(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】被検査デバイスを検査するように構成されるプローブシステム、及びプローブシステムを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241017BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20241017BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/66 H
G01R31/26 J
G01R31/28 K
(21)【出願番号】P 2023545330
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 US2021056673
(87)【国際公開番号】W WO2022164489
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-08-10
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505377474
【氏名又は名称】フォームファクター, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100226263
【氏名又は名称】中田 未来生
(72)【発明者】
【氏名】マルティン シュインドラー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン クレイシグ
(72)【発明者】
【氏名】トルステン キール
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-536242(JP,A)
【文献】特開2014-195097(JP,A)
【文献】特開昭61-225669(JP,A)
【文献】特開2008-082824(JP,A)
【文献】特開2004-101308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01R 31/26
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査デバイス(DUT)を検査するように構成されるプローブシステムであって、該プローブシステムは、
包囲容積部を画定する電磁気的に遮蔽された筐体と、
DUTを含む基板を支持するように構成される支持面を画定する温度制御チャックであり、前記支持面は前記包囲容積部内に位置決めされる、温度制御チャックと、
前記DUTに検査信号を供給し、前記DUTから結果信号を受信することの少なくとも一方を行うように構成される複数のプローブを含むプローブアセンブリと、
前記支持面に指向した顕微鏡光軸に沿って、前記DUTの顕微鏡光学像を収集するように構成される光学顕微鏡と、
前記DUTに選択的に磁場を印加するように構成される電磁石と、
電子制御された測位アセンブリであって、
(i)位置決めされるアセンブリを第1の2次元測位軸に沿って、かつ第1の2次元測位軸に少なくとも実質的に垂直な第2の2次元測位軸にも沿って、選択的に位置決めするように構成される2次元測位ステージであり、かつ前記第1の2次元測位軸及び前記第2の2次元測位軸は共に前記支持面に対して少なくとも実質的に平行である、該2次元測位ステージ、
(ii)前記光学顕微鏡を前記位置決めされるアセンブリに動作可能に取り付け、かつ前記光学顕微鏡を、前記支持面に対して少なくとも実質的に垂直である第1の1次元測位軸に沿って選択的に位置決めするように構成される第1の1次元測位ステージ、及び
(iii)前記電磁石を前記位置決めされるアセンブリに動作可能に取り付け、かつ前記電磁石を前記支持面に対して少なくとも実質的に垂直である第2の1次元測位軸に沿って選択的に位置決めするように構成される第2の1次元測位ステージ、
を含む、該電子制御された測位アセンブリと、
を備える、プローブシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記電磁気的に遮蔽された筐体は、さらに、前記包囲容積部へのアクセスを提供するように構成される開口部を画定する、プローブシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプローブシステムであって、
(i)前記顕微鏡光軸は、前記開口部に貫通する、
(ii)前記光学顕微鏡は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置決めされる、
(iii)前記電磁石は、前記開口部を介して前記DUTに前記磁場を印加するように構成される、及び
(iv)前記電磁石は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置決めされる、
のうち少なくとも1つである、プローブシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のプローブシステムであって、前記電子制御された測位アセンブリは、前記包囲容積部の外部にある、プローブシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記電磁気的に遮蔽された筐体は、非磁性筐体材料から完全に形成されている、プローブシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記温度制御チャックは、非磁性チャック材料から完全に形成されている、プローブシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記プローブアセンブリは、非磁性プローブアセンブリ材料から完全に形成されている、プローブシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記光学顕微鏡は、非磁性顕微鏡材料から完全に形成されている、プローブシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記電磁石は、非磁性磁石材料から完全に形成されている、プローブシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記電子制御された測位アセンブリは、前記第1の2次元測位軸と前記第2の2次元測位軸の両方に沿って、前記光学顕微鏡と前記電磁石との間の距離を少なくとも実質的に一定に維持するように構成される、プローブシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記電子制御された測位アセンブリは、非磁性測位アセンブリ材料から完全に形成されている、プローブシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記プローブシステムは、さらに、前記支持面から離れる方向に向けられるカメラ光軸に沿ってカメラ光学像を収集するように構成されるカメラを含む、プローブシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のプローブシステムであって、前記カメラは、前記包囲容積部内に位置決めされる、プローブシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のプローブシステムであって、前記カメラは、前記支持面から横方向にオフセットされる、プローブシステム。
【請求項15】
請求項12に記載のプローブシステムであって、前記カメラは、前記光学顕微鏡のDUTに対面する側、前記複数のプローブ、及び前記電磁石のDUTに対面する側のうち少なくとも1つの前記カメラ光学像を収集するように構成される、プローブシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のプローブシステムであって、前記プローブシステムは、さらに、磁場の磁場強度を定量化するように構成される磁場強度計を含む、プローブシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のプローブシステムであって、前記磁場強度計は、前記支持面から横方向にオフセットされる、プローブシステム。
【請求項18】
請求項1~17のうちいずれか一項に記載のプローブシステムであって、前記プローブシステムは、さらに、前記電磁石を電磁石動作温度範囲内に維持するように構成される電磁石温度制御アセンブリを含む、プローブシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のプローブシステムであって、前記温度制御チャックは、前記DUTのDUT温度を選択的に調節するように構成され、かつ、さらに、前記電磁石温度制御アセンブリは、前記DUT温度とは独立して前記電磁石を前記電磁石動作温度範囲内に維持するように構成される、プローブシステム。
【請求項20】
プローブシステムを動作させる方法であって、該方法は、
電子制御された測位アセンブリを用いて、電磁石を電磁気的に遮蔽された筐体の開口部の上方に少なくとも部分的に位置決めするステップであり、前記電磁石と光学顕微鏡との間の少なくとも実質的に固定された距離を維持しながら、前記電磁石及び前記光学顕微鏡を含む位置決めされるアセンブリを移動することを含む、該前記電磁石を位置決めするステップと、
前記電磁石と前記プローブシステムのプローブアセンブリの複数のプローブとの間の目標相対方位を確立するステップであり、前記電磁石のDUTに面する側を向くカメラ光軸を画定するカメラを介して前記電磁石と前記複数のプローブの両方を見ることを含む、該確立するステップと、
前記電子制御された測位アセンブリを用いて、前記光学顕微鏡の顕微鏡光軸が前記開口部を通って延在するように前記光学顕微鏡を位置決めするステップであって、前記電磁石と前記光学顕微鏡との間の前記少なくとも実質的に固定された距離を維持しながら前記位置決めされるアセンブリを移動することを含む、該光学顕微鏡を位置決めするステップと、
前記複数のプローブを被検査デバイス(DUT)
に整列させるステップであり、前記光学顕微鏡を用いて、前記複数のプローブ及び前記DUTを、前記開口部を介して、前記顕微鏡光軸に沿って観察し、さらに、前記顕微鏡光軸が前記DUTを含む基板の平面基板表面に向かって延在するものとして観察することを含む、該整列させるステップと、
前記整列させるステップに続いて、前記電磁石及び前記複数のプローブを前記目標相対方位に戻すステップと、
を備える、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記方法は、さらに、前記電磁石を用いて前記DUTに磁場を印加しながら、前記プローブシステムを用い、かつ前記複数のプローブを介して、前記DUTを検査するステップを含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記複数のプローブを前記DUTと前記整列させるステップに続いて、前記方法は、さらに、前記戻すステップの間と、前記検査するステップの間、前記複数のプローブと前記DUTとの間で固定された相対方位を維持するステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、前記検査するステップ中、前記DUTは、前記電磁気的に遮蔽された筐体内に位置決めされる、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記方法は、前記方法の全体にわたって、前記電磁気的に遮蔽された筐体を介して、前記DUTの電磁気的遮蔽を維持することを含む、方法。
【請求項25】
請求項20に記載の方法であって、前記方法は、さらに、前記電磁石及び前記複数のプローブを前記目標相対方位に前記戻すステップを容易にするために、前記目標相対方位を電子的に記憶するステップを含む、方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法であって、前記複数のプローブを前記DUTと前記整列させるステップは、
(i)前記プローブアセンブリのマニピュレータを利用して、前記複数のプローブのうちの少なくとも1つのプローブを移動させるステップ、及び
(ii)前記プローブシステムのチャック測位ステージを利用して前記DUTを移動させるステップ、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項27】
請求項20に記載の方法であって、前記目標相対方位を前記確立するステップ中、
(i)前記顕微鏡光軸は、前記開口部の外側にある、
(ii)前記顕微鏡光軸は、前記開口部から離間している、
(iii)前記
光学顕微鏡は、前記開口部を介して前記DUTを見ることができない、及び
(iv)前記電磁石は、前記光学顕微鏡に対して前記開口部に近接している、
のうちの少なくとも1つである、方法。
【請求項28】
請求項20に記載の方法であって、前記整列させるステップ中、
(i)前記電磁石は、前記開口部の外側にある、
(ii)前記電磁石は、前記開口部から離間している、
(iii)前記電磁石の前記DUTに面する側は、前記開口部から離間している、
(iv)前記電磁石の前記DUTに面する側は、前記開口部の外側にある、
(v)前記電磁石の前記DUTに面する側は、前記開口部に面していない、及び
(vi)前記光学顕微鏡は、前記電磁石に対して前記開口部に近接している、
のうちの少なくとも1つである、方法。
【請求項29】
請求項20~28のいずれかに記載の方法であって、前記電磁石と前記光学顕微鏡との間の前記少なくとも実質的に固定された距離を前記維持するステップは、
(i)前記電磁石と前記光学顕微鏡との間で固定された3次元の相対方位を維持するステップ、及び
(ii)前記顕微鏡光軸に対して少なくとも実質的に垂直に延在する平面内で、前記電磁石と前記光学顕微鏡との間で固定された相対的配向を維持するステップ、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2021年10月20日に出願された米国特許出願第17/506,081号、及び2021年1月27日に出願された米国仮特許出願63/142,203号の優先権を主張し、これらの全部の開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、一般的に、被検査デバイス(DUT:device under test)を検査するように構成されるプローブシステム、及び/又はプローブシステムを動作させる方法に関し、そして、より具体的には、DUTに磁場を印加するように構成される電磁石を含むようなプローブシステム及び/又は方法に関する。
【背景技術】
【0003】
プローブシステムは、被検査デバイス(DUT)の動作及び/又は性能を検査及び/又は定量化するために利用されることがあり、その例には、半導体デバイス、固体デバイス、電気デバイス、光学デバイス、及び/又は光電子デバイスを含む。いくつかのDUTによっては、DUTが磁場を受けるか、又は磁場に触れる間に、そのような検査を行うことが望ましい場合がある。DUTに磁場を印加するように構成されるプローブシステムが開発されている一方で、これらのプローブシステムは一般的に動作が遅く、及び/又はDUTに正確に制御された磁場を印加することができない。このように、被検査デバイスを検査するように構成される改良されたプローブシステム及び/又はプローブシステムを動作させる方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
被検査デバイスを検査するように構成されるプローブシステムとプローブシステムを動作させる方法とが、本明細書に開示される。プローブシステムは、包囲容積部を画定する電磁気的に遮蔽された筐体と、DUTを含む基板を支持するように構成される支持面を画定する温度制御チャックと、を含む。前記支持面は、前記包囲容積部内に位置決めされる(positioned)。前記プローブシステムはまた、プローブアセンブリと、光学顕微鏡と、電磁石と、電子制御された測位アセンブリと、をも含む。前記プローブアセンブリは、前記DUTに検査信号を供給し、及び/又は前記DUTから結果信号を受信するように構成される複数のプローブを含む。前記光学顕微鏡は、前記支持面に向けられた顕微鏡光軸に沿って前記DUTの顕微鏡光学像を収集するように構成される。前記電磁石は、前記DUTに選択的に磁場を印加するように構成される。前記電子制御された測位アセンブリは、位置決めされるアセンブリを第1の2次元測位軸に沿って、かつ第1の2次元測位(positioning)軸に少なくとも実質的に垂直な第2の2次元測位軸にも沿って、選択的に位置決めする(position)ように構成される2次元測位ステージを含む。前記第1の2次元測位軸及び前記第2の2次元測位軸は共に前記支持面に対して少なくとも実質的に平行である。また、前記電子制御された測位アセンブリは、前記光学顕微鏡を前記位置決めされるアセンブリに動作可能に取り付け、かつ前記光学顕微鏡を、前記支持面に対して少なくとも実質的に垂直である第1の1次元測位軸に沿って選択的に位置決めするように構成される第1の1次元測位ステージをも含む。前記電子制御された測位アセンブリは、さらに、前記電磁石を前記位置決めされるアセンブリに動作可能に取り付け、前記電磁石を前記支持面に対して少なくとも実質的に垂直である第2の1次元測位軸に沿って選択的に位置決めするように構成される第2の1次元測位ステージを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示による、プローブシステムの一例の正面図である。
【
図2】本開示による、複数のマニピュレータと複数のニードルプローブ形態のプローブアセンブリを含むプローブシステムの一部分における一例の投影図である。
【
図3】本開示による、プローブカード形態のプローブアセンブリを含むプローブシステムの一部分における一例の投影図である。
【
図4】本開示による、複数のマニピュレータ及び複数のニードルプローブ形態のプローブアセンブリを含むプローブシステムの一部分における一例の側面図である。
【
図5】本開示による、プローブシステムの例の概略図である。
【
図6】本開示による、プローブシステムを動作させる方法の例を描写したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1~5は、本開示による、プローブシステム10並びに/又はその構成要素及び/若しくは特徴の例を提供する。同様の、又は少なくともほぼ同様の目的を果たす要素は、
図1~5の各々において同様の番号で符号付けされ、かつ、これらの要素は、
図1~5の各々への参照を用いて本明細書で具体的に論じられない場合がある。同様に、全ての要素は、
図1~5の各々において符号付けされない場合があるが、一貫性のために、それに関連する参照数字が本明細書で利用される場合がある。
図1~5の1つ以上への参照を用いて本明細書で論じられる要素、構成要素、及び/又は特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、
図1~5のいずれかに含まれ、及び/又は共に利用される場合がある。一般的に、特定の実施形態に含まれる可能性が高い要素は実線で図示され、任意である要素は破線で図示される。しかしながら、実線で示される要素は、すべての実施形態に必須であるとは限らず、いくつかの実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく省略される場合がある。
【0007】
図1~5によって集合的に図示されるように、プローブシステム10は、基板20上に形成され、及び/又は基板20によって支持され得る被検査デバイス(DUT)22を検査するように構成されてもよい。基板20の例は、平面基板表面24を画定する平面基板、半導体基板、及び/又は光学的に活性な基板、を含む。DUT22の例は、電子デバイス、半導体デバイス、光学デバイス、及び/又は光電子デバイスを含む。
【0008】
プローブシステム10は、筐体30を含み、またこれは、本明細書において、電磁気的に遮蔽された筐体30と呼ばれる場合があり、及び/又は電磁気的に遮蔽された筐体30である場合がある。筐体30は、包囲容積部32を形成する、画定する、取り囲む、及び/又は少なくとも部分的に境界付けすることができる。
【0009】
プローブシステム10はまた、チャック40を含み、またこれは、本明細書において、温度制御チャック40とも称される、及び/又は温度制御チャック40であり得る。チャック40は、基板20を支持するために形状化され、サイズ化され、及び/又は構成され得る支持面42を画定してもよい。支持面42は、筐体30の包囲容積部32内に位置決めされてもよい。
【0010】
プローブシステム10は、さらに、プローブアセンブリ60を含む。プローブアセンブリ60は、複数のプローブ62を含み、かつ、DUT22に検査信号82を供給する、及び/又はDUTから結果信号84を受信するように構成されてもよい。いくつかの例では、
図2及び
図4~5に図示されているように、プローブアセンブリ60は、複数のマニピュレータ66及びそれぞれに対応する複数のニードルプローブ68を含み、これらはプローブ62を含んでもよい。いくつかの例では、
図3及び
図5に図示されるように、プローブアセンブリ60は、プローブカード64を含んでもよく、これは、本明細書ではプローブカードアセンブリ64とも称され、及び/又はプローブ62を含んでいることがあり得る。プローブ62の例は、電気プローブ及び/又は光学プローブを含む。マニピュレータ66の例は、1次元、2次元、及び/又は3次元マニピュレータを含み、これらは、リードスクリュー及びナットアセンブリ、ボールスクリュー及びナットアセンブリ、ラック及びピニオンアセンブリ、リニアアクチュエータ、並びに/又はロータリーアクチュエータを含でもよい。
【0011】
プローブシステム10は、
図1及び
図5に図示されるように、光学顕微鏡90も含む。光学顕微鏡90は、顕微鏡光軸92に沿ってDUT22及び/又はプローブ62の顕微鏡光学像を収集するように構成されてもよい。顕微鏡光軸92は、支持面42、DUT22、及び/又は基板20に向けられてもよい。別の言い方をすると、顕微鏡90は、顕微鏡光軸92に沿って、並びに/又は顕微鏡光軸92から、支持面42から、DUT22から、及び/若しくは基板20からそこに入射する光を収集するように構成されてもよい。
【0012】
プローブシステム10は、
図1~
図5に図示されるように、電磁石100を更に含む。電磁石100は、
図5に図示されるように、DUT22に磁場102を印加するように適合化する、構成する、設計する、及び/又は構築することができる。
【0013】
プローブシステム10はまた、
図1及び
図5に図示されるように、電子制御された測位アセンブリ110を含む。電子制御された測位アセンブリ110は、2次元測位ステージ120、第1の1次元測位ステージ130、及び第2の1次元測位ステージ140を含む。
【0014】
引き続き
図1及び
図5につき説明すると、2次元測位ステージ120は、位置決めされるアセンブリ126を選択的に位置決めするように構成されてもよい。これは、
図5のX軸に平行であってもよいなどのような第1の2次元測位軸122に沿って位置決めされるアセンブリを選択的に位置決めすること、かつ
図5のY軸に平行であってもよいなどのような第2の2次元測位軸124にも沿って位置決めすることを含んでもよい。第2の2次元測位軸124は、第1の2次元測位軸122に対して垂直、又は少なくともほぼ垂直であってもよい。第1の2次元測位軸122及び第2の2次元測位軸124は共に、チャック40の支持面42に対して、及び/又は基板がチャックによって支持されているときの基板20の上面に対して平行、又は少なくともほぼ平行であってよい。
【0015】
引き続き
図6につき説明すると、第1の1次元測位ステージ130は、光学顕微鏡90を位置決めされるアセンブリ126に動作可能に取り付けてもよく、及び/又は、光学顕微鏡を第1の1次元測位軸132に沿って選択的に位置決めするように構成されてもよい。第2の1次元測位ステージ140は、電磁石100を位置決めされるアセンブリ126に動作可能に取り付けてもよく、及び/又は、電磁石を第2の1次元測位軸142に沿って選択的に位置決めするように構成されてもよい。第1の1次元測位軸132及び/又は第2の1次元測位軸142は、互いに平行、若しくは少なくともほぼ平行であってよく、
図5のZ軸に対して、平行、若しくは少なくともほぼ平行であってよく、及び/又はチャック40の支持面42に対して、若しくは基板がチャックによって支持されるときに基板20の上面に対して、垂直、若しくは少なくともほぼ垂直であってもよい。
【0016】
筐体30は、包囲容積部を周囲の電磁放射から遮蔽し得る、並びに/又はプローブシステム10を囲む周囲環境を包囲容積部内で発生する電磁放射及び/若しくは磁場から遮蔽し得る、包囲容積部32を少なくとも部分的に画定してもよい任意の適切な構造を含んでもよい。一例として、筐体30は、
図1及び
図5に図示されるように、筐体材料36を含んでもよく、及び/又は筐体材料36から形成されてもよい。筐体材料36は、電磁気遮蔽材料、電磁気反射材料、電磁気吸収材料、磁気遮蔽材料、磁気反射材料、及び/若しくは磁気吸収材料を含んでもよく、並びに/又はそれらであってもよい。筐体30はまた、本明細書において、ハウジング30、電磁気的に遮蔽されたハウジング30、囲み30、及び/又は電磁気的に遮蔽された囲み30として言及される場合がある。
【0017】
いくつかの例では、筐体30は、
図1及び
図5に図示されるように、開口部34を画定してもよい。開口部34は、存在するとき、包囲容積部32へのアクセスを与えるように、形状化、サイズ化、位置決め、及び/又は構成されてもよい。例として、いくつかの構成では、光学顕微鏡90は、少なくとも部分的に開口部34内に位置決めされてもよく、顕微鏡光軸92は、開口部34を通って延在してもよく、電磁石100は、開口部34を介して磁場102をDUT22に印加するように構成されてもよく、電磁石は、少なくとも部分的に開口部内に位置決めされてもよく、並びに/又はプローブアセンブリ60の少なくとも一領域は、開口部内に及び/若しくは開口部に貫通してもよい。いくつかの例では、電子制御された測位アセンブリ110は、包囲容積部32及び/若しくは開口部34の外部、又は少なくとも部分的に外部であってもよい。
【0018】
チャック40は、支持面42を含んでもよく、及び/若しくは画定してもよい、並びに/又は基板20を支持するためにサイズ化、構成、及び/若しくは形状化してもよい、任意の適切な構造を含んでもよい。いくつかの例では、詳述したように、チャック40は、温度制御チャック40を含む、及び/又は温度制御チャック40であってもよい。いくつかのそのような例では、チャック40は、チャック、基板、及び/若しくはDUT22の温度を選択的に制御及び/若しくは調節するように構成され得るチャック温度コントローラ48を含んでもよく、並びに/又はこれと熱的に連通してもよい。
【0019】
いくつかの例では、
図5に図示されるように、チャック40は、三軸チャック40を含む、及び/又は三軸チャック40であってもよい。いくつかのそのような構成では、チャック40は、複数のチャック層44を含んでもよい。具体的な例では、チャック層44は、基板20及び/又はDUT22に電磁遮蔽を行うために、互いに相対するなどのような、異なる電位に維持されている電気伝導性チャック層について電気絶縁性チャック層44及び電気伝導性チャック層44を交互に、又は断続的に含んでもよい。
【0020】
いくつかの例では、プローブシステム10及び/又はチャック40は、
図5に図示されるように、チャック測位ステージ50を含んでもよい。チャック測位ステージ50は、存在するとき、チャック40をプローブアセンブリ60に対して、光学顕微鏡90に対して、及び/若しくは電磁石100に対して選択的に移動、並進、並びに/又は回転させるように構成されてもよい。チャック測位ステージ50の例には、任意の適切なリニアアクチュエータ及び/又はロータリーアクチュエータを含む。
【0021】
光学顕微鏡90は、顕微鏡光学像を収集及び/若しくは生成するために適合化、構成、設計、並びに/又は構築され得る任意の適切な構造を含んでもよい。例として、光学顕微鏡90は、レンズ、対物レンズ、ミラー、並びに/又は、カメラ及び/若しくは電荷結合デバイスなどのような光学撮像デバイスを含んでもよい。
【0022】
いくつかの例では、図示されるように、光学顕微鏡90は、包囲容積部32の外部、又は少なくとも部分的に外部に位置決めされてもよい。追加的又は代替的に、電子制御された測位アセンブリ110は、光学顕微鏡による顕微鏡光学像の収集を可能及び/若しくは容易にするなどのように、光学顕微鏡90を開口部34内並びに/又は近傍に選択的に位置決めするように構成されてもよい。
【0023】
電磁石100は、磁場102を作り出す、生成する、放出する、選択的に作り出す、選択的に生成する、選択的に放出する、及び/若しくは磁場をDUTに印加するために適合化、構成、設計、並びに/又は構築され得る任意の適切な構造を含んでもよい。例として、電磁石100は、電流源、及び/又は金属コイルなどのような電気伝導性材料のコイルを含んでもよい。
【0024】
いくつかの例では、図示されるように、電磁石100は、包囲容積部32の外部、又は少なくとも部分的に外部に位置決めされてもよい。追加的又は代替的に、電子制御された測位アセンブリ110は、電磁石によるDUTへの磁場の印加を可能及び/又は容易にするなどのようなために、電磁石100を開口部34内及び/又は近傍に選択的に位置決めするように構成されてもよい。
【0025】
電子制御された測位アセンブリ110は、2次元測位ステージ120、第1の1次元測位ステージ130、及び/又は第2の1次元測位ステージ140を含み得る任意の適切な構造を含んでもよい。追加的又は代替的に、電子制御された測位アセンブリ110は、基板20及び/若しくはDUT22に対して光学顕微鏡90及び/若しくは電磁石100を選択的に位置決め、若しくは独立して位置決めするために適合化、構成、設計、並びに/又は構築され得る任意の適切な構造を含んでもよい。これは、
図5のX軸、Y軸、及び/若しくはZ軸に沿ってなどのような、1、2、及び/若しくは3次元における光学顕微鏡並びに/又は電磁石の選択的な位置決めを含んでもよい。電子制御された測位アセンブリ110、2次元測位ステージ120、第1の1次元測位ステージ130、及び/若しくは第2の1次元測位ステージ140に含まれ得る、並びに/又はそれらと共に利用され得る構造の例は、リードねじ及びナット、ボールねじ及びナット、ラック及びピニオンアセンブリ、線形アクチュエータ、圧電アクチュエータ、並びに/又はステッピングモータを含む。
【0026】
いくつかの例では、電子制御された測位アセンブリ110は、
図1及び
図5に図示されるように、電磁石100と光学顕微鏡90との間の距離112を一定、又は少なくとも実質的に一定に維持するように構成されてもよい。距離112は、第1の2次元測位軸122に沿って、第2の2次元測位軸124に沿って、並びに/又は第1の2次元測位及び第2の2次元測位によって画定される平面内で、測定されてもよい。
【0027】
いくつかの例では、そしておそらく
図3及び
図5に最もよく図示されているように、プローブシステム10は、カメラ150を含んでもよく、これはまた、本明細書では上向きカメラ150と呼ばれる場合がある。カメラ150は、存在するとき、
図5に図示されるように、支持面42から離れる方向、又は支持面42に対して垂直な方向に向けられるカメラ光軸152に沿ってカメラ光学像を収集するように構成されてもよい。また、図示されるように、カメラ150は、包囲容積部32内に位置決めされてもよく、及び/又は、支持面42からオフセット、若しくは横方向にオフセットされてもよい。いくつかの例では、カメラ150は、プローブ62の、光学顕微鏡90のDUTに対面する側面96の、及び/又は電磁石100のDUTに対面する側面106のカメラ光学像を収集するように構成されてもよい。これは、プローブ62、光学顕微鏡90、及び/又は電磁石100がカメラ光軸152に沿って位置決めされた(positioned)及び/又は整列された(aligned)ときのカメラ光学像の収集を含んでもよい。
【0028】
一例として、プローブシステム10は、カメラ光学像の収集を可能及び/又は容易にするために、プローブ62、光学顕微鏡90、及び/若しくは電磁石100をカメラ150に近接並びに/又は上方に選択的に位置決めするように構成されてもよい。この選択的な位置決めは、カメラ150を移動及び/若しくは位置決めするためにチャック測位ステージ50を利用し、顕微鏡90及び/若しくは電磁石100を移動並びに/若しくは位置決めするために電子制御された測位アセンブリ110を利用し、並びに/若しくはプローブ62を移動するためにマニピュレータ66を利用することで容易にする、並びに/又は達成することができる。
【0029】
いくつかの例では、そしておそらく
図2~3及び5に最もよく図示されているように、プローブシステム10は、磁場強度計162を含んでもよい。磁場強度計162は、存在するとき、電磁石100によって作り出される磁場102の磁場強度を定量化するように構成されてもよい。一例として、プローブシステム10は、磁場強度の定量化を可能及び/又は容易にするために、電磁石100を磁場強度計162に近接及び/又は上方(例えば、
図5のZ軸に沿って)に選択的に位置決めするように構成されてもよい。磁場強度計162の例には、ホールセンサ及び/又は3軸磁場強度計を含む。
【0030】
図示されるように、磁場強度計162は、包囲容積部32内に位置決めされてもよく、及び/又は支持面42からオフセット、若しくは横方向にオフセットされてもよい。いくつかの例では、プローブシステム10は、支持面から横方向にオフセットされ得る補助チャック160を含んでもよく、かつ、磁場強度計162は、補助チャックの一部を形成してもよく、及び/又は補助チャック上に画定されてもよい。
【0031】
いくつかの例では、そしておそらく
図5に最もよく図示されているように、プローブシステム10及び/又はその電磁石100は、磁石温度制御アセンブリ108を含んでもよい。磁石温度制御アセンブリ108は、存在するとき、磁石を磁石動作温度範囲内に維持するために磁石を選択的に加熱及び/又は冷却することなどのようによって、電磁石100を磁石動作温度範囲内に維持するように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの例では、論じられたように、チャック40は、DUT22のDUT温度を選択的に調節するように構成され得る温度制御チャックを含んでもよく、及び/又は温度制御チャックであってもよい。いくつかのそのような構成では、磁石温度制御アセンブリ108は、DUT温度とは独立して磁石を磁石動作温度範囲内に維持するように構成されてもよい。換言すれば、プローブシステム10は、電磁石100の温度及びDUT22の温度を独立して制御及び/又は調節するように構成されてもよい。このような構成は、DUT22が、目標の、指定された、若しくは特定の磁石動作温度範囲外にある、又は電磁石100を目標の、指定された、若しくは特定の磁石動作温度範囲外にさせるDUT温度で維持されるとき、電磁石100の動作を可能及び/又は容易にすることができる。
【0033】
本明細書でより具体的に論じられるように、プローブシステム10は、DUTを検査している間にDUT22に磁場を印加するために利用することができる電磁石100を含む。このことを念頭に置いて、プローブシステム10の1つ以上の構成要素は、磁気的に活性でない、非磁性である、及び/若しくは非鉄である対応する材料並びに/若しくは複数の材料を含んでもよい、それらから形成されてもよい、又はそれらから完全に形成されてもよい。このような構成は、磁場102の乱れ及び/又は不均一性の可能性を減少させ得る。
【0034】
一例として、筐体30は、非磁性筐体材料及び/若しくは非鉄筐体材料であってもよい1つ以上の筐体材料36から形成されてもよい、又はそれらから完全に形成されてもよい。別の例として、チャック40は、非磁性チャック材料及び/若しくは非鉄チャック材料であってもよい1つ以上のチャック材料46から形成されてもよい、又はそれらから完全に形成されてもよい。さらに別の例として、プローブアセンブリ60は、非磁性プローブアセンブリ材料及び/若しくは非鉄プローブアセンブリ材料であってもよい1つ以上のプローブアセンブリ材料70から形成されてもよい、又はそれらから完全に形成されてもよい。別の例として、光学顕微鏡90は、非磁性顕微鏡材料及び/若しくは非鉄顕微鏡材料であってもよい1つ以上の顕微鏡材料94から形成されてもよい、又はそれらから完全に形成されてもよい。さらに別の例として、電磁石100は、非磁性磁石材料及び/又は非鉄磁石材料であってもよい1つ以上の磁石材料104から形成されてもよい、又はそれらから完全に形成されてもよい。別の例として、電子制御された測位アセンブリ110は、非磁性測位アセンブリ材料及び/又は非鉄測位アセンブリ材料であってもよい1つ以上の測位アセンブリ材料114から形成されてもよい、又はそれらから完全に形成されてもよい。
【0035】
図5に図示されるように、プローブシステム10は、信号生成及び解析アセンブリ80を含んでもよい。信号生成及び解析アセンブリ80は、存在するとき、検査信号82を生成する、結果信号84を受信する、並びに/若しくは検査信号82及び/若しくは結果信号84に少なくとも部分的に基づいてDUT22の動作を定量化するように適合化、構成、設計、並びに/又はプログラムされてもよい。
【0036】
また
図5に図示されるように、プローブシステム10は、コントローラ170を含んでもよい。コントローラ170は、存在するとき、プローブシステムの少なくとも1つの他の構成要素の動作を制御するように適合化、構成、設計、及び/又はプログラムされてもよい。一例として、コントローラ170は、温度制御チャック40、プローブアセンブリ60、光学顕微鏡90、電磁石100、電子制御された測位アセンブリ110、カメラ150、及び/又は磁場強度計162の動作を制御するようにプログラムされてもよい。
【0037】
プローブシステム10の動作中、電子制御された測位アセンブリ110及び/又はカメラ150は、電磁石100が開口部34内及び/又は開口部34に貫通する間、プローブ62及び/又は電磁石100をDUT22に対して正確に位置決めするために利用してもよい。換言すれば、プローブシステム10は、光学顕微鏡90がプローブ及び/又は電磁石を見ることができないとき、プローブ62、電磁石100、及びDUT22の間の正確な位置決め(positioning)及び/若しくは整列(alignment)を可能、並びに/又は容易にする。これは、DUTの周囲の電磁遮蔽を維持しながら、プローブシステム10による1つ以上のDUT22を検査することを可能、及び/又は容易にし得る。このような構成は、磁石を手動で再位置決めするために筐体を開くこと、及び/又は電磁遮蔽を「壊す」ことを必要とする先行技術のプローブシステムとは対照的であり得る。加えて、電子的に制御された測位アセンブリ110及びカメラ150は、先行技術のプローブシステムと比較して、プローブ62、電磁石100、及びDUT22間のより一層正確な整列を可能及び/又は容易にし得る。
【0038】
一例として、電磁石100は、開口部34の上方及び/又は開口部34内で、かつプローブ62の上方に位置決めされてもよい。加えて、カメラ150は、プローブ62及び電磁石100の両方の下方に位置決めされてもよく、又はプローブと電磁石との間の3次元での正確な相対的配向を決定及び/又は確立するために利用されてもよい。続いて、光学顕微鏡90は、開口部34の上方及び/又は開口部34内に位置決めされてもよく、かつプローブ62をDUT22に整列させる(align)ために利用されてもよい。その後、電磁石100は、上方に再位置決めされ(repositioned)てもよく、開口部34内に再位置決めされてもよく、及び/又はプローブ62とDUT22との間の整列(alignment)の前にその位置に戻されてもよい。電磁石は、その後、プローブ62によるDUTの検査の間にDUT22に磁場102を印加するために利用されてもよい。
【0039】
電子制御された測位アセンブリ110は、上述の操作の間、電磁石100及び光学顕微鏡90を位置決めするために利用されてもよい。詳述したように、電子制御された測位アセンブリ110は、少なくとも第1の2次元測位軸122及び第2の2次元測位軸124によって画定される平面内で、電磁石と光学顕微鏡との間で固定された、若しくは少なくともほぼ固定された距離、並びに/又は相対方位を維持するように構成される。このように、電磁石100とプローブ62との間における初期整列中(during initial alignment)の電子制御された測位アセンブリの様々な構成要素の位置の知識は、カメラ150を利用して電磁石及び/又はプローブを見る必要なしに、電磁石とプローブとの間におけるその後の再整列(realignment)を可能にし、それによってプローブとDUTとの間の整列を維持することを可能にする。
【0040】
図6は、本開示によるプローブシステムを動作させる方法200の追加の例を描くフローチャートである。方法200は、電磁石を位置決めするステップ210、目標相対方位を確立するステップ220を含む。方法200は、目標相対方位を記憶するステップ230を含んでもよく、かつ、方法200は、光学顕微鏡を位置決めするステップ240と、プローブを被検査デバイスに整列させるステップ250とを含む。方法200はまた、目標相対方位に戻るステップ260を含み、固定相対方位を維持するステップ270、DUTを検査するステップ280、及び/又は電磁遮蔽を維持するステップ290を含んでもよい。
【0041】
電磁石を位置決めするステップ210は、電磁石を少なくとも部分的にプローブシステムの電磁気的に遮蔽された筐体の開口部の上方及び/又は近傍に位置決めするステップを含んでもよい。換言すれば、位置決めするステップ210は、電磁石によって作り出される磁場が筐体の中に延在し、及び/又はプローブシステムによって検査されるように位置決めされる被検査デバイス(DUT)に印加されるように電磁石を位置決めするステップを含んでもよい。いくつかの例では、位置決めするステップ210は、プローブシステムの電子制御された測位アセンブリを用いて、介して、及び/又は利用して、電磁石を位置決めするステップを含んでもよい。いくつかの例では、位置決めするステップ210は、電磁石及び光学顕微鏡を含む測位アセンブリを移動させるステップを含んでもよい。いくつかの例では、位置決めするステップ210は、例えば、移動中に、電磁石と光学アセンブリとの間で固定された、又は少なくともほぼ固定された距離を維持するステップを含んでもよい。
【0042】
電磁石の例は、電磁石100を参照して本明細書に開示されている。電磁気的に遮蔽された筐体及び開口部の例は、それぞれ電磁気的に遮蔽された筐体30及び開口部34を参照して本明細書に開示される。DUTの例は、DUT22を参照して本明細書に開示される。電子制御された測位アセンブリの例は、電子的に制御された測位アセンブリ110を参照して本明細書に開示される。位置決めされるアセンブリの例は、位置決めされるアセンブリ126を参照して本明細書に開示される。光学顕微鏡の例は、光学顕微鏡90を参照して本明細書に開示される。電磁石と光学アセンブリとの間で固定された、又は少なくともほぼ固定された距離の例は、距離112を参照して本明細書に開示される。
【0043】
目標相対方位を確立するステップ220は、電磁石とプローブシステムのプローブアセンブリにおける複数のプローブとの間で目標相対方位を確立するステップを含み得る。いくつかの例では、確立するステップ220は、カメラを介して電磁石及び複数のプローブの両方を見ることを含んでもよい。カメラは、電磁石のDUTに面する側面に対面し得るカメラ光軸を画定してもよい。
【0044】
確立するステップ220は、電磁石が開口部内に位置決めされている間、電磁石が開口部に近接して位置決めされている間、及び/又は光学顕微鏡が開口部を通して光学像を収集できないなどように電磁石が位置決めされている間、目標相対方位を確立するステップを含んでもよい。換言すれば、確立するステップ220の間、光学顕微鏡の顕微鏡光軸は開口部の外側にあり、顕微鏡光軸は開口部から離間し、顕微鏡は開口部を介してDUTを見ることができず、及び/又は電磁石は光学顕微鏡に対して開口部に近接している場合がある。このことを念頭に置いて、確立するステップ220は、光学顕微鏡を用いずに、又は利用せずに、ターゲットの相対的方位を確立するステップを含んでもよい。
【0045】
複数のプローブの例は、プローブ62を参照して本明細書に開示される。プローブアセンブリの例は、プローブアセンブリ60を参照して本明細書に開示される。カメラの例は、カメラ150を参照して本明細書に開示される。
【0046】
目標相対配向を記憶するステップ230は、目標相対配向を記憶するステップ、保存するステップ、及び/又は他の方法で保持するステップを含んでもよい。いくつかの例では、記憶するステップ230は、少なくとも方法200のサブセットを行う、及び/又はプローブシステムを制御するコントローラを介するなどのような、目標相対方位を電子的に記憶することを含んでもよい。いくつかの例では、記憶するステップ230は、戻すステップ260を可能及び/又は容易にするために、目標相対方位を記憶するステップを含んでもよい。コントローラの例は、コントローラ170を参照して本明細書に開示される。
【0047】
光学顕微鏡を位置決めするステップ240は、光学顕微鏡の顕微鏡光軸が開口部を貫通し、複数のプローブに入射し、及び/又はDUTに入射するように光学顕微鏡を位置決めするステップを含んでもよい。いくつかの例では、位置決めするステップ240は、電子制御された測位アセンブリを用いて、介して、及び/又は利用して位置決めするステップを含んでもよい。いくつかの例では、位置決めするステップ240は、位置決めされるアセンブリを移動するステップを含んでもよい。いくつかのそのような例では、移動するステップは、電磁石と光学顕微鏡との間で固定された、又は少なくともほぼ固定された距離を維持しながら移動するステップを含んでもよい。
【0048】
プローブをDUTに整列させるステップ250は、複数のプローブを、DUT上に形成され得る、及び/又はDUTによって画定され得る任意の適切な構造に整列させるステップを含んでもよい。一例として、複数のプローブは、複数の光学プローブを含んでもよい。そのような例では、整列させるステップ250は、複数の光学プローブをDUT上の対応する複数の結合構造に整列させるステップを含んでもよい。別の例として、複数のプローブは、複数の電気プローブを含んでもよい。そのような例では、整列させるステップ250は、複数の電気プローブをDUT上の対応する複数の接触位置に整列させるステップを含んでもよい。
【0049】
整列させるステップ250は、光学顕微鏡を用いて、開口部を介して、及び/又は顕微鏡光軸に沿って、複数のプローブ及びDUTを観察するステップ、視覚的に観察するステップ、及び/又は光学的に観察するステップを含んでもよい。顕微鏡光軸は、DUTを含む及び/若しくは画定する基板の平面的な基板表面に向かって延在してもよく、並びに/又は、その基板表面に入射してもよい。
【0050】
いくつかの例では、整列させるステップ250は、プローブアセンブリのマニピュレータを利用して達成され得るなどのような、複数のプローブのうち少なくとも1つのプローブを動かすステップを含んでもよい。いくつかの例では、整列させるステップ250は、プローブシステムのチャック測位ステージを利用して達成され得るなどのような、DUTを移動するステップを含んでもよい。
【0051】
位置決めするステップ240は、光学顕微鏡を用いて複数のプローブ及びDUTの観察を可能、並びに/又は容易にするために、電磁石を開口部から離すステップを含んでもよい。換言すれば、プローブシステムは、電磁石及び光学顕微鏡のうち一方のみを、所与の時点で開口部内及び/又は開口部の上方に位置決めするように構成されてもよく、かつ、整列させるステップ250中に、光学顕微鏡を、電磁石に対して開口部内に位置決めし、開口部の上に位置決めする、及び/又は開口部に近接させてもよい。このことを念頭に置いて、整列させるステップ250は、電磁石が開口部の外側にある間、電磁石が開口部から離間している間、電磁石のDUTに面する側が開口部から離間している間、電磁石のDUTに対面する側面が開口部の外側にある間、及び/又は電磁石のDUTに対面する側面が開口部に対面しない間、に行われてもよい
【0052】
基板の例は、基板20を参照して本明細書に開示される。DUTの例は、DUT22を参照して本明細書に開示される。マニピュレータの例は、マニピュレータ66を参照して本明細書に開示される。チャック測位ステージの例は、チャック測位ステージ50を参照して本明細書に開示される。
【0053】
目標相対方位に戻すステップ260は、確立するステップ220中に確立され得るなどのような、電磁石及び複数のプローブを目標相対方位に戻すステップを含んでもよく、また整列させるステップ250に続いて行われてもよい。これは、位置決めされるアセンブリを移動するステップ、及び/又は移動するステップ中に電磁石と光学顕微鏡との間で固定された、又は少なくともほぼ固定された距離を維持するステップを含んでもよい。
【0054】
固定された相対方位を維持するステップ270は、複数のプローブとDUTとの間で固定された、又は少なくともほぼ固定された相対方位を維持するステップを含んでもよい。これは、整列させるステップ250に続いて、戻すステップ260中、検査するステップ280中、及び/又は維持するステップ290中に、固定された、又は少なくともほぼ固定された、相対方位を維持するステップを含んでもよい。換言すれば、確立するステップ220中に、電磁石と複数のプローブとの間の目標相対方位が決定、確立、及び/又は記憶されてもよい。加えて、整列させるステップ250中、複数のプローブを、DUTに整列させてもよい。この整列は、プローブシステムが電磁石、複数のプローブ、及びDUTを同時に見ることができない場合があるという事実にもかかわらず、電磁石、複数のプローブ、及びDUTの全てが所望の、目標の、又は所定の相対方位を示すように、戻すステップ260中に維持され得る。
【0055】
詳述したように、維持するステップ270は、追加的又は代替的に、電磁石と光学顕微鏡との間で固定された、又は少なくともほぼ固定された距離を維持するステップを含んでもよい。これは、位置決めするステップ210中、確立するステップ220中、記憶するステップ230中、位置決めするステップ240中、整列させるステップ250中、戻すステップ260中、検査するステップ280中、及び/又は維持するステップ290中に、一定の、又は少なくともほぼ一定の距離を維持するステップを含んでもよい。これには、3次元における電磁石と光学顕微鏡との間で固定された相対方位を維持するステップ、及び/又は、顕微鏡光軸に対して垂直若しくは少なくともほぼ垂直に延在する平面内で電磁石と光学顕微鏡との間で固定された相対方位を維持するステップを含んでもよい。
【0056】
DUTを検査するステップ280は、プローブシステムの使用によりDUTを検査するステップを含んでもよい。これには、複数のプローブを用いて、介して、及び/若しくは利用してDUTを検査するステップ、並びに/又は電磁石を用いてDUTに磁場を印加しながらプローブシステムを検査するステップを含んでもよい。換言すれば、検査するステップ280は、さらに、電磁石の使用によりDUTに磁場を印加するステップを含んでもよく、また磁場を印加するステップは、複数のプローブの少なくとも1つのプローブを介して、DUTへの検査信号の供給、及び/又は複数のプローブの少なくとも1つのプローブを介して、DUTからの結果信号の受信を少なくとも部分的に同時に行ってもよい。
【0057】
DUTは、電磁気的に遮蔽された筐体内に位置決めされてもよい。換言すれば、方法200は、少なくとも方法200のサブセットの間に、電磁気的に遮蔽された筐体を用いて、DUTを電磁気的に遮蔽するステップを含んでもよい。具体的な例では、方法200は、方法200の全体にわたって、電磁遮蔽を維持するステップ290を含んでもよい。これには、対応するプローブと対応するDUTとの間、及び/又は対応するプローブと対応する電磁石との間の整列を可能にするために電磁遮蔽を破壊することを必要とし得る先行技術のプローブシステムと対照的であり得る。
【0058】
本明細書で使用する場合、第1の事物(entity)と第2の事物との間に置かれた用語「及び/又は」は、(1)第1の事物、(2)第2の事物、及び(3)第1の事物及び第2の事物、のうちの1つを意味する。「及び/又は」で記載された複数の事物は、同じように解釈されるべきであり、すなわち、そのように結合された事物の「一つ以上(one or more)」を意味する。他の事物は、具体的に特定された事物に関連するか否かにかかわらず、任意に、「及び/又は」句によって具体的に特定された事物以外に存在してもよい。このように、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「備えている(comprising)」などのようなオープンエンドな言語と併せて使用されるとき、ある実施形態では、Aのみ(任意にB以外の事物を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意にA以外の事物を含む)、さらに別の実施形態では、A及びB両方(任意に他の事物を含む)、と言及し得る。これらの事物は、要素、アクション、構造、ステップ、操作、値などを指す場合がある。
【0059】
本明細書で使用する場合、1つ以上の事物のリストを参照する際の「少なくとも1つ」という語句は、事物のリスト内の任意の1つ以上の事物から選択される少なくとも1つの事物を意味すると理解すべきであるが、必ずしも事物のリスト内に具体的にリストされた各事物及び全ての事物の少なくとも1つを含むものではなく、事物のリスト内の事物の任意の組み合わせを除外しない。また、この定義は、「少なくとも1つ」という語句が指す事物のリスト内で具体的に特定された実体以外に、具体的に特定された事物に関連又は無関係な事物が任意に存在し得ることを許容する。このように、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は、同等に「A又はBの少なくとも1つ」、又は、同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在せず(及び任意にB以外の事物を含む)、少なくとも1つの、任意に1つより多いことを含むAを指してもよく;別の実施形態では、Aが存在しない(及び任意にA以外の事物を含む)、少なくとも1つの、任意に1つより多いことを含むBを指してもよく;さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意に1つより多いことを含むA、及び少なくとも1つの、任意に1つより多いことを含むBを指してもよい。言い換えれば、「少なくとも1つ」、「1つ以上」、及び「及び/又は」という語句は、動作上、接続的及び離接的の両方であるオープンエンドな表現である。例えば、表現「A、B、及びCの少なくとも1つ」と、「A、B、又はCの少なくとも1つ」と、「A、B、及びCの1つ以上」と、「A、B、又はCの1つ以上」と、「A、B、及び/又はC」の各々、A単独、B単独、C単独、A及びB一緒に、A及びC一緒に、B及びC一緒に、A、B、及びC一緒に、並びに任意に上記のいずれかと他の少なくとも1つの事物との組み合わせを意味してもよい。
【0060】
特許、特許出願、又は他の文献のいくつかが参照により本明細書に組み込まれ、(1)本開示の非組み込み部分又は他の組み込み文献のいずれかと矛盾する方法で用語を定義する場合、及び/又は(2)本開示の非組み込み部分又は他の組み込み文献のいずれかと他のことで矛盾する場合には、本開示の非組み込まれた部分が支配するものとし、その中の用語又は組み込まれた開示は、その用語が定義され、及び/又は組み込まれた開示を元々存在した文献に関してのみ支配するものとする。
【0061】
本明細書で使用されるように、用語「適合化される(adapted)」及び「構成される(configured)」は、要素、構成要素、又は他の主題が、所与の機能を行うように設計及び/又は意図されていることを意味する。このように、用語「適合化される(adapted)」及び「構成される(configured)」の使用は、所与の要素、構成要素、又は他の主題が所与の機能を単に行う「能力を有する(capable of)」ことではなく、要素、構成要素、及び/又は他の主題が、機能を行う目的で特に選択、作成、実装、利用、プログラム、及び/又は設計されていることを意味すると解釈すべきである。特定の機能を行うように適合されていると説明されている要素、構成要素、及び/又は他の説明されている主題が、追加的又は代替的に、その機能を行うように構成されていると説明され得ること、及びその逆もまた、本開示の範囲内である。
【0062】
本明細書で使用されるように、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/又は方法に関して使用されるとき、「例えば(for example,)」という語句、「一例では(as an example)」という語句、及び/又は単に「例(example,)」という用語は、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/又は方法が本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/又は方法の例示である、非排他的例であると伝えることを意図している。このように、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/又は方法は、限定的、必須、又は排他的/網羅的であることを意図しておらず、構造的及び/若しくは機能的に類似並びに/又は同等の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/若しくは方法を含む他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、並びに/又は方法も、本開示の範囲である。
【0063】
本明細書で使用されるように、程度又は関係を修正するときの「少なくともほぼ/実質的に(at least substantially,)」は、説明された「実質的(substantial)」の程度又は関係だけでなく、説明された程度又は関係の全範囲も含み得る。説明された程度又は関係の実質的な量は、説明された程度又は関係の少なくとも75%を含む場合がある。例えば、材料から少なくとも実質的に形成されているオブジェクトは、オブジェクトの少なくとも75%が材料から形成されているオブジェクトを含み、また、材料から完全に形成されているオブジェクトも含む。別の例として、第2の長さと少なくともほぼ同じ長さである第1の長さは、第2の長さの75%以内の第1の長さを含み、第2の長さと同じ長さの第1の長さをも含む。
【0064】
本開示によるプローブシステムの例示的な非排他的な例が、以下の列挙された段落に提示される。以下の列挙された段落を含む本明細書で説明された方法の個々のステップが、追加的又は代替的に、説明された動作を行う「ためのステップ」として言及され得ることは、本開示の範囲内である。
【0065】
A1.被検査デバイス(DUT)を検査するように構成されるプローブシステムであって、該プローブシステムは、
包囲容積部を画定する電磁気的に遮蔽された筐体と、
DUTを含む基板を支持するように構成される支持面を画定する温度制御チャックであり、前記支持面は前記包囲容積部内に配置される、該温度制御チャックと、
前記DUTに検査信号を供給し、前記DUTから結果信号を受信することの少なくとも一方を行うように構成される複数のプローブを含むプローブアセンブリと、
前記支持面に指向した顕微鏡光軸に沿って、前記DUTの顕微鏡光学像を収集するように構成される光学顕微鏡と、
前記DUTに選択的に磁場を印加するように構成される電磁石と、
電子制御された測位アセンブリであって、
(i)位置決めされるアセンブリを、随意的に第1の2次元測位軸に沿って、かつ第1の2次元測位軸に垂直、又は少なくとも実質的に垂直な第2の2次元測位軸にも沿って、選択的に位置決めするように構成される2次元測位ステージであり、前記第1の2次元測位軸及び前記第2の2次元測位軸は共に前記支持面に対して平行、又は少なくとも実質的に平行である、該2次元測位ステージ、
(ii)前記光学顕微鏡を前記位置決めされるアセンブリに動作可能に取り付け、かつ任意に前記光学顕微鏡を、前記支持面に対して垂直、又は少なくとも実質的に垂直である第1の1次元測位軸に沿って選択的に位置決めするように構成される第1の1次元測位ステージ、及び
(iii)前記電磁石を前記位置決めされるアセンブリに動作可能に取り付け、かつ任意に前記電磁石を前記支持面に対して垂直、又は少なくとも実質的に垂直である第2の1次元測位軸に沿って選択的に位置決めするように構成される第2の1次元測位ステージ、
を含む、該電子制御された測位アセンブリと、
を備える、プローブシステム。
【0066】
A2.A1に記載のプローブシステムであって、前記電磁気的に遮蔽された筐体は、さらに、前記包囲容積部へのアクセスを提供するように構成される開口部を画定する、プローブシステム。
【0067】
A3.A2に記載のプローブシステムであって、
(i)前記顕微鏡光軸は、前記開口部に貫通する、
(ii)前記光学顕微鏡は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置決めされる、
(iii)前記電磁石は、前記開口部を介して前記DUTに前記磁場を印加するように構成される、及び
(iv)前記電磁石は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置決めされる、
のうち少なくとも1つである、プローブシステム。
【0068】
A4.A2~A3のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記電子制御された測位アセンブリは、前記包囲容積部の外部にある、プローブシステム。
【0069】
A5.A1~A4のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記電磁気的に遮蔽された筐体は、非磁性筐体材料及び非鉄筐体材料の少なくとも一方から形成されている、又は完全に形成されている、プローブシステム。
【0070】
A6.A1~A5のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記温度制御チャックは、三軸温度制御チャックである、プローブシステム。
【0071】
A7.A1~A6のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記温度制御チャックは、非磁性チャック材料及び非鉄チャック材料の少なくとも一方から形成されている、又は完全に形成されている、プローブシステム。
【0072】
A8.A1~A7のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記プローブアセンブリは、
(i)プローブカード、及び
(ii)複数のマニピュレータ及び前記複数のマニピュレータに動作可能に取り付けられる対応する複数のニードルプローブ、
のうちの少なくとも一方を含む、プローブシステム。
【0073】
A9.A1~A8のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記プローブアセンブリは、非磁性プローブアセンブリ材料及び非鉄プローブアセンブリ材料の少なくとも一方から形成されている、又は完全に形成されている、プローブシステム。
【0074】
A10.A1~A9のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記光学顕微鏡は、少なくとも部分的に前記包囲容積部の外部に位置決めされる、プローブシステム。
【0075】
A11.A1~A10のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記光学顕微鏡は、非磁性顕微鏡材料及び非鉄顕微鏡材料の少なくとも一方から形成されている、又は完全に形成されている、プローブシステム。
【0076】
A12.A1~A11のいずれかに記載のプローブシステムであって前記電磁石は、少なくとも部分的に前記包囲容積部の外部に位置決めされる、プローブシステム。
【0077】
A13.A1~A12のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記電磁石は、非磁性磁石材料及び非鉄磁石材料の少なくとも一方から形成されている、又は完全に形成されている、プローブシステム。
【0078】
A14.A1~A13のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記電子制御された測位アセンブリは、前記第1の2次元測位軸と前記第2の2次元測位軸の両方に沿って、前記光学顕微鏡と前記電磁石との間の距離を一定、又は少なくとも実質的に一定に維持するように構成される、プローブシステム。
【0079】
A15.A1~A14のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記電子制御された測位アセンブリは、非磁性測位アセンブリ材料及び非鉄測位アセンブリ材料の少なくとも一方から形成されている、又は完全に形成されている、プローブシステム。
【0080】
A16.A1~A15のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記電子制御された測位アセンブリは、リードスクリュー及びナット、ボールスクリュー及びナット、ラック及びピニオンアセンブリ、リニアアクチュエータ、圧電アクチュエータ、並びにステッピングモータのうちの少なくとも1つを含む、プローブシステム。
【0081】
A17.A1~A16のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記プローブシステムは、さらに、前記支持面から離れる方向に向けられるカメラ光軸に沿ってカメラ光学像を収集するように構成されるカメラを備える、プローブシステム。
【0082】
A18.A17に記載のプローブシステムであって、前記カメラは、前記包囲容積部内に配置される、プローブシステム。
【0083】
A19.A17~A18のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記カメラは、前記支持表面から横方向にオフセットされる、プローブシステム。
【0084】
A20.A17~A19のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記カメラは、前記光学顕微鏡のDUTに対面する側、前記複数のプローブ、及び前記電磁石のDUTに面する側のうちの少なくとも1つのカメラ光学像を収集するように構成される、プローブシステム。
【0085】
A21.A1~A20のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記プローブシステムは、さらに、前記磁場の磁場強度を定量化するように構成される磁場強度計を含む、プローブシステム。
【0086】
A22.A21に記載のプローブシステムであって、前記磁場強度計は、
(i)ホールセンサ、及び
(ii)3軸磁場強度計、
のうち少なくとも一方である、プローブシステム
【0087】
A23.A21~A22のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記磁場強度計は、前記支持面から横方向にオフセットされる、プローブシステム。
【0088】
A24.A21~A23のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記磁場強度計は、前記支持面から横方向にオフセットされる補助チャックの一部を形成する、プローブシステム。
【0089】
A25.A1~A24のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記プローブシステムは、さらに、前記磁石を磁石動作温度範囲内に維持するように構成される磁石温度制御アセンブリを含む、プローブシステム。
【0090】
A26.A25に記載のプローブシステムであって、前記温度制御チャックは、前記DUTのDUT温度を選択的に調節するように構成され、かつ、さらに、前記磁石温度制御アセンブリは、前記DUT温度とは独立して前記磁石を前記磁石動作温度範囲内に維持するように構成される、プローブシステム。
【0091】
A27.A1~A26のいずれかに記載のプローブシステムであって、前記プローブシステムは、さらに、前記プローブシステムの少なくとも1つの他のコンポーネントの動作を制御するようにプログラムされているコントローラを含む、プローブシステム。
【0092】
A28.A27に記載のプローブシステムであって、前記コントローラは、
(i)前記温度制御チャック、
(ii)前記プローブアセンブリ、
(iii)前記光学顕微鏡
(iv)前記電磁石
(v)電子制御された測位アセンブリ、
(vi)カメラ、
(vii)磁場強度計、及び
(viii)磁石温度制御アセンブリ。
の少なくとも1つの動作を制御するようにプログラムされている、プローブシステム:
【0093】
B1.プローブシステムを動作させる方法であって、該方法は、
随意的には電子制御された測位アセンブリを用いて、電磁石を電磁気的に遮蔽された筐体の開口部の上方に少なくとも部分的に位置決めするステップであって、随意的には、前記電磁石を位置決めするステップは、前記電磁石と光学顕微鏡との間で固定された、又は少なくとも実質的に固定された距離を維持しながら、前記電磁石及び前記光学顕微鏡を含む位置決めされるアセンブリを動かすことを含む、ステップと、
前記電磁石と前記プローブシステムのプローブアセンブリの複数のプローブとの間の目標相対方位を確立するステップであり、前記電磁石のDUTに面する側を向くカメラ光軸を画定するカメラを介して前記電磁石と前記複数のプローブの両方を見ることを含む、該確立するステップと、
随意的には前記電子制御された測位アセンブリを用いて、前記光学顕微鏡の顕微鏡光軸が前記開口部に貫通するように前記光学顕微鏡を位置決めするステップであって、随意的には、前記電磁石と前記光学顕微鏡との間で前記固定された、又は少なくとも実質的に固定された距離を維持しながら前記位置決めされるアセンブリを移動することを含むように、光学顕微鏡を位置決めするステップと、
前記複数のプローブを被検査デバイス(DUT)に整列させるステップであって、前記複数のプローブ及び前記DUTを、前記光学顕微鏡を用いて、前記開口部を介して、前記顕微鏡光軸に沿って観察し、さらに、前記顕微鏡光軸が前記DUTを含む基板の平面基板表面に向かって延在するものとして観察することを含む、該整列させるステップと、
前記整列させるステップに続いて、前記電磁石及び前記複数のプローブを前記目標相対方位に戻すステップと、
随意的には、前記電磁石を用いて前記DUTに磁場を印加しながら、前記プローブシステムを用い、かつ前記複数のプローブを介して、前記DUTを検査するステップと、
を備える、方法。
【0094】
B2.B1に記載の方法であって、前記方法は、さらに、前記電磁石及び前記複数のプローブを前記目標相対方位に前記戻すステップを容易にするために、前記目標相対方位を電子的に記憶するステップを含む、方法。
【0095】
B3.B1~B2のいずれかに記載の方法であって、前記複数のプローブを前記DUTと前記整列させるステップは、
(i)前記プローブアセンブリのマニピュレータを利用して、前記複数のプローブのうちの少なくとも1つのプローブを移動するステップと、及び
(ii)前記プローブシステムのチャック測位ステージを利用して前記DUTを移動するステップ、
の少なくとも一方を含む、方法。
【0096】
B4.B1~B3のいずれかに記載の方法であって、前記複数のプローブを前記DUTと前記整列させるステップに続いて、前記方法は、さらに、前記戻すステップ中、及び随意的に前記検査するステップ中、前記複数のプローブと前記DUTとの間で固定された相対方位を維持するステップを含む、方法。
【0097】
B5.B1~B4のいずれかに記載の方法であって、前記目標相対方位を前記確立するステップ中に、
(i)前記顕微鏡光軸は、前記開口部の外側にある、
(ii)前記顕微鏡光軸は、前記開口部から離間している、
(iii)前記顕微鏡は、前記開口部を介して前記DUTを見ることができない、及び
(iv)前記電磁石は、前記光学顕微鏡に対して前記開口部に近接している、
のうち少なくとも1つである、方法。
【0098】
B6.B1~B5のいずれかに記載の方法であって、前記整列させるステップ中、
(i)前記電磁石は、前記開口部の外側にある、
(ii)前記電磁石は、前記開口部から離間している、
(iii)前記電磁石の前記DUTに面する側は、前記開口部から離間している、
(iv)前記電磁石の前記DUTに面する側は、前記開口部の外側にある、
(v)前記電磁石の前記DUTに面する側は、前記開口部に面していない、及び
(vi)前記光学顕微鏡は、前記電磁石に対して前記開口部に近接している、
のうち少なくとも1つである、方法。
【0099】
B7.B1~B6のいずれかに記載の方法であって、前記DUTは、前記電磁気的に遮蔽された筐体内に位置決めされる、方法。
【0100】
B8.B7に記載の方法であって、前記方法は、前記方法の全体にわたって、前記電磁気的に遮蔽された筐体を介して、前記DUTの電磁気的遮蔽を維持するステップを含む、方法。
【0101】
B9.B1~B8のいずれかに記載の方法であって、前記電磁石と前記光学顕微鏡との間で前記固定された、又は少なくとも実質的に固定された距離を維持する前記ステップは、
(i)前記電磁石と前記光学顕微鏡との間で固定された3次元の相対方位を維持するステップ、及び
(ii)前記顕微鏡光軸に対して垂直、又は少なくとも実質的に垂直に延在する平面内で、前記電磁石と前記光学顕微鏡との間で固定された相対的配向を維持するステップ、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【0102】
B10.B1~B9のいずれかに記載の方法であって、前記プローブシステムは、A1~A28のいずれかに記載のプローブシステムのいずれかの適切な構造を含む、方法。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本明細書に開示されたプローブシステム及び方法は、半導体製造及び検査業界に適用可能である。
【0104】
上記の開示は、独立した有用性を有する複数の異なる発明を包含していると考えられる。これらの発明の各々は、その好ましい形態で開示されているが、多数の変形が可能であるため、本明細書に開示及び図示されるその特定の実施形態は、限定的な意味で考慮されるべきものではない。本発明の主題は、本明細書に開示された様々な要素、特徴、機能及び/又は特性の全ての新規かつ非自明な組み合わせ並びに下位の組み合わせを含むものである。同様に、請求項が「一つの(a)」又は「第1の(a first)」要素又はその同等物を記載している場合、そのような請求項は、1つ以上のそのような要素の組み込みを含むと理解されるべきであり、2つ以上のそのような要素を要求も排除もしない。
【0105】
以下の請求項は、開示された発明の1つに向けられ、新規かつ非自明である特定の組み合わせ及び下位の組み合わせを特に指摘するものであると考えられる。特徴、機能、要素、及び/又は特性の他の組み合わせ並びに下位の組み合わせで具現化される発明は、本請求項の補正又は本出願若しくは関連出願における新しい請求項の提示によって請求され得る。このような補正された請求項又は新たな請求項は、それらが異なる発明に向けられているか、又は同じ発明に向けられているか否か、元の請求項と異なるか、広いか、狭いか、又は範囲が等しいか否かにかかわらず、本開示の発明の主題内に含まれるとみなされる。