IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ショーケース 図1
  • 特許-ショーケース 図2
  • 特許-ショーケース 図3
  • 特許-ショーケース 図4
  • 特許-ショーケース 図5
  • 特許-ショーケース 図6
  • 特許-ショーケース 図7
  • 特許-ショーケース 図8
  • 特許-ショーケース 図9
  • 特許-ショーケース 図10
  • 特許-ショーケース 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20241018BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20241018BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47F3/04 Z
A47F3/04 H
F25D17/08 320H
F25D23/00 307
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022055055
(22)【出願日】2022-03-30
(65)【公開番号】P2023147516
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2024-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 邦広
(72)【発明者】
【氏名】志水 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山口 龍太郎
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-010903(JP,A)
【文献】特開2020-078486(JP,A)
【文献】特開2013-002664(JP,A)
【文献】特開平09-250861(JP,A)
【文献】特開2016-055794(JP,A)
【文献】特開2019-058453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/04
F25D 17/08
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口を有する陳列室と、前記陳列室の内側パネルの後方に設けられた冷気用ダクトと、前記陳列室に配置される棚板と、を備えてなるショーケースにおいて、
前記内側パネルに形成され前記冷気用ダクトに連通するダクト挿入口と、前記冷気用ダクトの内部の前記ダクト挿入口の近傍に配置され揺動自在なダンパと、前記棚板の下方に装着される中間ダクトと、を備え、
前記中間ダクトは、前記ダクト挿入口に挿入され前記ダンパを揺動させて前記冷気用ダクトを閉塞させるための挿入突起を備え、
前記挿入突起の前記ダクト挿入口への挿入状態を前記ダンパの揺動状態で検出する検出装置を備えている
ことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記検出装置により前記中間ダクトの挿入が不十分であることを検出した場合に、その旨を報知する報知装置を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記検出装置は、前記ダンパの揺動動作により移動される検出シャフトと、前記検出シャフトの移動により前記ダンパの揺動量を検出する検出センサとから構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項4】
前記ダンパは、複数設けられ、
前記検出シャフトは、複数の前記ダンパのいずれ1つの揺動動作により移動され、
前記検出センサは、1つ設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のショーケース。
【請求項5】
前記検出装置は、前記内側パネルと背面パネルとの間に設置されている
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースに係り、特に、陳列室内に商品を陳列するショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、断面略コ字状の断熱壁内を仕切板にて仕切ることにより、冷気用ダクトと前面が開口する陳列室とを形成し、陳列室には商品を陳列する棚を架設するとともに、ダクト内には蒸発器を配置し、この蒸発器により冷却された冷気を前面開口上縁の冷気吐出口から吐出し、前面開口下縁の冷気吸込口から吸い込むことで、開口に冷気によるエアカーテンを形成するオープンショーケースを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-161345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、本開示は、中間ダクトが正しく挿入されたか否かを検出することができ、適正に中間ダクトによる2温度設定を行うことのできるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本開示のショーケースは、前面開口を有する陳列室と、前記陳列室の内側パネルの後方に設けられた冷気用ダクトと、前記陳列室に配置される棚板と、を備えてなるショーケースにおいて、前記内側パネルに形成され前記冷気用ダクトに連通するダクト挿入口と、前記冷気用ダクトの内部の前記ダクト挿入口の近傍に配置され揺動自在なダンパと、前記棚板の下方に装着される中間ダクトと、を備え、前記中間ダクトは、前記ダクト挿入口に挿入され前記ダンパを揺動させて前記冷気用ダクトを閉塞させるための挿入突起を備え、前記挿入突起の前記ダクト挿入口への挿入状態を前記ダンパの揺動状態で検出する検出装置を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、検出装置により、中間ダクトが適正に挿入されたか否かを判断することができる。そのため、中間ダクトの挿入が不十分な状態で、ショーケースの冷却を行うことを抑制することができ、本来常温部とされる領域に冷気が送られてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ショーケースの実施形態を示す側面断面図
図2】実施の形態1のショーケースの棚板部分を示す斜視図
図3】実施の形態1における棚板および中間ダクトを示す側面図
図4】実施の形態1における棚板および中間ダクトを示す一部の正面図
図5】実施の形態1の中間ダクトをダクト挿入口に挿入した状態を示す断面図
図6】実施の形態1の中間ダクトをダクト挿入口に挿入途中の状態を示す断面図
図7】実施の形態1の検出装置部分を示す側面図
図8】実施の形態1の側板部分を内側から見た斜視図
図9】実施の形態1の検出用シャフトとダンパとの関係を示す説明図
図10】実施の形態1の検出用シャフトと検出センサとを示す側面図
図11】実施の形態1における制御構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、オープンショーケースにおいて、1台で2つの温度帯を設定することができるショーケースがある。この場合、弁当などを陳列する上段の常温部(20℃前後)と、チルド商品を陳列する下方の冷蔵部(5℃前後)とに設定される。
このようなショーケースでは、中間ダクトを棚板の下方に装着することで、差し込んだ中間ダクトがケース背面内の冷気用ダクトを仕切ることで、冷気が上段の常温部に流れないようにするとともに、中間ダクトにより、冷気用ダクトの冷気をケース前面まで導き、吹き出すことで、下段のエアカーテンを構成するようになっている。
【0009】
しかしながら、中間ダクトの位置を移動させて装着する際に、中間ダクトの差し込みが不十分となり、ケース背面の冷気用ダクトを完全に仕切ることが出来ず、常温部が冷え込んでしまうおそれがあるという課題を発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、中間ダクトが正しく挿入されたか否かを検出することができ、適正に中間ダクトによる2温度設定を行うことのできるショーケースを提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図面を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.ショーケースの構成]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るショーケースの実施の形態を示す側面断面図である。図2は本実施の形態のショーケースの棚板部分を示す斜視図である。図3は本実施の形態における棚板および中間ダクトを示す側面図である。図4は本実施の形態における棚板および中間ダクトを示す一部の正面図である。図5は、実施の形態の中間ダクトをダクト挿入口に挿入した状態を示す断面図である。図6は、実施の形態の中間ダクトをダクト挿入口に挿入途中の状態を示す断面図である。
本実施形態のショーケース1は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗内に据え付けられる。
【0012】
図1に示すように、ショーケース1は、前面が開口し上面、背面および下面を覆う断面形状略コ字状の断熱壁10を備えている。断熱壁10の内側には、断熱壁10に対して所定の間隙を有するように内側パネル11が設けられている。
内側パネル11の下端には、前方に向かって延在するデッキパン12が取り付けられており、これら内側パネル11およびデッキパン12の内側は、前面開口13を有する陳列室14とされている。
内側パネル11およびデッキパン12と断熱壁10との間の空間は、冷気用ダクト15とされている。
【0013】
ショーケース1の下部には、機械室16が設けられている。内側パネル11の背面側における冷気用ダクト15の内部には、冷却装置の蒸発器(図示せず)および冷気用送風機63(図11参照)が設置されている。
また、機械室16の内部には、圧縮機61、凝縮器(図示せず)、膨張機構62(図11参照)が収容されており、圧縮機61、凝縮器、膨張機構62および蒸発器により、冷凍サイクル回路が構成されている。
なお、機械室を設けず、室外に冷凍機を設置し、この冷凍機に圧縮機61、凝縮器、膨張機構62を設置するようにしてもよい。
【0014】
また、図2に示すように、陳列室14の内部であって陳列室14の背面側に位置する内側パネル11の前面両側には、それぞれ支柱17が設けられている。支柱17には、複数の係合孔18が上下方向に所定間隔をもって形成されている。
【0015】
また、内側パネル11の上部前端部分には、キャノピー20が前面開口13の全幅にわたって取り付けられており、キャノピー20の内側には、陳列室14の内部を照明する照明灯21が取付けられている。
また、キャノピー20の前端であって照明灯21より後方側には、冷気用ダクト15に連通し、冷気用ダクト15の内部の冷気を陳列室14に吹き出す冷気吐出口22が形成されている。また、デッキパン12の前端部には、冷気用ダクト15に連通する冷気吸込口23が形成されている。
【0016】
図2に示すように、内側パネル11の略中央部には、中間ダクト30を挿入するためのダクト挿入口24が設けられている。ダクト挿入口24は、内側パネル11の上下方向に所定間隔をもって複数設けられている。ダクト挿入口24は、内側パネル11の左右方向に延びる長方形状に形成されている。
ダクト挿入口24は、本実施の形態においては、冷気用ダクト15の上下方向中央付近に複数(例えば、7つ)設置されている。
各ダクト挿入口24の両側には、複数のダクト吹出口25が左右方向に亘って形成されている。ダクト吹出口25は、冷気用ダクト15に連通している。
【0017】
図2から図4に示すように、棚板40は、陳列室14の左右方向に延在する平板状に形成されている。棚板40の両端部下面には、棚板40を支持するブラケット41が配置されている。
そして、支柱17に設けられた係合孔18に、ブラケット41の後端に設けられた係合爪42を係合させることで、ブラケット41を支柱17の所定の高さに固定する。
棚板40の両側部下面側には、略コ字状を有し開放側が互いに対向する支持ガイド43が設けられている。
【0018】
図3図5および図6に示すように、中間ダクト30の両側部には、支持ガイド43に挿入される支持突起31が設けられている。
そして、中間ダクト30は、支持ガイド43に沿って棚板40の下方に挿入可能とされており、棚板40の下方に挿入された状態で、支持ガイド43により支持される。
中間ダクト30の内部は、中空とされており、中間ダクト30の先端部には、中間吹出口32が設けられている。中間吹出口32は、斜め下方に向けて冷気を吹き出すように構成されている。
【0019】
中間ダクト30の後面側には、ダクト挿入口24に挿入される挿入突起33が形成されている。
挿入突起33は、冷気用ダクト15との奥行寸法と略同様の長さ寸法を有しており、ダクト挿入口24に挿入突起33を挿入した状態で、挿入突起33の先端部が冷気ダクトの後面近傍に位置するように構成されている。
中間ダクト30の後面であってダクト吹出口25に対応する位置には、図示しない開口が形成されている。
【0020】
冷気用ダクト15の内部には、複数のダンパ50が配置されている。ダンパ50は、各ダクト挿入口24の後方側にそれぞれ設置されている。
ダンパ50は、冷気用ダクト15の左右方向に延在するように設けられており、ダンパ50は、その内側パネル11側を中心として上下方向に揺動自在に支持されている。
ダンパ50は、通常状態では、冷気用ダクト15を塞がない状態で保持されている。そして、中間ダクト30の挿入突起33がダクト挿入口24に挿入され、ダンパ50を上方に向けて揺動させて押し上げることで、冷気用ダクト15を閉塞するように構成されている。
【0021】
本実施の形態においては、冷気用送風機63を駆動することにより、蒸発器と熱交換した冷気が冷気用ダクト15の内部を上昇し、冷気吐出口22から前面開口13に向けて吐出される。前面開口13に吐出された冷気は、冷気吸込口23から冷気用ダクト15の内部に吸い込まれ、これにより、前面開口13には冷気によるエアカーテンが形成されるとともに、この冷気のエアカーテンの一部が陳列室14の内部に循環される。
【0022】
また、中間ダクト30の挿入突起33をダクト挿入口24に挿入し、冷気用ダクト15を閉塞することで、冷気用ダクト15を流れる冷気が、中間ダクト30の開口、中間ダクト30の内部を通って中間吹出口32から陳列室14の内部に吹き出される。
また、冷気用ダクト15を流れる冷気は、中間ダクト30に到達する前に、ダクト吹出口25から直接陳列室14の内部に吹き出される。
すなわち、中間ダクト30を棚板40の下面側に装着することで、中間ダクト30を装着した箇所から下方に向けて中間吹出口32から冷気を吹き出すことができるとともに、ダクト吹出口25から冷気を吹き出すことができる。
そして、中間ダクト30を装着した箇所から上方からは、冷気用ダクト15に冷気が流れなくなるので、陳列室14を常温に保持することができる。
【0023】
[1-1-2.検出装置の構成]
図7は、本実施の形態の検出装置部分を示す側面図である。図8は、本実施の形態の側板部分を内側から見た斜視図である。図9は、本実施の形態の検出用シャフトとダンパとの関係を示す説明図である。図10(a),(b)は、本実施の形態の検出用シャフトと検出センサとを示す側面図である。
図8に示すように、内側パネル11と背面パネル19との間に配置される側板51には、ダンパ50に対応する位置に、上下方向に延在する長穴52が形成されている。
【0024】
側板51の外側であって長穴52の近傍には、検出用シャフト53が設けられている。検出用シャフト53には、長穴52に挿入される突起54が一体に形成されている。
各突起54は、それぞれダンパ50の上面に当接している。
そして、中間ダクト30がダクト挿入口24に挿入されてダンパ50を上方に向けて揺動させた場合に、図9に示すように、ダンパ50の揺動動作に伴って突起54を上方に押し上げ、検出用シャフト53を上方に移動させるように構成されている。
【0025】
図7に示すように、検出用シャフト53の略中央部分には、検出用レバー55が設けられている。検出用レバー55の先端部には、検出センサ56が配置されている。
検出センサ56は、近接センサであり、検出センサ56は、固定側検出部材57と、検出用レバー55に固定された可動側検出部材58とから構成されている。
【0026】
前述のように、中間ダクト30がダクト挿入口24に挿入されてダンパ50の揺動動作に伴って突起54を介して検出用シャフト53を上方に移動させると、検出用シャフト53および検出用レバー55と一体に取付けられた可動側検出部材58が固定側検出部材57に近接する。これにより、固定側検出部材57が可動側検出部材58が近接したことを検出することで、中間ダクト30が適正に挿入されたことを検出する。
検出用シャフト53、検出用レバー55、検出センサ56により本開示の検出装置59が構成される。
【0027】
[1-1-3.制御構成]
次に、本実施の形態の制御構成について説明する。
図11は、本実施の形態の制御構成を示すブロック図である。
図11に示すように、ショーケース1は、制御部60を備えている。
制御部60は、例えば、CPUやMPUなどのプログラムを実行するプロセッサおよびROM、RAMなどのメモリを備え、プロセッサが、メモリに記憶された制御プログラムを読み出して処理を実行するように、ハードウェア及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
制御部60は、制御プログラムに基づいて、圧縮機61、膨張機構62、冷気用送風機63などの制御を行う。
【0028】
ショーケースは、表示部64を備えている。表示部64は、例えばキャノピー20などに設置され、液晶表示パネルなどで構成される。
制御部60には、検出センサ56による検出信号が送られる。
制御部60は、検出センサ56による検出信号に基づいて、中間ダクト30が適正に挿入されているか否かを判断し、中間ダクト30が適正に挿入されていないと判断した場合は、表示部64によりその旨報知する。
なお、中間ダクト30が適正に挿入されていない場合に、表示部64による報知に代えて、ブザーなど音声による報知を行うようにしてもよいし、表示部64による報知とともに音声による報知を行うようにしてもよい。
【0029】
[1-2.作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態においては、中間ダクト30の挿入突起33を所定高さのダクト挿入口24に挿入する。これにより、挿入突起33によりダンパ50を上方に向けて揺動させて押し上げることで、冷気用ダクト15を閉塞する。
この状態で、制御部60により、圧縮機61を駆動することで、冷媒を凝縮器、膨張機構62、蒸発器に循環させ、冷気用送風機63により蒸発器と熱交換した冷気が冷気用ダクト15の内部を上昇する。
この場合に、中間ダクト30を挿入することで、ダンパ50により冷気用ダクト15を閉塞しているので、中間ダクト30の開口、中間ダクト30の内部を通って中間吹出口32から陳列室14の内部に吹き出される。また、冷気用ダクト15を流れる冷気は、中間ダクト30に到達する前に、ダクト吹出口25から直接陳列室14の内部に吹き出される。
【0030】
このように中間ダクト30の中間吹出口32から冷気を吹き出すことで、この冷気は、冷気吸込口23から冷気用ダクト15の内部に吸い込まれ、これにより、中間ダクト30の下方にエアカーテンが形成される。
そのため、中間ダクト30より下方には、冷蔵部が形成され、冷気用ダクト15の中間ダクト30より上方に冷気が流れないので、中間ダクト30より上方には、常温部が形成される。
【0031】
また、中間ダクト30を挿入した際には、図10(a)に示す状態から、ダンパ50の揺動動作に伴って突起54を介して検出用シャフト53が上方に移動される。
検出用シャフト53が最も上方に移動されると、図10(b)に示すように、検出用レバー55と一体に取付けられた可動側検出部材58が固定側検出部材57に近接する。
制御部60は、固定側検出部材57が可動側検出部材58が近接したことを検出したらその検出信号を受信することで、中間ダクト30が適正に挿入されたと判断する。
【0032】
一方、中間ダクト30の挿入が中途で、適正に挿入されていない場合は、検出センサ56による検出信号は、制御部60に送られない。
そのため、制御部60は、一定時間(例えば、30秒程度)検出センサ56からの検出信号が送られない場合は、表示部64に中間ダクト30の挿入が適正に挿入されていない旨、報知する。
これにより、制御部60により、中間ダクト30の挿入状態を判断することができ、中間ダクト30の挿入が不十分な状態で、ショーケースの冷却を行うことを抑制することができる。
【0033】
以上述べたように、本実施形態においては、内側パネル11に形成され冷気用ダクト15に連通するダクト挿入口24と、冷気用ダクト15の内部のダクト挿入口24の近傍に配置され揺動自在なダンパ50と、棚板40の下方に装着される中間ダクト30と、を備え、中間ダクト30は、ダクト挿入口24に挿入されダンパ50を揺動させて冷気用ダクト15を閉塞させるための挿入突起33を備え、挿入突起33のダクト挿入口24への挿入状態をダンパ50の揺動状態で検出する検出装置59を備えている。
これによれば、検出装置59により、中間ダクト30が適正に挿入されたか否かを判断することができる。そのため、中間ダクト30の挿入が不十分な状態で、ショーケースの冷却を行うことを抑制することができ、本来常温部とされる領域に冷気が送られてしまうことを抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態においては、検出装置59により中間ダクト30の挿入が不十分であることを検出した場合に、その旨を報知する表示部64(報知装置)を備えている。
これによれば、中間ダクト30の挿入が不十分な場合に、その旨を表示して報知することができるので、利用者が中間ダクト30が適正に挿入されていないことを認識することができる。
【0035】
また、本実施形態においては、検出装置59は、ダンパ50の揺動動作により移動される検出シャフトと、検出シャフトの移動によりダンパ50の揺動状態を検出する検出センサ56とから構成されている。
これによれば、中間ダクト30を挿入した際にダンパ50の揺動動作に伴う検出用シャフト53の移動により、検出センサ56でダンパ50の揺動状態を検出することができ、ダンパ50の移動量から中間ダクト30の挿入状態を検出することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、ダンパ50は、複数設けられ、検出シャフトは、複数のダンパ50のいずれ1つの揺動動作により移動され、検出センサ56は、1つ設けられている。
これによれば、複数のダンパ50のうち、1つのダンパ50の揺動動作により、検出用シャフト53が移動するので、1つの検出センサ56で複数のダンパ50の揺動量をまとめて検出することができる。そのため、検出センサ56が1つで済み、部品点数低減、製造コストの低減を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態においては、検出装置59は、内側パネル11と背面パネル19との間に設置されている。
これによれば、中間ダクト30の挿入状態を検出する機構を内側パネル11と背面パネル19との間に設置することで、棚板40や中間ダクト30に特別な機構が不要となり、棚板40、中間ダクト30、ダンパ50などに特別な機構を設ける必要がない。
【0038】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本開示に係るショーケースは、中間ダクトが適正に挿入されたか否かを判断することができ、中間ダクトの挿入が不十分な状態で、ショーケースの冷却を行うことを抑制することができ、本来常温部とされる領域に冷気が送られてしまうことを抑制することができるショーケースとして好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 ショーケース
10 断熱壁
11 内側パネル
12 デッキパン
13 前面開口
14 陳列室
15 冷気用ダクト
16 機械室
17 支柱
18 係合孔
19 背面パネル
20 キャノピー
21 照明灯
22 冷気吐出口
23 冷気吸込口
24 ダクト挿入口
25 ダクト吹出口
30 中間ダクト
31 支持突起
32 中間吹出口
33 挿入突起
40 棚板
41 ブラケット
42 係合爪
50 ダンパ
51 側板
52 長穴
53 検出用シャフト
54 突起
55 検出用レバー
56 検出センサ
57 固定側検出部材
58 可動側検出部材
59 検出装置
60 制御部
61 圧縮機
62 膨張機構
63 冷気用送風機
64 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11