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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】美容機器
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20241018BHJP
   B05B 7/04 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A45D20/12 101
A45D20/12 Z
B05B7/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021017277
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120405
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】近澤 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】追風 寛歳
(72)【発明者】
【氏名】木下 雅登
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-196862(JP,A)
【文献】中国実用新案第2910373(CN,Y)
【文献】米国特許第06042026(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0263595(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/00~20/52
B05B 1/00~ 9/08
F24F 6/00~ 6/18
F24F 11/00~11/89
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入口および吐出口を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置される噴霧装置と、を備え、
前記噴霧装置は、液体を貯留する貯留部と、霧状にされた前記液体を吐出する二流体ノズルと、前記貯留部からの前記液体を前記二流体ノズルに向けて送り出す送液ポンプと、前記二流体ノズルに接続されるエアポンプと、を有し、
前記二流体ノズルは、前記送液ポンプからの液体が供給される液体供給流路と、前記エアポンプからの空気が供給される空気供給流路と、入口側部分に内径が一定の第1一定径部が形成されて前記液体供給流路からの前記液体を前記空気供給流路からの空気に混合して前記液体を霧化するために前記液体供給流路が前記第1一定径部に接続され且つ出口側部分に入口側から出口側に向かって内径が大きくなる第1拡径部が形成された第一オリフィス部と、前記第一オリフィス部で霧化された前記液体を吐出するためのミスト放出口と、を有し、
前記第一オリフィス部と前記ミスト放出口との間には、前記第一オリフィス部の前記第1一定径部及び前記第1拡径部の内径よりも大きい内径を有する第二オリフィス部が形成され、
前記第二オリフィス部は、前記第二オリフィス部の入口側部分を構成し、前記第一オリフィス部側から前記ミスト放出口側に向かって内径が大きくなる第2拡径部と、前記第二オリフィス部の出口側部分を構成し、内径が一定の第2一定径部と、を有し、
前記第2一定径部の長さが、前記第2拡径部の長さよりも長い、
美容機器。
【請求項2】
前記二流体ノズルは、前記液体供給流路と前記空気供給流路と前記第一オリフィス部とが形成される本体部分と、前記第二オリフィス部が形成される分割部分と、を有して構成される、
請求項1に記載の美容機器。
【請求項3】
前記分割部分は、前記本体部分を形成する材料よりも熱膨張率が高い材料により形成される、
請求項2に記載の美容機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、美容機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、噴霧装置を搭載した美容機器を開示する。この美容装置は、液体を貯留するタンクと、霧状にされた液体を吐出する吐出部と、タンクからの液体を吐出部に向けて送り出すポンプと、噴霧装置の姿勢を検出する検出部と、を備える。制御部が、検出部により検出した噴霧装置の姿勢に応じてポンプの出力を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-196862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術における美容機器では、液体を送り出す送液ポンプの出力変動には対応できないため、噴霧装置による噴霧量が安定せず、適切な量の液体を使用者へ供給することができない可能性がある。
【0005】
本開示は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本開示の目的は、噴霧装置を搭載した美容機器であって、送液ポンプから送液量の変動の影響を受けずに、液体を安定的に噴射することができる美容機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様に係る美容機器は、吸入口および吐出口を有するハウジングと、ハウジングの内部に配置される噴霧装置と、を備える。噴霧装置は、液体を貯留する貯留部と、霧状にされた液体を吐出する二流体ノズルと、貯留部からの液体を二流体ノズルに向けて送り出す送液ポンプと、二流体ノズルに接続されるエアポンプと、を有する。二流体ノズルは、液体供給流路からの液体を空気供給流路からの空気に混合して液体を霧化するための第一オリフィス部と、第一オリフィス部で霧化された液体を吐出するためのミスト放出口と、を有する。第一オリフィス部とミスト放出口との間には、第一オリフィス部の内径よりも大きい内径を有する第二オリフィス部が形成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、噴霧装置を搭載した美容機器であって、送液ポンプから送液量の変動の影響を受けずに、液体を安定的に噴射することができる美容機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る美容機器の基本構成を示す図である。
図2】噴霧装置の基本構成を示す図である。
図3】二流体ノズルの破断斜視図である。
図4図3に示す二流体ノズルの側断面図である。
図5】他の実施形態における二流体ノズルの破断斜視図である。
図6図5に示す二流体ノズルの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0010】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
以下、図1から図3を用いて、本実施形態に係る美容機器(ヘアケア装置1)を説明する。
【0012】
[1.構成]
まず、本実施形態に係るヘアケア装置1の構成について説明する。
【0013】
本実施形態に係るヘアケア装置1は、美容機器の一例であり、本実施形態では、ヘアドライヤである。
【0014】
図1に示すように、ヘアケア装置1は、本体部1aおよび把持部1bを備える。本体部1aは、外郭を構成するハウジング2を有しており、ハウジング2内には、空洞3が形成されている。空洞3には、長手方向(図1中の左右方向)の一方側(図1中の右側)の吸入口4aから、他方側(図1中の左側)の吐出口4bに至る送風流路3aが形成されている。
【0015】
ハウジング2の下部には、使用者が手で握る部分としての把持部1bが、本体部1aの長手方向と交差する方向に結合されている。ヘアケア装置1の使用時には本体部1aと把持部1bとで略T字状あるいは略L字状(本実施形態では、略T字状)の外観を呈するように構成されている。
【0016】
把持部1bは、本体部1a側の根元部1cと先端部1dとを有している。把持部1bの側面には、スライド式の電源スイッチ5が設けられており、把持部1bの突出端部(先端部1d)からは、電源コード6が引き出されている。また、根元部1cにおいて、連結部1eを介して回動可能に本体部1aと連結されている。これにより、ヘアケア装置1を、先端部1dが本体部1aに沿う位置まで折り畳むことができる。
【0017】
また、本体部1aにおける送風流路3a内の上流側(吸入口4aに近い側)には、送風部の一例である、ファン7およびモータ8が配置されている。
【0018】
ファン7の下流側(ファン7よりも吐出口4bに近い側)には、ファン7からの送風を加熱する加熱部の一例であるヒータ9が配置されている。ヒータ9は、例えば、帯状かつ波板状の電気抵抗体を、送風流路3aの内周に沿って巻回して配置することで形成される。
【0019】
また、送風流路3aの上側(上方)には、送風流路3aとは別に設けられた分岐流路3bが存在する。分岐流路3bには、本実施形態に係る噴霧装置10の構成要素が配置されている。噴霧装置10の構成の詳細については、図2を用いて後述する。
【0020】
本実施形態では、モータ8、ヒータ9および噴霧装置10などの、電力により動作する構成要素への電力供給および動作制御を行う制御ユニット20が、把持部1bの内部に配置される。なお、各構成要素への電力供給および動作制御を行うための電気回路は、1つの基板に集約されてもよく、複数の基板に分散されてもよい。
【0021】
次に、以上のように構成されたヘアケア装置1が備える噴霧装置10について、図2を用いて説明する。
【0022】
図2に示すように、噴霧装置10は、液体を貯留する貯留部としてのタンク11と、霧状にされた液体を吐出する吐出部としての二流体ノズル12Aと、タンク11から供給される液体を二流体ノズル12Aに向けて送り出す送液ポンプ13とを有している。また、噴霧装置10は、二流体ノズル12Aに接続されるエアポンプ15をさらに有している。
【0023】
二流体ノズル12Aの内部には、送液ポンプ13からの液体が供給される液体供給流路32と、エアポンプ15からの空気が供給される空気供給流路33とが形成されている(図3および図4参照)。
【0024】
また、二流体ノズル12Aの内部には、液体供給流路32からの液体を空気供給流路33からの空気に混合して液体を霧化するための混合空間部としての第一オリフィス部34および第二オリフィス部35が形成されている(図3および図4参照)。
【0025】
二流体ノズル12Aの内部の液体供給流路32とタンク11とは、液体用チューブ21により連通されており、液体用チューブ21の途中に送液ポンプ13が配設される。
【0026】
タンク11は、例えば、柔軟性を有するラミネートフィルムで形成された袋状の容器(パウチ)である。送液ポンプ13は、例えば、ローラとベース部とで液体用チューブ21を挟んで液体を送り出すチューブポンプである。
【0027】
その一方、二流体ノズル12Aの内部の空気供給流路33とエアポンプ15とが、空気用チューブ22により連通されている。
【0028】
そして、二流体ノズル12Aの内部の混合空間部(第一オリフィス部34、第二オリフィス部35)において混合されて霧化された液体(ミスト)が、ミスト放出口36から二流体ノズル12Aの外部へ噴射される(図3および図4参照)。
【0029】
次に、噴霧装置10が備える二流体ノズル12Aについて、図3および図4を用いて説明する。
【0030】
図3および図4に示すように、二流体ノズル12Aは、本体部分30を有している。この本体部分30には、液体供給流路32と、空気供給流路33と、第一オリフィス部34と、第二オリフィス部35と、ミスト放出口36とが形成されている。
【0031】
二流体ノズル12Aの本体部分30は、例えば、金属材料または合成樹脂材料により構成される。
【0032】
液体供給流路32の入口側端には、液体用チューブ21が接続されており、液体供給流路32の出口側端が、第一オリフィス部34の途中に開口させて接続されている。本実施形態では、液体供給流路32は、第一オリフィス部34の一定径部34aに対して直交するように接続されている。
【0033】
液体供給流路32は、液体供給流路32の入口側部分を構成し、内径(断面積)が一定の大径部(大断面積部)32aを有する。また、液体供給流路32は、液体供給流路32の出口側部分を構成し、内径(断面積)が一定でかつ大径部(大断面積部)32aよりも小さい小径部(小断面積部)32bを有する。
【0034】
空気供給流路33の入口側端には、空気用チューブ22が接続されており、空気供給流路33の出口側端が、第一オリフィス部34に接続されている。
【0035】
空気供給流路33は、空気供給流路33の入口側部分を構成し、内径(断面積)が一定の一定径部(一定断面積部)33aを有する。また、空気供給流路33は、空気供給流路33の出口側部分を構成し、内径(断面積)が入口側から出口側に向かって小さくなる縮径部(縮小部)33bを有する。
【0036】
第一オリフィス部34は、第一オリフィス部34の入口側部分を構成し、内径(断面積)が一定の一定径部(一定断面積部)34aを有する。また、第一オリフィス部34は、第一オリフィス部34の出口側部分を構成し、内径(断面積)が入口側から出口側に向かって大きくなる拡径部(拡張部)34bを有する。
【0037】
第二オリフィス部35は、第一オリフィス部34とミスト放出口36との間に形成されており、第一オリフィス部34のオリフィス径よりも大きいオリフィス径を有している。
【0038】
第二オリフィス部35は、第二オリフィス部35の入口側部分を構成し、内径(断面積)が第一オリフィス部34側からミスト放出口36側に向かって大きくなる拡径部(拡張部)35aを有する。また、第二オリフィス部35は、第二オリフィス部35の出口側部分を構成し、内径(断面積)が一定の一定径部(一定断面積部)35bを有する。
【0039】
[3.効果等]
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0040】
(1)本実施形態において、ヘアケア装置1は、吸入口4aおよび吐出口4bを有するハウジング2と、ハウジング2の内部に配置される噴霧装置10と、を備える。噴霧装置10は、液体を貯留するタンク11と、霧状にされた液体を吐出する二流体ノズル12Aと、タンク11からの液体を二流体ノズル12Aに向けて送り出す送液ポンプ13と、二流体ノズル12Aに接続されるエアポンプ15と、を有する。二流体ノズル12Aは、液体供給流路32からの液体を空気供給流路33からの空気に混合して液体を霧化するための第一オリフィス部34と、第一オリフィス部34で霧化された液体を吐出するためのミスト放出口36と、を有する。第一オリフィス部34とミスト放出口36との間には、第一オリフィス部34の内径よりも大きい内径を有する第二オリフィス部35が形成される。
【0041】
送液ポンプ13からの送液量が変動して多量の液体が二流体ノズル12Aに供給された場合には、第一オリフィス部34では微粒化しきれなかった液体は第二オリフィス部35に対流F1として保持される(図5参照)。このため、液体が二流体ノズル12Aの外部へ噴き出す液だれの発生を抑制することができる。
【0042】
また、第二オリフィス部35のオリフィス径が第一オリフィス部34のオリフィス径よりも大きいことにより、流速の粗密により負圧が第二オリフィス部35内に発生し、ミスト放出口36から外部の気体が流入し、乱流が発生し得る。この乱流により、第二オリフィス部35内で対流F1を起こした液体をせん断して霧化することができる。
【0043】
(2)第二オリフィス部35は、第一オリフィス部34側からミスト放出口36側に向かって内径が大きくなる拡径部35aを有する。
【0044】
第二オリフィス部35の内壁面に沿って旋回流F2が発生するため、第二オリフィス部35内の流速の低下を抑制することができ、第二オリフィス部35内において流体を効率よくせん断して霧化することができる。
【0045】
(3)第二オリフィス部35は、内径が一定の一定径部35bを有する。
【0046】
第二オリフィス部35内の流れが一定径部35bにおいて整流され、ミスト放出口36から噴射されるミストの指向性を高めることができ、ミストを所望の場所へ安定して届けることができる。
【0047】
(他の実施形態)
以下、図5および図6を用いて、他の実施形態に係る美容機器(ヘアケア装置)を説明する。
【0048】
なお、図1から図4に示す実施形態と同じ部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0049】
図5および図6に示すように、二流体ノズル12Bは、本体部分30と、本体部分30に圧入などにより接合される分割部分31とを有している。本体部分30には、液体供給流路32と、空気供給流路33と、第一オリフィス部34とが形成されており、分割部分31に、第二オリフィス部35と、ミスト放出口36とが形成されている。
【0050】
二流体ノズル12Bの分割部分31は、本体部分30を形成する材料よりも熱膨張率が高い材料により形成される。この分割部分31は、例えばシリコン系ゴムまたは樹脂により構成される。
【0051】
図5および図6に示す実施形態では、第二オリフィス部35には、一定径部35bのみが形成されており、拡径部35aは形成されていない。
【0052】
また、図5および図6に示す実施形態では、液体供給流路32の大径部(大断面積部)32aと小径部(小断面積部)32bとの間には、内径(断面積)が入口側から出口側に向かって小さくなる縮径部(縮小部)32cが形成されている。
【0053】
以下、図5および図6に示す実施形態による作用効果を説明する。
【0054】
(1)この実施形態において、二流体ノズル12Bは、第一オリフィス部34が形成される本体部分30と、第二オリフィス部35が形成される分割部分31と、を有して構成される。
【0055】
ヘアケア装置に接合固定されている本体部分30(第一オリフィス部34)を取り外さずに、第二オリフィス部35を異なる形状のものに変更することができるため、多様な液体の噴霧に対応することができる。
【0056】
また、二流体ノズル12Bにより噴射するミストの粒径を調整したい場合に、第二オリフィス部35を異なるオリフィス径のものに変更することにより、第二オリフィス部35内の流速が変わりミストの粒径を調整することができる。
【0057】
さらに、ヘアケア装置に接合固定されている本体部分30(第一オリフィス部34)から分割部分31(第二オリフィス部35)を取り外すことにより、第一オリフィス部34のメンテナンスを行うことも容易になる。
【0058】
(2)分割部分31は、本体部分30を形成する材料よりも熱膨張率が高い材料により形成される。
【0059】
液体は、一般的に、高温になれば低粘度になり、低温になれば高粘度になる。
【0060】
液体が低粘度では広がり易いため、第二オリフィス部35の入口から出口(ミスト放出口36)までの長さが長い方がよい。また、第二オリフィス部35内で液体の対流F1が起こり易くなるため、第二オリフィス部35のオリフィス径は大きい方がよい。
【0061】
熱膨張率が高い材料より形成される分割部分31が温度依存で変形し易いため、高温になれば、第二オリフィス部35の入口から出口(ミスト放出口36)までの長さが長くなり、また、第二オリフィス部35のオリフィス径は大きくなる。
【0062】
その一方、液体が高粘度では広がり難いため、第二オリフィス部35の入口から出口(ミスト放出口36)までの長さは短くてもよい。また、第二オリフィス部35内で液体の対流F1が起こり難いため、第二オリフィス部35のオリフィス径は小さい方がよい。
【0063】
熱膨張率が高い材料より形成される分割部分31が温度依存で変形し易いため、低温になれば、第二オリフィス部35の入口から出口(ミスト放出口36)までの長さが短くなり、また、第二オリフィス部35のオリフィス径は小さくなる。
【0064】
要するに、温度変化による液体の粘度変化に応じて、液体の粘度に適した形状に第二オリフィス部35が自動的に変形するため、二流体ノズル12B全体を交換することなく液体を微粒化して噴霧することが可能になる。
【0065】
すなわち、液体噴霧部を搭載したヘアドライヤ装置であって、ヘアドライヤ装置は、空気で液体を粉砕する流体ノズル部と、液を送る送液ポンプ部と、液体噴霧部から噴出する物質を貯蔵する物質貯蔵タンク部と、風を送る送風ポンプ部とを有する。流体ノズル部は、流体を流す第一オリフィス部の吐出部に第一オリフィス部より同等以上のオリフィス径の有る第二オリフィス部を設けた。前述の流体ノズル部は、第一オリフィス部と第二オリフィス部とが分割部材で形成され、接合されて構成している。また、前述の第二オリフィス部の第一オリフィス部側端面にグランド電極部を有し、第二オリフィス部の吐出部面に高圧電極部を有し、第一オリフィス部と第二オリフィス部とを絶縁物で構成した。また、前述の第二オリフィス部は、脱着又は交換可能になっている。また、前述の第二オリフィス部は、熱膨張率の高い材料で構成されている。また、前述の第二オリフィス部は、シリコン系ゴム又は樹脂で構成されている。
【0066】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本開示は、噴霧装置を搭載した美容機器であって、送液ポンプから送液量の変動の影響を受けずに、液体を安定的に噴射することができる美容機器に適用可能である。具体的には、ヘアケア装置、ヘアドライヤなどに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 ヘアケア装置(美容機器)
2 ハウジング
4a 吸入口
4b 吐出口
10 噴霧装置
11 タンク(貯留部)
12A,12B 二流体ノズル(吐出部)
13 送液ポンプ
15 エアポンプ
30 本体部分
31 分割部分
32 液体供給流路
33 空気供給流路
34 第一オリフィス部
35 第二オリフィス部
35a 拡径部(拡張部)
35b 一定径部(一定断面積部)
36 ミスト放出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6