(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】収納庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20241018BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F25D23/02 306L
F25D11/00 101B
(21)【出願番号】P 2023205364
(22)【出願日】2023-12-05
(62)【分割の表示】P 2022175190の分割
【原出願日】2019-03-27
【審査請求日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2018067336
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】柿田 健一
(72)【発明者】
【氏名】森 貴代志
(72)【発明者】
【氏名】平井 剛樹
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0099523(KR,A)
【文献】特開2014-234985(JP,A)
【文献】実開平04-039690(JP,U)
【文献】特開2002-295967(JP,A)
【文献】特開2007-040679(JP,A)
【文献】特開2007-093078(JP,A)
【文献】特開2007-093039(JP,A)
【文献】特開平03-295991(JP,A)
【文献】特開2016-035643(JP,A)
【文献】特開2008-138937(JP,A)
【文献】特開2006-042971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの収納室が設けられた
収納庫であって、
前記収納室を閉塞する扉と、
前記扉を開閉する自動開閉装置と、
前記扉に設けられた、前記扉を開扉するための第1の操作部と、
前記扉において前記第1の操作部とは異なる位置に設けられた、前記扉を閉扉するための第2の操作部とを備え、
前記自動開閉装置は、前記第1の操作部をユーザーが操作したことに基づいて、前記扉を開扉し、
前記自動開閉装置は、前記第2の操作部をユーザーが操作したことに基づいて、前記扉を閉扉し、
前記第1の操作部は、前記扉の前面に設けられ、
前記第2の操作部は、前記扉の縁枠側面に設けられる、
収納庫。
【請求項2】
前記第2の操作部は、前記扉の縁枠側面の下部に設けられ、
前記第1の操作部と前記第2の操作部は、略同じ高さに設けられる、
請求項1に記載の
収納庫。
【請求項3】
前記第2の操作部は、前記第1の操作部より高い位置に設けられる、
請求項1に記載の収納庫。
【請求項4】
前記扉は、右扉と左扉とで構成され、
前記第2の操作部は、前記扉の縁枠側面のうち前記扉の閉状態において前記右扉と前記左扉とが対向する側面に設けられる、
請求項1または請求項2に記載の
収納庫。
【請求項5】
前記第2の操作部に第1の多軸加速度センサーが設けられ、
前記第1の多軸加速度センサーの検出結果に基づいて、前記自動開閉装置は前記扉を閉扉する、
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の
収納庫。
【請求項6】
前記第1の多軸加速度センサーは、前記第2の操作部からの三次元の出力値のうち、前記第2の操作部が設けられた面と垂直な方向に検知された出力値を優先的に重み付けして検知判断をする、
請求項
5に記載の
収納庫。
【請求項7】
前記第1の操作部に第2の多軸加速度センサーが設けられ、
前記第2の多軸加速度センサーの検出結果に基づいて、前記自動開閉装置は前記扉を開扉する、
請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の
収納庫。
【請求項8】
前記第2の多軸加速度センサーは、前記第1の操作部からの三次元の出力値のうち、前記第1の操作部が設けられた面と垂直な方向に検知された出力値を優先的に重み付けして検知判断をする、
請求項
7に記載の
収納庫。
【請求項9】
前記扉の縁枠側面に第3の操作部が設けられ、
前記自動開閉装置は、前記第1の操作部をユーザーが操作したことに基づいて、前記扉を第1の位置から第2の位置まで開扉し、
前記自動開閉装置は、前記第3の操作部をユーザーが操作したことに基づいて、前記扉を前記第2の位置から第3の位置まで開扉する、
請求項1から請求項
8のいずれか1項に記載の
収納庫。
【請求項10】
前記第1の位置は、前記扉が閉まっている位置であり、
前記第2の位置は、前記扉が半開の位置であり、
前記第3の位置は、前記扉が全開の位置である、
請求項
9に記載の
収納庫。
【請求項11】
前記収納庫は、冷蔵庫である、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の収納庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収納室の扉に、自動開閉装置、および、その装置の動作トリガ―として操作部を備えた収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、食生活の変化、および、郊外型の大型スーパーマーケットの増加から、日々買い物をする習慣が薄れている。例えば、1週間分の食料品を纏め買いして、冷蔵庫に保存しておく傾向が強くなっている。また、比較的大型の冷蔵庫を使用する高齢者が増加している。そのようなユーザーにとっては、纏め買いした食品と扉との総重量が重く、収納室の開閉が負担に感じられる。これに対して、アクチュエーターにより、自動開扉する冷蔵庫が発売されている。
【0003】
冷蔵庫の操作部には、静電容量式のタッチセンサーが採用されることが多く、偶然、人の体が触れたり、操作部に水がかかったりした場合に、扉が意図せず開扉する誤動作がある。このような誤動作に対して、確実に人が操作したことを判断するために、操作部に振動センサーを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図11は、特許文献1に記載された、従来の冷蔵庫の、冷蔵室右扉の開扉状態を示す正面図であり、
図12は、従来の冷蔵庫の、操作パネル部分を概略的に示す説明図である。
【0005】
図11および
図12において、断熱箱体2の上部空間に形成された冷蔵室3の前面には、観音開き式の左扉8と右扉9があり、開閉自由に冷蔵室3を閉塞している。断熱箱体2の最上部には、ソレノイド式、または、モーター式の自動開扉装置41が設置されている。左扉8の表面には、操作パネル部10が配置されている。操作パネル部10は、庫内温度設定および運転モード切り換え等の操作を行う操作スイッチ(一般的な静電容量式のタッチセンサー)と、設定状態をLED等で知らせる表示機構26とを有している。操作パネル部10の下部には、自動開扉装置41を動作させるための操作部42が配置されている。人が触れた時の操作部42表面の振動を検知する手段として、振動センサー43が組み込まれ、振動センサー43からの信号は、操作制御部23に入力される。
【0006】
ユーザーが操作部42の表面を軽く叩く等の操作を行うと、振動センサー43は、操作があったと判断して、信号を操作制御部23に出力し、操作制御部23は、自動開扉装置41を動作させるとともに、表示機構26に操作を検知したことを表示させる。
【0007】
上記の説明では、左扉8にある操作部42により、右扉9を開扉させる構成になっているが、操作部42を左右両扉にそれぞれ設けて、操作部42により、操作部42が設置された側の扉を開扉させる構成が一般的である。
【0008】
しかしながら、上記した従来の構成では、操作部42が扉前面に配置されているため、開扉動作だけ行う場合には支障がない。しかしながら、閉扉動作も可能とする自動開閉装置が装着される場合には、開扉状態から閉扉操作を行う時に、操作部がユーザーの死角に配置される場合(動作扉と操作部の設けられる扉が同一扉の場合)、または、ユーザー位置から離れている場合(動作扉と操作部の設けられる扉が異扉の場合)があり、操作しづらいという課題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【0010】
本開示は、扉動作の操作性を向上させた収納庫を提供するものである。
【0011】
収納庫は、収納室を閉塞する扉と、扉を開閉する自動開閉装置と、扉に設けられた、扉を開扉するための第1の操作部と、扉において第1の操作部とは異なる位置に設けられた、扉を閉扉するための第2の操作部とを備え、自動開閉装置は、第1の操作部をユーザーが操作したことに基づいて、扉を開扉し、自動開閉装置は、第2の操作部をユーザーが操作したことに基づいて、扉を閉扉し、第1の操作部は、扉の前面に設けられ、第2の操作部は、扉の縁枠側面に設けられる構成である。
【0012】
これにより、ユーザーは、扉の閉扉操作を収納庫の前面位置で行うことができる。
【0013】
本開示の収納庫によれば、扉を自動開閉動作させるための操作を、収納庫前の、同じ立ち位置で行うことができる。このため、操作のために移動したり、屈んだりするという煩わしさが軽減され、扉動作の操作性の向上、および、ユーザーの使い勝手の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【
図3】
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る冷蔵庫の冷蔵室右扉の開扉状態を示す正面図である。
【
図4】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る冷蔵庫の制御構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本開示の第1の実施の形態に係る冷蔵庫の加速度センサーの出力変化を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の第1の実施の形態に係る冷蔵庫の動作フローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の第2の実施の形態に係る冷蔵庫の冷蔵室右扉の開扉状態を示す正面図である。
【
図8】
図8は、本開示の第3の実施の形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【
図9】
図9は、本開示の第3の実施の形態に係る冷蔵庫の冷凍室扉の開扉状態を示す平面図である。
【
図10】
図10は、本開示の第3の実施の形態に係る冷蔵庫の冷凍室扉の開扉状態を示す側面図である。
【
図11】
図11は、従来の冷蔵庫の、冷蔵室右扉の開扉状態を示す正面図である。
【
図12】
図12は、従来の冷蔵庫の、操作パネル部分を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の一態様の冷蔵庫は、断熱壁で構成された筐体と、筐体内に設けられた収納室と、収納室を開閉自在に閉塞する扉と、扉の縁枠側面に設けられた操作部と、扉を自動で開閉する自動開閉装置とを備えている。自動開閉装置は、操作部が発生した閉扉トリガーに基づいて、扉を閉じる構成である。
【0016】
これにより、ユーザーは閉扉操作をするための移動を行うことなく収納物を取り出した位置で閉扉操作を行うことができる。よって、扉動作の操作性を向上させることができる。
【0017】
また、扉の前面に、開扉トリガーを発生させる第二の操作部が設けられ、自動開閉装置は、開扉トリガーに基づいて、扉を開ける構成であってもよい。
【0018】
これにより、さらに、ユーザーは冷蔵庫前で閉扉操作と同じ立ち位置で開扉操作を行うことができる。よって、開扉操作を行うための移動動作が軽減される。
【0019】
また、第二の操作部に、第1の多軸加速度センサーが設けられた構成であってもよい。
【0020】
これにより、ユーザーのノック等の軽い操作力の振動が、扉開閉のトリガーとなる。よって、手の甲または肘等で操作ができ、手のひらが汚れている場合、または、両手が塞がっている場合であっても、容易な開閉操作が可能になる。
【0021】
また、第1の多軸加速度センサーは、第二の操作部からの三次元の出力値のうち、垂直軸方向に検知された出力値を、優先的に重み付けして検知判断をする構成であってもよい。
【0022】
これによれば、さらに、第二の操作部の多軸加速度センサーによって、開扉操作か閉扉操作かを区別することができる。よって、接続ハーネスおよび取付構造物が半減され、大幅な簡素化による工数削減およびコスト低減が可能になる。
【0023】
また、操作部に、第2の多軸加速度センサーが設けられてもよい。
【0024】
これにより、ユーザーのノック等の軽い操作力の振動が、扉開閉のトリガーとなる。よって、手の甲または肘等で操作ができ、手のひらが汚れている場合、または、両手が塞がっている場合であっても、容易な開閉操作が可能になる。
【0025】
また、扉の開閉状態を検知する扉開閉検知部を備えた構成であってもよい。
【0026】
これにより、扉の開閉状態を正確に判断できるので、閉扉状態では開扉操作、閉扉状態では閉扉操作のみをそれぞれ受け付けることができ、誤操作を防止することができる。
【0027】
また、扉の縁枠側面に、二段動作開扉トリガーを発生させる第三の操作部が設けた構成であってもよい。
【0028】
これにより、第二の操作部で、まず扉が半開状態となる動作を行い、その後、第三の操作部で扉が全開状態となる操作を行うことができる。これにより、扉側収納物および収納室前側収納物等の出し入れの際の、扉を一気に全開することによる冷気流出を防ぐことができる。よって、省エネルギー性を向上させることができる。
【0029】
また、第三の操作部と操作部とが一体化された構成であってもよい。
【0030】
この構成によれば、さらに、一つの操作部のハード構成により、開閉操作を行うことができる。よって、操作部の取付けスペースとコストの低減とが可能になる。
【0031】
また、扉を、引出し式の開閉扉とした構成であってもよい。
【0032】
この構成によれば、さらに、高さが低い位置に配置されている引き出し式扉において、閉扉操作する操作部の位置を、開扉操作する操作部よりも高い位置に設置することができる。よって、腰より低い位置に多く配置される扉に対して、特に閉扉操作を、楽な姿勢で
行うことができる。
【0033】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施の形態によって、本開示が限定されるものではない。
【0034】
(第1の実施の形態)
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る冷蔵庫100の正面図であり、
図2は、
図1の冷蔵室扉のA-A断面図であり、
図3は、冷蔵庫100の冷蔵室右扉102bの開扉状態を示す正面図である。
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る冷蔵庫100の制御構成を示すブロック図であり、
図5は、同冷蔵庫100の加速度センサーの出力変化を示す図であり、
図6は、同冷蔵庫100の動作フローチャートである。
【0035】
冷蔵庫100は筐体101を備えている。
【0036】
図1から
図4において、断熱箱体である筐体101は、主に鋼板を用いた外箱と、ABSなどの樹脂で成形された内箱と、外箱と内箱との間に注入された断熱材とで構成されている。
【0037】
筐体101は、複数の収納室に断熱区画されており、最上部に冷蔵室102が設けられ、その冷蔵室102の下部に、製氷室103および切換室104が横並びに設けられている。製氷室103と切換室104の下部には、冷凍室105が配置され、最下部には野菜室106が配置されている。各収納室の前面には、外気と区画するための断熱扉が、筐体101の前面開口部に、それぞれ構成されている。
【0038】
冷蔵室102の断熱扉である、冷蔵室左扉102aおよび冷蔵室右扉102bは、観音開き式であり、冷蔵室102を開閉自由に閉塞している。また、冷蔵室102以外の断熱扉は、引出し式であり、前後に可動し、各収納室を、冷蔵室102と同様に、開閉自在に閉塞している。
【0039】
冷蔵室102の上部の筐体101天面には、自動で断熱扉を開閉する装置が配置されている。冷蔵室左扉102a用としては左扉開閉装置107が、冷蔵室右扉102b用としては右扉開閉装置108が、それぞれ設けられている。また、それらの開閉装置を駆動するための操作トリガーを発生させる操作部が、各断熱扉の表面に配置されている。冷蔵室左扉102a用としては左扉第二の操作部109が、冷蔵室右扉102b用としては右扉第二の操作部110が、それぞれ配置されている。
【0040】
また、冷蔵室102最上部の後方領域に形成された機械室内には、圧縮機、および、水分除去を行うドライヤ等の、冷凍サイクルの構成部品が収納されている。冷凍室105の背面には、冷気を生成する冷却室が設けられ、冷却室内には、冷却器および冷却ファンが配置されている。冷却ファンは、冷却器で冷却された、冷却手段としての冷気を、冷蔵室102、製氷室103、切換室104、冷凍室105および野菜室106に、風路を介して送風する。さらに、冷却ファンからの風量を調節する風量調節ダンパーが、風路内に設置されている。これらの構成により、各収納室を所望温度に調節する冷却運転が行われる。
【0041】
次に、断熱扉の構成について、冷蔵室右扉102bを例に、
図2の右扉操作部付近の箇所の断面構成で説明する。なお、冷蔵室右扉102b以外の断熱扉の断熱構成も同様の構成である。
【0042】
筐体101の内側に位置することになる縁枠111は、例えばABS樹脂で形成されて
いる。その縁枠111を覆うように、積層配置されたガラス板等の透明前板からなる、扉外装板112が正面に接着固定されている。扉外装板112としては、光沢のある強化ガラス板が一般に使用される。扉外装板112の内側には、樹脂フィルム113が貼り付けられている。これにより、絵模様の付与および着色のうち、少なくともいずれかが行われることにより、意匠性が高められるとともに、ガラスが割れた場合の飛散防止の役割も果たすことができる。
【0043】
扉外装板112の樹脂フィルム113側の面と、縁枠111との間の空間は、充填発泡させた硬質のウレタンの発泡ウレタン119で満たされている。これにより、断熱性が高められるとともに、縁枠111と扉外装板112とを接着保持することができる。
【0044】
次に、右扉第二の操作部110部分の扉内部構成について説明する。
図2に示すように、冷蔵室右扉102bの内部の、右扉第二の操作部110付近には、発泡ウレタン119は充填されておらず、右扉第二の操作部110付近の部位の冷蔵室右扉102bの内部は、中空領域120となっている。冷蔵室右扉102bの骨格となる縁枠111の下端面には、樹脂板で形成された基板支持体114が挿入される支持体挿入口115設けられている。支持体挿入口115に基板支持体114が挿入された後に、別部品の蓋で、基板支持体114が、固定ネジ116によって固定される。
【0045】
基板支持体114には、扉外装板112の内面に対向する平面部136が設けられ、その一面は、操作部付近の扉外装板112裏面に密着固定され、他面には、実装基板117が面固定されている。実装基板117の、平面部136側の面とは反対の面には、加速度センサー118が、はんだ付けにより実装固定されている。本実施の形態では、X、Y、Zの3軸の加速度センサー118が用いられており、冷蔵室右扉102bの表面(右扉第二の操作部110面)を基準に、水平方向をX軸、鉛直方向をY軸、垂直方向(前後方向)をZ軸として、加速度センサー118は、振動を加速度として検知する。
【0046】
なお、右扉第二の操作部110は、ユーザーに、操作すべき(振動を与えるべき)部位であることを判別させることができる構成であればよく、新たな構成部品は不要であり、文字、記号および線形等のうち、少なくともいずれかを固定表示すればよい。しかし、意匠性を上げるためには、LED等を採用して、ガラス越しに、文字、記号および線形等うち、少なくともいずれかの表示を浮かび上がらせる方式を用いることも可能である。
【0047】
次に、冷蔵室右扉102bの開扉状態での構成について説明する。
図3に示す様に、冷蔵室102の内部には、冷蔵室右扉102bの開閉状態を検知できる右扉開閉検知部121が設置されている。具体的には、ホールICと磁石とによる非接触な電子式、および、スプリングを利用した接点スイッチによる機械式のドアスイッチ等から選択されるものを用いることができる。開扉状態の冷蔵室右扉102bの縁枠側面122の下部には、右扉操作部123が設けられている。
【0048】
右扉第二の操作部110、および、右扉操作部123は、床から同じ高さ、具体的には、大人の腰位置程度の高さに配置されることが好ましい。なお、詳細な構成は図示しないが、右扉第二の操作部110用に取り付けられた加速度センサー118を、同様の構成で、右扉操作部123にも取り付けることができる。その場合は、右扉操作部123面を基準に、水平方向がZ軸、鉛直方向がY軸、垂直方向(前後方向)がX軸として、振動が、加速度として検知される。
【0049】
さらに、断熱扉を開閉する制御を、
図4のブロック図で説明する。
【0050】
ユーザーのノック操作により、振動は、右扉第二の操作部110→扉外装板112→基
板支持体114→実装基板117の順に、X軸の振動が信号S2、Y軸の振動が信号S3、Z軸の振動が信号S4として、それぞれ、加速度センサー118に伝わる。制御装置124は、加速度センサー118が出力する判定信号S5と、右扉開閉検知部121からの信号S1とを入力して演算処理を行い、信号S6を、駆動装置125へ出力する。駆動装置125は、信号S7を右扉開閉装置108へ出力する。これにより、冷蔵室右扉102bが、この例では開扉動作される。また、開扉状態で、右扉操作部123が操作された場合には、同様の制御により、閉扉動作が行われる。
【0051】
以上のように構成された冷蔵庫100について、まず、その開扉動作および作用を、
図5の加速度センサーの出力変化グラフ、および、
図6の動作フローチャートを用いて説明する。
【0052】
まず、ステップ1で電源が投入されると、冷蔵室右扉102bが閉扉状態であるか否かが、右扉開閉検知部121により、ステップ2として判断される。閉扉状態であれば(ステップ2,Yes)、論理をステップ3へ、開扉状態であれば(ステップ2,No)、論理をステップ13へ、それぞれ、信号S1を制御装置124へ出力して進める。
【0053】
次にステップ3では、閉扉状態なので、右扉操作部123での振動が検知され、その加速度センサー118からの出力が、予め規定された(数1)に示す値±Aを超える出力であれば(絶対値がAを超えていれば(ステップ3,YES))、論理をステップ4へ進め、そうでなければ(ステップ3,NO)そのまま論理はステップ3を継続する(
図5の最初のノックの時点)。
【0054】
【0055】
なお、(数1)において、X,Y,Zは、加速度センサー118が検知した各軸方向の出力である。α、β、γは定数であるが、右扉第二の操作部110へのノック操作では、Z軸方向の振動が支配的であるので、より重み付けるために、γを、α、βよりも十分に大きな値とする。その結果、判定基準となるAの値は、Z軸方向を優先した3軸の値の総和となる。
【0056】
続いてステップ4では、出力波形のバウンシング等の誤検知波形を検出しない無検知区間(
図5の予め規定された時間t2)を経過後に、ノックが最初にあったと判断した信号S5を、加速度センサー118から制御装置124へ出力する。制御装置124は、カウンタNを1とするとともに、タイマーT1をスタートする。
【0057】
次にステップ5では、ステップ3と同様に、加速度センサー118の出力が、±Aを超える出力であれば(絶対値がA以上を超えていれば)、論理をステップ6へ進め、そうでなければ、そのまま論理はステップ5を継続する(
図5の2回目のノックの時点)。
【0058】
次にステップ6では、ステップ4と同様にノックがあったと判断し、加速度センサー118から信号S5を制御装置124へと出力する。制御装置124は、カウンタNを+1(インクリメント)し、N=2とする。
【0059】
続いてステップ7では、タイマーT1の経過時間を制御装置124が判断し、予め規定された時間t1を経過していれば、論理をステップ8へ進め、そうでなければ、論理をス
テップ5へ戻して、ノック操作があるか否かの検知を継続する。
【0060】
次にステップ8では、カウンタNの回数を制御装置124が判断し、2回ならばステップ10へ論理を進め、それ以外(1回あるいは3回以上)であれば、タイマーT1をリセットして(ステップ9)、論理をステップ2へ戻す(
図5の検知回数Nの時点)。
【0061】
次にステップ10では、検知単位時間t1内に、規定のノック回数(本実施の形態では2回)があったとして、ノック操作を確定する。続いてステップ11では、規定時間経過後(本実施の形態では0.5秒とする)に、制御装置124から、開扉信号S6を、駆動装置125に1パルス出力(本実施の形態では1秒とする)する。さらに、開扉させる信号S7が、右扉開閉装置108へ出力され、ステップ12において、冷蔵室右扉102bが開扉される。そして、タイマーT1をリセットして(ステップ9)論理をステップ2へ戻す。
【0062】
次に、閉扉動作をステップ13以降で説明するが、操作部が右扉操作部123になり、右扉開閉装置108の動作が閉扉動作に変わるだけで、基本的な動作、作用は上述した開扉操作と同様である。
【0063】
まず、ステップ13では、開扉状態なので、右扉操作部123での振動が検知され、その加速度センサー118からの出力が、予め規定された(数2)に示す値±Bを超える出力であれば(絶対値がBを超えていれば)、論理をステップ14へ進め、そうでなければ、そのまま論理はステップ13を継続する(
図5の最初のノックの時点)。
【0064】
【0065】
なお、(数2)において、X,Y,Zは、加速度センサー118が検知した各軸方向の出力である。δ、ε、ζは定数であるが、右扉操作部123へのノック操作では、X軸方向の振動が支配的であり、より重み付けるために、δは、ε、ζよりも十分に大きな値とする。その結果、判定基準となるBの値は、X軸方向を優先した3軸の出力の総和となる。
【0066】
続いてステップ14では、出力波形のバウンシング等の誤検知波形を検出しない無検知区間(
図5の予め規定された時間t2)を経過後に、ノックが最初にあったと判断した信号S5が、加速度センサー118から制御装置124に出力される。制御装置124は、カウンタNを1とするとともに、タイマーT1をスタートする。
【0067】
次にステップ15では、ステップ13と同様に、加速度センサー118の出力が、±Bを超える出力であれば(絶対値がBを超えていれば)、論理をステップ16へ進め、そうでなければ、そのまま論理はステップ15を継続する(
図5の2回目のノックの時点)。
【0068】
次にステップ16では、ステップ14と同様にノックがあったと判断され、加速度センサー118から信号S5を制御装置124へ出力する。制御装置124は、カウンタNを+1(インクリメント)し、すなわちN=2とする。
【0069】
続いてステップ17では、タイマーT1の経過時間を制御装置124が判断し、予め規定された時間t1を経過していれば、論理をステップ18へ進め、そうでなければ、論理
をステップ15へ戻して、ノック操作があるか否かの検知を継続する。
【0070】
次にステップ18では、カウンタNの回数を制御装置124が判断し、2回ならばステップ20に論理を進め、それ以外(1回あるいは3回以上)であれば、タイマーT1をリセットして(ステップ19)、論理をステップ2へ戻す(
図5の検知回数Nの時点)。
【0071】
次にステップ20では、検知単位時間t1内に、規定のノック回数(本実施の形態では2回)があったとして、ノック操作が確定される。続いてステップ21では、規定時間経過後(本実施の形態では0.5秒とする)に、制御装置124から閉扉信号S6を、駆動装置125に、1パルス出力(本実施の形態では1秒とする)する。さらに、閉扉させる信号S7が、右扉開閉装置108に出力され、ステップ22において、冷蔵室右扉102bが閉扉される。そして、タイマーT1がリセットされて(ステップ19)、論理をステップ2へ戻す。
【0072】
以上の説明は、冷蔵室右扉102bについて述べたが、冷蔵室左扉102aについても、左扉に関与する左扉第二の操作部109、左扉開閉装置107等を用いて、同様な開扉動作、閉扉動作を行えばよい。
【0073】
なお、本実施の説明1では、ノックを確定するためのノック回数を2回としたが、カウンタNの判定回数を変更すれば、任意の操作回数設定が可能である。また、ユーザーの操作感を考慮して、検知単位時間t1、無検知区間t2、操作確定規定時間の0.5秒、および、制御装置124からの1パルス出力の1秒については、任意の値に設定して構わない。
【0074】
以上のように、本実施の形態においては、断熱壁で構成された筐体101と、筐体101内に備えられた冷蔵室102と、冷蔵室102を開閉自在に閉塞する冷蔵室右扉102bと、冷蔵室右扉102bを自動で開閉する右扉開閉装置108とを備えた冷蔵庫100が開示される。さらに、冷蔵庫100は、冷蔵室右扉102bの縁枠側面に、閉扉トリガーを発生させる右扉操作部123を配置している。これにより、開閉操作を冷蔵庫前面の同一操作部で行う従来構成において生じる、閉扉操作の時に、開いた扉の前面に回り込む無駄な移動動作は不要となり、使い勝手の良い操作を実現することができる。
【0075】
また、冷蔵室右扉102bの前面に、開扉トリガーを発生させる右扉第二の操作部110を配置している。これにより、ユーザーは、開閉したい同じ扉の前の立ち位置で開閉操作を行えるので、無駄な移動動作が軽減され、更に使い勝手の良い操作性を実現できる。
【0076】
また、右扉第二の操作部110および右扉操作部123には、操作検知部として、多軸の加速度センサー118を搭載している。これにより、ユーザーのノック等の軽い操作力の振動で開閉操作を行うことができ、従来の静電タッチセンサーのように、素手で触る必要がなく、手のひらが汚れていれば、手の甲もしくは肘等での操作、または、手袋等の着衣越しでの操作が可能になる。
【0077】
また、右扉操作部123には加速度センサー118は搭載せず、右扉第二の操作部110のみに加速度センサー118を1個搭載して、各操作部からの垂直軸方向の検知出力値を優先的に重み付けして、判断することもできる。これにより、右扉第二の操作部110の加速度センサー118のX軸方向を閉扉操作、Z軸方向を開扉操作として、センサー1個で検知することができる。これにより、接続ハーネスおよび取付構造物等の半減が可能となり、大幅な工数およびコスト削減が可能になる。
【0078】
また、冷蔵室右扉102bの開閉状態を検知する右扉開閉検知部121を備えたことに
より、扉の開閉状態を正確に判断するので、閉扉状態では開扉操作、閉扉状態では開扉操作のみをそれぞれ受け付けることにより、誤操作を防止し、信頼性の高い自動扉開閉動作を提供できる。
【0079】
(第2の実施の形態)
図7は、本開示の第2の実施の形態に係る冷蔵庫200の冷蔵室右扉の開扉状態を示す正面図である。なお、第1の実施の形態と同一構成については同一符号を付して、異なる部分について主に説明する。
【0080】
図7において、第1の実施の形態の構成に対して、新たに、右扉第三の操作部126が、縁枠側面122に配置された右扉操作部123の上部に追加されている。なお、
図7では、右扉第三の操作部126が、右扉操作部123の上部に設けられたとしたが、縁枠側面122上であれば、位置は特に限定されない。右扉第三の操作部126の、具体的な操作検知部の検知部としては、例えば、第1の実施の形態で用いられた多軸加速度センサーが好ましい。
【0081】
次に、その動作、および作用を説明する。
【0082】
まず、閉扉状態で、右扉第二の操作部110が、ノック等の操作により、振動を検知すると、第1の実施の形態で説明した動作と同様に、ノック操作が確定されて、右扉開閉装置108が開扉動作する。この時、駆動装置125から信号S5が右扉開閉装置108へ出力され、右扉開閉装置108が動作し、冷蔵室右扉102bが予め規定された半開の角度に達した時点で、右扉開閉装置108は動作を停止する。ここで、半開の角度とは、冷蔵室右扉102b内側のドア棚、および、冷蔵室102内前側棚等の収納物が出し入れ可能な、必要最小限の開放角度とする。
【0083】
この半開状態で、ユーザーは、出し入れ動作が終了して、閉扉したい場合に、右扉操作部123をノック等の操作で振動させる。そうすると、第1の実施の形態で説明した動作と同様に、ノック操作が確定されて、右扉開閉装置108が動作して、冷蔵室右扉102bが閉扉する。
【0084】
一方、半開状態において、冷蔵室102内の奥側への収納物の出し入れが必要な場合には、ユーザーは、縁枠側面122にある右扉第三の操作部126を、ノック等の操作で振動させる。そうすると、駆動装置125から信号S5が右扉開閉装置108に出力され、右扉開閉装置108が動作し、冷蔵室右扉102bが全開して動作が停止する。そして、ユーザは、作業が終了して閉扉したい時に、同様に、右扉操作部123を操作すればよい。
【0085】
なお、右扉第三の操作部126の操作によって、扉を半開状態から全開させる操作を、閉扉操作を行う右扉操作部123によって操作可能としてもよい。すなわち、右扉第三の操作部126と右扉操作部123とを一体とすることも可能である。具体的には、ノック検知回数Nが2回の場合に、扉が半開から全開する操作を行い、Nが3回の場合に扉を閉扉させる動作としたり、その逆の動作としてもよい。また、ノックの時間間隔によって、半開から全開する動作と、閉扉する動作とを区別することもできる。いずれにしても、検知する回数および時間のうち、少なくともいずれか等を、制御によって変更すれば対応可能である。
【0086】
以上、第1の実施の形態および第2の実施の形態での説明は、冷蔵室右扉102bについて述べたが、冷蔵室左扉102aについても、左扉に関与する構成を、冷蔵室右扉102bに関与する構成と同様にすれば、左扉において、同一の動作が可能である。
【0087】
以上述べたように、本実施の形態においては、冷蔵室右扉102bの縁枠側面122に、二段動作開扉トリガーを発生させる右扉第三の操作部126を配置している。これにより、冷蔵室右扉102b前面にある右扉第二の操作部110で、まず扉を半開状態にする動作を行い、その後、更に扉開放が必要な場合に、右扉第三の操作部126によって全開状態にする操作ができる。よって、冷蔵室右扉102b内側の収納物および冷蔵室102前側収納物等の出し入れの際には、ユーザーは、扉を半開状態にして作業を行うことができ、全開することによる、不要な冷気流出を防止することができる。よって、省エネルギー性の向上を図ることができる。また、扉が二段動作で開扉するので、安全面の確保、および、高品位動作という観点からも、優れた冷蔵庫を提供できる。
【0088】
また、冷蔵室右扉102bの縁枠側面122に設置された、右扉第三の操作部126と右扉操作部123とを一体と構成することにより、一つの操作部のハード構成で、半開から全開までの開扉、および、閉扉の操作を行うことができる。これにより、取付けスペースおよびコストの低減ができるだけではなく、近傍に二つの操作部があった場合の、ノック位置間違い等の誤操作も防止できる。
【0089】
(第3の実施の形態)
図8は、本開示の第3の実施の形態に係る冷蔵庫300の正面図であり、
図9は、同冷蔵庫300の冷凍室扉の開扉状態を示す平面図であり、
図10は、同冷蔵庫300の冷凍室扉の開扉状態を示す側面図である。
【0090】
なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一の構成については同一符号を付して、異なる部分について説明する。
【0091】
図8から
図10において、引出し式の冷凍室扉128の前面に、冷凍室扉128を開扉動作させる操作トリガーを発生する、冷凍室扉第二の操作部127が配置されている。その構成は、第1の実施の形態で説明した冷蔵室右扉102bの右扉第二の操作部110と同一である。
【0092】
また、開扉状態の
図9および
図10に示す様に、冷凍室扉128の骨格となる縁枠側面上部129には、冷凍室扉128を閉扉動作させる操作トリガーを発生する冷凍室扉操作部130が配置されている。冷凍室扉操作部130にも加速度センサー118が搭載されてもよいが、本実施の形態では、冷凍室扉第二の操作部127にのみ、1個の加速度センサーを搭載した構成を説明する。すなわち、加速度センサー118の、垂直方向のZ軸が、開扉操作の振動として、鉛直方向のY軸が、閉扉操作の振動として、選択的に加速度として検知される。
【0093】
また、冷凍室105の内部には、冷凍室扉128の開閉状態が検知できる冷凍室扉開閉検知部131が配置されている。さらに、取り出し可能な冷凍室ケース133は、前後に可動可能な引出しレール132の上に収納されており、引出しレール132には、引出し扉開閉装置134が設置されている。ここで、引出しレール132と冷凍室扉128とは固定連結されているので、引出し扉開閉装置134の動作により、自動で冷凍室扉128の開閉が行える。
【0094】
以上のように構成された冷蔵庫300について、以下その動作、および作用を説明する。
【0095】
まず、閉扉状態で、冷凍室扉第二の操作部127が、ノック等の操作により振動を検知すると、第1の実施の形態で説明した動作と同様に、ノック操作が確定されて、引出し扉
開閉装置134が動作し、冷凍室扉128が開扉する。次に、開扉状態で、冷凍室扉操作部130が、ノック等の操作により振動を検知すると、第1の実施の形態で説明した動作と同様に、ノック操作が確定されて、引出し扉開閉装置134が動作して冷凍室扉128が閉扉する。
【0096】
この時、加速度センサー118、および、扉側に配置される場合の制御装置124には、本体側から電源供給および信号伝送することが必要となる。信頼性確保のために、伸縮するハーネス接続のみならず、非接触給電方式を採用することでも構成が可能になる。具体的には非接触給電の1次側を本体側に、2次側を扉側に設置して対向させれば、閉扉状態での電源供給および信号伝送が可能になる。また、2次側に、閉扉状態で充電できる電池等のバックアップ電源、および、赤外線等の無線通信デバイス等を設けておけば、開扉状態でも、閉扉操作のノック検知が可能になる。
【0097】
また、第2の実施の形態と同様に、冷凍室扉128の縁枠側面上部129に冷凍室扉第三の操作部135を設けておけば、冷凍室扉128の二段動作での開扉が可能になる。これにより、冷凍室105内の手前の収納物の出し入れの時には、半開状態で作業できる。よって、第2の実施の形態と同様に、省エネルギー性が向上し、安全面の確保、および、高品位動作の確保ができる。
【0098】
以上のように、本実施の形態においては、自動開閉する扉を、引出し式の冷凍室扉128とし、閉扉操作する冷凍室扉操作部130の位置を、開扉操作する冷凍室扉第二の操作部127よりも高い位置に設置している。これにより、腰より低い位置に多く配置される扉に対して、特に閉扉操作が、上下方向のノック操作によってできるので、使い勝手が良く、楽な姿勢で操作が行える。
【0099】
なお、本実施の形態では、冷凍室について説明したが、同様の構成を、同じ引出し式の野菜室等に適用しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上述べたように、本開示にかかる冷蔵庫は、自動開扉装置を動作させるための操作部として、扉の縁枠側面に閉扉用操作部を設ける。これにより、観音開き式扉でも引出し式扉でも、操作性が向上する。よって、業務用冷蔵庫、冷凍冷蔵ショーケース、および、温度調節が不要な収納庫等にも応用でき、有用である。
【符号の説明】
【0101】
100,200,300 冷蔵庫
101 筐体
102 冷蔵室
102a 冷蔵室左扉
102b 冷蔵室右扉
103 製氷室
104 切換室
105 冷凍室
106 野菜室
107 左扉開閉装置
108 右扉開閉装置
109 左扉第二の操作部
110 右扉第二の操作部
111 縁枠
112 扉外装板
113 樹脂フィルム
114 基板支持体
115 支持体挿入口
116 固定ネジ
117 実装基板
118 加速度センサー
119 発泡ウレタン
120 中空領域
121 右扉開閉検知部
122 縁枠側面
123 右扉操作部
124 制御装置
125 駆動装置
126 右扉第三の操作部
127 冷凍室扉第二の操作部
128 冷凍室扉
129 縁枠側面上部
130 冷凍室扉操作部
131 冷凍室扉開閉検知部
132 引出しレール
133 冷凍室ケース
134 引出し扉開閉装置
135 冷凍室扉第三の操作部
136 平面部