(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 301C
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2022059669
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】川北 雄大
(72)【発明者】
【氏名】知念 要
【審査官】尾崎 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-136456(JP,A)
【文献】特開2007-330350(JP,A)
【文献】特開2021-083512(JP,A)
【文献】特開平08-299530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を可能に構成され、変動ゲームの実行を保留可能な遊技機において、
第1制御手段と、
第2制御手段と、
報知を実行可能な報知手段と、を備え、
前記第1制御手段と前記第2制御手段は双方向に通信を行うことが可能に接続されており、
前記第1制御手段には、前記データを記憶するデータ記憶部と第1特定情報を記憶する第1情報記憶部とがあり、
前記第2制御手段には、遊技の進行に関する情報を記憶可能であって、記憶している情報のうち少なくとも一部の情報を前記遊技機への電力供給が遮断された後にも保持可能な遊技記憶部と、遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御部と、第2特定情報を記憶する第2情報記憶部とがあり、
前記遊技機への電力供給が開始されたときには、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか、前記遊技機が備える照合部によって照合され、
前記報知手段の報知態様は、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合と、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合とで異なり、
前記遊技記憶部が記憶する情報には、変動ゲームの保留数に関する情報が含まれ、
保留されている変動ゲームがある状況において、前記遊技機への電力供給が遮断され、前記遊技機への電力供給が再開された後、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合された場合には、前記変動ゲームの保留数に関する情報に基づいて、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームを実行可能であり、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合されなかった場合には、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームが実行されず、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との通信ができない場合、
及び、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、前記報知手段の報知態様は、特定の報知態様となる遊技機。
【請求項2】
遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を可能に構成され、変動ゲームの実行を保留可能な遊技機において、
第1制御手段と、
第2制御手段と、
報知を実行可能な報知手段と、を備え、
前記第1制御手段と前記第2制御手段は双方向に通信を行うことが可能に接続されており、
前記第1制御手段には、前記データを記憶するデータ記憶部と第1特定情報を記憶する第1情報記憶部とがあり、
前記第2制御手段には、遊技の進行に関する情報を記憶可能であって、記憶している情報のうち少なくとも一部の情報を前記遊技機への電力供給が遮断された後にも保持可能な遊技記憶部と、遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御部と、第2特定情報を記憶する第2情報記憶部とがあり、
前記遊技機への電力供給が開始されたときには、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか、前記遊技機が備える照合部によって照合され、
前記照合部は、前記第1制御手段に備えられており、
電力供給が開始されたとき、前記第2制御手段は、前記第1制御手段に前記第2特定情報を含む特殊情報を送信し、
前記第1制御手段は、前記特殊情報を受信した場合、前記照合部において、前記第1特定情報と、受信した前記特殊情報に含まれる前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合し、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合には、所定の応答情報を前記第2制御手段に送信し、
前記報知手段の報知態様は、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合と、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合とで異なり、
前記遊技記憶部が記憶する情報には、変動ゲームの保留数に関する情報が含まれ、
保留されている変動ゲームがある状況において、前記遊技機への電力供給が遮断され、前記遊技機への電力供給が再開された後、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合された場合には、前記変動ゲームの保留数に関する情報に基づいて、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームを実行可能であり、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合されなかった場合には、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームが実行されない遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機を一例とする遊技機では、遊技球を内部循環させることが可能である。このような遊技球を内部循環させる遊技機では、遊技球の個数をデータとして記憶することにより管理するようになっている。また、このような遊技機では、遊技の進行に関する制御を実行する制御手段と、遊技球の個数をデータで管理する制御を実行する制御手段とが接続されるとともに、双方向通信が行われるように構成されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遊技球の個数をデータで管理する遊技機では、通常、遊技の進行に関する制御を実行する制御手段と、遊技球の個数をデータで管理する制御を実行する制御手段とが接続される正規の組み合わせが予め定められている。このため、遊技の進行に関する制御を実行する制御手段と、遊技球の個数をデータで管理する制御を実行する制御手段とが予め定めた組み合わせで接続されることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を可能に構成され、変動ゲームの実行を保留可能な遊技機において、第1制御手段と、第2制御手段と、報知を実行可能な報知手段と、を備え、前記第1制御手段と前記第2制御手段は双方向に通信を行うことが可能に接続されており、前記第1制御手段には、前記データを記憶するデータ記憶部と第1特定情報を記憶する第1情報記憶部とがあり、前記第2制御手段には、遊技の進行に関する情報を記憶可能であって、記憶している情報のうち少なくとも一部の情報を前記遊技機への電力供給が遮断された後にも保持可能な遊技記憶部と、遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御部と、第2特定情報を記憶する第2情報記憶部とがあり、前記遊技機への電力供給が開始されたときには、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか、前記遊技機が備える照合部によって照合され、前記報知手段の報知態様は、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合と、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合とで異なり、前記遊技記憶部が記憶する情報には、変動ゲームの保留数に関する情報が含まれ、保留されている変動ゲームがある状況において、前記遊技機への電力供給が遮断され、前記遊技機への電力供給が再開された後、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合された場合には、前記変動ゲームの保留数に関する情報に基づいて、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームを実行可能であり、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合されなかった場合には、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームが実行されず、前記第1制御手段と前記第2制御手段との通信ができない場合、及び、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、前記報知手段の報知態様は、特定の報知態様となることを要旨とする。
【0006】
上記課題を解決する遊技機は、遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を可能に構成され、変動ゲームの実行を保留可能な遊技機において、第1制御手段と、第2制御手段と、報知を実行可能な報知手段と、を備え、前記第1制御手段と前記第2制御手段は双方向に通信を行うことが可能に接続されており、前記第1制御手段には、前記データを記憶するデータ記憶部と第1特定情報を記憶する第1情報記憶部とがあり、前記第2制御手段には、遊技の進行に関する情報を記憶可能であって、記憶している情報のうち少なくとも一部の情報を前記遊技機への電力供給が遮断された後にも保持可能な遊技記憶部と、遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御部と、第2特定情報を記憶する第2情報記憶部とがあり、前記遊技機への電力供給が開始されたときには、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか、前記遊技機が備える照合部によって照合され、前記照合部は、前記第1制御手段に備えられており、電力供給が開始されたとき、前記第2制御手段は、前記第1制御手段に前記第2特定情報を含む特殊情報を送信し、前記第1制御手段は、前記特殊情報を受信した場合、前記照合部において、前記第1特定情報と、受信した前記特殊情報に含まれる前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合し、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合には、所定の応答情報を前記第2制御手段に送信し、前記報知手段の報知態様は、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合と、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合とで異なり、前記遊技記憶部が記憶する情報には、変動ゲームの保留数に関する情報が含まれ、保留されている変動ゲームがある状況において、前記遊技機への電力供給が遮断され、前記遊技機への電力供給が再開された後、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合された場合には、前記変動ゲームの保留数に関する情報に基づいて、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームを実行可能であり、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合されなかった場合には、前記遊技機への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームが実行されないことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、正しい組み合わせの制御手段で遊技を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】パチンコ遊技機、及び管理ユニットを正面から見たときの図である。
【
図2】パチンコ遊技機が備える遊技盤を示す図である。
【
図3】パチンコ遊技機が備える計数操作部、計数報知部、及び第2球数表示部の拡大図である。
【
図4】パチンコ遊技機に形成された遊技球の流通機構を示す模式図である。
【
図5】パチンコ遊技機が備える供給部を示す模式図である。
【
図6】パチンコ遊技機が備える供給部を示す模式図である。
【
図7】パチンコ遊技機が備える発射部を示す模式図である。
【
図8】パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】パチンコ遊技機における、遊技制御基板と枠制御基板の通信の一例を示すタイミングチャートである。
【
図11】パチンコ遊技機における照合コードを示す図である。
【
図13】パチンコ遊技機において検知可能なエラーの一例を示す図である。
【
図14】(a)~(d)は、パチンコ遊技機における各種の報知の態様の一例を示す図である。
【
図15】(a)~(d)は、パチンコ遊技機における各種の報知の態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、島設備(遊技島)において、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10と、管理装置の一例である管理ユニット100とは、交互に並ぶように設置される。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10に併設される。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と通信可能に接続される。
【0013】
管理ユニット100について説明する。
図1に示すように、管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な媒体挿入部101を備える。一例として、管理媒体は、ICカード、又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額、及び遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第1管理球数PAと示す)を記憶可能である。第1管理球数PAは、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報、又は支払金の残額(プリペイド残額)を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102への投入金額は、管理媒体に記憶された残額に加算される。一例として、現金は、紙幣及び硬貨の何れであってもよい。
【0014】
管理ユニット100は、操作パネル110を備える。操作パネル110は、玉貸操作部111、払出操作部112、返却操作部113、第1球数表示部114、及び残額表示部115を備える。玉貸操作部111は、管理媒体に記憶された残額に基づいて、遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第2管理球数PBと示す)を増加させるときに操作される。第2管理球数PBは、パチンコ遊技機10が管理するデータである。払出操作部112は、第1管理球数PAに基づいて、第2管理球数PBを増加させるときに操作される。
【0015】
返却操作部113は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。第1球数表示部114には、第1管理球数PAを特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部115には、支払金の残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
【0016】
管理ユニット100は、管理ユニット制御基板120(以下、CU制御基板と示す)を備える。CU制御基板120は、CPU120aと、ROM120bと、RAM120cと、を備える。CPU120aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の制御を行う。ROM120bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。RAM120cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM120cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子120dを備える。
【0017】
CU制御基板120は、媒体挿入部101と接続される。CPU120aは、媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書換え可能に構成される。CU制御基板120は、現金投入部102と接続される。CPU120aは、現金投入部102に現金が投入されたときに送信する投入信号を受信可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。
【0018】
CU制御基板120は、操作パネル110と接続される。CPU120aは、玉貸操作部111が操作されたときに送信する玉貸信号を受信可能に構成される。CU制御基板120は、払出操作部112が操作されたときに送信する払出信号を受信可能に構成される。CPU120aは、返却操作部113が操作されたときに送信する返却信号を受信可能に構成される。CPU120aは、第1球数表示部114の表示内容を制御可能に構成される。CPU120aは、残額表示部115の表示内容を制御可能に構成される。
【0019】
CU制御基板120は、通信端子120dを介してパチンコ遊技機10と接続される。CPU120aは、パチンコ遊技機10が送信する各種の制御信号(制御情報)を受信可能に構成される。CPU120aは、パチンコ遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を送信可能に構成される。管理ユニット100は、通信端子120dからパチンコ遊技機10へと接続信号を送信する。なお、接続信号は、CU制御基板120(CPU120a)が生成するコマンドや電文であってもよく、CPU120aとは異なる送信回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
【0020】
管理ユニット100は、パチンコ遊技機10及び管理ユニット100とは別に用意された外部管理機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部管理機器は、遊技場に設置される。一例として、外部管理機器(不図示)は、遊技場に設置されたホールコンピュータである。一例として、外部管理機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータと管理ユニット100とは、双方向に通信可能に接続されることが好ましい。
【0021】
管理ユニット100にて行われる処理について説明する。
CPU120aは、媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された残額、及び第1管理球数PAを読み出し、RAM120cに記憶させる。そして、CPU120aは、管理媒体が挿入されている場合に、以下に説明する処理を行う。
【0022】
CPU120aは、現金投入部102から投入信号を受信すると、投入信号から特定可能な投入金額を残額に加算する。CPU120aは、残額が0ではないとき、玉貸操作部111から玉貸信号を受信すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報をRAM120cに記憶させる。なお、CPU120aは、残額が0であるとき、玉貸信号を受信しても貸出情報をRAM120cに記憶させない。
【0023】
CPU120aは、第1管理球数PAが1以上であるとき、払出操作部112から払出信号を受信すると、第1管理球数PAを所定数だけ減算し、当該所定数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報をRAM120cに記憶させる。なお、CPU120aは、第1管理球数PAが0であるとき、払出信号を受信しても、RAM120cに記憶させない。このように、貸出情報は、貸出球数を特定可能である。
【0024】
CPU120aは、パチンコ遊技機10から計数情報を受信すると、当該計数情報から特定可能な遊技球の個数を第1管理球数PAに加算する。詳しくは後述するが、計数情報は、パチンコ遊技機10から管理ユニット100へと管理を移管する持ち球数を特定可能な情報である。なお、計数情報は、パチンコ遊技機10から定期的に送信されるものであり、パチンコ遊技機10において後述する計数操作部18が操作されていなければ0となる。つまり、CPU120aは、パチンコ遊技機10から計数情報を受信しても、第1管理球数PAに加算しない場合がある。CPU120aは、パチンコ遊技機10に貸出情報を送信すると、RAM120cに記憶されている貸出情報を、0に初期化する。
【0025】
CPU120aは、第1球数表示部114を制御し、その時々の第1管理球数PAを特定可能な情報を表示させる。第1管理球数PAは、第1球数表示部114においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、残額表示部115を制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示させる。残額は、残額表示部115においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、返却操作部113から返却信号を受信すると、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを管理媒体に記憶させるとともに、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを初期化する。CPU120aは、管理媒体が媒体挿入部101から排出されるように、媒体挿入部101を制御する。
【0026】
パチンコ遊技機10について説明する。
図1及び
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、規定数P0の遊技球が機内部に封入された封入式の遊技機である。パチンコ遊技機10は、機内部に封入された遊技球が機内部を循環するように構成されている。遊技球は、磁性体及び非磁性体の何れであってもよい。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する貯留部を備えない。パチンコ遊技機10は、原則として、遊技者が遊技球に触れ得ない構造である。
【0027】
パチンコ遊技機10は、貸し玉数Pb、獲得球数Pc、発射球数Pd、及び戻り球数Peに基づいて、第2管理球数PBを電磁的に管理する。貸し玉数Pbは、遊技者に貸し出された遊技球の個数である。獲得球数Pcは、遊技者が獲得した遊技球の個数である。発射球数Pdは、遊技者が発射した遊技球の個数である。発射球数Pdは、後述する供給部61から発射部65へ供給された遊技球の個数ともいえる。戻り球数Peは、遊技者が発射した遊技球のうち、後述する遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数である。戻り球数Peは、発射部65から遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数ともいえる。戻り球は、所謂「ファール球」である。
【0028】
パチンコ遊技機10は、枠11を備える。枠11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。パチンコ遊技機10は、枠11b,11cを施錠する施錠装置(不図示)を備える。パチンコ遊技機10は、施錠装置に適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して枠11b,11cを開放できないように構成される。
【0029】
パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする報知音声部12を備える。報知音声部12は、搭載枠11bの前面側に配設される。報知音声部12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする報知音声部13を備える。報知音声部13は、音声報知を実行可能である。一例として、報知音声部12及び報知音声部13は、搭載枠11bに配設される。
【0030】
パチンコ遊技機10は、報知発光部14を備える。報知発光部14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。報知発光部14は、発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知と示す)を実行可能である。一例として、報知発光部14は、搭載枠11bに配設される。報知発光部14は、後述の遊技盤20に配設されていてもよい。
【0031】
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させる操作を可能な発射操作部15を備える。発射操作部15は、搭載枠11bの前面側に配設される。パチンコ遊技機10は、発射操作部15の操作に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように構成される。一例として、発射操作部15は、回動操作を可能なハンドルレバー15aと、タッチセンサD01と、発射停止スイッチD02と、ハンドルボリュームD03と、を備える(
図8参照)。
【0032】
タッチセンサD01は、発射操作部15の側面を囲うように配設された通電リング15bに接続される。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15を把持し、遊技者の手指が通電リング15bに触れるとタッチ信号を送信する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15bに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。
【0033】
発射停止スイッチD02は、発射操作部15の側方に突出する発射停止ボタン15cが押し込まれるとストップ信号を送信する。ストップ信号は、発射停止ボタン15cが操作されるとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を送信する。
【0034】
パチンコ遊技機10は、演出操作部16を備える。演出操作部16は、押下操作を可能なボタン型、表示装置を兼用するタッチセンサ型、又はレバー型であるとよい。
図1及び
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、第2管理球数PBを特定可能な情報を表示する第2球数表示部17を備える。一例として、第2球数表示部17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。第2球数表示部17は、所定の文字、及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。
【0035】
パチンコ遊技機10は、計数操作部18を備える。計数操作部18は、主に遊技者がパチンコ遊技機10における遊技を終了するときに操作される。計数操作部18は、予め定めた計数可能状態である場合に、計数操作部18を用いた計数操作が許容される。計数操作部18は、押込み操作がされると計数信号を送信する。パチンコ遊技機10は、計数報知部18aを備える。計数報知部18aでは、計数可能状態であるか否かが報知される。一例として、演出操作部16、第2球数表示部17、計数操作部18、及び計数報知部18aは、搭載枠11bの前面側に配設される。
【0036】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20の前面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成される。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成される。遊技領域20aの左方には、発射操作部15の操作によって発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する打出通路20cが形成される。遊技領域20a及び打出通路20cは、保護枠11cの保護ガラス(不図示)によって覆われている。
【0037】
遊技盤20は、各種の情報を表示する情報表示装置21を備える。情報表示装置21は、第1特別図柄表示部21a、第2特別図柄表示部21b、第1保留表示部21c、第2保留表示部21d、普通図柄表示部21e、及び普通保留表示部21fを含む。一例として、複数の表示部21a~21fは、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
【0038】
第1特別図柄表示部21aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示部21bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
【0039】
第1保留表示部21cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部21dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0040】
普通図柄表示部21eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
【0041】
普通保留表示部21fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置21には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
【0042】
パチンコ遊技機10は、報知表示部19を備える。報知表示部19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。報知表示部19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、報知表示部19は、液晶装置である。報知表示部19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。報知表示部19は、所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行可能である。
【0043】
ここで、報知音声部12、報知発光部14、及び報知表示部19は、何れも報知を実行可能な報知手段(第1報知手段)であり、複数の報知手段からなる報知装置ESを構成する。報知装置ESに含まれる報知手段は、報知音声部12、報知発光部14、及び報知表示部19であることに限定されず、これらの報知手段の一部を省略した構成であってもよい。報知装置ESは、これらの報知手段に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動報知を実行する報知可動部を備えてもよく、振動報知を実行する報知振動部を備えてもよい。
【0044】
例えば、報知表示部19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0045】
遊技盤20には、遊技球が入球可能な複数の入賞口23が形成されている。これら複数の入賞口23は、遊技領域20aに開口する。複数の入賞口23は、第1始動口23Aと、第2始動口23Bと、大入賞口23Cと、普通入賞口23Dと、を含む。複数の入賞口は、これらの入賞口23とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0046】
第1始動口23Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口23Aは、報知表示部19の下方にある。第1始動口23Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、第1始動口23Aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサD11を備える(
図9参照)。
【0047】
第2始動口23Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口23Bは、第1始動口23Aの右方にある。第2始動口23Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片23Baを備える。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができないように閉鎖される。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができるように開放される。なお、第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、普通当り遊技が付与されているときに比して、遊技球が入球し難いように閉鎖されてもよく、普通当り遊技が付与されているとき、普通当り遊技が付与されていないときに比して、遊技球が入球し易いように開放されてもよい。遊技盤20は、第2始動口23Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(
図9参照)。また、遊技盤20は、第2始動口23Bへ入球した遊技球を検知する第2始動センサD12を備える(
図9参照)。普通開閉片23Baは、所謂「普通電動役物」である。
【0048】
大入賞口23Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口23Cは、報知表示部19の右下方にある。大入賞口23Cは、扉状であることを一例とする特別開閉片23Caを備える。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができないように閉鎖される。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤20は、大入賞口23Cを開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(
図9参照)。また、遊技盤20は、大入賞口23Cへ入球した遊技球を検知するカウントセンサD13を備える(
図9参照)。
【0049】
普通入賞口23Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口23Dは、報知表示部19の左下方、及び報知表示部19の右下方にそれぞれある。普通入賞口23Dは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、普通入賞口23Dへ入球した遊技球を検知する普通センサD14を備える(
図9参照)。
【0050】
遊技盤20は、ゲート24を備える。一例として、ゲート24は、遊技領域20aの右方領域であって、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの上方にある。ゲート24には、ゲート口24aが形成されている。ゲート口24aは、常に遊技球を入球させることができるように開放される。ゲート24は、ゲート口24aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD15を有する(
図9参照)。ゲート24は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート24は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0051】
遊技盤20には、アウト口25が形成されている。一例として、アウト口25は、遊技領域20aの最も下部において開口する。遊技球は、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dの何れにも入球しなかった場合に、アウト口25へ入球する。複数の入賞口23、及びアウト口25は、遊技領域20aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域20aから遊技球を回収するための回収口として把握できる。遊技球は、複数の入賞口23、又はアウト口25へ入球すると、遊技盤20から排出される。以下、複数の入賞口23又はアウト口25を介して遊技盤20から排出される遊技球をアウト球と示す場合がある。
【0052】
遊技盤20は、異常な電波として所定の強度を超える電波を検知する電波センサD19を備える(
図9参照)。遊技盤20に備わる電波センサD19は、1つでもよく、複数であってもよい。一例として、異常な電波は、各種センサやスイッチが誤検知するなど各種センサやスイッチによる検知に対して所定の影響を与え得るものである。一例として、異常な電波は、異なる2つの機器の間で行われる通信に障害を発生させるなど、通信に対して所定の影響を与え得るものである。電波センサD19は、異常な電波を検知すると電波検知信号を送信する。
【0053】
電波センサD19は、第1始動センサD11による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能である。電波センサD19は、第2始動センサD12による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能である。電波センサD19は、カウントセンサD13による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能である。一例として、電波センサD19は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、又はカウントセンサD13に隣接又は近接する部分に設けられる。つまり、電波センサD19は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、又はカウントセンサD13の近傍に設けられる。電波センサD19は、普通センサD14、及びゲートセンサD15による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能であってもよい。加えて、電波センサD19は、異なる複数の機器の間で行われる通信に対して所定の影響を与え得る電波を検知可能である。例えば、電波センサD19は、後述する遊技制御基板80と枠制御基板82との通信に対して所定の影響を与え得る電波を検知可能である。パチンコ遊技機10は、異常な磁気として所定の強度を超える磁気を検知する磁気センサを備えない。これに限らず、パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備え、磁石の接近を検知できる構成であってもよい。
【0054】
搭載枠11bは、搭載枠11bに対して保護枠11cが開放されたことを検知する第1扉開放スイッチD17を備える(
図8参照)。第1扉開放スイッチD17は、保護枠11cの開放を検知した場合に第1扉開放信号を送信する。搭載枠11bは、外枠11aに対して搭載枠11bが開放されたことを検知する第2扉開放スイッチD18を備える(
図8参照)。第2扉開放スイッチD18は、搭載枠11bの開放を検知した場合に第2扉開放信号を送信する。
【0055】
遊技者は、発射操作部15を操作することにより、遊技球の発射強度を調整することができる。つまり、遊技者は、表示窓口20bより左方にある左方領域と、表示窓口20bより右方にある右方領域と、に遊技球を打ち分けることができる。遊技球は、右方領域を流下する場合に、第2始動口23B、大入賞口23C、普通入賞口23D、又はゲート24へ入球する可能性がある。遊技球は、左方領域を流下する場合に、第1始動口23A、又は普通入賞口23Dへ入球する可能性がある。
【0056】
枠11(搭載枠11b)は、遊技球の流通機構29を備える。
図4に示すように、流通機構29は、回収機構30と、循環機構50と、発射機構60と、を含む。回収機構30は、搭載枠11bに形成される。回収機構30は、遊技盤20(遊技領域20a)から排出された遊技球を循環機構50へ案内する。回収機構30は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成される。遊技球は、遊技盤20から回収機構30に受け入れられた場合に、回収機構30を構成する通路を流下することにより、循環機構50へ到達し得る。
【0057】
循環機構50は、搭載枠11bに形成される。循環機構50は、回収機構30から受け入れた遊技球を、所定の方向へ搬送する。一例として、循環機構50は、遊技球を揚上する。発射機構60は、搭載枠11bに形成される。遊技球は、循環機構50によって搬送された場合に、発射機構60に受け入れられる。発射機構60は、循環機構50によって搬送された遊技球を、遊技領域20aに向けて発射し得る。
【0058】
流通機構29における遊技球の流れについて説明する。遊技球が、発射機構60によって発射されたとする。遊技球は、遊技領域20aへ到達し得る。遊技球は、遊技領域20aに到達すると、複数の入賞口23又はアウト口25へ入球する。遊技球は、遊技盤20に形成された排出口(不図示)から、回収機構30へ排出される。遊技球は、回収機構30を通って、循環機構50へ到達する。遊技球は、循環機構50によって、搬送される。遊技球は、発射機構60へ戻る。以下、各機構について、詳しく説明する。
【0059】
回収機構30について詳しく説明する。
搭載枠11bには、1以上の入賞受入口30a、1以上の非入賞受入口30b、及び1以上のファール受入口30cが形成されている。入賞受入口30aは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、複数の入賞口23へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成されている。入賞受入口30aは、複数の入賞口23を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。非入賞受入口30bは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、アウト口25へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成されている。非入賞受入口30bは、アウト口25を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。ファール受入口30cは、打出通路20cの下方に形成されている。ファール受入口30cは、打出通路20cから落下する遊技球(以下、戻り球と示す)を受け入れる。戻り球は、発射機構60によって発射されたが、遊技領域20aへ到達しなかった遊技球である。
【0060】
搭載枠11bには、入賞受入口30aに繋がる入賞通路31と、非入賞受入口30bに繋がる非入賞通路32と、ファール受入口30cに繋がるファール通路33と、が形成されている。入賞通路31、及び非入賞通路32は、第1合流部34において合流する。搭載枠11bには、第1合流部34に繋がる合流通路35が形成されている。合流通路35と、ファール通路33とは、第2合流部36において合流する。搭載枠11bには、第2合流部36と循環機構50とを繋ぐ供給通路37が形成されている。
【0061】
搭載枠11bは、ファール通路33を通過する遊技球(戻り球)を検知するファールセンサD21を備える。ファールセンサD21は、ファール通路33又はファール通路33に隣接する部分に設けられる。ファールセンサD21は、遊技球を検知した場合に、ファール信号を送信する。ファール信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0062】
搭載枠11bは、入賞通路31を通過する遊技球を検知する入賞通路カウントセンサD25を備える。入賞通路カウントセンサD25は、入賞通路31又は入賞通路31に隣接する部分に設けられる。入賞通路カウントセンサD25は、遊技球を検知した場合に、入賞通路信号を送信する。入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0063】
搭載枠11bは、非入賞通路32を通過する遊技球を検知する非入賞通路カウントセンサD26を備える。非入賞通路カウントセンサD26は、非入賞通路32又は非入賞通路32に隣接する部分に設けられる。非入賞通路カウントセンサD26は、遊技球を検知した場合に、非入賞通路信号を送信する。非入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0064】
搭載枠11bは、合流通路35を通過する遊技球(有効球)を検知するアウトセンサD30を備える。有効球は、発射部65から発射された遊技球のうち、遊技領域20aへと到達した遊技球である。アウトセンサD30は、合流通路35又は合流通路35に隣接する部分に設けられる。アウトセンサD30は、遊技球を検知した場合に、アウト信号を送信する。アウト信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。アウトセンサD30は、アウト球を検知するともいえる。
【0065】
搭載枠11bは、供給通路37を通過する遊技球を検知する球詰り監視センサD27を備える。球詰り監視センサD27は、供給通路37又は供給通路37に隣接する部分に設けられる。球詰り監視センサD27は、遊技球を検知すると、球詰り検知信号を送信する。球詰り検知信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0066】
循環機構50について詳しく説明する。
循環機構50は、回収機構30から受け入れた遊技球を搬送する搬送部52を備える。一例として、搬送部52は、所定の方向に沿って延びる搬送通路と、搬送通路に収容されたスクリューと、スクリューを回転させる搬送モータ52aと、を備える。遊技球は、搬送モータ52aによってスクリューが回転されることにより、搬送通路において遊技球が所定の方向へ搬送される。搬送モータ52aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送する。これに限らず、搬送部52は、所定の方向に沿って延びるベルトであってもよく、所定の方向へ圧送する圧送モータであってもよい。所定の方向は、上方へ向かう方向であってもよく、上方へ上るように傾斜する方向であってもよい。
【0067】
循環機構50は、搬送部52の入口において、供給通路37から受け入れた遊技球を検知する搬送入口センサD28を備える。搬送入口センサD28は、搬送部52の入口又は当該入口に隣接する部分に設けられる。搬送入口センサD28は、遊技球を検知した場合に、搬送入口信号を送信する。搬送入口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0068】
循環機構50は、搬送部52の出口において、当該搬送部52によって搬送された遊技球を検知する搬送出口センサD29を備える。搬送出口センサD29は、搬送部52の出口又は当該出口に隣接する部分に設けられる。搬送出口センサD29は、遊技球を検知した場合に、搬送出口信号を送信する。搬送出口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0069】
発射機構60について詳しく説明する。
発射機構60は、供給部61と、発射部65と、を備える。供給部61は、搬送部52によって搬送された遊技球を1球ずつ切り出すことにより、発射部65へ供給する。つまり、供給部61は、遊技領域20aから回収部によって回収された遊技球を発射部65に供給する。発射部65は、供給された遊技球を遊技領域20aに向けて発射する。
【0070】
図5及び
図6に示すように、供給部61には、入口側通路62aと、切出し機構63と、出口側通路62bと、が形成されている。入口側通路62aは、搬送部52によって搬送された遊技球Kを受け入れる。入口側通路62aは、受け入れられた遊技球Kを一列に整列する。入口側通路62aは、切出し機構63がある部分に向かって下るように延びる通路である。
【0071】
切出し機構63は、遊技球Kの供給動作を可能に構成された可動片63aと、可動片63aを駆動する供給ソレノイド63bと、を備える。可動片63aが供給動作をしていない場合に、可動片63aは、入口側通路62aから出口側通路62bへと流出しないように、遊技球Kを塞き止める。
図5→
図6の流れで示すように、可動片63aが1回の供給動作を実行すると、入口側通路62aにおいて一列に並ぶ遊技球Kのうち、先頭の遊技球Kだけが、出口側通路62bへと放出される。出口側通路62bは、発射部65へ向かって下るように延びる通路である。
【0072】
供給部61は、供給部61の入口側において、入口側通路62aへ受け入れられた遊技球Kを検知する供給入口センサD22を備える。供給入口センサD22は、入口側通路62a又は入口側通路62aに隣接した部分に設けられる。供給入口センサD22は、遊技球Kを検知した場合に、供給入口信号を送信する。供給入口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0073】
供給部61は、供給部61の出口側において、出口側通路62bへ放出された遊技球Kを検知する供給出口センサD23を備える。供給出口センサD23は、出口側通路62b又は出口側通路62bに隣接した部分に設けられる。供給出口センサD23は、遊技球Kを検知した場合に、供給出口信号を送信する。供給出口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0074】
図7に示すように、発射部65は、遊技球の発射動作を可能に構成された発射ハンマー66と、発射ハンマー66を駆動する発射ソレノイド66aと、を備える。発射ソレノイド66aは、モータであってもよい。供給部61の出口側通路62bを流下した遊技球Kは、発射部65の打撃位置67に到達する。一例として、発射ハンマー66の発射動作は、打撃位置67にある遊技球を打撃することにより、遊技球を打出通路20cに向けて打ち出す動作である。図中において実線及び二点鎖線で示すように、発射ハンマー66が1回の発射動作を実行すると、打撃位置67にある1球の遊技球が打出通路20cへ打ち出される。矢印Y1に示すように、遊技球は、十分な発射強度がある場合に、打出通路20cを飛翔し、遊技領域20aへ到達し得る。矢印Y2,Y3に示すように、遊技球は、発射強度が不足する場合に、打出通路20cにおいて失速し、落下する。この場合、遊技球は、戻り球となって、ファール受入口30cからファール通路33へと流入する。
【0075】
図4に示すように、流通機構29は、メンテナンス部55を備える。
一例として、メンテナンス部55は、搭載枠11bに形成される。一例として、メンテナンス部55は、循環機構50に設けられている。メンテナンス部55は、メンテナンスの一例として、研磨部材と遊技球とを接触させることにより、遊技球を研磨できるように構成される。研磨部材は、環状のベルトであってもよく、巻取り式のベルトであってもよい。遊技球は、搬送入口センサD28によって検知された後に、メンテナンス部55によって所定のメンテナンスが実施される。遊技球は、メンテナンスが実施された後に、搬送部52によって搬送される。一例として、メンテナンス部55は、研磨部材と当該研磨部材を駆動するための機構とが一体化されたユニットとして構成されてもよい。この場合、メンテナンス部55は、ユニットとして交換可能となるように、搭載枠11bに対して組み付けられるとよい。
【0076】
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口23Cを開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口23Cは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0077】
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。
確率変動機能は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0078】
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、第2始動口23Bへの入球率を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、第2始動口23Bへの入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高まり、第2始動口23Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0079】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口23Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0080】
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
【0081】
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図8に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、遊技制御基板(主制御基板)80、演出制御基板(副制御基板)81、枠制御基板82、及び発射制御基板83を含む。複数の制御基板は、施錠装置(不図示)を解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセス、及び視認できない位置に設けられている。
【0082】
遊技制御基板80と、演出制御基板81とは、遊技制御基板80から演出制御基板81へ一方向に通信を行うことが可能に接続される。遊技制御基板80は、所定の制御を実行し、演出制御基板81へ制御情報を送信する。例えば、制御情報は、信号、コマンド、又は電文である。演出制御基板81は、遊技制御基板80から受信した制御情報に基づいて所定の制御を実行する。遊技制御基板80と、枠制御基板82とは、双方向に通信を行うことが可能に接続される。遊技制御基板80は、所定の制御を実行し、枠制御基板82へ制御情報を送信する。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、遊技制御基板80へ制御情報を送信する。枠制御基板82と、発射制御基板83とは、双方向に通信を行うことが可能に接続される。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、発射制御基板83へ制御情報を送信する。発射制御基板83は、枠制御基板82へ制御情報を送信する。
【0083】
パチンコ遊技機10の枠制御基板82と、管理ユニット100のCU制御基板120とは、パチンコ遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に通信を行うことが可能に接続される。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、CU制御基板120へ制御情報を送信する。CU制御基板120は、所定の制御を実行し、枠制御基板82へ制御情報を送信する。
【0084】
パチンコ遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板81及び枠制御基板82に対して供給する。枠制御基板82に供給された電力は、さらに遊技制御基板80及び発射制御基板83に対して供給される。電源ユニット99は、供給ソレノイド63b、発射ソレノイド66a、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。パチンコ遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
【0085】
遊技制御基板80について詳しく説明する。
図9に示すように、遊技制御基板80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、乱数生成回路80dと、バックアップ電源80e、バックアップ回路80fと、を備える。CPU80aは、遊技制御基板80において主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する制御を実行する。遊技制御基板80は、第2制御手段の一例であり、遊技制御基板80が備えるCPU80aは、遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御部の一例である。ROM80bは、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。ROM80bは、盤側照合コードを含む、起動時情報を記憶している。盤側照合コード及び起動時情報については後述する。遊技制御基板80が備えるROM80bは、第2情報記憶部の一例であり、ROM80bに記憶される盤側照合コードは、第2特定情報の一例である。
【0086】
RAM80cは、CPU80aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路80dは、ハードウェア乱数を生成する。遊技制御基板80は、CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
【0087】
バックアップ電源80eは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、RAM80cに対してバックアップ電力を供給する。以下の説明では、外部からの電力供給が遮断されることを電源断と示す場合がある。RAM80cは、バックアップ電源80eからバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRAM80cの記憶内容を電源断後にも保持可能である。つまりパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載する。これに限らず、RAM80cは、電力供給が停止された状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断後にも情報を保持可能であってもよい。
【0088】
一例として、バックアップ電源80eは、外部からの電力供給によって蓄電する蓄電装置である。RAM80cに記憶される情報には、バックアップの対象となる情報がある。一例として、RAM80cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、メイン情報がある。メイン情報は、遊技の進行に関する情報である。一例として、メイン情報には、大当り状態(ラウンド遊技の回数を含む)に関する情報、遊技状態に関する情報、保留数に関する情報、普通図柄及び特別図柄に関する情報、エラーに関する情報、及び後述する定量到達フラグがある。RAM80cは、遊技の進行に関する情報を記憶可能であって、記憶している情報の一部の情報を、パチンコ遊技機10の電力供給が遮断された後にも保持可能な遊技記憶部の一例である。
【0089】
バックアップ回路80fは、枠制御基板82を経由して電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号をCPU80aに送信する。
遊技制御基板80は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15と通信線により接続される。CPU80aは、各センサD11~D15が遊技球を検知して送信する検知信号を受信可能である。遊技制御基板80は、電波センサD19と通信線により接続される。CPU80aは、電波センサD19から電波検知信号を受信可能である。遊技制御基板80は、これら各センサに繋がる通信線を、遊技制御基板80に接続するコネクタ(不図示)を備える。各センサは、遊技制御基板80と通信線で接続されることにより通電する。各センサは、遊技制御基板80と通信線で接続されていないと通電しない。CPU80aは、各センサが通電しているか否かを検知することが可能である。これにより、CPU80aは、遊技制御基板80と各センサとを接続する通信線が断線しているか否かを特定可能である。遊技制御基板80は、各表示部21a~21fと接続される。CPU80aは、各表示部21a~21fの表示内容を制御可能である。遊技制御基板80は、各ソレノイドSL1,SL2と接続される。CPU80aは、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの開放態様を制御可能である。
【0090】
演出制御基板81について詳しく説明する。
演出制御基板81は、CPU81aと、ROM81bと、RAM81cと、を備える。CPU81aは、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM81bは、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM81bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。また、ROM81bは、表示報知に用いる表示報知データ、発光報知に用いる発光報知データ、及び音声報知に用いる音声報知データを記憶している。RAM81cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM81cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板81は、CPU81aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。演出制御基板81は、乱数生成回路80dを備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0091】
演出制御基板81は、報知表示部19と接続される。CPU81aは、報知表示部19の表示内容を制御可能である。演出制御基板81は、報知音声部12と接続される。CPU81aは、報知音声部12の出力内容を制御可能である。演出制御基板81は、報知発光部14と接続される。CPU81aは、報知発光部14の発光態様を制御可能である。このように、報知表示部19、報知音声部12、及び報知発光部14は、演出制御基板81(CPU81a)によって制御される。
【0092】
枠制御基板82について詳しく説明する。
図8に示すように、枠制御基板82は、CPU82a、ROM82b、RAM82c、性能表示モニタ82d、球抜きスイッチ82e、エラー解除スイッチ82f、遊技球クリアスイッチ82g、RAMクリアスイッチ82h、バックアップ電源82j、バックアップ回路82k、及び発射許可回路82mを備える。CPU82aは、枠制御基板82において枠制御プログラムを実行することにより、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。ROM82bは、枠制御プログラムなどを記憶している。ROM82bは、枠側照合コードを記憶している。枠側照合コードについては後述する。枠制御基板82は、第1制御手段の一例である。枠制御基板82が備えるROM82bは、第1情報記憶部の一例であり、ROM82bに記憶される枠側照合コードは、第1特定情報の一例である。RAM82cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM82cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
【0093】
性能表示モニタ82dは、一例として、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、かつ大当り遊技が行われていないときの遊技である。ベース値は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって求められる。
【0094】
球抜きスイッチ82eは、パチンコ遊技機10の機内部にある遊技球を機外に排出可能となる状態(以下、球抜き状態と示す)を生起させるために操作されるスイッチである。球抜き状態は、流通機構29から遊技球を排出することが可能となる状態である。球抜きスイッチ82eは、押込み操作がされると球抜き信号を送信する。球抜き信号は、球抜きスイッチ82eの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。球抜き信号は、CPU82aに送信される。
【0095】
エラー解除スイッチ82fは、所定のエラー(一例として後述の供給機構エラー)が設定された場合に、当該エラーの原因が解消された後にエラーの設定を解除するときに操作されるスイッチである。エラーの設定は、当該エラーが検知された場合に行われる。エラー解除スイッチ82fは、押込み操作がされるとエラー解除信号を送信する。エラー解除信号は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。エラー解除信号は、CPU82aに送信される。
【0096】
遊技球クリアスイッチ82gは、RAM82cにデータとして記憶された第2管理球数PB(以下、第2管理球数情報と示す)を0に初期化するときに操作されるスイッチである。遊技球クリアスイッチ82gは、押込み操作がされると遊技球クリア信号を送信する。遊技球クリア信号は、遊技球クリアスイッチ82gの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。遊技球クリア信号は、CPU82aに送信される。
【0097】
RAMクリアスイッチ82hは、RAM80cに記憶される情報、及びRAM82cに記憶される情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)を行うときに操作されるスイッチである。RAMクリアスイッチ82hは、押込み操作がされるとRAMクリア信号を送信する。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ82hの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。RAMクリア信号は、CPU82aに送信されるとともに、遊技制御基板80(CPU80a)に送信される。
【0098】
バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、RAM82cに対してバックアップ電力を供給する。RAM82cは、バックアップ電源82jからバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRAM82cの記憶内容を電源断後にも保持可能である。これに限らず、RAM82cは、電力供給が停止された状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断後にも情報を保持可能であってもよい。
【0099】
一例として、バックアップ電源82jは、外部からの電力供給によって蓄電する蓄電装置である。バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、少なくとも発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイド66aが所定の動作を完了するのに要する所定の時間(以下、供給時間と示す)が経過する迄の間、これらに対してバックアップ電力を供給する。なお、供給時間は、発射制御基板83及び発射ソレノイド66aに供給するために蓄電した電力容量に関連し、当該電力の放出に要する時間であってもよく、所定の回路によって規定される時間であってもよい。
【0100】
発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイド66aは、バックアップ電源82jからバックアップ電力の供給を受けることにより、外部からの電力供給が遮断された後にも所定の動作を実行することができる。発射部65は、通常の発射動作(発射シーケンス)が行われている期間、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、外部からの電力供給が遮断された後にn回の発射動作を可能に構成される。一例として、n=1であるが、これに限らず、n=2でもよく、n≧3であってもよい。
【0101】
RAM82cに記憶される情報には、バックアップの対象となる情報がある。一例として、RAM82cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、第2管理球数情報と、遊技情報と、第1性能情報と、がある。第2管理球数情報は、第2管理球数PBを特定可能な情報である。遊技情報は、遊技の進行状況に応じて遊技制御基板80から通知される情報である。一例として、遊技情報には、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、現在の遊技状態、エラーコードがある。エラーコードは、パチンコ遊技機10においてエラーが検出されているか否かと、エラーが検出されている場合には、そのエラーの種類を特定可能な情報である。エラーコードは、特別情報の一例である。第1性能情報は、ベース値、及び当該ベース値の演算に係る情報である。ベース値の演算に係る情報には、通常遊技時における獲得賞球総数、及び通常遊技時における有効球総数がある。
【0102】
バックアップ回路82kは、電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号をCPU82aに送信する。発射許可回路82mは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を送信する。発射許可信号の送信条件については後述する。
【0103】
枠制御基板82は、計数操作部18と接続される。CPU82aは、計数操作部18が送信する計数信号を受信可能に構成される。枠制御基板82は、第1扉開放スイッチD17、第2扉開放スイッチD18、ファールセンサD21、供給入口センサD22、供給出口センサD23、入賞通路カウントセンサD25、非入賞通路カウントセンサD26、及び球詰り監視センサD27と通信線により接続される。また、枠制御基板82は、搬送入口センサD28、搬送出口センサD29、及びアウトセンサD30と通信線により接続される。CPU82aは、これらのセンサ及びスイッチが送信する第1扉開放信号、第2扉開放信号、ファール信号、供給入口信号、供給出口信号、入賞通路信号、非入賞通路信号、球詰り検知信号、搬送入口信号、搬送出口信号、及びアウト信号を受信可能に構成される。枠制御基板82は、これらのセンサ及びスイッチに繋がる通信線を、枠制御基板82に接続するコネクタ(不図示)を備える。各センサ及び各スイッチは、枠制御基板82と通信線で接続されることにより通電する。各センサ及び各スイッチは、枠制御基板82と通信線で接続されていないと通電しない。CPU82aは、各センサ及び各スイッチが通電しているか否かを検知することが可能である。これにより、CPU82aは、枠制御基板82と各センサ及び各スイッチとを接続する通信線が断線しているか否かを特定可能である。枠制御基板82は、第1扉開放信号及び第2扉開放信号を遊技制御基板80に送信する。
【0104】
枠制御基板82は、報知音声部13と接続される。CPU82aは、報知音声部13の出力内容を制御可能である。枠制御基板82は、第2球数表示部17と接続される。CPU82aは、第2球数表示部17の表示内容を制御可能に構成される。枠制御基板82は、メンテナンス部55と接続される。CPU82aは、メンテナンス部55のメンテナンス動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、搬送部52(搬送モータ52a)と接続される。CPU82aは、搬送部52の搬送動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、供給ソレノイド63bと接続される。CPU82aは、供給ソレノイド63bに対する通電を制御することにより、可動片63aを変位させることができる。つまり、CPU82aは、供給部61による遊技球の供給動作を制御可能に構成される。
【0105】
枠制御基板82は、管理ユニット100と接続される。CPU82aは、CU制御基板120が送信する各種の電文を受信可能に構成される。なお、管理ユニット100が送信する接続信号は、接続端子板98からCPU82aを経由せずに発射許可回路82mへと受信される。発射許可回路82mには、遊技制御基板80が送信する発射停止信号、及びCPU82aが送信するエラー信号も受信される。
【0106】
発射制御基板83は、発射部65の動作を制御するための発射制御回路83aを備える。発射制御回路83aは、枠制御基板82から受信する制御信号、センサやスイッチから受信する信号に基づき、発射ソレノイド66aに対して駆動信号を送信する。
【0107】
発射制御基板83は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続される。発射制御回路83aは、これらのスイッチやセンサが送信するタッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を受信可能に構成される。発射制御基板83は、発射ソレノイド66aと接続される。発射制御回路83aが発射ソレノイド66aに対して駆動信号を送信することにより、発射ソレノイド66aが駆動し、発射ハンマー66が遊技球を打撃する。つまり、発射制御基板83は、発射部65による遊技球の発射動作を制御可能に構成される。
【0108】
発射制御回路83aは、動作判定部、パルスクロック生成部、タイミングパルス生成部、保持回路、及びソレノイド駆動部を有する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで動作可能条件が成立している場合、動作信号をタイミングパルス生成部に送信する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であること、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であること、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることの一部又は全部が満たされていないことにより動作可能条件が成立していない場合、動作信号をタイミングパルス生成部に送信しない。
【0109】
タイミングパルス生成部は、動作信号を受信している場合、当該動作信号とパルスクロック生成部から受信するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部に送信する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを受信する毎に、ハンドルボリュームD03から受信するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド66aへ供給(出力)する。これにより、発射ソレノイド66aは、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた強度にて駆動し、遊技球が発射される。発射制御回路83aは、所定のタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ送信する。保持回路は、動作可能条件が成立しているときに駆動電流が出力される場合、その時点におけるボリューム信号の電圧(電圧値)を保持する。
【0110】
枠制御基板82(CPU82a)が実行する処理について説明する。
枠側電源断処理について説明する。
CPU82aは、バックアップ回路82kが送信する電源断検出信号を受信すると、電源断処理を実行する。枠側電源断処理において、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM82cに記憶させる。また、CPU82aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM82cに記憶させる。その後、CPU82aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM82cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0111】
枠側電源投入処理について説明する。
CPU82aは、電源投入に伴って、枠制御基板82への供給電圧がCPU82aの動作に必要な電圧に達することで起動する。なお、本実施形態においてCPU82aは、電力供給が開始されてから、所定時間ta(一例として500ms)が経過したタイミングで、遊技制御基板80から送信される信号(一例として、後述する起動時情報)を受信可能となる。CPU82aは、電源投入に伴って起動すると、通信チェック処理を実行する。通信チェック処理は、枠側電源断処理が実行されるまで実行される。
【0112】
図10に示すように、通信チェック処理において、CPU82aは、遊技制御基板80から起動時情報を受信したか否かを判定する。一例として、起動時情報は、遊技機の種類、CPU80aのID番号、及びCPU80aの製造者を特定可能な情報(後述する盤側照合コード)である。起動時情報には、通信通番が含まれる。起動時情報に含まれる通信通番は、固定値(一例として0)である。起動時情報は特殊情報の一例である。
【0113】
照合コードは、遊技制御基板80と該遊技制御基板80に接続される枠制御基板82との組み合わせが予め定めた組み合わせであるかを、後述の照合処理において照合するための情報である。照合コードには、遊技制御基板80のROM80bに記憶された照合コード(以下、盤側照合コードと示す)と、枠制御基板82のROM82bに記憶された照合コード(以下、枠側照合コードと示す)とがある。盤側照合コードは、一例としてCPU80aの製造者を特定可能な情報であり、枠側照合コードは、一例としてCPU82aの製造者を特定可能な情報である。
【0114】
図11に示すように、本実施形態では、CPU80aとCPU82aの製造者には、一例として第1製造者~第5製造者があり、CPU80aの製造者とCPU82aの製造者とが同じ製造者である場合には、盤側照合コードと枠側照合コードとが一致するように照合コードが定められている。一例として、CPU80aの製造者とCPU82aの製造者とが、何れも第1製造者である場合には、盤側照合コード及び枠側照合コードが何れも101と定められている。
【0115】
ここで、CPU82aが起動したときに実行する照合処理について説明する。照合処理を実行するCPU82aは、照合部の一例である。
図12に示すように、照合処理において、CPU82aは、遊技制御基板80から送信される起動時情報を受信したかを判定する(ステップS101)。起動時情報を受信していない場合、CPU82aは、照合処理を終了する。起動時情報を受信した場合、CPU82aは、受信した起動時情報から、盤側照合コードを特定する(ステップS102)。
【0116】
次に、CPU82aは、ROM82bに記憶された枠側照合コードを読み出し、特定した盤側照合コードと比較することにより、盤側照合コードと枠側照合コードとが一致するか判定する(ステップS103)。盤側照合コードと枠側照合コードとが一致した場合(ステップS103:YES)、CPU82aは、盤側照合コードと枠側照合コードとが予め定めた組み合わせであることを特定可能な情報(以下、照合フラグと示す)をRAM82cに記憶させる(ステップS104)。そして、CPU82aは、照合処理を終了する。一方、盤側照合コードと枠側照合コードとが一致しなかった場合(ステップS103:NO)、CPU82aは、照合処理を終了する。
【0117】
このように、本実施形態では、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたとき、遊技制御基板80は、枠制御基板82に盤側照合コードを含む起動時情報を送信する。そして、枠制御基板82が起動時情報を受信した場合、枠制御基板82が備えるCPU82aによって、枠側照合コードと、受信した盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合される。CPU82aが、このような照合処理を実行することにより、本実施形態では、互いに接続された遊技制御基板80及び枠制御基板82における盤側照合コードと枠側照合コードとが一致した場合には、遊技制御基板80と枠制御基板82が予め定めた組み合わせで接続されていることが特定される。一方、本実施形態では、互いに接続された遊技制御基板80及び枠制御基板82における盤側照合コードと枠側照合コードとが一致しなかった場合には、遊技制御基板80と枠制御基板82が予め定めた組み合わせで接続されていないことが特定される。
【0118】
照合処理を終了すると、CPU82aは、RAM82cに照合フラグが記憶されているか判定する。RAM82cに照合フラグが記憶されている場合、CPU82aは、受信した起動時情報に対する応答情報を応答時間t2(一例として10ms)以内に遊技制御基板80に送信する。即ち、CPU82aは、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合には、起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信する。起動時情報に対する応答情報は、所定の応答情報の一例である。この応答情報には、受信した起動時情報に応じた通信通番(一例として0)が含まれる。つまり、起動時情報及び起動時情報に対する応答情報には、共通の通信情報の一例としての通信通番が含まれる。
【0119】
その後、CPU82aは、起動時情報を受信したことを特定可能な情報(以下、起動時受信フラグと示す)をRAM82cに記憶させる。一方、CPU82aは、RAM82cに照合フラグが記憶されていない場合、受信した起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信しない。
【0120】
CPU82aは、電源投入によって起動してから所定時間tx(一例として3分)が経過するまでの間に起動時情報を受信しない場合、管理遊技機内通信エラーの発生を特定可能な情報(フラグ)をRAM82cに記憶させる。つまり、CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定する。その後、CPU82aは、起動時情報を受信するまで待機する。CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定中、遊技制御基板80から起動時情報を受信すると、管理遊技機内通信エラーの設定を解除し、起動時受信フラグをRAM82cに記憶させる。
【0121】
以下の説明において、エラーについて「設定する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報(一例としてフラグ)をRAM82cに記憶させることを意味する。エラーについて「設定を解除する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報(一例としてフラグ)をRAM82cから消去させることを意味する。
【0122】
CPU82aは、起動時情報を受信した後、周期時間t3(一例として108ms)が経過するごとに、遊技制御基板80から遊技情報を受信可能である。遊技情報には、通信通番が含まれる。遊技情報に含まれる通信通番は、遊技制御基板80から枠制御基板82へ遊技情報が送信された回数に応じて更新される。CPU82aは、遊技情報を受信すると、受信した遊技情報に対する応答情報を応答時間t2(一例として10ms)以内に遊技制御基板80に送信する。この応答情報には、受信した遊技情報と同じ通信通番が含まれる。
【0123】
CPU82aは、遊技制御基板80から起動時情報又は遊技情報を受信してから所定時間ty(一例として1000ms)が経過するまでの間に次の情報(一例として遊技情報)を受信しない場合、管理遊技機内通信エラーの発生を特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。つまり、CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定する。CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定中、遊技制御基板80から遊技情報を受信すると、管理遊技機内通信エラーの設定を解除する。このように、枠制御基板82は、遊技制御基板80との通信に異常があることを管理遊技機内通信エラーとして検知可能である。
【0124】
CPU82aは、RAM82cに起動時受信フラグが記憶されている場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。ここで、CPU82aは、起動時受信フラグが記憶されていない場合には、起動時受信フラグが記憶されるまで待機する。具体的に、CPU82aは、RAM82cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、枠側電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU82aは、バックアップフラグが記憶されており、かつチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされている情報が異常と判定した場合、CPU82aは、RAM82cに記憶された第2管理球数情報及び遊技情報を初期化する。このとき、CPU82aは、第1性能情報を初期化しない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数情報、遊技情報、及び第1性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0125】
一方、バックアップされている情報が正常と判定した場合、CPU82aは、遊技球クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているか否かを判定する。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが所定の態様で操作されているとき、後述する第2管理球数情報生成処理において、RAM82cに記憶された第2管理球数情報を初期化する。このとき、CPU82aは、遊技情報及び第1性能情報を初期化しない。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されていないとき、第2管理球数情報を初期化しない。
【0126】
CPU82aは、RAMクリア信号がオン状態であるか否かに基づき、RAMクリアスイッチ82hが操作されたか否かを判定する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されているとき、RAM82cに記憶される遊技情報を初期化する。このとき、CPU82aは、第2管理球数情報及び第1性能情報を初期化しない。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されていないとき、遊技情報を初期化しない。つまり、第1性能情報は、遊技球クリアスイッチ82gの操作に応じて第2管理球数情報が初期化される状況、及びRAMクリアスイッチ82hの操作に応じて遊技情報が初期化される状況の何れであっても初期化されない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数情報、遊技情報、及び第1性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0127】
枠制御基板82の枠側通常処理について説明する。
枠側通常処理のうち遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報記憶処理は、遊技制御基板80から受信する遊技情報をRAM82cに記憶する処理である。CPU82aは、遊技状態を特定可能な遊技情報を受信すると、当該遊技情報をRAM82cに記憶させる。CPU82aは、RAM82cに記憶されている遊技情報をCU制御基板120へ送信する。CPU82aは、RAM82cに記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否か、パチンコ遊技機10でエラーが検出されている状態であるか否かと、エラーが検出されている場合にはそのエラーの種類とを特定可能である。その他、CPU82aは、各種の遊技情報を受信すると、受信した遊技情報を特定可能な情報を生成し、RAM82cに記憶させる。
【0128】
枠側通常処理のうち第1性能情報生成処理について説明する。
第1性能情報生成処理は、第1性能情報としてベース値を演算する処理である。CPU82aは、遊技状態フラグを参照し、大当り遊技中ではなく、かつ現在の遊技状態が低確低入球率状態であるか否か(つまり通常遊技時であるか否か)を判定する。通常遊技時である場合、CPU82aは、始動口入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、始動口入賞情報と示す)、又は普通入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、普通入賞情報と示す)を受信すると、通常遊技時における獲得賞球総数を加算する。獲得賞球総数は、第1性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。CPU82aは、入賞通路信号又は非入賞通路信号を受信すると、通常遊技時における有効球総数を加算する。有効球総数は、第1性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。CPU82aは、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって、ベース値を演算する。CPU82aは、1分間毎に区切って獲得賞球総数及び有効球総数を計数し、ベース値の演算を1分毎に行ってもよい。CPU82aは、有効球総数が所定数になる毎に区切って獲得賞球総数を計数し、ベース値の演算を有効球総数が所定数になる毎に行ってもよい。一例として、所定数は、60000球であってもよく、発射部65によって1分当りに発射可能な最大個数(例えば100球)であってもよい。CPU82aは、演算したベース値を特定可能な情報を表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。
【0129】
CPU82aは、第1性能情報として役物比率及び連続役物比率を演算し、性能表示モニタ82dにて表示可能に構成されてもよい。役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、電動役物作動による獲得賞球総数の割合である。電動役物作動による獲得賞球総数とは、普通当り遊技(普通電動役物作動)による第2始動口23Bへの入賞に伴う獲得賞球総数、及び大当り遊技(特別電動役物作動)による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数の和である。連続役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、連続役物作動による獲得賞球総数の割合である。連続役物作動による獲得賞球総数とは、大当り遊技による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数である。
【0130】
枠側通常処理のうち第2性能情報生成処理について説明する。
第2性能情報生成処理は、第2性能情報として特定球数の演算をする処理である。特定球数は、パチンコ遊技機10に電源投入がされてから、全遊技状態を通して、遊技者が所有する遊技球の個数が最も減少したときを基準とした場合における、当該基準からの遊技球の増加球数を特定可能な値である。なお、本実施形態において、特定球数は、RAM82cの所定の領域に記憶され、電源断がされた後、電源投入時にRAMクリアスイッチ82hが操作されたか否かによらず初期値(0)にクリアされる。即ち、本実施形態において、特定球数は、バックアップの対象にならないように構成されている。
【0131】
CPU82aは、電源投入後、全遊技状態において、始動口入賞情報、普通入賞情報、及び大入賞口入賞情報の何れかを受信すると、RAM82cに記憶された特定球数に各入賞情報に応じた賞球数(入賞により付与された賞球数)を加算することにより、特定球数を更新する。また、CPU82aは、電源投入後、全遊技状態において、入賞通路信号又は非入賞通路信号を受信すると、RAM82cに記憶された特定球数を参照する。そして、特定球数が0である場合には、特定球数を更新しない。一方、特定球数が0より大きい場合には、特定球数を1減算することにより、特定球数を更新する。
【0132】
このように、パチンコ遊技機10では、電源投入後、全遊技状態を通して、CPU82aが、各入賞情報を受信したとき、及び入賞通路信号又は非入賞通路信号を受信したときを契機として、RAM82cに記憶された特定球数を更新することにより、現在の特定球数が演算されることになる。
図4に示すように、パチンコ遊技機10では、遊技に使用された(遊技領域20aに到達した)遊技球は、入賞通路カウントセンサD25又は非入賞通路カウントセンサD26に検知されるため、遊技球が使用されると、CPU82aは、入賞通路信号又は非入賞通路信号を受信することになる。つまり、本実施形態においてCPU82aは、電力供給が開始されてから付与された賞球数と電力供給が開始されてから遊技に使用された使用球数とに基づいて、特定球数を計数する。なお、本実施形態では、特定球数が予め定めた上限値(一例として、95000球)に達した場合、特定状態の一例としての定量到達状態となる。定量到達状態については、後に詳しく説明する。
【0133】
枠側通常処理のうち第2管理球数情報生成処理について説明する。
第2管理球数情報生成処理は、第2管理球数PBを生成(管理)するための処理である。CPU82aは、遊技制御基板80から獲得賞球数情報を受信すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得賞球数を第2管理球数PBに加算する。獲得賞球数情報は、所定の入賞口への入賞に伴い、賞球の付与条件が成立すると遊技制御基板80が送信する制御情報であって、当該入賞口に設定された賞球数を特定可能に構成される。このように、CPU82aは、獲得賞球数情報に応じて第2管理球数PBを増加させる。CPU82aは、CU制御基板120から貸出情報を受信すると、貸出情報に示される貸出球数を第2管理球数PBに加算する。このように、CPU82aは、貸出情報に応じて第2管理球数PBを増加させる。
【0134】
CPU82aは、ファールセンサD21が送信するファール信号に基づき、1球の遊技球が戻り球として回収されたこと検知すると、第2管理球数PBを加算する。一例として、CPU82aは、ファール信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が戻り球として回収されたことを検知する。このように、CPU82aは、ファールセンサD21による検知に応じて第2管理球数PBを増加させる。
【0135】
CPU82aは、供給出口センサD23が送信する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。換言すれば、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて遊技領域20aに向けて遊技球が発射されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。一例として、CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が供給されたことを検知する。これにより、電磁的に管理する遊技球(第2管理球数PB)が実球に変換される。このように、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて第2管理球数PBを減少させる。
【0136】
これに限らず、CPU82aは、供給出口センサD23が送信する供給出口信号に代えて、供給入口センサD22が送信する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。CPU82aは、供給入口センサD22が送信する供給入口信号及び供給出口センサD23が送信する供給出口信号の両方に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。つまり、CPU82aは、供給入口センサD22及び供給出口センサD23のうち少なくとも一方による検知に応じて第2管理球数PBを減算させてもよい。
【0137】
また、CPU82aは、発射ソレノイド66aの駆動により第2管理球数PBを減算してもよく、打出通路20cにセンサを設け、当該センサにより発射部65から発射された遊技球を検知したときに第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。このように、第2管理球数PBは、発射部65による発射動作、及び、供給部61による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して減算される。つまり、CPU82aは、遊技球の発射に応じて第2管理球数PBを減少させる。
【0138】
CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数操作部18から計数信号を受信すると、計数球数をRAM82cに記憶されている計数情報を管理ユニット100に送信する。CPU82aは、計数情報から特定可能な計数球数を第2管理球数PBから減算する。CPU82aは、第2管理球数PBを減算してから計数情報を送信してもよく、計数情報を送信してから第2管理球数PBを減算してもよい。
【0139】
一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、かつ第2管理球数PBが0ではない状態である。CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数報知部18aが点灯するように、計数報知部18aに内蔵された発光体を制御する。本実施形態の一例では、計数情報を管理ユニット100へ送信することによって、遊技球数の管理を管理ユニット100へ移す。
【0140】
また、上述したように、CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが所定の態様で操作されている状態のまま電力供給が開始されたとき、第2管理球数情報(第2管理球数PB)を初期化する。
【0141】
CPU82aは、加算又は減算した更新後の第2管理球数PBを特定可能な情報を表示するように、第2球数表示部17を制御する。詳しくは後述するが、第2球数表示部17は、枠制御基板82にて設定(検知)したエラーを特定可能な情報を表示可能な装置として兼用される。
【0142】
このように、パチンコ遊技機10は、遊技者が所有する遊技球の個数(第2管理球数PB)を電磁的にデータとして記憶可能であって、記憶されたデータに基づいて遊技を可能に構成されている。第2管理球数PBのデータを記憶するRAM82cは、データ記憶部の一例である。
【0143】
枠側通常処理のうち枠側エラー設定処理について説明する。
図13に示すように、枠側エラー設定処理は、枠制御基板82で検出されたエラーを設定する処理である。一例として、枠側エラー設定処理において、枠制御基板82(CPU82a)が設定可能なエラーには、上述した管理遊技機内通信エラーの他に、供給機構エラー、枠断線エラー、遊技球数クリアエラー、入賞球数異常エラー、及び扉開放エラーが少なくともある。また、枠側エラー報知処理は、枠側エラー設定処理にてエラーを検出した場合に、所定の報知態様にてエラーを報知させる処理である。なお、枠側エラー設定処理及び枠側エラー報知処理に関する処理内容は後に詳しく説明する。
【0144】
次に、遊技制御基板80(CPU80a)が行う各種の処理について説明する。
盤側電源断処理について説明する。
CPU80aは、バックアップ回路80fが送信する電源断検出信号を受信すると、電源断処理を実行する。盤側電源断処理において、CPU80aは、発射停止信号を枠制御基板82へ送信する。CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM80cに記憶させる。また、CPU80aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM80cに記憶させる。その後、CPU80aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM80cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0145】
盤側電源投入処理について説明する。
CPU80aは、電源投入に伴って、遊技制御基板80への供給電圧がCPU80aの動作に必要な電圧に達して起動すると、タイマ割込み処理を禁止する。続けて、CPU80aは、通信確認処理を実行する。
【0146】
図10に示すように、通信確認処理においてCPU80aは、起動時情報を枠制御基板82へ送信する。前述のように、起動時情報には、盤側照合コードが含まれる。なお、本実施形態において、電力供給が開始されてから遊技制御基板80(CPU80a)が、起動時情報を枠制御基板82に送信可能になるまでの時間は、tb(一例として1500ms)である。なお、前述のように、電力供給が開始されてから枠制御基板82(CPU82a)が起動時情報を受信可能になるまでの時間は、ta(一例として500ms)である。つまり、本実施形態では、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されてから枠制御基板82が起動時情報を受信可能になるまでの時間は、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されてから遊技制御基板80が起動時情報を枠制御基板82に送信可能になるまでの時間よりも短い時間である。
【0147】
CPU80aは、起動時情報を送信してから応答情報を受信することなく所定時間tc(一例として108ms)が経過すると、起動時情報を枠制御基板82へ送信する。以降、CPU80aは、枠制御基板82から応答情報を受信しない場合、所定時間tcが経過するごとに起動時情報を枠制御基板82へ送信する。起動時情報には、通信通番が含まれる。CPU80aは、枠制御基板82から応答情報を受信した場合、起動時情報に対する応答情報を受信したことを特定可能な情報(以下、応答受信フラグと示す)をRAM80cに記憶させる。
【0148】
CPU80aは、起動時情報の送信回数が規定回数(一例として10回)に達すると枠盤通信エラーを検知し、枠盤通信エラーの発生を特定可能な情報をRAM80cに記憶させる。つまり、CPU80aは、枠盤通信エラーを設定する。その後、CPU80aは、電源断がされるまで待機する。本実施形態において、枠制御基板82が管理遊技機内通信エラーを検知するのに要する時間tx(一例として3分)は、遊技制御基板80が枠盤通信エラーを検知するのに要する時間(一例として1080ms)に比して長い。起動時情報は、所定時間tc(一例として108ms)ごとに送信され、起動時情報の送信回数が規定回数(一例として10回)に達すると枠盤通信エラーが検知される。よって、遊技制御基板80が枠盤通信エラーを検知するのに要する時間は、1080msとなる。CPU80aは、枠盤通信エラーを設定した後、電源断を経て電源投入されると、枠盤通信エラーの設定を解除する。
【0149】
CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信した場合、起動時情報を送信してから周期時間t3(一例として108ms)が経過すると、遊技情報を枠制御基板82へ送信する。以降、CPU80aは、周期時間t3が経過するごとに遊技情報を枠制御基板82へ送信する。なお、パチンコ遊技機10においてエラーが発生していない場合、遊技情報には、パチンコ遊技機10においてエラーが発生されていないことを特定可能な情報としてのエラーコード(一例として、P00)が含まれる。一方、パチンコ遊技機10で枠盤通信エラーを除く各種のエラーが発生している場合、遊技情報には、発生しているエラーの種類を特定可能な情報としてのエラーコードが含まれる。また、遊技情報には、定量到達情報が含まれる。定量到達情報は、後述する定量到達状態であるか否かを特定可能な情報である。CPU80aは、後述する定量到達フラグを参照して、定量到達情報を生成する。遊技情報には、通信通番が含まれる。この通信通番は、遊技情報の送信回数に応じて更新される。CPU80aは、遊技情報を送信するごとに、応答情報を受信可能である。この応答情報には、送信した遊技情報と同じ通信通番が含まれる。
【0150】
CPU80aは、遊技情報を規定回数(一例として10回)送信する間に1回も応答情報を受信しなかった場合、枠盤通信エラーの発生を特定可能な情報をRAM80cに記憶させる。つまり、CPU80aは、枠盤通信エラーを設定する。CPU80aは、電源断を経て電源投入されると、枠盤通信エラーの設定を解除する。このように、遊技制御基板80は、枠制御基板82との通信に異常があることを枠盤通信エラーとして検知可能である。
【0151】
CPU80aは、RAM80cに応答受信フラグが記憶されている場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。CPU80aは、RAM80cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU80aは、バックアップフラグが記憶されており、かつ、チェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされた情報が異常と判定された場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されるメイン情報を初期化する。このとき、CPU80aは、RAM80cに記憶されたメイン情報の初期化を行うことにより、RAM80cに記憶されたメイン情報を初期情報とする。RAM80cに記憶された情報の初期化を行うCPU80aは、初期化部の一例である。CPU80aは、各種の情報が初期化されたことを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を演出制御基板81へ送信する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
【0152】
バックアップされた情報を正常と判定した場合、CPU80aは、枠制御基板82(RAMクリアスイッチ87)からRAMクリア信号を受信しているか否かを判定する。RAMクリア信号を受信している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されているメイン情報を初期化する。この場合、CPU80aは、初期化コマンドを演出制御基板81へ送信する。一方、RAMクリア信号を受信していない場合、CPU80aは、バックアップされたメイン情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を演出制御基板81へ送信する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
【0153】
CPU80aは、盤側電源投入処理を終了すると、タイマ割込み処理を許可する。つまり、CPU80aは、遊技を進行させるための処理(以下、盤側通常処理と示す)を実行可能となる。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されていれば、初期化後のメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技が付与されておらず、定量到達フラグが設定されていない状態に基づいて、盤側通常処理に含まれる各種処理を実行する。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されていなければ、バックアップされているメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与し、定量到達フラグが設定されている場合には、後述する定量到達状態となる処理へ復帰する。
【0154】
CPU80aは、所定の制御周期(一例として4ms)毎に行うタイマ割込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
盤側通常処理のうち特別図柄入力処理について説明する。
【0155】
CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を受信したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23Aへ入球した場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第1保留数を1加算して更新する。続けて、CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD11によって検知されると成立する。
【0156】
次に、CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。その後、CPU80aは、第1保留数を特定可能なコマンド(以下、第1保留数コマンドと示す)を演出制御基板81(CPU81a)へ送信する。
【0157】
CPU80aは、第1保留数コマンドを演出制御基板81へ送信した場合、遊技球が第1始動口23Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD12から検知信号を受信したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口23Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口23Bへ入球している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第2保留数を1加算して更新する。CPU80aは、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部21dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD12によって検知されると成立する。
【0158】
次に、CPU80aは、遊技制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、特別ゲームに用いる乱数情報をRAM80cに記憶させておくことで、当該特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。その後、CPU80aは、第2保留数を特定可能なコマンド(以下、第2保留数コマンドと示す)を演出制御基板81(CPU81a)へ送信する。第2保留数コマンドを演出制御基板81へ送信した場合、遊技球が第2始動口23Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。このように、パチンコ遊技機10は、変動ゲームの実行を保留可能である。
【0159】
盤側通常処理のうち特別図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU80aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU80aは、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU80aは、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、CPU80aは、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0160】
第1保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU80aは、第1保留数を1減算して更新する。CPU80aは、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM80cから取得する。CPU80aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。CPU80aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0161】
大当りに当選した場合、CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU80aは、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0162】
大当りに当選しなかった場合、CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU80aは、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0163】
第2保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU80aは、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0164】
CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板81へ送信する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0165】
特別図柄開始処理を終了すると、CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板81に送信する。
【0166】
一例として、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板81に送信する。以上のように、パチンコ遊技機10は、CPU80aが特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することにより、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成される。
【0167】
盤側通常処理のうち大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU80aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU80aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。
【0168】
最初に、CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板81に送信する。CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口23Cを開状態とする。CPU80aは、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口23Cを閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板81に送信する。CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板81に送信する。CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU80aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板81に送信してもよい。
【0169】
盤側通常処理のうち状態移行処理について説明する。
CPU80aは、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高確率状態に制御する。CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、CPU80aは、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットしない。つまり、CPU80aは、低確率状態に制御する。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0170】
CPU80aは、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RAM80cに作動フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高入球率状態に制御する。CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、RAM80cに記憶される実行カウンタの値を更新することにより、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。CPU80aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、RAM80cに記憶される作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
【0171】
盤側通常処理のうち盤側エラー設定処理について説明する。
図13に示すように、盤側エラー設定処理は、エラーを設定する処理である。一例として、盤側エラー設定処理において、遊技制御基板80(CPU80a)が設定可能なエラーには、上述した枠盤通信エラーの他に、不正電波検知エラー、及び主断線エラーが少なくともある。また、盤側エラー報知処理は、盤側エラー設定処理にてエラーを検出した場合に、所定の報知態様にてエラーを報知させる処理である。なお、盤側エラー設定処理及び盤側エラー報知処理に関する処理内容は後に詳しく説明する。
【0172】
演出制御基板81(CPU81a)が実行する各種の処理について説明する。
演出復電処理について説明する。
CPU81aは、初期化コマンドを受信すると、報知装置ESを構成する報知手段の一部又は全部を制御し、RAMクリア報知(初期化報知)を実行させる。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列を読み上げる人の声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、RAMクリア専用の発光パターンにて報知発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な初期化画像SG(
図14(c)に示す)を報知表示部19に表示する態様にて実行される。CPU81aは、RAMクリア報知を開始してから所定時間が経過すると、RAMクリア報知を終了するように報知装置ESを制御する。また、CPU81aは、初期化コマンドを受信すると、所定の背景画像HK、及び所定の演出図柄の組合せを表示するように報知表示部19を制御する。
【0173】
CPU81aは、復電コマンドを受信すると、報知装置ESを構成する報知手段の一部又は全部を制御し、復電報知を実行させる。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列を読み上げる人の声など、復電の実行を特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、復電報知は、復電専用の発光パターンにて報知発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列など、復電の実行を特定可能な復電画像FG(
図15(c)に示す)を報知表示部19に表示する態様にて実行される。CPU81aは、復電報知を開始してから所定時間が経過すると、復電報知を終了するように報知装置ESを制御する。これに限らず、CPU81aは、復電報知を実行させない構成であってもよい。また、CPU81aは、復電コマンドを受信すると、所定の背景画像HK、及び上記所定の演出図柄の組合せとは異なる演出図柄の組合せを表示するように報知表示部19を制御する。
【0174】
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU81aは、オープニングコマンドを受信すると、オープニング演出を実行するように報知装置ESを制御する。CPU81aは、ラウンドコマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように報知装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング開始コマンドを受信すると、エンディング演出を実行するように報知装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング終了コマンドを受信すると、エンディング演出を終了するように報知装置ESを制御する。
【0175】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU81aは、第1保留数コマンドを受信すると、第1保留数コマンドに基づいて保留画像HGを表示させるように報知表示部19を制御する。CPU81aは、第2保留数コマンドを受信すると、第2保留数コマンドに基づいて保留画像HGを表示させるように報知表示部19を制御する。CPU81aは、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを受信すると、演出ゲームを実行するように報知表示部19を含む報知装置ESを制御する。具体的に、CPU81aは、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、CPU81aは、特別図柄コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、CPU81aは、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
【0176】
CPU81aは、変動開始コマンドの受信を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、報知表示部19を制御する。つまり、CPU81aは、演出ゲームを開始させる。また、CPU81aは、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、報知表示部19を含む報知装置ESを制御する。CPU81aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの受信を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、CPU81aは、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0177】
次に、枠制御基板82のCPU82aが、各種センサやスイッチの信号を受信することにより行う各種の処理について説明する。
枠側通常処理のうち供給球数監視処理について説明する。
【0178】
CPU82aは、供給入口センサD22が送信する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知すると供給入口球数を加算する。一例として、CPU82aは、供給入口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知する。CPU82aは、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知すると、供給入口球数に1加算してRAM82cに記憶させる。
【0179】
CPU82aは、供給出口センサD23が送信する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知すると供給出口球数を加算する。一例として、CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知する。CPU82aは、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知すると、供給出口球数に1加算してRAM82cに記憶させる。
【0180】
枠側通常処理のうち入賞球数監視処理について説明する。
CPU82aは、供給出口センサD23が送信する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると発射数Pfを加算する。一例として、CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給されたことを検知する。CPU82aは、更新した発射数Pfを特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。これにより、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数を特定可能である。
【0181】
これに限らず、CPU82aは、供給出口センサD23が送信する供給出口信号に代えて、供給入口センサD22が送信する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、発射数Pfを加算する構成であってもよい。CPU82aは、供給入口センサD22が送信する供給入口信号及び供給出口センサD23が送信する供給出口信号の両方に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、発射数Pfを加算する構成であってもよい。つまり、CPU82aは、供給入口センサD22及び供給出口センサD23のうち少なくとも一方による検知に応じて発射数Pfを加算させてもよい。
【0182】
また、CPU82aは、発射ソレノイド66aの駆動により発射数Pfを加算してもよく、打出通路20cにセンサを設け、当該センサにより発射部65から発射された遊技球を検知したときに発射数Pfを加算する構成であってもよい。このように、発射数Pfは、発射部65による発射動作、及び、供給部61による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して加算される。つまり、CPU82aは、遊技球の発射に応じて発射数Pfを加算する。
【0183】
CPU82aは、アウトセンサD30が送信するアウト信号に基づき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたこと検知すると、回収数Pgを加算する。一例として、CPU82aは、アウト信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたことを検知する。このように、CPU82aは、アウトセンサD30による検知に応じて回収数Pgを加算する。CPU82aは、更新した回収数Pgを特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。
【0184】
これに限らず、アウトセンサD30が送信するアウト信号に代えて、入賞通路カウントセンサD25が送信する入賞通路信号、及び、非入賞通路カウントセンサD26が送信する非入賞通路信号に基づき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたことを検知すると、回収数Pgを加算する構成であってもよい。
【0185】
CPU82aは、ファールセンサD21が送信するファール信号に基づき、1球の遊技球が戻り球として回収されたこと検知すると、回収数Pgを加算する。一例として、CPU82aは、ファール信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が戻り球として回収されたことを検知する。このように、CPU82aは、ファールセンサD21による検知に応じて回収数Pgを加算する。CPU82aは、更新した回収数Pgを特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。これにより、CPU82aは、アウトセンサD30及びファールセンサD21による検知に応じて遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数を特定可能である。
【0186】
以下、枠制御基板82(CPU82a)が検知可能なエラーについて説明する。枠制御基板82(CPU82a)は、枠側エラー設定処理を実行することにより、各種のエラーを検知して設定することが可能である。
【0187】
管理遊技機内通信エラーは、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われないことを検知条件とする。CPU82aは、上述した通信チェック処理において、管理遊技機内通信エラーを検知可能である。CPU82aは、電源投入によって起動してから時間tx(一例として3分)が経過するまでの間に起動時情報を受信しない場合、遊技制御基板80との通信が正常に行われないことを特定する。具体的に、CPU82aは、電源投入によって起動した後、起動時情報を受信するまで、電源投入されてからの起動後時間を計測する。CPU82aは、起動時情報を受信すると、起動後時間の計測を止める。CPU82aは、起動後時間が所定時間txに達した場合、管理遊技機内通信エラーを設定する。
【0188】
また、CPU82aは、遊技制御基板80から起動時情報又は遊技情報を受信してから所定時間ty(一例として1000ms)が経過するまでの間に次の情報(一例として遊技情報)を受信しない場合、遊技制御基板80との通信が正常に行われないことを特定する。具体的に、CPU82aは、起動時情報又は遊技情報を受信した後、次の情報を受信するまで、起動時情報又は遊技情報を受信してからの受信時間を計測する。CPU82aは、次の情報を受信すると、受信時間の計測を止める。CPU82aは、受信時間が所定時間tyに達した場合、管理遊技機内通信エラーを設定する。
【0189】
管理遊技機内通信エラーは、通信が正常に行われることを解除条件とする。CPU82aは、起動時情報を受信すると、管理遊技機内通信エラーの設定を解除する。つまり、管理遊技機内通信エラーの設定は、管理遊技機内通信エラーが設定されることとなる原因が解消されると解除される。管理遊技機内通信エラーは、球抜きスイッチ82eの操作によってパチンコ遊技機10の機内部に封入された遊技球を機外に排出可能とする球抜き状態中及び球抜き状態中以外の何れも確認区間として検出される。一例として、管理遊技機内通信エラーは、電源が投入されてから、電源が遮断されるまで、常時、検出される。
【0190】
以上のように、CPU82aは、遊技制御基板80から起動時情報又は遊技情報を受信しないことに基づいて、管理遊技機内通信エラーを設定する。ここで、遊技制御基板80から起動時情報又は遊技情報を受信しない状況としては、例えば、枠制御基板82と遊技制御基板80とを接続する通信線が断線していることが考えられる。この場合は、特に、枠制御基板82が遊技制御基板80から情報を受信するための通信線が断線していることが考えられる。その他、枠制御基板82が遊技制御基板80に情報を送信するための通信線が断線している場合、遊技制御基板80は、枠盤通信エラーを設定し、遊技情報の送信を中止させる。これにより、CPU82aは、遊技情報を受信できずに、管理遊技機内通信エラーを設定することになる。このように、枠制御基板82が遊技制御基板80に情報を送信するための通信線が断線している場合であっても、管理遊技機内通信エラーの設定がされる。
【0191】
供給機構エラーは、供給入口センサD22が検知した遊技球数と、供給出口センサD23が検知した遊技球数と、の差が所定数(一例として50)以上となったことを検知条件とする。CPU82aは、供給入口球数と供給出口球数との差が所定数に達した場合、供給機構エラーを設定する。つまり、CPU82aは、供給入口センサD22による検知数と、供給出口センサD23による検知数との差が所定数以上となったときに供給機構エラーを設定する。より具体的に、CPU82aは、供給入口球数が供給出口球数よりも所定定数以上に多くなったときに供給機構エラーを設定する。また、CPU82aは、供給入口球数が供給出口球数よりも所定数以上に少なくなったときに供給機構エラーを設定する。CPU82aは、供給機構エラーを設定すると、供給機構エラーの発生を特定可能な制御情報である供給機構エラー設定コマンドを遊技制御基板80へ送信する。
【0192】
供給機構エラーは、エラー解除スイッチ82fの押込み操作が所定時間td(一例として2秒)行われたことを解除条件とする。CPU82aは、エラー解除信号がオン状態のまま所定時間tdが経過したときに供給機構エラーの設定を解除する。供給機構エラーの設定を解除する場合、CPU82aは、RAM82cに記憶されている供給入口球数及び供給出口球数を初期化する。このように、供給機構エラーの設定は、電力供給を停止しなくても、エラー解除スイッチ82fが操作されたことに基づいて解除することができる。そして、供給機構エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fが操作されたまま所定時間tdが経過したときに解除される。CPU82aは、供給機構エラーの設定を解除すると、供給機構エラーの解消を特定可能な制御情報である供給機構エラー解除コマンドを遊技制御基板80へ送信する。
【0193】
供給機構エラーは、CPU82aが起動時情報を受信した後、確認区間として検出される。なお、供給入口球数及び供給出口球数は、CPU82aが起動時情報を受信するまで更新されない。つまり、供給球数監視処理において、CPU82aは、電力供給が開始した後、起動時情報を受信するまで、供給入口センサD22による検知数、及び、供給出口センサD23による検知数を計数しない。このため、供給機構エラーは、電力供給が開始した後、起動時情報を受信するまで検出されない。供給球数監視処理は、供給機構エラーを検出するための処理であることから、枠側エラー設定処理の1つである。
【0194】
枠断線エラーは、枠制御基板82に接続されるスイッチ又はセンサについて断線などの異常を検知したことを検知条件とする。CPU82aは、各センサ及び各スイッチが通電していないことを検知した場合、枠断線エラーを設定する。つまり、CPU82aは、枠制御基板82に接続されるスイッチ又はセンサとの通信に異常があるときに枠断線エラーを設定する。CPU82aは、枠断線エラーを設定すると、枠断線エラーの発生を特定可能な制御情報である枠断線エラー設定コマンドを遊技制御基板80へ送信する。このように、CPU82aは、枠制御基板82に接続されるスイッチ又はセンサとの通信に異常があることを枠断線エラーとして検知可能である。
【0195】
枠断線エラーは、枠制御基板82に接続されるスイッチ又はセンサについて断線などの異常が解消されたことを解除条件とする。CPU82aは、各センサ及び各スイッチが通電していることを検知した場合、枠断線エラーの設定を解除する。CPU82aは、枠断線エラーの設定を解除すると、枠断線エラーの解消を特定可能な制御情報である枠断線エラー解除コマンドを遊技制御基板80へ送信する。枠断線エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0196】
遊技球数クリアエラーは、遊技球クリアスイッチ82gが所定の態様で操作されている状態のまま電力供給が開始されたことを検知条件とする。CPU82aは、電力供給が開始されたとき、遊技球クリア信号がオン状態であった場合、遊技球数クリアエラーを設定する。つまり、CPU82aは、第2管理球数情報(第2管理球数PB)が初期化されたときに遊技球数クリアエラーを設定する。CPU82aは、遊技球数クリアエラーを設定すると、遊技球数クリアエラーの発生を特定可能な制御情報である遊技球数クリアエラー設定コマンドを遊技制御基板80へ送信する。
【0197】
遊技球数クリアエラーは、供給出口センサD23、ファールセンサD21、又はアウトセンサD30が遊技球を検知してから特定時間(一例として30秒)経過したことを解除条件とする。CPU82aは、供給出口センサD23が送信する供給出口信号、ファールセンサD21が送信するファール信号、又はアウトセンサD30が送信するアウト信号を受信した場合、解除時間の計測を開始する。CPU82aは、解除時間が特定時間を超えると遊技球数クリアエラーの設定を解除する。上述したように、供給出口センサD23によって遊技球が検知されたとき、ファールセンサD21によって遊技球が検知されたとき、又はアウトセンサD30によって遊技球が検知されたときは、遊技球が遊技領域20aに向けて発射されたことを特定することができる。このように、CPU82aは、遊技球の発射を特定してから特定時間が経過すると遊技球数クリアエラーの設定を解除する。CPU82aは、遊技球数クリアエラーの設定を解除すると、遊技球数クリアエラーの解消を特定可能な制御情報である遊技球数クリアエラー解除コマンドを遊技制御基板80へ送信する。遊技球数クリアエラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0198】
入賞球数異常エラーは、供給出口センサD23が検知した遊技球数と、ファールセンサD21及びアウトセンサD30が検知した遊技球数と、の差が特定数(一例として100)以上となったことを検知条件とする。CPU82aは、発射数Pfと回収数Pgとの差が特定数に達した場合、入賞球数異常エラーを設定する。つまり、CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数と、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数と、の差が特定数以上となったときに入賞球数異常エラーを設定する。なお、CPU82aは、入賞球数異常エラーを設定した後、入賞球数監視処理において、発射数Pf及び回収数Pgを更新してもよいし、更新しなくてもよい。
【0199】
より具体的に、CPU82aは、発射数Pfが回収数Pgよりも特定数以上に多くなったときに入賞球数異常エラーを設定する。つまり、CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数が、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数よりも特定数以上に多くなったときに入賞球数異常エラーを設定する。また、CPU82aは、発射数Pfが回収数Pgよりも特定数以上に少なくなったときに入賞球数異常エラーを設定する。つまり、CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数が、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数よりも特定数以上に少なくなったときに入賞球数異常エラーを設定する。CPU82aは、入賞球数異常エラーを設定すると、入賞球数異常エラーの発生を特定可能な制御情報である入賞球数異常エラー設定コマンドを遊技制御基板80へ送信する。
【0200】
入賞球数異常エラーは、電源復帰を解除条件とする。入賞球数異常エラーの設定は、電源断を経て電源投入されると解除され、電源復帰以外に解除する方法がない。例えば、入賞球数異常エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされても解除されない。例えば、入賞球数異常エラーの設定は、発射数Pfと回収数Pgとの差が特定数未満となっても解除されない。より具体的に、入賞球数異常エラーの設定は、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数と、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数と、の差が特定数未満になっても解除されない。入賞球数異常エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0201】
CPU82aは、電源断を経て電源投入されると、入賞球数異常エラーの設定を解除する。CPU82aは、電源断時に入賞球数異常エラーの設定を解除してもよく、電源投入時に入賞球数異常エラーの設定を解除してもよい。つまり、CPU82aは、電力供給の停止、又は、電力供給の開始に伴って入賞球数異常エラーの設定を解除する。
【0202】
扉開放エラーは、第1扉開放スイッチD17、又は第2扉開放スイッチD18の何れかのオフ状態を検知したことを検知条件とする。CPU82aは、検知条件が成立すると、扉開放エラーを設定する。CPU82aは、扉開放エラーを設定すると、扉開放エラーの発生を特定可能な制御情報である扉開放エラー設定コマンドを遊技制御基板80へ送信する。扉開放エラーは、第1扉開放スイッチD17及び第2扉開放スイッチD18の両方のスイッチのオン状態を検知したことを解除条件とする。CPU82aは、第1扉開放スイッチD17及び第2扉開放スイッチD18の両方のスイッチのオン状態を検知すると、扉開放エラーの設定を解除する。CPU82aは、扉開放エラーの設定を解除すると、扉開放エラーの解消を特定可能な制御情報である扉開放エラー解除コマンドを遊技制御基板80へ送信する。扉開放エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0203】
なお、管理遊技機内通信エラーが設定されている状況は、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われていないことから、管理遊技機内通信エラーの発生を特定可能な制御情報としてのコマンドが遊技制御基板80に送信されない。CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定しているときに、管理遊技機内通信エラーの発生を特定可能な制御情報である管理遊技機内通信エラー設定コマンドを遊技制御基板80に送信してもよい。この場合、枠制御基板82が遊技制御基板80に情報を送信するための通信線が断線していると、管理遊技機内通信エラー設定コマンドを遊技制御基板80が受信できない。
【0204】
以下の説明では、枠制御基板82(CPU82a)が、エラーを設定したとき、又は、エラーの設定を解除したときに、遊技制御基板80に送信するコマンドを総称して「枠エラーコマンド」と示す。枠エラーコマンドのうち、エラーが設定されたことを特定可能な制御コマンドを総称して「枠エラー設定コマンド」と示す。枠エラーコマンドのうち、エラーの設定が解消されたことを特定可能な制御コマンドを総称して「枠エラー解除コマンド」と示す。枠エラー設定コマンドは、設定されたエラーの種類を特定可能な制御コマンドでもある。枠エラー解除コマンドは、設定が解除されたエラーの種類を特定可能な制御コマンドでもある。CPU82aは、エラーの種類に応じて、枠エラー設定コマンド及び枠エラー解除コマンドを遊技制御基板80に送信する。
【0205】
遊技制御基板80(CPU80a)は、枠エラー設定コマンドを受信すると、受信した枠エラー設定コマンドに基づき、枠制御基板82において設定中のエラーを特定可能な情報(以下、枠側エラー情報と示す)を更新してRAM80cに記憶させる。CPU80aは、枠エラー解除コマンドを受信すると、受信した枠エラー解除コマンドに基づき、枠側エラー情報を更新してRAM80cに記憶させる。これにより、CPU80aは、枠制御基板82において設定中のエラーを特定可能である。CPU80aは、受信した枠エラー設定コマンド及び枠エラー解除コマンドを演出制御基板81に送信する。
【0206】
演出制御基板81(CPU81a)は、枠エラー設定コマンドを受信すると、受信した枠エラー設定コマンドに基づき、パチンコ遊技機10において設定中のエラーを特定可能な情報(以下、エラー情報示す)を更新してRAM81cに記憶させる。CPU81aは、枠エラー解除コマンドを受信すると、受信した枠エラー解除コマンドに基づき、エラー情報を更新してRAM81cに記憶させる。これにより、CPU81aは、パチンコ遊技機10において設定中のエラーを特定可能である。
【0207】
以下、遊技制御基板80(CPU80a)が検知可能なエラーについて説明する。遊技制御基板80(CPU80a)は、盤側エラー設定処理を実行することにより、各種のエラーを検知して設定することが可能である。
【0208】
不正電波検知エラーは、異常な電波を所定回数(一例として10回)検知したことを検知条件とする。CPU80aは、異常な電波が発生したことを不正電波検知エラーとして検知する。CPU80aは、電波センサD19から電波検知信号を受信すると、電波検知回数を加算する。具体的に、CPU80aは、電波検知信号がオフ状態→オン状態のように遷移するとき、電波検知回数に1加算する。つまり、CPU80aは、電波センサD19が検知した回数を電波検知回数として計数する。CPU80aは、更新した電波検知回数を特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。CPU80aは、電波検知回数が所定回数に達した場合、不正電波検知エラーを設定する。この所定回数は、10回であることに限らない。2回~9回のうち何れかであってもよく、11回以上であってもよい。所定回数は、1回ではなく、複数回であることが好ましい。つまり、不正電波検知エラーは、電波センサD19による検知回数が複数回である所定回数に達すると設定される。このように、CPU80aは、電波センサD19が送信する電波検知信号の受信状況に基づいて電波検知回数を更新し、当該電波検知回数に基づいて不正電波検知エラーを設定する。CPU80aは、不正電波検知エラーを設定すると、不正電波検知エラーの発生を特定可能な制御情報である不正電波検知エラー設定コマンドを演出制御基板81、及び枠制御基板82へ送信する。
【0209】
不正電波検知エラーは、電波を用いた不正(ゴト行為)が行われている可能性が高い状態である。不正電波検知エラーは、電源復帰を解除条件とする。不正電波検知エラーの設定は、電源断を経て電源投入されると解除され、電源復帰以外に解除する方法がない。例えば、不正電波検知エラーの設定は、電波センサD19が検知しなくなったとしても解除されない。つまり、不正電波検知エラーの設定は、不正電波検知エラーが設定されることとなる原因が解消されても解除されない。
【0210】
CPU80aは、電源断を経て電源投入されると、不正電波検知エラーの設定を解除する。CPU80aは、電源断時に不正電波検知エラーの設定を解除してもよく、電源投入時に不正電波検知エラーの設定を解除してもよい。つまり、CPU80aは、電力供給の停止、又は、電力供給の開始に伴って不正電波検知エラーの設定を解除する。不正電波検知エラーの設定を解除する場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されている電波検知回数を初期化する。CPU80aは、電源断時に電波検知回数を初期化してもよく、電源投入時に電波検知回数を初期化してもよい。このように、CPU80aは、不正電波検知エラーの設定を電力供給が停止するまで解除しない。また、CPU80aは、電波検知回数を電力供給が停止するまで初期化しない。なお、電源投入後、再び異常な電波が所定回数検知されれば、電源投入後にも不正電波検知エラーが設定される。不正電波検知エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0211】
枠盤通信エラーは、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われないことを検知条件とする。前述のように、CPU80aは、起動時情報の送信回数が規定回数(一例として10回)に達した場合、枠制御基板82との通信が正常に行われないことを特定する。具体的に、CPU80aは、電源投入によって起動した後、枠制御基板82から応答情報を受信するまで起動時情報を送信する。CPU80aは、起動時情報の送信回数を計数する。CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信すると、送信回数を初期化する。CPU80aは、送信回数が規定回数に達した場合、枠盤通信エラーを設定する。
【0212】
また、CPU80aは、遊技情報を規定回数(一例として10回)送信する間に1回も応答情報を受信しなかった場合、枠制御基板82との通信が正常に行われないことを特定する。具体的に、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信した後、周期時間t3(一例として108ms)が経過するごとに遊技情報を送信する。CPU80aは、遊技情報を送信するごとに遊技情報の送信回数を計数する。CPU80aは、遊技情報に対する応答情報を受信すると、送信回数を初期化する。CPU80aは、送信回数が規定回数に達した場合、枠盤通信エラーを設定する。CPU80aは、枠盤通信エラーを設定すると、枠盤通信エラーの発生を特定可能な制御情報である枠盤通信エラー設定コマンドを演出制御基板81へ送信する。
【0213】
枠盤通信エラーは、電源復帰を解除条件とする。枠盤通信エラーの設定は、電源断を経て電源投入されると解除され、電源復帰以外に解除する方法がない。例えば、枠盤通信エラーの設定は、応答情報を受信しても解除されない。つまり、枠盤通信エラーの設定は、枠盤通信エラーが設定されることとなる原因が解消されても解除されない。
【0214】
CPU80aは、電源断を経て電源投入されると、枠盤通信エラーの設定を解除する。CPU80aは、電源断時に枠盤通信エラーの設定を解除してもよい。枠盤通信エラーの設定を解除する場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されている送信回数を初期化する。CPU80aは、電源断時に送信回数を初期化してもよい。枠盤通信エラーは、球抜き状態中及び球抜き状態中以外の何れも確認区間として検出される。一例として、枠盤通信エラーは、電源が投入されてから、電源が遮断されるまで、常時、検出される。
【0215】
以上のように、CPU80aは、枠制御基板82から応答情報を受信しないことに基づいて、枠盤通信エラーを設定する。これにより、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われない場合に、枠盤通信エラーが設定されることとなる。ここで、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われない状況としては、例えば、枠制御基板82と遊技制御基板80とを接続する通信線が断線していることが考えられる。この場合は、特に、遊技制御基板80が枠制御基板82から情報を受信するための通信線が断線していることが考えられる。その他、遊技制御基板80が枠制御基板82に情報を送信するための通信線が断線している場合、枠制御基板82は、起動時情報及び遊技情報を受信できないことから、応答情報を遊技制御基板80に送信しない。つまり、CPU80aは、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであっても、遊技制御基板80と枠制御基板82とを接続する通信線が断線している場合には、応答情報を受信できずに、枠盤通信エラーを設定することになる。
【0216】
また、枠制御基板82と遊技制御基板80とを接続する通信線が断線していない場合であっても、前述のように枠制御基板82が行う照合処理において枠側照合コードと盤側照合コードとが一致しなかった場合、枠制御基板82は、照合処理を行った後、受信した起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信しない。つまり、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、枠制御基板82は、起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信しない。この場合にも、CPU80aは、応答情報を受信できずに、枠盤通信エラーを設定することになる。
【0217】
このように、本実施形態では、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない場合、枠盤通信エラーが発生する。そして、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない状況には、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない状況が含まれる。
【0218】
主断線エラーは、遊技制御基板80に接続されるセンサについて断線などの異常を検知したことを検知条件とする。CPU80aは、各センサが通電していないことを検知した場合、主断線エラーを設定する。つまり、CPU80aは、遊技制御基板80に接続されるセンサとの通信に異常があるときに主断線エラーを設定する。CPU80aは、主断線エラーを設定すると、主断線エラーの発生を特定可能な制御情報である主断線エラー設定コマンドを演出制御基板81、及び枠制御基板82へ送信する。このように、CPU80aは、遊技制御基板80に接続されるセンサとの通信に異常があることを主断線エラーとして検知可能である。
【0219】
主断線エラーは、遊技制御基板80に接続されるセンサについて断線などの異常が解消されたことを解除条件とする。CPU80aは、各センサが通電していることを検知した場合、主断線エラーの設定を解除する。CPU80aは、主断線エラーの設定を解除すると、主断線エラーの解消を特定可能な制御情報である主断線エラー解除コマンドを演出制御基板81、及び枠制御基板82へ送信する。主断線エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0220】
このように、CPU80aは、パチンコ遊技機10において不正電波検知エラー、枠盤通信エラー、及び主断線エラーが発生していることを検知する検知手段として機能する。以下の説明では、遊技制御基板80(CPU80a)が、エラーを設定したとき、又は、エラーの設定を解除したときに、演出制御基板81、及び遊技制御基板80に送信するコマンドを総称して「盤エラーコマンド」と示す。盤エラーコマンドのうち、エラーが設定されたことを特定可能な制御コマンドを総称して「盤エラー設定コマンド」と示す。盤エラーコマンドのうち、エラーの設定が解消されたことを特定可能な制御コマンドを総称して「盤エラー解除コマンド」と示す。盤エラー設定コマンドは、設定されたエラーの種類を特定可能な制御コマンドでもある。盤エラー解除コマンドは、設定が解除されたエラーの種類を特定可能な制御コマンドでもある。CPU80aは、エラーの種類に応じて、盤エラー設定コマンド及び盤エラー解除コマンドを枠制御基板82及び演出制御基板81に送信する。なお、枠盤通信エラーが設定されている状況は、遊技制御基板80と枠制御基板82との通信が正常に行われていないことから、盤エラーコマンドが枠制御基板82に送信されないが、演出制御基板81に送信される。CPU80aは、枠盤通信エラーを設定しているときに、盤エラーコマンドを枠制御基板82に送信しない。CPU80aは、枠盤通信エラーを設定しているときに、盤エラーコマンドを遊技制御基板80に送信してもよい。この場合、遊技制御基板80が枠制御基板82に情報を送信するための通信線が断線していると、盤エラーコマンドを枠制御基板82が受信できない。
【0221】
枠制御基板82(CPU82a)は、盤エラー設定コマンドを受信すると、受信した盤エラー設定コマンドに基づき、遊技制御基板80において設定中のエラーを特定可能な情報(以下、盤側エラー情報と示す)を更新してRAM82cに記憶させる。CPU82aは、盤エラー解除コマンドを受信すると、受信した盤エラー解除コマンドに基づき、盤側エラー情報を更新してRAM82cに記憶させる。これにより、CPU82aは、遊技制御基板80において設定中のエラーを特定可能である。
【0222】
演出制御基板81(CPU81a)は、盤エラー設定コマンドを受信すると、受信した盤エラー設定コマンドに基づき、エラー情報を更新してRAM81cに記憶させる。CPU81aは、盤エラー解除コマンドを受信すると、受信した盤エラー解除コマンドに基づき、エラー情報を更新してRAM81cに記憶させる。これにより、CPU81aは、パチンコ遊技機10において設定中のエラーを特定可能である。
【0223】
CPU80aは、枠盤通信エラーが設定されていない状況であって、遊技制御基板80及び枠制御基板82において枠盤通信エラーを除く各種のエラーが設定中である場合、枠制御基板82に送信する遊技情報として、設定中のエラーの種類を特定可能なエラーコードを送信する。一例として、遊技制御基板80で主断線エラーの設定中である場合、エラーコードとして「P12」を枠制御基板82に送信する。なお、CPU80aは、複数通りのエラーが設定されている場合、例えば、
図13の図中の「優先度」の欄に示すように、複数通りのエラーのうち、優先度の高いエラーのエラーコードを枠制御基板82に送信する。優先度は、エラー報知を行う優先順位に相当する。一例として、不正電波検知エラーと、主断線エラーとが設定されている場合、CPU80aは、不正電波検知エラーを特定可能なエラーコードとして「P10」を枠制御基板82に送信する。なお、CPU80aは、枠盤通信エラーが設定されていない状況であって、遊技制御基板80及び枠制御基板82においてエラーが設定されていない場合、パチンコ遊技機10においてエラーが設定されていないことを特定可能なエラーコードとして「P00」を枠制御基板82に送信する。枠制御基板82(CPU82a)は、遊技情報に含まれるエラーコードを受信することにより、パチンコ遊技機10において設定中のエラーのうち、枠盤通信エラーを除く各種のエラーを特定可能である。なお、枠盤通信エラーが設定されている状況は、遊技制御基板80と枠制御基板82との通信が正常に行われていないことから、遊技情報が枠制御基板82に送信されない。つまり、枠盤通信エラーが設定されている状況では、枠盤通信エラーを特定可能なエラーコードが遊技制御基板80から枠制御基板82に送信されない。つまり、本実施形態では、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合において、枠盤通信エラーを除く各種のエラーが発生しているとき、CPU80aから枠制御基板82にエラーコードが送信される。例えば、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合において、不正電波検知エラーが発生しているとき、及び主断線エラーが発生しているとき、CPU80aから枠制御基板82に、発生しているエラーに対応したエラーコードが送信される。
【0224】
なお、CPU80aは、枠盤通信エラーを設定しているときに、遊技情報を枠制御基板82に送信しないが、CPU80aは、枠盤通信エラーを設定しているときに、遊技情報を枠制御基板82に送信してもよい。この場合、遊技制御基板80が枠制御基板82に情報を送信するための通信線が断線していると、遊技情報を枠制御基板82が受信できない。
【0225】
また、CPU80aは、複数通りのエラーのうち、一例として、枠盤通信エラー、供給機構エラー、及び扉開放エラー(
図13の「発射停止」欄に「○」を付したエラー)を設定中、遊技球の発射を規制する制御を行う。CPU80aは、枠盤通信エラー、供給機構エラー、及び扉開放エラーのうち少なくとも1つのエラーが設定されている場合、発射停止信号を枠制御基板82(発射許可回路82m)へ送信する。つまり、発射停止信号がオン状態になる。発射許可回路82mは、発射停止信号を受信すると、発射制御基板83に対する発射許可信号がオフ状態となり、その送信が停止される。以上のように、発射許可信号の送信条件は、遊技球の発射が許容される発射許可状態であることで成立する。つまり、発射許可信号の送信条件は、発射禁止状態であると成立しない。本実施形態のパチンコ遊技機10では、枠盤通信エラー、供給機構エラー、及び扉開放エラー以外のエラーを設定中、遊技球の発射を規制する制御は行われず、遊技球を発射させることができる。
【0226】
発射許可状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されており、遊技制御基板80にて所定のエラー(一例として枠盤通信エラー)が発生しておらず、かつ、枠制御基板82にて所定のエラー(一例として供給機構エラー又は扉開放エラー)が発生していない状態、及び後述する定量到達状態ではない状態である。発射禁止状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されていないこと、遊技制御基板80にて所定のエラーが発生していること、枠制御基板82にて所定のエラーが発生していること、及び後述する定量到達状態であることのうち1つ又は複数が生じている状態である。なお、同じ扉開放のエラー状態であっても、第2扉開放信号を受信している場合は、上記所定のエラーに該当せず、その発生によっては発射禁止状態とならないようにしてもよい。
【0227】
また、CPU80aは、複数通りのエラーのうち、一例として、枠盤通信エラーを設定中、賞球の付与を規制する制御を行う。CPU80aは、枠盤通信エラーを設定している場合、各入賞センサD11~D15からの検知信号を受信しても、枠制御基板82に獲得賞球数情報を送信しない。この場合、各入賞センサD11~D15に遊技球が検知されても、第2管理球数PBが加算されないこととなるため、賞球が付与されないことになる。また、CPU80aは、枠盤通信エラーを設定中、遊技の進行を規制する制御を行う。CPU80aは、枠盤通信エラーを設定している場合、前述の盤側通常処理を実行しない。これにより、枠盤通信エラーの設定中には、特別ゲームが実行されず、大当り遊技が付与されないことになる。
【0228】
このように、本実施形態では、枠盤通信エラーの設定中に、パチンコ遊技機10における遊技の実行が制限される。なお、本実施形態において、遊技の実行が制限されることとは、前述のように、発射禁止状態となること、賞球の付与が規制される状態となること、及び遊技の進行が規制される状態となることのすべてであるが、これらの状態のうち何れかの状態となることであってもよい。例えば、遊技の実行が制限されることは、発射禁止状態となることであり、かつ、賞球の付与が規制される状態及び遊技の進行が規制される状態にならないことであってもよい。また、例えば、遊技の実行が制限されることは、発射禁止状態及び賞球の付与が規制される状態にならないことであり、かつ、遊技の進行が規制される状態になることであってもよい。
【0229】
また、CPU80aは、複数通りのエラーのうち、一例として、枠盤通信エラーを設定した場合、RAM80cに記憶されたメイン情報を初期化する。このため、枠盤通信エラーが設定された後、電源断を経て電源投入されることにより、枠盤通信エラーが解除された後には、枠盤通信エラーが設定される前にバックアップされていたメイン情報に基づいて復帰することができない。例えば、保留されている変動ゲームがある状況において、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、パチンコ遊技機10への電力供給が再開された後、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合には、枠盤通信エラーが設定される。また、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであっても、通信線が断線している等により、遊技制御基板80と枠制御基板82とで情報の送受信ができない場合には、遊技制御基板80が枠制御基板82から起動時情報に対する応答情報を受信することができず、枠盤通信エラーが設定される。即ち、本実施形態では、保留されている変動ゲームがある状況において、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、パチンコ遊技機10への電力供給が再開された後、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合されなかった場合には、枠盤通信エラーが設定される。このとき、RAM80cに記憶されたメイン情報に含まれる変動ゲームの保留数に関する情報は初期化されることになる。これにより、例えば、保留されている変動ゲームがある状況において、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、電力供給が再開された後、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合されなかった場合には、電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームが実行されない。一方で、保留されている変動ゲームがある状況において、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、電力供給が再開された後、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合された場合には、変動ゲームの保留数に関する情報に基づいて、電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームを実行可能である。
【0230】
枠側通常処理のうち枠側エラー報知処理について説明する。
CPU82aは、枠盤通信エラーを除く各種のエラーを設定中、当該設定中であるエラーを特定可能な情報の一例であるエラーコードを表示するように、第2球数表示部17の表示内容を制御する。CPU82aは、遊技制御基板80から送信される遊技情報から設定中であるエラーのエラーコードを特定可能である。エラーコードは、エラーごとに固有の情報である。例えば、
図13の図中の「エラーコード」の欄に示すように、不正電波検知エラーには[P10]、管理遊技機内通信エラーには[E10]、供給機構エラーには[E11]、枠断線エラーには[E12]など、それぞれにエラーコードが設定されている。CPU82aは、エラーコードの表示と、遊技球数の表示と、を所定時間毎に交互に切り替える。また、CPU82aは、複数通りのエラーを設定している場合、例えば、
図13の図中の「優先度」の欄に示すように、複数通りのエラー状態のうち、優先度の高いエラー状態のエラーコード及び遊技球数を所定時間ずつ順に表示させる。優先度は、エラー報知を行う優先順位に相当する。例えば、入賞球数異常エラーが発生している場合に扉開放エラーが発生した場合、エラー報知の優先度に応じて入賞球数異常エラー報知が実行される。なお、CPU82aは、複数通りのエラーを設定している場合、複数通りのエラーコード及び遊技球数を所定時間ずつ順に表示させる構成であってもよい。あるいは、CPU82aは、エラーコードを表示させ、遊技球数を表示させない構成であってもよい。CPU82aは、設定中のエラーが解除されると、解除されたエラーに対応するエラーコードの表示を終了するように、第2球数表示部17を制御する。本実施形態の一例において、枠制御基板82で検出できる全てのエラーは、第2球数表示部17におけるエラーコードの表示対象となっている。また、遊技制御基板80で検出されるエラーのうち、不正電波検知エラー、及び主断線エラーは、第2球数表示部17におけるエラーコードの表示対象である。一方で、遊技制御基板80で検出されるエラーのうち、枠盤通信エラーについては、第2球数表示部17におけるエラーコードの表示対象ではない。枠盤通信エラーが設定されている状況であっても、第2球数表示部17には、枠盤通信エラーのエラーコードが表示されない。第2球数表示部17は、エラーを報知する報知実行手段として兼用されている。遊技者が所有する遊技球の個数の報知、及びエラーコードの報知を行う第2球数表示部17は、第2報知手段の一例である。
【0231】
CPU82aは、設定中であるエラーを特定可能とするエラーコードを表示するように、性能表示モニタ82dの表示内容を制御する。つまり、エラーコードは、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dの両方に表示される。CPU82aは、エラーコードの表示と、ベース値(性能情報)の表示とを所定時間毎に交互に切り替える。また、CPU82aは、複数通りのエラーを設定している場合、例えば、
図13の図中の「優先度」の欄に示すように、複数通りのエラーのうち、最も優先度の高いエラーのエラーコード及びベース値を所定時間ずつ順に表示させる。これに限らず、CPU82aは、複数通りのエラーを設定している場合、複数通りのエラーコード、及びベース値を所定時間ずつ順に表示させる構成であってもよい。あるいは、CPU82aは、エラーコードを表示させ、ベース値を表示させない構成であってもよい。さらに、CPU82aは、性能表示モニタ82dにおいて、ベース値及びエラーコードに加えて、遊技球数を表示させる構成であってもよい。この場合、CPU82aは、これら3種類の情報を所定時間毎に切り替えながら順に表示させるとよい。CPU82aは、設定中のエラーが解除されると、エラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ82dを制御する。本実施形態の一例において、枠制御基板82で検出できる全てのエラーは、性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示対象である。また、遊技制御基板80で検出されるエラーのうち、不正電波検知エラー、及び主断線エラーは、性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示対象である。一方で、遊技制御基板80で検出されるエラーのうち、枠盤通信エラーは、性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示対象ではない。このため、枠盤通信エラーが設定されている状況であっても、性能表示モニタ82dには、枠盤通信エラーのエラーコードが表示されない。本実施形態の性能表示モニタ82dは、エラーを報知する手段として兼用される。CPU82aは、性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示と、第2球数表示部17におけるエラーコードの表示と、を同じ又は略同じタイミングで開始させる。ベース値の報知、及びエラーコードの報知を行う性能表示モニタ82dは、第2報知手段の一例である。
【0232】
このように、CPU82aは、遊技制御基板80から送信されるエラーコードを受信したとき、エラーコードに基づいて、枠盤通信エラーを除く各種のエラー(一例として、不正電波検知エラー、主断線エラーなど)が発生していることを特定可能な情報の報知が行われるように第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dを制御する。
【0233】
CPU82aは、設定中であるエラーを特定可能とする音声パターンにて報知音声を出力するように、報知音声部13を制御する。つまり、CPU82aは、設定中であるエラーを報知する音声報知(以下、エラー音声報知と示す)を実行させる。例えば、本実施形態の一例において、CPU82aは、不正電波検知エラー、管理遊技機内通信エラー、供給機構エラー、枠断線エラー、主断線エラー、遊技球数クリアエラー、入賞球数異常エラー、及び扉開放エラーを報知対象とし、これらのエラーを設定中であるときにエラー音声報知を実行させる。CPU82aは、枠盤通信エラーを報知対象とせず、枠盤通信エラーを報知するためのエラー音声報知を実行させない。エラー音声報知の音声パターンは、エラーの種類ごとに異なる内容であり、設定中であるエラーの概要を特定可能な内容である。一例として、不正電波検知であれば、「エラーコードP10が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる音声である。
【0234】
また、CPU82aは、前述のように、エラーの発生を検出すると、RAM82cに発生したエラーを特定可能な情報を記憶させる(RAM82cに発生したエラーを設定する)。本実施形態においてCPU82aは、複数のエラーが同時期に発生してこれらのエラーを検出している場合、発生したエラーを特定可能な情報を上書きして記憶させるのではなく、発生した全てのエラーを特定し得るように情報を記憶させる。このように発生した全てのエラーを特定し得る状況下においてCPU82aは、優先度に応じてエラー報知を実行させる。そして、CPU82aは、エラーの解除条件が成立した場合、その成立したエラーの解除条件に適合するエラーについては、設定を解除する。つまり、エラーの解除条件が同じであるエラーが同時期に検出されている状況では、発生しているエラーについて一括して設定を解除する。具体的に言えば、エラーの解除条件を電源復帰と定めている不正電波検知エラー、枠盤通信エラー、及び入賞球数異常エラーが同時期に設定されている状況では、電源が遮断された後、電源が復帰されることにより、これら3つのエラーが一括して解除される。
【0235】
また、CPU82aは、エラーの解除条件が成立した場合、エラー報知を行う装置によるエラー報知を終了させる。つまり、エラー報知を終了することにより、設定が解除されたエラーが認識可能となる。前述のように、CPU82aは、設定が解除されたエラーの種類を特定可能な制御情報である枠エラー解除コマンドを遊技制御基板80に送信する。これにより、遊技制御基板80のCPU80aが制御しているエラー報知を終了させることができる。なお、本実施形態においてエラーの解除条件を成立させるためのエラー解除スイッチ82fの操作を行っているときには、球抜きスイッチ82eの操作及び遊技球クリアスイッチ82gの操作に基づいて解除される所定状態は解除されない。球抜きスイッチ82eの操作は、球抜き状態を生起させる操作であるから、上記の場合に解除されない所定状態は球抜きが行えない非球抜き状態が相当する。また、遊技球クリアスイッチ82gの操作は、第2管理球数情報を0に初期化する状態を生起させる操作であるから、上記の場合に解除されない所定状態は第2管理球数情報を0に初期化せずに計数結果を保持している状態が相当する。換言すれば、エラー解除スイッチ82fの操作中は、球抜き状態や第2管理球数情報を0に初期化する状態は生じない。
【0236】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10においてエラーの解除条件は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって作り出される遊技状態が異なっても同じ条件で成立する。例えば、エラー解除スイッチ82fの操作によるエラーの解除条件は、低確低入球率状態、高確低入球率状態、低確高入球率状態、及び高確高入球率状態の何れの遊技状態でも、同じ条件で成立する。つまり、エラーは、遊技状態に関係なく、エラーの解除条件の成立によって解消される。
【0237】
演出制御基板81(CPU81a)が実行する演出側エラー報知処理について説明する。
CPU81aは、不正電波検知エラー設定コマンドを受信すると、報知装置ESを構成する報知手段の一部又は全部を制御し、不正電波検知エラー報知を実行させる。一例として、不正電波検知エラー報知は、「エラーコードP10が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる音声など、不正電波検知エラーが発生したことを特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、不正電波検知エラー報知は、不正電波検知エラー専用の発光パターンにて報知発光部14を発光させる態様にて実行される。
【0238】
図14(a)に示すように、一例として、不正電波検知エラー報知は、「不正電波検知エラー」の文字列など、不正電波検知エラーが発生したことを特定可能な画像EG2を報知表示部19の画像表示領域19aに表示する態様にて実行される。遊技制御基板80における不正電波検知のエラーの設定は、電源が遮断された後、電源が復帰されるまで解除されない。つまり、CPU81aは、不正電波検知エラーの報知を開始させると、電源が遮断されるまで、不正電波検知エラー報知を継続するように、報知装置ESを制御する。なお、CPU81aは、電源が遮断された後、電源が復帰したときに不正電波検知エラーの設定が解除されたことを特定可能な盤エラー解除コマンドを受信するようにしてもよく、該盤エラー解除コマンドを受信したときに不正電波検知エラー報知を終了するように、報知装置ESを制御するようにしてもよい。
【0239】
CPU81aは、枠盤通信エラー設定コマンドを受信すると、報知装置ESを構成する報知手段の一部又は全部を制御し、枠盤通信エラー報知を実行させる。一例として、枠盤通信エラー報知は、「エラーコードP20が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる音声など、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、枠盤通信エラー報知は、枠盤通信エラー専用の発光パターンにて報知発光部14を発光させる態様にて実行される。
【0240】
図14(b)に示すように、一例として、枠盤通信エラー報知は、「枠盤通信エラー」の文字列など、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1を報知表示部19の画像表示領域19aに表示する態様にて実行される。遊技制御基板80における枠盤通信エラーの設定は、電源が遮断された後、電源が復帰されるまで解除されない。つまり、CPU81aは、枠盤通信エラーの報知を開始させると、電源が遮断されるまで、枠盤通信エラー報知を継続するように、報知装置ESを制御する。なお、CPU81aは、電源が遮断された後、電源が復帰したときに枠盤通信エラーの設定が解除されたことを特定可能な盤エラー解除コマンドを受信するようにしてもよく、該盤エラー解除コマンドを受信したときに枠盤通信エラー報知を終了するように、報知装置ESを制御するようにしてもよい。
【0241】
前述のように、枠盤通信エラーは、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない場合に設定される。即ち、本実施形態では、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない場合、報知装置ESの報知態様は、枠盤通信エラー報知の報知態様となる。枠盤通信エラー報知の報知態様(枠盤通信エラー報知における報知装置ESを構成する各報知手段の報知態様)は、特定の報知態様の一例である。
【0242】
CPU81aは、主断線エラー設定コマンドを受信すると、報知装置ESを構成する報知手段の一部又は全部を制御し、主断線エラー報知を実行させる。一例として、主断線エラー報知は、「エラーコードP12が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる音声など、主断線エラーが発生したことを特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、主断線エラー報知は、主断線エラー専用の発光パターンにて報知発光部14を発光させる態様にて実行される。
【0243】
一例として、主断線エラー報知は、「主断線エラー」の文字列など、主断線エラーが発生したことを特定可能な画像を報知表示部19の画像表示領域19aに表示する態様にて実行される。CPU81aは、遊技制御基板80に接続されるセンサについて断線などの異常が解消されたことを特定可能な特定可能な主断線エラー解除コマンドを受信すると、主断線エラー報知を終了するように、報知装置ESを制御する。
【0244】
また、
図13に例示したエラー状態であって、上述した不正電波検知エラー、枠盤通信エラー、及び主断線エラーを除くエラー状態のうち、全て又は一部のエラー状態についてもCPU81aによる制御によってエラー報知が実行される。つまり、CPU81aは、受信した枠エラーコマンドに応じて報知装置ESを制御し、エラー報知を実行させる。一例として、入賞球数異常エラー報知は、「入賞数異常が発生しました」の文字列を読み上げる音声など、入賞球数異常エラーの発生を特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、入賞球数異常エラー報知は、入賞球数異常エラー専用の発光パターンにて報知発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、入賞球数異常エラー報知は、「入賞数異常発生!」の文字列など、入賞球数異常エラーの発生を特定可能な画像を報知表示部19に表示する態様にて実行される。なお、報知装置ESを構成する報知手段によるエラー報知の報知パターンは、エラーの種類毎に定められている。つまり、報知パターンは、エラーの種類を特定できるように、その一部又は全部が異なっている。報知パターンの一部又は全部が異なるとは、報知を行う報知手段自体が異なることや、報知を行う報知手段は同じであっても、報知内容が異なることによって創出されている。例えば、音声が異なる、発光時間や発光色が異なる、画像が異なるなどである。
【0245】
報知装置ESを構成する報知手段によるエラー報知は、そのエラー報知の対象となるエラーの解除条件が成立してエラーが解除されることによって終了される。エラー報知が終了されることにより、解除されたエラーが認識可能となる。
【0246】
ここで、電源投入後に起動時情報を受信したCPU82aが照合処理を行った結果、盤側照合コードと枠側照合コードが一致した場合と一致しなかった場合における報知態様の一例について説明する。
【0247】
前述のように、CPU82aは、
図12に示す照合処理におけるステップS103の処理において、盤側照合コードと枠側照合コードとが一致した場合、受信した起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信する。前述のように、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信した場合、バックアップされている情報が正常であるか否か及びRAMクリア信号を受信しているか否かに応じて、初期化コマンド又は復電コマンドを演出制御基板81へ送信する。
【0248】
図14(c)に示すように、演出制御基板81(CPU81a)は、初期化コマンド、又は復電コマンドを受信した場合、受信したコマンドに応じて、RAMクリア報知又は復電報知を実行させるように報知装置ESを制御する。即ち、本実施形態では、パチンコ遊技機10への電力供給が開始された後、遊技制御基板80(CPU80a)が起動時情報に対する応答情報を受信した場合には、初期化コマンド又は復電コマンドが演出制御基板81へ送信される。このとき、報知装置ESにおいてRAMクリア報知又は復電報知が実行される。RAMクリア報知及び復電報知は、特定報知の一例である。そして、CPU81aは、受信したコマンドに応じて、初期化画像SG又は復電画像FGを表示させるように報知表示部19を制御する。また、CPU81aは、所定の背景画像HK、及び受信したコマンドに応じて、所定の演出図柄又は所定の演出図柄とは異なる演出図柄の組合せを表示するように報知表示部19を制御する。即ち、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合には、所定の背景画像HK、及び受信したコマンドに応じて所定の演出図柄又は所定の演出図柄とは異なる演出図柄の組合せを表示する報知態様で、報知表示部19による報知が行われる。報知表示部19に所定の背景画像HK、及び演出図柄(所定の演出図柄又は所定の演出図柄とは異なる演出図柄)が表示される報知は、所定の報知の一例である。即ち、報知表示部19は、電力供給が開始されたとき、所定の報知を実行可能である。
【0249】
一方、前述のように、CPU82aは、
図12に示す照合処理におけるステップS103の処理において、盤側照合コードと枠側照合コードが一致しなかった場合、受信した起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信しない。即ち、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、CPU80aは。起動時情報に対する応答情報を受信することができない。前述のように、このとき、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信しないことに基づいて、枠盤通信エラーを設定する。
【0250】
図14(b)に示すように、枠盤通信エラーが設定された場合、演出制御基板81(CPU81a)は、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1を表示するように報知表示部19を制御する。このとき、RAMクリア報知又は復電報知は実行されない。即ち、パチンコ遊技機10に電力供給が開始された後、CPU80aが起動時情報に対する応答情報を受信しない場合には、報知装置ESにおいてRAMクリア報知及び復電報知が実行されない。そして、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合には、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1を表示する報知態様で、報知表示部19による報知が行われる。このように、本実施形態では、報知表示部19の報知態様は、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合と、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合とで異なる。
【0251】
また、パチンコ遊技機10は、枠盤通信エラーが設定されると、報知表示部19に画像EG1が表示され、報知表示部19に所定の背景画像HK、及び演出図柄(所定の演出図柄又は所定の演出図柄とは異なる演出図柄)が表示される報知(所定の報知)の実行が制限される。つまり、本実施形態では、電力供給が開始されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、所定の報知の実行が制限され、このとき、報知表示部19の報知態様が、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1を表示する報知態様となる。本実施形態において、所定の報知の実行が制限されることは、一例として所定の報知が実行されない(所定の背景画像HK、及び演出図柄(所定の演出図柄又は所定の演出図柄とは異なる演出図柄)が表示されない)ことであるが、これに限らない。所定の報知の実行が制限されることは、所定の報知が実行された上でその一部が制限されてもよい。例えば、所定の報知の実行が制限されることは、報知表示部19に表示される所定の背景画像HK、及び演出図柄よりも手前のレイヤに重ねるように画像EG1が表示されることにより、所定の背景画像HK、又は演出図柄の一部が視認できなくなることであってもよい。また、例えば、所定の報知の実行が制限されることは、報知表示部19に表示される所定の背景画像HK、及び演出図柄よりも手前のレイヤに重ねるように画像EG1が表示されることにより、所定の背景画像HK及び演出図柄の全部が視認できなくなることであってもよい。
【0252】
そして、本実施形態では、前述のように、電力供給が開始されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合には、所定の報知の実行が制限されない。このとき、報知表示部19の報知態様は、所定の背景画像HK、及び受信したコマンドに応じて所定の演出図柄又は所定の演出図柄とは異なる演出図柄の組合せを表示する報知態様となる。所定の報知の実行が制限されないときの報知表示部19における所定の背景画像HK、及び受信したコマンドに応じて所定の演出図柄又は所定の演出図柄とは異なる演出図柄の組合せを表示する報知態様は、第1態様の一例である。一方、所定の報知の実行が制限されるときの報知表示部19の報知態様は、第2態様の一例である。第2態様のうち、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1が表示される報知態様は、特定の報知態様の一例である。つまり、本実施形態において特定の報知態様は、第2態様に含まれる。
【0253】
なお、前述のように、枠盤通信エラーのほかに、不正電波検知エラー、及び主断線エラーが発生している場合にも、これらのエラーが発生したことを特定可能な画像が報知表示部19に表示される。そして、本実施形態では、不正電波検知エラーが発生したことを特定可能な画像、及び主断線エラーが発生したことを特定可能な画像が報知表示部19に表示されるときも、所定の報知の実行が制限されるようになっている。このとき、報知表示部19の報知態様は第2態様となる。即ち、本実施形態では、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであって、枠盤通信エラーが発生していない場合でも、不正電波検知エラー及び主断線エラーが発生しているときには、所定の報知の実行が制限される。不正電波検知エラー及び主断線エラーは、特定エラーの一例である。即ち、本実施形態では、電力供給が開始されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであっても、特定エラーが発生している場合には、所定の報知の実行が制限され、報知表示部19の報知態様が第2態様となる。
【0254】
次に、保留されている変動ゲームがある状況において、変動ゲームの実行中に電源断がされ、復電後に起動時情報を受信したCPU82aが照合処理を行った結果、枠側照合コードと盤側照合コードが一致した場合と一致しなかった場合における報知態様の一例について説明する。
【0255】
図15(a)に示すように、保留されている変動ゲームがある状況において変動ゲームの実行中であるとき、報知表示部19には、所定の背景画像HK、保留画像HG、及び変動中の演出図柄が表示されている。そして、
図15(b)に示すように、この状況で電源断がされる。その後、RAMクリアスイッチ82hが操作されずに電源投入がされた場合、CPU80aからCPU82aに起動時情報が送信され、起動時情報を受信したCPU82aは、照合処理を行う。CPU82aは、照合処理において枠側照合コードと盤側照合コードとが一致した場合、受信した起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信する。CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信した場合、バックアップされているメイン情報に基づいて復帰するとともに、復電コマンドを演出制御基板81へ送信する。
【0256】
図15(c)に示すように、CPU81aは、復電コマンドを受信した場合、復電報知を実行させるように報知装置ESを制御する。このとき、CPU81aは、「復電中です」の文字列を模した、RAMクリアが実行されていないことを特定可能な復電画像FGを表示させるように報知表示部19を制御する。また、CPU81aは、復電コマンドを受信すると、所定の背景画像HK、及び上記所定の演出図柄の組合せとは異なる演出図柄の組合せを表示するように報知表示部19を制御する。なお、このとき本実施形態では、電源断がされる前に表示されていた保留画像HGは表示されないことになるが、前述のようにCPU80aは、バックアップされているメイン情報(保留数に関する情報)に基づいて復帰している。このため、本実施形態では、保留されている変動ゲームがある状況において電力供給が遮断され、電力供給が再開された後、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致した場合には、メイン情報に含まれる変動ゲームの保留数に関する情報に基づいて、電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームを実行可能である。
【0257】
一方、前述のように、CPU82aは、照合処理において枠側照合コードと盤側照合コードとが一致しなかった場合、受信した起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信しない。この場合、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信しないことに基づいて枠盤通信エラーを設定する。そして、枠盤通信エラーが設定された場合、CPU81aは、
図15(d)に示すように、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1を表示するように報知表示部19を制御する。即ち、CPU82aが照合処理を行った結果、枠側照合コードと盤側照合コードとが予め定めた組み合わせではない場合には、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1を表示する報知態様で、報知表示部19による報知が行われる。
【0258】
例えば、変動ゲームの実行中に、枠制御基板82に何らかの不具合が生じた場合、電源断を行った上で、遊技制御基板80に接続される枠制御基板82を別の枠制御基板82に交換することなどが考えられる。このような場合において、本実施形態では、電源断がされた後、電源復帰したときに、枠側照合コードと盤側照合コードが予め定めた組み合わせであるか否かにより、電源復帰後の報知表示部19の報知態様を異ならせている。また、電源復帰したときに枠側照合コードと盤側照合コードが予め定めた組み合わせである場合には、電源断がされる前に保留されていた変動ゲームを電源復帰後にも実行可能としている。
【0259】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における定量終了機能について説明する。
定量終了機能は、前述の第2性能情報生成処理において、CPU82aにより計数される特定球数が、予め定めた上限数(一例として、95000球)に達した場合に、所定のタイミングで作動する。定量終了機能が作動する所定のタイミングは、特定球数が大当り遊技中ではないときに上限数に達した場合には、特定球数が上限数に達したタイミングであり、特定球数が大当り遊技中に上限数に達した場合には、大当り遊技が終了したタイミングである。つまり、大当り遊技中ではないときに特定球数が上限数に達した場合には、特定球数が上限数に達したタイミングで定量終了機能が作動する。一方、大当り遊技中に特定球数が上限数に達した場合には、大当り遊技が終了したタイミングで定量終了機能が作動する。パチンコ遊技機10では、定量終了機能が作動すると定量到達状態となる。
【0260】
CPU82aは、RAM82cに記憶された特定球数が上限数未満であるか判定する。特定球数が上限数未満ではない場合、CPU82aは、RAM82cに記憶された遊技情報を参照し、大当り遊技中であるか判定する。大当り遊技中ではない場合、CPU82aは、CPU80aに定量到達状態であることを特定可能な定量到達状態設定コマンドを送信する。大当り遊技中である場合、CPU82aは、RAM82cに記憶された遊技情報を繰り返し参照し、大当り遊技中ではないと判定したタイミングで、CPU80aに定量到達状態設定コマンドを送信する。定量到達状態設定コマンドを受信したCPU80aは、RAM80cに定量到達状態であることを特定可能な情報として、定量到達フラグを設定する。CPU80aは、受信した定量到達状態設定コマンドを演出制御基板81に送信する。
【0261】
演出制御基板81(CPU81a)は、定量到達状態設定コマンドを受信すると、受信した定量到達状態設定コマンドに基づき、定量到達状態であることを特定可能な情報をRAM81cに記憶させる。
【0262】
なお、本実施形態において、定量到達状態が解除される条件は、RAM80cの記憶内容が初期化されることである。前述のように、定量到達フラグは、バックアップの対象となるメイン情報に含まれるため、電源投入時にRAM80cの記憶内容が初期化されることにより定量到達フラグの設定が解除される。これにより、定量到達状態が解除されることになる。なお、前述のように、RAM80cの記憶内容が初期化された場合、CPU80aは、演出制御基板81(CPU81a)に、初期化コマンドを送信する。CPU81aは、初期化コマンドを受信すると、定量到達状態ではないことを特定可能な情報をRAM81cに記憶させる。これにより、CPU81aは、パチンコ遊技機10において定量到達状態であることを特定可能となる。
【0263】
前述のように、本実施形態において定量到達状態が生じているときは、発射禁止状態である。CPU80aは、RAM80cに記憶された定量到達フラグを参照し、定量到達フラグが設定されている場合には、発射停止信号を枠制御基板82(発射許可回路82m)へ送信する。発射許可回路82mは、発射停止信号を受信すると、発射制御基板83に対する発射許可信号がオフ状態となり、その送信が停止される。
【0264】
また、CPU80aは、定量到達状態であるとき、賞球の付与を規制する制御を行う。CPU80aは、RAM80cに定量到達フラグが記憶されている場合、各入賞センサD11~D15からの検知信号を受信しても、枠制御基板82に獲得賞球数情報を送信しない。この場合、各入賞センサD11~D15に遊技球が検知されても、第2管理球数PBが加算されないこととなるため、賞球が付与されないことになる。また、CPU80aは、定量到達状態であるとき、遊技の進行を規制する制御を行う。CPU80aは、RAM80cに定量到達フラグが記憶されている場合、前述の盤側通常処理を実行しない。これにより、定量到達状態であるときには、特別ゲームが実行されず、大当り遊技が付与されないことになる。
【0265】
このように、本実施形態では、枠盤通信エラーの設定中に加え、定量到達状態であるときにも、パチンコ遊技機10における遊技の実行が制限される。そして、本実施形態において、パチンコ遊技機10の電力供給が遮断されているときから電力供給が開始されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであって、枠盤通信エラーが設定されていない場合であっても、定量到達状態であるときには、パチンコ遊技機10における遊技の実行が制限される。
【0266】
演出制御基板81(CPU81a)が実行する定量到達状態報知処理について説明する。
CPU81aは、定量到達状態設定コマンドを受信すると、報知装置ESを構成する報知手段の一部又は全部を制御し、定量到達状態報知を実行させる。一例として、定量到達状態報知は、「一日に払出可能な上限に達しました、本日は遊技終了です」の文字列を読み上げる音声など、定量到達状態が発生したことを特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、定量到達状態報知は、定量到達状態専用の発光パターンにて報知発光部14を発光させる態様にて実行される。
【0267】
図14(d)に示すように、一例として、定量到達状態報知は、「定量到達状態中、一日に払出し可能な上限に達しました、本日は遊技終了です」の文字列など、定量到達状態を特定可能な画像EG3を報知表示部19の画像表示領域19aに表示する態様にて実行される。遊技制御基板80における定量到達フラグの設定は、電源が遮断された後、電源投入時にRAM80cの記憶内容が初期化されるまで解除されない。つまり、CPU81aは、定量到達状態報知を開始させると、電源が遮断されるまで、定量到達状態報知を継続するように、報知装置ESを制御する。なお、CPU81aは、電源が遮断された後、電源投入時にRAM80cの記憶内容が初期化されたときに定量到達フラグの設定が解除されたことを特定可能な定量到達状態解除コマンドを受信するようにしてもよい。そして、定量到達状態解除コマンドを受信したときに定量到達状態報知を終了するように、報知装置ESを制御するようにしてもよい。
【0268】
なお、本実施形態において定量到達状態報知よりも、パチンコ遊技機10において検知可能なすべてのエラーの報知のほうが優先して実行される。本実施形態において、定量到達状態報知よりもエラー報知のほうが優先して実行されるとは、エラー報知の実行中には定量到達状態報知が実行されないこと、及び定量到達状態報知とエラー報知が両方実行され、このとき定量到達状態報知よりもエラー報知のほうが認識し易い報知態様で実行されることのうち何れかである。
【0269】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)電力供給が開始されたときに、枠制御基板82のROM82bに記憶された枠側照合コードと、遊技制御基板80のROM80bに記憶された盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合部により照合される。これにより、枠制御基板82と遊技制御基板80とが、予め定めた組み合わせで接続されているかを判定することができる。そして、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合と、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合とで報知装置ESの報知態様が異なる。このため、電力供給が開始されたときに報知装置ESの報知態様を確認することにより、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであるか把握させることができ、ひいては、枠制御基板82と遊技制御基板80とが、予め定めた組み合わせで接続されているかを把握させることができる。よって、制御手段を正しい組み合わせとした上で遊技を行わせることができる。
【0270】
(2)照合部は、枠制御基板82に備えられており、電力供給が開始されたとき、遊技制御基板80は、枠制御基板82に盤側照合コードに加え、盤側照合コードとは異なる情報を含む起動時情報を送信し、枠制御基板82において、枠側照合コードと盤側照合コードが予め定めた組み合わせであるか照合される。よって、遊技制御基板80から枠制御基板82に盤側照合コードを送信するのに際し、起動時情報として、盤側照合コードに加え、盤側照合コードとは異なる情報も送信することができるため、遊技制御基板80から枠制御基板82へ効率良く情報を送信することができる。よって、盤側照合コードと、盤側照合コードとは異なる情報を個々に送信する場合に比して、パチンコ遊技機10が起動するときに遊技制御基板80から枠制御基板82に送信すべき情報を早く送信することができるため、電力供給が開始されてからパチンコ遊技機10が起動するまでの時間を短縮することができる。
【0271】
(3)枠制御基板82は、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合に、起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信する。しかし、例えば、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合でも、枠制御基板82と遊技制御基板80の通信線が断線しているときには、遊技制御基板80は、枠制御基板82からの起動時情報に対する応答情報を受信できない。本実施形態において枠制御基板82は、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合にも、起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信しない。このため、枠制御基板82と遊技制御基板80の通信線が断線しているときと、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないときとで、遊技制御基板80に同じ処理を行わせることができる。
【0272】
(4)枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合に、枠制御基板82から遊技制御基板80に起動時情報に対する応答情報が送信された後、遊技制御基板80が起動時情報に対する応答情報を受信することを条件としてRAMクリア報知又は復電報知が実行される。よって、RAMクリア報知又は復電報知が実行されるか否かにより、枠制御基板82が起動時情報に対する応答情報を受信したか否かを遊技機の製造者や遊技場の管理者等(以下、メンテナンスを行う者と示す)に把握させることができる。そして、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されているか否かをメンテナンスを行う者に把握させることができる。そして、メンテナンスを行う者が、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていることを把握した場合には、枠制御基板82と遊技制御基板80の接続を維持することにより、正しい組み合わせの制御手段で遊技を行わせることができる。一方、メンテナンスを行う者が、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていないことを把握した場合には、枠制御基板82と遊技制御基板80の組み合わせを正しい組み合わせとした上で遊技を行わせることができる。
【0273】
(5)電力供給が開始されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合には、報知表示部19において、所定の背景画像HK、及び演出図柄を表示する報知(所定の報知)の実行が制限されず、報知表示部19の報知態様が、所定の報知の実行が制限されないときの報知態様となる。一方、電力供給が開始されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合には、報知表示部19において、所定の報知の実行が制限され、報知表示部19の報知態様が、所定の報知の実行が制限されるときの報知態様となる。このように構成されていることを前提として、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであっても、特定エラー(不正電波検知エラー及び主断線エラー)が発生しているときには、所定の報知の実行が制限され、報知表示部19の報知態様が、所定の報知の実行が制限されるときの報知態様となる。これにより、所定の報知の実行が制限され、報知表示部19の報知態様が、所定の報知の実行が制限されるときの報知態様となった場合には、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されているか否かと、特定エラーが発生しているか否かの両方について、メンテナンスを行う者に注意を促すことができる。その結果、メンテナンスを行う者が特定エラーが発生していることを把握した場合には、特定エラーを解除するための処置を行った上で遊技を行わせることができる。一方、メンテナンスを行う者が、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていないことを把握した場合には、枠制御基板82と遊技制御基板80の組み合わせを正しい組み合わせとした上で遊技を行わせることができる。
【0274】
(6)枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせである場合において、特定エラー(不正電波検知エラー及び主断線エラー)が発生しているとき、CPU80aから枠制御基板82にエラーコードが送信される。そして、エラーコードを受信した枠制御基板82は、特定エラーが発生していることを特定可能な情報の報知が行われるように第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dを制御する。よって、所定の報知の実行が制限されている状況において、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dで特定エラーの報知が行われている場合には、メンテナンスを行う者に特定エラーが発生していることを把握させることができ、更に、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであることも把握させることができる。また、特定エラーが発生しているときには、報知装置ESに加え、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにおいても特定エラーが発生していることを特定可能な報知が行われるため、報知装置ESのみにおいてエラー報知が行われる場合に比して、メンテナンスを行う者に特定エラーが発生していることを更に把握させ易くすることができる。
【0275】
(7)遊技制御基板80が枠制御基板82に送信する起動時情報と、遊技制御基板80が枠制御基板82から受信する起動時情報に対する応答情報に、共通の通信通番が含まれている。これにより、例えば、枠制御基板82が応答情報を遊技制御基板80に送信する際に、起動時情報に対する応答情報を送信したことを特定可能な情報を新たに生成しなくても、受信した通信通番と同じ通信通番を遊技制御基板80に送信することにより、起動時情報に対する応答情報を送信したことを遊技制御基板80に特定させることができる。よって、起動時情報と、起動時情報に対する応答情報に共通の通信通番が含まれない場合に比して、遊技制御基板80と枠制御基板82との通信を行わせる制御プログラムを簡素化することができる。
【0276】
(8)電力供給が開始されたとき、遊技制御基板80は、盤側照合コードを含む起動時情報を枠制御基板82に送信し、枠制御基板82は、起動時情報を受信した場合、照合部において、枠側照合コードと、受信した盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合するように構成されている。このように構成されていることを前提として、電力供給が開始されてから枠制御基板82が起動時情報を受信可能になるまでの時間は、電力供給が開始されてから遊技制御基板80が起動時情報を枠制御基板82に送信可能になるまでの時間よりも短い。これにより、電力供給が開始された後、遊技制御基板80から枠制御基板82に起動時情報が送信されたとき、枠制御基板82が起動時情報を受信できないことを防ぐことができる。このため、起動時情報を枠制御基板82に確実に受信させることができる。その結果、枠制御基板82(CPU82a)は、枠側照合コードと、受信した盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであるか確実に照合することができる。
【0277】
(9)枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、即ち、枠制御基板82と遊技制御基板80とが予め定めた組み合わせで接続されていない場合には、枠盤通信エラーが報知される。このため、メンテナンスを行う者が、枠制御基板82と遊技制御基板80とが予め定めた組み合わせで接続されていないことを発見するきっかけを提供することができる。これにより、メンテナンスを行う者に、枠制御基板82と遊技制御基板80とを予め定めた組み合わせで接続することを意識させることができる。そして、メンテナンスを行う者が、枠制御基板82と遊技制御基板80とが予め定めた組み合わせで接続されていないことを発見した場合には、制御手段を正しい組み合わせとした上で、遊技を行わせることができる。
【0278】
(10)枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない場合には、報知装置ESの報知態様が枠盤通信エラー報知の報知態様になるところ、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない状況には、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない状況が含まれる。よって、報知装置ESの報知態様が枠盤通信エラーの報知態様になった場合、通信線の断線等により枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない可能性があることに加え、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない可能性があることをメンテナンスを行う者に意識させることができる。そして、メンテナンスを行う者が、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないこと、つまり、枠制御基板82と遊技制御基板80とが予め定めた組み合わせで接続されていないことを発見した場合には、制御手段を正しい組み合わせとした上で、遊技を行わせることができる。
【0279】
(11)例えば、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない状況を含め、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない状況において遊技が行われた場合、遊技者の持ち球を正常に管理できなくなり、遊技者に不利益を与える虞がある。これに対し、本実施形態では、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない状況において枠盤通信エラーが設定され、枠盤通信エラーの設定中には、パチンコ遊技機10における遊技の実行が制限される。このとき、発射禁止状態、賞球の付与が規制される状態、及び遊技の進行が規制される状態となる。つまり、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信ができない状況においては、遊技が行われないようにすることにより、遊技者に不利益を与えることを防ぐことができる。
【0280】
(12)例えば、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない状況において、遊技制御基板80から枠制御基板82に獲得賞球数情報が送信されてしまうと、枠制御基板82において第2管理球数PBを正常に管理できなくなる虞がある。本発明では、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、即ち、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない場合には、枠盤通信エラーが設定される。そして、枠盤通信エラーの設定中、CPU80aは、各入賞センサD11~D15からの検知信号を受信しても、枠制御基板82に獲得賞球数情報を送信しない。これにより、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない状況において、各入賞センサD11~D15からの検知信号を受信しても、第2管理球数PBが更新されないようにすることができる。そして、枠制御基板82において第2管理球数PBを正常に管理させることができる。
【0281】
(13)枠盤通信エラーの設定中に加え、定量到達状態であるときにも、パチンコ遊技機10における遊技の実行が制限される。このため、特定球数が上限数に達したか否かにより、パチンコ遊技機10において遊技の実行が制限される状況と、制限されない状況とを創出することができる。その上で、電力供給が遮断されているときから電力供給が開始されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであって、枠盤通信エラーが設定されていない場合であっても、定量到達状態であるときには、パチンコ遊技機10における遊技の実行が制限される。このため、電力供給が遮断されているときから電力供給が開始されたとき、枠盤通信エラーが設定されていない場合であっても、電力供給が開始されてから付与された賞球数と、電力供給が開始されてから遊技に使用された使用球数とに基づいて、遊技の実行が制限される状況を創出することができる。
【0282】
(14)枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されているかが、それぞれの制御基板のCPUの製造者を特定可能な情報に基づいて判定される。よって、メンテナンスを行う者に、CPUの製造者に基づいて、枠制御基板82と遊技制御基板80とを管理させることができる。そして、メンテナンスを行う者に、互いにCPUの製造者が同じ枠制御基板82と遊技制御基板80とを接続するように意識させることができるため、互いにCPUの製造者が異なる枠制御基板82と遊技制御基板80とが接続されることを抑制させることができる。
【0283】
(15)保留されている変動ゲームがある状況において、遊技機への電力供給が遮断され、遊技機への電力供給が再開された後には、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであると照合されたことを条件として、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームを実行させることができる。よって、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されているかに応じて、保留されている変動ゲームの実行に関する制御を適切に行うことができる。
【0284】
(16)例えば、保留されている変動ゲームがある状況において、電力供給が遮断され、電力供給が再開された後、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、電力供給が遮断された後に、枠制御基板82と遊技制御基板80の組み合わせが変更されたことが考えられる。そして、枠制御基板82と遊技制御基板80の組み合わせが変更される状況は、通常、電力供給が遮断される前の遊技が継続されない場合に発生し得る。上記実施形態によれば、保留されている変動ゲームがある状況において、電力供給が遮断され、電力供給が再開されたとき、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、RAM80cに記憶された変動ゲームの保留数に関する情報が初期化され、初期情報となる。このため、保留されている変動ゲームがある状況において、電力供給が遮断され、電力供給が再開された後、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせとならなかった場合には、電力供給が遮断される前に保留されていた変動ゲームが実行されないため、変動ゲームの保留数に関する情報を適切に処理することができる。
【0285】
(17)パチンコ遊技機10は、処置すべきエラーの優先度に応じて報知を実行できる。つまり、異常な電波の発生を原因として、制御基板間の通信異常が発生している場合には、異常な電波の発生を解消しなければ、当該通信異常も解消し難い。そして、不正電波検知エラーの報知は、枠盤通信エラーの報知よりも優先して実行される。このため、先に異常な電波の発生を解消すべきであることを理解させ易くできる。
【0286】
(18)不正電波検知エラーは、電波センサD19による検知回数が複数回である所定回数(一例として10回)に達すると設定される。これにより、電波センサD19の誤検知によって不正電波検知エラーが設定されることを抑制できる。よって、実際には、第1始動センサD11、第2始動センサD12、及びカウントセンサD13による検知に所定の影響を与え得るような電波が発生していないのに、不正電波検知エラーに応じた処置を行ってしまうことが抑制される。つまり、当該処置が無駄になってしまうことが抑制される。
【0287】
(19)枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない場合に、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないと照合され、遊技制御基板80では、起動時情報に対する応答情報を受信しないことから、枠盤通信エラーが検知される。そして、枠盤通信エラーは、電源復帰するまで解除されない。このため、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない状況においては、電力供給が遮断されるまで遊技が行われることを抑制することができ、電力供給を遮断することを促すことができる。
【0288】
(20)枠盤通信エラーが設定された後、電源復帰により枠盤通信エラーが解除されても、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない場合には、電源投入後に行われる照合処理により、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合される。そして、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないと照合された場合には、枠制御基板82から遊技制御基板80に起動時情報に対する応答情報が送信されないことから、遊技制御基板80は、再度、枠盤通信エラーを設定する。つまり、枠盤通信エラーは、電源復帰により一旦解除された場合であっても、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない場合、電源投入後に再度設定されることになる。そして、枠盤通信エラーが設定された場合には、報知装置ESによりエラー報知が実行される。よって、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない場合には、電源復帰した場合であっても、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されるまで、枠盤通信エラー報知を繰り返し実行させることができる。このため、電源復帰が繰り返された場合であっても、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていない場合には、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されていないことをメンテナンスを行う者に把握させ易くすることができる。
【0289】
(21)第2球数表示部17は、第2管理球数PBを特定可能な情報を表示する手段と、エラーコードを表示する手段として兼用されている。また、性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する手段と、エラーコードを表示する手段として兼用されている。このように、1の表示部を兼用して複数の情報を表示可能とすることにより、パチンコ遊技機10の構成を簡素化することができる。
【0290】
(22)供給機構エラーの設定を解除するためにエラー解除スイッチ82fを所定時間td(一例として2秒)、操作する必要があることから、例えば、メンテナンスを行う者など、解除方法を理解している者によって解除されるようにすることができる。
【0291】
(23)枠制御基板82は、起動時情報を受信するまで、供給入口センサD22による検知数、及び、供給出口センサD23による検知数を計数しない。つまり、枠制御基板82は、起動時情報を入力するまで、供給機構エラーの設定に関する制御を実行しない。起動時情報を受信していない状況は、枠制御基板82が起動時に必要な情報を特定できていない状況であることから、枠制御基板82が受信する情報が正しい情報とは判断し難い。枠制御基板82は、起動時情報を受信した後に、供給機構エラーの設定に関する制御を実行することから、供給機構エラーが設定されている信憑性を高めることができる。
【0292】
(24)遊技者の持ち球数(第2管理球数PB)は、遊技領域20aに向けて発射されると減算される。ここで、通常であれば、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数(発射数Pf)と、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数(回収数Pg)とは、遊技領域20aを流下する遊技球の数を除いて、大きくは異ならないはずである。仮に、発射数Pfと回収数Pgとの差が特定数(一例として100)以上となる場合には、何等かの異常が発生していたり、ゴト行為が行われていたりすることを想定できる。入賞球数異常エラーの設定は、電力供給が停止、又は、電力供給の開始がなければ解除されないから、入賞球数異常エラーが設定されたことを遊技機の管理者等が認識しないまま解除されてしまうことが抑制される。このため、不正行為の有無の確認等について確認し易くすることができる。
【0293】
(25)発射数Pfと比べて回収数Pgが少ない場合は、遊技球が遊技領域20aに滞留している状況が想定される。パチンコ遊技機10は、入賞球数異常エラーが設定された原因が解消された場合であっても、入賞球数異常エラーを解除しない。このため、例えば、遊技領域20a内で遊技球が滞留した状況が発生したかについて確認し易くすることができる。
【0294】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0295】
・本実施形態において、枠側照合コードは、CPU82aの製造者を特定可能な情報ではなくてもよく、例えば、枠側照合コードは、枠制御基板82の製造者を特定可能な情報であってもよい。同様に、盤側照合コードは、CPU80aの製造者を特定可能な情報ではなくてもよく、例えば、遊技制御基板80の製造者を特定可能な情報であってもよい。この場合、例えば、枠制御基板82の製造者と遊技制御基板80の製造者とが、同じ製造者である場合に、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致するように予め定められているとよい。また、例えば、枠側照合コードは、パチンコ遊技機10における枠11の製造者を特定可能な情報であってもよい。同様に、盤側照合コードは、パチンコ遊技機10における遊技盤20の製造者を特定可能な情報であってもよい。この場合、例えば、枠11の製造者と遊技盤20の製造者とが、同じ製造者である場合に、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致するように予め定められているとよい。そして、CPU82aは、照合処理において、盤側照合コードと枠側照合コードとが一致したか判定するよい。
【0296】
・本実施形態において、照合処理は、CPU82aにより行われたが、CPU80aが照合処理を行ってもよい。この場合、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたとき、枠制御基板82から遊技制御基板80へ枠側照合コードが送信されるとよい。そして、CPU80aは、受信した枠側照合コードと、ROM80bに記憶された盤側照合コードとが一致したか判定するとよい。その結果、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致した場合、CPU80aは、枠制御基板82に応答情報を送信するとよい。一方で、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致しなかった場合、CPU80aは、枠制御基板82に応答情報を送信しないようにしてもよい。或いは、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致しなかった場合、CPU80aは、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致しなかったことを特定可能な情報を枠制御基板82に送信してもよい。また、枠側照合コードと盤側照合コードとが一致しなかった場合、CPU80aは、枠盤通信エラーを設定するとよい。
【0297】
・本実施形態において、枠側照合コードは、ROM82bに記憶されていなくてもよい。例えば、電力供給が開始されたとき、管理ユニット100と接続された外部管理機器から、管理ユニット100を経由して枠制御基板82に枠側照合コードが送信され、枠側照合コードがRAM82cに記憶されるようにしてもよい。そして、照合処理においてCPU82aは、遊技制御基板80から受信した盤側照合コードと、RAM82cに記憶された枠側照合コードが一致するかを判定するようにしてもよい。
【0298】
・本実施形態において、枠制御基板82に照合部が備えられていることを前提とした上で、枠制御基板82は、電力供給が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングにおいて盤側照合コードを含む起動時情報を受信可能になっていてもよい。この場合、遊技制御基板80は、電力供給が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングで起動時情報を枠制御基板82に送信するとよい。そして、枠制御基板82は、盤側照合コードを受信した場合、CPU82aにおいて、枠側照合コードと受信した盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合するとよい。これによれば、枠制御基板82は、電力供給が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングにおいて起動時情報を受信可能になっていることに対し、遊技制御基板80は、電力供給が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングで起動時情報を枠制御基板82に送信する。この場合、電力供給が開始された後、遊技制御基板80から枠制御基板82に盤側照合コードを含む起動時情報が送信されたとき、枠制御基板82は起動時情報を受信可能になっているため、該起動時情報を枠制御基板82に確実に受信させ易くすることができる。
【0299】
・本実施形態において、照合処理のステップS103及びステップS104の処理において、盤側照合コードと、枠側照合コードが一致しなくても、盤側照合コードと枠側照合コードとが予め定めた組み合わせであると特定される場合があってもよい。この場合、例えば、第1製造者の盤側照合コードが「101」、第1製造者の枠側照合コードが「201」というように定められており、第1製造者の盤側照合コードと第1製造者の枠側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせとであってもよい。このような場合、盤側照合コードと枠側照合コードとが一致しなくても、予め定めた組み合わせであれば、照合フラグが記憶されるようにするとよい。
【0300】
・本実施形態において、CPU82aが枠側照合コードと盤側照合コードとが一致するか否かを照合することにより、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されているか否かを特定可能としていたが、これに限らない。例えば、CPU82aは、電力供給が開始された後、起動時情報として、遊技制御基板80から予め定めた電文を受信したか否かにより、枠制御基板82と遊技制御基板80が予め定めた組み合わせで接続されているか否かを判定するようにしてもよい。
【0301】
・本実施形態において、CPU82aは、照合処理において枠側照合コードと盤側照合コードとが一致せず、予め定めた組み合わせではないと特定した場合であっても、起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信するようにしてもよい。この場合、起動時情報に対する応答情報に、枠側照合コードと盤側照合コードとが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な情報が含まれていてもよい。また、CPU82aは、起動時情報に対する応答情報を遊技制御基板80に送信した上で、起動時情報に対する応答情報とは別に、枠側照合コードと盤側照合コードとが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な情報を遊技制御基板80に送信してもよい。
【0302】
・本実施形態において、CPU82aが照合処理において枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないと特定した場合、CPU81aは、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な専用の報知を行ってもよい。このとき、CPU82aは、枠側照合コードと盤側照合コードとが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な情報を演出制御基板81に送信するとよい。CPU81aは、例えば、報知表示部19において枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な文字列を模した報知画像を表示するようにしてもよい。また、CPU81aは、例えば、報知音声部12において枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な音声を出力してもよい。更に、CPU81aは、例えば、報知発光部14において枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合の専用の発光パターンによる報知を実行させてもよい。
【0303】
・本実施形態において、CPU81aは、複数種類のエラーが設定されている場合、報知表示部19において、複数のエラー報知を実行させてよい。一例として、不正電波検知エラー及び枠盤通信エラーが設定されている場合、報知表示部19では、不正電波検知エラーが発生したことを特定可能な画像EG2、及び、枠盤通信エラーが発生したことを特定可能な画像EG1の両方が表示されてもよい。この場合、報知表示部19の画像表示領域19aにおいて、画像EG2が表示される領域は、画像EG1が表示される領域よりも広くてもよい。つまり、複数のエラー報知を同時に実行させる場合には、優先度が高いほうのエラー報知の表示領域を広くしてもよい。このため、優先度が高いエラーのほうが気付かれ易いことから、優先度の高いエラーの報知が優先して実行されているといえる。
【0304】
・本実施形態において、報知装置ESにより各種のエラー報知が行われる場合、報知装置ESを構成する報知手段により、エラー報知が行われる時間が異なっていてもよい。例えば、報知表示部19及び報知発光部14によるエラー報知は、エラーが解除されるまで行われる一方で、報知音声部12によるエラー報知は、予め定めた時間が経過することにより終了するようにしてもよい。
【0305】
・本実施形態において、報知装置ESにより各種のエラー報知が行われるとともに、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dでエラーコードの表示が行われる場合、報知装置ESによりエラー報知が実行される期間と、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにエラーコードが表示される期間とは、異なっていても良い。例えば、報知装置ESによりエラー報知が開始されるタイミングより早いタイミングで、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示が開始されるようにしてもよい。また、報知装置ESによりエラー報知が開始されるタイミングより遅いタイミングで、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示が開始されるようにしてもよい。例えば、報知装置ESによりエラー報知が終了するタイミングより早いタイミングで、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示が終了するようにしてもよい。また、報知装置ESによりエラー報知が終了するタイミングより遅いタイミングで、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示が終了するようにしてもよい。例えば、報知装置ESによりエラー報知が開始されるタイミングと第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示が開始されるタイミングとが同じタイミングであってもよい。また、報知装置ESによりエラー報知が終了するタイミングと第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示が終了するタイミングとが同じタイミングであってもよい。
【0306】
・本実施形態において、定量到達状態は、エラーの一種であってもよい。つまり、枠制御基板82が検出するエラーの種類に、定量到達状態であることを特定可能なエラーが含まれていてもよい。
【0307】
・本実施形態において、特定球数の計数は、遊技制御基板80によって行われてもよく、特定球数は、RAM80cに記憶されてもよい。
・本実施形態において、RAM82cに記憶される特定球数は、バックアップの対象であってもよい。そして、RAM82cの記憶内容が初期化されたタイミングで、特定球数が初期値(0)になるようにしてもよい。
【0308】
・本実施形態において、定量到達状態報知は、すべてのエラー報知よりも報知の優先度が高くてもよい。また、定量到達状態報知は、一部のエラーの報知よりも報知の優先度が高くてもよい。例えば、供給機構エラー報知よりも定量到達状態報知のほうが報知の優先度が高く、管理遊技機内通信エラーよりも定量到達状態報知のほうが報知の優先度が低くてもよい。
【0309】
・本実施形態において、枠盤通信エラー、供給機構エラー、及び扉開放エラーのうち、何れかのエラー又は全部のエラーが設定されたときに、遊技球を発射できるようにしてもよい。
【0310】
・本実施形態において、不正電波検知エラー、管理遊技機内通信エラー、枠断線エラー、主断線エラー、遊技球数クリアエラー、及び入賞球数異常エラーのうち、何れかのエラー又は全部のエラーが設定されたときに、遊技球を発射できないようにしてもよい。
【0311】
・本実施形態において、電波センサD19は、ファールセンサD21、及びアウトセンサD30による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能であってもよい。
・本実施形態において、パチンコ遊技機10において検出されるエラーには、
図13に示すエラーに加えて、その他のエラーがあってもよい。例えば、パチンコ遊技機10に所定の強度を越える振動が加えられたとき、振動による振動エラーが検知されてもよい。この場合、報知装置ESにより振動エラー報知が行われてもよい。また、振動エラー報知よりも枠盤通信エラー報知のほうが優先されてもよく、振動エラー報知のほうが枠盤通信エラー報知よりも優先されてもよい。
【0312】
・本実施形態において、枠盤通信エラーが設定されたとき、RAM80cのメイン情報が初期化されなくてもよい。この場合、枠盤通信エラーが設定されたときに実行中の変動ゲームがある場合、枠盤通信エラーの設定中には、変動ゲームが中断され、枠盤通信エラーが解除されたタイミングで中断された変動ゲームが再開されるようにしてもよい。また、枠盤通信エラーの設定中であっても、変動ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合、例えば、報知表示部19では、演出ゲームよりも枠盤通信エラー報知が優先して実行されるようにするとよい。
【0313】
・本実施形態において、遊技の実行が制限されているとき、普通ゲームが実行されず、普通当り遊技が付与されないようにしてもよい。
・本実施形態において、起動時情報に含まれる通信通番は、固定値(一例として0)ではなく、起動時情報の送信回数により更新されてもよい。
【0314】
・本実施形態において、起動時情報に含まれる通信通番は、盤側照合コードが送信されたことを特定可能な情報であってもよい。そして、CPU82aは、起動時情報に含まれる通信通番を受信することにより、盤側照合コードを受信したことを特定可能であってもよい。
【0315】
・本実施形態において、起動時情報には、CPU80aのID番号、盤側照合コード、及び通信通番に加えて、CPU80aに関連する情報が含まれていてもよい。例えば、CPU80aを含む遊技制御基板80の製造者を特定可能な情報が含まれていてもよく、CPU80aを含む遊技制御基板80の製造者を特定可能な情報が含まれていてもよい。また、起動時情報には、CPU80aのID番号や通信通番のうち、何れか一方又は両方が含まれていなくてもよい。
【0316】
・本実施形態において、エラーコードは、遊技情報に含まれず、遊技情報とは別に遊技制御基板80から枠制御基板82へ送信されてもよい。
・本実施形態において、パチンコ遊技機10において検出されたエラーを特定可能な情報(例えば、盤エラーコマンド及び枠エラーコマンド)が、管理ユニット100に送信されてもよい。この場合、管理ユニット100は、パチンコ遊技機10において検出されたエラーを特定可能な情報を、管理ユニット100と接続された外部管理機器へ送信してもよい。
【0317】
・本実施形態において、枠側照合コードと盤側照合コードとの照合に加えて、ROM82bに記憶された第1情報とROM80bに記憶された第2情報との照合が行われることにより、枠制御基板82と遊技制御基板80の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか判定されてもよい。この場合、例えば、第1情報は、枠11の製造者を特定可能な情報であって、第2情報は、遊技盤20の製造者を特定可能な情報であってもよい。また、第1情報は、枠制御基板82の製造者を特定可能な情報であってもよく、第2情報は、遊技制御基板80の製造者を特定可能な情報であってもよい。
【0318】
・本実施形態において、枠盤通信エラーの解除条件は、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、RAMクリアスイッチ82hが操作された状態で電源投入がされることであってもよい。即ち、枠盤通信エラーの解除条件は、RAM80cの記憶内容が初期化されることであってもよい。
【0319】
・本実施形態において、枠盤通信エラー報知は、電源断がされなくても、所定の報知時間が経過したタイミングで終了してもよい。
・本実施形態において、エラーコードは、パチンコ遊技機10において検出されるエラーのうち、一部のエラーが発生したときに送信されてもよい。例えば、不正電波検知エラーと主断線エラーが発生したときにエラーコードが送信されるようにしてもよい。
【0320】
・本実施形態において、遊技制御基板80において、枠盤通信エラーが検出されたときに、遊技制御基板80から枠制御基板82にエラーコードが送信されるようにしてもよい。この場合、CPU82aは、枠盤通信エラーのエラーコードに基づいて、枠盤通信エラーが発生していることを特定可能な情報の報知が行われるように、第2球数表示部17及び性能表示モニタ82dを制御するとよい。
【0321】
・本実施形態において、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合と、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであっても遊技制御基板80と枠制御基板82との通信ができない場合とで、それぞれ異なるエラーが検出されるようにしてもよい。この場合、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合には、枠盤通信エラーが検出されるとよい。一方、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせであっても遊技制御基板80と枠制御基板82との通信ができない場合には、遊技制御基板80と枠制御基板82との通信ができないことを特定可能な専用のエラー(例えば、通信不能エラー)が検出されるとよい。
【0322】
・本実施形態において、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、CPU82aは、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な情報の報知を実行させてもよい。この場合、例えば、第2球数表示部17と性能表示モニタ82dの何れか一方又は両方において、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な情報として、専用のエラーコードを表示させるようにするとよい。また、これに加えて、又は代えて、報知音声部13により、枠側照合コードと盤側照合コードの組み合わせが予め定めた組み合わせではないことを特定可能な情報の報知として、音声による報知を実行させてもよい。
【0323】
・本実施形態において、RAM80cは、遊技の進行に関する情報を記憶可能であって、記憶している情報の全部の情報を、パチンコ遊技機10の電力供給が遮断された後にも保持可能であってもよい。即ち、RAM80cは、遊技の進行に関する情報を記憶可能であって、記憶している情報のうち少なくとも一部の情報を、パチンコ遊技機10の電力供給が遮断された後にも保持可能であってもよい。
【0324】
・本実施形態において、管理遊技機内通信エラー又は枠盤通信エラーが設定されていても、必要な電力が供給されており、第2管理球数PBが0ではない状態であれば、計数可能状態とされてもよい。管理遊技機内通信エラー又は枠盤通信エラーが設定されている状況は、遊技を正常に行えない虞がある。このような状況において、遊技者の持ち球数を管理ユニット100に移管できないと、トラブルになることが考えられる。本変更例では、このような場合であっても、計数可能状態となるから、計数操作部18を用いた計数操作が可能であり、パチンコ遊技機10から管理ユニット100に遊技者の持ち球数を移管させることができる。
【0325】
・本実施形態において、性能表示モニタ82dにおけるエラー報知と、第2球数表示部17におけるエラー報知とは、開始タイミングが異なっていてもよい。例えば、第2球数表示部17は、性能表示モニタ82dに比して、先にエラー報知を開始する構成であってもよく、性能表示モニタ82dは、第2球数表示部17に比して、先にエラー報知を開始する構成であってもよい。
【0326】
・本実施形態において、性能表示モニタ82dにおいてエラーコードの表示を開始するタイミングは、報知装置ESにおいてエラー報知を開始するタイミングと同じ又は略同じタイミングであってもよい。また、性能表示モニタ82dにおいてエラーコードの表示を開始するタイミングは、報知装置ESにおいてエラー報知を開始するタイミングよりも先のタイミングであってもよい。
【0327】
・本実施形態において、報知音声部12において実行されるエラーの報知態様は、エラーに応じて、それぞれ異なる態様でよく、それぞれ専用の音声であってもよい。
・本実施形態において、報知発光部14において実行されるエラーの報知態様は、エラーに応じて、それぞれ異なる態様でよく、それぞれ専用の発光パターンであってもよい。
【0328】
・本実施形態において、CPU82aは、供給入口球数と供給出口球数との差が所定数に達したことを検知した後、所定の経過時間の間、供給入口球数と供給出口球数との差が所定数以上を維持したときに、供給機構エラーを設定するようにしてもよい。なお、時間の計測も所定数を計数することに含まれる。
【0329】
・本実施形態において、CPU82aは、発射数Pfと回収数Pgとの差が特定数に達したことを検知した後、所定の経過時間の間、発射数Pfと回収数Pgとの差が特定数以上を維持したときに、入賞球数異常エラーを設定するようにしてもよい。なお、時間の計測も所定数を計数することに含まれる。
【0330】
・本実施形態において、CPU82aは、アウトセンサD30による検知に応じて回収数Pgを加算する一方、ファールセンサD21による検知に応じて回収数Pgを加算しなくてもよい。つまり、回収数Pgは、戻り球を含まずに、アウト球のみによって加算されてもよい。遊技球を連続的に発射させている状況において戻り球が発生する可能性は極めて小さい。つまり多数の戻り球が短時間で連続的に発生するとは考え難い。このことから、入賞球数異常エラーを検知するのに際して戻り球を考慮してなくてもよい。あるいは、構造的に戻り球が発生し得ないパチンコ遊技機(例えば遊技盤20の左上方から遊技球を発射するタイプ)であれば発射数Pfとアウト球に基づいて入賞球数異常エラーが設定されてもよい。
【0331】
・本実施形態において、アウト球の検知は、アウトセンサD30による検知に代えて、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26による検知にしてもよい。アウト球の数は、入賞通路カウントセンサD25が検知した数と非入賞通路カウントセンサD26が検知した数の合算数としてもよい。この場合、アウトセンサD30は、設けても設けなくてもよい。
【0332】
・本実施形態において、入賞通路カウントセンサD25と非入賞通路カウントセンサD26を設けず、アウトセンサD30のみで排出された遊技球を検知してもよい。
・本実施形態において、アウトセンサD30は、遊技盤20に設けられていてもよいし、枠11に設けられていてもよい。
【0333】
・本実施形態において、CPU82a又はCPU80aは、球抜き状態中であってもエラーを検知してもよい。
・本実施形態において、CPU80aは、電波センサD19の電波検知信号がオフ状態→オン状態のように遷移したときに電波検知回数を加算したが、これに限らない。CPU80aは、電波センサD19の電波検知信号がオフ状態→オン状態となった後、オン状態が維持されて所定の時間(一例として1秒)が経過するごとに加算するようにしてもよい。一例として、CPU80aは、電波センサD19の電波検知信号がオフ状態→オン状態となった後、オン状態のまま所定の時間が所定回数(一例として10回)経過した場合、不正電波検知エラーを設定してもよい。
【0334】
・本実施形態において、CPU82aは、計数操作部18が操作されたとき、計数操作部18が操作されたこと、及び、第2管理球数PBを特定可能な制御情報(以下、計数操作コマンドと示す)を遊技制御基板80へ送信してもよい。遊技制御基板80(CPU80a)は、計数操作コマンドを演出制御基板81へ送信してもよい。演出制御基板81は、計数操作コマンドを受信すると、報知音声部12を制御し、効果音を出力させてもよい。一例として、演出制御基板81は、第2管理球数PBが1以上であることを特定可能な計数操作コマンドを受信した場合、「計数します」の文字列を読み上げる人の声など、所定数以上の持ち球数がパチンコ遊技機10から管理ユニット100へ移管されることを特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行させてもよい。一例として、演出制御基板81は、第2管理球数PBが0であることを特定可能な計数操作コマンドを受信した場合、「持ち球がありません」の文字列を読み上げる人の声など、持ち球数がパチンコ遊技機10から管理ユニット100へ移管されないことを特定可能な音声を報知音声部12から出力する態様にて実行させてもよい。
【0335】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0336】
・本実施形態において、特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0337】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
【0338】
・本実施形態において、CPU80a、ROM80b、RAM80c、及び乱数生成回路80dは、ワンチップに構成されていてもよい。CPU82a、ROM82b、及びRAM82cは、ワンチップに構成されていてもよい。
【0339】
・本実施形態において、遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
・本実施形態において、演出制御基板81をサブ統括制御基板とし、演出制御基板81とは別に報知表示部19を専門に制御する表示制御基板、報知発光部14を専門に制御する発光制御基板、報知音声部12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板にCPU80a、及びCPU81aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0340】
・本実施形態において、性能表示モニタ82dは、枠制御基板82に備えられていなくてもよい。性能表示モニタ82dは、枠制御基板82とは別の基板に備えられていてもよい。この場合、枠制御基板82は、性能表示モニタ82dと接続されてもよい。CPU82aは、性能表示モニタ82dの表示内容を制御可能に構成されてもよい。
【0341】
・本実施形態において、所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
【0342】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備えていてもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10において本来あるべきではない磁性を有する異物を検知することができる。また、パチンコ遊技機10において通常使用される遊技媒体に該当しない磁石やワイヤなどのゴト器具が使用される可能性があることを検出できる。また、磁性を有する遊技球と磁石を用いて、遊技球が堆積した状態を意図的に作るような行為の発見にも寄与できる。
【0343】
・本実施形態において、流通機構29は、その全部が搭載枠11bに形成されたが、一部が遊技盤20に形成されていてもよい。つまり、遊技盤20は、流通機構29の一部を構成してもよい。
【0344】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)遊技球の個数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を可能に構成された遊技機において、第1制御手段と、第2制御手段と、報知を実行可能な報知手段と、を備え、前記第1制御手段と前記第2制御手段は双方向に通信を行うことが可能に接続されており、前記第1制御手段には、前記データを記憶するデータ記憶部と第1特定情報を記憶する第1情報記憶部とがあり、前記第2制御手段には、遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御部と第2特定情報を記憶する第2情報記憶部とがあり、電力供給が開始されたときには、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか、前記遊技機が備える照合部によって照合され、前記報知手段の報知態様は、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合と、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合とで異なる遊技機。
【0345】
(ロ)前記第1特定情報は、前記第1制御手段において所定の制御プログラムを実行するCPUの製造者を特定可能な情報であり、前記第2特定情報は、前記遊技制御部として機能するとともに、前記第2制御手段において所定の制御プログラムを実行するCPUの製造者を特定可能な情報である遊技機。
【0346】
(ハ)前記遊技記憶部に記憶された情報の初期化を行う初期化部を備え、前記初期化部は、前記遊技記憶部に記憶された情報の初期化を行うことにより、前記遊技記憶部に記憶された情報を初期情報とし、保留されている変動ゲームがある状況において、前記遊技機への電力供給が遮断され、前記遊技機への電力供給が再開された後、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合には、前記遊技記憶部に記憶された前記変動ゲームの保留数に関する情報が初期化される遊技機。
【0347】
(ニ)前記照合部は、前記第1制御手段に備えられており、電力供給が開始されたとき、前記第2制御手段は、前記第1制御手段に前記第2特定情報を含む特殊情報を送信し、前記第1制御手段は、前記特殊情報を受信した場合、前記照合部において、前記第1特定情報と、受信した前記特殊情報に含まれる前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合する遊技機。
【0348】
(ホ)前記照合部は、前記第1制御手段に備えられており、電力供給が開始されたとき、前記第2制御手段は、前記第1制御手段に前記第2特定情報を含む特殊情報を送信し、前記第1制御手段は、前記特殊情報を受信した場合、前記照合部において、前記第1特定情報と、受信した前記特殊情報に含まれる前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであるか照合し、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合には、所定の応答情報を前記第2制御手段に送信する遊技機。
【0349】
(へ)前記報知手段は、電力供給が開始されたとき、所定の報知を実行可能であり、前記所定の報知の実行が制限されないとき、前記報知手段の報知態様が第1態様となり、前記所定の報知の実行が制限されるとき、前記報知手段の報知態様が第2態様となり、電力供給が開始されたとき、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせである場合、前記所定の報知の実行が制限されず、前記報知手段の報知態様が前記第1態様となり、電力供給が開始されたとき、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせではない場合、前記所定の報知の実行が制限され、前記報知手段の報知態様が前記第2態様となり、電力供給が開始されたとき、前記第1特定情報と前記第2特定情報の組み合わせが予め定めた組み合わせであっても、特定エラーが発生している場合には、前記所定の報知の実行が制限され、前記報知手段の報知態様が前記第2態様となる遊技機。
【符号の説明】
【0350】
10…パチンコ遊技機 11…枠 12…報知音声部 13…報知音声部 14…報知発光部 15…発射操作部 17…第2球数表示部 19…報知表示部 19a…画像表示領域 20…遊技盤 20a…遊技領域 80…遊技制御基板 80a…CPU 80b…ROM 80c…RAM 80e…バックアップ電源 81…演出制御基板 81a…CPU 81b…ROM 81c…RAM 82…枠制御基板 82a…CPU 82b…ROM 82c…RAM 82d…性能表示モニタ 83…発射制御基板 99…電源ユニット EG1~EG3…画像 ES…報知装置 FG…復電画像 HK…所定の背景画像 K…遊技球 PB…第2管理球数 SG…初期化画像