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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20241018BHJP
   D06F 39/14 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
D06F39/14 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021066874
(22)【出願日】2021-04-12
(65)【公開番号】P2022162185
(43)【公開日】2022-10-24
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 捷
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 尚希
(72)【発明者】
【氏名】坂本 拓海
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-185088(JP,A)
【文献】特開2020-171396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0011024(US,A1)
【文献】意匠登録第1567821(JP,S)
【文献】意匠登録第1542023(JP,S)
【文献】特開2000-300891(JP,A)
【文献】中国実用新案第210621279(CN,U)
【文献】中国実用新案第203021800(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0003510(KR,A)
【文献】特開2020-171394(JP,A)
【文献】特開2017-205337(JP,A)
【文献】意匠登録第1239663(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
D06F 39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機本体と、
前記洗濯機本体の内部に配置された洗濯兼脱水槽と、
前記洗濯機本体の上部に設けられ、前記洗濯兼脱水槽に洗濯物を投入する投入口が形成された上部枠体と、
前記投入口を開閉自在に覆う蓋体と、
前記投入口の後方位置において前記上部枠体に形成されたタンク収容部と、
前記タンク収容部に脱着可能に収容され、内部に液剤を貯蔵する液剤タンクと、
前記タンク収容部に収容された前記液剤タンク内の前記液剤を吸引し、前記洗濯兼脱水槽内に投入する自動投入装置と、
を備え、
前記蓋体は、
前面側に向かって漸次低くなるように傾斜して配置され、
前蓋体と、
前記上部枠体に開閉自在に後部で固定され、前側端部で前記前蓋体と軸支された後蓋体と、
を含み、
前記後蓋体は、略中央に長方形の開口として後蓋開口部が形成された後蓋枠体と、前記後蓋枠体の上面に配設され、透明材料で形成された後蓋天面部材と、から構成され
前記後蓋天面部材は、前記後蓋枠体に取り付けられた状態で、前記後蓋開口部と重なる領域を除き、不透明となっており、前記後蓋開口部と重なる領域である透明部を窓部とし、前記液剤タンクは、
前記液剤タンクの正面側に設けられ、透明材料で形成されたタンク窓を含み、
前記タンク窓は、前記液剤タンクの内底面の近傍から前記液剤タンクの上部にかけて設けられ、
前記窓部の前端部前記窓部の後端部よりも低い位置にあり、かつ、前記タンク窓の上端部よりも低い位置にあり、
前記タンク窓の下端部、前記窓部端部よりも低い位置にあるように形成された洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動投入装置を備えた洗濯機を開示する。特許文献1における洗濯機は、洗濯物を投入する投入口が形成された上部枠体と、前記上部枠体に内包された洗濯槽と、前記投入口を開閉自在に覆う蓋体と、前記投入口の後方位置において前記上部枠体に形成されたタンク収容部と、前記タンク収容部に脱着可能に収容された液剤タンクと、前記液剤タンクに貯蔵された液剤を前記洗濯槽に投入する自動投入装置と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-171394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、液剤タンクの残量を容易に確認できる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における洗濯機は、洗濯機本体と、洗濯機本体の内部に配置された洗濯兼脱水槽と、洗濯機本体の上部に設けられ、洗濯兼脱水槽に洗濯物を投入する投入口が形成された上部枠体と、投入口を開閉自在に覆う蓋体と、投入口の後方位置において上部枠体に形成されたタンク収容部と、タンク収容部に脱着可能に収容され、内部に液剤を貯蔵する液剤タンクと、タンク収容部に収容された液剤タンク内の液剤を吸引し、洗濯兼脱水槽内に投入する自動投入装置と、を備え、蓋体は、前面側に向かって漸次低くなるように傾斜して配置され、前蓋体と、上部枠体に開閉自在に後部で固定され、前側端部で前蓋体と軸支された後蓋体と、を含み、後蓋体は、略中央に長方形の開口として後蓋開口部が形成された後蓋枠体と、後蓋枠体の上面に配設され、透明材料で形成された後蓋天面部材と、から構成され後蓋天面部材は、後蓋枠体に取り付けられた状態で、後蓋開口部と重なる領域を除き、不透明となっており、後蓋開口部と重なる領域である透明部を窓部とし、液剤タンクは、液剤タンクの正面側に設けられ、透明材料で形成されたタンク窓を含み、タンク窓は、液剤タンクの内底面の近傍から液剤タンクの上部にかけて設けられ、窓部の前端部窓部の後端部よりも低い位置にあり、かつ、タンク窓の上端部よりも低い位置にあり、タンク窓の下端部窓部端部よりも低い位置にあるように形成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示における洗濯機は、液剤タンクの残量を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1における洗濯機の正面図
図2】同洗濯機の側面図
図3】同洗濯機の蓋体が開いた状態の正面図
図4】同洗濯機の液剤タンクの斜視図
図5】同洗濯機の蓋体の分解斜視図
図6】同洗濯機におけるタンク窓と窓部の関係を示す縦断面図
図7】タンク窓を覗く際に視認される同洗濯機を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供され
るのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
(実施の形態1)
以下、図1図7を用いて、実施の形態1を説明する。
【0011】
[1-1.構成]
[1-1-1.洗濯機の構成]
図1、3に示すように、洗濯機本体1の上部には、略中央に衣類投入口12が設けられた上部枠体11が配置されている。衣類投入口12は、上下に貫通する略円形状の開口として形成されている。衣類投入口12は、洗濯機本体1の内部に配置された洗濯兼脱水槽2と連通するように構成されている。
【0012】
蓋体13は、衣類投入口12を開閉自在に覆うように設けられている。前蓋体20および後蓋体30は、蓋体13は閉じた状態において一つの面を形成する。図2に示すように、上部枠体11は、後部が高く前部が低い形状に形成されており、蓋体13は、前面側に向かって漸次低くなるように傾斜して配置されている。
【0013】
蓋体13は、後述のように、二枚蓋として構成されている。蓋体13は、前蓋体20を持ち上げて後方に押し込む操作により、前蓋体20および後蓋体30が折り畳まれて開いた状態となる。使用者は、蓋体13が開いた状態において、衣類投入口12を通じて洗濯兼脱水槽2に洗濯物または各種剤を投入する。蓋体を折り畳み可能に構成することにより、開いた状態における蓋体の高さを低く構成できる。そのため、洗濯機が設置場所において、洗濯機の上方に配置された家具や衣類乾燥機のユニット台等に、開いた状態の蓋体が干渉することを抑制できる。
【0014】
衣類投入口12の後部には、タンク収容部14が設けられている。タンク収容部14は、前方に開口する略箱状の空間として形成されており、液剤タンク3を着脱可能に収容する。使用者は、蓋体13が開いた状態で、液剤タンク3を引き出したり、取り外したりして液剤を補充することができる。
【0015】
図4に示すように、液剤タンク3は、略箱状に形成されており、内部に液剤を貯蔵する。本実施の形態における液剤タンク3は、背面側において自動投入装置(図示せず)と着脱可能に接続される。自動投入装置は、洗濯運転において、液剤タンク3に貯蔵された液剤を吸引し、洗濯兼脱水槽2に投入する。
【0016】
液剤タンク3の前面側には、透明に構成されたタンク窓4が設けられている。タンク窓4は、液剤タンク3の内底面の近傍から液剤タンク3の上部にかけて設けられている。タンク窓4の前面には、上下に配列する目盛り5が設けられている。使用者は、タンク窓4を覗くことにより、液剤タンク3の内部に貯蔵された液剤の残量を視認できる。
【0017】
[1-1-2.蓋体の構造]
図5に示すように、前蓋体20は、前蓋枠体23と、前蓋枠体23の上面に配設される前蓋天面部材22と、を含む。前蓋枠体23は、使用者が把持可能に形成された把持部21が設けられている。前蓋天面部材22は、アクリル樹脂、強化ガラス等の透明材料により構成されており、背面側に塗料が塗布されている。これにより、前蓋体20は、上方から前蓋天面部材22を通して前蓋枠体23が視認されないように構成されている。
【0018】
後蓋体30は、後蓋枠体34と、後蓋枠体34の上面に配設される後蓋天面部材31と、を含む。後蓋枠体34の前側端部には、前蓋体20と後蓋体30を回動自在に接続する
軸支部40が設けられている。後蓋枠体34の略中央には、長方形の開口として形成された後蓋開口部35が設けられている。後蓋開口部35は、後述する窓部33と略同じ形状に形成されている。後蓋天面部材31は、アクリル樹脂、強化ガラス等の透明材料により構成されている。後蓋天面部材31の背面側は、後蓋枠体34に取り付けられた状態で後蓋開口部35と重なる領域を除き、塗料が塗布されている。後蓋天面部材31において、塗料が塗布された領域を不透明部32、塗料が塗布されていない領域を窓部33とする。
【0019】
[1-2.動作]
以上のように構成された洗濯機について、その動作を以下説明する。
【0020】
[1-2-1.液剤タンクの残量の確認]
本実施の形態における洗濯機は、二枚蓋として構成された蓋体13において内部を視認可能とするため、後蓋体30に、透明材料で構成された窓部33および後蓋開口部35を設けている。これにより、蓋体13を閉じた状態で、窓部33および後蓋開口部35を覗くことで、液剤タンク3に貯蔵された液剤の残量をタンク窓4から視認できるように構成されている。本実施の形態における洗濯機は、洗濯運転中に蓋体13が開かれないよう蓋体13を施錠する。蓋体13を閉じた状態でタンク窓4を視認可能に構成することで、洗濯運転中であっても液剤の残量を確認することができる。
【0021】
後蓋体30の強度を担保するため、後蓋開口部35の大きさは制限される。従って、本実施の形態では、タンク窓4を視認するために必要な条件を求め、後蓋開口部35の大きさを定めている。
【0022】
図6において、視点Aは、接地面から約2mの高さからタンク窓4を覗き込む際の目線を示しており、視点Bは、接地面から約1mの高さからタンク窓4を覗き込む際の目線を示している。
【0023】
図2に記載された本体高さの寸法は、一般に、接地面から約1mとなるように構成されている。そこで、本実施の形態における洗濯機は、窓部33の前側端部、タンク窓4の下端部、および窓部33の後端部が為す角度θが50°~65°となるように構成し、高さ1m以上2m以下の視点からタンク窓4の下端部を覗き込めるようにしている。本体高さとは、図2に記載された、接地面から上部枠体11の後側上部までの高さである。
【0024】
これらの構成により、使用者の身長の高低に関わらず、蓋体13が閉じた状態であっても、液剤タンク3の液剤の残量を確認することができる。
【0025】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、洗濯物を投入する衣類投入口12が形成された上部枠体11と、衣類投入口12を開閉自在に覆う蓋体13と、衣類投入口12の後方位置において上部枠体11に形成されたタンク収容部14と、タンク収容部14に脱着可能に収容された液剤タンク3と、を備える。蓋体13は、前蓋体20と、上部枠体11に開閉自在に固定され、前蓋体20と軸支された後蓋体30と、後蓋体30に設けられ、透明材料で形成された窓部33と、を含む。液剤タンク3は、液剤タンク3の正面側に設けられ、透明材料で形成されたタンク窓4を含む。窓部33は、窓部33の前端部、タンク窓4の下端部、および窓部33の後端部が為す角度が50°~65°となるように形成されている。
【0026】
これにより、洗濯機正面において、地上から1m以上2m以下の高さの視点からタンク窓4の下部を視認できる。
【0027】
そのため、一般的な身長の使用者が窓部33を覗き込んだ場合、蓋体13が閉じた状態であっても、タンク窓4を視認して液剤タンク3の残量を確認することができる。
【0028】
また、本実施の形態のように、後蓋体30は、透明材料で形成された後蓋天面部材31と、後蓋天面部材31の下面に取り付けられ、略中央に後蓋開口部35が形成された後蓋枠体34と、を含んでもよい。
【0029】
これにより、後蓋体30の強度を確保しつつ、後蓋体30に蓋体窓を設けることができる。
【0030】
そのため、蓋体13が閉じた状態であっても、タンク窓4を視認して液剤タンク3の残量を確認できる。
【0031】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0032】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0033】
実施の形態1では、タンク窓の一例として、液剤タンク3の前面側に設けられたタンク窓4を説明した。タンク窓は、液剤タンクの正面側に設けられ、透明材料で形成されていればよいので、タンク窓4の構成に限定されない。タンク窓は、例えば、液剤タンクの前面を透明素材で構成したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本開示は、液剤タンクを上部枠体の内部に備えた洗濯機に適用可能である。具体的には、縦型洗濯機に、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 洗濯機本体
2 洗濯兼脱水槽
3 液剤タンク
4 タンク窓
5 目盛り
11 上部枠体
12 衣類投入口
13 蓋体
14 タンク収容部
20 前蓋体
21 把持部
22 前蓋天面部材
23 前蓋枠体
30 後蓋体
31 後蓋天面部材
32 不透明部
33 窓部
34 後蓋枠体
35 後蓋開口部
40 軸支部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7