(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】ボンディングヘッドおよびボンディング装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080943
(22)【出願日】2023-05-16
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】10 2023 110 696.1
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501198796
【氏名又は名称】パック テック-パッケージング テクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】フェトケ, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】コルバソウ, アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】クラウゼ, トルステン
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ, スヴェトラーナ
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-069419(JP,A)
【文献】特開2000-294602(JP,A)
【文献】特開2015-072236(JP,A)
【文献】特開2014-236087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0309057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)をさらに備え
、
前記ノズル出口(76、94)が、前記第2の基板(6)上の実装面(46)と垂直に延在するように配置されている、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項2】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と、
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)をさらに備え、
前記ノズル出口(36、98)が、前記第2の基板(6、106)上の実装面(46、102)と平行又は垂直に延在するように配置され、
前記レーザダクト(80)および前記ノズルダクト(82)が、前記第2の基板(6)上の前記実装面(46)に対して斜めの角度で延在している、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項3】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と、
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)をさらに備え、
前記ノズル出口(36、98)が、前記第2の基板(6、106)上の実装面(46、102)と平行又は垂直に延在するように配置され、
前記レーザダクト(88、108)が、前記第2の基板(6、106)上の前記実装面(46、102)に対して斜めの角度で延在し、前記ノズルダクト(90、110)が、前記第2の基板(6、106)上の前記実装面(46、102)に対して屈曲しているかまたは湾曲している、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項4】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と、
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)と、
前記本体(14)を通って前記レーザダクト(16)内に延在し、前記保持面(44)から温度放射を受け取るために前記ノズル出口(36)に向けられる光ファイバ(49)を有し、前記温度放射に基づいて前記第1の基板(8)の温度を測定するように構成された温度測定ユニット(48)と、
をさらに備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項5】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と、
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)をさらに備え、
前記レーザビーム(12)に対して透過的であり、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)と垂直に延在する光学要素(50、128)が、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に配置され、
前記光学要素(50、128)が、前記光学要素(50、128)の断面にわたって前記レーザビーム(12)の出力を均一化するように構成されている、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項6】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と、
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)をさらに備え、
前記レーザビーム(12)に対して透過的であり、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)と垂直に延在する光学要素(50、128)が、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に配置され、
前記光学要素(50、128)が、前記ノズル出口(36、76、94、98)の前記断面に従って前記レーザビーム(12)の断面を整形するように構成されている、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項7】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と、
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)をさらに備え、
前記レーザビーム(12)に対して透過的であり、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)と垂直に延在する光学要素(50、128)が、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に配置され、
前記光学要素(50、128)が、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を、前記保持ノズル(30、78、92、100)により近い第1のレーザダクト部(58)と、前記保持ノズル(30、78、92、100)からより遠い第2のレーザダクト部(60)とに流体的に分割する、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項8】
第1の基板(8、38、72、114)を第2の基板(6、106)との特定の三次元位置関係において保持し、前記第1の基板(8、38、72、114)にレーザビーム(12)を当てることによって、前記第1の基板と前記第2の基板との接触領域間に配置された接合材料堆積物(10、84、118)を溶融することによって前記第1の基板と前記第2の基板とを共に接合するためのボンディングヘッド(4、70、86、96、120)であって、
レーザ入口(18)からレーザ出口(20)に延在するレーザダクト(16、80、88、108、130)を有する本体(14、122)と、
前記本体(14、122)を通って前記レーザダクト(16、80、88、108、130)の内部に配置された真空/圧力ポート(26)につながる真空/圧力チャネル(24)を介して、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すように構成された真空源(22)と、
前記レーザビーム(12)を出射し、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)を通って前記レーザ出口(20)に誘導するように構成されたレーザ源(28)と、
を備える、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)において、
前記本体(14、122)に交換可能に取り付けられ、前記レーザビーム(12)がノズルダクト(32、82、90、110)を通過するように前記レーザ出口(20)と連通して配置されたノズル入口(34)から前記本体(14、122)と反対側に配置されたノズル出口(36、76、94、98)に延在する前記ノズルダクト(32、82、90、110)を有する保持ノズル(30、78、92、100)であって、前記ノズル出口(36、76、94、98)が、前記真空源(22)が前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に真空を作り出すときに前記第1の基板(8、38、72、114)が前記保持ノズル(30、78、92、100)によって保持されるように前記第1の基板(8、38、72、114)上の保持面(44、74)よりも小さい断面を有する、保持ノズル(30、78、92、100)
をさらに備え、
前記レーザビーム(12)に対して透過的であり、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)と垂直に延在する光学要素(50、128)が、前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に配置され、
前記本体(14、122)が、下部本体部(52、124)と上部本体部(54、126)とから構成され、前記光学要素(50、128)が、前記下部本体部(52、124)と前記上部本体部(54、126)との間に配置されている、ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項9】
前記ノズル出口(36、76、94、98)の前記断面が、前記第1の基板(8、38、72、114)上の前記保持面(44、74)の形状および/または寸法に適合されている、請求項1に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項10】
前記ノズルダクト(110)が、前記レーザビーム(12)を反射して前記ノズル出口(98)に向けるように構成されている、請求項
3に記載のボンディングヘッド(96)。
【請求項11】
前記レーザ源(28)が、前記温度測定ユニット(48)によって測定された前記温度が所定の最大許容温度を超えた場合に前記レーザビーム(12)の出射を制御するように構成されている、請求項
4に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項12】
前記真空/圧力ポート(26)が、前記第1のレーザダクト部(58)内に配置されている、請求項
7に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項13】
温度測定ユニット(48)の光ファイバ(49)の端部が前記第1のレーザダクト部(58)内に延在している、請求項
7に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項14】
前記本体(14、122)を通って前記第2のレーザダクト部(60)の内部に配置された流体/圧力ポート(66)につながる流体/圧力チャネル(64)を介して、前記第2のレーザダクト部(60)内に流体または圧力を導入するように構成された流体/圧力源(62)をさらに備える、請求項
7に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項15】
前記光学要素(50、128)は、前記流体/圧力源(62)が前記第1のレーザダクト部(58)内の圧力に対して前記第2のレーザダクト部(60)内に負圧または正圧を作り出すことによって前記光学要素(50、128)の曲率が調整され得るように可撓性を有するよう構成されている、請求項
14に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項16】
前記第1の基板(8、38、72、114)が前記第2の基板(6、106)との前記特定の三次元位置関係において保持され、前記第1の基板(8、38、72、114)に前記レーザビーム(12)を当てるとき、前記真空/圧力チャネル(24)を介して前記レーザダクト(16、80、88、108、130)内に圧力ガスを導入するように構成された圧力源(68)をさらに備える、請求項1に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)。
【請求項17】
前記下部本体部(52)または前記上部本体部(54)のうちの少なくとも1つが、前記光学要素(50)が配置される溝部分(56)を形成している、請求項
8に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96)。
【請求項18】
前記レーザダクト(130)が、前記下部本体部(124)と前記上部本体部(126)との間に、前記光学要素(128)が配置される段差部分(132)を形成するように、前記下部本体部(124)においてより狭く形成されている、請求項
8に記載のボンディングヘッド(120)。
【請求項19】
第2の基板を保持し、XY平面内で移動可能であるように構成されたチャック(2)と、
前記XY平面と垂直なZ軸に沿って移動可能であるように構成されている、請求項1
~8のいずれか一項に記載のボンディングヘッド(4、70、86、96、120)と
を備える、ボンディング装置(1)。
【請求項20】
少なくとも1つの第1の基板を収容し、前記XY平面または前記XY平面と平行な平面内で移動可能であるように構成された第1の基板キャリアをさらに備える、請求項
19に記載のボンディング装置(1)。
【請求項21】
前記ボンディングヘッド(4、70、86、96、120)が、前記Z軸に対して傾斜可能であるように構成されている、請求項
19に記載のボンディング装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンディングヘッドおよびボンディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この点に関して、米国特許第9162320号明細書は、チップおよび基板の接触領域間に配置されたバンプを溶融することによって基板に接合される半導体チップ上に配置されたボンディングツールを備えるボンディング装置を開示する。このため、ボンディングツールは、レーザビームを照射され、加熱されるためにレーザエネルギーを吸収するように構成される。次いで、ボンディングツールは、硬化の後にチップと基板とを接合するためにバンプが溶融されるようにチップを加熱する。
【0003】
同様の技術は、特開2003-258037号からも知られている。
【0004】
米国特許出願公開第2008/0202677号明細書は、突起を有する押圧ブロックを備えるチップボンディングツールを開示する。基板上に実装されるチップが真空吸着によって保持され、配置され得るように、押圧ブロックおよび突起において真空孔が形成される。押圧ブロックおよび突起は、基板に塗布された接着剤を硬化させるためにレーザビームを通過させることができるように、レーザ透過性材料で作られている。
【0005】
欧州特許出願公開第2045034号明細書は、吸着孔を有する(押圧体とも呼ばれる)吸着ヘッド部分を備えるフリップチップ実装装置を開示する。このようにして、半導体チップが、真空吸着によって基板上に保持され、配置され得る。吸着ヘッドは、透明ガラスで作られており、チップを加熱し、したがってチップおよび基板の接触領域間に配置されたバンプを溶融するためにレーザビームが透明ガラスを通過することを可能にする。しかしながら、この技術は、透明ガラスが、汚されるか、損傷されるか、または引っかかれることがあり、レーザビームがガラスを均一に通らないという欠点をもたらす。さらに、吸着孔の領域において、より出力が高いレーザピークがチップに照射され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、ボンディングヘッドおよびボンディング装置のための改善された技術を提供することである。この目的は、独立請求項に記載のボンディングヘッドおよびボンディング装置によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の基板を第2の基板との特定の三次元位置関係において保持し、第1の基板にレーザビームを当てることによって、前記基板の対応する接触領域間に配置された接合材料堆積物を溶融することによって前記基板を一緒に接合するためのボンディングヘッドを提供する。すなわち、はんだバンプなどのはんだ体であり得る接合材料堆積物は、第1の基板にレーザビームを当てることによって間接的に加熱される。接合材料堆積物は、アンダーバンプメタライゼーション(UBM)など、金属化領域上に配置され得る。特に、第1の基板は、チップ、例えばフリップチップ(FC)または縦型チップ(VC)であり得る。第2の基板は、回路板、例えばプリント回路板(PCB)もしくはフレキシブルプリント回路板(FPCB)、またはチップスタックであり得る。
【0008】
本発明によるボンディングヘッドは、レーザ入口からレーザ出口に延在するレーザダクトを有する本体を備える。本体は、剛性材料から構成され、レーザダクトを包含する。
【0009】
ボンディングヘッドは、本体を通ってレーザダクトの内部に配置された真空/圧力ポートにつながる真空/圧力チャネルを介してレーザダクト内に真空を作り出すように構成された真空源をさらに備える。真空/圧力チャネルは、好ましくは、本体を通ってレーザダクトの延在方向と垂直に延在する。
【0010】
ボンディングヘッドは、レーザビームを出射し、レーザダクトを通ってレーザ出口に誘導するように構成されたレーザ源をも備える。例えば、レーザ源は、レーザ入口において取り付けられ得る。代替的に、レーザビームを誘導するファイバがレーザ入口において配置され得る。さらに、レーザダクトは屈曲していることがあり、レーザ源は、レーザダクトを通してレーザビームを誘導するための光学素子を備え得る。
【0011】
さらに、ボンディングヘッドは、本体に交換可能に取り付けられた保持ノズルを備える。例えば、保持ノズルはフランジを有し得、フランジは本体に螺合され得る。さらに、液密性を確保するためにフランジと本体との間にガスケットが配置され得る。
【0012】
保持ノズルは、ノズル入口からノズル出口に延在するノズルダクトを有する。ノズル入口は、レーザ出口と連通して配置される。すなわち、レーザ出口の領域とノズル入口の領域とは、互いに重なる。特に、ノズル入口は、レーザ出口と同じ領域、レーザ出口よりも小さいかまたは大きい領域を有し得る。好ましくは、レーザ出口の中心点とノズル出口の中心点とは、互いに対応して配置され得る。ノズル出口は、本体と反対側に配置される。したがって、保持ノズルは、管状部材に相当する。好ましくは、保持ノズルは、金属またはセラミックなど、不透明で剛性の材料で作られる。したがって、保持ノズルは、耐性があり、コスト効率の良い方法で製造され得る。さらに、保持ノズルは、保持ノズルの全長に沿って同じ断面積を有するか、ノズル入口からノズル出口まで保持ノズルの断面の形状を広げるか、細くするか、または変化させ得る。このようにして、レーザ出口を出たレーザビームは、ノズルダクトを通り、ノズル出口を出る。最も好ましくは、レーザ源は、ノズル出口の断面積全体にわたって均一な出力でレーザビームを出射するように構成される。
【0013】
さらに、ノズル出口は、第1の基板上の保持面よりも小さい断面を有する。このようにして、第1の基板は、真空源がレーザダクト内に真空を作り出すとき、ノズル出口において保持される。その結果、吸着ヘッドのガラスの摩耗とレーザビームの不均一な透過とが回避され得る。さらに、保持ノズルを使用することによって、保持面の領域内に、凹凸形状、例えばさらなるチップを有するチップが、ボンディングヘッドを使用することによって接合され得る。保持ノズルは本体に交換可能に取り付けられるため、ボンディングヘッドは、逸脱したサイズを有するチップに容易に適合され得る。
【0014】
本発明の好ましい態様によれば、ノズル出口の断面は、第1の基板上の保持面の形状および/または寸法に適合され得る。すなわち、ノズル出口は、第1の基板の形状、例えば第1の基板の上面を有し得る。追加または代替として、ノズル出口の寸法は、第2の基板上の保持面の寸法に対応し得る。例えば、ノズル出口は、長方形であり得、保持ノズルの縁が第1の基板の保持面、例えば上面の縁部において配置されるように寸法決定され得る。このようにして、真空力が第1の基板に均一に加えられ、第1の基板はレーザビームを均等に照射され得る。
【0015】
本発明の一態様によれば、ノズル出口は、第2の基板上の実装面と平行に延在するように配置され得る。すなわち、ノズル出口の平面が第2の基板上の実装面と平行である。ノズル出口および実装面のこの配向は、特定の三次元位置関係に対応する。このようにして、第1の基板は、対応する接触領域を有する、第2の基板、例えば回路板、または別のチップ上に実装され得るフリップチップであり得る。
【0016】
本発明の代替態様によれば、ノズル出口は、第2の基板上の実装面と垂直に延在するように配置され得る。すなわち、ノズル出口の平面が第2の基板上の実装面と垂直である。ノズル出口および実装面のこの配向は、特定の三次元位置関係の別の例である。このようにして、第1の基板としての縦型チップが、第2の基板としての回路板上に端面を接して配置され得る。
【0017】
本発明の代替態様によれば、レーザダクトおよびノズルダクトは、第2の基板上の実装面に対して斜めの角度で延在し得る。このようにして、第1の基板としての縦型チップが、第2の基板がボンディングヘッドによって損傷されるリスクなしに、第2の基板上に配置され得る。さらに、第1の基板としてのチップを第2の基板としてのチップスタックに実装することが可能である。この点に関して、チップスタックの単一チップの端面は、全体で、チップスタックの実装面を形成する。第1の基板としての縦型チップを、第2の基板としての回路板に端面を接して実装することも可能である。
【0018】
本発明のさらなる態様によれば、レーザダクトは、第2の基板上の実装面およびノズルダクトに対して斜めの角度において延在し得、したがって、保持ノズルは、第2の基板上の実装面に対して湾曲しているかまたは屈曲していることがある。例えば、保持ノズルは、実装面に向かうように、または実装面から離れるように屈曲しているかまたは湾曲していることがある。このようにして、第1の基板としての縦型チップが、第2の基板がボンディングヘッドによって損傷されるリスクを低減しながら、第2の基板上に配置され得る。さらに、保持ノズルは、レーザダクトとノズルダクトとが斜めの角度において配置される場合と比較して、より短いことがあり、より大きいノズル出口を有し得る。この場合も、第1の基板としてのチップを第2の基板としてのチップスタックに実装することが可能である。第1の基板としての縦型チップを、第2の基板としての回路板に端面を接して実装することも可能である。
【0019】
本発明の一態様によれば、ノズルダクトは、レーザビームを反射してノズル出口に向けるように構成され得る。保持ノズルが反射性材料で作られていることがあるか、またはノズルダクトが反射性コーティングを含み得る。したがって、ノズル出口のより大きい領域が、レーザビームを第1の基板に当てるために使用され得る。特に、レーザビームの反射は、レーザダクトが斜めの角度において配置され、ノズルダクトが第2の基板上の実装面に対して屈曲しているかまたは湾曲している場合に有益である。
【0020】
本発明の一態様によれば、ボンディングヘッドは、本体を通ってレーザダクト内に延在し、保持面から温度放射を受け取るためにノズル出口に向けられる光ファイバを有し、温度放射に基づいて第1の基板の温度を測定するように構成された温度測定ユニットをさらに備え得る。このようにして、第1の基板の保持面上の温度は、第1の基板を第2の基板に接合するプロセス中に考慮に入れられ得る。
【0021】
本発明の追加の態様によれば、レーザ源は、温度測定ユニットによって測定された温度が所定の最大許容温度を超えた場合にレーザビームの出射を制御するように構成され得る。特に、レーザビームの制御中に、レーザビームの出力が低減され得る。代替的に、レーザビームの出射が停止され得るか、またはレーザビームが間欠的に出射され得る。すなわち、レーザビームは、測定された温度が最大許容温度を下回るとき、再び出射される。レーザビームの出射は、測定された温度が再び最大許容温度を超える場合、再び停止される。その結果、レーザビームを制御することによって、過熱による第1の基板の損傷が回避され得る。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、レーザビームに対して透過的であり、レーザダクトと垂直に延在する光学要素が、レーザダクト内に配置され得る。光学要素は、光学窓、レンズ、ビーム整形器またはビームホモジナイザであり得る。光学要素はまた、これらの要素の組合せであり得る。したがって、レーザビームの光学特性は、光学要素を使用することによってレーザダクト内で影響を及ぼされ得る。
【0023】
本発明の好ましい態様によれば、光学要素は、光学要素の断面にわたってレーザビームの出力を均一化するように構成され得る。したがって、光学要素は、ビームホモジナイザに相当し得る。その結果、第1の基板は、第1の基板上の不均等な熱分布が回避され得るように、レーザ出力を均等に照射される。
【0024】
本発明の追加の態様によれば、光学要素は、ノズル出口の断面に従ってレーザビームの断面を整形する(形作る)ように構成され得る。したがって、光学要素は、ビーム整形器に相当し得る。その結果、第1の基板は、レーザ出力を均等に照射され得る。
【0025】
本発明の有益な態様によれば、光学要素は、レーザダクトを、保持ノズルにより近い第1のレーザダクト部と、保持ノズルからより遠い第2のレーザダクト部とに流体的に分割し得る。例えば、光学要素は、レーザダクトを形成する本体に対してガスケットで封止され得る。ガスケットはまた、光学要素をレーザダクト内に接着するために使用される接着剤によって形成され得る。
【0026】
本発明の好ましい態様によれば、真空/圧力ポートは、第1のレーザダクト部内に配置され得る。したがって、限られた空間のみが真空にされる必要があり、第1のレーザダクト部内に効率的に真空が作り出され得る。
【0027】
本発明の好ましい態様によれば、光ファイバの端部が第1のレーザダクト部内に延在し得る。したがって、光ファイバは、温度放射が光学要素を通過することなしに、第1の基板の保持面から温度放射を受け取り得る。ボンディングヘッドは保持ノズルを使用するため、温度放射も、ガラス製の吸着ヘッド本体を通る必要がない。したがって、第1の基板の温度は、温度放射が光学要素または吸着ヘッド本体によって影響を及ぼされないため、より高い精度で検出され得る。
【0028】
本発明の随意の態様によれば、ボンディングヘッドは、本体を通って第2のレーザダクト部の内部に配置された流体/圧力ポートにつながる流体/圧力チャネルを介して、第2のレーザダクト部内に流体または圧力を導入するように構成された流体/圧力源を備え得る。流体は気体または液体として理解されるべきであることに留意されたい。流体の導入は、レーザダクトが光学要素によって流体的に分割される場合に可能である。特に、流体は、冷却流体、またはレーザビームの光学特性に影響を及ぼす流体であり得る。したがって、ボンディングヘッドは、動作中に冷却され得る。この点に関して、流体/圧力チャネルおよび流体/圧力ポートは、それぞれ、冷却流体の流入および流出を可能にするための2つの別個のチャネルおよびポートによって形成され得ることに留意されたい。さらに、レーザビームの光学特性は、光学要素を交換する必要なしに影響を及ぼされ得る。代替的に、流体/圧力源は、流体/圧力チャネルおよび流体/圧力ポートを介して第2のレーザダクト部内に圧力ガスを導入し得る。流体/圧力源は、第2のレーザダクト部を減圧することも可能であることに留意されたい。特に、第2のレーザダクト内の圧力は、第1のレーザダクト内の圧力よりも低いまたは高いことがある。
【0029】
本発明の別の態様によれば、光学要素は、流体/圧力源が第1のレーザダクト部内の圧力に対して第2のレーザダクト部内に負圧または正圧を作り出すことによって、光学要素の曲率、特に凸面または凹面が調整され得るように可撓性であるように構成され得る。特に、光学要素の中心点が、レーザダクトの延在方向にシフトされ得る。その結果、レーザビームの焦点、したがって、レーザビームによって照射される第1の基板上の領域が、光学要素を置換する必要なしに設定され得る。
【0030】
本発明のさらなる態様によれば、ボンディングヘッドは、第1の基板が第2の基板との特定の三次元位置関係において保持され、第1の基板にレーザビームを当てるとき、真空/圧力チャネルを介してレーザダクト内に圧力ガスを導入するように構成された圧力源を備え得る。圧力源はまた、真空/圧力チャネルに接続され得るため、本体内に追加のチャネルが必要とされない。圧力源と真空源とは、真空モードと圧力モードとの間で切替え可能である同じユニットによって形成され得る。代替的に、圧力源と真空源とは、切替え可能なバルブによって真空/圧力チャネルに接続された別個のユニットとして設けられ得る。特に、圧力ガスは、第1の基板と第2の基板とが特定の位置関係において配置されるとき、レーザダクトまたは第1のレーザダクト部内に導入され得る。次いで、第1の基板は、第1の基板と第2の基板との間に配置された接合材料堆積物を溶融するために第1の基板にレーザビームを当てることによって第2の基板に接合され得る。接合プロセス中に、すなわち、第1の基板へのレーザビームの照射中に、圧力ガスは、レーザダクトまたは第1のレーザダクト部に供給される。このようにして、第1の基板は、接合材料堆積物が溶融されると第2の基板の実装面に押圧される。したがって、接合材料堆積物が再び硬化した後に、第1の基板と第2の基板との間の適切な結合が実現され得る。
【0031】
本発明の別の態様によれば、本体は、下部本体部と上部本体部とから構成され得る。その場合、光学要素は、下部本体部と上部本体部との間に配置される特に、光学要素は、下部本体部と上部本体部との間に接着され得る。したがって、光学要素は、レーザダクト内に容易に配置されるかまたは取り付けられ得る。さらに、上記で説明された流体分離を実現するために、光学要素と本体部との間にガスケットが配置され得る。ガスケットはまた、接着剤のみによって形成され得る。
【0032】
本発明の好ましい態様によれば、下部本体部または上部本体部のうちの少なくとも1つが、光学要素が配置される溝部分を形成し得る。すなわち、下部本体部または上部本体部のいずれか1つが溝部分を形成し得る。代替的に、組み合わせられた下部本体部と上部本体部とが溝部分を形成し得る。その場合、光学要素を保持するために、溝部分内に光学要素の縁部が配置される。溝部分は、レーザダクトの上述の流体分離が実現され得るようにレーザダクトの内周全体に沿って延在し得る。光学要素は、溝部分に接着され得る。ガスケットも溝部分内に配置され得る。光学要素を溝部分内に配置するために、下部本体部と上部本体部とは、例えばねじを使用することによって互いに固定され得る別個のパーツであり得る。
【0033】
本発明の代替態様によれば、レーザダクトは、下部本体部と上部本体部との間に、光学要素が配置される段差部分を形成するように、下部本体部においてより狭く形成され得る。特に、光学要素は、段差部分に接着され得る。好ましくは、段差部分は、上述の流体分離が実現され得るようにレーザダクトの内周全体に沿って延在し得る。さらに、段差部分上にガスケットが配置され得る。この点に関して、本体部は、一体的にまたは別々に形成され得る。どちらの方法でも、光学要素は、段差部分上に、したがってレーザダクト内に容易に配置され得る。
【0034】
本発明は、第2の基板を保持し、XY平面内で移動可能であるように構成されたチャックを備えるボンディング装置をさらに提供する。さらに、ボンディング装置は、上記の態様のいずれか1つによるボンディングヘッドを備える。ボンディングヘッドは、XY平面と垂直なZ方向に移動可能であるように構成される。例えば、ボンディングヘッドは、軸線システムを使用して移動され得る。このようにして、特定の三次元関係においてボンディングヘッドによって保持される第1の基板は、チャックおよびボンディングヘッドの三次元相対移動によって第2の基板上に配置され得る。その後、基板は、第1の基板にレーザビームを当てることによって一緒に接合され得る。
【0035】
本発明の一態様によれば、ボンディング装置は、少なくとも1つの第1の基板を収容し、XY平面またはXY平面と平行な平面内で移動可能であるように構成された第1の基板キャリアを備え得る。好ましくは、少なくとも1つの基板は、第2の基板上に実装されることになるように第1の基板キャリア上に配置される。チャックと第1の基板キャリアとは、相互接続され得、したがって、同じXY平面内で移動され得る。最初に、第1の基板キャリアは、ボンディングヘッドが第1の基板キャリア上に収容された第1の基板のうちの1つを把持し、保持し得るように、ボンディングヘッドの下に移動される。次いで、チャックは、第2の基板、すなわち第2の基板の実装面を第1の基板に対して配置するために、ボンディングヘッドの下に移動され得る。第1の基板を保持するボンディングヘッドは、第1の基板を第2の基板上に配置し、第1の基板にレーザビームを当てることによって2つの基板を一緒に接合するために、下方に移動する。代替的に、要素、第1の基板キャリアまたはチャックのうちの一方が、他方の上で移動可能であり得る。例えば、第1の基板キャリアはチャックの上で移動され得る。次いで、ボンディングヘッドは、第1の基板のうちの1つを把持し、保持し得る。その後、第1の基板を第2の基板上に配置し、基板を一緒に接合するために、第1の基板キャリアが移動され、ボンディングヘッドが下方に移動される。
【0036】
本発明の追加の態様によれば、ボンディングヘッドは、Z方向に対して傾斜可能であるように構成され得る。例えば、ボンディングヘッドは、制御可能なボールジョイントまたはヘキサポッドによって軸線システムに取り付けられ得る。このようにして、第1の基板が第2の基板上に適切に配置されるように、チャック内の第2の基板の斜めのまたは傾斜した配置が補償され得る。
【0037】
以下で、本発明の好ましい実施形態が図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるボンディングヘッドを概略的に示す図である。
【
図2】第1の実施形態によるボンディングヘッドの適用例を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態によるボンディングヘッドを概略的に示す図である。
【
図4】本発明の第3の実施形態によるボンディングヘッドを概略的に示す図である。
【
図5】本発明の第4の実施形態によるボンディングヘッドを概略的に示す図である。
【
図6】本発明の第5の実施形態によるボンディングヘッドを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
[第1の実施形態]
図1は、本発明によるボンディング装置1を示す。ボンディング装置1は、第1の実施形態によるチャック2およびボンディングヘッド4を備える。チャック2は、第2の基板に対応する回路板6を保持するように構成され、XY平面内で移動可能である。第1の実施形態によるボンディングヘッド4は、第1の基板に対応するフリップチップ8を保持するように構成され、XY平面と垂直なZ方向に移動可能である。すなわち、回路板6とフリップチップ8とは、チャック2およびボンディングヘッド4を移動させることによって互いに対して配置され得る。特に、チャック2は、シフト可能なステージ上に取り付けられ得、ボンディングヘッド4は、軸線システムによって移動可能であり得る。回路板6は、チャック2内に傾斜してまたは斜めに配置され得るため、ボンディングヘッド4は、好ましくは、Z方向に対して傾斜可能である。特に、ボンディングヘッド4は、制御可能なボールジョイントまたはヘキサポッドを使用することによって軸線システムに取り付けられ得る。
【0040】
図に示されていないが、ボンディング装置1はまた、少なくとも1つのフリップチップ8を収容するように構成された、第1の基板キャリアとしてのフリップチップキャリアを備え得る。好ましくは、フリップチップ8は、回路板6上に実装されることになるようにフリップチップキャリア上に配置される。フリップチップキャリアは、XY平面またはXY平面と平行な平面内で移動可能であり得る。チャック2とフリップチップキャリアとは、相互接続され得、したがって、同じXY平面内で移動され得る。最初に、フリップチップキャリアは、ボンディングヘッド4がフリップチップキャリア上に収容されたフリップチップ8のうちの1つを把持し、保持し得るように、ボンディングヘッド4の下に移動される。フリップチップ8を把持するために、ボンディングヘッド4は、下方に移動し、フリップチップ8を保持し、次いで、再び上方に移動する。次いで、チャック2は、回路板6をフリップチップ8に対して配置するためにボンディングヘッド4の下に移動され得る。フリップチップ8を保持するボンディングヘッド4は、フリップチップ8を回路板6上に配置し、2つの基板6、8を一緒に接合するために、再び下方に移動する。
【0041】
代替的に、要素、フリップチップキャリアまたはチャック2のうちの一方は、他方の上で移動可能であり得る。例えば、フリップチップキャリアはチャック2の上で移動され得る。次いで、ボンディングヘッド4は、フリップチップ8を把持し、保持し得る。その後、フリップチップ8を回路板6上に配置し、基板6、8を一緒に接合するために、フリップチップキャリアが移動され、ボンディングヘッド4が下方に移動される。
【0042】
ボンディングヘッド4は、第1の基板としてのフリップチップ8を、第2の基板としての回路板6との特定の三次元位置関係において保持し、回路板6およびフリップチップ8の接触領域間に配置された接合材料堆積物を溶融することによって前記基板6、8を一緒に接合するように設計される。特に、接合材料堆積物は、本実施形態では、(はんだバンプとも呼ばれる)はんだ体10であり、円形または直方体であり得るはんだ体10は、フリップチップ8にレーザビーム12を当てることによって溶融される。このようにして、フリップチップ8が加熱され、したがって、フリップチップ8の下に配置されたはんだ体10が次いで加熱され、溶融される。液化されたはんだ体10が再び固化した後に、フリップチップ8と回路板6との間の恒久的な電気的および機械的結合が実現される。
【0043】
上記で説明されたプロセスを実行するために、ボンディングヘッド4は、レーザ入口18からレーザ出口20まで延在するレーザダクト16を有する本体14を備える。さらに、ボンディングヘッド4は、本体14を通ってレーザダクト16の内部に配置された真空/圧力ポート26につながる真空/圧力チャネル24を介してレーザダクト16内に真空を作り出すように構成された真空源22を備える。レーザビーム12を出射し、レーザダクト16を通ってレーザ出口20に誘導するように構成されたレーザ源28も設けられる。
図1では、レーザ源28は、レーザビーム12をレーザ入口18内へ直接結びつける。代替的に、レーザビーム12は、レーザビーム12を誘導するファイバを使用することによってレーザ入口18内に導入され得る。レーザ源28はまた、レーザビーム12を形成し、誘導するための光学素子を備え得る。
【0044】
さらに、ボンディングヘッド4は、本体14に交換可能に取り付けられた保持ノズル30をも備える。保持ノズル30は、ノズル入口34からノズル出口36に延在するノズルダクト32を有する。ノズル入口34は、レーザダクト16を通るレーザビーム12がノズルダクト32に入ることができるように、レーザ出口20と連通して配置される。ノズル出口36は、保持ノズル30が管状部材に相当するように、本体14と反対側に配置される。最後に、レーザビーム12はノズル出口36を出る。
【0045】
図1に示されているように、ノズル出口36は、真空源22がレーザダクト16内に真空を作り出すときにフリップチップ8が保持ノズル30の先端において保持されるように、フリップチップ8上の保持面44よりも小さい断面を有する。言い換えれば、フリップチップ8は、真空吸着によって保持ノズル30の先端において保持される。
【0046】
好ましくは、保持面44は、ノズル出口36を取り囲む保持ノズル30の縁が容易に配置され得るように、平坦なまたは滑らかな領域としてフリップチップ8上に設けられる。それにもかかわらず、保持ノズル30の縁の内部の領域内、すなわち、ノズル出口36の領域内に、凹凸形状があり得る。この点に関して、
図2は、第1の実施形態によるボンディングヘッド4の適用例を示す。
図2の例では、さらなるチップ40を支持するフリップチップ38が回路板6に接合される。これは、さらなるチップ40を受け入れる自由空間がノズルダクト32の内部に設けられるため、可能である。さらなるチップ40をフリップチップ38内に実装するために使用されるはんだ体42は、さらなるチップ40が外れるのを回避するために、より高い融点を有し得ることに留意されたい。代替的に、さらなるチップ40は、はんだの代わりに、接着剤などの別の接合材料を使用することによって固定され得る。
【0047】
図1に示されているように、ノズル出口36の断面は、保持面44の形状および寸法に適合されることが有益である。すなわち、保持ノズル30の縁は、フリップチップ8の上面の縁部に相当する。このようにして、真空吸着によるフリップチップ8上の張力が均等に分散される。さらに、レーザビーム12は、フリップチップ8上の熱が均等に分散され、はんだ体10がフリップチップ8の領域全体にわたって確実に溶融されるように、フリップチップ8に均等に照射され得る。
【0048】
図1に示されているように、本実施形態によるボンディングヘッド4は、フリップチップ8を配置し、回路板6に接合するために使用される。特に、フリップチップ8は、保持面44の面法線と回路板6上の実装面46の面法線とが互いに平行になるように、回路板6上に配置される。この配置を実現するために、ノズル出口36は、回路板6の実装面46と平行に延在するように配置される。フリップチップ8と回路板6とのこの配置は、特定の三次元位置関係の一例となる。
【0049】
ボンディングヘッド4は、本体14を通ってレーザダクト16内に延在する光ファイバ49を有する温度測定ユニット48をさらに備え得る。光ファイバ49は、保持面44からの温度放射を受け取るためにノズル出口36に向けられる。
図1に示されているように、光ファイバ49は、好ましくは本体14を通って真っ直ぐ延在し、次いで、ノズル出口36に向かって、すなわち保持面44に向かって曲げられる。特に、光ファイバ49は、剛性の被覆を使用することによって曲げられる。温度測定ユニット48は、光ファイバ49を介して温度放射を獲得し、温度放射に基づいてフリップチップ8の温度を測定する。
【0050】
さらに、レーザ源28は、温度測定ユニット48によって測定された温度が所定の最大許容温度を超えた場合にレーザビーム12の出射を制御するように構成され得る。特に、レーザビーム12の出力が制御中に下げられ得る。代替的に、レーザビーム12の出射が停止され得るか、またはレーザビーム12が間欠的に出射され得る。すなわち、レーザビーム12は、測定された温度が最大許容温度を下回るとき、再び出射される。温度が再び最大許容温度を超える場合、レーザビーム12の出射は再び停止される。その結果、過熱によるフリップチップ8の損傷が回避され得る。
【0051】
好ましくは、レーザビーム12に対して透過的な光学要素50がレーザダクト16内に配置され得る。本実施形態における光学要素50は、光学窓であり、レーザダクト16と垂直に延在する。代替的に、光学要素50は、その断面にわたってレーザビーム12の出力を均一化するように、および/またはノズル出口36の断面に従ってレーザビーム12の断面を整形するように構成され得る。したがって、フリップチップ8はレーザビーム12を均等に照射され得る。
【0052】
レーザダクト16内に光学要素50を配置するために、本体14は、下部本体部52と上部本体部54とから構成され得る。その場合、光学要素50は、下部本体部52と上部本体部54との間に配置される
図1に示されているように、光学要素50を保持するために、下部本体部52内に溝部分56が形成される。溝部分56は、レーザダクト16の周長全体にわたって配置され得る。溝部分56はまた、上部本体部54内に形成されるか、または下部本体部52および上部本体部54内に一緒に形成され得る。光学要素50を溝部分56内に配置するために、下部本体部52と上部本体部54とは、例えばねじを使用することによって互いに固定され得る別個の要素によって形成される。
【0053】
さらに、光学要素50は、レーザダクト16を、保持ノズル30により近い第1のレーザダクト部58と、保持ノズル30からより遠い第2のレーザダクト部60とに流体的に分割し得る。その場合、真空/圧力ポート26は、第1のレーザダクト部58内に真空を作り出すために第1のレーザダクト部58内に配置される。真空が作り出される必要がある空間は、今や第1のレーザダクト部58に限定されるため、真空源22は、真空吸着によってフリップチップ8を保持するために、低減した量のガスを抜くだけでよい。したがって、ボンディングヘッド4の効率ならびに処理速度が高められる。
【0054】
さらに、光ファイバ49の端部は、第1のレーザダクト部58内に延在する。したがって、光ファイバ49は、温度放射が光学要素50を通過することなしに、フリップチップ8の保持面44から温度放射を受け取り得る。ボンディングヘッド4は保持ノズル30を使用するため、温度放射も、ガラス製の吸着ヘッド本体を通る必要がない。したがって、フリップチップ8の温度は、温度放射が光学要素50または吸着ヘッド本体を通過することによって影響を及ぼされないため、より高い精度で検出され得る。
【0055】
レーザダクト16の流体分離はまた、ボンディングヘッド4が流体/圧力源62を備えることができるという利点をもたらす。流体/圧力源62は、本体14を通って第2のレーザダクト部60の内部に配置された流体/圧力ポート66につながる流体/圧力チャネル64を介して、第2のレーザダクト部60内に流体または圧力を導入するように構成される。特に、流体は、冷却流体、またはレーザビーム12の光学特性に影響を及ぼす流体であり得る。このようにして、ボンディングヘッド4は、動作中に冷却され得る。この点に関して、流体/圧力チャネル64および流体/圧力ポート66は、それぞれ、冷却流体の流入および流出を可能にするための2つの別個のチャネルおよびポートによって形成され得ることに留意されたい。さらに、レーザビーム12の光学特性は、光学要素50を変更する必要なしに影響を及ぼされ得る。
【0056】
代替的に、流体/圧力源62は、流体/圧力チャネル64および流体/圧力ポート66を介して第2のレーザダクト部60内に圧力ガスを導入することが可能である。この点について、流体/圧力源62は、第2のレーザダクト部60を減圧することも可能である。特に、第2のレーザダクト部60内の圧力は、第1のレーザダクト部58内の圧力よりも低いまたは高いことがある。
【0057】
好ましくは、光学要素50は、流体/圧力源62が第1のレーザダクト部58内の圧力に対して第2のレーザダクト部60内に負圧または正圧を作り出すことによって光学要素50の曲率、すなわち凸面または凹面が調整され得るように可撓性であり得る。特に、光学要素50は周長全体で保持されるため、光学要素50の中心点がレーザダクト16の延在方向にシフトされる。その結果、レーザビーム12の焦点、したがって、レーザビーム12によって照射されるフリップチップ8上の領域が、光学要素50を置換する必要なしに調整され得る。
【0058】
本実施形態によるボンディングヘッド4は、圧力源68をも含み得る。圧力源68は、フリップチップ8が回路板6上に配置され、レーザビーム12がフリップチップ8に当てられたとき、真空/圧力チャネル24を介してレーザダクト16内に圧力ガスを導入するように構成される。したがって、フリップチップ8と回路板6との間のはんだ体10が溶融され、フリップチップ8が回路板6に押圧される。その結果、液化されたはんだ体10が再び硬化した後に、フリップチップ8と回路板6との間の適切な機械的および電気的結合が実現される。
図1に示されている実施形態では、真空源22と圧力源68とは、圧力モードと真空モードとを切り替えることが可能である単一のユニットとして一体的に形成される。代替的に、圧力源68と真空源22とは、別個のユニットとして形成され得る。
【0059】
要約すれば、第1の実施形態によるボンディング装置1およびボンディングヘッド4は、ガラス製の吸着ヘッドの摩耗が回避され得るという効果をもたらす。したがって、第1の基板の不均等なレーザ照射が回避され得る。さらに、さらなるチップなど、凹凸突起を有する第1の基板は、第2の基板に取り付けられ得る。
【0060】
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態によるボンディングヘッド70を示す。ボンディングヘッド70は、第1の実施形態によるボンディングヘッド4と同様であるため、相違点のみが以下で説明される。
【0061】
本実施形態における第1の基板は、回路板6の実装面46に一方の端面で接合されることになる縦型チップ72である。この点に関して、「縦型」という用語は、回路板6の水平配向に対するチップ72の延在方向の配向を表すことを意図している。したがって、縦型チップ72の保持面74の面法線と、回路板6の実装面46の面法線とは、互いに垂直である。このため、保持ノズル78のノズル出口76は、回路板6上の実装面46と垂直に延在するように配置される。
【0062】
さらに、レーザダクト80およびノズルダクト82が、回路板6上の実装面46に対して斜めの角度で延在する。
図3に示されている実施形態では、レーザダクト80とノズルダクト82とは、実装面46の面法線に対して45°だけ傾斜している。ただし、本実施形態はこの角度に限定されない。好ましくは、縦型チップ72は、回路板6に接合されることになる端面に近接する位置において保持ノズル78によって保持される。したがって、縦型チップ72と回路板6との間に配置されたはんだ体84を溶融するために、縦型チップ72の、回路板6に近接する領域のみが加熱される必要がある。
【0063】
その結果、第2の実施形態によるボンディングヘッド70は、縦型チップ72を配置し、回路板6に接合することができるという効果をもたらす。さらに、実装面46の面法線に対するレーザダクト80およびノズルダクト82の斜めの配置は、回路板6への損傷を確実に防止する。
【0064】
図3の例は、縦型チップ72の端面と回路板6の実装面46との間にはんだ体84が配置される場合を示す。ただし、第2の実施形態はまた、縦型チップ72の端面が実装面46と密着し、縦型チップ72のより大きい面と回路板6の実装面46との間に形成された少なくとも1つの角部においてはんだ体が配置される場合を含む。
【0065】
[第3の実施形態]
図4は、本発明の第3の実施形態によるボンディングヘッド86を示す。ボンディングヘッド86は、第2の実施形態によるボンディングヘッド70と同様であるため、相違点のみが以下で説明される。
【0066】
図4から分かるように、レーザダクト88が、回路板6上の実装面46に対して斜めの角度で延在する。ただし、保持ノズル92のノズルダクト90が、回路板6上の実装面46から離れるように屈曲しているかまたは湾曲している。
【0067】
その結果、保持ノズル92は、第2の実施形態と比較して、より短いことがあるか、またはより大きいノズル出口94を有し得る。
【0068】
[第4の実施形態]
図5は、本発明の第4の実施形態によるボンディングヘッド96を示す。ボンディングヘッド96は、第3の実施形態によるボンディングヘッド86と同様であるため、相違点のみが以下で説明される。
【0069】
図5に示されているように、保持ノズル100のノズル出口98が、チップスタック106において配置されたチップ104の複数の端面によって形成された実装面102と平行に延在するように配置される。すなわち、端面は一緒に実装面102を形成する。
【0070】
この場合も、レーザダクト108が、実装面102に対して斜めの角度で延在する。ただし、保持ノズル100のノズルダクト110が、実装面102に向かって屈曲しているかまたは湾曲している。その結果、チップ114が、実装面102、すなわち、チップスタック106において配置されたチップ104の複数の端面に実装され得る。
【0071】
さらに、ノズルダクト110は、レーザビーム12を反射してノズル出口98に向けるように構成される。このようにして、レーザビーム12によって照射されるチップ114上の領域は、拡大され得る。したがって、チップ114と複数のチップ104の端面との間に配置されたはんだ体118が適切に溶融される。ノズル出口98に向かう反射率を実現するために、保持ノズル100が反射性材料で作られていることがあるか、またはノズルダクト110が反射性コーティングを含み得る。ノズル出口に向かう反射率はまた、第3の実施形態によるボンディングヘッド86、すなわちノズルダクト90と組み合わせて使用され得ることに留意されたい。
【0072】
[第5の実施形態]
図6は、本発明の第5の実施形態によるボンディングヘッド120を示す。ボンディングヘッド120は、第1の実施形態によるボンディングヘッド4と同様であるため、相違点のみが以下で説明される。
【0073】
本体122が、下部本体部124と上部本体部126とから構成される。この場合も、光学要素128が、下部本体部124と上部本体部126との間に配置されるただし、レーザダクト130が、下部本体部124と上部本体部126との間に、光学要素128が配置される段差部分132を形成するように、下部本体部124においてより狭く形成される。好ましくは、光学要素128は、段差部分132に接着される。その結果、下部本体部124と上部本体部126とが別個のパーツによって形成される必要がなく、一体的に形成され得る。したがって、光学要素128は、レーザダクト130の内部に容易に配置され得る。第5の実施形態による段差部分132は、第2~第4の実施形態によるボンディングヘッドにおいて使用され得ることに留意されたい。
【符号の説明】
【0074】
1…ボンディング装置、2…チャック、4…ボンディングヘッド、6…回路板、8…フリップチップ、10…はんだ体、12…レーザビーム、14…本体、16…レーザダクト、18…レーザ入口、20…レーザ出口、22…真空源、24…真空/圧力チャネル、26…真空/圧力ポート、28…レーザ源、30…保持ノズル、32…ノズルダクト、34…ノズル入口、36…ノズル出口、38…フリップチップ、40…さらなるチップ、42…はんだ体、44…保持面、46…実装面、48…温度測定ユニット、49…光ファイバ、50…光学要素、52…下部本体部、54…上部本体部、56…溝部分、58…第1のレーザダクト部、60…第2のレーザダクト部、62…流体/圧力源、64…流体/圧力チャネル、66…流体/圧力ポート、68…圧力源、70…ボンディングヘッド、72…縦型チップ、74…保持面、76…ノズル出口、78…保持ノズル、80…レーザダクト、82…ノズルダクト、84…はんだ体、86…ボンディングヘッド、88…レーザダクト、90…ノズルダクト、92…保持ノズル、94…ノズル出口、96…ボンディングヘッド、98…ノズル出口、100…保持ノズル、102…実装面、104…チップ、106…チップスタック、108…レーザダクト、110…ノズルダクト、114…チップ、118…はんだ体、120…ボンディングヘッド、122…本体、124…下部本体部、126…上部本体部、128…光学要素、130…レーザダクト、132…段差部分
【要約】 (修正有)
【課題】第1の基板を第2の基板との特定の三次元位置関係において保持し、第1の基板にレーザビームを当てることで、これらの基板の接触領域間に配置された接合材料堆積物を溶融することによって基板を接合するボンディングヘッド及びボンディング装置を提供する。
【解決手段】ボンディングヘッド4は、レーザ入口18からレーザ出口20に延在するレーザダクト16を有する本体14と、本体を通ってレーザダクトの内部に配置された真空/圧力ポート26につながる真空/圧力チャネルを介して、レーザダクト内に真空を作り出す真空源22と、レーザビームを出射し、レーザダクトを通ってレーザ出口に誘導するレーザ源28と、本体に交換可能に取り付けられノズルダクト32を有する保持ノズル30と、第1の基板としてのフリップチップ8上の保持面よ44りも小さい断面を有するノズル出口36と、を備える。
【選択図】
図1