(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】走法分析装置、走法分析方法および走法分析プログラム
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
A63B71/06 T
A63B71/06 M
(21)【出願番号】P 2023523774
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(86)【国際出願番号】 JP2021019866
(87)【国際公開番号】W WO2022249298
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000310
【氏名又は名称】株式会社アシックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【氏名又は名称】村田 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】阪口 正律
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 政剛
(72)【発明者】
【氏名】平川 菜央
(72)【発明者】
【氏名】谷口 憲彦
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特許第4856427(JP,B2)
【文献】特開2001-170029(JP,A)
【文献】特開2017-29383(JP,A)
【文献】特開2019-84113(JP,A)
【文献】特開2016-214499(JP,A)
【文献】特開2019-63482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63B 69/00
A43D 1/00-1/08
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の走行に関し、第1の走速度におけるピッチを第1のピッチとして取得する第1ピッチ取得部と、
前記被検者の走行に関し、前記第1の走速度と異なる第2の走速度におけるピッチを第2のピッチとして取得する第2ピッチ取得部と、
前記第1の走速度と前記第2の走速度の差に対する前記第1のピッチと前記第2のピッチの差の大きさに基づいて、前記被検者の走行がストライド型およびピッチ型を含む複数の走法型のうちいずれに該当するかを判定する判定部と、
前記判定の結果を出力する結果出力部と、
を備えることを特徴とする走法分析装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第1のピッチおよび前記第2のピッチのうち少なくともいずれかが、所定の基準で求められた判定基準値以上である場合、前記ピッチの差の大きさにかかわらずピッチ型に該当すると判定することを特徴とする請求項1に記載の走法分析装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記ピッチの差の大きさが所定の第1の基準範囲である場合にピッチ型に該当すると判定し、前記ピッチの差の大きさが前記第1の基準範囲より低い所定の第2の基準範囲である場合にストライド型に該当すると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の走法分析装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記ピッチの差の大きさが所定の第1の基準範囲である場合にピッチ型に該当すると判定し、前記ピッチの差の大きさが前記第1の基準範囲より低い所定の第2の基準範囲である場合にストライド型に該当すると判定し、前記ピッチの差の大きさが前記第1の基準範囲より低く前記第2の基準範囲より高い所定の第3の基準範囲である場合に中間型に該当すると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の走法分析装置。
【請求項5】
前記判定の結果に基づいて、ピッチ型の走者に適した靴と、ストライド型の走者に適した靴と、を含む複数の靴から少なくともいずれかを推薦する情報を出力する推薦出力部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の走法分析装置。
【請求項6】
被検者の走行に関し、第1の走速度におけるピッチを第1のピッチとして取得する過程と、
前記被検者の走行に関し、前記第1の走速度と異なる第2の走速度におけるピッチを第2のピッチとして取得する過程と、
前記第1の走速度と前記第2の走速度の差に対する前記第1のピッチと前記第2のピッチの差の大きさに基づいて、前記被検者の走行がストライド型およびピッチ型を含む複数の走法型のうちいずれに該当するかを判定する過程と、
前記判定の結果を出力する過程と、
を備えることを特徴とする走法分析方法。
【請求項7】
被検者の走行に関し、第1の走速度におけるピッチを第1のピッチとして取得する機能と、
前記被検者の走行に関し、前記第1の走速度と異なる第2の走速度におけるピッチを第2のピッチとして取得する機能と、
前記第1の走速度と前記第2の走速度の差に対する前記第1のピッチと前記第2のピッチの差の大きさに基づいて、前記被検者の走行がストライド型およびピッチ型を含む複数の走法型のうちいずれに該当するかを判定する機能と、
前記判定の結果を出力する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする走法分析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マラソン走者の走法を分析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
マラソン等の長距離走において、走者の走法として「ピッチ走法」と「ストライド走法」が知られている。一般的に、前者は、ピッチ(単位時間あたりの歩数)が相対的に多く、ストライド(1歩の距離)が相対的に短いことが特徴の走法であり、後者は、ピッチが相対的に少なく、ストライドが相対的に長いことが特徴の走法とされているが、明確な定義はない。
【0003】
近年、ピッチ走法に適したランニングシューズとストライド走法に適したランニングシューズも開発されている。そのため、走者は自身の走法がピッチ型かストライド型かを知ることで、より好適なシューズを選定できる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、ピッチやストライドの傾向が特に顕著である場合を除けば、ある走者の走法がピッチ型とストライド型のどちらに該当するかの明確な基準は存在せず、主観的な判断に頼らざるを得なかった。
【0006】
そうした中、本発明者は、多数の走者の走行記録を分析した結果、走法の傾向に基づいて両者を客観的な基準で判別する手法を見出すに至った。
【0007】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、走者の走法を分析する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の走法分析装置は、被検者の走行に関し、第1の走速度におけるピッチを第1のピッチとして取得する第1ピッチ取得部と、被検者の走行に関し、第1の走速度と異なる第2の走速度におけるピッチを第2のピッチとして取得する第2ピッチ取得部と、第1の走速度と第2の走速度の差に対する第1のピッチと第2のピッチの差の大きさに基づいて、被検者の走行がストライド型およびピッチ型を含む複数の走法型のうちいずれに該当するかを判定する判定部と、判定の結果を出力する結果出力部と、を備える。
【0009】
ここで「走法分析装置」は、ウェブサーバ上やクラウド上で実行されるサーバ用のプログラムおよびサーバの組み合わせで実現されてもよいし、スマートフォンやタブレット等の情報端末、パーソナルコンピュータ等のデバイス上で実行されるプログラムおよびこれらのデバイスの組み合わせで実現されてもよい。あるいは、各種のセンサを内蔵するウェアラブルデバイス上で実行されるプログラムおよびウェアラブルデバイスの組み合わせで実現されてもよい。「第1ピッチ取得部」および「第2ピッチ取得部」は、あらかじめ測定された被検者の走行データからピッチの情報を取得してもよいし、走行中の被検者に関して所定のセンサで取得する情報からピッチの情報を取得してもよい。「第1の走速度」および「第2の走速度」は、マラソンの完走タイムが3時間以内といった上級者のランナーを主に想定した、比較的速い速度であってよい。例えば、秒速4.17m(キロ4分ペースに相当)から秒速5.56m(キロ3分ペースに相当)の範囲で走速度1m/sの間隔を空けた2つの走速度を第1の走速度、第2の走速度としてもよい。走速度の増加分に対するストライドの増加分はピッチ型よりストライド型の方が大きい傾向となり、走速度の増加分に対するピッチの増加分はストライド型よりピッチ型の方が大きい傾向となってよい。「判定部」は、被検者の走行における走速度の増加分に対するピッチの増加分に応じて走法型を判定してよい。「複数の走法型」は、ストライド型とピッチ型を含む他、これらの中間に位置する中間型をさらに含んでもよい。この態様によると、複数通りの走速度におけるピッチを取得して速度変化に対するピッチ変化を分析するだけで走者の走法がピッチ型かストライド型かを判定することができ、シューズ選定に有用な情報を得ることができる。
【0010】
判定部は、第1のピッチおよび第2のピッチのうち少なくともいずれかが、所定の基準で求められた判定基準値以上である場合、ピッチの差の大きさにかかわらずピッチ型に該当すると判定してもよい。「所定の基準で求められた判定基準値」は、走速度を変数とする所定の一次方程式で算出された可変値であってもよいし、あらかじめ実験や分析、知見に基づいて決定された所定の固定値であってもよい。この態様によると、走者のピッチが判定基準値以上である場合には、他の計算や分析によらずとも直ちにピッチ型であると判定することができ、判定方法を簡便にすることができる。
【0011】
判定部は、ピッチの差の大きさが所定の第1の基準範囲である場合にピッチ型に該当すると判定し、ピッチの差の大きさが第1の基準範囲より低い所定の第2の基準範囲である場合にストライド型に該当すると判定してもよい。ここで「ピッチの差の大きさ」は、被検者の走行における走速度の増加分に対するピッチの増加分であってよい。ピッチの全体範囲を所定の値を境に「第1の基準範囲」と「第2の基準範囲」に二分割していずれに該当するかを判定するようにしてもよいし、他の基準範囲も含めた複数の基準範囲に分割していずれに該当するかを判定するようにしてもよい。この態様によると、被検者の走行において複数通りの走速度でのピッチ差さえ取得できればピッチ型かストライド型かを精度よく判定することができる。
【0012】
判定部は、ピッチの差の大きさが所定の第1の基準範囲である場合にピッチ型に該当すると判定し、ピッチの差の大きさが第1の基準範囲より低い所定の第2の基準範囲である場合にストライド型に該当すると判定し、ピッチの差の大きさが第1の基準範囲より低く第2の基準範囲より高い所定の第3の基準範囲である場合に中間型に該当すると判定してもよい。ここで「中間型」は、ピッチ型とストライド型のどちらとも言い切れないような走法を指してもよいし、特徴が顕著ではないが強いて言えばピッチ型とストライド型のいずれかに該当すると言える走法を指してもよい。この態様によると、被検者の走行において複数通りの走速度でのピッチ差さえ取得できればピッチ型、ストライド型、中間型のいずれであるかを精度よく判定することができる。
【0013】
判定の結果に基づいて、ピッチ型の走者に適したシューズと、ストライド型の走者に適したシューズと、を含む複数のシューズから少なくともいずれかを推薦する情報を出力する推薦出力部と、をさらに備えてもよい。
この態様によると、被検者の走行において複数通りの走速度でのピッチ差さえ取得できれば走法に適したシューズの情報を精度よく得ることができる。
【0014】
本発明の別の態様は、走法分析方法である。この方法は、被検者の走行に関し、第1の走速度におけるピッチを第1のピッチとして取得する過程と、被検者の走行に関し、第1の走速度と異なる第2の走速度におけるピッチを第2のピッチとして取得する過程と、第1の走速度と第2の走速度の差に対する第1のピッチと第2のピッチの差の大きさに基づいて、被検者の走行がストライド型およびピッチ型を含む複数の走法型のうちいずれに該当するかを判定する過程と、判定の結果を出力する過程と、を備える。
【0015】
この態様によると、複数通りの走速度におけるピッチを取得して速度変化に対するピッチ変化を分析するだけで走者の走法がピッチ型かストライド型かを判定することができ、シューズ選定に有用な情報を得ることができる。
【0016】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記憶した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、走者の走法を簡便に分析してユーザに有益な情報をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】走法分析システムの基本構成を示す図である。
【
図2】同じ走速度範囲におけるストライド型とピッチ型の間でストライド変化およびピッチ変化を比較する図である。
【
図3】ストライド型の複数のランナーにおける走速度とストライドの関係および走速度とピッチの関係を例示する散布図である。
【
図4】ピッチ型の複数のランナーにおける走速度とストライドの関係および走速度とピッチの関係を例示する散布図である。
【
図5】ユーザ端末の基本構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】走法分析サーバの基本構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】走法分析サーバにおける基本的な処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図7のS20における判定処理を詳細に示すフローチャートである。
【
図9】14人の被検者のピッチに基づいて走法を判定した結果と実験結果とを対比した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態、変形例では、同一または同等の構成要素には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部分は省略して表示する。
【0020】
本実施形態においては、ピッチ型走法用のランニングシューズ(以下、単に「シューズ」という)とストライド型走法用のシューズのいずれが自身に適しているかを把握したいランナーであるユーザが、自ら走法の分析を実行することを前提とする。まず、ユーザは走行時に各種のウェアラブルデバイスを装着して、分析に必要な情報を各種センサで取得し、ユーザの端末へ送信する。その上で、ユーザは端末からサーバへ情報を送信し、分析結果をサーバから得る。
【0021】
図1は、走法分析システムの基本構成を示す。走法分析システム30は、例えばユーザ端末10、ウェアラブルデバイス16、走法分析サーバ20で構成される。ユーザはランニングウォッチ12やモーションセンサ14等のウェアラブルデバイス16を腕や腰に装着した状態でランニングを実施し、ランニングウォッチ12やモーションセンサ14により各種の検出データを取得する。ランニングウォッチ12やモーションセンサ14は、測位モジュールや9軸モーションセンサ等のセンサを含む。測位モジュールによって検出された時間情報と位置情報の関係に基づいて走速度が取得され、9軸モーションセンサによって検出された情報に基づいてピッチが取得される。また、測位モジュールによって計測された走行距離とピッチに基づいてストライドが取得される(ストライド=走行距離÷ピッチ)。ユーザ端末10によって取得された走行ログはネットワーク18を介して走法分析サーバ20へ送信され、走法分析サーバ20によって走法が分析され、ピッチ型とストライド型を含む複数の走法のいずれに該当するかが判定される。
【0022】
変形例においては、ウェアラブルデバイス16の代わりに、ユーザ端末10としてのスマートフォンに内蔵の測位モジュールやモーションセンサを用いてもよい。別の変形例においては、被検者の走行状態を示すデータとして、高速度カメラで撮影した映像からモーションキャプチャ等の技術やフォースプレートによる床反力検知によって走速度とピッチのデータを取得する仕様としてもよい。その場合、ユーザ以外の操作者(例えば店舗の店員)がユーザ端末10を操作して被検者のための走行状態データを取得し、走法分析を走法分析サーバ20に実行させてもよい。
【0023】
「ピッチ」の情報は、例えば1分間あたりの歩数(spm)を単位とする数値であり、マラソンの完走タイムが3時間30分以内のランナーがレースペースで走行した場合、ピッチは平均175~205spmの範囲に収まるのが一般的である。また「ストライド」(ステップ長ともいう)の情報は、平均ステップ長(m)であり、1分間の走行距離をピッチで割ることで求められる。
【0024】
図2は、同じ走速度範囲におけるストライド型とピッチ型の間でストライド変化およびピッチ変化を比較する図である。
図2(a)はストライド型のランナー(マラソン完走タイムの自己ベストは2時間36分7秒)における走速度とストライドの関係および走速度とピッチの関係を例示する散布図である。
図2(b)はピッチ型のランナー(マラソン完走タイムの自己ベストは2時間40分0秒)における走速度とストライドの関係および走速度とピッチの関係を例示する散布図である。横軸は走速度[m/s]であり、縦軸はストライド[m]またはピッチ[spm]である。本図では、秒速4.17m(キロ4分ペース)から秒速約5.56m(キロ3分ペース)までを含む範囲(4.0~6.5m/s)で走行した場合のストライド(「×」印)とピッチ(「・」印)がプロットされる。
【0025】
図2(a)に示すストライド型のランナーの場合、ストライドは走速度の上昇に比例するように約1.4mから約2mまで約0.6mの広い範囲で大きく増加し、走速度の増加分に対するストライドの増加分を示す回帰直線であるストライド変化110の傾きは相対的に大きい。特に、秒速4.17m(キロ4分ペース)から秒速約5.56m(キロ3分ペース)までの走速度の上昇に対してストライドが1.49mから1.88mまで+0.39mも増加している。
【0026】
これに対し、ストライド型ランナーのピッチは、走速度の上昇に比例するように169spmから183spmの狭い範囲で漸増するが、走速度の増加分に対するストライドの増加分を示す回帰直線であるストライド変化111の傾きは僅かであり、横ばいに近い。特に、秒速4.17m(キロ4分ペース)から秒速約5.56m(キロ3分ペース)までの走速度の上昇に対してピッチが169spmから177spmまで+8spmしか増加していない。
【0027】
図2(b)に示すピッチ型のランナーの場合、ストライドは走速度の上昇に比例するように約1.4mから約1.8mまで約0.4mの範囲で増加し、走速度の増加分に対するストライドの増加分を示す回帰直線であるストライド変化112の傾きはストライド型よりも小さい。特に、秒速4.17m(キロ4分ペース)から秒速約5.56m(キロ3分ペース)までの走速度の上昇に対してストライドが1.48mから1.68mまで+0.2mしか増加していない。
【0028】
これに対し、ピッチ型ランナーのピッチは、走速度の上昇に比例するように170spmから230spmまでの広い範囲で大きく増加し、走速度の増加分に対するピッチの増加分を示す回帰直線であるピッチ変化113の傾きはストライド型よりも大きい。特に、秒速4.17m(キロ4分ペース)から秒速約5.56m(キロ3分ペース)までの走速度の上昇に対してピッチが170spmから198spmまで+28spmも増加している。
【0029】
図3は、ストライド型の複数のランナーにおける走速度とストライドの関係および走速度とピッチの関係を例示する散布図である。以下、横軸は走速度[m/s]であり、縦軸はストライド[m]またはピッチ[spm]である。
【0030】
図3(a)には第1のランナーが、秒速約4.67m(キロ約3分34秒ペース)から秒速約5.37m(キロ約3分6秒ペース)の範囲で走行した例が示される。この場合、「×」印でプロットされるストライドは速度の上昇に比例するように約1.44mから約1.63mまで約0.19mの範囲で大きく増加し、走速度の変化に対するストライドの変化を示す回帰直線であるストライド変化100の傾きは相対的に大きい。これに対し、「・」印でプロットされるピッチは速度の上昇につれて194から198までの狭い範囲で上昇したにすぎず、走速度の変化に対するペースの変化を示す回帰直線であるピッチ変化101はほぼ横ばいか、僅かな傾きである。
【0031】
図3(b)には第2のランナーが、秒速約5.23m(キロ約3分11秒ペース)から秒速約5.78m(キロ約2分53秒ペース)の範囲で走行した例が示される。この場合、「×」印でプロットされるストライドは速度の上昇に比例するように約1.73mから約1.93mまで約0.2mの範囲で大きく増加し、走速度の上昇に対するストライドの増加を示す回帰直線であるストライド変化102の傾きは相対的に大きい。これに対し、「・」印でプロットされるピッチは速度の上昇につれて178から183までの狭い範囲で変化したにすぎず、しかも走速度の上昇に対するペースの変化を示す回帰直線であるピッチ変化103はほぼ横ばいか、むしろ僅かにマイナスである。
【0032】
図3(c)には第3のランナーが、秒速約5.35m(キロ約3分7秒ペース)から秒速約6.42m(キロ約2分36秒ペース)の範囲で走行した例が示される。この場合、「×」印でプロットされるストライドは速度の上昇に比例するように約1.75mから約2.11mまで約0.26mの範囲で大きく増加し、走速度の上昇に対するストライドの増加を示す回帰直線であるストライド変化104の傾きは相対的に大きい。これに対し、「・」印でプロットされるピッチは速度の上昇につれて182から185までの狭い範囲で変化したにすぎず、走速度の上昇に対するペースの変化を示す回帰直線であるピッチ変化105はほぼ横ばいである。
【0033】
図4は、ピッチ型の複数のランナーにおける走速度とストライドの関係および走速度とピッチの関係を例示する散布図である。以下、横軸は走速度[m/s]であり、縦軸はストライド[m]またはピッチ[spm]である。
【0034】
図4(a)には第4のランナーが、秒速約3.0m(キロ約5分33秒ペース)から秒速約5.5m(キロ約3分2秒ペース)の範囲で走行した例が示される。この場合、「×」印でプロットされるストライドは速度の上昇に比例するように約0.95mから約1.6mまで約0.65mの範囲で大きく増加し、走速度の変化に対するストライドの変化を示す回帰直線であるストライド変化106の傾きは相対的に大きい。一方、「・」印でプロットされるピッチもまた速度の上昇につれて177から203までの広い範囲で上昇し、走速度の変化に対するペースの変化を示す回帰直線であるピッチ変化107もまた大きい。
【0035】
図4(b)には第5のランナーが、秒速約4.1m(キロ約4分39秒ペース)から秒速約5.3m(キロ約3分9秒ペース)の範囲で走行した例が示される。この場合、「×」印でプロットされるストライドは速度の上昇に比例するように約1.3mから約1.6mまで約0.3mの範囲で大きく増加し、走速度の変化に対するストライドの変化を示す回帰直線であるストライド変化108の傾きは相対的に大きい。一方、「・」印でプロットされるピッチもまた速度の上昇につれて184から194までの広い範囲で上昇し、走速度の変化に対するペースの変化を示す回帰直線であるピッチ変化109もまた大きい。
【0036】
以上のように、ストライド型のランナーは、走速度を上げるために、ピッチを大きく上げるよりもストライドを大きく高めることで走速度を高める傾向にあることがわかる。一方、ピッチ型のランナーは、走速度を上げるために、ストライドもいくぶん高めつつ、それよりもピッチを大きく上げることで走速度を高める傾向にあることがわかる。本実施形態の走法分析システムでは、被検者の走法が上記2つの対照的なアプローチのいずれによって走速度を上げているかに着目した分析手法により、ストライド型かピッチ型かを判定する。
【0037】
図5は、ユーザ端末の基本構成を示す機能ブロック図である。本図では機能に着目したブロック図を描いており、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現することができる。ユーザ端末10は、ハードウェア的には例えばスマートフォンやタブレット等の情報端末やパーソナルコンピュータ等のデバイスであってよい。ユーザ端末10は、走行ログ記録部50、表示部52、データ処理部54、操作処理部56、データ通信部58の各機能を少なくとも備える。なお、変形例としては、本図に示すユーザ端末10の各機能がウェアラブルデバイス16に内蔵される形で一体的なデバイスとして実現されてもよい。
【0038】
走行ログ記録部50は、近距離無線通信等の通信モジュールを介してウェアラブルデバイス16から各種の検出データを取得し、走行ログとして記録する。ウェアラブルデバイス16から取得する検出データは、例えばGPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムから受信する位置情報とその取得日時を示す情報、単位時間あたりのピッチ(例えば、1分間あたりの歩数)の情報を含む。走行ログ記録部50は、ウェアラブルデバイス16から取得する検出データに基づいて、走行時間、走行距離、所定距離ごとまたは所定時間ごとの走速度、単位時間あたりのピッチ等の情報を走行ログとして所定の記憶領域に記録する。
【0039】
操作処理部56は、ユーザによる指示のための操作入力を受け付ける。表示部52は、操作処理部56を介したユーザの指示に基づいて、走行ログ記録部50により記録された走行ログを画面に表示させる。データ処理部54は、操作処理部56を介したユーザの指示に基づいて、走行ログ記録部50により記録された走行ログから複数通りの走速度におけるピッチのデータを抽出し、抽出したデータを被検者の走行ログとしてデータ通信部58を介して走法分析サーバ20へ送信する。データ処理部54は、例えば走行ログ全体から秒速4.17m(キロ4分ペース)以上の走速度におけるピッチのデータを抽出して被検者の走行ログとして走法分析サーバ20へ送信する。秒速4.17m未満のデータを用いないようにカットするのは、比較的高速で走行するときほど走速度とピッチの関係が安定し、明確な傾向が現れるためである。なお、変形例においては、データ処理部54は走行ログ全体を、データ通信部58を介して走法分析サーバ20へ送信し、走法分析サーバ20の側で必要なデータを抽出する仕様としてもよい。
【0040】
図6は、走法分析サーバの基本構成を示す機能ブロック図である。本図では機能に着目したブロック図を描いており、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現することができる。走法分析システム30は、ハードウェア的には例えばサーバコンピュータであってよい。走法分析システム30は、データ受信部70、データ蓄積部72、ピッチ取得部74、判定部80、出力部90の各機能を少なくとも備える。
【0041】
データ受信部70は、ユーザ端末10から被検者の走行ログに含まれる走速度とピッチのデータを受信してデータ蓄積部72に保存する。本実施形態においては、ユーザ端末10のデータ処理部54により抽出された秒速4.17m以上の走速度におけるピッチのデータを走行ログとしてデータ受信部70が受信するが、変形例においてはデータ受信部70が被検者の走行ログ全体を受信してデータ蓄積部72に保存してもよい。ピッチ取得部74は、被検者の走行に関し、データ蓄積部72に保存された被検者の走行ログから複数の走速度におけるピッチのデータを取得する。ピッチ取得部74が取得するピッチのデータは、例えば秒速4.17m以上の走速度におけるピッチのデータである。ピッチ取得部74は、回帰分析部75、第1ピッチ取得部76、第2ピッチ取得部77を含む。
【0042】
回帰分析部75は、データ蓄積部72に保存された走行ログに基づき、ピッチを目的変数とし、走速度を説明変数とする回帰分析により回帰式を求める。回帰分析部75は、走速度とピッチの関係を示すデータとして少なくとも2点のデータを回帰分析するが、分析するデータが多いほど回帰式の誤差が減って精度が高まるため、3点以上のデータを分析することが望ましい。
【0043】
第1ピッチ取得部76は、回帰分析部75で求めた回帰式に基づき、第1の走速度として秒速4.17m(キロ4分ペース)以上の所定の走速度におけるピッチを取得する。第2ピッチ取得部77は、回帰分析部75で求めた回帰式に基づき、第2の走速度として第1の走速度より1m/s速い走速度におけるピッチを取得する。なお、本実施形態では、第2の走速度を第1の走速度より1m/s速い走速度としたが、両者の速度差は1m/sに限られず、さらに広い間隔で第1の走速度と第2の走速度を設定してもよいし、ある程度の間隔が確保される限りは1m/s未満の間隔で第1の走速度と第2の走速度を設定してもよい。
【0044】
判定部80は、被検者の走行がストライド型およびピッチ型を含む複数の走法型のうちいずれに該当するかを判定する。判定部80は、ピッチ変化算出部82、判定処理部84を含む。ピッチ変化算出部82は、第1の走速度と第2の走速度の差に対する第1のピッチと第2のピッチの差を算出する。
【0045】
判定処理部84は、第1の走速度と第2の走速度の差に対する第1のピッチと第2のピッチの差の大きさに基づいて、被検者の走行がストライド型およびピッチ型を含む複数の走法型のうちいずれに該当するかを判定する。まず、判定処理部84は、任意の走速度におけるピッチが所定の判定基準値以上である場合、走速度変化分に対するピッチ変化分の大きさにかかわらず、ピッチ型に該当すると判定する。より具体的には、走速度をxとして、一次方程式「9.6x+145spm」で求められる可変値を判定基準値とする。判定処理部84は、ピッチをyとしてy≧9.6x+145spmである場合はピッチ型と判定する。なお、変形例としては、実験や分析によってあらかじめ求められた例えば「190spm」といった固定値を判定基準値としてもよく、その場合、例えば秒速5.56m/s(キロ3分ペース)以内の走速度に対するピッチであるときに限定して固定値を採用するようにしてもよい。一般に、走速度が高速になるほど、ストライド型のランナーといえどもピッチ型に匹敵するほどピッチがかなり増加することも考えられるため、固定値を判定基準とするよりも、走速度と比例する一次方程式による可変値を判定基準とすることが判定精度保持には望ましい。ただし、走速度(ペース)がキロ3分程度以内に限定されるような場合には、固定値を判定基準としても精度よく判定することは可能である。
【0046】
ピッチyが判定基準値未満(y<9.6x+145spm)である場合、走速度が1m/s増加したときの前後の第1のピッチと第2のピッチの差(増加分)が第1の範囲(例えば16回以上)であればピッチ型と判定し、第1の範囲より低い第2の範囲(10回未満)であればストライド型と判定する。第1のピッチと第2のピッチの差が、第1の基準範囲より低く第2の基準範囲より高い第3の範囲(10回以上、16回未満)の場合は、中間型と判定する。中間型の場合、第1のピッチと第2のピッチの差が10回以上、13回未満であれば、「強いて言えばストライド型」、すなわち「ストライド型に近い中間型」と判定し、第1のピッチと第2のピッチの差が13回以上、16回未満であれば、「強いて言えばピッチ型」、すなわち「ピッチ型に近い中間型」と判定する。「中間型」の場合、ピッチ型向けのシューズとストライド型向けのシューズのいずれを着用しても走行に大きな影響はないと考えられるものの、強いて言えばどちらを着用する方がパフォーマンスをいくらか向上させられる可能性があるか、を判定する。
【0047】
出力部90は、結果出力部92、推薦出力部94、データ送信部96を含む。結果出力部92は、データ送信部96を介して判定部80による判定の結果をユーザ端末10へ出力する。すなわち、結果出力部92は、被検者の走法がピッチ型、ストライド型、中間型のいずれに該当するかの判定結果をユーザ端末10へ送信することにより、ユーザ端末10の画面に判定結果を表示させる。
【0048】
推薦出力部94は、判定部80による判定の結果に基づいて、被検者の走法に適したシューズを複数の選択肢から選択する。推薦出力部94は、複数のシューズ候補から少なくともいずれかを推薦する情報を生成し、その情報をデータ送信部96を介してユーザ端末10へ出力する。推薦出力部94は、被検者がストライド型と判定された場合はストライド型のランナーに適したシューズを選択し、ピッチ型と判定された場合はピッチ型のランナーに適したシューズを選択する。ストライド型のランニングシューズは、ピッチ型のランニングシューズよりも、例えばソールの反発性に優れるといった特徴がある。中間型と判定された場合であって、「強いて言えばストライド型」と判定された場合は、ストライド型向けとピッチ型向けの両方のシューズを推薦しつつ、ストライド型向けシューズをより強く推薦する内容の推薦情報を生成する。中間型と判定された場合であって、「強いて言えばピッチ型」と判定された場合は、ストライド型向けとピッチ型向けの両方のシューズを推薦しつつ、ピッチ型向けシューズをより強く推薦する内容の推薦情報を生成する。
【0049】
図7は、走法分析サーバにおける基本的な処理を示すフローチャートである。データ受信部70が被検者の走行ログを取得し(S10)、回帰分析部75が被検者の走行ログを回帰分析し(S12)、第1ピッチ取得部76が第1の走速度における第1のピッチを回帰式に基づいて取得し(S14)、第2ピッチ取得部77が第1の走速度より1m/s速い第2の走速度における第2のピッチを回帰式に基づいて取得する(S16)。ピッチ変化算出部82は第1の走速度と第2の走速度の走速度差1m/sにおけるピッチ変化の大きさ(すなわちピッチ増加分)を算出し(S18)、判定処理部84はピッチの大きさまたはピッチ変化の大きさに基づいて走法を判定する(S20)。結果出力部92は、判定処理部84による判定結果をユーザ端末10へ出力し(S22)、推薦出力部94は判定処理部84による判定結果に基づいて推薦するシューズを決定して推薦情報を生成し(S24)、ユーザ端末10へ出力する(S26)。
【0050】
図8は、
図7のS20における判定処理を詳細に示すフローチャートである。判定処理部84は、走速度をxとし、ピッチをyとしたとき、被検者のピッチyが判定基準値(9.6x+145spm)以上である場合(S30のY)、被検者の走法はピッチ型と判定する(S32)。被検者のピッチyが判定基準値未満であっても(S30のN)、走速度差1m/sにおけるピッチ増加分が第1の範囲(+16spm以上)である場合(S34のY)、被検者の走法はピッチ型と判定する(S32)。S34において、走速度差1m/sにおけるピッチ増加分が+16spm未満であって(S34のN)、ピッチ増加分が第2の範囲(+10spm未満)である場合(S36のY)、被検者の走法はストライド型と判定する(S38)。ピッチ増加分が+10spm以上であり(S36のN)、ピッチ増加分が+13spm以上、+15spm以下(16spm未満)である場合(S40のY)、被検者の走法はピッチ型に近い中間型と判定する(S42)。ピッチ増加分が+13spm以上、+15spm以下(16spm未満)でない場合、すなわち+10spm以上、+13spm未満の場合(S40のN)、被検者の走法はストライド型に近い中間型と判定する(S44)。
【0051】
図9は、14人の被検者のピッチに基づいて走法を判定した結果と実験結果とを対比した図である。被検者番号「1」~「14」の14人それぞれについて走行ログを取得し、ピッチを目的変数とし、走速度を説明変数として回帰分析した結果を第1欄120に示す。第1欄120において、回帰分析によって求められた回帰式の傾きと切片が示される。これらの回帰式に基づいて、各被検者の第1の走速度と第2の走速度における各ピッチと、これらのピッチの差が取得できる。走行ログに含まれる、実測値としての走速度(レースペース)が第2欄121に示され、その走速度における実測値としてのピッチが第3欄122に示される。第2欄121の走速度をxとした場合の判定基準値(9.6x+145spm)が第4欄123に示され、第3欄122に示されるピッチが第4欄123の判定基準値以上である場合(
図8のS30のY)、被検者の走法は直ちにピッチ型と判定される(
図8のS32)。第5欄124には、被検者の走法の判定結果が示される。例えば被検者「5」,「6」,「11」は第3欄122のピッチが第4欄123の判定基準値以上であるため、直ちにピッチ型と判定され、それぞれの第5欄124に「ピッチ型」という判定結果が示される。その他の被検者「1」~「4」,「7」~「10」,「12」~「14」は、第1欄120に示される回帰式に基づいて走速度差1m/sにおけるピッチ増加分を取得した上で、
図8の判定処理に基づき判定された結果が第5欄124に示される。第5欄124に示される判定結果のうち「(ピッチ型)」と括弧書きされているのは、「ピッチ型に近い中間型」の判定結果を意味し、「(ストライド型)」と括弧書きされているのは、「ストライド型に近い中間型」の判定結果を意味する。
【0052】
第6欄125には、実際に各被検者がピッチ型向けのシューズとストライド型向けのシューズを着用してそれぞれで走行実験をし、いずれの走法向けのシューズでより速く走ることができたかの実験結果が示される。第5欄124の判定結果と第6欄125の実験結果を比較し、一致すれば「○」、一致しなければ「×」という正誤結果が第7欄126に示される。なお、被検者「13」の実験結果は、ピッチ型向けのシューズとストライド型向けのシューズで違いが生じなかったことから、ピッチ型とストライド型のどちらでもよいことを示す「-」が示される。以上によれば、被検者「8」の1人を除き、14人中13人が実験結果と判定結果が一致することとなり、
図8の判定処理によって精度よく判定できることが確認された。
【0053】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を説明する。
【0054】
上記の実施形態においては、ウェアラブルデバイス16により走行ログを取得し、走行ログに基づいて走法分析を実行する例を説明した。変形例においては、ユーザが少なくとも2通りの走速度におけるピッチの数値をウェブブラウザ上で所定欄に文字入力する形で走法分析サーバ20へ情報を送信し、走法分析を走法分析サーバ20に実行させる形でもよい。
【0055】
上記の実施形態においては、ユーザ端末10と走法分析サーバ20を含む走法分析システム30の形で走行分析をする例を説明した。変形例においては、走法分析のための各機能を、走法分析サーバ20上で実行させる形ではなく、ユーザが直接操作するスマートフォンやタブレット、パーソナルコンピュータ等のデバイス上で実行させる形で実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明は、マラソン走者の走法を分析する技術に関する。
【符号の説明】
【0057】
20 走法分析サーバ、 30 走法分析システム、 74 ピッチ取得部、 76 第1ピッチ取得部、 77 第2ピッチ取得部、 80 判定部、 90 出力部、 92 結果出力部、 94 推薦出力部。