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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】液体燃料ストーブ
(51)【国際特許分類】
   F23D 3/08 20060101AFI20241018BHJP
   F23D 3/18 20060101ALI20241018BHJP
   F23D 3/22 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F23D3/08 620C
F23D3/08 620K
F23D3/18 P
F23D3/22
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023504018
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 FI2020050512
(87)【国際公開番号】W WO2022023617
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】523019295
【氏名又は名称】ヤングポート オサケユキチュア
(73)【特許権者】
【識別番号】523019309
【氏名又は名称】ウー,ジアンリン
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジアンリン
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107461738(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109140435(CN,A)
【文献】特表平11-505318(JP,A)
【文献】国際公開第2007/080471(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 3/08
F23D 3/18
F23D 3/22
F23C 5/06
A47J 36/36
A47J 36/26
F24C 5/00
F23D 11/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(10)と、ベース(20)と、リリーフパイプ(22)と、制御火炎パイプ(30)と、調整構造体(40)と、複数の燃焼構造体(50)と、を備える液体燃料ストーブであって、
前記容器(10)が液体燃料を収容するように構成され、その頂部に定義された開口部(11)を含み、前記ベース(20)が前記容器と接続可能であり、前記開口部(11)の内部にあり、前記制御火炎パイプ(30)及び前記複数の燃焼構造体(50)が前記ベース(20)に取り付けられ、前記複数の燃焼構造体(50)が前記制御火炎パイプ(30)の周りに配置され、前記制御火炎パイプ(30)の底部は前記容器(10)の内部に延び、前記制御火炎パイプ(30)の頂部は前記ベース(20)の上方に延び、前記制御火炎パイプ(30)はその頂部に形成された熱伝導部(31)を含み、前記制御火炎パイプ(30)はさらに前記制御火炎パイプ(30)の壁を通過して前記ベース(20)の頂部と前記熱伝導部(31)の間に位置する複数の一次蒸気オリフィス(32)を含み、
前記制御火炎パイプ(30)が、その中に収容された一次ウィック(33)をさらに含み、前記一次ウィック(33)が耐熱材料からなり、前記調整構造体(40)が前記制御火炎パイプ(30)上に配置され、小火炎を調整するように構成されており、
前記複数の燃焼構造体(50)が、それぞれ複数の気化パイプ(51)、複数の伝導板(52)、及び複数の主火炎パイプ(53)から構成されており、
前記複数の気化パイプ(51)が前記ベース(20)上で連結され、前記複数の伝導板(52)が前記複数の気化パイプ(51)の頂部とそれぞれ連結され、前記複数の主火炎パイプ(53)が前記複数の伝導板(52)の頂部とそれぞれ連結され、前記複数の主火炎パイプの頂部にそれぞれ火炎ポート(532)が形成されており、
前記複数の伝導板(52)が、前記制御火炎パイプ(30)に隣接する前記複数の気化パイプ(51)と前記複数の主火炎パイプ(53)との間にそれぞれ規定され、前記小火炎の熱の一部が前記複数の気化パイプ(51)にそれぞれ伝導されて、前記液体燃料が気化して前記複数の気化パイプ(51)にそれぞれ配置された複数の三次蒸気オリフィス(56)から噴霧されるようにし、前記小火炎と前記複数の三次蒸気オリフィスを遮蔽し、前記小火炎が前記複数の主火炎パイプ(53)に個別に吸引されないようにし、
前記各気化パイプ(51)の底部が前記容器(10)内に延び、耐熱材料からなるウィック(54)を有し、前記液体燃料が毛細管現象により前記気化パイプ(51)内に流れ、そこで加熱されて可燃性ガスとなり、そのガスが前記主火炎パイプ(53)に流れて大火炎を発生させ、
前記気化パイプ(51)が、前記ウィック(54)と、前記気化パイプ(51)の上端に配置された前記三次蒸気オリフィス(56)とを備え、前記気化パイプ(51)内の気体燃料の流速を高め、前記複数の主火炎パイプ(53)へ可燃性蒸気を吸収させるようにしたことを特徴とする液体燃料ストーブ。
【請求項2】
前記気化パイプ(51)はその頂部にエンドキャップ(55)が形成され、前記ウィック(54)は前記エンドキャップ(55)の底部に隣接し、前記三次蒸気オリフィス(56)は前記エンドキャップ(55)を通過して、前記気化パイプ(51)内の気体燃料の流速を高め、前記複数の主火炎パイプ(53)へ可燃性蒸気を吸収させる、請求項1に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項3】
前記燃焼構造体(50)は、気体燃料と燃焼用空気が旋回流及び膨張流現象を生じるように、前記主火炎パイプ(53)と前記伝導板(52)の間に規定された少なくとも一つの旋回要素(57)を有する請求項1又は2に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項4】
前記調整構造体(40)は、規制部(41)、嵌合リング(42)、及び制御ピン(43)を含み、
前記規制部(41)は、前記制御火炎パイプ(30)の外壁に回転可能に嵌合され、前記規制部(41)が、それを通過して前記複数の一次蒸気オリフィス(32)にそれぞれ隣接して位置する複数の開口部(44)を含み、
前記嵌合リング(42)が前記規制部(41)の外壁と嵌合し、蒸気室(45)が前記規制部(41)と前記嵌合リング(42)の間に画定され、前記調整構造体(40)が、そこを通る複数の二次蒸気オリフィス(46)を含み、
前記蒸気室(45)は、前記複数の開口部(44)及び前記複数の二次蒸気オリフィス(46)と連通し、前記複数の二次蒸気オリフィス(46)は、前記制御火炎パイプ(30)に隣接する前記複数の燃焼構造体(50)にそれぞれ面していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項5】
前記制御火炎パイプ(30)と前記複数の主火炎パイプ(53)の間に熱伝導部品(60)を規定し、前記熱伝導部品(60)の中心を前記熱伝導部(31)に嵌合し、前記熱伝導部品(60)に前記複数の主火炎パイプ(53)を個別に嵌合した請求項1から4のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項6】
前記複数の主火炎パイプ(53)の頂部に配置され、円形の第2蒸気室(72)を有する円形ヘッド(70)をさらに備え、
前記第2蒸気室(72)は、前記複数の燃焼構造体(50)と連通しており、前記円形ヘッド(70)は、前記円形ヘッド(70)の頂部の外縁の周りに形成されて前記第2蒸気室(72)と連通する空隙(74)を備え、気体燃料と燃焼用空気の混合空気が前記複数の主火炎パイプ(53)から前記第2蒸気室(72)に流入し、混合空気が前記空隙(74)より流出するようにされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項7】
前記制御火炎パイプ(30)は、前記容器(10)の内部に装着された制御火炎パイプ断熱スリーブ(34)をさらに含み、前記複数の気化パイプ(51)は、前記容器(10)の内部に装着された複数の気化パイプ断熱スリーブ(58)をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項8】
複数のリリーフパイプ(22)と、前記複数のリリーフパイプ(22)の頂部にそれぞれ接続された複数のダクト(24)と、をさらに備え、
前記複数のダクト(24)が、気体燃料を前記複数のリリーフパイプ(22)を介して上方に流れるように誘導する、請求項1から7のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項9】
複数のリリーフパイプ(22)をさらに備え、
複数の接続パイプ(23)は、前記複数のリリーフパイプ(22)の頂部にそれぞれ接続されて前記複数の三次蒸気オリフィス(56)と連通し、
気体燃料が前記複数の接続パイプ(23)を介して前記複数のリリーフパイプ(22)から個別に前記複数の三次蒸気オリフィス(56)の外に噴霧される、請求項1から8のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項10】
前記リリーフパイプ(22)は、前記ベースに回転可能に取り付けられ、前記容器(10)と連通している、請求項1から9のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項11】
前記制御火炎パイプ(30)及び前記複数の燃焼構造体(50)は、前記ベース(20)に回転可能に取り付けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【請求項12】
前記複数の燃焼構造体(50)は、前記制御火炎パイプ(30)の周りに対向して配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の液体燃料ストーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストーブに関する。特に、液体燃料ストーブに関する。
【背景技術】
【0002】
液体燃料ストーブは、液体燃料を燃料として使用する調理用ストーブなどのストーブである。このようなストーブとして、液体アルコールを燃料とする調理用ストーブなどのアルコールストーブがある。アルコールストーブ等の液体燃料ストーブは、アルコール等の液体燃料が携帯しやすいため、屋外やテーブルでの調理、飲料水の沸騰等のためのストーブとして利用することができる。
【0003】
従来の液体燃料ストーブは、台湾特許第I628395号に開示されており、容器、ベース、パイプ、調整器、及び制御ピンを含んでいる。容器は、液体燃料を収容するように構成されており、容器の頂部に開口部が形成されている。ベースは、容器の開口部に取り付けられる。パイプは、ベースに固定され、調整器は、パイプに回転可能に嵌合される。パイプは、その中を通る複数のエアオリフィスを有し、調整器は、その中を通る複数の三次蒸気オリフィスを有する。ベースはパイプを囲むように複数のチューブを有し、複数のチューブはその頂部にそれぞれ複数の四次エアオリフィスが形成されており、複数の一次蒸気オリフィスはチューブの延長線上に個別に面している。
【0004】
しかし、気化した燃料が複数のチューブから噴射して大火炎を出すと、燃焼用空気の獲得が限られるため、メタノールなど炭素数の少ない燃料が適用される。液体燃料が炭素数の高いエタノールやガソリンなどの場合、燃焼用空気が減少し、大火炎を完全に燃焼させることができず、炭素堆積物を発生させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した欠点を緩和及び/又は回避するために生じたものである。
【0006】
本発明の目的は、上述した欠点を緩和することである。本発明の目的は、可燃性蒸気を供給し、燃焼効率を高めるように構成された複数の主火炎パイプを含む液体燃料ストーブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の側面によれば、本発明は、容器と、ベースと、リリーフパイプと、制御火炎パイプと、調整構造体と、複数の燃焼構造体と、を備える液体燃料ストーブを提供する。前記容器は、前記液体燃料を収容するように構成され、その頂部に定義された開口部を有し、前記ベースは、前記容器と接続可能であり、好ましくは前記開口部の内部にあり、前記制御火炎パイプ及び前記複数の燃焼構造体は、前記ベースに取り付けられ、前記複数の燃焼構造体は、前記制御火炎パイプの周りに配置してもよく、前記制御火炎パイプの底部は前記容器内部に延び、前記制御火炎パイプの頂部は前記ベースより上に延びている。そして、前記制御火炎パイプは、その頂部に形成された熱伝導部を含み、制御火炎パイプは、制御火炎パイプの壁を通り、ベースの頂部と熱伝導部の間に位置する複数の一次蒸気オリフィスをさらに含み、制御火炎パイプは、そこに収容された一次ウィックをさらに含み、一次ウィックは耐熱材料で作られ、調整構造体は、制御火炎パイプに配置され、小火炎を調整するよう構成されていることを特徴としている。前記複数の燃焼構造体は、それぞれ複数の気化パイプ、複数の伝導板、及び複数の主火炎パイプからなり、複数の気化パイプはベース上で連結され、複数の伝導板はそれぞれ複数の気化パイプの頂部と連結され、複数の主火炎パイプはそれぞれ複数の伝導板の頂部と連結され、複数の主火炎パイプの頂部にそれぞれ火炎ポートを形成し、複数の伝導板はそれぞれ複数の気化パイプと制御火炎パイプに隣接する複数の主火炎パイプの間に規定されており、前記小火炎の熱の一部が前記複数の気化パイプにそれぞれ伝導され、前記液体燃料が気化して前記複数の気化パイプにそれぞれ配置された複数の三次蒸気オリフィスから噴出することにより、前記小火炎と前記複数の三次蒸気オリフィスを遮蔽し、前記小火炎が個別に前記複数の主火炎パイプに引き込まれないようにするものであり、各気化パイプの底部は容器内に延び、耐熱材料からなるウィックを有し、液体燃料は毛細管現象により気化パイプに流れ込み、そこで加熱されて可燃性ガスとなり、そのガスが主火炎パイプに流れ込んで大火炎を発生させることを特徴とするものである。気化パイプは、ウィックと、気化パイプの上端に配置された三次蒸気オリフィスからなり、気化パイプ内の気体燃料の流速を高め、複数の主火炎パイプに可燃性蒸気を吸収させるようになっている。
【0008】
技術的効果は、上記の特徴の少なくともいくつかを備えた液体燃料ストーブは、液体燃料の燃焼効率を高めることができることである。本発明は、従来技術の問題点を解決するための健全かつ費用対効果の高い解決策を提供する。当該液体燃料ストーブは、独立請求項に記載された内容によって特徴付けられる。いくつかの他の実施形態は、他の請求項に記載されている内容によって特徴付けられる。発明的な実施形態は、本特許出願の明細書及び図面にも開示されている。また、本特許出願の発明内容は、以下の特許請求の範囲に定義される以外の方法で定義されてもよい。特に、本発明が、明示的又は暗黙的なサブタスクに照らして、または得られた利益又は利益群に照らして検討される場合、発明内容は、複数の別々の発明から形成されることもある。その場合、以下の特許請求の範囲に含まれる定義の一部は、個別の発明思想の観点から不要となる可能性がある。本発明の異なる実施形態の特徴は、基本的な発明思想の範囲内で、他の実施形態に適用され得る。
【0009】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、気化パイプは、その頂部に形成されたエンドキャップを有し、ウィックはエンドキャップの底部に隣接し、三次蒸気オリフィスは、気化パイプ内の気体燃料の流速を高め、複数の主火炎パイプに可燃性蒸気を吸収するようにエンドキャップを貫通することができる。これにより、気化パイプの頂部をエンドキャップで覆いやすく、三次蒸気オリフィスを設けやすいという利点を有する。この構造のため、気化パイプ内の気体燃料の流速を高め、可燃性蒸気を複数の主火炎パイプに吸収させることができる。
【0010】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、燃焼構造体は、気体燃料と燃焼用空気が旋回流及び膨張流現象を生じるように、主火炎パイプと伝導板との間に規定された少なくとも一つの旋回要素を有していてもよい。これによる利点は、気体燃料及び燃焼用空気が少なくとも1つの旋回要素に当たって旋回流及び膨張流現象を生じ、それによって気体燃料及び燃焼用空気の混合均一性が得られ、気体燃料及び燃焼用空気の混合空気が主火炎パイプ内で均一に流れて燃焼効率を高めることができることである。
【0011】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、調整構造体は、規制部、嵌合リング、及び制御ピンを含んでもよく、規制部は、制御火炎パイプの外壁に回転可能に嵌合されてもよく、規制部は、それを通過し、複数の一次蒸気オリフィスにそれぞれ隣接して位置する複数の開口部を含んでもよく、嵌合リングは規制部の外壁に嵌合されてもよく、蒸気室が、規制部と嵌め込みリングとの間に画定されてもよく、調整構造体は、そこを通る複数の二次蒸気オリフィスを含んでもよく、蒸気室は、複数の開口部と複数の二次蒸気オリフィスとを連通し、複数の二次蒸気オリフィスは、制御火炎パイプに隣接する複数の燃焼構造体へそれぞれ面してもよい。
【0012】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、制御火炎パイプと複数の主火炎パイプとの間に熱伝導部品を定め、熱伝導部品の中心を熱伝導部に嵌め込み、熱伝導部品を複数の主火炎パイプに個別に嵌め込んでもよい。この場合、小火炎が調整可能に消火される際に、熱伝導部が制御火炎パイプ及び嵌合リングに熱を伝導し、制御火炎パイプ及び嵌合リングの温度を気化温度より高く維持することができる利点がある。小火炎を点火する場合、調整構造体を回転させて複数の開口部を複数の一次蒸気オリフィスと個別に連絡させ、気体燃料を蒸気室に流入、噴出させて、大火炎と接触した後に小火炎を容易に点火させることができる。
【0013】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、ストーブは、複数の主火炎パイプの頂部に配置され、円形の第2蒸気室を有する円形ヘッドをさらに備えてもよく、第2蒸気室は、複数の燃焼構造体と連通し、円形ヘッドは、円形ヘッドの頂部の外縁の周りに形成されて第2蒸気室と連通する空隙を有してよく、気体燃料と燃焼用空気の混合空気が複数の主火炎パイプから第2蒸気室内に流れ、混合空気が空隙から流れ出るようになっていてもよい。この構造による利点は、液体燃料ストーブの構造にさらなる代替案を提供することである。
【0014】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、制御火炎パイプは、容器内に装着された制御火炎パイプ断熱スリーブをさらに含み、複数の気化パイプは、容器内に装着された複数の気化パイプ断熱スリーブをさらに含むことができる。この構造による利点は、制御火炎パイプ断熱スリーブ及び複数の気化パイプ断熱スリーブが、容器内の液体燃料に伝導する熱エネルギーの低減に役立つことである。
【0015】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、液体ストーブは、複数のリリーフパイプをさらに備え、複数のダクトが複数のリリーフパイプの頂部にそれぞれ接続され、複数のダクトが複数のリリーフパイプを介して気体燃料を上方に流れるように誘導してもよい。この構造による利点は、複数のリリーフパイプが、容器の空間の圧力を安全な範囲に維持するのに役立つことである。
【0016】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、液体ストーブは、複数のリリーフパイプをさらに備え、複数の接続パイプは、複数のリリーフパイプの頂部に接続されて複数の三次蒸気オリフィスとそれぞれ連通し、気体燃料は、複数の接続パイプを個別に介して複数のリリーフパイプから複数の三次蒸気オリフィスに噴出しても良い。この構造による利点は、複数のリリーフパイプから気体燃料を再利用することができ、気体燃料の利用率を向上させることができるということである。
【0017】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、リリーフパイプは、ベースに回転可能に取り付けられ、容器と連通するようにしてもよい。この構造による利点は、リリーフパイプの取り付けと制御が容易であることである。
【0018】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、制御火炎パイプ及び複数の燃焼構造体は、ベースに回転可能に取り付けられてもよい。この構造による利点は、回転可能に取り付けられた制御火炎パイプ及び複数の燃焼構造体の設置、調整及び制御が容易であることである。
【0019】
本液体燃料ストーブの一実施形態において、複数の燃焼構造体は、制御火炎パイプの周りに対向して配置されてもよい。この構造による利点は、この機能が液体燃料ストーブの構造を効率的にし、かつ対費用効果を向上させることである。
【0020】
それによって、複数の燃焼構造体は、燃焼用空気を複数の主火炎パイプに流入させることを容易にする。また、複数の三次蒸気オリフィスを経由して複数の主火炎パイプに流れる気体燃料の流速が速くなる。複数の三次蒸気オリフィスを利用して、複数の主火炎パイプに燃焼用空気を吸入し、気体燃料と混合することで、液体燃料の燃焼効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するのに役立つものである。
図1図1は、本発明の第1の実施形態による液体燃料ストーブの組み立てを示す概略図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態による液体燃料ストーブの分解構成部品を示す概略図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態による液体燃料ストーブの組立状態を示す断面図である。
図4図4は、図3の一部を拡大した断面図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態による液体燃料ストーブの組立状態を示す概略図である。
図6図6は、本発明の第2の実施形態による液体燃料ストーブの組立状態を示す断面図である。
図7図7は、本発明の第3の実施形態による液体燃料ストーブの組立状態を示す概略図である。
図8図8は、本発明の第3の実施形態による液体燃料ストーブの一部の組み立てを示す断面図である。
図9図9は、本発明の第4の実施形態による液体燃料ストーブの組立状態を示す断面図である。
図10図10は、本発明の第5の実施形態による液体燃料ストーブの組立状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1-4は、本発明の一実施形態に係る液体燃料ストーブを示している。実施形態は、本発明の好ましい実施形態であってよい。一実施形態において、液体燃料ストーブは、容器10と、ベース20と、少なくとも1つのリリーフパイプ22と、制御火炎パイプ30と、調整構造体40と、複数の燃焼構造体50とを含んでいてもよい。
【0023】
容器10は、液体燃料を収容するように構成されている。一実施形態において、液体燃料は、アルコール、メタノール、エタノール、ケロセン、ガソリン、及び気化した液体可燃物のうちのいずれか一つであってよい。容器10は、開口部11を含んで構成される。開口部は、容器10の頂部に配置されてもよい。一実施形態では、ベース20は、開口部11上に連結されるように配置されてもよい。ベース20は、開口部11の口12に配置されてもよい。一実施形態において、ベース20は、開口部11の口12上に密封して配置されてもよい。一実施形態において、容器は、ベース20を容器10に接続するためのベース20のカウンター手段を受けるための受け手段を有していてもよい。実施形態において、ベース20は、開口部11の口12の内側に接続されてもよい。一実施形態において、開口部11の口12は、容器10の壁から外側に延びる円筒形の壁で構成されてもよい。一実施形態において、円筒形の壁は、円筒形の壁の内側側面から延びるように配置されたフランジ13を含んでいてもよい。フランジは、ベースが容器の開口部の口に装着されるときにベース20を支持するように配置されてもよい。一実施形態では、ベース20は、容器10とベース20との間の接続をシールするために、容器の開口部11の口の内面に面するOリング等のシーリング手段21を含んでいてもよい。一実施形態では、ベース20の外周縁にシーリング21用の溝を配置してもよい。ベース20は、容器の口12のフランジ13上に配置されてもよい。一実施形態では、リリーフパイプ22がベース20に取り付けられてもよい。一実施形態において、リリーフパイプは、ベース内に回転可能に配置されてもよい。一実施形態において、複数のリリーフパイプ22がベース内に回転可能に取り付けられてもよい。一実施形態において、制御火炎パイプ30は、ベース20に配置されてもよい。一実施形態において、制御火炎パイプは、ベースに回転可能に取り付けられてもよい。一実施形態において、複数の燃焼構造体50は、ベース20に回転可能に取り付けられている。一実施形態において、液体燃料は、容器10から制御火炎パイプ30を介して複数の燃焼構造体50から個別に流出し、その結果、小火炎と大火炎が生成されてもよい。小火炎を調整するように、調整構造体40が制御火炎パイプ30に配置されてもよい。複数の燃焼構造体50は、制御火炎パイプ30の周囲に対向して配置されてもよい。
【0024】
制御火炎パイプ30は、底部及び頂部を有していてもよい。一実施形態では、制御火炎パイプ30の底部は、容器10の内部に延在している。制御火炎パイプの底部は、容器10の底部に隣接して配置されてもよい。制御火炎パイプ30の頂部は、ベース20の上方に延在している。制御火炎パイプ30は、その頂部に形成された熱伝導部31を含んでいてもよい。制御火炎パイプ30は、制御火炎パイプ30の壁を通過し、ベース20の上面と熱伝導部31との間に位置する複数の一次蒸気オリフィス32を含んでいてもよい。一実施形態において、複数の一次蒸気オリフィス32は、制御火炎パイプ30の中心の周りに放射状に形成されてもよい。制御火炎パイプ30は、その中に収容された一次ウィック33を含んでいてもよい。一次ウィック33は、耐熱材料で作られてもよい。一実施形態において、一次ウィック33の底部は、制御火炎パイプ30の底部上に延在していてもよい。一実施形態において、一次ウィック33の頂部は、複数の一次蒸気オリフィス32に近接するように延在していてもよい。制御火炎パイプ30は、液体燃料が容器10から複数の流路に沿って一次ウィック33の頂部に個別に流れるように、一次ウィック33によって形成された複数の流路331をさらに含んでいてもよい。一実施形態では、ウィック33は、天然繊維、無機繊維、多孔質材料、毛細管、毛細管原理を有する各種材料構造物のうちの1つ以上からなる(ただし、これらに限定されない)ものであってもよい。制御火炎パイプ30は、容器10の内部に装着される制御火炎パイプ断熱スリーブ34をさらに含んでもよい。一実施形態において、制御火炎パイプ断熱スリーブ34は、制御火炎パイプ30の下端部に配置されてもよい。一実施形態において、制御火炎パイプ断熱スリーブ34は、制御火炎パイプの一部を形成するように配置されてもよい。
【0025】
一実施形態において、調整構造体40は、規制部41と、嵌合リング42と、制御ピン43とから構成されてもよい。規制部41は、制御火炎パイプ30の外壁に回転可能に嵌合されてもよい。規制部41は、そこを通過し、複数の一次蒸気オリフィス32にそれぞれ隣接して配置された複数の開口部44を含んでいてもよい。嵌合リング42は、規制部41の外壁に嵌合されてもよい。蒸気室45は、規制部41と嵌合リング42との間に画定されてもよい。調整構造体40は、その中を通る複数の二次蒸気オリフィス46を含んでいてもよい。蒸気室45は、複数の開口部44と複数の二次蒸気オリフィス46とに連通するように配置されてもよい。複数の二次蒸気オリフィス46は、制御火炎パイプ30に隣接する複数の燃焼構造体50にそれぞれ面するように配置されてもよい。一実施形態では、液体燃料が気体燃料に気化した後、複数の一次蒸気オリフィス32及び複数の開口部44を介して蒸気室45に流入し、複数の二次蒸気オリフィス46を介して嵌合リング42の外に排出されてもよい。制御ピン43は、規制部41と接続され、規制部41の往復回転を停止させて、複数の一次蒸気オリフィス32が複数の開口部44と連通して、複数の一次蒸気オリフィス32と複数の開口部44とを通る気体燃料の流路の大きさを変化させ、気体燃料の蒸気室45から複数の二次蒸気オリフィス46を通る流量を変化させるとよい。
【0026】
制御ピン43を操作して嵌合リング42の回転を停止させ、複数の一次蒸気オリフィス32が複数の開口部44と連通するようにすると、気体燃料は、制御火炎パイプ30から蒸気室45を経て複数の二次蒸気オリフィス46から個別に流出することができる。また、ライターや着火剤を用いて嵌合リング42を加熱して気体燃料を蒸発させ、その結果、気体燃料が複数の二次蒸気オリフィス46から噴出して小火炎を発生させ、小火炎が複数の燃焼構造体50をそれぞれ加熱して大火炎を出力させるようにしてもよい。従って、制御ピン43を操作して嵌合リング42の往復回転を停止させ、蒸気室45から複数の二次蒸気オリフィス46を経由する気体燃料の流量を変化させるようにしてもよい。一実施形態において、好ましくは、気体燃料が制御火炎パイプ30か蒸気室45に流入するように、蒸気室45は均等化された緩衝空間を生じさせてもよい。気体燃料の流速と動圧が一定でない実施形態において、複数の一次蒸気オリフィス32と複数の開口部44の接続面積が小さいため、蒸気室45の圧力は、複数の燃焼構造体50を加熱するための小火炎を一定にするように促して、気体燃料が急速に流れないようにするので、小火炎が消火することを回避することができる。また、加工精度や接続精度が悪いために複数の一次蒸気オリフィス32と複数の開口部44との間に誤差が生じる場合や、複数の一次蒸気オリフィス32と複数の開口部44とが正確に接続しない場合には、気体燃料の流速や動圧が一定にならない可能性がある。複数の一次蒸気オリフィス32と複数の開口部44の接続面積が小さいため、蒸気室45の圧力は、複数の燃焼構造体50を加熱するための小火炎を一定にするように促して、気体燃料が急速に流れないようにするので、小火炎が消火することを回避することができる。
【0027】
一実施形態において、複数の燃焼構造体50は、それぞれ、複数の気化パイプ51、複数の伝導板52、及び複数の主火炎パイプ53から構成されてもよい。複数の気化パイプ51は、ベース20上に連結されてもよい。複数の伝導板52は、複数の気化パイプ51の頂部にそれぞれ結合されてもよい。複数の主火炎パイプ53は、複数の伝導板52の頂部と個別に結合されてもよい。複数の主火炎パイプ53は、その頂部に火炎ポート532がそれぞれ形成されていてもよい。複数の伝導板52は、複数の気化パイプ51と複数の主火炎パイプ53との間にそれぞれ規定されてもよい。複数の燃焼構造体50又はその一部、例えば複数の伝導板52は、小火炎の熱の一部が複数の気化パイプ51にそれぞれ伝導されるように、制御火炎パイプ30に隣接して配置されてもよい。液体燃料は、気化して複数の三次蒸気オリフィス56から噴出するようにしてもよい。複数の燃焼構造体50又はその一部、例えば複数の伝導板52は、小火炎及び複数の三次蒸気オリフィス56を遮蔽するように配置されてもよい。一実施形態において、複数の燃焼構造体50又はその一部、例えば複数の伝導板52は、小火炎が複数の主火炎パイプ53に個別に引き込まれ、気化した燃料が複数の主火炎パイプ53にそれぞれ噴霧されるのを回避するように配置されてもよい。一実施形態では、気化パイプは、容器10の内部に延びていてもよい。複数の気化パイプ51の底部は、容器10の内部に延びていてもよい。一実施形態において、複数の気化パイプ51は、耐熱材料で作られた1つ又は複数のウィック54を有してもよい。一実施形態において、ウィック54は、天然繊維、無機繊維、多孔質材料、毛細管、毛細管原理を有する様々な材料構造のうちの1つ又は複数で作られてもよい(ただし、これらに限定されない)。一実施形態において、複数の気化パイプ51の各々は、ウィック54を構成するように配置されてもよい。一実施形態では、ウィック54は、ウィックの底部からウィックの頂部へ毛細管現象による容器からの液体燃料の流れ又は流動を可能にするように構成された通路541又は複数の通路を構成するように配置されてもよい。一実施形態では、複数の気化パイプ51は、複数の通路に沿って容器10から複数のウィック54の頂部へ毛細管現象によって液体燃料が流れるように、複数のウィック54によって個別に形成された複数の通路541をさらに含んでいてもよい。また、複数の気化パイプ51は、容器10の内部に嵌め込まれた複数の気化パイプ断熱スリーブ58をさらに備えていてもよい。
【0028】
一実施形態において、気化パイプ51は、上端に形成されたエンドキャップ55を含んでいてもよい。ウィック54は、エンドキャップ55の底部に隣接して延びるように配置されてもよい。エンドキャップ55には、三次蒸気オリフィス56が設置されてもよい。三次蒸気オリフィス56は、主火炎パイプ53に向けられることがある。一実施形態では、気化パイプ51内の気体燃料の流速が高められ、気体燃料は、外部環境から主火炎パイプ53に燃焼用空気を吸収してもよい。気体燃料は、火炎ポート532で燃焼して大火炎を生成し、液体燃料の燃焼効率を向上させることができる。一実施形態において、複数の気化パイプ51は、その頂部にそれぞれ形成された複数のエンドキャップ55を有し、複数のウィック54は、複数のエンドキャップ55の底部に個別に隣接し、複数のエンドキャップ55の中心は、複数の気化パイプ51内の気体燃料の流速を高めるように複数の三次蒸気オリフィス56を通過していることができ、気体燃料が外部環境から複数の主火炎パイプ53に燃焼用空気を吸収し、気体燃料が火炎ポート532で燃焼して大火炎を発生させ、液体燃料の燃焼効率を向上させることができる。
【0029】
一実施形態において、燃焼構造体50は、少なくとも1つの旋回要素57を含んでいてもよい。一実施形態では、少なくとも1つの旋回要素57は、三次蒸気オリフィス56と火炎ポート532の間の空間に配置されてもよい。気体燃料及び燃焼用空気は、少なくとも1つの旋回要素57に当たって、旋回流及び膨張流現象を生じ、これにより、気体燃料及び燃焼用空気の混合均一性が得られ、気体燃料及び燃焼用空気の混合空気が主火炎パイプ53内を均一に流れて燃焼効率を向上させても良い。
【0030】
一実施形態において、複数の燃焼構造体50は、複数の主火炎パイプ53と複数の伝導板52との間に規定された少なくとも一つの旋回要素57を含み、気体燃料及び燃焼用空気が少なくとも一つの旋回要素57に当たって旋回流及び膨張流現象を生じ、それによって気体燃料及び燃焼用空気の混合均一性が得られ、気体燃料及び燃焼用空気の混合空気が複数の主火炎パイプ53を均一に流れて燃焼効率が高められるように構成されてもよい。
【0031】
一実施形態において、少なくとも1つの旋回要素57は、断面が円形状などの棒状であってもよい。一実施形態において、少なくとも1つの旋回要素57は、棒状の代わりに他の形状であってもよい。図2及び図3の実施形態では、主火炎パイプ53及び伝導板52からなる各燃焼構造体に複数の旋回要素57が配置されていてもよい。
【0032】
一実施形態では、制御火炎パイプ30と複数の主火炎パイプ53の間に熱伝導部品60が定義されてもよい。熱伝導部品60の中心は、熱伝導部31に嵌め込まれてもよい。熱伝導部品60は、その外周に配置された複数の円弧状部62から構成されてもよい。熱伝導部品60は、例えば複数の円弧状部62から、複数の主火炎パイプ53に個別に嵌め込まれ、熱伝導部品60が小火炎及び大火炎の一部からの熱を受けて複数の主火炎パイプ53及び熱伝導部31に個別に伝導し、熱伝導部31が制御火炎パイプ30に熱を伝導するようにしても良い。なお、小火炎が調整可能に消火される場合、熱伝導部31は、制御火炎パイプ30及び嵌合リング42の温度を気化温度よりも高く維持するように、制御火炎パイプ30及び嵌合リング42に熱を伝導させてもよい。また、小火炎を点火したいときには、複数の開口部44が複数の一次蒸気オリフィス32と個別に連絡するように調整構造体40を回転させ、気体燃料を蒸気室45に流入・噴出させて大火炎と接触した後に小火炎を容易に点火しても良い。
【0033】
制御火炎パイプ断熱スリーブ34は、容器10内の液体燃料に伝導される制御火炎パイプ30の熱エネルギーを減少させるように構成されている。複数の三次蒸気オリフィス56及び/又は複数の気化パイプ断熱スリーブ58は、容器10内の液体燃料に伝導される複数の気化パイプ51の熱エネルギーを低減するように構成されてもよい。したがって、容器10内の液体燃料が沸点に達した後、容器10の圧力が安全な範囲に維持され、大火炎及び小火炎を出力する際の安定性及び安全性が向上する場合がある。
【0034】
一実施形態において、リリーフパイプ22又は複数のリリーフパイプ22は、容器10及びベース20と連通していてもよく、これにより、制御火炎パイプ30及び複数の気化パイプ51の熱エネルギーが容器10内の液体燃料に伝導されて容器10の温度を高め、気体燃料が液体燃料の上方で蒸発することができる。液体燃料の上方の容器10の空間の圧力は、リリーフパイプ22又は複数のリリーフパイプ22によって解放され、容器の空間の圧力が安全な範囲に維持される。
【0035】
複数の燃焼構造体50は、燃焼用空気を複数の主火炎パイプ53に流入させやすくし、複数のエンドキャップ55及び複数の三次蒸気オリフィス56を用いて、複数の主火炎パイプ53への気体燃料の流速を大きくして、燃焼用空気を複数の主火炎パイプ53に吸収させて気体燃料と混合させ、液体燃料の燃焼効率を高めている。好ましくは、液体燃料がエタノールやガソリンなど炭素数の多い燃料である場合、液体燃料の燃焼効率を維持することができる。好ましくは、複数の主火炎パイプ53に炭素堆積物が発生した場合や炭化物が付着した場合に、複数の主火炎パイプ53の清掃を容易に行うことができる。
【0036】
一実施形態では、複数の主火炎パイプ53は、制御火炎パイプ30から離れるように傾いて配置されてもよい。
【0037】
図5及び図6は、第2の実施形態の液体燃料ストーブを示している。第2の実施形態の液体燃料ストーブが第1の実施形態のものと異なる点は、複数の主火炎パイプ53の頂部に円形ヘッド70が配置され、円形の第2蒸気室72を有していてもよいという点である。第2蒸気室72は、複数の燃焼構造体50と連通していてもよい。円形ヘッド70は、円形ヘッド70の頂部の外縁の周囲に形成され、第2蒸気室72と連通する空隙74を有していてもよい。気体燃料と燃焼用空気の混合空気が複数の主火炎パイプ53から第2蒸気室72に流入し、混合空気が第2蒸気室72を経由して空隙74から流出することにより、円形の大火炎が点灯してもよい。
【0038】
混合空気は、第2蒸気室72に流入する際に、第2蒸気室72の周壁や頂部に接触することがあるので、燃焼効率を高めることができる。
【0039】
図7及び図8は、第3の実施形態の液体燃料ストーブを示している。第3の実施形態の液体燃料ストーブが第1の実施形態のものと異なる点は、複数のリリーフパイプ22の頂部と接続され、複数の三次蒸気オリフィス56とそれぞれ連通する複数の接続パイプ23を備えていることであってもよい。気体燃料は、複数のリリーフパイプ22から複数の接続パイプ23を個別に経由して複数の三次蒸気オリフィス56から噴出し、大火炎を発生するようにしてもよいので、複数のリリーフパイプ22から気体燃料をリサイクルし、気体燃料の利用率を向上させることができる。
【0040】
図9は、本発明に係る液体燃料ストーブの第4の実施形態を示している。第4の実施形態の液体燃料ストーブが第1の実施形態のものと異なる点は、複数のリリーフパイプ22の頂部にそれぞれ接続された複数のダクト24を含み、複数のダクト24が複数のリリーフパイプを介して気体燃料を上方に流れるように誘導するようにできる点である。複数のダクト24は、複数のリリーフパイプを損傷し、火炎の効果的な調整を妨げる可能性のある過剰な熱を生成する火炎を、複数のリリーフパイプの頂部に生成することを回避するために、その頂部に補助火炎が形成されてもよい。
【0041】
図10は、本発明に係る液体燃料ストーブの第5の実施形態を示している。第5の実施形態の液体燃料ストーブは、第1の実施形態から得られる。一実施形態において、伝導板52は、湾曲した形状を有するように形成されてもよい。一実施形態において、伝導板52の湾曲した形状は、制御火炎パイプ30から離れる方向に向く開口部521を有するハーフパイプ形状であってよい。
【0042】
本発明の好ましい実施形態は開示の目的で示されたが、開示された本発明の実施形態の修正及びその他の実施形態は当業者に生じ得る。
【0043】
技術の進歩に伴い、本発明の基本的な考え方が様々な方法で実施され得ることは、当業者にとって明白である。したがって、本発明及びその実施形態は、上述した例に限定されるものではなく、代わりに、特許請求の範囲に記載された範囲内で様々なものがあり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10