(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2022089833
(22)【出願日】2022-06-01
【審査請求日】2023-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
【審査官】辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-051282(JP,A)
【文献】特開2020-000348(JP,A)
【文献】特開2020-141980(JP,A)
【文献】特開2014-014571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作可能な操作手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前記操作手段は、当該操作手段に対して第1操作を行うことと、前記第1操作の後
に続く一連の第2操作を行うことが可能に構成され、
前記演出実行手段は、
前記第1操作を促す操作演出、第1演出、および第2演出を実行可能であり、
前記操作演出が実行されているときに前記操作手段に対して前記第1操作が行われたことによって、前記操作演出を終了すると共に前記第1演出を実行し、当該第1演出が実行されているときに前記第2操作が行われたことによって、当該第1演出を終了すると共に前記第2演出を実行することがあり、
前記操作演出が実行されているときに前記操作手段に対して前記第1操作が行われたことによって、前記操作演出を終了すると共に前記第1演出を実行し、当該第1演出が実行されているときに前記第2操作が行われたことによって、前記第2演出を実行することなく前記第1演出の実行を継続することがあることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機では、遊技球が始動領域に入賞するなどの取得条件が成立すると、所定の判定情報を取得し、判定情報に基づいて、遊技者に有利な特定遊技を実行するか否かの判定を行っていた(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、特許文献1に記載の遊技機には、操作可能な操作手段が備えられており、操作手段への操作に応じて所定の演出が実行されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、演出に関する操作を行うことが可能な操作手段を備えた遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、
操作可能な操作手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前記操作手段は、当該操作手段に対して第1操作を行うことと、前記第1操作の後に続く一連の第2操作を行うことが可能に構成され、
前記演出実行手段は、
前記第1操作を促す操作演出、第1演出、および第2演出を実行可能であり、
前記操作演出が実行されているときに前記操作手段に対して前記第1操作が行われたことによって、前記操作演出を終了すると共に前記第1演出を実行し、当該第1演出が実行されているときに前記第2操作が行われたことによって、当該第1演出を終了すると共に前記第2演出を実行することがあり、
前記操作演出が実行されているときに前記操作手段に対して前記第1操作が行われたことによって、前記操作演出を終了すると共に前記第1演出を実行し、当該第1演出が実行されているときに前記第2操作が行われたことによって、前記第2演出を実行することなく前記第1演出の実行を継続することがあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技興趣の低下を抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。
【
図3】(A)は盤可動体の待機状態を説明する正面図、(B)は盤可動体の移動状態を説明する正面図、(C)は盤可動体の回転状態を説明する正面図である。
【
図5】基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の背面図である。
【
図6】遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】(A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。
【
図9】(A)は当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの構成例である。
【
図10】(A)は大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)はリーチ判定テーブルの構成例である。
【
図11】特
図1変動パターン判定テーブルの構成例である。
【
図12】特
図2変動パターン判定テーブルの構成例である。
【
図15】(A)は大当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は遊技状態設定テーブルの構成例である。
【
図16】(A)はデモ動画の一例を示す図であり、(B)は設定画面の一例を示す図である。
【
図17】(A)は第1通常用背景画像の一例を示す図であり、(B)は第2通常用背景画像の一例を示す図であり、(C)は第3通常用背景画像の一例を示す図であり、(D)は確変用背景画像の一例を示す図であり、(E)は時短用背景画像の一例を示す図である。
【
図18】(A)は大当たりオープニング演出の一例を示す図であり、(B)はラウンド演出の一例を示す図であり、(C)は大当たりエンディング演出の一例を示す図である。
【
図19】(A)は演出図柄の一例を示す図であり、(B)は演出図柄表示領域の一例を示す図である。
【
図20】リーチ無しハズレの特図変動演出の一例を表す図である。
【
図21】特図変動演出が開始してからリーチになるまでの一例を表す図である。
【
図24】Lリーチの一例を表す図であり、
図23の続きである。
【
図26】SPリーチの一例を表す図であり、
図25の続きである。
【
図27】SPリーチの一例を表す図であり、
図26の続きである。
【
図31】保留アイコン変化予告の一例を表す図である。
【
図32】保留アイコン変化予告の一例を表す図である。
【
図33】遊技制御メイン処理のフローチャートである。
【
図34】遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図36】センサ検知処理のフローチャートであり、
図35の続きを表す図である。
【
図39】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図40】特
図1変動パターン判定処理のフローチャートである。
【
図41】特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図42】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図43】演出制御メイン処理のフローチャートである。
【
図44】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図45】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図46】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図47】受信コマンド解析処理のフローチャートであり、
図46の続きを表す図である。
【
図48】第1実施形態に係る遊技盤ユニットの正面図である。
【
図49】遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成を模式的に表した説明図である。
【
図50】第1実施形態に係る遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図51】(A)は第1実施形態に係る大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例である。
【
図52】第1実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例である。
【
図53】(A)は通常用小当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は時短用小当たり遊技制御テーブルの構成例である。
【
図54】(A)は、通常小当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、(B)は、時短小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。
【
図55】大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例である。
【
図56】第1発光部~第12発光部を説明するために第1実施形態に係るパチンコ遊技機を模式的に表した正面図である。
【
図57】天井残り回数範囲と枠ランプの発光態様の具体的な内容との関係を表した図である。
【
図58】天井残り回数示唆演出が実行されている様子を説明するための説明図である。
【
図59】特別演出態様(特別音声演出態様、および特別発光演出態様)と接触解除経過時間との関係を表した図である。
【
図60】演出制御用マイコンがハンドルの解放を把握した後に客待ち状態になる場合の接触解除経過時間と遊技の状況と特別演出態様(特別音声演出態様・特別発光演出態様)との関係を表すタイムチャートである。
【
図61】演出制御用マイコンがハンドルの解放を把握する前に客待ち状態になる場合の接触解除経過時間と遊技の状況と特別演出態様(特別音声演出態様・特別発光演出態様)との関係を表すタイムチャートである。
【
図62】(A)は第1特別演出実行判定テーブルの構成例であり、(B)は第2特別演出実行判定テーブルの構成例であり、(C)は第1特別演出態様判定テーブルの構成例であり、(D)は第2特別演出態様判定テーブルの構成例である。
【
図63】1つ目の同一周期後続特
図1保留が発生したことによって特別演出が実行される場合の具体例を表す図である。
【
図64】2つ目の同一周期後続特
図1保留が発生したことによって特別演出が実行される場合の具体例を表す図である。
【
図65】(A)は操作演出実行判定テーブルの構成例であり、(B)は操作演出態様判定テーブルの構成例である。
【
図66】操作促進演出を説明するための説明図である。
【
図67】第1操作結果演出を説明するための説明図である。
【
図68】第2操作結果演出を説明するための説明図である。
【
図69】解除操作有効期間において解除操作が行われた場合の第3操作結果演出を説明するための説明図である。
【
図70】解除操作有効期間になる前に解除操作が行われた場合の第3操作結果演出を説明するための説明図である。
【
図71】解除操作有効期間になった後に解除操作が行われた場合の第3操作結果演出を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0010】
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について
図1~
図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
【0011】
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
【0012】
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
【0013】
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
【0014】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kは時計回りに回転操作可能であり、ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
【0015】
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
【0016】
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
【0017】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0018】
次に、遊技盤ユニットYUについて、
図1に加えて
図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
【0019】
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
【0020】
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
【0021】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
【0022】
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0023】
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0024】
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
【0025】
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
【0026】
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
【0027】
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0028】
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
【0029】
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
【0030】
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
【0031】
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0032】
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
【0033】
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
【0034】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
【0035】
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
【0036】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0037】
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0038】
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
【0039】
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
【0040】
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(
図3(A)参照)。
【0041】
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(
図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
【0042】
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(
図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
【0043】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0044】
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。
図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)を可変表示する特
図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)を可変表示する特
図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0045】
特
図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特
図2抽選が行われると実行される。特
図1抽選、および特
図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特
図1、および特
図2を総称して「特図」といい、特
図1抽選、および特
図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特
図1保留表示器83a、および特
図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
【0046】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
【0047】
特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0048】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0049】
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
【0050】
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特
図1抽選、および特
図1の可変表示を表す「特
図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特
図2抽選、および特
図2の可変表示を表す「特
図2保留」と、がある。そして、特
図1保留の数、すなわち保留されている特
図1抽選および特
図1の可変表示の数を特
図1保留表示器83aが表示する。一方、特
図2保留の数、すなわち保留されている特
図2抽選、および特
図2の可変表示の数を特
図2保留表示器83bが表示する。
【0051】
特
図1保留の数、および特
図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特
図1保留の数、および特
図2保留の数に上限値を設ける場合、特
図1保留の数と特
図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特
図1保留の数、および特
図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
【0052】
特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特
図1保留および特
図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特
図1保留および特
図2保留の数を表示する。なお、以下において、特
図1保留の数を「特
図1保留数(U1)」といい、特
図2保留数の数を「特
図2保留数(U2)」という。また、「特
図1保留数」と「特
図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特
図1保留表示器83a」と「特
図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
【0053】
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
【0054】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
【0055】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0056】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図5~
図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
【0057】
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。また、電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ192が設けられている。RAMクリアスイッチ192は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。RAMクリアスイッチ192は、本パチンコ遊技機PYの裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、基本的には、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ192を操作することはできない。すなわち、RAMクリアスイッチ192は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ192が特定操作(例えば、RAMクリアスイッチ192を所定時間(例えば、5秒)押下操作、RAMクリアスイッチ192を所定回数(例えば、5回)押下操作)されると、RAMクリアスイッチ192がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお、本形態では、RAMクリアスイッチ192が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ192の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば遊技制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。また、RAMクリアを行うためのRAMクリアスイッチ192の操作態様は特に限定されず適宜に変更しても良い。
【0058】
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
【0059】
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。なお、遊技用CPU102の性能は適宜に設定可能であるが、例えば、遊技用CPU102のクロック周波数2.5MHz、4MHZ、6MHZ、または8MHZで動作するものとする。
【0060】
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0061】
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特
図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特
図2関連判定情報」という。また、特
図1関連判定情報と特
図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
【0062】
そして、特
図1関連判定情報は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特
図2関連判定情報は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105bに記憶される。特
図1保留記憶部105aに記憶可能な特
図1関連判定情報の数、すなわち、特
図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特
図2保留記憶部105bに記憶可能な特
図2関連判定情報の数、すなわち、特
図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
【0063】
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
【0064】
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
【0065】
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
【0066】
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
【0067】
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0068】
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0069】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
【0070】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モーター73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
【0071】
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
【0072】
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モーター72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。また、ハンドル72kの回転可能な範囲で
【0073】
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
【0074】
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0075】
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
【0076】
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
【0077】
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
【0078】
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0079】
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
【0080】
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0081】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
【0082】
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0083】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0084】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0085】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
【0086】
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0087】
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
【0088】
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
【0089】
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0090】
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、および盤可動体昇降用モーター55m2が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
【0091】
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
【0092】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0093】
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0094】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、
図8~
図15を用いて説明する。
【0095】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
【0096】
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
【0097】
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、
図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0098】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば
図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
【0099】
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0100】
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば
図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0101】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
【0102】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
【0103】
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0104】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
【0105】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば
図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
【0106】
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
【0107】
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
【0108】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1抽選を実行することができる。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
【0109】
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0110】
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2抽選を実行することができる。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
【0111】
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0112】
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0113】
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、
図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
【0114】
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
【0115】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば
図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
【0116】
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
【0117】
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
【0118】
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば
図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
【0119】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0120】
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
【0121】
特
図1の大当たり図柄、および特
図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、
図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特
図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特
図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、
図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0122】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
【0123】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
【0124】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。
【0125】
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
【0126】
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば
図11~
図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
【0127】
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
【0128】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図11)と、特
図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図12)とがある。
【0129】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
【0130】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特
図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
【0131】
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特
図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルも、特
図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、がある。
【0132】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0133】
また、各特図変動パターンに、
図11~
図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
【0134】
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
【0135】
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
【0136】
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。
【0137】
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
【0138】
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
【0139】
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
【0140】
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
【0141】
また、
図11~
図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
【0142】
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
【0143】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば
図13~
図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特
図1/特
図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特
図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(
図13)と、第2始動口12に入賞し、特
図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(
図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
【0144】
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
【0145】
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
【0146】
なお、
図13~
図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
【0147】
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
【0148】
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、ハズレ図柄が停止表示されると、特図保留があれば引き続き次の特図の可変表示が行われ、特図保留がなければ、所謂「客待ち状態」となる。一方、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。なお、大当たり判定でハズレに決定されること、および特図可変表示でハズレ図柄が停止表示することを「ハズレる/ハズレになる」と称することもある。また、大当たり判定で大当たりに決定されること、および特図可変表示で大当たり図柄が停止表示することを「大当たりする/大当たりになる」と称することもある。次に、大当たり遊技について説明する。
【0149】
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
【0150】
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
【0151】
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
【0152】
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
【0153】
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば
図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、
図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、
図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
【0154】
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0155】
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0156】
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0157】
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0158】
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0159】
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0160】
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
【0161】
また、
図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
【0162】
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
【0163】
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
【0164】
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
【0165】
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
【0166】
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長い遊技状態を「時短状態」とい。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間である遊技状態を「非時短状態」という。ここで、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということは、第2始動口12に遊技球を入賞させ易くなるということである。したがって、時短状態は、通常遊技状態よりも第2始動口12への入賞の容易性(第2始動口12への入賞容易性)が高くて遊技者に有利である遊技状態と位置づけることができる。
【0167】
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
【0168】
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
【0169】
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
【0170】
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
【0171】
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
【0172】
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
【0173】
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0174】
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
【0175】
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
【0176】
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
【0177】
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
【0178】
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
【0179】
3-5.大当たり遊技の終了に伴う遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、新たな遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、新たな遊技状態として、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
【0180】
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
【0181】
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
【0182】
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
【0183】
さらに、大当たり遊技の後に制御される遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、
図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
【0184】
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
【0185】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、
図16~
図32を用いて説明する。
【0186】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0187】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、
図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、
図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
【0188】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
【0189】
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
【0190】
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
【0191】
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
【0192】
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(
図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(
図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(
図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0193】
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
【0194】
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
【0195】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、
図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0196】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、
図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0197】
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
【0198】
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
【0199】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、
図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
【0200】
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、
図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
【0201】
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、
図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
【0202】
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
【0203】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
【0204】
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0205】
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
【0206】
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
【0207】
例えば、
図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10eとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
【0208】
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクタなどの他の構成要素を加えても良い。
【0209】
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、
図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
【0210】
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
【0211】
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
【0212】
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
【0213】
また、
図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
【0214】
なお、
図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
【0215】
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
【0216】
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
【0217】
例えば、
図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、
図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
【0218】
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
【0219】
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
【0220】
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0221】
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に
図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に
図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、
図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
【0222】
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、
図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
【0223】
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動したりすることをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、
図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
【0224】
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、
図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、
図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
【0225】
その後、所定時間が経過した後に、
図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、
図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
【0226】
さらに、
図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
【0227】
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
【0228】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
【0229】
リーチが成立すると、例えば、
図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、
図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、
図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
【0230】
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、
図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(
図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、
図22(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
【0231】
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0232】
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、
図22(C-2)に示すように、リーチが維持されたまま停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動し、
図22(D-2)に示すように、演出上の発展を示唆するホワイトアウトを介してNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
【0233】
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、
図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
【0234】
また、Lリーチの開始時に、例えば、
図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタが女の子に告白するという内容で構成されている。
【0235】
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、
図23(A)に示すように、主人公キャラクタがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、
図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
【0236】
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、
図23(C)に示すように、主人公キャラクタが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この
図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
【0237】
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、
図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、
図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
【0238】
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、
図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0239】
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、
図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、
図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクタが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
【0240】
告白に失敗して落胆している主人公キャラクタの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、
図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0241】
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、
図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
【0242】
また、SPリーチの開始時に、例えば、
図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタと、主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクタは野球のピッチャーであり、敵キャラクタは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
【0243】
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、
図25(A)に示すように、敵キャラクタが出現し、続いて、
図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「
図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
【0244】
次に、
図25(C)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、
図26(A)に示すように、主人公キャラクタがボールを投げ、
図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクタに向かって進み、
図26(C)に示すように、敵キャラクタがバットを振り始める。続いて、
図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクタが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
【0245】
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、
図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクタが空振りをして対決に勝利した後、
図27(B-1)に示すように、敵キャラクタを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
【0246】
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、
図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0247】
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、
図27(A-2)に示すように、敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し、
図27(B-2)に示すように、主人公キャラクタがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
【0248】
対決に敗北して落胆している主人公キャラクタの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、
図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0249】
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
【0250】
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
【0251】
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、
図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは
図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、
図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0252】
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0253】
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、
図29(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
【0254】
操作促進演出において、表示部50aに、操作促進演出画像G12が表示される。操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン40kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
【0255】
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、
図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
【0256】
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
【0257】
操作結果演出としては、例えば
図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、
図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
【0258】
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
【0259】
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
【0260】
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特
図1保留または特
図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特
図1保留または特
図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
【0261】
保留演出は、
図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
【0262】
第1領域50d1には、保留されている特
図1保留の中で最も先に発生し、その特
図1保留に対応する特
図1関係乱数に基づいて最も先に特
図1可変表示が行われる特
図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特
図1保留の中で2~4番目に発生し、その特
図1保留に対応する特
図1関係乱数に基づいて2~4番目に特
図1可変表示が行われる特
図1保留を表す保留アイコンが表示される。
【0263】
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特
図1保留のことを「保留順1の特
図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特
図1保留のことを「保留順2の特
図1保留」、「保留順3の特
図1保留」、および「保留順4の特
図1保留」と称する。すなわち、存在している特
図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
【0264】
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特
図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特
図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特
図1変動表示を「当該変動」とも称する。
【0265】
なお、
図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
【0266】
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特
図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特
図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、
図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特
図1保留の中で最も先に発生した特
図1保留(保留順1の特
図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特
図1保留の次に発生した特
図1保留(保留順2の特
図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特
図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、
図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
【0267】
このように、保留演出においては、特
図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
【0268】
そして、
図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特
図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特
図1保留が、現在保留されている特
図1保留の中で最も先に発生した特
図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
【0269】
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特
図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
【0270】
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。
図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
【0271】
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特
図1保留が発生すると、
図30(E)に示すように、当該特
図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
【0272】
このように、第1始動口11に入賞して特
図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特
図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特
図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
【0273】
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留予告」という。
【0274】
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留予告の具体例について説明する。保留予告の具体例として、
図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
【0275】
保留予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特
図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留予告が行われる保留予告種別がある。例えば、
図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(
図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特
図1保留が発生すると、
図30(E)の場合と同様に、当該特
図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
【0276】
そして、その直後に、
図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(
図31(B)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。なお、
図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
【0277】
別の保留予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特
図1保留のシフト時に保留アイコン変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、
図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(
図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特
図1保留が発生すると、
図32(B)に示すように、当該特
図1保留の発生に応じて、通常態様(
図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
【0278】
そして、
図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特
図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、
図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(
図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
【0279】
また、保留予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
【0280】
なお、先読み演出は、特
図1保留および特
図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留アイコン変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
【0281】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に
図33~
図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
【0282】
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
【0283】
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から
図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。
【0284】
遊技制御用マイコン101は、電源投入処理において、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技制御基板100に搭載されたRAMクリアスイッチ192が特定操作されたか否か(ONか否か)を判定する。
【0285】
遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ192が特定操作されていなければ、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理でONにされるフラグである。
【0286】
遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONであれば、チェックサムを算出して、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較する。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。
【0287】
遊技制御用マイコン101は、チェックサムの値が一致すれば、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして、電源投入コマンド設定処理を行う。
【0288】
遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンド設定処理では、所定時間(例えば、3秒)経過後に演出制御基板120に電源投入コマンドを出力するための設定処理を行う。具体的には、電源投入コマンドを出力するまでの所定時間をタイマにセットして、そのタイマにセットされた時間の減算を開始する。そして減算されたタイマの値が「0」になったとき、所定時間が経過したことになるため、電源投入コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた電源投入コマンドは、後述する出力処理(S101)にて演出制御基板120に出力されるようになっている。さらに、復電時情報には、電断時の遊技状態を示す情報が含まれている。そこで、遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンドと共に、復電時情報に含まれる電断時の遊技状態を示すコマンド(遊技状態指定コマンド)も所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた遊技状態指定コマンドは、後述する出力処理(S101)にて電源投入コマンドと共に演出制御基板120に出力される。
【0289】
また、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONでなければ、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、または、RAMクリアスイッチ192が特定操作されていれば、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力して、電源投入コマンド設定処理を行う。
【0290】
遊技制御用マイコン101は、電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各種乱数に係るカウンタ(乱数カウンタ)は、ソフトウェア的に乱数を生成する手段である。各乱数カウンタのカウンタ値(乱数カウンタ値)は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0291】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0292】
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図34に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0293】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0294】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。すなわち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数カウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0295】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0296】
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
【0297】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
【0298】
[センサ検知処理]
次に、
図35~
図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、すなわち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
【0299】
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、すなわち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
【0300】
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
【0301】
次に、特
図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特
図2保留数をカウントするカウンタ(特
図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特
図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特
図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特
図2保留数加算処理を行う(S210)。特
図2保留数加算処理では、特
図2保留数カウンタを「1」加算し、特
図2保留表示器83bが示す特
図2保留数を「1」増加させる。
【0302】
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特
図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
【0303】
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、
図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特
図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0304】
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特
図2関連判定情報を特
図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
【0305】
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
【0306】
次に、特
図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特
図1保留の数をカウントするカウンタ(特
図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特
図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特
図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特
図1保留数加算処理を行う(S217)。特
図1保留数加算処理では、特
図1保留数カウンタを「1」加算し、特
図1保留表示器83aが示す特
図1保留数を「1」増加させる。
【0307】
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特
図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
【0308】
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、
図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特
図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0309】
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特
図1関連判定情報を特
図1保留記憶部105aのうち現在の特
図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
【0310】
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、すなわち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、入賞規定個数は「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
【0311】
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「14」)を加算する。
【0312】
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、
図35~
図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
【0313】
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。
図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
【0314】
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0315】
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0316】
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0317】
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
【0318】
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。
図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
【0319】
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
【0320】
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
【0321】
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
【0322】
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
【0323】
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
【0324】
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
【0325】
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0326】
[特別図柄待機処理]
次に
図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特
図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特
図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特
図2関連判定情報の記憶がない場合には、特
図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特
図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、すなわち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特
図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。なお、客待ちフラグがONされているということは、特図可変表示、および大当たり遊技の何れも行われていない状態であり、この客待ちフラグがONされている遊技状態のことを「客待ち状態」と称する。
【0327】
また、特
図2保留数が「0」であるが特
図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、すなわち、特
図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特
図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特
図1判定処理(S1609)及び特
図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
【0328】
特
図1判定処理(S1609)では、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
【0329】
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
【0330】
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
【0331】
次に、特
図1変動パターン判定処理(S1610)について
図40を用いて説明する。特
図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
【0332】
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
【0333】
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
【0334】
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特
図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルの中から特
図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
【0335】
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルに照合して、特
図1変動パターンを判定する特
図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特
図1変動パターンを示す特
図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特
図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特
図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
【0336】
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特
図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特
図1であるということ)に関する情報や特
図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
【0337】
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特
図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特
図1表示器81aに特
図1の変動表示を開始させる(S1611)。
【0338】
次に、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特
図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特
図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特
図1保留が保留された順に消化される。
【0339】
次に、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特
図1保留表示器83aが示す特
図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
【0340】
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
【0341】
また、ステップS1601において特
図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特
図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特
図2判定処理(S1602)及び特
図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特
図2判定処理(S1602)及び特
図2変動パターン判定処理(S1603)は、特
図1判定処理(S1609)および特
図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
【0342】
特
図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特
図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特
図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特
図2変動パターン判定で用いるテーブルが特
図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特
図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
【0343】
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特
図2表示器81bに特
図2の変動表示を開始させる(S1604)。
【0344】
次に、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特
図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特
図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特
図2保留が保留された順に消化される。
【0345】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特
図2保留表示器83bが示す特
図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
【0346】
上記のように基本的な実施形態では、特
図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特
図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特
図2保留の消化は、特
図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特
図2保留に基づく抽選の方が、特
図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特
図1保留の消化を特
図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特
図1保留の消化と特
図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
【0347】
[特別図柄変動処理]
次に
図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
【0348】
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
【0349】
[特別図柄確定処理]
次に
図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。なお、特別図柄の停止表示が開始されてから特図確定時間が経過することを「特別図柄が確定する」と称することもある。
【0350】
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
【0351】
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
【0352】
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンド(大当たりオープニングコマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンド(大当たりオープニングコマンド)は、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
【0353】
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に
図43~
図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
【0354】
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、
図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
【0355】
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0356】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
【0357】
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0358】
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
【0359】
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
【0360】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
【0361】
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0362】
[1msタイマ割り込み処理]
次に
図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
【0363】
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
【0364】
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
【0365】
次に、演出制御用マイコン121は、タイマ更新処理を行う(S4104)。タイマ更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマが1msec分、更新される。
【0366】
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマ割り込み処理を終える。
【0367】
[10msタイマ割り込み処理]
次に
図45を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の基本的な実施形態で詳細に説明する。
【0368】
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
【0369】
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
【0370】
[受信コマンド解析処理]
次に
図46~
図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
【0371】
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0372】
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
【0373】
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
【0374】
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
【0375】
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
【0376】
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
【0377】
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
【0378】
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0379】
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
【0380】
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
【0381】
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
【0382】
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
【0383】
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
【0384】
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
【0385】
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
【0386】
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
【0387】
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0388】
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、大当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、大当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
【0389】
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、大当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0390】
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
【0391】
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0392】
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
【0393】
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0394】
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
【0395】
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
【0396】
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
【0397】
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
【0398】
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、所謂「1種2種混合機」で構成される。1台のパチンコ遊技機PY1において、遊技球の第1始動口11への入賞を契機に特
図1抽選が行われて大当たりに当選すると、後述の第1大入賞口14が開放する大当たり遊技が実行される「第1種(所謂「デジパチタイプ」)」と称される仕様と、遊技球の第2始動口12への入賞を契機に特
図2抽選が行われて小当たりに当選すると、後述の第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技で開放した第2大入賞口15に入球した遊技球が、後述する特定領域16(所謂「Vゾーン」)を通過(所謂「V入賞」)すると大当たり遊技が実行される「第2種(所謂「羽根モノタイプ」)」と称される仕様とが混在する。
【0399】
ここで、パチンコ遊技機PY1の遊技盤ユニットYUの正面図を
図48に示す。
図48に示すように、遊技領域6には、遊技球が入賞不可能な状態と入賞可能な状態との間で可逆的に変化可能な第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15Dが設けられている。第1大入賞装置14Dは、基本的な実施形態の大入賞装置14Dに対応している。したがって、第1大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第1大入賞口14が形成されており、第1大入賞口14は、第1大入賞装置14Dが具備する第1AT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。また、第1大入賞装置14Dには、遊技球が第1大入賞口14に入球(入賞)したことを検知する第1大入賞口センサ14aが設けられている。
【0400】
第2大入賞装置15Dは、第1大入賞装置14Dの下流域側直下に設けられており、部分的に第1大入賞装置14Dと同じように構成されている。第2大入賞装置15Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2大入賞口15が形成されており、第2大入賞口15は、第2大入賞装置15Dが具備する第2AT開閉部材15kによって閉態様と開態様とをとる。また、第2大入賞装置15Dには、遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)したことを検知する第2大入賞口センサ15aが設けられている。
【0401】
なお、第1実施形態では、第1大入賞口14への入球に伴って15個の賞球が払い出される。また、第2大入賞口15への入球に伴って15個の賞球が払い出される。
【0402】
次に、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成について説明する。
図49は、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成を模式的に表した説明図である。
図49に示すように、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の構成として、第2大入賞口15に入球した遊技球が通過可能な特定領域16および非特定領域17が設けられている。さらに、第2大入賞口15に入球した遊技球を特定領域16と非特定領域17に振り分け可能な振分部材16kが設けられている。
【0403】
振分部材16kは、振分ソレノイド16s(
図50参照)によって進退可能に構成される。振分ソレノイド16sは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技制御用マイコン101は、後述する小当たり遊技において、振分ソレノイド16sを制御することが可能である。
【0404】
遊技制御用マイコン101は、振分ソレノイド16sを用いて振分部材16kを進退させることによって、第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過可能であるが非特定領域17を通過不可能な第1通過状態と、第2大入賞口15に入球した遊技球が非特定領域17を通過可能であるが特定領域16を通過不可能な第2通過状態とのどちらかの状態にすることが可能である。振分部材16kは、通常では第2通過状態となるように進出位置に保持され、小当たり遊技の実行に際し、所定時間(例えば2.8秒)だけ退避位置に退避して第1通過状態に変化する。小当たり遊技における振分部材16kの動作の詳細については後述する。
【0405】
また、パチンコ遊技機PY1には、特定領域16を通過した遊技球を検知するが、非特定領域17を通過した遊技球を検知しない特定領域センサ16a(
図50参照)が設けられている。特定領域センサ16aは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過したことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。
【0406】
なお、特定領域16および非特定領域17の前面には、合成樹脂製の透明な窓(図示なし)が設けられ、第2大入賞口15に入賞した遊技球が、特定領域16および非特定領域17の何れを通過したのかを、遊技者が視認可能になっている。
【0407】
次に、パチンコ遊技機PY1における遊技制御基板100側の電気的な構成を説明する。
図50は、パチンコ遊技機PY1における遊技制御基板100側の電気的な構成を示すブロック図である。
図50に示すように、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類として、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sが含まれている。
【0408】
遊技制御基板100は、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sのそれぞれに対して、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sの駆動を制御するための信号を出力可能である。第1ATソレノイド14sは第1AT開閉部材14kに接続されており、第1ATソレノイド14sが駆動することによって第1AT開閉部材14kが開閉動作を行う。第2ATソレノイド15sは第2AT開閉部材15kに接続されており、第2ATソレノイド15sが駆動することによって第2AT開閉部材15kが開閉動作を行う。振分ソレノイド16sは振分部材16kに接続されており、振分ソレノイド16sが駆動することによって振分部材16kが遊技盤1の前面に対して進退動作を行う。
【0409】
また、遊技制御基板100に接続されている各種センサ類として、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および特定領域センサ16aが遊技制御基板100へ検知信号を出力可能に接続されている。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、第1大入賞口14に遊技球が入賞したことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、第2大入賞口15に遊技球が入賞したことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。
【0410】
次に、パチンコ遊技機PY1で制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1では、大当たり判定での大当たり当選確率に係る遊技状態として、通常確率状態の1種類のみ設定されている。一方、第2始動口12への入賞容易性に係る遊技状態として、基本的な実施形態と同様に、非時短状態(低ベース状態)と時短状態(高ベース状態)とが設定されている。そこで、以下において、低確率低ベース遊技状態のことを「通常遊技状態」と称し、低確率高ベース遊技状態のことを単に「時短状態」と称することもある。
【0411】
なお、第2始動口12への入賞容易性は、第2始動口12の開放のし易さに基づくものであり、時短状態は、単位時間当たりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態に比べて長いので、時短状態は、通常遊技状態に比べて第2始動口12が開放し易い遊技状態と位置付けることもできる。また、遊技球が第2始動口12へ入賞し易いということは、第2始動口12への入賞に基づく特
図2抽選、言い換えると大当たり判定が行われ易いと捉えることができる。したがって、時短状態は、通常遊技状態に比べて、特
図2抽選、特
図2に係る大当たり判定、および特
図2可変表示を行うための条件が成立し易い遊技状態と位置付けることもでできる。
【0412】
また、パチンコ遊技機PY1は、通常遊技状態において、第1始動口11に入賞させるように狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも、時短状態において第2始動口12に入賞させるように狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されている。さらに、通常遊技状態においては、第2始動口12に入賞させるように狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させるよりも、第1始動口11に入賞させるように狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させる方が容易になるように構成されている。
【0413】
次に、第1実施形態に係る大当たり判定について説明する。第1実施形態に係る大当たり判定で参照される大当たり判定テーブルの構成例を
図51(A)に示す。
図51(A)に示すように、大当たり判定テーブルとして、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定(第1大当たり判定)で用いられる特
図1に係る大当たり判定テーブル(第1大当たり判定テーブル)と、第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定(第2大当たり判定)で用いられる特
図2に係る大当たり判定テーブル(第2大当たり判定テーブル)とが設けられている。
【0414】
第1大当たり判定テーブルによると、第1大当たり判定では、大当たり、またはハズレに決定される。一方、第2大当たり判定テーブルによると、第2大当たり判定では、大当たり、小当たり、またはハズレに決定される。後述するように、第2大当たり判定で小当たりに決定されると、特
図2可変表示で最終的に小当たりを示す態様の特
図2の停止表示が実行され(「小当たり」という所定結果が導出され)、当該停止表示に応じて小当たり遊技が実行される。そして、小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すると、大当たり遊技が実行される。
【0415】
また、
図51(A)に示すように、第1大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定されている。一方、第2大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定され、小当たりと判定される確率は79/319に設定されている。基本的な実施形態と同様に、各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、小当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が
図51(A)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。ただし、この大当たりの選択率、および小当たりの選択率は、特に限定されることはなく、適宜に変更可能である。また、第1大当たり判定で、大当たり判定結果として小当たりが含まれるようにしても良い。あるいは、第2大当たり判定で、大当たり判定結果として大当たりが含まれないようにしても良い。
【0416】
次に、第1実施形態に係る大当たり図柄について説明する。前述のように、大当たり図柄は、大当たり当選と共に大当たりの種類を示唆する特別図柄である。大当たり図柄は、大当たり図柄種別判定によって決定され、大当たり図柄種別判定は大当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例を
図51(B)に示す。
【0417】
図51(B)に示すように、特
図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、および大当たり図柄Bの2種類の大当たり図柄が設けられている。特
図1に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Aは50%の確率で選択され、大当たり図柄Bは50%の確率で選択される。また、特
図2の大当たり図柄として、大当たり図柄Cの1種類の大当たり図柄が設けられている。特
図2に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Cは100%の確率で選択される。
【0418】
次に、第1実施形態に係る大当たり遊技について説明する。第1実施形態では、大当たり遊技は、大当たり図柄が停止表示された場合と、小当たり図柄が停止表示された後に実行される小当たり遊技において開放した第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過(V入賞)した場合に実行される。そして、大当たり遊技を構成する大当たり遊技構成要素、言い換えると大当たり遊技を制御するための大当たり遊技制御テーブルは、停止表示した特別図柄の種別、詳細には、当該大当たり遊技の実行契機となる大当たり図柄の種別、および小当たり図柄の種別に対応付けられている。
図52は、第1実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
【0419】
なお、小当たり図柄が停止表示されても、当該小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過しなかった場合は大当たり遊技が実行されない。したがって、小当たり図柄が停止表示した場合の大当たり遊技の直接的な実行契機は遊技球が特定領域16を通過(V入賞)することであるが、遊技球が第2大入賞口15に入賞しないと遊技球が特定領域16を通過することができず、第2大入賞口15への入賞は第2大入賞口15の開放によって実現可能であり、第2大入賞口15の開放は小当たり遊技で実行されるので、小当たり図柄の停止表示も大当たり遊技の実行契機に含めるものとする。また、以下において、大当たり判定で小当たりに決定されること、および特図可変表示で小当たり図柄が停止表示することを「小当たりする/小当たりになる」と称し、小当たり遊技で遊技球が特定領域16を通過することを「大当たりする/大当たりになる」と称することもある。
【0420】
図52に示すように、大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)、大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)、および大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。
【0421】
また、小当たり図柄に対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。なお、第4大当たり遊技は、小当たり図柄の停止表示によって実行される小当たり遊技(以下、「小当たり遊技」ともいう)で遊技球が特定領域16を通過した場合に当該小当たり遊技が終了することに応じて実行される。
【0422】
また、第1実施形態では、大当たり遊技構成要素に、開放する大入賞口の種類も含まれている。
図52に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技で、第1大入賞口14が開放するように設定されている。さらには、
図52に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技について、ラウンド遊技における第1大入賞口14の開放回数が1回に設定され、各開放に係る時間(開放時間)が29.5秒に設定され、開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が2.0秒に設定されている。なお、各大当たり遊技における最後のラウンド遊技については閉鎖時間が設定されていない。これは、最後のラウンド遊技に係る第1大入賞口14の開放が終了すると続いて、第1大入賞口14の閉鎖が保持されるエンディングが行われるからである。
【0423】
さらに、第1実施形態では、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技のオープニング時間(
図52において「OP時間」)が10.0秒に設定され、全ての大当たり遊技のエンディング時間(
図52において「ED時間」)が10.0秒に設定されている。
【0424】
なお、大当たり遊技構成要素に係る具体的な値は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、オープニング時間やエンディング時間をその特別図柄が停止表示したときの遊技状態に応じて異なるようにしても良い。また、ラウンド遊技の順番に応じて、開放する大入賞口14、15の種類が異なるようにしても良い。さらに、ラウンド遊技の順番に応じて、大入賞口14、15が開放する回数、当該ラウンド遊技において大入賞口14、15が開放する総時間、および大入賞口14、15の開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が異なるようにしても良い。また、小当たり図柄の種別に応じて、当該大当たり遊技でのラウンド遊技の実行回数や大入賞口14、15が開放可能な総時間が異なるようにしても良い。
【0425】
次に、第1実施形態に係る小当たり遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技制御テーブルを用いて小当たり遊技における大入賞口14、15の開閉を制御する。第1実施形態では、小当たり遊技制御テーブルは、当該小当たり遊技の契機となる小当たり図柄の停止表示が行われたときの遊技状態(小当たり時遊技状態)に対応付けて設定することが可能である。
【0426】
小当たり遊技制御テーブルには、特に大入賞口14、15の開閉について小当たり遊技を構成する要素(小当たり遊技構成要素)が格納されている。小当たり遊技構成要素には、開放させる大入賞口の種類、当該小当たり遊技における大入賞口の開放回数、各開放に係る時間(開放時間)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。すなわち、小当たり遊技構成要素は、小当たり時遊技状態に対応付けられている。
図53は、第1実施形態に係る小当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
【0427】
図53に示すように、小当たり遊技制御テーブルは、小当たりしたときの遊技状態に対応付けられている。すなわち、通常遊技状態のときに小当たり図柄が停止表示された場合に用いられる小当たり遊技制御テーブル(通常用小当たり遊技制御テーブル)と、時短状態のときに小当たり図柄が停止表示された場合に用いられる小当たり遊技制御テーブルとがある(時短用小当たり遊技制御テーブル)とがある。
【0428】
なお、以下において、通常用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「通常小当たり遊技」と称し、時短用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「時短小当たり遊技」と称する。
【0429】
図53に示すように、全ての小当たり遊技で、第2大入賞口15の開放が1回行われる。そして、各小当たり遊技における第2大入賞口15の開放時間は1.8秒である。また、通常小当たり遊技のオープニング時間は10.0秒であり、エンディング時間は2.0秒である。一方、時短小当たり遊技のオープニング時間は2.0秒であり、エンディング時間は2.0秒である。
【0430】
ここで、
図54を用いて、小当たり遊技の詳細を説明する。
図54(A)は、通常小当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、
図54(B)は、時短小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。
【0431】
図54(A)に示すように、通常遊技状態において特
図2の停止表示として「小当たり図柄」が停止表示すると、通常小当たり遊技が行われる。そして、通常小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニング(通常小当たりOP)が行われる。通常小当たりOPは、通常小当たり遊技の開始後10.0秒が経過するまで継続し、通常小当たりOPが終了すると、第2大入賞口15が開放する(通常小当たり開放が行われる)と共に、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。通常小当たり開放は、当該開放の開始後1.8秒が経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、当該退避の開始後2.8秒が経過するまで継続する。そして、通常小当たり開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖して当該閉鎖状態が保持されるエンディング(通常小当たりED)が行われる。通常小当たりEDは、当該EDの開始後、2.0秒が経過するまで継続し、通常小当たりEDの終了によって、通常小当たり遊技が終了する。
【0432】
図54(B)に示すように、時短状態において特
図2の停止表示として「小当たり図柄」が停止表示すると、時短小当たり遊技が行われる。そして、時短小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニング(時短小当たりOP)が行われる。時短小当たりOPは、時短小当たり遊技の開始後2.0秒が経過するまで継続し、時短小当たりOPが終了すると、第2大入賞口15が開放する(時短小当たり開放が行われる)と共に、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。時短小当たり開放は、当該開放の開始後1.8秒が経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、当該退避の開始後2.8秒が経過するまで継続する。そして、時短小当たり開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖して当該閉鎖状態が保持されるエンディング(時短小当たりED)が行われる。時短小当たりEDは、当該EDの開始後2.0秒が経過するまで継続し、時短小当たりEDの終了によって、時短小当たり遊技が終了する。
【0433】
通常小当たり遊技中、および時短小当たり遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球は、第1通過状態では、振分部材16kが退避位置にあるため、非特定領域17まで流下することなく、特定領域16を通過する一方、第2通過状態では、振分部材16kが進出位置にあるため、振分部材16k上を流下して、非特定領域17を通過する。そして、遊技球が特定領域16を通過した場合には、当該小当たり遊技の終了に応じて、小当たり図柄種別に応じた大当たり遊技が行われる。
【0434】
なお、通常小当たり遊技、および時短小当たり遊技の何れにおいても、第2大入賞口15が開放している間、さらに第2大入賞口15が閉鎖してから1.0秒が経過するまでの間、振分部材16kが退避しており(第1通過状態が保持されており)、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)可能な状態になっている。そして、パチンコ遊技機PY1は、通常小当たり遊技、および時短小当たり遊技の何れについても、当該小当たり遊技が開始されてから右打ちで遊技球の発射を開始させ、その後、小当たり遊技において遊技球を右打ちで発射させ続けると、基本的には(特段問題がない限り)遊技球が特定領域16を通過(V入賞)できるように構成されている。また、小当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)すると、遊技球が特定領域16を通過したか否かに関わらず、15個の遊技球が賞球として払い出される。
【0435】
次に、パチンコ遊技機PY1が、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件について説明する。第1実施形態では、当該大当たり遊技が大当たり図柄の停止表示に基づいて実行される場合は、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たり図柄種別に対応付けられている。一方、当該大当たり遊技が遊技球の特定領域16の通過(V入賞)に基づいて実行される場合は、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該小当たり図柄種別に対応付けられている。すなわち、大当たり遊技の発生契機が大当たり図柄の停止表示の場合も小当たり図柄の停止表示の場合も、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別に対応付けられていると言える。
【0436】
図55は、当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および当該遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図である。
【0437】
図55に示すように、当該大当たりの発生契機となる特別図柄種別が大当たり図柄A、大当たり図柄C、および小当たり図柄である場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第3大当たり遊技、および第4大当たり遊技)の終了に伴って、時短状態に移行する。そして、この時短状態には終了条件が設定されている。大当たり図柄A、大当たり図柄C、および小当たり図柄の場合は特
図2可変表示が100回実行されることが終了条件となる。よって、大当たり図柄A、および大当たり図柄Cが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態、ならびに、小当たり図柄が停止表示されてから実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過してから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特
図2可変表示が100回実行されるまで継続可能である。すなわち、大当たり図柄A、および大当たり図柄Cの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される時短状態の規定回数(時短規定回数)、ならびに、小当たり図柄の停止表示によって実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球の特定領域16の通過によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される時短状態の規定回数(時短規定回数)は、100回である。
【0438】
一方、当該大当たりの発生契機となる特別図柄種別が大当たり図柄Bである場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第2大当たり遊技)の終了に伴って、通常遊技状態に移行する。そして、この通常遊技状態には終了条件が設定されていない。したがって、例えば、通常遊技状態で大当たり図柄Bが停止表示されると、第2大当たり遊技を介して元の遊技の基点となる遊技状態に戻ることとなる。
【0439】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、大当たりとは異なる発生契機によって時短状態になることがある。この大当たり以外の発生契機は、通常確率状態において大当たりすることなく特図可変表示が特定回数実行されることである。以下において、この大当たり以外の時短状態の発生契機のことを「天井到達」と称する。また、時短状態を発生契機によって区別するために、大当たりによって発生する時短状態のことを「大当たり時短」と称し、天井到達によって発生する時短状態のことを「天井時短」と称する。
【0440】
第1実施形態では、天井時短に係る特定回数は800回に設定されている。ただし、天井時短に係る特定回数は800回に限定されず、適宜に設定しても良い。また、天井時短の終了条件は、大当たりすることなく特
図2可変表示が1000回実行されることである。すなわち、天井時短は、大当たりすることなく特
図2可変表示が1000回実行されるまで継続可能であり、天井時短に係る時短規定回数は、1000回ということになる。ただし、時短状態では、基本的には第2始動口12への入賞を狙う遊技が行われ、特
図2に係る大当たり判定で小当たりと判定される確率は79/319であるので、特
図2可変表示が1000回実行されるまで継続可能な天井時短では大当たりになる可能性が高い。
【0441】
なお、天井時短への移行には制限が設けられている。具体的には、天井時短へ移行した後は、大当たり(大当たり遊技)を経由しない限り、新たに天井到達することはない。すなわち、天井時短へ移行した後、大当たりすることなく特定回数(800回)の特図可変表示が実行されても、新たな時短状態が発生することない。
【0442】
また、第1実施形態では、大当たり遊技の終了に応じて、通常遊技状態に移行するときの他に、時短状態に移行するときもあるが、時短状態の大当たり当選確率に係る遊技状態は通常確率状態であり、当該時短状態の時短規定回数は100回であるので、大当たり遊技後の時短状態で100回特
図2可変表示が実行されると通常遊技状態になる。したがって、第1実施形態では、大当たり遊技の終了に応じて移行する遊技状態の種類(大当たり遊技後の時短状態の有無)に関わらず、大当たり遊技が終了してから特図可変表示が特定回数実行されると、通常遊技状態から時短状態に移行することになる。
【0443】
また、詳細な説明は省略するが、パチンコ遊技機PY1においては、例えば電源スイッチ191がOFF操作されるなどして、電源が遮断される際には、遊技制御用マイコン101は、そのときに遊技用RAM104に記憶されている情報をバックアップする。この遊技用RAM104に記憶されている情報には、遊技状態に関するデータが含まれている。そして、例えば電源スイッチ191がON操作されるなどして電源が投入されると、遊技制御用マイコン101は、そのときにRAMクリアスイッチ192が特定操作されていない場合は、遊技用RAM104を電源遮断前の状態に復帰させる。すなわち、パチンコ遊技機PY1が新たに起動するが、電源遮断時の遊技状態が引き継がれることになる。一方、遊技制御用マイコン101は、電源スイッチ191がON操作されるなどして電源が投入されるときに、RAMクリアスイッチ192が特定操作されている場合は、遊技用RAM104をクリアする。この遊技用RAM104のクリアには、遊技状態を遊技の基点となる通常遊技状態にすることが含まれている。すなわち、電源遮断時の遊技状態がいかなる遊技状態であっても、電源が投入されるときにRAMクリアスイッチ192が特定操作される場合は、パチンコ遊技機PY1は通常遊技状態で遊技を開始させる。
【0444】
なお、遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1に電源投入される際に、RAMクリアスイッチ192が特定操作されていない場合、その復帰させる遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを演出制御基板120に送信し、RAMクリアスイッチ192が特定操作されている場合、通常遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを演出制御基板120に送信する。
【0445】
さらに、詳細は後述するが、遊技制御用マイコン101は、天井到達するまでの残りの特図可変表示の実行回数(天井残り回数)を計数する。天井残り回数は、遊技用RAM104の所定領域に記憶される。そして、天井残り回数を示すデータ(天井残り回数データ)も、遊技状態に関するデータと同様に、パチンコ遊技機PY1への電源が遮断する際にバックアップされる。また、天井残り回数データは、遊技状態に関するデータと同様に、パチンコ遊技機PY1に電源が投入される際にRAMクリアスイッチ192が特定操作されていない場合は、電源遮断前の状態に復帰され、パチンコ遊技機PY1に電源が投入される際にRAMクリアスイッチ192が特定操作されている場合は、初期値に戻る。すなわち、RAMクリアスイッチ192が特定操作されていない場合は、天井残り回数は電源遮断前のものが引き継がれ、RAMクリアスイッチ192が特定操作されている場合は、天井残り回数がリセットされる。したがって、例えば、天井残り回数が100回の状況でパチンコ遊技機PY1の電源が遮断されると、RAMクリアスイッチ192が特定操作されずに電源投入される場合は、遊技制御用マイコン101は、天井残り回数が100回の状態で遊技を再開し、RAMクリアスイッチ192が特定操作されながら電源投入される場合は、遊技制御用マイコン101は、天井残り回数が800回の状態で遊技を再開する。
【0446】
次に、パチンコ遊技機PY1が実行可能な天井残り回数示唆演出について説明する。天井残り回数示唆演出は、天井残り回数を大まかに示唆する演出である。また、第1実施形態において、天井残り回数示唆演出は、枠ランプ53を用いて実行される。第1実施形態において、枠ランプ53は、相互に独立して発光制御可能な第1発光部53A~第12発光部Lを備える。
図56は、パチンコ遊技機PY1に搭載された第1発光部53A~第12発光部53Lを説明するためにパチンコ遊技機PY1の正面図を模式的に表した図である。
【0447】
図56に示すように、第1発光部53A~第12発光部Lを備える枠ランプ53は、全体として正面視で、枠状の前枠23mの左側部、右側部、および上端部の前面に形成されている。前枠23mの左側部には、第1発光部53A、第2発光部53B、第3発光部53C、および第4発光部が下から上に並んで配置され、前枠23mの右側部には、第5発光部53E、第6発光部53F、第7発光部53G、および第8発光部53Hが下から上に並んで配置され、前枠23mの上端部には、第9発光部53I、第10発光部53J、第11発光部53K、および第12発光部53Lが左から右に並んで配置されている。すなわち、第1発光部53A、第2発光部53B、第3発光部53C、および第4発光部53Dが枠ランプ53の左部分を構成し、第5発光部53E、第6発光部53F、第7発光部53G、および第8発光部53Hが枠ランプ53の右部分を構成し、第9発光部53I、第10発光部53J、第11発光部53K、および第12発光部53Lが枠ランプ53の上部分を構成している。
【0448】
第1発光部53A、第2発光部53B、第3発光部53C、および第4発光部53Dと、第5発光部53E、第6発光部53F、第7発光部53G、および第8発光部53Hとは、前枠23mの正面視の上下方向中心線に対して略左右対称に構成されている。なお、正面視で、第1発光部53Aは、前枠23mの左側前面から上皿34の左側面にまたがって形成され、第5発光部53Eは、前枠23mの右側前面から上皿34の右側面にまたがって形成されている。
【0449】
第1発光部53A~第12発光部Lのそれぞれは、正面を向いており、当該パチンコ遊技機PY1に係る遊技者に正対している。そして、第1発光部53A~第8発光部53Hのそれぞれの発光する部分は、全体的に前方に突出して形成されており、前方側だけでなく、左方側から前方側を通過して右方側に掛けた正面側の180度の範囲、言い換えると平面視で透明板23tの表面から前方側における180度の範囲で視認可能に形成されている。したがって、第1発光部53A~第8発光部53Hのそれぞれは、平面視で前方側の180度の範囲全体に対して発光する。また、第9発光部53I~第12発光部53Lのそれぞれの発光する部分は、前方に対して発光する。ただし、第9発光部53I~第12発光部53Lのそれぞれは、前方側の左斜め方向から右斜め方向に掛けた範囲で視認可能に構成されている。したがって、枠ランプ53は、全体として当該パチンコ遊技機PY1に係る遊技者であって、枠ランプ53に正対する遊技者だけでなく、左方側から前方側を経由して右方側に掛けた正面側の180度の範囲で離れた位置にいる遊技を行っていない者からも視認可能に構成されている。
【0450】
また、天井残り回数示唆演出は、枠ランプ53の発光態様の違いによって、天井残り回数の範囲(天井残り回数範囲)を示唆する。第1実施形態では、天井残り回数示唆演出に係る枠ランプ53の発光態様(天井残り回数示唆演出態様)には、第1発光態様~第8発光態様(第1天井残り回数示唆演出態様~第8天井残り回数示唆演出態様)がある。また、天井残り回数範囲には、第1天井残り回数範囲~第8天井残り回数範囲がある。第1天井残り回数範囲~第8天井残り回数範囲は相互に重なる部分がなく、第1天井残り回数範囲~第8天井残り回数範囲で、天井残り回数の最大値である特定回数(800回)から最小値である「1」までを構成する。
【0451】
そして、天井残り回数示唆演出態様と天井残り回数範囲との対応関係も1対1である(一義的である)。すなわち、第1発光態様(第1天井残り回数示唆演出態様)には、第1天井残り回数範囲が対応付けられ、第2発光態様(第2天井残り回数示唆演出態様)には、第2天井残り回数範囲が対応付けられ、第3発光態様(第3天井残り回数示唆演出態様)には、第3天井残り回数範囲が対応付けられ、第4発光態様(第4天井残り回数示唆演出態様)には、第4天井残り回数範囲が対応付けられ、第5発光態様(第5天井残り回数示唆演出態様)には、第5天井残り回数範囲が対応付けられ、第6発光態様(第6天井残り回数示唆演出態様)には、第6天井残り回数範囲が対応付けられ、第7発光態様(第7天井残り回数示唆演出態様)には、第7天井残り回数範囲が対応付けられ、第8発光態様(第8天井残り回数示唆演出態様)には、第8天井残り回数範囲が対応付けられている。したがって、枠ランプ53の第1発光態様による発光は、天井残り回数が第1天井残り回数範囲であることを示唆し、枠ランプ53の第2発光態様による発光は、天井残り回数が第2天井残り回数範囲であることを示唆し、枠ランプ53の第3発光態様による発光は、天井残り回数が第3天井残り回数範囲であることを示唆し、枠ランプ53の第4発光態様による発光は、天井残り回数が第4天井残り回数範囲であることを示唆し、枠ランプ53の第5発光態様による発光は、天井残り回数が第5天井残り回数範囲であることを示唆し、枠ランプ53の第6発光態様による発光は、天井残り回数が第6天井残り回数範囲であることを示唆し、枠ランプ53の第7発光態様による発光は、天井残り回数が第7天井残り回数範囲であることを示唆し、枠ランプ53の第8発光態様による発光は、天井残り回数が第8天井残り回数範囲であることを示唆する。
【0452】
なお、天井残り回数示唆演出では、枠ランプ53を構成する第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して当該発光態様で発光する。すなわち、天井残り回数範囲が第1天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第1発光態様で発光し、天井残り回数範囲が第2天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第2発光態様で発光し、天井残り回数範囲が第3天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第3発光態様で発光し、天井残り回数範囲が第4天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第4発光態様で発光し、天井残り回数範囲が第5天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第5発光態様で発光し、天井残り回数範囲が第6天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第6発光態様で発光し、天井残り回数範囲が第7天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第7発光態様で発光し、天井残り回数範囲が第8天井残り回数範囲である場合は、第1発光部53A~第12発光部53Lが同調して第8発光態様で発光する。
【0453】
また、各天井残り回数範囲の具体的な数字は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、第1天井残り回数範囲は、1≦天井残り回数≦100であり、第2天井残り回数範囲は、101≦天井残り回数≦200であり、第3天井残り回数範囲は、201≦天井残り回数≦300であり、第4天井残り回数範囲は、301≦天井残り回数≦400であり、第5天井残り回数範囲は、401≦天井残り回数≦500であり、第6天井残り回数範囲は、501≦天井残り回数≦600であり、第7天井残り回数範囲は、601≦天井残り回数≦700であり、第8天井残り回数範囲は、701≦天井残り回数≦800である。
【0454】
次に、天井残り回数範囲と枠ランプ53の発光態様の具体的な内容との関係を
図57に示す。
図57に示すように、第8発光態様は、白色の継続的な点灯であり、第7発光態様は、青色の継続的な点灯であり、第6発光態様は、緑色の継続的な点灯であり、第5発光態様は、赤色の継続的な点灯である。さらに、第4発光態様は、白色の5秒点灯と青色の5秒点灯を1セットとして繰り返すという内容であり、第3発光態様は、白色の5秒点灯と青色の5秒点灯と緑色の5秒点灯を1セットして繰り返すという内容であり、第2発光態様は、白色の5秒点灯と青色の5秒点灯と緑色の5秒点灯と赤色の5秒点灯を1セットして繰り返すという内容である。また、第1発光態様は、枠ランプ53において白色点灯と青色点灯と緑色点灯と赤色点灯とを適宜に混在させて継続的に点灯するという内容である。ただし、各発光態様に係る具体的な内容は、発光態様相互で異なるようになっていれば適宜に設定しても良い。
【0455】
このように、天井残り回数示唆演出は、枠ランプ53の天井残り回数範囲に応じた発光態様で実行されるが、実行される期間と、実行されない期間とがある。第1実施形態では、天井残り回数示唆演出が実行される期間は、客待ち状態に設定されている。換言すると、特図に係る遊技として、特図可変表示、小当たり遊技、および大当たり遊技の何れも実行されていないときに天井残り回数示唆演出が実行され、特図可変表示、小当たり遊技、および大当たり遊技の何れかが実行されているときには天井残り回数示唆演出は実行されない。
【0456】
次に、パチンコ遊技機PY1において天井残り回数示唆演出の具体例について説明する。
図58は、天井残り回数示唆演出が実行されている様子を説明するための説明図であり、表示部50a、および枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)を模式的に表している。また、
図58において、各発光部53A~53Lが斜めのハッチングで表されているときは消灯している状態を表し、各発光部53A~53Lが白色で表されているときは点灯している状態を表しているものとする。
【0457】
例えば、特図保留がない状況で変動表示していた特図がハズレを示す態様で停止表示し、当該特図の停止表示に応じて、
図58(A)に示すように、表示部50aにおいて演出図柄EZ1~EZ3がハズレを示す態様で停止表示したとする。なお、このとき枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)は消灯しているものとする。ただし、枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)は、天井残り回数示唆演出では実行され得ない所定の遊技に係る発光態様で発光していてもよい。
【0458】
特図が停止表示してから特図確定時間が経過し特図が確定すると、すなわち、客待ち状態になると、
図58(B)に示すように、そのときの天井残り回数範囲に応じた天井残り回数示唆演出態様によって天井残り回数示唆演出が開始され、枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)が当該発光態様で発光する。この天井残り回数示唆演出は、次に特図可変表示が開始されるまで継続する。言い換えると、当該客待ち状態において天井残り回数示唆演出は実行され続ける。したがって、例えば特図が確定してから所定時間(例えば、30秒)が経過すると客待ちデモ動画G100が表示部50aの全体に表示されるように構成されている場合、特図が確定してから当該所定時間が経過しても新たな特図可変表示が開始されていない状況が継続すると、
図58(C)に示すように、表示部50aで客待ちデモ動画G100が表示されるようになっても、枠ランプ53による天井残り回数示唆演出が実行され続ける。
【0459】
このように、天井残り回数示唆演出として枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)がそのときの天井残り回数範囲に応じた天井残り回数示唆演出態様で発光するので、当該パチンコ遊技機PY1が見える範囲で当該パチンコ遊技機PY1から離れた位置にいる者は、枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)の発光態様によって天井残り回数範囲を把握することができる。したがって、わざわざ当該パチンコ遊技機PY1の前まで来なくても、その天井残り回数範囲に基づいて当該パチンコ遊技機PY1での遊技の可否を判断することができる。
【0460】
そして、客待ち状態において天井残り回数示唆演出が実行されているときに当該パチンコ遊技機PY1で遊技が行われるようになり、特図可変表示が開始されると、
図58(D)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、天井残り回数示唆演出が終了し、例えば、枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)が消灯する。ただし、枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)は、天井残り回数示唆演出では実行され得ない所定の遊技に係る発光態様での発光を開始するようにしてもよい。すなわち、客待ち状態からの特図可変表示の開始に伴って、枠ランプ53(第1発光部53A~第12発光部53L)の発光態様が天井残り回数示唆演出に係る発光態様から、遊技に係る所定の発光態様に切り替わるようにしてもよい。
【0461】
次に、パチンコ遊技機PY1が天井残り回数示唆演出を実行するための処理(天井残り回数示唆演出制御処理)の一例を説明する。ただし、最終的に天井残り回数示唆演出を実行することができる範囲で処理内容は適宜に変更しても良い。
【0462】
第1実施形態では、天井残り回数示唆演出制御処理には、天井残り回数計数準備処理、天井残り回数計数実行処理、天井残り回数示唆演出段取り処理、および天井残り回数演出実行処理がある。天井残り回数計数準備処理、天井残り回数計数実行処理、天井残り回数示唆演出段取り処理は、遊技制御用マイコン101によって実行され、天井残り回数演出実行処理は演出制御用マイコン121によって実行される。なお、第1実施形態では、遊技用RAM104の所定領域に、天井残り回数を計数、および記憶するための天井残り回数カウンタが設けられているものとする。また、
図57に示すような天井残り回数範囲と天井残り回数示唆演出に係る枠ランプ53の発光態様(天井残り回数示唆演出態様)とが対応付けられたテーブル(天井残り回数示唆演出態様判定テーブル)が演出用ROM123に格納されているものとする。
【0463】
最初に、天井残り回数計数準備処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、例えば、大当たり遊技のエンディングが終了するとき、および当該パチンコ遊技機PY1に電源が投入された際に、RAMクリアスイッチ192が特定操作されているときに、天井残り回数計数準備処理を実行する。遊技制御用マイコン101は、天井残り回数計数準備処理として、天井残り回数カウンタに、特定回数である「800」をセットすると共に、天井残り回数の計測が可能であることを示す計測可能フラグを遊技用RAM104の所定領域にONする。
【0464】
次に、天井残り回数計数実行処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、例えば、大当たり判定の結果が大当たり以外の場合、特図変動表示が停止してから特図確定時間が経過したときに、天井残り回数計数実行処理を実行する。遊技制御用マイコン101は、天井残り回数計数実行処理において、まずは、計数可能フラグがONしているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、計測可能フラグがONされていないと判定すると、当該天井残り回数計数実行処理を終え、計測可能フラグがONされていると判定すると、続いて、天井残り回数計数実行処理として、天井残り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算させて、天井残り回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する。ここで、天井残り回数カウンタのカウンタ値が「0」でない場合、通常遊技状態で特定回数の特図可変表示が実行されていないことになるから、遊技制御用マイコン101は、天井時短に移行させずに遊技状態をそのまま維持させるために、天井残り回数計数実行処理を終える。一方、天井残り回数カウンタのカウンタ値が「0」である場合、通常遊技状態で特定回数の特図可変表示が実行されたことになるから、遊技制御用マイコン101は、天井時短に移行させるために、天井残り回数計数実行処理として、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONし、天井時短に係る時短規定回数である「1000」を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットし、時短状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、計数可能フラグをOFFし、当該天井残り回数計数実行処理を終える。このように、天井時短に移行するときに計数可能フラグがOFFになり、次に大当たり遊技が終了するときか、RAMクリアスイッチ192が特定操作されるときに計測可能フラグがONになるので、天井時短に移行した後、大当たりすることなく、またはRAMクリアされることなく特定回数の特図可変表示が実行されても、天井時短に移行することはない。
【0465】
次に、天井残り回数示唆演出段取り処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、客待ち状態に移行させた(客待ちフラグをON)ときに、天井残り回数示唆演出段取り処理を実行する。遊技制御用マイコン101は、天井残り回数示唆演出段取り処理として、天井残り回数を示すコマンド(天井残り回数指定コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。前述の通り、遊技制御用マイコン101は客待ちフラグをONするときに、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。したがって、次回の遊技制御側タイマ割り込み(S005)の出力処理(S101)において、客待ちコマンドと共に、天井残り回数指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0466】
演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドと共に、天井残り回数指定コマンドを受信すると、天井残り回数演出実行処理を実行する。演出制御用マイコン121は、天井残り回数演出実行処理として、天井残り回数示唆演出態様判定テーブルを参照して、天井残り回数指定コマンドが示す天井残り回数に基づいて、天井残り回数示唆演出に係る枠ランプ53の発光態様(天井残り回数示唆演出態様)を決定し、決定した発光態様(天井残り回数示唆演出態様)が示す発光内容で枠ランプ53を発光させる(天井残り回数示唆演出を実行する)。演出制御用マイコン121は、例えば、天井残り回数指定コマンドが示す天井残り回数を天井残り回数示唆演出態様判定テーブルに照合することで天井残り回数示唆演出に係る枠ランプ53の発光態様(天井残り回数示唆演出態様)を決定することができる。
【0467】
以上のように、パチンコ遊技機PY1によれば、通常遊技状態において、特別図柄が大当たり図柄で停止表示することなく、特定回数(800回)実行されることを含む特定条件が成立すると、第2始動口12が開放し易い時短状態になり、特定条件の成立による時短状態になるまでの特別図柄の変動表示の残り回数(天井残り回数)が第1回数(例えば、第1天井残り回数範囲)であるときに、枠ランプ53を第1発光態様(例えば、第1天井残り回数示唆演出態様)で発光させる第1発光演出(第1天井残り回数示唆演出態様による天井残り回数示唆演出)を実行することがあり、残り回数(天井残り回数)が第1回数と異なる第2回数(例えば、第2天井残り回数範囲)であるときに、枠ランプ53を第2発光態様(例えば、第2天井残り回数示唆演出態様)で発光させる第2発光演出(第2天井残り回数示唆演出態様による天井残り回数示唆演出)を実行することがあるので、当該パチンコ遊技機PY1が見える範囲で当該パチンコ遊技機PY1から離れた位置にいる者は、枠ランプ53の発光態様によって天井残り回数範囲を把握することができ、わざわざ当該パチンコ遊技機PY1の前まで来なくても、その天井残り回数範囲に基づいて当該パチンコ遊技機PY1での遊技の可否を判断することができるため、当該パチンコ遊技機PY1に対するユーザーフレンドリー性を高めつつ、遊技者自身に望む状況で遊技を行うことができるため遊技興趣が向上する。さらに、特別図柄の変動表示、大当たり遊技、および小当たり遊技の何れも実行されていないことを含む実行条件が成立すると、天井残り回数示唆演出を実行するので、遊技に関する演出に支障を来すことを防ぐことができる。さらに、枠ランプ53は前枠23mの前面側に設けられているので、当該パチンコ遊技機PY1から離れた位置にいる者から天井残り回数示唆演出が見やすくなり、天井残り回数示唆演出の演出効果が向上する。
【0468】
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
【0469】
天井到達に係る特定回数、および天井時短規定回数の具体的な値は第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。また、第1実施形態では、各天井残り回数範囲は100回で構成されているが天井残り回数範囲の具体的な内容も第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。さらに、第1実施形態では、天井残り回数範囲は全て同一の100回に設定されているが、相対的に少ない回数の天井残り回数範囲と相対的に多い回数の天井残り回数範囲とがあるようにしても良い。また、天井残り回数範囲に係る回数は3以上の複数種類あるようにしても良い。さらには、天井残り回数範囲の種類も、第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
【0470】
また、第1実施形態では、客待ち状態になると必ず天井残り回数示唆演出が実行されることになるが、客待ち状態において天井残り回数示唆演出が実行される場合と天井残り回数示唆演出が実行されない場合とがあるようにしても良い。この実行する場合と実行しない場合の基準としては、例えば、天井残り回数の閾値としても良い。そして、この場合、天井残り回数が閾値以上の場合は天井残り回数示唆演出が実行されるようにし、天井残り回数が閾値未満の場合は天井残り回数示唆演出が実行されないようにしても良い。逆に、天井残り回数が閾値以上の場合は天井残り回数示唆演出が実行されないようにし、天井残り回数が閾値未満の場合は天井残り回数示唆演出が実行されるようにしても良い。これらの場合の閾値は適宜に設定可能であるが、例えば特定回数が800回の場合に閾値を500回など、少なくとも特定回数の半分以上に設定しても良い。反対に、例えば特定回数が800回の場合に閾値を200回など、少なくとも特定回数の半分以下に設定しても良い。さらには、通常遊技状態では天井残り回数示唆演出が実行されるようにし、時短状態では天井残り回数示唆演出が実行されないようにするなど、天井残り回数示唆演出を実行する場合と実行しない場合の基準を遊技状態にしても良い。
【0471】
さらに、天井残り回数示唆演出の具体的な演出内容も、第1実施形態に限られず、演出内容の違いによって天井残り回数範囲の違いを相互に見分けられる範囲で、適宜に変更しても良い。また、第1実施形態では、客待ち状態に移行する時に天井残り回数示唆演出が開始されるが、天井残り回数示唆演出の開始タイミングを適宜に変更しても良い。例えば、客待ち状態に移行してから20秒などの特定時間が経過したときに天井残り回数示唆演出が開始されるようにしても良い。あるいは、客待ちデモ動画G100など客待ち状態における特定の演出が開始されることに応じて天井残り回数示唆演出が開始されるようにしても良い。例えば、特図保留がない状態で特図変動表示が停止し、それから特図確定時間が経過して特図が確定してから所定時間(例えば、30秒)が経過するまでは、最後の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が維持され、特図が確定してから所定時間(例えば、30秒)が経過したときに表示部50aの全体に客待ちデモ動画G100が表示されるようにしても良い。
【0472】
また、第1実施形態では、天井残り回数示唆演出は客待ち状態でのみ実行可能であるが、天井残り回数示唆演出が実行可能な期間も第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、客待ち状態に代えて、または加えて、遊技が実行されているときにも天井残り回数示唆演出を実行できるようにしても良い。この場合、天井残り回数示唆演出を実行可能な遊技が実行されている状態は、特に制限されないようにしても制限されるようにしても良い。制限される例としては、特図可変表示など大当たり遊技が実行されている状態以外の遊技状態において天井残り回数示唆演出を実行可能にしても良い。あるいは、通常遊技状態においてのみ天井残り回数示唆演出を実行可能にしても良い。
【0473】
さらに、客待ち状態、および遊技が実行されている状態で天井残り回数示唆演出を実行可能にする場合、客待ち状態と遊技が実行されている状態とで天井残り回数示唆演出を実行させるための条件を同一にしても異なるようにしても良い。異なる場合は、客待ち状態における天井残り回数示唆演出を実行させるための条件よりも遊技が実行されている状態における天井残り回数示唆演出を実行させるための条件の方が厳しくなるようにしても良い。例えば、その場合、客待ち状態では天井残り回数がいくつであっても天井残り回数示唆演出を実行可能であるが、遊技が実行されている状態では、天井残り回数が所定回数(例えば、200回)以下の場合に天井残り回数示唆演出を実行可能となるようにしても良い。また、反対に、遊技が実行されている状態における天井残り回数示唆演出を実行させるための条件よりも客待ち状態における天井残り回数示唆演出を実行させるための条件の方が厳しくなるようにしても良い。さらには、遊技が実行されている状態の中でも状態の種類に応じて天井残り回数示唆演出を実行させるための条件が複数種類あるようにしても良い。
【0474】
また、第1実施形態では、大当たり当選確率に係る遊技状態は1種類であるが、基本的な実施形態のように、大当たり当選確率に係る遊技状態は通常確率状態と高確率状態とがあるようにしても良い。この場合、天井残り回数は、大当たり遊技の後、最初に通常確率状態になったところから開始するようにしても良い。例えば、大当たり遊技の終了に応じて高確率状態に移行し、当該高確率状態において大当たりすることなく特
図2可変表示が所定回数(例えば、100回)実行されると高確率状態から通常確率状態に移行する場合、当該通常確率状態に移行してから天井残り回数が計測される。また、このような大当たり遊技の後の高確率状態から通常確率状態への移行条件(高確率状態の終了条件)は、特
図2可変表示の実行に限られず適宜に設定しても良い。例えば、所謂「転落抽選」で転落となった場合に高確率状態から通常確率状態へ移行するようにしても良い。あるいは、高確率状態で所定回数(例えば、10回)小当たりに当選する(小当たり図柄の停止表示が行われる)と高確率状態から通常確率状態へ移行するようにしても良い。
【0475】
また、第1実施形態では、一度天井時短に移行すると、その後にRAMクリアされる場合を除いて、大当たりしない限りは再び天井到達することはなかった。しかしながら、一度天井時短に移行した後、大当たりしなくても再び天井到達することがあるようにしても良い。例えば、天井時短に移行したが、当該天井時短において大当たりすることなく天井時短規定回数の特図可変表示が実行されて通常遊技状態に移行した場合、通常遊技状態に移行してから大当たりすることなく特定回数の特図可変表示が実行されると、再び天井到達して、時短状態に移行するようにしても良い。あるいは、例えば、天井時短に移行したが、当該天井時短において大当たりすることなく天井時短規定回数の特図可変表示が実行されて通常遊技状態に移行した場合、当該通常遊技状態の前の天井時短に移行してから大当たりすることなく特定回数の特図可変表示が実行されると、再び天井到達して、時短状態に移行するようにしても良い。
【0476】
さらに、第1実施形態では、前枠23mの前面に設けられた枠ランプ53を用いて天井残り回数示唆演出が実行されるが、天井残り回数示唆演出を実行する演出装置は枠ランプ53に限られず適宜に変更しても良い。例えば、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kを発光可能に構成し、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kによる発光によって天井残り回数示唆演出を実行するようにしても良い。また、遊技盤ユニットYUにおける遊技者から視認可能な位置に発光可能な発光装置を設け、当該発光装置による発光によって天井残り回数示唆演出を実行するようにしても良い。なお、ここでの「遊技者」とは、当該パチンコ遊技機PY1の近傍(例えば、2~3メートル以内)に位置する遊技者を含むが、当該パチンコ遊技機PY1からある程度遠く(例えば、5メートル以上)に離れている遊技者も含まれると好適である。また、音声や、動作可能な作動装置による動作によって天井残り回数示唆演出を実行するようにしても良い。この場合、少なくとも当該パチンコ遊技機PY1の近傍(例えば、2~3メートル以内)に位置する遊技者が認知可能であれば足りるが、当該パチンコ遊技機PY1からある程度遠く(例えば、5メートル以上)に離れている遊技者が認知可能であれば好適である。あるいは、当該パチンコ遊技機PY1の直上に配置されている所謂「データ表示器」を発光可能に構成し、当該データ表示器を適宜に発光させることで天井残り回数示唆演出を実行するようにしても良い。
【0477】
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
【0478】
第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の前扉23の表面、上皿34の表面、下皿35の表面、ハンドル72kの表面、第1演出ボタン40kの表面、および第2演出ボタン41kの表面には、光が照射されることによってウイルスや菌などの有害物質を触媒して分解することができ、抗菌・抗ウィルス効果を有する所定材料がコーティングされている。したがって、例えば、ある遊技者が当該パチンコ遊技機PY2で遊技したことによって、何らかのウイルスや菌などの有害物質が当該パチンコ遊技機PY2の表面に付着したとしても、当該遊技者が遊技を終えてパチンコ遊技機PY2から離れれると、抗菌・抗ウィルスが開始されることになる。そこで、パチンコ遊技機PY2は、当該パチンコ遊技機PY2における抗菌・抗ウィルスの状況に関する演出(特別演出)を実行することがある。具体的には、パチンコ遊技機PY2は、ハンドル72kへの接触が検知されなくなった時間に応じて特別演出を実行する。第2実施形態では、ハンドル72kへの接触が検知されていた状況からハンドル72kへの接触が検知されなくなった状況への移行は、それまで当該パチンコ遊技機PY2で遊技を行っていた遊技者が遊技を終えて当該パチンコ遊技機PY2から離れていったものとみなされる。なお、光が照射されることによってウイルスや菌などの有害物質を触媒して分解することができ、抗菌・抗ウィルス効果などを有する所定材料は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、光触媒で構成されている。
なお、第2実施形態に係る「抗菌」とは、菌の増殖を抑えることであり、「抗ウィルス」とは、ウイルスを不活化させ
【0479】
また、詳細は後述するが、演出制御用マイコン121は、ハンドル72kへの接触が検知されなくなってから経過した時間(接触解除経過時間:CRt)を計測し、当該経過時間に応じて特別演出を実行する。言い換えると、演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間に応じて特別演出の演出内容を変化させる。なお、第2実施形態では、特別演出は、スピーカー52からの音声の出力と、枠ランプ53からの発光によって構成される。以下において、特別演出を構成する音声の部分を「特別音声演出」と称し、特別演出を構成する発光の部分を「特別発光演出」と称する。特別発光演出は、当該特別演出の開始時から終了時まで途切れることなく継続して実行され続ける。一方、特別音声演出は、所定の時間間隔で間欠的に実行され続ける。
【0480】
特別演出の演出内容(特別演出態様:特別音声演出の演出内容(特別音声演出態様)、および特別発光演出の演出内容(特別発光演出態様))は接触解除経過時間によって変化する。特別演出態様(特別音声演出態様、および特別発光演出態様)と接触解除経過時間との関係を
図59に示す。
図59に示すように、特別音声演出態様には、10種類の特別音声演出態様(第1特別音声演出態様~第10特別音声演出態様)があり、特別発光演出態様には、11種類の特別発光演出態様(第1特別発光演出態様~第11特別発光演出態様)がある。
【0481】
特別発光演出が途切れることなく実行され続けていく中で、特別発光演出態様が順次切り替わっていく。
図59に示すように、特別発光演出態様の順番は、「第1特別発光演出態様→第2特別発光演出態様→第3特別発光演出態様→第4特別発光演出態様→第5特別発光演出態様→第6特別発光演出態様→第7特別発光演出態様→第8特別発光演出態様→第9特別発光演出態様→第10特別発光演出態様→第11特別発光演出態様」となっている。
【0482】
また、特別発光演出態様の切り替わるタイミングは、第10特別発光演出態様になるまでは1分間隔となっている。そして、最後の第11特別発光演出態様に切り替わるタイミングは、第10特別発光演出態様に切り替わってから10秒経過時である。なお、特別発光演出は途切れることなく実行され続けるので、次の特別発光態様に切り替わるまでは、その特別発光態様による特別発光演出が実行され続ける。また、第11特別発光演出態様に切り替わった後は、特別演出が終了するまで当該第11特別発光演出態様による特別発光演出が実行され続ける。
【0483】
第1特別発光態様は、輝度10%での連続的な白色点灯で構成され、第2特別発光態様は、輝度20%での連続的な白色点灯で構成され、第3特別発光態様は、輝度30%での連続的な白色点灯で構成され、第4特別発光態様は、輝度40%での連続的な白色点灯で構成され、第5特別発光態様は、輝度50%での連続的な白色点灯で構成され、第6特別発光態様は、輝度60%での連続的な白色点灯で構成され、第7特別発光態様は、輝度70%での連続的な白色点灯で構成され、第8特別発光態様は、輝度80%での連続的な白色点灯で構成され、第9特別発光態様は、輝度90%での連続的な白色点灯で構成され、第10特別発光態様は、輝度100%での連続的な白色点滅で構成され、第11特別発光態様は、輝度100%での連続的な白色点灯で構成されている。
【0484】
第1特別発光演出態様~第11特別発光演出態様は発光色が白色という点で共通しているが、全体的に(詳細には、第10特別発光演出態様と第11特別発光演出態様との間を除いて)特別発光演出態様の順序が進むにつれて、言い換えると接触解除経過時間が進行するにつれて、輝度が高まっていく。これは輝度が、光触媒による抗菌・抗ウィルス効果に対応付けており、輝度が高くなっていくことが、抗菌・抗ウィルス効果が高まっていることを示唆している。すなわち、特別発光演出によって、抗菌・抗ウィルス効果が高まっていることが間接的に示唆されている。また、特別発光演出態様の中で、第1特別発光演出態様~第9特別発光演出態様、および第11特別発光演出態様と、第10特別発光演出態様とは、発光色が白色という点で共通しているが、発光態様は前者は点灯であり、後者は点滅である。このように、第10特別発光演出態様がそれ以外の特別発光演出態様と異なっていることで、第10特別発光演出態様による特別発光演出は、抗菌・抗ウィルス効果が完了したことを示唆している。
【0485】
また、特別音声演出は間欠的に実行され続ける。そして、特別音声演出が間欠的に実行されていく中で、特別音声演出態様が段階的に順次切り替わっていく。
図59に示すように、特別音声演出態様の順番は、「第1特別音声演出態様→第2特別音声演出態様→第3特別音声演出態様→第4特別音声演出態様→第5特別音声演出態様→第6特別音声演出態様→第7特別音声演出態様→第8特別音声演出態様→第9特別音声演出態様→第10特別音声演出態様」となっている。
【0486】
特別音声演出は、1分間隔で実行され、第10特別音声演出態様になるまでは、当該実行されるタイミングが、特別音声演出態様の切り替わるタイミングにもなっている。そして、最後の第10特別音声演出態様に切り替わってからは、特別音声演出態様が切り替わることはないが、第10特別音声演出態様での特別音声演出が1分間隔で繰り返し実行され続ける。
【0487】
また、第1特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルスが始まったばかりだよ」で構成され、第2特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルスがいい感じで進んでるね」で構成され、第3特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス完了までの道のりは長い」で構成され、第4特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス完了の半分近くまできたよ」で構成され、第5特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス完了までの折り返し地点だ」で構成され、第6特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス作業後半だよ」で構成され、第7特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス作業も終わりに近づいてきているよ」で構成され、第8特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス作業も終盤だ」で構成され、第9特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス完了まであと少し」で構成され、第10特別音声演出態様は、所定キャラクターによる台詞「抗菌・抗ウィルス完了。安心してご遊技頂けます。」で構成されている。
【0488】
このように、第1特別音声演出態様~第10特別音声演出態様は所定キャラクターによる台詞で構成され、台詞の内容は、抗菌・抗ウィルス効果の進行状況に関する内容となっている。しかも、特別音声演出態様の順序が進むにつれて、言い換えると接触解除経過時間が進行するにつれて、抗菌・抗ウィルス効果が高まっていってることを具体的に示唆している。すなわち、特別音声演出によって、抗菌・抗ウィルス効果が高まっていることが直接的に示唆されている。
【0489】
特別演出は、客待ち状態において実行可能である。特別演出が行われるケースとしては、ハンドル72kへの接触が解除された後に客待ち状態になる場合と、客待ち状態になった後にハンドル72kへの接触が解除される場合とがある。ここで、特別演出が行われる場合の具体例について説明する。なお、詳細は後述するが、演出制御用マイコン121が特別演出の演出に関する制御を直接的に行うが、実際にハンドル72kが解放(接触→非接触)されてから1分(60秒)が経過したときに、パチンコ遊技機PY2は、確定的にハンドル72kが解放されたと判断、言い換えると遊技者が遊技を終了した(遊技者が当該パチンコ遊技機PY2から離席した)と判断し(擬制し)、演出制御用マイコン121はそのときにハンドル72kの解放を認識して、特別演出を開始させる。一方、実際にハンドル72kが接触(非接触→接触)がされてから10秒が経過したときに、パチンコ遊技機PY2は、確定的にハンドル72kが接触されたと判断、言い換えると遊技者が遊技を開始した(遊技者が当該パチンコ遊技機PY2に対して着座した)と判断し(擬制し)、演出制御用マイコン121は、そのときに当該ハンドル72kへの接触を認識して、特別演出を終了させる。このように、実際にハンドル72kが解放されてから経過した時間と、演出制御用マイコン121がハンドル72kが解放されたと認識してから経過した時間とは相違するが、演出制御用マイコン121は、実際にハンドル72kが解放(接触→非接触)されてから経過した時間を表すように、接触解除経過時間を計測する。
【0490】
演出制御用マイコン121がハンドル72kの解放を把握した後に客待ち状態になる場合、当該把握から客待ち状態になるまでの間に時間が経過しているので、特別演出が、途中から開始することになる。ここでの「途中」とは、「特別演出態様について、特別演出が客待ち状態になったときの接触解除経過時間に応じた箇所から」という意味である。前述の通り、特別発光演出は、連続的に実行されるので、客待ち状態に移行したときの接触解除経過時間に対応付けられた特別発光演出態様で開始される。特別発光演出の開始後は、
図59に示す接触解除経過時間と特別発光演出態様との関係に沿って特別発光演出態様が切り替わっていく。一方、特別音声演出は、間欠的に実行されるので、客待ち状態に移行したタイミングが特別音声演出を実行する接触解除経過時間の間であれば、すぐには開始されず、その後、特別音声演出を実行するタイミングの最初の接触解除経過時間となったときに、そのときの接触解除経過時間に対応付けられた特別音声演出態様で開始される。なお、客待ち状態に移行したときがちょうど特別音声演出を実行する接触解除経過時間であれば、特別音声演出は、そのときの接触解除経過時間に対応付けられた特別音声演出態様で開始される。そして、特別音声演出の開始後は、接触解除経過時間がくる度にその接触解除経過時間に対応付けられた特別音声演出態様で特別音声演出を実行する。
【0491】
ここで、演出制御用マイコン121がハンドル72kの解放を把握した後に客待ち状態になる場合の特別演出態様の遷移の具体例を説明する。
図60は、演出制御用マイコン121がハンドル72kの解放を把握した後に客待ち状態になる場合の接触解除経過時間と遊技の状況と特別演出態様(特別音声演出態様・特別発光演出態様)との関係を表すタイムチャートである。
【0492】
例えば、特図変動表示が行われているときに、ハンドル72kへの接触が解除され、その後、接触解除経過時間が2分30秒となったときに、特図変動表示が停止して客待ち状態に移行したとする。演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間が1分00秒となったときに、ハンドル72kへの接触が解除されたことを認識するので、この例示では、客待ち状態へ移行すると直ぐに特別演出が開始されることになる。
【0493】
客待ち状態に移行したときの接触解除経過時間は2分30秒であるので、特別演出として、特別発光演出が第2特別発光演出態様で開始される。前述の通り、特別発光演出は開始後は継続的に実行され続ける。なお、このタイミングは、特別音声演出に対して、第2特別音声演出態様での実行タイミングと第3特別音声演出態様での実行タイミングの間であるので、このときに特別音声演出は実行されない。
【0494】
そして、客待ち状態に移行してから30秒が経過して接触解除経過時間が3分00秒となったところで、特別発光演出態様が第2特別発光態様から第3特別発光態様で切り替わると共に、第3特別音声演出態様での特別音声演出が実行される。その後は、ハンドル72kが接触されない限りは、
図59に示す接触解除経過時間と特別演出態様(特別音声演出態様、および特別発光演出態様)との関係に沿って特別演出が展開される。ただし、か特別演出が実行されているときに、演出制御用マイコン121が、ハンドル72kの接触を把握すると、その時点で、言い換えると、実際にハンドル72kが接触されてから10秒が経過した時点で、特別演出を終了させる。なお、
図60の例示では、接触経過時間が12分30秒となったところでハンドル72kへの接触が解除されたと設定されている。したがって、特別演出が終了するときには、特別発光演出が第11特別発光演出態様で実行されている。
【0495】
一方、演出制御用マイコン121がハンドル72kの解放を把握する前に客待ち状態になる場合、当該把握のときに既に客待ち状態に移行しているので、特別演出が最初から実行されることとなる。ここでの「最初」とは、「特別演出態様について、先頭の第1特別演出態様から」という意味である。したがって、特別発光演出は第1特別演出態様で開始されることになる。特別発光演出の開始後は、
図59に示す接触解除経過時間と特別発光演出態様との関係に沿って特別発光演出態様が切り替わっていく。また、演出制御用マイコン121が、ハンドル72kの解放を把握したタイミングは、特別音声演出を実行する接触解除経過時間「1分00秒」であるので、特別音声演出が第1特別音声演出態様で実行される。そして、特別音声演出の開始後は、特別音声演出を実行するタイミングの接触解除経過時間がくる度にその接触解除経過時間に対応付けられた特別音声演出態様で特別音声演出が実行される。
【0496】
ここで、演出制御用マイコン121がハンドル72kの解放を把握する前に客待ち状態になる場合の特別演出態様の遷移の具体例を説明する。
図61は、演出制御用マイコン121がハンドル72kの解放を把握する前に客待ち状態になる場合の接触解除経過時間と遊技の状況と特別演出態様(特別音声演出態様・特別発光演出態様)との関係を表すタイムチャートである。
【0497】
例えば、客待ち状態になって30秒が経過したときに、実際にハンドル72kが解放されたとする。そうするとそれから1分00秒が経過したときに演出制御用マイコン121がハンドル72kの解放を把握するので、実際にハンドル72kが解放されてから1分00秒が経過したときに特別演出が開始される。
【0498】
特別演出が開始されるときの接触解除経過時間は1分00秒であるので、特別演出として、特別発光演出が第1特別発光演出態様で開始される。前述の通り、特別発光演出は開始後は継続的に実行され続ける。また、このタイミングは、特別音声演出に対して、第1特別音声演出態様での実行タイミングであるので、このときに特別音声演出が実行される。
【0499】
そして、特別演出が開始されてから1分00秒が経過して接触解除経過時間が2分00秒となったところで、特別発光演出態様が第1特別発光態様から第2特別発光態様に切り替わると共に、第2特別音声演出態様での特別音声演出が実行される。その後は、ハンドル72kが接触されない限りは、
図59に示す接触解除経過時間と特別演出態様(特別音声演出態様、および特別発光演出態様)との関係に沿って特別演出が展開される。ただし、特別演出が実行されているときに、演出制御用マイコン121が、ハンドル72kの接触を把握すると、その時点で、言い換えると、実際にハンドル72kが接触されてから10秒が経過した時点で、特別演出を終了させる。なお、
図61の例示では、接触経過時間が12分30秒となったところでハンドル72kへの接触が解除されたと設定されている。したがって、特別演出が終了するときには、特別発光演出が第11特別発光演出態様で実行されている。
【0500】
次に、パチンコ遊技機PY2が特別演出を実行するための処理(特別演出制御処理)の一例を説明する。ただし、最終的に特別演出を実行することができる範囲で処理内容は適宜に変更しても良い。
【0501】
第2実施形態では、特別演出制御処理には、接触終了判定処理、接触開始判定処理、および特別演出実行処理がある。接触終了判定処理、および接触開始判定処理は、払出制御基板170、および遊技制御基板100によって実行され、特別演出実行処理は演出制御基板120によって実行される。なお、第2実施形態では、演出用RAM124の所定領域に、接触解除経過時間を計測するための接触解除経過時間タイマが設けられている。また、
図59に示すような接触解除経過時間と特別演出態様とが対応付けられたテーブル(特別演出態様判定テーブル)が演出用ROM123に格納されているものとする。
【0502】
最初に、接触終了判定処理について説明する。前述したように、タッチスイッチ72aは、遊技者のハンドル72kへの接触を検知可能であり、接触を検知すると発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。そして、タッチスイッチ72aは、ハンドル72kへの接触を検知している間、検知信号を払出制御基板170に出力し続ける。なお、以下において、タッチスイッチ72aが払出制御基板170に検知信号を出力している状態を「ON」と称し、検知信号を出力していない状態を「OFF」と称することもある。
【0503】
そして、払出制御基板170は、接触終了判定処理として、まずはタッチスイッチ72aからの検知信号がONからOFFになったか否かを判定する。払出制御基板170は検知信号がOFFになっていないと判定すると当該接触終了判定処理を終え、検知信号がOFFになったと判定すると、次に、検知信号がOFFになってから所定時間(第2実施形態では、10秒)が経過したか否かを判定する。払出制御基板170は、検知信号がOFFになってから所定時間(第2実施形態では、60秒)が経過していないと判定すると当該接触終了判定処理を終え、払出制御基板170は検知信号がOFFになってから所定時間(第2実施形態では、60秒)が経過したと判定すると、続いて、ハンドル72kへの接触が解除されたことを示す接触終了指定コマンドを遊技制御基板100に送信する。そして、遊技制御用マイコン101は、接触終了判定処理として、接触終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、接触終了指定コマンドを受信していないと判定すると、当該接触終了判定処理を終え、接触終了指定コマンドを受信したと判定すると、続いて、ハンドル72kへの接触が確実に終了し、遊技が終了して遊技者が当該パチンコ遊技機PY2から離れたと判断できる(擬制できる)状況になったことを示す遊技終了指定コマンドを演出制御基板120に送信し、当該接触終了判定処理を終える。なお、第2実施形態において、遊技制御用マイコン101による接触終了判定処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)のその他の処理(S107)において行われるものとする。
【0504】
次に、接触開始判定処理について説明する。払出制御基板170は、接触開始判定処理として、接触終了判定処理の場合と反対に、まずはタッチスイッチ72aからの検知信号がOFFからONになったか否かを判定する。払出制御基板170は、検知信号がOFFからONになっていないと判定すると当該接触開始判定処理を終え、検知信号がOFFからONになったと判定すると、次に、検知信号がONになってから所定時間(第2実施形態では、10秒)が経過したか否かを判定する。払出制御基板170は、検知信号がONになってから所定時間(第2実施形態では、10秒)が経過していないと判定すると当該接触開始判定処理を終え、払出制御基板170は検知信号がONになってから所定時間(第2実施形態では、10秒)が経過したと判定すると、続いて、ハンドル72kへの接触が開始されたことを示す接触開始指定コマンドを遊技制御基板100に送信する。そして、遊技制御用マイコン101は、接触開始判定処理として、接触開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、接触開始指定コマンドを受信していないと判定すると、当該接触開始判定処理を終え、接触開始指定コマンドを受信したと判定すると、続いて、ハンドル72kへの接触が確実に開始し、遊技が開始して遊技者が当該パチンコ遊技機PY2に対して着座したと判断できる(擬制できる)状況になったことを示す遊技開始指定コマンドを演出制御基板120に送信し、当該接触開始判定処理を終える。なお、第2実施形態において、遊技制御用マイコン101による接触開始判定処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)のその他の処理(S107)において行われるものとする。
【0505】
次に、特別演出実行処理について説明する。特別演出実行処理には、特別演出に係る接触解除経過時間を計測するための接触解除経過時間計測処理と、特別演出が実行されていないときに特別演出を開始させるか否かを判定する特別演出開始判定処理と、特別演出の実行中に特別演出態様を制御するための特別演出態様制御処理と、特別演出の実行中に特別演出を終了させるか否かを判定する特別演出終了判定処理とを含む。
【0506】
なお、接触解除経過時間計測処理、特別演出開始判定処理、特別演出態様制御処理、および特別演出終了判定処理は、10msタイマ割り込み処理(S4012)の受信コマンド解析処理(S4201)と音声制御処理(S4202)との間に行われるものとする。また、特別演出実行処理では、接触解除経過時間計測処理が最初に行われ、その次に特別演出開始判定処理が行われ、さらにその次に特別演出態様制御処理が行われ、最後に特別演出終了判定処理が行われるものとする。
【0507】
最初に、接触解除経過時間計測処理について説明する。演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間計測処理として、まずは、遊技制御用マイコン101が送信した遊技終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技終了指定コマンドを受信したと判定すると、接触解除経過時間の計測を開始させる。具体的には、この時点で実際にハンドル72kが解放されてから60秒(=1分00秒)が経過しているので、演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間タイマに60秒(=1分00秒)をセットして当該接触解除経過時間計測処理を終える。接触解除経過時間タイマに60秒(=1分00秒)がセットされると、接触解除経過時間タイマは、1msタイマ割り込み処理(S4011)のタイマ更新処理(S4104)によって時間の経過に応じて適宜に更新されるものとする。一方、演出制御用マイコン121は、遊技終了指定コマンドを受信していないと判定すると、次に、遊技制御用マイコン101が送信した遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技開始指定コマンドを受信していないと判定すると、そのまま当該接触解除経過時間計測処理を終え、遊技開始指定コマンドを受信したと判定すると、接触解除経過時間の計測を終了させてから当該接触解除経過時間計測処理を終える。接触解除経過時間の計測の終了として、演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間タイマをリセット(0秒に)する。これによって、1msタイマ割り込み処理(S4011)のタイマ更新処理(S4104)によって接触解除経過時間タイマの更新処理は行われないものとする。なお、特別演出が行われていないとき、接触解除経過時間タイマはリセット状態(接触解除経過時間タイマが示す接触解除経過時間が0秒である状態)に維持されるものとする。
【0508】
次に、特別演出開始判定処理について説明する。演出制御用マイコン121は、特別演出開始判定処理として、まずは、特別演出が実行されているか否かを判定する。後述するように、特別演出が開始される際に、特別演出が実行されていることを示す特別演出実行フラグが演出用RAM124の所定領域にセットされる。演出制御用マイコン121は、特別演出が実行されている(特別演出実行フラグがONしている)と判定すると当該特別演出開始判定処理を終え、特別演出が実行されていない(特別演出実行フラグがONしていない)と判定すると、続いて、客待ち状態であるか否か、言い換えると、客待ちコマンドを受信してから新たな特図変動開始コマンドを受信していない状況であるか否かを判定する。
【0509】
演出制御用マイコン121は、客待ち状態ではないと判定すると、当該特別演出開始判定処理を終え、客待ち状態であると判定すると、続いて、接触解除経過時間タイマによって接触解除経過時間が計測されている(例えば、接触解除経過時間タイマが示す接触解除経過時間≧1分00秒)か否かを判定する。演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間タイマによって接触解除経過時間が計測されていないと判定すると、当該特別演出開始判定処理を終え、接触解除経過時間が計測されていると判定すると、ハンドル72kが解除されている状態且つ客待ち状態であるので、特別演出実行フラグを演出用RAM124の所定領域にセットし、特別演出を開始させて、特別演出開始処理を終える。演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間タイマによって接触解除経過時間を確認し、当該接触解除経過時間に応じて特別演出を開始させる。具体的に、特別発光演出は継続的に実行されるので、演出制御用マイコン121は、確認した接触解除経過時間に対付けられた特別発光演出態様で枠ランプ53を発光することで特別発光演出を開始する。また、特別音声演出は間欠的に実行されるので、演出制御用マイコン121は、確認した接触解除経過時間が特別音声演出の実行タイミングに対応付けられた接触解除経過時間であれば、当該接触解除経過時間に対付けられた特別音声態様の音声をスピーカー52から出力することで特別音声演出を実行し、確認した接触解除経過時間が特別音声演出の実行タイミングに対応付けられた接触解除経過時間でなければ、特別音声演出を実行しない。
【0510】
なお、客待ち状態になる前にハンドル72kが解放された場合、客待ち状態になったときには既に接触解除経過時間が計測されているので、客待ち状態であると判定された次に「接触解除経過時間が計測されている」と判定されることになるが、客待ち状態になった後にハンドル72kが解放された場合、当該特別演出開始判定処理の直前に実行された接触解除経過時間計測処理によって接触解除経過時間タイマに60秒がセットされているので、この場合も客待ち状態であると判定された次に「接触解除経過時間が計測されている」と判定されることになる。
【0511】
次に、特別演出態様制御処理について説明する。例えば、演出制御用マイコン121は、特別演出が実行されているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特別演出が実行されていない(特別演出実行フラグがONしていない)と判定すると特別演出態様制御処理を終え、特別演出が実行されている(特別演出実行フラグがONしている)と判定すると、続いて、特別演出態様判定テーブルに基づいて特別演出態様を制御する。例えば、演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間タイマが示す接触解除経過時間を確認し、接触解除経過時間が特別発光演出態様を切り替えるタイミング、または特別音声演出を実行するタイミングである否かを確認する。
【0512】
演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間が特別発光演出態様を切り替えるタイミングである場合は、切り替え後に係る新たな特別発光演出態様で枠ランプ53を発光させる。そして、演出制御用マイコン121は、最終以外の特別発光演出態様に切り替えると、次の特別発光演出態様を切り替えるタイミングになるまでは、その特別発光演出態様で枠ランプ53を発光させ続ける。また、演出制御用マイコン121は、最終の特別発光演出態様に切り替えると、当該特別演出が終了するまで、当該特別発光演出態様で枠ランプ53を発光させ続ける。
【0513】
さらに、演出制御用マイコン121は、接触解除経過時間タイマが示す接触解除経過時間が特別音声演出の実行タイミングである場合は、その接触解除経過時間に対応付けられた特別音声演出態様の音声をスピーカー52から出力させる。
【0514】
次に、特別演出終了判定処理について説明する。演出制御用マイコン121は、特別演出終了判定処理として、特別演出が実行されているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特別演出が実行されていない(特別演出実行フラグがONしていない)と判定すると特別演出終了判定処理を終え、特別演出が実行されている(特別演出実行フラグがONしている)と判定すると、続いて、遊技制御用マイコン101が送信した遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技開始指定コマンドを受信していないと判定すると、当該特別演出終了判定処理を終え、遊技開始指定コマンドを受信したと判定すると、特別演出実行フラグをOFFにし、特別演出を終了させる。具体的に、演出制御用マイコン121は、特別発光演出に対しては枠ランプ53を消灯させる。また特別音声演出は1分間隔で実行されるので、このタイミングで特別音声演出が実行されている可能性は低いが、たまたま(スポット的)に特別音声演出が実行されていたとしても、演出制御用マイコン121は、特別音声演出を終了させることはない。その瞬間時に特別音声演出が実行されていたとしても特別音声演出を停止させることはせずに最後まで実行させる。
【0515】
以上のように、パチンコ遊技機PY2によれば、光を吸収することで抗菌、および抗ウィルスといった菌またはウィルスに対する感染予防効果を発揮する光触媒を含む材料が塗布されたハンドル72kが所定時間(第2実施形態では、60秒)解放されたこと、言い換えるとハンドル72kへの接触が所定時間(第2実施形態では、60秒)検知されなくなったことに基づいて、遊技者による遊技が終了して、パチンコ遊技機PY2から離れたと判断(擬制)して、当該検知されて(遊技者による遊技が終了して)から経過した時間に応じた抗菌・抗ウィルス効果の進行状況(抗菌・抗ウィルス効果に関する所定事項)を示唆する特別演出が実行されるので、遊技者に菌またはウィルスに対する感染予防について安心感を与えることができる。さらに、特別演出には、当該パチンコ遊技機PY2に係るモチーフに関わる所定キャラクターによる台詞が含まれているので抗菌・抗ウィルス効果が現れるまでの間も遊技者が退屈することを防ぐことができる。
【0516】
また、パチンコ遊技機PY2によれば、ハンドル72kが解放されてから経過した時間(ハンドル72kへの接触が検知されなくなってから経過した時間)が第1時間(例えば、3分00秒)である場合、特別演出をその時間に対応付けられた第1態様(特別音声演出の場合は、第3特別音声演出態様、特別発光演出の場合は、第3特別発光演出態様)で実行し、ハンドル72kが解放されてから経過した時間(ハンドル72kへの接触が検知されなくなってから経過した時間)が第1時間と異なる第2時間(例えば、8分00秒)である場合、特別演出を第1態様と異なるその時間に対応付けられた第2態様(特別音声演出の場合は、第8特別音声演出態様、特別発光演出の場合は、第8特別発光演出態様)で実行するので、抗菌・抗ウィルス効果の進行状況が分かり易くなると共に、遊技者が退屈することを防ぐことができる。さらに、特別演出は、特図可変表示、大当たり遊技、および小当たり遊技が実行されていない客待ち状態で実行されるので、当該パチンコ遊技機PY2で遊技している遊技者に特別演出が実行されて特別演出の演出効果が低下することを防ぐことができる。また、パチンコ遊技機では、遊技者が最も接触する頻度が多いハンドル72kが解放、言い換えるとハンドル72kへの接触が検知されなくなったことに基づいて、遊技者による遊技が終了して、パチンコ遊技機PY2から離れたと判断(擬制)しているので、効果的に抗菌・抗ウィルス効果を図ることができる。
【0517】
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
【0518】
第2実施形態では、タッチスイッチ72aからの検知信号がONからOFFになってから60秒が経過すると、言い換えるとハンドル72kへの接触が解除されてから60秒が経過すると特別演出を実行可能となるが、この経過時間は適宜に変更しても良い。あるいは、タッチスイッチ72aからの検知信号がONからOFFになったときに、言い換えるとハンドル72kへの接触が解除されたときに特別演出を実行可能にしても良い。
【0519】
また、第2実施形態では、タッチスイッチ72aからの検知信号がOFFからONになってから10秒が経過すると、言い換えるとハンドル72kへの接触が開始されてから10秒が経過すると特別演出が終了するが、この経過時間は適宜に変更しても良い。あるいは、タッチスイッチ72aからの検知信号がOFFからONになったときに、言い換えるとハンドル72kへの接触が開始されたときに特別演出を終了しても良い。
【0520】
さらに、特別発光演出態様の切り替えタイミングや特別音声演出の実行タイミングが対応付けられた接触解除経過時間の具体的な値、接触解除経過時間の種類は、第2実施形態に限られず適宜に変更しても良い。また、第2実施形態では、特別発光演出態様の切り替えタイミングと特別音声演出の実行タイミングとはほとんど一致しているが、一部もしくは全部異なるようにしても良い。例えば、特別発光演出態様を切り替えないタイミングで、特別音声演出を実行するタイミングにしても良い。
【0521】
また、第2実施形態では、特別音声演出が実行される時間間隔は1分であるが、この時間間隔は特に限定されずに適宜に変更しても良い。さらには、特別音声演出が実行される時間間隔が2種類以上あっても良い。接触解除経過時間が長くなるにつれて特別音声演出が実行される時間間隔が短くなっていくようにしても良い。反対に、接触解除経過時間が長くなるにつれて特別音声演出が実行される時間間隔が長くなっていくようにしても良い。
【0522】
さらに、第2実施形態では、特別音声演出は、間欠的に実行されるが、特別発光演出のように特別演出が終了するまで継続的に実行され続けるようにしても良い。この場合、特別音声演出は、所定のキャラクターの台詞ではなく、例えば、癒やされるようにクリーンな印象を抱かせやすいBGMで構成され、音量を切り替えるタイミングを複数設定し、接触解除経過時間が長くなるにつれて音量が大きくなっていくようにしても良い。反対に、特別音声演出は、例えば、危険な印象を抱かせやすいBGMで構成され、音量を切り替えるタイミングを複数設定し、接触解除経過時間が長くなるにつれて音量が小さくなっていくようにしても良い。
【0523】
また、第2実施形態では、特別発光演出態様が切り替わる時間間隔のほとんどは1分であるが特に限定されずに適宜に変更しても良い。さらには、特別発光演出態様が切り替わる時間間隔が3種類以上あっても良い。接触解除経過時間が長くなるにつれて特別発光演出態様が切り替わる時間間隔が短くなっていくようにしても良い。反対に、接触解除経過時間が長くなるにつれて特特別発光演出態様が切り替わる時間間隔が長くなっていくようにしても良い。
【0524】
さらに、第2実施形態では、特別発光演出は、特別演出が終了するまで継続的に実行され続けるが、例えば、各特別発光演出態様に係る実行タイミング、および各実行タイミングに対応した演出時間を設定するなどして断続的もしくは間欠的に実行され、実行されない期間が設けられるようにしても良い。
【0525】
また、第2実施形態では、特別音声演出によって、抗菌・抗ウィルス効果に関する情報、詳細には、抗菌・抗ウィルス効果が徐々に高まっていることが具体的に報知されているが、特別音声演出に代えて、もしくは加えて表示部50aへの所定画像(特別表示演出画像)の表示(特別表示演出)によって抗菌・抗ウィルス効果に関する情報を具体的に報知しても良い。この場合、特別音声演出のように、抗菌・抗ウィルス効果が徐々に高まっていることを示す台詞を所定の時間間隔で表示するようにしても良い。もしくは、特別表示演出は特別発光演出のように継続的に実行可能であるが、表示内容が所定の時間間隔で切り替わるようにしても良い。また、特別表示演出として、最初に表示部50aに、癒やされるようにクリーンな印象を抱かせやすい画像を表示し、当該画像が時間の経過に伴って徐々にもしくは段階的に増加されるようにしても良い。特別表示演出として、最初に表示部50aに、危険な印象を抱かせやすい画像を表示部50aの画面全体に表示し、当該画像が時間の経過に伴って徐々にもしくは段階的に減少されるようにしても良い。
【0526】
また、第2実施形態では、タッチスイッチ72aは、遊技制御基板100に接続されていないが、タッチスイッチ72aは、遊技制御基板100に接続されており、遊技制御基板100はタッチスイッチ72aからの検知信号を入力可能に構成され、遊技制御用マイコン101はタッチスイッチ72aからの検知信号に基づいて遊技終了指定コマンドや遊技開始指定コマンドを演出制御基板120に送信するようにしても良い。あるいは、タッチスイッチ72aは、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120はタッチスイッチ72aからの検知信号を入力可能に構成され、演出制御用マイコン121はタッチスイッチ72aからの検知信号に基づいて、ハンドル72kへの接触が終了したり開始したりしたかを判断するようにしても良い。
【0527】
さらには、パチンコ遊技機PY2は、当該パチンコ遊技機PY2の正面に着座している遊技者がいることを検知可能に構成され、遊技者がいる場合は遊技者がいることを示す検知信号を出力するセンサが搭載されており、当該センサからの検知信号に基づいて、特別演出を実行するようにしても良い。
【0528】
また、第2実施形態では、特別音声演出は、所定キャラクターによる台詞で構成されているが、当該所定キャラクターを、例えば、当該パチンコ遊技機PY2に係るモチーフに関わるキャラクターであるが、リーチ演出や大当たり遊技に応じた演出など遊技に関する演出ではほとんど出現しないもしくは全く出現しない希少性のあるキャラクターもしくは人気のあるキャラクターで構成させても良い。これにより、特別演出の演出効果を向上させると共に、光触媒によって抗菌・抗ウィルスが行われている間の退屈を軽減させることができる。
【0529】
さらに、第2実施形態では、遊技者の意思に関わらず特別演出が実行されるが、例えば、第1演出ボタン40kが所定操作されることによって特別演出が実行されるようにしても良い。この場合、演出制御用マイコン121は、前述の場合と同様に、ハンドル72kへの接触が解除されて遊技が終了したとみなされると、接触解除経過時間を計測し、第1演出ボタン40kが所定操作されたときの接触解除経過時間に基づいて特別演出態様を特定し、当該特定演出態様による特別演出を実行するようにしても良い。
【0530】
また、第2実施形態では、パチンコ遊技機PY2の前扉23の表面、上皿34の表面、下皿35の表面、ハンドル72kの表面、第1演出ボタン40kの表面、および第2演出ボタン41kの表面に、抗菌・抗ウィルス効果を有する所定材料がコーティングされているが、所定材料がコーティングされる箇所は適宜に変更しても良い。ただし、抗菌・抗ウィルス効果の観点から、ハンドル72k、1演出ボタン40kの表面、および第2演出ボタン41kの表面など遊技者が頻繁に接触する箇所に所定材料がコーティングされることが好ましい。さらには、パチンコ遊技機PY2の特定箇所には、抗菌・抗ウィルス効果を有する所定材料がコーティングされているが、抗菌・抗ウィルス効果を有する所定材料に代えて、あるいは加えて、菌やウイルスを取り除いてその数を減らす除菌、菌を殺す殺菌、または菌やウイルスといった微生物の数を限りなくゼロに近づける滅菌などの菌またはウィルスに対する感染予防効果を発揮する材料がコーティングされているようにしても良い。
【0531】
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
【0532】
最初に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3が、特図可変表示を行うための構成について説明する。パチンコ遊技機PY3の遊技制御用マイコン101は、特別図柄乱数を用いて大当たり判定を行うが、大当たり判定を行うための乱数として、特別図柄乱数の他に、初期値更新用乱数がある。初期値更新用乱数は、特別図柄乱数に係るカウンタ(特別図柄乱数カウンタ)が数値範囲で一巡(あるいは、一周)したときに変更され得る特別図柄乱数カウンタの初期値である。特別図柄乱数カウンタは、初期値から次に当該初期値になるまで1つずつ更新され続け、次に当該初期値に達すると初期値が変更され、その変更後の初期値が新たな初期値となり、特別図柄乱数カウンタは、また次にその新たな初期値となるまで更新され続ける。このような特別図柄乱数カウンタの数値範囲での一巡と、初期値の変更とが繰り返し行われ続ける。特別図柄乱数カウンタが示す値(特別図柄乱数カウンタ値)がある初期値から一巡するたびに初期値が変更されることになるで、特別図柄乱数の不規則性が向上する。すなわち、初期値更新用乱数は、この特別図柄乱数の一巡に係る初期値をランダムに変更するために用いられている。第3実施形態では、遊技用RAM104には、特別図柄乱数カウンタと同様に、初期値更新用乱数をプログラム上でソフトウェア的に生成する手段として、初期値更新用乱数カウンタが設けられている。
【0533】
初期値更新用乱数カウンタも、特別図柄乱数カウンタと同様に、数値範囲を一巡すると最小値に戻る(ループする)ように構成されている。第3実施形態では、初期値更新用乱数の範囲は、特別図柄乱数と同一である。ただし、初期値更新用乱数の範囲は、特別図柄乱数より狭くても良い。特別図柄乱数より狭い場合のパターンとしては、初期値更新用乱数の最小値と特別図柄乱数の最小値とが同一であるが、初期値更新用乱数の最大値が特別図柄乱数の最大値よりも小さいパターンと、初期値更新用乱数の最大値と特別図柄乱数の最大値とが同一であるが、初期値更新用乱数の最小値が特別図柄乱数の最小値よりも大きいパターンと、初期値更新用乱数の最小値が特別図柄乱数の最小値よりも大きく、初期値更新用乱数の最大値が特別図柄乱数の最大値よりも小さいパターンとがある。
【0534】
また、遊技用RAM104には、初期値記憶領域(図示なし)が設けられている。初期値記憶領域は、そのときの特別図柄乱数カウンタ値に係る一巡の基点となる初期値を記憶するためのものである。
【0535】
遊技制御用マイコン101は、遊技制御メイン処理の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)、および遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)において、特別図柄乱数カウンタを更新(「1」加算)する。そして、遊技制御用マイコン101は、更新した新たな特別図柄乱数カウンタ値と、初期値記憶領域に記憶された初期値とが同一であるか否かを判定し、更新した特別図柄乱数カウンタ値と、初期値記憶領域に記憶された初期値とが同一であると判定すると、特別図柄乱数カウンタが一巡したことになるので、そのときの初期値更新用乱数カウンタが示す値(初期値更新用乱数カウンタ値)を読み出して、次の一巡の新たな基点となる初期値として特別図柄乱数カウンタにセットすると共に、遊技用RAM104の初期値記憶領域に記憶する。このときに初期値更新用乱数カウンタ値が特別図柄乱数カウンタにセットされたことで、特別図柄乱数カウンタに係る一巡の基点を構成する初期値が更新されたことになる。また、初期値更新用乱数カウンタ値が初期値記憶領域に記憶されたことで、遊技制御用マイコン101は特別図柄乱数カウンタが一巡したか否かを判断することができる。このような特別図柄乱数カウンタが一巡したときの特別図柄乱数に対する初期値の更新、および初期値更新用乱数カウンタ値の初期値記憶領域への記憶は、その後も同じように繰り返し行われる。また、遊技制御用マイコン101は、遊技制御メイン処理のS003の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理において、初期値更新用乱数の更新を行っている。具体的には、初期値更新用乱数カウンタのカウンタ値を「1」加算する。
【0536】
なお、ある遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)から次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が行われるまでに、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が実行される回数は、遊技用CPU102のクロック周波数やある遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)で行われる最小単位の各種処理の内容によって変化する。例えば、遊技用CPU102は、最小単位の各種処理を約10マイクロ秒(μs)できるものとする。また、例えば、特別図柄乱数カウンタが、大体0.5秒~1.5秒で数値範囲を一巡するように遊技制御用マイコン101を構成しても良い。ただし、特別図柄乱数カウンタが数値範囲を一巡するのに要する所望の時間は適宜に設定しても良い。
【0537】
また、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ192が特定操作されることによって遊技用RAM104がクリア(初期化、リセット)された場合、初期値記憶領域を「0」にする。すなわち、遊技用RAM104がクリアされると、特別図柄乱数カウンタの初期値は「0」となる。また、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ192が特定操作されることによって遊技用RAM104がクリアされた場合、特別図柄乱数カウンタ値、および初期値更新用乱数カウンタ値を「0」にする。
【0538】
次に、第3実施形態における初期値を用いた演出について説明する。前述の通り、特別図柄乱数カウンタの一巡(ループ)の基点となる初期値は、遊技用RAM104に設けられた初期値記憶領域に記憶されるが、ある時点(第1時点)の初期値と、その後の別の時点(第2時点)の初期値が同一であるということは、その第1時点と第2時点との間で特別図柄乱数に対する初期値が更新されていないということになる。言い換えると、第1時点の特別図柄乱数カウンタ値と、第2時点の特別図柄乱数カウンタ値とは、特別図柄乱数カウンタの同一の一巡内に属しているということができる。以下において、特別図柄乱数カウンタが一巡することを「特別図柄乱数周期」と称し、ある複数の時点が同一の特別図柄乱数周期内であることを「特別図柄乱数同一周期」と称することもある。
【0539】
ところで、前述した通り、大当たり判定テーブルには、所定の大当たり当選確率となるように、特別図柄乱数判定値が割り振られている。例えば、
図10(A)の大当たり判定テーブルでは220個の特別図柄乱数判定値が割り振られ、
図10(B)の大当たり判定テーブルでは1500個の特別図柄乱数判定値が割り振られていることになる。したがって、
図10(A)の大当たり判定テーブルに基づく1回の大当たり判定では220/65536の確率で大当たりに当選し、
図10(B)の大当たり判定テーブルに基づく1回の大当たり判定では1500/65536の確率で大当たりに当選する。しかし、特別図柄乱数同一周期で発生した特図保留に係る2以上の特定回数の大当たり判定が
図10(A)の大当たり判定テーブルに基づいて行われる場合は、当該特定回数全体でとらえると、相互に特別図柄乱数同一周期でない特定回数の大当たり判定が
図10(A)の大当たり判定テーブルに基づいて行われる場合よりも大当たりに当選する確率が高い。同様に、特別図柄乱数同一周期で発生した特図保留に係る2以上の特定回数の大当たり判定が
図10(B)の大当たり判定テーブルに基づいて行われる場合は、当該特定回数全体でとらえると、相互に特別図柄乱数同一周期でない特定回数の大当たり判定が
図10(B)の大当たり判定テーブルに基づいて行われる場合よりも大当たりに当選する確率が高い。そこで、第3実施形態では、単独の1つの特図保留に基づく予告演出よりも大当たりに対する期待感を持たせるための予告演出として、特別図柄乱数同一周期で発生した複数個の特図保留に対して、一つのまとまった特別演出を実行する。
【0540】
特別演出の演出内容は特に限定されることなく適宜に設定可能であるが、第3実施形態では、特別図柄乱数同一周期で発生した特図保留(同一周期特図保留)に対応する保留アイコン(同一周期保留アイコン)に対して行われる。具体的には、同一周期保留アイコンに重畳的に、後述する特別演出に対応付けられた画像(特別演出画像)G30が表示される。特別演出画像G30の表示内容は特に限定されることなく適宜に設定可能であるが、特別演出の対象となる保留アイコンが光っているように見せるエフェクト画像で構成されている。
【0541】
また、第3実施形態では、特別演出は、第1始動口11への入賞に基づく同一周期特図保留と、第2始動口12への入賞に基づく同一周期特図保留との双方について実行可能である。そして、第1始動口11への入賞に基づく同一周期特図保留に係る特別演出の演出内容と、第2始動口12への入賞に基づく同一周期特図保留に係る特別演出の演出内容とは同一である。ただし、第1始動口11への入賞に基づく同一周期特図保留に係る特別演出の演出内容と、第2始動口12への入賞に基づく同一周期特図保留に係る特別演出の演出内容とが異なるようにしても良い。
【0542】
さらに、第3実施形態では、特別演出は、通常遊技状態且つ通常演出モード、高確率高ベース遊技状態且つ確変演出モード、および低確率高ベース遊技状態且つ時短演出モードにおいて実行可能である。そして、何れの遊技状態且つ演出モードにおいても、特別演出の演出内容は同一である。ただし、遊技状態や演出モードに応じて特別演出の演出内容が異なるようにしても良い。
【0543】
次に、パチンコ遊技機PY3が特別演出を実行するための処理(特別演出制御処理)の一例を説明する。ただし、特別演出制御処理の処理内容は特に限定されず、最終的に特別演出を実行することができる範囲で適宜に変更しても良い。
【0544】
例えば、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12への入賞に基づく特
図2関連判定情報の取得処理(S211)において、初期値記憶領域に記憶されている初期値を確認し(あるいは、初期値更新用乱数カウンタ値を読みだして)、特
図2関連判定情報の記憶処理(S213)において、その初期値(初期値更新用乱数カウンタ値)を、当該特
図2保留に対応付けて、言い換えると取得した特
図2関連判定情報と共に、特
図2保留記憶部105bの中の現在の特
図2保留数に応じた記憶領域に記憶する。
【0545】
さらに、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留記憶部105bに初期値を記憶したときに、先に発生した他の特
図2保留が存在しているか否か、言い換えると、記憶された初期値に対応する特
図2保留の保留順が2~4の何れかであるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン101は、保留順が2~4の何れかでない、言い換えると保留順が1であると判定すると、特別演出に係る特別図柄乱数同一周期の先頭となり得る特
図2保留(同一周期先頭特
図2保留)であることを示す同一周期先頭特
図2保留指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。ここで「なり得る」となっているのは、当該特
図2保留の後に発生する特
図2保留に係る初期値が当該特
図2保留に係る初期値と異なることもあり得るからである。一方、遊技制御用マイコン101は、保留順が2~4の何れかであると判定すると、1つ前の保留順の特
図2保留に係る初期値(前回初期値)と、当該特
図2保留に係る初期値(対象初期値)が同一であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、前回初期値と対象初期値とが同一であると判定すると、特別図柄乱数同一周期の中で後続の特
図2保留(同一周期後続特
図2保留)であることを示す同一周期後続特
図2保留指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、この場合の同一周期後続特
図2保留に対して、当該特別図柄乱数同一周期で先に発生した特
図2保留としては、同一周期先頭特
図2保留である場合と、同一周期後続特
図2保留である場合とがある。よって、同一周期後続特
図2保留は複数個存在する可能性もある。一方、遊技制御用マイコン101は、前回初期値と対象初期値とが同一でないと判定すると、同一周期先頭特
図2保留指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。当該特
図2保留の保留順は2~4であるが、当該特
図2保留の初期値に係る特別図柄乱数同一周期においては最初に発生した特
図2保留であるからである。
【0546】
また、遊技制御用マイコン101は、第1始動口11への入賞に基づく特
図1関連判定情報の取得処理(S218)において、初期値記憶領域に記憶されている初期値を確認し(あるいは、初期値更新用乱数カウンタ値を読みだして)、特
図1関連判定情報の記憶処理(S220)において、その初期値(初期値更新用乱数カウンタ値)を、当該特
図1保留に対応付けて、言い換えると取得した特
図1関連判定情報と共に、特
図1保留記憶部105aの中の現在の特
図1保留数に応じた記憶領域に記憶する。
【0547】
さらに、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留記憶部105aに初期値を記憶したときに、先に発生した他の特
図1保留が存在しているか否か、言い換えると、記憶された初期値に対応する特
図1保留の保留順が2~4の何れかであるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン101は、保留順が2~4の何れかでない、言い換えると保留順が1であると判定すると、特別演出に係る特別図柄乱数同一周期の先頭となり得る特
図1保留(同一周期先頭特
図1保留)であることを示す同一周期先頭特
図1保留指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。ここで「なり得る」となっているのは、当該特
図1保留の後に発生する特
図1保留に係る初期値が当該特
図1保留に係る初期値と異なることもあり得るからである。一方、遊技制御用マイコン101は、保留順が2~4の何れかであると判定すると、1つ前の保留順の特
図1保留に係る初期値(前回初期値)と、当該特
図1保留に係る初期値(対象初期値)が同一であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、前回初期値と対象初期値とが同一であると判定すると、特別図柄乱数同一周期の中で後続の特
図1保留(同一周期後続特
図1保留)であることを示す同一周期後続特
図1保留指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、この場合の同一周期後続特
図1保留に対して、当該特別図柄乱数同一周期で先に発生した特
図1保留としては、同一周期先頭特
図1保留である場合と、同一周期後続特
図1保留である場合とがある。よって、同一周期後続特
図1保留は複数個存在する可能性もある。一方、遊技制御用マイコン101は、前回初期値と対象初期値とが同一でないと判定すると、同一周期先頭特
図1保留指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。当該特
図1保留の保留順は2~4であるが、当該特
図1保留の初期値に係る特別図柄乱数同一周期においては最初に発生した特
図1保留であるからである。
【0548】
なお、同一周期先頭特
図2保留と同一周期先頭特
図1保留とは、発生契機が第1始動口11への入賞であるか第2始動口12への入賞であるかという点で異なるが、特別演出に係る特別図柄乱数同一周期の先頭となり得る点で共通しているので、同一周期先頭特
図2保留と同一周期先頭特
図1保留とを合わせて「同一周期先頭特図保留」と称する。また、同一周期後続特
図2保留と同一周期後続特
図1保留とは、発生契機が第1始動口11への入賞であるか第2始動口12への入賞であるかという点で異なるが、特別図柄乱数同一周期の中で後続であるという点で共通しているので、同一周期後続特
図2保留と同一周期後続特
図1保留とを合わせて「同一周期後続特図保留」と称する。
【0549】
ここで、同一周期先頭特図保留、および同一周期後続特図保留について説明する。前述の通り、特別図柄乱数同一周期で発生した複数の特図保留について特別演出が実行されることがあるが、ある特図保留が発生した時点で先に発生した特図保留が存在しており、保留順が1つ前の特図保留の初期値と、当該特図保留の初期値とが異なっていれば、当該特図保留が特別演出に係る特図保留の中で先頭の特図保留になる。反対に、ある特図保留が発生した時点で先に発生した特図保留が存在しており、保留順が1つ前の特図保留の初期値と、当該特図保留の初期値とが同一であれば、当該特図保留が特別演出に係る特図保留の中で後続の特図保留になる。そこで、前者の当該特図保留(同一周期先頭特図保留)は特別図柄乱数同一周期の中の先頭の特図保留と位置付けられ、後者の当該特図保留(同一周期後続特図保留)は特別図柄乱数同一周期の中の後続の特図保留と位置付けられる。また、ある特図保留が発生した時点で他に特図保留が存在していない場合、言い換えると当該特図保留に係る保留順が1である場合、その発生後に、当該特別図柄乱数同一周期で特図保留が発生する可能性があるので、保留順「1」の特図保留は必然的に同一周期先頭特図保留と位置付けられる。
【0550】
なお、同一周期先頭特
図2保留指定コマンド、および同一周期後続特
図2保留指定コマンドは、第2先読み判定処理(S212)が行われた直後の特
図2関連判定情報や初期値を特
図2保留記憶部105bに記憶する処理(S213)で遊技用RAM104の出力バッファにセットされるので、実質的には第2始動入賞コマンドと同じタイミングで演出制御基板120に送信されることになる。同様に、同一周期先頭特
図1保留指定コマンド、および同一周期後続特
図1保留指定コマンドも、第1先読み判定処理(S219)が行われた直後の特
図1関連判定情報や初期値を特
図1保留記憶部105aに記憶する処理(S220)で遊技用RAM104の出力バッファにセットされるので、実質的には第1始動入賞コマンドと同じタイミングで演出制御基板120に送信されることになる。
【0551】
演出制御用マイコン121は、同一周期先頭特
図2保留指定コマンド、および同一周期後続特
図2保留指定コマンドを受信すると、例えば、受信コマンド解析処理(S4201)において適宜に、当該同一周期先頭特
図2保留指定コマンド、および同一周期後続特
図2保留指定コマンドと共に送信されてきた第2始動入賞コマンドに対応付けて、始動入賞コマンド記憶領域125に記憶する。同様に、演出制御用マイコン121は、同一周期先頭特
図1保留指定コマンド、および同一周期後続特
図1保留指定コマンドを受信すると、当該同一周期先頭特
図1保留指定コマンド、および同一周期後続特
図1保留指定コマンドと共に送信されてきた第1始動入賞コマンドに対応付けて、始動入賞コマンド記憶領域125に記憶する。
【0552】
なお、演出制御用マイコン121は、特別演出を実行するために、同一周期先頭特
図2保留指定コマンド、および同一周期後続特
図2保留指定コマンドを受信した場合と、同一周期先頭特
図1保留指定コマンド、および同一周期後続特
図1保留指定コマンドを受信した場合とで、すなわち、特
図1保留に係る特別演出の場合と、特
図2保留に係る特別演出の場合とで基本的には同一の処理を行う。そこで、以下においては、同一周期先頭特
図2保留指定コマンドと同一周期先頭特
図1保留指定コマンドとを「同一周期先頭特図保留指定コマンド」と総称し、同一周期後続特
図2保留指定コマンドと同一周期後続特
図1保留指定コマンドとを「同一周期後続特図保留指定コマンド」と総称して、特図の種別を区別せずにまとめて説明する。
【0553】
演出制御用マイコン121は、同一周期後続特図保留指定コマンドを受信すると、既に別の同一周期特図保留指定コマンドが記憶されているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、別の同一周期特図保留指定コマンドが記憶されていないと判定すると特別演出に係る処理を終え、別の同一周期特図保留指定コマンドが記憶されていると判定すると、1つ前の保留順の特図保留に対応付けられた同一周期特図保留指定コマンドが同一周期先頭特図保留指定コマンドであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、同一周期先頭特図保留指定コマンドであると判定すると、特別演出を実行するか否かを判定するための特別演出実行判定を行う。
【0554】
特別演出実行判定は、特別演出実行判定テーブルを参照して実行される。特別演出実行判定テーブルは、特
図1保留に係る特別演出実行判定の場合と特
図2保留に係る特別演出実行判定の場合とで分けられている。特別演出実行判定テーブルの構成例を
図62(A)、
図62(B)に示す。
図62(A)、
図62(B)に示すように、特別演出実行判定テーブルには、特
図1に係る特別演出実行判定テーブル(第1特別演出実行判定テーブル)と、特
図2に係る特別演出実行判定テーブル(第2特別演出実行判定テーブル)とがある。第1特別演出実行判定テーブル、および第2特別演出実行判定テーブルの何れも、先読み判定結果である特図変動パターン情報(特図変動パターン)に対応付けられている。
【0555】
第1特別演出実行判定テーブルとして、SP大当たり変動、およびL大当たり変動に対応付けられた第1特別演出実行判定テーブル(大当たり第1特別演出実行判定テーブル)、SPハズレ変動、およびLハズレ変動に対応付けられた第1特別演出実行判定テーブル(高期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブル)、ならびにNリーチハズレ変動、および通常ハズレ変動に対応付けられた第1特別演出実行判定テーブル(低期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブル)がある。一方、第2特別演出実行判定テーブルとして、バトル大当たり変動に対応付けられた第2特別演出実行判定テーブル(大当たり第2特別演出実行判定テーブル)、バトルハズレ変動に対応付けられた第2特別演出実行判定テーブル(高期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブル)、ならびにリーチガセハズレ変動、および短縮ハズレ変動に対応付けられた第2特別演出実行判定テーブル(低期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブル)がある。
【0556】
演出制御用マイコン121は、何れの特別演出実行判定テーブルを用いるかを決定するために、同一周期先頭特図保留指定コマンド、および同一周期後続特図保留指定コマンドのそれぞれに対応付けられた始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド、第2始動入賞コマンド)が示す先読み判定結果(第1先読み判定結果、第2先読み判定結果)を確認する。
【0557】
そして、演出制御用マイコン121は、特
図1に係る特別演出実行判定である場合、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第1特別演出実行判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがなくてもSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すもの、およびSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブルを選択する。
【0558】
また、演出制御用マイコン121は、特
図2に係る特別演出実行判定である場合、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第2特別演出実行判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがなくてもバトルハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すもの、およびバトルハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブルを選択する。
【0559】
各第特別演出実行判定テーブルは、特別演出を実行すること、および特別演出を実行しないことに対する選択率が、
図62(A)、
図62(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0560】
演出制御用マイコン121は、特別演出実行判定を実行すると、次に当該判定結果が「特別演出を実行する」であったか否かを判定し、判定結果が「特別演出を実行しない」であれば、特別演出に係る処理を終え、判定結果が「特別演出を実行する」であれば、続いて、同一周期先頭特図保留指定コマンド、および同一周期後続特図保留指定コマンドのそれぞれに対応付けられた始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド、第2始動入賞コマンド)が示す先読み判定結果(第1先読み判定結果、第2先読み判定結果)に基づいて、特別演出の演出態様(特別演出態様)を決定する特別演出態様判定を実行する。なお、特別演出態様の具体的な内容は適宜に設定可能であるが、第3実施形態では色彩に対応付けられている。そして、第3実施形態では、特別演出態様として、白色に対応付けられた第1特別演出態様、緑色に対応付けられた第2特別演出態様、赤色に対応付けられた第3特別演出態様、および金色に対応付けられた第4特別演出態様がある。
【0561】
特別演出態様判定は、特別演出態様判定テーブルを参照して実行される。特別演出態様判定テーブルは、特
図1保留に係る特別演出態様判定の場合と特
図2保留に係る特別演出態様判定の場合とで分けられている。特別演出態様判定テーブルの構成例を
図62(C)、
図62(D)に示す。
図62(C)、
図62(D)に示すように、特別演出態様判定テーブルには、特
図1に係る特別演出態様判定テーブル(第1特別演出態様判定テーブル)と、特
図2に係る特別演出実行判定テーブル(第2特別演出態様判定テーブル)とがある。第1特別演出態様判定テーブル、および第2特別演出態様判定テーブルの何れも、特図変動パターンに対応付けられている。
【0562】
第1特別演出態様判定テーブルとして、SP大当たり変動、およびL大当たり変動に対応付けられた第1特別演出態様判定テーブル(大当たり第1特別演出態様判定テーブル)、SPハズレ変動、およびLハズレ変動に対応付けられた第1特別演出態様判定テーブル(高期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブル)、ならびにNリーチハズレ変動、および通常ハズレ変動に対応付けられた第1特別演出態様判定テーブル(低期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブル)がある。一方、第2特別演出態様判定テーブルとして、バトル大当たり変動に対応付けられた第2特別演出態様判定テーブル(大当たり第2特別演出態様判定テーブル)、バトルハズレ変動に対応付けられた第2特別演出態様判定テーブル(高期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブル)、ならびにリーチガセハズレ変動、および短縮ハズレ変動に対応付けられた第2特別演出態様判定テーブル(低期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブル)がある。
【0563】
演出制御用マイコン121は、何れの特別演出態様判定テーブルを用いるかを決定するために、同一周期先頭特図保留指定コマンド、および同一周期後続特図保留指定コマンドのそれぞれに対応付けられた始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド、第2始動入賞コマンド)が示す先読み判定結果(第1先読み判定結果、第2先読み判定結果)を確認する。
【0564】
そして、演出制御用マイコン121は、特
図1に係る特別演出態様判定である場合、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第1特別演出態様判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがなくてもSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すもの、およびSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブルを選択する。
【0565】
また、演出制御用マイコン121は、特
図2に係る特別演出態様判定である場合、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第2特別演出態様判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがなくてもバトルハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すもの、およびバトルハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブルを選択する。
【0566】
各特別演出態様判定テーブルは、各特別演出態様(第1特別演出態様~第4特別演出態様、)に対する選択率が、
図62(C)、
図62(D)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0567】
また、演出制御用マイコン121は、同一周期後続特図保留指定コマンドを受信したときに、1つ前の保留順の特図保留に対応付けられた同一周期特図保留指定コマンドが同一周期先頭特図保留指定コマンドでないと判定すると、言い換えると、同一周期後続特図保留指定コマンドであると判定すると、特別演出が実行されているか否かを判定する。
【0568】
演出制御用マイコン121は、特別演出が実行されていると判定すると、第2特別演出に係る処理を終え、特別演出が実行されていないと判定すると、特別演出を実行するか否かを判定するための特別演出実行判定を行う。特別演出実行判定は、特別演出実行判定テーブルを参照して実行される。ここでの特別演出実行判定についても、1つ前の保留順の特図保留に対応付けられた同一周期特図保留指定コマンドが同一周期先頭特図保留指定コマンドであった場合と同一の特別演出実行判定テーブル(大当たり第1特別演出実行判定テーブル、高期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブル、低期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブル、大当たり第2特別演出実行判定テーブル、高期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブル、低期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブル)が用いられるが、参照する始動入賞コマンドが、1つ前の保留順の特図保留に対応付けられた同一周期特図保留指定コマンドが同一周期先頭特図保留指定コマンドであった場合と異なる。ここでは、演出制御用マイコン121は、新たに受信した同一周期後続特図保留指定コマンド、既に記憶されている1つまたは複数個の同一周期後続特図保留指定コマンド、および同一周期先頭特
図2保留指定コマンドのそれぞれに対応付けられた始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド、第2始動入賞コマンド)が示す先読み判定結果(第1先読み判定結果、第2先読み判定結果)を確認する。
【0569】
そして、演出制御用マイコン121は、特
図1に係る特別演出実行判定である場合、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第1特別演出実行判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがなくてもSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すもの、およびSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第1特別演出実行判定テーブルを選択する。
【0570】
また、演出制御用マイコン121は、特
図2に係る特別演出実行判定である場合、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第2特別演出実行判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがなくてもバトルハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すもの、およびバトルハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第2特別演出実行判定テーブルを選択する。
【0571】
演出制御用マイコン121は、特別演出実行判定を実行すると、次に当該判定結果が「特別演出を実行する」であったか否かを判定し、判定結果が「特別演出を実行しない」であれば、特別演出に係る処理を終え、判定結果が「特別演出を実行する」であれば、続いて、先読み判定結果に基づいて、特別演出種別判定を実行する。ここでの特別演出態様判定についても、1つ前の保留順の特図保留に対応付けられた同一周期特図保留指定コマンドが同一周期先頭特図保留指定コマンドであった場合と同一の特別演出態様判定テーブル(大当たり第1特別演出態様判定テーブル、高期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブル、低期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブル、大当たり第2特別演出態様判定テーブル、高期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブル、低期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブル)が用いられるが、参照する始動入賞コマンドが、1つ前の保留順の特図保留に対応付けられた同一周期特図保留指定コマンドが同一周期先頭特図保留指定コマンドであった場合と異なる。ここでは、演出制御用マイコン121は、新たに受信した同一周期後続特図保留指定コマンド、既に記憶されている1つまたは複数個の同一周期後続特図保留指定コマンド、および同一周期先頭特図保留指定コマンドのそれぞれに対応付けられた始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド、第2始動入賞コマンド)が示す先読み判定結果(第1先読み判定結果、第2先読み判定結果)を確認する。
【0572】
そして、演出制御用マイコン121は、特
図1に係る特別演出態様判定である場合、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第1特別演出態様判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すものがなくてもSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブルを選択し、第1先読み判定結果の中にSP大当たり変動、またはL大当たり変動を示すもの、およびSPハズレ変動、またはLハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第1特別演出態様判定テーブルを選択する。
【0573】
また、演出制御用マイコン121は、特
図2に係る特別演出実行判定である場合、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがあれば、大当たり第2特別演出態様判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すものがなくてもバトルハズレ変動を示すものがあれば、高期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブルを選択し、第2先読み判定結果の中にバトル大当たり変動を示すもの、およびバトルハズレ変動を示すものの双方がなければ、低期待度ハズレ第2特別演出態様判定テーブルを選択する。
【0574】
演出制御用マイコン121は、特別演出態様判定を行うと、当該判定結果が反映された特別演出を実行するために、当該判定結果が反映された特別演出を実行することを示す特別演出開始コマンドを演出用RAM124の送信バッファにセットする。演出用RAM124の送信バッファにセットされた特別演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)によって画像制御基板140に送信される。画像用CPU141は、特別演出開始コマンドを受信すると、当該特別演出開始コマンドが示す特別演出態様の特別演出を適宜に実行する。
【0575】
次に、特別演出の具体例について説明する。前述の通り、第3実施形態では、特別演出は、通常演出モード(通常遊技状態)、確変演出モード(高確率高ベース遊技状態)、および時短演出モード(低確率高ベース遊技状態)で実行可能であるが、ここでは、通常演出モード(通常遊技状態)において実行される特別演出の具体例について説明する。
【0576】
図63は、1つ目の同一周期後続特
図1保留が発生したことによって特別演出が実行される場合の具体例を表し、
図64は、2つ目の同一周期後続特
図1保留が発生したことによって特別演出が実行される場合の具体例を表す。なお、
図63、および
図64に共通して、特
図1変動表示が実行され、既に特
図1保留が1つ存在しており、表示部50aには第1通常用背景画像G111が表示され、第1通常用背景画像G111に重畳的に、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われており、当該特
図1変動表示に対応する当該アイコンHA0と、1つの特
図1保留に対応する保留アイコンHA1が表示されている状況であると仮定する。また、
図63、および
図64では、当該アイコンHA0、および保留アイコンHA1を含め全てのアイコン(当該アイコン、保留アイコン)の表示態様は通常態様であるものとする。さらに、
図63、および
図64で実行される特別演出の特別演出態様は第1特別演出態様であると仮定する。
【0577】
最初に、
図63を用いて、1つ目の同一周期後続特
図1保留が発生したことによって実行される特別演出の具体例について説明する。
図63(A)に示すように、表示部50aにおいて、第1通常用背景画像G111が表示され、第1通常用背景画像G111に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3が変動表示されると共に、当該アイコンHA0、および保留順1の特
図1保留に対応した保留アイコンHA1が表示されているときに、当該特
図1保留の発生から、特別図柄乱数カウンタが一巡するのに要する時間より十分長い所定時時間(例えば、10秒)が経過したときに、第1始動口11に遊技球が入賞して保留順2の特
図1保留が発生したとする。そうすると、例えば、
図63(B)に示すように、当該特
図1保留の発生に応じて保留アイコンHA2が表示される。ここで、保留順1の特
図1保留の初期値と、保留順2の特
図1保留の初期値とは異なるものとする。すなわち、保留順2の特
図1保留は同一周期先頭特
図1保留である。
【0578】
そして、保留順2の特
図1保留の発生から連続的に(間髪入れずに)保留順3の特
図1保留が発生、言い換えると、保留順2の第1始動口11への遊技球の入賞に続いて、当該遊技球の上に接して連なった状態の遊技球が第1始動口11に入賞し、保留順3の特
図1保留が発生したとする。すなわち、保留順2に係る第1始動口11に入賞した遊技球と、保留順3に係る第1始動口11に入賞した遊技球とが団子状態で第1始動口11に入賞したものとする。
【0579】
また、保留順3の特
図1保留の初期値は、保留順2の特
図1保留の初期値と同一であったとする。したがって、保留順3の特
図1保留は、保留順2の特
図1保留に対して、1つ目の同一周期後続特
図1保留となる。そうすると、
図63(C)に示すように、例えば、1つ目の同一周期後続特
図1保留(保留順3の特
図1保留)に対応した保留アイコンとして、通常態様の保留アイコンHA3が表示されるが、ここで、1つ目の同一周期後続特
図1保留に係る特別演出実行判定で特別演出を実行すると判定され、特別演出態様判定で第1特別演出態様と判定されたとすると、
図63(C)に示すように、同一周期後続特
図1保留(保留順3の特
図1保留)に対応した保留アイコンHA3が表示された直後に、保留アイコンHA3と、同一周期先頭特
図1保留に対応した保留アイコンHA2とを一体的に覆うような特別演出画像G30が表示される。
【0580】
次に、保留順3の特
図1保留の発生から、特別図柄乱数カウンタが一巡するのに要する時間より十分長い所定時時間(例えば、10秒)が経過したときに、第1始動口11に遊技球が入賞して保留順4の特
図1保留が発生したとする。ここで、保留順4の特
図1保留の初期値と、保留順3の特
図1保留の初期値とは異なるものとする。すなわち、保留順4の特
図1保留は、新たな同一周期先頭特
図1保留である。そうすると、例えば、
図63(D)に示すように、保留順4の特
図1保留の発生に応じて、保留アイコンHA4が表示される。ここでの保留アイコンHA4に対応する特
図1保留と保留アイコンHA3に対応する特
図1保留との関係のように、当該特
図1保留に係る初期値と、その1つ前の保留順の特
図1保留に係る初期値とが異なる場合、言い換えると2つの特
図1保留が特別図柄乱数同一周期を構成していない場合、当該新たな同一周期先頭特
図1保留に対応する保留アイコンの表示によって特別演出は干渉されないようになっている。また、第3実施形態では、特別演出が実行された後、当該特別演出が実行されているときに、新たに特
図1保留が発生し、当該新たな特
図1保留と、特別演出に係る特
図1保留とが特別図柄乱数同一周期であった場合、当該新たな特
図1保留も特別演出に係る特
図1保留に対して同一周期後続特
図1保留となるが、この当該新たな特
図1保留(同一周期後続特
図1保留)に対して特別演出実行判定は行われないので、当該新たな特
図1保留(同一周期後続特
図1保留)の発生に基づいて特別演出が実行されることはない。
【0581】
また、特別演出画像G30は、表示されてからは消去されるまで、表示開始直後と変わらず保留アイコンHA2、および保留アイコンHA3に付随して(まとわりついて付着するように)保留アイコンHA2、および保留アイコンHA3を覆った状態で表示され続ける。したがって、例えば、
図63(D)の状況から、特
図1保留が1つ消化されて、同一周期先頭特
図1保留に対応した保留アイコンHA2、および1つ目の同一周期後続特
図1保留に対応した保留アイコンHA3が移動(シフト)すると、特別演出画像G30も保留アイコンHA2、HA3を覆った状態(保留アイコンHA2、HA3に付着した状態)で移動し、移動(シフト)後の保留アイコンHA2、HA3を覆うように表示される。さらに、特
図1保留が1つ消化されて、特別演出に係る同一周期先頭特
図1保留に基づく特
図1可変表示がされることになると、保留アイコンHA2が移動して当該アイコンHA2になり、保留アイコンHA3が移動して保留順1を表す保留アイコンHA3になるが、この場合も、特別演出画像G30は当該アイコンHA2、および保留アイコンHA3を覆った状態(当該アイコンHA2、および保留アイコンHA3に付着した状態)で移動し、移動(シフト)後の当該アイコンHA2、および保留アイコンHA3を覆うように表示される。
【0582】
さらに、特別演出に係る同一周期先頭特
図1保留に基づく特
図1変動表示が終了して当該アイコンHA2が消去されるときには、特別演出画像G30の中の当該アイコンHA2を覆っていた部分もそれに応じて消去される。そして、特別演出に係る同一周期後続特
図1保留に基づく特
図1変動表示が開始されると、保留順1の特
図1保留に対応していた保留アイコンHA3が移動(シフト)して当該特
図1変動表示に対応した当該アイコンHA3になるが、この場合も、特別演出画像G30は当該アイコンHA3を覆った状態(当該アイコンHA3に付着した状態)で移動し、移動(シフト)後の当該アイコンHA3を覆うように表示される。そして、特別演出に係る同一周期後続特
図1保留に基づく特
図1変動表示が終了して当該アイコンHA3が消去されるときには、特別演出画像G30の中の当該アイコンHA3を覆っていた部分もそれに応じて消去される。
【0583】
次に、
図64を用いて、2つ目の同一周期後続特
図1保留が発生したことによって実行される特別演出の具体例について説明する。
図64(A)に示すように、表示部50aに第1通常用背景画像G111が表示され、第1通常用背景画像G111に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が表示されると共に、当該アイコンHA0、および保留順1の特
図1保留に対応した保留アイコンHA1が表示されているときに、当該特
図1保留の発生から、特別図柄乱数カウンタが一巡するのに要する時間より十分長い所定時時間(例えば、10秒)が経過したときに、第1始動口11に遊技球が入賞して保留順2の特
図1保留が発生したとする。そうすると、例えば、
図64(B)に示すように、当該特
図1保留の発生に応じて保留アイコンHA2が表示される。ここで、保留順1の特
図1保留の初期値と、保留順2の特
図1保留の初期値とは異なるものとする。すなわち、保留順2の特
図1保留は同一周期先頭特
図1保留である。
【0584】
そして、保留順2の特
図1保留の発生から連続的に(間髪入れずに)保留順3の特
図1保留が発生、言い換えると、保留順2の第1始動口11への遊技球の入賞に続いて、当該遊技球の上に接して連なった状態の遊技球が第1始動口11に入賞し、保留順3の特
図1保留が発生したとする。ここで、保留順3の特
図1保留の初期値は、保留順2の特
図1保留の初期値と同一であったとする。したがって、保留順3の特
図1保留は、1つ目の同一周期後続特
図1保留となる。そうすると、
図64(C)に示すように、例えば、1つ目の同一周期後続特
図1保留(保留順3の特
図1保留)に対応した保留アイコンとして、通常態様の保留アイコンHA3が表示されるが、ここでは
図63に係る例示と異なっており、1つ目の同一周期後続特
図1保留に係る特別演出実行判定で特別演出を実行しないと判定されたとすると、
図64(C)に示すように、同一周期後続特
図1保留(保留順3の特
図1保留)に対応した保留アイコンHA3が表示されるが、特別演出画像G30が表示されない。すなわち、1つ目の同一周期後続特
図1保留の発生に基づいて特別演出は実行されない。
【0585】
さらに、保留順3の特
図1保留の発生から連続的に(間髪入れずに)保留順4の特
図1保留が発生、言い換えると、保留順3の第1始動口11への遊技球の入賞に続いて、当該遊技球の上に接して連なった状態の遊技球が第1始動口11に入賞し、保留順4の特
図1保留が発生したとする。すなわち、保留順2に係る第1始動口11に入賞した遊技球と、保留順3に係る第1始動口11に入賞した遊技球と、保留順4に係る第1始動口11に入賞した遊技球とが団子状態で第1始動口11に入賞したものとする。
【0586】
また、保留順4の特
図1保留の初期値は、保留順3の特
図1保留の初期値と同一であったとする。したがって、保留順4の特
図1保留は、保留順2の特
図1保留に対して2つ目の同一周期後続特
図1保留となる。そうすると、
図64(D)に示すように、例えば、2つ目の同一周期後続特
図1保留(保留順4の特
図1保留)に対応した保留アイコンとして、通常態様の保留アイコンHA4が表示されるが、ここで、2つ目の同一周期後続特
図1保留に係る特別演出実行判定で特別演出を実行すると判定され、特別演出態様判定で第1特別演出態様と判定されたとすると、
図64(D)に示すように、2つ目の同一周期後続特
図1保留(保留順4の特
図1保留)に対応した保留アイコンHA4が表示された直後に、2つ目の同一周期後続特
図1保留(保留順4の特
図1保留)に対応した保留アイコンHA4、1つ目の同一周期後続特
図1保留(保留順3の特
図1保留)に対応した保留アイコンHA3、および同一周期先頭特
図1保留(保留順2の特
図1保留)に対応した保留アイコンHA2とを一体的に覆うような特別演出画像G30が表示される。なお、特別演出が開始された後の特別演出画像G30の挙動や様子は
図63に係る例示の場合と同様である。
【0587】
以上のように、パチンコ遊技機PY3によれば、相互に異なる複数個数の判定情報(特別図柄乱数)を一巡するまで重複しないように更新することを繰り返し、取得条件(特
図1保留数や特
図2保留数が上限値未満で第1始動口11や第2始動口12に入賞)が成立すると、そのときの判定情報を取得し、取得した判定情報に基づいて、遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技)を実行するか否かを判定する所定判定(大当たり判定)を行い、一の特図保留(大当たり判定を行う権利)に係る判定情報と、その後に発生した特図保留に係る判定情報(大当たり判定を行う権利)とが同一の一巡内のものである場合、当該一の特図保留(大当たり判定を行う権利)、およびその後に発生した特図保留(大当たり判定を行う権利)に対して、特定遊技(大当たり遊技)が実行される可能性があることを示唆する特別演出を実行することがあることによって、保留予告などの1つの特図保留に対して特定遊技(大当たり遊技)が実行される可能性があることを示唆する演出に比べて、大当たり遊技が実行される可能性が高くなるので、言い換えると、遊技者を喜ばせたり遊技者に期待感を抱かせ易くなるので、遊技興趣が向上する。また、特別演出を実行しているときに、所定判定を行う権利(特図保留)が新たに発生した場合、当該特別演出の対象となる所定判定を行う権利(特図保留)に係る判定情報と、新たに発生した所定判定を行う権利(特図保留)に係る判定情報とが同一の一巡内のものである場合、当該新たに発生した所定判定を行う権利(特図保留)に対して特別演出を実行しないので、特別演出の演出効果が低下することを防ぐことができる。
【0588】
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
【0589】
第3実施形態では、特別図柄乱数の範囲は0~65535であり、特別図柄乱数の個数は65536個であるが、特別図柄乱数の範囲、および個数は第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、特別図柄乱数の個数を65536個より多くしても少なくしても良い。また、特別図柄乱数判定値の個数、言い換えると大当たり当選確率も第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
【0590】
特別演出は、実行契機となる同一周期後続特図保留の発生時から開始されているが、特別演出の開始時期は第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、実行契機となる同一周期後続特図保留が発生した次に特図可変表示が開始されるときに特別演出が開始されるようにしても良い。あるいは、特別演出に係る同一周期先頭特図保留に基づく特図可変表示が開始されるときに特別演出が開始されるようにしても良い。
【0591】
特別演出は、実行契機となる同一周期後続特図保留に基づく特図可変表示が終了するときに終了しているが、特別演出の終了時期は第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、特別演出に係る同一周期先頭特図保留に基づく特図可変表示が開始されるときに特別演出が終了するようにしても良い。あるいは、特別演出が開始してから所定時間が経過すると特別演出が終了するようにしても良い。さらには、特別演出に係る同一周期特図保留に対応したアイコンの何れか1つ、あるいは全てに対して、特別演出とは異なる大当たり遊技が実行される可能性があること、または大当たり遊技の実行に対するチャンスアップを示す演出が上書き的に実行されることによって、特別演出が終了するようにしても良い。
【0592】
特別演出は、特別演出画像G30の表示で構成され、特別演出画像G30は特別演出に係る同一周期特図保留に対応するアイコンに重畳的に表示されるが、特別演出の具体的な表示内容は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、特別演出画像G30を背景画像や表示部50aの左端、上端および右端に表示されるエフェクト画像で構成するようにしても良い。あるいは、特別演出は、アイコンの表示態様が特別演出に応じた特殊態様に変化することで実行されるようにしても良い。ただし、特別演出は、遊技者が特別演出に係る同一周期先頭特図保留を認識できるように実行されることが好ましい。特別演出の演出効果の低下を抑えることができるからである。
【0593】
さらに、特別演出は、画像表示装置50で行われているが、画像表示装置50に代えて、もしくは加えて、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動装置55などの他の演出装置で行われるようにしても良い。ただし、特別演出は、遊技者が特別演出に係る同一周期先頭特図保留を認識できるように実行されることが好ましい。特別演出の演出効果の低下を抑えることができるからである。
【0594】
また、第3実施形態では、遊技制御側タイマ割り込み処理は、4ms周期で実行されているが、この周期を適宜変更しても良い。さらに、第3実施形態では、遊技制御基板100で、特図保留間が同一周期特図保留であるか否かが判定されているが、例えば、遊技制御基板100は、特図保留の発生に応じて初期値に関する情報を演出制御基板120に送信し、演出制御基板120が初期値に関する情報に基づいて特別演出を実行するか否かを判定するようにしても良い。あるいは、遊技制御基板100は、初期値が切り替わるタイミングで初期値が切り替わることを示す情報を演出制御基板120に送信し、演出制御基板120は、初期値が切り替わることを示す情報に基づいて特別演出を実行するか否かを判定するようにしても良い。例えば、ある初期値が切り替わることを示す情報が送信されてから次の初期値が切り替わることを示す情報が送信されるまでの間に送信されてきた複数の始動入賞コマンドに対応する特図保留は、特別図柄乱数同一周期の関係にあるので、演出制御基板120は、当該初期値が切り替わることを示す情報に基づいて特別演出を実行するか否かを判定することが可能となる。
【0595】
また、前述の
図63や
図64に係る例示では、特別演出に係るアイコンの表示態様は通常態様であるが、特別態様で表示されているアイコンに対して特別演出が実行されるようにしても良い。言い換えると、保留変化予告と特別演出が同じ期間で重複的に実行されることがあっても良い。この場合、特別演出が実行された後に、特別演出に係るアイコンの表示態様が通常態様から特別態様に変化するようにしても良い。反対に、特別演出に係るアイコンの表示態様が通常態様から特別態様に変化した後に、特別態様のアイコンに対して特別演出が実行されるようにしても良い。
【0596】
また、特別演出が実行された後に発生した特図保留と、特別演出に係る特図保留とが特別図柄乱数同一周期の関係にある場合に、特別演出が実行された後に発生した特図保留に対して特別演出を実行可能としても良い。この場合、例えば、既に実行されている特別演出に係る特別演出画像G30が、特別演出が実行された後に発生した特図保留に対応する保留アイコンまで広がるようにしても良い。また、例えば、既に実行されている特別演出に係る特図保留に対応するアイコン、および特別演出が実行された後に発生した特図保留に対応する保留アイコンに対して、新たに特別演出画像G30が表示されるようにしても良い。さらに、第3実施形態では、1つ目の同一周期後続特
図1保留の発生に基づいて特別演出が実行されなかった場合、2つ目以降の同一周期後続特
図1保留に対して、同一の特別演出実行判定テーブルを用いて特別演出実行判定を行い、同一の特別演出態様判定テーブルを用いて特別演出態様判定を行っているが、双方の判定について、あるいは一方の判定については、異なる判定テーブルを用いて判定を行うようにしても良い。特別演出実行判定であれば、2つ目以降は、1つ目の場合よりも「実行する」に対する選択率が一律的に高くなるようにしても低くなるようにしても良い。あるいは、2つ目以降は、1つ目の場合よりも「実行する」に対する選択率が徐々に高くなるようにしても低くなるようにしても良い。また、特別演出態様判定であれば、2つ目以降は、1つ目の場合よりも「所定の特別演出態様」に対する選択率が一律的に高くなるようにしても低くなるようにしても良い。あるいは、2つ目以降は、1つ目の場合よりも「所定の特別演出態様」に対する選択率が徐々にに高くなるようにしても低くなるようにしても良い。また、2つ目以降では、1つ目では選択され得なかった特別演出態様が選択され得るようにしても良い。
【0597】
パチンコ遊技機PY3では、通常遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態において特別演出を実行可能であるが、例えば、基本的には左打ちで遊技が行われる通常遊技状態、または基本的には右打ちで遊技が行われる高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態の何れかでのみ実行可能というように、特定の遊技状態では特別演出が実行されることはあるが、非特定の遊技状態では特別演出が実行されることはないようにしても良い。
【0598】
また、第3実施形態では、特図可変表示を実行可能な遊技状態として、通常遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態があるが、取り得る遊技状態は特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、前述の特別演出を実行可能なパチンコ遊技機PY3は、第1実施形態のように所謂「1種2種混合機」で構成され、大当たり当選確率に係る遊技状態が1種類であり、当該パチンコ遊技機PY3の取り得る遊技状態は、通常遊技状態と時短状態の2種類であっても良い。そして、この場合、特別演出を、小当たり契機に実行される大当たり遊技も含めた大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出にしても良い。
【0599】
<第4実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第4実施形態について説明する。なお、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
【0600】
第4実施形態に係るパチンコ遊技機PY4では、通常演出モードにおいて、リーチが成立する前に、所定の操作演出が実行されることがある。操作演出においては、第1演出ボタン40kへの操作が有効となる。操作演出の演出種別(操作演出種別)として、第1操作演出種別、第2操作演出種別、および第3操作演出種別がある。以下において、第1操作演出種別の操作演出を「第1操作演出」と称し、第2操作演出種別の操作演出を「第2操作演出」と称し、第3操作演出種別の操作演出を「第3操作演出」と称する。なお、第4実施形態で実行可能な操作演出は、大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆、言い換えると実行されることによって大当たり遊技の実行に対する期待度が向上(チャンスアップ)する予告演出として実行される。
【0601】
第4実施形態では、操作演出が実行される場合は、特図変動演出(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示)が開始してから3秒が経過したときに操作演出が開始する。前述の通り、操作演出には、操作促進演出、および操作結果演出が含まれる。そして、第1操作演出、第2操作演出、および第3操作演出で同一の操作有効期間が発生し、同一の操作促進演出が実行される。第4実施形態では、操作有効期間が発生してから操作が行われることなく終了するまでの時間(操作有効時間)は4秒に設定されている。また、操作促進演出の演出内容は、基本的な実施形態の操作促進演出と同一であり、操作促進演出では、操作促進演出画像G12によって操作促進演出が実行される。
【0602】
また、第1操作演出、第2操作演出、および第3操作演出で、相互に異なる操作結果演出が実行される。以下において、第1操作演出に係る操作結果演出を「第1操作結果演出」と称し、第2操作演出に係る操作結果演出を「第2操作結果演出」と称し、第3操作演出に係る操作結果演出を「第3操作結果演出」と称する。
【0603】
操作結果演出として、表示部50aにおいて、操作結果演出に応じた画像(結果画像)G40がカットインされ、第1通常用背景画像G111などの背景画像、および変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に表示される。詳細は後述するが、結果画像G40には、通常結果画像G40aと、特別結果画像G40aよりも大当たり遊技が実行される可能性が高いことを示唆する第2結果画像G40bとがある。以下において、通常結果画像G40aが表示される操作結果演出のことを「通常操作結果演出」と称し、特別結果画像G40bが表示される操作結果演出のことを「特別操作結果演出」と称する。
【0604】
次に、操作演出に係るフロー(操作演出フロー)について説明する。第1操作演出、第2操作演出、および第3操作演出に共通して、当該演出が開始されると、まずは同一の演出内容からなる操作促進演出が開始されると共に、当該操作演出に対する第1演出ボタン40kへの操作が有効となる操作有効期間が開始される。そして、操作促進演出が実行されているときに(操作有効期間において)第1演出ボタン40kが操作されると、操作結果演出が実行される。ただし、操作結果演出の内容は、操作演出種別によって異なる。そこで、第1操作演出、第2操作演出、および第3操作演出に係る操作演出フローにおける第1演出ボタン40kが操作されてから後の部分を説明する。
【0605】
最初に、第1操作演出に係る操作演出フローについて説明する。操作促進演出が実行されているときに、第1演出ボタン40kが押下操作されると、当該押下操作に応じて、詳細には、第1演出ボタン40kが押下操作された直後に、操作促進演出が終了すると共に、通常操作結果演出が開始する。通常操作結果演出は、開始から第1演出時間(例えば、3秒)が経過すると終了する。また、通常操作結果演出が開始されてから第1演出時間が経過する前に第1演出ボタン40kへの押下操作が解除されても、言い換えると第1演出ボタン40kを放す操作(第1演出ボタン40kを押下されている状態から操作される前の(押下操作されていない)元の通常状態に戻すための操作)がされても、通常操作結果演出は、開始されてから第1演出時間が経過するまで継続する。この第1演出ボタン40kへの押下操作に応じた通常操作結果演出が第1操作結果演出を構成する。なお、以下において、押下操作されている状態の第1演出ボタン40kに対して、当該第1演出ボタン40kから手を放したり第1演出ボタン40kに接触しながらも上昇させるなどして第1演出ボタン40kを元の通常状態に戻す操作のことを「解除操作」と称することもある。
【0606】
次に、第2操作演出に係る操作演出フローについて説明する。操作促進演出が実行されているときに、第1演出ボタン40kが押下操作されると、当該押下操作に応じて、詳細には、第1演出ボタン40kが押下操作された直後に、操作促進演出が終了すると共に、特別操作結果演出が開始する。特別操作結果演出は、開始から第1演出時間(例えば、3秒)が経過すると終了する。また、特別操作結果演出が開始されてから第1演出時間が経過する前に第1演出ボタン40kが解除操作されても、特別操作結果演出は、開始されてから第1演出時間が経過するまで継続する。この第1演出ボタン40kへの押下操作に応じた特別操作結果演出が第2操作結果演出を構成する。
【0607】
次に、第3操作演出に係る操作演出フローについて説明する。操作促進演出が実行されているときに、第1演出ボタン40kが押下操作されると、当該押下操作に応じて、詳細には、第1演出ボタン40kが押下操作された直後に、操作促進演出が終了すると共に、通常操作結果演出が開始する。ここまでは、第1操作演出に係る操作演出フローと同一である。そして、第3操作演出では、通常操作結果演出が開始された後に第1演出ボタン40kが解除操作されると、当該解除操作に応じて、詳細には、第1演出ボタン40kが解除操作された直後に、通常操作結果演出が終了すると共に、特別操作結果演出が開始する。言い換えると、操作結果演出として、通常操作結果演出から特別操作結果演出(通常結果画像G40aから特別結果画像G40b)に切り替わる。特別操作結果演出は、開始から第2演出時間(例えば、2秒)が経過すると終了する。これらの第1演出ボタン40kへの押下操作に応じた通常操作結果演出と、第1演出ボタン40kへの解除操作に応じた特別操作結果演出とが第3操作結果演出を構成する。
【0608】
第3操作演出における第1演出ボタン40kへの解除操作に応じて特別操作結果演出が実行されるが、特別操作結果演出が実行されることに対して、第1演出ボタン40kへの解除操作が有効な期間(解除操作有効期間)と無効な期間(解除操作無効期間)とがある。解除操作有効期間は、通常操作結果演出が開始されてから1秒~2秒の間の1秒間であり、解除操作無効期間は、通常操作結果演出が開始されてから第2演出時間が経過するまでの間の解除操作有効期間を除く期間である。したがって、第3操作演出が実行されている場合であっても、通常操作結果演出が開始してから1秒が経過する前に第1演出ボタン40kが解除操作されても特別操作結果演出が実行されず、当該通常操作結果演出は、開始してから第1演出時間が経過したときに終了する。また、第3操作演出が実行されている場合であっても、通常操作結果演出が開始してから2秒が経過した後に第1演出ボタン40kが解除操作されても特別操作結果演出が実行されず、当該通常操作結果演出は、開始してから第1演出時間が経過したときに終了する。なお、第4実施形態では、最初の解除操作無効期間(解除操作有効期間が発生する前)に第1演出ボタン40kが解除操作された場合、その後に再び押下操作して解除操作有効期間に第1演出ボタン40kが解除操作されても特別操作結果演出が実行されず、当該通常操作結果演出が、開始してから第1演出時間が経過したときに終了する。ただし、この場合について、最初の解除操作無効期間の後の解除操作有効期間で第1演出ボタン40kが解除操作されると、通常操作結果演出から特別操作結果演出に切り替わるようにしても良い。
【0609】
また、詳細な演出内容は後述するが、通常操作結果演出が終了すると共に、特別操作結果演出が実行される場合は、通常結果画像G40aから特別結果画像G40bに差し替わる。言い換えると、通常結果画像G40aが表示される位置と特別結果画像G40bが表示される位置とは同一であり、通常操作結果演出が終了すると共に、特別操作結果演出が実行されるときには、通常結果画像G40aが消えて特別結果画像G40bが表示される。そして、前述の通り、特別操作結果演出は、通常操作結果演出よりも大当たり遊技が実行される可能性が高いことを示唆する演出であるので、第3操作演出では、第1ボタン40kへの有効な解除操作によって、操作結果演出に係る大当たり遊技になる可能性が向上、言い換えると操作結果演出が昇格していることになる。
【0610】
なお、第1操作演出に係る操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されなかった場合、言い換えると、第1操作演出が開始されてから第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効時間が経過すると、当該経過時に、操作促進演出が終了すると共に、第1操作結果演出としての通常操作結果演出が実行される。同様に、第2操作演出が開始されてから第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効時間が経過すると、当該経過時に、操作促進演出が終了すると共に、第2操作結果演出としての特別操作結果演出が実行される。また、第3操作演出が開始されてから第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効時間が経過すると、当該経過時に、操作促進演出が終了すると共に、第3操作結果演出としての通常操作結果演出が実行される。そして、この場合には、通常操作結果演出から特別操作結果演出に昇格することはない。
【0611】
次に、第4実施形態における操作演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、操作演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
【0612】
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、特図変動演出パターンを決定した後に、通常演出モードであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、通常演出モードではないと判定すると、当該操作演出に係る処理を終え、通常演出モードであると判定すると、受信した特図変動開始コマンドが特
図1変動パターンに対応するものであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特
図1変動パターンに対応する特図変動開始コマンドではないと判定すると、当該操作演出に係る処理を終え、特
図1変動パターンに対応する特図変動開始コマンドであると判定すると、当該特図変動開始コマンドに基づいて、操作演出の実行の可否を決定するための操作演出実行判定を行う。
【0613】
操作演出実行判定は、操作演出実行判定テーブルを参照して実行される。操作演出実行判定テーブルの構成例を
図65(A)に示す。
図65(A)に示すように、操作演出実行判定テーブルは、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターン判定結果に含まれる特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、操作演出実行判定テーブルとして、大当たり変動用(SP大当たり変動、L大当たり変動)の操作演出実行判定テーブル、SPハズレ変動用の操作演出実行判定テーブル、Lハズレ変動用の操作演出実行判定テーブル、Nハズレ変動用の操作演出実行判定テーブル、通常Aハズレ変動用の操作演出実行判定テーブル、通常Bハズレ変動用の操作演出実行判定テーブル、および通常Cハズレ変動用の操作演出実行判定テーブルが設けられている。
図65(A)に示す各操作演出実行判定テーブルは、操作演出を実行する/実行しないに対する選択率が
図65(A)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0614】
図65(A)に示すように、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、操作演出が実行されると、操作演出の契機となった特
図1可変表示で大当たりになる可能性がある。すなわち、操作演出は、大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出である。また、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、リーチが成立する特図変動パターンの場合もリーチが成立しない特図変動パターンの場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、操作演出が実行されると、操作演出に係る特
図1可変表示に応じた特図変動演出でリーチが成立する可能性がある。すなわち、操作演出は、リーチになる可能性があることを示唆する演出である。なお、特
図1変動パターンが通常Bハズレ変動、および通常Cハズレ変動の場合は、操作演出が実行されない。
【0615】
演出制御用マイコン121は、操作演出実行判定を終えると、当該判定結果が「操作演出を実行する」であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、当該判定結果が「操作演出を実行する」ではない場合、当該操作演出に係る処理を終え、当該判定結果が「操作演出を実行する」である場合、当該特図変動開始コマンドに基づいて、操作演出種別を決定するための操作演出種別判定を行う。
【0616】
操作演出種別判定は、操作演出種別判定テーブルを参照して実行される。操作演出種別判定テーブルの構成例を
図65(B)に示す。
図65(B)に示すように、操作演出種別判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、操作演出種別判定テーブルとして、大当たり変動(SP大当たり変動、L大当たり変動)用の操作演出種別判定テーブル、SPハズレ変動用の操作演出種別判定テーブル、Lハズレ変動用の操作演出種別判定テーブル、Nハズレ変動用の操作演出種別判定テーブル、および通常Aハズレ変動用の操作演出種別判定テーブルが設けられている。
図65(B)に示す各操作演出種別判定テーブルは、各操作演出種別に対する選択率が
図65(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0617】
図65(B)に示すように、特図変動パターンがSPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も通常Aハズレ変動の場合も「第1操作演出種別」に決定されることがある。したがって、操作演出として、第1操作演出が実行されると、特図変動演出で、リーチが成立する可能性、NリーチからSPリーチ、またはLリーチに発展する可能性、および大当たりになる可能性がある。すなわち、第1操作演出は、リーチが成立する可能性、NリーチからSPリーチ、またはLリーチに発展する可能性、および大当たりになる可能性があることを示唆する演出である。
【0618】
さらに、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も「第2操作演出別」、「第3操作演出種別」に決定されることがあるが、通常Aハズレ変動の場合に「第2操作演出別」、または「第3操作演出種別」に決定されることはない。したがって、第2操作演出、または第3操作演出が実行されると、その後にリーチが成立(リーチに発展)することが確定する。すなわち、第2操作演出、および第3操作演出は、リーチが成立(リーチに発展)することを示唆する演出である。
【0619】
また、
図65(B)に示す操作演出種別判定テーブルによれば、第4実施形態では、第1操作演出種別<第2操作演出種別<第3操作演出種別の順番で大当たり遊技が実行される可能性が高いことを示唆する。
【0620】
演出制御用マイコン121は、操作演出種別判定を行った後に当該判定の結果である操作演出種別を示すコマンド(操作演出開始コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた操作演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
【0621】
画像制御基板140の画像用CPU141は、操作演出開始コマンドを受信すると、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに、表示部50aにおいて、操作促進演出画像G12を表示して、操作促進演出を開始させる。
【0622】
また、演出制御用マイコン121は、操作演出を実行する場合は、特図変動演出の開始時を基準として、操作演出に係る各種時間を適宜に計測するものとする。そして、演出制御用マイコン121は、操作演出が開始されるタイミングで、具体的には特図変動演出が開始してから3秒が経過したときに、操作演出に対する第1演出ボタン40kへの押下操作を有効とする操作有効期間を設定する。前述の通り、操作有効期間に係る操作有効時間は4秒であり、演出制御用マイコン121は、操作有効期間を設定してから第1演出ボタン40kへの押下操作がされることなく、言い換えると第1演出ボタンセンサ40aから検知信号が入力されることなく、操作有効時間が経過すると、そのまま操作有効期間を終了する。一方、演出制御用マイコン121は、操作有効期間を設定してから操作有効時間が経過する前に第1演出ボタン40kへの押下操作がされると、言い換えると第1演出ボタンセンサ40aから検知信号が入力されると、第1演出ボタン40kへの押下操作が検知されたことを示すコマンド(押下操作検知コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた押下操作検知コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
【0623】
画像制御基板140の画像用CPU141は、押下操作検知コマンドを受信すると、適宜に、操作促進演出画像G12を消去して操作促進演出を終了させる。さらにその直後に、画像用CPU141は、第1操作演出、または第3操作演出の実行中であれば、通常操作結果画像G40aを表示して、第1操作結果演出、または第3操作結果演出としての通常操作結果演出を開始させる。一方、画像用CPU141は、第2操作演出の実行中であれば、特別操作結果画像G40bを表示して、第2操作結果演出としての特別操作結果演出を開始させる。
【0624】
なお、画像用CPU141も、各種演出に関する時間を適宜に計測できるように構成されており、操作促進演出画像G12を表示して操作促進演出を開始させてから、押下操作検知コマンドを受信することなく操作有効時間が経過すると、操作促進演出画像G12を消去して操作促進演出を終了させる。さらにその直後に、画像用CPU141は、第1操作演出、または第3操作演出の実行中であれば、通常操作結果画像G40aを表示して、第1操作結果演出、または第3操作結果演出としての通常操作結果演出を開始させる。一方、画像用CPU141は、第2操作演出の実行中であれば、特別操作結果画像G40bを表示して、第2操作結果演出としての特別操作結果演出を開始させる。
【0625】
また、演出制御用マイコン121は、第3操作演出を実行し、当該第3操作演出において、通常操作結果演出を実行した場合は、通常操作結果演出を実行しているときに、第1演出ボタン40kへの解除操作がされると、言い換えると第1演出ボタンセンサ40aからの検知信号がONからOFFになると、第1演出ボタン40kへの解除操作が検知されたことを示すコマンド(解除操作検知コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた解除操作検知コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
【0626】
画像制御基板140の画像用CPU141は、第3操作演出を実行し、当該第3操作演出において、通常操作結果演出を実行した場合は、通常操作結果演出を開始させてから1秒が経過したときに、特別操作結果演出、言い換えると操作結果演出の昇格の実行に対する第1演出ボタン40kへの解除操作有効期間を設定する。そして、画像用CPU141は、解除操作有効期間において解除操作検知コマンドを受信すると、適宜に、通常操作結果画像G40aを消去して通常操作結果演出を終了させる。さらにその直後に、画像用CPU141は、特別操作結果画像G40bを表示して、特別操作結果演出を開始、言い換えると操作結果演出を昇格させる。一方、画像用CPU141は、解除操作無効期間(解除操作有効期間前の解除操作無効期間、および解除操作有効期間後の解除操作無効期間)において解除操作検知コマンドを受信すると、通常操作結果演出が開始してから第1演出時間が経過したときに、通常操作結果画像G40aを消去して、当該通常操作結果演出の終了と共に、そのまま第3操作結果演出を終了させる。また、画像用CPU141は、通常操作結果演出を開始してから第1演出時間が経過するまでの間に解除操作検知コマンドを受信しなかった場合も、通常操作結果演出が開始してから第1演出時間が経過したときに、通常操作結果画像G40aを消去して、当該通常操作結果演出の終了と共に、そのまま第3操作結果演出を終了させる。
【0627】
次に、
図66~
図71を用いて、第1操作演出、第2操作演出、および第3操作演出の具体例について説明する。
図66は、第1操作演出~第3操作演出に共通して実行される操作促進演出を説明するための説明図であり、
図67は、第1操作結果演出を説明するための説明図であり、
図68は、第2操作結果演出を説明するための説明図であり、
図69は、解除操作有効期間において解除操作が行われた場合の第3操作結果演出を説明するための説明図であり、
図70は、解除操作有効期間になる前に解除操作が行われた場合の第3操作結果演出を説明するための説明図であり、
図71は、解除操作有効期間を過ぎた後に解除操作が行われた場合の第3操作結果演出を説明するための説明図である。なお、
図66~
図71には、補足として第1演出ボタン40kを模式的に図示しており、第1演出ボタン40kへの押下操作や解除操作がなされる様子も示されている。また、
図66~
図71では、共通して表示部50aに第1通常用背景画像G111が表示されているものとする。
【0628】
最初に第1操作演出について説明する。
図66(A)に示すように、第1通常用背景画像G111に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始され、それから3秒が経過すると、
図66(B)に示すように、表示部50aの略中央に操作促進演出画像G12が表示されることによって、第1操作演出を構成する操作促進演出が開始される。続いて、
図66(C)に示すように、操作促進演出が開始されてから、操作有効時間未満の時間(例えば、1秒)が経過したときに、言い換えると、操作有効期間において、第1演出ボタン40kが操作されると、
図67(A)に示すように、操作促進画像G12が消去されることによって操作促進演出が終了すると共に、操作促進演出画像G12が表示されていた表示部50aの略中央で、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に通常操作結果画像G40aが表示されることによって、第1操作結果演出としての通常操作結果演出が開始される。
【0629】
前述の通り、通常操作結果演出の演出時間は3秒であるので、例えば、
図67(A)の状況から1秒が経過しても
図67(B)に示すように、表示部50aには通常操作結果画像G40aが表示されており、未だ第1操作結果演出としての通常操作結果演出が実行されている。そして、
図67(A)の状況から3秒が経過すると、
図67(C)に示すように、通常操作結果画像G40aが消去されることによって、第1操作結果演出としての通常操作結果演出が終了し、それと共に第1操作演出が終了する。
【0630】
次に第2操作演出について説明する。第2操作演出においても最初は
図66(A)~
図66(C)に例示した第1操作演出の場合と同様に操作促進演出が実行される。
図66(C)に示すように、操作促進演出が開始されてから、操作有効時間未満の時間(例えば、1秒)が経過したときに、言い換えると、操作有効期間において、第1演出ボタン40kが操作されると、
図68(A)に示すように、操作促進画像G12が消去されることによって操作促進演出が終了すると共に、操作促進演出画像G12が表示されていた表示部50aの略中央で、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に特別操作結果画像G40bが表示されることによって、第2操作結果演出としての特別操作結果演出が開始される。
【0631】
前述の通り、特別操作結果演出の演出時間は3秒であるので、例えば、
図68(A)の状況から1秒が経過しても
図68(B)に示すように、表示部50aには特別操作結果画像G40bが表示されており、未だ第2操作結果演出としての特別操作結果演出が実行されている。そして、
図68(A)の状況から3秒が経過すると、
図68(C)に示すように、特別操作結果画像G40bが消去されることによって、第2操作結果演出としての特別操作結果演出が終了し、それと共に第2操作演出が終了する。
【0632】
次に第3操作演出について説明する。最初に、解除操作有効期間に解除操作が行われる場合について説明する。第3操作演出においても最初は
図66(A)~
図66(C)に例示した第1操作演出の場合と同様に操作促進演出が実行される。
図66(C)に示すように、操作促進演出が開始されてから、操作有効時間未満の時間(例えば、1秒)が経過したときに、言い換えると、操作有効期間において、第1演出ボタン40kが操作されると、
図69(A)に示すように、操作促進画像G12が消去されることによって操作促進演出が終了すると共に、操作促進画像G12が表示されていた表示部50aの略中央で、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に通常操作結果画像G40aが表示されることによって、第3操作結果演出としての通常操作結果演出が開始される。
【0633】
前述の通り、第3操作演出においては、通常操作結果演出が開始されてから1秒~2秒の1秒間は、特別操作結果演出を実行するための第1演出ボタン40kへの解除操作有効期間である。したがって、例えば、
図69(A)の状況から1秒が経過して
図69(B)に示すように、表示部50aには通常操作結果画像G40aが表示されて第3操作結果演出としての通常操作結果演出が実行され、さらに0.5秒が経過した解除操作有効期間において第1演出ボタン40kへの解除操作がなされると、
図69(C)に示すように、通常操作結果画像G40aから特別操作結果画像G40bに差し替わる。言い換えると、通常操作結果画像G40aが消去されることによって、通常操作結果演出が終了すると共に、通常操作結果画像G40aが表示されていた箇所に特別操作結果画像G40bが表示されることによって、特別操作結果演出が開始し、操作結果演出が昇格する。
【0634】
そして、特別操作結果演出の演出時間は2秒であるので、例えば、
図69(C)の状況から2秒が経過すると、特別操作結果画像G40bが消去されることによって、第3操作結果演出としての特別操作結果演出が終了し、それと共に第3操作演出が終了し、
図67(C)や
図68(C)と同じような状況になる。
【0635】
このように、第3操作結果演出を構成する通常操作結果演出の実行中であって解除操作有効期間において第1演出ボタン40kが解除操作されると特別操作結果演出が実行されて操作結果演出が昇格する。
【0636】
続いて、第3操作演出に係る通常操作結果演出が実行されているときであって解除操作有効期間になる前に解除操作が行われる場合について説明する。
図70(A)に示すように、
図69(A)に例示した場合と同様に、通常操作結果画像G40aが表示されることによって、第3操作結果演出としての通常操作結果演出が開始され、当該状況から1秒が経過する前に、言い換えると通常操作結果演出が行われているが解除操作有効期間になる前に解除操作がなされると、
図70(B)に示すように、通常操作結果演出が継続され、解除操作がなされる前と変わらず通常操作結果画像G40aが表示される。その後、通常操作結果画像G40aが表示されてから1秒が経過する解除操作有効期間の開始時点になっても
図70(C)に示すように、通常操作結果演出が継続されて、解除操作がなされる前と変わらず通常操作結果画像G40aが表示される。さらに、通常操作結果画像G40aが表示されてから2秒が経過する解除操作有効期間の終了時点になっても
図70(D)に示すように、通常操作結果演出が継続されて、解除操作がなされる前と変わらず通常操作結果画像G40aが表示される。そして、その後は、通常操作結果画像G40aが表示されてから3秒が経過したときに、通常操作結果画像G40aが消去されることによって、第3操作結果演出としての通常操作結果演出が終了し、それと共に第3操作演出が終了し、
図67(C)や
図68(C)と同じような状況になる。
【0637】
このように、第3操作結果演出を構成する通常操作結果演出の実行中であって解除操作有効期間になる前に第1演出ボタン40kが解除操作されると、特別操作結果演出が実行されることなく、解除操作されない場合と同じように通常操作結果演出が実行される。
【0638】
続いて、第3操作演出に係る通常操作結果演出が実行されているときであって解除操作有効期間を過ぎた後に解除操作が行われる場合について説明する。
図71(A)に示すように、
図69(A)に例示した場合と同様に、通常操作結果画像G40aが表示されることによって、第3操作結果演出としての通常操作結果演出が開始され、当該状況から解除操作がされないまま1秒が経過すると、
図70(B)に示すように、通常操作結果演出が継続され、通常操作結果画像G40aが表示されている。その後、さらに解除操作がされないまま、通常操作結果画像G40aが表示されてから2秒が経過する解除操作有効期間の終了時点になると、
図70(C)に示すように、通常操作結果演出が継続されて、解除操作がなされる前と変わらず通常操作結果画像G40aが表示される。そして、例えば通常操作結果画像G40aが表示されてから2.5秒が経過する解除操作有効期間を過ぎた時点で、解除操作がなされると、
図70(D)に示すように、通常操作結果演出が継続されて、解除操作がなされる前と変わらず通常操作結果画像G40aが表示される。そして、その後は、通常操作結果画像G40aが表示されてから3秒が経過したときに、通常操作結果画像G40aが消去されることによって、第3操作結果演出としての通常操作結果演出が終了し、それと共に第3操作演出が終了し、
図67(C)や
図68(C)と同じような状況になる。
【0639】
このように、第3操作結果演出を構成する通常操作結果演出の実行中であって解除操作有効期間を過ぎた後に第1演出ボタン40kが解除操作されると、特別操作結果演出が実行されることなく、解除操作されない場合と同じように通常操作結果演出が実行される。
【0640】
以上のように、パチンコ遊技機PY4によれば、第1演出ボタン40k(操作手段)に対して、押下操作(第1操作)を行うことと、押下操作(第1操作)の後の解除操作(第2操作)を行うことが可能に構成され、第1演出ボタン40k(操作手段)に対して解除操作(第2操作)が行われたことによって特別操作結果演出(特定演出)を実行することがあるので、遊技者に驚きを与えて遊技興趣を向上させることができる。また、パチンコ遊技機PY4によれば、第1演出ボタン40k(操作手段)に対して押下操作(第1操作)が行われたことによって、特別操作結果演出(特定演出)と関連性を有する通常操作結果演出(所定演出)を実行し、通常操作結果演出(所定演出)が実行されているときに解除操作(第2操作)が行われたことによって特別操作結果演出(特定演出)を実行することがあるので、さらに遊技者に驚きを与えて遊技興趣を向上させることができる。さらに、通常操作結果演出(所定演出)が開始されてから1秒(所定時間)が経過した後に解除操作(第2操作)が行われると特別操作結果演出(特定演出)を実行することがあり、通常操作結果演出(所定演出)が開始されてから1秒(所定時間)が経過する前に解除操作(第2操作)が行われると特別操作結果演出(特定演出)を実行しないので、特別操作結果演出(特定演出)の演出効果が向上する。
【0641】
(第4実施形態の変更例)
次に、第4実施形態に係るパチンコ遊技機PY4の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
【0642】
第4実施形態では、操作演出は、通常演出モードにおいて実行されているが通常演出モードに代えて、あるいは加えて、確変演出モードや時短演出モードなどの他の演出モードで実行されることがあるようにしても良い。さらには、操作演出は、通常遊技状態において実行されているが通常遊技状態に代えて、あるいは加えて、高確率状態を含む遊技状態や時短状態を含む遊技状態などの他の遊技状態で実行されることがあるようにしても良い。
【0643】
また、第4実施形態では、操作演出は、特図変動演出が開始後の通常変動において実行可能であるが、操作演出の実行タイミングは適宜に変更可能である。したがって、通常変動に代えて、あるいは加えて、リーチ成立時、NリーチやSPリーチなどのリーチ演出中、NリーチからLリーチやSPリーチなどの発展時、SPリーチなどの当落分岐点で実行されるようにしても良い。
【0644】
さらに、操作結果演出を構成する演出はカットインで構成されているが、操作結果演出を構成する演出はカットインに限られず適宜に変更しても良い。例えば、操作結果演出をセリフ予告で構成しても良い。この場合、操作結果演出の昇格としては、セリフの内容やセリフを発するキャラクターが変更されるようにしても良い。あるいは、同一のキャラクターによる台詞、または別のキャラクターによる台詞が追加されるようにしても良い。また、第4実施形態では、操作結果演出の昇格として、操作結果演出に係る画像全体が差し替わっているが、昇格に係る演出内容はこれに限られず、例えば画像に係る一部の構成要素は変化するが他の構成要素は変化しないようにしても良い。例えば、操作結果演出が昇格することによって、画像の表示内容は同一であるが拡大するなど大きさが変更されるようにしても良い。もしくは、操作結果演出が昇格することによって、画像の線図部分は同一であるが色彩が変更されるようにしても良い。
【0645】
また、第4実施形態では、操作結果演出は画像表示装置50によって実行されているが、操作結果演出を実行する演出装置は特に限定されない。したがって、操作結果演出を構成する演出装置として、画像表示装置50に代えて、あるいは加えて、スピーカー52、枠ランプ53、または盤可動装置55などの他の演出装置としても良い。
【0646】
さらに、第4実施形態では、操作演出に用いられる操作手段は第1演出ボタン40kであるが、操作演出に用いられる操作手段は特に限定されない。したがって、操作演出に用いられる操作手段として、第2演出ボタン41kや十字ボタン(図示なし)としても良い。また、操作演出に用いられる操作手段は第1演出ボタン40kであり、第1演出ボタン40kは通常の待機状態から押下操作可能であり、押下操作してから解除操作することによって、操作されていない元の通常状態に戻るが、操作演出に用いられる操作手段の操作態様は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、操作演出に用いられる操作手段は操作されていない通常状態から引き抜く操作を行うことが可能であり、引き抜く操作をした後に押し戻す操作をすることによって通常状態に戻るように構成されていても良い。また、操作演出に用いられる操作手段は通常状態から前方に押し込む操作が可能であり、押し込む操作をしてから引き戻す操作をすることによって通常状態に戻るように構成されていても良い。さらには、操作演出に用いられる操作手段はフォトセンサで構成されており、特定の箇所に手などのものが検知されていない状態が通常状態であり、そこから当該特定の箇所に手などのものが検知されることが操作されることであり、特定の箇所に手などのものが検知されている状態から何も検知されていない状態にすることによって待機状態に戻るように構成されていても良い。
【0647】
また、第4実施形態では、第1演出ボタン40kが押下操作されて通常操作結果演出が実行され、その押下操作されている状態から解除操作されることによって第1演出ボタン40kが通常状態に戻るが、この通常状態に戻る間で複数段階検知できるようにし、通常操作結果演出が行われた後、操作結果演出が複数段階昇格することがあるようにしても良い。例えば、第1演出ボタン40kが完全に押下操作されている状態から、通常状態に戻るまでの中間でもその状態を検知可能であり、その中間で止めた時に1回目の昇格が行われ、完全な通常状態に戻ったときに2回目の昇格が行われることがあるようにしても良い。この場合、例えば、通常操作結果演出が開始されてから0.5秒から1.5秒までの期間を1回目の昇格が可能な期間とし、通常操作結果演出が開始されてから2.5秒から3.5秒までの期間を2回目の昇格が可能な期間としても良い。
【0648】
さらに、操作演出は、特図変動開始コマンドに基づいて特図変動演出において実行可能であり、大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出として機能しているが、示唆する対象は大当たり遊技が実行される可能性に限られず適宜に変更しても良い。例えば、操作演出が特図変動演出で実行される場合、リーチが成立する可能性やSPリーチなどの特定の大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出が実行される可能性があることを示唆する演出であっても良い。また、操作演出は、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い大当たり遊技や相対的に獲得可能な賞球数が多い大当たり遊技などの特定の大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出であっても良い。あるいは、操作演出は、その後に高確率状態になる大当たり遊技やその後に時短状態になる大当たり遊技などの特定の大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出であっても良い。あるいは、操作演出は、オープニングコマンドに基づいて大当たり遊技の特定のラウンド遊技において実行可能であり、当該大当たり遊技がさらに継続する可能性があることを示唆する演出であっても良い。また、操作演出は、オープニングコマンドに基づいて大当たり遊技の特定のラウンド遊技において実行可能であり、当該大当たり遊技の後に高確率状態を含む遊技状態や時短状態を含む遊技状態など通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であっても良い。
【0649】
7.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Dが開示されている。発明A~発明Dの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこのあ付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A3の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B3の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C2の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D3の総称である。
【0650】
7-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
開閉可能な始動領域(第2始動口12)への入賞に基づいて識別情報(特
図2)の変動表示を実行し、前記識別情報の変動表示で前記識別情報が特定態様(大当たりや小当たりを示す態様)で停止表示すると遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技や小当たり遊技)を実行する遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、
発光可能な発光手段(枠ランプ53)とを備えた遊技機であって、
前記遊技実行手段は、所定の遊技状態(通常遊技状態)において、前記識別情報が前記特定態様で停止表示することなく、前記識別情報の変動表示が特定回数(800回)実行されることを含む特定条件が成立すると、前記始動領域が開放し易い特定遊技状態(時短状態)にし、
前記演出実行手段は、前記特定条件の成立による前記特定遊技状態になるまでの前記識別情報の変動表示の残り回数が第1回数であるときに、前記発光手段を第1発光態様で発光させる第1発光演出を実行することがあり、前記残り回数が前記第1回数と異なる第2回数であるときに、前記発光手段を第2発光態様で発光させる第2発光演出を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【0651】
7-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示、および前記特定遊技の何れも実行されていないことを含む実行条件が成立すると、前記第1発光演出、および前記第2発光演出を実行することを特徴とする遊技機。
【0652】
7-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記始動領域が設けられた遊技盤(遊技盤1)と、当該遊技盤に対して開閉可能に構成された前枠(前枠23m)とをさらに備え、
前記発光手段は前記前枠に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0653】
なお、発明Aによれば、先行技術文献としての特開2018-88993号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Aに対して、当該遊技機に対するユーザーフレンドリー性を高めつつ、遊技興趣を向上させることができるという効果を奏する。特開2018-88993号公報に記載の遊技機では、開閉可能な始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、開閉可能な大入賞口の開放を伴う大当たり遊技が実行される。そして、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な始動口が通常遊技状態(非時短状態)よりも開放し易い時短状態になることがある。しかしながら、開閉可能な始動口が通常遊技状態(非時短状態)よりも開放し易い遊技状態にすることが可能な遊技機について、未だ改善の余地がある。そこで、課題Aとするところは、ユーザーフレンドリー性を高めつつ、遊技興趣を向上させることができる新規な遊技機を提供することである。そして、発明A1は、この課題Aに対して「所定の遊技状態において、識別情報が特定態様で停止表示することなく、識別情報の変動表示が特定回数実行されることを含む特定条件が成立すると、始動領域が開放し易い特定遊技状態にし、演出実行手段は、特定条件の成立による特定遊技状態になるまでの識別情報の変動表示の残り回数が第1回数であるときに、発光手段を第1発光態様で発光させる第1発光演出を実行することがあり、残り回数が第1回数と異なる第2回数であるときに、発光手段を第2発光態様で発光させる第2発光演出を実行することがある」という特開2018-88993号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、当該遊技機に対するユーザーフレンドリー性を高めつつ、遊技興趣を向上させることができる有利な効果を奏する。
【0654】
7-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
遊技者が操作可能であり、光を吸収することで菌、またはウィルスなどの有害物質を除去する第1効果、または前記有害物質の増殖を抑える第2効果を発揮する所定材料(光触媒)が表面に塗布されている操作手段(ハンドル72k)と、
前記操作手段が接触されていない時間(接触解除経過時間)に応じて前記第1効果、または前記第2効果に関する所定事項を示唆する示唆演出(特別音声演出、特別発光演出)を実行可能な示唆演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備えることを特徴とする遊技機。
【0655】
7-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記示唆演出実行手段は、前記操作手段が接触されていない時間が第1時間(2分00秒)である場合、前記示唆演出を第1態様(第2特別音声演出態様、第2特別発光演出態様)で実行し、前記操作手段が接触されていない時間が前記第1時間と異なる第2時間(4分00秒)である場合、前記示唆演出を前記第1態様と異なる第2態様(第4特別音声演出態様、第4特別発光演出態様)で実行することを特徴とする遊技機。
【0656】
7-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
識別情報(特別図柄)の可変表示を実行可能であり、前記識別情報の可変表示で特定結果(大当たりや小当たり)が導出されると、遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技や小当たり遊技)を実行する遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)をさらに備え、
前記示唆演出実行手段は、前記識別情報の可変表示、および前記特定遊技の何れも実行されていないことを条件として前記示唆演出を実行することを特徴とする遊技機。
【0657】
なお、発明Bによれば、先行技術文献としての特開2018-88993号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Bに対して、除菌や抗菌などの菌またはウィルスに対する感染予防について安心感の向上を図ることができるという効果を奏する。特開2018-88993号公報に記載の遊技機では、前枠に設けられたハンドルを操作することによって遊技球を発射させて遊技を行うことができる。ところで、近年は、衛生上の観点からパチンコ遊技機の表面には、除菌や抗菌などの菌またはウィルスに対する感染予防効果を発揮する光触媒などを含む所定材料が塗布されていることがある。遊技者は当該パチンコ遊技機の表面に除菌や抗菌などの菌またはウィルスに対する感染予防効果を発揮する所定材料が塗布されているのか塗布されていないのかを判断することができない場合もある。そこで、課題Bとするところは、除菌や抗菌などの菌またはウィルスに対する感染予防についての安心感の向上を図ることができる新規な遊技機を提供することである。そして、発明B1は、この課題Bに対して「操作手段が接触されていない時間に応じて菌またはウィルスに対する感染予防効果に関する所定事項を示唆する示唆演出を実行可能」という特開2018-88993号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、菌またはウィルスに対する感染予防について安心感の向上を図ることができる有利な効果を奏する。
【0658】
7-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
相互に異なる複数個数(65536個)の判定情報(特別図柄乱数)を一巡するまで重複しなように更新することを繰り返し、取得条件(特図保留数4未満で第1始動口11に入賞することなど)が成立すると、そのときの判定情報を取得し、取得した判定情報に基づいて、遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技)を実行するか否かを判定する所定判定(大当たり判定)を行う遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記所定判定を行うことができないときに前記取得条件が成立すると、判定情報を取得して前記所定判定を行う権利を保留し、
前記演出実行手段は、一の前記権利に係る判定情報と、その後に発生した前記権利に係る判定情報とが同一の一巡内のものである場合、当該一の前記権利、およびその後に発生した前記権利に対して、前記特定遊技が実行される可能性があることを示唆する示唆演出(特別演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【0659】
7-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記示唆演出を実行しているときに、前記所定判定を行う権利が新たに発生した場合、当該示唆演出の対象となる前記所定判定を行う権利に係る判定情報と、新たに発生した前記所定判定を行う権利に係る判定情報とが同一の一巡内のものである場合、当該新たに発生した前記所定判定を行う権利に対して前記示唆演出を実行しないことを特徴とする遊技機。
【0660】
なお、発明Cによれば、先行技術文献としての特開2018-88993号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Cに対して、遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2018-88993号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動領域に入賞するなどの取得条件が成立すると、所定の判定情報を取得し、判定情報に基づいて、遊技者に有利な特定遊技を実行するか否かの判定を行っていた。ところで、判定情報は、所定範囲の数値で構成されており、数値は所定範囲を一巡するまで重複しないように更新される。しかしながら、判定情報が所定範囲を一巡するまで重複しないように更新される遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題Cとするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明C1は、この課題Cに対して「遊技者に有利な特定遊技を実行するか否かを判定する所定判定を行うことができないときに取得条件が成立すると、判定情報を取得して所定判定を行う権利を保留し、一の権利に係る判定情報と、その後に発生した権利に係る判定情報とが同一の一巡内のものである場合、当該一の権利、およびその後に発生した権利に対して、特定遊技が実行される可能性があることを示唆する示唆演出を実行することがある」という、特開2018-88993号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上させることができる有利な効果を奏する。
【0661】
7-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
操作可能な操作手段(第1演出ボタン40k)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機であって、
前記操作手段は、当該操作手段に対して第1操作(押下操作)を行うことと、前記第1操作の後の第2操作(解除操作)を行うことが可能に構成され、
前記演出実行手段は、前記操作手段に対して前記第2操作が行われたことによって特定演出(特別操作結果演出、または通常操作結果演出から特別操作結果演出への切り替え)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【0662】
7-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記操作手段に対して前記第1操作が行われたことによって、前記特定演出と関連性を有する所定演出(通常操作結果演出)を実行し、前記所定演出が実行されているときに前記第2操作が行われたことによって前記特定演出を実行することを特徴とする遊技機。
【0663】
7-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定演出が開始されてから所定時間(1秒)が経過した後の特定期間(1秒間)に前記第2操作が行われると前記特定演出を実行し、前記特定期間が経過した後に前記第2操作が行われると前記特定演出を実行しないことを特徴とする遊技機。
【0664】
なお、発明Dによれば、先行技術文献としての特開2018-88993号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Dに対して、遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2018-88993号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動領域に入賞するなどの取得条件が成立すると、所定の判定情報を取得し、判定情報に基づいて、遊技者に有利な特定遊技を実行するか否かの判定を行っていた。そして、操作可能な操作手段が備えられており、操作手段への操作に応じて所定の演出が実行されることがある。しかしながら、演出に関する操作を行うことが可能な操作手段を備えた遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題Dとするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明D1は、この課題Dに対して「操作手段は、当該操作手段に対して第1操作を行うことと、第1操作の後の第2操作を行うことが可能に構成され、操作手段に対して第2操作が行われたことによって特定演出を実行することがある」という、特開2018-88993号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上させることができる有利な効果を奏する。
【符号の説明】
【0665】
PY、PY1~PY4…パチンコ遊技機
1…遊技盤
6…遊技領域
6A…左遊技領域
6B…右遊技領域
11…第1始動口
11a…第1始動口センサ
12…第2始動口
12a…第2始動口センサ
12k…電チュー開閉部材
13…ゲート
14…第1大入賞口
14a…第1大入賞口センサ
14k…第1AT開閉部材
15…第2大入賞口
15a…第2大入賞口センサ
15k…第2AT開閉部材
16…特定領域
16a…特定領域センサ
16k…振分部材
17D…特別振分装置
40…第1演出ボタン装置
40k…第1演出ボタン
50…画像表示装置
50a…表示部
52…スピーカー
53…枠ランプ
72a…タッチスイッチ
72k…ハンドル
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
140…画像制御基板
170…払出制御基板
192…RAMクリアスイッチ