRW充填材Q1 Plusの総質量におけるRW充填材Q1 Plusの割合(%)を示す。Y軸は、ここで、並びに図3図4及び図5において、実施例6の項目6.5に従って決定された中子重量(g)を示す。Z軸は、ここで、並びに図3図4及び図5において、実施例6の項目6.7に従って決定された3時間後の残留強度(%)を示す。 黒丸は、ここで、並びに図3図4及び図5において、(実施例6に従って)実験により確認されたテストバーの中子重量の測定値を示す。破線は、ここで、並びに図3図4及び図5において、鋳造材料混合物中のElkem Microsilica(登録商標)971及びRW充填材Q1 Plusの総質量におけるRW充填材Q1 Plusの割合と、中子重量の間で、当業者により予想される線形相関(純粋な材料の値に基づく線形結合)を示す。 十字記号は、ここで、並びに図3図4及び図5において、(実施例6に従って)実験により確認された3時間後の残留強度の値を示す。破線は、ここで、並びに図3図4及び図5において、鋳造材料混合物中のElkem Microsilica(登録商標)971及びRW充填材Q1 Plusの総質量におけるRW充填材Q1 Plusの割合と、耐湿性の間で、当業者により予想される線形相関(純粋な材料の値に基づく線形結合)を示す。
図3】テストバー(混合物2.1、2.2及び2.3から製造、表5、実施例6を参照)の中子重量の決定の結果、並びにテストバー(混合物2.1、2.2及び2.3から製造、表5、実施例6を参照)の3時間後の残留強度の決定の結果を示す。
図4】テストバー(混合物3.1、3.2及び3.3から製造、表5、実施例6を参照)の中子重量の決定の結果、並びにテストバー(混合物3.1、3.2及び3.3から製造、表5、実施例6を参照)の3時間後の残留強度の決定の結果を示す。
図5】テストバー(混合物4.1、4.2及び4.3から製造、表5、実施例6を参照)の中子重量の決定の結果、並びにテストバー(混合物4.1、4.2及び4.3から製造、表5、実施例6を参照)の3時間後の残留強度の決定の結果を示す。
図6】テストバー(混合物5.1、5.2及び5.3から製造、表5、実施例6を参照)の中子重量の決定の結果を示す。 X軸は、鋳造材料混合物中のElkem Microsilica(登録商標)971及び整粒RW充填材の総質量における整粒RW充填材の割合(%)を示す。Y軸は、実施例6の項目6.5に従って決定された中子重量(g)を示す。 黒丸は、(実施例6に従って)実験により確認されたテストバーの中子重量の測定値を示す。破線は、鋳造材料混合物中のElkem Microsilica(登録商標)971及び整粒RW充填材の総質量における整粒RW充填材の割合と、中子重量の間で、当業者により予想される線形相関(純粋な材料の値に基づく線形結合)を示す。
【実施例
【0132】
実施例1-レーザ散乱による粒度分布の決定
本実施例の物質の選択は、例示的に過ぎず、本実施例の手順に従うレーザ散乱により、本発明に従って用いられる他の粒子状二酸化ケイ素種の粒度分布又は中央値を決定することもできる。
【0133】
1.1 サンプル調製:
例として、市販され(RW Silicium GmbH)、Si生成からの粒子状粉末形態、整粒RW充填材[「RW-Fueller gesiebt」]、及びZrO2生成からの粒子状粉末形態、RW充填材Q1 Plus[「RW-Fueller Q1 plus」]であるシリカフューム粒子(CAS番号:65012-64-2)を、レーザ散乱を用いて実験により決定した。
【0134】
いずれの場合も、小さじ約一杯の粒子状非晶質二酸化ケイ素を約100mLの脱塩水と混合し、得られた混合物を、磁気攪拌機(IKAMAG RET)で、毎分500回転の攪拌機速度で30秒間攪拌した。続いて、S26d7ソノトロード(Hielscher製)を備え、100%振幅に予め調節した超音波プローブ(Hielscher製;モデル:UP200HT)をサンプル中に浸け、それを用いてサンプルを超音波処理した。超音波処理は連続的であった(パルス式ではない)。Si生成から検査されるシリカフューム粒子、即ち、整粒RW充填材、及びZrO2生成からのシリカフューム粒子、即ち、RW充填材Q1 Plusについて、300秒(整粒RW充填材の場合)又は240秒(RW充填材Q1 Plus)の最適超音波処理時間が選択されたが、これらは、実施例1の項目1.3に記載のように、事前に確認されていた。
【0135】
1.2 レーザ散乱測定:
測定は、Horiba LA-960計器(以後、LA-960)を用いて実施した。測定のために、循環速度を6に、攪拌機速度を8に、サンプルのデータ記録を30,000に、収束係数を15に、分布様式を容積に、屈折率(R)を1.50~0.01i(脱塩水分散媒の場合には1.33)に、並びに屈折率(B)を1.50~0.01i(脱塩水分散媒の場合には1.33)に設定した。レーザ散乱測定は、室温(20℃~25℃)で実施した。
【0136】
LA-960の測定チャンバを脱塩水で4分の3程度(最大充填レベル)まで充填した。次に、攪拌機を設定速度で開始し、循環のスイッチをオンにし、水を脱ガスした。続いて、指定されたパラメータを用いてゼロ測定を実施した。
【0137】
次に、使い捨てピペットを用いて、超音波処理直後の実施例1の項目1.1に従って調製したサンプルの中央から、0.5~3.0mLのサンプルを採取した。続いて、赤色レーザの透過率が80%~90%で、青色レーザの透過率が70%~90%となるように、ピペットの全内容物を測定チャンバ内に導入した。その後、測定を開始した。指定パラメータに基づいて、測定値を自動的に評価した。
【0138】
Si生成から検査されるシリカフューム粒子(整粒RW充填材)の場合、粒度分布は、小数点第3位で四捨五入して、0.23マイクロメートルの中央値を有することが確認された。
【0139】
ZrO2生成から検査されるシリカフューム粒子(整粒RW充填材Q1 Plus)の場合、粒度分布は、小数点第3位で四捨五入して、0.84マイクロメートルの中央値を有することが確認された。
【0140】
1.3 最適な超音波処理時間の決定:
サンプルの種類に応じて変動する超音波処理の最適時間は、各種の粒子状二酸化ケイ素で異なる超音波処理時間を用いて、一連の測定を実施することにより確認した。これは、10秒から開始して、さらなるサンプル毎に10秒ずつ延長し、実施例1の項目1.2に記載されるように、超音波処理の終了直後に、レーザ散乱(LA-960)を用いてそれぞれの粒度分布を測定することにより実施した。超音波処理の時間を増加していくと、粒度分布で確認される中央値が最初に下降し、その後最終的に、より長い超音波処理時間で再度上昇した。実施例1の項目1.1に記載される超音波処理の場合、選択した超音波処理時間は、これら一連の測定において、それぞれの粒子種について粒度分布の最も低い中央値が決定された時点であり;この超音波処理時間が「最適」超音波処理時間である。
【0141】
実施例2-テストバーの製造
本実施例は、例として、テストバー(鋳造物)の製造を説明する;テストバーの寸法は、例に過ぎず、使用される物質の選択も、本発明に従って使用される別の物質を例示するに過ぎない。
【0142】
2.1 鋳造材料混合物の製造
本実施例の目的のために、RW充填材(レーザ散乱により決定して、中央値が、小数点第3位で四捨五入された0.23マイクロメートルの粒度分布を有する;レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の例として)及びQ1 Plus(レーザ散乱により決定して、中央値が、小数点第3位で四捨五入された0.84マイクロメートルの粒度分布を有する;レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の例として)を一緒に乾燥形態で混合し;添加された量が表1から明らかである。整粒RW充填材とRW充填材Q1 Plusから得られた粉状混合物を、H31砂(ケイ砂;Quarzwerke GmbH製、AFS粒度指数46)と手で混合した。
【0143】
次に、36.2重量%の固形分含有率、約2.1のモル係数、及び約7.7のNa2O:K2O比(モル)を有し、2.0重量%のHOESCH EHS 40(Hoesch製;硫酸エチルへキシル、40.0%~44.0%の活性成分含有率;CAS番号126-92-1)を含む、水ガラスを基材とする液状結合剤を添加し、全ての構成物質を、Bullミキサー(モデル:RN 10/20、Morek Multiserw製)を用い、毎分220回転で120秒間、互いに混合した。
【0144】
例として、表1に具体的に示す使用した構成物質の重量割合を用いて、非発明及び発明混合物を製造した。
【0145】
【表1】
【0146】
2.2 テストバーの製造
実施例2の項目2.1に従って製造される鋳造材料混合物を、22.4mm×22.4mm×185mmの寸法を有するテストバーに成形した。この目的のために、それぞれの鋳造材料混合物を、圧縮空気(4バール)及び3秒の射出時間を用いて、温度が180℃のテストバー用の鋳型に導入した。続いて、テストバーを180℃で30秒間熱硬化しながら、2バールの曝気圧力の加熱周囲空気並びに180℃の曝気及び曝気ホース温度でさらに曝気した。その後、鋳型を開き、硬化したテストバーを取り出し、貯蔵して、冷却させた。
【0147】
実施例3-中子重量の決定
本実施例は、あくまで例として、テストバー(鋳造物)の中子重量の決定を記載する。
【0148】
実施例2に従って製造され、約1時間の冷却時間後の混合物番号1、2、3、5、7、9、11、12、13を用いたテストバーを実験室用電子天秤で計量した。結果を表2に示すが、それぞれの中子重量の値は、9つの個別の測定値からの平均値に対応する。表2の混合物番号は、表1の混合物番号と一致しているため、その点で同じ混合物番号は、同じ組成の鋳造材料混合物を意味する。
【0149】
【表2】
【0150】
実施例4-耐湿性の決定
本実施例は、あくまで例として、テストバー(鋳造物)の耐湿性(湿度安定性)の決定を記載する。
【0151】
4.1 1時間強度の決定
実施例2に従って製造されたテストバー(混合物番号1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、13)を、約1時間の冷却時間後、三点曲げ装置(Morek Multiserw製)を備えるGeorg Fischer強度試験装置に導入し、テストバーの破損を起こす力を測定した。読み取った値(N/cm2)は、1時間強度であった。
【0152】
4.2 温度湿度管理キャビネット内で22時間後の絶対残留強度の決定
実施例2に従って製造されたテストバー(実施例4.1に従う混合物番号)を、1時間の冷却時間後、温度湿度管理キャビネット(VC 0034、Voetsch製)内で30℃及び75%相対湿度の制御条件下で22時間保存した。
【0153】
その後、三点曲げ装置(Morek Multiserw製)を備えるGeorg Fischer強度試験装置に、それぞれのテストバーを導入し、テストバーの破損を起こす力を測定することにより、絶対残留強度を決定した。読取り値(N/cm2)は、絶対残留強度を示す。22時間が経過する前に既に破損した中子については、0N/cm2の絶対残留強度を仮定した。
【0154】
4.3 耐湿性の決定
各混合物番号について耐湿性を決定するために、絶対残留強度(実施例4.2)の6回測定値の合計の平均を求め、1時間強度(実施例4.1)の3つの測定値の平均で割った。こうして得られた値に100%を掛けた;結果は耐湿性である。このようにして確認された耐湿性の値を表3に報告する。表3の混合物番号は、表1の混合物番号と一致しており、そのため、同じ混合物番号は、同じ組成の鋳造材料混合物を意味する。
【0155】
【表3】
【0156】
実施例5-相乗効果
実施例3、表2、及び実施例4、表3からの結果を以下の一覧表4にまとめる。一覧表4には、この表から作成された図1の図が付随する。
【0157】
【表4】
【0158】
一覧表4及び付随の図1から、全般的に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、即ち、材料RW充填材Q1 Plus(中央値が、小数点第3位で四捨五入された0.84μmの粒度分布を有する)の総質量と、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素、即ち、整粒RW充填材(レーザ散乱により決定して、中央値が、小数点第3位で四捨五入された0.23μmの粒度分布を有する)の総質量の比について、有利な値は、20:1~1:20の範囲であることが明らかである。何故なら、この範囲内に有意な二重相乗効果があるからであり、これは、予想外に高い(相乗作用により増大した)耐湿性、同時に、予想外に高い(相乗作用により増大した)相対鋳造物重量(この場合、中子重量)(それぞれの測定値は、各々、予測値よりも高い)に表れている。好ましくは、これらの値は、5:1~1:20、より好ましくは3:1~1:20、特に好ましくは2:1~1:20、最も好ましくは1.5:1~1:20の範囲である。従って、使用した2つのタイプの総質量に基づいて、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素(本実施例では、これは、中央値が、小数点第3位で四捨五入された0.23μmの粒度分布を有する整粒RW充填材である)の割合は、少なくとも40重量%であるのが特に好ましい。
【0159】
従って、対応する鋳造物は、第1に高い貯蔵安定性(特に、湿気の作用に対する安定性)、第2に、形成された鋳造材料混合物の高度圧縮を確実にし、これによって、それから得られる熱硬化鋳造物中に欠損をほとんど含まない高品質の表面がもたらされ、これが今度は、鋳造工程中の熱硬化鋳造物と接触した、本発明の方法で製造された金属鋳造部品中に欠損をほとんど含まない高品質の表面を達成する。
【0160】
実施例6-比較試験:
6.1 試験の理解のための一般的指標
本実施例は、表5に具体的に示す計15の異なる鋳造材料混合物に対する比較試験に関する。より具体的には、本発明の実験を、国際公開第2009/056320 A1号パンフレットに従って実施された本発明以外の実験と比較した。
【0161】
本発明に従う試験は、表5に示す鋳造材料混合物1.3、2.3、3.3及び4.3を用いたものである。他の鋳造材料混合物は全て、本発明に従うものではない。
【0162】
検査した全ての鋳造材料混合物において、同じケイ砂及び同じアルカリ金属水ガラスをいずれの場合にも同じ量で使用した;表5及び付随の脚注1に明示されるアルカリ金属水ガラスの組成の詳細を参照されたい。
【0163】
計10の鋳造材料混合物1.1、1.3、2.1、2.3、3.1、3.3、4.1、4.3、5.1及び5.3で使用した、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素は、Elkem Microsilica(登録商標)971 Uであった。表5に関する脚注5に記載される通り、粒度分布の中央値(小数点第3位で四捨五入される)は、実施例1からのs方法に従って、0.20μmであった。確認された最適超音波処理時間(実施例1の項目1.3を参照)は、1020秒であった。
【0164】
計8つの鋳造材料混合物1.2、1.3、2.2、2.3、3.2、3.3、4.2、及び4.3では、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する、使用した粒子状非晶質二酸化ケイ素は、RW充填材Q1 Plusであった;実施例1.2によれば、この材料は、中央値が、小数点第3位で四捨五入された0.84マイクロメートルの粒度分布を有した。
【0165】
2つの鋳造材料混合物5.2及び5.3(鋳造材料混合物5.3では、Elkem Microsilica(登録商標)971 Uに加えて)では、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する、使用した粒子状合成非晶質二酸化ケイ素は、整粒RW充填材であった;実施例1.2によれば、この材料は、中央値が、小数点第3位で四捨五入された0.23マイクロメートルの粒度分布を有した。
【0166】
鋳造材料混合物1.1~1.3に界面活性剤は使用されず;計3つの異なる界面活性剤をいずれも同じ量で、さらに別の鋳造材料混合物に使用した。界面活性剤の物質的詳細については、表5の脚注2、3及び4を参照されたい。
【0167】
5群の鋳造材料混合物(1.1~1.3、2.1~2.3、3.1~3.3、4.1~4.3及び5.1~5.3)に対して試験を実施した:
- 各群で最初の試験(鋳造材料混合物1.1、2.1、3.1、4.1、5.1)は、いずれの場合も、唯一の粒子状合成非晶質二酸化ケイ素として、Elkem Microsilica(登録商標)971 Uだけを含む鋳造材料混合物に関する。
- 各群で2番目の試験は、いずれの場合も、Elkem Microsilica(登録商標)971 Uを含まず、唯一の粒子状合成非晶質二酸化ケイ素として、RW充填材Q1 Plus(鋳造材料混合物1.2、2.2、3.2、4.2)又は整粒RW充填材(鋳造材料混合物5.2)のどちらかを含む鋳造材料混合物に関する。
- 各群で3番目の試験は、いずれの場合も、Elkem Microsilica(登録商標)971 Uに加えて、RW充填材Q1 Plus(鋳造材料混合物1.3、2.3、3.3、4.3)又は整粒RW充填材(鋳造材料混合物5.3)のどちらかを含む鋳造材料混合物に関する。
【0168】
鋳造材料混合物1.3、2.3、3.3、4.3では、いずれの場合も、2種の粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が使用され、そのうち1種(Elkem Microsilica(登録商標)971 U)は、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有し、他の種(RW充填材Q1 Plus)は、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有した。
【0169】
鋳造材料混合物5.3では、2種の粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が使用され、その各々が、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有した。
【0170】
6.2 鋳造材料混合物の製造
表5に詳細を示す鋳造材料混合物の製造のために、アルカリ金属水ガラス及びいずれかの界面活性剤(界面活性物質)を、初めに充填したH32ケイ砂に添加した。Bullミキサー(モデル:RN 10/20、Morek Multiserw製)を用い、毎分200回転で1分混合物を攪拌した。その後、粒子状非晶質二酸化ケイ素を添加し、得られた混合物をBullミキサーでさらに1分攪拌した。
【0171】
【表5】
【0172】
6.3 テストバーの製造
項目6.2に従って製造された表5に明示するそれぞれの組成の鋳造材料混合物を、22.4mm×22.4mm×185mmの寸法を有するテストバーに成形した。この目的のために、それぞれの鋳造材料混合物を180℃の温度のテストバー用の鋳型内に圧縮空気(2バール)によって導入し、さらに50秒鋳型内に維持した。混合物の硬化を促進するために、最後の20秒間、熱風(3バール、150℃)を鋳型に通過させた。その後、鋳型を開き、テストバー(22.4mm×22.4mm×185mm)を取り出した。
【0173】
テストバーを以下の項目6.4~6.7に従う試験に使用し;鋳造材料混合物5.1~5.3の群を基材とする非発明テストバーは、6.5に従う試験(中子重量の決定)にのみ使用した。
【0174】
6.4 耐熱性の決定
鋳型から取り出した直後に、項目6.3に従って製造されたテストバーを三点曲げ装置(Morek Multiserw製)を備えるGeorg Fischer強度試験装置に導入した。鋳型を開いてから10秒後、テストバーの破損を起こす力を測定した。読み取った値(N/cm2)は、高温強度を示す。表6は、高温強度の測定の結果を示し;報告された値は、いずれの場合も、3つの測定値からの中央値である。
【0175】
6.5 中子重量の決定
約1時間の冷却時間後、項目6.3に従って製造されたテストバーを実験室用電子天秤で計量した。結果を表6に示すが、それぞれの中子重量の値は、9つの個別の測定値からの中央値に相当する。
【0176】
6.6 1時間強度の決定
項目6.3に従って製造されたテストバーを、鋳型から取り出した後、フレームの上に水平に載せて、それらが、それらの全長の両端の領域内でのみフレーム上に配置され、テストバーが、接触表面同士接触せずに、約16cmの区間にわたるようにした。鋳型から取り出してから1時間の冷却時間後、テストバーを、三点曲げ装置(Morek Multiserw製)を備えるGeorg Fischer強度試験装置に導入し、テストバーの破損を起こす力を測定した。読み取った値(N/cm2)は、1時間強度を示す。結果を表6に示すが、報告される値は、いずれの場合も、3つの測定値からの中央値である。
【0177】
6.7 3時間後の残留強度及び3時間後の相対残留強度の決定
項目6.3に従って製造されたテストバーを、鋳型から取り出した後、項目6.6に記載のように、実験室内の周囲条件下で1時間冷却させてから、同じフレームに載せ、温度湿度管理キャビネット(VC 0034、Voetsch製)内で30℃及び75%相対湿度の制御条件下で3時間(3h)保存した。
【0178】
その後、三点曲げ装置(Morek Multiserw製)を備えるGeorg Fischer強度試験装置に、それぞれのテストバーを配置し、テストバーの破損を起こす力を測定することにより、3時間後の(絶対)残留強度を決定した。読み取った値(N/cm2)は、3時間後の(絶対)残留強度を示す。3時間が経過する前に既に破損した中子については、0N/cm2の絶対残留強度を記した。結果を表6に示すが、報告される値は、いずれの場合も、3つの測定値からの中央値である。
【0179】
3時間後の相対残留強度の決定のために、3時間後の絶対残留強度の値を各々、1時間強度の対応する値で割った。こうして得られた値に100%を掛けた;それぞれの結果は、3時間後の相対残留強度である。結果を表6に報告する。
【0180】
6.8 結果:
6.4~6.7からの測定の選択した結果を図2~6に示す(図についての上の説明を参照)。さらに、6.4~6.7の全ての測定の結果を表6にまとめる;明瞭にするために、表中の測定値は、小数点第2位で四捨五入されている。表6に示す鋳造材料混合物の番号は、表5のものと一致する。
【0181】
【表6】
【0182】
表6及び3つの鋳造材料混合物(1.1~1.3から4.1~4.3)の群に対応する図2~5から、Elkem Microsilica(登録商標)971 U(レーザ散乱により決定して、中央値が0.20マイクロメートル、即ち、0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素)と、RW充填材Q1 Plus(レーザ散乱により決定して、中央値が0.84マイクロメートル、即ち、0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素)を併用したいずれの場合も、製造されたテストバーの中子重量は、驚くほど高い、即ち、Elkem Microsilica(登録商標)971 Uを単独で、又はRW充填材Q1 Plusを単独で含むテストバーの値の線形結合(いずれの場合も、破線で示す線形結合)より高いことが明らかである。
【0183】
いずれの場合にも、有意な二重相乗効果が認められ、これは、予想外に高い(相乗作用により増大した)相対鋳造物体重量(中子重量)と、同時に予想外に高い3時間後の(相乗作用により増大した)相対残留強度に現れている。
【0184】
表6及び3つの鋳造材料混合物5.1~5.3の群に対応する図6から、鋳造材料混合物5.3について、即ち、Elkem Microsilica(登録商標)971 U(レーザ散乱により決定して、中央値が0.20マイクロメートル、即ち、0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素)と、整粒RW充填材(レーザ散乱により決定して、中央値が、0.23マイクロメートル、即ち、0.1~0.4μmの範囲と同様の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素)の併用の場合、製造されたテストバーの中子重量は、Elkem Microsilica(登録商標)971 Uを単独で(鋳造材料混合物5.1)、又はRW充填材Q1 Plusを単独で(鋳造材料混合物5.2)含むテストバーの値の線形結合(いずれの場合も、破線で示す線形結合)より高くないことが明らかであり;二重相乗効果を認めることはできない。
【0185】
本発明の驚くべき利点は、とりわけ、国際公開第2009/056320 A1号パンフレットに従って実施された非発明鋳造材料混合物1.1、2.1、3.1、4.1、5.1に関する実験と比較して明らかである。本発明の鋳造材料混合物の中子重量の方が、いずれの場合も有意に高く;同時に、3時間後の相対残留強度は、工業的実施に有意な程度まで低下しない(二重相乗効果)。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕鋳造材料混合物の熱硬化により製造可能な鋳造物の耐湿性を高めることを目的とする、少なくとも以下:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を含む前記鋳造材料混合物の添加物として、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素を、その唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の使用。
〔2〕向上した耐湿性を有する熱硬化鋳造物を製造するプロセスであって、以下:
(i)少なくとも下記構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- 水ガラス
を一緒に混合することによって鋳造材料混合物を製造するステップ、
(ii)前記鋳造材料混合物を成形するステップ、
(iii)前記成形された鋳造材料混合物を熱硬化して、鋳造物を得るステップ
を含み、
前記鋳造材料混合物の前記構成物質が、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料と、さらに混合されることを特徴とするプロセス。
〔3〕前記鋳造材料混合物が、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を混合することによる固体状態混合物若しくは懸濁液の作製によって製造され、
ここで、作製された前記固体状態混合物又は懸濁液は、前記鋳造材料混合物のさらなる構成物質と混合される、前記〔2〕に記載のプロセス。
〔4〕前記〔2〕又は〔3〕に記載のプロセスに使用するための混合物であって、少なくとも以下の固体構成物質:
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含み、
ここで、前記混合物が、固体状態混合物又は液体キャリア媒体中の固体構成物質の懸濁液、好ましくは固体状態混合物である、混合物。
〔5〕少なくとも以下の構成物質:
- AFS粒度指数が30~100の範囲の耐火性モールドベース材料、
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、
- 水ガラス、及び
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質又は複数の構成物質の1つとして含む、添加物としての粒子材料
を含む、前記〔4〕に記載の混合物。
〔6〕前記混合物中、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.015重量%超、より好ましくは0.02重量%超であり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.015重量%超、より好ましくは0.02重量%超であり、
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素と、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の合計割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.3重量%超であり、
及び/又は
非晶質二酸化ケイ素の合計割合が、前記混合物の総質量に基づいて、2重量%未満で、好ましくは0.3重量%超である、
前記〔5〕に記載の混合物。
〔7〕以下:
(i)レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の個別量を用意又は生成するステップ、
(ii)レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素をその唯一の構成物質として又は複数の構成物質の1つとして含む粒子材料の量を用意又は生成するステップ、
(iii)ステップ(i)及び(ii)で用意又は生成された前記量を混合するステップ
を含むプロセスによって製造可能な、前記〔4〕~〔6〕のいずれか1項に記載の混合物。
〔8〕以下:
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の総質量と、
レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量
の比が、20:1~1:20の範囲、好ましくは5:1~1:20、より好ましくは3:1~1:20、特に好ましくは2:1~1:20、最も好ましくは1.5:1~1:20の範囲である、前記〔4〕~〔7〕のいずれか1項に記載の混合物。
〔9〕レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、以下:
- 前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合で二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、好ましくはZrSiO 4 の熱分解により生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 酸素含有ガスを用いて金属ケイ素を酸化することにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
- 二酸化ケイ素融解物をクエンチングすることにより生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素;
及び
- それらの混合物
からなる群から選択されるか、又は独立に選択される、前記〔1〕に記載の使用、前記〔2〕又は〔3〕に記載のプロセス、又は前記〔4〕~〔8〕のいずれか1項に記載の混合物。
〔10〕- レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素が、前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、少なくとも90重量%の割合の二酸化ケイ素、及び二次構成物質として少なくとも炭素を含有し、及び、好ましくはアーク炉内での石英の還元により生成可能であり;
且つ/又は
- レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素が、二次構成物質として酸化ジルコニウムを含有し、また、好ましくはZrSiO 4 の熱分解により生成可能な粒子状合成非晶質二酸化ケイ素である、前記〔1〕又は〔9〕に記載の使用、前記〔2〕、〔3〕又は〔9〕に記載のプロセス、又は前記〔4〕~〔9〕のいずれか1項に記載の混合物。
〔11〕1つ若しくは複数の構成物質が、前記鋳造材料混合物又は混合物に添加されるか、又は硫酸バリウム、酸化ホウ素化合物、グラファイト、炭水化物、リチウム化合物、リン化合物、中空マイクロビーズ、硫化モリブデン、プレートレット形状の潤滑剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、アルミナ及びアルミナ含有化合物からなる群から選択される、前記〔1〕若しくは〔9〕~〔10〕のいずれかに記載の使用、前記〔2〕~〔3〕及び〔9〕~〔10〕のいずれかに記載のプロセス、又は前記〔3〕~〔10〕のいずれかに記載の混合物。
〔12〕レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状合成非晶質二酸化ケイ素
及び/又は
レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する前記粒子状非晶質二酸化ケイ素
が、ポゾラン活性を有する、前記〔1〕若しくは〔9〕~〔11〕のいずれかに記載の使用、前記〔2〕~〔3〕若しくは〔9〕~〔11〕のいずれかに記載のプロセス、又は前記〔3〕~〔11〕のいずれかに記載の混合物。
〔13〕前記鋳造材料混合物又は前記混合物中のRa226の活性が、1Bq/g以下である、前記〔1〕若しくは〔9〕~〔12〕のいずれかに記載の使用、前記〔2〕~〔3〕若しくは〔9〕~〔12〕のいずれかに記載のプロセス、又は前記〔3〕~〔12〕のいずれかに記載の混合物。
〔14〕前記〔4〕~〔13〕のいずれか1項に記載の混合物を製造するためのキットであって、
少なくとも以下:
- 前記キットの第1構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.7~1.5μmの範囲の粒度分布を有する粒子状非晶質二酸化ケイ素の量、
- 前記キットの第2構成物質として、又はその中に、レーザ散乱により決定して、中央値が0.1~0.4μmの範囲の粒度分布を有する粒子状合成非晶質二酸化ケイ素の量
を含み、
前記キットの第1及び第2構成物質が、互いに空間的に分離して配置されているキット。
〔15〕金属加工のための鋳型又は中子の製造における前記〔4〕~〔13〕のいずれか1項に記載の混合物の使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6