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特許7573283生体適合性の加熱先端部を有する物体を備えた装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】生体適合性の加熱先端部を有する物体を備えた装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/08 20060101AFI20241018BHJP
   A61B 18/08 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A61H39/08 Q
A61B18/08
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021522152
(86)(22)【出願日】2019-07-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 FR2019051644
(87)【国際公開番号】W WO2020008143
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】1856116
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521000585
【氏名又は名称】アックスモックス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【弁理士】
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】コーセック,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】フーベ,ジーン‐ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】マターン,アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ロビン
【審査官】立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-135741(JP,U)
【文献】特開昭53-064990(JP,A)
【文献】特開2001-299873(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0184002(US,A1)
【文献】特開2007-244748(JP,A)
【文献】特開昭51-122983(JP,A)
【文献】実開昭60-030229(JP,U)
【文献】国際公開第2004/016316(WO,A1)
【文献】実開昭48-104194(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/08
A61B 18/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1種の強磁性体(9)を含む、生体適合性の尖ったまたは鋭い加熱刺鍼法針を含む物体(2)、
-前記物体(2)の前記加熱刺鍼法針の温度の上昇を引き起こすために前記強磁性体の磁場を導くのに適した磁場発生器(3)、および
-前記物体(2)の前記加熱刺鍼法針の温度を制御するための装置(4)
を備え、
前記磁場発生器(3)は皮膚(5)に配置するのを目的とした、丸く平らな形状を有し、かつ、前記磁場発生器(3)を垂直に貫通する開口部を含み、前記開口部に通される前記物体(2)の上部は前記磁場発生器(3)から突出し、
前記磁場発生器(3)は、20mm~80mmの範囲の直径と0.5mm~25mmの範囲の厚さを有することを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記磁場発生器(3)は絶縁材で作られたシェルから形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記磁場発生器(3)は伝導体で作られたシェルから形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記磁場発生器(3)は、10mm~100mmの範囲の直径を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項5】
前記磁場発生器(3)の前記開口部は0.1mm~10mmの範囲の直径を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項6】
前記物体(2)の前記加熱刺鍼法針は鋭いことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記物体(2)の前記加熱刺鍼法針は尖っていて円筒状であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項8】
前記強磁性体(9)は前記物体(2)全体に存在することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項9】
前記物体(2)は少なくとも部分的に絶縁材(10)の層で覆われていることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記物体が垂直に通される開口部を含む前記皮膚(5)に配置するのを目的とした断熱性もしくは加熱性ディスク(6)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記磁場発生器は磁場を前記物体の長手軸に沿って導くように配置されたフェライトをさらに含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項12】
前記温度を制御するための装置(4)は前記磁場発生器(3)に接続されており、かつ
a.前記物体(2)の前記加熱刺鍼法針の温度を表示するための装置(12)、
b.設定値温度を決定するための手段(13)、および
c.前記物体の前記加熱刺鍼法針の温度が前記設定値温度に等しくなるように前記磁場発生器を制御するための装置
を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項13】
前記強磁性体(9)は鋼から選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項14】
前記物体(2)の前記加熱刺鍼法針は少なくとも部分的に生体適合性材料(11)で覆われていることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医学、特に従来の中国医学において治療手段として灸療法が適応となるどんな生理病理学的臨床設定であっても、刺鍼法または灸療法などの従来の治療で使用することができる生体適合性の尖った鋭い加熱先端部を有する物体を備えた装置に関する。
【0002】
本発明は特に小じわ、クマおよび表面のセルライトの美容治療または静脈瘤の治療および/または脊椎痛臨床設定に関連する症候群およびこれらの各種臨床設定に関連する疼痛、特に腰痛または慢性頚部痛およびそれらの投射痛の治療で使用することができる。
【背景技術】
【0003】
刺鍼法または灸療法は伝統的な中国医学と関連している伝統的な治療技術である。刺鍼法は程度の差こそあれ細い針を用いる、「ツボ」と呼ばれる皮膚(真皮、表皮、皮下組織)の正確な領域の刺激からなる。灸療法はツボの熱による刺激からなる。これらの技術は多くの用途、特に関節障害、皮膚炎、急性もしくは慢性痛などの多くの障害の治療またはサポートのために使用することができる。
【0004】
これらの従来の技術の使用は時として欠点を有する。特に灸療法の場合、一方では皮膚を熱傷させる高いリスクが存在し、他方では有害であり得る相当かつ不快な煙の放出が存在する。さらにこの技術は、加熱される領域の温度を正確に制御することができない。
【0005】
最後に灸療法は、吸煙フードが利用可能でない限り、あるいは有毒であり得るどんな煙も放出しないモグサを使用しない限り、煙の放出が原因で閉鎖空間(例えば職場または軌道ステーション)では使用することはできない。
【0006】
従って、安全で信頼でき、かつ実用的な使用を保証するために、この技術を変える必要がある。
【0007】
国際公開第95/20935号明細書は、外部熱源と、針の長さ全体にわたって熱導体の形態でその針の中に組み込まれている加熱するための手段とを備えた加熱刺鍼法針を提案している。針の上部にある加熱システムのおかげで熱の印加により、加熱システムに沿った針の先端部への熱伝導による移動およびこの針の長さ全体にわたってこの針を通るこの熱の放射が得られる。
【0008】
この技術の第1の欠点は、それがいくつかの連続した層を含む針を強要するため製造が難しいという点にある。第2の欠点は、加熱する手段を形成するために実現される各種層は、熱または電気の繰り返しの印加により、その使用に対して危険性を示す短絡のリスクにより急速に劣化する可能性があるという点にある。最後に、この技術は当該針の先端部における温度の正確な制御を可能にしない。
【0009】
中国特許第20276168号明細書は、温度を誘導により制御する灸療法システムについて記載している。但しこの明細書は、「外部」灸療法、すなわち皮膚の表面でのみ使用するものに関する。従って体内に印加される温度を正確に制御する方法は存在しない。
【0010】
従って、従来の技術を改良することを可能にする新しい加熱装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、生体適合性の尖った鋭い加熱先端部を含む物体を備え、かつ少なくとも1種の強磁性体、当該物体の加熱先端部の温度の上昇を引き起こすために強磁性体の磁場を導くのに適した磁場発生器、および当該物体の加熱先端部の温度を制御するための装置を備えた装置からなる。前記磁場発生器は前記物体が垂直に通される開口部を含む丸い小石の円筒体の形状を有する。
【0012】
本発明に係る装置は、温度を制御するための装置により当該物体の加熱先端部の温度の正確かつ安全な制御を得ることを可能にする。従って当該物体の先端部の温度を実施者によって設定された設定値温度に完全に校正することができる。さらに、本発明に係る装置は製造および実装が容易である。
【0013】
一実施形態では、前記磁場発生器は、前記物体が垂直に通される開口部を含む皮膚に配置するのを目的とした断熱性もしくは加熱性の円筒状ローラーの形状を有する。
【0014】
一実施形態では、前記磁場発生器は絶縁材で作られたシェルから形成されている。
【0015】
一実施形態では、前記磁場発生器は伝導体で作られたシェルから形成されており、好ましくは伝導体で作られたシェルから形成されている。
【0016】
一実施形態では、前記磁場発生器は10mm~100mm、好ましくは20mm~80mmの範囲の直径を有する。
【0017】
一実施形態では、前記磁場発生器は0.1mm~50mm、好ましくは0.5mm~25mmの範囲の厚さを有する。
【0018】
一実施形態では、前記磁場発生器の前記開口部は0.1mm~10mm、好ましくは0.1mm~5mmの範囲の直径を有する。
【0019】
一実施形態では、当該物体の先端部は鋭い。一実施形態では、当該物体の先端部はメスの刃である。
【0020】
一実施形態では、当該物体の先端部は尖っていて円筒状である。一実施形態では、当該物体の先端部は針である。一実施形態では、当該物体の先端部は刺鍼法針である。
【0021】
一実施形態では、強磁性体は当該物体全体に存在している。
【0022】
一実施形態では、当該物体は少なくとも部分的に絶縁材の層で覆われており、好ましくは加熱先端部を除いて絶縁材の層で全体が覆われている。
【0023】
一実施形態では、当該物体は、当該物体が垂直に通される開口部を含む皮膚に配置するのを目的とした断熱性もしくは加熱性ディスクをさらに備える。
【0024】
一実施形態では、前記磁場発生器は、磁場を当該物体の長手軸に沿って導くように配置されたフェライトをさらに含む。
【0025】
一実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、前記磁場発生器に接続されており、かつa)当該物体の先端部の温度を表示するための装置、b)設定値温度を決定するための手段、およびc)当該物体の先端部の温度が設定値温度に等しくなるように前記磁場発生器を制御するための装置を備える。
【0026】
一実施形態では、強磁性体は鋼から選択され、好ましくはフェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼およびこれらの鋼の混合物から選択され、より好ましくはマルテンサイト系ステンレス鋼420、マルテンサイト系ステンレス鋼416、フェライト系ステンレス鋼430およびこれらの鋼の混合物から選択され、特に強磁性体はマルテンサイト系ステンレス鋼420である。
【0027】
一実施形態では、当該物体の先端部は少なくとも部分的に生体適合性材料で覆われており、より好ましくは生体適合性材料はシリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)および親水性ポリマーから選択され、より好ましくはシリコーンである。
【0028】
定義
本発明では、以下の用語は以下のように定義される。
【0029】
「生体適合性」は、所与の生物に接触している場合に前記生物において免疫応答をほとんどまたは全く引き起こさない材料の性質を意味する。
【0030】
「投射痛」は、原因となる病変部から離れて感じる疼痛を意味する。従って投射痛が病態と関連している場合、この疼痛は当該病態の位置に局所化されていないがこの病態に起因している。
【0031】
数の前に置かれた「約」はこの数の名目上の値の±10%を意味する。
【0032】
「フェライト」は、炭素と鉄の同素体αとの固体混合物を意味するか、鉄の同素体αを意味する。
【0033】
「強磁性」は、永久磁石を形成するか磁石によって引きつけられる材料の性質を意味する。
【0034】
「絶縁材」は、熱的または電気的に、より好ましくは熱的に伝導性の領域の接触面を熱的または電気的に、より好ましくは熱的に絶縁するのを可能にする材料を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、加熱先端部2を含む物体はメスである。
図2】本発明の別の実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、加熱先端部2を含む物体は刺鍼法針である。
図3】本発明の別の実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、加熱先端部2を含む物体は刺鍼法針である。本実施形態では、磁場発生器3は物体2が垂直に通される開口部を含む皮膚に置かれる丸い小石の円筒体の形状を有する。
図4】本発明の別の実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、加熱先端部2を含む物体は刺鍼法針であり、かつ加熱先端部を含む物体と温度を制御するための装置4との接続は例えばブルートゥースまたはWi-Fi接続などの無線接続によって行われ、これは本装置を吸引カップによる治療に追加するのを可能にする。
図5】本発明の別の実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、本装置は物体2が垂直に通される開口部を含む皮膚に置かれるディスク6をさらに備える。
図6】本発明の別の実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、磁場発生器3は磁場を物体2の長手軸に沿って導くように配置されたフェライト7をさらに含む。
図7】本発明の別の実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、磁場発生器3は物体2が垂直に通される開口部を含む皮膚に置かれる丸い小石の円筒体の形状を有し、かつ磁場を物体2の長手軸に沿って導くように配置されたフェライト7をさらに含む。
図8図6の装置1の水平断面図である。
図9】本発明の別の実施形態に係る装置1の図である。本実施形態では、加熱先端部2を含む物体はメスであり、かつ物体2全体に(従って加熱先端部内にも)強磁性体9を含む。物体2は少なくとも部分的に絶縁材10の層で覆われており、好ましくは加熱先端部を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。
図10】本発明の別の実施形態に係る装置1の物体2の加熱先端部の図である。本実施形態では、物体2の先端部は強磁性体9を含み、かつ生体適合性材料11で覆われている。
図11】本発明の別の実施形態に係る装置1の物体2の図である。本実施形態では、強磁性体は物体2全体に含まれている。物体2は少なくとも部分的に絶縁材10の層で覆われており、好ましくは加熱先端部を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。物体2は全体が生体適合性材料11で覆われている。
図12】本発明の別の実施形態に係る装置1の温度を制御するための装置4の図である。本実施形態では、温度を制御するための装置は、物体12の先端部の温度および設定値温度を表示するための装置15、設定値温度を決定するための手段13およびスイッチ14を備える。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の説明は図面と共に読んだ場合により良く理解されるはずである。本発明を例示するために、本装置は好ましい実施形態で示されている。但し本出願は、示されている配置、構造、特性、実施形態および正確な外観に限定されないことを理解すべきである。図面は縮尺どおりではなく、特許請求の範囲をこれらの図面に示されている実施形態に限定することを意図するものではない。従って特許請求の範囲で言及されている特性が符号の後に記載されている場合、前記符号は単に特許請求の範囲の理解を高めるために含まれており、これらの特許請求の範囲を決して限定しないことを理解すべきである。
【0037】

図1および図9は、装置1がメスの刃などの生体適合性の鋭い加熱先端部を含み、かつ図1に示されていない少なくとも1種の強磁性体9を含む物体2を備えた本発明に係る実施形態を示す。本装置は、物体2の加熱先端部の温度の上昇を引き起こすために強磁性体の磁場を導くのに適した磁場発生器3、および物体2の加熱先端部の温度を制御するための装置4も備える。温度を制御するための装置4は電流を供給することにより磁場発生器3に対して作用する。この電流は磁場を生成する。このように生成された磁場は物体2、より好ましくは物体2全体に含まれている強磁性体9(図1には示されていない)の粒子を配向し、かつこのようにして物体2の内部全体の温度の上昇を引き起こす。物体2の先端部の温度は、例えば温度計または熱電対(ここには示されていない)、温度を制御するための装置4によって制御することができ、このようにして磁場発生器3に提供される電流を変更する。図9に示すように、物体2は少なくとも部分的に絶縁材10の層で覆われており、好ましくは加熱先端部を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。この絶縁材は全ての既存の絶縁材から選択することができ、特にプラスチック材料から選択することができる。この絶縁材は先端部以外の物体2の残りの部分を熱的に絶縁するのを可能にする。従って物体2の先端部のみが熱くなり、物体2全体は熱くならない。物体2の残りの部分と接触する可能性がある皮膚および臓器は加熱されない。
【0038】
図2図3図4図5図6図7および図8は、装置1が刺鍼法針などの生体適合性の尖った加熱先端部を含み、かつこれらの図には示されていない少なくとも1種の強磁性体9を含む物体2を備えた本発明に係る実施形態を示す。これらの実施形態では、本装置は、物体2の加熱先端部の温度の上昇を引き起こすために強磁性体の磁場を導くのに適した磁場発生器3、および物体2の加熱先端部の温度を制御するための装置4も備える。一実施形態では、磁場発生器3は物体2に固定されていない。温度を制御するための装置4は電流を供給することにより磁場発生器3に対して作用する。この電流は磁場を生成する。このように生成された磁場は物体2、より好ましくは物体2全体に含まれている強磁性体9(ここには示されていない)の粒子を配向し、かつ従って物体2の内部全体の温度の上昇を引き起こす。物体2の先端部の温度は、例えば温度計または熱電対(ここには示されていない)、温度を制御するための装置4によって制御することができ、このようにして磁場発生器3に提供される電流を変更する。
【0039】
図3は、装置1の磁場発生器3が物体2が垂直に通される開口部を含む皮膚5に配置するのを目的とした丸い小石の円筒体の形状を有する本発明に係る一実施形態を示す。一実施形態では、前記丸い小石の円筒体部分は絶縁性であり、すなわちそれは一般に、プラスチック材料、ガラスまたはアルミニウムで作られたシェルなどの絶縁材で作られたシェルから形成されている。別の実施形態では、前記丸い小石の円筒体部分は加熱性であり、すなわちそれは一般に伝導性金属などの伝導体で作られたシェルから形成されている。本実施形態では、前記丸い小石の円筒体部分のシェルを形成している伝導体は好ましくは物体2の加熱先端部のものと同じである。前記丸い小石の円筒体部分が加熱性である場合、前記丸い小石の円筒体部分のシェルに含まれている強磁性体9(ここには示されていない)の粒子を配向する生成された磁場のおかげでそれを加熱することができる。絶縁材で作られたシェルから形成されている前記丸い小石の円筒体部分の使用は、例えば局所治療のために皮膚を加熱せず、かつ加熱を物体2の加熱先端部のみに集中するのを可能にする。伝導体で作られたシェルから形成されている前記丸い小石の円筒体部分の使用は、例えば非局所治療のために皮膚を加熱するのを可能にする。
【0040】
図4は、物体2および磁場発生器3が無線接続によって温度を制御するための装置4に接続されている本発明に係る一実施形態を示す。この無線接続は例えばブルートゥース接続またはWi-Fi接続であってもよく、これは本装置を吸引カップによる治療に追加するのを可能にする。
【0041】
図5は、装置1が物体2が垂直に通される開口部を含む皮膚5に配置するのを目的とした断熱性もしくは加熱性ディスク6をさらに備える本発明に係る一実施形態を示す。一実施形態では、ディスク6は絶縁性であり、すなわちそれは一般にプラスチック材料またはガラスなどの絶縁材から形成されている。別の実施形態では、ディスク6は加熱性であり、すなわちそれは一般に伝導性金属などの伝導体から形成されている。本実施形態では、当該ディスクを形成している伝導体は好ましくは物体2の加熱先端部のものと同じである。ディスク6が加熱性である場合、それは2つの方法で、すなわち例えば加熱システムにより物体2の加熱先端部とは独立して、あるいは伝導による伝熱によって物体2により加熱することができる。絶縁性ディスク6のさらなる使用は、例えば局所治療のために皮膚を加熱せず、かつ加熱を物体2の加熱先端部のみに集中するのを可能にする。加熱性ディスク6のさらなる使用は、例えば非局所治療のために皮膚を加熱するのを可能にする。
【0042】
図6および図7は、装置1の磁場発生器3が磁場を物体2の長手軸に沿って導くように配置されたフェライト7をさらに含む本発明に係る一実施形態を示す。フェライト7の使用は、磁場発生器3によって生成された磁場を加熱物体2の先端部に導くという利点を有する。これは特に、加熱物体2の先端部によって達せられる温度を微細に制御するのを可能にする。
【0043】
図8は、図5および図7に記載されているような実施形態を水平断面として示す。フェライト7は円筒体の形状を有し、かつ物体2の周りに配置されている。磁場発生器3も円筒体の形状を有し、かつフェライト7の周りに配置されている。例えばプラスチック材料で作られた支持体8は磁場発生器3をフェライト7に連結させるために使用されており、その全体が物体2に連結された状態であるが、この連結はここには図示されていない。
【0044】
図9は、強磁性体9があらゆる物体2に位置している本発明に係る一実施形態を示す。物体2は少なくとも部分的に絶縁材10の層で覆われており、好ましくは加熱先端部を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。この絶縁材は全ての既存の絶縁材から選択することができ、特にプラスチック材料から選択することができる。この絶縁材は先端部以外の物体2の残りの部分を熱的に絶縁するのを可能にする。従って物体2の先端部のみが熱くなり、物体2全体は熱くならない。物体2の残りの部分と接触する可能性がある皮膚および臓器は加熱されない。
【0045】
図10は、装置1が刺鍼法針などの生体適合性の尖った加熱先端部を含み、かつ少なくとも1種の強磁性体9を含む物体2を備える本発明に係る一実施形態の拡大を示す。尖った加熱先端部はシリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、親水性ポリマー(好ましくはシリコーン)などの生体適合性材料11によって囲まれている。
【0046】
図11は、装置1が刺鍼法針などの生体適合性の尖った加熱先端部を含み、かつ少なくとも1種の強磁性体9を含む物体2を備える本発明に係る一実施形態の拡大を示す。強磁性体9は物体2全体に存在する。物体2は少なくとも部分的に絶縁材10の層で覆われており、好ましくは加熱先端部を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。この絶縁材は全ての既存の絶縁材から選択することができ、特にプラスチック材料から選択することができる。物体2は全体がシリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、親水性ポリマーなどの生体適合性材料11で覆われており、好ましくは生体適合性材料はシリコーンである。
【0047】
図12は、本発明に係る一実施形態の装置1の温度を制御するための装置4を示す。本実施形態では、温度を制御するための装置は、物体の先端部の温度を表示するための装置12および設定値温度を表示するための装置15、例えば+ボタンおよび-ボタンなどの設定値温度を決定するための手段13、およびスイッチ14を備える。本実施形態では、ユーザは手段13を使用して設定値温度14を設定することができる。この設定値温度15を決定したら、表示するための装置12によって示される当該物体の先端部の温度は、設定値温度15に達するまで変わる。物体2の先端部の温度は、温度を制御するための装置4に接続されたここには示されていない例えば温度計または熱電対によって測定することができる。安全上の理由で、ユーザは物体2の先端部の加熱を完全に中断するのを可能にするスイッチ14によって物体2の先端部の上昇する温度に対する制御を常に維持することができる。このスイッチ14を使用して、使用の終了時に本発明に係る装置1を停止することもできる。
【0048】
本明細書の残りに示されている実施形態は、本明細書の全て、特に本出願の図に記載されている実施形態の全てに当てはまる。
【0049】
加熱先端部
本発明の一実施形態では、物体2の加熱先端部は鋭く、すなわちそれは物質(特に皮膚)を切断するように作用させる側面を有する細長い形状を有する。一実施形態では、加熱先端部はメスの刃またはランセットである。一実施形態では、物体2はメスまたはランセットである。
【0050】
物体2の加熱先端部が鋭い場合、一実施形態では、加熱先端部の寸法は1~40mm、好ましくは1~20mm、より好ましくは3~10mmであってもよい。
【0051】
物体2の加熱先端部が鋭い場合、一実施形態では、物体2の先端部の厚さは約0.10mm~2.0mmの間で様々である。
【0052】
本発明の別の実施形態では、物体2の加熱先端部は尖っており、すなわち細長く、かつ円筒状の形状を有し、かつそれは物質(特に皮膚)を穿刺することができる程に十分な細さである。一実施形態では、加熱先端部は針であり、より好ましくは刺鍼法針である。
【0053】
物体2の加熱先端部が尖っている場合、一実施形態では、加熱先端部の寸法は1~40mm、好ましくは1~20mm、より好ましくは3~10mmであってもよい。
【0054】
物体2の加熱先端部が尖っている場合、一実施形態では、物体2の先端部の直径は約0.15mm~約3.3mmの間で様々である。
【0055】
本発明に係る装置1の物体2の加熱先端部は、少なくとも1種の強磁性体を含む。一実施形態では、強磁性体は物体2の加熱先端部にのみ存在する。別の実施形態では、強磁性体は物体2全体に存在している。
【0056】
強磁性体
一実施形態では、強磁性体9は鋼から選択され、好ましくはフェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼およびこれらの鋼の混合物から選択される。
【0057】
一実施形態では、強磁性体9は、マルテンサイト系ステンレス鋼420、マルテンサイト系ステンレス鋼416、フェライト系ステンレス鋼430およびこれらの鋼の混合物から選択される。
【0058】
一実施形態では、強磁性体9はマルテンサイト系ステンレス鋼420である。この材料は強磁性であると共に生体適合性であるという利点を有する。
【0059】
生体適合性材料
一実施形態では、物体2の加熱先端部は生体適合性材料で覆われている。
【0060】
一実施形態では、物体2は生体適合性材料で全体が覆われている。
【0061】
一実施形態では、生体適合性材料はマルテンサイト系ステンレス鋼420である。一実施形態では、強磁性体および生体適合性材料は単一かつ同一の化合物、すなわちマルテンサイト系ステンレス鋼420である。
【0062】
別の実施形態では、生体適合性材料はシリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)または親水性ポリマーであり、好ましくはシリコーンである。
【0063】
一実施形態では、強磁性体はマルテンサイト系ステンレス鋼416であり、かつ生体適合性材料はシリコーンである。
【0064】
一実施形態では、強磁性体はフェライト系ステンレス鋼430であり、かつ生体適合性材料はシリコーンである。
【0065】
一実施形態では、物体2の加熱先端部は生体適合性材料、例えばシリコーンの層で覆われており、その厚さは1μm~25μmの範囲、好ましくは1μm~10μmの範囲である。
【0066】
絶縁材
一実施形態では、物体2は少なくとも部分的に絶縁材10の層で覆われている。一実施形態では、物体2は加熱先端部を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。一実施形態では、物体2は、加熱性ディスクが使用されている場合には、本明細書の下に記載されている加熱性ディスクに接触している領域を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。一実施形態では、物体2は、加熱先端部および、加熱性ディスクが使用されている場合には本明細書の下に記載されている加熱性ディスクに接触している領域を除いて絶縁材10の層で全体が覆われている。
【0067】
この絶縁材は全ての既存の絶縁材から選択することができ、特にプラスチック材料から選択することができる。
【0068】
一実施形態では、物体2は加熱先端部を除いて第1の層を形成している絶縁材10の層で全体が覆われており、物体2は第2の層を形成している生体適合性材料で全体が覆われている。従って、生体適合性材料は物体2の外側(皮膚または臓器に接触している部分)にあるという理解の下に、加熱先端部には生体適合性材料の1つの層があり、物体2の残りの部分には絶縁材および生体適合性材料の2つの層がある。
【0069】
一実施形態では、物体2は加熱先端部および、加熱性ディスクが使用されている場合には本明細書の下に記載されている加熱性ディスクに接触している領域を除いて第1の層を形成している絶縁材10の層で全体が覆われており、かつ物体2は第2の層を形成している生体適合性材料で全体が覆われている。従って、生体適合性材料が物体2の外側(皮膚または臓器に接触している部分)にあるという理解の下に、加熱先端部および本明細書の下に記載されている加熱性ディスクに接触している領域には生体適合性材料の1つの層があり、物体2の残りの部分には絶縁材および生体適合性材料の2つの層がある。
【0070】
磁場発生器
一実施形態では、磁場発生器3は物体2の周りに配置されている。一実施形態では、磁場発生器3は物体2を取り囲むのに適した中空の円筒体の形態である。一実施形態では、磁場発生器3は物体2が垂直に通される開口部を含む円筒体の形状を有する。一実施形態では、磁場発生器3は物体2が垂直に通される開口部を含む皮膚5に配置するのを目的とした丸い小石の円筒体の形状を有する。
【0071】
一実施形態では、磁場発生器3は絶縁性であり、すなわちそれは絶縁材で作られたシェルから形成されている。一実施形態では、磁場発生器3はプラスチック材料で作られたシェルから形成されている。一実施形態では、磁場発生器3はガラスで作られたシェルから形成されている。一実施形態では、磁場発生器3はアルミニウムで作られたシェルから形成されている。
【0072】
磁場発生器3が皮膚5に配置するのを目的とした丸い小石の円筒体の形状を有する場合、一実施形態では、前記丸い 小石の円筒体部分は加熱性であり、すなわちそれは一般に伝導体で作られたシェルから形成されている。一実施形態では、前記丸い小石の円筒体部分は伝導性金属で作られたシェルから形成されている。一実施形態では、伝導性金属は物体2の加熱先端部のものと同じである。一実施形態では、伝導性金属は物体2のものと同じである。
【0073】
一実施形態では、磁場発生器3は物体2に固定されていない。
【0074】
一実施形態では、磁場発生器3は10mm~100mm、好ましくは20mm~80mmの範囲の直径を有する。一実施形態では、磁場発生器3は0.1mm~50mm、好ましくは0.5mm~25mmの範囲の厚さを有する。一実施形態では、磁場発生器3の開口部は0.1mm~10mm、好ましくは0.1mm~5mmの範囲の直径を有する。
【0075】
一実施形態では、磁場発生器3は交流が通る伝導性コイルを備える。
【0076】
一実施形態では、当該コイルは5mm~50mmの範囲、好ましくは5mm~30mmの範囲の直径を有する。一実施形態では、当該コイルは10mm~100mmの範囲、好ましくは20mm~50mmの範囲の長さを有する。一実施形態では、当該コイルは50~1000の範囲、好ましくは100~1000の範囲の巻数を含む。
【0077】
一実施形態では、当該コイルは銅ワイヤから形成されている。
【0078】
一実施形態では、磁場発生器3は0.01~5T、好ましくは0.1~1Tの範囲の強度の磁場を生成する。
【0079】
一実施形態では、磁場発生器3は本明細書の上に記載されているようないくつかのコイルを備える。一実施形態では、磁場発生器3は本明細書の上に記載されているような2つのコイルを備える。一実施形態では、磁場発生器3は、本明細書の上に記載されているような3つのコイルを備える。一実施形態では、磁場発生器3は本明細書の上に記載されているような4つのコイルを備える。これらの各種コイルは、本発明の装置の温度を制御するための装置によって別々に制御することができ、これは一方で温度の制御をさらに精密にし、かつ他方で広範囲の温度をカバーするのを可能にする。従って、これらの各種コイルは必要に従って別々に作動させることができる。
【0080】
一実施形態では、磁場発生器は周期的に作動させることができる。従って磁場発生器は、例えば周期的プログラムまたは前もって確立されたプログラムに従って物体2の先端部の加熱および冷却の周期を生じるのを可能にする。一実施形態では、磁場発生器は周波数変調器と共に提供される。
【0081】
一実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、磁場発生器に接続されており、かつ当該物体の先端部の温度および設定値温度に従って磁場発生器を制御する。
【0082】
一実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、磁場発生器に接続されており、かつa)当該物体の先端部の温度を表示するための装置、b)設定値温度を決定するための手段、およびc)当該物体の先端部の温度が設定値温度に等しくなるように磁場発生器を制御するための装置を備える。
【0083】
別の実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、磁場発生器に接続されており、かつa)当該物体の先端部の温度を表示するための装置、および加熱性ディスクが使用されている場合には本明細書の下に記載されている加熱性ディスク上の温度を表示するための別の装置、b)設定値温度を決定するための手段、およびc)当該物体の先端部の温度および、加熱性ディスクが使用されている場合には本明細書の下に記載されている加熱性ディスク上の温度が設定値温度に等しくなるように磁場発生器を制御するための装置を備える。
【0084】
フェライト
一実施形態では、磁場発生器3は磁場を物体2の長手軸に沿って導くように配置されたフェライト7をさらに含む。
【0085】
一実施形態では、フェライトは物体2を取り囲むのに適した中空の円筒体の形態を有する。
【0086】
ディスク
一実施形態では、装置1は物体2が垂直に通される開口部を含む皮膚5に配置するのを目的とした断熱性もしくは加熱性ディスク6をさらに備える。
【0087】
一実施形態では、ディスク6は絶縁性であり、すなわちそれは絶縁材から形成されている。一実施形態では、ディスク6はプラスチック材料から形成されている。一実施形態では、ディスク6はガラスから形成されている。
【0088】
別の実施形態ではディスク6は加熱性であり、すなわちそれは一般に伝導体から形成されている。一実施形態では、ディスク6は伝導性金属から形成されている。一実施形態では、伝導性金属は物体2の加熱先端部のものと同じである。一実施形態では、伝導性金属は物体2のものと同じである。
【0089】
一実施形態では、ディスク6は10mm~100mm、好ましくは20mm~80mmの範囲の直径を有する。一実施形態では、ディスク6は0.1mm~5mm、好ましくは0.5mm~2mmの範囲の厚さを有する。一実施形態では、ディスク6の開口部は0.1mm~10mm、好ましくは0.1mm~5mmの範囲の直径を有する。
【0090】
美容的使用
一実施形態では、本発明の装置1は、小じわ、クマおよび表面のセルライトの治療で使用される。本実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、物体2の先端部の温度が一般に40℃~50℃、好ましくは40℃~42℃であり、より好ましくは約41.5℃に等しくなるように構成されている。
【0091】
治療的使用
一実施形態では、本発明の装置1は静脈瘤の治療で使用される。本実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、物体2の先端部の温度が一般に40℃~50℃、好ましくは40℃~42℃であり、より好ましくは約41.5℃に等しくなるように構成されている。
【0092】
別の実施形態では、本発明の装置1は、脊椎痛臨床設定に関連する症候群およびこれらの各種臨床設定に関連する疼痛、特に腰痛または慢性頚部痛およびそれらの投射痛の治療で使用される。本実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、物体2の先端部の温度が一般に75℃~95℃であり、より好ましくは80℃~90℃であるように構成されている。
【0093】
一実施形態では、本発明の装置1は高周波技術(または髄核形成術(nucleoplasty))の代わりとして使用される。一実施形態では、本発明の装置1は脚の高周波技術の代わりとして使用される。本実施形態では、本発明の装置の温度を制御するための装置は、物体2の先端部の温度が100℃~200℃、より好ましくは100℃~130℃であるように構成されている。
【0094】
一実施形態では、本発明の装置1は酸素-オゾン髄核融解術(oxygen-ozone nucleolysis)などの熱治療またはホルミウム・ヤグレーザーによる経皮的椎間板切除術のためのレーザーの使用の代わりとして使用される。これらの2つの技術は、例えばA Gangi氏,J.L.Dietemann氏,J.P.Steib氏、X.Buy氏およびP.Laurent氏からなる陪審員による「経皮的経路による坐骨神経痛の治療:15つの症例に関する高周波による髄核形成術の関心(Treatment of sciatica via the percutaneous route:interest of nucleoplasty via radiofrequency,concerning 15 cases)」という名称の2004年6月21日に擁護されたDaniel SPAETERの論文に記載されている。
【0095】
一実施形態では、本発明の装置1は特定の癌、特に癌の固形腫瘍の治療で使用することができる。
【0096】
一実施形態では、本発明の装置1は電気ランセットの代わりとして使用される。本実施形態では、加熱物体の先端部は一般に鋭い。
【0097】
様々な実施形態について説明および図示してきたが、詳細な説明は後者を限定するものとしてみなされるべきではない。特許請求の範囲によって定めているような本開示の真の趣旨および範囲から離れることなく当業者によって当該実施形態に対して様々な修正を行うことができる。
【0098】
符号
1:装置
2:加熱先端部を含む物体
3:磁場発生器
4:物体の加熱先端部の温度を制御するための装置
5:皮膚
6:ディスク
7:フェライト
8:支持体
9:強磁性体
10:絶縁材
11:生体適合性材料
12:物体の先端部の温度を表示するための装置
13:設定値温度を決定するための手段
14:スイッチ
15:設定値温度を表示するための装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12