(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】光源ユニット及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20241018BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241018BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20241018BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20241018BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241018BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20241018BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S2/00 230
F21S8/04 110
F21V23/06
F21Y115:10
F21Y103:10
(21)【出願番号】P 2023191276
(22)【出願日】2023-11-09
(62)【分割の表示】P 2021197982の分割
【原出願日】2017-07-25
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 正博
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/105049(WO,A1)
【文献】実開平02-137763(JP,U)
【文献】特開2016-046047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21S 2/00
F21S 8/04
F21V 23/06
F21Y 115/10
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体発光素子を有する基板と、
第1端子部材、及び棒状に形成された導電体を有する接続部材と、
第2端子部材を介して前記固体発光素子に電力を供給する電源回路を有する電源装置と、
第1面と前記第1面の裏面となる第2面を有する板状であって、前記第1面に前記基板が取り付けられ、前記第2面に前記電源装置が取り付けられる取付部材と
、
前記基板を覆うカバーと、
を備え
、
前記接続部材は
、前記基板から前記取付部材を通過して前記
第2端子部材と電気的に接続される前記導電体を通して前記電源回路と前記基板を電気的に接続するように構成されており、
前記電源回路は、
前記第2端子部材と電気的に接続されて前記電源回路で生成する前記電力を出力する出力端子部を有するプリント配線板を有し、
前記第1端子部材は、前記導電体の端部を、前記第2端子部材を介して前記出力端子部と電気的かつ機械的に接続するように構成されており、
前記出力端子部と前記
第1端子部材は、前記取付部材の厚み方向から見て前記取付部材を挟んで対向している、
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記基板は、前記固体発光素子と電気的に接続されている入力端子部を有し、
前記入力端子部は、前記導電体と電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光源ユニットと、前記光源ユニットを支持する器具本体とを備えていることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット及び照明器具に関し、より詳細には、光源と電源装置を備えた光源ユニット、及び当該光源ユニットを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
光源ユニットの従来例として、特許文献1に記載されている発光ユニットを例示する。特許文献1記載の発光ユニットは、それぞれに複数の発光素子(発光ダイオード)が実装されている長尺の基板と、基板を支持する長尺の支持部材と、電源部と、長尺の透光性カバーとを備えている。
【0003】
基板は、支持部材の下面に取り付けられる。透光性カバーは、支持部材の下面に取り付けられて複数の発光素子から放射される光を透過する。電源部は、発光素子の点灯回路(電源回路)を備える電源基板と、電源基板を内部に収容する筐体(電源ボックス)と、電源回路から発光素子に対して電力を供給するための配線とを有している。この配線は、支持部材に設けられた貫通孔(貫通部)を通して基板と電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来例と比較して製造工程の簡略化を図ることができる光源ユニット及び照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る光源ユニットは、固体発光素子を有する基板と、第1端子部材、及び棒状に形成された導電体を有する接続部材と、第2端子部材を介して前記固体発光素子に電力を供給する電源回路を有する電源装置と、第1面と前記第1面の裏面となる第2面を有する板状であって、前記第1面に前記基板が取り付けられ、前記第2面に前記電源装置が取り付けられる取付部材と、前記基板を覆うカバーと、を備える。前記基板は、前記第1面に取り付けられる。前記接続部材は、前記基板から前記取付部材を通過して前記第2端子部材と電気的に接続される前記導電体を通して前記電源回路と前記基板を電気的に接続するように構成されている。前記電源回路は、前記第2端子部材と電気的に接続されて前記電源回路で生成する前記電力を出力する出力端子部を有するプリント配線板を有する。前記第1端子部材は、前記導電体の端部を、前記第2端子部材を介して前記出力端子部と電気的かつ機械的に接続するように構成されている。前記出力端子部と前記第1端子部材は、前記取付部材の厚み方向から見て前記取付部材を挟んで対向している。
【0007】
本発明の一態様に係る照明器具は、前記光源ユニットと、前記光源ユニットを支持する器具本体とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光源ユニット及び照明器具は、従来例と比較して製造工程の簡略化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る光源ユニット及び照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の光源ユニットの電源装置の電源回路の回路図である。
【
図5】
図5は、同上の光源ユニットの接続部材を含む一部分の分解斜視図である。
【
図6】
図6Aは、同上の光源ユニットの第1端子部材の正面図である。
図6Bは、同上の第1端子部材の上面図である。
図6Cは、同上の第1端子部材の背面図である。
図6Dは、同上の第1端子部材の右側面図である。
【
図7】
図7は、同上の光源ユニットの第2端子部材とホルダの分解斜視図である。
【
図8】
図8は、同上の光源ユニットの接続部材を含む一部分の断面図である。
【
図9】
図9は、同上の光源ユニットの一部省略した断面図である。
【
図10】
図10は、同上の光源ユニットの一部省略した断面図である。
【
図11】
図11は、同上の光源ユニットの一部省略した上面図である。
【
図12】
図12は、同上の光源ユニットにおける要部の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る光源ユニット及び照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、以下の説明では、特に断りのない限り、
図1に示す向きにおいて、光源ユニット及び照明器具の上下、左右、前後の各方向を規定する。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
本実施形態の照明器具1は天井100に取り付けられる照明器具である。ただし、実施形態の照明器具は、壁などの天井以外の場所に取り付けられる照明器具であってもかまわない。
【0012】
本実施形態の照明器具1は、
図1及び
図2に示すように光源ユニット2と、器具本体10とを備える。器具本体10は、吊りボルト200に固定され、天井100に直付けされる。光源ユニット2は、器具本体10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0013】
器具本体10は、板金に曲げ加工を施すことで長尺かつ上面(天井100との対向面)が開口する扁平な箱状に形成される。天井100と反対側(下側)の器具本体10の下面には光源ユニット2を収容するための矩形の凹部11が器具本体10の長手方向(左右方向)の全長に亘って設けられている。器具本体10の短手方向(前後方向)における凹部11の両側には、それぞれ傾斜部12が設けられている。傾斜部12は、凹部11の開口端縁から器具本体10の短手方向(前後方向)に延出し、かつ、外側に向かって上方へ傾斜する。
【0014】
電源線30を通すための孔111Aが、凹部11の底板111の長手方向(左右方向)におけるほぼ中央に設けられている。さらに、吊りボルト200を通すための孔111Bが、底板111の長手方向(左右方向)における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている。そして、底板111の下面には端子台25が取り付けられる。端子台25は、電源線30と電気的に接続される。端子台25から接地線を含む3本の電線250が引き出されている。さらに、これら3本の電線250の先端にプラグコネクタ251が電気的に接続されている。
【0015】
光源ユニット2は、
図2及び
図5に示すように、光源部、取付部材21、カバー23、電源装置4、接続部材5を備える。光源部は、複数(例えば、2つ)のLEDモジュール22を備える。
【0016】
複数のLEDモジュール22は、長手方向(左右方向)に並んで配置されている。各LEDモジュール22は、長手方向(左右方向)に長い矩形板状に形成された基板221を有する。基板221は、長尺の矩形平板状の絶縁基板と、絶縁基板の表面にプリントされた配線用の導体(銅はく)とを有している。基板221は、絶縁基板の表面(下面)に複数のLED(発光ダイオード)220が長手方向(左右方向)に沿い、かつ、1列に並べて実装(配置)されている。複数のLEDモジュール22のいずれか1つに、接続部材5と電気的に接続される2つの入力端子部222が設けられている(
図5参照)。なお、基板221を構成している絶縁基板は、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂基板などの樹脂製の絶縁基板であることが好ましい。
【0017】
各LEDモジュール22において隣接するLEDモジュール22と対向する端部には、電源供給用の一対のコネクタ224がそれぞれ実装されている(
図2参照)。そして、互いに隣接する両LEDモジュール22の一対のコネクタ224同士が電気的に接続されることで、一方のLEDモジュール22から他方のLEDモジュール22に点灯電力が中継される。
【0018】
取付部材21は、板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成されている。取付部材21は、長尺かつ矩形板状に形成された底板211と、底板211の短手方向(前後方向)における両端から上向きに延出される一対の側板212とを備える。一対の側板212の先端(上端)には、
図2に示すように、互いに離れる向き(外向き)に傾斜する一対の傾斜部212Aがそれぞれ全長に亘って設けられている。上述したLEDモジュール22は、取付部材21の底板211の一部を切り起こすことで形成された複数の引掛部216により取付部材21に固定される(
図5参照)。これら複数の引掛部216のそれぞれは、底板211の短手方向(前後方向)の両側において、底板211の長手方向(左右方向)に沿って間隔を空けて並ぶように配置されている。基板221は、複数の引掛部216のうちで一対一に対応する引掛部216がそれぞれ挿入される複数の溝部2211を有している(
図5参照)。複数の溝部2211のそれぞれは、基板221の長手方向(左右方向)に沿って間隔を空けて並ぶように形成されている。つまり、基板221は、複数の溝部2211のうちの対応する溝部2211に挿通された引掛部216と底板211との間に基板221が挿入されて取付部材21に固定される(
図9参照)。ただし、複数の引掛部216のうちで取付部材21の長手方向の中央に最も近い位置に在る少なくとも2つの引掛部216(固定用の引掛部216A)が取付部材21に対して基板221を固定している。そして、複数の引掛部216のうちで固定用の引掛部216Aを除く複数の引掛部216は、取付部材21に対して基板221を抜け止めしている。
【0019】
取付部材21は、長手方向(左右方向)における両端寄りの位置において短手方向(前後方向)の一端側に延びる一対の引掛金具214と、短手方向の他端側に配置される一対の引掛ばね215とを有している(
図1参照)。
【0020】
カバー23は、光拡散性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂)により上面(取付部材21側の面)が開口する長尺の箱形に形成されている。カバー23は、前後方向(幅方向)において両端側から中央側に行くほど下側への突出量が大きくなるような凸レンズ形状の曲面部231を有している(
図2参照)。
【0021】
図2に示すように、カバー23の前後方向における両端部に、延出部232がそれぞれ設けられている。各延出部232は、光源ユニット2が器具本体10に取り付けられた状態で、上下方向において器具本体10の凹部11の開口端縁と重なる位置に設けられている。カバー23の短手方向(前後方向)において延出部232の内側には、上側(取付部材21側)に突出する突壁部233がそれぞれ全長に亘って設けられている。各突壁部233の先端には内向きに突出する突起部233Aが設けられている。各突壁部233の根元近くには、それぞれ内向きに突出する支持片233Bが突出している。
【0022】
電源装置4は、プリント配線板40に電子部品が実装されて構成される電源回路49と、電源回路49を収納するケース42とを有する。電源回路49の回路図を
図3に示す。電源回路49は、電源入力部400、フィルタ回路401、整流部402、昇圧回路403、降圧回路404、出力端子部405、主制御回路406、制御電源回路407、調光制御回路408、消灯制御回路409、信号入力部410を備える。
【0023】
電源入力部400は、レセプタクルコネクタからなる。電源入力部400には、端子台25から引き出された電線250と電気的に接続されているプラグコネクタ251(
図1参照)が差込接続される。フィルタ回路401は、コモンモードチョークコイル4010と、アクロス・ザ・ラインコンデンサ4011とを有する。整流部402は、ダイオードブリッジを有する。整流部402は、フィルタ回路401及び電源入力部400を介して交流電源3から入力される交流電圧(交流電流)を全波整流し、脈流電圧(脈流電流)を直流出力端子から出力する。
【0024】
昇圧回路403は、従来周知の昇圧チョッパ回路(力率改善回路)である。昇圧回路403は、チョークコイルL1、スイッチング素子Q1、整流素子D1、平滑コンデンサC1を備える。昇圧回路403は、整流部402から出力される脈流電圧を、当該脈流電圧のピーク値よりも高い直流電圧(例えば、400Vの直流電圧)に変換する。
【0025】
降圧回路404は、従来周知の降圧チョッパ回路(バックコンバータ)である。降圧回路404は、スイッチング素子Q2、インダクタL2、整流素子D2、抵抗R1、平滑コンデンサC2を備える。降圧回路404は、昇圧回路403から出力される直流電圧(第1直流電圧)を、負荷であるLEDモジュール22に適した直流電圧(第2直流電圧)に降圧する。一対の出力端子部405のそれぞれは、プリント配線板40(の上面)に形成されているランドである。各出力端子部405は、降圧回路404の一対の出力端子(平滑コンデンサC2の両端)のうちの対応する出力端子と電気的に接続される。
【0026】
主制御回路406は、昇圧回路403のスイッチング素子Q1並びに降圧回路404のスイッチング素子Q2をそれぞれスイッチングし、昇圧回路403の出力電圧を一定に維持するように構成される。さらに主制御回路406は、降圧回路404の出力電流を目標値に一致させるように構成される。制御電源回路407は、昇圧回路403の出力電圧から制御電圧(例えば、15V~3V程度の直流電圧)を生成するように構成される。主制御回路406は、制御電源回路407から供給される制御電圧で動作する。
【0027】
信号入力部410は、レセプタクルコネクタからなる。信号線を介して伝送されてくる制御信号が信号入力部410を介して調光制御回路408と消灯制御回路409に入力される。
【0028】
消灯制御回路409は、制御信号に応じて、点灯中のLEDモジュール22を消灯させるための消灯信号を生成して主制御回路406に出力するように構成される。主制御回路406は、消灯信号を受け取ると、スイッチング素子Q2のスイッチングを中止して降圧回路404を停止させ、LEDモジュール22を消灯するように構成される。
【0029】
調光制御回路408は、制御信号に応じて、調光信号を生成して主制御回路406に出力するように構成される。調光信号は、LEDモジュール22の光出力(調光レベル)を指示するための信号である。調光レベルは、定格電力が供給されているときのLEDモジュール22の光出力を100%としたとき、LEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力の定格電力に対する比率[%]で表される。例えば、LEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力が定格電力の半分のとき、調光レベルが50%となる。言い換えると、調光制御回路408は、制御信号で指示される調光レベルが50%であれば、降圧回路404からLEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力を定格電力の半分にするように指示する調光信号を生成する。主制御回路406は、調光制御回路408から受け取る調光信号に応じて、スイッチング素子Q2のデューティ比を調整するように構成される。さらに詳しく説明すると、調光制御回路408は、抵抗R1の両端電圧から降圧回路404の出力電流を検出し、当該出力電流の平均値を調光レベルに対応した目標値に一致させるように、調光信号を生成するように構成される。
【0030】
プリント配線板40は、長尺の矩形平板状の絶縁基板と、絶縁基板の裏面にプリントされた配線用の導体(銅はく)とを備えている。プリント配線板40の表面(下面)に、コネクタや平滑コンデンサ、コモンモードチョークコイル4010などの、いわゆるリード部品が実装される(
図4参照)。そして、プリント配線板40の裏面(上面)に、整流部402、主制御回路406、調光制御回路408、消灯制御回路409などの表面実装部品が実装される。ここで、電源入力部400は、プリント配線板40の長手方向(左右方向)の端部の表面に実装される。電源入力部400はフレームアース用の端子片4001を有している。端子片4001は、電源入力部400が有するアース用のコンタクトと電気的に接続されている。端子片4001は、端子片4001の厚み方向(上下方向)に貫通する円形の孔を有している。また、プリント配線板40の端部には、端子片4001の孔と繋がるスルーホールが設けられている。信号入力部410は、プリント配線板40の長手方向(左右方向)の他端部の表面に実装される。なお、プリント配線板40を構成している絶縁基板は、例えば、紙基材フェノール樹脂基板などの樹脂製の絶縁基板であることが好ましい。
【0031】
ケース42は、
図2及び
図4に示すように、底板420と、底板420の短手方向に沿った端縁から立ち上がる一対の第1側板421A、421Bと、底板420の長手方向に沿った端縁から立ち上がる一対の第2側板422A、422Bとを有する。すなわち、ケース42は、底板420に対向する面(下面)が開放された長尺の箱形に形成されている。ケース42は、一対の第2側板422A、422Bの片方である第2側板422Aの先端から外向きに突出する固定板423を備えている。固定板423は、
図2に示すように角樋状に形成されている。また、底板420の長手方向の一端部(左側の端部)にねじ止め部424が設けられている。ねじ止め部424は、底板211から下向きに突出するブリッジ状に形成されている。また、ねじ止め部424にはねじ孔が設けられている。
【0032】
プリント配線板40は、裏面を底板420に対向させる向きでケース42内に収納され、一対の第2側板422A、422Bから切り起こされる4つの爪4220でケース42に固定される(
図4参照)。電源入力部400の差込口は、第1側板421Bに設けられた矩形の窓孔を通してケース42の外に突出する。また、端子片4001の孔に挿通されるねじ4002がプリント配線板40のスルーホールを通過し、ケース42のねじ止め部424のねじ孔にねじ込まれる(
図9参照)。
【0033】
電源装置4は、
図2に示すように、ケース42の底板420が上になるように、光源ユニット2の取付部材21の上面(第2面)に取り付けられる。具体的には、第2側板422B及び固定板423がそれぞれ取付部材21の一対の側板212にねじ止めされることによって、ケース42が取付部材21に固定される。取付部材21に取り付けられた状態において、ケース42の開口が取付部材21の底板211で塞がれる。なお、電源入力部400の端子片4001がねじ4002を介してケース42と導通している。したがって、光源ユニット2が器具本体10に取り付けられた状態では、電源回路49のグランド電位がケース42及びケース42と導通した取付部材21を介して器具本体10の電位と等電位になる。
【0034】
接続部材5は、
図5に示すように、2つの導電体50と、2つの第1端子部材51と、2つの第2端子部材52とを備えている。2つの導電体50はそれぞれ、銅又は銅合金などの導電材料によって細い棒状(例えば、円柱状)に形成される。これら2つの導電体50の長さは、それぞれ数10mm程度が好ましい。
【0035】
2つの第1端子部材51は、互いに同一の形状及び同一の寸法に形成されている。したがって、以下では、1つの第1端子部材51について説明する。第1端子部材51は、
図6A~
図6Dに示すように、矩形板状の金属板からなる板材510を有している。板材510の長手方向X1に沿った両端が、厚み方向X3に沿って同じ向きに曲げ起こされることで板材510が角樋状に形成される(
図6A参照)。第1端子部材51は、
図6Aに示すように、板材510の中央(長手方向X1及び短手方向X2の中央)を貫通する挿通孔511を有している。第1端子部材51は、複数(例えば、3つ)の支持片512と、複数(例えば、3つ)の案内片513とを有することが好ましい。3つの支持片512はそれぞれ、板材510が5角形状に切り起こされて板材510と一体に形成されている。これら3つの支持片512の先端部分5120はそれぞれ、挿通孔511に臨んでいる。さらに、3つの支持片512は、挿通孔511を囲むように等間隔に並んでいる(
図6A及び
図6C参照)。3つの案内片513はそれぞれ、板材510が台形状に切り起こされて板材510と一体に形成されている。これら3つの案内片513の先端はそれぞれ、挿通孔511に臨んでいる。さらに、3つの案内片513は、挿通孔511を囲むように、3つの支持片512の間に1つずつ配置されている(
図6A及び
図6C参照)。なお、これら3つの支持片512及び3つの案内片513はそれぞれ、挿通孔511に近付くに連れて、板材510の厚み方向X3に沿って板材510から遠ざかる向きに傾斜するように構成されている(
図6B及び
図6D参照)。
【0036】
これら2つの第1端子部材51はそれぞれ、基板221に設けられている2つの入力端子部222と一対一に対応して電気的に接続されている。2つの入力端子部222はそれぞれ、基板221の表面(下面)において、基板221を厚み方向(上下方向)に貫通する第2の貫通孔2210の周囲に形成されているランドで構成されている(
図5参照)。2つの入力端子部222はそれぞれ、基板221の表面(下面)に形成されている導体を介して複数のLED220と電気的に接続されている。そして、2つの第1端子部材51はそれぞれ、2つの入力端子部222と一対一に対応し、各第1端子部材51の板材510が、対応する入力端子部222とはんだ接合されることが好ましい。各第1端子部材51は、3つの支持片512及び3つの案内片513を、対応する入力端子部222の第2の貫通孔2210に挿通した状態で、対応する入力端子部222と電気的に接続される(
図9参照)。
【0037】
2つの第2端子部材52は、互いに同一の形状及び同一の寸法に形成されている。したがって、以下では、1つの第2端子部材52について説明する。ただし、以下の説明では、
図7及び
図8において、第2端子部材52の上下、左右、前後の各方向を規定する。
【0038】
第2端子部材52は、
図7及び
図8に示すように、第1ばね片520A、第2ばね片520B、第1主片521A、第2主片521B、接続片522、撓み片523、端子片524及び3つの引掛爪525を有している。第1主片521A及び第2主片521Bはそれぞれ、矩形板状に形成されている。接続片522は、矩形板状に形成されている。接続片522は、前後方向の両端で第1主片521A及び第2主片521Bとそれぞれ連結されている。つまり、第1主片521Aと第2主片521Bは、前後方向に向き合うようにして、接続片522を介して機械的に接続されている。第1ばね片520Aは、矩形板状に形成され、第1主片521Aの下端から下向きに突出している。なお、第1ばね片520Aは、左右方向から見てU字状に湾曲している。第2ばね片520Bは、矩形板状に形成され、第2主片521Bの下端から下向きに突出している。なお、第2ばね片520Bは、左右方向から見てU字状に湾曲している。つまり、第1ばね片520Aと第2ばね片520Bは、先端に向かって互いの距離を狭くするように形成されている。撓み片523は、幅の狭い矩形板状に形成されている。撓み片523は、第2主片521Bの上端から前後方向に沿って第1主片521Aに近付く向きに突出している。端子片524は、細長い矩形板状に形成されている。端子片524は、撓み片523の先端から上向きに突出している。3つの引掛爪525はそれぞれ、第1主片521A、第2主片521B及び接続片522の中央に設けられている。3つの引掛爪525はそれぞれ、上端を外側に向けるようにして切り起こされている。第1ばね片520A、第2ばね片520B、第1主片521A、第2主片521B、接続片522、撓み片523、端子片524及び3つの引掛爪525は、銅又は銅合金などの金属板が加工されることで一体に形成されることが好ましい。
【0039】
これら2つの第2端子部材52はそれぞれ、電源装置4のプリント配線板40に設けられている2つの出力端子部405と一対一に対応して電気的に接続されている。2つの出力端子部405はそれぞれランドで構成されている。各ランドは、プリント配線板40の裏面(上面)において、プリント配線板40を厚み方向(上下方向)に貫通する2つのスルーホール43の周囲に形成されている(
図8参照)。各第2端子部材52の端子片524は、2つの出力端子部405のうちで一対一に対応する出力端子部405のスルーホール43に挿通される。そして、各第2端子部材52の端子片524は、プリント配線板40の裏面において出力端子部405にはんだ接合される。このようにして、2つの第2端子部材52は、電源装置4のプリント配線板40に設けられている2つの出力端子部405と一対一に対応して電気的に接続される。
【0040】
ここで、2つの第2端子部材52はそれぞれ、電気絶縁性を有するホルダ53に保持される。ホルダ53は、
図7に示すように、直方体状の合成樹脂成形体で構成されている。ホルダ53は、2つの第2端子部材52を電気的に絶縁し、かつ、機械的に保持する。ホルダ53は、2つの収容部530を有している(
図7参照)。2つの収容部530はそれぞれ、2つの第2端子部材52のうちの一対一に対応する第2端子部材52を収容している(
図8参照)。なお、2つの収容部530のそれぞれの上面が開口している。そして、2つの第2端子部材52の各々の端子片524が、ホルダ53の上面の開口から突出している(
図8参照)。ホルダ53の下面に、2つの差込口531が開口している(
図5及び
図8参照)。2つの差込口531のそれぞれは、2つの収容部530のうちの対応する収容部530と繋がっている(
図8参照)。2つの差込口531の内側面は、収容部530に向かって傾斜する傾斜面を有している。2つの第2端子部材52はそれぞれ、3つの引掛爪525のそれぞれの先端を収容部530の内壁面に引っ掛けることで収容部530に対して抜け止めされている(
図8参照)。ただし、対応する収容部530に収容されている第2端子部材52の第1ばね片520A及び第2ばね片520Bの一部分(下端部分)が、対応する差込口531内に進出している(
図8参照)。
【0041】
ところで、ホルダ53は、
図7及び
図8に示すように、一対の固定部532を有する。一対の固定部532は、柱状に形成され、ホルダ53の上面における左右両端から上向きに突出している。一対の固定部532は、プリント配線板40に設けられている2つの固定孔44のそれぞれに1つずつ圧入されている。つまり、ホルダ53は、一対の固定部532がプリント配線板40の2つの固定孔44に圧入されることでプリント配線板40に固定されている(
図8参照)。
【0042】
次に、光源ユニット2の組立工程を説明する。ただし、2つの第1端子部材51のそれぞれは、基板221の2つの入力端子部222のうちの対応する入力端子部222とはんだ接合によって電気的に接続されている。同じく、2つの第2端子部材52のそれぞれは、プリント配線板40の2つの出力端子部405のうちの対応する出力端子部405とはんだ接合によって電気的に接続されている。さらに、2つの第2端子部材52をそれぞれ保持したホルダ53が、プリント配線板40に機械的に固定されている。
【0043】
まず、組立作業を行う作業者は、ケース42の開口面(下面)を取付部材21の底板211で塞ぐように、電源装置4を取付部材21の第2面(上面)に取り付ける。電源装置4が取付部材21に取り付けられた状態では、底板211に設けられている第1の貫通孔213とプリント配線板40に実装されているホルダ53が、プリント配線板40の厚み方向(上下方向)から見て重なっている。
【0044】
続いて、作業者は、LEDモジュール22を取付部材21の底板211の第1面(下面)に固定する。このとき、LEDモジュール22の基板221に取り付けられている2つの第1端子部材51はそれぞれ、基板221の厚み方向(上下方向)から見て、ホルダ53の2つの差込口531のうちの対応する差込口531と重なるように配置される(
図8参照)。つまり、第1の貫通孔213は、底板211の第1面(下面)側において、LEDモジュール22の基板221に塞がれている(
図9参照)。したがって、本実施形態の光源ユニット2は、第1の貫通孔213を塞ぐための部材(例えば、片面に接着剤が塗布されたテープなど)が不要となり、部品点数及び製造工程の削減によるコストダウンを図ることができる。
【0045】
そして、作業者は、2つの導電体50のそれぞれを、2つの第1端子部材51のうちの対応する第1端子部材51の挿通孔511に挿入する。このとき、挿通孔511を囲むように配置されている3つの支持片512と3つの案内片513の下面(傾斜面)により、導電体50の上端部(第2端部501)が挿通孔511に案内される。そのため、作業者は、導電体50を容易に挿通孔511に挿入することができる。ただし、3つの支持片512はそれぞれ、導電体50に先端部分5120が接触することによって、導電体50が挿入される向き(上向き)に撓む(弾性変形する)。
【0046】
作業者が導電体50を挿通孔511に挿入すると、導電体50の上端部(第2端部501)がホルダ53の差込口531を通過し、一対一に対応する第2端子部材52の第1ばね片520Aと第2ばね片520Bの間に差し込まれる。つまり、2つの導電体50のそれぞれの第2端部501が第1ばね片520Aと第2ばね片520Bに前後方向から挟まれることにより、各導電体50が一対一に対応する第2端子部材52と電気的に接続される(
図8参照)。また、2つの導電体50のそれぞれの第1端部500が3つの支持片512に挟まれることにより、各導電体50が一対一に対応する第1端子部材51と電気的に接続される(
図8参照)。その結果、LEDモジュール22の2つの入力端子部222のそれぞれと、電源装置4(電源回路49)の2つの出力端子部405のうちの対応する出力端子部405とが接続部材5によって電気的に接続される(
図8参照)。
【0047】
そして最後に、作業者は、取付部材21の開口側を上向きにした状態でカバー23を取付部材21に組み付ける。このとき、カバー23の一対の突壁部233に設けられた一対の突起部233Aが、取付部材21の一対の側板212の一対の傾斜部212Aに引っ掛かり、カバー23が取付部材21に取り付けられる。以上のような組立工程で光源ユニット2が組み立てられる。
【0048】
上述のように光源ユニット2では、2つの導電体50がそれぞれ、対応する第1端子部材51の挿通孔511に挿通されるだけで、電源装置4とLEDモジュール22との電気的な接続作業が完了するように構成されている。そのため、光源ユニット2は、特許文献1記載の発光ユニットのような従来例と比較して、(光源ユニット2の)製造工程の簡略化を図ることができる。
【0049】
また、光源ユニット2において、2つの第1端子部材51のそれぞれは、板材510に設けられた3つの支持片512を有している。これら3つの支持片512のそれぞれは、挿通孔511を囲むように板材510と一体に形成されている。また、3つの支持片512はそれぞれ、挿通孔511に挿通された導電体50(の第1端部500)に押されて弾性変形する。さらに、3つの支持片512はそれぞれ、導電体50の第1端部500に押されている先端部分5120で導電体50と導通している。つまり、光源ユニット2は、板材510の挿通孔511に対して導電体50が傾いていたとしても、複数(例えば、3つ)の支持片512の弾性力により、支持片512のそれぞれの先端部分5120を導電体50に接触させることができる。その結果、光源ユニット2は、互いに一対一に対応する2つの第1端子部材51と2つの第2端子部材52との位置ずれの許容範囲を拡げることができる。しかも、2つの第1端子部材51のそれぞれの板材510と、2つの入力端子部222のそれぞれとを接合しているはんだに加わる応力が、導電体50の傾きの影響を受け難い。したがって、第1端子部材51と導電体50とがはんだ接合などによって固定される場合と比較して、第1端子部材51(の板材510)と入力端子部222を接合しているはんだにクラックが生じ難い。
【0050】
ところで、LEDモジュール22の基板221は、点灯中のLED220から放射される熱及び電源回路49から放射される熱によって膨張する。そして、基板221(絶縁基板)を形成している合成樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の線膨張係数は、取付部材21を形成している金属(例えば、亜鉛鋼板又はステンレス板など)の線膨張係数よりも数十倍以上も大きい。基板221に設けられている複数の溝部2211のそれぞれは、基板221の長手方向に沿った長さを引掛部216の根元部分の長手方向に沿った長さよりも大きくするように構成されている。つまり、基板221は、基板221の長手方向に沿った溝部2211と引掛部216との長さの差分だけ、取付部材21に対して長手方向に沿って伸縮可能である。ゆえに、取付部材21の熱膨張量よりも基板221の熱膨張量が大きくても、基板221が取付部材21に対して長手方向に伸長することで取付部材21の引掛部216から基板221に加わる応力を低減することができる。
【0051】
しかしながら、基板221が熱膨張して取付部材21に対して長手方向に伸長すると、基板221に固定されている第1端子部材51と、ケース42を介して取付部材21に間接的に固定されている第2端子部材52の相対的な位置がずれてしまう。接続部材5は、上述したように、互いに一対一に対応する2つの第1端子部材51と2つの第2端子部材52との位置がある程度ずれても、導電体50を介した電気的な接続を維持することができる。ただし、取付部材21に対する基板221の伸長量(膨張量)が、接続部材5における第1端子部材51と第2端子部材52の位置ずれの許容範囲を超えてしまうと、導電体50を介した電気的な接続を維持できない可能性がある。
【0052】
一方、電源装置4のプリント配線板40も点灯中のLED220から放射される熱及び電源回路49から放射される熱によって膨張する。ただし、プリント配線板40を構成している絶縁基板と基板221を構成している絶縁基板とは、同系の材質(例えば、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂のような合成樹脂)によって形成されている。つまり、合成樹脂と金属のように異系の材質で形成されている基板221及びプリント配線板40と取付部材21の線膨張係数の差に比べて、同系の材質で形成されている基板221とプリント配線板40の線膨張係数の差は非常に小さい。
【0053】
また、基板221及びプリント配線板40はいずれも、それぞれの取付部材21に対する固定位置から離れるほど膨張量(伸長量)が大きくなる。さらに、接続部材5から見た基板221の固定位置及びプリント配線板40の固定位置が取付部材21の長手方向において異なる側にある場合、入力端子部222と出力端子部405の取付部材21の長手方向における位置ずれが大きくなる。
【0054】
これに対して本実施形態の光源ユニット2では、取付部材21に対する基板221の固定位置F1と取付部材21に対するプリント配線板40の固定位置F2が、接続部材5から見て取付部材21の長手方向の同じ側にある(
図9参照)。つまり、基板221とプリント配線板40とは、熱による膨張・収縮時に取付部材21の長手方向において同じ向きに膨張及び収縮する。ここで、固定位置F1と導電体50の最短距離Z1と固定位置F2と導電体50の最短距離Z2との差をZ3(=|Z1-Z2|)と定義する。光源ユニット2では、基板221とプリント配線板40が同じ向きに膨張・収縮するので、基板221及びプリント配線板40の膨張・収縮による差Z3の変化量を減らすことができる。ゆえに、光源ユニット2は、入力端子部222と出力端子部405の取付部材21の長手方向における位置ずれの低減を図ることができる。その結果、光源ユニット2は、電源装置4からLEDモジュール22への配線(入力端子部222、出力端子部405並びに接続部材5)にかかる応力の低減を図ることができる。
【0055】
次に、照明器具1の施工手順を説明する。まず、
図1に示すように、施工者は、天井裏に先行配線された電源線30と信号線を器具本体10の孔111Aに挿通し、さらに室内側に露出する各吊りボルト200を、対応する孔111Bに通す。その後、施工者は、各吊りボルト200にナット300をねじ込んで器具本体10を天井100に固定する。その後、施工者は、電源線30を端子台25に接続し、さらに端子台25のプラグコネクタ251を電源装置4の電源入力部400(
図4参照)に差込接続する。続いて、施工者は、信号線を電源装置4の信号入力部410(
図4参照)に電気的に接続する。
【0056】
そして、施工者は、器具本体10の一方の側板112に設けられた一対の挿通孔112Aにそれぞれ一対の引掛金具214の先端を引っ掛けた後、一対の引掛ばね215を器具本体10の他方の側板112に設けられた引掛部1120に引っ掛ける。そして、施工者が、引掛金具214を支点として光源ユニット2を持ち上げるように回転させると、引掛ばね215が引掛部1120に引っ掛かったままで元の状態に戻ることにより、引掛ばね215のばね力で光源ユニット2が器具本体10に保持される。以上のような手順で照明器具1が天井100に施工される。
【0057】
ここで、光源ユニット2では、基板221の固定位置F1及びプリント配線板40の固定位置F2が、プリント配線板40の長手方向の中央(中心線α1)に対して接続部材5と反対側にある(
図9参照)。光源ユニット2では、基板221を固定する部材(引掛部216A)及びプリント配線板40を固定する部材(ねじ4002)と接続部材5との絶縁距離が確保し易くなる。
【0058】
また、光源ユニット2では、基板221が取付部材21に対して固定されている範囲G1の少なくとも一部が、取付部材21の短手方向(前後方向)から見て、プリント配線板40が取付部材21に対して固定されている範囲G2と重なっている(
図10参照)。なお、基板221が取付部材21に対して固定されている範囲G1とは、引掛部216Aの基板221の下面と対向している範囲である。一方、プリント配線板40が取付部材21に対して固定されている範囲G2とは、ねじ4002の頭部がプリント配線板40の下面と当たっている範囲である。このように範囲G1の少なくとも一部が範囲G2と重なっていれば、基板221及びプリント配線板40の膨張・収縮による差Z3の変化量を更に減らすことができる。
【0059】
しかも、光源ユニット2では、基板221及びプリント配線板40が、合成樹脂製の絶縁基板で形成されている。そのため、基板221とプリント配線板40のそれぞれの線膨張係数の差が小さくなるから、基板221及びプリント配線板40の膨張・収縮による差Z3の変化量を更に減らすことができる。
【0060】
ところで、光源ユニット2では、接続部材5が、棒状に形成されている導電体50と、第1端子部材51と、第2端子部材52とを有している。第1端子部材51は、導電性を有し、かつ、厚み方向に貫通する挿通孔511が設けられている板材を有している。板材は、基板221の厚み方向から見て、入力端子部222を貫通する孔と挿通孔511を重ねるようにして、入力端子部222と電気的に接続される。第1端子部材51は、導電体50の第1端部500を、入力端子部222と電気的かつ機械的に接続するように構成されている。第2端子部材52は、第1の貫通孔213を通して導電体50の第2端部501を、出力端子部405と電気的かつ機械的に接続するように構成されている。光源ユニット2では、接続部材5が上述のように構成されているので、接続部材5によって基板221の入力端子部222とプリント配線板40の出力端子部405を電気的に接続する作業の作業性の向上を図ることができる。
【0061】
ここで、プリント配線板40の固定位置F2(ねじ止め部424)と出力端子部405(端子片524)の位置は、取付部材21の短手方向(前後方向)においてずれていても構わない(
図11参照)。言い換えると、プリント配線板40の固定位置F2と出力端子部405(端子片524)の位置は、取付部材21の長手方向に沿って直線状に並んでいる必要はない。
【0062】
また、
図12に示すように、取付部材21に対して基板221が固定されている範囲G1が、取付部材21の短手方向(前後方向)から見て、基板221の入力端子部222(第1端子部材51)と重なっていても構わない。光源ユニット2では、取付部材21に対して基板221が固定されている範囲G1が基板221の入力端子部222(第1端子部材51)と重なれば、基板221の膨張・収縮による入力端子部222の位置の変化を抑制することができる。
【0063】
以上述べた実施形態から明らかなように、本発明の第1の態様に係る光源ユニット(2)は、固体発光素子(LED220)及び固体発光素子(LED220)と電気的に接続されている入力端子部(222)を有する長尺の基板(221)を備える。光源ユニット(2)は、固体発光素子(LED220)に電力を供給する電源回路(49)を有する電源装置(4)を備える。光源ユニット(2)は、基板(221)及び電源装置(4)が取り付けられる取付部材(21)と、電源回路(49)と入力端子部(222)を電気的に接続する接続部材(5)とを備える。電源回路(49)は、プリント配線板(40)を有している。プリント配線板(40)は、基板(221)と同系の材質によって長尺の板状に形成され、かつ、電源回路(49)で生成される電力を出力する出力端子部(405)を有している。取付部材(21)は、第1面と第1面の裏面となる第2面を有する長尺の板状に形成され、第1面に基板(221)が取り付けられ、第2面に電源装置(4)が取り付けられている。さらに、取付部材(21)は、第1面から第2面に貫通する貫通孔(213)が設けられている。入力端子部(222)及び出力端子部(405)は、取付部材(21)の厚み方向から見て貫通孔(213)と重なる位置に配置されている。接続部材(5)は、貫通孔(213)を通して入力端子部(222)と出力端子部(405)とを電気的に接続するように構成されている。取付部材(21)に対する基板(221)の固定位置(F1)及び取付部材(21)に対するプリント配線板(40)の固定位置(F2)が、接続部材(5)から見て、取付部材(21)の長手方向の同じ側である。
【0064】
第1の態様に係る光源ユニット(2)では、基板(221)とプリント配線板(40)が同じ向きに膨張・収縮するので、基板(221)及びプリント配線板(40)の膨張・収縮による入力端子部(222)と出力端子部(405)の取付部材(21)の長手方向における位置ずれの低減を図ることができる。その結果、光源ユニット(2)は、電源装置(4)から固体発光素子(LED220)への配線(入力端子部222、出力端子部405並びに接続部材5)にかかる応力の低減を図ることができる。
【0065】
第2の態様に係る光源ユニット(2)では、第1の態様において、基板(221)の固定位置(F1)及びプリント配線板(40)の固定位置(F2)が、プリント配線板(40)の長手方向の中央(中心線α1)に対して接続部材(5)と反対側にあることが好ましい。
【0066】
第2の態様に係る光源ユニット(2)では、基板(221)を固定する部材(引掛部216A)及びプリント配線板(40)を固定する部材(ねじ4002)と接続部材(5)との絶縁距離が確保し易くなる。
【0067】
第3の態様に係る光源ユニット(2)では、第1又は第2の態様において、基板(221)が取付部材(21)に対して固定されている範囲の少なくとも一部は、取付部材(21)の短手方向から見て、プリント配線板(40)が取付部材(21)に対して固定されている範囲と重なっていることが好ましい。
【0068】
第3の態様に係る光源ユニット(2)では、基板(221)及びプリント配線板(40)の膨張・収縮による差(Z3)の変化量を減らし、配線(入力端子部222、出力端子部405並びに接続部材5)にかかる応力の更なる低減を図ることができる。
【0069】
第4の態様に係る光源ユニットでは、第1~第3のいずれかの態様において、基板(221)及びプリント配線板(40)は、合成樹脂製の絶縁基板で形成されていることが好ましい。
【0070】
第4の態様に係る光源ユニット(2)では、基板(221)とプリント配線板(40)のそれぞれの線膨張係数の差が小さくなる。その結果、光源ユニット(2)では、基板(221)及びプリント配線板(40)の膨張・収縮による差(Z3)の変化量を減らし、配線(入力端子部222、出力端子部405並びに接続部材5)にかかる応力の更なる低減を図ることができる。
【0071】
第5の態様に係る光源ユニット(2)では、第1~4のいずれかの態様において、接続部材(5)は、棒状に形成されている導電体(50)と、第1端子部材(51)と、第2端子部材(52)とを有することが好ましい。第1端子部材(51)は、導電性を有し、かつ、厚み方向に貫通する挿通孔(511)が設けられている板材を有していることが好ましい。板材は、基板(221)の厚み方向から見て、入力端子部(222)を貫通する孔と挿通孔(511)を重ねるようにして、入力端子部(222)と電気的に接続されることが好ましい。第1端子部材(51)は、導電体(50)の第1端部(500)を、入力端子部(222)と電気的かつ機械的に接続するように構成されることが好ましい。第2端子部材(52)は、貫通孔(213)を通して導電体(50)の第2端部(501)を、出力端子部(405)と電気的かつ機械的に接続するように構成されることが好ましい。
【0072】
第5の態様に係る光源ユニット(2)では、接続部材(5)によって基板(221)の入力端子部(222)とプリント配線板(40)の出力端子部(405)を電気的に接続する作業の作業性の向上を図ることができる。
【0073】
第6の態様に係る照明器具(1)は、第1~第5のいずれかの態様の光源ユニット(2)と、光源ユニット(2)を支持する器具本体(10)とを備えている。
【0074】
第6の態様に係る照明器具(1)では、電源装置(4)から固体発光素子(LED220)への配線(入力端子部222、出力端子部405並びに接続部材5)にかかる応力の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 照明器具
2 光源ユニット
4 電源装置
5 接続部材
10 器具本体
21 取付部材
40 プリント配線板
49 電源回路
50 導電体
51 第1端子部材
52 第2端子部材
213 第1の貫通孔
216A 引掛部
220 LED(固体発光素子)
221 基板
222 入力端子部
405 出力端子部
500 第1端部
501 第2端部
511 挿通孔
2210 第2の貫通孔
4002 ねじ
F1 固定位置
F2 固定位置
α1 中心線