(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】印刷データ編集プログラム、情報処理装置、及び印刷制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241018BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G06F3/12 343
B41J21/00 A
G06F3/12 392
G06F3/12 378
G06F3/12 356
G06F3/12 303
(21)【出願番号】P 2021022061
(22)【出願日】2021-02-15
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 智康
(72)【発明者】
【氏名】神田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 功一
(72)【発明者】
【氏名】南保 宏道
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-037029(JP,A)
【文献】特開2010-017937(JP,A)
【文献】特開2008-282364(JP,A)
【文献】特開2009-090550(JP,A)
【文献】特開2014-010768(JP,A)
【文献】特開2016-157184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に備えられた演算部に対し、
1つの重ね貼りラベルを生成するための複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用テンプレートが複数組記憶されたテンプレート記憶部から、1組の前記重ね貼り用テンプレートを構成する前記複数の画像データを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得された前記複数の画像データで表されるラベル画像を重ね合わせた合成イメージ画像を前記情報処理装置の表示部に表示する表示処理と、
前記情報処理装置の操作部を介し、前記表示処理により前記表示部に表示された前記合成イメージ画像に対し編集に関する操作を受け付ける受付処理と、
前記複数の画像データのうち、前記受付処理により受け付けた前記操作の対象となるラベル画像に対応する画像データを編集対象の画像データとして特定する特定処理と、
を実行させるための、印刷データ編集プログラム。
【請求項2】
前記演算部は、
前記表示処理において、前記特定処理により特定された前記編集対象の画像データで表されるラベル画像をさらに前記表示部に表示する、請求項1記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項3】
前記演算部は、
前記表示部に表示された前記ラベル画像に対して編集操作が行われることで、前記表示部に表示された前記合成イメージ画像の表示を更新する、請求項2記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項4】
前記演算部は、
前記表示処理において、前記合成イメージ画像と前記複数の画像データにそれぞれ対応する複数のラベル画像とを表示し、
前記合成イメージ画像に対して編集操作が行われることで、前記複数のラベル画像のうち、前記特定処理により特定された前記編集対象の画像データに対応する前記ラベル画像の表示を更新する、請求項1記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項5】
前記演算部は、
前記表示部に表示した前記合成イメージ画像を構成する複数のラベル画像のうち、前記特定処理により特定された前記編集対象の画像データで表されるラベル画像を、それ以外のラベル画像よりも強調して表示する、請求項4記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項6】
前記演算部は、前記表示処理において、
前記取得処理により取得された前記複数の画像データに対応付けられた複数の印刷媒体種を前記表示部に表示する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項7】
情報処理装置に備えられた演算部に対し、
予め用意されている重ね貼り用テンプレートであって、1つの重ね貼りラベルを構成する複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用テンプレートが複数組記憶されるテンプレート記憶部から、1組の前記重ね貼り用テンプレートを構成する第1の複数の画像データを取得する第1取得処理、
1つの重ね貼りラベルを構成する複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用データが書き換え可能に記憶されるデータ記憶部から、前記重ね貼り用データに対応する第2の複数の画像データを取得する第2取得処理、と、
前記第1取得処理により取得された前記第1の複数の画像データ又は前記第2取得処理により取得された前記第2の複数の画像データ、を重ね合わせた合成イメージ画像を前記情報処理装置の表示部に表示させる表示処理と、
前記情報処理装置の操作部を介し、前記表示処理により前記表示部に表示された前記合成イメージ画像に関する編集操作を受け付ける受付処理と、
前記受付処理により受け付けた前記編集操作に応じて、前記第1の複数の画像データ又は前記第2の複数の画像データに対して、前記編集操作に対応する処理を実行する編集処理と、を実行させ、
前記編集処理において、前記第1取得処理により取得された前記第1の複数の画像データを編集する場合と、前記第2取得処理により取得された前記第2の複数の画像データを編集する場合と、で編集可能となる範囲が異なる、
印刷データ編集プログラム。
【請求項8】
前記編集処理において、
前記第1取得処理により取得された前記第1の複数の画像データは、前記画像データの数の変更が不可であり、
前記第2取得処理により取得された前記第2の複数の画像データは、前記画像データの数の変更が可能である、請求項7記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項9】
前記演算部は、前記表示処理において、
前記第1取得処理又は前記第2取得処理により取得された前記複数の画像データに対応付けられた複数の印刷媒体種を前記表示部に表示する、請求項7又は8記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項10】
前記演算部は、
前記操作部を介し、所定の印刷媒体種の変更指示を受け付けた場合には、前記変更指示を受け付けた前記所定の印刷媒体種に対応する画像データに対応するラベル画像を、前記変更指示のあった印刷媒体種に対応する色に変更する、請求項6又は9記載の印刷データ編集プログラム。
【請求項11】
1つの重ね貼りラベルを生成するための複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用テンプレートが複数組記憶されたテンプレート記憶部から、1組の前記重ね貼り用テンプレートを構成する前記複数の画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記複数の画像データで表されるラベル画像を重ね合わせた合成イメージ画像を表示部に表示する表示手段と、
操作部を介し、前記表示手段により前記表示部に表示された前記合成イメージ画像に対し操作を受け付ける受付手段と、
前記複数の画像データのうち、前記受付手段により受け付けた前記操作の対象となるラベル画像に対応する画像データを編集対象の画像データとして特定する特定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項12】
予め用意されている重ね貼り用テンプレートであって、1つの重ね貼りラベルを構成する複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用テンプレートが複数組記憶されるテンプレート記憶部から、1組の前記重ね貼り用テンプレートを構成する第1の複数の画像データを取得する第1取得手段と、
1つの重ね貼りラベルを構成する複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用データが書き換え可能に記憶されるデータ記憶部から、前記重ね貼り用データに対応する第2の複数の画像データを取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段により取得された前記第1の複数の画像データ又は前記第2取得手段により取得された前記第2の複数の画像データ、を重ね合わせた合成イメージ画像を表示部に表示させる表示手段と、
操作部を介し、前記表示手段により前記表示部に表示された前記合成イメージ画像に関する編集操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた前記編集操作に応じて、前記第1の複数の画像データ又は前記第2の複数の画像データに対して、前記編集操作に対応する編集処理を実行する編集手段と、を備え、
前記編集手段において、前記第1取得手段により取得された前記第1の複数の画像データを編集する場合と、前記第2取得手段により取得された前記第2の複数の画像データを編集する場合と、で編集可能となる範囲が異なる、
情報処理装置。
【請求項13】
予め用意される重ね貼り用テンプレートであって、複数の画像データから構成される前記重ね貼り用テンプレートを複数組記憶するテンプレート記憶部から、1組の重ね貼り用テンプレートを構成する前記複数の画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記複数の画像データそれぞれで表される複数のラベル画像を、前記重ね貼り用テンプレートに従った配置で重ね合わせた合成イメージ画像を表示部に表示する表示手段と、
前記合成イメージ画像に関する編集操作を受け付けると、前記合成イメージ画像に含まれる前記複数のラベル画像のうち、前記編集操作に対応する所定のラベル画像を表す所定の画像データを編集対象の画像データとして編集する編集手段と、
前記合成イメージ画像に関する印刷操作を受け付けると、前記合成イメージ画像に含まれる前記複数のラベル画像で表される前記複数の画像データのそれぞれに対応する複数の印刷ジョブの印刷処理を実行する印刷制御手段と、
を備える印刷制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置が実行する印刷データ編集プログラム、情報処理装置、及び印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、テープ印刷装置を用いて印刷画像を印刷したテープを作成し、ユーザが、印刷済みの複数枚のテープを互いに重ね合わせたラベルを作成することが開示されている。この特許文献1の画像表示装置は、画面表示タグの選択によって、各テープ印刷画像を編集するための編集画面を表示する。さらに、テープ印刷画像が複数存在する場合に、ユーザ操作に応じて、各テープ印刷画像が重ね合わせられた合成画像を、編集画面とは異なる合成画像表示画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、複数のテープ印刷画像を作成してからでないと合成画像が表示されないため、重ね合わせて使用するための複数のテープ印刷画像を作成する作業効率として十分とは言い難い。
【0005】
本発明の目的は、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルの内容を編集操作する際、重ね貼りされた最終的な外観上の姿をイメージしつつ編集操作を直感的に行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、情報処理装置に備えられた演算部に対し、1つの重ね貼りラベルを生成するための複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用テンプレートが複数組記憶されたテンプレート記憶部から、1組の前記重ね貼り用テンプレートを構成する前記複数の画像データを取得する取得処理と、前記取得処理により取得された前記複数の画像データで表されるラベル画像を重ね合わせた合成イメージ画像を前記情報処理装置の表示部に表示する表示処理と、前記情報処理装置の操作部を介し、前記表示処理により前記表示部に表示された前記合成イメージ画像に対し編集に関する操作を受け付ける受付処理と、前記複数の画像データのうち、前記受付処理により受け付けた前記操作の対象となるラベル画像に対応する画像データを編集対象の画像データとして特定する特定処理と、を実行させる。
【0007】
本願発明においては、重ね貼りラベルを生成するための複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データによって構成されている、重ね貼り用テンプレートがテンプレート記憶部に記憶されている。情報処理装置の演算部において印刷データ編集プログラムが実行されると、取得処理において、テンプレート記憶部に記憶される複数組の重ね貼り用テンプレートのうち、1組の重ね貼り用テンプレートを構成する複数の画像データが取得される。表示処理では、取得された重ね貼り用テンプレートの複数の画像データを重ね合わせた合成イメージ画像が表示部に表示される。合成イメージ画像に対し操作部を介して編集に関する操作を行うことで、複数の画像データのうち、操作の対象となるラベル画像に対応する画像データを編集対象の画像データとして特定する。したがって、重ね貼りされた最終的な外観上の姿をイメージしつつ、編集操作を直感的に行うことができる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本願発明は、情報処理装置に備えられた演算部に対し、予め用意されている重ね貼り用テンプレートであって、1つの重ね貼りラベルを構成する複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用テンプレートが複数組記憶されるテンプレート記憶部から、1組の前記重ね貼り用テンプレートを構成する第1の複数の画像データを取得する第1取得処理、1つの重ね貼りラベルを構成する複数の印刷ラベルにそれぞれ対応する複数の画像データから構成される重ね貼り用データが書き換え可能に記憶されるデータ記憶部から、前記重ね貼り用データに対応する第2の複数の画像データを取得する第2取得処理、と、前記第1取得処理により取得された前記第1の複数の画像データ又は前記第2取得処理により取得された前記第2の複数の画像データ、を重ね合わせた合成イメージ画像を前記情報処理装置の表示部に表示させる表示処理と、前記情報処理装置の操作部を介し、前記表示処理により前記表示部に表示された前記合成イメージ画像に関する編集操作を受け付ける受付処理と、前記受付処理により受け付けた前記編集操作に応じて、前記第1の複数の画像データ又は前記第2の複数の画像データのうち前記編集操作に対応する処理を実行する編集処理と、を実行させ、前記編集処理において、前記第1取得処理により取得された前記第1の複数の画像データを編集する場合と、前記第2取得処理により取得された前記第2の複数の画像データを編集する場合と、で編集可能となる範囲が異なる。
【0009】
本願発明においては、重ね貼り用テンプレートが予め用意されているテンプレート記憶部と、重ね貼り用データが書き換え可能に記憶されるデータ記憶部とから、重ね貼りラベルを生成するための複数の画像データを取得可能である。また、取得された複数の画像データを重ね合わせた合成イメージ画像が表示部に表示される。合成イメージ画像に関する編集操作を受け付けることで、編集操作に応じた編集処理が実行される。編集処理では、テンプレート記憶部より取得した第1画像データとデータ記憶部より取得した第2画像データとで編集可能となる範囲が異なるように、設定されている。操作部を介して合成イメージ画像に関する編集操作を行うことで、複数の画像データのうち、操作の対象となるラベル画像に対応する画像データの編集が可能となる。したがって、重ね貼りされた最終的な外観上の姿をイメージしつつ、編集操作を直感的に行うことができる。さらに、編集のために取得した複数の画像データに応じて異なる編集可能な範囲での編集操作を直感的に行うことができる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本願発明の印刷制御装置は、予め用意される重ね貼り用テンプレートであって、複数の画像データから構成される前記重ね貼り用テンプレートを複数組記憶するテンプレート記憶部から、1組の重ね貼り用テンプレートを構成する前記複数の画像データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記複数の画像データそれぞれで表される複数のラベル画像を、前記重ね貼り用テンプレートに従った配置で重ね合わせた合成イメージ画像を表示部に表示する表示手段と、前記合成イメージ画像に関する編集操作を受け付けると、前記合成イメージ画像に含まれる前記複数のラベル画像のうち、前記編集操作に対応する所定のラベル画像を表す所定の画像データを編集対象の画像データとして編集する編集手段と、前記合成イメージ画像に関する印刷操作を受け付けると、前記合成イメージ画像に含まれる前記複数のラベル画像で表される前記複数の画像データのそれぞれに対応する複数の印刷ジョブの印刷処理を実行する印刷制御手段と、を備える。
【0011】
本願発明においては、操作部を介して合成イメージ画像に関する編集操作を行うことで、複数の画像データのうち、操作の対象となるラベル画像に対応する画像データの編集が可能となる。したがって、重ね貼りされた最終的な外観上の姿をイメージしつつ、編集操作を直感的に行うことができる。さらに、印刷操作により複数の画像データそれぞれに対応する複数の印刷ジョブの印刷処理を実行することができる。
【0012】
なお、本願発明は、情報処理装置が実行する印刷データ編集プログラム、情報処理装置、及び印刷制御装置に関する印刷制御装置に限らず、例えば、印刷データ編集プログラムにより実行される編集方法や、印刷制御システム等、適宜適用可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルの内容を編集操作する際、重ね貼りされた最終的な外観上の姿をイメージしつつ編集操作を直感的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係わる印刷システムの全体構成を模式的に表すシステム構成図である。
【
図2】操作端末、携帯端末、及びラベルプリンタの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【
図3】カートリッジ内部の構成を表す模式図である。
【
図4】印字ラベルとラベルデータ、及び表示イメージの一例を表す図である。
【
図5】第1実施形態において携帯端末で重ね貼りラベルテンプレートデータを取得した際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図6】第1実施形態において携帯端末で第1レイヤーのレイヤー選択操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図7】第1実施形態において携帯端末で第1レイヤーのオブジェクト編集操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図8】第1実施形態において携帯端末で第1レイヤーのカセットデータ編集操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図9】第1実施形態において携帯端末で第2レイヤーのオブジェクト編集操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図10】第1実施形態において携帯端末で第3レイヤーのオブジェクト編集操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図11】第1実施形態においてCPUが実行する編集画面表示処理の制御手順の一例を表すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態において操作端末で重ね貼りラベルテンプレートデータを取得した際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図13】第2実施形態において操作端末で第1レイヤーのレイヤー選択操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図14】第2実施形態において操作端末で第1レイヤーのオブジェクト編集操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図15】第2実施形態においてCPUが実行する編集画面表示処理の制御手順の一例を表すフローチャートである。
【
図16】第3実施形態において操作端末で第2レイヤーのレイヤー選択操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図17】第3実施形態において操作端末で第2レイヤーのオブジェクト編集操作を行った際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図18】第3実施形態においてCPUが実行する編集画面表示処理の制御手順の一例を表すフローチャートである。
【
図19】第4実施形態において操作端末でユーザ作成の重ね貼りラベルデータを取得した際の編集画面の表示の一例を表す図である。
【
図20】第4実施形態においてCPUが実行するユーザ作成データ編集画面表示処理の制御手順の一例を表すフローチャートである。
【
図21】第4実施形態においてCPUが実行するユーザ作成データ編集画面表示処理の制御手順の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態の例について説明する。
【0017】
<システム全体構成>
本実施形態に係わる、印刷システム全体の構成を
図1に示す。
図1において、印刷システム1は、例えばラベルプリンタ2と、携帯端末3と、汎用パーソナルコンピュータで構成された操作端末4と、を有している。携帯端末3は、図示するようなスマートフォンやタブレット端末等などが想定される。携帯端末3及び操作端末4は、それぞれラベルプリンタ2と相互に情報送受可能に接続されており、図示する例では携帯端末3が無線通信を介して接続され、操作端末4が有線通信を介して接続されている。
【0018】
なお、携帯端末3が有線通信を介して接続されてもよいし、操作端末4が無線通信を介して接続されてもよい。また、無線通信は例えばWiFi(登録商標)などの無線LANやBluetooth(登録商標)であってもよいし、有線通信はETHERNET(登録商標)などの有線LANやUSB接続であってもよい。ラベルプリンタ2は、携帯端末3又は操作端末4でのユーザの操作に基づき、印字ラベルLを作成する。なお、操作端末4、携帯端末3、及びラベルプリンタ2のそれぞれが情報処理装置及び印刷制御装置の一例である。
【0019】
<操作端末>
操作端末4は、
図2に示すように、CPU41と、例えばRAMやROM等からなるメモリ42と、操作部43と、表示部44と、通信制御部45と、大容量記憶装置46と、を備えている。
【0020】
操作部43は、ユーザからの指示や情報等が入力される例えばマウスおよびキーボード等により構成される。表示部44は、例えば液晶ディスプレイ等により構成されて、各種情報やメッセージを表示する。通信制御部45は、この例では上記有線通信を介してラベルプリンタ2との信号の授受の制御を行う。大容量記憶装置46は、各種のプログラムや情報を記憶する。CPU41は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMや大容量記憶装置46に予め記憶されたプログラムに従って、各種の処理やラベルプリンタ2との間で各種の信号の送受を行う。この例では、上記のメモリ42又は大容量記憶装置46にあらかじめ後述する印刷データ編集プログラム、及び重ね貼りラベルテンプレートデータやユーザ作成の重ね貼りラベルデータが記憶されている。
【0021】
<携帯端末>
携帯端末3は、
図2に示すように、CPU31と、例えばRAMやROM等からなるメモリ32と、タッチパネル33と、通信制御部34と、大容量記憶装置35と、を備えている。
【0022】
タッチパネル33は、液晶ディスプレイとタッチパッドを組み合わせて構成されており、各種情報やメッセージを表示するとともにユーザからのその表示画面上における操作位置の指示等が入力される。通信制御部34は、この例では上記無線通信を介してラベルプリンタ2との信号の授受の制御を行う。大容量記憶装置35は、各種のプログラムや情報を記憶する。CPU31は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMや大容量記憶装置35に予め記憶されたプログラムに従って、各種の処理やラベルプリンタ2との間で各種の信号の送受を行う。この例では、上記のメモリ32又は大容量記憶装置35にあらかじめ後述する印刷データ編集プログラム、及び重ね貼りラベルテンプレートデータやユーザ作成の重ね貼りラベルデータが記憶されている。
【0023】
<ラベルプリンタ>
ラベルプリンタ2は、
図2に示すように、制御回路21と、カートリッジ101を着脱可能なカートリッジホルダ22と、通信制御部23と、タッチパネル54と、大容量記憶装置55と、を有する。カートリッジホルダ22はカートリッジ101を着脱可能に構成されている。ラベルプリンタ2は、制御回路21が、通信制御部23を介して操作端末4又は携帯端末3の上記通信制御部34,45に接続されることにより、操作端末4又は携帯端末3と情報の送受が可能となっている。タッチパネル54は、上記携帯端末3が備えているものと同等の機能を有している。大容量記憶装置55には、あらかじめ後述する印刷データ編集プログラム、及び重ね貼りラベルテンプレートデータやユーザ作成の重ね貼りラベルデータが記憶されている。
【0024】
なお、以上におけるCPU31,34、制御回路21が演算部の一例であり、メモリ32,42や大容量記憶装置35,46,55がテンプレート記憶部及びデータ記憶部の一例であり、表示部44及びタッチパネル33,54が表示部の一例であり、操作部43及びタッチパネル33,54が操作部の一例である。
【0025】
<カートリッジ及びカートリッジホルダ>
カートリッジ101及びカートリッジホルダ22近傍の詳細構造を
図3に示す。カートリッジ101は、筐体101Aと、この筐体101A内に配置され帯状の基材テープ102が巻回された第1ロール103と、上記基材テープ102と同じ幅である透明なカバーフィルム104が巻回された第2ロール105と、インクリボン106を繰り出すリボン供給側ロール107と、印字後のインクリボン106を巻取るリボン巻取りローラ108と、カートリッジ101のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ109とを有する。但しカバーフィルム104が受熱により所定の色に発色可能な感熱テープである場合は、インクリボン106は不要である。なお、第1ロール103と第2ロール105とは実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す。
【0026】
第1ロール103は、リール部材103Aの周りに上記基材テープ102を巻回している。基材テープ102は、例えば、第1ロール103の内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、貼り合わせ用の粘着剤層、基材層、貼り付け用の粘着剤層、剥離材層の順序で積層され構成されている。第2ロール105は、リール部材105Aの周りに上記カバーフィルム104を巻回している。テープ送りローラ109は、上記基材テープ102と上記カバーフィルム104とを押圧し接着させ印字ラベル用テープ110としつつ、テープ送りを行う。
【0027】
カートリッジホルダ22には、カートリッジ101内の使用済みの上記インクリボン106を巻き取るためのリボン巻取りローラ駆動軸27と、上記印字ラベル用テープ110を搬送するためのテープ送りローラ駆動軸28とが設けられている。前述のリボン巻取りローラ108及びテープ送りローラ109は、図示しない搬送ローラ用モータの駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸27及び上記テープ送りローラ駆動軸28に伝達されることによって、連動して回転駆動される。またカートリッジホルダ22には、搬送されるカバーフィルム104に所望の印字を形成する印字ヘッド29が設けられている。なお、この印字ヘッド29が印字手段の一例である。
【0028】
印字ラベル用テープ110の搬送経路に沿ってテープ送りローラ109及び圧着ローラ24の下流側には、固定刃25と、固定刃25との協働により印字ラベル用テープ110を厚さ方向に切断する可動刃26と、が設けられている。
【0029】
<ラベルプリンタ動作概略>
上記構成のラベルプリンタ2において、カートリッジ101が上記カートリッジホルダ22に装着されると、カバーフィルム104及びインクリボン106が印字ヘッド29とこれに対向するプラテンローラ30との間に狭持される。基材テープ102及びカバーフィルム104は、テープ送りローラ109とこれに対向する圧着ローラ24との間に狭持される。リボン巻取りローラ108及びテープ送りローラ109が
図3中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動されることにより、圧着ローラ24、及びプラテンローラ30が回転する。第1ロール103からは基材テープ102が繰り出され、テープ送りローラ109へ供給される。第2ロール105からはカバーフィルム104が繰り出されるとともに、図示しない印刷駆動回路により印字ヘッド29の複数の発熱素子が通電されることにより、カバーフィルム104に印字が印刷される。カバーフィルム104への印字が終了したインクリボン106は、リボン巻取りローラ駆動軸27の駆動によりリボン巻取りローラ108に巻取られる。
【0030】
上記基材テープ102と上記印刷が終了したカバーフィルム104とが上記テープ送りローラ109及び圧着ローラ24により接着されて一体化されることにより、印字ラベル用テープ110が形成され、カートリッジ101外へと搬出される。カートリッジ101外へ搬出された印字ラベル用テープ110は、固定刃25及び可動刃26の協働によって切断され、印字ラベルLが生成される。なお、この印字ラベルLが、印刷ラベルの一例である。
【0031】
<重ね貼りラベル、ラベルデータ、及び表示イメージについて>
印字ラベルLは、カートリッジ101の筺体に収容される基材テープ102とインクリボン106の色とで、背景色とオブジェクト色とが決まる。1枚の印字ラベルLでは、インクリボン106の色に対応する単色のオブジェクト色となるが、例えば、黒色のオブジェクト色の印字ラベルLの表面に、透明の基材テープ102と赤色のオブジェクト色の印字ラベルLを貼り合わせることにより、下層の黒色オブジェクトが透明の基材テープ102を透けて見えることで、黒と赤のオブジェクト色で表現される印字ラベルLが作成できる。
本実施形態においては、複数の印字ラベルLを厚み方向に相互に重ね合わせて貼り合わせたラベルを重ね貼りラベルLSという。ユーザは、ラベルプリンタ2がそれぞれラベルデータに基づいて作成した複数の印字ラベルLを相互に重ね合わせて貼り合わせ、さらにその状態で貼り付け対象に貼り付けられる。そのような印字ラベルとラベルデータ、及び表示部44又はタッチパネル33,54における表示イメージの例を
図4により説明する。
【0032】
図4中の左側の列には、ラベルプリンタ2が作成した3つの印字ラベルL1,L2,L3とそれらを重ね合わせた重ね貼りラベルLSのそれぞれの外観の一例を示している。この例では、重ね合わせた状態で最も上層、つまり最も表面側に位置する印字ラベルを第1レイヤー印字ラベルL1とし、その裏側に直接貼り合わされる印字ラベルを第2レイヤー印字ラベルL2とし、さらにその裏側に直接貼り合わされて最も下層、つまり最も裏面側に位置する印字ラベルを第3レイヤー印字ラベルL3としている。
【0033】
図示する例では、第1レイヤー印字ラベルL1の中央位置に「立ち入り 禁止」のテキストが、透明のテープに青色の印字色で印字されている。また、第2レイヤー印字ラベルL2の中央位置には上記テキストの周囲を囲む配置の丸角矩形枠の図形が、透明のテープに赤色の印字色で印字されている。また、第3レイヤー印字ラベルL3では全面に渡って波型横線ストライプの背景パターンがオレンジ色のテープに黒色の印字色で印字されている。これら3つの印字ラベルを上記のレイヤー順に重ね貼りすることで、図中左側の最も上方に示しているような重ね貼りラベルLSができる。この重ね貼りラベルLSでは、全面に黒色の背景パターンで塗りつぶされているオレンジ色の下地の上に、青色のテキストの文字列とその周囲を囲む赤色の略矩形枠の図形が共に表出する外観となる。
【0034】
上記構成のラベルプリンタ2では1つの印字ラベルに対して単色の印字しかできないところ、このように異なる印字色の複数の印字ラベルを重ね貼りした重ね貼りラベルLSでは複数色での表現が可能となる。
【0035】
図4中の中央の列には、上記重ね貼りラベルLSを作成するために用いられる重ね貼りラベルテンプレートデータの一例を示している。この重ね貼りラベルテンプレートデータは、ラベルプリンタ2が上記3つの印字ラベルをそれぞれ作成するために用いられる3つのラベルデータの集合であり、すなわち上記1つの重ね貼りラベルLSに対応したデータとして構成されている。上記第1レイヤー印字ラベルL1に対応するものが第1レイヤーラベルデータであり、上記第2レイヤー印字ラベルL2に対応するものが第2レイヤーラベルデータであり、上記第3レイヤー印字ラベルL3に対応するものが第3レイヤーラベルデータである。重ね貼る順番とレイヤーとが対応付けられている。なお、各レイヤーラベルデータが複数の画像データの一例であり、重ね貼りラベルテンプレートデータが重ね張り用テンプレートの一例である。各レイヤーラベルデータは、それぞれカセットデータとオブジェクトデータを有している。
【0036】
カセットデータは、対応する印字ラベルの作成に用いられるカートリッジ101に関するデータであり、図示する例では基材テープ102のテープ幅である媒体幅と、基材テープ102のテープ色である媒体色と、インクリボン106のインク色である印字色の各データを含んでいる。なお、このカセットデータ自体の内容もしくカセットデータで特例されるカートリッジ101の種類が印刷媒体種の一例であり、印字色のデータが示す色が印刷媒体種に対応する色の一例である。
【0037】
オブジェクトデータは、対応する印字ラベルでの印字内容、つまりオブジェクトに関するデータであり、オブジェクトの種類と、そのオブジェクト種類に応じて印字内容を定義する各種データを含んでいる。
【0038】
なお、重ね貼りラベルテンプレートデータは、あらかじめ作成したデータであり、ラベルプリンタ2の製造メーカー等により提供されるデータである。操作端末4、携帯端末3、及びラベルプリンタ2のそれぞれの大容量記憶装置35,46,55には、上述した複数のレイヤーラベルデータを1組にまとめた重ね貼りラベルテンプレートデータが複数組記憶されている。各レイヤーラベルデータには、各ラベルに印刷するためのオブジェクトデータとカセットデータとが含まれている。操作端末4、携帯端末3、又はラベルプリンタ2のCPU31,41又は制御回路21が上記印刷データ編集プログラムを実行した際には、初めに大容量記憶装置35,46,55に記憶されている複数組の重ね貼りラベルテンプレートデータが表示部44又はタッチパネル33,54上に一覧表示される(特に図示せず)。ユーザはそれらから適宜選択した重ね貼りラベルテンプレートデータを雛形、つまりテンプレートとして利用し、それに対する編集操作によって各レイヤーラベルデータのデータ内容を当該ユーザの目的に応じて変更する。なお、操作端末4や携帯端末3における複数組の重ね貼りラベルテンプレートデータの取得は、無線通信または有線通信を介してラベルプリンタ2の大容量記憶装置55や図示しない外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0039】
そして本実施形態では、印刷データ編集プログラムでの編集操作時において、表示部44またはタッチパネル33,54の画面上に
図4中の右側列の最上方に示すような重ね貼りラベルLSに対応する合成イメージISを必ず表示する。この合成イメージISは、編集操作中におけるその時点での全てのレイヤーラベルデータの内容を合成したイメージ画像であり、表示部44またはタッチパネル33,54の画面上でこの合成イメージISを表示する領域を特に合成イメージ表示領域GMという(後述の
図5以降参照)。なお、合成イメージISが合成イメージ画像の一例である。
【0040】
また、編集操作時における表示部44またはタッチパネル33,54の画面上には、上記合成イメージISと共に必要に応じて各レイヤーラベルデータにそれぞれ対応するレイヤーイメージI1,I2,I3も併せて表示する。各レイヤーイメージI1,I2,I3は、編集操作中におけるその時点での各レイヤーラベルデータの内容を個別に表すイメージ画像であり、表示部44またはタッチパネル33,54の画面上で各レイヤーイメージI1,I2,I3を表示する領域を特にレイヤーイメージ表示領域LMという(後述の
図5以降参照)。なお、各レイヤーイメージI1,I2,I3がラベル画像の一例である。
【0041】
ここで、以上のような印刷データ編集プログラムでの編集操作時においてユーザが行える操作の種類としては、主にレイヤー選択操作、オブジェクト編集操作、カセット変更操作、編集完了操作の4種類となる。これら各種のユーザ操作については後に詳述する。
【0042】
そして本実施形態では、重ね貼りラベルテンプレートデータに対してユーザが変更できるデータ項目や変更範囲についてあらかじめ所定の制限が設定されていることで、テンプレートとしての機能を確保している。例えば、各レイヤーラベルデータのオブジェクトデータについてはそれぞれの印字内容を変更できるものの、それぞれのオブジェクト種類自体(図示する例のテキスト、図形、全面背景パターン)やレイヤー数は変更不可としている。このようにすることで、当該重ね貼りラベルテンプレートデータにおけるオブジェクト種類の組み合わせでの表示構成が維持される。
【0043】
<携帯端末での編集画面表示>
本実施形態の例では、携帯端末3において印刷データ編集プログラムにより、重ね貼りラベルテンプレートを編集して印刷する工程を開示する。重ね貼りラベルテンプレートデータに対する具体的な編集画面での表示内容を以下に説明する。
【0044】
まず、携帯端末3において上記印刷データ編集プログラムの実行すると、タッチパネル33上に複数組の重ね貼りラベルテンプレートデータをユーザが任意に選択可能に一覧表示される。一覧表示は、例えば、各重ね貼りテンプレートデータで表される合成イメージのサムネイル画像とこの重ね貼りテンプレートデータを印刷するために必要なカセット種類とが表示される。ユーザが一覧表示から、所定の重ね貼りラベルテンプレートデータを選択すると、選択された重ね貼りテンプレートデータが大容量記憶装置35から取得される(特に図示せず)。そして、この取得した編集前の重ね貼りラベルテンプレートデータのデータ内容そのままに対応するデフォルトの合成イメージISが、タッチパネル33の編集画面上に表示される。
【0045】
本実施形態では、
図5~
図10に示すように、タッチパネル33での編集画面上では合成イメージISを表示する合成イメージ表示領域GMと、その他に3つのレイヤーイメージI1,I2,I3のうちの1つだけを表示するレイヤーイメージ表示領域LMとを並べて表示する。つまり、編集画面上において同時に表示できるラベルイメージの数を2つだけに制限する。タッチパネル33上におけるラベルイメージの表示数を制限することで、表示面積や操作面積が小さい携帯端末3のタッチパネル33のような場合であっても、ユーザが明確に視認して容易に編集操作が可能となる。
【0046】
合成イメージ表示領域GMには、図示するように合成イメージISを表示する合成イメージウィンドウ61と、当該編集操作を完了して次の印刷メニューへの移行を指示するための編集完了ボタン63とが表示されている。レイヤーイメージ表示領域LMには、レイヤーイメージI1,I2,I3を表示するレイヤーイメージウィンドウ71と、表示しているレイヤーイメージI1,I2,I3のレイヤー番号とともに対応するカセットデータのデータ内容を表示する補助ウィンドウ72とが表示されている。なお、この
図5に示すように重ね貼りラベルテンプレートデータを取得した直後の時点では、対応する合成イメージISが合成イメージウィンドウ61に表示されるだけであり、レイヤーイメージ表示領域LMには、何も表示されない。
【0047】
そして、この編集画面上においてユーザが実行できる主な編集操作の種類は、上述したようにレイヤー選択操作、オブジェクト編集操作、カセット変更操作、編集完了操作の4種類である。本実施形態の例では、これら編集操作のうちレイヤー選択操作、編集完了操作の2種類を合成イメージ表示領域GMで受け付けるものとし、オブジェクト編集操作とカセット変更操作の2種類をレイヤーイメージ表示領域LMで受け付けるものとする。
【0048】
なお本実施形態の例において、基本的にユーザがタッチパネル33に対して直接行える操作の動作内容は、当該編集画面の全体における位置指定のタップ操作と、そのタップ位置を移動させるスライド操作と、その時点のタップ位置における押圧操作とする。ただし、他にも例えばオブジェクトの位置を移動させる操作はドラッグ操作で行うものとし、オブジェクトの大きさを変更する操作はピンチ操作で行うものとし、またテキストの文字内容を変更する際の文字入力操作などは別途図示しない簡易入力画面で行うものとする。
【0049】
以上のように重ね張りラベルテンプレートデータを取得して対応する合成イメージISを表示した後には、ユーザは、
図6に示すようなレイヤー選択操作を行う。
【0050】
ここで、上述したように重ね張りラベルテンプレートデータは、印字色の異なる複数のオブジェクトデータをそれぞれ個別のレイヤーラベルデータに振り分けて記録している。このため、編集操作によっていずれかのオブジェクトを変更する場合には、その前に変更対象のオブジェクトに対応するレイヤーを選択操作してそのレイヤー単位で編集する必要がある。
【0051】
ユーザが合成イメージ表示領域GMに表示されている合成イメージIS上でタップ操作すると、タップされた位置Fにあるオブジェクトが編集対象のオブジェクトとして特定される。特定された編集対象のオブジェクトを含むレイヤーのレイヤーイメージI1,I2、I3と、そのレイヤーを印刷するために使用されるカセットを示すカセットデータがレイヤーイメージ表示領域LMに表示される。
図6の例では、合成イメージ表示領域GMに表示されている合成イメージIS上で、「立ち入り禁止」のテキストオブジェクトがタップ操作され、テキストオブジェクトに対応する第1レイヤーが、レイヤーイメージ表示領域LMのレイヤーイメージI1として表示されている。なお、この選択対象のオブジェクトに対応するレイヤーラベルデータが、編集対象の画像データの一例である。
【0052】
次に、ユーザがレイヤーイメージI1上をタップ操作すると、
図7に示すように、当該オブジェクトに対応するサブメニューSNが表示される。ユーザは、サブメニューSNのメニュールートを辿ってユーザが希望する内容のメニュー項目を押下操作して変更する。このサブメニューSNには、上述したようにユーザによる変更が制限されていないメニュー項目だけが表示される。なお、特に図示しないが、オブジェクトの位置を変更する場合には例えば当該オブジェクトをタップしたまま移動させるドラッグ操作を行い、この例のテキストの文字内容を変更する場合には「テキスト内容」のメニュー項目を押圧操作して別途の簡易入力画面を呼び出して行えばよい。テキストオブジェクトの文字サイズを変更したい場合は、サブメニューSNのポイントから変更したいポイントを指定すればよい。テキストオブジェクトの書体を変更したい場合は、サブメニューSNのスタイルから変更したい書体を指定すればよい。図示する例では、テキストオブジェクトを太字で装飾するよう変更している。このオブジェクト編集操作時には、合成イメージ表示領域GMの合成イメージ画像ISに含まれるテキストオブジェクトも同じ変更操作内容がリアルタイムに反映表示される。なお、本実施形態における合成イメージIS上でのタップ操作が、合成イメージ画像に対し編集に関する操作の一例であり、変更操作内容の反映表示が、合成イメージ画像の表示を更新することの一例である。
【0053】
また、カセットデータを変更する場合には、
図8に示すように、レイヤーイメージ表示領域LMにおけるカセットデータの表示範囲上をタップ操作し、サブメニューSNのメニュールートを辿って希望する内容に変更すればよい。特に、オブジェクトの印字色を変更する場合にはこのカセットデータの変更操作が必要であり、実際にこの変更操作によって印字色を変更した場合には合成イメージ表示領域GMとレイヤーイメージ表示領域LMの両方で同じ印字色の変更操作内容がリアルタイムに反映表示される。なお、ラベルプリンタ2に実際に装着するカートリッジ101は、その単体で、カセットデータが含む全てのデータ内容の組み合わせに一意に対応した構成のものである。したがって、カセットデータの内容の変更は、メーカーで実際に製造販売されている型番のカートリッジ101の構成に対応した内容で制限される。
【0054】
また、合成イメージ画像ISでタップ操作されたオブジェクトが、第2レイヤーに対応する図形オブジェクトであれば、
図9に示すようなレイヤーイメージ画像I2とカセットデータがレイヤーイメージ表示領域LMに表示され、合成イメージ画像ISでタップ操作されたオブジェクトが、第3レイヤーに対応する全面背景パターンオブジェクトであれば、
図10に示すようなレイヤーイメージ画像I3とカセットデータがレイヤーイメージ表示領域LMに表示される。カセットデータの内容の変更以外に、図形オブジェクトであれば、サブメニューSNから図形パターンが、全面背景パターンオブジェクトであれば、サブメニューSNから背景パターンが、選択肢の中から変更可能である。そして、レイヤーイメージ表示領域LMにおいて操作された変更内容は、合成イメージ表示領域GMの合成イメージ画像ISにリアルタイムに反映表示される。
【0055】
ユーザは、編集操作を完了してその編集結果の合成イメージISで重ね貼りラベルLSを作成する場合には、合成イメージ表示領域GMの編集完了ボタン63をタップし押圧操作する編集完了操作を行う。これにより、合成イメージISの編集結果に基づく編集ラベルデータが生成され、次にタッチパネル33で表示される印刷メニュー画面で印刷操作が行われる(特に図示せず)。この印刷メニュー画面では、上記編集ラベルデータに含まれる各レイヤーラベルデータのそれぞれに対応する印刷ジョブの印刷処理を実行するよう操作される。
【0056】
<制御手順>
本実施形態における上記の手法を実現するために、CPU31が実行する制御手順の一例を、
図11のフローチャートにより説明する。この制御手順は、重ね貼りテンプレートデータを用いて編集ラベルデータの印刷制御を行う処理を示し、印刷データ編集プログラムの実行を開始して、複数組の重ね貼りラベルテンプレートデータからユーザが任意の重ね貼りラベルテンプレートデータを選択した際に以下の手順が開始される。
【0057】
S5で、ユーザにより選択された重ね貼りラベルテンプレートデータを大容量記憶装置35から取得する。そして、S7で、取得した重ね貼りテンプレートデータに基づく合成イメージISを合成イメージ表示領域GMの合成イメージウィンドウ61に表示する。
【0058】
その後S10で、ユーザから合成イメージ表示領域GMでオブジェクト選択操作が行われたか否かが判定される。具体的には、合成イメージ画像IS上のいずれかのオブジェクトに対してタップ操作されたか否かを判定する。オブジェクト選択操作が行われた場合はYES判定となり、S15へ移行する。
【0059】
S15では、選択対象のオブジェクトに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3とカセットデータをレイヤーイメージ表示領域LMに表示する。そしてS10に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0060】
一方、S10においてオブジェクト選択操作が行われていない場合はNO判定となり、S20へ移行する。S20では、ユーザからレイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われたか否かが判定される。レイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われた場合はYES判定となり、S25へ移行する。
【0061】
S25では、レイヤーイメージ表示領域LMで受け付けた編集操作の内容をレイヤーイメージ表示領域LMに表示する。具体的には、サブメニューSNのメニュールート操作等を受け付け、それに基づくオブジェクトの変更内容をレイヤーイメージI1,I2,I3に反映表示する。
【0062】
次にS30で、上記オブジェクト編集操作でのオブジェクトの変更内容を合成イメージ表示領域GM中の合成イメージISにもリアルタイムに反映表示する。その後、S10に戻り同様の手順を繰り返す。
【0063】
一方、S10においてレイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われていなかった場合はNO判定となり、S35へ移行する。
【0064】
S35では、編集完了ボタン63が押圧操作されたか否かが判定される。編集完了ボタン63が押圧操作されていない場合はNO判定となり、S10へ移行して同様の手順を繰り返す。
【0065】
一方、S35において編集完了ボタン63が押圧操作されていた場合はYES判定となり、S40へ移行する。
【0066】
S40では、編集ラベルデータを生成してその印刷制御を行う。そして、このフローを終了する。
【0067】
なお、上記においてS5の手順が取得処理及び取得手段の一例であり、S7とS15とS25の手順が表示処理と表示手段の一例であり、S10とS20の手順が受付処理と受付手段の一例であり、S15の手順が特定処理と特定手段の一例であり、S40の手順が印刷制御手段の一例である。
【0068】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、重ね貼りラベルLSを作成するユーザ用に、重ね貼りラベルテンプレートデータが予め用意されており、大容量記憶装置35に記憶されている。重ね貼りラベルテンプレートデータは、重ね貼りラベルLSを生成するための複数のレイヤー印字ラベルL1,L2,L3にそれぞれ対応する、複数のレイヤーラベルデータによって構成されている。携帯端末3のCPU31において印刷データ編集プログラムが実行されると、S5の手順において、所望の重ね貼りラベルLSに対応する複数の上記レイヤーラベルデータが取得される。またS7の手順では、取得された重ね貼りラベルテンプレートデータの複数のレイヤーラベルデータを重ね合わせた合成イメージISがタッチパネル33に表示される。ユーザがその合成イメージISを見ながらタッチパネル33を介して当該合成イメージISに対し編集に関する操作を行うと、S10とS20の手順においてその編集に関する操作が受け付けられる。S15の手順では、複数のレイヤーラベルデータのうち、S10の手順により受け付けた操作の対象となるレイヤーイメージI1,I2,I3に対応するレイヤーラベルデータを編集対象のレイヤーラベルデータとして特定される。
【0069】
本実施形態によれば、取得された複数のレイヤーラベルデータを重ね合わせた合成イメージISが表示された状態でユーザが編集のための操作を行うことにより、重ね貼りされた最終的な外観上の姿をイメージしつつ、編集操作を直感的に行うことができる。
【0070】
また、本実施形態では特に、S15の手順において特定された編集対象のレイヤーラベルデータに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3がタッチパネル33に表示される。本実施形態によれば、合成イメージISに加え、編集操作に係わるレイヤーイメージI1,I2,I3も併せてタッチパネル33に表示されるので、編集操作をさらに直感的にわかりやすく行うことができる。
【0071】
なお、本実施形態では携帯端末3のタッチパネル33における編集画面の例で説明しており、そのようなタッチパネル33では表示面積及び操作面積が小さいためにレイヤーイメージ表示領域LMにおけるレイヤーイメージI1,I2,I3の表示数は、選択対象レイヤーに対応する1つのみとしていた。しかし、タッチパネル33に合成イメージ表示領域GMとレイヤーイメージ表示領域LMのいずれか1つだけを表示して所定の操作によって表示を切り換えてもよい。また、レイヤーイメージ表示領域LMに複数のレイヤーイメージI1,I2,I3を表示してもよい。また、ラベルプリンタ2においてもタッチパネル54を備えていることから、制御回路21が同様の印刷データ編集プログラムを実行して本実施形態による編集画面を適用してもよい。
【0072】
また、本実施形態では特に、S7とS15の手順において、合成イメージISと、複数のレイヤーラベルデータにそれぞれ対応する複数のレイヤーイメージI1,I2,I3とが表示される。ユーザは、タッチパネル33に表示された合成イメージISに対して編集操作を行う。S25の手順では、ユーザのレイヤーイメージI1,I2,I3に対する編集操作に応じて、合成イメージISの表示内容が更新される。ユーザのレイヤーイメージI1,I2,I3の操作に応じて合成イメージISが更新されることにより、ユーザは、編集中のオブジェクト及びその編集内容が反映された合成イメージISの姿を見つつ、編集操作をさらに直感的に行うことができる。
【0073】
また、本実施形態では特に、重ね貼りラベルテンプレートデータに対し、所定のカセットデータが予め対応付けられている。S15の手順では、取得された重ね貼りラベルテンプレートデータに対応付けられているカセットデータがタッチパネル33に表示される。本実施形態によれば、ユーザは、使用中である重ね貼りラベルテンプレートデータの各レイヤーイメージI1,I2,I3について、予め対応付けられているカートリッジ101の種類を確実に知ることができる。なお、本実施形態のように編集対象のレイヤーに対応するカセットデータのみ表示する以外にも、レイヤーイメージ表示領域LMに全てのカセットデータを表示させてもよい。
【0074】
また、本実施形態では特に、重ね貼りラベルテンプレートデータに対し、所定のカセットデータが予め対応付けられている。S20の手順において、上記対応付けられたカセットデータの変更指示が受け付けられると、変更指示を受け付けたカセットデータに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3を、上記変更指示のあったカセットデータに対応する色に変更される。
【0075】
本実施形態によれば、上記のように重ね貼りラベルテンプレートデータに対し事前に対応付けられたカセットデータをユーザが変更した場合、その変更されたカセットデータに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3が、その変更を反映した色に変更されて表示される。ユーザは、変更内容を反映した姿を見つつ、編集操作をさらに直感的に行うことができる。
【0076】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態の例について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の構成や処理については、適宜説明を省略する。
【0077】
上記第1実施形態では、携帯端末3やラベルプリンタ2の使用を前提として、それらのタッチパネル33上の編集画面におけるレイヤーイメージ表示領域LMに選択対象のレイヤーイメージI1,I2,I3を1つだけ表示していた。これに対し本実施形態では、操作端末4の使用を前提とし、表示面積が比較的広いディスプレイなどの表示部44に表示した編集画面において、レイヤーイメージ表示領域LMに全てのレイヤーイメージI1,I2,I3を並べて一覧表示する。なお、本実施形態における編集操作の表示態様については、合成イメージ表示領域GMにおいてユーザ操作を受け付け、編集操作に応じた表示の更新を各レイヤーイメージI1、I2、I3に反映させる態様とする。
【0078】
この場合に、重ね貼りラベルテンプレートデータの取得時には
図12に示すような編集画面が表示部44に表示される。この編集画面では、合成イメージ表示領域GMにおける表示が上記第1実施形態と同等である。その一方、レイヤーイメージ表示領域LMにおいては、取得した重ね貼りラベルテンプレートデータを構成する3つのレイヤーラベルデータ(上記
図4参照)にそれぞれ対応するラベルイメージI1,I2,I3とカセットデータを全て表示している。なお、特に図示しないが、レイヤーラベルデータの数が多い場合には、レイヤーイメージ表示領域LMにおいてスクロール表示させてもよい。
【0079】
そして本実施形態の例では、ユーザが合成イメージ表示領域GMにおけるレイヤー選択操作を行った場合、
図13に示すように選択対象のオブジェクト(図示する例ではテキストオブジェクト)とそれに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3以外は全て低いコントラストで表示する。これにより、選択対象のオブジェクトとそれに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3だけが相対的に強調して表示される。そして、
図14に示すように、本実施形態でもサブメニュー操作等を介したオブジェクト編集操作が可能である。本実施形態では、合成イメージ画像ISに対してオブジェクトの編集操作を行うため、合成イメージ表示領域GMにサブメニューSNが表示される。編集操作のオブジェクトに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3においては同じ変更操作内容がリアルタイムに反映表示される。なお、オブジェクト編集操作が終了して一定時間経過した際には、上記の低コントラスト表示を解除して全てのオブジェクトと合成イメージIS及びレイヤーイメージI1,I2,I3を同じコントラストで表示する。
【0080】
<制御手順>
本実施形態における上記の手法を実現するために、CPU41が実行する制御手順の一例を、
図15のフローチャートにより説明する。
【0081】
まずS105で、あらかじめ選択された重ね貼りラベルテンプレートデータを大容量記憶装置46から取得する。そしてS110で、その重ね貼りラベルテンプレートデータに基づく合成イメージISを合成イメージ表示領域GMの合成イメージウィンドウ61に表示する。
【0082】
次にS115で、重ね貼りラベルテンプレートデータに含まれている全てのレイヤーラベルデータ(図中ではオブジェクトで記載)にそれぞれ対応するレイヤーイメージI1,I2,I3とカセットデータを、レイヤーイメージ表示領域LMに全て一覧表示する。
【0083】
その後S120で、ユーザから合成イメージ表示領域GMでオブジェクト選択操作が行われたか否かが判定される。具体的には、移動操作されるカーソルCが特定のオブジェクトに重なった際に対応するレイヤー番号のサブメニューSNを逐次表示し、そのレイヤー番号を表示している間に押下操作が行われたか否かを判定する。オブジェクト選択操作が行われた場合はYES判定となり、S125へ移行する。
【0084】
S125では、選択オブジェクトとそれに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3以外の他のオブジェクトとレイヤーイメージI1,I2,I3を全て低コントラストで表示する。そしてS120に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0085】
一方、S120において、オブジェクト選択操作が行われていなかった場合はNO判定となり、S130へ移行する。S130では、ユーザから合成イメージ表示領域GMでオブジェクトの編集操作が行われたか否かが判定される。合成イメージ表示領域GMでオブジェクトの編集操作が行われた場合はYES判定となり、S135へ移行する。
【0086】
S135では、合成イメージ表示領域GMで受け付けたオブジェクト編集操作の内容を表示する。具体的には、サブメニューSNのメニュールート操作等を受け付け、それに基づくオブジェクトの変更内容を合成イメージISに反映表示する。
【0087】
次にS140で、上記オブジェクト編集操作でのオブジェクトの変更内容をレイヤーイメージ表示領域LM中において対応するレイヤーイメージI1,I2,I3にもリアルタイムに反映表示する。
【0088】
次にS145では、オブジェクト編集操作が終了してから一定時間以上経過したか否かが判定される。一定時間が経過していない場合はNO判定となり、S150へ移行する。S150では、ユーザから合成イメージ表示領域GMでオブジェクトの編集操作が行われたか否かが判定される。合成イメージ表示領域GMでオブジェクトの編集操作が行われた場合はYES判定となり、S135へ移行して同様の手順を繰り返す。一方、合成イメージ表示領域GMでオブジェクトの編集操作が行われていなかった場合はNO判定となり、S145へ移行して同様の手順を繰り返す。
【0089】
一方、S145において一定時間が経過していた場合はYES判定となり、S155へ移行する。
【0090】
S155では、全てのオブジェクトと合成イメージIS及びレイヤーイメージI1,I2,I3を通常のコントラストで表示する。そしてS120へ移行し、同様の手順を繰り返す。
【0091】
一方、S130において、合成イメージ表示領域GMでオブジェクトの編集操作が行われていなかった場合はNO判定となり、S160へ移行する。
【0092】
S160では、編集完了ボタン63が押下操作されたか否かが判定される。編集完了ボタン63が押下操作されていない場合はNO判定となり、S120へ移行して同様の手順を繰り返す。
【0093】
一方、S160において編集完了ボタン63が押下操作されていた場合はYES判定となり、S165へ移行する。
【0094】
S165では、編集ラベルデータを生成してその印刷制御を行う。そして、このフローを終了する。
【0095】
以上説明したように、本実施形態においては、合成イメージ画像に対してオブジェクト選択操作が行われると、S125の手順において、その編集操作の対象となっているオブジェクトが、それ以外のオブジェクトよりも強調して表示される。操作しているオブジェクトが、視覚的に他のオブジェクトよりも目立って表示されることにより、ユーザにとってさらに視覚的に分かりやすい表示とすることができる。なお、このコントラスト表示制御は、上記第1の実施形態にも適用可能である。
【0096】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態の例について説明する。なお、上記の各実施形態と同等の構成や処理については、適宜説明を省略する。
【0097】
第3実施形態では、第2実施形態と同様、合成イメージ表示領域GMと重ね貼りラベルテンプレートデータの各レイヤーイメージI1,I2、I3を表示するレイヤーイメージ表示領域LMとを1画面に表示する。第3実施形態では、第1実施形態と同様、編集操作はレイヤーイメージ表示領域LMにより行う。
【0098】
この場合でも、重ね貼りラベルテンプレートデータの取得時には上記
図12に示したものと同じ編集画面が表示部44に表示される。そして本実施形態の例の編集画面の表示では、レイヤー選択操作を行う場合、すでに各レイヤーイメージI1,I2、I3がレイヤーイメージ表示領域LMに表示されているため、合成イメージ画像IS上の特定オブジェクトに対する押下操作をする必要がない。
図16に示すようにレイヤーイメージ表示領域LM中に表示されている各レイヤーイメージI1,I2,I3のうちユーザが任意に選択したものの表示範囲にカーソルCを移動して押下操作することで直接的にレイヤー選択できる。そして、
図17に示すように、本実施形態では各レイヤーイメージI1,I2,I3に対して直接的にオブジェクト編集操作が可能であり、合成イメージISにおいては同じ変更操作内容がリアルタイムに反映表示される。本実施形態における合成イメージ画像ISは、ユーザがレイヤー選択すると、選択されなかったレイヤーのレイヤーイメージに対応するオブジェクトのコントラストが、選択されたレイヤーのレイヤーイメージに対応するオブジェクトのコントラストより低く表示される。すなわち、合成イメージ画像ISのうち、編集操作の対象となっているオブジェクトが、それ以外のオブジェクトよりも強調して表示される。
【0099】
<制御手順>
本実施形態における上記の手法を実現するために、CPU41が実行する制御手順の一例を、
図18のフローチャートにより説明する。
【0100】
まずS205で、あらかじめ選択された重ね貼りラベルテンプレートデータを大容量記憶装置46から取得する。そしてS210で、その重ね貼りラベルテンプレートデータに基づく合成イメージISを合成イメージ表示領域GMの合成イメージウィンドウ61に表示する。
【0101】
次にS215で、重ね貼りラベルテンプレートデータに含まれている全てのレイヤーラベルデータ(図中では「オブジェクト」で記載)にそれぞれ対応するレイヤーイメージI1,I2,I3とカセットデータを、レイヤーイメージ表示領域LMに全て一覧表示する。
【0102】
その後S220で、ユーザからレイヤーイメージI1,I2,I3でオブジェクト選択操作が行われたか否かが判定される。具体的には、移動操作されるカーソルCがレイヤーイメージ表示領域LM中の特定のオブジェクトに重なった際に対応するレイヤー番号のサブメニューSNを逐次表示し、そのレイヤー番号を表示している間に押下操作が行われたか否かを判定する。オブジェクト選択操作が行われた場合はYES判定となり、S225へ移行する。
【0103】
S225では、選択オブジェクトとそれに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3以外の他のオブジェクトとレイヤーイメージI1,I2,I3を全て低コントラストで表示する。そしてS220に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0104】
一方、S220において、オブジェクト選択操作が行われていなかった場合はNO判定となり、S230へ移行する。S230では、ユーザからレイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われたか否かが判定される。レイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われた場合はYES判定となり、S235へ移行する。
【0105】
S235では、レイヤーイメージ表示領域LMで受け付けたオブジェクト編集操作の内容を表示する。具体的には、サブメニューSNのメニュールート操作等を受け付け、それに基づくオブジェクトの変更内容を選択レイヤーイメージI1,I2,I3に反映表示する。
【0106】
次にS240で、上記オブジェクト編集操作でのオブジェクトの変更内容を合成イメージ表示領域GM中の合成イメージISにもリアルタイムに反映表示する。
【0107】
次にS245では、オブジェクト編集操作が終了してから一定時間以上経過したか否かが判定される。一定時間が経過していない場合はNO判定となり、S250へ移行する。S250では、ユーザからレイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われたか否かが判定される。レイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われた場合はYES判定となり、S235へ移行して同様の手順を繰り返す。一方、レイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われていなかった場合はNO判定となり、S245へ移行して同様の手順を繰り返す。
【0108】
一方、S245において一定時間が経過していた場合はYES判定となり、S255へ移行する。
【0109】
S255では、全てのオブジェクトと合成イメージIS及びレイヤーイメージI1,I2,I3を通常のコントラストで表示する。そしてS220へ移行し、同様の手順を繰り返す。
【0110】
一方、S230において、レイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われていない場合はNO判定となり、S260へ移行する。
【0111】
S260では、編集完了ボタン63が押下操作されたか否かが判定される。編集完了ボタン63が押下操作されていない場合はNO判定となり、S220へ移行して同様の手順を繰り返す。
【0112】
一方、S260において編集完了ボタン63が押下操作されていた場合はYES判定となり、S265へ移行する。
【0113】
S265では、編集ラベルデータを生成してその印刷制御を行う。そして、このフローを終了する。
【0114】
以上説明したように、本実施形態においては、ユーザは、表示部44に表示されたレイヤーイメージI1,I2,I3のオブジェクトに対して編集操作を行う。S240の手順では、レイヤーイメージI1,I2,I3のオブジェクトに対してユーザが編集操作した内容に応じて合成イメージISの表示内容が更新される。ユーザのレイヤーイメージI1,I2,I3の操作に応じて合成イメージISが更新されることにより、ユーザは編集内容が反映された合成イメージISの姿を見つつ、編集操作をさらに直感的に行うことができる。
【0115】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態の例について説明する。なお、上記の各実施形態と同等の構成や処理については、適宜説明を省略する。
【0116】
上記の各実施形態においては、重ね貼りラベルテンプレートデータを編集して、編集ラベルデータを印刷する処理を中心に説明した。本実施形態における印刷編集プログラムは、ユーザが一から重ね貼りラベルを作成するために各レイヤーデータを編集することも可能である。また、ユーザが作成した各レイヤーデータを大容量記憶装置35,46,55に保存し、後から読み出して編集することも可能である。
【0117】
ユーザが重ね貼りラベルデータを作成する際の編集画面例を、
図19に示す。合成イメージ表示領域GMとレイヤーイメージ表示領域LMとが表示される点では、重ね貼りラベルテンプレートデータから編集する場合の編集画面と同じだが、レイヤーイメージ表示領域LM中に、レイヤー追加ボタン73と、各レイヤーイメージI1,I2、I3ごとに、レイヤ―削除ボタン74を含む点で異なる。編集画面で、レイヤーイメージ表示領域LM中にレイヤー追加ボタン73を表示したり、各レイヤーイメージI1,I2,I3ごとに対応するレイヤー削除ボタン74を表示することでレイヤー増減操作が可能になる。また、新規作成用に何もオブジェクトを有していないクリアなレイヤーラベルデータを1つだけ備える重ね貼りラベルブランクデータを用意してもよい。これを取得した場合の編集画面には、特に図示しないが、いずれもクリアな合成イメージISとレイヤーイメージI1が1つずつ表示され、上記のレイヤー追加ボタン73とレイヤー削除ボタン74も操作可能に表示される。ユーザが重ね貼り用ラベルデータを編集する場合、予め用意されたテンプレートデータを使用する場合とは異なり、ユーザが変更できるデータ項目や変更範囲の制限を大幅に低減した自由度の高い編集が可能となる。
【0118】
またユーザ作成の重ね貼りラベルデータの場合は、レイヤー数の変更以外にも、各レイヤー順の変更や、各レイヤーに印字させるオブジェクトの種類を任意に設定、変更することも自由である。このように、メーカー作成の重ね貼りラベルテンプレートデータと、ユーザ作成の重ね貼りラベルデータとは、それぞれ編集可能な範囲が異なり、取得した重ね貼りラベルデータの種類に応じて編集可能な範囲を切り換えればよい。なお、ユーザ作成の重ね貼りラベルデータが重ね貼り用データの一例であり、メーカー作成の重ね貼りラベルテンプレートデータを構成する複数のレイヤーラベルデータが第1の複数の画像データの一例であり、ユーザ作成の重ね貼りラベルデータを構成する複数のレイヤーラベルデータが第2の複数の画像データの一例であり、レイヤー数の変更が画像データの数の変更の一例である。
【0119】
<制御手順>
本実施形態における上記の手法を実現するために、CPU41が実行する制御手順の一例を、
図20、
図21のフローチャートにより説明する。なお、以下においては、上記
図18のフローチャートと相違する手順のみ説明し、同等の手順については説明を省略する。
【0120】
印刷編集プログラムでは、まず重ね貼りラベルデータの印刷編集において、重ね貼りテンプレートデータを用いるか、ユーザが新規に作成するか、ユーザが過去に作成した重ね貼りラベルデータを読み出して編集するかをユーザに選択させる。ユーザが、重ね貼りテンプレートデータから任意の重ね貼りテンプレートデータを選択した場合は、重ね貼りテンプレートデータを用いて重ね貼りラベルデータの印刷編集を行うため、
図20のS203でYES判定となり、その後は
図18のS205~265と同等の手順を行うため説明を省略する。
【0121】
一方、ユーザが過去に作成した重ね貼りラベルデータを読み出す処理を行った場合は、S203でNO判定、
図21のS270でYES判定となる。また、ユーザが新規に重ね貼りラベルを作成する場合は、
図21のS270でNO判定となり、S300へ移行する。
【0122】
S270でYES判定となった場合、すなわち、ユーザが過去に作成した重ね貼りラベルデータを読み出して編集する場合、S275に移行してあらかじめ選択されたユーザ作成の重ね貼りラベルデータを大容量記憶装置46から取得する。そして次のS280で、取得した重ね貼りラベルデータに基づく合成イメージISを合成イメージ表示領域GMの合成イメージウィンドウ61に表示する。
【0123】
次にS285で、重ね貼りラベルデータに含まれている全てのレイヤーラベルデータ(図中では「オブジェクト」で記載)にそれぞれ対応するレイヤーイメージI1,I2,I3とカセットデータを、レイヤーイメージ表示領域LMに全て一覧表示する。また、レイヤー追加ボタン73とレイヤー削除ボタン74を表示する。
【0124】
その後S290で、ユーザからいずれかのレイヤーイメージI1,I2,I3でオブジェクト選択操作が行われたか否かが判定される。
【0125】
S300では、何もオブジェクトを有しないレイヤーブランクデータを1つ生成し、合成イメージ表示領域GMとレイヤーイメージ表示領域LMをそれぞれブランク表示する。また、レイヤー追加ボタン73とレイヤー削除ボタン74を表示する。そして、S290へ移行する。
【0126】
S290で、オブジェクト選択操作が行われた場合はYES判定となり、S295へ移行する。S295では選択オブジェクトとそれに対応するレイヤーイメージI1,I2,I3以外の他のオブジェクトとレイヤーイメージI1,I2,I3を全て低コントラストで表示する。そしてS290に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0127】
一方、S290においてオブジェクト選択操作が行われていない場合はNO判定となり、S305へ移行する。
【0128】
S305では、レイヤー追加操作が行われたか否か、言い換えるとカーソルCがレイヤー追加ボタン73と重なる位置で押下操作されたか否かが判定される。レイヤー追加操作が行われた場合はYES判定となり、S310でブランクのレイヤーを追加した後にS290へ移行する。
【0129】
一方、S305においてレイヤー追加操作が行われていない場合はNO判定となり、S315へ移行する。
【0130】
S315では、レイヤー削除操作が行われたか否か、言い換えるとカーソルCがいずれかのレイヤー削除ボタン74と重なる位置で押下操作されたか否かが判定される。レイヤー削除操作が行われた場合はYES判定となり、S320で対象のレイヤーイメージI1,I2,I3を消去し対応するレイヤーラベルデータも削除した後にS290へ移行する。
【0131】
一方、S315においてレイヤー削除操作が行われていない場合はNO判定となり、S325へ移行する。S325では、ユーザからレイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われたか否かが判定される。レイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われた場合はYES判定となり、S235~S255と同等の処理を行う。なお、S235~S255の処理は、
図18に示したS235~S255の各処理と同様のため説明を省略する。その後、S290に戻り同様の手順を繰り返す。
【0132】
一方、S325において、レイヤーイメージ表示領域LMでオブジェクトの編集操作が行われていない場合はNO判定となり、S330へ移行する。
【0133】
S330では、編集完了ボタン63が押下操作されたか否かが判定される。編集完了ボタン63が押下操作されていない場合はNO判定となり、S290へ移行して同様の手順を繰り返す。
【0134】
一方、S330において編集完了ボタン63が押下操作されていた場合はYES判定となり、S335へ移行する。
【0135】
S335では、編集ラベルデータを生成してその印刷制御を行う。そして、このフローを終了する。
【0136】
なお、上記においてS205の手順が第1取得処理及び第1取得手段の一例であり、S275の手順が第2取得処理及び第2取得手段の一例であり、S230とS325とS305~S320の手順が編集処理及び編集手段の一例である。
【0137】
以上説明したように、本実施形態においては、重ね貼りラベルLSを作成するユーザ用に、重ね貼りラベルテンプレートデータが予め用意されており、大容量記憶装置46に記憶されている。重ね貼りラベルテンプレートデータは、重ね貼りラベルLSを生成するための複数のレイヤー印字ラベルL1,L2,L3にそれぞれ対応する、複数のレイヤーラベルデータによって構成されている。ユーザは、大容量記憶装置46に記憶された重ね貼りラベルテンプレートデータの複数のレイヤーラベルデータを用いて、重ね貼りラベルLSを作成することができる。
【0138】
さらに、ユーザ作成の重ね貼りラベルデータが大容量記憶装置46に記憶されている。ユーザは、大容量記憶装置46に記憶された複数のレイヤーラベルデータを用いて、自分の所望の態様となるように重ね貼りラベルLSを一から編集することもできる。
【0139】
CPU41において印刷データ編集プログラムが実行されると、S205の手順において所望の重ね貼りラベルLSに対応する重ね貼りラベルテンプレートデータが取得される。あるいは、S275の手順において所望の重ね貼りラベルLSに対応するユーザ作成の重ね貼りラベルデータが取得される。
【0140】
S205とS275の手順では、取得された複数のレイヤーラベルデータを重ね合わせた合成イメージISが表示部44に表示される。ユーザがその合成イメージISを見ながら操作部43を介して当該合成イメージISに関する編集操作を行うと、S230とS325の手順においてその編集操作が受け付けられる。S230とS325の手順では、複数のレイヤーラベルデータのうち編集操作に対応する1つのレイヤーラベルデータが、当該編集操作に応じて編集される。S230とS325の手順では、メーカー作成の重ね貼りラベルテンプレートデータとユーザ作成の重ね貼りラベルデータとで編集可能となる範囲が異なるように、設定されている。
【0141】
本実施形態の例によれば、取得された複数のレイヤーラベルデータを重ね合わせた合成イメージISが表示された状態でユーザが編集操作を行うことにより、重ね貼りされた最終的な外観上の姿をイメージしつつ、編集操作を直感的に行うことができる。S230とS325の手順においては、メーカ作成の重ね貼りラベルテンプレートデータの複数のレイヤーラベルデータを用いて編集を行う場合と、ユーザ作成の重ね貼りラベルデータを用いて重ね貼りラベルLSを一から編集する場合とで、編集可能な範囲が異なる。本実施形態によれば、重ね貼りラベルテンプレートデータの複数のレイヤーラベルデータを用いて編集を行う場合、例えば重ね貼りラベルテンプレートデータの事前設定に沿わない編集を制限することで、テンプレートからの編集を生かしつつ、迅速かつ簡便な処理でレイヤーラベルデータを編集することができる。
【0142】
また、本本実施形態の例では特に、S305~S320の手順において、ユーザ作成もしくはブランクの重ね貼りラベルデータについては編集に用いることができるデータ数、つまりレイヤー数を増減変更可能であり、重ね貼りラベルテンプレートデータについてはレイヤー数の変更が不可である。本実施形態によれば、重ね貼りラベルテンプレートデータの複数のレイヤーラベルデータを用いて編集を行う場合、例えば事前設定されたレイヤー数からの増減変更を禁止することで、テンプレートからの編集を生かしつつ、迅速かつ簡便な処理で画像データを編集することができる。
【0143】
<変形例>
なお、本発明は、上記の各実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0144】
上記説明では、ユーザが過去に作成した重ね貼りラベルデータや新規作成用のブランクラベルデータの使用について、操作端末4を使用した第3実施形態に適用した場合の例で説明したが、他にも携帯端末3やラベルプリンタ2を使用した場合や、上記第1実施形態又は第2実施形態に適用することも可能である。また、重ね貼りラベルテンプレートデータの複数のレイヤーラベルデータを用いる場合は、レイヤー数の増減変更の編集を制限したが、これに限らない。例えば、第1~第4実施形態それぞれにおいて、補助ウィンドウ72において、カセットデータの変更を可能としたが、重ね貼りラベルテンプレートデータの複数のレイヤーラベルデータを用いる場合は、カセットデータの変更を行えないようにしてもよい。
【0145】
また、
図11、
図15、
図18、
図20、
図21等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、
図18において、S225の処理のあとにS245に移行し、一定時間操作がなければ、コントラストを戻してもよい。
また、第1実施形態において、合成イメージ表示領域GMでオブジェクト編集操作を受け付けるようにしてもよい。合成イメージ表示領域GMでオブジェクト編集操作を受け付ける場合は、レイヤーイメージ表示領域LMはなくてもよい。また、合成イメージIS上で、編集対象のオブジェクトを含むレイヤーイメージが相対的に他のレイヤーイメージより強調されるように表示してもよい。また、第1、第2実施形態において、重ね貼りラベルテンプレートデータの代わりに、ユーザが過去に作成した重ね貼りラベルデータに対しても、同様に、表示部に表示される合成イメージに対して、レイヤー選択操作を受け付け、選択されたレイヤーのオブジェクトを編集するようにしてもよい。
【0146】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0147】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0148】
2 ラベルプリンタ(情報処理装置、印刷制御装置の一例)
3 携帯端末(情報処理装置、印刷制御装置の一例)
4 操作端末(情報処理装置、印刷制御装置の一例)
21 制御回路(演算部の一例)
31,41 CPU(演算部の一例)
32,42 メモリ(テンプレート記憶部、データ記憶部の一例)
43 操作部
44 表示部
33,54 タッチパネル(操作部、表示部の一例)
35,46,55 大容量記憶装置(テンプレート記憶部及びデータ記憶部の一例)
IS 合成イメージ(合成イメージ画像の一例)
I1,I2,I3 レイヤーイメージ(ラベル画像の一例)
L 印字ラベル(印刷ラベルの一例)
LS 重ね貼りラベル
L1,L2,L3 レイヤー印字ラベル(印刷ラベルの一例)