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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20241017BHJP
   G09F 9/30 20060101ALN20241017BHJP
   H10K 50/844 20230101ALN20241017BHJP
   H10K 50/856 20230101ALN20241017BHJP
   H10K 50/858 20230101ALN20241017BHJP
   H10K 50/86 20230101ALN20241017BHJP
   H10K 59/123 20230101ALN20241017BHJP
   H10K 59/35 20230101ALN20241017BHJP
   H10K 59/40 20230101ALN20241017BHJP
【FI】
G06F3/041 495
G06F3/041 660
G09F9/30 349B
G09F9/30 349D
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H10K50/844 445
H10K50/856
H10K50/858
H10K50/86
H10K59/123
H10K59/35
H10K59/40
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023566961
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2022120643
(87)【国際公開番号】W WO2023109239
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2023-10-30
(31)【優先権主張番号】202111544912.1
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522457081
【氏名又は名称】合肥維信諾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI VISIONOX TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】5555 New Bengbu Road,Xinzhan District,Hefei,Anhui 230000,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李紹
(72)【発明者】
【氏名】孫丹丹
(72)【発明者】
【氏名】梅瑞瓊
(72)【発明者】
【氏名】張衛帥
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】中国特許第112670323(CN,B)
【文献】米国特許出願公開第2019/0181385(US,A1)
【文献】特開2010-170988(JP,A)
【文献】特開2019-082685(JP,A)
【文献】特開2019-087267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G09F 9/30
H10K 50/844
H10K 50/856
H10K 50/858
H10K 50/86
H10K 59/123
H10K 59/35
H10K 59/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
積層して設置された基板及び発光層を含み、前記発光層がアレイ状に分布する複数のサブ画素ユニットを有する、発光デバイス層と、
前記発光層の前記基板から離れる側に設置され、タッチ電極及び前記タッチ電極を覆うように設置された平坦化層を含む、タッチ層と、
前記平坦化層の前記発光デバイス層から離れる側に設置された、バッファ層と、
前記バッファ層の前記タッチ層から離れる側に設置され、複数のブラックマトリクス及び前記ブラックマトリクスと同一層に設置された複数のフィルタユニットを含み、前記複数のフィルタユニットが前記複数のサブ画素ユニットと一対一に対応して設置された、光学膜層と、
を含み、
前記バッファ層の材料は、前記平坦化層の材料と疎であり、前記バッファ層の前記基板における正投影は、前記フィルタユニットの前記基板における正投影を覆う、表示パネル。
【請求項2】
前記バッファ層の前記基板における正投影は、前記ブラックマトリクスの前記基板における正投影をさらに覆う、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記バッファ層は、完全な層に設けられ、且つ厚さが均一である、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記バッファ層に複数の収容溝が設けられ
前記ブラックマトリクスは、少なくとも部分的に前記収容溝内に位置し且つ前記収容溝の内壁面に当接している、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記バッファ層は、アレイ状に分布する複数のバッファユニットを含み、
各前記収容溝が隣接した2つの前記バッファユニットの間に位置するように、前記平坦化層及び前記複数のバッファユニットが囲んで前記収容溝を形成し、
前記バッファユニットは、前記フィルタユニットと一対一に対応して設けられ、対応した前記フィルタユニットの前記発光デバイス層に面する表面を覆い、或いは、
前記収容溝の深さは、前記バッファ層の厚さに等しく、前記収容溝は、前記バッファ層を貫通して設けられ、或いは、
前記バッファ層は、完全な層に設けられ、且つタッチ層と光学膜層との間に設けられて介在し、前記バッファ層の前記ブラックマトリクスに対応する領域の厚さは、前記バッファ層の前記フィルタユニットに対応する領域の厚さより小さい、請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記バッファ層は無機材料層であり、前記平坦化層は有機材料層であ及び/又は、
前記バッファ層の屈折率は、前記平坦化層の屈折率よりも小さい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記表示パネルは、光反射層をさらに含み、
前記光反射層は、前記平坦化層と前記発光層との間に位置し、
前記光反射層は、前記発光デバイス層が出光面側に反射した光線の少なくとも一部を前記発光デバイス層が位置する側に再び反射することができる、請求項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記サブ画素ユニットは、陽極、発光素子及び陰極を含み、
前記基板における前記光反射層の正投影は、各前記サブ画素ユニットの前記陰極を覆い、及び/又は、
前記タッチ層と前記基板との間に位置するパッケージ層をさらに含み、前記パッケージ層は、前記光反射層の前記基板に近い側に設けられる、請求項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記基板は、基層及びデバイス層を含み、
前記デバイス層は、アレイ状に分布する複数の画素駆動回路を含み、
各前記画素駆動回路は、少なくとも1つの前記サブ画素ユニットに電気的に接続されている、請求項に記載の表示パネル。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項に記載の表示パネルを備える、表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月16日に提出された名称が「表示パネル及び表示装置」である中国特許出願第202111544912.1号の優先権を主張し、当該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、表示技術分野に関し、特に、表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、偏光板除去技術では、偏光板の代わりにカラーフィルム層の構造を採用することが主流であるため、表示パネルの厚さを100μm以上減少させ、輝度を20%向上させ、フレキシブルスクリーンの限界曲げ半径を効果的に減少させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、カラーフィルム層の構造を偏光板の代わりに採用する技術にも先天的な欠陥が存在し、カラーフィルム層がタッチ層に直接に製造されるため、従来の材料のマッチング性が良くなく、カラーフィルム層とタッチ層との相互溶解という問題が存在し、パターン化後にカラーフィルム層の除去部分がタッチ層に残留し、表示パネルの発光効率に影響を与える。
【0005】
本出願の実施例は、表示パネル及び表示装置を提供し、表示パネルは表示要求を満たすことができるとともに、カラーフィルム層の除去すべき部分がタッチ層に残留することを効果的に低減し、表示パネルの発光効率を保証することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様によれば、本出願の実施例は、積層して設けられた基板及び発光層を含み、発光層がアレイ状に分布された複数のサブ画素ユニットを有する発光デバイス層と、発光層の基板から離れる側に設置され、タッチ電極及びタッチ電極を覆うように設置された平坦化層を含むタッチ層と、平坦化層の発光デバイス層から離れる側に設置されたバッファ層と、バッファ層のタッチ層から離れる側に設置され、複数のブラックマトリックス及びブラックマトリックスと同一層に設置された複数のフィルタユニットを含み、複数のフィルタユニットが複数のサブ画素ユニットと一対一に対応して設置された光学膜層と、を含み、バッファ層の材料は、平坦化層の材料と疎であり、バッファ層の基板における正投影は、フィルタユニットの基板における正投影を覆う表示パネルを提供する。
【0007】
別の態様によれば、本出願の実施例は、上記の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0008】
本出願の実施例に係る表示パネル及び表示装置によれば、表示パネルは、発光デバイス層、タッチ層、バッファ層及び光学膜層を含み、発光デバイス層のサブ画素ユニットにより発光表示のニーズを満たすことができる。タッチ層及び光学膜層の設置により、表示パネルにタッチ機能が集積されることを保証することができるとともに、光学膜層とタッチ層との間にバッファ層を増設することにより、同時にバッファ層の基板における正投影がフィルタユニットの基板における正投影を覆うことにより、光学膜層を成形する過程において、バッファ層によりブラックマトリックスと平坦化層に対応する各サブ画素領域とを隔離し、ブラックマトリックスと平坦化層に対応する各サブ画素領域とが直接接触することを回避することができる。また、バッファ層の材料と平坦化層の材料とが疎であり、これにより、光学膜層のブラックマトリックスがパターニングされる際に、バッファ層とブラックマトリックスとの相互溶解能力が平坦化層とブラックマトリックスとの相互溶解能力よりも遥かに低いことを保証し、ブラックマトリックスがパターニングされる際に各サブ画素ユニットに対応する領域に残留することを低減又は回避し、サブ画素ユニットが発光する光線の透過率を保証し、表示パネルの発光効率を保証し、表示効果を最適化する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本出願の一つの実施例の表示パネルの構造模式図である。
図2図1におけるA-A方向の断面図である。
図3】本出願の別の実施例の表示パネルの断面模式図である。
図4】本出願の他の実施例の表示パネルの断面模式図である。
図5】本出願の更なる実施例の表示パネルの断面模式図である。
図6】本出願の他の実施例の表示パネルの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本出願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明する。また、以下に説明する特徴、構造又は特性は、任意の適切な方式で1つ又は複数の実施例に組み合わせることができる。
【0011】
パッケージにおけるカラーフィルタ技術(Color filter on encapsulation、COE)は、現在の偏光板除去技術における主流であり、偏光板の代わりにカラーフィルム層の構造を採用することにより、表示パネルの厚さを100μm以上減少させ、輝度を20%向上させ、フレキシブルスクリーンの限界曲げ半径も効果的に減少させる。
【0012】
しかし、COE技術にも先天的な欠陥が存在し、カラーフィルム層がタッチ層に直接製造されるため、現行の材料のマッチング性が良くなく、カラーフィルム層とタッチ層との相互溶解の問題が存在している。カラーフィルム層の成形過程において、予めタッチ層にブラックマトリックス層を形成する必要があり、その後、ブラックマトリックスをパターニングし、例えば、露光、現像方式を採用してタッチ層におけるサブ画素ユニットに対応する領域を除去し、その後、各サブ画素ユニットに対応する位置にフィルタユニットを形成して、フィルタの作用を満たす。従来の表示パネルは、カラーフィルム層のブラックマトリックスをパターニングしてサブ画素ユニットに対応する領域を被覆するものを除去する場合、ブラックマトリックスとタッチ層の平坦化層との相互溶解の問題が存在し、ブラックマトリックスの一部がタッチ層に残られる。特に、サブ画素ユニットに対応する領域にブラックマトリックスが残られる場合、サブ画素ユニットが発光する光線の透過率に影響を与え、表示パネルの発光効率に影響を与える。
【0013】
したがって、上記技術的課題を解決するために、本出願の実施例は、表示要求を満たすことができるとともに、カラーフィルム層の除去すべき部分がタッチ層に残留することを効果的に低減し、表示パネルの発光効率を保証することができる表示パネル及び表示装置を提供する。
【0014】
本出願をよりよく理解するために、以下、図1図6を参照して本出願の実施例の表示パネル及び表示装置を詳細に説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、本出願の実施例に係る表示パネルは、発光デバイス層と、タッチ層30と、バッファ層40と、光学膜層50とを含む。発光デバイス層は、積層して設けられた基板10と、アレイ状に分布する複数のサブ画素ユニット20aを有する発光層20とを含む。タッチ層30は、発光層20の基板10から離れる側に設けられ、タッチ電極31及びタッチ電極31を覆うように設けられる平坦化層32を含む。バッファ層40は、平坦化層32の発光デバイス層から離れる側に設けられる。光学膜層50は、バッファ層40のタッチ層30から離れる側に設けられ、光学膜層50は、複数のブラックマトリクス51と、ブラックマトリクス51と同一層に設けられる複数のフィルタユニット52とを含む。複数のフィルタユニット52は、複数のサブ画素ユニット20aと一対一に対応して設けられる。ここで、バッファ層40の材料は、平坦化層32の材料と疎であり、バッファ層40の基板10における正投影は、フィルタユニット52の基板10における正投影を覆う。
【0016】
本出願の実施例に係る表示パネルは、発光デバイス層のサブ画素ユニット20aにより発光表示のニーズを満たすことができる。タッチ層30及び光学膜層50の設置により、表示パネルにタッチ機能が集積されることを保証することができるとともに、光学膜層50とタッチ層30との間にバッファ層40を増設することにより、同時にバッファ層40の基板10における正投影がフィルタユニット52の基板10における正投影を覆うことにより、光学膜層50を成形する過程において、バッファ層40によりブラックマトリクス51と平坦化層32に対応する各サブ画素領域とを隔離し、ブラックマトリクス51と平坦化層32に対応する各サブ画素領域とが直接接触することを回避することができる。また、バッファ層40の材料と平坦化層32の材料とが疎であり、これにより、光学膜層50のブラックマトリクス51がパターニングされる際に、バッファ層40とブラックマトリクス51との相互溶解能力が平坦化層32とブラックマトリクス51との相互溶解能力よりも遥かに低いことを保証し、ブラックマトリクス51がパターニングされる際に各サブ画素ユニット21aに対応する領域に残留することを低減又は回避し、サブ画素ユニット20aが発光する光線の透過率を保証し、表示パネルの発光効率を保証し、表示効果を最適化する。
【0017】
選択的に、基板10は基層11及びデバイス層12を含んでもよい。基層11は硬質基層であってもよく、もちろん、フレキシブル基層であってもよく、一定の折り曲げ可能性を有し、曲面ディスプレイの形成に有利である。選択的に、デバイス層12は、アレイ状に分布する複数の画素駆動回路121を含む。各画素駆動回路121は、サブ画素ユニット20aの点灯時間及び輝度等を制御するように、少なくとも1つのサブ画素ユニット20aに電気的に接続されている。
【0018】
選択的に、発光層20は、デバイス層12の基層11から離れる側に設けられる。発光層20のサブ画素ユニット20aの数及び画素配列方式は、表示パネルの表示ニーズを満たすことができれば、特に限定されない。
【0019】
選択的に、発光層20の複数のサブ画素ユニット20aは、赤色サブ画素ユニット、緑色サブ画素ユニット及び青色サブ画素ユニットを含んでもよい。
【0020】
図2図6を参照すると、選択的に、各サブ画素ユニット20aは、陽極21と、発光素子22と、陰極23とを含んでもよい。発光素子22は、陽極21と陰極23との間に位置している。陽極21は、前記基層11の一つの側に面して画素駆動回路121に電気的に接続されている。陰極23は、発光素子22の陽極21から離れる側に設けられる。
【0021】
選択的に、各サブ画素ユニット20aの陰極23は個別に設けられてもよい。もちろん、いくつかの実施例において、各サブ画素ユニット20aの陰極23が互いに接続されていて一体的に設けられた面電極を形成してもよい。
【0022】
選択的に、タッチ層30は複数のタッチ電極31を含み、複数のタッチ電極31は同一層に形成された金属層であってもよく、もちろん二層以上に形成された多層金属層であってもよい。二層以上の金属層を形成する場合、隣接する金属層の間に絶縁層が設けられてもよい。選択的に、タッチ層30に採用されるタッチ方式は、自己容量方式であってもよく、相互容量方式であってもよい。タッチ電極31は、タッチ駆動電極及びタッチ感知電極を含んでもよい。タッチ駆動電極及びタッチ感知電極は、同一の金属層に形成されてもよく、隣接するタッチ感知電極は、別の金属層に形成されたブリッジを介して電気的に接続されていてもよい。もちろん、対応するタッチ駆動電極を他の金属層に形成されたブリッジを介して電気的に接続させていることもできる。もちろん、いくつかの実施例において、タッチ駆動電極及びタッチ感知電極は、異なる金属層に形成されてもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0023】
選択的に、提供されたバッファ層40は、タッチ層30の平坦化層32と積層して設けられ、且つ互いに接触して接続されていてもよい。バッファ層40の材料と平坦化層32の材料とが疎であるとは、具体的に、光学膜層50のブラックマトリクス51がパターニングされた後、バッファ層40と平坦化層32とが互いに溶解しない又は互いに溶解しにくいことを指す。そして、バッファ層40とブラックマトリクス51との相互溶解能力は平坦化層32とブラックマトリクス51との融合能力より小さい。
【0024】
一つの選択可能な実施形態として、バッファ層40は無機材料層であってもよく、平坦化層32は有機材料層であってもよい。平坦化層32はタッチ電極31を保護するとともに平坦化の役割を果たす必要があるため、通常、有機接着層を採用し、また、光学膜層50のブラックマトリックス51は通常有機材料で製造され、両者の間の相互溶解性が高い。バッファ層40を無機材料層とすることにより、ブラックマトリクス51の材料とその極性が逆になり、融合しにくくなる。そして、ブラックマトリクス51を露光、現像してパターニングする過程において、バッファ層40に融合して残留しにくくなるため、表示パネルの発光効率を保証する。
【0025】
いくつかの選択可能な実施例において、バッファ層40は、酸化ケイ素、窒化ケイ素及び透明ITOなどの無機材料で製造されてもよい。
【0026】
一つの選択可能な実施形態として、バッファ層40の基板10における正投影は、フィルタユニット52の基板10における正投影のみを覆ってもよい。もちろん、これは1つの選択可能な実施形態であり、いくつかの実施例において、バッファ層40の基板10における正投影は、ブラックマトリクス51の基板10における正投影をさらに覆ってもよい。
【0027】
一つの選択可能な実施形態として、本出願の実施例に係る表示パネルは、そのバッファ層40が一つの完全な層であってもよく、バッファ層40の基板10における正投影がブラックマトリクス51及びフィルタユニット52の正投影を同時に覆うようにさせることができる。バッファ層40によってブラックマトリクス51と平坦化層32とを完全に隔離し、ブラックマトリクス51と平坦化層32との直接接触を回避し、ブラックマトリクス51がパターニングされる過程において平坦化層32との相互溶解の問題を効果的に回避する。
【0028】
いくつかの選択可能な実施例において、バッファ層40が一つの完全な層である場合、バッファ層40の完全な層の厚さを均一にすることができる。上記設置により、ブラックマトリクス51と平坦化層32との直接接触を効果的に回避することができるため、ブラックマトリクス51がパターニングされる過程において平坦化層32との相互溶解の問題を回避するとともに、バッファ層40の成形に有利である。
【0029】
図3を参照すると、いくつかの選択可能な実施例において、本出願の実施例に係る表示パネルは、バッファ層40に複数の収容溝40aが設けられ、ブラックマトリクス51の少なくとも一部が収容溝40a内に位置し、且つ収容溝40aを囲む壁面に接続されている。上記配置により、ブラックマトリックス51と他の層構造との間の接着面積を増加させ、層構造間の接続強度を確保して、ブラックマトリックス51の剥離現象の発生を回避する。本実施形態において、バッファ層40のブラックマトリクス51に対応する箇所の厚さは、フィルタユニット52に対応する箇所の厚さよりも小さい。
【0030】
選択可能な実施形態として、バッファ層40は、完全な層に設けられ且つタッチ層と光学膜層との間に設けられて介在し、バッファ層40のブラックマトリクス51に対応する領域の厚さが、バッファ層40のフィルタユニット52に対応する領域の厚さより小さい。つまり、収容溝40aの深さは、バッファ層40の厚さよりも小さくてもよく、バッファ層40は、ブラックマトリクス51が発光デバイス層12に面する表面及び側壁面がいずれもバッファ層40に接触して接続されているように、ブラックマトリクス51と平坦化層32とを完全に隔離してもよい。
【0031】
もちろん、収容溝40aの深さをバッファ層40の厚さよりも小さくすることは、一つの選択可能な実施形態に過ぎず、上記方式に限定されない。いくつかの他の実施例において、収容溝40aの深さをバッファ層40の厚さに等しくすることもできる。つまり、収容溝40aはバッファ層40を貫通して設けられる。
【0032】
図4を参照すると、いくつかの選択可能な例において、バッファ層40は、アレイ状に分布する複数のバッファユニット41を含み、隣接する2つのバッファユニット41の間に収容溝40aが形成される。各バッファユニット41は、そのうちの1つのフィルタユニット52に対向して設けられ、フィルタユニット52の発光デバイス層12に面する表面を覆う。ブラックマトリクス51は、少なくとも部分的に収容溝40a内に位置し、且つ平坦化層32及びバッファ層40によって囲まれて形成される収容溝40aの壁面に接触している。
【0033】
一つの選択可能な実施形態として、複数のフィルタユニット52は、赤色フィルタユニット、緑色フィルタユニット及び青色フィルタユニットを含んでもよい。各赤色フィルタユニットは、そのうちの1つの赤色サブ画素ユニットに対向して設けられ、各緑色フィルタユニットは、そのうちの1つの緑色サブ画素ユニットに対向して設けられ、各青色フィルタユニットは、そのうちの1つの青色サブ画素ユニットに対向して設けられる。フィルタのニーズを保証するとともに、表示パネルの発光効率をさらに保証することができる。
【0034】
いくつかの選択可能な実施例において、本出願の上記各実施例に係る表示パネルは、そのバッファ層40の屈折率が平坦化層32の屈折率より小さい。
【0035】
発光層20の各サブ画素ユニット20aの陰極23は金属材料であるため、面積が大きい。外光が表示パネル内に入ると、陰極23で反射し、反射した光が人間の目に入る。また、偏光板を除去した後、発光層20が発光した光線の透過率を増加させることは、陰極23の反射を増加させ、偏光板を除去することによる輝度向上を弱め、表示パネルの輝度向上効果に影響を与え、ユーザ体験に不利である。
【0036】
本出願の実施例に係る表示パネルは、バッファ層40の屈折率を平坦化層32の屈折率よりも小さくすることにより、光線が光学的に密な媒質から光学的に疎な媒質に入射し、入射角が一定の条件を満たす場合に全反射効果が発生する。臨界角αは、式(1)を満たす。
【0037】
α=arcsin(n1/n2) (1)
【0038】
ここで、n1は光学的に疎な媒質の屈折率であり、n2は光学的に密な媒質の屈折率である。
【0039】
これにより、陰極23からの反射光における入射角が臨界角よりも大きい全ての光線は、全てスクリーン内部に反射されるため、人間の目が受ける反射光を弱めて、スクリーンの輝度を向上させる。サブ画素ユニット20aは、入射角が90度である直射光であり、全反射効果が発生しないため、光の損失の心配がない。
【0040】
本技術案では、バッファ層40が酸化ケイ素であり、平坦化層32が有機接着剤又はOC接着剤であることを例として、平坦化層32の屈折率が1.6であり、バッファ層40の屈折率が1.4であると、臨界角αは、下記の通りである。
【0041】
α=arc(1.45/1.6)=65°
【0042】
このことから、入射角が65°より大きい陰極23の反射光は全て反射されることが分かる。理論的には、25%の反射光が遮蔽され、輝度が著しく向上する。
【0043】
図5及び図6に示すように、本出願の上記各実施例に係る表示パネルにおいて、陰極23の反射問題に対して、バッファ層40の屈折率が平坦化層32の屈折率よりも小さい方式を採用して解決することは、一つの選択可能な実施形態に過ぎない。いくつかの他の実施例において、表示パネルは、平坦化層32と発光層20との間に位置する光反射層70をさらに含むことができる。光反射層70は、発光デバイス層が表示パネルの出光面側に反射した光線の少なくとも一部を発光デバイス層12が位置する側に再び反射することができる。
【0044】
光反射層70を追加することにより、外部から照射された光線が陰極23で反射された後、反射された光線が光反射層70に作用し、少なくとも一部が光反射層70によって再び発光デバイス層が位置する側に反射され、反射の影響を低減して、表示パネルの表示効果を保証する。
【0045】
一つの選択可能な実施形態として、本出願の実施例に係る表示パネルは、表示パネルが光反射層70を含む場合、光反射層70を発光デバイス層12の基板10から離れる側の任意の位置に設置することができる。つまり、光反射層70を陰極23と人間の目との間に設置することにより、陰極23によって反射された外光を再び発光デバイス層が位置する側に反射することを確保することができる。
【0046】
図5に示すように、いくつかの選択可能な実施例において、本出願の実施例に係る表示パネルは、光反射層70を含む場合、光反射層70が発光デバイス層とタッチ層30との間に位置し、且つ陰極23と積層して設けられてもよい。
【0047】
もちろん、光反射層70を発光デバイス層12とタッチ層30との間に設け、且つ陰極23と積層して設けることは、一つのの選択可能な実施形態に過ぎない。本出願は、上記形態に限定されない。
【0048】
図2図4及び図6に示すように、表示パネルは、タッチ層30と基板10との間に位置するパッケージ層60をさらに含む。図2図4に示すように、パッケージ層60は、タッチ層30の基板10に近い側に設けられる。図6に示すように、パッケージ層60は、光反射層70の基板10に近い側に設けられ、そうすると、同様に反射の影響を低減するニーズを満たすことができる。
【0049】
一方、本出願の実施例は、上記の表示パネルを含む表示装置をさらに提供する。当該表示装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの表示機能を有する任意の製品又は部品であってもよい。
【0050】
本出願の実施例に係る表示装置は、上記各実施例に係る表示パネルを含むため、発光デバイス層12のサブ画素ユニット20aにより発光表示のニーズを満たすことができる。タッチ層30及び光学膜層50の設置により、表示パネルにタッチ機能が集積されることを保証することができるとともに、光学膜層50とタッチ層30との間にバッファ層40を増設することにより、同時にバッファ層40の基板10における正投影がフィルタユニット52の基板10における正投影を覆うようにすることにより、光学膜層50を成形する過程において、バッファ層40によりブラックマトリクス51と平坦化層32に対応する各サブ画素領域とを隔離し、ブラックマトリクス51と平坦化層32に対応する各サブ画素領域とが直接接触することを回避することができる。また、バッファ層40の耐薬品性のレベルが平坦化層32の耐薬品性のレベルよりも高く、光学膜層50のブラックマトリクス51がパターニングされる際に、バッファ層40とブラックマトリクス51との相互溶解能力が平坦化層32とブラックマトリクス51との相互溶解能力よりも遥かに低く、ブラックマトリクス51がパターニングされる際に各サブ画素ユニット21aに対応する領域に残留することを低減又は回避し、サブ画素ユニット20aが発光する光線の透過率を保証し、表示装置の発光効率を保証し、表示効果を最適化する。
【0051】
以上、好ましい実施例を参考して本発明を説明したが、本出願の範囲を逸脱しない場合、種々の変更が可能であり、且つ均等物でその中の部品を置き換えてもよい。特に、各実施例に記載された各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、任意に組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれるすべての技術案を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6