(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】加熱処理システム
(51)【国際特許分類】
F23G 5/027 20060101AFI20241017BHJP
F23G 5/46 20060101ALI20241017BHJP
F23G 5/20 20060101ALI20241017BHJP
F23K 5/00 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
F23G5/027 B
F23G5/027 Z
F23G5/46 A
F23G5/20 A
F23K5/00 302
F23K5/00 303
(21)【出願番号】P 2022508344
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2021010364
(87)【国際公開番号】W WO2021187416
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2020047716
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】阿川 隆一
(72)【発明者】
【氏名】鉄山 一州
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-116815(JP,A)
【文献】特開2003-279013(JP,A)
【文献】特表2018-538502(JP,A)
【文献】特開2012-031356(JP,A)
【文献】米国特許第05728196(US,A)
【文献】特開平11-030411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 5/027
F23G 5/46
F23G 5/20
F23K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱処理システムであって、
原料を熱分解して熱分解生成物を生成する熱分解炉と、
前記熱分解炉で生成された熱分解生成物を用いて被加熱物を加熱する併流型のロータリーキルンと、
前記ロータリーキルンから排出された排ガスの熱を
蒸気に回収する熱回収装置と、
空気予熱器と、
前記空気予熱器に燃焼空気を導入する第1のダクトと、
前記空気予熱器に前記蒸気を導入する第2のダクトと、
前記空気予熱器において前記蒸気により加熱された前記燃焼空気を前記熱分解炉に導入する第3のダクトと、を備え、
前記熱分解炉は、前記燃焼空気を用いて前記原料を熱分解して前記熱分解生成物を生成するように構成される、
加熱処理システム。
【請求項2】
前記被加熱物は、廃棄物である、
請求項1に記載の加熱処理システム。
【請求項3】
前記原料は、バイオマス原料を含む、
請求項1又は2に記載の加熱処理システム。
【請求項4】
前記熱分解炉で生成された熱分解生成物が熱回収されずに前記ロータリーキルンに送られるように構成された、
請求項1~3のいずれかに記載の加熱処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物処理などを行う加熱処理システムには、併流型のロータリーキルンを用いたものがある。併流型のロータリーキルンは、筒状で軸周りに回転する回転炉を有し、加熱バーナーと廃棄物を回転炉の同じ端部から同じ方向に導入して処理するものである(例えば、特許文献1参照)。ロータリーキルンには、加熱バーナーと廃棄物を回転炉の異なる端部から逆方向に導入して処理する、いわゆる対向流型のものがあるが、上述の併流型のロータリーキルンは、対向流型のものに比べて高温で斑なく短時間で処理することができ、廃棄物の処理に適している。
【0003】
ところで、従来より併流型のロータリーキルンの加熱バーナーの燃料には、重油や都市ガスなどの化石燃料が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、CO2の排出量増大による気候変動等の問題により、化石燃料の使用制限が厳しくなっており、化石燃料以外の代替燃料を用いることが望ましい状況となってきている。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、併流型のロータリーキルンにおいて、主たる燃料として化石燃料を使用せずに廃棄物などの被加熱物の加熱処理を行うことができる加熱処理システムを提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る加熱処理システムは、原料を熱分解して熱分解生成物を生成する熱分解炉と、熱分解炉で生成された熱分解生成物を用いて被加熱物を加熱する併流型のロータリーキルンと、を備えている。
【0008】
本態様によれば、併流型のロータリーキルンにおいて、熱分解炉で生成された熱分解生成物を用いて被加熱物を加熱できるので、主たる燃料として化石燃料を使用せずに高温かつ短時間で被加熱物の加熱処理を行うことができる。
【0009】
加熱処理システムは、ロータリーキルンから排出された排ガスの熱を回収する熱回収装置を、さらに備えるようにしてもよい。
【0010】
加熱処理システムは、ロータリーキルンから排出された排ガスの熱を熱分解炉の熱源に使用する装置を、さらに備えるようにしてもよい。
【0011】
被加熱物は、廃棄物であってもよい。
【0012】
原料は、バイオマス原料を含んでいてもよい。
【0013】
加熱処理システムは、熱分解炉で生成された熱分解生成物が熱回収されずにロータリーキルンに送られるように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、併流型のロータリーキルンにおいて、主たる燃料として化石燃料を使用せずに被加熱物の加熱処理を行うことができる加熱処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】加熱処理システムの構成の概略を示す模式図である。
【
図2】加熱処理システムの他の構成の概略を示す模式図である。
【
図3】加熱処理システムの他の構成の概略を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本実施の形態にかかる加熱処理システム1の構成の一例を示す模式図である。加熱処理システム1は、原料を熱分解して熱分解生成物を生成する熱分解炉10と、熱分解炉10で生成された熱分解生成物を用いて被加熱物を加熱する併流型のロータリーキルン11と、ロータリーキルン11から出た排ガスを二次燃焼させる二次燃焼室12と、ロータリーキルン11から出た排ガスの熱を回収する熱回収装置13を備えている。
【0018】
熱分解炉10は、例えば循環流動層(Circulating Fluidized Bed型)ガス化装置であり、例えば火炉である本体容器20と、サイクロン式の分離部21と、本体容器20の上部と分離部21の上部を接続する第1のダクト22と、分離部21の下部と本体容器20の下部を接続する第2のダクト23と、分離部21とロータリーキルン11を接続する第3のダクト24を有している。なお、本明細書において「上」は鉛直方向の上であり、「下」は鉛直方向の下である。
【0019】
本体容器20は、上下方向の長い空洞を有し、空洞内に導入された燃焼・流動用空気、循環材、原料などを上昇させながら、原料を熱分解して熱分解生成物を生成することができる。本体容器20には、原料を導入する導入部25が形成されている。原料には、例えば非化石燃料である、木質バイオマスや、廃タイヤ、廃プラスチック、スラッジなどの廃棄物が用いられる。循環材には、例えば珪砂などの高温で流動する微粒物が用いられる。
【0020】
本体容器20は、内部壁が耐火材料により構成され、外部への放熱が防止可能な構造を有している。導入部25に原料を導入する原料供給系(図示せず)は、例えば、乾燥装置、ホッパ、スクリューフィーダ、コンベア、原料供給配管などを有し、乾燥装置で乾燥された原料をホッパに貯留し、ホッパの原料をスクリューフィーダにより所定量ずつコンベアに送り、所定量の原料をコンベアより原料供給配管に搬送し、原料供給配管の導入部25から本体容器20に原料を導入するように構成されている。
【0021】
また、本体容器20には、燃焼空気を導入する燃焼空気供給系(図示せず)が接続されている。燃焼空気供給系は、例えば、本体容器20の下部に接続された空気供給配管と、燃焼空気から塵や埃などを分離する除塵装置と、燃焼空気を昇圧するブロアなどを備えている。
【0022】
第1のダクト22は、本体容器20の上部から分離部21の上部に、熱分解生成物、循環材及び不純物を含む高温流体を送ることができる。ここでいう不純物には、循環材が粉化された微粒分や飛灰が含まれる。
【0023】
分離部21は、熱分解炉10から送られてきた高温流体を旋回させ、遠心分離作用により高温流体から循環材を分離することができる。
【0024】
第2のダクト23は、分離部21で分離された循環材を分離部21の下部から本体容器20の下部に戻すことができる。第3のダクト24は、循環材が除かれた、燃料ガスを含む熱分解生成物や不純物を含む高温流体をロータリーキルン11の後述の第1の端部に送ることができる。よって、熱分解炉10は、熱分解炉10で生成された熱分解生成物が、熱交換器等により熱回収されず(温度が下げられず)にロータリーキルン11に送られるように構成されている。
【0025】
併流型のロータリーキルン11は、円筒状の回転炉40を有し、その軸方向の一端部に第1の端部41を有し、他端部に第2の端部42を有している。ロータリーキルン11は、例えば第1の端部41が第2の端部42よりも高い位置になるように傾斜している。ロータリーキルン11は、駆動装置50を有し、駆動装置50により回転炉40を軸周りに回転させることができる。併流型のロータリーキルン11は、対向流型のものに比べて軸方向の全長が短く、例えば軸方向の全長Lと円筒の径Dの比(L/D)が3以上5以下程度になるように構成されている。
【0026】
第1の端部41には、第3のダクト24が接続され、燃料ガスの第1の導入部60が形成されている。また、第1の端部41には、被加熱物を導入する第2の導入部61が形成されている。例えば第2の導入部61には、被加熱物を第2の導入部61に搬入するための、コンベア付きの搬入機構(図示せず)が接続されている。第1の導入部60は、第2の導入部61よりも高い位置、或いは第2の導入部61よりも低い位置に設けられている。被加熱物は、例えば廃棄物である。第2の端部42は、排ガスの流出部となっており、二次燃焼室12の下部に接続されている。また、第2の端部42には、ロータリーキルン11から排出される流動体を回収し搬出する回収、搬出装置が接続されていてもよい。
【0027】
二次燃焼室12は、上下方向に長い本体を有し、その下部には、図示しない加熱バーナーが取り付けられている。また二次燃焼室12は、ガスの二次燃焼を促進する物質や、ガスの分解を促進する物質を供給する装置等を有している。例えば二次燃焼室12には、一例として、加熱バーナーと空気供給部が設けられている。二次燃焼室12と熱回収装置13は、第4のダクト70により接続されている。
【0028】
熱回収装置13は、例えばボイラーを有している。熱回収装置13で回収された熱は、例えば熱分解炉10の熱源として使用できる。一例として、熱回収装置13は、排ガスが流れるダクトを有し、ダクト内に複数の熱交換器を有している。熱交換器は、例えば表面にフィンが設けられた伝熱管を有し、伝熱管に水や水蒸気を流し、ダクト内の伝熱管と排ガスとの間で熱交換を行うことができる。なお、後述のように排ガスの熱を回収することでできた蒸気は、熱分解炉10の燃焼空気を昇温させるための熱源として利用することができる。
【0029】
以上のように構成された加熱処理システム1では、次のような加熱処理が行われる。熱分解炉10において、バイオマス原料や廃棄物の原料が熱分解され、熱分解生成物が生成され、分離部21に送られる。このとき、本体容器20内では、導入部25から導入される燃焼・流動用空気により、原料、循環材を含む固形物が流動し、原料が流動しながら例えば800~900℃で燃焼して、熱分解生成物が生成される。分離部21では、遠心分離作用により循環材が分離される。分離された循環材は熱分解炉10に戻される。循環材が除かれた、燃料ガスを含む熱分解生成物は、併流型のロータリーキルン11の第1の端部41に送られる。ロータリーキルン11では、回転炉40が軸周りに回転した状態で、熱分解生成物が第1の端部41の第1の導入部60から導入されると共に、廃棄物の被加熱物が第1の端部41の第2の導入部61から導入され、被加熱物が熱分解生成物によって加熱処理される。
【0030】
ここで、第1の導入部60は第2の導入部61よりも低い位置に設けることにより、分離部21からの熱分解生成物がロータリーキルン11の下部から導入され、ロータリーキルン11内で被加熱物と十分に混ざり合い、効率的な加熱処理を可能とする。
【0031】
ロータリーキルン11では、被加熱物が焼却されたり、溶融されたり、焙焼されたりする。ロータリーキルン11の加熱処理の結果生じた物、例えば焼却により生じたもの、溶融したもの、焙焼したものは必要に応じて回収される。
【0032】
ロータリーキルン11の第2の端部42から排出された排ガスは、二次燃焼室12に送られ、二次燃焼室12では、排ガスがさらに燃焼される。二次燃焼室12から排出された排ガスは、熱回収装置13に送られ、排ガスの熱が回収される。回収された熱は、例えば熱分解炉10の熱源として用いられる。
【0033】
本実施の形態によれば、併流型のロータリーキルン11において、熱分解炉10で生成された熱分解生成物を用いて被加熱物を加熱できるので、燃料として化石燃料を使用せずに高温かつ短時間で被加熱物の加熱処理を行うことができる。また、熱分解炉10は、熱分解生成物を持続的に安定して生成できるものであり、熱分解炉10から供給された熱分解生成物は、高温かつ短時間で加熱処理が行われる併流型のロータリーキルン11に適している。併流型のロータリーキルン11では、熱分解炉10からの高温の熱分解生成物と、被加熱物が同じ端部41から導入されるため、熱分解生成物が高温を状態で直ちに被加熱物に接触して、被加熱物を効率的かつ短時間で加熱処理することができる。また、熱分解炉10からロータリーキルン11に送られる高温流体には、循環材が粉化された微粒分や飛灰の不純物も含まれることがあるが、これらをロータリーキルン11において被加熱物とともに処理することができる。さらに、熱分解炉10で生じる高温流体に含まれるチャーや微粒分は、都市ガスなどの化石燃料に比べて発光による輻射熱効果が高く、ロータリーキルン11における加熱が効率的に行われる。なお、併流型のロータリーキルン11は、熱分解炉10から送られた不純物を回収する回収部を備えていてもよい。
【0034】
原料としてバイオマス原料を用いた場合、CO2の発生を大幅に削減することができる。また発生ガスを無害化するためのガス処理設備を最小限に抑えることができる。
【0035】
加熱処理システム1が熱回収装置13を備えているので、併流型のロータリーキルン11を用いた場合に排出される高温の排ガスの熱を有効利用し、全体として熱効率の高い加熱処理システム1を実現することができる。
【0036】
加熱処理システム1は、熱分解炉10で生成された熱分解生成物が熱回収されずにロータリーキルン11に送られるように構成されているので、ロータリーキルン11に導入される熱量(低位発熱量+ガス顕熱)が多くなり、ロータリーキルン11の温度を上げやすくなる。またロータリーキルン11の排ガスの熱を回収して、熱分解炉11の燃焼・流動用空気を予熱するので、熱の回収や燃焼・流動用空気の予熱も十分に行うことができる。
【0037】
加熱処理システム1は、ロータリーキルン11から排出された排ガスの熱を熱分解炉10の熱源に使用する装置を備えていてもよい。例えば加熱処理システム1は、
図2に示すように排ガスの熱を蒸気で回収しその蒸気を熱分解炉10の燃焼空気(燃焼・流動用空気)の加熱に用いてもよい。この場合、加熱処理システム1は、熱分解炉10の本体容器20に通じる燃焼空気の導入ダクト80と、導入ダクト80に設けられた空気予熱器81と、空気予熱器81に熱回収装置13の蒸気を送る蒸気ダクト82を備えている。熱回収装置13で排ガスの熱を回収した蒸気が蒸気ダクト82を通じて空気予熱器81に送られ、空気予熱器81において蒸気と燃焼空気との間で熱交換し、高温になった燃焼空気が導入ダクト80を通じて熱分解炉10の本体容器20に導入される。かかる場合、併流型のロータリーキルン11で残った熱を熱分解炉10で用いることができるので、加熱処理システム1の熱効率をさらに上げることができる。なお、この例では、ロータリーキルン11から排出された排ガスの熱を熱分解炉10の熱源に使用する装置は、例えば熱回収装置13、導入ダクト80、空気予熱器81及び蒸気ダクト82により構成されている。
【0038】
また加熱処理システム1は、
図3に示すように排ガスの熱をガス-空気の間で熱交換し、その空気を熱分解炉10の燃焼空気として用いてもよい。この場合、加熱処理システム1は、例えば第4のダクト70に接続された空気予熱器90と、空気予熱器90に燃焼空気を導入する導入ダクト91と、空気予熱器90の燃焼空気を熱分解炉10に導入する導入ダクト92を備えている。併流型のロータリーキルン11から排出された排ガスと、導入ダクト91を通じて空気予熱器90に導入された燃焼空気との間で熱交換し、空気予熱器90の高温の燃焼空気が導入ダクト92を通じて熱分解炉10の本体容器20に導入される。かかる場合、併流型のロータリーキルン11で残った熱を熱分解炉10で用いることができるので、加熱処理システム1の熱効率をさらに上げることができる。なお、この例では、ロータリーキルン11から排出された排ガスの熱を熱分解炉10の熱源に使用する装置は、例えば空気予熱器90及び導入ダクト91、92により構成されている。
【0039】
以上の実施の形態において、熱回収装置13は、ボイラーであったが、排ガスの熱を回収するものであれば他のものであってもよい。加熱処理システム1は、二次燃焼室12や熱回収装置13を備えたものであったが、本発明は、二次燃焼室12や熱回収装置13を備えない加熱処理システムにも適用することができる。以上の実施の形態では、化石燃料を全く用いない加熱処理システム1であったが、本発明は、化石燃料を補助燃料として用いる加熱処理システムにも適用することができる。
【0040】
加熱処理システム1は、併流型のロータリーキルン11において廃棄物を焼却するもののみならず、廃棄物を溶融させ再利用可能な金属等を取り出すものや、廃棄物を焼結させ金属を製錬するものとして用いてもよい。すなわち、ロータリーキルン11は、産業廃棄物の焼却炉及び溶融炉、電炉ダスト等の金属資源を含む廃棄物の還元炉、使用済触媒、電池等の金属資源を含む廃棄物の焙焼炉、廃電子基板の溶融炉などに用いることができる。また、加熱処理システム1は、廃棄物の処理に限られず、鉄鋼、非鉄の鉱石の前処理などの処理に用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、併流型のロータリーキルンにおいて、主たる燃料として化石燃料を使用せずに廃棄物処理などの加熱処理を行うことができる加熱処理システムを提供する際に有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 加熱処理システム
10 熱分解炉
11 併流型のロータリーキルン
12 二次燃焼室
13 熱回収装置