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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】算数教育支援具
(51)【国際特許分類】
   G09B 1/32 20060101AFI20241018BHJP
   G09B 19/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G09B1/32
G09B19/02 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024101862
(22)【出願日】2024-06-25
【審査請求日】2024-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524240489
【氏名又は名称】岩下 幸
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】岩下 幸
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-053854(JP,A)
【文献】登録実用新案第3119647(JP,U)
【文献】登録実用新案第3152058(JP,U)
【文献】実開昭52-140867(JP,U)
【文献】特開平11-206955(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105536241(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 19/00 - 19/26
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏で色が異なり、表裏いずれにも数字が表記されていない複数個の円板(10)を有する算数教育支援具であって、
前記円板(10)はいずれも、直径が25mm以上50mm以下であり、中央部(11)に比べて周縁部(12)の方が薄くなっていて、さらに、
前記円板(10)が載置されるマス目(21)が形成されたシート状または板状の載置体(20)を備え、
前記マス目(21)は、2列5行を1つの単位(U)として、3列設けられていることを特徴とする算数教育支援具。
【請求項2】
請求項1において、
前記円板(10)はいずれも、表が黒色、裏が白色であることを特徴とする算数教育支援具。
【請求項3】
請求項1において、
前記円板(10)はいずれも、正面視で、前記中央部(11)は上下に対称な湾曲状となっていることを特徴とする算数教育支援具。
【請求項4】
請求項おいて、
前記マス目(21)の最外枠(21c)と、前記載置体(20)の外辺(22)との間隔が、3辺においては0~5mmであり、残りの1辺においては、0~30mmであることを特徴とする算数教育支援具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、算数教育支援具に関するものである。主として幼児ないし児童に対して算数を教えるのに適し、とりわけ発達障害を抱えた幼児ないし児童に対して算数を教えるのに適した算数教育支援具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1~3に見られるような技術が知られている。
【0003】
<特許文献1>実開平7-26857号公報
特許文献1には、
「5の補数、10の補数及び5たすいくつ?の数字(補数)の組合せをいかに早く、容易に覚えるかは幼児、子供に対する算数教育上の第一歩として重要な意義をもつ。そこで、視覚的効果を利用して幼児期における算数能力を開発する。」ことを目的とし、
「5の補数、10の補数及び5たすいくつ?の組合せ数字(補数)を色別にカード形式にして裏と表に表記する」
色別カードが記載されている(同文献要約欄)。
【0004】
しかし、この色別カードは、カードの表裏に初めから数字が表記されているものであるから、数字そのものの概念を教えるものとしては、適していない。数字そのものの概念がすでに会得されていることを前提としているものであると推測される。
また、表裏で色を異にするものでもない(同文献「図面の簡単な説明」欄参照)。
【0005】
<特許文献2>特開2023-47690号公報
特許文献2には、
「構造が簡素化され、数字や記号が付された表示板の入れ替えを簡便に行い得る表示板配列構造体を提案する」ことを課題とし、
「表示板の数字、記号を利用して暗算またはゲームを行うことにより暗算学習能力向上、認知機能の改善を図る表示板配列構造体において、前記表示板を面一状態で落とし込む凹部が形成されたケース本体と、該ケース本体の縁部にヒンジを介して揺動可能に保持され、該ヒンジを起点とする揺動にて該ケース本体の開閉を行う蓋体とを備えたもので構成し、前記ケース本体に、該ケース本体の閉状態で該蓋体との相互間に前記表示板を位置させ、該ケース本体の振り込み動作を誘導することにより該表示板をかき混ぜて前記凹部にランダムに落とし込む隙間を設け、該隙間に、該凹部に落とし込まれた表示板の該凹部からの抜け出しを防止するスペース板を着脱自在に配設する」
表示板配列構造体が記載されている(同文献要約欄)。
【0006】
しかし、この表示板配列構造体における表示板は、表裏に初めから数字が表記されているものであるから、上記特許文献1のものと同様、数字そのものの概念を教えるものとしては、適していない。
【0007】
<特許文献3>特開2019-128459号公報
特許文献3には、
「数の感覚を育て易く、また数の合成と分解の理解が容易となり、さらに数のかたまりとして足し算、引き算が可能となる算数学習教具を提供する」ことを課題とし、
「10個のマス目25内に1から10の数に対応した個数の丸印26が付された10個の数図20を含むベース数図カード10と、10個のマス目45内に1から10の数に対応した個数の丸印46が付された10個の数図40を含む、前記ベース数図カード10上に載置し使用する重ね合せ数図カード30と、を有し、前記重ね合せ数図カード30の基材35が透明である」
算数学習教具が記載されている(同文献要約欄)。
【0008】
しかし、この算数学習教具は、10個のマス目25内に1から10の数に対応した個数の丸印26が付された10個の数図20等を含むベース数図カード10等を単位として操作する必要があるため、使い勝手が良いとはいえない。また、数図カード単位での操作であるから、数を増減させる際等の自由度も低く、この点でも、使い勝手が良いとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】実開平7-26857号公報
【文献】特開2023-47690号公報
【文献】特開2019-128459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、使い勝手が良く、主として幼児ないし児童に対して算数を教えるのに適し、とりわけ発達障害を抱えた幼児ないし児童に対して算数を教えるのに適した算数教育支援具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の算数教育支援具は、
表裏で色が異なり、表裏いずれにも数字が表記されていない複数個の円板を有する算数教育支援具であって、
前記円板はいずれも、直径が25mm以上50mm以下であり、中央部に比べて周縁部の方が薄くなっていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成となっているので、この算数教育支援具によれば次のような作用効果が得られる。
算数の教育に応じて、円板を適数並べ、例えばその円板群に適数の円板を加え、あるいは減ずる等して、算数の教育を行うことができる。
円板は一つ一つ独立しており、数図カード単位での操作ではないから、数を増減させる際等の自由度も高く、使い勝手が良い。
そして、前記円板はいずれも、直径が25mm以上50mm以下であり、中央部に比べて周縁部の方が薄くなっているので、使い勝手がさらに向上する。
円板の直径が25mm未満であると、円板を摘まみにくくなり、使い勝手が低くなる。逆に、円板の直径が50mmを超えると、やはり摘まみにくくなる(特に幼児の手では摘まみにくくなる)とともに、並べるのに広いスペースが必要となるので、やはり使い勝手が低くなる。
また、円板の厚さが均一であるとすると、やはり摘まみにくくなる。そのため、円板を取り扱う際、不用意に載置音等が生じてしまうおそれがある。発達障害を抱える児童等によっては、音は、学習に対する集中力を低下させる原因となる。
これに対し、この発明の算数教育支援具によれば、前記円板はいずれも、直径が25mm以上50mm以下であり、中央部に比べて周縁部の方が薄くなっているので、摘まみやすく、並べるスペースも小さくて済むので、使い勝手が向上する。
しかも、円板を摘まみやすい結果として、不用意な音も生じにくくなるため、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させるおそれも少なくすることができる。
【0013】
この算数教育支援具においては、
前記円板はいずれも、表が黒色、裏が白色である構成とすることができる。
このように構成すると、発達障害を抱える児童等であっても、黒丸と白丸のイメージが頭に入りやすくなるため、算数教育の効果向上を期待することができる。
【0014】
この算数教育支援具においては、
前記円板はいずれも、正面視で、前記中央部は上下に対称な湾曲状となっている構成とすることができる。
このように構成すると、円板は、その中央部を中心として揺動しやすくなるため、周縁部が薄くなっていることと相まって、一層摘まみやすくなり、音も生じにくくなるので、使い勝手が向上するとともに、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させるおそれも、さらに少なくすることができる。
【0015】
この算数教育支援具においては、さらに、
前記円板が載置されるマス目が形成されたシート状または板状の載置体を備え、
前記マス目は、2列5行を1つの単位として、3列設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、シート状または板状の載置体の上に、マス目に則して所定数の円板を配置することができるので、使い勝手がさらに向上する。
前記マス目は、2列5行を1つの単位としてあるので、10の数の概念を教えるにあたり、10のグループを一列に並べるだけよりも、半分の5ずつ分けることで、視覚的にぱっと見て何個有るのか分かりやすくなる。
また、2列5行を1つの単位として3列設けられているので、少し大きな数の計算にも活用することができる。
【0016】
この算数教育支援具においては、
前記マス目の最外枠と、前記載置体の外辺との間隔が、3辺においては0~5mmであり、残りの1辺においては、0~30mmである構成とすることができる。
このように構成すると、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させるおそれを少なくすることができる。
発達障害を抱える児童等によっては、マス目の最外枠と、前記載置体の外辺との間隔が大きすぎると、その間隔(余白部分)の方に意識が向いてしまいがちになることがある。
これに対し、この発明によれば、前記マス目の最外枠と、前記載置体の外辺との間隔が、3辺においては0~5mmとなっているので、その間隔(余白部分)の方に意識が向いてしまう可能性を小さくすることができる。残りの1辺においても、0~30mmとすることによって、その間隔(余白部分)の方に意識が向いてしまう可能性を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る算数教育支援具の実施の形態を示す図で、(a)は円板の一例の平面図、(b)は円板の他の例の底面図、(c)は図(b)におけるc-c断面図、(d)は図(b)におけるd-d断面図、(e)は比較例の断面図、(f)(g)はそれぞれ使用例を示す図、(h)は比較例を示す図。
図2】載置体の平面図。
図3】(a)(b)(c)は使用例を示す図。
図4】他の使用例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る算数教育支援具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0019】
主として図1に示すように、この実施の形態の算数教育支援具は、
表(図(a)参照)、裏(図(b)参照)で色が異なり、表裏いずれにも数字(文字も含む)が表記されていない円板10を複数個(例えば30個)有する算数教育支援具である。
円板10はいずれも、直径Dが25mm以上50mm以下であり、中央部11に比べて周縁部12の方が薄くなっている。
【0020】
上記の構成となっているので、この算数教育支援具によれば次のような作用効果が得られる。
【0021】
算数の教育に応じて、円板10を適数並べ、例えばその円板10群に適数の円板10を加え、あるいは減ずる等して、算数の教育を行うことができる。
【0022】
例えば、6-3=3という計算を教える際、図1(f)に示すように、6枚の円板10を全て表側にして並べ、そこから3枚の円板を例えば仮想線で示すように除去または移動させて、残った数が答えである、と教える方法がある。
また、図1(g)に示すように、6枚の円板10を全て表側にして並べ、そこから3枚の円板を例えば仮想線で示すように表裏を反転させて、残った表側の色(図示のものは黒)の円板の数が答えであると教える方法がある。
【0023】
このような場合、図1(g)に示す教え方の方が、差し引かれた数=3を示す円板10が、色が反転された状態で残存しているので、イメージとして把握しやすい。
したがって、この実施の形態のように表裏で色の異なる円板10を用いた図1(g)に示す教え方の方が、効率的に計算を教えることができる。
【0024】
なお、円板10の表裏には数字だけでなく、数の大きさに合わせてドットその他の記号等も表示されていない構成とすることが望ましい。
発達障害の特性からみると、円板の表面(および/または裏面)にドットその他の記号等が表示されていると、複数(例えば3つ)の情報を一度に頭の中で整理することになり、学習の妨げになるからである。
【0025】
円板10は一つ一つ独立しており、数図カード単位での操作ではないから、数を増減させる際等の自由度も高く、使い勝手が良い。
【0026】
円板10はいずれも、直径Dが25mm以上50mm以下であり、中央部11に比べて周縁部12の方が薄くなっているので、使い勝手がさらに向上する。
円板10の直径が25mm未満であると、小さすぎて円板10を摘まみにくくなり、使い勝手が低くなる。逆に、円板10の直径が50mmを超えると、幼児ないし児童にとっては大きすぎてやはり摘まみにくくなるとともに、並べるのに広いスペースが必要となるので、やはり使い勝手が低くなる。
【0027】
また、例えば図1(e)に示すように、円板の厚さが均一であるとすると、やはり摘まみにくくなる。そのため、円板を取り扱う際、不用意に載置音等が生じてしまうおそれがある。発達障害を抱える児童等によっては、音は、学習に対する集中力を低下させる原因となる。
【0028】
これに対し、この実施の形態の算数教育支援具によれば、円板10はいずれも、直径が25mm以上50mm以下であり、中央部11に比べて周縁部12の方が薄くなっているので、摘まみやすく、並べるスペースも小さくて済む。したがって、使い勝手が向上する。
【0029】
しかも、円板10を摘まみやすい結果として、不用意な音も生じにくくなるため、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させるおそれも少なくすることができる。また、周縁部12の薄い部分が先に載置面に触れることで滑らかに円板10を置くことにつながり、不用意な音が生じにくくなる。
【0030】
なお、板体が円形ではなく、例えば図1(h)に示すように四角形であるとすると、発達障害の幼児等によっては、図1(h)に破線矢印で示すように、四角形の辺を目で追ってしまい、集中力が低下してしまうことがある。これに対し、この実施の形態によれば、板体が円形であるので、児童等の学習に対する集中力を低下させるおそれも少なくすることができる。
【0031】
円板10はいずれも、表が黒色、裏が白色である。別言すれば、片面が黒色、他面が白色であるという意味である。したがって、特許請求の範囲における「表が黒色、裏が白色である」との記載は、「片面が黒色、他面が白色である」との記載に置き換えることが可能である。
【0032】
このように構成すると、発達障害を抱える児童等であっても、他の色に比べて、黒丸と白丸のイメージが頭に入りやすくなるため、算数教育の効果向上を期待することができる。
【0033】
図1(d)に示すように、円板10はいずれも、正面視(断面)で、中央部11が上下に対称な湾曲状となっている。
【0034】
このように構成すると、円板10は、その中央部11を中心として揺動しやすくなるため、周縁部12が薄くなっていることと相まって、一層摘まみやすくなり、音も生じにくくなる。したがって、使い勝手が向上するとともに、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させるおそれも、さらに少なくすることができる。
【0035】
図2図3に示すように、この算数教育支援具は、さらに、
円板10が載置されるマス目21が形成されたシート状または板状の載置体20を備えている。
マス目21は、2列5行を1つの単位Uとして、3列設けられている。
【0036】
このように構成すると、例えば図3に示すように、シート状または板状の載置体20の上に、マス目21に則して所定数の円板10を配置することができるので、使い勝手がさらに向上する。
【0037】
マス目21は、2列5行を1つの単位Uとしてあるので、10の数の概念を教えるにあたり、円板10を一列に10個並べるだけよりも、半分の5ずつに分けることで、視覚的にぱっと見て何個有るのかが分かりやすくなる。
また、2列5行を1つの単位Uとして3列設けられているので、少し大きな数の計算にも活用することができる。
【0038】
例えば図3(a)~(c)に示すように、さくらんぼ計算を教えるのにも適したものとなる。
より詳しくは、例えば13-9=4という計算を教える場合、例えば次の手順で教えることができる。
<手順1>
図3(a)に示すように、マス目21に則し左の列から順に13個の円板10を表を黒にして配置する。
<手順2>
図3(b)に示すように、左2列に配置された10個の円板のうち、9個の円板を裏側(白)にひっくり返す。
<手順3>
図3(b)において左2列中に残った黒表の1個の円板を、図3(c)に示すように第3列に移動させ4個(4)という答えを得る。
【0039】
なお、図4に示すように、載置体20は横置きにして使用することもできる。
【0040】
図2に示すように、マス目21の最外枠21cと、載置体20の外辺22との間隔S(1~4)は、3辺においては0~5mmとし(S2~S4参照)、残りの1辺においては、0~30mm(S1参照)とすることが望ましい。
【0041】
このように構成すると、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させるおそれを少なくすることができる。
【0042】
発達障害を抱える児童等によっては、例えば図3(a)~(c)に示したような学習過程において、マス目21の最外枠21cと、載置体20の外辺22との間隔が大きすぎると、その間隔(余白部分)の方に意識が向いてしまいがちになることがある。
これに対し、この実施の形態によれば、マス目21の最外枠21cと、載置体20の外辺22との間隔S(1~4)が、3辺においては0~5mmとなっているので、その間隔(余白部分S(2~4))の方に意識が向いてしまう可能性を小さくすることができる。残りの1辺においても、0~30mmとすることによって、その間隔(余白部分S1)の方に意識が向いてしまう可能性を小さくすることができる。なお、残りの1辺の余白部分(S1)を5mmを超え30mm以下とすることによって、この余白(S1)を例えば氏名記入領域として利用することができる。この余白(S1)部分は、氏名を記入しても児童等の意識がそれなければ記入し、意識がそれる場合は裏面に氏名記入することで、集中力向上に繋げることができる。
【0043】
図2に示すこの実施の形態では、S1=22mm、S2=S3=4mm、S4=3mmとしてある。
また、図2に示すように、例えば2列5行を1つの単位Uとして複数単位(図では3つ)設ける場合、単位U同士の間隔S5は0~5mmとすることが望ましい。発達障害を抱える児童等によっては、単位U同士の間隔S5が大きすぎると、その間隔(余白部分)の方に意識が向いてしまいがちになるからである。
図2に示すこの実施の形態では、S5=3mmとしてある。
【0044】
円板10は、公知の適宜の手段で作成することができる。例えば、図1(c)に示すように、中心部に片面を黒、他面を白とした紙製円板13の表裏をラミネートフィルム14で溶着して覆うことによって構成することができる。また、例えば図1(d)に示すように、黒色の円板11bと白色の円板11wとを接着することによって構成することができる。円板11b、11wは適宜の合成樹脂製で構成することができる。
【0045】
円板10は、相互接触による音が生じにくい材料、例えば、軟質合成樹脂(例えば軟質塩化ビニール等)で構成することが、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させない上で望ましい。
【0046】
シート状または板状の載置体20は、公知の適宜の手段で構成することができる。例えば、上記マス目21を表示した用紙の表裏をラミネートフィルムで溶着して覆うことによって構成することができる。載置体20は、合成樹脂製のシートないし板体で構成することもできる。載置体20は、円板10との接触による音が生じにくい材料、例えば、軟質合成樹脂(例えば軟質塩化ビニール等)で構成することが、発達障害を抱える児童等の学習に対する集中力を低下させない上で望ましい。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0048】
10: 円板
11: 中央部
12: 周縁部
20: 載置体
21: マス目
22: 外辺
【要約】
【課題】使い勝手が良く、主として幼児ないし児童に対して算数を教えるのに適し、とりわけ発達障害を抱えた幼児ないし児童に対して算数を教えるのに適した算数教育支援具を提供する。
【解決手段】表裏で色が異なり、表裏いずれにも数字が表記されていない複数個の円板10を有する算数教育支援具であり、円板10はいずれも、直径が25mm以上50mm以下であり、中央部11に比べて周縁部12の方が薄くなっている。円板10は表が黒色、裏が白色である。円板10は、正面視で、中央部11は上下に対称な湾曲状となっている。円板10が載置されるマス目21が形成されたシート状または板状の載置体20を備え、マス目21は、2列5行を1つの単位Uとして、3列設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4