(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】制御システム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20241018BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241018BHJP
F24F 11/56 20180101ALI20241018BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
F24F11/56
(21)【出願番号】P 2021026688
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 彩衣
(72)【発明者】
【氏名】眞田 恵里
(72)【発明者】
【氏名】藤原 洋子
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-181180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
F24F 11/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システムであって、
施設に設置された機器を対象としたシーン制御
であって1つのシーン名称が付与されるシーン制御の内容を設定する設定部と、
前記シーン制御の実行指示を受け付ける
ことができる複数の情報端末の
うち実際に前記実行指示を受け付けた情報端末の種類に応じて、前記設定部によって設定された
内容の通りに前記シーン制御を実行するか、前記設定部によって設定された内容を一部に絞り込んだ上で実行するかを切り替える制御部とを備え
、
前記複数の情報端末には、前記制御システムに含まれ、かつ、前記設定部を備える情報端末と、前記制御システムに含まれず、かつ、前記設定部を備えない情報端末とが含まれる
制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、
実際に前記実行指示を受け付けた前記情報端末が第一情報端末である場合、
前記設定部によって設定された内容の通りに前記シーン制
御を実行し、
実際に前記実行指示を受け付けた前記情報端末が第二情報端末である場合、
前記設定部によって設定された内容を一部に絞り込んだ上で前記シーン制
御を実行する
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記第一情報端末は、前記施設内に設置された情報端末であり、
前記第二情報端末は、携帯型の情報端末である
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記第一情報端末は、前記実行指示として、ユーザの手動入力を受け付ける情報端末であり、
前記第二情報端末は、前記実行指示として、ユーザの音声入力を受け付ける情報端末である
請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
制御システムであって、
施設に設置された機器を対象としたシーン制御
であって1つのシーン名称が付与されるシーン制御の内容を設定する設定部と、
前記シーン制御の実行指示を受け付ける
情報端末であって前記制御システムとサーバを介して通信可能な情報端末の現在位置に応じて、前記設定部によって設定された
内容の通りに前記シーン制御を実行するか、前記設定部によって設定された内容を一部に絞り込んだ上で実行するかを切り替える制御部とを備え
、
前記制御部は、
前記情報端末が前記施設内に位置する場合、前記設定部によって設定された内容の通りに前記シーン制御を実行し、
前記情報端末が前記施設外に位置する場合、前記設定部によって設定された内容を一部に絞り込んだ上で前記シーン制御を実行する
制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記シーン制御の内容
を一部に絞り込んだ上で実行する場合、実行前に前記シーン制御の内容
が一部に絞り込まれた上で実行されることを通知する
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記シーン制御の内容
が一部に絞り込まれた上で実行されるときに制御の対象となる機器を示す画像を表示する表示制御部をさらに備える
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
前記設定部は、前記第一情報端末へのユーザの第一手動入力に基づいて前記シーン制御の内容を示す設定情報を生成し、生成した設定情報を、前記第二情報端末が前記実行指示を受け付けたときに使用されるサーバ装置へ送信する
請求項2~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項9】
前記設定部は、前記第一情報端末へのユーザの第一手動入力に基づいて前記シーン制御の内容を示す設定情報を生成し、生成した設定情報を、前記ユーザの第二手動入力に基づいて前記サーバ装置へ送信する
請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記設定部、及び、前記制御部は、前記施設内に設置される制御端末によって備えられる
請求項1~9のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項11】
制御システムによって実行される制御方法であって、
施設に設置された機器を対象としたシーン制御
であって1つのシーン名称が付与されるシーン制御の内容を設定する設定ステップと、
前記シーン制御の実行指示を受け付ける
ことができる複数の情報端末の
うち実際に前記実行指示を受け付けた情報端末の種類に応じて、前記設定ステップにおいて設定された
内容の通りに前記シーン制御を実行するか、前記設定ステップにおいて設定された内容を一部に絞り込んだ上で実行するかを切り替える制御ステップとを含
み、
前記複数の情報端末には、前記制御システムに含まれ、かつ、前記設定ステップを実行する情報端末と、前記制御システムに含まれず、かつ、前記設定を行わない情報端末とが含まれる
制御方法。
【請求項12】
制御システムによって実行される制御方法であって、
施設に設置された機器を対象としたシーン制御
であって1つのシーン名称が付与されるシーン制御の内容を設定する設定ステップと、
前記シーン制御の実行指示を受け付ける
情報端末であって前記制御システムとサーバを介して通信可能な情報端末の現在位置に応じて、前記設定ステップにおいて設定された
内容の通りに前記シーン制御を実行するか、前記設定ステップにおいて設定された内容を一部に絞り込んだ上で実行するかを切り替える制御ステップとを含み
、
前記制御ステップにおいては、
前記情報端末が前記施設内に位置する場合、前記設定ステップにおいて設定された内容の通りに前記シーン制御を実行し、
前記情報端末が前記施設外に位置する場合、前記設定ステップにおいて設定された内容を一部に絞り込んだ上で前記シーン制御を実行する
制御方法。
【請求項13】
請求項11
または12に記載の制御方法を
前記制御システムに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機器を制御するための様々な技術が提案されている。特許文献1には、ネットワークに接続可能な集音機器が音声情報を収集し、収集した音声情報に基づいて、ネットワークを介して家電機器を制御する家電機器制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、機器の制御の内容を適応的に変更することができる制御システム、及び、制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る制御システムは、施設に設置された機器を対象としたシーン制御の内容を設定する設定部と、前記シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類または前記情報端末の現在位置に応じて、前記設定部によって設定された前記シーン制御の内容の一部のみ、または、全部を実行する制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る制御方法は、施設に設置された機器を対象としたシーン制御の内容を設定する設定ステップと、前記シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類または前記情報端末の現在位置に応じて、前記設定ステップにおいて設定された前記シーン制御の内容の一部のみ、または、全部を実行する制御ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る制御システム及び制御方法は、機器の制御の内容を適応的に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、シーン制御を実行するための設定情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、動作例1に係るシーン制御の内容の設定動作のフローチャートである。
【
図4】
図4は、制御の対象となる機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、動作例1に係るローカルシーン制御のフローチャートである。
【
図6】
図6は、動作例1に係る音声シーン制御のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、実行指示を受け付けた情報端末が音声UI装置であるときに、シーン制御の内容をどのように絞り込むかの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、動作例1に係る遠隔シーン制御のシーケンス図である。
【
図9】
図9は、実行指示を受け付けた情報端末が携帯端末であるときに、シーン制御の内容をどのように絞り込むかの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、動作例2に係るシーン制御の内容の設定動作のシーケンス図である。
【
図12】
図12は、音声シーン制御用の設定情報の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、遠隔シーン制御用の設定情報の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、動作例2に係る音声シーン制御のシーケンス図である。
【
図15】
図15は、動作例2に係る遠隔シーン制御のシーケンス図である。
【
図16】
図16は、動作例3に係るシーン制御の第一のシーケンス図である。
【
図17】
図17は、動作例3に係るシーン制御の第二のシーケンス図である。
【
図18】
図18は、動作例4に係るシーン制御の第一のシーケンス図である。
【
図19】
図19は、動作例4に係るシーン制御の第二のシーケンス図である。
【
図20】
図20は、音声シーン制御において機能が制限されることの同意を得るための表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る制御システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示される制御システム10は、施設90に設置された複数の機器30を制御することができる機器制御システムである。施設90は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅であるが、オフィスなどの住宅以外の施設であってもよい。
【0014】
図1に示されるように、制御システム10は、制御端末20と、複数の機器30と、無線通信機器35と、音声UI装置40と、音声認識サーバ50と、音声制御用サーバ60と、携帯端末70と、遠隔制御用サーバ80とを備える。音声UI装置40、制御端末20、及び、複数の機器30は、施設90内に設置されている。なお、携帯端末70は、施設90内に位置する場合と、施設90外に位置する場合とがある。
【0015】
まず、制御端末20について説明する。制御端末20は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラである。制御端末20は、施設90内に設置され、施設90に設置された複数の機器30の電気使用量(言い換えれば、消費電力量)を管理する。また、制御端末20は、施設90内(あるいは、施設90の敷地内)に設置された複数の機器30の制御を行う。制御端末20は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。制御端末20は、情報端末の一例である。
【0016】
制御端末20は、具体的には、表示部21と、通信部22と、情報処理部23と、記憶部24とを備える。
【0017】
表示部21は、画像の表示機能、及び、ユーザの手動入力を受け付ける機能を有する表示デバイスである。表示部21は、タッチパネル、及び、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0018】
通信部22は、制御端末20が他の装置と広域通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信回路である。通信部22は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部22が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0019】
情報処理部23は、機器30の制御に関する情報処理を行う。情報処理部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部23は、機能的な構成要素として、設定部25、制御部26、及び、表示制御部27を有する。設定部25、制御部26、及び、表示制御部27の機能は、例えば、情報処理部23を構成するマイクロコンピュータ等が記憶部24に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。設定部25、制御部26、及び、表示制御部27の機能の詳細については後述される。
【0020】
記憶部24は、情報処理部23が実行するコンピュータプログラム、及び、シーン制御の設定情報(後述)などが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0021】
次に、複数の機器30について説明する。複数の機器30は、施設90に設置される、制御システム10における制御対象機器である。複数の機器30は、制御端末20の制御部26によって送信される制御信号によって制御される。複数の機器30には、空調機器31、照明機器32、電気錠33、及び、電動ブラインド34などが含まれる。
【0022】
空調機器31は、一般家庭用の空調機器である。空調機器31は、熱交換器(図示せず)などを有することにより、空調機器31から送出される風の温度の調整が可能な空調機器である。つまり、空調機器31は、温度調整機能(送風機能及び冷暖房機能)を有する。空調機器31は、一般家庭用の空調機器に限定されず、産業用の空調機器であってもよい。
【0023】
照明機器32は、施設90の中(室内)を照明する。照明機器32は、例えば、シーリングライトであるが、照明機器32の具体的態様は、特に限定されない。照明機器32は、ダウンライト、ペンダントライト、スポットライト、または、ブラケットライトなどであってもよい。また、照明機器32は、施設90の外(室外)を照明する機器であってもよい。
【0024】
電気錠33は、施設90が有するドア(または窓など)の開錠及び施錠を制御する防犯機器である。電気錠33は、例えば、カードキーなどから鍵情報を取得するRFIDリーダを備える。また、電気錠33は、指紋などの生体情報を鍵情報として取得する生体センサを備えてもよい。以下の実施の形態では、電気錠33は、玄関のドアに設けられた電気錠であるものとして説明される。
【0025】
電動ブラインド34は、施設90が有する窓の内側に配置され、施設90内への外光の取り入れ量を調整する。また、電動ブラインド34は、施設90内の間仕切りとして使用される場合もある。電動ブラインド34は、複数のスラットを有し、複数のスラットの角度(以下、単に電動ブラインド34の角度などとも記載される)が調整可能である。
【0026】
次に、無線通信機器35について説明する。無線通信機器35は、近距離無線通信を行う機器であり、施設90内に設置される、無線LAN(Local Area Network)ルータである。無線通信機器35には、制御端末20及び音声UI装置40が通信接続される。制御端末20及び音声UI装置40の広域通信ネットワーク100を通じた通信は、無線通信機器35を介して行われる。
【0027】
次に、音声UI装置40について説明する。音声UI装置40は、ユーザの発話音声が入力される情報端末であり、入力された発話音声の音声信号を、広域通信ネットワーク100を介して音声認識サーバ50へ送信する。音声UI装置40は、例えば、施設90に設置されるスマートスピーカである。音声UI装置40は、具体的には、マイクロフォン41、及び、スピーカ42を有する。
【0028】
マイクロフォン41は、ユーザが発する音声(発話音声)を取得する。マイクロフォン41は、具体的には、コンデンサマイク、ダイナミックマイク、または、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクなどである。
【0029】
スピーカ42は、マイクロフォン41によって取得された発話音声への応答として、音声(機械音声)を出力する。これにより、ユーザは対話形式で機器30を制御することができる。
【0030】
次に、音声認識サーバ50について説明する。音声認識サーバ50は、施設90外に位置するコンピュータである。音声認識サーバ50は、具体的には、音声UI装置40によって送信される音声信号を受信し、受信した音声信号に対して音声認識処理を行うクラウドサーバである。音声認識サービスを提供する事業者は、音声認識サーバ50を用いて当該音声認識サービスを提供する。音声認識サーバ50は、例えば、音声UI装置40によって送信される音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報を音声制御用サーバ60に送信する。
【0031】
次に、音声制御用サーバ60について説明する。音声制御用サーバ60は、施設90外に位置するコンピュータである。音声制御用サーバ60は、具体的には、音声認識サーバ50から送信されるテキスト情報に基づいて制御命令を生成し、生成した制御命令を制御端末20に送信するクラウドサーバである。音声制御用サーバ60は、第一通信部61と、第一情報処理部62と、第一記憶部63とを備える。
【0032】
第一通信部61は、音声制御用サーバ60が広域通信ネットワーク100を介して他の装置と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第一通信部61によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0033】
第一情報処理部62は、音声UI装置40が受け付けた音声入力に基づいて機器30を制御するための情報処理を行う。第一情報処理部62は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。第一情報処理部62は、機能的な構成要素として、第一設定部64、及び、第一制御部65を有する。第一設定部64、及び、第一制御部65の機能は、例えば、第一情報処理部62を構成するマイクロコンピュータ等が第一記憶部63に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。第一設定部64、及び、第一制御部65の機能の詳細については後述される。
【0034】
第一記憶部63は、第一情報処理部62が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。第一記憶部63は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)などによって実現される。
【0035】
次に、携帯端末70について説明する。携帯端末70は、ユーザが機器30を遠隔制御するために手動入力を行う(つまり、操作する)携帯型の情報端末であり、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。携帯端末70は、表示部71、位置取得部72、及び、無線通信部73を有する。
【0036】
表示部71は、画像の表示機能、及び、ユーザの手動入力を受け付ける機能を有する表示デバイスである。表示部71は、タッチパネル、及び、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0037】
位置取得部72は、携帯端末70の現在位置を取得(言い換えれば、算出)し、取得した現在位置を示す現在位置情報を出力する。位置取得部72は、例えば、GPS(Global Positioning System)または準天頂衛星システムなどの衛星測位システムに対応する測位モジュールによって実現される。
【0038】
無線通信部73は、携帯端末70が無線通信機器35に通信接続するための通信回路である。無線通信部73は、具体的には、無線LANに対応した近距離無線通信回路である。
【0039】
次に、遠隔制御用サーバ80について説明する。遠隔制御用サーバ80は、施設90外に位置するコンピュータである。遠隔制御用サーバ80は、具体的には、携帯端末70から送信される情報に基づいて制御命令を生成し、生成した制御命令を制御端末20に送信するクラウドサーバである。遠隔制御用サーバ80は、第二通信部81と、第二情報処理部82と、第二記憶部83とを備える。
【0040】
第二通信部81は、遠隔制御用サーバ80が広域通信ネットワーク100を介して他の装置と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第二通信部81によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0041】
第二情報処理部82は、携帯端末70が受け付けたユーザの手動入力に基づいて機器30を制御するための情報処理を行う。第二情報処理部82は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。第二情報処理部82は、機能的な構成要素として、第二設定部84、及び、第二制御部85を有する。第二設定部84、及び、第二制御部85の機能は、例えば、第二情報処理部82を構成するマイクロコンピュータ等が第二記憶部83に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。第二設定部84、及び、第二制御部85の機能の詳細については後述される。
【0042】
第二記憶部83は、第二情報処理部82が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。第二記憶部83は、例えば、HDDなどによって実現される。
【0043】
[機器の制御の概要]
制御システム10のユーザは、制御端末20に手動入力を行うことで機器30を制御することができる。制御端末20の制御部26は、表示部21によって手動入力が受け付けられると、手動入力に応じた制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信する。これにより、機器30が制御される。局所通信ネットワークは、例えば、ECHONET Lite(登録商標)に準拠した通信ネットワークである。以下では、このような制御端末20への手動入力に基づく機器30の制御は、ローカル制御とも記載される。
【0044】
また、ユーザは、音声UI装置40へ音声を入力することで機器30を制御することができる。音声UI装置40は、マイクロフォン41によって音声入力が受け付けられると、音声入力に応じた音声信号を、広域通信ネットワーク100を介して音声認識サーバ50へ送信する。音声認識サーバ50は音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報を、広域通信ネットワーク100を介して音声制御用サーバ60へ送信する。音声制御用サーバ60は、テキスト情報に応じた制御命令を生成し、生成した制御命令を、広域通信ネットワーク100を介して制御端末20へ送信する。制御端末20の制御部26は、通信部22によって制御命令が受信されると、制御命令に応じた制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信する。これにより、機器30が制御される。以下では、このような音声UI装置40への音声入力に基づく機器30の制御は、音声制御とも記載される。
【0045】
また、ユーザは、携帯端末70に手動入力を行うことで機器30を制御することができる。携帯端末70は、表示部71によって手動入力が受け付けられると、手動入力に応じた制御依頼情報を、広域通信ネットワーク100を介して遠隔制御用サーバ80へ送信する。遠隔制御用サーバ80は制御依頼情報に応じた制御命令を生成し、生成した制御命令を、広域通信ネットワーク100を介して制御端末20へ送信する。制御端末20の制御部26は、通信部22によって制御命令が受信されると、制御命令に応じた制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信する。これにより、機器30が制御される。以下では、このような携帯端末70への手動入力に基づく機器30の制御は、遠隔制御とも記載される。
【0046】
[シーン制御]
また、制御システム10のユーザは、シーン制御(定型アクションなどと呼ばれる場合もある)を実行することができる。シーン制御は、施設90内を所定の室内環境に近づけるために、施設90内に配置された1つまたは複数の機器30を一括して動作させる制御である。
図2は、シーン制御を実行するための設定情報の一例を示す図である。
【0047】
シーン制御の設定情報においては、帰宅、起床、外出、及び、就寝などの生活シーン(シーン名称)のそれぞれに対して、機器30の制御内容が紐づけられている。例えば、ユーザが制御端末20の表示部21に対して「帰宅」のシーン制御の実行を指示する手動入力を行うと、制御端末20の制御部26は、記憶部24に記憶された設定情報を参照して機器30を制御する。この結果、空調機器31及び照明機器32があらかじめ登録された設定(明るさ、設定温度など)でオンし、電気錠33が施錠され、電動ブラインド34のスラットが設定された角度まで開く。「帰宅」のシーン制御の実行が指示されたときに、どのような機器30がどのような動作を行うかは、ユーザが設定することができる。なお、このときの情報の伝達経路は、上記ローカル制御と同様であり、制御端末20への手動入力に基づく機器30のシーン制御は、ローカルシーン制御とも記載される。
【0048】
また、ユーザは、音声UI装置40に対して「帰宅シーンにして」と発話することでも「帰宅」のシーン制御を実行することができる。このときの情報の伝達経路は、上記音声制御と同様であり、音声UI装置40への音声入力に基づくシーン制御は、音声シーン制御とも記載される。
【0049】
音声シーン制御の内容には制約がある。例えば、ローカルシーン制御においては電動ブラインド34の角度の指定が可能であるが、音声シーン制御においては、電動ブラインド34の角度を指定することができず、開閉のみが可能である。つまり、音声シーン制御において、ローカルシーン制御の設定情報をそのまま使用することはできない。
【0050】
そこで、一般的には、音声シーン制御を実行するための設定情報は、ローカルシーン制御を実行するための設定情報(
図2)とは別に、音声制御用サーバ60の第一記憶部63にあらかじめ記憶される。なお、音声シーン制御を実行するための設定情報を設定(第一記憶部63に記憶)するときには、ユーザは携帯端末70へ手動入力を行う。
【0051】
また、ユーザは、携帯端末70へ手動入力を行うことにより、「帰宅」のシーン制御を実行することもできる。このときの情報の伝達経路は、上記遠隔制御と同様であり、携帯端末70への手動入力に基づくシーン制御は、遠隔シーン制御とも記載される。
【0052】
遠隔シーン制御は、施設90外からの機器30の制御を想定したものであることから、制御の内容に制約がある。例えば、遠隔シーン制御においては、電気錠33は、セキュリティの観点からシーン制御の対象外とされる。また、遠隔シーン制御においては、機器30の詳細動作は対象外とされる場合がある。つまり、遠隔シーン制御において、ローカルシーン制御の設定情報、及び、音声シーン制御の設定情報をそのまま使用することはできない。
【0053】
そこで、一般的には、遠隔シーン制御を実行するための設定情報は、ローカルシーン制御を実行するための設定情報、及び、音声シーン制御を実行するための設定情報とは別に、遠隔制御用サーバ80の第二記憶部83にあらかじめ記憶される。なお、遠隔シーン制御の設定情報を設定(第二記憶部83に記憶)するときには、ユーザは携帯端末70へ手動入力を行う。
【0054】
このように、一般的には、同じ「帰宅」のシーン制御に関して、ユーザは、制御端末20、音声制御用サーバ60、及び、遠隔制御用サーバ80にそれぞれに個別に設定を行う必要がある。これに対し、制御システム10では、シーン制御の設定情報を共通化することでユーザの負担を軽減することができる。
【0055】
[動作例1]
以下、シーン制御の設定情報が共通化される場合の動作例1について説明する。まず、動作例1に係る、シーン制御の内容の設定動作について説明する。
図3は、動作例1に係るシーン制御の内容の設定動作のフローチャートである。
【0056】
制御端末20の表示制御部27は、シーン制御の設定画面を表示部21に表示する(S11)。なお、設定画面には、ローカルシーン制御、音声シーン制御、及び、遠隔シーン制御のそれぞれで制御の対象とされる機器30を示す表示画面が含まれてもよい。
図4は、制御の対象となる機器の表示画面の一例を示す図である。
図4の例では、制御の対象となる機器30がアイコンで表示されている。このような表示画面は、シーン制御の内容の一部のみが実行されるときの、制御の対象となる機器30、及び、制御の対象から除外される機器30を示す画像の一例である。
【0057】
設定画面が表示されているときに、ユーザは、制御端末20の表示部21にシーン制御の設定を意図した手動入力を行う。表示部21はこのような手動入力を受け付ける(S12)。設定部25は、ステップS12において受け付けられた手動入力に応じてシーン制御の内容を設定する(S13)。設定部25は、具体的には、ステップS12において受け付けられた手動入力に応じて
図2に示されるような設定情報を生成し、生成した設定情報を記憶部24に記憶する。
【0058】
次に、動作例1に係るローカルシーン制御について説明する。
図5は、動作例1に係るローカルシーン制御のフローチャートである。
【0059】
上記のように設定情報が制御端末20の記憶部24に記憶された後、ユーザは、表示部21にシーン制御の実行を意図した手動入力を行う。表示部21はこのような手動入力(シーン制御の実行指示の一例)を受け付ける(S14)。制御部26は、記憶部24に記憶された設定情報を参照することにより、ステップS14において受け付けられた手動入力が示すシーン制御の内容を特定し(S15)、特定したシーン制御の内容の全部を実行する(S16)。制御部26は、具体的には、制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信することでシーン制御の内容の全てを実行する。
【0060】
次に、動作例1に係る音声シーン制御について説明する。
図6は、動作例1に係る音声シーン制御のシーケンス図である。
【0061】
上記のように設定情報が制御端末20の記憶部24に記憶された後、ユーザがシーン制御の実行を意図した音声(例えば、帰宅シーンにして、など)を発すると、音声UI装置40のマイクロフォン41は、この発話音声を取得する。言い換えれば、マイクロフォン41は、シーン制御の音声入力(シーン制御の実行指示の一例)を受け付ける(S21)。音声UI装置40は、取得した発話音声の音声信号を音声認識サーバ50へ送信する(S22)。
【0062】
音声認識サーバ50は音声信号を受信すると、受信した音声信号(つまり、発話音声)に対して音声認識処理を行う(S23)。音声認識サーバ50は、具体的には、受信した音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報を音声制御用サーバ60に送信する(S24)。
【0063】
音声制御用サーバ60の第一通信部61は、音声認識サーバ50からテキスト情報を受信する。なお、音声認識サーバ50はテキスト情報をコマンド情報(後述の制御命令に類似する情報)に変換し、音声制御用サーバ60は、音声認識サーバ50からコマンド情報を取得してもよい。
【0064】
第一制御部65は、受信されたテキスト情報に基づいてユーザが意図するシーンを特定し(S25)、特定したシーンを示すシーン情報、及び、実行指示を受け付けた情報端末が音声UI装置40であることを示す端末情報を含む制御命令を制御端末20へ送信する(S26)。制御命令の送信には、第一通信部61が用いられる。端末情報は、実行指示を受け付けた情報端末の種類を示す情報である。
【0065】
制御端末20の通信部22は、音声制御用サーバ60から制御命令(シーン情報、及び、端末情報)を受信する。制御部26は、記憶部24に記憶された設定情報を参照することにより、ステップS26において受信されたシーン情報が示すシーン制御の内容を特定する(S27)。また、制御部26は、特定したシーン制御の内容を、ステップS26において受信された端末情報に応じて絞り込む(S28)。
図7は、実行指示を受け付けた情報端末が音声UI装置40であるときに、シーン制御の内容をどのように絞り込むかの一例を示す図である。
図7の例では、空調機器31、照明機器32、及び、電気錠33の制御の内容は維持されるが、電動ブラインド34の制御の内容は、基本動作のみに絞り込まれる。
【0066】
そして、制御部26は、絞り込んだシーン制御の内容(つまりシーン制御の内容の一部)を実行する(S29)。制御部26は、具体的には、制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信することでシーン制御の内容の一部を実行する。
【0067】
次に、動作例1に係る遠隔シーン制御について説明する。
図8は、動作例1に係る遠隔シーン制御のシーケンス図である。
【0068】
上記のように設定情報が制御端末20の記憶部24に記憶された後、ユーザは、携帯端末70の表示部71にシーン制御の設定を意図した手動入力を行う。表示部71はこのような手動入力(シーン制御の実行指示の一例)を受け付ける(S31)。携帯端末70は、ステップS31において受け付けられた手動入力が示すシーン制御の実行を依頼する制御依頼情報を遠隔制御用サーバ80へ送信する(S32)。
【0069】
遠隔制御用サーバ80の第二通信部81は、制御依頼情報を受信する。第二制御部85は、受信された制御依頼情報に基づいてユーザが意図するシーンを特定し(S33)、特定したシーンを示すシーン情報、及び、実行指示を受け付けた情報端末が携帯端末70であることを示す端末情報を含む制御命令を制御端末20へ送信する(S34)。制御命令の送信には、第二通信部81が用いられる。
【0070】
制御端末20の通信部22は、遠隔制御用サーバ80から制御命令(シーン情報、及び、端末情報)を受信する。制御部26は、記憶部24に記憶された設定情報を参照することにより、ステップS34において受信されたシーン情報が示すシーン制御の内容を特定する(S35)。また、制御部26は、特定したシーン制御の内容を、ステップS34において受信された端末情報に応じて絞り込む(S36)。
図9は、実行指示を受け付けた情報端末が携帯端末70であるときに、シーン制御の内容をどのように絞り込むかの一例を示す図である。
図9の例では、空調機器31、照明機器32、及び、電動ブラインド34の制御の内容は、いずれも基本動作のみに絞り込まれる。また電気錠33の制御は除外される。
【0071】
そして、制御部26は、絞り込んだシーン制御の内容(つまりシーン制御の内容の一部のみが実行されること)を通知する(S37)。制御部26は、具体的には、通知情報を遠隔制御用サーバ80へ送信し、遠隔制御用サーバ80は、通知情報を携帯端末70へ送信する。この結果、携帯端末70の表示部71には、
図10のような通知画面が表示される(S38)。
図10は、通知画面の一例を示す図である。
【0072】
図10の通知画面が表示されているときにユーザがシーン制御の実行を承認するための承認操作を行うと、表示部71はシーン制御の実行の承認を意図した手動入力を受け付ける(S39)。携帯端末70は、承認情報を遠隔制御用サーバ80へ送信し、遠隔制御用サーバ80は承認情報を制御端末20へ送信する(S40)。
【0073】
制御端末20の通信部22は、承認情報を受信する。制御部26は、通信部22によって承認情報が受信されたことを契機に、絞り込んだシーン制御の内容(つまりシーン制御の内容の一部)を実行する(S41)。制御部26は、具体的には、制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信することでシーン制御の内容の一部を実行する。制御部26は、通知情報を送信してから一定期間の間に承認情報が受信されなかった場合には、シーン制御を実行しない。
【0074】
なお、ステップS36~ステップS39の処理(通知及び承認)は省略されてもよい。また、制御部26は、シーン制御の内容の一部を実行した後に、シーン制御の内容の一部のみが実行されたことを通知してもよい。
【0075】
以上説明したように、動作例1では、設定情報は、制御端末20にのみ記憶され、制御端末20の制御部26は、実行指示を受け付けた情報端末の種類に応じて、設定情報が示すシーン制御の内容の全部を実行するか、一部のみを実行するかを判定する。制御システム10のユーザは、制御端末20にのみシーン制御の内容の設定を行えばよく、音声制御用サーバ60及び遠隔制御用サーバ80にシーン制御の設定を行わなくてよい利点がある。
【0076】
なお、動作例1では、シーン制御の内容の設定を意図した手動入力は、制御端末20によって受け付けられたが、携帯端末70によって受け付けられてもよい。この場合、設定情報は音声制御用サーバ60または遠隔制御用サーバ80経由で制御端末20へ送信され、記憶部24に記憶される。
【0077】
[動作例2]
以下、シーン制御の設定情報が共通化される場合の動作例2について説明する。まず、動作例2に係るシーン制御の内容の設定動作について説明する。
図11は、動作例2に係るシーン制御の内容の設定動作のシーケンス図である。
【0078】
制御端末20の表示制御部27は、シーン制御の設定画面を表示部21に表示する(S51)。設定画面が表示されているときに、ユーザは、制御端末20の表示部21にシーン制御の設定を意図した手動入力(第一手動入力の一例)を行う。表示部21はこのような手動入力を受け付ける(S52)。設定部25は、ステップS52において受け付けられた手動入力に応じてシーン制御の内容を設定する(S53)。設定部25は、具体的には、ステップS12において受け付けられた手動入力に応じて
図2に示されるような設定情報を生成し、生成した設定情報を記憶部24に記憶する。ステップS51~ステップS53の処理は、ステップS11~ステップS13の処理と同様である。
【0079】
ステップS53の後、設定部25は、ステップS53において生成した設定情報を、音声制御用サーバ60及び遠隔制御用サーバ80のそれぞれへ送信する(S54)。上述のように、音声制御用サーバ60は、音声UI装置40が音声入力を受け付けたときに使用されるサーバ装置であり、遠隔制御用サーバ80は、携帯端末70が手動入力を受け付けられたときに使用されるサーバ装置である。
【0080】
音声制御用サーバ60の第一通信部61は、設定情報を受信する。第一設定部64は、受信された設定情報の絞り込みを行う(S55)。第一設定部64は、具体的には、受信された設定情報の中から音声シーン制御で実行する部分だけを抽出する。第一設定部64は、抽出した設定情報を、音声シーン制御用の設定情報として第一記憶部63に記憶する(S56)。
図12は、音声シーン制御用の設定情報の一例を示す図であり、元の設定情報(
図2)から内容が絞り込まれている。
【0081】
また、遠隔制御用サーバ80の第二通信部81は、設定情報を受信する。第二設定部84は、受信された設定情報の絞り込みを行う(S57)。第二設定部84は、具体的には、受信された設定情報の中から遠隔シーン制御で実行する部分だけを抽出する。第二設定部84は、抽出した設定情報を、遠隔シーン制御用の設定情報として第二記憶部83に記憶する(S58)。
図13は、遠隔シーン制御用の設定情報の一例を示す図であり、元の設定情報(
図2)から内容が絞り込まれている。
【0082】
以上のように、動作例2では、制御端末20、音声制御用サーバ60、及び、遠隔制御用サーバ80のそれぞれに内容の異なる設定情報が記憶される。設定情報の配信(ステップS54~ステップS56の処理)は、制御端末20の記憶部24に設定情報が記憶されたことを契機に自動的に行われる。
【0083】
なお、設定情報の配信は、ユーザの手動入力によって行われてもよい。この場合の手動入力は、設定情報を音声制御用サーバ60及び遠隔制御用サーバ80へ送信する(設定情報を共有する)ことを承諾する意図の第二手動入力である。第二手動入力は、所定のアイコンへのワンタッチ操作などの簡単なものである。
【0084】
次に、動作例2に係るローカルシーン制御、音声シーン制御、及び、遠隔シーン制御について説明する。動作例2に係るローカルシーン制御は、動作例1に係るローカルシーン制御と同様であるため説明が省略される。
【0085】
次に、動作例2に係る音声シーン制御について説明する。
図14は、動作例2に係る音声シーン制御のシーケンス図である。
【0086】
上記のように設定情報が音声制御用サーバ60の第一記憶部63に記憶された後、マイクロフォン41は、シーン制御の実行を意図した音声入力を受け付ける(S61)。音声UI装置40は、取得した発話音声の音声信号を音声認識サーバ50へ送信する(S62)。音声認識サーバ50は受信した音声信号に対して音声認識処理を行い(S63)、テキスト情報を音声制御用サーバ60に送信する(S64)。ステップS61~ステップS64の処理は、ステップS21~ステップS24と同様である。
【0087】
音声制御用サーバ60の第一通信部61は、音声認識サーバ50からテキスト情報を受信する。第一制御部65は、受信されたテキスト情報によって定まるシーン制御の内容を、第一記憶部63に記憶された設定情報を参照することにより特定する(S65)。そして、第一制御部65は、特定したシーン制御の内容(対象の機器30の具体的な制御内容)を示す制御命令を制御端末20へ送信する(S66)。制御命令の送信には、第一通信部61が用いられる。
【0088】
制御端末20の通信部22は、音声制御用サーバ60から制御命令を受信する。制御部26は、受信された制御命令が示すシーン制御の内容(つまり大元のシーン制御の内容の一部)を実行する(S67)。制御部26は、具体的には、制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信することでシーン制御を実行する。
【0089】
次に、動作例2に係る遠隔シーン制御について説明する。
図15は、動作例2に係る遠隔シーン制御のシーケンス図である。
【0090】
上記のように設定情報が遠隔制御用サーバ80の第二記憶部83に記憶された後、携帯端末70の表示部71はシーン制御の実行を意図した手動入力を受け付ける(S71)。携帯端末70は、ステップS71において受け付けられた手動入力が示すシーン制御の実行を依頼する制御依頼情報を遠隔制御用サーバ80へ送信する(S72)。ステップS71~ステップS72の処理は、ステップS31~ステップS32と同様である。
【0091】
遠隔制御用サーバ80の第二通信部81は、制御依頼情報を受信する。第二制御部85は、受信された制御依頼情報によって定まるシーン制御の内容を、第二記憶部83に記憶された設定情報を参照することにより特定する(S73)。
【0092】
また、第二制御部85は、特定されたシーン制御の内容(つまり大元のシーン制御の内容の一部のみが実行されること)を通知する(S74)。第二制御部85は、具体的には、通知情報を携帯端末70へ送信する。この結果、携帯端末70の表示部71には、
図10のような通知画面が表示される(S75)。
【0093】
図10の通知画面が表示されているときにユーザがシーン制御の実行を承認するための承認操作を行うと、表示部71はシーン制御の実行の承認を意図した手動入力を受け付ける(S76)。携帯端末70は、承認情報を遠隔制御用サーバ80へ送信し(S77)、遠隔制御用サーバ80の第二通信部81は承認情報を受信する。
【0094】
第二制御部85は、承認情報が受信されたことを契機に、ステップS73において特定したシーン制御の内容(対象の機器30の具体的な制御内容)を示す制御命令を制御端末20へ送信する(S78)。制御命令の送信には、第二通信部81が用いられる。第二制御部85は、通知情報を送信してから一定期間の間に承認情報が受信されなかった場合には、制御命令を送信しない。
【0095】
制御端末20の通信部22は、遠隔制御用サーバ80から制御命令を受信する。制御部26は、受信された制御命令が示すシーン制御の内容(つまり大元のシーン制御の内容の一部)を実行する(S79)。制御部26は、具体的には、制御信号を、局所通信ネットワークを介して機器30へ送信することでシーン制御を実行する。
【0096】
なお、ステップS74~ステップS77の処理(通知及び承認)は省略されてもよい。また、第二制御部85は、制御命令を送信した後に、シーン制御の内容の一部のみが実行されたことを通知してもよい。
【0097】
以上説明したように、動作例2では、制御端末20に記憶された設定情報が、音声制御用サーバ60及び遠隔制御用サーバ80に配信され、制御端末20、音声制御用サーバ60及び遠隔制御用サーバ80の間で設定情報が共有される。制御システム10のユーザは、制御端末20にのみシーン制御の内容の設定を行えば、自動的または簡易な手動入力によって設定情報が共有される。つまり、ユーザは、音声制御用サーバ60及び遠隔制御用サーバ80にシーン制御の設定を行わなくてよい利点がある。
【0098】
なお、上記動作例2では、制御端末20にシーン制御の設定が行われ、設定情報は制御端末20から音声制御用サーバ60及び遠隔制御用サーバ80に配信された、しかしながら、携帯端末70を介して音声制御用サーバ60にシーン制御の設定が行われ、設定情報は音声制御用サーバ60から制御端末20及び遠隔制御用サーバ80に配信されてもよい。また、携帯端末70を介して遠隔制御用サーバ80にシーン制御の設定が行われ、設定情報は遠隔制御用サーバ80から制御端末20及び音声制御用サーバ60に配信されてもよい。
【0099】
[動作例3]
動作例1及び2では、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類に応じて、シーン制御の内容の一部のみ、または、全部を実行する例について説明されたが、制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末(具体的には、携帯端末70)の現在位置に応じて、シーン制御の内容の一部のみ、または、全部を実行してもよい。
図16及び
図17は、動作例3に係るシーン制御のシーケンス図である。
図16は、携帯端末70が施設90内に位置する場合のシーケンス図であり、
図17は、携帯端末70が施設90外に位置する場合のシーケンス図である。
【0100】
まず、
図16を参照しながら、携帯端末70が施設90内に位置する場合の制御システム10の動作について説明する。
【0101】
動作例1と同様に制御端末20の記憶部24に設定情報が記憶された後、携帯端末70の表示部71はシーン制御の実行を意図した手動入力を受け付ける(S81)。携帯端末70は、ステップS81において受け付けられた手動入力が示すシーン制御の実行を依頼する制御依頼情報を遠隔制御用サーバ80へ送信する(S82)。ここで、制御依頼情報には、携帯端末70の現在位置を示す位置情報が含まれる。位置情報は、携帯端末70が備える位置取得部72によって出力される。
【0102】
遠隔制御用サーバ80の第二通信部81は、制御依頼情報を受信する。第二制御部85は、受信された制御依頼情報に基づいてユーザが意図するシーンを特定する(S83)。また、第二制御部85は、制御依頼情報に含まれる位置情報に基づいて携帯端末70が施設90内に位置すると判定する(S84a)。なお、このときの判定基準(施設90の座標)は、あらかじめ遠隔制御用サーバ80の第二記憶部83に記憶されている。
【0103】
次に、第二制御部85は、特定したシーンを示すシーン情報、及び、携帯端末70が施設90内に位置することを示す判定結果情報を含む制御命令を制御端末20へ送信する(S85a)。制御命令の送信には、第二通信部81が用いられる。
【0104】
制御端末20の通信部22は、遠隔制御用サーバ80から制御命令(シーン情報、及び、判定結果情報)を受信する。制御部26は、受信された判定結果情報が携帯端末70が施設90内に位置することを示していることから、ステップS85aにおいて受信されたシーン情報が示すシーン制御の内容の全部を実行する(S86a)。
【0105】
次に、
図17を参照しながら、携帯端末70が施設90外に位置する場合の制御システム10の動作について説明する。ステップS81~ステップS83の処理は、
図16と同様である。
【0106】
ステップS83の後、第二制御部85は、制御依頼情報に含まれる位置情報に基づいて携帯端末70が施設90外に位置すると判定する(S84b)。
【0107】
次に、第二制御部85は、特定したシーンを示すシーン情報、及び、携帯端末70が施設90外に位置することを示す判定結果情報を含む制御命令を制御端末20へ送信する(S85b)。制御命令の送信には、第二通信部81が用いられる。
【0108】
制御端末20の通信部22は、遠隔制御用サーバ80から制御命令(シーン情報、及び、判定結果情報)を受信する。制御部26は、受信された判定結果情報が携帯端末70が施設90外に位置することを示していることから、シーン制御の内容を絞り込み(例えば、
図9のように絞り込み)、ステップS85bにおいて受信されたシーン情報が示すシーン制御の内容の一部を実行する(S86b)。
【0109】
このように、制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける携帯端末70の現在位置に応じて、シーン制御の内容の一部のみ、または、全部を実行することができる。動作例1及び2では、携帯端末70への実行指示は、施設90外から機器30の制御指示とみなされ、シーン制御の内容の一部のみが実行された。これに対し、動作例3によれば、携帯端末70の現在位置に応じて適応的にシーン制御が実行される。
【0110】
なお、動作例3において、携帯端末70が施設90内に位置するか否かの判定は遠隔制御用サーバ80によって行われたが、制御端末20によって行われてもよい。また、
図17のステップS84bとステップS85bとの間には、ステップS74~ステップS76と同様の処理(通知及び承認)が行われてもよい。また、動作例3においても、制御部26は、シーン制御の内容の一部を実行した後に、シーン制御の内容の一部のみが実行されたことを通知してもよい。
【0111】
[動作例4]
動作例3においては、携帯端末70が施設90内に位置するか否かの判定に、位置取得部72によって出力される位置情報が用いられたが、上記判定は、他の方法で行うこともできる。
図18及び
図19は、このような動作例4に係るシーン制御のシーケンス図である。
図18は、携帯端末70が施設90内に位置する場合のシーケンス図であり、
図19は、携帯端末70が施設90外に位置する場合のシーケンス図である。
【0112】
まず、
図18を参照しながら、携帯端末70が施設90内に位置する場合の制御システム10の動作について説明する。
【0113】
動作例1と同様に制御端末20の記憶部24に設定情報が記憶された後、携帯端末70の表示部71はシーン制御の実行を意図した手動入力を受け付ける(S91)。携帯端末70は、ステップS91において受け付けられた手動入力が示すシーン制御の実行を依頼する制御依頼情報を遠隔制御用サーバ80へ送信する(S92)。ここで、制御依頼情報には、携帯端末70の現在位置を示す位置情報は含まれない。
【0114】
遠隔制御用サーバ80の第二通信部81は、制御依頼情報を受信する。第二制御部85は、受信された制御依頼情報に基づいてユーザが意図するシーンを特定する(S93)。
【0115】
次に、第二制御部85は、特定したシーンを示すシーン情報を含む制御命令を制御端末20へ送信する(S94)。制御命令の送信には、第二通信部81が用いられる。
【0116】
制御端末20の通信部22は、遠隔制御用サーバ80から制御命令(シーン情報)を受信する。制御部26は、携帯端末70が無線通信機器35に通信接続されているか否かを判定する。携帯端末70が無線通信機器35に通信接続されている場合、携帯端末70が施設90の近傍(施設90内)に位置すると考えられる。そこで、制御部26は、携帯端末70が無線通信機器35に通信接続されていると判定すると(S95a)、ステップS94において受信されたシーン情報が示すシーン制御の内容の全部を実行する(S96a)。
【0117】
次に、
図19を参照しながら、携帯端末70が施設90外に位置する場合の制御システム10の動作について説明する。ステップS91~ステップS94の処理は、
図18と同様である。
【0118】
ステップS94の後、制御部26は、携帯端末70が無線通信機器35に通信接続されているか否かを判定する。携帯端末70が無線通信機器35に通信接続されていない場合、携帯端末70が施設90の遠方(施設90外)に位置すると考えられる。そこで、制御部26は、携帯端末70が無線通信機器35に通信接続されていないと判定すると(S95b)、シーン制御の内容を絞り込み(例えば、
図9のように絞り込み)、ステップS94において受信されたシーン情報が示すシーン制御の内容の一部を実行する(S96b)。
【0119】
このように、制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける携帯端末70が施設90内に設置された無線通信機器35に通信接続されているか否かを、携帯端末70が施設90内に位置するか否かとみなすことができる。これにより、制御システム10は、携帯端末70の現在位置に応じて適応的にシーン制御を実行することができる。
【0120】
なお、動作例4において、
図19のステップS95bとステップS96bとの間には、ステップS37~ステップS40と同様の処理(通知及び承認)が行われてもよい。また、動作例4においても、制御部26は、シーン制御の内容の一部を実行した後に、シーン制御の内容の一部のみが実行されたことを通知してもよい。
【0121】
[変形例]
ユーザは、音声制御用サーバ60の利用を開始するときに、ユーザは、携帯端末70へ手動入力を行うことによりユーザ登録を行い、音声制御用サーバ60の利用規約に同意する必要がある。利用規約への同意を得るときに、ユーザに音声シーン制御では機能が制限されることの同意を得てもよい。
図20は、音声シーン制御において機能が制限されることの同意を得るための表示画面の一例を示す図である。
【0122】
なお、遠隔制御用サーバ80を利用開始するときにも携帯端末70へ手動入力を行うことによりユーザ登録を行い、遠隔制御用サーバ80の利用規約に同意する必要がある場合もある。この場合も利用規約への同意を得るときに、ユーザに遠隔シーン制御では機能が制限されることの同意を得てもよい。
【0123】
[効果等]
以上説明したように、制御システム10は、施設90に設置された機器30を対象としたシーン制御の内容を設定する設定部25と、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類または情報端末の現在位置に応じて、設定部25によって設定されたシーン制御の内容の一部のみ、または、全部を実行する制御部26とを備える。
【0124】
このような制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類または情報端末の現在位置に応じて、シーン制御の内容を適応的に変更することができる。つまり、制御システム10は、機器30の制御の内容を適応的に変更することができる。
【0125】
また、動作例1及び2では、制御部26は、情報端末の種類に応じて、設定部25によって設定されたシーン制御の内容の一部のみまたは全部を実行する。情報端末が第一情報端末である場合、シーン制御の内容の全部を実行し、情報端末が第二情報端末である場合、シーン制御の内容の一部のみを実行する。
【0126】
このような制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類に応じて、シーン制御の内容を適応的に変更することができる。
【0127】
また、例えば、第一情報端末は、施設90内に設置された情報端末(例えば、制御端末20)であり、第二情報端末は、携帯型の情報端末(例えば、携帯端末70)である。
【0128】
このような制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末が施設90内に設置された情報端末であるか、携帯端末であるかに応じて、シーン制御の内容を適応的に変更することができる。
【0129】
また、例えば、第一情報端末は、実行指示として、ユーザの手動入力を受け付ける情報端末(例えば、携帯端末70)であり、第二情報端末は、実行指示として、ユーザの音声入力を受け付ける情報端末(例えば、音声UI装置40)である。
【0130】
このような制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末が手動入力を受け付ける情報端末であるか、音声入力を受け付ける情報端末であるかに応じて、シーン制御の内容を適応的に変更することができる。
【0131】
また、動作例3及び4では、制御部26は、情報端末(例えば、携帯端末70)の現在位置に応じて、設定部25によって設定されたシーン制御の内容の一部のみまたは全部を実行し、情報端末が施設90内に位置する場合、シーン制御の内容の全部を実行し、情報端末が施設90外に位置する場合、シーン制御の内容の一部のみを実行する。
【0132】
このような制御システム10は、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類に応じて、シーン制御の内容を適応的に変更することができる。
【0133】
また、例えば、制御部26(または第二制御部85)は、シーン制御の内容の一部のみを実行する場合、実行前にシーン制御の内容の一部のみが実行されることを通知する。
【0134】
このような制御システム10は、シーン制御の内容の一部のみが実行されることを通知することができる。
【0135】
また、例えば、制御システム10は、シーン制御の内容の一部のみが実行されるときに制御の対象となる機器30を示す画像を表示する表示制御部27をさらに備える。
【0136】
このような制御システム10は、制御の対象となる機器30を示す画像を表示することができる。
【0137】
また、例えば、設定部25は、第一情報端末(例えば、制御端末20)へのユーザの第一手動入力に基づいてシーン制御の内容を示す設定情報を生成し、生成した設定情報を、第二情報端末(例えば、音声UI装置40または携帯端末70)が実行指示を受け付けたときに使用されるサーバ装置(例えば、音声制御用サーバ60または遠隔制御用サーバ80)へ送信する。
【0138】
このような制御システム10は、設定情報を第一情報端末及びサーバ装置の間で共有することができる。
【0139】
また、例えば、設定部25は、第一情報端末へのユーザの第一手動入力に基づいてシーン制御の内容を示す設定情報を生成し、生成した設定情報を、ユーザの第二手動入力に基づいてサーバ装置へ送信する。
【0140】
このような制御システム10は、ユーザの手動入力に基づいて、設定情報を第一情報端末及びサーバ装置の間で共有することができる。
【0141】
また、例えば、設定部25、及び、制御部26は、施設90内に設置される制御端末20によって備えられる。
【0142】
このような制御システム10は、施設90内に設置される制御端末20として実現することができる。
【0143】
また、制御システム10などのコンピュータが実行する制御方法は、施設90に設置された機器30を対象としたシーン制御の内容を設定する設定ステップと、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類または情報端末の現在位置に応じて、設定ステップにおいて設定されたシーン制御の内容の一部のみ、または、全部を実行する制御ステップとを含む。
【0144】
このような制御方法は、シーン制御の実行指示を受け付ける情報端末の種類または情報端末の現在位置に応じて、シーン制御の内容を適応的に変更することができる。つまり、制御方法は、機器30の制御の内容を適応的に変更することができる。
【0145】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0146】
例えば、上記実施の形態では、制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置によって実現されてもよい。例えば、制御システムは、上記実施の形態の制御端末に、音声制御用サーバ、または、遠隔制御用サーバに相当する単一の装置として実現されてもよい。制御システムが複数の装置によって実現される場合、制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0147】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。また、上記実施の形態で説明された情報の伝達経路は、シーケンス図に示される伝達経路に限定されない。
【0148】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、制御端末が備える設定部が実行する処理を、音声制御用サーバが備える第一設定部または遠隔制御用サーバが備える第二設定部が実行してもよい。また、制御端末が備える制御部が実行する処理を、音声制御用サーバが備える第一制御部または遠隔制御用サーバが備える第二制御部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0149】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0150】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0151】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0152】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る制御端末またはサーバ装置(音声制御用サーバまたは遠隔制御用サーバ)として実現されてもよいし、制御端末またはサーバ装置に相当する制御システムとして実現されてもよい。また、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0153】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0154】
10 制御システム
20 制御端末
25 設定部
26 制御部
27 表示制御部
30 機器
60 音声制御用サーバ(サーバ装置)
80 遠隔制御用サーバ(サーバ装置)
90 施設