(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】車両搭載または台座上載の津波シェルター
(51)【国際特許分類】
B60R 21/00 20060101AFI20241018BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B60R21/00 310N
E04H9/14 Z
(21)【出願番号】P 2023211996
(22)【出願日】2023-12-15
【審査請求日】2023-12-15
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509270904
【氏名又は名称】冨田 穣
(72)【発明者】
【氏名】冨田 穣
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-173644(JP,A)
【文献】特開2022-112944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外側搭載または
台座上載の単独タイプの津波シェルターは、
気密性、剛性に優れた箱型形成体で、下部に出入り口を設けることで密閉扉を設けずとも水没中の生存必要空気量を確保できるとした上部閉塞の非密閉構造体であり、車両外側のトラック荷台に搭載、トレーラー被牽引車両台車に搭載または台座上載のシェルターであって、
これらの台の上にのせることから、台面と上下で重なることとなるシェルター構造体の底部面材は省略できることを特徴とし、出入りは車両荷台の後方に張り出したシェルター底部空間、荷台後部をくり抜いた穴、台車の縦はりの間隙、または台座の空間の地上からの侵入とし、シェルターは車両に搭載して運搬できる寸法、高さ、重量以下とし、シェルターは津波時に浮き上がり、転倒、漂流することを阻止する必要があり、シェルター躯体重量、またはシェルター躯体上に上載する錘あるいは両外側にロープで結んだアンカー重量との重量和が、シェルター躯体にかかる浮力に勝るとしたことを特徴とする車両搭載または台座上載の津波シェルター。
【請求項2】
車両内側搭載の一体型タイプの津波シェルターは、津波時に車両自体が浮き上がり、転倒、漂流することを阻止する必要があり、移動中の津波遭遇時には、車両の扉、ドア、窓を開け津波水を導入し、導入水重量と車両重量の重量和が、車両内空気体積の総和に相当する浮力に勝ることとし、簡易的には車両重量を見越し車両内空体積の半分、室内高さの半分を津波水の導入目安とすることができるとし、シェルターは津波で水没しても、水中で生存できる必要空気体積を有する気密性の上部閉塞で、シェルターの鉛直面部に設ける防水回転付扉あるいは防水スライド付扉を出入り口とし、下面部に底板を必要としない非
密閉形成体であって、津波外力に対して車体に守られ、かつ浮上が天井部までと制限されているものとし、シェルターは、乗用車、バス車両では、車両後部に部屋囲いで設け、列車のように通路が必要な車両では車両後部または中央部にアーチ形状で設け、出入りは鉛直面部に設ける防水回転付扉または防水スライド付扉部からとし、車内導水による浸水前にはシェルター内に避難を済ますこととし、車両の天井高さまでを一体とした部屋囲いのシェルター、車体と合体、一体化したシェルターまたは連結する専用車両シェルターとし、シェルターと車両フレームの天井部、側面部または床面の一部とは溶接または接着剤で
一体または車両フレームとの隙間にゴム、シール材などのクッション材を介した一体型とし、形成体は底板を必要とせず、高さ途中の生存空気の損失がなく、津波で転倒、漂流せず、天井までの一体型かつ防水回転付扉あるいは防水スライド付扉からの出入りで大容量の空気量保持が可能で、集団避難が早いことを特徴とする津波シェルター。
【請求項3】
車両内側搭載の単独タイプの津波シェルターは、津波時に車両自体が浮き上がり、転倒、漂流することを阻止する必要があり、移動中の津波遭遇時には、車両の扉、ドア、窓を開け津波水を導入し、その水重量と車両重量の重量和がシェルターを含む車両内空気体積の総和に相当する浮力に勝ることとし、簡易的には車両重量があるので車両内空体積の半分、室内高さの半分を津波水の導入目安とすることができるとし、夜間を含む駐車中の津波遭遇時には車両にかかる浮力に勝るアンカー力のあるロープを車両天井に回すなどの浮上対策を講じることができるとし、車内導水による浸水前にはシェルター内に避難を済ます
こととし、シェルター自体は、津波で水没しても、水中で生存できる必要空気体積を有する気密性の上部閉塞で、下面部を出入り口とした非密閉形成体であって、シェルターの車内への搬入は、扉、ドアまたは後部の扉部からとし、設置は、座席上または床置きとし、コンパクト収納は天井部、車体枠と座席の隙間部そのほかの空間部とし、シェルターは、設置空間に合わせて空気体積を確保できる形状または概直方体とし、内部のシェルターは津波外力に対して車体に守られ、浮上が天井部までと制限されている物理的制約を利用し、天井までの浮上による揺らぎ、空気塊逸脱防止、人の車両外逸脱防止のために、あらか
じめ座席下の脚柱に回して用意したロープの両先端に付けた係止手段を、シェルター下部に設けた取っ手または穴に避難の内部から引っ掛けることで、シェルターにかかる浮力に抵抗するとし、形成体は底板を必要とせず、高さ途中の生存空気の損失がなく、津波で転倒、漂流せず、孤立無援の走行車両の搭乗者の命を救うことができるとしたことを特徴とする津波シェルター。
【請求項4】
前記車両内側搭載のシェルターのうち、天井が低く、乗車定員の少ない乗用タイプの列車、バス以外の車両搭載のシェルターは、狭い車両用のコンパクトに圧縮したシェルター、天井部にはゴム長靴の先端のように拡張した部分を有する断面L字状の形状で運転席ではハンドル部を避けた窪み形状としたシェルター、車の外からドアを開けたときにドアと座席シートとの隙間から挿入できるように圧縮したシェルター、横折りまたは縦折りで折りたたんだシェルター、天井収納で吊り降ろしできるシェルター、天井までの背丈が不足している場合は下方に向かって先細り形状とし2人掛け座席では2股に分岐した先細り形状
としたシェルター、またはシェルターが天井まで浮上することによる中の人の落下防止として全体を網囲いして下部をひもで袋とじまたはファスナー閉じとしたシェルター、シェルター内部に入り手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、時間余裕があれば漂流物からの保護板を窓際間にセットし、またはシェルターで底部と床面とに侵入高さが確保できないときの鉛直面部の防水回転付扉または防水スライド付扉としたシェルターで、いずれのシェルターも浮上時に水流の揺れによる空気塊、泡の逸脱防止を図る必要があり、シェルターを車両の天井部に配した田の字のような定着枠組みに定着する方法または定着アンカーとして座席下の脚柱、定着部に配置したロープとシェルターの取っ手を結ぶ方法とし、いずれも浮力で浮上し、天井部に密着しそれ以上の浮上を天井で物理的に制止でき、天井部との摩擦力あるいはアンカーロープで車外逸脱防止を図るとしたことを特徴とする請求項3に記載の津波シェルター。
【請求項5】
前記車両内側搭載のシェルターのうち、天井が高く乗車定員の多い列車、バスの内部搭載のシェルターは、天井部にパイプ、レールを敷設または座席横にポールを立てることで、シェルターの組み立て、引き降ろし時または浮上時のガイドとするもので、浸水する津波にシェルターの揺らぎが大きいことに対する抑制方法として前記ポールまたは座席下の脚柱、定着部にアンカーを取るためにロープは長めとし、天井部に圧縮収納するシェルターは、縦長形状で下方への先細り形状、または網囲いとし、引き降ろして拡張し、天井までの背丈が足りないので座席上または床上から立位で入り、手足や補助形枠または圧縮空気
ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、時間余裕があれば漂流物からの保護板を窓際間にセットし、網囲いの下方は浮上時に人が落下しないようひも閉じまたはファスナー閉じとし、天井部に収納しないタイプのシェルターは、座席背もたれ部または座席下、床部収納とし、天井までの高さを浮上すること、足が届かず口元から息ができないことからシェルターの高さは概1mまでとし、座席シート上、床上で手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、時間余裕があれば漂流物からの保護板をセットし、網囲いの下方は浮上時に人が落下しないようひも閉じまたはファスナー閉じとしたことを特徴とする
請求項3に記載の津波シェルター。
【請求項6】
前記請求項2に記載のシェルターの鉛直面部に設ける防水回転付扉は、主に内開きで外開きにも対応できる回転式扉で、扉の頂部を回転の中心軸として、扉の両端に接する鉛直面部との間には、防水性、柔軟性に優れた折りたたみの扇状の膜袋としシェルター中に避難した後は元に戻すこととし、扉の裏面または表面に取っ手をつけたことを特徴とするシェルターの鉛直面部に設ける防水回転付扉、または前記請求項2に記載のシェルターの鉛直面部に設ける防水スライド付扉は、シェルターの鉛直面部に扉を横にスライドして出入り口を開閉できるとしたもので、扉の裏面とシェルター出入り口の縦横2辺に設けた防水ゴ
ム付き戸袋にスライド収納し、残りの1辺は周辺に設けた嵌合パッキンと裏面側から取っ手による引っ張り力で嵌合するとした防水スライド付扉で、扉の裏面または表面に取っ手をつけるとし、裏面の取っ手は後付けまたは突出を最小とした収納タイプとしたことを特徴とするシェルターの鉛直面部に設ける防水スライド付扉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な車両搭載型または存置の台座上載型の津波シェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
来る南海トラフ巨大地震に伴う津波では32万人の死者が予測されているが対、策が進んでない。5分で高さ10mの津波が来襲するというのに、「逃げ切れ」との掛け声、住民を集めた高台に逃げる避難訓練など全く的外れといえる。特許情報プラットホームで検索したところ「シェルター 車」で188件あり、該当するのは5件であった。特許文献1は、「シェルター浮上装置」 で牽引車にシェルターを乗せシェルターに浮上装置を備えるものだが、本願のシェルターは浮上させないので異なる。特許文献2は、「車両水上浮上装置」 で車の下に浮上装置を有するものだが、本願は浮上させないので異なる。特許文献3は「水陸両用シェルター」で車の下の膨張装置で浮上するものだが、本願は浮上させないので異なる。特許文献4は「津波対応自働車」で乗務員室を気密室に保つものだが、本願は気密部屋でなく底部を開放している構造体としても異なる。特許文献5は「避難用シェルター」で車両と切り離しできる浮遊シェルターとしているが、本願は浮遊しないので異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6873527号
【文献】特許第6842791号
【文献】特許第6837687号
【文献】特開2015-217933
【文献】実登3187204号
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内閣府発表で32万人の死者が予測される津波だが、この10年間の対策で何万人の命が助かることになったのか公表が待たれる。まさか東京電力第一原発の二の舞ではないと思うが、津波が来るまではバレない。いつもの想定外という常套の言い訳は聞き飽きた。イスラエルによるガザ地区住民の命の軽さ、死に晒された命に放置する現状に似ていないか。津波対策で一般に提唱されているのは、高台移転、高防潮堤、津波タワーがあるが、特に津波タワーでは、最大被害が予測される真冬真夜中の熟睡中の時間帯に32万人中何人がたどり着けるというのか。費用対効果は極度に低い、ゼロともいえる。最大被害が真冬真夜と予測されているのに、対策は最悪を想定してない。たどり着けない高齢者、妊婦、車いす使用者を置き去りにした対策でもあり税金を使う予算計上で著しく公平性を欠くといえる。来ない、来るはずがないという神頼み、おまじないは、この10年間は通じた。過去の事例、特に東日本大震災から学ばなくてはならない。そこで、多くの命を救うこと、身近にあり、廉価であり、地域生活に密着した車、その移動時間帯には人が中にいることを踏まえて対策するとし、さらには最大被害の深夜には多くは自宅にいることは明らかであり、駐車中、留守を預かる家族、車を保有しない住民の安全を含む切れ目のない24時間を通した人々の暮らし、地域生活の安全が図れるとした津波シェルターを実現化することこそが課題解決の一助となるといえる。津波は、いつどこでどの時間帯に来襲するかわからない。しかも、南海トラフ巨大地震では、地震後に最短2~5分、高さが10mで来襲すると予測されている。そのとき、身近な車は移動中である確率も高い。地方では社会生活、日常生活には欠かせない車で移動している時間帯、時間数は昼間の多くを占める。東日本大震災では多くの車が流された。列車も転覆し、多くの乗客が不明になった。車で遠くに逃げられればいいが、幹線道路に集中すると渋滞に巻き込まれる。車は特に地方では仕事、買い物、通院の足に欠かせない。通勤中、通学中には、バス、列車のマス交通が用いられ、その利用時間も長いので危険にさらされる時間数×人数も24時間のうちに占める割合はさらに大きい、全員の命が失われるので責任はかなり重い。マス交通には多くの乗客がいる。車内は閉じ込められた空間である。かといって外に逃げれば助かる可能性はゼロに近い。車の最大の特長は車体に囲まれていることと移動性といえる。しかし移動可能な車といえども、1日の半分以上の時間帯で家の駐車場にいる。そのことが分かった上で何とかならないか。小学校の校庭で学童の集団悲劇を見たくない。車自体を活用することができれば、車が休んでいる時間も活用できれば、派生的に何か活用できれば、多くの住民、学童を救える。そこで、人の24時間に着目、車が休んでいる時も避難に如何に幅広く、公平に活用できるかを課題とする。東日本大震災では、車は容易に浮き上がり、浮いた車同士がぶつかり、沖合へと流され、やがて海底に沈んだことは容易に想像できる。人間は生身では津波に呑み込まれた瞬間に助からない。幸いにして、乗用車は、運転手、乗客は車内で、まずは外力から車体に守られているといえる。そこでシェルターを守られた車内に搭載する。しかし、人体の占める空間を含めて車内空間が狭いので硬い形状のシェルターでは、設置に困難を伴う。まず、軽量で、圧縮してコンパクトにできること、折りたためること、そして形状自在を考える。天井部収納、座席シートの背もたれ後部、床置きでは邪魔にならない。ゴム長靴のように柔軟性があればあらゆる車内の余空間、天井部に曲げて沿わせるとさらなる空間を利用できる。荷物を載せる余裕のあるバン、ワゴンタイプでは硬い形状のままのシェルターでも載せるスペースがある。バス、列車のマス公共交通では、多くの命を救う義務がある。外側に荷台があるトラックでは、シェルターはむき出し、露出状態で考える。津波の横力の直撃に晒されているので、受圧面積とモーメントを少なくするために、より低く、より重く、より強度のあるシェルターを搭載することになる。留守を預かる家族や車を持たない人でも同様のシェルターを利用できることが公平であり我々の責務である。何時ともわからない津波であるが、来る南海トラフ巨大地震に伴う津波は、内閣府の発表で最大津波高さ34.4m、死者32万人、死傷者100万人が予測されている。沿岸部では高さ10mの津波が2~5分で急襲するとされ、最大被害は、真冬、真夜中の深夜である。外に出れば低体温症が待ち受ける。発表から10年、そのうちの何万人が助かるようになったのか。近年、関東大震災での大津波の映像が発見されたところ。警告ばかりで、膨大な命をどう救うのか本当の責任者の顔が見えないのも問題を解決しない根本原因。これを世間では小田原評定という。それでも、避難所は32万人の安置所に役立つ。人数分が足りているのか今さらながら検証、公表が必要だ。火葬場の用地取得、建設の進捗率の発表も待たれる。身元特定証明書がないと火葬もできない。DNA鑑定、歯形照合、指紋照合など事務手続きで1年待ち、腐敗しないよう冷凍倉庫の建設も急がれる。こういう非常時、大災害時を見据えて顔写真入りマイナンバーカードが身元特定に有効であることを政府は積極的にPRすべきだ。まさか何時までも放置するつもりではないと信じたいが。英知はないのか。早く対処すれば人々はそれだけ日々安心して暮らせるというのに。10年間放置した責任は軽くない。といっても責任者がいないのだからどこ吹く顔。先の東日本大震災の津波は、地震後最短で15分後、多くは1時間後の来襲で余裕があったといえるが、南海トラフ巨大地震、日本海巨大地震による津波では波形の立ち上がりが急峻で全くそうはならない。奥尻島沖津波のように1分の急襲では、外に避難する時間、猶予時間などさえない。6時間に及んで6波が繰り返し襲ってくる。1日のうちいつ来襲するか分からないので、24時間備えなくてはならない。でも、その予期不能の残酷な津波であるが、来襲は少なくとも地震の揺れの後で、という自然秩序、ルールを守り、引き潮、轟音などで事前予告をする正義感がある。これに活路を見出し答えなくてはならない。揺れが収まるのが地震発生後2、3分として、引き算で逆に逃げる猶予は2、3分あるといえばあるし、ないといえばない。正確とする地震の解析に時間と予算を費やし、それが仕事とする自己満足に浸り、避難警告が最速で地震発生後の4分後に出たのでは多くは時すでに遅しである。小学生にも分かる。沿岸地域の住民には何の役にも立たないことを知るべきである。最大級の大きな地震発生、とのけたたましいサイレン、アナウンスでもいい、イスラエル、パレスチナの数秒後のミサイル警報サイレンなど見習い、瞬時に自動発信されるべきである。被害の甚大さはミサイル空襲よりけた外れに大きいのだから。けたたましいサイレンが鳴らないと尻に火がつかない。即座に、地震の揺れの大きさから自己判断、自己防衛する覚悟、訓練を常々身に着けていなければならない。死ねば後悔することもないといえるが後悔しないためにも少なくとも1つは自分ならどうすると決めておく必要がある。外に出ては危険である。わずか30cmのさざ波でも足元をすくわれ沖にさらわれる。かといって、トンガ火山噴火による津波警報が出ても人々は逃げている気配がなかった。高知県の湾内の船舶が転覆したというのに。やはり、ゴーという轟音、地響き、高波が目前に迫らないことには我がこととして危機回避のスイッチが入らないようだ。寒い冬はあきらめが先立ち思考停止になる。入浴中とか就寝中ではパジャマを着替える暇はない。ぐずる子供に靴を履かせるだけでも5分はすぐ経過する。ともかく考えている猶予はない。本音かどうかわからないがあきらめているという人も多いのも確か。もちろん自分だけは何とかなる、大丈夫というバイアスから脱却しなければならない。瞬時の無条件反射、反復行動トレーニングが必要である。住宅事情も影響する。一般住宅では、木端みじん、ひとたまりもない。堅固なマンションでは、高い階であれば助かると考えられるが、津波高さが予想高さ以下である保証は一つもない。垂直避難、屋上避難で助かると考えがちだが、結果としてみれば津波高さより低い建物、その屋上では津波に丸呑みされる。押し寄せる津波の恐怖、容赦ない残酷さはいかほどであったか。国は何を考えているのか。「ともかく逃げ切る」との避難計画はいかがなものか。真冬真夜中の来襲で32万人のほとんどは家から出られず、逃げ切れてないと考えられる。外に出れば危ないというのに逃げ切れば助かるというまやかしでこれが国策というのか。24時間のうち、在宅は半分の時間として、マンション住まいでも、小学生などの通学途上、通勤途上、通院、日常の買い物途上、昼間の営業中など、生身で備えがない時、周辺に高く堅固な建物がない地域での避難は容易でない。それでも、在宅時、勤務時、学校なども含めて日常生活の24時間、真冬真夜中を含む四六時中、危険を予想していなければならない。
【0006】
そこで、避難場所は限られているので、自分自身が即、避難できるシェルターを携帯、用意することがベストであるという考えに至る。それが無理なら日常生活のあらゆる時間帯、場所で、今、津波に遭遇したらどう逃げるかを常に考える反復訓練が必要である。そうすることの繰り返しで、助かる確率が着実に上がる。散歩していても地域の高い建物を確認すればボケ防止にも役立つ。車運転なら、使用時間数が多くを占める車の活用が貢献度、寄与度が大きいと推察する。車と一緒に多くの人が津波にさらわれて犠牲になったが、まずはその車について、浮上しないことを考える。併せて、不特定の遭遇時間帯、遭遇場所に対して、人の移動と共にある車搭載のシェルターが望まれるところとなる。
それがかなえれば、小学生の通学、下校途上にも安全なように、津波シェルター搭載の車両で送迎する。これで少なくとも2人が助かる。家族の通勤も送迎する。仕事での営業も津波シェルター搭載車で巡回する。助手を連れれば2人助かる。通院、買い物にも自己防衛、自身で津波シェルター搭載車を運転する。シェルターとともにある日常生活、安全時間を1日のうちで占める時間数を増やす。このことで安全率が高まることを意識する。この積み重ねで、昼間の大半は危険な状況を回避できる。帰宅後は、一般住宅では庭にシェルター搭載車を駐車し、できればアンカーに結んで、転倒、漂流に備える。あるいは、トラック荷台に搭載するシェルター、その積み下ろしの段取り前後のシェルターは、クレーン付きのユニックトラックで上げ下ろしも容易で、受け台となる台座に上載、仮置きする。車の運転手ばかりでない、留守を預かる家族を忘れてはならない。1日のうち、仕事以外の時間帯、移動しない時間帯は多くを占める。荷台、台座にシェルターを載せたままとすることで、絶え間なく、逆に多くの時間帯、夜間の時間帯を家族分の安全避難シェルターとして活用することができる。シェルターの利用時間に絶え間があってはならない。人数分のシェルターを追加して台座に載せたままとすれば、昼間の留守を預かる残された家族用のシェルターとしても、そして夜間の襲来に備えて家族全員分のシェルターとして、車を持たない地域住民用としても絶え間なく活かすことができ、24時間を通した安全、安心時間数が増え、命を守る公平な成果、可能性の実効値が上がるといえる。このように地震、津波が24時間中のいつ来襲してもよいように家族として備える。家族でバラバラにならないことが大切。漂流してバラバラだと捜索費用も数倍となる。単に遭難するという個人の問題だけでなく、遭難すれば、膨大な国家費用が掛かることを認識すべきである。シェルターを生活に合わせて一緒に移動すること、移動できる車両に搭載して日常生活そのものとして活用すること、逆に、留守を預かる家族、夜間の家族の安全安心を守ることを考えることで、いつ、どこで襲われるか分からない津波、自分だけは大丈夫というバイアスに対して家族主体の24時間の発想トレーニングができる。単に運転、ドライブするだけの車では時間に切れ目がある、活用しきれてない。非常時の備えは日頃からの思考、訓練があってこそ役立つもの。いつどこで襲われるか分からない津波に対して、同じく不特定位置の移動性の車は相性がいい、役に立つ。長い時間を占める駐車中でも派生的な応用的知恵も考えなければならない。いつどこで襲われるか分からない津波に対して、切れ目があってはいけない。いつでもどこでも、24時間を途切れることなく対応できるという課題が解決できる。個人、家族単位で助かるとなれば、次は、バス、列車のマス交通の通勤通学時の集団避難、小学校学童の集団避難を考える。SNSの時代、悲劇のニュースは一瞬に世界中を駆け巡る。先生方の精神的負担は計り知れなく大きい。そうならないよう事前に考えておくことこそが負担を軽減できる。想定力、想像力が必要である。我々には東日本での貴重な事例があるのだから。他人任せでは同じ結果となることは容易に想定できる。立派な教育を受けていても、不作為で命を失ってはならない。命を預かる教員の責任は重い。避難訓練に参加している、テレビに映ったというばかばかしい自己満足、自己防衛、アリバイ作りは聞きたくない。この10年、何を考え、何を行動したのか、行動しようとしたのか。その避難方法、行動は逆に危険にさらしているのではないか。果たして何人の将来ある若い命を救うことができるようになったのか厳しい自己評価が求められる。忙しいとかのいつもの言い訳は聞きたくない。瞬時ともいえる津波から如何に救出するか、アリバイ作りばかりで自己保身し成果を見せない先生は、即刻、山奥の学校に転校させるべきだ。職場の避難も同様で社員を失ってはならない。サプライチェーンの喪失回避は会社の社会責務である。津波の外力には、車両自体の特性として、車両のタイヤの4個の距離、横幅によるテコの抵抗、弾力性、クッションと車両床下のスプリング、バネ効果で津波の衝突力の緩和、津波の横力による転倒防止に役立つ。ただし、先の東日本の事例で周知のことだが、車は容易に浮上し、抵抗力を失い、転倒、沖合まで流され沈没する。力学的には単純で、車の窓が閉まっていては、閉塞空間の内部空気量が浮力となり、車は転倒より先にウキの如く浮上し、漂流する。そこで、車が浮き上がらないように対策する。そのためには、浮力がかからないようにする。車が水中となると閉じ込められたままの空気体積で浮力が生じる。そこで、窓を開けて空気を放出するか、浮力に勝る重量を得ることを考える。窓を開ければ閉じ込められた浮力のもととなる空気が抜ける。そして、その空間に錘となる津波水を車内に導入することができればよいことが分かる。これを要領よく実施する。まず窓を全開とし、津波の水を車内に受け入れ浸水状態とし、空気と入れ替わった水を水荷重として活用する。窓を開けて車重量と水荷重の錘の和が、搭載シェルターの空気体積の総和、すなわち浮力以上とする。簡明な目安として、車の室内高さの半分を浸水とし説明上仮に素早く窓を閉めるとすれば、空気体積は残りの半分であり、1/2の空気体積による浮力と1/2の水体積の重量が、1対1で均衡する。大きな津波では窓から一瞬で浸水する。四の五の考える必要はない。浮力に抵抗するのは重量であり、もともとの車両重量だけでは足りないことは自明のことなので、水荷重に車両重量がプラスアルファとして加わり安全側となる。実際には窓を閉めずともシェルター内に空気を確保することで、窓を全開しても開放状態なのでいくらでも浸水し、空気と入れ替わって満水となり車は浮上しない。半開でも、10cmほど開けるにしても満水となり浮上しない。ただし、窓を大きく開けると漂流物が飛び込んでくる恐れがあるが、逆にわずかしか開けないと、窓ガラスが津波の波力その横力を受ける受圧面積が大となり、片持ち梁状態なので耐えられるかどうか。前後部座席のいずれかの両サイドの窓を全開するのがよさそうで、波圧は、筒抜けとなり、車体の転倒に働く横力を逃がすことができる。窓ガラスには飛散防止フィルムを張るのが望ましい。ここで肝心なことは、シェルターの出番は、浸水前に開いて生存に必要な空気量を入れておく必要がある、そしてその中に避難する。その後に浸水させるという段取り。ここで先に進むために、実験1、2をした。そして基本となる自然定理ほか救出参考例を紹介する。
【0007】
実験1、水槽で実験をした。幅10cm縦10cmのコップと幅10cm縦20cmの縦長コップを逆さにして潜らせた。いずれも8cmの深さで底部が浮き上がり傾き空気泡が塊となって逸脱し、コップは転倒した。次に縦10cmのコップを一個積重ねとすると安定した。指で上部を押さえても安定した。このことから、1m3立方体のシェルターは、高さ0.8mを超えると下へのアンカーを必要とすること、あるいは、頂点部で押さえること、重量を増やすことでもよいこと、さらには、シェルターの持ち上がりとなる浮力の影響を少なくする工夫として、下方部の空気体積を減らすとし先細り形状とすることが有効であると考えた。ここで、人の体重を100kg=0.1トンとしても、シェルター内の空気体積、1m3=1トンの浮力の大きさには絶対的に逆らえない。浮上するがまま、なすがままであることを理解しておくべきである。シェルターの中の人は浮上するかどうかは底部次第だが、まずは座席シートに着座した状態でよい。シェルターの下部の取っ手に足を引っ掛けて突っ張ることも揺れ防止、空気泡、塊の逸脱防止のために有効で、かつ座席下の脚柱、定着部にロープとかでアンカーを取る必然性が分かる。
【0008】
実験2、シェルター内に大人が避難するとその体積相当の空気体積が減少する。そこで、設計空気量が実質減ることになる内部避難の人の体積について実験した。人はプールで浮くとすれば比重は1.0で、体重100キロの人で0.1m3の体積で内空体積は1割を占める。すなわち1割の空気量が減る。また、自宅の65cm*110cmの浴槽で、半身浴して、水位の変化を計ると+7cmであった。全身なら+14cmで、体積計算すると0.65*1.1*0.14=0.1m3で、両者一致し、1m3のシェルター内では人の体が1割の体積を占め、厳密には生存必要空気量が1割減ることも承知しておく。説明するまでもなく0.5m3のシェルターでは2割減となる。子供はその半分でよさそう。
【0009】
自然定理ほか、アルキメデスの原理で、水に比して比重の軽い空気は水中で上昇する。シェルターには水を排除した体積相当の浮力がかかる。パスカルの原理で、シェルター内外の圧力は等しい。このことで、底部に出入り口のあるシェルターの全周の壁には密閉構造のような内外圧力差はかからない。紙1枚の厚みの壁でもよい。ボイルの法則で、シェルター底面にできる水平水面が密閉空間を形成し、津波高10mで水圧2気圧なので、シェルター内の空気は上に1/2に圧縮、20mでは1/3、30mでは1/4に圧縮されそれに伴って水位、水面も上がるので慌てないように。内部は閉塞空間であるので水位は、内水位0.5mに対して外水位10mが連動するので、上昇速度は1/20の速度でゆっくり上昇し、必ず空気は上の天井部に残る。口先を天井に向けていればよい。高さ34mの最大津波による水圧負担には、2013年にナイジェリア沖の水深30mで難破船の船底から62時間後に救出されたニュースがある。第一波が終われば、水位が下がるので新鮮な空気と入れ替わる。1m3/時の設計で、それほど心配する必要がない。まずはこれで四の五のいわずシェルターを作ることが先決である。いつまでも躊躇し行動しないと、何もない生身で津波の来襲を受ければ水没し、空気が一瞬でもなければ人は絶命なのだ。それこそ時間の無駄、この10年間の時間は戻ってこない。シェルターは、車内に浸水してからでは、容易に開かない。浸水前に開けばシェルターの下部は水中にあり、内側の水平水面とで空気を確保できている。この段階では、浮力はアルキメデスの定理で、排除した水体積、外水面以下部分なのであまり大きくない。さらに10mの津波が来るとボイルの法則で内部体積が1/2に圧縮されるので同時に浮力が半減する。シェルターの浮上も、車両天井で物理的に制限できる。車両外に放り出されないよう、また揺らぎ、傾きで空気の塊がシェルター下部から逸脱しないよう、シェルター下部に取っ手を設け、座席下の脚柱に回したロープでフック掛けとしアンカーとする。座席シート上では尻に敷くこともできる。
【0010】
(各種シェルター)
図1に車両の代表外観例を示す。シェルターへの出入りは、車両床面、座席面、あるいは地上、地面からとすることで、空気保持高さを下面から天端面までの側面高さの全高として確保でき無駄なく有効に取れる。津波時には車両自体またはシェルター自体の浮上を阻止しなければならない。車両が浮上すれば、少しの横力でも簡単に転倒し、沖へ流される。物体は中に空気があれば浮力を生じる。空気体積による浮力は大きい。鉄の船も浮かぶ。すなわち、窓を閉じたままの車両は空気を含み、車両重量に比して車両全体にかかる浮力は大きすぎる。浮力に勝る抵抗、それを上回る重量が必要である。車両重量は車体の鋼板重量なので不足は明らかである。2以上、3トン以上の錘を車内に入れるわけにはいかない。そこで
図2に示す車両の窓を開け津波水を室内に導入し空気と入れ替えることで水荷重として加え、車両重量との合計が車両またはシェルターにかかる浮力に勝るとする方法を考えた。荷台搭載、台座上載ではシェルター自体を重量のある躯体、壁体とし内空体積による浮力に勝るとする方法、さらには車両、シェルターにかかる浮力以上の錘、アンカーを車体、シェルターにロープで回す方法が考えられる。車両内側搭載のシェルターでは、車体が漂流物の直撃を緩和する期待がある。
図3のシェルターは、軽量で、強度に優れ、弾力性、狭い空間に対応できる変形性能が求められる。底板はないので圧縮、折りたたみが容易といえる。車両天井部に取り付け治具を備えておき、シェルターをカセット方式で装着すると収納もすっきりする。まず、シートベルトを外し、コンパクトに圧縮、縮小したシェルターの中に床上、座席上で入り、シェルターの外殻素材を手などで拡張することができ空気体積を確保する。内部の天端には、円板、方形板、下部には穴あきの円板、方形板を補助として張れば形状保持、体積確保ができやすい。天井高さの高い列車、バスの車両では、天井部には、レール、縦パイプがあればガイドに役立つ。浮上に邪魔な荷物棚は撤去する必要がある。天井までの浮上時にシェルターの中の人が落下しないよう、シェルター全体をあらかじめ
図4に示すような網で覆っていると段取りは早い。あるいは
図5の先細り形状とする。座席上に立ってシェルターの中に入る。シェルターの中から網の下部をひも閉じ、またはファスナー閉じの袋状とし、袋先端部は事前に座席下の脚柱、定着部に回したロープでアンカーを取っておくと避難が早い。ロープ、先端部は足を引っ掛けて突っ張ることも揺れ防止、空気泡、塊の逸失防止さらに車外逸脱防止のために有効で、
図6に示すロープ長さに余裕を持たせる。天井部にある車両取っ手とシェルターを覆った網とをロープで結ぶとさらに揺れ防止となる。シェルター自体は、できるだけ車内空間に沿って、空気体積をできるだけ取り入れた形状が望ましい。例えば、乗用車ではシェルターの天端部は車内天井に沿うように
図7に示すゴム長靴の足先形、縦側面は座席シートの傾斜に沿うように、運転席ではハンドル部を回避した窪み形状に、そして尻に敷くとして、座席シートの下まで立体形がミノ虫状、寝袋、人魚姫の如く延びるように変形自在にするとよい。天井部のゴム長靴のように先端を拡張した形状とすれば1m3足らずの運転席の空気体積を少しでも増やすことができる。後部座席では2人分入る断面形状としてもよい。列車、バスでは、隣が見知らぬ人、異性とも考えられるので
図8の二股形が良い。天井部や、座席の背もたれの後部に収納できる。天井部収納でひもを引っ張ることで吊り下ろすことも可能である。牛乳容器をプレス機で押しつぶした状態にコンパクトに圧縮、縮小できる。硬い立方体、直方体そのものならドアから内部に入らないので、シリコンのような変形性のシェルターとする。折りたたみ式のシェルターは、1辺、2辺を面折りで折り返すことで縮小、平らにたたむことができる。
図9の横折り、
図10の縦折りでは特徴が異なる。縦折りは天端を柔軟材とする必要がある。その上に天端板を別置きとして後付けとするとよい。例えば頂点部の外殻4辺にフック、着脱自在テープとする。漂流物衝突防止のためなので、構造的には連続していなくてもよい。急ぐ時間の中で取り付けることになるが間に合わなければ省略もやむを得ない。天井部収納では、下部につけた取っ手で引っ張り下ろす。または穴を設けロープを通し、座席シート下の脚注に回す。あるいはその逆で、座席下のフック付きロープをシェルターの取っ手、穴に引っ掛ける。取っ手はシェルター内に避難後の手足、座席下のアンカーで浮き上がらないよう押さえ込むのに役立つ。水重量を付加するため窓を開けるのでシェルター自体を強い素材で作ることが考えられるが、別の独立した防護盾を用意しておくのも工夫だ。シェルターの高さは、空気塊逸脱の危惧があり1m程度が限度である、車両タイプごとに多少異なるので特徴を活かすことを考える。ハッチバック車では後方を開いた空間、バンタイプでは荷物用の床面が利用できる。天井が高いとあらかじめ
図15に示す網付シェルターを重ね置きすると避難が早い。剛なシェルターとして
図13に示す防水回転扉付、
図14に示すスライド扉付とすることもできる。マイクロバス、通学通勤バス、列車では車内も広く、天井も高く、通路も利用できるがシェルターがすぐ天井まで浮上するので浮上対策、呼吸の口が届かないので対策が必要だ。重量は、車内設置が軽量を活かせる。乗用車ならシェルター高さが1mで車内高さが1.2m程度であれば、浮き上がる空間距離が20cmと少ないので取っ手を座席下のアンカーと結ぶ程度で浮上の厳しさに余裕があるが、列車のように天井が高いと、シェルターの浮上で人が取り残され、また同時に上昇するとしても落下の危険があるのでシェルターは
図4の網掛けし、下端を結ぶかファスナー閉じとし、長さに余裕のあるアンカーロープを結んでおく。あるいは下方を
図5の先細り形状としてもよい。津波はいつも大きいとは限らない。1m程度の小さい津波では小舟、ボートのように回遊する。外水圧で中からドアを開けることができない、そこで、素早く、楔、スパナ―、スペーサーをドアとの間に挟む機転、周知、用意も必要だ。それらはなくさないよう座席下の脚柱にひもで結んでおく。つぎに、シェルターは車両天井で浮上の上限があるというものの、車両内でも浮上、浮遊することによる揺れの不安、また津波水の直撃に恐怖感を覚える。すなわち、車両内でも小さな津波の揺さぶりに晒されているといえる。そこで、揺れ、直撃、衝撃ができるだけ少なくなるよう考える。最初からこれ以上の浮上の余地がないように天井と隙間のない天井高さのシェルターを考える。天井に嵌合して離れない。
図11に車体内部に内接したボックス、部屋の様な比較的剛なシェルター、車体の薄い鉄板と同程度のシェルターに溶接、接着剤による一体化、クッション材を介することも考えられる。
図12に断面図を示す。側面壁は車両のタイヤ部の凸断面は曲げて避け、中央のシャフト部もアーチ状円筒半割形で避けアーチの両端部面は鋼板側面壁と溶接する。出入り口は、
図13の側面部防水回転扉、または
図14の防水スライド扉からとすると、側面の全高さが空気保持に有効となり保持空気量が大きく取れる。津波外力を受けてシェルター部屋にひずみが出て、溶接部がひび割れては空気が漏れるので内部に気密性のポリ袋、ビニール袋の上を底とした配置が良い。
図16の列車、
図20のバスのマス交通でも車両の
図17の中央部、または
図18の車両後部と一体型、またはシェルター付き車体と入れ替え、合体する方法もある。
図16のうち列車方向に10mの長いシェルターは3両編成、5mの短いシェルターは1両編成の重量バランスで仮定したものである。
図17、
図18、
図19では天井部の縦方向に仕切り板を入れ、万が一の転倒時に空気が抜けるのを防ぐ。海岸側の走行が一定なら海岸側の底部に鋼板を溶接すると空気が抜けない。両側鋼板底部なら転倒してもさらに安心。ただし、密閉構造とならないよう回転扉、スライド扉は少し開けておく必要がある。転倒がどちらの方向、どちらの出入り口が上になるかで開閉動作が必要で訓練を要する。中に天井までの背丈を補う長椅子、脚立も準備する。
図19のようにシェルター専用連結車両も考えられる。連結の前後車両の重量が伝わるかどうかチェックを要する。いずれも水荷重の導入に体積計算を要する。一体型は多人数分のシェルターを準備、訓練することよりも一か所だけなので効率的で、効果も高い。列車、バスのマス交通の多人数の未来ある若者の集団避難、救命の課題が解決できるので積極的検討が必要である。車両外側搭載のシェルターでは、トラック、トレーラー、台座上載で、トラックの荷台は床面なので直接侵入できない。
図21のようにシェルターを荷台後方に張り出して、または荷台を切り欠いて地上、地面からの出入りとなる。
図22のトレーラーでは地上、地面から屈んで下面に入る。直接、津波の横力に晒され漂流物の衝突にも転倒しない重量と抵抗する幅、強度があり躯体にかかる浮力に浮上しないことが求められ、まずは、シェルター躯体は重量体といえる。計算はいとも簡単で、4トントラックでは、内空4m3と設定すれば4人家族分の空気量となり、その浮力が4トンであり、シェルターの躯体重量を4トンとすればよい。ここで、シェルターを車両荷台に搭載する前後作業時に、仮置き、荷置きする台座の上載では、トラックはなくてもよいことに気付く。そこで台座上載のシェルターは、そのまま載せておくと24時間の家族の安全安心につながる。出入り口は、底版が特に必要でないので
図23のように台座の穴開け、隙間からと任意位置に選べ、台座の高さは人の下からの侵入高さの確保のほか、新鮮な空気と入れ替わる効果を得るため地域で予測される引き潮時津波の2つの波形の合間に見られる浸水深さ以上の高さ、水に浸かったままとならないよう確保する。自然な空気入れ替えが期待でき、これにより設計の空気量も津波周期、1時間単位でよいことになる。極寒では低体温症の突然死防止のためにも飛行機のタラップのように覆われた風胴とした家の出入り口との接続通路設置、
図24、
図25のようにシェルターを家屋の窓への半分突入形とすれば温かい家の中で避難ができありがたい。介護者、高齢者のいる住宅では空き部屋活用が有効となる。命が一番大切と考えれば、木端みじんとなるであろう家の
図26に示す一室の犠牲は大したことでない。安全安心に時間帯の途切れがあってはいけない。家族が安全なら地域住民も安全であり、台車上載のシェルターは車両を所有してない人にも朗報である。あらゆる人に公平に役立つシェルターといえる。まさしく地域住民全員の安全安心につながるといえる。あきらめていた多くの命、32万人、さらには犠牲が予測される100万人の数字提示された無機質な一人ひとりの命の塊に光明が見える。工場製作のプレキャストコンクリートとすれば、厚み0.20mで現場の作業は少なく設置も早い。構造補強となる底版付きもあるが、津波用としては特に必要でない。出入り口は底版の全部を省略する。一部分を省略するか穴あけとしてもよい。鉄製でシェルター自重が足らない場合は、シェルターの上にコンクリート板、鉄板を載せ、錘として加えるか、コンクリートブロックに結びロープでシェルターの上に回しアンカーとすると産業界への波及効果は大きい。
図24の家の窓からの突入型では、片持ち形となる。
図25のシェルターを鉄製とすれば重さが不足するので、家の外部の天井上に鉄板、またはコンクリート板を錘として載せ、さらにアンカーロープで回し浮上、転倒防止とした例を掲げる。鉄板の厚みが薄い分、家内への突入長は短くなり、窓へ影響も少なく圧迫感も少なくコンパクトにできる。鉄板は浮力に対して軽い。鉄の船が浮くほどで錘の追加が必要である。さらには、
図22でトレーラーには長く重いシェルターの搭載ができる。出入りは下面からで地上、地面からとなる。津波用の需要があると思われるので、最初から一体車両もしくはトレーラー披牽引車のシェルター仕様カーも可能となる。この場合、重量を重くし、受ける津波外力、その転倒モーメントを減らすためにシェルター高さまたは車高を低くした津波シェルター付きも考えられる。長
期駐車を前提とするならば天井部にロープで回すことでシェルター自重を減らすこともできる。メーカーとしても多くの命を救うことの一役を担い、32万人には達しないものの救えた人命の累積カウントもでき、分かりやすい社会貢献になり期待も大きい。シェルターの体積では、車内空間で十分な空気体積が取れない場合、特に軽車両では、シェルター内部に小型酸素ボンベを準備することで、生存必要空気量を補充できるので有効な手段となる。また、津波水導入で車両の内空体積が制限を受けるときに生存空気量を確保できる。このことで逆に、意図的にシェルターを小さく設計できる。軽車両に限らず小型酸素ボンベは生存空気補充、安全性の向上、想定外の津波継続時間などに対しての2重の安心ためにも有効である。あるいは沿岸地域特性から津波の1波の引き潮までの継続時間が30分とすれば、半分の空気量でよい。さらには、肺活量から、高齢者、子供であれば0.5人とカウントすることも可能である。沿岸地域では現実的な設計で生存必要空気量とする課題が解決できる。夜間の駐車中の車の浮力対策は2つある。1つは、車両の窓を開けた状態、もう一つは窓を閉じた状態で浮力に勝るアンカーを取る。前者のアンカーは津波が水重量として入るので小さく、その時は車両もエンジンもダメになるが一生に1度のことと割り切るとよい。浸水前にシェルター内に入る必要がある。また命が助かると考えれば少しも惜しくはない、安いものだ、また買える。命は買えない。後者は車両全体の浮力が大なので
図27のように車両天井の上に回すロープ、その先のアンカー重量も大きい。こうすると車内に時間的余裕を持って入れ、シェルターにも入れる。日々のことであり煩雑であるが自動化など工夫次第で迅速性、安全度が増す。
図23、24、25、26でシェルターを荷物と考えると、別途台座に上載したままで手間いらず、である。躯体の重量シェルターでは、天井高さは長さや幅に比べて小さく、中に避難した人は、内空高さ1mであれば座位、高さ0.75m、0.5mなら横臥状態となる。
図28には、鉄製のシェルターを示す。薄い鉄板では、浮力に抗せない。7cmの厚い鉄板では不経済。鉄の船は浮力で浮かぶ、それほどに浮力は大きい。そこで、天井上に錘を上載するかコンクリートブロックに結んだロープを天井上に回しアンカーとし浮上時の引っ張り力を受け持つ換算重量として、躯体重量と合わせて浮力に勝る必要がある。津波が来るまで足は下面より下に伸ばしていれば楽。空気を吸う口は当然上にして、頂板、天井あたりに圧縮されて上昇し溜まった空気を吸う。台座上のシェルターは車を持たない人にも救いとなる。小学校の校庭におけば未来ある学童の多くが救われる。我々はそれを妨げてはならない。3Dプリンターによる製作も容易である。
【0011】
南海トラフの津波は、沿岸地域では、6時間にわたって6波が繰り返すので、繰り返す6波は1時間に1波として、半分の時間は波が引くため、引き潮時の水位がシェルター底面より低くなると新鮮な空気が自動的に補充、入れ替わるので、半分の30分の浸水に耐えればよいという考えもある。危機回避のヒントとなる。すなわち、地域特性値、0.5m3/人・時を用いることができる。子供、高齢者は肺活量が少ないのでさらにその半分、0.25m3/人・時とすることも勝手な解釈で可能である。人は水中で空気なしでは生きられない。そう考えると、極端にシェルターがないよりましと考えることもでき、より少ない体積の、0.5m3、0.3m3、0.25m3の現実的な数値採用もありうる。いつとも言えない津波なので季節に応じた装備、冬の寒さ対策が必要である。このように、地域ごと、人員ごと、季節ごとに応じた対応を可能とする課題が解決できる。底部出入り口なので内部の排水が早く、平素の湿気、結露が少なく、構造物で問題の多い維持管理、腐食対策の課題が解決できる。慣れればターンバックルを有効に使い、ロープの張り具合を調整しながら引っ張り固定することもできる。内空に余裕があれば、内にゴムボート、空気マットのようなものを準備しておけば浸水があっても濡れないという課題は解決できる。特に冬の時期には低体温症が懸念され直接体が冷たい荷台に触れないよう空気マット、毛布でもありがたい。季節ごとの最適対応を考えておく。生活の場面、人数に応じた避難を可能とすることでさらに広い地域の課題を解決できる。特に、小学校、工場、魚市場などは注目を浴びやすい。海に直近する職場の魚市場では、かたずをのむ。車両搭載、台座上載のシェルターは、面倒な基礎工事を必要としないのも大きな特徴。杭打設や掘削も必要としない。敷地内に見知らぬ作業員が入ることもない。ほぼ日常生活の中で安心安全が確保できる。安い、早い、ともかく簡便である。普及にはこういうことが大事である。
津波対策として建築法、車両法の関係があるかもしれないが、法律を厳しく守って多くの予見される犠牲を見逃し、見殺しにするより、命を守ることが大切であることにいずれ気が付く。それは、災害後であってはならない。法律は良い方向に改定されるとして、どのように改定されればよい方向に向かうか、津波対策特別法を考えるのが我々の使命といえる。面倒な基礎工事、建築確認申請の課題を解決できるといえる。このことだけでも人命が救われ課題が解決されることもある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような課題を解決するために、本発明の車両搭載または台座上載の津波シェルターは、津波で水没しても、水中で生存できる必要空気体積を有する気密性の上部閉塞で、下面部または側面部防水回転扉付あるいは側面部防水スライド扉付の側面部を出入り口とし、このことで下面部から天端部までの高さを空気保持高さの有効高さとして活かすことができるとともに、下面部に底版を特に必要としない非密閉形成体であって、シェルターの材料は、強化プラスチック、プラスチック、不織布、鋼鉄、ステンレス、アルミ、ゴム、シリコンまたはコンクリートの単体、合成体または重ね合わせで成り、津波時に浮き上がり、転倒、漂流することを阻止することとし、車両内側に搭載するシェルターは、津波外力に対して車体に守られ、かつ浮上が天井部までと制限されているものとし、シェルターは狭い空間に合わせてコンパクトまたは変形性能に優れたものとし、天井までの浮上による揺らぎ、空気塊逸脱防止、人の車両外逸脱防止のためにシェルターにアンカーを取ることとし、あるいは車両の天井高さまでを一体とした部屋囲いのシェルター、車体と合体、一体化したシェルターまたは連結する専用車両シェルターとし、車両移動中の津波遭遇時には扉、ドアまたは窓を開け津波水を車両内に導入することとし、浸水前にはシェルター内に避難を済ますこととし、導入水重量と車両重量の重量和がシェルターを含む車両内空気体積の総和に相当する浮力に勝ることとし、夜間を含む駐車中の津波遭遇時には車両またはシェルターにかかる浮力に勝るアンカーを車両自体に取ることができるとし、車両外側のトラック荷台に搭載、トレーラー被牽引車両に搭載または台座上載のシェルターは、いずれも地上から下面部への出入りとし、津波外力に抵抗するシェルター躯体の剛性を有し、シェルター躯体重量またはシェルター躯体上に上載する錘あるいは両外側にロープで結んだアンカー重量との重量和が、シェルター躯体にかかる浮力に勝るとしたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の列車、バス以外の乗用タイプの車両搭載のシェルターは、前記車両内側に搭載するシェルターのうち、天井が低く、乗車定員の少ない乗用タイプの列車、バス以外の車両搭載のシェルターは、狭い車両用のコンパクトに圧縮したシェルター、天井部にはゴム長靴の先端に拡張したような形状で運転席ではハンドル部を避けた窪み形状も可能としたシェルター、ドアを開けた座席シートとの隙間から挿入できるように圧縮または変形性に富んだシェルター、横折りまたは縦折りで折りたたんだシェルター、天井収納で吊り降ろしできるシェルター、天井までの背丈が不足している場合は先細り形状とし2人掛け座席では2股に分岐した先細り形状としたシェルター、または全体を網囲いして下部をひもで袋とじまたはファスナー閉じで落下防止としたシェルターで、シェルター内部に入り手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、必要に応じて漂流物からの保護板をセットし、または剛なシェルターで底部と床面とに侵入高さが確保できないときの側面部に防水回転扉付または防水スライド扉付としたシェルターで、いずれのシェルターも浮上時に水流の揺れによる空気塊、泡の逸脱防止を図る必要があり、シェルターを天井部に配した田の字のような定着枠組みに定着する方法または定着アンカーとして座席下の脚柱、定着部に配置したロープとシェルターの取っ手を結び、いずれも浮力で浮上し、天井部に密着しそれ以上の浮上を天井で物理的に制止でき、天井部との摩擦力あるいはアンカーロープで車外逸脱防止を図るとしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の列車、バスの車両搭載のシェルターは、前記車両搭載型のうち天井が高く乗車定員の多い列車、バスの内部搭載のシェルターは、天井部にパイプ、レールを敷設または座席横にポールを立てることで、シェルターの組み立て、引き降ろし時または浮上時のガイドとするもので、浸水する津波に揺らぎが大きいので前記ポールまたは座席下の脚柱、定着部にアンカーを求めロープは長めとし、天井部に圧縮収納するシェルターは、縦長形状で下方への先細り形状、または網囲いとし、引き降ろして拡張し、天井までの背丈が足りないので座席上または床上から立位で入り、手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、必要に応じて漂流物からの保護板をセットし、網囲いの下方は浮上時に人が落下しないようひも閉じまたはファスナー閉じとし、天井部に収納しないシェルターは、座席背もたれ部または座席下、床部収納とし、天井までの高さを浮上すること、足が届かず口元から息ができないことからシェルターの高さは概1mまでとし、座席シート上、床上で手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、必要に応じて漂流物からの保護板をセットし、網囲いの下方は浮上時に人が落下しないようひも閉じまたはファスナー閉じとしたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の車両一体型シェルターは、前記車両一体型シェルターは、乗用車、バスのような単独の車両では、車両後部に設け、列車のように通路が必要な車両では車両後部または中央部に通路を確保したアーチ形状とし、出入りは側面部防水回転扉またはスライド扉部からとし、シェルターと車両フレームの天井部、側面部または床面の一部とは溶接または接着剤で一体またはクッション材を介した分離とし、導入水重量と連結車両重量の重量和が個人用シェルターを含む車両内空気体積の総和に相当する浮力に勝ることとし、または水を導入する車両内空体積の半分以下としたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の車両外側のトラック荷台に搭載、トレーラー被牽引車両に搭載または台座上載の津波シェルターは、前記車両の外側のトラック荷台搭載、トレーラー被牽引車両に搭載または台座に上載するシェルターは、重量のあるコンクリ―ト製、型枠中詰めコンクリート製、鋼板合成コンクリート製あるいはシェルターに上載した錘またはアンカー反力を加えるとした鉄製で、シェルター内部保持空気量による浮力に勝る重量を確保することとし、立体形の高さを幅、長さのいずれかに比して低くし津波にかかる転倒モーメントを減少するとしたシェルターで、出入りは、車両荷台の後方に張り出したシェルター底部空間、荷台後部をくり抜いた穴、被牽引車両の縦はりの間隙、または台座上載では地域に予測される引き潮時の津波浸水高さ以上に嵩上げしたシェルター底部空間高さを確保した台座の空間からの出入りとしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の剛なシェルター側面部の防水回転扉は、前記シェルターの側面部の防水回転扉付は、主に内開きで外開きにも対応できる回転式扉で、扉の頂部を回転の中心軸として、扉の両端に接する壁体との間には、防水性、柔軟性に優れた折りたたみの扇状の膜袋としシェルター中に避難した後は元に戻すこととし、扉の裏面または表面に取っ手をつけたことを特徴とする。または本発明の剛なシェルター側面部の防水スライド扉は、前記シェルターの側面部のスライド扉付は、シェルター側面部に扉を横にスライドして出入り口を開閉できるとしたもので、扉の裏面とシェルター出入り口の縦横2辺に設けた防水ゴム付き戸袋にスライド収納し、残りの1辺は周辺に設けた嵌合パッキンと裏面側から取っ手による引っ張り力で嵌合するとした防水スライド扉で、扉の裏面または表面に取っ手をつけるとし、裏面の取っ手は後付けまたは突出を最小とした収納タイプとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
対策があり助かるとなれば事前防災ができる。被害総額170兆円とされているのでそのうちの人命がどれくらいを占めるか分からないが、ともかく尊い命である。まずは人命に対して事前防災を考えるべきである。あきらめていた32万人の命、100万人の犠牲者に助かる光明が見えてくる。本人はそのうちの一人にカウントされていることを全く知らない。漠然と理解しているが死ぬとは思ってない。助かる光明が見えると人は前向きになる。いろんな知恵が出てくる。年間の、24時間対応の切れ目ない避難が可能となれば、安心な日々の暮らしをおくれる。なんと幸せなことか。地域の連帯が期待できる。東北の復興の予算にこの膨大な誰の目にも遅々として進まない津波対策で災害時負担が増えれば日本沈没は目に見えている。ならば、32万人分の火葬場の建設、用地確保をすれば経済効果は大きい。10年前から被害が予測されているのに対応ができてないとはまさしく世界に恥をさらけ出すことになる。非難の的となることは明々白々である。自業自得で、世界はわずかばかりの義援金しか贈らない。自助、共助、公助のいつまで待っても進まないこれらであるが、まず自分の命は自分で守る決別の決意が必要だ。学校、職場に行く人の送迎が家族で一緒に行動でき、一体感、絆が強まり家族がバラバラにならない。いずれ、多人数用として、トレーラー、バス、列車搭載となれば学校、工場、国道沿いに設置でき、さらに多くの団体、多人数が多くの時間帯で助かる。明日かもしれない津波、今日備えれば明日から安泰なことはだれの目も明らか。我が家の財産、社会の財産となる。墓場まで持っていきたいお金だが、生きている今の大切な間を感謝し、まさしくお金の生きた使い方といえる。これを誰も無駄使いとは言わない。命が助かるとなれば、生命保険会社も倒産しないで済む。シェルターに補助金を出すかもしれない。思いがけない波及効果がある。32万人とされる冬の、真冬夜間在宅時の死者数予測は、家もろとも一気に流されての即死、溺死と考えられるが、本発明では家が流されても命は流されない。とにかく煩わしい基礎工事が不要である。命の尊さに比べればあまりにも安価である。通勤通学の列車、バスも安心。思い切って、家の中を整理し、空き空間を生み出し設置すれば寒い真冬でも余裕で避難できる。大きな家具と思えばよい。家宝と思えばよい。死んでから後悔しては遅い。命のあるうちに決断できる。小学校校庭の設置は未来ある子供たちへの贈り物だ。チャンスは、津波来襲までの短い期限であることは、明らかである。東北で痛い目にあっているのに、予測され警告されているのに、いまだに訓練ごっこばかりで10年の歳月を重ね、自己満足、アリバイ作りが得意で何もしないで凋落する日本、世界中から嘲笑されるだけである。ここで一花咲かせましょう。海に直面する魚市場や広い田んぼに1人で農作業している人には車搭載のシェルターは心強い、肌身離さず頼りになる守り神の様だ。このシェルターは車がない人にも救いの神となる。免許返納に迷っている高齢者には決断の後押しになる。しばらく乗らない車ならロープを車のルーフ屋根に回し両側のコンクリートブロックにアンカーを取る。台座上載であれば常設が可能で安全安心。プレキャストコンクリート製品は、工場製作で、品質も良くそのままの運搬にも適している。工事で家の敷地に立ち入る期間も少ない。シェルターの設置は、長手方向を海に向け設置すると、横波の影響が少ない。さらに荷台上、台座上のシェルターは、3Dプリンターによる製作も期待される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】窓を開け、津波水を導入し水重量とした説明図
【
図3】コンパクトに圧縮したシェルターを拡張した例
【
図6】天井まで浮上したアンカーロープで結ばれたシェルター
【
図7】天井部にゴム長靴先端状に伸ばしたシェルター
【
図8】2股としたプライバシー尊重の2人用シェルター
【
図11】車両後部に一体化した天井高さの部屋型シェルター
【
図16】車両中ほどに一体型シェルター搭載の列車側面図
【
図21】荷台張り出し部を地上からの出入りとするシェルター搭載のトラック側面図
【
図22】地上からの出入りとするシェルター搭載のトレーラー側面図
【
図23】地上からの出入りとするシェルター上載の台座側面図
【
図24】家屋の窓から室内挿入したシェルター上載の台座側面図
【
図25】家屋の窓から室内挿入した鉄製のシェルターで、錘を上部に載せ、アンカーをロープで回した台座上載の側面図
【
図26】家屋内に設置したシェルター上載の台座側面図
【
図27】夜間の津波来襲、浮力による浮上に備えてアンカーを取った説明図
【
図28】浮力が大きく重量が取れない場合のアンカーロープによる浮力対策
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面及び詳細な説明の全体を通じて同じ要素を示すために共通の参照符号が用いられる。
【0021】
手順を整理すると、地震時合意として、まず車を左路肩に寄せて停車する地域広報、ルール付けが必要である。サイドブレーキを引きエンジンは切っておくことが肝要で、水中ではエンジンが再起不能となる。手際よく基本動作を行う必要があるので、特に運転者には、定期的に啓蒙、教育、動作訓練が必要だ。ここで、津波シェルターを搭載する車両は、大きさで軽自動車、普通自動車、大型自動車、トレーラー、バス、列車があり、用途で乗用車、トラック、バス、列車と分類され、それぞれに積載重量や、長さ、横幅、高さの制限寸法、張り出し量の制限がある。横幅は、車線の幅から走行上制限されるのは当然である。後方への張り出し量の制限はすべての車両で車両全体長さの1/10で分かりやすい。特別許可を申請することもできる。シェルターは壁体なので、バックミラーから後方を見るのに支障があるかもしれないが、一般にはトレーラーはコンテナ荷物を積むことも多く、車検ではサイドミラーで後方確認できれば特に問題はないとのこと。そうすると、車両に車体一体型やシェルター部屋を搭載することも考えられる。地方では、日常生活で小回りの利く軽自動車が多い。乗用車では、コンパクトに圧縮できることが基本である、人数が多く車内高さの高い列車、バスではシェルターが一体となった部屋形の一体型搭載が有効である。シェルターの重量は、材料で異なる。材料は比重が異なるので鋼板7.8、プラスチック1.2、コンクリート2.3~2.5としてそれぞれで壁の厚みが異なる。1m3で、鋼板厚1cmで0.39トン、プラスチック3cmで0.18トン、10cmで0.6トン、コンクリート20cmで2.5トン、30cmで3.75トン、で大まかな計算に役立つ。素材が薄いと強度不足となる。2重構造、あるいは内部壁沿いにポリ袋を天地逆にして挿入すると万が一の時の2重の安全で空気が漏れない。開放面積の大きい下面の出入り口には、金網、敷板があると下からの浮遊漂流物侵入防止となる。地上、地面からかがんで入るシェルターには、外部取っ手金具、手繰り寄せる引きロープがあると迅速に中に入りやすい。車両内にシェルターを搭載する場合は人数、空間の制約があり、シェルター空気体積から生じる浮力を計算し、それに抵抗する導入水重量、車両重量が適切かどうかを検討、決定しておく。必要空気量は基本1.0m3/人・時であるが、子供、高齢者は、肺活量も少なく半分の特性値で考える。トラックでは荷台に人を載せられないので乗車定員の前席で3人までであるが、荷台のシェルターの方が安定しているので、ガラス窓を全開のまま浸水を前提とし、運転席から離れ荷台に移動するとよい。そのことがヒントとなる。意外にも、2トン車、4トン車、6トン車、10トン車は家族の人数と合致しているためイメージしやすく、シェルターは荷台に搭載する荷物と考えることもできる。荷物と考えるならば台座に上載しておくと24時間、年間を通して、安全安心となる。以下の実施例では車種ごとに記載もれ、省略、重複があるが実施に当たっては車両間で共通点があるので通読、参考にされたい。
【実施例1】
【0022】
普通乗用車の代表として、
図1に車内の内部寸法で、高さ*長さ*幅=1.2m*2.1m*1.5mを掲げる。空気体積は、3.78m3となる。窓を閉めた状態で
最大3.78トンの生存必要空気量がある。しかし、水中では同時に車体に3.78トンの浮力がかかる。車両重量が1トンとしても、窓を閉めた車は容易に浮上、転覆、漂流する。そこで、窓を開けて錘となる津波の水荷重を導入する。目安として、床上高さの半分の高さ0.6mに水を入れると、単純計算で、窓が閉まったときの空気による浮力3.78/2=1.89トンと水荷重3.78/2=1.89のバランスが取れる。車重量が1トンあるので加えて2.89トンの合計重量で、浮力1.89に負けず浮上しない。窓を開けて水を入れることは緊急時の対応で気が動転している可能性があるので、緊急な判断、瞬時の判断は簡明にする必要があり、まずは半分の50%を導入の目安とする。大きな津波の浸水は窓を開けていれば一瞬で満水といえ四の五の考える必要はない。窓下の高さ、ドアの高さを床上0.8mとすれば、窓の全開で車内に入ってくる浸水高さは0.8mで、浸水水重量は、0.8*2.1*1.5=2.52トンであるが、全開時の浮力は車体から空気が抜けるので空気量はゼロで、浮くことはないものの、その前に当然、シェルター自体に空気を入れて生存必要空気量を確保しておく必要がある。浸水高さ0.8mで窓を閉めた空気量は(1.2-0.8)*2.1*1.5=1.26m3で、浸水後にシェルターを開いても水面下の空気は入らず水面より上の空気量であり、最大限の空気量はそのままの1.26m3であり、全員分の空気量とするには少なすぎる。やはり水を侵入させる前にシェルターを開き、中に避難する必要がある。すなわち、シェルターの下部は空気をはらんで水中に浸かっているといえる。その分、水体積、水重量は減るので、水位は上昇し、目安の半分の水位よりは少し上の窓下程度とした方がよい。ここでも、浮力は、水中のシェルター空気体積相当なので、窓が開いていれば車内の空気が逃げ、シェルターの水位が上がり浮力も徐々に上がる。車が水没する高さになるとシェルターに100%の浮力がかかる。シェルターは生存必要空気量をはらむのでシェルター体積による浮力があり、すなわち、全シェルターの空気体積の和が生存必要人数に応じた空気体積であり、当然、車の内空体積3.78m3以下であり、生存必要空気体積を5m3とか、4m3で設計することができない。以上は車重量を無視した安全側の考えだが、後述の車重量を加えた細かい試算では、車体の素材体積による浮力は無視しているが2.3m3で設計することも可能である。1.26m3と2.3m3の差異を理解しながら対策を進める必要がある。圧縮した起き上がり小法師の様なシェルターでは獅子舞のように頭からかぶり両手を上げてシェルター内を拡張する。天井部にはシェルター天端部のために格子状の定着枠、取り付け治具を設けるとよい。いずれも、浮力、揺れに対抗するアンカーを車の座席部下部、座席支柱に取る必要があり、回したロープ先端にチャック式のロープチャック、フックがシェルター取っ手との連結が簡単で迅速に対応できる。運転手は機敏に動かなくてはならない。常に、どこに停車、避難するか考えていなければならない。サイドブレーキを引き、窓を開け、エンジンを切り、シートベルトを外し、シェルターを引き降ろし座席シート下のアンカーのフックと連結する。足をあげシェルター内に入る。窓は、左右の後部窓から開けるなど順番を考える。自宅駐車中では、昼夜を問わずシェルターとして活用できる。窓を閉めたままとすれば浮力も大きいが、車内に入った後でシェルター内に入る時間余裕がある。
図27のように浮力に抵抗する重量のコンクリートブロックで車両天井ほかに2本以上のロープで回して両側下にアンカーを取る。1m3のコンクリートブロック4個が9.2トンで、車両内空体積3.78m3の浮力3.78トンに対して十分といえる。上記のさらなる例で、浮力に対して車両重量を考慮する場合として浮上しない限界を計算する。設計必要空気体積を詳細に求めると、設計必要空気体積を3m3確保するとすれば、加わる実質の水荷重は、残り3.78-3=0.78トンとなり、車重量1トンを加えても、1.78トン<シェルターの浮力3トンで容易に浮上する。設計必要空気体積を2m3確保とすれば、3.78-2=1.78m3となり、車重量1トンを加えて、総重量が2.78トン>シェルターの浮力2トンとなり浮上しない。さらに細かく設計必要空気体積を2.3m3とすれば、3.78-2.3=1.48m3となり、車重量1トンを加えて、総重量が2.48トン>シェルターの浮力2.3トンとなり計算上浮上しない。このように収れんさせることで車が浮上しないための設計必要空気体積の限界値が求まる。ただし、これまでに車体全体、形状にかかる浮力もあることを承知しておかなければならないが、車下には空間が多いことから無視しているがいずれ要考慮といえる。しかも、津波には予想以上の横力もあり、かつそれでもとっさの判断には煩雑なので、簡易的に、内空体積の50%~60%、簡単な目途として窓を開けて約半分の高さ以上浸水させることとすれば分かりやすく、混乱したときの瞬時の導水判断目安となる。限界値が求まれば、車内のシェルターの生存必要体積と乗車人数の限界値を求める。シェルター体積上限値2.3m3に対して必要空気量1m3/時間・人とすればシェルター内避難人数は2.3人となる。ここで、補正値を考える。津波の6波に対して、30分だけ耐えると再び新鮮な空気が入るとすれば2.3/2=4.6人まで可能となる。沿岸地域でなければさらに余裕ができる。また肺活量の少ない子供、高齢者は半分の酸素消費量と考えることもできる。通学の送り迎えにこれら余裕代として考えておくこともできる。シェルター体積が足りないとしたときは、小型空気ボンベで内部拡張し、小型酸素ボンベをシェルター内に入れる。床上に小型酸素ボンベを携帯しておけば空気が薄くなる場合の補給となる。このように、運転者独自の対応可能な判断基準を取り入れることで、臨機応変な対応の可能性を拡げることができる。シェルターが天井吊りの場合、ミノムシの殻のように伸縮性がある袋体とし、引っ張り下ろし、中に入り、できれば足を取っ手に突っ込み、足元までバタバタと降ろし、座席下のアンカーと結び、その後、やっと座席シートに尻を下ろす。アンカーを取ってないと浮き上がり、空気が塊となって底部から逸脱するので注意が必要だ。ドアの開閉操作、窓の上下操作など運転手の状況判断、操作は多いので訓練をしておく必要がある。4箇所の窓を全開すると、津波の突入を受け、かつ漂流物の突入があり厳しいので、後部の窓を開けるか、1箇所だけ開けるか。状況把握、判断のため外を見たいので、シェルターは透明性が望ましいが紫外線劣化しやすいので難しいか。
ここで以外にも、大きな津波が来ると例えば10m高さでは、シェルターの中の空気体積がボイルの法則で1/2になり、このことは、浮力は排除した水体積相当なので、同じく浮力も1/2となり浮上を免れる。すなわち、4人分の避難ができる可能性があるといえる。後部座席には、天井からのシェルターのほかに、立体形状の変形自在のシリコン製も考えられる。ゴム長靴の様であれば変形するし、意外と天井部を広い面積、大きい体積として体積増に有効になる。形状体の縦部の片側面で窪みを作るとする変形自在のシリコン製は、車のドアから挿入するときにも座席シートが邪魔にならず楽である。どうしてもシェルター体積が十分に確保できない場合には、座席下に小型酸素ボンベを備えることで、形成体体積不足を補うことができる。工夫として、シェルターが邪魔になるので圧縮したコンパクトとし、天井から圧縮式で吊り下げるか、天井部に棚を設け水平に載せるか、空間部に沿わせて立てかけるか、座席を倒すか撤去できるなら床に平置きとする。ハッチバック式では後方を開いた空間、バンタイプでは荷物用の床面が利用できる。余裕空間には、天井高さ1.2*幅1.5*奥行き1.0=1.8m3<3.78*1/2となる剛なシェルターとすることができる。天井高さに余裕がないと下から侵入できないので側面部に防水回転扉、スライド扉付とすれば、天井までの高さに侵入高さが大きく取れる。ここで、同じく夜間の家族対応として、1m3の折りたたみ式シェルターを運転席上に挿入することとして、窓を閉めた空気体積の浮力に対抗するアンカーを車両のバンパー、ルーフ、トランクまたは牽引用部材にロープを回す。車両全体の浮力3.78トンに対して、0.8m立法体のコンクリートブロックが1.17トンなので4個を配置すると夜間の家族増の安全が確保できる。この場合も、車内でシェルターに事前に入る。ここまでとは話が変わるが現実に直面する津波は想定の大きさとは限らない。高さ1mほどの小さな津波では窓下まで水位が達するまでは車に浮力がかかるので、ボートのように浮き上がり回流、漂流することも先の津波で実証済み。そこで、移動中に初期に小さいと自己判断できる津波には、車のドアのロックを外し、1cm~10cm幅を開けられる繰り返し動作をしておくことでドアを開け床面から浸水を促すことができる。小道具として、ドアに、楔、スペーサーを挟んでおくと外水圧に対する初動に役立つ。
(一体型)
ここで、車内で浮上するシェルターは、不安定であり操作が煩雑なので、天井高さと車幅の枠内いっぱいに収まり車体に密着する部屋形のシェルターを考える。天井への浮上が制限されるので浮き上がらず安心できる。さらに、車両の車体枠ともなる一体フレーム、外枠を入れ替えたシェルターと一体化の特別仕様の津波シェルターカーを考える。鋼鉄製、高強度プラスチック製で車両後部にシェルター部屋を設ける。車体とは、一体もしくは内接するもので溶接、接着剤で一体化または分離のクッション材を境界に入れる。底版は必要ないが形状維持のために一部に設けるか、下端部と床部とは、部分点溶接とするとよい。全溶接で気密にすると外圧力差が大となるので要注意。
図12に示す車内に車軸シャフトが長手方向に突出している場合は側面部を半円状に切り欠くか、シャフト周りを溶接するか、シールの防水構造とする。タイヤ周りの突出部は側面を避けるように曲げるとよい。切り欠きすると空気保持の有効高さを減ずることになる。出入りは、側面部の防水回転扉、防水スライド扉からとする。ただし、相変わらず車両の浮力に勝る重量が必要で、車両の窓を開け、津波の水荷重を導入するがシェルター体積があるので運転席の前部は、全量水となる。シェルター部屋の体積は、後部に一体として車両長を伸ばすことができれば、津波浮力に対して避難人数分の空気体積を確保する計算ができる。なお、部屋形のシェルターでバックミラーが見にくくなるが、車検上はサイドミラーから後方が見えればよいとのことである。シェルターを搭載した車両の自宅駐車中では、移動中でなくても昼夜を問わずシェルターとして活用できる。窓を閉めたままとすれば車内に入った後でシェルター内に入る時間余裕がある。浮力に抵抗する重量のコンクリートブロックを車両のバンパー、ルーフ、トランク、牽引用治具にロープで回して両側下にアンカーを取る。1m3のコンクリートブロック4個が9.2トンで、車両空体積3.78m3の浮力3.78トンに対して十分といえる。シェルターの防水回転扉は内開きがよい。扉の頂部を回転の中心軸として、扉の両端の隣接する壁体との間には、防水性、柔軟性に優れた膜袋とし中に避難した後は元に戻す。扉の内外には、邪魔にならない収納できる取っ手をつけると便利となる。シェルター内には、引き寄せるロープをつける取っ手が重宝だ。
【実施例2】
【0023】
軽乗用車は地方では多い。代表車として内部の空気体積は、高さ*長さ*幅=1.2m*1.8m*1.2m=2.59m3で、窓を閉めた状態で最大2.59トンの生存必要空気量があるといえる。しかし同時に車体に2.59トンの浮力がかかる。軽車両重量が0.7トンとしても車はいとも簡単に浮上、転覆する。そこで、窓を開けて目安として、床上高さの半分の高さ0.6mに水を入れると、単純計算で、空気による浮力2.59/2=1.30トンと水荷重2.59/2=1.30のバランスが取れる。軽車重量が0.7トンあるので加えて2.00トンで浮力1.30に負けないので浮上しないといえる。窓下の高さを床上0.8mとすれば、窓の全開で車内に入ってくる浸水高さは0.8mで、浸水水重量は、0.8*1.8*1.2=1.73トンであるが、全開時の浮力は車体から空気が抜けるので空気量はゼロであり、浮くことはないが、その前にシェルター自体に空気を入れて生存必要空気量を確保しておく必要がある。浸水高さ0.8mで窓を閉めた空気量は(1.2-0.8)*1.8*1.2=0.86m3で、浸水後にシェルターを開いても水面より上の空気量であり最大限の空気量はそのままの0.86m3であり、少なすぎる。やはり水を侵入させる前にシェルターを開き中に避難する必要がある。すなわち、シェルターの下部は水中に入っているといえる。その分、水体積は減るので水重量も減るといえる。シェルターは生存必要空気量をはらむのでシェルター体積による浮力があり、すなわち、全シェルターの空気体積の和が生存必要人数に応じた空気体積であり、当然、車の内空体積2.59m3以下であり、生存必要空気体積を4m3とか、3m3とすることができない。乗用車同様に計算すると、設計必要空気体積を1.6m3とすれば、2.59-1.6=0.99m3となり、軽車重量0.7トンを加えて、総重量が1.69トン>シェルターの空気浮力1.6トンとなり計算上かろうじて浮上しない。このように収れんさせることで車が浮上しないための設計必要空気体積の限界値が求まる。限界値が求まれば、車内のシェルターの生存必要体積と乗車人数の限界値を求める。シェルター体積上限値1.6m3に対して必要空気量1m3/時間・人とすればシェルター内避難人数は1.6人となる。ここで、補正値を考える。津波の6波に対して、30分だけ耐えるとまた新鮮な空気が入るので1.6/2=3.2人まで可能となる。沿岸地域でなければさらに余裕ができる。また肺活量の少ない子供、高齢者は半分の酸素消費量と考えることもできる。通学の送り迎えに余裕代として考えておくこともできる。このように、運転手独自の対応可能な判断基準を取り入れることで、臨機応変な対応の可能性を拡げることができる。小型酸素ボンベを併用することを推奨する。夜間の庭先の駐車では、ロープで地中のアンカーあるいはコンクリートブロックと車とを係留すれば車両の浮力に十分抵抗できる。夜間は家族人数が増えるので、1m3の変形自在のシェルターを用意して、アンカー重量を2.29トン以上のコンクリートブロックで車両両側にロープを這わすと家族分が追加できる。あるいは、車2台に分けるとよい。夜間も安心できる。軽自動車も乗用車同様に後部に一体型が可能である。特に最近のボックスタイプでは一体化しやすい。
【実施例3】
【0024】
バン、ワゴンタイプ、ボックスタイプでは天井高さが低いのでおおむね乗用車、軽自動車の考え方と同じである。窓を開けて水荷重を導入する。ただ荷物を載せる空間が活用できる。シェルターを1m*1m*1mの立方体とすれば、空気量は1m3であり、すぐ浮上して天井にくっつき簡単である。シェルターの天端は曲面をつけたほうが車両の天井面を傷つけず、かつなじみやすい。ただし、人が侵入するために片端を持ち上げて、床との高さで40cmの空間高さが必要で、0.8m*1.12m*1.12m=1.00m3の強度のある高強度プラスチックのポリカーボネート樹脂では比重1.2、厚み1cmで、(4枚*1.12*0.8+1枚*1.12*1.12)*0.01*1.2=0.058トンで片側を持ち上げて侵入することができる。高さが足りないときは、立体形の側面部を防水性回転扉、スライド扉とすることも考えられる。後部バンパーを上げて後方下から侵入してもよいが後方扉が車の内側から操作して開くかどうか、津波後の脱出がむつかしい。もしくは変形自在のシリコン製とする。変形自在のシリコン製は、車のドアから挿入するときにも座席シートが邪魔にならず楽である。概立方体、概円錐台では乗車定員分を重ね置きできる。シェルター下方に取っ手を設けアンカーが取れるようにし、椅子下の脚柱にロープのアンカー、定着を求める。車両重量は大まかに1.8トンから2.0トンである。大人2人で、座席の後部のスペースで床上置きとすれば、シェルターが床からの高さ1.2*前後スぺース1.5*車幅1.3=2.34m3で、基本2.0m3をクリアできる。ただし、シェルターの出入り口の確保が、後方にはみ出せないので、シェルターの側壁に防水回転扉、スライド扉付きシェルターとする。4人乗りとすれば2m3の体積が必要で、2トンの浮力が働くが対抗する車両重量がぎりぎりある。定員の多いワゴン車では、6人乗りとすれば3m3の体積が必要で、3トンの浮力に対抗する車両重量はないのでシェルターを重くするか錘を搭載するなど対策を要する。幼稚園送迎の子供5人ならシェルターも小さくなるので(1+0.5*5)*0.5=1.75トンで車両重量が浮力を上回る。総合的判断として、ここでも津波時に窓、ドアを開け浸水せることを考える。夜間の駐車では逆に搭乗人数は減ると考えられる。イメージとして、強化樹脂のポリカーボネートとすると比重1.2で強度に優れる。1m*1m*1mの立方体で、厚み1cmとすれば、重さは簡易計算で、1m*1m*5面*0.01*1.2=0.06トンで、片端を持ち上げて半分の30kgの力で何とか中に入れる。下に棒をかましておけば楽に内部に避難できる。浮上してすぐ天井で浮上制限となるので安心だ。多人数には、立体形を重ね置きできる。天端部は天井に食い込まないよう曲みを持たせるか、座布団などのクッションを用意する。下辺部には椅子下の脚柱、定着部にアンカーを取ると安定する。
【実施例4】
【0025】
マイクロバス、園児送迎用バス スクールバスでは天井も比較的高く空間も大きい。昇降口は、1箇所で、バスは1箇所若しくは2箇所である。窓を開けないでは容易に浮上して流されることは自明のことなので、昇降扉を開けて水重量を導く。これら昇降口は床面の低い位置にあり開放すれば中ほどまで容易に津波水を取り入れることができる。乗客が特定されるので、立体形に成形されたシェルターのほか、1人用の折りたたみ式を乗車定員数に応じて常時格納しておく。親たちも安心して送り出せる。子供用シェルターを座席上で開き、救命浮き輪、救命胴衣のごとく装着する。浮力が大きいので、天井からの吊るし形式か、かぶる形式か選択する。シェルターの底部は、座席下に備えたアンカーのロープで結ぶ。座席間の通路空間も利用できる。シェルターの高さは1m程度以下とする。
図6では天井が高い分、ロープは比較的長いのが必要といえる。
【実施例5】
【0026】
天井空間が高く定員の多い路線バスでは、中型バスの代表例で天井と床上との室内高さの空間容積は、高さ*長さ*幅=2.2m*9m*2.3m=45.54m3で、空間高さの半分を水の導入の目安とすれば簡明。水荷重は23トンとなり浮力と水重量は釣り合うので計算上も避難訓練上も簡明である。それに車両重量約8トンが安全側と働き、車両31トンは浮上しない。そのあと、扉を閉めても、浮上しないが、開けたままでも満水となり確実に浮上しない。事前にどうするか、運営会社は要領を決定しておく必要がある。天井高さ2.2mとすれば座席高さ0.4mで天井までの空間高さが1.8mで天井収納、天井からの吊り下げ型シェルターで引き降ろせば2人分の座席で2人用のシェルターとして、計算上1.0(座席横幅)*0.8(座席前後距離)*1.8(高さ)=1.44m3が確保でき、2人分弱が入るシェルターとなる。ただし、高さが1.8だとめくれるので、足元に向かって先細り形状とする。加えて座席下の脚柱にアンカーを取る必要がある。この場合、シェルターには頭から入り座席間の床上に立った状態、さらには余分に長くすれば尻に敷くこともできる。別発想として吊り下げ型シェルターでなく上部、先端を自由とし、起き上がり小武士、コック帽のように自在に傾くようにして、下部は尻に敷く形状、形態が考えられるが、すぐ天井まで浮上する浮力は強大で有効高さは1m程度として、通路側に伸ばすかの検討をする。座席横にポールを立て、シェルターの収納や、引き降ろしのガイドとなるよう考える。シェルターの寸法は、個々には、天井の高さ、座席の高さ、通路の幅を考慮して決めるとよい。シェルター全体に網掛けとし、手で拡張するか天端と下部に拡張補助枠で体積膨張、形の維持とする。下部は網を閉じ、またはファスナー閉じで人の落下を防ぐ。収納時、座席下にあらかじめアンカーロープで連絡しておくことも考える。
(一体型)
バスに搭載、天井を貫いて後部断面全面に設ける。定員40人の路線バス、中型バスでは後部にバス内空断面に密着する部屋形のシェルターを設ける。沿岸走行バスとして、高さ2.2m、長さ3.0m、幅2.5m=16.5m3で、定員分の空気量が確保できないが足らずは、座席に残った人の個人用のシェルターとの併用となる。ただし、底床面積が3.0*2.5=7.5m2で、4人/m2として、30人が限度なので、通常の運行程度の乗客程度なら大丈夫だが、満員近い乗客の場合は、座席のままか子供を肩車して無理やり押し込んで詰め込むか必要がある。部屋形のシェルターの出入り口は、高さ1mほどの気密防水性の回転式扉付とする。浮力が16.5トン、車両総重量が8トン程度なので16.5-8=8.5トンが重量不足で、シェルターを鋼製とすれば、鋼材面積=(2.2*3.0*2枚+2.5*3+2.2*2.5*2枚)=31.7m2で、厚みを逆算すると、8/31.7*7.8=0.032m、すなわち3.2cm厚の鋼材が、重しとして必要となる。それは現実的でないので、やはり一体型でも残りの部分では扉、窓を開け、半分に水荷重を導入する。バス用に、折りたたみ式シェルターを救命胴衣の救命具のように備えて、併用とすることもできる。いろいろ組み合わせを検討するとしても、津波時には、扉、窓を開け浸水を促すことで、転倒にも安定し、大きな浮力にも抵抗できる。
【実施例6】
【0027】
列車は、沿岸部に沿って走り、乗客定員も大きい。命の多さからも責任も大きい。何とか考えなければならない。まず、窓が閉まったままでは、津波の横力、さらに浮力を受けるので転覆、助からないことは先の東日本の事例で明らかである。天井と床上との室内高さの車両空間容積は、一例として高さ*長さ*幅=2.2m*20m*2.9m=127.6m3で、ここでも空間高さの半分以上を目途に扉、ドアを開け津波水を導入する。水荷重63.8トンとなる。浮力と水重量は釣り合うので計算上も避難訓練上も簡明である。それに車両重量約30トンが安全側と加わり重量93.8トンは浮上しない。天井高さ2.2mとすれば座席高さ0.4mで天井までの空間高さが1.8mで、空気をはらんだシェルターは天井に浮上するので高さ1m程度が限界といえ、それより下の残り0.8mは座席上に立つとしてもむき出しであるし、第一、天井まで呼吸する口元が届かない。シェルターの下部は先細り形状とすると空気泡の逸脱に有効である。だが天井高さまで届くには無理がある。そこでシェルター全体を網で囲い、その中に入り、下部をひも閉じまたはファスナー閉じとすれば浮上中のシェルター内の人が落下しない。または天井部はレールの格子状枠とし安定した定着部に利用できる。座席横にはポールを立て、シェルターは天井部に収納しておき、ポール沿いに引き降ろす。揺らぎ抵抗ともなるし、寄りかかる手すりともなる。天井には、照明、空調があって煩雑である。天井まで浮上するのだから邪魔となる荷物棚は撤去する。座席背もたれ部、座席下にも収納できる。2人座席では、2股で先細り形としたプライバシーシェルターが考えられる。いずれも転倒防止、車外逸脱防止に下からのロープ、アンカーが必要。ロープの長さは、シェルターの下部に届く長さで、天井高さより1m低いところまで届く長さである。シェルターの下部空間が高いので、めくれ、傾くと空気が泡の塊となって抜けるので座席下の脚柱にアンカーを取る必要がある。この場合、シェルターには頭から入り座席間の床上に立った状態、さらには余分に長くすれば尻に敷くこともできる。別案として吊り下げ型シェルターでなく上部、先端を自由とし、起き上がり小武士、コック帽のように自在に傾くようにして、下部は尻に敷く形状、形態も考えられる。天井から床までの空間が大きいので、通路上の天井に2本のパイプ、レールを列車方向に並列で並べ、天井から床までの長さの吊り下げシェルターを配置する。あるいは、座席横にポールを立て、シェルターのコンパクト圧縮、降下時のガイドに役立てるなどの工夫が必要だ。シェルターの高さもむやみに高くするとコントロールがむつかしくなり、かつ空気を吸う口元が届かないのでシェルターは高さ1m程度以下を基準に考える。裾は座席下にロープでアンカーを取る。動作訓練は通学の学生を主体的に動くよう定期的に訓練しておくと地域全体としても将来頼りになる。
(一体型)
ここでも、車内で浮上するシェルターは高い天井まで浮上するので不安であり操作が煩雑なので、天井高さと車幅の枠内いっぱいに収まり車体に密着する部屋形の一体のシェルターを考える。それ以上に浮き上がらず安心できる。さらに、車両の車体枠ともなるフレームと一体型、あるいはシェルター特別仕様の連結用津波シェルター車両を考える。シェルターの一体型では、鋼鉄製、強化プラスチック製とし、車両の後部または中央部に、中に通路空間を抜いたアーチ形状、バームクーヘンの半割状が考えられる。本体部とは主に溶接、接着剤で一体またはクッション材介入の境界層分離とする。出入り口は、通路部のアーチ内の両サイドに位置をずらして設けると集中混雑を回避できる。アーチ側面部に防水回転扉、または防水スライド扉付の出入り口とする。高さ2.2m*車両幅2.8m*延長10mとすれば61.6m3の空気体積である。通路を0.7mとすれば高さ1.5mでそのロスとなる空間体積は10m3で、差し引くと51.6m3の空気量が見込める。51人~102人の避難に対応できそうで隣の車両からの避難も可能な空間といえる。半分が津波水の重量となるので、浮上、転覆しないといえる。断面の天井部には縦方向の間仕切り、仕切り鉄板を列車方向に入れると万が一の空気抜けの安全が確保される。さらに、車両の前後に着脱自在、連結自在型のシェルター専用車両も可能で、この場合も前後の車両に水荷重を導入することで浮上を回避できる。列車に一体化のシェルターの長さを5mとする別の試算例では、1両の中央部で、例えば3両連結の真ん中にシェルター専用車を連結し3両とするもので、車掌が行き来する通路を中央に確保した門型アーチドームの窓なし、通路幅0.6m、低いが高さ1mを確保して、通路の両サイドに設け、天井部を貫ぬき車両天端までの高さで連結、通路部を貫通する箱状、門型シェルターとすると、空調部を除去するとして高さ3.0m*長さ5m*横幅2.8m、通路高さ1m、幅0.6mとして、断面積(3*2.8―1*0.6)*長さ5=体積39m3で、39人~78人分の空気体積量、底面積が(2.8―0.6)*5=11m2で、4人/m2で44人分、これも、44/66=2/3の係数確保というか、満員近い乗客の場合は肩車で無理やり押し込んで詰め込む必要がある。あるいは座席利用の乗客は個々のシェルターを用意するとすれば解決できる。門型シェルターとすると転倒防止となる。出入り口は、高さ1mほどの回転扉とする。浮力が39トンであるが、前後に車両総重量が40トンの車両に連結しているので重量不足で浮きあがることはないと考える。シェルターを鋼製とすれば、鋼材面積は、断面円周長(3+2.8+3+1+0.6+1)*長さ5m=57m2で、比重7.8、厚み0.006mとするとシェルター重量は、2.7トンの負担増となる。前後の車両総重量に対してシェルター重量による動力費の負担増は、6.8%である。内空間の2m毎にダイアフラムを入れると断面補強となる。万が―、列車が転倒するときに備え、天井部には長さ方向の仕切り版を入れると、列車が横になって転倒しても空気が抜けないので安全率は2倍となる。加えて、一般車両には、天井まで届く高さの1人用の折りたたみシェルターを人数分の縦置き収納で備えることが安心感をもたらす。車両用に、折りたたみ式シェルターを救命胴衣の救命具の如く備えておけば、沿岸部を走る列車に安心感が湧く。この場合も、津波時には、窓を開け浸水を促すことで、転倒にも安定し、大きな浮力にも抵抗できる。
【実施例7】
【0028】
トラック、トレーラー被牽引車搭載、台車上載では、荷台に人が乗れないので運転席に最大3人分を考慮すれば十分である。シェルターの高さはできるだけ低いほうが良いので高さは、長さ、横寸法のいずれかより小さくする。1.0mを基本とする。現実には2人分の空気体積空間しかなく、直方体とし高さ1.0m*長さ1m*幅1.5m=1.5m3の体積で浮力1.5トンとすれば、2トントラックの車体重量が1.5トンなので、やはり窓を開けて水荷重を導入する必要がある。2トントラック以外でも、運転席の空気体積はどれも差異はなく車体重量との関係からどうするか事前に決めておく必要がある。トラックは、荷物運搬用で、2トン、4トン、6トン、10トン車がある。シェルターとしては、浮力がそれぞれ、2トン、4トン、6トン、10トン以内としなければ浮き上がる。その時の容積は、2m3、4m3、6m3、10m3なので、シェルターはそれぞれ2人用、4人用、6人用、10人用となる。ところが運転中の乗員は運転席の3人までなので、それ以上は荷台に載せられない。というよりもともと走行中は人を荷台に載せて走れない。そこにヒントがある。2トン車以外の4トン、6トン、10トン車は、車が休んでいる間に避難シェルターに使える。意外にも車に乗せる前あるいは後の仮受け台、台座、以下台座という、に載せたままとすれば、その方がシェルターとして役に立つ。3人の制限がなく多人数分のシェルターとなり、さらには24時間の有効利用が広がる。また、トラックの荷台搭載では、シェルターそのままでは、荷台が床面なので人は出入りができない。そこでシェルターを荷台後方に張り出すことで底部に空間ができ地上、地面からの出入りを確保できる。あるいは車両の荷台後部中央を切り欠いてもよい。荷台搭載で露出したシェルターは、津波の波力、横圧、漂流物の衝突に晒される。さらに、空気体積による浮力に負けないために、重いコンクリートとすれば、壁を厚くし、破壊されない強度を得ることができる。トラック荷台に搭載する前後の作業には別に台座に載せておく。載せ替えにはクレーン付きユニックトラックだと重宝だ。載せる方向は、津波の来る方向の海岸方向に対して、転倒しにくい方向に置くことが大事である。台座上載のシェルターは、昼間の留守中の残された家族、夜間の家族全員にとって心強い味方となる。こう考えると、運搬以外にはトラック自体はなくてもよいことに気付く。なくても良いのなら費用が格別に経済的となる。台座の下の空間から出入りできる。台座はコンクリートブロックで30から70cm高さとすれば、前後、左右にずらせば出入りの空間は確保できる。小学校の校庭に配置すれば将来の夢ある学童の無駄死はなくなり、かつここで行政の出番といえ、明快で安価な津波シェルターは飛躍的に普及し、32万人あるいは100万人の犠牲者の多くを救うという国家課題が難なく解決できる。トレーラー披牽引車は多人数用の箱型のシェルターを別個に搭載するので分かりやすい。在宅時の津波対策、津波対策ハウスとして明確に活用できる。もちろんキッチンカー、キャンプカーのようにシェルターカーとしての期待もある。重量があるので安定感がある。駐車時間帯、場所を限定すれば可能性は広がる。出入り口は下の地上、空間からとなる。多人数用としては、出入り口は集中しないよう多数あったほうが良い。鉄筋コンクリート製または鉄枠、樹脂枠、木枠でコンクリート中詰め、鋼板との合体でもよい。以下、内空高さを1mに統一して人数別に順次計算する。3人用で、高さ1m*長さ3m*幅1mの直方体で壁厚20cmすれば、浮力は1.2*3.4*1.4=5.71トン、重量は、壁体体積が5.71-3=2.71m3で、比重2.3を掛けて重量6.23トン>浮力5.71トンで浮上しない。4人用で高さ1m*長さ2m*幅2mの直方体で、浮力は1.2*2.4*2.4=6.91トン、重量は、壁体体積が6.91-4=2.91で、比重2.3を掛けて重量6.69トン<浮力6.91トンで浮上するので、コンクリートの厚みは上記の30cmにしなければならない。浮力は1.3*2.6*2.6=8.79ト。ン、鉄筋コンクリートで重量=(1.3*2.6*2.6―4)*2.5=11.98トン>浮力8.79トンで安定したシェルターとして期待できる。鉄板の場合は、7cm厚として、(1*2*3+1*1*2)*(0.07*7.8)=4.37>4で浮力より大でクリアできるが厚すぎて適性を欠くといえる。空気量半分の子供特例値で浮力2トンとすれば、鉄製で厚みが半分の3.5cmであるが、鉄ではまだ現実的でないので適用範囲を探ることになる。鉄板厚み1cmとし、コンクリートブロックでアンカーを取り、シェルターの天井にロープを回すとすれば可能である。ただし防錆の塗装が必要。以下同様の計算となるが、トレーラーへの搭載は基本的に多人数用に適していると考えられるので、小学校の校庭用にと適用範囲も広がる。10人用として、高さ1m*長さ5m*幅2mのコンクリートの厚みは30cmの直方体で、浮力は1.3*5.6*2.6=18.93トン、重量は、壁体体積が18.93-10=8.93m3で、比重2.3を掛けて重量20.54トン>浮力18.93トンで浮上しない。20人用として、子供用として40人分となる。高さ1m*長さ10m*幅2mのコンクリートの厚みは30cmの直方体で、浮力は1.3*10.6*2.6=35,83トン、重量は、壁体体積が35.83-20=15.83m3で、比重2.3を掛けて重量36.40トン>浮力35.83トンでぎりぎり浮上しない。30人用、子供60人用では高さ1m*長さ15m*幅2mのコンクリートの厚みは40cmの直方体で、浮力は1.4*15.80*2.8=61.94トン、重量は、壁体体積が61.94-30=31.94m3で、比重2.3を掛けて重量73.46トン>浮力61.94トンでぎりぎり浮上しない。しかし津波には余裕が欲しいので、壁の厚みをさらに10cm増やすか、シェルター上に錘として、コンクリート板を載せるとよい。さらには車両両サイドにコンクリートブロックを設置してシェルター天井上にロープを回してアンカーを取ってもよい。すなわち、被牽引車の場合、浮力に対抗できる重量がある形状自在のコンクリート製とすれば、多人数用に適しているといえる。ただし、道路を走行できる重量は30トンまでと制限があるので、走行時は、分割する必要がある。しかし、逆に考えるとわざわざ走行する必要もないことになる。シェルターの高さは低いほど津波の横波を受ける影響が少ない。低くても、出入り口の隙間から足を下に伸ばせるし、横になることもできる。
整理を兼ねてさらに試算する。台座上載のシェルターの基本体を、内空1m3で1*1*1m立方体、底部なしとして1人用、コンクリートの厚みを0.3mとすれば外殻の体積は、1.3*1.6*1.6=3.328tの浮力、重量算出は、(1.3*1.6*1.6)―1=2.328m3が躯体の壁の体積で、鉄筋コンクリートの比重を2.5として、重量は5.82トン>浮力3.328トン、そこからの工夫として、津波の波力、横圧を少なくするため受圧の横面、高さを小さくするとして、高さをできるだけ低く、以下、内空高さを0.7mに統一して人数に応じて順次計算する。幅を津波の横力への転倒抵抗のために車両最大搭載可能幅2.5mとすれば内空幅1.9mとなり、内空長さは内空体積1m3から逆算して0.75mで、内空体積は、0.7*1.9*0.75=1.00m3,外殻の体積は、1.0*2.5*1.35=3.375tの浮力、重量算出は、(1.0*2.5*1.35)―1=2.375m3が躯体の壁の体積で、鉄筋コンクリートの比重を2.5として、重量は5.94トン>浮力3.375トン、家族2人用で高さをできるだけ低くするとし、幅を車両最大搭載可能幅とすれば、内空体積は、0.7*1.9*1.50=2.00m3、浮力は1.0*2.5*2.1=5.25トンで、躯体壁の体積は、(1.0*2.5*2.1)―2=3.25m3で、比重を掛けた重量8.125トン>浮力5.25トン、家族3人用で内空3m3、高さをできるだけ低くするとし、幅を車両最大搭載可能幅とすれば、内空体積は0.7*1.9*2.26=3.01m3、浮力は1.0*2.5*2.86=7.15トン、外殻の壁の体積は、(1.0*2.5*2.86)―3=4.15m3で、比重を掛けて、重量10.38トン>浮力7.15トン、家族4人用で内空4m3、高さをできるだけ低くするとし、幅を車両最大搭載可能幅とすれば、内空体積は0.7*1.9*3.01=4.00m3、浮力は1.0*2.5*3.61=9.03トン、外殻壁の体積は、(1.0*2.5*3.61)―4=5.03m3で、比重を掛けた重量12.58トン>浮力9.03トン、家族5人用で内空5m3、高さをできるだけ低くするとし、幅を車両最大搭載可能幅とすれば、内空体積は0.7*1.9*3.76=5.00m3、浮力は1.0*2.5*4.36=10.9トン、外殻の壁の体積は、(1.0*2.5*4.36)―5=5.9m3で、比重を掛けた重量14.75トン>浮力10.95トン、5人家族ではすなわち、15トン積のトラックを用意すればよいことになる。あるいは、2人用と3人用に分けて用意、2台に乗せる、余裕で、3人用を2個とすれば2台の運搬で楽である。
車両幅の特例値を使えば、車両最大搭載可能幅は3mとなる。家族3人用で内空3m3、高さをできるだけ低くするとし、幅を車両最大搭載可能幅とすれば、内空体積は0.7*2.4*1.79=3.01m3、浮力は1.0*3.0*2.39=7.17トン、外殻の壁の体積は、(1.0*3.0*2.39)―3=4.17m3で、比重を掛けた重量10.43トン>浮力7.17トン。以上、これらを、検証のため重量/浮力で並べると、5.94/3.375=1.76、8.125/5.25=1.55、10.38/7.15=1.45、12.58/9.03=1.39、10.43/7.17=1.45と重量が浮力に勝っているももの、漂流物の衝突荷重を考慮すれば余裕があるとは言えないので壁の厚みを10cmほど増やすことを検討するとよい。鋼型枠一体の中詰めコンクリートとすれば、壁厚が10cm程度で可能である。鋼板厚みを6mmとして、簡単計算のため1m立方体とすれば重量は2*0.06*1m2*5面*7.8+d*1m2*5面*2.3>浮力1m3から、d=0.1と仮定して、重量は1.618トン>1トンなので、中詰めコンクリートの厚みを10cmとすれば浮力に勝る。鉄枠だけを運搬し、現地で中にコンクリートを詰めると簡単。枠は樹脂製、木枠でもよい。さらに進んで、工場製作のプレキャストコンクリートを採用する可能性を探る。部材厚が薄くなる危険があるが、品質の均一性、運搬に有利である。現場管理、工期も不要である。当面工場製作の規格品を用いるとして、内空は、呼び寸法で内幅2.00*内空高0.7*製品長2.0=2.8m3となり、側壁厚0.16mで重量5.7トンと記載されている。これに側面壁の縦1面を加え、底部面があるので出入り口として、0.6mほどの穴あけを必要とする。2人分までのシェルターとなる。長沢方向に継ぎ足し構造となっているので、1ピースを継ぎ足して長さが4mで内空2*2.8=5.6m3となり、3~5人分のシェルターが出来上がる。これらは、台座に載せる。載せている期間中およびトラックに載せない期間中は、昼夜の避難シェルターとして活躍する。小学校校庭、工場、魚市場, 国道沿い、道の駅のわらをもすがる希望の星となる可能性が見えてきたといえる。30m3=30人ほどの多人数、集団避難ができる。小学校校庭で運動中の子供で2倍の60人避難できるシェルターとなる。先の津波で多くの小学生が集団犠牲になったニュースが世界中を駆け巡ることもない。避難活動をしたということで自己満足している教師、何も考えてないといわれる教師もやる気が出る。現実的な救命があれば教職員の精神的負担も軽減できる。牽引車両のトラクター車両が1台で、被牽引車両が2両、3両、それ以上と設置増が可能であると考えられる。さらなる安全のために浮力、空気体積に応じたアンカー、例えばコンクリートブロックへのロープアンカーなどをとるとよい。また、トレーラー台車の縦梁間の床構造の隙間、横はり構造間隙間を利用すれば、地面、地上からの出入りが自由で、空気保持高さが全高さとなりシェルターの空気体積はロスなく大きく取れる。シェルターの底部は特に必要でないがトレーラーの2本の縦梁に橋渡し板とするか、網程度があれば浮かび上がる漂流物片の侵入防止となり、人が横になって休める。出入りは水中での空気体積の有効な確保のために下方からが原則である。工場敷地なら働く時間帯の多くの従業員が助かる。経営者として従業員の命を守り、サプライチェーンを守ることは社会的責務、使命である。コンクリートブロックで錘、アンカーをとれば、転倒にもさらなる抵抗力がある。夜間の駐車状態、昼間の校庭とかでは経済的な錘として、1m3で2.3~2.5トンの重量のあるコンクリートブロックを有効利用すればさらに多人数でもアンカー反力重量がとりやすい。このように、トレーラー披牽引車に搭載することを利用すれば、多人数の避難の課題が解決できる。こうしてみると、先頭のトレーラーと被牽引台車を切り離すことも考えられる。トレーラーは、別の客先に行き、津波シェルターは被牽引台車に載せたまま存置することも考えられる。さらに、被牽引台車を省略できれば簡便であることに気付く。専用の受け台、台座に常時、シェルターを上載することができ安全安心の領域が飛躍的に広がる。台座は地上からの出入りができる隙間を取れば、コンクリートブロックであれば上載荷重に耐え、しかも形状自由、場所変更自在なので安価である。
図23の台座上載では、運搬前後、台車に載せる前後に積み下ろしの荷物置きとする台座に津波シェルターを載せておくことが可能で、しかも、トラクター、トレーラーの牽引車は運搬時のみ必要なので、台座に上載した津波シェルターだけでよいという考えに至る。トレーラーの調達は高額となるので、一般の人には手が出ない。台座で同じ機能があるなら飛躍的に安価となる。安全な時間数*人数は、常時対応となり飛躍的に増える。出入りは台座の下から出入りできる。32万人の死者とされる真冬、真夜中には、極寒用に住居口から風胴で連絡するとよい。校庭のみならず、工場、魚市場、道の駅、コンビニ、休耕地などの空地を利用できる。共用シェルターを配置し地域避難マップを作ればさらに心強いし観光客にも利用できる。津波安全都市の宣言もできる。更に考えると、高齢化、地方過疎の現況もあり、津波シェルターを
図24、
図25のように家の窓部に突入した形、一部貫通した形で、さらには
図26の自宅空き部屋、空き空間に設置することも効果的で、見放された感のある高齢者には自力ですぐに避難できるので、救いの光明が見えてきたといえる。鉄製では以外にも軽く、鉄船が浮くほどで、
図28のようにシェルターの上に錘を載せるか両側にアンカーを取ってロープで引けば浮上しない。車両搭載または台座上載のシェルターは、基礎工事が不要であり、ショベルカーなどの掘削車が不要で、家の門も壊さなくて済む。掘削で家が傾く危険もない。見知らぬ工事作業員の立ち入りもない。長い期間の工事もない。またシェルターは車両または台座に搭載、上載するので車両自体または荷物置きであり、建築法に定める設計基準がないため、建築物としての設計ができないので審査もできず建築確認申請も不要であると考える。国による設計法の早期規定が待たれるところである。現段階では、面倒な基礎工事もなく、建築確認申請の課題を解決できるといえる。
【実施例8】
【0029】
庭の設置は、例えば0.7mの空間高さを確保し、下からの出入り口侵入とし、台座は0.7mの空間を設けると地上から出入りしやすい。シェルターは、床がなく底版がない構造とすれば人が住む建築物でないので、建築基準申請が必要でないと考えるが、仮置きの物件、移動可能な物件、運搬可能な物件、人命を救うための特定物件、床がないので生活する建築物でない、などの理由が成り立つかどうか当局に事前に相談するとよい。建ぺい率が気になるが、まずは広い敷地の家、田んぼの中の家、市街化調整区域の家から実績つくりも一つの方策だ。イナバの100人乗りの倉庫の手続きも参考になる。設計外力は、津波の波圧は、波高の静水圧の3倍ほどある。これにより構造計算と、転倒モーメントを求め、転倒しないように対策をする。シェルター内の必要空気量は、津波到達時間、津波予測高さ、波形継続時間、成人、子供、高齢者の一時間必要空気量、肺活量の大きさから求める。何より大事なのは、シェルターを確保して、シェルターを開いて、アンカーを取って、中に入って、扉または窓開けて津波水を入れる、これら体制を整える時間を1分以内として訓練を重ねることである。列車通学の高校生は主導的役割を担う。校庭の小学生、幼稚園児保育園児も1分以内の訓練とする。毎年放映されるおなじみの園児を背負って避難する先生の英雄的姿は子供だましが痛々しい。シェルターは、空気漏れが致命傷となるので、2重の安全として、内部の壁沿いにポリ袋、気密性シート袋などのプラスチック袋を配置するとよい。津波を受ける面側に、漂流物衝突力緩和のための枕木などのシェルター幅よりやや長い板を橋渡しした防護装置やタイヤなどのクッション装置を備えるとよい。多人数用シェルターでは津波の浸水で濡れないため、内部に、桟敷やボート、ビニール浮き床、板を配備するとよい。人数分が足りない場合は、2基、3基と分割するのも賢明である。いずれ、多人数用として、ダンプカー、トレーラー搭載となれば学校、工場、国道沿いに設置でき、多くの人が助かる。トレーラーのシェルターカー、シェルターハウスが現実となりそうである。
【符号の説明】
【0030】
1車両、車体
2シェルター、取っ手付きシェルター
3床面
4天井、天井部
5座席、その下の脚柱、それらを結ぶロープ、アンカー
6導入する津波水、その水位
7シェルターを囲む網
8先細り形としたシェルター
9立居の避難の人
10長いロープ
11天井部でゴム長靴型のシェルター、車内形状に沿ったシェルター
12 2股としたシェルター
13横折りシェルター
14縦折りシェルター
15天井高さまでの一体型シェルター
16側面部の防水回転扉
17折り畳の扇形防水幕
18側面部のスライド式扉
19剛なシェルター
20列車
21中央部の車両一体型シェルター
22車両中央部でアーチ形の通路
23通路両側の防水回転扉、車両後部の防水回転扉
24中央天井部に設けた遮断縦壁
25連結用シェルター専用車両
26バス
27トラック
28荷台から張り出した底版なしシェルター
29地上からの出入り口
30トレーラー被牽引車両
31台座
32台座に載せた底版なしシェルターに通じる穴、隙間、空間
33家屋
34家屋内に張り出した底版なしシェルター
35家屋内の台座に載せた底版なしシェルター
36コンクリート塊のアンカー
37窓、ドア、扉
38取っ手
39底部鉄板
40地上、地面
41家屋内に張り出した底版なし鉄製シェルター
42錘
43ロープ、アンカー
44台座上載のシェルター
45防水戸袋
46嵌合パッキン
【要約】
【課題】
南海トラフの巨大津波では、真冬、真夜中の来襲で32万人の死者、100万人の犠牲者が予測されている。内閣府発表から10年、火葬場の建設が進んでいると推測する。地域により10mの津波が5分で襲うとされ、避難の猶予さえない。通学、通勤の大人数移動、24時間の切れ目ない地域住民の日常生活、その時、いかに車を活用するか、さらには帰宅後もいかに多くの人を救うかが課題である。
【解決手段】
シェルターを搭載した車両で、学童の送迎、夜間は庭に駐車とすれば、生活の中で避難所を背負っているのと同じで、家族で瞬時の避難が可能。さらに台座に載せれば24時間安心。基礎工事も不要で格安。備えあれば患いなし。安全、安心に日々暮らせるということはなんと幸せなことか。
【選択図】
図25