IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図1
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図2
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図3
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図4
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図5
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図6
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図7
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図8
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図9
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図10
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図11
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図12
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図13
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図14
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図15
  • 特許-微細気泡発生器、及び洗浄機器 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】微細気泡発生器、及び洗浄機器
(51)【国際特許分類】
   B01F 25/25 20220101AFI20241017BHJP
   B01F 23/232 20220101ALI20241017BHJP
   B01F 25/452 20220101ALI20241017BHJP
   B01F 25/432 20220101ALI20241017BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20241017BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B01F25/25
B01F23/232
B01F25/452
B01F25/432
D06F39/08 301Z
A47L15/42 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022190214
(22)【出願日】2022-11-29
(65)【公開番号】P2024077956
(43)【公開日】2024-06-10
【審査請求日】2023-09-20
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】磯永 賢
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-115586(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1371367(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0128688(US,A1)
【文献】国際公開第2018/116518(WO,A1)
【文献】特開2009-034578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F
C02F
D06F 39/00
A47L 15/00
E03C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口部と出口部とを繋ぎ液体が通過可能な流路を有する本体部と、
前記出口部側に設けられ前記流路を前記流路の中心に対し径方向に複数に仕切るとともに、前記液体中に微細気泡を発生させる衝突部と、を備え、
前記衝突部は、前記本体部の内周面から前記流路内に向かって延びる複数の突出部を有し、
複数の前記突出部は、3本の棒状でありそれぞれの先端が正面視でY字形状に直接繋がっており
前記突出部の前記流路内を液体が流れる方向に沿った上流側の断面形状は、下流側の断面形状よりも小さくかつ前記下流側から前記上流側に向かって凸となる形状に形成されている、
微細気泡発生器。
【請求項2】
前記本体部は、前記入口部と前記出口部との間に設けられ前記流路の断面積を漸次減少させる絞り部を更に有する、
請求項1に記載の微細気泡発生器。
【請求項3】
前記衝突部の断面形状は、前記流路内を前記液体が流れる方向の寸法が前記液体が流れる方向と直交する方向の寸法よりも大きい形状である、
請求項に記載の微細気泡発生器。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載の微細気泡発生器を備える、
洗浄機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、微細気泡発生器、及び洗浄機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水等の液体が流れる流路の断面積を局所的に縮小することでその流路を通る液体を急激に減圧させ、これにより液体中の溶存空気を析出させて微細気泡を発生させることができる微細気泡発生器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-23936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来構成では、流量の低下を抑制しつつ、微細気泡を効率良く発生させる点において、改善の余地があった。
【0005】
そこで、流量の低下を抑制しつつ、微細気泡を効率良く発生させることができる微細気泡発生器、及び微細気泡発生器を備えた洗浄機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の微細気泡発生器は、入口部と出口部とを繋ぎ液体が通過可能な流路を有する本体部と、前記出口部側に設けられ前記流路を前記流路の中心に対し径方向に複数に仕切るとともに、前記液体中に微細気泡を発生させる衝突部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態によるドラム式洗濯機の一例を概略的に示す縦断側面図
図2】第1実施形態による微細気泡発生器が注水ケースに組み込まれた状態の一例を示す部分断面図
図3】第1実施形態による微細気泡発生器について、流路部材を取り外した状態を示す斜視図
図4】第1実施形態による微細気泡発生器について、流路部材を取り外した状態を示す断面図
図5】第1実施形態による微細気泡発生器について、図4のX5-X5線に沿って示す断面図
図6】第1実施形態による衝突部の他の例を示す図5に相当する断面図
図7】第1実施形態による微細気泡発生器について、図4のX7-X7線に沿って切断した一部を拡大して示す断面図
図8】従来構成による衝突部を示す図5に相当する断面図
図9】第1実施形態による衝突部の比較例を示す図5に相当する断面図
図10】衝突部の構成の違いによる微細気泡の発生量及び流量への影響に関するシミュレーションの結果を示す図
図11】第1実施形態による微細気泡発生器が注水ケースに組み込まれた状態の他の例を示す部分断面図
図12】第2実施形態による衝突部の一例を示す図5に相当する断面図
図13】第2実施形態による衝突部の他の例を示す図5に相当する断面図
図14】第3実施形態について、微細気泡発生器を給水弁の上流側に設けた場合の一例を示す部分断面図
図15】第4実施形態について、食器洗浄機の一例を概略的に示す縦断側面図
図16】第5実施形態について、水洗便器装置の一例を概略的に示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、各実施形態において、構成要素等に付された第1、第2、・・・との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0009】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について、微細気泡発生器を洗浄機器としての洗濯機に適用した例について図1から図11を参照して説明する。図1に示す洗濯機10は、回転槽14の回転軸が水平方向へ向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のドラム式洗濯機である。洗濯機は、ドラム式洗濯機に限らず、回転槽の回転軸が鉛直方向を向いた縦軸型洗濯機であっても良い。洗濯機10は、例えばヒータ式又はヒートポンプ式の乾燥機能を備えたものであっても良いし、備えていないものであっても良い。また、洗濯機10は、洗剤や仕上げ剤等の洗濯処理剤を自動で投入可能な処理剤自動投入装置を備えていても良い。処理剤自動投入装置は、複数回分の洗濯運転に用いる量の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンクを有し、洗濯運転ごとに処理剤タンクから所定量の洗濯処理剤を自動で水槽内に投入することができる装置である。
【0010】
洗濯機10は、外箱11、扉12、水槽13、回転槽14、モータ15、排水機構16、及び注水装置20を備えている。また、洗濯機10は、詳細は図示しないが、周知の操作パネル及び制御装置等を備えている。なお、図1において、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。また、図1の紙面左側つまり外箱11に対して扉12側を洗濯機10の前側とし、図1の紙面右側つまり外箱11に対して扉12の反対側を洗濯機10の後側とする。
【0011】
外箱11は、例えばステンレス鋼板等の金属又は樹脂材等の組合せによって全体として矩形の中空箱状に形成されている。外箱11は、洗濯機10の外郭を構成している。また、外箱11は、前面側に外箱11の内部と外部とを連通する開口111を有している。扉12は、外箱11の前面側に設けられて、開口111を開閉する。ユーザは、扉12を開いた状態で、開口111を通じて回転槽14から衣類の出し入れをすることができる。
【0012】
水槽13及び回転槽14は、いずれも有底円筒状に形成されている。水槽13は、内部に水を貯留可能である。水槽13は、外箱11内に配置されて図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽14は、水槽13内に回転可能に配置されており、モータ15によって回転駆動される。モータ15は、水槽13の底部外側に設けられており、回転槽14を水槽13に対して相対的に回転駆動させる機能を有する。
【0013】
排水機構16は、水槽13内の水を洗濯機10の機外へ排出するためのものである。排水機構16は、排水弁161及び排水ホース162を有して構成することができる。排水弁161は、電磁的に開閉可能に構成されている。排水ホース162は、一方の端部が排水弁161に接続され、他方の端部が洗濯機10の機外に引き出されている。水槽13内に水が貯留された状態で排水弁161が開放されると、水槽13内に貯留されていた水は、排水ホース162を通して洗濯機10の機外へ排出される。つまり、排水弁161は、水槽13内に貯留された水を外部に排水するための排水経路を開閉する。
【0014】
注水装置20は、例えば水道等の外部の水源から供給される水を水槽13内に注水するためのものである。注水装置20は、給水弁21、注水ケース22、注水ホース23、及び微細気泡発生器30を有している。給水弁21は、電磁的に開閉可能に構成されている。給水弁21は、外部の水源から注水ケース22を介して水槽13内に至る経路を開閉する。給水弁21は、図2に示すように、流入部211及び流出部212を有している。流入部211は、給水ホース100を介して、図示しない水道の蛇口等の外部の水源に接続されている。流出部212は、例えば注水ケース22に接続されている。
【0015】
注水ケース22は、外部の水源から供給される水を受けて、その水を、注水ホース23を介して水槽13内に供給する機能を有する。注水ケース22は、例えば合成樹脂製であって、洗濯機10の前後方向に沿って長い箱状に形成することができる。注水ケース22は、内部に洗剤や柔軟剤等の洗濯処理剤を収容可能に構成されている。注水ケース22は、図2に示すように、接続部221及び連通部222を有している。接続部221及び連通部222は、注水ケース22の内部と外部とを連通している。接続部221は、例えば内周面に段差を有する円筒状に形成されている。
【0016】
接続部221は、給水弁21と注水ケース22とを連通している。給水弁21を通過した水は、接続部221を通って注水ケース22内に流入する。図2に示すように、給水弁21の流出部212は、接続部221に直接接続されている。直接接続とは、互いに接続される部材の間に他の部材が介在しないことを意味する。流出部212の外周面と接続部221の内周面との間には、シール部材24が設けられている。シール部材24は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。流出部212の外周面と接続部221の内周面とによってシール部材24が押圧されて、流出部212と接続部221とが水密状態で接続される。
【0017】
連通部222は、例えば内径が略一定の円筒状に形成されている。連通部222の内径は、例えば接続部221の内径よりも小さい。連通部222は、接続部221よりも下流側に位置している。換言すれば、接続部221は、連通部222よりも上流側に位置している。下流側とは、外部の水源から供給される水が流れる方向の下流側を意味する。上流側とは、外部の水源から供給される水が流れる方向の上流側を意味する。
【0018】
注水ホース23は、外部の水源から注水ケース22内に流入した水を水槽13内に注水するためのものである。注水ホース23は、図1に示すように、一方の端部が注水ケース22に接続され、他方の端部が水槽13に接続されている。注水ケース22内に洗濯処理剤が貯留されている状態で、注水ケース22内に水が流入すると、注水ケース22内の洗濯処理剤は注水ケース22内を流れる水と混合した後に、注水ホース23を通過して水槽13内に流れる。
【0019】
微細気泡発生器30は、外部の水源から供給された水等の液体が微細気泡発生器30の内部を図2の矢印A方向に向かって通過する際に、その液体中にウルトラファインバブルを含む微細気泡を発生させる機能を有する。ウルトラファインバブルとは、粒子径が50nm~1,000nm未満の気泡である。ウルトラファインバブルは、粒径が細かいため入り組んだ部分まで浸透が可能であり、例えばマイクロバブル等の他の微細気泡では除去しきれない対象物の汚れを除去する洗浄効果を発揮できる。また、ウルトラファインバブルは、粒子径がナノオーダーであり浮力が小さいこと及び疎水性が大きく水に溶けにくいため液体中での滞在時間が長いという性質を有する。
【0020】
微細気泡発生器30は、給水弁21の下流側であって、注水ケース22の内部に設けられている。微細気泡発生器30は、図2に示すように、流出部212と接続部221との間にて支持された状態で取付けられている。微細気泡発生器30は、例えば流出部212と接続部221との間で挟み込まれた状態で取付けられている。微細気泡発生器30の外周面と接続部221の内周面との間には、シール部材25が設けられている。シール部材25は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。微細気泡発生器30の外周面と接続部221の内周面とによってシール部材25が押圧されて、微細気泡発生器30と接続部221とが水密状態で接続される。なお、微細気泡発生器30は、流出部212と接続部221に対して圧入によって固定される構成としても良い。
【0021】
微細気泡発生器30は、例えば合成樹脂製で、直径及び全長が例えば数mm~数十mm程度、具体的には直径が最大約15mmで長さが約10mmに設定されている。微細気泡発生器30は、図2に示すように、例えばフランジを有する円筒状に形成されている。微細気泡発生器30は、本体部40、流路部材50、及び衝突部60を有している。本体部40は、微細気泡発生器30における上流側に位置し、流路部材50は、微細気泡発生器30における下流側に位置する。本体部40及び流路部材50は、互いに別体で組合せ可能に構成されている。本体部40及び流路部材50は、別体に限らず、一体に構成しても良い。
【0022】
本体部40は、図3及び図4に示すように、例えば外周面に段差を有する円筒状に形成されている。本体部40は、入口部41、出口部42、及び流路43を有している。入口部41及び出口部42は、例えば筒状に形成されている。入口部41は、本体部40の外部から内部に流入する水が通る部分である。外部の水源から給水弁21を通過した水は、入口部41を通って本体部40内に導入される。出口部42は、本体部40の内部から外部に流出する水が通る部分である。出口部42の内径は、入口部の内径より小さい。本実施形態では、出口部42は、流路部材50に接続されている。本体部40内に導入された水は、出口部42から流路部材50を介して注水ケース22内に流出し、その後注水ケース22内で洗濯処理剤と合流して水槽13内に供給される。
【0023】
流路43は、本体部40の内部に設けられており、入口部41と出口部42とを繋ぎ、液体が通過可能である。流路43は、絞り部431及びストレート部432を含んで構成されている。絞り部431及びストレート部432は、本体部40の内周面における全周に亘って設けられている。絞り部431は、本体部40の流入側つまり上流側に設けられている。絞り部431は、入口部41と繋がっており、入口部41と出口部42との間に設けられている。絞り部431は、入口部41から本体部40の延びる方向の途中部分にかけて流路43の断面積つまり内径を漸次減少させるように形成されている。本実施形態では、絞り部431は、流路43の断面積つまり内径を連続的に徐々に減少するようないわゆる截頭円錐形のテーパ管状に形成されている。絞り部431は、流路43の断面積を階段状に徐々に減少させる構成としても良い。また、絞り部431は、本体部40と一体に構成されても良いし、別体であっても良い。
【0024】
ストレート部432は、絞り部431の下流側に設けられている。ストレート部432は、出口部42と繋がっている。ストレート部432は、内径が変化しない、すなわち流路43の断面積つまり液体の通過可能な面積が変化しない円筒状、いわゆるストレート管状に形成されている。ストレート部432の内径は、絞り部431の最小内径と略同一に設定されている。また、ストレート部432の内径は、注水ケース22の連通部222の内径と略同一に設定されている。本実施形態では、ストレート部432の内径は、約3mmに設定されている。
【0025】
流路部材50は、図2に示すように、例えば内周面に段差を有する円筒状に形成されており、内部に流路51を有している。流路部材50の全長は、例えば本体部40の全長よりも長い。流路部材50は、本体部40と注水ケース22の連通部222とを連通している。流路部材50の上流側部分の内径は、本体部40の下流側部分の外径よりもやや大きい。そして、本体部40の下流側部分は、流路部材50の上流側部分にほぼ嵌合状態にて挿入可能に構成されている。本体部40の下流側部分を、流路部材50の上流側部分に挿入することで、本体部40と流路部材50とを組み合わせることができる。また、流路部材50の下流側部分の内径は、連通部222の内径及びストレート部432の内径と略同一に設定されている。
【0026】
衝突部60は、流路43の断面積を局所的に縮小することで、流路43を通過する液体中に微細気泡を発生させるためのものである。流路43の断面積に対する衝突部60の断面積の占める割合は、25%~45%程度に設定することができる。衝突部60は、図4に示すように、本体部40の下流側端部付近であって、少なくとも一部がストレート部432に設けられている。衝突部60は、例えば合成樹脂材料を射出成形して、本体部40と一体に形成されている。衝突部60は、本体部40と一体の構成に限らず、別体に構成されても良い。
【0027】
衝突部60は、図5に示すように、流路43を液体が流れる方向に沿って流路43の中心に対し径方向に複数この場合3つに仕切る。つまり、流路43は、衝突部60を通過する際に3つの流路43aに仕切られる。衝突部60は、例えば棒状に形成された3本の突出部61で構成され、ストレート部432の内周面から流路43内に向かって突出して形成されている。本実施形態では、突出部61は、ストレート部432の内周面から流路43の断面における中心方向へ向かって突出している。そして、各突出部61は、それぞれが先端で繋がって略Y字形状に一体化している。
【0028】
複数の突出部61は、流路43の断面の周方向に向かって相互に等間隔に離れた状態で配置されている。複数の突出部61は、等間隔に離れた構成に限らず、不等間隔に離れた構成であっても良い。また、各突出部61間に形成される隙間の面積が、微細気泡発生器30における水の通過可能な最小断面積となる。なお、複数の突出部61は、図6に示すように、4つ以上とすることができる。つまり、複数の突出部61によって、流路43を4つ以上に仕切る構成とすることができる。図6の例では、複数の突出部61によって、衝突部60は全体として例えば略十字状に形成されている。この場合、流路43は、衝突部60を通過する際に、4つの流路43bに仕切られる。
【0029】
突出部61は、図7に示すように、上流側壁部611、拡径部612、及び下流側壁部613を有している。上流側壁部611は、突出部61の上流側端部を構成している。上流側壁部611の長手方向の断面形状は、例えば流路43内を液体が流れる方向とは反対方向つまり上流側に向かって凸となるようにいわゆる砲弾形の曲面状に形成されている。長手方向とは、流路43内を液体が流れる方向に沿う方向を意味する。幅方向とは、流路43内を液体が流れる方向に沿う方向と直交する方向であって、微細気泡発生器30を洗濯機10に装着した状態において、洗濯機10の上下方向に沿う方向を意味する。
【0030】
上流側壁部611の長手方向の断面形状は、上流側に向かって尖った三角状としても良い。拡径部612は、上流側壁部611に繋がっており、上流側から下流側に向かって略直線的に拡径するように形成されている。拡径部612は、直線的に拡径する構成に限らず、湾曲的に拡径する構成であっても良い。つまり、突出部61の断面形状は、流路43内を液体が流れる方向に対して上流側の断面形状が下流側の断面形状よりも小さい。そして、突出部61の長手方向の断面形状は、流路43内を液体が流れる方向に対して滑らかに変化している。
【0031】
下流側壁部613は、拡径部612に繋がっており、突出部61の下流側端部を構成している。下流側壁部613の長手方向の断面形状は、例えば略矩形状に形成されている。下流側壁部613の下流側の端面は、本体部40の下流側の端面と同一平面上に位置している。つまり、突出部61の下流側の面は、本体部40の下流側の面といわゆる面一に構成されている。また、突出部61における下流側端部の形状に限ってみると、下流側壁部613の長手方向の寸法は、下流側壁部613の幅方向の寸法よりも小さい。
【0032】
ここで、突出部61の断面において、突出部61の長手方向の寸法Lを幅方向の寸法Wよりも小さくした場合、流路43を流れる液体に対して拡径部612が対向する面の角度が大きくなり、流路43内を流れる液体に対する突出部61の流路抵抗が増加してしまうため、流量低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、突出部61は、図7に示すように、突出部61の断面において、長手方向の寸法Lが幅方向の寸法Wよりも大きい。これにより、流路43内を流れる液体に対する突出部61の流路抵抗を抑えて流量を増加させることができる。本実施形態では、突出部61の長手方向の寸法Lと幅方向の寸法Wとの比率は、例えば約3:2に設定されている。突出部61の長手方向の寸法Lは、例えば0.7mm~1.1mm程度に設定され、突出部61の幅方向の寸法Wは、例えば0.5mm~0.7mm程度に設定されている。
【0033】
微細気泡発生器30の上流側に水が流入すると、内径を漸次減少させるように形成された絞り部431において流路断面積が絞られることによって、流体力学のいわゆるベルヌーイの定理に基づき流速が高められるとともに減圧によるキャビテーションが発生する。そして、その高速流が衝突部60に衝突することで作用するせん断力と衝突部60の下流側端面付近に形成される例えば-1.0MPa以下となる負圧領域で発生する負圧とによって細分化された微細気泡が生成される。これにより、微細気泡発生器30は、微細気泡発生器30内を通過する水の中に溶存している空気を微細気泡として多量に析出させて、微細気泡発生器30を通過する以前よりも微細気泡を多量に含んだ微細気泡水を供給することができる。
【0034】
さて、本願発明者は、本実施形態の衝突部の構成の違いによる微細気泡の発生量及び流量への影響に関するシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、図8に示すように、基準となる従来の微細気泡発生器による衝突部60aを用いた構成つまり流路43が下流側で複数に仕切られていない構成、本実施形態の微細気泡発生器30、及び比較例として図9に示すように、ストレート部432の内周面から流路43内に向かって突出する棒状の部材に加えて円環状の部材を有する衝突部60bを用いた構成の3仕様について比較した。衝突部60bを用いた構成では、流路43は、衝突部60bによって3つの流路43c及び1つの円形状の流路43dに仕切られる。
【0035】
図10は、各仕様における(1)衝突部よりも下流側の領域における負圧領域の大きさ、(2)衝突部を通過後の微細気泡の発生量、及び(3)衝突部を通過後の流量の関係を示したものである。負圧領域の大きさとは、-1.0MPa以下となる領域の体積を算出したものを意味する。図10に示すように、本実施形態の衝突部60を有する微細気泡発生器30を用いた場合、従来構成に対して、同等の微細気泡発生量を得ることができるとともに、流量が約1.1倍増加することを確認した。そして、本実施形態の構成では、従来構成に対して負圧領域の大きさが約1.2倍向上することを確認した。このように、本実施形態の衝突部60を微細気泡発生器30に用いることで負圧領域の大きさが効果的に高まり、それに伴い微細気泡の発生量が促進されつつ、流量の増加を得ることができる。
【0036】
また、比較例として用いた衝突部60bでは、流量の増加は確認されたものの、負圧領域の大きさ及び微細気泡の発生量が著しく減少した。これは、衝突部60bのように、円環状の部材を設けた場合、流路の断面積に対する衝突部60bの断面積の占める割合を抑えるために、衝突部60bを細くする必要がある。そのため、衝突部60bの下流側端面の面積が小さくなることで、負圧が発生しにくいことが考えられる。また、負圧が発生しにくい理由としては、流路内に円環状の部材が存在すると、流路内を流れる液体の流れが押し戻されることで流速を高めることができないためであることも考えられる。更に、当該円環状の部材によって流路の外側と内側とで衝突部60bが対称に配置されないため、流路の外側と内側で液体の流れが干渉してしまい液体の流れが不安定になると考えられる。このため、微細気泡の発生量が低下したものと推察する。
【0037】
以上説明した実施形態によれば、微細気泡発生器30は、本体部40と、衝突部60と、を備える。本体部40は、入口部41と出口部42とを繋ぎ液体が通過可能な流路43を有する。衝突部60は、出口部42側に設けられ流路43を流路43の中心に対し径方向に複数に仕切るとともに、液体中に微細気泡を発生させる。これによれば、衝突部60によって流路43を流路43の中心に対し径方向に複数に仕切ることで、流路43の断面積が部分的に狭くなる領域が存在しないうえに、出口部42における流路43の断面積を確保することができる。これにより、流量の低下を抑制しつつ、微細気泡を効率良く発生できる。
【0038】
本体部40は、絞り部431を更に有する。絞り部431は、入口部41と出口部42との間に設けられ、流路43の断面積を漸次減少させる。これによれば、絞り部431によって、流路43を流れる液体の流速が高められるため、衝突部60に対して液体を高い流速で衝突させることができる。これにより、微細気泡の発生量を向上できる。
【0039】
また、衝突部60によって仕切られる複数の流路43の数は、3つ以上である。これによれば、衝突部60によって仕切られる流路の数を3つ以上として、出口部42の断面積に対する衝突部60の占める面積を大きくすることで、微細気泡の発生量を向上できる。
【0040】
更に、衝突部60の断面形状は、流路43内を液体が流れる方向に対して上流側が下流側より小さい形状である。これによれば、衝突部60の断面形状を上流側から下流側に向かって徐々に大きくなるように形成して、流路43を流れる液体に対して衝突部60を滑らかな形状とすることで、液体が流れる際の流路抵抗を小さくできるため、液体の流量を多くできる。
【0041】
また、衝突部60の断面形状は、流路43内を液体が流れる方向の寸法が、液体が流れる方向と直交する方向の寸法よりも大きい形状である。ここで、例えば衝突部60の断面形状を、流路43内を液体が流れる方向の寸法つまり長手方向の寸法が、液体が流れる方向と直交する方向の寸法つまり幅方向の寸法よりも小さい形状とした場合、流路43を流れる液体に対して衝突部60が対向する面の角度が大きくなる。そのため、流路抵抗が大きくなってしまい流量の低下を招くおそれがある。そこで、衝突部60の断面において、長手方向の寸法を幅方向の寸法よりも大きい形状とすることで、液体が流れる際の流路抵抗を小さくできるため、液体の流量をより一層増加できる。
【0042】
なお、微細気泡発生器30は、図11に示すように、流路部材50を備えていない構成としても良い。この場合、微細気泡発生器30は、本体部40及び衝突部60のみによって構成されている。そして、本体部40は、注水ケース22の連通部222と繋がっている。つまり、本体部40が注水ケース22に直接接続される。図11の例では、本体部40内に導入された水は、出口部42から注水ケース22内に流出し、その後注水ケース22内で洗濯処理剤と合流して水槽13内に供給される。これにより、微細気泡発生器30の部品点数を削減できるため、組立て工数を低減できる。結果として、微細気泡発生器30が組み込まれた注水装置20の製造コストを低減できる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図12及び図13も参照して説明する。この第2実施形態は、微細気泡発生器30が上記第1実施形態の衝突部60に換えて衝突部71を備えている点が、上記第1実施形態と異なる。具体的には、上記第1実施形態では、衝突部60は、複数の突出部61によって構成されていたのに対し、本実施形態の衝突部71は、1つの部材によって構成されている。換言すれば、衝突部60は、3つの突出部61によって構成されていたのに対し、本実施形態の衝突部71は、2つの突出部によって構成されているとも言える。
【0044】
衝突部71は、例えば板状又は棒状の部材で形成されており、流路43を横断するように設けられている。つまり、流路43は、衝突部60を通過する際に2つの流路43eに仕切られる。本実施形態では、衝突部71は、ストレート部432及び出口部42の内周面の一点からストレート部432及び出口部42の断面の中心つまり流路43の中心を通って、ストレート部432及び出口部42の内周面の他の一点、この場合反対面まで直線状に延びている。そのため、衝突部71によって、仕切られた各流路43eの断面積は略等しくなるとともに、微細気泡発生器30における液体の通過可能な最小断面積となる。
【0045】
衝突部71は、突出部61と同様の断面形状で構成することができる。衝突部71は、上流側壁部711、拡径部712、及び下流側壁部713を有している。衝突部71の上流側壁部711、拡径部712、及び下流側壁部713の断面形状は、それぞれ突出部61の上流側壁部611、拡径部612、及び下流側壁部613と同様であるため、説明は省略する。また、衝突部71は、図12に示すように、例えば洗濯機10の設置面に対して略水平に設けられている。衝突部71は、洗濯機10の設置面に対して略水平に限らず、水平に対して傾斜されても良いし、略垂直であっても良い。また、衝突部71は、流路43の中心を通る構成に限らず、流路43の中心を通らずに流路43を横断する構成としても良い。更に、衝突部71は、直線状に延びる構成に限らず、曲線状又は屈曲状等の他の形状に延びる構成としても良い。
【0046】
このような第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、衝突部71によって仕切られる流路43の数を最小限にすることで、流路43の断面積を確保して流量の低下を抑制できる。更に、衝突部71をストレート部432の内周面間で橋渡すことによって、出口部42近傍において外力に対する強度を高めることができる。これにより、微細気泡発生器30の信頼性を向上できる。
【0047】
なお、衝突部71は、図13に示すように、ストレート部432に互いに間隔をあけて複数設ける構成としても良い。図13の例では、衝突部71は、2つ設けられている。複数の衝突部71は、2つ設ける構成に限らず、3つ以上設ける構成であっても良い。この場合、複数の衝突部71によって、流路43が3つ以上の流路43eに仕切られる。そして、複数の衝突部71を設けることで、出口部42近傍において外力に対する強度をより一層高めることができる。
【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態について、図14を参照して説明する。この第3実施形態は、洗濯機10における微細気泡発生器30の取付位置が上記各実施形態と異なる。具体的には、上記各実施形態では、微細気泡発生器30は、給水弁21の下流側に設けられていたのに対し、本実施形態の微細気泡発生器30は、給水弁21の上流側に設けられている。本実施形態では、注水装置20は、円筒部材26を有している。円筒部材26は、例えば外周面に段差を有する円筒状に形成されている。円筒部材26は、図14に示すように、一方の端部が給水弁21の流入部211に接続され、他方の端部が給水ホース100に接続されている。円筒部材26は、例えばねじ嵌合によって、流入部211及び給水ホース100に着脱可能に取付けられる。この場合、流入部211に形成されるねじ部は、外箱11の上面112より上方に位置するように設けることができる。
【0049】
本実施形態では、微細気泡発生器30は、円筒部材26に内蔵されている。微細気泡発生器30は、本体部40及び衝突部60によって構成されている。給水弁21が開放されると、外部の水源から給水ホース100を介して円筒部材26に流入した水は、円筒部材26を通過する際に微細気泡発生器30を通って、給水弁21に流れる。このような第3実施形態によっても、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、例えば微細気泡発生器30を備えていない既存の洗濯機に対して、給水弁21と給水ホース100との間に円筒部材26を取り付けることで、既存の洗濯機に微細気泡発生機能を付加することができる。更に、例えば微細気泡発生器30が故障等した場合には、円筒部材26を給水弁21及び給水ホース100から取り外すことで、微細気泡発生器30の故障等に対し容易に部品交換などにより対応することができる。
【0050】
また、第3実施形態のように微細気泡発生器30を給水弁21の上流側に設ける場合、下流側に設ける場合に可能であった給水弁21の下流側を分岐して微細気泡発生器30による流量減を補うといったことができず、洗濯機10への給水速度は微細気泡発生器30の流量のみによって決定してしまう。よって、従来の微細気泡発生器に比して給水速度の増加が図れる本発明の微細気泡発生器30は、この第3実施形態においてもその効果を十分に発揮することができる。
【0051】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図15を参照して説明する。この第4実施形態は、洗浄機器として食器洗浄機80に適用したものである。食器洗浄機80は、周知のように、外箱81、扉82、洗浄槽83、食器かご84、洗浄ノズル85、循環装置86、ヒータ87、及び給水機構88を備えている。外箱81は、食器洗浄機80の外殻を構成するものであり、例えばステンレス鋼板等によって全体として前方が開口した矩形の箱状に形成されている。扉82は、外箱81の前面側に設けられて、外箱81の開口を開閉する。ユーザは、扉82を開いた状態で、当該開口を通じて洗浄槽83から食器Dの出し入れをすることができる。洗浄槽83は、外箱81内に設けられ、例えばステンレス鋼板等によって全体として前方が開口した矩形の箱状に形成されている。食器かご84は、食器Dを収容するためのものである。食器かご84は、扉82が開いた状態で、洗浄槽83の内部と外部とを出し入れ可能に構成されている。
【0052】
洗浄ノズル85は、洗浄槽83内であって、食器かご84の下方に設けられている。洗浄ノズル85に水と洗浄剤とが混合した洗浄液が供給されると、その洗浄液が洗浄ノズル85の先端から噴射される。循環装置86は、例えば外箱81の底部に設けられている。循環装置86は、切替弁861及びポンプ862を有して構成できる。切替弁861は、電磁的に開閉可能に構成されている。切替弁861は、洗浄槽83内に貯留された洗浄液を循環させる循環経路と洗浄槽83内に貯留された水を外部に排水するための排水経路とを択一的に切替可能に構成されている。ポンプ862は、洗浄槽83内の洗浄液を、循環経路を通して循環させるための循環ポンプとして機能するとともに、洗浄槽83内の洗浄液を、排水経路を通して排水するための排水ポンプとして機能する。
【0053】
ヒータ87は、例えば洗浄槽83の底部に設けられている。ヒータ87は、洗浄槽83内に貯留された洗浄液を加熱して温水にする機能を有する。給水機構88は、例えば水道等の外部の水源から供給される水を洗浄槽83内に供給するためのものである。給水機構88は、給水弁881、給水管882、及び給水口部883を有している。給水弁881は、電磁的に開閉可能に構成されている。給水管882は、例えば金属管で構成されており、一方の端部が給水弁881に接続され、他方の端部が給水口部883に接続されている。給水口部883は、例えば洗浄槽83の上部に設けられている。給水口部883は、外部の水源から供給された水を洗浄槽83内に供給するためのものである。給水弁881が開放されると、外部の水源から供給された水は、給水管882を通して給水口部883から洗浄槽83内に供給される。つまり、給水弁881は、外部の水源から給水管882を介して給水口部883に至る経路を開閉する。
【0054】
また、給水口部883は、取付部883aを有している。そして、本実施形態では、図15に示すように、微細気泡発生器30は、取付部883aに内蔵されている。これにより、微細気泡発生器30は、外部の水源から供給された水が図15の矢印A方向に向かって微細気泡発生器30の内部を通過する際に、その水中にウルトラファインバブルを含む微細気泡を発生させる。洗浄槽83内に洗浄剤が投入されている状態で、給水弁881が開放されると、洗浄槽83内の洗浄剤と微細気泡発生器30を通過して生成された微細気泡水とが洗浄槽83内で混合される。そして、ポンプ862及びヒータ87が駆動されることにより、洗浄液が混合し温水となった微細気泡水が、洗浄ノズル85から食器Dに向けて噴射され、食器Dの洗浄が行われる。このような第4実施形態によれば、微細気泡発生器30を備える食器洗浄機80において、流量の低下を抑制しつつ、微細気泡の効果によって洗浄性能を向上できる。
【0055】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図16を参照して説明する。この第5実施形態は、洗浄機器として水洗便器装置90に適用したものである。水洗便器装置90は、周知のように、便器91及び給水機構92を備えている。便器91は、洗浄槽としての機能を有する。便器91は、便鉢911と、便鉢911の上端の外周部分に設けられたリム912と、を有する。
【0056】
給水機構92は、給水弁921、メイン給水管922、便鉢用給水管923、リム用給水管924、及び洗剤供給装置925を有している。給水弁921は、電磁的に開放可能に構成されている。メイン給水管922は、一方の端部が給水弁921に接続され、他方の端部が2つに分岐して、便鉢用給水管923及びリム用給水管924に接続されている。便鉢用給水管923は、外部の水源から供給された水を便鉢911内に供給するためのものである。便鉢用給水管923は、吐出部923aを有する、吐出部923aは、便鉢用給水管923の先端に設けられ、便鉢911に対して水を供給する部分である。リム用給水管924は、外部の水源から供給された水をリム912に供給するためのものである。リム用給水管924は、吐出部924aを有する。吐出部924aは、リム用給水管924の先端に設けられ、リム912に対して水を供給する部分である。
【0057】
給水弁921が開放されると、外部の水源から供給された水は、メイン給水管922から便鉢用給水管923及びリム用給水管924を通って便器91内に供給される。つまり、給水弁921は、外部の水源から給水管922、923、924を介して便器91に至る経路を開閉する。洗剤供給装置925は、例えば給水弁921が開放されて給水管922、923、924を通して便器91内に給水がされる際に、洗浄剤を洗浄剤供給管925aを介して便器91内に自動で供給する機能を有する。
【0058】
また、メイン給水管922は、取付部922aを有している。そして、本実施形態では、図16に示すように、微細気泡発生器30は、取付部922aに内蔵されている。これにより、微細気泡発生器30は、外部の水源から供給された水が図16の矢印A方向に向かって微細気泡発生器30の内部を通過する際に、その水中にウルトラファインバブルを含む微細気泡を発生させる。給水弁921が開放されると、便器91内の洗浄剤と微細気泡発生器30を通過して生成された微細気泡水とが便器91内で混合される。そして、洗浄剤が混合した微細気泡水によって、便器91の洗浄が行われる。このような第5実施形態によっても、微細気泡発生器30を備える水洗便器装置90において、流量の低下を抑制しつつ、微細気泡の効果によって洗浄性能を向上できる。
【0059】
なお、上記各実施形態では、微細気泡発生器について、具体的数値を挙げながら説明したが、この具体的数値は一例を示したに過ぎず、適宜変更が可能であることは勿論である。また、上記した複数の実施形態を任意に組み合わせて実施することも可能である。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
10…洗濯機(洗浄機器)、30…微細気泡発生器、40…本体部、41…入口部、42…出口部、43…流路、431…絞り部、60、71…衝突部、80…食器洗浄機(洗浄機器)、90…水洗便器装置(洗浄機器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16