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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】機器制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/16 20200101AFI20241018BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20241018BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20241018BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B47/18
H05B47/19
G06F1/26 306
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021014120
(22)【出願日】2021-02-01
(65)【公開番号】P2022117563
(43)【公開日】2022-08-12
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中城 明
(72)【発明者】
【氏名】吉本 裕司
(72)【発明者】
【氏名】和田 学
(72)【発明者】
【氏名】松田 勇介
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-537685(JP,A)
【文献】特表2017-508244(JP,A)
【文献】特開2016-100084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接続ポートを有する給電機器と、
各々が前記複数の接続ポートの1つにケーブルを介して接続され、前記給電機器から前記ケーブルを介して電力供給を受けることによって動作する複数の受電機器と、
前記複数の受電機器を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の受電機器の動作を開始させるときに、動作の開始タイミングのずれを低減するためのタイミング補正処理を行い、
前記給電機器は、前記複数の受電機器の動作を開始させるときに、前記複数の受電機器へ順次電力を供給し、
電力が供給された前記受電機器は、動作停止状態で待機し、
前記制御部は、
前記タイミング補正処理として、前記複数の受電機器への電力供給が完了した後に前記複数の受電機器のそれぞれへ動作開始指令を送信し、
前記複数の受電機器が前記動作開始指令を受信してから動作を開始するまでの始動時間を示す始動時間情報に基づいて前記複数の受電機器のそれぞれへの前記動作開始指令の送信順序を決定する
機器制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の受電機器のそれぞれから機器情報を取得し、取得された複数の前記機器情報によって特定される前記始動時間情報に基づいて前記送信順序を決定する
請求項に記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の受電機器それぞれの前記始動時間を計測することにより前記始動時間情報を生成し、生成された前記始動時間情報に基づいて前記送信順序を決定する
請求項に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記始動時間情報が示す前記始動時間を前記複数の受電機器の累積動作時間で補正した補正後始動時間情報に基づいて前記送信順序を決定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記複数の受電機器のそれぞれは、発光素子と、前記発光素子に電圧を印加する発光制御回路とを備える照明機器であり、
前記発光制御回路は、前記発光制御回路を備える前記受電機器が前記動作停止状態で待機しているときに、0よりも大きく発光開始電圧未満の電圧を前記発光素子に印加する
請求項1~4のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記複数の受電機器のそれぞれは、照明機器である
請求項1~のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記給電機器に内蔵される
請求項1~のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項8】
複数の接続ポートを有する給電機器と、
各々が前記複数の接続ポートの1つにケーブルを介して接続され、前記給電機器から前記ケーブルを介して電力供給を受けることによって動作する複数の受電機器と、
前記複数の受電機器を制御する制御部を内蔵する前記複数の受電機器以外の他の受電機器とを備え、
前記他の受電機器は、前記複数の受電機器への電力供給を一括してオン及びオフするスイッチ部を有し、
前記制御部は、
前記複数の受電機器の動作を開始させるときに、動作の開始タイミングのずれを低減するためのタイミング補正処理を行い、
前記給電機器から前記他の受電機器への電力の供給が開始されたときに、前記タイミング補正処理として前記スイッチ部をオンする処理を行う
機器制御システム。
【請求項9】
前記複数の受電機器のそれぞれは、照明機器である
請求項に記載の機器制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PoE(Power on Ethernet(登録商標))をベースとした機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PoEは、イーサネット(登録商標)の規格に準拠した標準ケーブルを通じて、給電機器が受電機器に対してデータの送受信と電力供給とを並行して行うことができる技術である。PoEを利用すれば、電源の確保が困難な場所へも受電機器を設置することができ、また、電源配線に関するコストの削減が可能である。近年PoEにおいて供給可能な電力が増強されており、受電機器として使用できる機器の幅は拡大している。特許文献1には、PoEに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2020-519077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の受電機器の動作開始タイミングのずれを抑制することができる機器制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る機器制御システムは、複数の接続ポートを有する給電機器と、各々が前記複数の接続ポートの1つにケーブルを介して接続され、前記給電機器から前記ケーブルを介して電力供給を受けることによって動作する複数の受電機器と、前記複数の受電機器を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記複数の受電機器の動作を開始させるときに、動作の開始タイミングのずれを低減するためのタイミング補正処理を行う。
【発明の効果】
【0006】
本発明の機器制御システムは、複数の受電機器の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態1に係る機器制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1に係る機器制御システムの動作例1のフローチャートである。
図3図3は、実施の形態1に係る機器制御システムの動作例2のフローチャートである。
図4図4は、実施の形態1に係る機器制御システムの動作例3のフローチャートである。
図5図5は、実施の形態1に係る機器制御システムの始動時間情報の補正動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2に係る機器制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態2に係る機器制御システムの動作例2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0009】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0010】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る機器制御システムの概要について説明する。図1は、実施の形態1に係る機器制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0011】
実施の形態1に係る機器制御システム10は、PoEの仕組みを利用して対象の機器を制御するPoEシステム(PoEをベースとしたシステム)である。機器制御システム10は、給電機器20(PSE:Power Sourcing Equipment)と、1つ以上の受電機器(PD:Powered Device)と、情報端末60とを備える。受電機器は、PDインターフェースを有する機器であり、図1では、複数の照明機器30、及び、無線機器40のそれぞれが受電機器に相当する。なお、受電機器(後述の第一受電機器)は、空調機器、カメラ、音響機器(スピーカ)、映像機器、防災機器、センサ、または、ユーザインターフェース機器などであってもよい。
【0012】
給電機器20は、複数の接続ポート21と、制御部22と、記憶部23とを備える。複数の接続ポート21は、イーサネット(登録商標)の規格に準拠した標準ケーブル70が接続される接続構造(コネクタ)である。標準ケーブル70は、具体的には、いわゆるLAN(Local Area Network)ケーブルなどである。接続ポート21には、標準ケーブル70を介して受電機器が電気的に接続される。受電機器(照明機器30及び、無線機器40)は、標準ケーブル70を介して給電機器20から電力の供給を受けるとともに、標準ケーブル70を介して給電機器20と通信を行うことができる。
【0013】
制御部22は、接続ポート21に接続された受電機器への電力供給を行う。また、制御部22は、接続ポート21に接続された受電機器へ標準ケーブル70を介して制御信号を送信することにより、当該受電機器を制御する。制御部22は、具体的には、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現され、給電機器20に内蔵される。制御部22の機能は、例えば、制御部22を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部23に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0014】
記憶部23は、上記コンピュータプログラム、及び、受電機器を制御するために必要な各種情報などが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0015】
照明機器30は、給電機器20から電力の供給を受けて動作する。照明機器30は、例えば、室内空間を照明する照明機器であり、より具体的には、ベースライト、システム天井用照明、ダウンライト、または、スポットライトなどである。照明機器30の具体的態様は特に限定されない。機器制御システム10は、2つの照明機器30を備えているが、3つ以上の照明機器30を備えてもよい。照明機器30は、発光素子31と、発光制御回路32とを有する。
【0016】
発光素子31は、照明機器30の光源を構成する。発光素子31は、例えば、LED(Light Emitting Diode)または有機EL(Electro Luminescence)などである。
【0017】
発光制御回路32は、給電機器20から供給される電力を発光素子31の発光に適した電力に変換し、変換後の電力を発光素子31に供給する。発光制御回路32は、具体的には、発光素子31に電圧を印加する。発光制御回路32は、DC-DCコンバータ回路などによって実現される。
【0018】
無線機器40は、無線モジュール41を内蔵する。無線モジュール41は、給電機器20からの電力供給を受けて動作する無線通信回路である。無線モジュール41は、情報端末60と無線通信を行い、照明機器30を点灯することを指示する点灯指示信号、照明機器30を消灯することを指示する消灯指示信号、並びに、照明機器30の調光(明るさの調整)を指示するための調光指示信号などを受信する。なお、無線モジュール41が行う無線通信の通信規格については特に限定されない。また、無線モジュール41は、給電機器20に内蔵されてもよい。機器制御システム10は、無線機器40を省略することができる。
【0019】
情報端末60は、無線機器40と無線通信を行う機能を有する情報端末であり、機器制御システム10においてユーザインターフェース機器として機能する。情報端末60は、例えば、ユーザの操作に応じて無線機器40へ点灯指示信号、消灯指示信号、または調光指示信号(つまり、照明機器30を動作または停止させるための指示信号)などを送信する。情報端末60は、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。また、情報端末60は、機器制御システム10の専用リモートコントローラであってもよい。
【0020】
[動作例1]
消灯している複数の照明機器30を点灯させるときには、情報端末60から無線モジュール41へ点灯指示信号が送信される。ここで、機器制御システム10は、PoEをベースとしていることから、無線モジュール41が情報端末60から点灯指示信号を受信した場合には、制御部22は、照明機器30が接続された複数の接続ポート21への電力の出力を順次行う。つまり、複数の照明機器30には、電力供給が順次行われ、電力供給が完了した照明機器30から順次点灯する。そうすると、複数の照明機器30の点灯開始タイミングがばらついてしまう。複数の照明機器30が同じ空間に設置されている場合、及び、複数の照明機器30が演出に用いられるような場合には、点灯開始タイミングを揃えることが望まれる。したがって、複数の照明機器30の点灯開始タイミングのずれを抑制することが課題となる。
【0021】
そこで、機器制御システム10は、点灯開始タイミングのずれを低減するためのタイミング補正処理を行う。以下、このようなタイミング補正処理を含む、機器制御システム10の照明機器30の点灯動作を動作例1として説明する。図2は、機器制御システム10の動作例1のフローチャートである。
【0022】
動作例1では、当初、無線機器40への電力供給はオンされ、かつ、複数の照明機器30への電力供給はオフされているものとする。制御部22は、無線機器40及び複数の照明機器30がどの接続ポート21に接続されているかをあらかじめ認識しているものとする。
【0023】
まず、無線機器40の無線モジュール41は、情報端末60から点灯指示信号を受信する(S11)。点灯指示信号は、情報端末60へのユーザの操作を契機に情報端末60によって送信される。
【0024】
給電機器20の制御部22は、無線モジュール41によって点灯指示信号が受信されると、接続ポート21を介した複数の照明機器30への電力供給を開始する。制御部22は、具体的には、複数の照明機器30のうち1つの照明機器30へ電力供給を行い(S12)、当該1つの照明機器30へ待機指令を送信する(S13)。待機指令は、電力供給が行われ、かつ、消灯した状態で照明機器30を待機させるための制御信号である。待機指令は、標準ケーブル70を介して照明機器30へ送信される。
【0025】
なお、ステップS13で待機指令が送信されることは必須ではなく、複数の照明機器30が後述の点灯指令の受信を要件として点灯開始するようにあらかじめ構成されている場合には、待機指令は不要である。
【0026】
次に、制御部22は、全ての照明機器30への電力供給が完了したか否かを判定する(S14)。制御部22は、全ての照明機器30への電力供給が完了していないと判定すると(S14でNo)、電力供給がされていない照明機器30への電力供給(S12)、及び、当該照明機器30への待機指令の送信(S13)を行う。このように、制御部22は、複数の照明機器30へ順次電力を供給する。言い換えれば、制御部22は、複数の接続ポート21へ順次電力を出力する。
【0027】
一方、制御部22は、全ての照明機器30への電力供給が完了したと判定すると(S14でYes)、複数の照明機器30のそれぞれへ点灯指令を送信する(S15)。点灯指令は、動作開始指令の一例であり、複数の照明機器30を点灯させるための制御信号である。点灯指令は、標準ケーブル70を介して照明機器30へ送信される。複数の照明機器30のそれぞれは、点灯指令を受信すると、点灯指令に従って点灯する。
【0028】
このように、機器制御システム10においては、給電機器20の制御部22は、複数の照明機器30へ順次電力を供給し、電力が供給された照明機器30は、消灯状態(言い換えれば、動作停止状態)で待機する。制御部22は、タイミング補正処理として、複数の照明機器30への電力供給が完了した後に複数の照明機器30のそれぞれへ点灯指令を送信する。これにより、機器制御システム10は、電力供給の順序に起因する、複数の照明機器30の点灯開始タイミングのずれを抑制することができる。言い換えれば、機器制御システム10は、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0029】
[動作例2]
動作例1において照明機器30が点灯指令を受信してから動作を開始するまでの時間である始動時間にばらつきがあることも考えられる。そこで始動時間のばらつきを抑制することができる機器制御システム10の動作例2について説明する。図3は、機器制御システム10の動作例2のフローチャートである。
【0030】
まず、制御部22は、複数の接続ポート21に接続された複数の照明機器30のそれぞれから、当該照明機器30の機器情報を取得する(S21)。機器情報には、照明機器30のIPアドレスと、照明機器30の始動時間とが含まれる。上述のように、始動時間は、照明機器30が点灯指令を受信してから動作を開始するまでの時間である。なお、機器情報の取得タイミングは特に限定されず、照明機器30の発光中であってもよいし、照明機器30の消灯中(電力供給は行われているが消灯している状態)であってもよい。
【0031】
次に、制御部22は、ステップS21において取得した複数の機器情報(複数の照明機器30のIP(Internet Protocol)アドレス、及び、始動時間)を統合した統合機器情報を生成し、記憶部23に記憶する(S22)。統合機器情報は、複数の照明機器30の始動時間を示す始動時間情報として機能する。
【0032】
その後、無線機器40の無線モジュール41は、情報端末60から点灯指示信号を受信する(S23)。給電機器20の制御部22は、無線モジュール41によって点灯指示信号が受信されると、接続ポート21を介した複数の照明機器30への電力供給を開始する。制御部22は、具体的には、複数の照明機器30のうち1つの照明機器30へ電力供給を行い(S24)、当該1つの照明機器30へ待機指令を送信し(S25)、全ての照明機器30への電力供給が完了したか否かを判定する(S26)。ステップS23~ステップS26の処理は、ステップS11~ステップS14の処理と同様である。
【0033】
制御部22は、全ての照明機器30への電力供給が完了したと判定すると(S26でYes)、ステップS22で記憶された始動時間情報に基づいて複数の照明機器30のそれぞれへ点灯指令を順次送信する(S27)。制御部22は、複数の照明機器30のうち始動時間が長いものから順に点灯指令を送信する。また、複数の照明機器30へ点灯指令を送信する時間間隔は、複数の照明機器30の始動時間の差と同一になるように設定される。
【0034】
このように、制御部22は、タイミング補正処理において、複数の照明機器30が点灯指令を受信してから動作を開始するまでの始動時間を示す始動時間情報に基づいて複数の照明機器30のそれぞれへの点灯指令の送信順序を決定する。制御部22は、複数の照明機器30のそれぞれから機器情報を取得し、取得された複数の機器情報によって特定される始動時間情報(統合機器情報)に基づいて送信順序を決定する。
【0035】
これにより、機器制御システム10は、始動時間のばらつきに起因する、複数の照明機器30の点灯開始タイミングのばらつきを抑制することができる。また、上述の統合機器情報のように、始動時間がIPアドレスと対応付けて記憶部23に記憶されていれば、照明機器30が交換されたときにも対応できる利点がある。
【0036】
[動作例3]
動作例2において、始動時間情報は、複数の機器情報に基づいて作成されたが、複数の照明機器30の始動時間を計測することにより作成されてもよい。このような機器制御システム10の動作例3について説明する。図4は、機器制御システム10の動作例3のフローチャートである。
【0037】
ステップS31~ステップS34の処理は、動作例1のステップS11~S14と同様である。制御部22は、複数の照明機器30のそれぞれへ点灯指令を送信した後(S35)、照明機器30へ点灯指令を送信してから実際に当該照明機器30が点灯を開始するまでの時間を始動時間として計測する(S36)。つまり、制御部22は、照明機器30へ点灯指令を送信してから実際に当該照明機器30が点灯を開始するまでの時間を始動時間とみなす。照明機器30の点灯が開始されたか否かは、当該照明機器30に供給されている電力の上昇(つまり、照明機器30の消費電力の上昇)によって判定することができる。
【0038】
次に、制御部22は、ステップS36において計測した複数の照明機器30の始動時間を統合した始動時間情報を生成し、記憶部23に記憶する(S37)。つまり、始動時間情報は、複数の照明機器30の始動時間を示す。始動時間情報において、始動時間は照明機器30のIPアドレスと対応付けられていてもよい。始動時間がIPアドレスと対応付けられていれば、照明機器30が交換されたときにも対応できる利点がある。以降の処理は、動作例2のステップS23~ステップS27と同様であるため説明が省略される。
【0039】
このように、制御部22は、タイミング補正処理において、複数の照明機器30が点灯指令を受信してから動作を開始するまでの始動時間を示す始動時間情報に基づいて複数の照明機器30のそれぞれへの点灯指令の送信順序を決定する。制御部22は、始動時間を計測することにより始動時間情報を生成し、生成された始動時間情報に基づいて送信順序を決定する。
【0040】
これにより、機器制御システム10は、始動時間のばらつきに起因する、複数の照明機器30の点灯開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0041】
[変形例1]
例えば、動作例1及び動作例2において記憶部23に記憶された始動時間情報は、複数の照明機器30の使用開始当初のものであり、複数の照明機器30が長期間使用されると変更される可能性がある。そこで、制御部22は、動作例1及び動作例2において記憶部23に記憶した始動時間情報を補正(更新)してもよい。図5は、始動時間情報の補正動作の一例を示すフローチャートである。
【0042】
まず、制御部22は、複数の照明機器30の累積点灯時間を取得する(S41)。累積点灯時間は、受電機器の累積動作時間の一例である。累積点灯時間は、例えば、制御部22によって計測されて記憶部23に記憶される。累積点灯時間は、照明機器30によって計測され、制御部22へ送信されてもよい。この場合、制御部22は、照明機器30から累積点灯時間を受信して記憶部23に記憶する。照明機器30から制御部22への累積点灯時間の送信は、定期的に行われてもよいし、制御部22からの要求に応じて行われてもよい。
【0043】
次に、制御部22は、始動時間情報を補正した補正後始動時間情報を生成する(S42)。制御部22は、具体的には、始動時間情報が示す始動時間を複数の照明機器30の累積動作時間で補正することにより、補正後始動時間情報を生成することができる。例えば、累積点灯時間が長くなると電解コンデンサ等の部品が劣化するため始動時間が短くなることがある。このような場合、制御部22は、累積点灯時間が長いほど、始動時間を短く補正する。始動時間をどの程度補正するかは経験的または実験的に定められる。なお、照明機器30の劣化モードによっては、累積点灯時間が長いほど始動時間が長くなることも考えられる。このような観点から、累積点灯時間に基づいて始動時間をどのように補正するかは経験的または実験的に定められればよい。
【0044】
以上説明したような補正後始動時間情報が記憶部23に記憶されれば、制御部22は、補正後始動時間情報に基づいて点灯指令の送信順序を決定することができる。これにより、機器制御システム10は、始動時間のばらつきに起因する点灯開始タイミングのばらつきを抑制することができる。
【0045】
なお、複数の照明機器30の始動時間が、使用環境(例えば、使用時の周辺温度、及び、周辺湿度など)によって変動するような場合も考えられる。このような場合、制御部22は、始動時間情報が示す始動時間を複数の照明機器30の使用環境で補正することにより、補正後始動時間情報を生成してもよい。使用環境に基づいて始動時間をどのように補正するかは経験的または実験的に定められればよい。
【0046】
[変形例2]
上述のように、複数の照明機器30のそれぞれは、発光素子31と、発光素子31に電圧を印加する発光制御回路32とを備える。発光素子31は、所定の発光開始電圧が印加されると発光を開始する(つまり、点灯する)。
【0047】
そこで、発光制御回路32は、発光制御回路32を備える照明機器30が動作停止状態で待機しているとき(例えば、照明機器30が待機指令を受信してから点灯指令を受信するまで間の期間)に、0よりも大きく発光開始電圧未満の電圧を発光素子31に印加してもよい。これにより、始動時間を短縮できる場合があるため、機器制御システム10は、始動時間のばらつきに起因する点灯開始タイミングのばらつきを抑制することができる。
【0048】
[変形例3]
上記実施の形態1では、複数の照明機器30の点灯開始タイミングのばらつきを抑制するための手法について説明された。機器制御システム10は、同様の手法を用いて、照明機器30以外の受電機器の動作開始タイミングのばらつきを抑制することもできる。例えば、機器制御システム10は、複数の映像機器の映像の表示開始タイミングのばらつきを抑制することもできる。また、機器制御システム10は、複数の音響機器の音の出力開始タイミングのばらつきなどを抑制することもできる。
【0049】
また、複数の受電機器は同一種別の受電機器である必要はなく、異なる種別の受電機器を含んでもよい。例えば、機器制御システム10は、映像機器の映像の表示開始タイミングと、複数の音響機器の音の出力開始タイミングとの差を小さくすることもできる。
【0050】
[効果等]
以上説明したように、機器制御システム10は、複数の接続ポート21を有する給電機器20と、各々が複数の接続ポート21の1つに標準ケーブル70を介して接続され、給電機器20から標準ケーブル70を介して電力供給を受けることによって動作する複数の受電機器と、複数の受電機器を制御する制御部22とを備える。制御部22は、複数の受電機器の動作を開始させるときに、動作の開始タイミングのずれを低減するためのタイミング補正処理を行う。上記実施の形態1の複数の照明機器30は、複数の受電機器の一例である。
【0051】
このような機器制御システム10は、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0052】
また、例えば、給電機器20は、複数の受電機器の動作を開始させるときに、複数の受電機器へ順次電力を供給する。電力が供給された受電機器は、動作停止状態で待機する。制御部22は、タイミング補正処理として、複数の受電機器への電力供給が完了した後に複数の受電機器のそれぞれへ動作開始指令を送信する。
【0053】
このような機器制御システム10は、電力の順序に起因する、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0054】
また、例えば、制御部22は、タイミング補正処理において、複数の受電機器が動作開始指令を受信してから動作を開始するまでの始動時間を示す始動時間情報に基づいて複数の受電機器のそれぞれへの動作開始指令の送信順序を決定する。
【0055】
このような機器制御システム10は、始動時間のばらつきに起因する、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0056】
また、例えば、制御部22は、複数の受電機器のそれぞれから機器情報を取得し、取得された複数の機器情報によって特定される始動時間情報に基づいて送信順序を決定する。
【0057】
このような機器制御システム10は、複数の受電機器のそれぞれから機器情報を取得することで、始動時間のばらつきに起因する、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0058】
また、例えば、制御部22は、複数の受電機器それぞれの始動時間を計測することにより始動時間情報を生成し、生成された始動時間情報に基づいて送信順序を決定する。
【0059】
このような機器制御システム10は、複数の受電機器それぞれの始動時間を計測することで、始動時間のばらつきに起因する、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0060】
また、例えば、制御部22は、始動時間情報が示す始動時間を複数の機器の累積動作時間で補正した補正後始動時間情報に基づいて送信順序を決定する。
【0061】
このような機器制御システム10は、複数の受電機器それぞれの始動時間を補正することで、始動時間のばらつきに起因する、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0062】
また、例えば、複数の受電機器のそれぞれは、発光素子31と、発光素子31に電圧を印加する発光制御回路32とを備える照明機器30である。発光制御回路32は、発光制御回路32を備える受電機器が動作停止状態で待機しているときに、0よりも大きく発光開始電圧未満の電圧を発光素子31に印加する。
【0063】
このような機器制御システム10は、始動時間のばらつきに起因する点灯開始タイミングのばらつきを抑制することができる。
【0064】
また、例えば、複数の受電機器のそれぞれは、照明機器30である。
【0065】
このような機器制御システム10は、複数の照明機器30の点灯開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0066】
また、例えば、制御部22は、給電機器20に内蔵される。
【0067】
このような機器制御システム10は、制御部22を内蔵する給電機器20を用いて、複数の照明機器30の動作開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0068】
(実施の形態2)
[構成]
まず、実施の形態2に係る機器制御システムの概要について説明する。図6は、実施の形態2に係る機器制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0069】
実施の形態2に係る機器制御システム10aは、PoEの仕組みを利用して対象の機器を制御するPoEシステムである。機器制御システム10aは、給電機器20aと、1つ以上の受電機器と、情報端末60と、複数の照明機器80とを備える。受電機器は、PDインターフェースを有する機器であり、図6では、複数の照明機器30、及び、無線機器40aのそれぞれが受電機器に相当する。以下、機器制御システム10との主な相違点である、給電機器20a、無線機器40a、及び、複数の照明機器80について詳細に説明する。
【0070】
給電機器20aは、複数の接続ポート21と、給電制御部24と、記憶部23とを備える。複数の接続ポート21は、標準ケーブル70が接続される接続構造である。接続ポート21には、標準ケーブル70を介して受電機器が電気的に接続される。受電機器(複数の照明機器30、及び、無線機器40a)は、標準ケーブル70を介して給電機器20aから電力の供給を受けるとともに、標準ケーブル70を介して給電機器20aと通信を行うことができる。
【0071】
給電制御部24は、接続ポート21に接続された受電機器への電力供給を行う。給電制御部24は、具体的には、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現される。給電制御部24の機能は、例えば、給電制御部24を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部23に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、給電制御部24は、制御部22と同様の動作を行うことができる。つまり、機器制御システム10aは、機器制御システム10と同様の動作を行うことができる。
【0072】
記憶部23は、上記コンピュータプログラム、及び、受電機器を制御するために必要な各種情報などが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0073】
無線機器40aは、給電機器20aから電力の供給を受けて動作する。また、無線機器40aは、給電機器20aから供給される電力の一部を、スイッチ部44を介して複数の照明機器80へ供給することができる。無線機器40aは、無線通信に特化した機器であるが、照明機器としての機能を有していてもよい。無線機器40aは、無線モジュール41と、制御部42と、記憶部43と、スイッチ部44とを備える。
【0074】
無線モジュール41は、給電機器20aからの電力供給を受けて動作する無線通信回路である。無線モジュール41は、情報端末60と無線通信を行い、照明機器30または照明機器80を点灯することを指示する点灯指示信号、照明機器30または照明機器80を消灯することを指示する消灯指示信号、並びに、照明機器30または照明機器80の調光(明るさの調整)を指示するための調光指示信号などを受信する。なお、無線モジュール41が行う無線通信の通信規格については特に限定されない。
【0075】
制御部42は、スイッチ部44のオン及びオフを制御することにより、照明機器80への電力供給をオン及びオフする制御を行う。また、制御部42は、照明機器80へ制御信号を送信することにより、照明機器80を制御する。制御部42は、具体的には、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現され、無線機器40aに内蔵される。制御部42の機能は、例えば、制御部42を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部43に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0076】
記憶部43は、上記コンピュータプログラム、及び、受電機器を制御するために必要な各種情報などが記憶される記憶装置である。記憶部43は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0077】
スイッチ部44は、給電機器20aから複数の照明機器80への電力供給を一括してオン及びオフするためのスイッチ装置である。スイッチ部44は、リレー素子またはパワー半導体素子などによって実現される。
【0078】
照明機器80は、給電機器20aから電力の供給を受けて動作する。照明機器80は、例えば、PDインターフェースを有し、無線機器40aと標準ケーブル70で接続される。照明機器80への電力供給、及び、照明機器80と無線機器40aとの通信は、この標準ケーブル70を介して行われる。照明機器80は、PDインターフェースを有していなくてもよく、照明機器80と無線機器40aとは標準ケーブル70以外のケーブルによって接続されてもよい。上述のように、照明機器80への電力供給のオン及びオフは、スイッチ部44によって制御される。
【0079】
照明機器80は、例えば、室内空間を照明する照明機器であり、より具体的には、ベースライト、システム天井用照明、ダウンライト、または、スポットライトなどである。照明機器80の具体的態様は特に限定されない。照明機器80の光源には、例えば、LEDまたは有機ELなどの発光素子が用いられる。
【0080】
なお、無線機器40aに接続される受電機器は、照明機器80に限定されない。無線機器40aには、例えば、空調機器、カメラ、音響機器(スピーカ)、映像機器、防災機器、センサ、または、ユーザインターフェース機器などが接続されてもよい。
【0081】
[動作例1]
上述のように、給電機器20aに互いに異なる接続ポート21に接続されている複数の照明機器30には、給電機器20aから順次電力が供給され、電力供給が完了した照明機器30から順次点灯する。
【0082】
これに対し、無線機器40aに接続されている複数の照明機器80は、スイッチ部44を介して給電機器20aの1つの接続ポート21に接続されている。したがって、機器制御システム10aは、スイッチ部44をオンすることにより、複数の照明機器80に一括して電力を供給することができる。具体的には、制御部42は、無線モジュール41が情報端末60から点灯指示信号を受信したこと等により給電機器20aから無線機器40aへの電力の供給が開始されると、オフ状態のスイッチ部44をオンする処理を行う。この処理は、タイミング補正処理の別の一例である。
【0083】
このように、機器制御システム10aは、複数の照明機器80が給電機器20aの互いに異なる接続ポート21に接続されているシステムよりも、複数の照明機器80の点灯開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0084】
[動作例2]
機器制御システム10aにおいて、スイッチ部44は、複数の照明機器80への電力供給を選択的にオン及びオフできるように構成されていてもよい。この場合、機器制御システム10aは、機器制御システム10と同様のタイミング補正処理を行う。以下、このようなタイミング補正処理を含む、機器制御システム10aの複数の照明機器80の点灯動作を動作例として説明する。図7は、機器制御システム10aの動作例2のフローチャートである。なお、以下の動作例2では、当初、無線機器40aへの電力供給はオンされ、かつ、複数の照明機器80への電力供給はオフされているものとする。
【0085】
まず、無線機器40aの無線モジュール41は、情報端末60から点灯指示信号を受信する(S51)。点灯指示信号は、情報端末60へのユーザの操作を契機に情報端末60によって送信される。
【0086】
制御部42は、無線モジュール41によって点灯指示信号が受信されると、複数の照明機器80への電力供給を開始する。制御部42は、具体的には、スイッチ部44の1つのスイッチをオンすることにより複数の照明機器80のうち1つ照明機器80へ電力供給を行い(S52)、当該1つの照明機器80へ待機指令を送信する(S53)。待機指令は、電力供給が行われ、かつ、消灯した状態で照明機器80を待機させるための制御信号である。待機指令は、例えば、標準ケーブル70を介して照明機器80へ送信される。
【0087】
なお、ステップS53で待機指令が送信されることは必須ではなく、複数の照明機器80が点灯指令の受信を要件として点灯開始するようにあらかじめ構成されている場合には、待機指令は不要である。
【0088】
次に、制御部42は、全ての照明機器80への電力供給が完了したか否かを判定する(S54)。制御部42は、全ての照明機器80への電力供給が完了していないと判定すると(S54でNo)、電力供給がされていない照明機器80への電力供給(S52)、及び、当該照明機器80への待機指令の送信(S53)を行う。このように、制御部42は、複数の照明機器80へ順次電力を供給する。
【0089】
一方、制御部42は、全ての照明機器80への電力供給が完了したと判定すると(S54でYes)、複数の照明機器80のそれぞれへ点灯指令を送信する(S55)。点灯指令は、点灯指令の一例であり、複数の照明機器80を点灯させるための制御信号である。点灯指令は、例えば、標準ケーブル70を介して照明機器80へ送信される。複数の照明機器80のそれぞれは、点灯指令を受信すると、点灯指令に従って点灯する。
【0090】
このように、機器制御システム10aにおいては、無線機器40aの制御部42は、複数の照明機器80へ電力を供給し、電力が供給された照明機器80は、消灯状態(言い換えれば、動作停止状態)で待機する。制御部42は、タイミング補正処理として、複数の照明機器80への電力供給が完了した後に複数の照明機器80のそれぞれへ点灯指令を送信する。これにより、機器制御システム10aは、電力供給の順序に起因する点灯開始タイミングのばらつきを抑制することができる。
【0091】
なお、詳細についての説明は省略するが、制御部42は、制御部22と同様に、始動時間情報に基づいて、複数の照明機器80のそれぞれへの点灯指令の送信順序を決定することができる。また、制御部42は、始動時間情報が示す始動時間を複数の照明機器80の累積動作時間または使用環境で補正した補正後始動時間情報に基づいて送信順序を決定することができる。
【0092】
また、複数の照明機器80のそれぞれは、発光素子と、発光素子に電圧を印加する発光制御回路とを備え、発光制御回路は、発光制御回路を備える照明機器80が動作停止状態で待機しているときに、0よりも大きく発光開始電圧未満の電圧を発光素子に印加してもよい。
【0093】
[効果等]
以上説明したように、機器制御システム10aは、複数の接続ポート21を有する給電機器20aと、各々が複数の接続ポート21の1つに標準ケーブル70を介して接続され、給電機器20aから標準ケーブル70を介して電力供給を受けることによって動作する複数の受電機器と、複数の受電機器を制御する制御部42と、制御部42を内蔵する無線機器40aとを備える。無線機器40aは、複数の受電機器への電力供給を一括してオン及びオフするスイッチ部44を有する。無線機器40aは、他の受電機器の一例である。
【0094】
制御部42は、複数の受電機器の動作を開始させるときに、動作の開始タイミングのずれを低減するためのタイミング補正処理を行う。制御部42は、給電機器20aから無線機器40aへの電力の供給が開始されたときに、タイミング補正処理としてスイッチ部44をオンする処理を行う。
【0095】
このような機器制御システム10aは、複数の照明機器80が給電機器20aの互いに異なる接続ポート21に接続されているシステムよりも、複数の照明機器80の点灯開始タイミングのずれを抑制することができる。
【0096】
また、例えば、複数の受電機器のそれぞれは、照明機器80である。
【0097】
このような機器制御システム10aは、照明機器80が消灯しているときの消費電力を低減することができる。
【0098】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0099】
例えば、上記実施の形態では、機器制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、機器制御システムは、給電機器に相当する単一の装置として実現されてもよいし、受電機器(無線機器または照明機器など)に相当する単一の装置として実現されてもよい。機器制御システムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された機器制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0100】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0102】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0103】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0104】
例えば、本発明は、上記実施の形態の給電機器、または、受電機器として実現されてもよい。また、本発明は、上記実施の形態の機器制御システムの制御方法として実現されてもよい。本発明は、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0105】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10、10a 機器制御システム
20、20a 給電機器
21 接続ポート
22、42 制御部
23、43 記憶部
24 給電制御部
30、80 照明機器
40、40a 無線機器
41 無線モジュール
44 スイッチ部
60 情報端末
70 標準ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7