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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/64 20060101AFI20241018BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20241018BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20241018BHJP
【FI】
A01D34/64 P
A01D34/64 A
B60K1/00
B60K1/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021167944
(22)【出願日】2021-10-13
(65)【公開番号】P2023058146
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 龍太郎
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0242356(US,A1)
【文献】特開2011-218951(JP,A)
【文献】特開平11-199189(JP,A)
【文献】特開2017-7608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/64
B60K 1/00
B60L 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1)の前部に左右一対の前輪(2)を設け、該走行車体(1)の後部に左右一対の後輪(3)を設け、前記走行車体(1)の下面に芝等の雑草を刈取る作業機(4)を設けた作業車両において、
前記走行車体(1)の上面における前側に所定の空間が形成されたボンネット部(5)を設け、該ボンネット部(5)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(6)を設け、
前記操縦部(6)の下方後側に後輪(3)を駆動する電動機(30)を設け、
前記ボンネット部(5)に電動機(30)に供給する電力を蓄電するバッテリ(50)を設け、
前記バッテリ(50)の前側に充電器(75)を設け、
前記走行車体(1)とバッテリ(50)に外嵌されたブラケット(52)を、前後方向に延在する左前後フレーム(52L)と、前後方向に延在する右前後フレーム(52R)と、前記左前後フレーム(52L)と右前後フレーム(52R)の前部を連結する前左右フレーム(52A)と、前記左前後フレーム(52L)と右前後フレーム(52R)の後部を連結する後左右フレーム(52B)で形成し、
前記走行車体(1)の左部に設けられた左支持部材(12L,13L)と左前後フレーム(52L)を左防振部材(53L)を介して連結し、前記走行車体(1)の右部に設けられた右支持部材(12R,13R)と右前後フレーム(52R)を右防振部材(53R)を介して連結したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記前左右フレーム(52A)に設けられた支持部材(77)に前方に延出する延出部(77A)を形成し、
前記充電器(75)の後部を延出部(77A)に装着した請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記前左右フレーム(52A)に設けられた支持部材(77)に複数の開口部(77B)を形成した請求項1又は2記載の作業車両。
【請求項4】
前記充電器(75)の上側に、充電時に使用する充電用ケーブル(78)を収納する収納ケース(76)又は該充電用ケーブル(78)を係止するフック(79)を設けた請求項1~3のいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項5】
走行車体(1)の前部に左右一対の前輪(2)を設け、該走行車体(1)の後部に左右一対の後輪(3)を設け、前記走行車体(1)の下面に芝等の雑草を刈取る作業機(4)を設けた作業車両において、
前記走行車体(1)の上面における前側に所定の空間が形成されたボンネット部(5)を設け、該ボンネット部(5)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(6)を設け、
前記操縦部(6)の下方後側に後輪(3)を駆動する電動機(30)を設け、
前記ボンネット部(5)に電動機(30)に供給する電力を蓄電するバッテリ(50)を設け、
前記バッテリ(50)の前側に充電器(75)を設け、
前記走行車体(1)の左部に前後方向に所定の間隔を隔てて左支持部材(12L,13L)を設け、
前記走行車体(1)の右部に前後方向に所定の間隔を隔てて右支持部材(12R,13R)を設け、
前記走行車体(1)とバッテリ(50)に外嵌されたブラケット(52)の左前後フレーム(52L)に前後方向に所定の間隔を隔てて左防振部材(53L)を設け、
前記ブラケット(52)の右前後フレーム(52R)に前後方向に所定の間隔を隔てて右防振部材(53R)を設け、
正面視において、前記左支持部材(12L,13L)の連結部と左前後フレーム(52L)の連結部を左上がり傾斜に形成し、前記右支持部材(12R,13R)の連結部と右前後フレーム(52R)の連結部を右上がり傾斜に形成したことを特徴とする作業車両。
【請求項6】
正面視において、前記左支持部材(12L,13L)の連結部と左前後フレーム(52L)の連結部を、前記左防振部材(53L)の中心と前輪(2)の左前輪(2L)の中心を結ぶ第1仮想線(55L)と直交させて形成し、前記右支持部材(12R,13R)の連結部と右前後フレーム(52R)の連結部を、前記右防振部材(53R)の中心と前輪(2)の右前輪(2R)の中心をとおる第2仮想線(55R)と直交させて形成した請求項5記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公園等を走行させて園内に植立する芝等の刈取りを行う作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両の後輪を駆動する後輪用電動機と、左右一対の後輪用電動機の間に芝等の刈取りを行う作業機を駆動する作業機用電動機を設け、作業車両のボンネット部にこれらの電動機に電力を供給するバッテリを設ける手段が知られている。(特許文献1)
【0003】
また、作業車両の後輪を駆動する後輪用電動機と、作業車両の前輪の後輪の間に芝等の刈取りを行う作業機を駆動する作業機用電動機を設け、作業機の上側にこれらの電動機に電力を供給するバッテリを設ける手段が知られている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-218951号公報
【文献】特開2019-216673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の手段では、電装品を後輪用電動機の周辺に設けているので、バッテリと充電器を接続するハーネス等の配策作業を容易に行うことができない恐れがあった。
【0006】
また、特許文献2の手段では、基地局に充電器が備えられているので、バッテリを充電する場合には、作業車両を圃場から離れた基地局まで移動する必要が有ることから、作業効率が低くなる恐れがあった。
【0007】
そこで、本発明は、バッテリと充電器の配策作業が容易に行え、高い作業効率を得ることができる作業車両を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、走行車体(1)の前部に左右一対の前輪(2)を設け、該走行車体(1)の後部に左右一対の後輪(3)を設け、前記走行車体(1)の下面に芝等の雑草を刈取る作業機(4)を設けた作業車両において、
前記走行車体(1)の上面における前側に所定の空間が形成されたボンネット部(5)を設け、該ボンネット部(5)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(6)を設け、前記操縦部(6)の下方後側に後輪(3)を駆動する電動機(30)を設け、前記ボンネット部(5)に電動機(30)に供給する電力を蓄電するバッテリ(50)を設け、前記バッテリ(50)の前側に充電器(75)を設け、前記走行車体(1)とバッテリ(50)に外嵌されたブラケット(52)を、前後方向に延在する左前後フレーム(52L)と、前後方向に延在する右前後フレーム(52R)と、前記左前後フレーム(52L)と右前後フレーム(52R)の前部を連結する前左右フレーム(52A)と、前記左前後フレーム(52L)と右前後フレーム(52R)の後部を連結する後左右フレーム(52B)で形成し、前記走行車体(1)の左部に設けられた左支持部材(12L,13L)と左前後フレーム(52L)を左防振部材(53L)を介して連結し、前記走行車体(1)の右部に設けられた右支持部材(12R,13R)と右前後フレーム(52R)を右防振部材(53R)を介して連結したことを特徴とする作業車両である。
【0009】
【0010】
請求項2記載の発明は、前記前左右フレーム(52A)に設けられた支持部材(77)に前方に延出する延出部(77A)を形成し、前記充電器(75)の後部を延出部(77A)に装着した請求項1記載の作業車両である。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記前左右フレーム(52A)に設けられた支持部材(77)に複数の開口部(77B)を形成した請求項1又は2記載の作業車両である。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記充電器(75)の上側に、充電時に使用する充電用ケーブル(78)を収納する収納ケース(76)又は該充電用ケーブル(78)を係止するフック(79)を設けた請求項1~3のいずれか1項に記載の作業車両である。
【0013】
請求項5記載の発明は、走行車体(1)の前部に左右一対の前輪(2)を設け、該走行車体(1)の後部に左右一対の後輪(3)を設け、前記走行車体(1)の下面に芝等の雑草を刈取る作業機(4)を設けた作業車両において、
前記走行車体(1)の上面における前側に所定の空間が形成されたボンネット部(5)を設け、該ボンネット部(5)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(6)を設け、前記操縦部(6)の下方後側に後輪(3)を駆動する電動機(30)を設け、前記ボンネット部(5)に電動機(30)に供給する電力を蓄電するバッテリ(50)を設け、前記バッテリ(50)の前側に充電器(75)を設け、前記走行車体(1)の左部に前後方向に所定の間隔を隔てて左支持部材(12L,13L)を設け、前記走行車体(1)の右部に前後方向に所定の間隔を隔てて右支持部材(12R,13R)を設け、前記走行車体(1)とバッテリ(50)に外嵌されたブラケット(52)の左前後フレーム(52L)に前後方向に所定の間隔を隔てて左防振部材(53L)を設け、前記ブラケット(52)の右前後フレーム(52R)に前後方向に所定の間隔を隔てて右防振部材(53R)を設け、正面視において、前記左支持部材(12L,13L)の連結部と左前後フレーム(52L)の連結部を左上がり傾斜に形成し、前記右支持部材(12R,13R)の連結部と右前後フレーム(52R)の連結部を右上がり傾斜に形成したことを特徴とする作業車両である。
【0014】
請求項6記載の発明は、正面視において、前記左支持部材(12L,13L)の連結部と左前後フレーム(52L)の連結部を、前記左防振部材(53L)の中心と前輪(2)の左前輪(2L)の中心を結ぶ第1仮想線(55L)と直交させて形成し、前記右支持部材(12R,13R)の連結部と右前後フレーム(52R)の連結部を、前記右防振部材(53R)の中心と前輪(2)の右前輪(2R)の中心をとおる第2仮想線(55R)と直交させて形成した請求項5記載の作業車両である。
【0015】
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、走行車体(1)の上面における前側に所定の空間が形成されたボンネット部(5)を設け、ボンネット部(5)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(6)を設け、操縦部(6)の下方後側に後輪(3)を駆動する電動機(30)を設け、ボンネット部(5)に電動機(30)に供給する電力を蓄電するバッテリ(50)を設け、バッテリ(50)の前側に充電器(75)を設け、走行車体(1)とバッテリ(50)に外嵌されたブラケット(52)を、前後方向に延在する左前後フレーム(52L)と、前後方向に延在する右前後フレーム(52R)と、左前後フレーム(52L)と右前後フレーム(52R)の前部を連結する前左右フレーム(52A)と、左前後フレーム(52L)と右前後フレーム(52R)の後部を連結する後左右フレーム(52B)で形成し、走行車体(1)の左部に設けられた左支持部材(12L,13L)と左前後フレーム(52L)を左防振部材(53L)を介して連結し、走行車体(1)の右部に設けられた右支持部材(12R,13R)と右前後フレーム(52R)を右防振部材(53R)を介して連結したので、バッテリ(50)と充電器(75)を接続するハーネスの配策作業を容易に行うことができる。また、圃場の近くにある倉庫に作業車両を移動してバッテリ(50)を充電することができるので作業効率の低下を抑制することができる。
【0017】
また、走行時に走行車体(1)に発生する大きな左右方向の振動でバッテリ(50)と充電器(75)が破損するのをより抑制することができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、前左右フレーム(52A)に設けられた支持部材(77)に前方に延出する延出部(77A)を形成し、充電器(75)の後部を延出部(77A)に装着したので、充電器(75)と支持部材(77)の間に空間が形成されて、充電時に発生する熱を外部に効率良く放出して、充電時の充電器(75)の温度上昇を抑制することができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、前左右フレーム(52A)に設けられた支持部材(77)に複数の開口部(77B)を形成したので、バッテリ(50)の前部に向かって空気を送風して、充電時と放電時のバッテリ(50)の温度上昇を抑制することができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、充電器(75)の上側に、充電時に使用する充電用ケーブル(78)を収納する収納ケース(76)又は充電用ケーブル(78)を係止するフック(79)を設けたので、圃場の近くにある倉庫に作業車両を移動してバッテリ(50)を充電することができるので作業効率の低下をより抑制することができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、走行車体(1)の上面における前側に所定の空間が形成されたボンネット部(5)を設け、ボンネット部(5)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(6)を設け、操縦部(6)の下方後側に後輪(3)を駆動する電動機(30)を設け、ボンネット部(5)に電動機(30)に供給する電力を蓄電するバッテリ(50)を設け、バッテリ(50)の前側に充電器(75)を設け、走行車体(1)の左部に前後方向に所定の間隔を隔てて左支持部材(12L,13L)を設け、走行車体(1)の右部に前後方向に所定の間隔を隔てて右支持部材(12R,13R)を設け、行車体(1)とバッテリ(50)に外嵌されたブラケット(52)の左前後フレーム(52L)に前後方向に所定の間隔を隔てて左防振部材(53L)を設け、ブラケット(52)の右前後フレーム(52R)に前後方向に所定の間隔を隔てて右防振部材(53R)を設け、正面視において、左支持部材(12L,13L)の連結部と左前後フレーム(52L)の連結部を左上がり傾斜に形成し、右支持部材(12R,13R)の連結部と右前後フレーム(52R)の連結部を右上がり傾斜に形成したので、バッテリ(50)と充電器(75)を接続するハーネスの配策作業を容易に行うことができる。また、圃場の近くにある倉庫に作業車両を移動してバッテリ(50)を充電することができるので作業効率の低下を抑制することができる。走行時に走行車体(1)に発生する大きな左右方向の振動でバッテリ(50)が破損するのをより抑制することができる。さらに、バッテリ(50)と充電器(75)を接続するハーネスの配策作業を容易に行うことができる。また、圃場の近くにある倉庫に作業車両を移動してバッテリ(50)を充電することができるので作業効率の低下を抑制することができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明による効果に加えて、正面視において、左支持部材(12L,13L)の連結部と左前後フレーム(52L)の連結部を、左防振部材(53L)の中心と前輪(2)の左前輪(2L)の中心を結ぶ第1仮想線(55L)と直交させて形成し、右支持部材(12R,13R)の連結部と右前後フレーム(52R)の連結部を、右防振部材(53R)の中心と前輪(2)の右前輪(2R)の中心をとおる第2仮想線(55R)と直交させて形成したので、左前輪(2L)と右前輪(2R)を介して走行面の凹凸に起因する大きな振動を抑制して、バッテリ50の破損をさらに抑制することができる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】作業車両の左側面図である。
図2】ボンネットカバーを開放姿勢にした作業車両の左側面図である。
図3】作業車両の一部を破断した要部の斜視図である。
図4】作業車両の背面図である。
図5】後輪と作業機の要部の平面図である。
図6】後輪と作業機の要部の左側面図である。
図7】後輪用の電動機と作業機用の電動機の左側面図である。
図8】走行車体の斜視図である。
図9】ステアリングポストの斜視図である。
図10】バッテリとバッテリブラケットの斜視図である。
図11】バッテリブラケットの斜視図である。
図12】前輪と、バッテリと、バッテリブラケットの正面図である。
図13】バッテリの前側に設けた充電器と充電用ケーブルを収納する収納ケースの斜視図である。
図14図13の要部の斜視図である。
図15】充電器と収納ケースを装着するプレートの斜視図である。
図16】バッテリと充電器の要部の左側面図である。
図17】充電用ケーブルの斜視図である。
図18】バッテリの前側に設けた充電器と充電用ケーブルを係止するフックの斜視図である。
図19】バッテリの保護フレームの斜視図である。
図20】保護フレームと安全フレームで形成される保護空間の説明図である。
図21】作業車両の一部を破断した要部の平面図である。
図22】電装部品の斜視図である。
図23】操縦席の下方に設けられた電装部品の斜視図である。
図24】インバータ装置の筐体の前方斜視図である。
図25】インバータ装置の筐体の後方斜視図である。
図26】バッテリ監視装置の筐体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示すように、乗用芝刈り機等の作業車両は、走行車体1と、走行車体1の前部に左右一対の前輪2が設けられ、走行車体1の後部に左右一対の後輪3が設けられ、走行車体1の下側における前輪2と後輪3の間に芝等を刈取る作業機4が設けられている。また、走行車体1の上側の前部にボンネット部5が設けられ、ボンネット部5の後側には操縦者が搭乗する操縦部6が設けられ、操縦部6の後側には操縦者を保護する安全フレーム(ロプス)8が設けられ、安全フレーム8の下部には作業機4で刈取られた芝等を貯留する集草容器7が設けられている。
【0026】
図2,3に示すように、ボンネット部5には、後輪3を駆動する電動機30等に供給する電力を蓄電するバッテリ50が設けられ、バッテリ50はボンネットカバー51で覆われている。なお、ボンネットカバー51は、走行車体1の前部に設けられた左右方向に延在する支軸(図示省略)に支持されている。これにより、ボンネット部5に形成される空間を有効に活用することができ、また、作業車両の前後方向の重量バランスの相違を抑制することができる。
【0027】
操縦部6の操縦席60の下側には、電装部品61が設けられている。これにより、操縦席60の下側に形成される空間を有効に活用することができる。
【0028】
安全フレーム8は、上下方向に延在する左支柱部8Lと、上下方向に延在する右支柱部8Rと、左支柱部8Lと右支柱部8Rの上部を連結する逆U字形状の連結部8Aから形成されている。
【0029】
図4~7に示すように、電装部品61の下側には後輪3を駆動する3相交流電圧波形で操作される同期電動機や誘導電動機等の電動機30が設けられている。電動機30の左右方向に延在して形成された出力軸30Aは、出力軸30Aから伝動される出力回転を減速して出力トルクを大きくしたり回転方向を逆さにするギアボックス31の上部に連結されている。なお、電動機30は左右方向の中央よりも左側に偏移した位置に設けられている。
【0030】
ギアボックス31で増減速された出力回転は、ギアボックス31の下部に設けられ差動歯車等で形成されたディファレンシャルギア32を介して左右方向に延在するドライブシャフト33に伝動される。ドライブシャフト33に伝動された出力回転は、ドライブシャフト33の両端部に支持された後輪3に伝動される。
【0031】
電動機30の下側には作業機4を駆動する3相交流電圧波形で操作される同期電動機や誘導電動機等の電動機40が設けられている。電動機40の前後方向に延在して形成された出力軸40Aは、前後方向に延在して設けられた自在継手41の後部に連結されている。また、出力軸40Aは、ドライブシャフト33の上側に、ドライブシャフト33と直交して設けられている。これにより、電動機30の下側に形成された空間を有効に活用することができる。また、電動機40と作業機4の間の伝動経路を短くすることができるので電動機40の出力回転を作業機4に効率良く伝動することができる。なお、電動機40は左右方向の中央よりも左側に偏移した位置に設けられている。
【0032】
自在継手41の前部は、自在継手41から伝動される出力回転を減速して出力トルクを大きくするギアボックス42に連結されている。ギアボックス42に伝動された出力回転は、ギアボックス42の上下方向に延在して形成された出力軸を介して作業機4の左排出通路45Lに設けられた左刈刃(図示省略)に伝動される。
【0033】
ギアボックス42の右部には、左右方向に延在する連結部材43が連結され、連結部材43の右部はギアボックス44に連結されている。ギアボックス44に伝動された出力回転は、ギアボックス44の上下方向に延在して形成された出力軸を介して作業機4の右排出通路45Rに設けられた右刈刃(図示省略)に伝動される。なお、ギアボックス42の出力軸とギアボックス44の出力軸の出力回転の回転速度は同一速度であり、回転方向は逆方向、すなわち、平面視において、ギアボックス42出力軸は時計方向に回転し、ギアボックス44の出力軸は反時計方向に回転する。
【0034】
左排出通路45Lと右排出通路45Rの搬出口は、刈取られた芝等を集草容器7に搬送するシュータ46の搬入口に連結されている。シュータ46の搬出口は集草容器7の搬入口に連結されている。
【0035】
平面視において、シュータ46の前部は自在継手41の右側に設けられ、シュータ46の後部はギアボックス31の右側に設けられ、背面視において、シュータ46と集草容器7は、ギアボックス31と右側の後輪3の間に設けられている。これにより、自在継手41とギアボックス31の右側に形成される空間に大きなシュータ46を設けることができ、作業機4で刈取った芝等を効率良く集草容器7に搬送することができる。
【0036】
側面視において、シュータ46の上壁は後上がり傾斜に形成され、シュータ46の後部は電装部品61の下側を下方に向かって延在して設けられている。これにより、シュータ46の後部を大きくしてシュータ46の内部での芝等の詰まりを防止することができる。
【0037】
図8,9に示すように、走行車体1は、前輪2と後輪3を支持する走行車体本体10と、ステアリングシャフト63を支持するステアリングポスト11から形成されている。
【0038】
走行車体本体10には、前後方向に延在する左前後フレーム10Lと右前後フレーム10Rが形成され、ステアリングポスト11の下部には、前方に延出する左連結部11Lと右連結部11Rが形成されている。
【0039】
左前後フレーム10Lに左連結部11Lがボルト等の締結手段によって固定され、右前後フレーム10Rに右連結部11Rボルト等の締結手段によって固定されて一体となり走行車体1を形成している。
【0040】
左前後フレーム10Lの前部には左支持部材12Lが設けられ、左支持部材12Lの連結部は左上がり傾斜に形成されている。また、右前後フレーム10Rの前部には右支持部材12Rが設けられ、右支持部材12Rの連結部は右上がり傾斜に形成されている。なお、左支持部材12Lと右支持部材12Rはチャンネル鋼材で形成されている。
【0041】
左連結部11Lの前部には左支持部材13Lが設けられ、左支持部材13Lの連結部は左上がり傾斜に形成されている。また、右連結部11Rの前部には右支持部材13Rが設けられ、右支持部材12Rの連結部は右上がり傾斜に形成されている。なお、左支持部材13Lと右支持部材13Rはチャンネル鋼材で形成されている。
【0042】
ステアリングポスト11の下部には、左右方向に所定の間隔を隔てて前側に突出すると突出部14が形成され、突出部14の先端にはゴム部材等から形成された緩衝部材15が設けられている。
【0043】
左前後フレーム10Lの後部には上方に延在する左上下フレーム20Lが設けられ、右前後フレーム10Rの後部には上方に延在する右上下フレーム20Rが設けられ、左上下フレーム20Lと右上下フレーム20Rの上部は左右方向に延在する左右フレーム21に連結されている。
【0044】
左右フレーム21の左部には安全フレーム8の左支柱部8Lの下部が連結される左連結部22Lが設けられ、左右フレーム21の右部には安全フレーム8の右支柱部8Rの下部が連結される右連結部22Rが設けられている。
【0045】
図10に示すように、ボンネット部5内に設けられるバッテリ50の下部は、バッテリブラケット(請求項の「ブラケット」)52の内周部に内嵌されている。バッテリ50は、複数のエネルギ密度が高いリチウムイオンバッテリを直列と並列に接続して形成されている。これにより、ボンネット部5に形成された空間を有活用できる。また、リチウムイオンバッテリはエネルギ密度が高いので、一回のフル充電によって作業車両を長距離走行させることができる。
【0046】
図11に示すように、バッテリブラケット52は、前後方向に延在する左前後フレーム52L及び右前後フレーム52Rと、左前後フレーム52Lと右前後フレーム52Rの前部を連結する前左右フレーム52Aと、左前後フレーム52Lと右前後フレーム52Rの後部を連結する後左右フレーム52Bで形成されている。なお、左前後フレーム52L及と右前後フレーム52Rはアングル鋼材で形成され、前左右フレーム52Aと後左右フレーム52Bはチャンネル鋼材で形成されている。
【0047】
左前後フレーム52Lの連結部は左上がり傾斜に形成され、右前後フレーム52Rの連結部は右上がり傾斜に形成されている。なお、背面視において、左支持部材13Lの連結部、左支持部材12Lの連結部、及び左前後フレーム52Lの連結部の左上がり傾斜は同一傾斜角度に形成され、右支持部材12Rの連結部、右支持部材12Rの連結部、及び右前後フレーム52Rの連結部の右上がり傾斜は同一傾斜角度に形成されている。
【0048】
左前後フレーム52Lの連結部の下面には、前後方向に所定の間隔を隔てて丸形の左防振部材53Lが設けられ、右前後フレーム52Rの連結部の下面には、前後方向に所定の間隔を隔てて丸形の右防振部材53Rが設けられている。
【0049】
左前後フレーム52Lは、左防振部材53Lを介して左前後フレーム10Lの左支持部材12Lと左連結部11Lの左支持部材13Lに連結され、右前後フレーム52Rは、右防振部材53Rを介して右前後フレーム10Rの右支持部材12Rと右連結部11Rの右支持部材13Rに連結される。これにより、作業車両の走行時に発生する走行車体本体10の振動がバッテリ50に伝わるのを抑制して、バッテリ50の破損等を防止することができる。
【0050】
図12に示すように、左前後フレーム52Lの連結部は、左防振部材53Lの中心と左側の左前輪2Lの中心を結ぶ左仮想線(請求項の「第1仮想線」)55Lに対して直交して設けられている。また、右前後フレーム52Rの連結部は、右防振部材53Rの中心と右側の右前輪2Rの中心を結ぶ右仮想線(請求項の「第2仮想線」)55Rに対して直交して設けられている。これにより、前輪2と後輪3を介して走行面の凹凸に起因する大きな振動を抑制して、バッテリ50の破損等を防止することができる。なお、符号57は左右の前輪2を支持する前輪支持フレームを示し、符号56は前輪支持フレームと走行車体本体10との連結部であり、前輪支持フレームの揺動軸を示している。
【0051】
また、バッテリブラケット52の後左右フレーム52Bの後面には、ステアリングポスト11の緩衝部材15の先端部が押当てられている。これにより、作業車両の発進時にバッテリ50の後方への移動を抑制して、バッテリ50の破損等を防止することができる。
【0052】
図13に示すように、バッテリ50の前側には、バッテリ50の充電器75と、充電用ケーブル78を収納する収納ケース76が設けられている。これにより、バッテリ50の充電量が所定以下になった場合には、作業車両を充電ステーションに移動することなく、作業車両を近くの倉庫等に移動して、倉庫等に備えられた家庭用コンセントと充電器75を充電用ケーブル78で接続してバッテリ50を充電することができる。なお、充電器75の入力電圧は交流電圧100~240Vに対応して形成されている。
【0053】
図14に示すように、充電器75は、バッテリブラケット52の前左右フレーム52Aにボルト等の締結手段によって着脱自在に設けられた矩形状の支持部材77の前面の下部に設けられ、収納ケース76は、支持部材77の前面の上部に設けられている。これにより、ボンネットカバー51を開放した後、家庭用コンセントに一端を接続した充電用ケーブル78を、走行車体本体10と充電器75で区画される空間を下側から上側に挿通させて、充電用ケーブル78の他端を充電器75に接続することができるので、家庭用コンセントの近傍に作業車両を移動することなく充電作業を行うことができる。
【0054】
充電器75における左側前部には、ファン75Aが形成され、外周部には複数のフィン75Bが形成されている。これにより、充電器75の充電時に発生する熱を外部に効率良く放出して、充電時の充電器75の温度上昇を抑制することができる。
【0055】
図15,16に示すように、充電器75の後面は、支持部材77の前面の下部に形成された前方に延出する延出部77Aを介して支持部材77に装着されている。これにより、充電器75と支持部材77の間に空間が形成して、充電器75の充電時に発生する熱を外部により効率良く放出して、充電時の充電器75の温度上昇をより抑制することができる。なお、支持部材77は、パンチングメタル等の複数の開口部が形成された部材で形成するのが好ましい。
【0056】
図17に示すように、充電用ケーブル78の一端には、家庭用コンセントに接続するプラグ78Aが形成され、他端には、充電器75の接続端子に接続するプラグ78Bが形成されている。
【0057】
図18に示すように、充電用ケーブル78を収納する収納ケース76に替えて、支持部材77の上部に充電用ケーブル78を係止するフック79を設けることもできる。これにより、支持部材77におけるフック79と充電器75の間に大きな開口部77Bを形成して、バッテリ50の前部に向かって空気を送風して、充電時と放電時のバッテリ50の温度上昇を抑制することができる。また、充電器75の後面を支持部材77の左右両端に形成された、前方に延出する延出部77Aを介して支持部材77に装着するとともに、充電器75の上側に大きな空間を形成して、ボンネットカバー51の開放時に、外部の空気が充電器75に向かって効率的に送風されて充電時の充電器75の温度上昇をさらに抑制することができる。
【0058】
フック79は、支持部材77の前面から前方に延在した後に上方に延在する左丸棒部79Lと、支持部材77の前面から前方に延在した後に上方に延在する右丸棒部79Rと、左丸棒部79Lと右丸棒部79Rの上部を連結する左右方向に延在する左右丸棒部79Aから形成されている。
【0059】
図19,20に示すように、バッテリ50の前後方向の中間部には、バッテリ50の外周部に沿って延在する保護フレーム58を設けられている。これにより、作業車両の転倒時にバッテリ50が破損するのを抑制することができる。
【0060】
保護フレーム58は、左前後フレーム10Lから上方に延在する左支柱部58Lと、右前後フレーム10Rから上方に延在する右支柱部58Rと、左支柱部58Lと右支柱部58Rの上部を連結する逆U字形状の連結部(請求項の「第2連結部」)58Aから形成されている。
【0061】
側面視において、保護フレーム58の連結部58Aの基部と安全フレーム8の連結部(請求項の「第1連結部」)8Aの頂部を結ぶ仮想線(請求項の「第3仮想線」)59がステアリングホイール62よりも上側に位置するように形成されている。これにより、仮想線59の下側に大きな保護空間を形成して、作業車両の走行時に操縦者が外部の木の枝等に衝突するのを抑制して作業安全性を高めることができる。
【0062】
図2,3に示すように、操縦部6の操縦席60の前側にはステアリングホイール62が設けられ、ステアリングホイール62は上下方向に延在するステアリングシャフト63の上部に支持されている。
【0063】
操縦席60の左側の左フェンダ64Lには、シュータ46の内部に残った刈草を後側の集草容器7へ搬送等を操作するクリーナレバー65が設けられ、操縦席60の右側のフェンダ64Rには、作業機4の昇降を操作する操作レバー66が設けられている。また、操縦時に操縦者が足を載せるフロア67の左前部には、ブレーキペダル68が設けられ、右前部には、前進用アクセルペダル70と後進用アクセルペダル71が並設されている。
【0064】
図21~23に示すように、作業機4のシュータ46と操縦席60の間に形成された空間に設けられた電装部品61は、バッテリ50から供給される直流電圧を交流電圧に変換して電動機30等を操作する3相交流電圧波形を生成するインバータ装置80と、バッテリ50の温度、充電状態、電圧保護、各セル短絡状態を監視するバッテリ監視装置81と、操縦席60の前側に設けられた走行速度等を表示するメータパネル(図示省略)に供給する電池を蓄電する鉛蓄電池等の補助バッテリ82と、バッテリ50から供給される直流電圧をクリーナレバー65等の操作位置を検出するセンサに供給する直流電圧に変更するコンバータ装置83から形成されている。
【0065】
インバータ装置80は、電動機30を操作するインバータ装置84と電動機40を操作するインバータ装置85から形成されている。また、インバータ装置84には、回生ブレーキの作動時、すなわち、すなわち、前進用アクセルペダル70又は後進用アクセルペダル71が踏込まれずに解放されて走行車体1の慣性力よって出力軸30Aが回転して電動機30が発電機として作動する場合には、電動機30からインバータ装置80に供給された電力をバッテリ50に充電する充電装置としての機能も兼ね備えている。
【0066】
平面視において、操縦席60の下側の前部にインバータ装置80が設けられ、インバータ装置80の後側にバッテリ監視装置81が設けられている。また、インバータ装置80の左側に補助バッテリ82が設けられ、バッテリ監視装置81の左側で補助バッテリ82の後側にコンバータ装置83が設けられている。これにより、操縦席60の下側に形成された空間を有効に活用することができる。また、重量が重いバッテリ監視装置81を後側に設けることにより、走行車体本体10の前部と後部に加わる重量の相違を抑制して走行安定性能を高めることができる。
【0067】
図24,25に示すように、インバータ装置80の筐体80Aは、下部が開口された箱状の上筐体90と箱状の下筐体91から形成され、上筐体90の前後壁を下筐体91の前後壁にボルト等の締結部材で固定して一体化している。なお、上筐体90内には、インバータ装置84とインバータ装置85が設けられ、下筐体91内には、ハーネスを接続するジャンクションと充電用リレー等が設けられている。
【0068】
左右方向において、上筐体90と下筐体91の左壁は同一に位置に形成され、上筐体90の右壁は下筐体91の右壁よりも右側に延出して形成されている。
【0069】
上筐体90の後壁の右上部には、インバータ装置84と電動機30を接続するハーネスやインバータ装置85と電動機40を接続するハーネスを挿通させる開口部90Aが形成されている。また、下筐体91の後壁の左下部には、バッテリ監視装置81と充電用リレー等を接続するハーネスを挿通させる開口部91Aが形成されている。
【0070】
下筐体91の下壁の隅部には、丸形のグロメット86が設けられている。また、下筐体91は、グロメット86を介して走行車体本体10の後部に設けられた左右方向に延在する左右フレーム16の両側に設けられた前後方向に延在する支持部材16Aに連結されている。これにより、作業車両の走行時に発生する走行車体本体10の振動がインバータ装置84等に伝わるのを抑制して、インバータ装置84等の破損等を防止することができる。
【0071】
図26に示すように、バッテリ監視装置81の筐体81Aの下壁には、前後方向と左右方向に所定の間隔を隔てて丸形のグロメット87が設けられている。また、筐体81Aは、グロメット87を介して左右フレーム16の後側に設けられた左右フレーム17に連結された支持フレーム18に連結されている。これにより、作業車両の走行時に発生する走行車体本体10の振動がバッテリ監視装置81に伝わるのを抑制して、バッテリ監視装置81の破損等を防止することができる。また、グロメット87に形成された中空部にバッテリ監視装置81とバッテリ50を接続する電線等を挿通させて電線等の配策を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 走行車体
2 前輪
2L 左前輪
2R 右前輪
3 後輪
4 作業機
5 ボンネット部
6 操縦部
8 安全フレーム
8A 連結部(第1連結部)
12L 左支持部材
12R 右支持部材
13L 左支持部材
13R 右支持部材
30 電動機
50 バッテリ
52 バッテリブラケット(ブラケット)
52A 前左右フレーム
52L 左前後フレーム
52R 右前後フレーム
53L 左防振部材
53R 右防振部材
55L 左仮想線(第1仮想線)
55R 右仮想線(第2仮想線)
58 保護フレーム
58A 連結部(第2連結部)
59 仮想線(第3仮想線)
62 ステアリングホイール
75 充電器
76 収納ケース
77 支持部材
77A 延出部
77B 開口部
78 充電用ケーブル
79 フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
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