IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ホール代替装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A63B69/36 514J
A63B69/36 514G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021007843
(22)【出願日】2021-01-21
(65)【公開番号】P2022112153
(43)【公開日】2022-08-02
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】310017378
【氏名又は名称】株式会社エフ・アイ・ティ
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】古田 貴士
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-58631(JP,A)
【文献】特開2014-14310(JP,A)
【文献】特開平10-127848(JP,A)
【文献】特開平1-151474(JP,A)
【文献】実開昭58-136176(JP,U)
【文献】特開平10-033740(JP,A)
【文献】米国特許第4896886(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間内へのボールの進入を検知するボール検知部と、前記所定空間の上方に配され降下して前記所定空間内のボールを捕捉可能なボール捕捉部と、前記ボール検知部からの信号に基づいてホールインか否かを判定すると共にホールインと判定すると前記ボール捕捉部を降下させてボールを捕捉させる制御部とを有していることを特徴とするホール代替装置。
【請求項2】
前記ボール検知部は複数のセンサを有し、前記制御部は前記複数のセンサからの信号に基づいてボールの進入速度または/および進入角度を算出してホールインの認否を判定する請求項1に記載のホール代替装置。
【請求項3】
前記ボール検知部は前記所定空間の上方に配され、同一円周上に配された複数の発光部と、該発光部と同軸的で異なる同一円周上に配された複数の受光部が半径方向に交互に配されて構成されている請求項1または2に記載のホール代替装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ボール捕捉部を上昇させて捕捉したボールを開放するように制御する請求項1ないし3のいずれかに記載のホール代替装置。
【請求項5】
前記ホール代替装置は、中央に向って斜め上方に傾斜する傾斜面を備えた基台を有している請求項1ないし4のいずれかに記載のホール代替装置。
【請求項6】
前記ホール代替装置は、中央に支柱部を有し、前記ボール捕捉部は前記支柱部の軸方向に沿って昇降可能に構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のホール代替装置。
【請求項7】
前記ボール捕捉部は、ラックアンドピニオン機構により前記支柱部の軸方向に沿って昇降するように構成されている請求項6に記載のホール代替装置。
【請求項8】
前記ボール捕捉部は、ねじ軸とナットとを有したすべりねじにより前記支柱部の軸方向に沿って昇降するように構成されている請求項6に記載のホール代替装置。
【請求項9】
前記ホール代替装置は、ホールインを報知するための音響部または/およびライト部を有している請求項1ないし8のいずれかに記載のホール代替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばゴルフにおいてホールカップの代替として使用して好適なホール代替装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゴルフのパター練習に際して使用されるホール代替装置としては、例えば図10に示すように、展開された状態で細長い平面を形成するパターマット部材81と、このパターマット部材81の一端側に配置されるホールユニット82とを有したゴルフパッティング器具80(例えば特許第6653321号公報)が一般的に使用されている。また、図11に示すように、鐘状本体部91にボールBが衝突すると発音してホールインと見做すカップ代替標的90(特許第3639536号公報)なども提案されている。
【0003】
しかし、前者のものはパターマット部材81とホールユニット82を有し、練習器具として大がかりであると共に不使用の際も場所を取るものであった。他方、後者のものは鐘状本体部91にボールBが衝突して跳ね返るため、ホールインした際の満足感が得られないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6653321号公報
【文献】特許第3639536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、コンパクトに構成され室内外の任意の場所に手軽に載置して使用することができると共に不使用時にも場所を取らず、ホールインした際の満足感も得られる興趣に富んだホール代替装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するものは、所定空間内へのボールの進入を検知するボール検知部と、前記所定空間の上方に配され降下して前記所定空間内のボールを捕捉可能なボール捕捉部と、前記ボール検知部からの信号に基づいてホールインか否かを判定すると共にホールインと判定すると前記ボール捕捉部を降下させてボールを捕捉させる制御部とを有していることを特徴とするホール代替装置である(請求項1)。
【0007】
前記ボール検知部は複数のセンサを有し、前記制御部は前記複数のセンサからの信号に基づいてボールの進入速度または/および進入角度を算出してホールインの認否を判定することが好ましい(請求項2)。前記ボール検知部は前記所定空間の上方に配され、同一円周上に配された複数の発光部と、該発光部と同軸的で異なる同一円周上に配された複数の受光部が、半径方向に交互に配されて構成されていることが好ましい(請求項3)。前記制御部は、前記ボール捕捉部を上昇させて捕捉したボールを開放するように制御することが好ましい(請求項4)。前記ホール代替装置は、中央に向って斜め上方に傾斜する傾斜面を備えた基台を有していることが好ましい(請求項5)。前記ホール代替装置は、中央に支柱部を有し、前記ボール捕捉部は前記支柱部の軸方向に沿って昇降可能に構成されていることが好ましい(請求項6)。前記ボール捕捉部は、ラックアンドピニオン機構により前記支柱部の軸方向に沿って昇降するように構成されていることが好ましい(請求項7)。前記ボール捕捉部は、ねじ軸とナットとを有したすべりねじにより前記支柱部の軸方向に沿って昇降するように構成されていてもよい(請求項8)。前記ホール代替装置は、ホールインを報知するための音響部または/およびライト部を有していることが好ましい(請求項9)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載したホール代替装置によれば、コンパクトに構成され室内外の任意の場所に手軽に載置して使用することができると共に不使用時にも場所を取らず、ホールインした際の満足感も得られる興趣に富んだホール代替装置が構成される。
請求項2に記載したホール代替装置によれば、より正確にホールインの認否の判定を行うことができる。
請求項3に記載したホール代替装置によれば、より正確にホールインの認否の判定を行うことができるボール検知部を構成できる。
請求項4に記載したホール代替装置によれば、ホールインの後にボールを開放できる。
請求項5に記載したホール代替装置によれば、開放時にボールが外方に向って転がり易くなるよう付勢することができる。
請求項6に記載したホール代替装置によれば、ボール捕捉部を安定して昇降させることができる。
請求項7に記載したホール代替装置によれば、簡素で低廉な構造でボール捕捉部を昇降させることができる。
請求項8に記載したホール代替装置によれば、よりシンプルな構造でボール捕捉部を昇降させることができ、ホール代替装置としてのデザインの自由度も向上すると共にホール代替装置をよりコンパクトに構成できる。
請求項9に記載したホール代替装置によれば、使用者にホールインを報知してより興趣に富んだホール代替装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のホール代替装置の一実施例の斜視図である。
図2図1に示したホール代替装置の正面図である。
図3図1に示したホール代替装置の平面図である。
図4図1に示したホール代替装置の作用を説明するための正面図である。
図5図1に示したホール代替装置の縦断面概略図であり、作用を説明するための説明図である。
図6図1に示したホール代替装置の縦断面概略図であり、作用を説明するための説明図である。
図7図1に示したホール代替装置の検知部の構造を説明するための説明図である。
図8図1に示したホール代替装置の検知部の作用を説明するための説明図である。
図9】本発明のホール代替装置の他の実施例の縦断面概略図である。
図10】従来のホール代替装置(ゴルフパッティング器具)を説明するための説明図である。
図11】従来のホール代替装置(カップ代替標的)を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、所定空間S内へのボールの進入を検知するボール検知部2と、所定空間Sの上方に配され降下して所定空間S内のボールを捕捉可能なボール捕捉部3と、ボール検知部2からの信号に基づいてホールインと判定するとボール捕捉部3を降下させてボールBを捕捉させる制御部4とを有していることで、コンパクトに構成され室内外の任意の場所に手軽に載置して使用することができると共に不使用時にも場所を取らず、ホールインした際の満足感が得られ興趣に富んだホール代替装置1を実現した。
【実施例1】
【0011】
本発明のホール代替装置を図1ないし図8に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のホール代替装置1は、所定空間S内へのボールの進入を検知するボール検知部2と、所定空間Sの上方に配され降下して所定空間S内のボールを捕捉可能なボール捕捉部3と、ボール検知部2からの信号に基づいてホールインか否かを判定すると共にホールインと判定するとボール捕捉部3を降下させてボールBを捕捉させる制御部4とを有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0012】
この実施例のホール代替装置1は、ゴルフのパッティング練習機として使用されるものであり、芝面、地面または床面に穴を設ける必要がなく、標的となるホールカップの代替として、室内外の任意の場所に載置するのみで使用できるものである。
【0013】
ボール検知部2は、所定空間S内へのボールBの進入を検知する部位であり、この実施例では、赤外線センサ(赤外線LED+ファトトランジスタ)にて構成されている。ただし、本発明におけるボール検知部は赤外線センサに限定されるものではなく、所定空間S内へ侵入したボールBの検知可能なものであればどのようなものでもよい。
【0014】
この実施例における所定空間Sは、図4に示すように、ボール捕捉部3の下方の空間(略円筒状空間)であり、この所定空間S内にボールBが進入すると、ボール検知部2が検知するように構成されている。
【0015】
具体的には、この実施例のボール検知部2は、図5または図7に示すように、所定空間Sの上方に配されており、図7または図8に示すように、制御部(制御基板)4の裏面において同一円周上に配された複数の発光部2aと、発光部2aと同軸的で異なる同一円周上に配された複数の受光部2bが半径方向に交互に配されて構成されている。
【0016】
より具体的には、この実施例のボール検知部2は、図8中、中心点C(支柱部5の中心軸上の点)を中心として複数のセンサが放射状に配されており、すなわち、中心点Cを中心とした半径R1の円の円周上に設けられた複数の発光部2aと、中心点Cを中心とした半径R2の円の円周上に設けられた複数の受光部2bと、中心点Cを中心とした半径R3の円の円周上に設けられた複数の発光部2aと、中心点Cを中心とした半径R4の円の円周上に設けられた複数の受光部2bとを有している(ただし、R1>R2>R3>R4である)。これによって、制御部4がより正確にホールインの認否の判定を行うことができるボール検知部を構成できる。
【0017】
ボール捕捉部3は、所定空間Sの上方に配され降下して所定空間S内のボールを捕捉可能な部位であり、この実施例のボール捕捉部3は、図2図5または図6に示すように、上部のドーム部3aとドーム部3aの下部に設けられた円筒部3bにて釣鐘状に構成されており、図6に示すように、ボール捕捉部3全体が降下して円筒部3bがボールBを取り囲むことで所定空間S内にボールBを捕捉可能に構成されている。ただし、本発明のボール捕捉部の形態は上記形態に限定されるものではなく、所定空間S内に進入したボールBであって制御部4にてホールインと判定されたボールを捕捉可能に構成されたものであればどのような形態であってもよい。
【0018】
ボール捕捉部3の円筒部3bは、直径がゴルフのホールカップと同一に形成されており、ホールカップが地中ではなく地上に配された形となって使用者はカップインを狙ってゴルフと同様にパッティングすることができる。また、この実施例のボール捕捉部3は釣鐘状に形成されているため、ホールインに際して図6に示すように降下してボールBを被覆し使用者の視界から消える演出(カップインと同様)となり、ホールインした時と同様の満足感が得られるように構成されている。
【0019】
また、この実施例のホール代替装置1は、中央に支柱部5を有し、ボール捕捉部3は支柱部5の軸方向に沿って昇降可能に構成されている。具体的には、この実施例のボール捕捉部3は、支柱部5の昇降部5aと共に昇降可能に構成されている。これにより、ボール捕捉部3を安定して昇降させることができる。
【0020】
具体的には、この実施例のボール捕捉部3は、ラックアンドピニオン機構6により支柱部5の軸方向に沿って昇降するように構成されている。これにより、簡素で低廉な構造でボール捕捉部3を昇降させることができる。
【0021】
より具体的には、この実施例のボール捕捉部3は、図5または図6に示すように、支柱部5の昇降部5aの最上部に設けられたボール捕捉部固定部材7を介して支柱部5の昇降部5aに固定されている。支柱部5の昇降部5aの側部には軸方向に沿ってラックギア8が設けられており、このラックギア8はピニオン9と噛合している。ピニオン9は電池10から電力供給を受けて正逆回転駆動するモータ11の軸11aに固定されており、正逆回転するように構成されている。
【0022】
そして、ピニオン9が図5中、半時計回りに回転すると、支柱部5の昇降部5aは上昇し、これに伴ってボール捕捉部3も上昇するように構成されている。他方、ピニオン9が図6中、時計回りに回転すると、支柱部5の昇降部5aは降下し、これに伴ってボール捕捉部3も降下してボールBを捕捉ように構成されている。
【0023】
制御部(制御基板)4は、ボール検知部2からの信号に基づいてホールインと判定するとボール捕捉部3を降下させてボールBを捕捉させるものである。
【0024】
制御部4によるホールインの認否判定は、ボール検知部2の複数のセンサからの信号に基づいてボールBの進入速度または/および進入角度を算出して行われる。
【0025】
具体的には、ボールBの進入速度によるホールインの認否判定は、図8に示すように、所定空間S内をボールBが通過して2以上の受光部2bからの信号に基づき、タイマーを備えた制御部が時間と距離から速度を算出し、例えば設定範囲以下の速度であればホールインと判定し、他方、設定範囲を超える速度であれば強く打ちすぎのため通過してホールインしないと判定する。
【0026】
ボールBの進入角度によるホールインの認否判定は、所定空間S内をボールBが通過して2以上の受光部2bからの信号に基づき、進路を表す線と、進入した点と中心点Cとを結んだ線との交差角を算出する。そして、例えば設定範囲以下の角度であればホールインと判定し、他方、設定範囲を超える角度であれば中心点Cに向かっておらずホールインしないと判定する。
【0027】
なお、この実施例における制御部4によるホールインの認否判定は、ボール検知部2の複数のセンサからの信号に基づいてボールBの進入速度および進入角度(双方)を算出してホールインの認否を判定するように構成されている。そのため、より精度が高く、ゴルフパターにおけるホールインと同様のカップイン判定が可能となる。ただ、制御部が進入速度のみ、或いは進入角度のみからホールインの認否判定を行うものも本発明の範疇に包含される。
【0028】
また、制御部4はホールインと判定してボール捕捉部3にてボールBを捕捉した後、タイマーにて設定時間を計測すると、ボール捕捉部3を上昇させて捕捉したボールBを開放するように制御する。
【0029】
そして、この実施例のホール代替装置1は、中央に向って斜め上方に傾斜する傾斜面5bを備えた基台5cを有している。これにより、開放時にボールBは傾斜面5bを下って外方に向って転がり易く付勢されるため、ボールBは所定空間S内に留まることなく、外方に転がり開放される。
【0030】
なお、この実施例のホール代替装置1は、支柱部5が最下部に、上面側に傾斜面5bを備えた基台5cを有しているが、これに限定されるものではなく、支柱部5とは別部材により、上面側に傾斜面を備えた基台を有するものも本発明の範疇に包含される。
【0031】
この実施例のホール代替装置1は、ホールインを使用者に報知するための音響部12およびライト部13を有している。なお、この実施例のホール代替装置1は音響部12およびライト部13を有しているが、いずれか一方または双方のいずれも有しないものも本発明のホール代替装置の範疇に包含される。また、音響部12およびライト部13のいずれか一方または双方のいずれも有しているが、配置される環境に応じていずれか一方または双方の作動をON・OFF設定可能なものも本発明のホール代替装置の範疇に包含される。
【0032】
音響部12は、効果音、BGMまたは言葉などのサウンドを発生させる部位であり、この実施例では、例えばホールインと判定した際に、制御部4はボール捕捉部3を降下させてボールBを捕捉すると共に、音響部12からサウンドを発生させるように制御する。これによって、使用者にホールインを音で報知するため、より興趣に富んだホール代替装置が構成される。
【0033】
ライト部13は、LEDなどにより光を発生させる部位であり、この実施例では、例えばホールインと判定した際に、制御部4はボール捕捉部3を降下させてボールBを捕捉すると共に、ライト部13から光を発生させるように制御する。これによって、使用者にホールインを光で報知するため、より興趣に富んだホール代替装置が構成される。なお、この実施例のライト部は、ドーム部3aの頂部に設けられているが、他の部位に設けられたもの、または複数設けられたものも本発明の範疇に包含される。
【0034】
つぎに、図9に示した本発明のホール代替装置の他の実施例について説明する。
この実施例のホール代替装置20と前述したホール代替装置1との基本的な相違は、ホール代替装置1においては、ボール捕捉部3を支柱部5の軸方向に沿って昇降させる機構はラックアンドピニオン機構6であるのに対して、ホール代替装置20における支柱部5の軸方向に沿ってボール捕捉部3を昇降させる機構は、ハイリードのねじ軸21とナット22とを有したすべりねじ(送りねじ)23である点であり他は同様である。ホール代替装置1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0035】
具体的には、この実施例のホール代替装置20では、ハイリードなねじ軸21の下端部にモータ11の回転軸が取り付けられており、モータ11の回転軸が正方向に回転すると、ナット22がねじ軸21を降下し、それに伴ってボール捕捉部3も支柱部5の軸方向に沿って降下するように構成されている。他方、モータ11の回転軸が逆方向に回転すると、ナット22がねじ軸21を上昇し、それに伴ってボール捕捉部3が支柱部5の軸方向に沿って上昇するように構成されている(図9の状態)。ボール捕捉部3の昇降機構をこのようなすべりねじ23により構成することによって、よりシンプルな構造でボール捕捉部を昇降させることができ、ホール代替装置としてのデザインの自由度も向上すると共にホール代替装置をよりコンパクトに構成できる。
【0036】
さらに、本発明のホール代替装置1の作用(使用方法)について説明する。
このホール代替装置1に使用する際には、電源スイッチ14をON状態として、図5の状態(所定空間Sが露呈した状態)で室内外の所望の場所に載置する。使用者はその状態でホール代替装置1を標的としてパッティングを行う。
【0037】
ボールBが所定空間S内に進入すると、制御部4がホールインか否かを判定し、ホールインと判定しない場合は、図5の状態(所定空間Sが露呈した状態)がそのまま続き、所定空間S内に進入したボールBは外方に反れて行く。
【0038】
他方、ホールインと判定した場合は、図6に示すように、制御部4はボール捕捉部3を降下させてボールBを捕捉する。これによりカップイン時と同様にボールBが視界から消えるため、使用者はホールインした際の満足感が得られる。さらに、音響部12が効果音、BGMまたは言葉などのサウンドを発生させ、ライト部13が光を発生させるため、ホールインした際の高揚感が増幅されるように構成されている。
【0039】
その後、設定時間を経過すると、制御部4はボール捕捉部3を上昇させて捕捉したボールBを開放する。基台5cは中央に向って斜め上方に傾斜する傾斜面5bを備えているため、ボールBは所定空間S内に留まることなく、外方に転がり開放される。
【0040】
ホール代替装置1では、使用者がパッティングを行い、ボールBが所定空間S内に進入する度に上記一連の制御が繰り返されるため、使用者は様々な方向から繰り返しパッティングを行うことができる。
【0041】
以上のように、本発明のホール代替装置は、コンパクトに構成され室内外の任意の場所に手軽に載置して使用することができると共に不使用時にも場所を取らず、ホールインした際の満足感も得られる興趣に富んだホール代替装置として構成されている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のホール代替装置は、ゴルフボールに限らず、その他のボールの標的として使用することも可能であり、ゲーム用標的または競技用標的としても広く活用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 ホール代替装置
2 ボール検知部
2a 発光部
2b 受光部
3 ボール捕捉部
3a ドーム部
3b 円筒部
4 制御部
5 支柱部
5a 昇降部
5b 傾斜面
5c 基台
6 ラックアンドピニオン機構
7 ボール捕捉部固定部材
8 ラックギア
9 ピニオン
10 電池
11 モータ
11a 軸
12 音響部
13 ライト部
14 電源スイッチ
S 所定空間
B ボール
C 中心点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11