(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】一体型霧化ユニットを有するアトマイザー
(51)【国際特許分類】
A61M 11/04 20060101AFI20241017BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241017BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20241017BHJP
A61M 15/00 20060101ALI20241017BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
A61M11/04 300A
A24F40/40
A24F40/10
A61M15/00 A
A61M15/06 A
(21)【出願番号】P 2023527244
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2021114963
(87)【国際公開番号】W WO2022088903
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】202011167148.6
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523160047
【氏名又は名称】恵州市新泓威科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUIZHOU HAPPY VAPING TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No. 24 Longshan 7th Road, Dayawan West District Huizhou,Guangdong 516000 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】林光榕
(72)【発明者】
【氏名】鄭賢彬
【審査官】立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211482973(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105105339(CN,A)
【文献】特表2019-531085(JP,A)
【文献】特表2019-512220(JP,A)
【文献】国際公開第2019/048797(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110074464(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/04
A24F 40/40
A24F 40/10
A61M 15/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングを含み、前記ケーシングは、マウスピース端と接続端とを含み、前記マウスピース端には吸い込み口が設けられ、前記接続端には開口部が設けられ、前記ケーシングが接続端によって電池ユニットに接続されて電子霧化装置が構成される一体型霧化ユニットを有するアトマイザーであって、
一体型霧化ユニットをさらに含み、前記一体型霧化ユニットは、前記接続端の開口部から前記ケーシング内に組付けられ、上から下へ、霧化芯ホルダと、霧化芯と、ベースとを含み、前記霧化芯ホルダは、ベースに接続され、前記霧化芯ホルダの下部には、上方へ窪んだ凹部が設けられ、前記霧化芯は、前記凹部に取り付けられ、前記霧化芯は、霧化液を輸送するための霧化芯本体と、霧化液を加熱するための発熱抵抗とを含み、前記霧化芯本体には、霧化通路が設けられ、前記霧化芯とベースとの間には前記霧化通路に連通する吸気室がさらに設けられ、前記ベースにより前記ケーシングの開口部が塞がれ、
前記霧化芯ホルダと前記ケーシングの内壁との間のキャビティが霧化液を貯留する貯液室となり、前記霧化芯ホルダの内部には前記貯液室と霧化芯とを連通させる導液貫通孔が設けられ、
前記霧化芯本体の上部には、下方へ窪んだ導液溝が凹設され、前記導液溝は、前記導液貫通孔に連通
し、
前記吸い込み口から内方へ霧吐出管が一体成形により延設されており、前記霧化芯ホルダは、外径の異なる上部、中央部及び下部を含み、前記霧化芯ホルダの上部は管状コネクタとなり、前記管状コネクタは、前記霧吐出管の下端に接続され、前記霧化芯ホルダの中央部は、その外壁が前記ケーシングの内壁に接触するように嵌め込まれ、前記霧化芯ホルダの下部の外壁は前記ベースの上部の内壁に接続され、
前記霧化芯ホルダは、骨格体と密封体とが互いに嵌合して一体成形されたものであり、前記密封体は、管状コネクタ部分と、霧化芯ホルダの中央部の外壁部分と、霧化芯ホルダの凹部の内壁部分とを含み、前記骨格体は、硬質材料で製造され、前記密封体は、軟質材料で製造される、
ことを特徴とするアトマイザー。
【請求項2】
前記霧化芯ホルダの内部には、前記吸い込み口と前記霧化通路とを連通させる霧吐出貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項3】
前記霧吐出貫通孔は、前記霧化芯ホルダの中心部に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項4】
前記霧化芯本体における霧化通路は、霧化芯本体の中心部に設けられる中心貫通孔からなり、又は霧化芯本体の両側に設けられる縦方向凹部からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項5】
前記接続端の両側には第1嵌着孔が設けられ、前記ベースの側壁には前記第1嵌着孔に嵌着する第1嵌着凸部が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項6】
前記霧化芯ホルダの下部の外壁には第2嵌着凸部が設けられ、前記ベースの両側には突出部が設けられ、前記突出部には前記第2嵌着凸部が嵌着する第2嵌着孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項7】
前記ベースの内部には、前記霧化芯本体を上方へ支持する支持体が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項8】
前記支持体は、正負電極として機能する2本の正、負電極ポストからなり、前記正、負電極ポストはそれぞれ前記発熱抵抗の両端に接触して接続される、ことを特徴とする
請求項7に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項9】
前記接続端の壁部には、前記吸気室に連通する主吸気孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項10】
前記ベースには、前記吸気室に連通する第二貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項11】
前記第二貫通孔は、ベースの中心又はベースの両側に設けられ、前記第二貫通孔の上部は管状体となり、前記ベースの内底部よりも高いように形成されることを特徴とする
請求項10に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項12】
前記管状体の頂部には、傾斜カバーが設けられ、前記傾斜カバーに吸気小孔が設けられるか、又は前記管状体の傾斜カバー側の壁部のうち高い方の壁部に気流感知吸気ノッチが設けられる、ことを特徴とする
請求項11に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項13】
前記霧化芯本体は、微細孔セラミック材料又は微細孔珪藻土材料で製造される、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項14】
前記発熱抵抗は、前記霧化芯本体の下面又は前記霧化通路の表面に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項15】
前記発熱抵抗は、2つの平面接触端を含み、前記2つの平面接触端はそれぞれベースに設けられる正、負電極ポストに当接して電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【請求項16】
前記ベースの外底部には磁石又は磁気材料が嵌着され、前記磁石又は磁気材料は前記電池ユニットに設けられる別の磁石又は磁気材料と相互吸引力を発生させて、アトマイザーと電池ユニットとを磁力により接続させることを特徴とする請求項1に記載の一体型霧化ユニットを有するアトマイザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子霧化装置の技術分野に関し、より具体的には、一体型霧化ユニットを有するアトマイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
電子霧化装置は、一般には、電池ユニットとアトマイザーを含み、電池ユニットにはアトマイザーに給電する電池が設置されており、アトマイザーは、発熱ユニットを含み、発熱ユニットは、通電時に、霧化対象である溶液を使用者により吸われるミストに霧化することができる。
【0003】
電子霧化装置には、医薬品霧化装置などがあり、加熱工程にて電子霧化装置内に貯留された霧化液や薬液などの溶液をミスト、エアロゾル、蒸気などにするのが電子霧化装置の主な仕組みである。
【0004】
従来の電子霧化装置は、そのアトマイザーに導液体の材料として一般には長尺状のガラス繊維ロープや綿ロープが使用され、加熱用の電熱線がガラス繊維ロープ又は綿ロープに直接巻き付けられるものであり、その体積が小さいので、貯液性能が悪く、加熱時に、貯液量が小さかったり、霧化液が適時に輸送されなかったりすることにより焦げが発生し、焦げ臭いにおいがして、ユーザに悪い使用体験をもたらす。また、導液体としてガラス繊維ロープ又は綿ロープを使用するアトマイザーの構成では、ガラス繊維ロープ又は綿ロープが霧化ベースの上面に横方向に架設され、ガラス繊維ロープ又は綿ロープの両端が貯液室内に伸びて霧化液を吸収して輸送することが一般的であるが、このような構成は、一般には貯液室とガラス繊維ロープ又は綿ロープとの間を完全に密封することができず、ユーザによる吸力が大きい場合、液漏れが起こりやすい。また、製造の時に、ガラス繊維ロープ又は綿ロープに発熱線を巻き付けて霧化ベースに取り付け、そして、霧化ベース及び他の部品をアトマイザーのケーシングに1つずつ入れて組み立てる必要があり、このため、構造が複雑で、組み立てにくく、生産効率が低く、生産の自動化が実現されにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の技術的欠陥を克服して、一体型霧化ユニットを有するアトマイザーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的解決手段は、ケーシングを含み、前記ケーシングは、マウスピース端と接続端とを含み、前記マウスピース端には吸い込み口が設けられ、前記接続端には開口部が設けられ、前記ケーシングが接続端によって電池ユニットに接続されて電子霧化装置が構成される一体型霧化ユニットを有するアトマイザーであって、
一体型霧化ユニットをさらに含み、前記一体型霧化ユニットは、前記接続端の開口部から前記ケーシング内に組付けられ、上から下へ、霧化芯ホルダと、霧化芯と、ベースとを含み、前記霧化芯ホルダは、ベースに接続され、前記霧化芯ホルダの下部には、上方へ窪んだ凹部が設けられ、前記霧化芯は、前記凹部に取り付けられ、前記霧化芯は、霧化液を輸送するための霧化芯本体と、霧化液を加熱するための発熱抵抗とを含み、前記霧化芯本体には、霧化通路が設けられ、前記霧化芯とベースとの間には前記霧化通路に連通する吸気室がさらに設けられ、前記ベースにより前記ケーシングの開口部が塞がれるアトマイザーにより実現される。
【0007】
好ましくは、前記霧化芯ホルダの内部には、前記吸い込み口と前記霧化通路とを連通させる霧吐出貫通孔が設けられる。
【0008】
好ましくは、前記霧吐出貫通孔は、前記霧化芯ホルダの中心部に設けられる。
【0009】
好ましくは、前記霧化芯ホルダと前記ケーシングの内壁との間のキャビティが霧化液を貯留する貯液室となり、前記霧化芯ホルダの内部には前記貯液室と霧化芯とを連通させる導液貫通孔が設けられる。
【0010】
好ましくは、前記霧化芯本体の上部には、下方へ窪んだ導液溝が凹設され、前記導液溝は、前記導液貫通孔に連通する。
【0011】
好ましくは、前記霧化芯本体における霧化通路は、霧化芯本体の中心部に設けられる中心貫通孔からなり、又は霧化芯本体の両側に設けられる縦方向凹部からなる。
【0012】
好ましくは、一体成形により前記吸い込み口から内方へ霧吐出管が延設されており、前記霧化芯ホルダは、外径の異なる上部、中央部及び下部を含み、前記霧化芯ホルダの上部は管状コネクタとなり、前記管状コネクタは、前記霧吐出管の下端に接続され、前記霧化芯ホルダの中央部は、その外壁が前記ケーシングの内壁に接触するように嵌め込まれ、前記霧化芯ホルダの下部の外壁は前記ベースの上部の内壁に接続される。
【0013】
好ましくは、前記霧化芯ホルダは、骨格体と密封体とが互いに嵌合してなり、前記密封体は、管状コネクタ部分と、霧化芯ホルダの中央部の外壁部分と、霧化芯ホルダの凹部の内壁部分とを含み、前記骨格体は、硬質材料で製造され、前記密封体は、軟質材料で製造される。
【0014】
好ましくは、前記接続端の両側には第1嵌着孔が設けられ、前記ベースの側壁には前記第1嵌着孔に嵌着する第1嵌着凸部が設けられる。
【0015】
好ましくは、前記霧化芯ホルダの下部の外壁には第2嵌着凸部が設けられ、前記ベースの両側には突出部が設けられ、前記突出部には前記第2嵌着凸部が嵌着する第2嵌着孔が設けられる。
【0016】
好ましくは、前記ベースの内部には、前記霧化芯本体を上方へ支持する支持体が設けられる。
【0017】
好ましくは、前記支持体は、正負電極として機能する2本の正、負電極ポストからなり、前記正、負電極ポストはそれぞれ前記発熱抵抗の両端に接触して接続される。
【0018】
好ましくは、前記接続端の壁部には、前記吸気室に連通する主吸気孔が設けられる。
【0019】
好ましくは、前記ベースには、前記吸気室に連通する気流感知貫通孔が設けられる。
【0020】
好ましくは、前記気流感知貫通孔は、ベースの中心又はベースの両側に設けられ、前記気流感知貫通孔の上部は管状体となり、前記ベースの内底部よりも高いように形成される。
【0021】
好ましくは、前記管状体の頂部には、傾斜カバーが設けられ、前記傾斜カバーに吸気小孔が設けられるか、又は前記管状体の傾斜カバー側の壁部のうち高い方の壁部に気流感知吸気ノッチが設けられる。
【0022】
好ましくは、前記霧化芯本体は微細孔セラミック材料又は微細孔珪藻土材料で製造される。
【0023】
好ましくは、前記発熱抵抗は、前記霧化芯本体の下面又は前記霧化通路の表面に設けられる。
【0024】
好ましくは、前記発熱抵抗は2つの平面接触端を含み、前記2つの平面接触端はそれぞれベースに設けられる正、負電極ポストに当接して電気的に接続される。
【0025】
好ましくは、前記ベースの外底部には磁石又は磁気材料が嵌着され、前記磁石又は磁気材料は前記電池ユニットに設けられる別の磁石又は磁気材料と相互吸引力を発生させて、アトマイザーと電池ユニットとを磁力により接続させる。
【発明の効果】
【0026】
微細孔材料で霧化液を輸送する霧化芯本体が製造されることにより、導液材料として綿ロープ又はガラス繊維ロープを使用する場合に比べて、微細孔材料の貯液性や導液性が良好であるため、霧化が均一に行われ、霧化効果が高く、また、微細孔材料の耐熱性能に優れるため、加熱して霧化させる時に、焦げが起こって焦げ臭いにおいがすることが難しい。本発明は、アトマイザーの構造上、霧化芯を下方から霧化芯ホルダに取り付ける構造を採用するとともに、骨格体と密封体とを互いに嵌合することにより霧化芯ホルダを形成することにより、霧化液が素早く輸送されることができ、しかも、このような構造が強固で変形しにくく、また、密封効果が高く、霧化液やガスの漏れが発生することがない。また、本発明は、一体型霧化ユニットを採用するため、構造が簡単で、組み立てやすく、生産効率が大幅に向上させることができ、生産の完全な自動化が実現されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明のアトマイザーの立体分解構造図である。
【
図2】本発明のアトマイザーの一例の正面断面図である。
【
図3】本発明のアトマイザーのケーシングの正面断面図である。
【
図4】本発明の一体型霧化ユニットの立体分解構造図である。
【
図9】本発明の霧化芯ホルダの立体分解構造図である。
【
図18】本発明のベースのさらに別の斜視図である。
【
図20】本発明のアトマイザーの別の正面断面図である。
【
図21】本発明のアトマイザーの側面断面図である。
【
図22】本発明の別の実施例のベースの斜視図である。
【
図23】本発明のさらなる実施例のベースの一例の斜視図である。
【
図24】本発明のさらなる実施例のベースの別の斜視図である。
【
図25】本発明のさらなる実施例のベースの斜視図である。
【
図26】本発明のさらなる実施例のベースの正面断面図である。
【
図27】本発明のさらなる実施例のベースの側面断面図である。
【
図28】本発明のさらなる実施例の霧化芯の下面図である。
【
図29】本発明のさらなる実施例の霧化芯の正面断面図である。
【
図30】本発明のさらなる実施例の霧化芯の上面図である。
【
図31】本発明のさらなる実施例の霧化芯の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一体型霧化ユニットを有するアトマイザーは、説明の便宜上、
図2に示すように、該アトマイザーのケーシングの吸い込み口10が上向きになるように垂直に設置され、本明細書では、各部材に関する「上、下、上部、下部、上端、下端、上面、下面」などの説明は、いずれも該アトマイザーの吸い込み口が上向きになるように垂直に設置されたときの各部材の上下位置関係を指す。
実施例
【0029】
図1~
図3に示すように、本発明の一体型霧化ユニットを有するアトマイザーは、ケーシング1と一体型霧化ユニット2とを含み、ケーシング1は、上端部であるマウスピース端11と下端部である接続端12の両端を有し、マウスピース端11には吸い込み口10が設けられ、一体成形により吸い込み口10から内方へ霧吐出管14が延設されており、吸い込み口10で外方へ拡径するトランペット形状に形成され、接続端12には開口部13が設けられ、ケーシング1が接続端12によって電池ユニット(未図示)に接続されて電子霧化装置が構成される。ケーシング1の内部には、一体型霧化ユニット2が設けられ、一体型霧化ユニット2は開口部13からケーシング1内に組付けられる。一体型霧化ユニット2は、容易に組み立てられるものであり、組み立てられた後、ケーシング1に組付けられてもよい。このようにして、取り付けを確実に行うだけではなく、生産効率を高めることができ、生産の自動化にも有利である。
【0030】
図4に示すように、一体型霧化ユニット2は、上から下へ、霧化芯ホルダ21と、霧化芯22と、ベース23と、をこの順で含み、霧化芯ホルダ21はベース23に接続される。
【0031】
図7、
図8に示すように、霧化芯ホルダ21の下部の中心部には、上方へ窪んだ、上下を反転させた逆姿勢の凹部210が設けられ、霧化芯22はこの凹部210に取り付けられる。霧化芯22は、下方から霧化芯ホルダ21の下端の凹部210に取り付けられ、従来のガラス繊維ロープ又は綿ロープが導液材料として霧化ベース上に架設される場合と比べ、霧化芯22は上方にある貯液室から直接下方へ輸送される霧化液を下方で受けやすく、導液効率が高く、霧化が均一に行われ、霧化効果が高い。
【0032】
図5に示すように、霧化芯ホルダ21は、外径の異なる上部211、中央部212及び下部213を含み、霧化芯ホルダ21の上部211は、管状コネクタ211となり、管状コネクタ211は、霧吐出管14の下端に接続され、霧化芯ホルダ21の中央部212は、その外壁がケーシングの接続端12の内壁に接触するように嵌め込まれ、霧化芯ホルダ21の下部213は、その外壁がベース23の上部の内壁に接続される。
【0033】
図7~
図9に示すように、霧化芯ホルダ21は、骨格体214と密封体215とが互いに嵌合して一体成形されたものであり、密封体215は、管状コネクタ211と、霧化芯ホルダの中央部の外壁部分2151と、霧化芯ホルダの凹部の内壁2152とを含み、密封体215は、密封効果を有する軟質材料で製造され、これにより、霧化芯ホルダ21の上部211と霧吐出管14との密封接続、中央部212の外壁とケーシング1の内壁との密封接続、霧化芯ホルダの凹部210の内壁部分2152と霧化芯本体221との密封接続が実現されるため、貯液室120が密封されて液漏れが回避され、下記の霧吐出貫通孔216と貯液室120、導液貫通孔217との間が密封されて霧化液やガスの漏れが回避され、また、霧化芯ホルダ21と霧化芯22との間が密封されて霧化液が吸気室230に漏れることがないことを確保する。骨格体214は硬質材料で製造され、これにより、霧化芯ホルダ21はある程度の剛性及び強度を有し、霧化芯ホルダ21が変形して外れるや液漏れすることはない。
【0034】
図2、
図7、及び
図8に示すように、霧化芯ホルダ21の内部には、吸い込み口10と霧化通路2210とを連通させる霧吐出貫通孔216が設けられる。霧吐出貫通孔216は、霧化芯ホルダ21の中心部に設けられる。
【0035】
図2、
図6、及び
図7に示すように、霧化芯ホルダ21とケーシング1の内壁との間のキャビティが霧化液を貯留する貯液室120となり、霧化芯ホルダ21の内部には貯液室120と霧化芯22を連通させる導液貫通孔217が設けられる。
【0036】
図2、
図3、
図20、及び
図21に示すように、霧化芯22とベース23との間には、霧化芯22の霧化通路2210に連通する吸気室230がさらに設けられ、ベース23によりケーシング1の開口部13が塞がれる。ケーシング1の接続端12の壁部には、吸気室230に連通する主吸気孔15が設けられ、外部の気体が主吸気孔15及び霧化芯ホルダ21とベース23との間の隙間を介して吸気室230に入ることができる。
【0037】
図10~
図15に示すように、霧化芯22は、微細孔材料で製造され、霧化液を輸送するための霧化芯本体221と、霧化液を加熱するための発熱抵抗222と、を含み、この霧化芯本体221は、霧化液の輸送や浸透が容易な微細孔材料、特に微細孔セラミック材料又は微細孔珪藻土材料で製造される。霧化芯本体221には、霧化芯本体の中心に設けられる中心貫通孔2210からなり、霧化によるミスト又はエアロゾルが通過する霧化通路2210が設けられる。霧化芯本体221の上部には、導液貫通孔217に連通する導液溝2211が下方へ凹設されており、この導液溝2211は、霧化液を貯留して輸送するための、下方へ凹設された窪みであり、導液溝2211により、霧化液と霧化芯本体221との接触面積を大きくし、霧化液を霧化芯本体内に素早く導入することを可能とし、給液能力及び霧化効果を高めることができる。発熱抵抗222は、霧化芯本体221の下面に設けられ、両端に設けられた平面接触端2220を含み、この2つの平面接触端2220は、それぞれベース23に設けられる正、負電極ポスト233に当接して電気的に接続される。
【0038】
図3及び
図4に示すように、ケーシング1の接続端12の両側には第1嵌着孔121が設けられ、ベース23の側壁には第1嵌着孔121に嵌着する第1嵌着凸部231が設けられ、第1嵌着凸部231が第1嵌着孔121に嵌着することにより、ベース23はケーシング1内に簡便かつ取り外し不能に固定接続される。
【0039】
図5、
図7、及び
図16に示すように、霧化芯ホルダ21の下部の外壁には第2嵌着凸部2131が設けられ、ベース22の両側には突出部232が設けられ、突出部232には、第2嵌着凸部2131が嵌着する第2嵌着孔2321が設けられ、第2嵌着凸部2131に第2嵌着孔2321が嵌着することにより、霧化芯ホルダ21は、ベース22に簡便かつ取り外し不能に固定接続される。
【0040】
図2、
図4、
図17、及び
図18に示すように、ベース23の内部には、霧化芯本体221を上方へ支持する支持体233が設けられ、支持体233は、霧化芯本体221を上方へ支持し、霧化芯ホルダ21の凹部210内に固定する役割を果たし、また、支持体233により、ベース23内において吸気室230のための空間が形成される。本実施例では、この支持体が正負電極として機能する2本の正、負電極ポスト233からなり、この正、負電極ポスト233はそれぞれ発熱抵抗の両端の平面接触端2220に接触して電気的に接続される。正、負電極233は、ベース23の底部に設けられる電極貫通孔2330に取り付けられる。
【0041】
図2、
図17~
図19に示すように、ベース23には、吸気室230に連通する気流感知貫通孔235が設けられ、気流感知貫通孔235は、電池ユニット内の気流センサのエアダクトに連通し、気流センサのエアダクト内を気体が流れるときに、気流センサがトリガーされ、気流センサにより電子霧化装置に通電して作動させることができる。気流感知貫通孔235は、ベース23の両側に設けられ、気流感知貫通孔235の上部は管状体2351からなり、ベースの内底部よりも高いように形成される。管状体2351の頂部には傾斜カバー2352が設けられ、傾斜カバー2352に吸気小孔2353が設けられる。
【0042】
図2、
図4、及び
図17に示すように、ベース23の外底部の両側には止まり穴2340が設けられ、止まり穴2340内に磁石又は磁気材料234が嵌め込まれ、磁石又は磁気材料234は電池ユニットに設けられる別の磁石又は磁気材料(未図示)と相互吸引力を発生させて、アトマイザーと電池ユニットとを磁力により接続し、このように、アトマイザーが電池ユニットへ着脱しやすくなり、また、接続されたら、磁力による密着性により、アトマイザーの電池ユニットの電極への密着が保持され、電気的接続が持続される。
【0043】
本実施例の作動原理は以下のとおりである。
【0044】
図20に示すように、ユーザが吸い込み口10から気体を吸うときに、アトマイザーの内部で負圧が生じて、図における矢印aに示す方向に沿って、外部の気体が自発的に主吸気孔15から入り、霧化芯ホルダ21とベース23との間の隙間を経て吸気室230に入り、このとき、貯液室120内の霧化液が下方へ移動して導液貫通孔217を介して霧化芯の導液溝2211に流れ、霧化液は導液溝2211を通過して霧化芯本体221内にさらに浸透し、霧化芯本体221の下面にある発熱抵抗222まで拡散し、発熱抵抗222で加熱されると、霧化液は吸気室230内で霧化されて蒸気又はミストになり、発生した蒸気又はミストはさらに霧化通路2210、霧吐出貫通孔216、霧吐出管14、吸い込み口10を通過してユーザにより口腔に吸われる。
【0045】
図21に示すように、ユーザが吸い込み口10から気体を吸うときに、上記の通り、吸気室230を含むアトマイザーの内部で負圧が生じ、図における矢印bに示す方向に沿って、ベースの気流感知貫通孔235から上方へ吸気し、気流感知貫通孔235は電池ユニット内の気流センサのエアダクトに連通するため、気流感知貫通孔235から上方へ吸気すると、気流センサのエアダクト内を気体が流れ、これにより、気流センサがトリガーされて、電子霧化装置を通電して作動させる。
他の実施例
【0046】
別の実施例では、上記実施例と比べて、上記主吸気孔15は第1嵌着孔121(未図示)に結合してもよく、また、ベース23の構造は異なる。
図22に示すように、ベース23の第1嵌着凸部231には、第1嵌着孔121に連通する第2主吸気孔2310が設けられ、これにより、外部の気体は第1嵌着孔121、第2主吸気孔2310を通過して吸気室230に入ることができる。
【0047】
更なる実施例では、上記実施例と比べて、ベース23の構造は異なる。
図23、
図24に示すように、ベース23には、吸気室230に連通する気流感知貫通孔235が設けられ、気流感知貫通孔235はベース23の中心部に設けられ、気流感知貫通孔235の上部は管状体2351からなり、ベースの内底部よりも高いように形成され、管状体2351の頂部に吸気小孔2353が設けられる。
【0048】
更なる実施例では、上記実施例と比べて、ベース23の構造は異なる。
図23~
図27に示すように、ベース23には、吸気室230に連通する気流感知貫通孔235が設けられ、気流感知貫通孔235はベース23の中心部に設けられ、気流感知貫通孔235の上部は管状体2351からなり、ベースの内底部よりも高いように形成され、管状体2351の頂部には、傾斜カバー2352が設けられ、管状体2351の傾斜カバー2352側の壁部のうち高い方の壁部に気流感知吸気ノッチ2354が設けられる。
【0049】
更なる実施例では、上記実施例と比べて、霧化芯22の構造は異なる。
図28、
図29に示すように、発熱抵抗222は霧化芯本体221の中心貫通孔2210の内壁に設けられ、発熱抵抗222の両端は平面接触端2220に接続され、平面接触端2220は霧化芯本体221の下面に設けられる。
【0050】
更なる実施例では、上記実施例と比べて、霧化芯22の構造は異なる。
図30、
図31に示すように、霧化芯本体221には、霧化芯本体の両側に形成された縦方向凹部2210からなる霧化通路2210が設けられる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲内で行われる変化及び修正であれば、本発明の特許請求の範囲による範囲内であるものとする。