(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20241017BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
G06F1/26 303
G06F1/26 306
G06F3/00 Q
(21)【出願番号】P 2023215156
(22)【出願日】2023-12-20
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】錢 立展
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特許第7368562(JP,B1)
【文献】特開2022-129562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26 - 1/3296
G06F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から電源供給コネクタを介して供給される電源電圧が、第1閾値電圧を超える場合に、前記電源電圧を第1電圧に降圧して第1電源線に出力し、前記電源電圧が、前記第1閾値電圧以下である場合に、バイパス線を経由して前記電源電圧を直接、前記第1電源線に出力する第1変換回路部と、
前記第1電源線に出力された前記第1電圧を、第2電圧に変換し、メイン制御部及び画像処理部に電力を供給する第2電源線であって、バッテリが接続されている第2電源線に前記第2電圧を出力する第2変換回路部と、
前記メイン制御部の周辺機器に、前記第1電源線からと、前記第2電源線からとを切り替えて電力を供給可能な切替部と、
前記電源電圧が、予め設定された第2閾値電圧以上である場合に、前記第1電源線から前記周辺機器に電力を供給し、前記電源電圧が、前記第2閾値電圧より小さい場合に、前記第2電源線から前記周辺機器に電力を供給するように、前記切替部を制御する電源制御部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記メイン制御部とは独立して動作する組み込みコントローラを備え、
前記組み込みコントローラが、前記電源制御部を備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電源制御部が、前記電源電圧と前記第2閾値電圧とを比較するコンパレータ回路を含む、ディスクリートな論理回路で構成されている
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記切替部は、
前記第1電源線と前記周辺機器に電力を供給する第3電源線との間に配置されている第1の理想ダイオード回路と、
前記第2電源線と前記第3電源線との間に配置されている第2の理想ダイオード回路と
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記電源供給コネクタは、USB タイプC規格のコネクタである
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1変換回路部が、外部から電源供給コネクタを介して供給される電源電圧が、第1閾値電圧を超える場合に、前記電源電圧を第1電圧に降圧して第1電源線に出力し、前記電源電圧が、前記第1閾値電圧以下である場合に、バイパス線を経由して前記電源電圧を直接、前記第1電源線に出力する第1変換ステップと、
第2変換回路部が、前記第1電源線に出力された前記第1電圧を、第2電圧に変換し、メイン制御部及び画像処理部に電力を供給する第2電源線であって、バッテリが接続されている第2電源線に前記第2電圧を出力する第2変換ステップと、
電源制御部が、前記メイン制御部の周辺機器に、前記第1電源線からと、前記第2電源線からとを切り替えて電力を供給可能な切替部を、前記電源電圧が予め設定された第2閾値電圧以上である場合に、前記第1電源線から前記周辺機器に電力を供給し、前記電源電圧が、前記第2閾値電圧より小さい場合に、前記第2電源線から前記周辺機器に電力を供給するように、制御する電源制御ステップと
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)などの情報処理装置では、USB(Universal Serial Bus) Type-Cの給電コネクタを備えるものが普及している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、USB Type-C(USB Power Delivery)の規格では、新たに48Vの給電が追加されており、情報処理装置においても、USBによる48V給電が求められている。
しかしながら、従来の情報処理装置において、例えば、48Vの給電を実現しようとした場合、例えば、1つのバッテリ充電の変換回路で構成すると、高電圧が給電された際に、電力が集中して流れるために発熱が問題になる。また、複数の変換回路に分散した場合には、バッテリに直接接続することが困難になるため、給電コネクタから供給される電力が不足した場合に、充電モードから放電モードに切り替えるまでに遅延が発生する場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、発熱を低減しつつ、電力不足時にバッテリからの電力供給の遅延を低減することができる情報処理装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、外部から電源供給コネクタを介して供給される電源電圧が、第1閾値電圧を超える場合に、前記電源電圧を第1電圧に降圧して第1電源線に出力し、前記電源電圧が、前記第1閾値電圧以下である場合に、バイパス線を経由して前記電源電圧を直接、前記第1電源線に出力する第1変換回路部と、前記第1電源線に出力された前記第1電圧を、第2電圧に変換し、メイン制御部及び画像処理部に電力を供給する第2電源線であって、バッテリが接続されている第2電源線に前記第2電圧を出力する第2変換回路部と、前記メイン制御部の周辺機器に、前記第1電源線からと、前記第2電源線からとを切り替えて電力を供給可能な切替部と、前記電源電圧が、予め設定された第2閾値電圧以上である場合に、前記第1電源線から前記周辺機器に電力を供給し、前記電源電圧が、前記第2閾値電圧より小さい場合に、前記第2電源線から前記周辺機器に電力を供給するように、前記切替部を制御する電源制御部とを備える情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記メイン制御部とは独立して動作する組み込みコントローラを備え、前記組み込みコントローラが、前記電源制御部を備えてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記電源制御部が、前記電源電圧と前記第2閾値電圧とを比較するコンパレータ回路を含む、ディスクリートな論理回路で構成されてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記切替部は、前記第1電源線と前記周辺機器に電力を供給する第3電源線との間に配置されている第1の理想ダイオード回路と、前記第2電源線と前記第3電源線との間に配置されている第2の理想ダイオード回路とを備えてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記電源供給コネクタは、USB タイプC規格のコネクタであってもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、第1変換回路部が、外部から電源供給コネクタを介して供給される電源電圧が、第1閾値電圧を超える場合に、前記電源電圧を第1電圧に降圧して第1電源線に出力し、前記電源電圧が、前記第1閾値電圧以下である場合に、バイパス線を経由して前記電源電圧を直接、前記第1電源線に出力する第1変換ステップと、第2変換回路部が、前記第1電源線に出力された前記第1電圧を、第2電圧に変換し、メイン制御部及び画像処理部に電力を供給する第2電源線であって、バッテリが接続されている第2電源線に前記第2電圧を出力する第2変換ステップと、電源制御部が、前記メイン制御部の周辺機器に、前記第1電源線からと、前記第2電源線からとを切り替えて電力を供給可能な切替部を、前記電源電圧が予め設定された第2閾値電圧以上である場合に、前記第1電源線から前記周辺機器に電力を供給し、前記電源電圧が、前記第2閾値電圧より小さい場合に、前記第2電源線から前記周辺機器に電力を供給するように、制御する電源制御ステップとを含む制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発熱を低減しつつ、電力不足時にバッテリからの電力供給の遅延を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態によるノートPCの主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態によるノートPCの電源部の詳細の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態によるノートPCの動作の一例を説明する第1の図である。
【
図4】第1の実施形態によるノートPCの動作の一例を説明する第2の図である。
【
図5】第1の実施形態によるノートPCの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第2の実施形態によるノートPCの電源部の詳細の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、及び制御方法について、図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態によるノートPC1の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、ノートPC1(ノートブック型パーソナルコンピュータ)は、CPU11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、表示部14と、チップセット21と、BIOSメモリ22と、SSD23と、オーディオシステム24と、WLANカード25と、USBコネクタ部26と、エンベデッドコントローラ31と、入力部32と、電源部33と、PDコントローラ34とを備える。
【0017】
なお、本実施形態において、CPU11と、チップセット21とは、メイン制御部10に対応する。
また、本実施形態では、情報処理装置の一例として、ノートPC1について説明する。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、ノートPC1全体を制御している。
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、BIOS(Basic Input Output System)、OS(Operating System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0019】
ビデオサブシステム13は、GPU(Graphics Processing Unit)及びVRAM(Video Random Access Memory)を含み、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むとともに、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、表示部14に描画データ(表示データ)として出力する。
【0020】
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイであり、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。
【0021】
チップセット21は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。
図1では、デバイスの例示として、BIOSメモリ22と、SSD23と、オーディオシステム24と、WLANカード25と、USBコネクタ部26とが、チップセット21に接続されている。
【0022】
BIOSメモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ22は、BIOS、及びエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
【0023】
SSD(Solid State Drive)23(不揮発性記憶装置の一例)は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
【0024】
オーディオシステム24は、例えば、オーディオコーデックであり、音データの記録、再生、出力を行う。
【0025】
WLAN(Wireless Local Area Network)カード25は、ワイヤレス(無線)LANにより、ネットワークに接続して、データ通信を行う。WLANカード25は、例えば、ネットワークからのデータを受信した際に、データを受信したことを示すイベントトリガを発生し、ノートPC1のシャットアウト状態からのウェイクアップ(復帰)に利用可能である。
【0026】
USBコネクタ部26は、USB(Universal Serial Bus)を利用した周辺機器類を接続するためのコネクタである。本実施形態では、ノートPC1は、USBコネクタ部26として、TypeAコネクタと、TypeCコネクタ(USB-Cコネクタ)との両方を備えているものとする。
【0027】
エンベデッドコントローラ31(組み込みコントローラの一例)は、ノートPC1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等のコンポーネント)を監視し制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。また、エンベデッドコントローラ31は、電源部33を制御する電源管理機能を有している。なお、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM(フラッシュROMなど)、RAMなどで構成されるとともに、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子を備えている。エンベデッドコントローラ31には、それらの入出力端子を介して、例えば、入力部32、電源部33などが接続されており、エンベデッドコントローラ31は、これらの動作を制御する。エンベデッドコントローラ31は、メイン制御部10とは独立した組み込みコントローラであり、メイン制御部10に電力供給が停止した状態で動作可能である。
【0028】
入力部32は、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス、タッチパッド、電源スイッチ(起動スイッチ)などの入力デバイスである。入力部32は、例えば、電源スイッチ(起動スイッチ)が押下されることで、シャットダウン状態からの復帰(ノートPC1の再起動)が可能である。
【0029】
電源部33は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット(バッテリ)などを含んでおり、ノートPC1を動作させるための電力を供給する。電源部33は、外付けのAC/DCアダプタ、又はバッテリから供給される直流電圧を、ノートPC1を動作させるために必要な複数の電圧に変換する。また、電源部33は、エンベデッドコントローラ31からの制御に基づいて、ノートPC1の各部に電力を供給する。
本実施形態における電源部33の詳細については後述する。
【0030】
PDコントローラ34は、USB PD(Power Delivery)に対応した制御を実行する。PDコントローラ34は、USBのVBUS(電源線)端子を介してPC1Bへの給電を行う電源機能を管理する。PDコントローラ34は、例えば、通電状態のACアダプタがUSB-Cコネクタ261(
図2参照)に接続されたか否かを判定するとともに、VBUS端子に供給される電力の種類(電圧範囲、電流範囲、許容電力値、等)を判定する。
【0031】
次に、
図2を参照して、本実施形態によるノートPC1の電源部33の詳細について説明する。
図2は、本実施形態によるノートPC1の電源部33の詳細の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、ノートPC1は、USB-Cコネクタ261と、エンベデッドコントローラ31と、電源部33と、PDコントローラ34と、メインシステム100と、周辺機器20とを備える。
【0033】
USB-Cコネクタ261(電源給電コネクタの一例)は、上述したUSBコネクタ部26が備えるコネクタの1つであり、USB タイプC規格のコネクタである。USB-Cコネクタ261は、外部にACアダプタ(不図示)が接続され、VBUS端子を介して、電源電力がノートPC1に供給される。
【0034】
メインシステム100は、メイン制御部10と、ビデオサブシステム13(画像処理部)とを備え、ノートPC1の処理により最も電力を消費する。なお、メイン制御部10には、メインのCPU11及びチップセット21が含まれ、ビデオサブシステム13には、GPU及びVRAMが含まれているものとする。
【0035】
周辺機器20は、ノートPC1のメインシステム100に含まれない周辺機器に相当し、例えば、SSD23、表示部14、オーディオシステム24、WLANカード25、等が含まれる。周辺機器20は、POLsであり、ノートPC1の内部でCPU/GPU以外のメモリやSSD23などである。
【0036】
PDコントローラ34は、USB-Cコネクタ261に接続されたACアダプタが供給する電源電力の種類をネゴシエーションして決定する。また、PDコントローラ34は、USB-Cコネクタ261のCBUS端子から電源電力を供給する電源線L0の電圧(電源電圧)を検出し、検出した電源電圧に応じて、後述するプリレギュレータ部41を制御する。また、PDコントローラ34は、検出した電源電圧を示す情報を、エンベデッドコントローラ31に供給する。
【0037】
電源部33は、プリレギュレータ部41と、NVDC充電部42と、バッテリ43と、電源切替部44とを備える。
【0038】
プリレギュレータ部41(第1変換回路部の一例)は、外部からUSB-Cコネクタ261(電源供給コネクタ)を介して供給される電源電圧が、閾値電圧(第1閾値電圧)を超える場合に、電源電圧を第1電圧に降圧して電源線L1(第1電源線)に出力し、電源電圧が、閾値電圧以下(第1閾値電圧以下)である場合に、バイパス線を経由して電源電圧を直接、電源線L1に出力する。なお、USB-Cコネクタ261からプリレギュレータ部41に電源電力(電源電圧)を供給する電源線を、電源線L0とする。
【0039】
また、電源電圧は、例えば、5V(ボルト)~48Vであり、USB-Cコネクタ261には、最大240Wの電力が供給可能である。
また、閾値電圧(第1閾値電圧)は、例えば、36Vである。プリレギュレータ部41は、電源電圧が、例えば、36Vを超える場合に、電源電圧を第1電圧(例えば、16V~20V)に降圧して、電源線L1に出力する。また、プリレギュレータ部41は、電源電圧が、例えば、36V以下である場合に、電源電圧(例えば、5V~36V)を直接、電源線L1に出力する。
【0040】
プリレギュレータ部41は、後述する電源切替部44を介して、周辺機器20に、第1電圧(例えば16V~20V)を供給する。
プリレギュレータ部41は、降圧回路411と、バイパススイッチ412とを備える。
【0041】
降圧回路411は、例えば、降圧レギュレータであり、電源電圧(例えば、36V~48V)を、第1電圧(例えば、16V~20V)に降圧して、電源線L1に出力する。なお、降圧回路411は、PDコントローラ34によって、バイパススイッチ412がオン状態(導通状態)に制御された場合に、動作を停止する。
【0042】
バイパススイッチ412は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、電源線L0と、電源線L1とを接続して、電源電圧を、電源線L1にバイパス出力させる。バイパススイッチ412は、PDコントローラ34によって、オン状態に制御された場合に、電源線L1に、電源電圧(例えば、5V~36V)
を出力する。
【0043】
NVDC(Narrow Voltage Direct Charging)充電部42(第2変換回路部の一例)は、例えば、NVDCモードのバッテリ43の充電用の電源回路である。NVDC充電部42は、電源線L1に出力された第1電圧(例えば、5V~36V、又は、16V~20V)を、第2電圧(例えば、9V~13.5V、又は、12V~18.2V)に変換し、メイン制御部10及びビデオサブシステム13(画像処理部)に電力を供給する電源線L2(第2電源線)であって、バッテリ43が接続されている電源線L2に第2電圧を出力する。
【0044】
なお、電源線L2は、メインシステム100のメイン制御部10及びビデオサブシステム13と、バッテリ43とに接続されており、メイン制御部10及びビデオサブシステム13には、電源線L2を経由して、第2電圧が供給される。また、バッテリ43には、電源線L2を経由して、NVDC充電部42から充電電力が供給されるとともに、電源線L2を経由して、バッテリ43からメイン制御部10及びビデオサブシステム13に電力を供給する。
また、NVDC充電部42は、後述する電源切替部44を介して、周辺機器20に、第2電圧(例えば、9V~13.5V)を供給する。
【0045】
バッテリ43は、例えば、リチウムイオン蓄電池で構成されたバッテリユニットであり、電源線L2に直接接続されている。バッテリ43は、NVDC充電部42から、電源線L2を介して供給された電力により充電されるとともに、メインシステム100及び周辺機器20を動作させる電力が不足した場合に、放電してメインシステム100及び周辺機器20を動作させる電力を供給する。
【0046】
電源切替部44(切替部の一例)は、メイン制御部10(メインシステム100)の周辺機器20に、電源線L1からと、電源線L2からとを切り替えて電力を供給可能である。電源切替部44は、電源線L1と電源線L2とのいずれかと、電源線L3とを切り替えて接続し、電源線L1の第1電圧と、電源線L3の第2電圧とのいずれかの電圧を電源線L3に出力する。
電源切替部44は、インバータ回路441と、MOSFET442と、理想ダイオード回路(443、444)とを備える。
【0047】
インバータ回路441は、例えば、論理反転回路であり、エンベデッドコントとーら31から供給された制御信号(切替信号)を論理反転して、MOSFET442の制御端子に出力する。
【0048】
MOSFET442は、電源線L1と、電源線L3との間に接続され、制御端子(ゲート端子)がインバータ回路441の出力端子に接続されている。MOSFET442は、インバータ回路441の出力信号によりオン状態になった場合に、電源線L1の電圧を、理想ダイオード回路443のアノード端子に出力する。
【0049】
理想ダイオード回路443(第1の理想ダイオード回路の一例)は、電源線L1と周辺機器20に電力を供給する電源線L3(第3電源線)との間に配置されている。理想ダイオード回路443は、アノード端子が、MOSFET442の出力線に、カソード端子が電源線L3に接続されている。
【0050】
理想ダイオード回路443は、インバータ回路441の出力により、オン状態及びオフ状態が制御されるとともに、電源線L3からの逆流を防止する。理想ダイオード回路443は、MOSFET442がオン状態である場合に、オン状態になり、電源線L1の電圧を、電源線L3に出力する。
【0051】
理想ダイオード回路444(第2の理想ダイオード回路の一例)は、電源線L2と電源線L3との間に配置されている。理想ダイオード回路444は、アノード端子が、電源線L2に、カソード端子が電源線L3に接続されている。理想ダイオード回路444は、エンベデッドコントローラ31の制御信号の出力により、オン状態及びオフ状態が制御されるとともに、電源線L3からの逆流を防止する。理想ダイオード回路444は、MOSFET442がオフ状態である場合に、オン状態になり、電源線L2の電圧を、電源線L3に出力する。
【0052】
エンベデッドコントローラ31(組み込みコントローラの一例)は、電源制御部45を備え、電源切替部44の切り替え制御を行う制御信号を出力する。
【0053】
電源制御部45は、USB-Cコネクタ261を介して供給される電源電圧が、予め設定された第2閾値電圧以上(例えば、43V以上)である場合に、電源線L1から周辺機器20に電力を供給し、電源電圧が、第2閾値電圧より小さい(例えば、43V未満である)場合に、電源線L2から周辺機器20に電力を供給するように、電源切替部44を制御する。
【0054】
電源制御部45は、例えば、PDコントローラ34から、電源電圧の値を取得する。電源制御部45は、取得した電源電圧の値が、例えば、43V以上(例えば、48±4.8V)である場合に、電源切替部44のMOSFET442及び理想ダイオード回路443がオン状態になり、理想ダイオード回路444がオフ状態になるような制御信号を、電源切替部44に出力する。なお、電源制御部45は、例えば、電源線L1の電圧が16V~20Vである場合に、MOSFET442及び理想ダイオード回路443をオン状態に制御し、電源線L1の電圧が20V以上になった場合に、MOSFET442及び理想ダイオード回路443をオフ状態に制御してもよい。
【0055】
また、電源制御部45は、取得した電源電圧の値が、例えば、43V未満である場合に、電源切替部44のMOSFET442及び理想ダイオード回路443がオフ状態になり、理想ダイオード回路444がオン状態になるような制御信号を、電源切替部44に出力する。
【0056】
次に、図面を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図3及び
図4は、本実施形態によるノートPC1の動作の一例を説明する図である。
図3では、電源電圧に48Vが供給されていない(電源電圧が約43V未満)場合のノートPC1の動作について説明する。
【0057】
図3に示すように、この場合、電源制御部45は、電源切替部44のMOSFET442及び理想ダイオード回路443がオフ状態になり、理想ダイオード回路444がオン状態になるような制御信号を、電源切替部44に出力する。そのため、USB-Cコネクタ261を介して供給される電源電圧は、プリレギュレータ部41→電源線L1→NVDC充電部42→電源線L2→電源切替部44の理想ダイオード回路444→電源線L3の経路RT1を通って、周辺機器20に電力を供給する。また、メインシステム100及びバッテリ43も、周辺機器20と同様に、電源線L2から電力が供給される。
【0058】
また、
図4では、電源電圧に48Vが供給されている(電源電圧が、例えば、48±4.8V)場合のノートPC1の動作について説明する。
【0059】
図4に示すように、この場合、電源制御部45は、電源切替部44のMOSFET442及び理想ダイオード回路443がオン状態になり、理想ダイオード回路444がオフ状態になるような制御信号を、電源切替部44に出力する。そのため、USB-Cコネクタ261を介して供給される電源電圧は、プリレギュレータ部41→電源線L1→電源切替部44のMOSFET442及び理想ダイオード回路443→電源線L3の経路RT3を通って、周辺機器20に電力を供給する。また、メインシステム100及びバッテリ43は、プリレギュレータ部41→電源線L1→NVDC充電部42→電源線L2の経路RT2を通って、電力が供給される。
【0060】
この場合、USB-Cコネクタ261を介して供給される電源電力は、経路RT2と経路RT3とに分散されて消費される。
【0061】
次に、
図5を参照して、本実施形態によるノートPC1の電源制御部45の動作の詳細について説明する。
図5は、実施形態によるノートPCの動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図5に示すように、電源制御部45は、まず。電源電圧(VBUS)が、閾値電圧以上(第2閾値電圧以上)であるか否かを判定する(ステップS101)。電源制御部45は、PDコントローラ34から電源電圧の値を取得し、電源電圧が、43V以上(第2閾値電圧:約48-4.8V以上)であるか否かを判定する。電源制御部45は、電源電圧が、43V以上(第2閾値電圧:約48-4.8V以上)である場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、電源制御部45は、電源電圧が、43V未満(第2閾値電圧:約48-4.8V未満)である場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS103に進める。
【0063】
ステップS102において、電源制御部45は、電源線L1から周辺機器20に電力供給するように、電源切替部44を制御する。すなわち、電源制御部45は、上述した経路RT1の状態から経路RT2及び経路RT3の状態に切り替えて、
図4に示す状態に制御する。ステップS102の処理後に、電源制御部45は、処理をステップS101に戻す。
【0064】
また、ステップS103において、電源制御部45は、電源線L2から周辺機器20に電力供給するように、電源切替部44を制御する。すなわち、電源制御部45は、上述した経路RT2及び経路RT3の状態から経路RT1の状態に切り替えて、
図3に示す状態に制御する。ステップS103の処理後に、電源制御部45は、処理をステップS101に戻す。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、プリレギュレータ部41(第1変換回路部)と、NVDC充電部42(第2変換回路部)と、電源切替部44(切替部)と、電源制御部45とを備える。プリレギュレータ部41は、外部からUSB-Cコネクタ261(電源供給コネクタ)を介して供給される電源電圧が、第1閾値電圧(例えば、36V)を超える場合に、電源電圧を第1電圧(例えば、16V~20V)に降圧して電源線L1(第1電源線)に出力し、電源電圧が、第1閾値電圧以下(例えば、36V以下)である場合に、バイパス線を経由して電源電圧を直接、電源線L1に出力する。NVDC充電部42は、電源線L1に出力された第1電圧を、第2電圧(例えば、9V~13.5V、又は、12V~18.2V)に変換し、メイン制御部10及びビデオサブシステム13(画像処理部)に電力を供給する電源線L2(第2電源線)であって、バッテリが接続されている電源線L2に第2電圧を出力する。電源切替部44(切替部)は、メイン制御部10の周辺機器20に、電源線L1からと、電源線L2からとを切り替えて電力を供給可能である。電源制御部45は、電源電圧が、予め設定された第2閾値電圧以上(例えば、43V以上)である場合に、電源線L1から周辺機器20に電力を供給し、電源電圧が、第2閾値電圧(例えば、43V)より小さい場合に、電源線L2から周辺機器20に電力を供給するように、電源切替部44を制御する。
【0066】
これにより、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、例えば、48Vの給電を行う場合に、上述した
図4に示す状態のように、経路RT2(メイン制御部10及びビデオサブシステム13に給電)と、経路RT3(周辺機器20に給電)とに分散させて、電力を供給する。そのため、本実施形態によるノートPC1は、48Vの給電による発熱を低減することができる。また、本実施形態によるノートPC1では、電源線L2に直接、バッテリ43が接続されているため、メイン制御部10及びビデオサブシステム13の動作で電力不足が発生した場合でも、遅延なしに迅速に、バッテリ43から電力を補充することができる。よって、本実施形態によるノートPC1は、例えば、48Vの給電において、発熱を低減しつつ、電力不足時にバッテリ43からの電力供給の遅延(充電モードから放電モードに切り替えるまでの遅延)を低減することができる。
【0067】
また、本実施形態によるノートPC1、メイン制御部10とは独立して動作するエンベデッドコントローラ31(組み込みコントローラ)を備える。エンベデッドコントローラ31が、上述した電源制御部45を備える。
【0068】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、エンベデッドコントローラ31を用いて、電源制御部45を構成するため、新たに電源制御部45を追加する必要がない。よって、本実施形態によるノートPC1は、従来のエンベデッドコントローラ31を利用して、容易に、48Vの給電を実現することができる。
【0069】
また、本実施形態では、電源切替部44は、理想ダイオード回路443(第1の理想ダイオード回路)と、理想ダイオード回路444(第2の理想ダイオード回路)とを備える。理想ダイオード回路443は、電源線L1(第1電源線)と周辺機器20に電力を供給する電源線L3(第3電源線)との間に配置されている。理想ダイオード回路444は、電源線L2(第2電源線)と電源線L3(第3電源線)との間に配置されている。
【0070】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、理想ダイオード回路443及び理想ダイオード回路444を用いることで、電圧が無駄にドロップ(低下)することなく、電源線L1(第1電源線)と、電源線L2(第2電源線)とで切り替えることができる。また、本実施形態によるノートPC1は、理想ダイオード回路443及び理想ダイオード回路444を用いることで、周辺機器20に供給する電力の逆流を適切に防止することができる。
【0071】
また、本実施形態では、USBコネクタ部26は、USB タイプC規格のコネクタ(USB-Cコネクタ261)である。
これにより、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、USBコネクタ(USB-Cコネクタ261)を用いて、48Vの給電を実現することができる。
【0072】
また、本実施形態による制御方法は、第1変換ステップと、第2変換ステップと、電源制御ステップとを含む。第1変換ステップにおいて、プリレギュレータ部41が、外部からUSBコネクタ部26を介して供給される電源電圧が、第1閾値電圧を超える場合に、電源電圧を第1電圧に降圧して電源線L1に出力し、電源電圧が、第1閾値電圧以下である場合に、バイパス線を経由して電源電圧を直接、電源線L1に出力する。第2変換ステップにおいて、NVDC充電部42が、電源線L1に出力された第1電圧を、第2電圧に変換し、メイン制御部10及びビデオサブシステム13に電力を供給する電源線L2であって、バッテリが接続されている電源線L2に第2電圧を出力する。電源制御ステップにおいて、電源制御部45(エンベデッドコントローラ31)が、メイン制御部10の周辺機器20に、電源線L1からと、電源線L2からとを切り替えて電力を供給可能な電源切替部44を、電源電圧が予め設定された第2閾値電圧以上である場合に、電源線L1から周辺機器20に電力を供給し、電源電圧が、第2閾値電圧より小さい場合に、電源線L2から周辺機器20に電力を供給するように、制御する。
【0073】
これにより、本実施形態による制御方法は、上述したノートPC1と同様に効果を奏し、例えば、48Vの給電において、発熱を低減しつつ、電力不足時にバッテリ43からの電力供給の遅延(充電モードから放電モードに切り替えるまでの遅延)を低減することができる。
【0074】
(第2の実施形態)
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるノートPC1aについて説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態の電源制御部45を、エンベデッドコントローラ31の外部に設ける変形例について説明する。
【0075】
図6は、第2の実施形態によるノートPC1aの電源部33の詳細の一例を示すブロック図である。
なお、本実施形態によるノートPC1aのハードウェア構成は、上述した
図1に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0076】
また、
図6において、上述した
図2に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0077】
図6に示すように、ノートPC1aは、USB-Cコネクタ261と、エンベデッドコントローラ31と、電源部33と、PDコントローラ34と、メインシステム100と、周辺機器20とを備える。また、本実施形態における電源部33は、プリレギュレータ部41と、NVDC充電部42と、バッテリ43と、電源切替部44と、電源制御部45aとを備える。
【0078】
なお、本実施形態では、エンベデッドコントローラ31が、電源制御部45を備えずに、エンベデッドコントローラ31の外部に、電源制御部45aが設けられている点が、第1の実施形態と異なる。
【0079】
電源制御部45aは、電源制御部45と同様の機能を有し、電源電圧が、予め設定された第2閾値電圧以上(例えば、43V以上)である場合に、電源線L1から周辺機器20に電力を供給し、電源電圧が、第2閾値電圧(例えば、43V)より小さい場合に、電源線L2から周辺機器20に電力を供給するように、電源切替部44を制御する。
また、電源制御部45aは、コンパレータ451と、定電圧電源452とを備える。
【0080】
コンパレータ451は、例えば、ディスクリート部品のコンパレータであり、プラス入力端子(非反転入力端子)が、定電圧電源452の出力線に、マイナス入力端子が、USB-Cコネクタ261のVBUS端子に、接続され、出力端子が、制御信号線に接続されている。コンパレータ451は、定電圧電源452の電圧(例えば、第2閾値電圧)と、電源電圧とを比較し、比較結果を制御信号として、電源切替部44に出力する。
【0081】
コンパレータ451は、電源電圧が定電圧電源452の電圧(例えば、第2閾値電圧)以上である場合に、電源切替部44のMOSFET442及び理想ダイオード回路443がオン状態になり、理想ダイオード回路444がオフ状態になるような制御信号を、電源切替部44に出力する。
【0082】
また、コンパレータ451は、電源電圧が定電圧電源452の電圧(例えば、第2閾値電圧)未満である場合に、電源切替部44のMOSFET442及び理想ダイオード回路443がオフ状態になり、理想ダイオード回路444がオン状態になるような制御信号を、電源切替部44に出力する。
【0083】
定電圧電源452は、比較用の第2閾値電圧を生成する定電圧生成回路である。定電圧電源452の出力線は、コンパレータ451のプラス入力端子に接続されている。
【0084】
以上説明したように、本実施形態では、電源制御部45aが、電源電圧と第2閾値電圧とを比較するコンパレータ回路(コンパレータ451)を含む。電源制御部45aは、ディスクリートな論理回路で構成されている。
これにより、本実施形態によるノートPC1aは、ディスクリートな論理回路で構成された簡易な論理回路を使用して、容易に、48Vの給電を実現することができる。
【0085】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明の電源システムにおける、
例えば、上記の各実施形態において、情報処理装置がノートPC1(1a)である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タブレット端末装置、デスクトップPCなどの他の情報処理装置であってもよい。
【0086】
また、上記の各実施形態において、電源供給コネクタが、USB-Cコネクタ261である例を説明したが、これに限定されるものではなく、大電力を電源電力として供給する他のインタフェースのコネクタであってもよい。
【0087】
また、上記の各実施形態において、第1閾値電圧と、第2閾値電圧とが、異なる閾値電圧である例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1閾値電圧と、第2閾値電圧とが異なる電圧値であってもよい。
【0088】
また、上記の第1の実施形態において、電源制御部45を、エンベデッドコントローラ31が含む例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、PDコントローラ34が、電源制御部45を含む構成であってもよい。
【0089】
なお、上述したノートPC1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したノートPC1(1a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したノートPC1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0090】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にノートPC1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。
【0091】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0092】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1、1a ノートPC
10 メイン制御部
11 CPU
12 メインメモリ
13 ビデオサブシステム
14 表示部
20 周辺機器
21 チップセット
22 BIOSメモリ
23 SSD
24 オーディオシステム
25 WLANカード
26 USBコネクタ部
31 エンベデッドコントローラ(EC)
32 入力部
33 電源部
34 PDコントローラ
41 プリレギュレータ部
42 NVDC充電部
43 バッテリ
44 電源切替部
45、45a 電源制御部
100 メインシステム
411 降圧回路
412 バイパススイッチ
441 インバータ回路
442 MOSFET
443、444 理想ダイオード回路
451 コンパレータ
452 定電圧電源
【要約】
【課題】発熱を低減しつつ、電力不足時にバッテリからの電力供給の遅延を低減する。
【解決手段】情報処理装置は、供給される電源電圧が第1閾値電圧を超える場合に、電源電圧を第1電圧に降圧して第1電源線に出力し、電源電圧が、第1閾値電圧以下である場合に、バイパス線を経由して電源電圧を直接、第1電源線に出力する第1変換回路部と、第1電源線に出力された第1電圧を、第2電圧に変換し、メイン制御部及び画像処理部に電力を供給し、バッテリに接続される第2電源線に出力する第2変換回路部と、メイン制御部の周辺機器に、第1電源線からと、第2電源線からとを切り替えて電力を供給可能な切替部と、電源電圧が、第2閾値電圧以上である場合に、第1電源線から周辺機器に電力を供給し、電源電圧が、第2閾値電圧より小さい場合に、第2電源線から周辺機器に電力を供給するように、切替部を制御する電源制御部とを備える。
【選択図】
図2