(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】冷蔵庫及び評価処理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20241018BHJP
【FI】
G16H80/00
(21)【出願番号】P 2022532431
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(86)【国際出願番号】 JP2021019760
(87)【国際公開番号】W WO2021261152
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2020110947
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】赤司 陽介
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-104289(JP,A)
【文献】特開2003-153868(JP,A)
【文献】特開2001-041640(JP,A)
【文献】特開2018-005536(JP,A)
【文献】特開2003-030421(JP,A)
【文献】国際公開第2019/082691(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0370469(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0096218(US,A1)
【文献】特開2019-109026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる利用状況を検知するセンサと、
前記センサの検知結果を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記検知結果を、前記ユーザの認知機能を評価する評価システムへ出力する出力部と、を備え、
前記取得部は、更に、前記評価システムによる評価結果を前記評価システムから取得し、
前記出力部は、前記取得部が取得した前記評価結果を、前記ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末に通知
し、
前記センサは、複数存在し、
複数の前記センサは、1つ以上の第1センサと1つ以上の第2センサとを含み、
前記1つ以上の第1センサは、前記ユーザによる扉の開閉を検知し、
前記1つ以上の第2センサは、庫内の貯蔵物の保管状態を検知し、
前記1つ以上の第2センサは、庫内を撮影するカメラを含み、
前記出力部は、前記カメラが撮像した画像を基に前記庫内に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を備えるシステムに前記判定を行わせるために、前記画像を前記システムに出力し、
前記取得部は、更に、前記システムによる判定結果を前記システムから取得し、
前記出力部は、前記取得部が取得した前記判定結果を、前記関係者の前記情報端末に通知し、
前記取得部は、前記情報端末から前記判定結果の正当性に係る正当性情報を取得し、
前記出力部は、前記正当性情報を基に前記学習機能を更新させるために、前記正当性情報を前記システムに出力する、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記センサは、
前記ユーザによる扉の開閉、又は庫内の貯蔵物の保管状態を検知する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記1つ以上の第1センサは、磁気の変化を検出するマグネットセンサ、庫内の照度の変化を検知する照度センサ、消費電力の変化を検出する電力センサ、及び庫内を撮影状態の変化を検知するための第1カメラのうち少なくとも1つを含み、
前記1つ以上の第2センサは、前記庫内を撮影する前記カメラである第2カメラ、庫内の重量の変化を検知する重量センサ、及び庫内の貯蔵物の腐敗状況を検知する臭度センサのうち少なくとも前記第2カメラを含む、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記センサによる検知が行われるたびに、前記検知結果を記憶する記憶部を、更に備え、
前記出力部は、前記記憶部に記憶されている1つ以上の前記検知結果を、定期的に出力する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
冷蔵庫と、
ユーザの認知機能を評価する評価システムと、を備える評価処理システムであって、
前記冷蔵庫は、
前記ユーザによる利用状況を検知するセンサと、
前記センサの検知結果を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が取得した前記検知結果を前記評価システムへ出力する出力部と、を備え、
前記評価システムは、
前記検知結果を前記冷蔵庫から取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記検知結果を基に、前記ユーザの認知機能を評価する評価部と、
評価結果を通知する通知部と、を備え、
前記通知部は、前記評価結果を、前記ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末に通知し、
前記センサは、複数存在し、
複数の前記センサは、1つ以上の第1センサと1つ以上の第2センサとを含み、
前記1つ以上の第1センサは、前記ユーザによる扉の開閉を検知し、
前記1つ以上の第2センサは、庫内の貯蔵物の保管状態を検知し、
前記評価部は、前記1つ以上の第1センサの検知結果から得られる前記扉の開閉が行われた時刻、前記扉の開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、前記ユーザの前記扉の開閉に基づく前記ユーザの認知機能の評価を行い、
前記評価部は、前記1つ以上の第2センサの検知結果から得られる前記庫内で保管されている前記貯蔵物の総量、前記貯蔵物の種類、前記貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数、及び前記貯蔵物の鮮度のうち少なくとも1つを用いて、前記庫内の前記貯蔵物の保管状態に基づく前記ユーザの認知機能の評価を行い、
前記1つ以上の第2センサは、前記庫内を撮影するカメラを含み、
前記評価部は、前記カメラが撮像した画像を基に前記庫内に前記貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を有しており、
前記出力部は、前記カメラが撮像した前記画像を前記評価システムに出力し、
前記評価部は、前記画像を基に前記庫内に前記貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を学習機能により行い、
前記第1取得部は、更に、前記評価システムの前記評価部による判定結果を前記評価システムから取得し、
前記出力部は、前記第1取得部が取得した前記判定結果を、前記関係者の前記情報端末に通知し、
前記第1取得部は、前記情報端末から前記判定結果の正当性に係る正当性情報を取得し、
前記出力部は、前記正当性情報を基に前記学習機能を更新させるために、前記正当性情報を前記評価システムに出力し、
前記評価部は、前記正当性情報を基に前記学習機能を更新する、
評価処理システム。
【請求項6】
前記センサは、前記ユーザによる前記扉の開閉、又は前記庫内の前記貯蔵物の保管状態を検知し、
前記センサが前記ユーザによる前記扉の開閉を検知する場合には、前記評価部は、開閉が行われた時刻、前記扉の開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、前記ユーザの前記扉の開閉に基づく前記ユーザの認知機能の評価を行い、
前記センサが前記庫内の保管状態を検知する場合には、前記評価部は、前記庫内の前記貯蔵物の保管状態に基づく前記ユーザの認知機能の評価として、前記庫内で保管されている前記貯蔵物の総量を用いた評価と、前記貯蔵物の種類、前記貯蔵物の保管位置及び同一貯蔵物の保管数のうち少なくとも1つを用いた評価と、前記貯蔵物の鮮度を用いた評価とのうちいずれかの評価を行う、
請求項5に記載の評価処理システム。
【請求項7】
前記冷蔵庫は、前記ユーザの識別に係る識別情報を取得する識別情報取得部を、更に備え、
前記評価部は、前記識別情報に応じた前記ユーザの認知機能の評価を行う、
請求項5又は6に記載の評価処理システム。
【請求項8】
前記第2取得部は、さらに、前記冷蔵庫が設けられた施設における前記冷蔵庫とは異なる家電機器から、前記ユーザの当該家電機器の操作に関する操作情報を取得し、
前記評価部は、前記センサの検知結果と前記操作情報とを用いて、前記ユーザの認知機能の評価を行う、
請求項5~7のいずれか一項に記載の評価処理システム。
【請求項9】
前記通知部は、前記評価部が前記評価結果として前記ユーザの認知機能が低下したと評価した場合に、前記評価結果を通知する、
請求項5~8のいずれか一項に記載の評価処理システム。
【請求項10】
前記通知部は、前記関係者を前記評価結果の通知先とする、
請求項9に記載の評価処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に冷蔵庫及び評価処理システムに関し、より詳細にはユーザの認知機能を評価するための冷蔵庫及び評価処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象者のプライバシーを侵害することなく、対象者の状態の推移を把握することができるシステムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、対象者の住宅の総消費電力を検知し、検知した総消費電力を基に、対象者の異常な状態を検知する。例えば、夜間に正常な睡眠をしていたところ、ある日から夜間に行動することが、住宅の総消費電力から検知されると、認知症の疑いがあると診断される。
【0004】
特許文献1では、認知症の判断(認知機能の評価)を行うために、対象者(ユーザ)の住宅の総消費電力、すなわち対象者の住宅に設けられ、電力の供給を受けることで動作するすべての家電機器の利用している電力量を監視している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
近年、認知機能の評価について、より精度の高い評価が求められている。
【0007】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる冷蔵庫及び評価処理システムを提供することを目的とする。
【0008】
本開示の一態様に係る冷蔵庫は、センサと、取得部と、出力部と、を備える。前記センサは、ユーザによる利用状況を検知する。前記取得部は、前記センサの検知結果を取得する。前記出力部は、前記取得部が取得した前記検知結果を、前記ユーザの認知機能を評価する評価システムへ出力する。前記取得部は、更に、前記評価システムによる評価結果を前記評価システムから取得する。前記出力部は、前記取得部が取得した前記評価結果を、前記ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末に通知する。前記センサは、複数存在する。複数の前記センサは、1つ以上の第1センサと1つ以上の第2センサとを含む。前記1つ以上の第1センサは、前記ユーザによる扉の開閉を検知する。前記1つ以上の第2センサは、庫内の貯蔵物の保管状態を検知する。前記1つ以上の第2センサは、庫内を撮影するカメラを含む。前記出力部は、前記カメラが撮像した画像を基に前記庫内に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を備えるシステムに前記判定を行わせるために、前記画像を前記システムに出力する。前記取得部は、更に、前記システムによる判定結果を前記システムから取得する。前記出力部は、前記取得部が取得した前記判定結果を、前記関係者の前記情報端末に通知する。前記取得部は、前記情報端末から前記判定結果の正当性に係る正当性情報を取得する。前記出力部は、前記正当性情報を基に前記学習機能を更新させるために、前記正当性情報を前記システムに出力する。
【0009】
本開示の一態様に係る評価処理システムは、冷蔵庫と、ユーザの認知機能を評価する評価システムと、を備える。前記冷蔵庫は、センサと、第1取得部と、出力部と、を備える。前記センサは、ユーザによる利用状況を検知する。前記第1取得部は、前記センサの検知結果を取得する。前記出力部は、前記第1取得部が取得した前記検知結果を、前記評価システムへ出力する。前記評価システムは、第2取得部と、評価部と、通知部と、を備える。前記第2取得部は、前記検知結果を前記冷蔵庫から取得する。前記評価部は、前記第2取得部が取得した前記検知結果を基に、前記ユーザの認知機能を評価する。前記通知部は、評価結果を通知する。前記通知部は、前記評価結果を、前記ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末に通知する。前記センサは、複数存在する。複数の前記センサは、1つ以上の第1センサと1つ以上の第2センサとを含む。前記1つ以上の第1センサは、前記ユーザによる扉の開閉を検知する。前記1つ以上の第2センサは、庫内の貯蔵物の保管状態を検知する。前記評価部は、前記1つ以上の第1センサの検知結果から得られる前記扉の開閉が行われた時刻、前記扉の開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、前記ユーザの前記扉の開閉に基づく前記ユーザの認知機能の評価を行う。前記評価部は、前記1つ以上の第2センサの検知結果から得られる庫内で保管されている前記貯蔵物の総量、前記貯蔵物の種類、前記貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数、及び前記貯蔵物の鮮度のうち少なくとも1つを用いて、前記庫内の前記貯蔵物の保管状態に基づく前記ユーザの認知機能の評価を行う。前記1つ以上の第2センサは、前記庫内を撮影するカメラを含む。前記評価部は、前記カメラが撮像した画像を基に前記庫内に前記貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を有している。前記出力部は、前記カメラが撮像した前記画像を前記評価システムに出力する。前記評価部は、前記画像を基に前記庫内に前記貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を学習機能により行う。前記第1取得部は、更に、前記評価システムの前記評価部による判定結果を前記評価システムから取得する。前記出力部は、前記第1取得部が取得した前記判定結果を、前記関係者の前記情報端末に通知する。前記第1取得部は、前記情報端末から前記判定結果の正当性に係る正当性情報を取得する。前記出力部は、前記正当性情報を基に前記学習機能を更新させるために、前記正当性情報を前記評価システムに出力する。前記評価部は、前記正当性情報を基に前記学習機能を更新する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る冷蔵庫の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、同上の冷蔵庫を備える評価処理システムの構成を示す図である。
【
図3】
図3Aは、同上の冷蔵庫がユーザの利用状況を検知する際の動作を説明する流れ図である。
図3Bは、同上の冷蔵庫の検知結果を出力する際の動作を説明する流れ図である。
【
図4】
図4は、同上の評価処理システムが備える評価システムがユーザの認知機能を評価する際の動作を説明する流れ図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る評価処理システムの構成を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態3に係る評価処理システムの構成を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態4に係る評価処理システムの構成を示す図である。
【
図8】
図8は、同上の評価処理システムの動作を説明する流れ図である。
【
図9】
図9は、同上の評価処理システムが備える評価システムの動作を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、各実施形態及び変形例に限定されない。これらの実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る冷蔵庫、評価システム及び評価処理システムについて、
図1~
図4を用いて説明する。
【0014】
(1)概要
実施形態1の評価処理システム100は、
図2に示すように、冷蔵庫1、評価システム20としてのサーバ2及び情報端末3を備える。情報端末3は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の情報端末である。情報端末3は、ユーザと関係があり、ユーザの代行通知宛先として設定されている人物(関係者)によって利用される。ここで、関係者は、例えば、ユーザの親族、かかりつけ医等である。
【0015】
冷蔵庫1は、インターネット等のネットワークNT1を介してサーバ2と通信可能に構成されている。冷蔵庫1は、ユーザによる利用状況を検知し、検知結果をサーバ2に出力する。冷蔵庫1は、
図1に示すように、複数(図示例では、2つ)のセンサ10と、取得装置11と、備える。複数のセンサ10は、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況を検知する。取得装置11は、複数のセンサ10の検知結果を取得し、取得した検知結果を定期的にサーバ2に出力する。なお、複数のセンサ10を区別する場合には、第1センサ10a、第2センサ10bと記載する。
【0016】
サーバ2は、ネットワークNT1を介して、冷蔵庫1及び情報端末3と通信可能に構成されている。サーバ2は、冷蔵庫1から取得した1つ以上の検知結果を用いてユーザの認知機能を評価する。サーバ2は、評価結果を情報端末3に、ネットワークNT1を介して通知する。
【0017】
情報端末3は、ネットワークNT1を介して、サーバ2と通信可能に構成されている。
【0018】
情報端末3は、サーバ2から評価結果を受け取ると、受け取った評価結果を関係者に通知する。例えば、情報端末3は、評価結果を情報端末3が備える表示部に表示する。
【0019】
(2)構成
(2.1)冷蔵庫
冷蔵庫1は、
図1に示すように、複数(図示例では、2つ)のセンサ10と、取得装置11と、備える。冷蔵庫1は、ユーザが生活する施設H1に設けられている。ここで、施設H1は、例えば住宅である。住宅は、戸建ての住宅、集合住宅の各住戸、高齢者施設、デイサービス施設、医療施設、又はサービス付き高齢者向け住宅等である。また、複数のセンサ10と、取得装置11とは、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況を検知する検知システム200に含まれる。
【0020】
複数のセンサ10は、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況を検知する。複数のセンサ10は、第1センサ10aと、第2センサ10bとを含む。
【0021】
第1センサ10aは、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況としてユーザによる扉1aの開閉を検知する。第1センサ10aは、例えば、磁気の変化を検出するマグネットセンサである。第1センサ10aは、磁気の変化に応じて扉1aの開閉を検知する。例えば、磁気の減少を検知した場合には、第1センサ10aは扉1aが開かれたこと(開状態)を検知する。磁気の増加を検知した場合には、第1センサ10aは扉1aが閉じられたことを検知する。第1センサ10aは、扉1aの開状態を検知すると、開状態を表す検知結果(第1検知結果)を取得装置11に出力する。第1センサ10aは、扉1aの閉状態を検知すると、閉状態を表す検知結果(第2検知結果)を取得装置11に出力する。
【0022】
第2センサ10bは、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況として冷蔵庫1の庫内1bの貯蔵物の保存状態を検知する。第2センサ10bは、庫内1bの貯蔵物の重量の変化を検知する重量センサである。例えば、第2センサ10bは、冷蔵庫1の庫内1bの貯蔵物の重量を定期的に検知する。第2センサ10bは、検知した重量を検知結果(第3検知結果)として取得装置11に出力する。ここで、貯蔵物とは、冷蔵庫1で保管される食料品、飲料品等である。
【0023】
取得装置11は、
図1に示すように、記憶部12と、通信部13と、制御部14と、を備える。
【0024】
取得装置11は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部14として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0025】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部12は、複数のセンサ10の各々の検知結果を、記憶する。記憶部12は、複数のセンサ10の各々で検知が行われるたびに、検知が行われたセンサ10の検知結果を記憶する。具体的には、記憶部12は、第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を記憶する。ここで、第1結果情報は、第1検知結果と当該第1検知結果を取得装置11が取得した日時とを含む情報である。第2結果情報は、第2検知結果と当該第2検知結果を取得装置11が取得した日時とを含む情報である。第3結果情報は、第3検知結果と当該第3検知結果を取得装置11が取得した日時とを含む情報である。
【0026】
通信部13は、サーバ2とネットワークNT1を介して通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0027】
制御部14は、
図1に示すように、取得部15(第1取得部)と、出力部16と、を含む。
【0028】
取得部15は、複数のセンサ10の各々の検知結果を、取得する。取得部15は、取得した検知結果と、当該検知結果を取得した日時とを対応付けて記憶部12に記憶する。具体的には、取得部15は、第1センサ10aから第1検知結果を取得すると、第1検知結果と第1検知結果を取得した日時とを対応付けて、記憶部12に記憶する。取得部15は、第1センサ10aから第2検知結果を取得すると、第2検知結果と第2検知結果を取得した日時とを対応付けて記憶部12に記憶する。第2センサ10bから第3検知結果を取得すると、第3検知結果と第3検知結果を取得した日時とを対応付けて記憶部12に記憶する。より詳細には、取得部15は、第1検知結果を取得すると、第1検知結果と第1検知結果を取得した日時とを含む第1結果情報を記憶部12に記憶する。取得部15は、第2検知結果を取得すると、第2検知結果と第2検知結果を取得した日時とを含む第2結果情報を記憶部12に記憶する。取得部15は、第3検知結果を取得すると、第3検知結果と第3検知結果を取得した日時とを含む第3結果情報を記憶部12に記憶する。
【0029】
出力部16は、取得部15が取得した検知結果を、ユーザの認知機能を評価する装置へ通信部13を介して出力する。具体的には、出力部16は、記憶部12に記憶されている1つ以上の検知結果を、定期的に出力する。より詳細には、出力部16は、1つ以上の第1結果情報と、1つ以上の第2結果情報と、1つ以上の第3結果情報と、を定期的にサーバ2に出力する。例えば、出力部16は、前回、1つ以上の各結果情報をサーバ2に出力してから、所定期間を経過したタイミングで、サーバ2に未出力である1つ以上の各結果情報をサーバ2に出力する。
【0030】
(2.2)サーバ
サーバ2は、
図2に示すように、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0031】
サーバ2は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部23として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0032】
通信部21は、冷蔵庫1及び情報端末3とネットワークNT1を介して通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0033】
記憶部22は、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部22は、冷蔵庫1から出力された第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を記憶する。記憶部22は、サーバ2による評価結果を、更に記憶する。
【0034】
制御部23は、
図2に示すように、取得部24(第2取得部)、評価部25及び通知部26を含む。
【0035】
取得部24は、検知結果を冷蔵庫1から取得する。取得部24は、取得した検知結果を記憶部22に記憶する。具体的には、取得部24は、1つ以上の第1結果情報、1つ以上の第2結果情報及び1つ以上の第3結果情報を、定期的に取得し、記憶部22に記憶する。
【0036】
評価部25は、取得部24が取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。
【0037】
評価部25は、第1結果情報と、当該第1結果情報に含まれる日時の後であって当該日時に最も近い日時を含む第2結果情報とを組(評価対象組)として、現在から過去における所定期間(例えば、1ヶ月間)でのすべての評価対象組を用いた評価を行う。具体的には、評価部25は、所定期間のすべての評価対象組を用いて、扉1aの開閉が行われた時刻、扉1aの開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数及び所定時間帯での開閉回数を用いて、ユーザの扉の開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行う。ここで、扉1aの開閉の動作に要する時間長とは、扉1aを開いてから閉じるまでに要した時間長である。評価部25は、第1結果情報に含まれる日時と第2結果情報に含まれる日時との差分を、扉1aの開閉の動作に要する時間長として算出する。所定時間帯は、朝食の時間帯、昼食の時間帯及び夕食の時間帯のうち少なくとも1つの時間帯を含む。
【0038】
評価部25は、取得した所定期間での扉1aの開閉が行われた時刻について、過去における開閉が行われた時刻と比較して、深夜時間帯での扉1aの開閉が増加傾向にある場合には、ユーザの認知機能が低下していると判断し、その結果を記憶部22に記憶する。
【0039】
評価部25は、取得した扉1aの開閉の動作に要する時間長について、過去における扉1aの開閉の動作に要する時間長と比較して、扉1aの開閉の動作に要する時間長が増加傾向である場合には、ユーザの認知機能が低下していると判断し、その結果を記憶部22に記憶する。
【0040】
評価部25は、取得した所定期間当たりの開閉回数(今回の所定期間当たりの開閉回数)について、過去における所定期間当たりでの開閉回数と比較して、今回の所定期間当たりの開閉回数が第1所定値以上増加している場合には、ユーザの認知機能が低下していると判断し、その結果を記憶部22に記憶する。また、評価部25は、今回の所定期間当たりの開閉回数について、過去における所定期間当たりでの開閉回数と比較して、今回の所定期間当たりの開閉回数が第2所定値以下減少している場合には、ユーザの認知機能が低下していると判断し、その結果を記憶部22に記憶する。第2所定値は、第1所定値未満の値である。
【0041】
評価部25は、取得した所定時間帯での開閉回数について、過去における所定時間帯での開閉回数と比較して、所定時間帯での開閉回数が減少傾向である場合には、ユーザの認知機能が低下していると判断し、その結果を記憶部22に記憶する。
【0042】
評価部25は、扉1aの開閉が行われた時刻、扉1aの開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数及び所定時間帯での開閉回数のうち、少なくとも1つについてユーザの認知機能が低下していると判断する場合、扉1aの開閉に関する評価結果として、ユーザの認知機能が低下していると評価し、その結果を記憶部22に記憶する。
【0043】
なお、評価部25は、所定期間のすべての評価対象組を用いて、扉1aの開閉が行われた時刻、扉1aの開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを取得する構成であればよい。
【0044】
評価部25は、第3結果情報を用いて、冷蔵庫1の庫内1bの貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価を行う。評価部25は、所定期間における庫内1bの貯蔵物の総量(重量)の推移が、過去における庫内1bの貯蔵物の総量と比較して、増加傾向である場合には、ユーザの認知機能が低下していると評価し、その結果を記憶部22に記憶する。
【0045】
評価部25は、第1結果情報及び第2結果情報を用いた評価と、第3結果情報を用いた結果とのうち、少なくとも一方の評価がユーザの認知機能が低下していることを示す場合には、ユーザの認知機能が低下しているとの最終の評価結果を得る。
【0046】
なお、評価部25は、第1結果情報及び第2結果情報を用いた評価と、第3結果情報を用いた結果との双方がユーザの認知機能が低下していることを示す場合にのみ、ユーザの認知機能が低下しているとの最終の評価結果を得てもよい。
【0047】
評価部25は、第1結果情報及び第2結果情報を用いた評価と、第3結果情報を用いた結果との双方において、ユーザの認知機能が低下していないとの評価が得られた場合には、ユーザの認知機能が低下していないとの最終の評価結果を得る。
【0048】
通知部26は、評価結果を通知する。通知部26は、評価部25が得た最終の評価結果がユーザの認知機能が低下しているとの評価である場合には、通信部21を介して、評価部25の評価結果(最終の評価結果)を情報端末3に通知する。すなわち、通知部26は、評価部25が得た最終の評価結果がユーザの認知機能が低下しているとの評価である場合には、関係者を評価結果の通知先として、当該評価結果を通知する。
【0049】
(2.3)情報端末
情報端末3は、上述したように、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが情報端末3の機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0050】
情報端末3は、サーバ2とネットワークNT1を介して通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0051】
情報端末3は、ネットワークNT1を介して、サーバ2から評価結果を受け取る。情報端末3は、受け取った評価結果を、情報端末3が備える表示部に表示する。
【0052】
(3)動作
(3.1)冷蔵庫の動作
ここでは、冷蔵庫1の動作について、
図3A及び
図3Bを用いて説明する。
【0053】
まず、冷蔵庫1が検知結果の取得する場合の動作について、
図3Aを用いて説明する。
【0054】
取得部15は、第1センサ10a及び第2センサ10bのうち少なくとも1つのセンサがユーザによる冷蔵庫1の利用状況を検知すると、検知したセンサから検知結果を取得する(ステップS1)。例えば、第1センサ10aが扉1aの開状態を検知すると、第1検知結果を第1センサ10aから取得する。第1センサ10aが扉1aの閉状態を検知すると、第2検知結果を第1センサ10aから取得する。第2センサ10bが冷蔵庫1の庫内1bの総量を検知すると、第3検知結果を第2センサ10bから取得する。
【0055】
取得部15は、取得した検知結果と、当該検知結果を取得した日時を含む結果情報を記憶部12に記憶する(ステップS2)。例えば、取得部15は、第1検知結果を取得した場合には、第1結果情報を記憶部12に記憶する。取得部15は、第2検知結果を取得した場合には、第2結果情報を記憶部12に記憶する。取得部15は、第3検知結果を取得した場合には、第3結果情報を記憶部12に記憶する。
【0056】
次に、冷蔵庫1が検知結果のサーバ2に出力する場合の動作について、
図3Bを用いて説明する。
【0057】
出力部16は、現在日時が出力タイミングの日時であるか否かを判断する(ステップS11)。
【0058】
現在日時が出力タイミングの日時でないと出力部16が判断する場合(ステップS11における「No」)、処理はステップS11に戻る。
【0059】
現在日時が出力タイミングの日時であると出力部16が判断する場合(ステップS11における「Yes」)、出力部16は、出力処理を行う(ステップS12)。出力部16は、取得部15が取得した検知結果を、サーバ2へ出力する。具体的には、出力部16は、サーバ2に未出力である1つ以上の第1結果情報、1つ以上の第2結果情報及び1つ以上の第3結果情報をサーバ2に出力する。
【0060】
(3.2)サーバの動作
ここでは、サーバ2の動作について、
図4を用いて説明する。
【0061】
サーバ2の取得部24は、検知結果を冷蔵庫1から取得する(ステップS21)。具体的には、取得部24は、1つ以上の第1結果情報、1つ以上の第2結果情報及び1つ以上の第3結果情報を取得し、記憶部22に記憶する。
【0062】
評価部25は、取得部24が取得した検知結果を基に、評価処理を行う(ステップS22)。具体的には、評価部25は、所定期間内でのすべての評価対象組を用いた評価を行う。より詳細には、評価部25は、所定期間のすべての評価対象組を用いて、扉1aの開閉が行われた時刻、扉1aの開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数及び所定時間帯での開閉回数を取得し、ユーザの認知機能を評価する、さらに、第3結果情報を用いた評価を行う。
【0063】
通知部26は、評価部25の評価結果がユーザの認知機能が低下しているとの評価であるか否かを判断する(ステップS23)。
【0064】
評価部25の評価結果がユーザの認知機能が低下しているとの評価であると判断する場合(ステップS23における「Yes」)、通知部26は通知処理を行う(ステップS24)。具体的には、通知部26は、関係者を評価結果の通知先として、当該評価結果を通知する。
【0065】
(4)利点
以上説明したように、実施形態1の冷蔵庫1は、センサ10と、取得部15と、出力部16と、を備える。センサ10は、ユーザによる利用状況を検知する検知する。取得部15は、センサ10の検知結果を取得する。出力部16は、取得部15が取得した検知結果を、ユーザの認知機能を評価する評価システム20へ出力する。
【0066】
認知機能が低下しているユーザは、生活の行動パターンに変化が生じる場合がある。生活の行動パターンの変化の検知を、ユーザの住宅(施設H1)の総消費電力を利用する、つまり施設H1に設けられたすべての家電機器を利用することが考えられる。このとき、家電機器によってはその使用頻度が季節的に変動することがある。そのため、季節の変わり目等で総消費電力は変動するので、ユーザの異常(認知機能の低下)と判断してしまう可能性がある。
【0067】
そこで、日常生活で扱う頻度が高い家電機器として冷蔵庫1に着目し、冷蔵庫1の利用状況をセンサ10が検知し、その検知結果を評価システム20に出力している。冷蔵庫1は、本来、毎日同じように利用されるため、季節によって利用状況が大きく変動する可能性は低い。そのため、冷蔵庫1の利用状況をユーザの認知機能の評価に用いることで、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0068】
また、実施形態1の評価処理システム100は、冷蔵庫1と、ユーザの認知機能を評価する評価システム20と、を備える。冷蔵庫1は、センサ10と、第1取得部(例えば、取得部15)と、出力部16と、を備える。センサ10は、ユーザによる利用状況を検知する。第1取得部は、センサ10の検知結果を取得する。出力部16は、第1取得部が取得した検知結果を評価システム20へ出力する。評価システム20は、第2取得部(例えば、取得部24)と、評価部25と、通知部26と、を備える。第2取得部は、検知結果を冷蔵庫から取得する。評価部25は、第2取得部が取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。通知部26は、評価結果を通知する。
【0069】
この構成によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0070】
また、第1センサ10aは、ユーザによる扉1aの開閉を検知する。サーバ2の評価部25は、扉1aの開閉が行われた時刻、扉1aの開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数及び所定時間帯での開閉回数を用いて、ユーザの扉の開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行う。ユーザは、ユーザの認知機能が低下すると、通常利用されない時間帯(例えば、深夜時間帯)で利用したり、扉1aを閉め忘れたり、頻繁に扉1aの開閉を行ったり、食事の時間帯とは異なる時間帯で利用したりする。そこで、扉1aの開閉が行われた時刻、扉1aの開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数及び所定時間帯での開閉回数を用いて、ユーザの扉の開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行うことで、ユーザの認知機能の低下を判断することができる。
【0071】
また、第2センサ10bは、庫内1bの貯蔵物の保管状態を検知する。サーバ2の評価部25は、庫内1bで保管されている貯蔵物の総量を用いて、庫内1bの貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価を行う。ユーザは、ユーザの認知機能が低下すると、物品を購入したにもかかわらず、料理をしなくなる傾向があるので、庫内1bの貯蔵物の総量が増える傾向がある。そこで、庫内1bで保管されている貯蔵物の総量、貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数、及び貯蔵物の鮮度のうち少なくとも1つを用いて、庫内1bの貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価を行うことで、ユーザの認知症の低下を判断することができる。ここで、貯蔵物の種類は、生鮮食品、冷凍食品といった物品のカテゴリを含む。さらには、貯蔵物の種類は、貯蔵物のカテゴリ内での種別(魚、野菜等)を含む。さらに、庫内1bは、貯蔵物を冷蔵する場所に限らず、貯蔵物を冷凍する場所であってもよい。
【0072】
(5)変形例
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態1と適宜組み合わせて適用可能である。
【0073】
(5.1)変形例1
第1センサ10aは、庫内1bの照度の変化を検知する照度センサであってもよいし、消費電力の変化を検出する電力センサであってもよいし、及び庫内1bを撮影状態の変化を検知するためのカメラであってもよい。
【0074】
第1センサ10aが照度センサである場合は、冷蔵庫1の庫内1bが暗い状態から明るい状態に変化したとき、すなわち所定値以上の照度を照度センサが検知したときには、第1検知結果を取得装置11に出力する。照度センサが所定値未満の照度を検知したときには、照度センサは、第2検知結果を取得装置11に出力する。
【0075】
第1センサ10aが電力センサである場合は、冷蔵庫1の消費電力が所定値以上となったとき、第1検知結果を取得装置11に出力する。消費電力が所定値未満となったときには、照度センサは、第2検知結果を取得装置11に出力する。
【0076】
第1センサ10aがカメラである場合には、扉1aが開くと動画の撮影を開始し、扉1aが閉じると動画の撮影を停止する。カメラは、検知結果として撮影された動画を取得装置11に出力する。取得装置11の取得部15は、取得した動画と、当該動画とを含む結果情報を記憶部12に記憶する。サーバ2の評価部25は、動画の撮影が開始された時刻を扉1aの開閉が行われた時刻とし、動作の撮影時間長を扉1aの開閉の動作に要する時間長とし、動画の撮影回数を扉1aの開閉回数として、ユーザの認知機能の評価を行う。
【0077】
第2センサ10bは、庫内1bを撮影するカメラであってもよいし、庫内1bの貯蔵物の腐敗状況を検知する臭度センサであってもよい。
【0078】
第2センサ10bがカメラである場合には、扉1aが開くと動画の撮影を開始し、扉1aが閉じると動画の撮影を停止する。カメラは、検知結果として撮影された動画を取得装置11に出力する。取得装置11の取得部15は、取得した動画と、当該動画を取得した日時とを含む結果情報を記憶部12に記憶する。サーバ2の評価部25は、画像を用いて、庫内1bで保管されている貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数を取得する。評価部25は、貯蔵物の種類に変化がない場合には、ユーザの認知機能は低下していると判断する。評価部25は、貯蔵物の保管位置に変化がある場合には、ユーザの認知機能は低下していると判断する。評価部25は、同一貯蔵物の保管数が増加傾向にある場合には、ユーザの認知機能は低下していると判断する。貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置及び同一貯蔵物の保管数の各々の結果のうち、少なくとも1つの結果について、ユーザの認知機能は低下していると判断がなされている場合には、庫内1bの貯蔵物の保管状態に関する評価結果として、ユーザの認知機能が低下していると評価する。なお、評価部25は、画像を用いて、庫内1bで保管されている貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、及び同一貯蔵物の保管数のすべてについてユーザの認知機能を評価する必要はない。評価部25は、画像を用いて、庫内1bで保管されている貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、及び同一貯蔵物の保管数のうち少なくとも1つについてユーザの認知機能を評価する構成であればよい。
【0079】
第2センサ10bが臭度センサである場合には、臭度センサは、定期的に庫内1bの貯蔵物の臭度を検知する。臭度センサは、検知結果を取得装置11に出力する。取得装置11の取得部15は、取得した検知結果(臭度)と、当該検知結果を取得した日時とを含む結果情報を記憶部12に記憶する。評価部25は、貯蔵物の鮮度に基づいてユーザの認知機能を評価する。具体的には、評価部25は、所定期間内で検知した臭度において、所定値以上である臭度の割合が増加傾向である場合には、ユーザの認知機能は低下していると判断する。
【0080】
ユーザは、ユーザの認知機能が低下すると、物品を購入したにもかかわらず、料理をしなくなる傾向があるので、貯蔵物の種類(冷凍食品の種類)、及び同一貯蔵物の保存数が増える傾向がある。また、認知機能が低下すると、卵を専用の置き場で保存しなくなる傾向がある。さらには、料理をしなくなることにより、貯蔵物の鮮度が落ちる(貯蔵物が腐敗する)傾向がある。そこで、庫内1bで保管されている貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数、及び貯蔵物の鮮度のうち少なくとも1つを用いて、庫内1bの貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価を行うことで、ユーザの認知症の低下を判断することができる。
【0081】
(5.2)変形例2
冷蔵庫1は、複数の第1センサ10aを備える構成であってもよい。すなわち、冷蔵庫1は、1つ以上の第1センサ10aを備える構成であってもよい。冷蔵庫1が1つ以上の第1センサ10aを備える場合には、1つ以上の第1センサ10aは、マグネットセンサ、照度センサ、電力センサ、及びカメラのうち少なくとも1つを含む。言い換えると、評価部25は、1つ以上の第1センサ10aの検知結果から得られる扉1aの開閉が行われた時刻、扉1aの開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、ユーザの扉1aの開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行う。
【0082】
冷蔵庫1は、複数の第2センサ10bを備える構成であってもよい。すなわち、冷蔵庫1は、1つ以上の第2センサ10bを備える構成であってもよい。冷蔵庫1が1つ以上の第2センサ10bを備える場合には、1つ以上の第2センサ10bは、カメラ、重量センサ及び臭度センサとのうち少なくとも1つを含む。言い換えると、評価部25は、1つ以上の第2センサ10bの検知結果から得られる庫内1bで保管されている貯蔵物の総量、貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数、及び貯蔵物の鮮度のうち少なくとも1つを用いて、庫内1bの貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価を行う。
【0083】
(5.3)変形例3
実施形態1では、冷蔵庫1は、複数のセンサ10を有する構成としているが、この構成に限定されない。
【0084】
冷蔵庫1は、1つのセンサを有してもよい。冷蔵庫1が1つのセンサを有する場合、このセンサは、ユーザによる扉1aの開閉、又は庫内1bの貯蔵物の保管状態を検知する。
【0085】
ユーザによる扉1aの開閉を検知するセンサは、例えば、マグネットセンサ、照度センサ、電力センサ、又はカメラである。庫内1bの貯蔵物の保管状態を検知するセンサは、例えば、カメラ、重量センサ又は臭度センサである。
【0086】
サーバ2の評価部25は、センサがユーザによる扉1aの開閉を検知する場合には、上述した第1検知情報と第2検知情報とを用いた評価と、同様の評価を行う。通知部26は、第1検知情報と第2検知情報とを用いた評価と同様の評価による評価結果に基づいて、通知を行う。
【0087】
サーバ2の評価部25は、センサが庫内1bの貯蔵物の保管状態を検知する場合には、庫内1bの貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価として、庫内1bで保管されている貯蔵物の総量を用いた評価、貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数のうち少なくとも1つを用いた評価、及び貯蔵物の鮮度を用いた評価のうちのいずれかの評価を行う。
【0088】
また、変形例3では、検知システム200は、1つのセンサ10と、取得装置11とを、含む。
【0089】
(5.4)変形例4
実施形態1において、記憶部12は、冷蔵庫1の必須の構成要素ではない、冷蔵庫1は、検知結果を定期的に出力する代わりに、センサ10から検知結果を取得する度に、サーバ2に出力してもよい。
【0090】
(5.5)変形例5
実施形態1において、通知部26は、評価結果の通知先をユーザの関係者として、評価結果を通知する構成としたが、この構成に限定されない。
【0091】
通知部26は、ユーザに評価結果を通知してもよい。
【0092】
(5.6)変形例6
実施形態1において、通知部26は、評価結果がユーザの認知機能が低下しているとの評価である場合に、評価結果を通知する構成としたが、通知部26は、評価結果の内容に依存することなく、評価結果を通知してもよい。
【0093】
(5.7)変形例7
実施形態1において、評価部25は、第1結果情報と第2結果情報との組を用いた評価と、第3結果情報を用いた評価とを行う構成としたが、この構成に限定されない。
【0094】
評価部25は、第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を用いて、1つの評価を行ってもよい。
【0095】
(5.8)変形例8
実施形態1では、評価システム20はサーバ2で構成されるとしているが、評価システム20はスマートフォン、タブレット端末等の情報端末で構成されてもよい。
【0096】
(実施形態2)
実施形態2では、複数のユーザの各々について認知機能の評価を行う点が、実施形態1とは異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0097】
(1)構成
実施形態2の評価処理システム100Aは、
図5に示すように、冷蔵庫1A、評価システム20としてのサーバ2A及び情報端末3を備える。
【0098】
冷蔵庫1Aは、ネットワークNT1を介してサーバ2Aと通信可能に構成されている。サーバ2Aは、ネットワークNT1を介して、冷蔵庫1A及び情報端末3と通信可能に構成されている。情報端末3は、ネットワークNT1を介して、サーバ2Aと通信可能に構成されている。
【0099】
冷蔵庫1Aは、
図5に示すように、複数(図示例では、2つ)のセンサ10と、指紋センサ50と、取得装置11Aと、備える。実施形態2では、ユーザの冷蔵庫1Aの利用状況を検知する検知システム200Aは、複数のセンサ10と、指紋センサ50と、取得装置11Aと、を含む。
【0100】
複数のセンサ10は、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況を検知する。複数のセンサ10は、第1センサ10aと、第2センサ10bとを含む。
【0101】
指紋センサ50は、冷蔵庫1Aの扉1aに設けられた取っ手に取り付けられている。指紋センサ50は、ユーザが扉1aの開閉を行う際に取っ手を握る手の指から指紋を読み取る。指紋センサ50は、読み取った指紋のデータ(指紋データ)を、ユーザの識別に係る識別情報として取得装置11Aに出力する。
【0102】
取得装置11Aは、
図5に示すように、記憶部12Aと、通信部13と、制御部14Aと、を備える。
【0103】
取得装置11は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部14Aとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0104】
記憶部12Aは、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部12Aは、実施形態1の記憶部12と同様に、複数のセンサ10の各々の検知結果を、記憶する。記憶部12Aは、複数のユーザの指紋のデータであって、指紋センサ50が読み取った指紋データの識別に用いる識別用指紋データを、複数のユーザの名称(ユーザ名)に、一対一に対応付けて記憶している。
【0105】
制御部14Aは、
図5に示すように、取得部15Aと、出力部16と、識別情報取得部17と、識別部18と、を含む。
【0106】
識別情報取得部17は、指紋センサ50から指紋データ(識別情報)を取得する。
【0107】
識別部18は、識別情報取得部17が取得した指紋データと、記憶部12Aに記憶している複数のユーザにそれぞれ対応する複数の識別用指紋データとを用いて、冷蔵庫1Aを利用するユーザを識別する。識別部18は、指紋データと、複数の識別用指紋データの各々とを比較して、特徴量の一致度が所定値以上である1つの識別用指紋データを特定する。特徴量の一致度が所定値以上である識別用指紋データが2つ以上存在する場合には、2つ以上の識別用指紋データのうち一致度が最高値である1つの識別用指紋データを特定する。識別部18は、特定した1つの識別用指紋データに対応するユーザ名を、記憶部12Aから取得する。
【0108】
取得部15Aは、第1検知結果を取得すると、第1検知結果と、第1検知結果を取得した日時と、識別部18が取得したユーザ名と、を含む第1結果情報を記憶部12Aに記憶する。取得部15Aは、第2検知結果を取得すると、第2検知結果と、第2検知結果を取得した日時と、識別部18が取得したユーザ名と、を含む第2結果情報を記憶部12Aに記憶する。取得部15Aは、第3検知結果を取得すると、第3検知結果と、第3検知結果を取得した日時と、識別部18が取得したユーザ名と、を含む第3結果情報を記憶部12Aに記憶する。
【0109】
次に、実施形態2のサーバ2Aの構成について説明する。
【0110】
サーバ2Aは、
図5に示すように、通信部21と、記憶部22と、制御部23Aと、を備える。
【0111】
サーバ2Aは、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部23Aとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0112】
制御部23Aは、
図5に示すように、取得部24と、評価部25Aと、通知部26Aと、を含む。
【0113】
実施形態2の取得部24は、検知結果を冷蔵庫1Aから取得する。すなわち、実施形態2の取得部24は、1つ以上の第1結果情報、1つ以上の第2結果情報及び1つ以上の第3結果情報を、定期的に取得し、記憶部22に記憶する。実施形態2では、第1結果情報は、第1検知結果と、第1検知結果を取得した日時と、識別部18が取得したユーザ名と、を含む。第2結果情報は、第2検知結果と、第2検知結果を取得した日時と、識別部18が取得したユーザ名と、を含む。第3結果情報は、第3検知結果と、第3検知結果を取得した日時と、識別部18が取得したユーザ名と、を含む。
【0114】
評価部25Aは、識別情報取得部17が取得した指紋データ(識別情報)に応じたユーザの認知機能の評価を行う。具体的には、評価部25Aは、識別情報取得部17が取得した指紋データを用いて識別されたユーザ名のユーザの認知機能の評価を行う。より詳細には、評価部25は、記憶部22に記憶されている結果情報であって、複数のユーザのうち評価対象のユーザのユーザ名を含む、第1結果情報、第2結果情報、及び第3結果情報を用いて、評価対象のユーザの認知機能の評価を行う。第1結果情報、第2結果情報、及び第3結果情報を用いた認知機能の評価については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0115】
すなわち、評価部25Aは、複数のユーザの各々について、認知機能を評価する。
【0116】
実施形態2の通知部26は、複数のユーザの各々について、当該ユーザの評価結果を通知する。具体的には、実施形態2の通知部26は、複数のユーザの各々について、当該ユーザ(評価対象のユーザ)の評価結果が評価対象のユーザの認知機能が低下しているとの評価である場合に、評価対象のユーザの関係者を通知先として、評価対象のユーザの評価結果を通知する。
【0117】
(2)変形例
以下に、実施形態2の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0118】
(2.1)変形例1
実施形態2では、冷蔵庫1Aは、指紋センサ50を備える構成としているが、この構成に限定されない。冷蔵庫1Aは、指紋センサ50に限らず、ユーザを識別可能なデータを取得することができる装置であればよい。例えば、冷蔵庫1Aは、指紋センサ50の代わりに、カメラ、ユーザの目の虹彩を検知する虹彩センサ等を備えてもよい。
【0119】
例えば、冷蔵庫1Aが指紋センサ50の代わりにカメラを備えている場合、取得装置11Aの識別情報取得部17は、カメラからユーザの顔を含む画像のデータを識別情報として取得する。取得装置11Aの記憶部12Aは、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の顔画像のデータ(識別用顔画像データ)を記憶している。識別部18は、識別情報と、複数の識別用顔画像データとを用いて、冷蔵庫1Aを利用するユーザを特定する。
【0120】
例えば、冷蔵庫1Aが指紋センサ50の代わりに虹彩センサを備えている場合、取得装置11Aの識別情報取得部17は、カメラからユーザの光彩のデータを識別情報として取得する。取得装置11Aの記憶部12Aは、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の虹彩のデータ(識別用虹彩データ)を記憶している。識別部18は、識別情報と、複数の識別用虹彩データとを用いて、冷蔵庫1Aを利用するユーザを特定する。
【0121】
(2.2)変形例2
識別部18は、冷蔵庫1Aの必須の構成要素ではない。すなわち、冷蔵庫1Aは、識別情報を用いてユーザを識別しなくてもよい。
【0122】
サーバ2Aが識別部を備え、サーバ2Aが識別情報を用いてユーザを識別してもよい。例えば、サーバ2Aは、複数のユーザ名にそれぞれ対応する複数の認識用指紋データを記憶している。冷蔵庫1Aの取得装置11Aは、指紋センサ50から指紋データを受け取ると、指紋データをサーバ2Aに出力する。サーバ2Aの識別部は、冷蔵庫1Aの取得装置11Aから取得した指紋データと、サーバ2Aが記憶している複数の識別用指紋データと、を用いて冷蔵庫1Aを利用するユーザのユーザ名を特定する。サーバ2Aは、特定したユーザ名を冷蔵庫1Aの取得装置11Aに出力する。取得装置11Aの取得部15Aは、サーバ2Aから取得したユーザ名を含む結果情報(第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報)を記憶部12Aに記憶する。
【0123】
なお、サーバ2Aの識別部は、結果情報(第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報)を受け取ったタイミングでユーザを識別してもよい。結果情報を受け取ったタイミングでユーザを識別する場合には、結果情報には、ユーザ名の代わりに、指紋データが含まれる。サーバ2Aの識別部は、結果情報を冷蔵庫1A(の取得装置11A)から受け取ると、受け取った結果情報に含まれる指紋データと、複数の識別用指紋データと、を用いてユーザのユーザ名を特定する。サーバ2Aの識別部は、受け取った結果情報と、特定したユーザ名とを対応付けて記憶部22に記憶する。
【0124】
(2.3)変形例3
実施形態1の変形例1~8を、実施形態2及び実施形態2の変形例1,2に適用してもよい。
【0125】
(実施形態3)
実施形態3では冷蔵庫1に対するユーザの利用状況及び冷蔵庫1とは異なる他の家電機器に対するユーザの利用状況を認知機能の評価に用いる点が、実施形態1とは、異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0126】
(1)構成
実施形態3の評価処理システム100Bは、
図6に示すように、冷蔵庫1、リモコン5aを備えるテレビ装置5、評価システム20としてのサーバ2B及び情報端末3を備える。
【0127】
冷蔵庫1は、サーバ2Bと通信可能に構成されている。サーバ2Bは、ネットワークNT1を介して、冷蔵庫1、テレビ装置5及び情報端末3と通信可能に構成されている。情報端末3は、ネットワークNT1を介して、サーバ2Bと通信可能に構成されている。
【0128】
テレビ装置5は、ネットワークNT1を介して、サーバ2Bと通信可能に構成されている。テレビ装置5は、リモコン5aの操作に係る操作情報をサーバ2Bに出力する。操作情報は、例えば、リモコン5aのボタンが押された押下回数に対する、リモコン5aのボタンが基準時間よりも長く押された長押し回数の割合である長押し割合を含む。
【0129】
サーバ2Bは、
図6に示すように、通信部21と、記憶部22と、制御部23Bと、を備える。
【0130】
サーバ2Bは、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部23Bとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0131】
制御部23Bは、
図6に示すように、取得部24Bと、評価部25Bと、通知部26と、を含む。
【0132】
取得部24Bは、検知結果を冷蔵庫1から取得する。すなわち、取得部24Bは、1つ以上の第1結果情報、1つ以上の第2結果情報及び1つ以上の第3結果情報を、定期的に取得し、記憶部22に記憶する。
【0133】
さらに、取得部24Bは、冷蔵庫1が設けられた施設H1から冷蔵庫1とは異なる家電機器から、ユーザの当該家電機器の操作に関する操作情報を取得する。具体的には、取得部24Bは、テレビ装置5から操作情報を取得する。
【0134】
評価部25Bは、取得部24が取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。すなわち、評価部25Bは、第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を用いて、ユーザの認知機能の評価を行う。第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を用いた認知機能の評価は実施形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0135】
さらに、評価部25Bは、操作情報を用いて、ユーザの認知機能の評価を行う。具体的には、評価部25Bは、長押し割合が減少傾向である場合には、ユーザの認知機能が低下していると評価する。
【0136】
評価部25Bは、第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を用いた認知機能の評価、及び操作情報を用いた評価とのうち、少なくとも一方の評価の評価結果がユーザの認知機能が低下しているとの評価である場合に、ユーザの認知機能が低下しているとの最終の評価結果を得る。
【0137】
なお、評価部25Bは、第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を用いた評価と、操作情報を用いた結果との双方がユーザの認知機能が低下していることを示す場合にのみ、ユーザの認知機能が低下しているとの最終の評価結果を得てもよい。
【0138】
評価部25Bは、第1結果情報、第2結果情報及び第3結果情報を用いた評価と、操作情報を用いた結果との双方において、ユーザの認知機能が低下していないとの評価が得られた場合には、ユーザの認知機能が低下していないとの最終の評価結果を得る。
【0139】
(2)変形例
以下に、実施形態3の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0140】
(2.1)変形例1
実施形態3では、評価処理システム100Bは、冷蔵庫1とは異なる他の家電機器としてテレビ装置5を備える構成としているが、この構成に限定されない。
【0141】
ユーザによる操作等によるユーザの利用状況を、ユーザの認知機能の評価に用いることができる家電機器であれば、テレビ装置5以外であってもよい。
【0142】
(2.2)変形例2
実施形態1の変形例1~8を、実施形態3及び実施形態3の変形例1に適用してもよい。実施形態2及び実施形態2の変形例1,2を、実施形態3及び実施形態3の変形例1に適用してもよい。
【0143】
(実施形態4)
実施形態4では、第2センサ10bとしてカメラを用いて冷蔵庫の庫内を撮像し、庫内の貯蔵物を基にユーザの認知機能が低下したと評価する点が、実施形態1と異なる。また、実施形態4には、ユーザの代行通知宛先に評価結果を通知し、代行通知宛先の関係者に評価結果の正当性を検証してもらい、その結果を基に評価に対する学習を行う点が、実施形態1と異なる。
【0144】
以下、実施形態4の評価処理システム100Cについて、
図7~
図9を用いて説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0145】
(1)構成
実施形態1の評価処理システム100Cは、
図7に示すように、冷蔵庫1C、評価システム20としてのサーバ2C及び情報端末3を備える。
【0146】
冷蔵庫1Cは、ネットワークNT1を介してサーバ2C及び情報端末3と通信可能に構成されている。冷蔵庫1Cは、冷蔵庫1Cの庫内1bを検知(撮像)し、検知結果(画像)をサーバ2Cに出力する。
【0147】
サーバ2Cは、ネットワークNT1を介して、冷蔵庫1Cと通信可能に構成されている。サーバ2Cは、冷蔵庫1Cから取得した画像を用いてユーザの認知機能を評価する。実施形態4では、サーバ2Cは、庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かを判定する。サーバ2Cは、評価結果(判定結果)を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に通知する。なお、「貯蔵物として不適切な物品」とは、書物、おもちゃ及び衣類等であり、冷蔵及び冷凍に適さない物品である。
【0148】
情報端末3は、ネットワークNT1を介して、冷蔵庫1Cと通信可能に構成されている。情報端末3は、冷蔵庫1Cから評価結果を受け取ると、受け取った評価結果を関係者に通知するために、評価結果(判定結果)を情報端末3が備える表示部に表示する。関係者は、通知された判定結果の正当性を判断する。情報端末3は、関係者から判断結果を表す情報であって、サーバ2Cの判定結果の正当性に係る正当性情報を受け付けると、冷蔵庫1Cを介してサーバ2Cに正当性情報を送信する。
【0149】
サーバ2Cは、関係者からの正当性情報を基に、学習機能の更新(学習モデルの更新)を行う。
【0150】
(1.1)冷蔵庫
冷蔵庫1Cは、
図7に示すように、複数(図示例では、2つ)のセンサ10と、取得装置11Cと、備える。冷蔵庫1Cは、施設H1に設けられている。また、複数のセンサ10と、取得装置11Cとは、ユーザによる冷蔵庫1Cの利用状況を検知する検知システム200Cに含まれる。
【0151】
複数のセンサ10は、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況を検知する。複数のセンサ10は、第1センサ10aと、第2センサ10bとを含む。
【0152】
第1センサ10aは、ユーザによる冷蔵庫1の利用状況としてユーザによる扉1aの開閉を検知する。第1センサ10aは、扉1aの開状態を検知すると、開状態を表す検知結果(第1検知結果)を取得装置11に出力する。第1センサ10aは、扉1aの閉状態を検知すると、閉状態を表す検知結果(第2検知結果)を取得装置11に出力する。
【0153】
第2センサ10bは、ユーザによる冷蔵庫1Cの利用状況として冷蔵庫1Cの庫内1bの貯蔵物を撮像するカメラである。第2センサ10bは、扉1aが開状態から閉状態になったことを第1センサ10aが検知した場合、庫内1bを撮像する。このとき、第2センサ10bは、庫内1bを撮像するためにフラッシュ等を用いてもよい。
【0154】
取得装置11Cは、
図7に示すように、記憶部12と、通信部13と、制御部14Cと、を備える。
【0155】
取得装置11Cは、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部14Cとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0156】
記憶部12は、実施形態1で説明した機能に加えて、第2センサ10bの検知結果として、第2センサ10bが撮像した画像を記憶する。
【0157】
通信部13は、サーバ2C及び情報端末3とネットワークNT1を介して通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0158】
制御部14Cは、
図7に示すように、取得部15C(第1取得部)と、出力部16Cと、を含む。
【0159】
取得部15Cは、実施形態1の取得部15と同様の機能を有している。さらに、取得部15Cは、サーバ2Cによる評価結果(判定結果)をサーバ2Cから取得する。また、取得部15Cは、情報端末3から正当性情報を取得する。
【0160】
出力部16Cは、実施形態1の出力部16と同様の機能を有している。さらに、出力部16Cは、第2センサ10b(カメラ)が撮像した画像を基に庫内に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を学習機能を備えるサーバ2Cに行わせるために、当該画像をサーバ2Cに、通信部13を介して出力する。実施形態4の出力部16Cは、第2センサ10bで撮像が行われるたびに、第2センサ10bが撮像した画像をサーバ2Cに出力する。
【0161】
出力部16Cは、取得部15Cが取得した判定結果を、ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末3に通知する。具体的には、出力部16Cは、取得部15Cが取得した判定結果を、関係者の情報端末3にネットワークNT1を介して送信する。
【0162】
出力部16Cは、取得部15Cが取得した正当性情報を基に前記学習機能を更新させるために、正当性情報をサーバ2Cに出力する。具体的には、出力部16Cは、正当性情報をサーバ2CにネットワークNT1を介して送信する。
【0163】
(1.2)サーバ
サーバ2Cは、
図7に示すように、通信部21と、記憶部22と、制御部23Cと、を備える。
【0164】
サーバ2Cは、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部23Cとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0165】
通信部21は、冷蔵庫1とネットワークNT1を介して通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0166】
制御部23Cは、
図7に示すように、取得部24(第2取得部)、評価部25C、通知部26及び検知部27を含む。
【0167】
取得部24は、検知結果として第2センサ10bが撮像した画像を冷蔵庫1から取得する。取得部24は、取得した検知結果を記憶部22に記憶する。
【0168】
検知部27は、第2センサ10b(カメラ)が撮像した画像を基に、ユーザによって開閉操作がなされた間に物品が貯蔵されたか否かを検知する。具体的には、検知部27は、第2センサ10b(カメラ)が撮像した画像を取得し、記憶部22に格納する。検知部27は、今回取得した画像と、前回取得した画像とを比較して、庫内1bに追加された物品が存在するか否かを検知する。ここで、今回取得した画像とは、記憶部22で記憶されている画像のうち撮影日時が最新である画像である。前回取得した画像とは、記憶部22で記憶されている画像のうち、今回取得した画像の撮影日時に最も近い日時の画像である。
【0169】
評価部25Cは、ユーザによって開閉操作がなされた間に物品が貯蔵されたと検知部27が検知すると、取得部24が取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。評価部25Cは、第2センサ10b(カメラ)が撮像した画像を基に庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を有している。評価部25Cは、取得部24が今回取得した画像を基に貯蔵物として追加された物品を特定する。評価部25Cは、学習済の学習モデルを基に、特定した物品が貯蔵物として適切であるか否かを判定する。評価部25Cは、特定した物品が貯蔵物として適切でない、すなわち特定した物品が貯蔵物として不適切であると判定した場合には、ユーザの認知機能が低下していると判断し、その結果を記憶部22に記憶する。
【0170】
評価部25Cは、情報端末3から冷蔵庫1Cを介して、正当性情報を受け取ると、受け取った正当性情報を基に、学習機能を更新する。すなわち、評価部25Cは、受け取った正当性情報を基に、庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かを判定するために用いる学習モデルを更新する。具体的には、評価部25Cは、判定結果が正当でないことを正当性情報が表している場合には、記憶部22が記憶している、ユーザの認知機能が低下しているか否かの評価結果を変更する。例えば、評価部25Cは、庫内1bに貯蔵されている物品が貯蔵物として不適切であると判定し、認知機能が低下していると判定した場合には、記憶している評価結果(認知機能が低下しているとの評価)を、認知機能が低下していない旨の評価結果に変更する。逆に、評価部25Cは、庫内1bに貯蔵されている物品が貯蔵物として適切であると判定し、認知機能が低下していないと判定した場合には、記憶している評価結果(認知機能が低下していないとの評価)を、認知機能が低下している旨の評価結果に変更する。
【0171】
通知部26は、評価結果を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に通知する。なお、実施形態4の評価結果は、ユーザの認知機能が低下しているか否かの評価と、庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定結果及び判定に用いた物品名と、を含む。
【0172】
(1.3)情報端末
情報端末3は、冷蔵庫1CとネットワークNT1を介して通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0173】
情報端末3は、ネットワークNT1を介して、冷蔵庫1Cから評価結果を受け取る。情報端末3は、受け取った評価結果を、情報端末3が備える表示部に表示する。情報端末3は、代表者から、庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定結果に対する正当性の入力操作を受け付ける。すなわち、情報端末3は、庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定結果が正当であるか正当でないかをユーザの操作により受け付ける。
【0174】
情報端末3は、受け付けた入力操作に応じた正当性情報を、冷蔵庫1Cを介してサーバ2Cに送信する。
【0175】
(2)動作
(2.1)評価処理システムの動作
ここでは、実施形態4の評価処理システム100Cの動作について、
図8を用いて説明する。
【0176】
冷蔵庫1Cの第1センサ10aは、冷蔵庫1Cの扉1aの開操作を検知する(ステップS101)。その後、第1センサ10aは、扉1aの閉操作を検知する(ステップS102)。
【0177】
冷蔵庫1Cの第2センサ10bは、冷蔵庫1Cの庫内1bを撮像する(ステップS103)。冷蔵庫1Cが備える取得装置11Cの出力部16Cは、第2センサ10bが撮像した画像を、サーバ2Cに出力する(ステップS104)。
【0178】
サーバ2Cの検知部27は、貯蔵物検知処理を行う(ステップS105)。具体的には、検知部27は、ステップS101~ステップS102の間に、新たな物品が貯蔵物として冷蔵庫1Cの庫内1bに貯蔵されたか否かを検知する。
【0179】
新たな物品が貯蔵物として冷蔵庫1Cの庫内1bに貯蔵されたことを検知部27が検知した場合には、評価部25Cは、評価処理として不要物判定処理を行う(ステップS106)。具体的には、評価部25Cは、庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かを、すなわち新たな物品が貯蔵物として貯蔵されることが適切であるか否かを、学習機能を用いて判定する。
【0180】
通知部26は、判定結果を含む評価結果を、冷蔵庫1Cに送信する(ステップS107)。すなわち、冷蔵庫1Cの取得部15Cは、判定結果を含む評価結果をサーバ2Cから受け取る。冷蔵庫1Cの出力部16Cは、取得部15Cが受け取った評価結果を、情報端末3に送信する(ステップS108)。すなわち、情報端末3は、評価結果を、冷蔵庫1Cを介してサーバ2Cから受け取る。言い換えると、通知部26は、冷蔵庫1Cを介して、判定結果を含む評価結果を、関係者の情報端末3に通知する。
【0181】
情報端末3は、関係者の入力操作に応じた正当性情報を、冷蔵庫1Cに送信する(ステップS109)。すなわち、冷蔵庫1Cの取得部15Cは、正当性情報を情報端末3から受け取る。冷蔵庫1Cの出力部16Cは、情報端末3から受け取った正当性情報を、サーバ2Cに送信する(ステップS110)。
【0182】
サーバ2Cの評価部25Cは、情報端末3から受け取った正当性情報に基づいて、更新処理を行う(ステップS111)。具体的には、評価部25Cは、正当性情報に基づいて、学習機能の更新、すなわち学習モデルの更新を行う。
【0183】
(2.2)サーバの動作
ここでは、実施形態4のサーバ2Cの動作について、
図9を用いて説明する。
【0184】
サーバ2Cの取得部24は、冷蔵庫1Cの第2センサ10bが撮像した画像を取得する(ステップS201)。取得部204は、取得した画像を記憶部22に格納する(ステップS202)。
【0185】
検知部27は、ステップS106の貯蔵物検知処理として新規貯蔵物を検知したか否かを判断する(ステップS203)。具体的には、検知部27は、新たな物品が貯蔵物として冷蔵庫1Cの庫内1bに貯蔵されたか否かを検知する。例えば、検知部27は、今回取得した画像と、前回取得した画像とを比較して、冷蔵庫1Cの庫内1bに追加された物品が存在するか否かを検知する。
【0186】
新たな物品が貯蔵物として冷蔵庫1Cの庫内1bに貯蔵されたことを検知部27が検知した場合(ステップS203における「Yes」)、評価部25Cは、ステップS106で示す不要物判定処理を行う(ステップS204)。評価部25Cは、新たに貯蔵された物品が貯蔵物として適切であるか否かを、学習機能を用いて判定する。また、評価部25Cは、特定した物品が貯蔵物として適切でない、すなわち特定した物品が貯蔵物として不適切であると判定した場合には、ユーザの認知機能が低下していると判断し、その結果を記憶部22に記憶する。評価部25Cは、特定した物品が貯蔵物として適切であると判定した場合には、ユーザの認知機能が低下していないと判断し、その結果を記憶部22に記憶する。
【0187】
通知部26は、判定結果を冷蔵庫1Cに出力する(ステップS205)。通知部26は、判定結果を含む評価結果を冷蔵庫1Cに送信する。このとき、冷蔵庫1Cは、受け取った判定結果を含む評価結果を、関係者の情報端末3に送信する。
【0188】
評価部25Cは、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に送信した判定結果に対する正当性情報を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3から取得する(ステップS206)。評価部25Cは、受け取った正当性情報を基に、更新処理を行う(ステップS207)。具体的には、すなわち、評価部25Cは、受け取った正当性情報を基に、学習機能の更新、つまり庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かを判定するために用いる学習モデルを更新する。
【0189】
(3)実施形態4の効果
以上説明したように、評価処理システム100Cのサーバ2C(評価システム20)は、学習機能を用いて新たに貯蔵された物品が貯蔵物として適切であるか否かを判定し、判定した判定結果を、冷蔵庫1Cを介して関係者の情報端末3に通知している。情報端末3は、関係者の入力操作により、判定結果に対する正当性を受け付け、受け付けた正当性を表す正当性情報を、冷蔵庫1Cを介してサーバ2Cに送信する。サーバ2Cは、情報端末3から受け取った正当性情報を基に学習機能を更新する。
【0190】
具体的には、評価処理システム100Cでは、サーバ2Cの評価部25Cは、第2センサ10b(カメラ)が撮像した画像を基に庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を有している。冷蔵庫1Cの出力部16Cは、第2センサ10bが撮像した画像をサーバ2Cに出力する。評価部25Cは、画像を基に庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を学習機能により行う。取得部15Cは、更に、サーバ2Cの評価部25Cによる判定結果をサーバ2Cから取得する。出力部16Cは、取得部15Cが取得した判定結果を、ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末3に通知する。取得部15Cは、情報端末3から判定結果の正当性に係る正当性情報を取得する。出力部16Cは、正当性情報を基に学習機能を更新させるために、正当性情報をサーバ2Cに出力する。評価部25Cは、正当性情報を基に学習機能を更新する。
【0191】
また、冷蔵庫1Cでは、出力部16Cは、第2センサ10b(カメラ)が撮像した画像を基に庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を備えるシステム(例えば、評価システム20)に行わせるために、画像をシステムに出力する。取得部15Cは、更に、当該システムによる判定結果を当該システムから取得する。出力部16Cは、取得部15Cが取得した判定結果を、ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末3に通知する。取得部15Cは、情報端末3から判定結果の正当性に係る正当性情報を取得する。出力部16Cは、正当性情報を基に学習機能を更新させるために、正当性情報を当該システムに出力する。
【0192】
また、評価システム20であるサーバ2Cでは、評価部25Cは、第2センサ10b(カメラ)が撮像した画像を基に庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を有している。評価部25Cは、第2センサ10bが撮像した画像を冷蔵庫1Cから受け取り、画像を基に庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を学習機能により行い、判定結果を冷蔵庫1Cに出力する。評価部25Cは、判定結果の正当性に係る正当性情報を取得し、取得した正当性情報を基に学習機能を更新する。
【0193】
上述した評価処理システム100C、冷蔵庫1C及び評価システム20によると、学習機能は、正当性情報を基に更新されるので、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0194】
また、冷蔵庫1Cに貯蔵される物品は適切であるか否かの基準は、ユーザの家庭環境によって異なる場合がある。そのため、学習機能が学習する際に用いるデータであって「この物品は貯蔵物として適切、この物品は貯蔵物として不適切」という教師データが、学習機能の更新の際に適用できる場合とできない場合とがある。そのため、実施形態4では、サーバ2Cは、庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定結果を、関係者の情報端末3に通知し、判定結果に対する正当性を表す正当性情報を情報端末3から受け取る。そして、サーバ2Cは、正当性情報に基づいて学習機能を更新する。これにより、ユーザの家庭環境に応じて、冷蔵庫1Cに貯蔵される物品は適切であるか否かの基準を設定できる。そのため、上述した教師データは不要となる。
【0195】
(4)変形例
以下に、実施形態4の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0196】
(4.1)変形例1
学習機能をサーバ2Cが有する構成としているが、この構成に限定されない。サーバ2C以外の装置又はシステムが学習機能を有してもよい。例えば、評価処理システム100Cとは異なる外部システムが学習機能を有してもよい。
【0197】
この場合、サーバ2Cの評価部25Cは、新たな物品が貯蔵物として冷蔵庫1Cの庫内1bに貯蔵されたことを検知部27が検知した場合、貯蔵された新たな物品が貯蔵物として適切であるか否かの判定を行う旨の指示を、ネットワークNT1を介して外部システムに送信する。外部システムは、当該指示を受け取ると、学習機能を用いて、貯蔵された新たな物品が貯蔵物として適切であるか否かの判定を行う。外部システムは、判定結果をサーバ2Cに送信する。サーバ2Cの評価部25Cは、外部システムから判定結果を受け取ると、受け取った判定結果を基に、ユーザの認知機能が低下しているか否かの評価を行う。サーバ2Cは、評価結果を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に送信する。サーバ2Cは、冷蔵庫1Cを介して情報端末3から正当性情報を受け取ると、正当性情報を外部システムに送信する。外部システムは、正当性情報を基に、学習機能(学習モデル)を更新する。なお、情報端末3は、サーバ2Cを介すことなく、正当性情報を外部システムに送信してもよい。例えば、情報端末3は、冷蔵庫1C及びネットワークNT1を介して外部システムに正当性情報を送信してもよいし、情報端末3は、ネットワークNT1を介して、すなわち冷蔵庫1C及びサーバ2Cを介すことなく外部システムに正当性情報を送信してもよい。
【0198】
また、外部システムが学習機能を有している場合、冷蔵庫1Cは、第2センサ10bが撮像した画像を外部システムに送信してもよい。このとき、外部システムは、上述した検知部27を有している。外部システムは、検知部27を用いて、
図8に示すステップS105で説明した貯蔵物検知処理を行う。外部システムは、貯蔵物検知処理で新たな物品が貯蔵物として冷蔵庫1Cの庫内1bに貯蔵されたことが検知された場合には、学習機能を用いて、貯蔵された新たな物品が貯蔵物として適切であるか否かの判定を行う。外部システムは、判定結果をサーバ2Cに送信する。サーバ2Cの評価部25Cは、外部システムから判定結果を受け取ると、受け取った判定結果を基に、ユーザの認知機能が低下しているか否かの評価を行う。サーバ2Cは、評価結果を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に送信する。サーバ2Cは、冷蔵庫1Cを介して情報端末3から正当性情報を受け取ると、正当性情報を外部システムに送信する。外部システムは、正当性情報を基に、学習機能(学習モデル)を更新する。なお、情報端末3は、サーバ2Cを介すことなく、正当性情報を外部システムに送信してもよい。例えば、情報端末3は、冷蔵庫1C及びネットワークNT1を介して外部システムに正当性情報を送信してもよいし、情報端末3は、ネットワークNT1を介して、すなわち冷蔵庫1C及びサーバ2Cを介すことなく外部システムに正当性情報を送信してもよい。
【0199】
または、冷蔵庫1Cが学習機能を有してもよい。冷蔵庫1Cが学習機能を有している場合、冷蔵庫1Cは、上述した検知部27を有している。冷蔵庫1Cは、検知部27を用いて、
図8に示すステップS105で説明した貯蔵物検知処理を行う。冷蔵庫1Cは、貯蔵物検知処理で新たな物品が貯蔵物として庫内1bに貯蔵されたことが検知された場合には、学習機能を用いて、貯蔵された新たな物品が貯蔵物として適切であるか否かの判定を行う。冷蔵庫1Cは、判定結果をサーバ2Cに送信する。サーバ2Cの評価部25Cは、外部システムから判定結果を受け取ると、受け取った判定結果を基に、ユーザの認知機能が低下しているか否かの評価を行う。サーバ2Cは、評価結果を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に送信する。冷蔵庫1Cは、情報端末3から正当性情報を受け取ると、受け取った正当性情報を基に学習機能(学習モデル)を更新する。
【0200】
(4.2)変形例2
実施形態4では、サーバ2Cは、新たに貯蔵された物品が貯蔵物として不適切であると判定した場合、認知機能が低下していると評価する構成としている。すなわち、サーバ2Cは、新たに貯蔵された物品が貯蔵物として不適切であるとの1回の判定で、認知機能が低下していると評価する。しかしながら、この構成に限定されない。
【0201】
サーバ2Cの評価部25Cは、新たに貯蔵された物品が貯蔵物として不適切であるとの判定が連続して所定回数以上行われた場合に、認知機能が低下していると評価してもよい。この場合、評価部25Cは、新たに貯蔵された物品が貯蔵物として適切であるか否か、すなわち庫内1bに貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かを、学習機能を用いて判定すると、判定結果を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に送信する。情報端末3は、判定結果を受け取ると、関係者の情報端末3に通知し、判定結果の正当性に係る操作を受け付ける。情報端末3は、受け付けた操作に応じた正当性情報を、冷蔵庫1Cを介してサーバ2Cに送信する。サーバ2Cの評価部25Cは、情報端末3から正当性情報を受け取ると、受け取った正当情報を基に学習機能(学習モデル)を更新する。さらに、正当情報を基に、必要に応じて記憶部22に記憶している判定結果を修正する。その後、評価部25Cは、新たに貯蔵された物品が貯蔵物として不適切であるとの判定が連続して所定回数以上行われたか否かを判断する。評価部25Cは、不適切であるとの判定が連続して所定回数以上行われたと判断する場合、認知機能が低下していると評価する。評価部25Cは、不適切であるとの判定が連続して所定回数以上行われていないと判断する場合、認知機能が低下していないと評価する。評価部25Cは、評価結果を、冷蔵庫1Cを介して情報端末3に送信する。
【0202】
(4.3)変形例3
実施形態4では、新規に追加された物品が貯蔵物として適切な物品であるか、不適切な物品であるかを判定する構成としているが、この構成に限定されない。
【0203】
庫内1bに貯蔵されている物品が適切な物品であるか、不適切な物品であるかを判定してもよい。例えば、評価部25Cは、画像を基に、貯蔵されている物品の腐敗状態を判断し、その結果を基に、当該物品が貯蔵物として不適切な物品であるか否かを判断する。
【0204】
(4.4)変形例4
実施形態1の変形例1~8を、実施形態4及び実施形態4の変形例1,2に適用してもよい。実施形態2及び実施形態2の変形例1,2を、実施形態4及び実施形態4の変形例1,2に適用してもよい。実施形態3及び実施形態3の変形例1を、実施形態4及び実施形態4の変形例1,2に適用してもよい。
【0205】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、冷蔵庫1,1Aと同様の機能は、冷蔵庫1,1Aの処理方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る処理方法は、ユーザによる利用状況を検知する検知するセンサ10を備える冷蔵庫1,1Aに用いられる。処理方法は、センサ10の検知結果を取得する取得ステップと、取得ステップで取得した検知結果を、ユーザの認知機能を評価する評価システム20(サーバ2,2A,2B)へ出力する出力ステップと、を含む。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した処理方法として機能させるためのプログラムである。
【0206】
本開示における冷蔵庫1,1A又は処理方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における冷蔵庫1,1A又は処理方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0207】
コンピュータシステムである冷蔵庫1,1Aは、1又は複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。例えば、冷蔵庫1,1Aの少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0208】
さらに、評価システム20と同様の機能は、評価システム20の評価方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る評価方法は、取得ステップと、評価ステップと、通知ステップと、を含む。取得ステップは、ユーザによる利用状況を検知するセンサ10を備える冷蔵庫1,1Aからセンサ10の検知結果を取得する。評価ステップは、取得ステップで取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。通知ステップは、評価結果を通知する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した処理方法として機能させるためのプログラムである。
【0209】
本開示における評価システム20又は処理方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における評価システム20又は処理方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0210】
コンピュータシステムである評価システム20は、1又は複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。例えば、評価システム20の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0211】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の冷蔵庫(1,1A,1C)は、センサ(10)と、取得部(15,15A,15C)と、出力部(16,16C)と、を備える。センサ(10)は、ユーザによる利用状況を検知する検知する。取得部(15,15A,15C)は、センサ(10)の検知結果を取得する。出力部(16,16C)は、取得部(15,15A,15C)が取得した検知結果を、ユーザの認知機能を評価する評価システム(20)へ出力する。
【0212】
この構成によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0213】
第2の態様の冷蔵庫(1,1A,1C)では、第1の態様において、センサ(10)は、ユーザによる扉(1a)の開閉、又は庫内(1b)の貯蔵物の保管状態を検知する。
【0214】
この構成によると、扉(1a)の開閉、又は庫内(1b)の貯蔵物の保管状態の検知結果を利用して、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0215】
第3の態様の冷蔵庫(1,1A,1C)では、第1の態様において、センサ(10)は、複数存在する。複数のセンサ(10)は、1つ以上の第1センサ(10a)と1つ以上の第2センサ(10b)とを含む。1つ以上の第1センサ(10a)は、ユーザによる扉(1a)の開閉を検知する。1つ以上の第2センサ(10b)は、庫内(1b)の貯蔵物の保管状態を検知する。
【0216】
この構成によると、扉(1a)の開閉の検知結果、及び庫内(1b)の貯蔵物の保管状態の検知結果を利用して、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0217】
第4の態様の冷蔵庫(1,1A)では、第3の態様において、1つ以上の第1センサ(10a)は、磁気の変化を検出するマグネットセンサ、庫内(1b)の照度の変化を検知する照度センサ、消費電力の変化を検出する電力センサ、及び庫内(1b)を撮影状態の変化を検知するためのカメラのうち少なくとも1つを含む。1つ以上の第2センサ(10b)は、庫内(1b)を撮影するカメラ、庫内(1b)の重量の変化を検知する重量センサ、及び庫内(1b)の貯蔵物の腐敗状況を検知する臭度センサのうち少なくとも1つを含む。
【0218】
この構成によると、マグネットセンサ、照度センサ、電力センサ及びカメラのうち少なくとも1つ用いて扉(1a)の開閉を検知することができ、カメラ、重量センサ及び臭度センサのうち少なくとも1つを用いて庫内(1b)の貯蔵物の保管状態を検知することができる。
【0219】
第5の態様の冷蔵庫(1,1A)は、第1~第4のいずれかの態様において、センサ(10)による検知が行われるたびに、検知結果を記憶する記憶部(12,12A)を、更に備える。出力部(16)は、記憶部(12,12A)に記憶されている1つ以上の検知結果を、定期的に出力する。
【0220】
この構成によると、検知結果を定期的に出力することができる。
【0221】
第6の態様の冷蔵庫(1C)では、第3の態様において、1つ以上の第2センサ(10b)は、庫内(1b)を撮影するカメラを含む。出力部(16C)は、カメラが撮像した画像を基に庫内(1b)に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を備えるシステム(例えば、評価システム20、外部システム)に行わせるために、画像をシステムに出力する。取得部(15C)は、更に、当該システムによる判定結果を当該システムから取得する。出力部(16C)は、取得部(15C)が取得した判定結果を、ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末(3)に通知する。取得部(15C)は、情報端末(3)から判定結果の正当性に係る正当性情報を取得する。出力部(16C)は、正当性情報を基に学習機能を更新させるために、正当性情報を当該システムに出力する。
【0222】
この構成によると、ユーザの家庭環境に応じて、冷蔵庫(1C)に貯蔵される物品は適切であるか否かの基準を設定できる。
【0223】
第7の態様の評価処理システム(100,100A,100B,100C)は、冷蔵庫(1,1A,1C)と、ユーザの認知機能を評価する評価システム(20)と、を備える。冷蔵庫(1,1A,1C)は、センサ(10)と、第1取得部(例えば、取得部15,15A,15C)と、出力部(16,16C)と、を備える。センサ(10)は、ユーザによる利用状況を検知する。第1取得部は、センサ(10)の検知結果を取得する。出力部(16)は、第1取得部が取得した検知結果を評価システム(20)へ出力する。評価システム(20)は、第2取得部(例えば、取得部24,24A,24B)と、評価部(25,25A,25B,25C)と、通知部(26)と、を備える。第2取得部は、検知結果を冷蔵庫から取得する。評価部(25,25A,25B,25C)は、第2取得部が取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。通知部(26)は、評価結果を通知する。
【0224】
この構成によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0225】
第8の態様の評価処理システム(100,100A,100B,100C)では、第7の態様において、センサ(10)は、ユーザによる扉(1a)の開閉、又は庫内(1b)の貯蔵物の保管状態を検知する。センサ(10)がユーザによる扉(1a)の開閉を検知する場合には、評価部(25,25A,25B,25C)は、開閉が行われた時刻、前記扉の開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、ユーザの扉(1a)の開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行う。センサ(10)が庫内(1b)の貯蔵物の保管状態を検知する場合には、評価部(25,25A,25B)は、庫内(1b)の貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価として、庫内(1b)で保管されている貯蔵物の総量を用いた評価と、貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置及び同一貯蔵物の保管数のうち少なくとも1つを用いた評価と、貯蔵物の鮮度を用いた評価とのうちいずれかの評価を行う。
【0226】
この構成によると、扉(1a)の開閉が行われた時刻、扉の開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、ユーザの扉(1a)の開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行うことができる。または、庫内(1b)の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価として、庫内(1b)で保管されている貯蔵物の総量を用いた評価と、貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置及び同一貯蔵物の保管数のうち少なくとも1つを用いた評価と、貯蔵物の鮮度を用いた評価とのうちいずれかの評価を行うことができる。
【0227】
第9の態様の評価処理システム(100,100A,100B,100C)では、第7の態様において、センサ(10)は、複数存在する。複数のセンサ(10)は、1つ以上の第1センサ(10a)と1つ以上の第2センサ(10b)とを含む。1つ以上の第1センサ(10a)は、ユーザによる扉(1a)の開閉を検知する。1つ以上の第2センサ(10b)は、庫内(1b)の貯蔵物の保管状態を検知する。評価部(25,25A,25B)は、1つ以上の第1センサ(10a)の検知結果から得られる扉(1a)の開閉が行われた時刻、扉(1a)の開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、ユーザの扉(1a)の開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行う。評価部(25,25A,25B,25C)は、1つ以上の第2センサ(10b)の検知結果から得られる庫内(1b)で保管されている貯蔵物の総量、貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数、及び貯蔵物の鮮度のうち少なくとも1つを用いて、庫内(1b)の貯蔵物の保管状態に基づくユーザの認知機能の評価を行う。
【0228】
この構成によると、扉(1a)の開閉が行われた時刻、扉の開閉の動作に要する時間長、所定期間当たりの開閉回数、及び所定時間帯での開閉回数のうち少なくとも1つを用いて、ユーザの扉(1a)の開閉に基づくユーザの認知機能の評価を行うことができる。さらに、庫内(1b)で保管されている貯蔵物の総量、貯蔵物の種類、貯蔵物の保管位置、同一貯蔵物の保管数、及び貯蔵物の鮮度のうち少なくとも1つを用いて、庫内(1b)の貯蔵物の保管状態に基づく前記ユーザの認知機能の評価を行うことができる。
【0229】
第10の態様の評価処理システム(100A)では、第7~第9のいずれかの態様において、冷蔵庫(1A)は、識別情報取得部(17)を、更に備える。識別情報取得部(17)は、ユーザの識別に係る識別情報を取得する。評価部(25A)は、識別情報に応じたユーザの認知機能の評価を行う。
【0230】
この構成によると、複数のユーザの各々に対して、認知機能の評価を行うことができる。
【0231】
第11の態様の評価処理システム(100B)では、第7~第10のいずれかの態様において、第2取得部は、さらに、冷蔵庫(1)が設けられた施設(H1)から冷蔵庫(1)とは異なる家電機器(例えば、テレビ装置5)から、ユーザの当該家電機器の操作に関する操作情報を取得する。評価部(25B)は、センサ(10)の検知結果と操作情報とを用いて、ユーザの認知機能の評価を行う。
【0232】
この構成によると、認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0233】
第12の態様の評価処理システム(100,100A,100B,100C)では、第7~第11のいずれかの態様において、通知部(26)は、評価部(25,25A,25B,25C)が評価結果としてユーザの認知機能が低下したと評価した場合に、評価結果を通知する。
【0234】
この構成によると、早期の受診を促すことができる。
【0235】
第13の態様の評価処理システム(100,100A,100B,100C)では、第12の態様において、通知部(26)は、ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者を評価結果の通知先とする。
【0236】
この構成によると、ユーザに対して、関係者から早期受診を提案することができる。
【0237】
第14の態様の評価処理システム(100C)では、第9の態様において、1つ以上の第2センサ(10b)は、庫内(1b)を撮影するカメラを含む。評価部(25C)は、カメラが撮像した画像を基に庫内(1b)に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を有している。出力部(16C)は、カメラが撮像した画像を評価システム(20)に出力する。評価部(25C)は、画像を基に庫内(1b)に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を学習機能により行う。第1取得部は、更に、評価システム(20)の評価部(25C)による判定結果を評価システム(20)から取得する。出力部(16C)は、第1取得部が取得した判定結果を、ユーザの代行通知宛先として設定されている関係者の情報端末(3)に通知する。第1取得部は、情報端末(3)から判定結果の正当性に係る正当性情報を取得する。出力部(16C)は、正当性情報を基に学習機能を更新させるために、正当性情報を評価システム(20)に出力する。評価部(25C)は、正当性情報を基に学習機能を更新する。
【0238】
この構成によると、ユーザの家庭環境に応じて、冷蔵庫(1C)に貯蔵される物品は適切であるか否かの基準を設定できる。
【0239】
第15の態様の評価システム(20)は、取得部(24,24A,24B)と、評価部(25,25A,25B,25C)と、通知部(26)と、を備える。取得部(24,24A,24B)は、ユーザによる利用状況を検知するセンサ(10)を備える冷蔵庫(1,1A)からセンサ(10)の検知結果を取得する。評価部(25,25,25B、25C)は、取得部(24,24A,24B)が取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。通知部(26)は、評価結果を通知する。
【0240】
この構成によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0241】
第16の態様の評価システム(20)では、第15の態様において、センサ(10)は、冷蔵庫(1C)の庫内(1b)を撮影するカメラを含む。評価部(25C)は、カメラが撮像した画像を基に庫内(1b)に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を行うための学習機能を有している。評価部(25C)は、カメラが撮像した画像を冷蔵庫(1C)から受け取り、画像を基に庫内(1b)に貯蔵物として不適切な物品が貯蔵されているか否かの判定を学習機能により行い、判定結果を冷蔵庫(1C)に出力する。評価部(25C)は、判定結果の正当性に係る正当性情報を取得し、取得した正当性情報を基に学習機能を更新する。
【0242】
この構成によると、ユーザの家庭環境に応じて、冷蔵庫(1C)に貯蔵される物品は適切であるか否かの基準を設定できる。
【0243】
第17の態様の処理方法は、ユーザによる利用状況を検知する検知するセンサ(10)を備える冷蔵庫(1,1A)に用いられる。処理方法は、取得ステップと、出力ステップと、を含む。取得ステップは、センサ(10)の検知結果を取得する。出力ステップは、取得ステップで取得した検知結果を、ユーザの認知機能を評価する評価システム(20)へ出力する。
【0244】
この処理方法によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0245】
第18の態様の評価方法は、取得ステップと、評価ステップと、通知ステップと、を含む。取得ステップは、ユーザによる利用状況を検知するセンサ(10)を備える冷蔵庫(1,1A)からセンサ(10)の検知結果を取得する。評価ステップは、取得ステップで取得した検知結果を基に、ユーザの認知機能を評価する。通知ステップは、評価結果を通知する。
【0246】
この評価方法によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0247】
第19の態様の取得装置(11,11A)は、ユーザによる利用状況を検知するセンサ(10)を備える冷蔵庫(1,1A)に設けられる。取得装置(11,11A)は、取得部(15,15A)と、出力部(16)と、を備える。取得部(15,15A)は、センサ(10)の検知結果を取得する。出力部(16)は、取得部(15,15A)が取得した検知結果を、ユーザの認知機能を評価する評価システム(20)へ出力する。
【0248】
この構成によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【0249】
第20の態様の検知システム(200,200A)は、センサ(10)と、取得部(15,15A)と、出力部(16)と、を備える。センサ(10)は、ユーザによる冷蔵庫(1,1A)の利用状況を検知する検知する。取得部(15,15A)は、センサ(10)の検知結果を取得する。出力部(16)は、取得部(15,15A)が取得した検知結果を、ユーザの認知機能を評価する評価システム(20)へ出力する。
【0250】
この構成によると、ユーザの認知機能の評価の精度をより高めることができる。
【符号の説明】
【0251】
1,1A 冷蔵庫
1a 扉
5 テレビ装置(他の家電機器)
10 センサ
10a 第1センサ
10b 第2センサ
11,11A 取得装置
15,15A 取得部(第1取得部)
16 出力部
17 識別情報取得部
20 評価システム
24,24A,24B 取得部(第2取得部)
25,25A,25B 評価部
26,26A 通知部
100,100A,100B 評価処理システム
H1 施設