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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】表示装置、及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20241018BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20241018BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20241018BHJP
   A62B 3/00 20060101ALI20241018BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20241018BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20241018BHJP
   H05B 47/20 20200101ALI20241018BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20241018BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241018BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241018BHJP
【FI】
H05B47/125
G09F13/04 D
G08B5/00 C
A62B3/00 B
H05B47/19
H05B47/18
H05B47/20
F21S9/02 130
F21V23/00 140
F21V23/00 110
F21Y115:10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021058420
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022155084
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 喜昭
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚武
(72)【発明者】
【氏名】有井 康孝
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-204409(JP,A)
【文献】特開2011-204493(JP,A)
【文献】国際公開第2011/152446(WO,A1)
【文献】特開2019-75171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0162831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
G09F 13/04
G08B 5/00
A62B 3/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
光を導光する導光パネルと、
前記導光パネルを介して前記表示パネルに光を供給する光源部と、
前記導光パネルの少なくとも一部と対向し、撮像領域に結像される被写体の撮像画像を生成する撮像部と、
前記撮像画像を管理装置に送信する通信部と、
を備え、
前記撮像部は、前記導光パネルのうちの前記撮像部と対向する部分の厚さ方向に沿って前記導光パネル側を撮像し、
前記表示パネル及び前記導光パネルの少なくとも一方は、前記撮像領域内に結像される領域である確認領域を有する、
表示装置。
【請求項2】
常用電源の停電時に前記光源部に電力を供給する非常用電源、
を更に備えている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは避難経路に関する情報を表示する、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記確認領域は有彩色であり、透光性を有している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記導光パネルは、前記厚さ方向において前記撮像部と重なる通過領域を有し、
前記撮像部は、前記通過領域を介して、前記導光パネルの外側を撮像する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記通過領域は、貫通孔である、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記通過領域は、透明である、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記撮像部は、
外部からの光を結像面に収束させて結像させるレンズと、
撮像素子と、
を有し、
前記撮像素子は、
前記結像面の中心部である第1領域に結像された前記被写体の像を撮像する領域である第1撮像領域と、
前記第1領域の外側の第2領域に結像された前記確認領域の像を撮像する領域である第2撮像領域と、
を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記撮像部は、
外部からの光を結像面に収束させて結像させるレンズと、
第1撮像素子と、
第2撮像素子と、
を有し、
前記第1撮像素子は、前記結像面の中心部である第1領域に結像された前記被写体の像を撮像する領域である第1撮像領域を有し、
前記第2撮像素子は、前記第1領域の外側の第2領域に結像された前記確認領域の像を撮像する領域である第2撮像領域を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示パネル及び前記導光パネルが取り付けられている筐体、を更に備え、
前記表示パネル及び前記導光パネルは、前記厚さ方向において前記撮像部と重なる通過領域を有し、
前記確認領域は、前記表示パネルの前記通過領域の周縁部に設けられており、前記導光パネルの通過領域と重なり、
前記撮像部は、前記筐体と前記導光パネルとの間の収容空間に収容されており、前記導光パネルの前記通過領域及び前記表示パネルの前記通過領域を介して、前記表示パネルの外側を撮像する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
少なくとも一部が造営材に埋め込まれる筐体と、
前記筐体を前記造営材に取り付けるように構成されており、板状の取付枠と、
前記導光パネルとしての第1導光パネル及び第2導光パネルと、
を備え、
前記第1導光パネルは、前記第1導光パネルの厚さ方向である第1方向に沿って前記撮像部及び前記取付枠と対向し、前記第1方向において前記撮像部と重なる通過領域を有し、
前記第2導光パネルは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記表示パネルと並んで配置され、
前記取付枠は、
開口部と、
前記前記第1方向において、前記撮像部と重なる通過領域と、
を有し、
前記表示パネル及び前記第2導光パネルは、前記取付枠の前記開口部を貫通し、前記第1方向に沿って前記造営材から突出し、
前記確認領域は、前記第1導光パネルのうち、前記取付枠の前記通過領域と対向する部分に設けられており、
前記撮像部は、前記筐体に設けられ、前記第1導光パネルの通過領域及び前記取付枠の通過領域を介して、前記取付枠の外側を撮像する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の表示装置と、
前記管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記表示装置から送信された前記撮像画像を表示する表示部と、
前記表示装置から送信された前記撮像画像を記憶部に記憶させる制御部と、
を有する、
表示システム。
【請求項13】
前記表示装置の前記光源部が正常に点灯していないことを前記撮像画像に含まれる前記確認領域の像が示す場合に、前記光源部が正常に点灯していないことを通知する通知部、
を更に備えている、
請求項12に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に表示装置、及び表示システムに関し、より詳細には、表示パネルを備える表示装置、及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラを備えた(避難)誘導灯が記載されている。特許文献1に記載の誘導灯は、誘導灯の周囲や避難口をカメラ撮影することで、例えば避難口付近に障害物があるか否かを確認することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-204409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載されているような誘導灯(表示装置)では、正常に点灯するか否かの点検が例えば作業者の目視によって行われることがある。作業者の目視による点検では、表示装置が設置されている現場へ作業者が向かう必要があるなど、点検にかかる負担が大きい。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、表示装置の点検にかかる負担を低減することが可能な表示装置、及び表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る表示装置は、表示パネルと、導光パネルと、光源部と、撮像部と、通信部と、を備える。前記導光パネルは、光を導光する。前記光源部は、前記導光パネルを介して前記表示パネルに光を供給する。前記撮像部は、前記導光パネルの少なくとも一部と対向し、撮像領域に結像される被写体の撮像画像を生成する。前記通信部は、前記撮像画像を管理装置に送信する。前記撮像部は、前記導光パネルのうちの前記撮像部と対向する部分の厚さ方向に沿って前記導光パネル側を撮像する。前記表示パネル及び前記導光パネルの少なくとも一方は、前記撮像領域内に結像される領域である確認領域を有する。
【0007】
本開示の一態様に係る表示システムは、前記表示装置と、前記管理装置と、を備える。前記管理装置は、表示部と、制御部と、を有する。前記表示部は、前記表示装置から送信された前記撮像画像を表示する。前記制御部は、前記表示装置から送信された前記撮像画像を記憶部に記憶させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、表示装置の点検にかかる負担を低減することが可能な表示装置、及び表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る表示装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、図1のA-A線における断面図である。
図3図3は、図1のB-B線における断面図である。
図4図4は、同上に係る撮像部の背面図である。
図5図5は、同上に係る撮像部4を正面から見た概略図である
図6図6は、同上に係る撮像部による撮像画像の概略図である。
図7図7は、同上に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
図8図8は、同上に係る表示装置の動作を示すフローチャートである。
図9図9は、同上に係る管理装置の動作を示すフローチャートである。
図10図10は、同上に係る作業端末の動作を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態2に係る表示装置の正面図である。
図12図12は、同上に係る表示装置の底面図である。
図13図13は、同上に係る表示装置の側面図である。
図14図14は、同上に係る表示装置の分解斜視図である。
図15図15は、図11のC-C線における断面図である。
図16図16は、同上に係る第1導光パネルの要部を示す概略図である。
図17図17は、同上に係る表示装置における要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、各方向を示す矢印は一例であり、表示システム100の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0011】
(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係る表示システム100の概要について、図1図2図6、及び図7を参照して説明する。
【0012】
本実施形態の表示システム100は、表示装置1と、管理装置30とを備えている。表示装置1と管理装置30とは、互いに通信可能に構成されている。
【0013】
図1に示すように、表示装置1は、表示パターン80が付された表示パネル8と、光源部6とを備えている。図1に示すように本実施形態の表示パターン80は、避難誘導のためのピクトグラムである。すなわち、本実施形態の表示装置1は、避難誘導灯である。
【0014】
図2は、図1のA-A線における断面図である。図2に示すように、表示装置1は、撮像部4を備えている。撮像部4は筐体9の内部の収容空間Sp1に収容されている。撮像部4は、導光パネル7の通過領域71及び表示パネル8の通過領域81を通して、筐体9の外部にある被写体を撮像する。以下の説明では、表示パネル8と導光パネル7が並ぶ方向を前後方向と規定し、導光パネル7から見て表示パネル8側を前方とし、表示パネル8から見て導光パネル7側を後方とする。また、光源部6と導光パネル7とが並んでいる方向を上下方向と規定し、導光パネル7から見て光源部6側を上方とし、光源部6から見て導光パネル7側を下方とする。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向とする。
【0015】
撮像部4は、表示パネル8の前方の例えば廊下などを撮像し、図6に示すような第1撮像画像Im1及び複数(図6の例では4つ)の第2撮像画像Im2を管理装置30に送信する。なお、以下の説明において4つの第2撮像画像Im2の各々を区別しない場合は、4つの第2撮像画像Im2の各々を「第2撮像画像Im2」という。
【0016】
第1撮像画像Im1は表示パネル8の前方の領域が撮像された撮像画像であるため、管理装置30は、例えば避難経路となる廊下などに障害物が存在するか否かを確認することができる。廊下などに障害物が存在する場合には、管理装置30は、障害物の移動や処分などを行うことが必要であることを通知することで、避難経路の安全性を確保することが可能である。
【0017】
本実施形態の第2撮像画像Im2は、表示パネル8(図2参照)に設けられた確認領域20の像が含まれている。本実施形態の確認領域20は、表示パネル8の一部であり、光源部6から光が供給されることによって点灯状態となる。避難誘導灯である表示装置1が正常に動作している場合、光源部6は表示パネル8に対して常に光を供給している。したがって、表示装置1が正常に動作している場合、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像は常に点灯状態である。逆に、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態でない場合には、表示装置1が正常に動作していない。したがって、管理装置30や管理装置30のオペレータなどは、第2撮像画像Im2を確認することで、表示装置1が正常に動作しているか否かを確認することができる。本実施形態の表示装置1は、上述のような第2撮像画像Im2を管理装置30に送信することで、表示装置1の点検にかかる負担を低減する。
【0018】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る表示システム100の詳細について、図1図7を参照して説明する。
【0019】
(2.1)表示システム
図7に示すように、本実施形態の表示システム100は、表示装置1と、管理装置30と、作業端末40と、を備えている。表示装置1と、管理装置30と、作業端末40とは、互いに通信可能に構成されている。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1若しくは中継器などを介して間接的に、情報を授受できることを意味する。上述のように、本実施形態の表示装置1は、撮像部4で生成される第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を、管理装置30に送信する。
【0020】
(2.2)表示装置
次に、表示装置1の詳細について、図1図7を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の表示装置1は施設の天井200などの造営材に設置されている。本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場などの非住宅施設を含む。非住宅施設は、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館なども含む。つまり、施設は、マンションなどの住宅施設であってもよいし、オフィスビルなどの非住宅施設であってもよい。さらに、施設は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。本実施形態では、施設がオフィスである場合を想定する。
【0022】
上述のように、本実施形態の表示装置1は、施設の避難口又は避難方向を表示するための避難誘導灯である。したがって、本実施形態の表示装置1の前方に位置する領域は、基本的に避難経路であり、表示装置1の前方に位置する領域には避難の際に障害物となるような物が存在しないことが好ましい。
【0023】
図2に示すように、表示装置1は、制御部2と、二次電池3と、撮像部4と、表示部5と、光源部6と、筐体9と、を備えている。
【0024】
筐体9は、前面が開口の箱形状である。筐体9の前面には、光源部6、導光パネル7、及び表示パネル8が取り付けられている。筐体9と導光パネル7との間には収容空間Sp1が形成されている。収容空間Sp1は、制御部2と、二次電池3と、撮像部4と、を収容している。
【0025】
制御部2は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成として備えている。マイクロコントローラは、1以上のメモリに記録されているプログラムを1以上のプロセッサで実行することにより、制御部2としての機能を実現する。プログラムは、予めメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、1以上のプロセッサを、制御部2として機能させるためのプログラムである。
【0026】
本実施形態の制御部2は、管理装置30からの指示に基づいて、電力の供給元を系統電源PS1(常用電源)から二次電池3に切り替える制御を行う。また、制御部2は、撮像部4を制御して、常に第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を生成させる。また、制御部2は、後述する通信部24を制御して、撮像部4が生成する第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を管理装置30に常に送信する。
【0027】
二次電池3は、系統電源PS1の停電時に光源部6に電力を供給する非常用電源である。二次電池3は、系統電源PS1が光源部6に電力を供給する通常動作時に、系統電源PS1から供給される電力で充電されるように構成されている。
【0028】
光源部6は、筐体9の前面上端であって、表示部5の上側に設けられている。図1に示すように、光源部6は略矩形状であり、光源部6の長手方向は左右方向に沿っている。光源部6は、例えばLED(Light Emitting Diode)である光源を有している。光源部6は、系統電源PS1又は二次電池3から供給される電力で点灯する。光源部6は、表示部5に光を供給する。より具体的には、光源部6は、導光パネル7の上側から、導光パネル7を介して表示パネル8に光を供給する。
【0029】
図2に示すように、表示部5は、導光パネル7と表示パネル8とを有している。導光パネル7と表示パネル8とは前後方向において対向するように配置されており、表示パネル8が導光パネル7の前に配置されている。
【0030】
導光パネル7は、光源部6から供給される光を表示パネル8に導光する。導光パネル7は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって矩形の板状に形成されている。なお、本実施形態の導光パネル7は、乳白色である。
【0031】
導光パネル7は、導光パネル7の厚さ方向(前後方向)に沿って撮像部4の前側に配置されている。本実施形態の導光パネル7は、前後方向に沿って撮像部4と対向するように配置されている。また、導光パネル7は2つの通過領域71を有している。本実施形態の通過領域71は、前後方向からの平面視において円形状の貫通孔であり、前後方向において撮像部4と重なる位置に設けられている。すなわち、通過領域71は、撮像部4を導光パネル7の前側に露出させている。通過領域71は、表示パネル8の前方にある被写体を撮像部4が撮像可能とするための領域である。
【0032】
表示パネル8は、導光パネル7を介して光源部6から供給される光によって点灯する。表示パネル8は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって矩形の板状に形成されている。図1に示すように、表示パネル8の前面には避難経路を示す情報を表示する表示パターン80が付されている。表示パターン80は、緑色と白色の透光性の塗料で形成された表示パターンであり、人物を模したピクトグラムである。なお、図1においてドットを付した部分が緑色の塗料によって形成された部分である。更に詳しくは、表示パターン80は、避難口であることを示すシンボルであって、シンボルの色彩が緑色であり、シンボルの地の色彩が白色である。緑色は、JIS Z 9103で定められた色度座標の緑色の色相のものが用いられる。
【0033】
図2に示すように、表示パネル8は、導光パネル7の厚さ方向(前後方向)に沿って撮像部4及び導光パネル7の前側に配置されている。また、表示パネル8は通過領域81を有している。本実施形態の通過領域81は、前後方向からの平面視において円形状の貫通孔であり、前後方向において通過領域81の少なくとも一部が導光パネル7の通過領域71及び撮像部4と重なる位置に設けられている。より具体的には、前後方向からの平面視において、通過領域81の中心と、通過領域71の中心とは重なっている。また、本実施形態の通過領域81の径は、通過領域71の径より小さい。通過領域81は、撮像部4を表示パネル8の前側に露出させている。通過領域81は、表示パネル8の前方にある被写体を撮像部4が撮像可能とするための領域である。
【0034】
また、本実施形態の表示パネル8は、確認領域20を有している。確認領域20は、撮像部4の後述する第2撮像領域A4に結像される領域である。図3は、図1のB-B線における断面図である。図3に示す2本の破線は、撮像部4の撮影範囲21を示している。2本の破線に挟まれた範囲が、撮像部4の撮影範囲21である。確認領域20の少なくとも一部は、撮像部4の撮影範囲21に含まれている。本実施形態の確認領域20は、通過領域81の周縁部に設けられている。
【0035】
図1に示すように、本実施形態の表示パネル8は、通過領域81及び確認領域20を2つ有している。また、導光パネル7も2つの通過領域71を有しており、2つの通過領域71の位置は2つの通過領域81の位置に対応している。すなわち、本実施形態の表示部5は、通過領域71と通過領域81と確認領域20とのセットを、2つ有している。
【0036】
図3に示すように、撮像部4は、導光パネル7の厚さ方向(前後方向)において導光パネル7と対向するように、導光パネル7の後方に配置されている。より具体的には、撮像部4は、導光パネル7が有する2つの通過領域71のうちのどちらか一方と対向するように配置されている。本実施形態の撮像部4は、表示部5(図1参照)の左下の隅に設けられた通過領域71と対向するように配置されている。ただし、表示装置1の設置箇所の状況などに応じて、撮像部4は、右下の隅に設けられた通過領域71と対向するように配置されていてもよい。
【0037】
撮像部4は、導光パネル7の厚さ方向(前後方向)に沿って導光パネル7側(前方)を撮像する。より具体的には、撮像部4は、導光パネル7の通過領域71及び表示パネル8の通過領域81を介して、表示パネル8の前方を撮像する。本実施形態の撮像部4は、第1撮像領域A3(図5参照)に結像される被写体の第1撮像画像Im1(図6参照)と、第2撮像領域A4(図5参照)に結像される被写体の第2撮像画像Im2(図6参照)とを生成する。
【0038】
撮像部4は、筐体10と、第1支持部14と、第2支持部11と、蓋12と、本体部13と、を有している。
【0039】
筐体10は、円筒形状であり、中心軸(Axis)が前後方向に沿っている。筐体10は、円筒の内部空間に、第1支持部14と、第2支持部11と、蓋12と、本体部13と、を収容している。
【0040】
第1支持部14は、筐体10の内周面に沿って配置されている。第1支持部14は、基部141と、支持部142とを有している。基部141は、中心軸(Axis)が筐体10の中心軸に沿った円筒形状である。支持部142は、基部141の前端に形成されている。支持部142は、円環形状であり、基部141から中心軸に向かって(内側に)突出している。支持部142は、前後方向に沿って並び基部141から内側に突出する2つの円環部を有しており、断面形状が外側に凹んだ凹形状(C字状)である。支持部142は、第2支持部11を支持する。
【0041】
第2支持部11は、第1支持部14の支持部142の内周面に沿って配置されている。第2支持部11は、基部111と、突出部112と、球体部113と、ねじ部114と、を有している。基部111は、中心軸(Axis)が筐体10の中心軸に沿った円筒形状である。突出部112は、円環形状であり、基部111の外周面から中心軸から遠ざかる方向に向かって(外側に)突出している。突出部112が第1支持部14の支持部142と嵌合することで、第2支持部11は第1支持部14に支持されている。球体部113は、基部111の内周面に設けられており、本体部13を支持している。ねじ部114は、基部111の内周面の後端に形成されている。ねじ部114は、蓋12を支持している。
【0042】
蓋12は、第2支持部11における円筒の内部空間を後方から覆うように配置されている。蓋12は、基部121と、ねじ部122と、球体部123と、を有している。基部121は、内部が空洞の半球形状である。基部121の後端には、貫通孔124が設けられている。貫通孔124は前後方向からの平面視において円形状である(図4参照)。貫通孔124には、後述する配線15及び調節部16が通される。ねじ部122は、基部121の外周面前端に形成されている。ねじ部122が第2支持部11のねじ部114と嵌合することにより、蓋12が第2支持部11に支持されている。球体部123は、基部121の内周面に設けられており、本体部13を支持している。
【0043】
本体部13は、球形状をしている。本体部13は、第2支持部11の球体部113及び蓋12の球体部123によって支持されており、上下左右方向に回動可能に支持されている。本体部13の後端からは配線15が出ている。また、本体部13の後端には、配線15を覆うように配置されている調節部16が設けられている。配線15及び調節部16は、蓋12の貫通孔124を貫通している。
【0044】
図4は、撮像部4の背面図である。例えば表示装置1を施設に設置する作業者は、調節部16又は配線15を把持して上下左右に動かすことで、貫通孔124内において調節部16が動ける範囲内で、本体部13の向きを調節することができる。作業者が本体部13の向きを調節することで、撮像部4の撮影範囲21(図3参照)を変更することができる。
【0045】
図5は、撮像部4を正面(前方)から見た概略図である。撮像部4は、レンズ17と、基板18と、を有している。
【0046】
レンズ17は、撮像部4の外部からの光を結像面A0に収束させて結像させる。レンズ17は、前後方向からの平面視において円形状である。本実施形態では、前後方向からの平面視において、レンズ17の中心と、通過領域71及び通過領域81の中心とが重なっている。また、本実施形態のレンズ17の径は、通過領域71の径より小さい。レンズ17は、ガラスや、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料などによって形成されている。
【0047】
結像面A0は円形状の仮想平面であり、結像面A0の法線は前後方向に沿っている。結像面A0は、第1領域A1と第2領域A2とを有している。第1領域A1は結像面A0の中心部の領域であり、第2領域A2は第1領域A1の外側の領域である。
【0048】
本実施形態の基板18は、前後方向からの平面視が略正方形の板状である。基板18は、第1撮像素子181及び複数(図5の例では4つ)の第2撮像素子182が実装される実装面の法線が導光パネル7(図3参照)の厚さ方向(前後方向)に沿っている。基板18は、実装面が結像面A0と平行になるように配置されており、本実施形態の基板18は結像面A0の後方に配置されている。基板18は、第1撮像素子181及び4つの第2撮像素子182を有している。4つの第2撮像素子182は、第1撮像素子181の上下左右に配置されている。なお、以下の説明において4つの第2撮像素子182の各々を区別しないときは、4つの第2撮像素子182の各々を「第2撮像素子182」という。
【0049】
第1撮像素子181は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの二次元イメージセンサである。第1撮像素子181は、第1撮像領域A3に結像される被写体の第1撮像画像Im1(図6参照)を生成する。
【0050】
第1撮像素子181は、基板18の実装面に設けられており、基板18の実装面から前方に突出している。第1撮像素子181は、前後方向からの平面視が略正方形の板状である。第1撮像素子181は、第1撮像領域A3が結像面A0の第1領域A1の一部に含まれるように、基板18の実装面に設けられている。第1撮像領域A3は第1領域A1に結像された被写体の像を撮像する領域である。
【0051】
第2撮像素子182は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの二次元イメージセンサである。第2撮像素子182は、第2撮像領域A4に結像される被写体の第2撮像画像Im2(図6参照)を生成する。
【0052】
第2撮像素子182は、基板18の実装面に設けられており、基板18の実装面から前方に突出している。第2撮像素子182は、前後方向からの平面視が略正方形の板状であり、第1撮像素子181よりも面積が小さい。第2撮像素子182は、第2撮像領域A4が結像面A0の第2領域A2の一部に含まれるように、基板18の実装面に設けられている。
【0053】
第2撮像領域A4は、第2領域A2に結像された被写体の像を撮像する領域である。より具体的には、第2撮像領域A4は、第2領域A2に結像された確認領域20の像を撮像する領域である。本実施形態の4つの第2撮像素子182は、撮像部4の向きが調整されることにより撮像部4の撮影範囲が変化しても、4つの第2撮像素子182のうちの少なくとも1つの第2撮像素子182が確認領域20の像を撮像するように、配置されている。
【0054】
図6は、撮像部4によって撮像される第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2の概略図である。本実施形態の表示装置1は、表示パネル8の前方が図6に示すような廊下である場所に設置されている。
【0055】
第1撮像素子181によって撮像される第1撮像画像Im1には、廊下の像が含まれている。上述のように、管理装置30や管理装置30のオペレータなどは、第1撮像画像Im1を確認することで、避難経路となる廊下などに障害物が存在するか否かを確認することができる。なお、第1撮像画像Im1は、防犯目的の画像として利用されたり、災害時などの非常時に逃げ遅れた人物がいないことを確認する目的の画像として利用されたりしてもよい。
【0056】
第2撮像素子182によって撮像される第2撮像画像Im2には、確認領域20の像が含まれている。上述のように、管理装置30や管理装置30のオペレータなどは、第2撮像画像Im2を確認することで、表示装置1が正常に動作しているか否かを確認することができる。また、図1に示すように、本実施形態の確認領域20は、緑色(有彩色)に着色されているため、確認領域20が点灯している場合には、確認領域20の像と第2撮像画像Im2に含まれる他の像との区別がしやすい。確認領域20の像と第2撮像画像Im2に含まれる他の像との区別がしやすくすることで、確認領域20が点灯しているか否かの判断精度を向上させることができる。
【0057】
図7に示すように、表示装置1は、電源切替部23と、通信部24と、記憶部26と、を更に備えている。
【0058】
電源切替部23は、制御部2の指示に基づいて、光源部6に供給する電力の提供元を、系統電源PS1と二次電池3との間で切り替える。すなわち、電源切替部23は、系統電源PS1と二次電池3とを選択的に、光源部6と電気的に接続する。なお、本開示でいう「電気的に接続」とは、電気的に導通した状態の接続を意味し、直接的な接続だけでなく、例えば電線等の導体やブレーカやリレー(接続装置)を介した間接的な接続も含む。
【0059】
通信部24は、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、例えばインターネットなどのネットワークNT1と接続可能に構成されている。また、本実施形態の通信部24は、作業端末40の通信部43との間で無線通信を行うことができる。
【0060】
記憶部26は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などから選択されるデバイスで構成される。例えば、記憶部26は、撮像部4で生成される第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を記憶している。
【0061】
(2.3)管理装置
次に、管理装置30の詳細について、図7を参照して説明する。
【0062】
管理装置30は、例えば表示装置1が設置される施設の管理室などに設置される。本実施形態の管理装置30は、例えばパーソナルコンピュータである。管理装置30は、通信部31と、制御部32と、通知部33と、表示部34と、記憶部35と、時計部36と、操作部37と、を備えている。
【0063】
通信部31は、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、例えばインターネットなどのネットワークNT1と接続可能に構成されている。
【0064】
制御部32は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成として備えている。マイクロコントローラは、1以上のメモリに記録されているプログラムを1以上のプロセッサで実行することにより、制御部32としての機能を実現する。プログラムは、予めメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、1以上のプロセッサを、制御部32として機能させるためのプログラムである。
【0065】
制御部32は、表示装置1から送信される第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を、表示部34に表示させる。
【0066】
また、制御部32は、第1撮像画像Im1に障害物の像が含まれているか否かを確認する。例えば、制御部32は、第1撮像画像Im1に対して、障害物の像が含まれていない基準画像をテンプレートデータとしたパターン認識処理を行うことで、第1撮像画像Im1に障害物の像が含まれているか否かを確認する。本開示でいう「パターン認識処理」とは、ある画像に映る物の形状に基づいて、その画像に映る物が何であるのかを認識する画像処理を意味する。この種のパターン認識処理の一例として、パターンマッチング処理、機械学習で作成された学習済みモデルを用いて画像に映る物を認識する処理等がある。ここでいうパターンマッチング処理は、上述したようなテンプレートデータを用いて、テンプレートデータと比較対象(第1撮像画像Im1等)との比較を行う処理である。また、機械学習の方法としては、適宜のアルゴリズムを用いればよい、例えばディープラーニング(深層学習)のアルゴリズムを用いてもよい。
【0067】
制御部32は、第1撮像画像Im1に障害物の像が含まれる場合に、避難経路に障害物が置かれていることを、通知部33に通知させる。さらに制御部32は、第1撮像画像Im1に障害物の像が含まれる場合に、避難経路に障害物が置かれていることを示す情報を記憶部35に記憶させてもよい。一方、制御部32は、第1撮像画像Im1に障害物の像が含まれていない場合には、第1撮像画像Im1に障害物の像が含まれていないことを確認した情報を、記憶部35に記憶させる。
【0068】
また、制御部32は、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態であるか否かを確認する。例えば、制御部32は、第2撮像画像Im2に対して、確認領域20の像が点灯状態である基準画像をテンプレートデータとしたパターン認識処理を行うことで、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態であるか否かを確認する。
【0069】
第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態でない場合には、制御部32は、表示装置1の光源部6が正常に点灯していないことを通知部33に通知させる。言い換えると、制御部32は、表示装置1の光源部6が正常に点灯していないことを第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が示す場合に、光源部6が正常に点灯していないことを通知部33に通知させる。さらに、制御部32は、光源部6が正常に点灯していないことを表示部34に表示させる。さらに、制御部32は、光源部6が正常に点灯していないことを示す補修データを記憶部35に記憶させる。一方で、制御部32は、表示装置1の光源部6が正常に点灯していることを第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が示す(点灯状態である)場合に、光源部6が正常に点灯していることを示す情報を記憶部35に記憶させる。
【0070】
また、制御部32は、管理装置30のオペレータなどによって二次電池3の点検開始の操作が操作部37に対して行われた場合、通信部31を制御して点検開始の指示を表示装置1に送信させ、点検を行う。二次電池3の点検は、二次電池3が劣化しているか否かを判定する必要があるため、例えば20分や60分などの所定時間以上にわたって行われる。制御部32は、点検を行い、補修データなどの点検の結果を示す情報を記憶部35に記憶させる。
【0071】
通知部33は、制御部32の制御に基づいて、表示装置1の光源部6の状態についての通知を行う。本実施形態の通知部33は例えばスピーカである。通知部33は、表示装置1の光源部6が正常に点灯していないことを第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が示す場合に、光源部6が正常に点灯していないことを音で通知する。
【0072】
表示部34は、制御部32の制御に基づいて、様々な画像を表示する。例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。操作部37は、管理装置30のオペレータなどが行う操作を受け付ける。例えばキーボード、及びマウス等のポインティングデバイスである。なお、表示部34及び操作部37は、表示部34と操作部37とが一体的に構成されたタッチパネルディスプレイで実現されてもよい。
【0073】
記憶部35は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などから選択されるデバイスで構成される。例えば、記憶部35は、表示装置1から送信される第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を記憶している。また、本実施形態の記憶部35は、補修データを記憶している。本開示でいう「補修データ」は、光源部6が正常に動作していない表示装置1がどの施設に設置されているか、施設のどこに設置されているかを示す情報を含む。また、「補修データ」は、光源部6に異常がある又は二次電池3に異常があるなどの異常箇所に関する情報を含む。
【0074】
時計部36は、計測開始からの経過時間を計測するストップウォッチ機能を備えている。管理装置30のオペレータなどによって二次電池3の点検開始の操作が操作部37に対して行われた場合、時計部36は、点検開始の操作がなされた時点から計測を開始し、経過時間を計測する。
【0075】
(2.4)作業端末
次に、作業端末40の詳細について、図7を参照して説明する。
【0076】
作業端末40は、表示装置1の補修、修理、メンテナンスなどを行う作業者が携帯する例えばスマートフォンなどの携帯端末である。作業端末40は、操作部41と、表示部42と、通信部43と、制御部44と、記憶部45と、を備えている。
【0077】
操作部41は、作業者などが行う操作を受け付ける。表示部42は、制御部44の制御に基づいて、様々な画像を表示する。例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。本実施形態の操作部41及び表示部42は、表示部34と操作部37とが一体的に構成されたタッチパネルディスプレイである。
【0078】
通信部43は、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、例えばインターネットなどのネットワークNT1と接続可能に構成されている。また、本実施形態の通信部43は、表示装置1の通信部24との間で無線通信を行うことができる。
【0079】
制御部44は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成として備えている。マイクロコントローラは、1以上のメモリに記録されているプログラムを1以上のプロセッサで実行することにより、制御部44としての機能を実現する。プログラムは、予めメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、1以上のプロセッサを、制御部44として機能させるためのプログラムである。
【0080】
制御部44は、作業者の操作に基づいて、管理装置30から補修データを取得し、表示部42に表示させる。また、制御部44は、作業者の操作に基づいて、通信部43を制御し、表示装置1の補修が完了したことを示す完了データを管理装置30に送信させる。
【0081】
記憶部45は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などから選択されるデバイスで構成される。
【0082】
(3)表示システムの動作
次に、表示システム100の動作について、図8図10を参照して説明する。
【0083】
(3.1)表示装置の動作
まず、図8を参照して表示装置1の動作について説明する。図8は、表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【0084】
本実施形態の表示装置1は電源が供給されている状態(起動している状態)において、第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を常に生成し、第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を管理装置30に常に送信している。
【0085】
まず、表示装置1は、管理装置30から送信される二次電池3の点検の開始指示を、受信したか否かを確認する(S1)。開始指示を受信していない場合(S1:No)、表示装置1は開始指示を受信するまで待機する。一方で、開始指示を受信している場合(S1:Yes)、表示装置1は、光源部6の電力供給元を、系統電源PS1から二次電池3に切り替える(S2)。より具体的には、制御部2が電源切替部23を制御することにより、電源切替部23が、光源部6の電力供給元を、系統電源PS1から二次電池3に切り替える。なお、本実施形態では、約20分間、二次電池3が光源部6に電力を供給することになる。
【0086】
次に、表示装置1は、管理装置30から送信される点検の終了指示を、受信したか否かを確認する(S3)。終了指示を受信していない場合(S3:No)、表示装置1は終了指示を受信するまで待機する。一方で、終了指示を受信している場合(S3:Yes)、表示装置1は、光源部6の電力供給元を、二次電池3から系統電源PS1に切り替える(S4)。より具体的には、制御部2が電源切替部23を制御することにより、電源切替部23が、光源部6の電力供給元を、二次電池3から系統電源PS1に切り替える。
【0087】
(3.2)管理装置の動作
次に、図9を参照して管理装置30の動作について説明する。図9は、管理装置30の動作を示すフローチャートである。
【0088】
本実施形態の管理装置30は、起動状態の表示装置1から送信される第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を、常に受信している。また、管理装置30は、受信した第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を、表示部34で常に表示している。
【0089】
まず、管理装置30は、操作部37に対して二次電池3の点検を開始させる操作(点検開始操作)が入力されたか否かを確認する(S11)。点検開始操作がなかった場合(S11:No)、管理装置30は、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態であるか否かを確認する(S13)。より具体的には、制御部32は、パターン認識処理を行うことで、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態であるか否かを確認する。第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態である場合(S13:Yes)、処理はステップS11に戻る。
【0090】
一方で、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態でない場合(S13:No)、管理装置30は、光源部6が不良である旨の不良表示を、表示部34で表示する(S14)。次に、管理装置30は、光源部6が不良である旨の不良警報(不良通知)を、通知部33で行う(S15)。本実施形態の通知部33はスピーカであるため、光源部6が不良である旨を通知する音声と、警報音とが出力される。そして、管理装置30は、光源部6が不良であることを示すデータを記録する不良記録を行う(S16)。より具体的には、管理装置30は、表示装置1が設置されている施設の情報と、施設内における表示装置1の位置や管理番号などの情報と、表示装置1の光源部6が不良である情報と、を含む補修データを記憶部35に記憶させる。そして、処理はステップS11に戻る。
【0091】
ステップS11の処理において、点検開始操作があった場合(S11:Yes)、管理装置30は、二次電池3の点検を開始する開始指示を、表示装置1に送信する(S12)。ここで、管理装置30は、点検開始操作を受け付けた時点から計測を開始し、経過時間を計測する。
【0092】
次に、管理装置30は、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態であるか否かを確認する(S17)。第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態でない場合(S17:No)、管理装置30は、二次電池3が不良である旨の不良表示を、表示部34で表示する(S18)。次に、管理装置30は、二次電池3が不良である旨の不良警報(不良通知)を、通知部33で行う(S19)。本実施形態の通知部33はスピーカであるため、二次電池3が不良である旨を通知する音声と、警報音とが出力される。そして、管理装置30は、二次電池3が不良であることを示すデータを記録する不良記録を行う(S20)。より具体的には、管理装置30は、表示装置1が設置されている施設の情報と、施設内における表示装置1の位置や管理番号などの情報と、表示装置1の二次電池3が不良である情報と、を含む補修データを記憶部35に記憶させる。そして、管理装置30は、二次電池3の点検を終了する終了指示を、表示装置1に送信し(S23)、処理はステップS11に戻る。
【0093】
一方で、ステップS17の処理において、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が点灯状態である場合(S17:Yes)、管理装置30は、経過時間を確認し、20分経過しているか否かを確認する(S21)。20分経過していない場合(S21:No)、処理はステップS17に戻る。一方で、20分経過している場合(S21:Yes)、管理装置30は、二次電池3が正常である旨を示す情報を記録する(S22)。そして、管理装置30は、二次電池3の点検を終了する終了指示を、表示装置1に送信し(S23)、処理はステップS11に戻る。
【0094】
(3.3)作業端末の動作
次に、図10を参照して作業端末40の動作について説明する。図10は、作業端末40の動作を示すフローチャートである。
【0095】
まず、作業端末40は、補修データを取得するための取得操作を操作部41が受け付けたか否かを確認する(S31)。取得操作がなかった場合(S31:No)、作業端末40は、取得操作を受け付けるまで待機する。一方で、取得操作があった場合(S31:Yes)、作業端末40は、管理装置30から補修データを取得する(S32)。そして、作業端末40は、補修データを表示部42で表示する(S33)。補修データには、不良(異常)が確認された表示装置1が設置されている施設の情報と、施設内における表示装置1の位置や管理番号などの情報と、表示装置1の光源部6又は二次電池3が不良である情報と、が含まれている。そのため、作業端末40を携帯する作業者は、表示部42に表示された補修データを確認することで、補修の必要がある表示装置1の位置や、補修項目を確認することができる。そして、作業者は、補修データを参考にして、表示装置1の補修(修理)を行う。作業者は、表示装置1の補修が完了すると、作業端末40に対して完了操作を行う。
【0096】
次に、作業端末40は、作業者による完了操作を操作部41が受け付けたか否かを確認する(S34)。完了操作がなかった場合(S34:No)、作業端末40は、完了操作を受け付けるまで待機する。一方で、完了操作があった場合(S34:Yes)、作業端末40は、完了データを管理装置30に送信する処理を開始し、完了データが送信できたか否かを確認する(S35)。完了データの送信が完了していない場合(S35:No)、作業端末40は、完了データの送信が完了するまで待機する。一方で、完了データの送信が完了している場合(S35:Yes)、作業端末40は、完了データを送信したことを示す完了表示を、表示部42で表示する(S36)。そして、作業端末40は、処理を終了する。
【0097】
(4)作用効果
上述のように、本実施形態の表示装置1は、表示パネル8と、導光パネル7と、光源部6と、撮像部4と、通信部24と、を備えている。撮像部4は、導光パネル7の少なくとも一部と対向し、第1撮像領域A3に結像される被写体の第1撮像画像Im1と、第2撮像領域A4に結像される被写体の第2撮像画像Im2とを生成する。通信部24は、第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を管理装置30に送信する。撮像部4は、導光パネル7のうちの撮像部4と対向する部分の厚さ方向(前後方向)に沿って導光パネル7側を撮像する。表示パネル8及び導光パネル7の少なくとも一方は、第2撮像領域A4内に結像される領域である確認領域20を有している。管理装置30又は管理装置30のオペレータなどは、確認領域20の像が点灯状態か否かを確認することで、表示装置1が正常に動作しているか否かを容易に確認することができる。これにより、表示装置1の点検にかかる負担を低減することができる。
【0098】
また、本実施形態の表示装置1は、二次電池3を備えている。二次電池3は、系統電源PS1の停電時に光源部6に電力を供給する。表示装置1は、二次電池3を備える非常用の表示装置である。これにより、定期的に点検が必要となる非常用の表示装置1の点検にかかる負担を低減することができる。
【0099】
また、本実施形態の表示パネル8は避難経路に関する情報である表示パターン80を表示する。すなわち、表示装置1は避難誘導灯である。これにより、定期的に点検が必要となる避難誘導灯である表示装置1の点検にかかる負担を低減することができる。
【0100】
また、本実施形態の確認領域20は、緑色(有彩色)であり、透光性を有しているため、第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が、点灯状態であるのか否かを確認しやすい。
【0101】
また、本実施形態の導光パネル7は通過領域71を有している。通過領域71は、導光パネル7の厚さ方向(前後方向)において撮像部4と重なる。撮像部4は、通過領域71を介して、導光パネル7の外側(前方)を撮像する。導光パネル7が通過領域71を有することで、撮像部4は導光パネル7の前方を撮像することができる。
【0102】
また、本実施形態の通過領域71は、貫通孔である。通過領域71が貫通孔であるため、撮像部4は、通過領域71を介して、導光パネル7の前方を鮮明に撮像することができる。
【0103】
また、本実施形態の撮像部4は、レンズ17と、第1撮像素子181と、第2撮像素子182と、を有している。レンズ17は、外部からの光を結像面A0に収束させて結像させる。第1撮像素子181は、結像面A0の中心部である第1領域A1に結像された被写体の像を撮像する領域である第1撮像領域A3を有している。第2撮像素子182は、第1領域A1の外側の第2領域A2に結像された確認領域20の像を撮像する領域である第2撮像領域A4を有している。第1撮像領域A3より外側の第2撮像領域A4で確認領域20の像を撮像することで、第1撮像領域A3で確認領域20の像を撮像する必要がなくなる。これにより、第1撮像素子181を、例えば表示装置1の前方の避難経路のみを撮像する撮像素子とすることができる。
【0104】
また、本実施形態の表示装置1は、筐体9を更に備えている。筐体9は、表示部5(表示パネル8及び導光パネル7)が取り付けられている。表示パネル8は通過領域81を有し、導光パネル7は通過領域71を有している。通過領域71,81は導光パネル7の厚さ方向(前後方向)において撮像部4と重なる。確認領域20は、表示パネル8の通過領域81の周縁部に設けられており、導光パネル7の通過領域71と重なる。撮像部4は、筐体9と導光パネル7との間の収容空間Sp1に収容されており、導光パネル7の通過領域71及び表示パネル8の通過領域81を介して、表示パネル8の前方を撮像する。これにより、筐体9と導光パネル7との間の収容空間Sp1に収納された撮像部4で、確認領域20と表示パネル8の前方とを撮像することができる。
【0105】
また、本実施形態の表示部5は、通過領域71と通過領域81と確認領域20とのセットを、2つ有している。これにより、表示装置1の設置箇所の状況などに応じて、2つのセットのうち撮像部4が第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を撮像しやすいセットに対応する位置に、撮像部4を配置することができる。
【0106】
また、本実施形態の表示システム100は、表示装置1と管理装置30と、を備えている。管理装置30は、表示部34と、制御部32と、を有している。表示部34は、表示装置1から送信された第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を表示する。制御部32は、表示装置1から送信された第1撮像画像Im1及び第2撮像画像Im2を記憶部35に記憶させる。管理装置30のオペレータなどは、表示部34に表示される確認領域20の像が点灯状態か否かを確認することで、表示装置1が正常に動作しているか否かを容易に確認することができる。これにより、表示装置1の点検にかかる負担を低減することができる。
【0107】
また、本実施形態の管理装置30は、通知部33を備えている。通知部33は、表示装置1の光源部6が正常に点灯していないことを第2撮像画像Im2に含まれる確認領域20の像が示す場合に、光源部6が正常に点灯していないことを通知する。管理装置30のオペレータなどは、表示装置1が正常に動作していないことを、容易に知ることができる。
【0108】
(5)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。
【0109】
また、実施形態1に係る表示システム100と同等の機能は、表示方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体などで具現化されてもよい。一態様に係る表示方法は、撮像ステップと、送信ステップと、を有する。撮像ステップでは、導光パネル7及び表示パネル8の少なくとも一方の少なくとも一部を、導光パネル7の厚さ方向(前後方向)に沿って撮像部4にて撮像して撮像画像(第1撮像画像Im1;第2撮像画像Im2)を生成する。送信ステップでは、撮像ステップにて生成した撮像画像を、管理装置30に送信する。一態様に係るプログラムは、上記の推定方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0110】
本開示における表示システム100は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における表示システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSIなどの集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0111】
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0112】
例えば、表示システム100(管理装置30)の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)などによって実現されてもよい。
【0113】
表示パターン80は、図1に示す表示パターンに限らず、例えば、避難の方向を示す矢印の形のシンボルや、避難口であることを示す「非常口EXIT」の文字であってもよい。
【0114】
通過領域71及び通過領域81の少なくとも一方は、透明であってもよい。通過領域71及び通過領域81の少なくとも一方が透明であることにより、撮像部4は、通過領域71を介して、導光パネル7の前方を鮮明に撮像することができる。
【0115】
実施形態1では4つの第2撮像画像Im2の全てにおいて確認領域20の像が含まれているが、第2撮像素子182が複数あることにより第2撮像画像Im2が複数ある場合には、複数の第2撮像画像Im2の少なくとも1つに確認領域20の像が含まれていればよい。
【0116】
また、第1撮像素子181及び第1撮像領域A3は、第1領域A1より大きくてもよい。すなわち、第1撮像素子181の第1撮像領域A3で、第1領域A1に結像された被写体の像(第1撮像画像Im1)と、第2領域A2に結像された確認領域20の像(第2撮像画像Im2)と、を撮像するようにしてもよい。これにより、1つの撮像素子(第1撮像素子181)で、第1領域A1に結像された被写体の像と、第2領域A2に結像された確認領域20の像と、を撮像することができる。第1撮像素子181で第2領域A2に結像された確認領域20の像を撮像する場合、第1撮像素子181の大きさを、図5に示す4つの第2撮像素子182を含む程度の大きさに拡大することが好ましい。この場合、4つの第2撮像素子182は、基板18に実装されない。
【0117】
確認領域20は、有彩色で透光性を有していればよい。確認領域20は、例えば青色や赤色でもよい。
【0118】
第1撮像画像Im1は、防犯目的で利用されてもよい。この場合、例えば制御部32は、第1撮像画像Im1に対してパターン認識処理を行うことで、あらかじめ登録された人物の顔画像と一致しない顔画像が第1撮像画像Im1に含まれているか否かを確認する。第1撮像画像Im1にあらかじめ登録された人物の顔画像と一致しない顔画像が含まれている場合、制御部32は、不審者が撮影されたことを、通知部33に通知させる。
【0119】
また、第1撮像画像Im1は、災害時などの非常時に逃げ遅れた人物がいないことを確認する目的で利用されてもよい。この場合、例えば制御部32は、第1撮像画像Im1に対してパターン認識処理を行うことで、あらかじめ登録された人物の顔画像が第1撮像画像Im1に含まれているか否かを確認する。あらかじめ登録された人物の顔画像が第1撮像画像Im1に含まれている場合、例えば制御部32は、第1撮像画像Im1に含まれている顔画像に対応する人物が避難経路を通ったことを、表示部34に表示させる。また、制御部32は、第1撮像画像Im1に顔画像が含まれていることが確認できていない人物の情報を、逃げ遅れている可能性がある人物の情報として表示部34に表示させてもよい。
【0120】
(実施形態2)
(1)概要
図11に示すように、本実施形態の表示装置1aは、筐体50の少なくとも一部が天井200(造営材)に埋め込まれている点で、実施形態1の表示装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。なお、以下の説明では、表示パネル8a(図15参照)と第2導光パネル7b(図15参照)が並ぶ方向を前後方向(第2方向)と規定し、第2導光パネル7bから見て表示パネル8a側を前とし、表示パネル8aから見て第2導光パネル7b側を後とする。また、光源部6(図15参照)と第2導光パネル7bとが並んでいる方向を上下方向(第1方向)と規定し、第2導光パネル7bから見て光源部6側を上とし、光源部6から見て第2導光パネル7b側を下とする。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向とする。
【0121】
(2)詳細
図11に示すように、本実施形態の表示装置1aは、表示部5aと、筐体50と、取付枠51と、を備えている。
【0122】
筐体50は、少なくとも一部が天井200に埋め込まれている。また、筐体50は下面が開口の箱形状であり、制御部2と、二次電池3と、撮像部4と、光源部6と、を収容している。
【0123】
取付枠は板状である。取付枠51は、筐体50及び天井200の下方において、筐体50及び天井200と対向するように配置されている。取付枠51は、筐体50の下面の開口を覆うように配置されている。取付枠51が天井200に取り付けられ、取付枠51と筐体50とを固定することで、筐体50及び表示部5aが天井200に対して固定される。
【0124】
図12は、表示装置1aを下方から見た平面図である。図12に示すように、取付枠51は、開口部52と、複数(図12の例では4つ)の通過領域53と、を有している。なお、以下の説明において4つの通過領域53の各々を区別しないときは、4つの通過領域53の各々を「通過領域53」という。
【0125】
図12に示すように、開口部52は、上下方向からの平面視において、開口部52は、長手方向が左右方向に沿った矩形状の開口である。開口部52は、表示部5aに貫通される開口である。
【0126】
本実施形態の4つの通過領域53は円形状の貫通孔である。4つの通過領域53は開口部52の4隅の外側に設けられている。本実施形態では4つの通過領域53のうち、前側かつ左側に設けられた通過領域53の上方に撮像部4が配置されている(図14参照)。
【0127】
図15は、図11のC-C線における断面図である。図15に示すように、本実施形態の表示部5aは、表示パネル8aと、第2導光パネル7bと、有している。
【0128】
表示パネル8aは板状であり、表示パネル8aの厚さ方向は前後方向に沿っている。表示パネル8aは、取付枠51の開口部52(図14参照)を貫通し、下方に(第1方向に沿って)突出している。表示パネル8aは、前後方向に沿って第2導光パネル7bと対向しており、第2導光パネル7bの前方に配置されている。
【0129】
第2導光パネル7bは板状であり、第2導光パネル7bの厚さ方向は前後方向に沿っている。第2導光パネル7bは、取付枠51の開口部52を貫通し、下方向に突出している。第2導光パネル7bは、前後方向(第2方向)に沿って表示パネル8aと対向しており、表示パネル8aの後方に配置されている。
【0130】
また、本実施形態の表示装置1aは、第1導光パネル7aを備えている。第1導光パネル7aは、第1導光パネル7aの厚さ方向(第1方向)が上下方向に沿った板状である。第1導光パネル7aは、上下方向(第1方向)に沿って撮像部4(図16参照)及び取付枠51と対向している。また第1導光パネル7aの少なくとも一部は、光源部6の下方に配置されている。本実施形態の第1導光パネル7aは、光源部6が発する光を、撮像部4の下方まで導光する。
【0131】
図16は、第1導光パネル7aの要部を示す概略図である。図16に示すように、本実施形態の第1導光パネル7aは、通過領域71aと、確認領域20と、を有する。
【0132】
通過領域71aは、上下方向(第1方向)からの平面視において円形状の貫通孔である。図17に示すように、通過領域71aは、上下方向において撮像部4と重なる。本実施形態の通過領域71aは、取付枠51の通過領域53より径が小さい。また、本実施形態では、上下方向(第1方向)から見て、通過領域71aの中心と、レンズ17(図5参照)の中心と、通過領域53中心と、が重なっている。
【0133】
確認領域20は、通過領域71aの周縁部に設けられており、円環形状である(図16参照)。確認領域20は、取付枠51の通過領域53と対向している。
【0134】
図13に示すように、本実施形態の撮像部4は、筐体50に設けられている。また、撮像部4は、天井200に埋め込まれている。図17に示すように、本実施形態の撮像部4は、通過領域71a及び通過領域53を介して取付枠51の下方(外側)を撮像する。
【0135】
また、本実施形態では、撮像部4の向きが変更されることにより、撮像部4の撮影範囲が例えば撮影範囲21a,21b,21cと変化する。本実施形態では、撮影範囲21a,21b,21cのいずれにおいても、確認領域20の少なくとも一部を含むようになっている。より、具体的には、確認領域20の少なくとも一部の像が撮像部4の第2撮像領域A4に結像されるようになっている。これにより、撮像部4が確認領域20の像を、常に撮像することが可能である。
【0136】
(3)作用効果
上述のように、本実施形態の表示装置1aは、第1導光パネル7aと、第2導光パネル7bと、表示パネル8aと、筐体50と、取付枠51と、を備えている。筐体50は、少なくとも一部が天井200に埋め込まれている。取付枠51は、筐体50を天井200に取り付けるように構成されており、板状である。第1導光パネル7aは、第1導光パネル7aの厚さ方向である第1方向(上下方向)に沿って撮像部4及び取付枠51と対向している。第1導光パネル7aは、通過領域71aを有している。通過領域71aは、上下方向において撮像部4と重なる。第2導光パネル7bは、第1方向と交差する第2方向(前後方向)に沿って表示パネル8と並んで配置されている。取付枠51は、開口部52と、通過領域53と、を有している。通過領域53は、上下方向から見て、撮像部4と重なっている。表示パネル8及び第2導光パネル7bは、取付枠51の開口部52を貫通し、下方に向かって天井200から突出している。確認領域20は、第1導光パネル7aのうち、取付枠51の通過領域53と対向する部分に設けられている。撮像部4は、筐体50に設けられ、通過領域71a及び通過領域53を介して、取付枠51の下方(外側)を撮像する。少なくとも一部が天井200に埋め込まれる筐体50に設けられた撮像部4で、確認領域20と取付枠51の下方とを撮像することができる。
【0137】
(4)変形例
実施形態2は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない、実施形態2は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0138】
取付枠51の通過領域53及び第1導光パネル7aの通過領域71aの少なくとも一方は、透明であってもよい。
【0139】
実施形態2で説明した種々の構成は、実施形態1及び実施形態1の変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
【0140】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る表示装置(1;1a)は、表示パネル(8)と、導光パネル(7)と、光源部(6)と、撮像部(4)と、通信部(24)と、を備える。導光パネル(7)は、光を導光する。光源部(6)は、導光パネル(7)を介して表示パネル(8)に光を供給する。撮像部(4)は、導光パネル(7)の少なくとも一部と対向し、撮像領域(第1撮像領域A3;第2撮像領域A4)に結像される被写体の撮像画像(第1撮像画像Im1;第2撮像画像Im2)を生成する。通信部(24)は、撮像画像を管理装置(30)に送信する。撮像部(4)は、導光パネル(7)のうちの撮像部(4)と対向する部分の厚さ方向に沿って導光パネル(7)側を撮像する。表示パネル(8)及び導光パネル(7)の少なくとも一方は、撮像領域内に結像される領域である確認領域(20)を有する。
【0141】
この態様によれば、撮像部(4)は、確認領域(20)が撮像された撮像画像(第1撮像画像Im1;第2撮像画像Im2)を生成し、撮像画像を管理装置(30)に送信する。管理装置(30)又は管理装置(30)のオペレータなどは、確認領域(20)の像が点灯状態か否かを確認することで、表示装置(1;1a)が正常に動作しているか否かを容易に確認することができる。これにより、表示装置(1;1a)の点検にかかる負担を低減することができる。
【0142】
第2の態様に係る表示装置(1;1a)は、第1の態様において、非常用電源(二次電池3)、を更に備えている。非常用電源は、常用電源(系統電源PS1)の停電時に光源部(6)に電力を供給する。
【0143】
この態様によれば、表示装置(1;1a)は、非常用電源(二次電池3)を備える非常用の表示装置である。定期的に点検が必要となる非常用の表示装置(1;1a)の点検にかかる負担を低減することができる。
【0144】
第3の態様に係る表示装置(1;1a)では、第1又は第2の態様において、表示パネル(8)は避難経路に関する情報(表示パターン80)を表示する。
【0145】
この態様によれば、表示装置(1;1a)は避難誘導灯である。定期的に点検が必要となる避難誘導灯である表示装置(1;1a)の点検にかかる負担を低減することができる。
【0146】
第4の態様に係る表示装置(1;1a)では、第1から第3のいずれかの態様において、確認領域(20)は有彩色であり、透光性を有している。
【0147】
この態様によれば、撮像画像(第1撮像画像Im1;第2撮像画像Im2)に含まれる確認領域(20)の像が、点灯状態であるのか否かを確認しやすい。
【0148】
第5の態様に係る表示装置(1;1a)では、第1から第4のいずれかの態様において、導光パネル(7)は通過領域(71)を有する。通過領域(71)は、上記厚さ方向において撮像部(4)と重なる。撮像部(4)は、通過領域(71)を介して、導光パネル(7)の外側を撮像する。
【0149】
この態様によれば、撮像部(4)は通過領域(71)を介して、導光パネル(7)の外側を撮像することができる。
【0150】
第6の態様に係る表示装置(1;1a)では、第5の態様において、通過領域(71)は、貫通孔である。
【0151】
この態様によれば、撮像部(4)は貫通孔である通過領域(71)を介して、導光パネル(7)の外側を鮮明に撮像することができる。
【0152】
第7の態様に係る表示装置(1;1a)では、第5の態様において、通過領域(71)は、透明である。
【0153】
この態様によれば、撮像部(4)は透明である通過領域(71)を介して、導光パネル(7)の外側を鮮明に撮像することができる。
【0154】
第8の態様に係る表示装置(1;1a)では、第1から第7のいずれかの態様において、撮像部(4)は、レンズ(17)と、撮像素子(第1撮像素子181)と、を有する。レンズ(17)は、外部からの光を結像面(A0)に収束させて結像させる。撮像素子は、第1撮像領域(A3)と、第2撮像領域(A4)と、を有する。第1撮像領域(A3)は、結像面(A0)の中心部である第1領域(A1)に結像された被写体の像を撮像する領域である。第2撮像領域(A4)は、第1領域(A1)の外側の第2領域(A2)に結像された確認領域(20)の像を撮像する領域である。
【0155】
この態様によれば、1つの撮像素子(第1撮像素子181)で、第1領域(A1)に結像された被写体の像と、第2領域(A2)に結像された確認領域(20)の像と、を撮像することができる。
【0156】
第9の態様に係る表示装置(1;1a)では、第1から第7のいずれかの態様において、撮像部(4)は、レンズ(17)と、第1撮像素子(181)と、第2撮像素子(182)と、を有する。レンズ(17)は、外部からの光を結像面(A0)に収束させて結像させる。第1撮像素子(181)は、結像面(A0)の中心部である第1領域(A1)に結像された被写体の像を撮像する領域である第1撮像領域(A3)を有する。第2撮像素子(182)は、第1領域(A1)の外側の第2領域(A2)に結像された確認領域(20)の像を撮像する領域である第2撮像領域(A4)を有する。
【0157】
この態様によれば、第1撮像領域(A3)より外側の第2撮像領域(A4)で確認領域(20)の像を撮像することで、第1撮像素子(181)の第1撮像領域(A3)で確認領域(20)の像を撮像する必要がなくなる。これにより、第1撮像素子(181)を、例えば表示装置(1)の前方の避難経路のみを撮像する撮像素子とすることができる。
【0158】
第10の態様に係る表示装置(1)は、第1から第9のいずれかの態様において、筐体(9)を、更に備える。筐体(9)は、表示パネル(8)及び導光パネル(7)が取り付けられている。表示パネル(8)及び導光パネル(7)は、通過領域(71,81)を有する。通過領域(71,81)は上記厚さ方向において撮像部(4)と重なる。確認領域(20)は、表示パネル(8)の通過領域(81)の周縁部に設けられており、導光パネル(7)の通過領域(71)と重なる。撮像部(4)は、筐体(9)と導光パネル(7)との間の収容空間(Sp1)に収容されており、導光パネル(7)の通過領域(71)及び表示パネル(8)の通過領域(81)を介して、表示パネル(8)の外側を撮像する。
【0159】
この態様によれば、筐体(9)と導光パネル(7)との間の収容空間(Sp1)に収納された撮像部(4)で、確認領域(20)と表示パネル(8)の外側とを撮像することができる。
【0160】
第11の態様に係る表示装置(1a)は、第1から第9のいずれかの態様において、筐体(50)と、取付枠(51)と、導光パネル(7)としての第1導光パネル(7a)及び第2導光パネル(7b)と、を備える。筐体(50)は、少なくとも一部が造営材(天井200)に埋め込まれる。取付枠(51)は、筐体(50)を造営材に取り付けるように構成されており、板状である。第1導光パネル(7a)は、第1導光パネル(7a)の厚さ方向である第1方向に沿って撮像部(4)及び取付枠(51)と対向する。第1導光パネル(7a)は、通過領域(71a)を有する。通過領域(71a)は、上記第1方向において撮像部(4)と重なる。第2導光パネル(7b)は、上記第1方向と交差する第2方向に沿って表示パネル(8)と並んで配置される。取付枠(51)は、開口部(52)と、通過領域(53)と、を有する。通過領域(53)は、上記第1方向において、撮像部(4)と重なる。表示パネル(8)及び第2導光パネル(7b)は、取付枠(51)の開口部(52)を貫通し、上記第1方向に沿って造営材(天井200)から突出する。確認領域(20)は、第1導光パネル(7a)のうち、取付枠(51)の通過領域(53)と対向する部分に設けられている。撮像部(4)は、筐体(50)に設けられ、第1導光パネル(7a)の通過領域(71a)及び取付枠(51)の通過領域(53)を介して、取付枠(51)の外側を撮像する。
【0161】
この態様によれば、少なくとも一部が造営材(天井200)に埋め込まれる筐体(50)に設けられた撮像部(4)で、確認領域(20)と取付枠(51)の外側とを撮像することができる。
【0162】
第1の態様以外の構成については、表示装置(1;1a)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0163】
第12の態様に係る表示システムは、第1から第11のいずれかの態様に係る表示装置(1;1a)と、管理装置(30)と、を備える。管理装置(30)は、表示部(34)と、制御部(32)と、を有する。表示部(34)は、表示装置(1;1a)から送信された撮像画像(第1撮像画像Im1;第2撮像画像Im2)を表示する。制御部(32)は、表示装置(1;1a)から送信された撮像画像を記憶部(35)に記憶させる。
【0164】
管理装置(30)のオペレータなどは、表示部(34)に表示される確認領域(20)の像が点灯状態か否かを確認することで、表示装置(1;1a)が正常に動作しているか否かを容易に確認することができる。これにより、表示装置(1;1a)の点検にかかる負担を低減することができる。
【0165】
第13の態様に係る表示システムは、第12の態様において、通知部(33)、を更に備える。通知部(33)は、表示装置(1;1a)の光源部(6)が正常に点灯していないことを撮像画像(第1撮像画像Im1;第2撮像画像Im2)に含まれる確認領域(20)の像が示す場合に、光源部(6)が正常に点灯していないことを通知する。
【0166】
この態様によれば、例えば管理装置(30)のオペレータなどは、表示装置(1;1a)が正常に動作していないことを、容易に知ることができる。
【符号の説明】
【0167】
1 表示装置
1a 表示装置
3 二次電池(非常用電源)
4 撮像部
6 光源部
7 導光パネル
7a 第1導光パネル
7b 第2導光パネル
8 表示パネル
9 筐体
17 レンズ
20 確認領域
24 通信部
30 管理装置
50 筐体
51 取付枠
52 開口部
53 通過領域
71 通過領域
80 表示パターン(情報)
81 通過領域
181 第1撮像素子(撮像素子)
182 第2撮像素子
200 天井(造営材)
A0 結像面
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 第1撮像領域(撮像領域)
A4 第2撮像領域(撮像領域)
Im1 第1撮像画像(撮像画像)
Im2 第2撮像画像(撮像画像)
PS1 系統電源(常用電源)
Sp1 収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
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図17