(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】地車のブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
F16D 65/02 20060101AFI20241018BHJP
B62L 3/04 20060101ALI20241018BHJP
F16D 55/224 20060101ALI20241018BHJP
F16D 55/228 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F16D65/02 F
B62L3/04 A
F16D55/224 A
F16D55/228
(21)【出願番号】P 2024088798
(22)【出願日】2024-05-31
【審査請求日】2024-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516220376
【氏名又は名称】株式会社井上工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】井上 英明
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-148520(JP,A)
【文献】特開平08-105468(JP,A)
【文献】特開2005-337355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/02
F16D 55/228
F16D 55/224
B62L 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地車本体に車軸が着脱自在に取り付けられ、車軸に車輪が回転自在に支持されている、地車におけるブレーキシステムであって、
ディスクブレーキ装置を備え、
ディスクブレーキ装置は、
車輪と一体に回転するブレーキロータと、
ブレーキロータを制動するキャリパと、
を備え
、
ブレーキロータと車輪は、車軸に対して軸方向に所定範囲内で移動可能に設けられ、
ディスクブレーキ装置は、ブレーキロータの軸方向の移動にキャリパを追従させる追従機構部を備えている、地車のブレーキシステム。
【請求項2】
追従機構部は、車輪に取り付けられると共に車軸に回転自在に支持されるベース筒と、ベース筒を径方向外側から回転自在に支持すると共にベース筒と一体的に軸方向に移動可能なキャリパベースと、を備え、
ベース筒にブレーキロータが取り付けられ、
キャリパベースにキャリパが取り付けられている、請求項
1記載の地車のブレーキシステム。
【請求項3】
追従機構部は、地車本体に取り付けられ、キャリパベースの軸方向の移動を案内するベースガイドを備えている、請求項
2記載の地車のブレーキシステム。
【請求項4】
車軸は、車輪が取り付けられた状態で地車本体から取り外される構成であり、
キャリパベースは、互いに連結及び分離可能な保持ベースと取付ベースとを備え、保持ベースは、ベース筒を径方向外側から回転可能に支持するようにベース筒に取り付けられ、取付ベースは、地車本体に軸方向に移動可能に取り付けられ、取付ベースにキャリパが取り付けられている、請求項
2又は3記載の地車のブレーキシステム。
【請求項5】
地車本体に車軸が着脱自在に取り付けられ、車軸に車輪が回転自在に支持されている、地車におけるブレーキシステムであって、
ディスクブレーキ装置を備え、
ディスクブレーキ装置は、
車輪と一体に回転するブレーキロータと、
ブレーキロータを制動するキャリパと、
を備え、
車軸は、車輪が取り付けられた状態で地車本体から取り外される構成であり、
ディスクブレーキ装置は、キャリパが取り付けられる取付ベースを備え、
取付ベースは、キャリパがブレーキロータを制動するブレーキ位置と、キャリパがブレーキロータに対して径方向外側に離反した位置であって且つ車軸の取り外しの妨げにならない位置である退避位置との間を移動可能に、地車本体に取り付けられている
、地車のブレーキシステム。
【請求項6】
車軸は、地車本体から下方に取り外される構成であり、
取付ベースは、車軸と平行な軸線まわりに上下に回動可能に設けられ、ブレーキ位置から上方に回動して退避位置となる、請求項
5記載の地車のブレーキシステム。
【請求項7】
ディスクブレーキ装置は、車軸に取り付けられる保持ベースを備え、取付ベースは、保持ベースに連結及び分離可能に設けられ、取付ベースを保持ベースに連結すると、取付ベースはブレーキ位置に保持され、取付ベースを保持ベースから分離すると、取付ベースはブレーキ位置と退避位置との間を移動可能となる、請求項
5又は6記載の地車のブレーキシステム。
【請求項8】
ディスクブレーキ装置は、取付ベースのブレーキ位置を越える車軸側への移動を所定以内に規制する規制部を備えている、請求項
7記載の地車のブレーキシステム。
【請求項9】
取付ベースは、規制部に当接可能な当接部を備え、当接部が規制部に当接することにより取付ベースのブレーキ位置を越える車軸側への移動が規制され、
当接部が規制部に当接した際に、ブレーキロータの外周面と、ブレーキロータの外周面に対して径方向外側に対向するキャリパの径方向対向面との間には、隙間が確保される、請求項
8記載の地車のブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、だんじり、山車、鉾、屋台等の地車に使用されるブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
だんじりには下記特許文献1記載のようなドラム式のブレーキが用いられている。ドラム式のブレーキにおいては、車輪に取り付けられたブレーキドラムの外周面にブレーキバンドが巻き付けられている。そして、ブレーキバンドでブレーキドラムを締め付けることで、ブレーキドラムを制動することができる。しかしながら、ブレーキバンドとブレーキドラムの当たり具合を微調整することが難しい。即ち、安定した制動力を確保するためのバンド調整が容易ではない。また、摩擦抵抗の大きいブレーキバンドを使用すると、制動力は大きくなるものの、だんじりの走行中にブレーキバンドがバタバタという異音を発しやすくなるという問題があって、走行中に異音が発生しないようにバンド調整をすることが難しい。更には、ブレーキバンドは劣化しやすく、劣化が進むことでバンド調整が更に困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、メンテナンスが容易な地車のブレーキシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る地車のブレーキシステムは、地車本体に車軸が着脱自在に取り付けられ、車軸に車輪が回転自在に支持されている、地車におけるブレーキシステムであって、ディスクブレーキ装置を備え、ディスクブレーキ装置は、車輪と一体に回転するブレーキロータと、ブレーキロータを制動するキャリパと、を備える。
【0006】
この構成によれば、ブレーキロータとキャリパとを有するディスクブレーキ装置を備えている。そのため、従来のようなバンド調整が不要であって、メンテナンスも容易であり、安定した制動力を容易に得ることができる。
【0007】
特に、ブレーキロータと車輪は、車軸に対して軸方向に所定範囲内で移動可能に設けられ、ディスクブレーキ装置は、ブレーキロータの軸方向の移動にキャリパを追従させる追従機構部を備えていることが好ましい。この構成によれば、ブレーキロータと車輪が車軸に対して軸方向に所定範囲内で移動可能となっている。そのため、地車本体や車輪が例えば木製で構成されていても、ブレーキロータと車輪が軸方向に微動することで地車本体や車輪の走行中の歪み等を容易に吸収することができる。一方、ブレーキロータの軸方向の移動に対してキャリパが追従して軸方向に移動するので、ブレーキロータとキャリパとの間の軸方向の位置関係が保たれる。そのため、地車の走行時にブレーキロータが車軸と共に軸方向に移動しても、キャリパがブレーキロータを軸方向に確実に挟持することができ、ブレーキロータに所定の制動力を確実に付与することができる。
【0008】
更に、追従機構部は、車輪に取り付けられると共に車軸に回転自在に支持されるベース筒と、ベース筒を径方向外側から回転自在に支持すると共にベース筒と一体的に軸方向に移動可能なキャリパベースと、を備え、ベース筒にブレーキロータが取り付けられ、キャリパベースにキャリパが取り付けられていることが好ましい。この構成によれば、ベース筒にブレーキロータが取り付けられ、キャリパベースにキャリパが取り付けられている。キャリパベースは、ベース筒を径方向外側から回転自在に支持すると共にベース筒と一体となって軸方向に移動する。そのため、キャリパベースに取り付けられたキャリパは、ベース筒を介してブレーキロータと共に軸方向に移動でき、キャリパとブレーキロータとの間の軸方向の位置関係を容易に維持することができる。
【0009】
また更に、追従機構部は、地車本体に取り付けられ、キャリパベースの軸方向の移動を案内するベースガイドを備えていることが好ましい。この構成によれば、ベースガイドがキャリパベースの軸方向の移動を案内するので、キャリパベースがスムーズに軸方向に移動でき、それに伴ってキャリパも軸方向にスムーズに移動できてブレーキロータに容易に追従できる。
【0010】
また、車軸は、車輪が取り付けられた状態で地車本体から取り外される構成であり、キャリパベースは、互いに連結及び分離可能な保持ベースと取付ベースとを備え、保持ベースは、ベース筒を径方向外側から回転可能に支持するようにベース筒に取り付けられ、取付ベースは、地車本体に軸方向に移動可能に取り付けられ、取付ベースにキャリパが取り付けられていることが好ましい。この構成によれば、車輪を交換する際に、車軸が地車本体から取り外される。車軸には車輪が取り付けられた状態であり、ベース筒、ブレーキロータもまた車軸に取り付けられた状態であって、これらは車軸と共に一括的に地車本体から取り外される。その際、保持ベースを取付ベースから分離させることができる。そのため、保持ベースは車軸と共に地車本体から取り外される一方、取付ベースは地車本体にそのまま残る。即ち、車軸を地車本体から取り外す際に、車輪、ブレーキロータ、ベース筒、及び、保持ベースを車軸に取り付けた状態のままで、車軸と共に地車本体から一括的に取り外すことができる。そして、車輪を交換した後に車軸を地車本体に取り付けた後に、保持ベースに取付ベースを連結させることができる。従って、車輪の交換作業を容易に行うことができる。
【0011】
一方、車軸は、車輪が取り付けられた状態で地車本体から取り外される構成であり、ディスクブレーキ装置は、キャリパが取り付けられる取付ベースを備え、取付ベースは、キャリパがブレーキロータを制動するブレーキ位置と、キャリパがブレーキロータに対して径方向外側に離反した位置であって且つ車軸の取り外しの妨げにならない位置である退避位置との間を移動可能に、地車本体に取り付けられていることが好ましい。この構成によれば、車輪を交換する際に、地車本体から車軸が取り外される。車輪は車軸に取り付けられた状態となっており、ブレーキロータも車輪と共に車軸に取り付けられた状態のまま地車本体から取り外すことができる。その際、キャリパが取り付けられた取付ベースをブレーキ位置から退避位置へと移動させることができる。そのため、ブレーキロータを車軸と共に地車本体から容易に取り外すことができ、車輪の交換作業を容易に行うことができる。
【0012】
特に、車軸は、地車本体から下方に取り外される構成であり、取付ベースは、車軸と平行な軸線まわりに上下に回動可能に設けられ、ブレーキ位置から上方に回動して退避位置となることが好ましい。この構成によれば、車軸を地車本体から下方に取り外す際に、取付ベースを上方に回動させて退避位置まで退避させることができる。そのため、車軸を地車本体から取り外す際に取付ベースを容易に退避させることができ、車軸の取り外し作業が容易になる。
【0013】
また、ディスクブレーキ装置は、車軸に取り付けられる保持ベースを備え、取付ベースは、保持ベースに連結及び分離可能に設けられ、取付ベースを保持ベースに連結すると、取付ベースはブレーキ位置に保持され、取付ベースを保持ベースから分離すると、取付ベースはブレーキ位置と退避位置との間を移動可能となることが好ましい。この構成によれば、車軸を地車本体から取り外す際には、取付ベースを保持ベースから分離して退避位置まで退避させることができる。そして、車軸を地車本体に取り付けた後に、保持ベースに取付ベースを連結することにより、取付ベースをブレーキ位置に保持することができる。
【0014】
特に、ディスクブレーキ装置は、取付ベースのブレーキ位置を越える車軸側への移動を所定以内に規制する規制部を備えていることが好ましい。この構成によれば、取付ベースを保持ベースに連結させる際に仮に取付ベースがブレーキ位置を過度に越えて径方向内側に移動しようとしても規制部がそれを阻止する。そのため、保持ベースに取付ベースを容易に連結することができ、車輪の交換作業を容易に行うことができる。
【0015】
更に、取付ベースは、規制部に当接可能な当接部を備え、当接部が規制部に当接することにより取付ベースのブレーキ位置を越える車軸側への移動が規制され、当接部が規制部に当接した際に、ブレーキロータの外周面と、ブレーキロータの外周面に対して径方向外側に対向するキャリパの径方向対向面との間には、隙間が確保されることが好ましい。この構成によれば、規制部に取付ベースの当接部が当接した際において、ブレーキロータの外周面とキャリパの径方向対向面との間に隙間が形成されているので、キャリパの径方向対向面とブレーキロータの外周面との衝突が回避され、キャリパやブレーキロータの損傷を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、ディスクブレーキ装置を備えることにより、従来のようなバンド調整が不要となり、メンテナンスが容易となるうえに、経年劣化も生じにくく、安定した制動力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る地車の要部を右側から見た図。
【
図6】同地車のブレーキシステムにおけるベース筒を示し、(a)は断面図、(b)は正面図。
【
図7】同地車のブレーキシステムの要部の組み立て工程を示す断面図。
【
図9】
図8の要部拡大図であって、(a)は通常状態を示し、(b)は規制状態を示す。
【
図10】同ブレーキシステムのキャリパとブレーキロータの位置関係を示す要部拡大図。
【
図11】(a)及び(b)は、同地車における車輪の交換作業を示す右側から見た断面図。
【
図12】同地車における車輪の交換作業を示す右側から見た断面図。
【
図13】同地車における車輪の交換作業を示す後側から見た要部断面図。
【
図14】同地車における車輪の交換作業を示す後側から見た要部断面図。
【
図15】同地車における車輪の交換作業を示す後側から見た要部断面図。
【
図16】同地車における車輪の交換作業を示す後側から見た要部断面図。
【
図17】(a)及び(b)は、本発明の他の実施形態における地車のブレーキシステムの要部を右側から見た図。
【
図18】(a)及び(b)は、同ブレーキシステムの要部を右側から見た断面図。
【
図19】同ブレーキシステムの要部を右側から見た図。
【
図20】本発明の他の実施形態における地車のブレーキシステムの要部を右側から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る地車のブレーキシステムとそれを搭載した地車について図面を参酌しつつ説明する。尚、本実施形態では、地車1として、だんじりを例にして説明する。
図1に地車1の概要を示している。
図1において、前後方向を矢印Xで示しており、
図1の紙面向かって右側が前側であって前側を符号X1で示し、後側を符号X2で示している。
【0019】
地車1は、地車本体2と、車軸3と、車輪4を備えている。地車本体2は、土台部5と、土台部5に載置された本体部6とを備えている。地車本体2は、木製である。土台部5は、枠状に形成されている。土台部5は、台木とも呼ばれる。土台部5は、前後方向に延びる左右一対の角棒状の縦枠材7と、左右の縦枠材7同士を連結するように左右方向に延びる前後一対の角棒状の横枠材8とを備えている。縦枠材7は、前側の横枠材8よりも前側に突出しており、後側の横枠材8よりも後側に突出している。
【0020】
車軸3は、芯棒とも呼ばれる。車軸3は、金属製であって、具体的には鉄製であるが、木製であってもよい。車軸3は、丸棒状である。車軸3は、左右方向に延びていて、前後一対設けられている。前側の車軸3は、前側の横枠材8よりも後側に位置し、後側の車軸3は、後側の横枠材8よりも前側に位置する。
【0021】
車軸3は、土台部5の下側に位置する。土台部5の縦枠材7の下面には、半円状の上溝7a(
図14参照)が形成されており、その上溝7aに車軸3が嵌り込んでいる。また、車軸3は、軸支持材9によって下側から支持されている。軸支持材9は、猫木とも呼ばれる。軸支持材9の上面にも半円状の下溝9a(
図13参照)が形成されており、その下溝9aに車軸3が嵌り込んでいる。車軸3は、土台部5の縦枠材7と軸支持材9とによって上下に挟み込まれるようにして保持される。軸支持材9は、縦枠材7に例えばボルトにより着脱自在に取り付けられている。縦枠材7から軸支持材9を下方に取り外すことにより、車軸3が土台部5から解放され、車軸3を地車本体2から取り外すことができる。
【0022】
尚、車軸3の軸方向を単に軸方向と称し、車軸3の径方向を単に径方向と称する。以下の説明において、軸方向内側及び軸方向外側は、車軸3を基準とする。また、径方向外側及び径方向内側は、車軸3を基準とする。従って、車軸3における径方向外側を単に径方向外側と称し、車軸3における径方向内側を単に径方向内側と称する。
【0023】
地車1には、前後左右に合計四つの車輪4が設けられている。即ち、車輪4は、左右一対の前輪と、左右一対の後輪とからなる。車輪4は、木製であり、コマとも呼ばれる。四つの車輪4は、何れも、平面視において土台部5の内側に位置しており、左右一対の縦枠材7よりも内側に位置している。
図3は、前輪を後側から見た図である。車輪4は、縦枠材7の軸方向内側に僅かな隙間を介して接近状態で配置されている。車輪4は、車軸3に左右一対ずつ取り付けられている。
【0024】
車輪4は、車軸3に対して回転自在に設けられている。
図5及び
図16のように、車輪4の中心部には軸方向に貫通した貫通孔4aが形成されており、その貫通孔4aに車輪用軸受け10が嵌挿されている。車輪用軸受け10は金属製であって、どび、とも称される。車輪用軸受け10は、ボルト16及びナット17により車輪4に着脱自在に取り付けられる。車輪用軸受け10を車軸3が貫通し、車輪用軸受け10は、車輪4と共に車軸3に対して一体的に回転する。
【0025】
車輪用軸受け10は、軸受け筒部11と、軸受け筒部11の一端部(軸方向内側の端部)に径方向外側に突出して設けられた軸受けフランジ部12とを有している。軸受け筒部11の径方向内側を車軸3が挿通する。軸受け筒部11の外周面は、軸受け筒部11の他端部側に向けて、即ち、軸方向外側に向けて縮径するテーパ状となっており、車輪4の貫通孔4aの内周面もそれに対応して軸方向外側に向けてテーパ状に形成されている。車輪用軸受け10は、車輪4の軸方向内側から挿脱可能に取り付けられる。軸受けフランジ部12は、軸方向に見て矩形状であって具体的には正方形状であって、その四隅の部分に四本のボルト16が軸方向に挿通される。
図16のように、車輪4の軸方向内側の端面には正方形状の凹部4bが形成されており、車輪4の凹部4bに軸受けフランジ部12が嵌り込む。車輪用軸受け10は、軸受けフランジ部12が車輪4から突出しないように車輪4に取り付けられる。即ち、軸受けフランジ部12と車輪4の端面は略面一となる。尚、軸受けフランジ部12の端面の中央部には、円形の嵌合凹部13が形成されている。
【0026】
本実施形態において、車輪用軸受け10は、二つの部品から構成されている。即ち、車輪用軸受け10は、軸受けスリーブ14と軸受けプレート15から構成されている。軸受けスリーブ14の一端部に軸受けプレート15が溶接により接合され、一体化されている。軸受けスリーブ14によって軸受け筒部11の主要部が構成され、軸受けプレート15によって軸受けフランジ部12が構成されている。
【0027】
上述のように、車輪4は、車軸3に回転自在に支持されているが、それと共に、車軸3に対して軸方向に所定範囲内で移動可能となっている。移動できる範囲は、20mm以内であり、好ましくは1mm~10mmである。車軸3の中央部近傍には、ストッパスリーブ20が装着されている。ストッパスリーブ20は、円筒状であって、好ましくは金属製である。ストッパスリーブ20は、車軸3に固定されており、例えばネジ止めされる。
図3のように、ストッパスリーブ20は、左右の車輪4毎に設けられており、互いに間隔をあけて配置されているが、車軸3の中央部に左右の車輪4の兼用として一つのみ設けられていてもよい。このストッパスリーブ20によって、車輪4の軸方向内側への移動が規制される。
図4のように、ストッパスリーブ20の軸方向外側の端面には摺動ワッシャ21が取り付けられている。摺動ワッシャ21の取付方法は任意であるが、例えばネジ止めである。摺動ワッシャ21は樹脂製であることが好ましい。
【0028】
一方、車輪4の軸方向外側への移動は土台部5の縦枠材7によって規制される。
図5に、車輪4の軸方向外側の端面近傍を示している。縦枠材7の軸方向内側の側面には、車軸3を中心とする半円盤状の耐摩耗材22が埋め込まれている。耐摩耗材22は金属製である。縦枠材7と車輪4との間には、アウターワッシャ23が配置されている。アウターワッシャ23は金属製であって硬質めっきが施されている。アウターワッシャ23の軸方向内側にはスラストベアリング24が配置され、スラストベアリング24の軸方向内側にはインナーワッシャ25が配置されている。アウターワッシャ23は、車輪4の貫通孔4aよりも大径であり、スラストベアリング24よりも大径であり、インナーワッシャ25よりも大径である。インナーワッシャ25は樹脂製である。インナーワッシャ25の軸方向内側に、車輪用軸受け10の軸受け筒部11の軸方向外側の端面が対向している。インナーワッシャ25は車輪4の貫通孔4aの径方向内側に位置しており、スラストベアリング24も貫通孔4aの径方向内側にその大部分が入り込んでいる。インナーワッシャ25はスラストベアリング24よりも大径である。
【0029】
車軸3は、インナーワッシャ25、スラストベアリング24、アウターワッシャ23を順に挿通している。アウターワッシャ23とスラストベアリング24とインナーワッシャ25は、車軸3に対して個々に軸方向に移動可能である。尚、
図5等では、アウターワッシャ23とスラストベアリング24とインナーワッシャ25は、互いに当接していてインナーワッシャ25は車輪用軸受け10に当接した状態となっているが、アウターワッシャ23とスラストベアリング24とインナーワッシャ25と車輪4は、互いに別々に軸方向に移動可能である。そのため、例えばアウターワッシャ23とスラストベアリング24との間に隙間が生じたり、スラストベアリング24とインナーワッシャ25との間に隙間が生じたり、あるいは、インナーワッシャ25と車輪用軸受け10との間に隙間が生じたりする。
【0030】
図5は、車輪4が最も軸方向内側に移動した状態を示している。
図5は、アウターワッシャ23と土台部5の縦枠材7との間、具体的には、アウターワッシャ23と耐摩耗材22との間に隙間が生じている状態を示している。この隙間が車輪4の移動代(移動できる長さ)であって、上述のように数mm程度である。車輪4が軸方向外側(
図5において紙面右側)に移動すると、それに伴ってインナーワッシャ25とスラストベアリング24とアウターワッシャ23も軸方向外側に移動し、アウターワッシャ23が耐摩耗材22に当接するまで移動できる。土台部5の縦枠材7の軸方向内側の側面に耐摩耗材22が取り付けられているので、アウターワッシャ23が耐摩耗材22に当接することになる。そのため、アウターワッシャ23が直接、木製の縦枠材7に接触することが防止され、縦枠材7の摩耗等の損傷を防止することができる。
【0031】
ブレーキシステムは、ディスクブレーキ装置を備えている。本実施形態におけるディスクブレーキ装置は、油圧式である。ディスクブレーキ装置は、車輪4に取り付けられて車輪4と一体に回転するブレーキロータ30と、地車本体2に取り付けられてブレーキロータ30を制動するキャリパ31とを備えている。ブレーキシステムは前輪用であり、前輪を制動する。ブレーキロータ30とキャリパ31は、左右の車輪4(前輪)にそれぞれ設けられ、互いに左右対称に設けられる。
【0032】
図1及び
図2のように、地車本体2の前端部には、ブレーキ操作を行う者、例えば曳行責任者等のような操作者が乗る乗り台2aが設けられ、その乗り台2aの前側にブレーキペダル40が配置されている。
図2のように、ブレーキペダル40は、第1リンク41の上端部に取り付けられている。土台部5の前側の横枠材8の前面には、フロントブラケット44が取り付けられている。フロントブラケット44には左右方向に延びるフロント支軸45が設けられており、フロント支軸45に第1リンク41の中途部が上下方向に回動可能に支持されている。第1リンク41の下端部は第2リンク42の前端部に回動可能に連結されている。第2リンク42は、土台部5の前側の横枠材8の下側を前後方向に延びている。第2リンク42の後端部は、土台部5の前側の横枠材8よりも後側に位置している。第2リンク42の後端部は、第3リンク43の下端部に回動可能に連結されている。第3リンク43は、リアブラケット46のリア支軸47に回動可能に支持されている。
【0033】
前側の横枠材8の後面には、シリンダブラケット48が取り付けられている。シリンダブラケット48に油圧シリンダであるマスターシリンダ49が取り付けられている。マスターシリンダ49は前後方向の軸線を有しており、マスターシリンダ49の後端部に第3リンク43の上端部が連結されている。シリンダブラケット48にリアブラケット46が設けられ、リア支軸47は左右方向の軸線を有していて、第3リンク43の中途部はリア支軸47に上下方向に回動可能に支持されている。
【0034】
操作者がブレーキペダル40を下側に踏んで押し下げると、第1リンク41が回動して第2リンク42を後側に移動させ、第3リンク43の上端部が前側に移動し、第3リンク43の上端部がマスターシリンダ49を前側に押し込み、ブレーキフルードが供給ホース51を介して左右のキャリパ31に送られる。従って、ブレーキシステムは、一つのマスターシリンダ49によって左右の車輪4を同時に制動する構成である。操作者がブレーキペダル40の踏み力を解除すると、ブレーキペダル40は自動的に元の位置に復帰し、制動が解除される。尚、リザーブホース50は図示しないリザーブタンクに接続されており、リザーブタンクにブレーキフルードが溜められている。リザーブタンクは、例えば土台部5に取り付けられる。
図3のように、マスターシリンダ49は、土台部5の左右方向の中央部(軸方向の中央部)に配置されており、供給ホース51は左右に分岐して左右のキャリパ31に接続される。キャリパ31及びブレーキロータ30は左右対称に配置されており、左右の車輪4のそれぞれの軸方向内側に位置している。ディスクブレーキ装置の構造は左右対称であるため、右側の装置を以下詳細に説明する。
【0035】
上述のように、車輪4は、車軸3に対して所定範囲内で軸方向に移動できる。ブレーキロータ30は車輪4に取り付けられているため、ブレーキロータ30も車輪4と共に一体となって軸方向に移動する。ディスクブレーキ装置は、ブレーキロータ30の軸方向の移動に対してキャリパ31を追従させる追従機構部を備えている。追従機構部は、
図4のように、車軸3に装着されるベース筒60と、ベース筒60を径方向外側から回転自在に支持するキャリパベース61と、地車本体2に取り付けられ、キャリパベース61の軸方向の移動を案内するベースガイド100と、を備えている。
【0036】
車軸3は、ベース筒60を軸方向に貫通している。ベース筒60は、車軸3に着脱自在に取り付けられ、車軸3に回転自在に支持されている。ベース筒60は、車輪4の軸方向内側に隣接していて、上述の四本のボルト16によって車輪用軸受け10と共に共締めにより車輪4に軸方向に着脱自在に取り付けられている。ベース筒60の内周面は、車軸3の外周面よりも大径であって、ベース筒60の内周面と車軸3の外周面との間には隙間が設けられている。ベース筒60の内周面と車軸3の外周面との間の径方向の隙間は、車輪用軸受け10の内周面と車軸3の外周面との間の径方向の隙間よりも大きい。従って、車輪用軸受け10の内周面は車軸3の外周面と摺動する一方、ベース筒60の内周面は車軸3の外周面と摺動しない状態となっている。
【0037】
図6にベース筒60の詳細を示している。ベース筒60は、ベース筒部62と、ベース筒部62から径方向外側に突出する車輪取付用フランジ部63及びロータ取付用フランジ部64を備えている。ベース筒部62を車軸3が挿通する。ベース筒部62の軸方向外側の端部に車輪取付用フランジ部63が設けられている。ロータ取付用フランジ部64は、車輪取付用フランジ部63から軸方向内側に離間している。ロータ取付用フランジ部64は、ベース筒部62の軸方向の中途部に位置している。
【0038】
車輪取付用フランジ部63は、矩形状、具体的には正方形状であって、車輪用軸受け10の軸受けフランジ部12に対応した形状及び大きさとなっており、その四隅にはボルト16が挿通するボルト挿通孔65が形成されている。
図6(a)に二点鎖線で示しているように、車輪用軸受け10の軸受けフランジ部12の軸方向内側に車輪取付用フランジ部63が重ね合わせられる。また、ベース筒60の軸方向外側の端面には、円形の嵌合凸部66が設けられ、この嵌合凸部66が軸受けフランジ部12の嵌合凹部13に嵌合する。
【0039】
ロータ取付用フランジ部64には、
図6(a)に二点鎖線で示しているようにブレーキロータ30がネジ止めにより着脱自在に取り付けられる。ブレーキロータ30は、円盤状である。ブレーキロータ30は、車輪4に対して軸方向内側に離れて位置する。ブレーキロータ30は、ベース筒60及び車輪用軸受け10を介して車輪4に取り付けられて車輪4と一体に回転すると共に軸方向に所定範囲内で移動する。ブレーキロータ30は、ロータ取付用フランジ部64に軸方向内側から重ねられて軸方向内側からネジ止めされる。
【0040】
ベース筒部62の軸方向内側の端部外周面は一段小径となっており、その端部外周面には、
図6(a)に二点鎖線で示しているように軸受けとしてのボールベアリング67が装着される。ボールベアリング67の径方向外側には、
図6(a)に二点鎖線で示しているように保持ベース80が設けられる。保持ベース80は、ボールベアリング67を介してベース筒60を径方向外側から回転可能に支持する。保持ベース80は、後述する取付ベース90と共にキャリパベース61を構成している。保持ベース80は、円盤状である。保持ベース80は、ブレーキロータ30よりも小径である。保持ベース80は、ブレーキロータ30に対して軸方向内側に離れて位置する。保持ベース80は、小径部81と、小径部81の軸方向内側に隣接する大径部82とからなる。
【0041】
保持ベース80の部品構成について説明すると、保持ベース80は、リング状のベース本体83と、ベース本体83の軸方向外側にネジ止めされるリング状の外輪抑え84とから構成される。ベース本体83は、ベアリングホルダとして機能する。ベース本体83は、ボールベアリング67の外輪を軸方向内側から支持し、外輪抑え84は、ボールベアリング67の外輪を軸方向外側から支持する。ボールベアリング67の外輪は、ベース本体83と外輪抑え84によって軸方向に挟持される。
【0042】
一方、ベース筒60の軸方向内側の端面には、リング状の内輪抑え68がネジ止めされる。ボールベアリング67の内輪は、ベース筒60の軸方向内側の端部外周面に形成された内側段部70に当接して軸方向外側から支持され、そして、内輪抑え68によって軸方向内側から支持される。従って、ボールベアリング67の内輪は、ベース筒60の内側段部70と内輪抑え68とによって軸方向に挟持される。内輪抑え68の軸方向内側の端面が上述のストッパスリーブ20の摺動ワッシャ21に当接可能で、車輪4の回転時には、摺動ワッシャ21と摺動可能である。尚、保持ベース80、ボールベアリング67、及び内輪抑え68は、ベース筒60と共に軸方向に移動する。
【0043】
図7に、ベース筒60への部材の取付順序を示している。ベース筒60には軸方向内側からブレーキロータ30が装着され、次いで、外輪抑え84、ボールベアリング67、ベース本体83という順に装着され、最後に、内輪抑え68がネジ止めされる。尚、内輪抑え68の内径は、ベース筒60の内径よりも小さく、車軸3の直径と略同じである。従って、内輪抑え68の内周面は、車輪用軸受け10の内周面と共に、車軸3の外周面と摺動する。
【0044】
尚、ベース筒60は、一つの部品から構成されていてもよいが、本実施形態では、複数の部品が接合一体化されて構成されている。具体的には、ベース筒60は、ベーススリーブ71と、車輪取付リング72と、ロータ取付リング73という三つの部品から構成されており、ベーススリーブ71に車輪取付リング72とロータ取付リング73が溶接されて一体化されている。ベーススリーブ71の軸方向外側の端面に車輪取付リング72が溶接されている。ベーススリーブ71の中途部には位置決め段部74が形成されており、その位置決め段部74にロータ取付リング73の軸方向外側の端面が当接し、それによりベーススリーブ71に対するロータ取付リング73の軸方向の位置決めがなされる。
【0045】
図4及び
図8に示しているように、保持ベース80に取付ベース90が着脱自在に取り付けられている。取付ベース90は、保持ベース80と共にキャリパベース61を構成する。取付ベース90は、保持ベース80に連結可能であって且つ分離可能である。取付ベース90は保持ベース80に好ましくはネジ止めされる。取付ベース90は、保持ベース80の大径部82にネジ止めされる。取付ベース90は、保持ベース80の大径部82の軸方向外側の端面に重ね合わせられて、保持ベース80側から、即ち、軸方向内側からネジ止めされる。
【0046】
取付ベース90は、地車本体2に上下方向に沿って回動可能に取り付けられていると共に軸方向に移動可能に支持されている。具体的には、土台部5の前側の横枠材8の後面の上端部には、ベースガイド100が取り付けられている。ベースガイド100は、前側の横枠材8の後面にネジ止めされたガイドブラケット101と、取付ベース90を軸方向に案内すると共に取付ベース90の回動支点となるベース支軸102と、を備えている。ガイドブラケット101は、前側の横枠材8の後面にネジ止めされる取付板部103と、取付板部103から後側に向けて突出する左右一対の支持板部104とを有している。支持板部104にベース支軸102が取り付けられている。ベース支軸102は、軸方向(左右方向)に沿っている。即ち、ベース支軸102は、車軸3と平行に設けられている。ベース支軸102は、車軸3よりも前側であって且つ上側に位置している。また、ベース支軸102は、保持ベース80に連結された状態における取付ベース90の径方向内端部90aよりも前側であって且つ上側に位置している。更には、ベース支軸102は、キャリパ31よりも前側であって且つ上側に位置している。取付ベース90にはガイド孔91が形成されており、ガイド孔91をベース支軸102が遊びを有して挿通している。取付ベース90は、左右の支持板部104の間に位置している。
【0047】
取付ベース90は、保持ベース80から分離した状態では、ベース支軸102を支点として上下方向に回動(揺動)可能である。詳細には、取付ベース90は、ブレーキ位置と退避位置との間を回動できる。ブレーキ位置とは、キャリパ31がブレーキロータ30を制動する位置である。
図4及び
図8は、取付ベース90がブレーキ位置にあるときを示している。尚、
図8のように軸方向外側から見たときに、即ち、右側から見たときを正面視とする。退避位置は、キャリパ31がブレーキロータ30に対して径方向外側に離反した位置であり、また、車軸3の取り外しの妨げにならない位置である。具体的には、退避位置は、キャリパ31がブレーキロータ30に対して径方向外側且つ上側に離反した位置である。取付ベース90は、退避位置から上方に回動して退避位置となり、退避位置から下方に回動してブレーキ位置となる。
図11(a)及び
図12は、取付ベース90が退避位置にあるときを示している。ブレーキ位置において、取付ベース90の径方向内端部90aが車軸3に接近し、退避位置においては、取付ベース90の径方向内端部90aが車軸3から離れる。
【0048】
図8のように、取付ベース90には、操作レバー92を取り付けておくことが好ましい。操作レバー92は、取付ベース90から後側に向けて延びており、操作レバー92を把持して上下操作を行うことで、取付ベース90を容易に上下に回動させることができる。そして、土台部5には、取付ベース90を退避位置に保持するための保持部を備えていることが好ましい。保持部として、土台部5には保持フック93が取り付けられている。保持フック93に操作レバー92を引っ掛けることで取付ベース90を退避位置に保持することができる。
図3及び
図4に二点鎖線で示しているように、左右の縦枠材7同士を橋渡しするように支持棒94が設けられ、その支持棒94に保持フック93が取り付けられている。
【0049】
取付ベース90は、ベース支軸102をガイドとして、ベース支軸102に軸方向に案内される。取付ベース90が保持ベース80に連結されると、取付ベース90は、ベース支軸102を支点とした上下方向の回動が不可となり、ブレーキ位置に保持される。但し、取付ベース90は、ベース支軸102に沿って軸方向に移動することができる。尚、ガイド孔91は、ベース支軸102よりも大径であって、ガイド孔91とベース支軸102の外周面との間には隙間が設けられている。尚、本実施形態では、ベース支軸102は、ボルトによって構成されている。また、取付板部103は、左右の車輪4毎に別々に設けられていてもよいが、本実施形態では、左右一体に設けられている。即ち、一つの取付板部103に、右側の車輪4用の左右一対の支持板部104と、左側の車輪4用の左右一対の支持板部104が設けられている。
【0050】
取付ベース90は、
図4のように後側から見たときに、保持ベース80から径方向外側に向けて延びている。取付ベース90は、ブレーキロータ30よりも径方向外側に突出しており、また、車輪4よりも径方向外側に突出している。取付ベース90は、車軸3に近い端部である径方向内端部90aと車軸3から遠い端部である径方向外端部90bとを有している。取付ベース90の径方向内端部90aが保持ベース80に取り付けられている。詳細には、取付ベース90の径方向内端部90aが保持ベース80の大径部82の径方向外側の面に重ね合わせられてネジ止めされている。取付ベース90は、保持ベース80の最上部に取り付けられている。また、取付ベース90の径方向外端部90bにガイド孔91が形成されてベース支軸102に支持されている。
【0051】
取付ベース90は、軸方向を板厚方向とする板状である。
図8のように取付ベース90は、正面視においてL字状に形成されている。取付ベース90は、その径方向内端部90aから上側に延び、その後、径方向外端部90bまで前側に延びている。即ち、取付ベース90は、径方向内端部90a側においては上下方向に延びており、径方向外端部90bにおいては前後方向に延びている。換言すれば、取付ベース90の径方向内端部90aは、径方向に指向していると共に上下方向に指向しており、取付ベース90の径方向外端部90bは、前後方向に指向している。取付ベース90の径方向内端部90aは、取付ベース90の下端部であり且つ後端部である。取付ベース90の径方向外端部90bは、取付ベース90の上端部であり且つ前端部である。取付ベース90の径方向内端部90aは、車軸3の直上に位置している。
【0052】
取付ベース90の正面視における幅は一定ではなく、径方向内端部90aから径方向外端部90bにかけて徐々に狭くなっている。即ち、取付ベース90は、径方向内端部90aを基端部とし径方向外端部90bを先端部とすると、正面視において、先端部に向けて徐々に幅が狭くなった先細り形状となっている。取付ベース90の幅は、径方向内端部90aの近傍においては前後方向の寸法であり、径方向外端部90bの近傍においては上下方向の寸法である。取付ベース90は、径方向内端部90aから所定長さに亘って幅略一定で上側に延び、その後、向きを前側に変えながら徐々に幅狭となり、径方向外端部90bの近傍では再び幅略一定で前側に延びている。
【0053】
図9(a)に取付ベース90の径方向内端部90aの近傍を模式的に示している。
図9(a)は、取付ベース90が保持ベース80に連結された状態を示している。取付ベース90は、径方向内端部90aにおいて、前後二箇所で保持ベース80にネジ止めされる。取付ベース90の径方向内端部90aの端面は、保持ベース80の小径部81の外周面に対向している。取付ベース90の径方向内端部90aの端面は、保持ベース80の小径部81における外周面の最上部に上側から対向している。取付ベース90の径方向内端部90aの端面には、径方向外側に向けて湾曲した湾曲対向面95が形成されており、湾曲対向面95が保持ベース80の小径部81における外周面の頂上部に対向している。取付ベース90の湾曲対向面95と保持ベース80の小径部81の頂上部との間には僅かな隙間が形成されているが、互いに接触していてもよい。この隙間は例えば数mmであって、具体的には5mm以下であり、好ましくは1~3mmである。
【0054】
取付ベース90を保持ベース80に連結する際に、保持ベース80の小径部81は保持ベース80を径方向内側からサポートする。上述のように、取付ベース90は、ベース支軸102を回動支点として上下方向に回動する。取付ベース90を保持ベース80に取り付ける作業を行う際には、取付ベース90を下向きに回動させて保持ベース80の小径部81に接近させる。その際、取付ベース90の湾曲対向面95を保持ベース80の小径部81に当接させることができる。
図9(b)のように、取付ベース90の湾曲対向面95が保持ベース80の小径部81に当接することで、それ以上、取付ベース90は下側に回動することができない。即ち、保持ベース80の小径部81は、取付ベース90のブレーキ位置を越える径方向内側への移動を所定以内に規制する規制部である。また、取付ベース90の湾曲対向面95は、規制部に当接可能な当接部である。
【0055】
このように、保持ベース80の小径部81が取付ベース90の過度の下方への回動を規制するため、保持ベース80に取付ベース90を容易に取り付けることができる。上述のように、本実施形態では、保持ベース80に取付ベース90をネジ止めするのであるが、そのネジ止めの方向は軸方向である。ネジと保持ベース80のネジ孔との間には隙間が存在する。保持ベース80に取付ベース90をネジ止めする際に、保持ベース80の小径部81に取付ベース90の湾曲対向面95が当接するので、保持ベース80に取付ベース90を容易にネジ止めすることができる。
【0056】
図4及び
図8のように、取付ベース90にキャリパ31が取り付けられている。キャリパ31は、取付ベース90の軸方向外側の面に取り付けられ、取付ベース90と車輪4の軸方向の間に位置する。取付ベース90の軸方向外側の面には、キャリパブラケット96がネジ止めされる。キャリパブラケット96は、
図4のように後側から見たときL字状である。キャリパブラケット96の下面にキャリパ31がネジ止めされる。キャリパ31は、車軸3の真上に位置し、ブレーキロータ30の最上部を軸方向に挟持する。キャリパ31は、ブレーキロータ30が入り込むキャリパ溝32を有している。キャリパ31は、キャリパ溝32が前後方向に沿うように、水平状態に取り付けられている。従って、
図12のように車軸3の後側から見たときに、キャリパ溝32を容易に視認しながら操作レバー92を操作して取付ベース90を上下に回動させることができる。尚、上述の操作レバー92は、キャリパブラケット96に取り付けることが好ましく、特には軸方向にネジ止めすることが好ましい。
【0057】
キャリパ31は、対向ピストン型であってもよいし、フローティング型であってもよいが、本実施形態では対向ピストン型である。キャリパ31は、図示しないピストンを軸方向に対向して一対備えており、ブレーキロータ30を軸方向に対向する一対のブレーキパッド(図示省略)によって軸方向に挟持してブレーキロータ30に制動力を付与する。
【0058】
キャリパ31は、キャリパ溝32の最奧部に、ブレーキロータ30の外周面30aに径方向外側から対向する径方向対向面33を有している。
図4及び
図8のように取付ベース90がブレーキ位置にあるとき、キャリパ31の径方向対向面33は、ブレーキロータ30の外周面30aには当接せずブレーキロータ30の外周面30aから径方向外側に離間している。即ち、
図10のように、キャリパ31の径方向対向面33とブレーキロータ30の外周面30aとの間には所定の隙間が設けられている。保持ベース80に取付ベース90を取り付ける際に、
図9(b)のように取付ベース90の湾曲対向面95が保持ベース80の小径部81に当接した際においては、
図10に二点鎖線で示しているようにブレーキロータ30の外周面30aが相対的にキャリパ31の径方向対向面33に接近するが、その場合であってもブレーキロータ30の外周面30aはキャリパ31の径方向対向面33には当接せずに隙間が確保される。従って、保持ベース80に取付ベース90を連結する際に、ブレーキロータ30の外周面30aにキャリパ31の径方向対向面33が強く衝突すること等が防止され、ブレーキロータ30の損傷を防止することができる。
【0059】
次に、地車1における車輪4の交換作業について説明する。車輪4の交換手順を
図11~
図16に示している。まず初めに、取付ベース90を保持ベース80に締結しているネジを外して取付ベース90を保持ベース80から分離する。そして、
図11(a)及び
図12のように、操作レバー92を上方に持ち上げて取付ベース90を退避位置に移動させ、操作レバー92を保持フック93に引っ掛けて取付ベース90を退避位置に保持する。
【0060】
木製の車輪4の場合、車輪4の交換を頻繁に行う必要があり、車輪4の交換時は、地車1を分解することなく、即ち、土台部5から本体部6を取り外したりすることなく行われる。
図12のように、地車1には太鼓201(大太鼓)が据え付けられた状態にあって、作業者は、太鼓201と地面200との間の空間に潜り込むようにして操作レバー92を操作等することになる。作業者は、太鼓201の下側の空間において、しゃがんだ状態となるが、その目線の高さにキャリパ31が位置する。そのため、キャリパ溝32を見ながら操作レバー92を上下に操作することができる。操作レバー92を保持フック93に引っ掛けた状態において、取付ベース90の一部は縦枠材7の上面よりも僅かに上方に突出するが、取付ベース90と太鼓201とは緩衝しない。このような観点から取付ベース90の上側の端面は上側に向けて弧状に湾曲した形状となっていることが好ましい。
【0061】
続いて、前側の車軸3をジャッキアップして地車1の前側部分を斜めに持ち上げて、土台部5の下側に図示しない支持台を入れ、支持台で地車1を地面200から浮かせた状態に保持する。そして、
図13のように、前側の軸支持材9を縦枠材7から取り外す。軸支持材9を取り外すことにより、車軸3が下方に解放され、車軸3を地車本体2から下側に取り外すことができる。
【0062】
図11(b)及び
図14は、車軸3を地車本体2から取り外した状態を示している。このように車輪4を車軸3に取り付けたままの状態で車軸3を地車本体2から取り外すことができる。また、ベース筒60、ブレーキロータ30、保持ベース80についても、車軸3に取り付けた状態のままで地車本体2から一括的に取り外すことができる。予め取付ベース90を上方に退避させているため、車軸3を容易に取り外すことができる。
【0063】
地車本体2から車軸3を取り外した後、車軸3から車輪4を取り外す。
図15のように、車軸3からアウターワッシャ23、スラストベアリング24、及び、インナーワッシャ25を順に軸方向外側に向けて取り外す。その後、車軸3から車輪4とベース筒60をセットで取り外す。そして、
図16のように、ボルト26及びナット17を緩め操作して取り外し、車輪4と車輪用軸受け10とベース筒60を分離する。ベース筒60にはブレーキロータ30及び保持ベース80が取り付けられた状態のままである。即ち、ベース筒60にブレーキロータ30と保持ベース80が取り付けられて一つのユニットの状態で車輪4から分離することができる。このユニットをロータユニットと称する。車輪4を新しいものに交換した後に、ロータユニットを車輪用軸受け10と共に車輪4に容易に組み付けることができる。ベース筒60とブレーキロータ30と保持ベース80がユニット化されているので、車輪4の交換作業が容易である。更に、ロータユニットを車輪4に取り付けた状態で、車軸3に対してロータユニットと車輪4をセットで着脱するので、車輪4とブレーキロータ30と保持ベース80との間の軸方向の位置関係が狂わずに済む。そして、車輪4を車軸3に取り付ける際には、ロータユニットをストッパスリーブ20に当接させればよい。具体的には、ストッパスリーブ20の軸方向外側の端面に取り付けられた摺動ワッシャ21にロータユニットを当接させればよく、それによってロータユニットと車輪4を軸方向の所定位置に容易に取り付けることができる。
【0064】
そして、地車本体2に車輪4を取り付けた後、作業者は
図12のように車軸3の後方からキャリパ31を目視しながら操作レバー92を下方操作することができる。キャリパ31のブレーキパッドとブレーキロータ30との間の軸方向の隙間は小さいが、キャリパ溝32を後方から目視確認しながら取付ベース90を下方に回動させてキャリパ31をブレーキロータ30に接近させていくことができる。そのため、キャリパ溝32にブレーキロータ30を容易に進入させることができる。特に、ブレーキ位置において、キャリパ31がブレーキロータ30の直上に位置していて、キャリパ溝32が水平方向に沿っており、径方向対向面33が下方を向いている。そのため、車軸3の後方に座っている状態の作業者からキャリパ溝32とブレーキロータ30を容易に目視確認することができ、取付ベース90をブレーキ位置にセットする作業を楽に行うことができる。更に、取付ベース90を保持ベース80にネジ止めする際においては、保持ベース80の小径部81がサポート部となって取付ベース90を下方から支えるので、容易にネジ止めすることができる。
【0065】
尚、キャリパ31の位置や取付ベース90の形状は、種々変更可能である。本実施形態では、車輪4(右の前輪)を右側から軸方向に見た正面視において、キャリパ31は、車軸3に対して90度位置(12時の位置)に配置されていた。尚、車軸3に対して0度位置は、車軸3に対して水平方向且つ前方の位置である。但し、キャリパ31の車軸3に対する位置は任意であって、少なくとも地車本体2から車軸3を取り外す際の妨げにならない位置であればよい。例えば、キャリパ31は、車軸3に対して0度位置(3時の位置)に配置されたり、180度位置(9時の位置)に配置されたりしてもよい。即ち、キャリパ31が車軸3の真上ではなく、車軸3の前方に配置されたり、車軸3の後方に配置されたりしてもよい。そして、キャリパ31の配置に伴って取付ベース90の形状も種々変更してよい。
【0066】
例えば、キャリパ31を車軸3に対して斜め上方且つ前方に配置した実施形態を
図17~
図20に示している。この例では、キャリパ31は、
図17(a)及び
図19のように、車軸3に対して45度位置(1時半の位置)に配置されている。また、キャリパ31を正面視においてベース支軸102と車軸3とを結ぶ直線上に配置することができる。
【0067】
取付ベース90は、車軸3側からベース支軸102側に向けて、即ち、径方向内端部90aから径方向外端部90bに向けて、徐々に幅狭となる形状とすることができる。具体的には、取付ベース90は、径方向外端部90bを頂点とする三角形状であり、詳細には二等辺三角形状である。取付ベース90の形状は、車軸3から斜め上方且つ前方に延びる中心線110を対称軸とした線対称形状とすることができる。尚、本実施形態では、操作レバー92を取付ベース90の上側を向いている端面にネジ止めしている。
【0068】
また、ガイド孔91は、長孔としてよい。ガイド孔91は、
図20のように、中心線110の線上に配置されて、その中心線110に沿って長い長孔形状としてもよいが、
図19のように、中心線110に対して傾斜した方向に沿って長い形状とすることが好ましい。ガイド孔91は、ベース支軸102側から長手方向111に沿って車軸3側であって且つ下側に延びている。ガイド孔91の長手方向111は、中心線110に対して、正面視において反時計回りに傾斜角度θで傾斜している。ガイド孔91の長手方向の直線110に対する傾斜角度θは、90度以下であって、より詳細には45度以下である。このようにガイド孔91を傾斜させることによって取付ベース90をブレーキ位置から退避位置へとスムーズに退避させることができる。
【0069】
図17及び
図18に、ガイド孔91が傾斜している場合において、取付ベース90をブレーキ位置から退避位置まで移動させる際の取付ベース90の軌跡を示している。
図17(a)がブレーキ位置であり、
図18(b)が退避位置である。
図17(a)のように取付ベース90がブレーキ位置にあるとき、ベース支軸102はガイド孔91における車軸3から遠い端部近傍に位置している。作業者は、取付ベース90がガイド孔91の長手方向に沿って斜め上方且つ前方に上昇するように、操作レバー92を把持して持ち上げる。
図17(b)のように、取付ベース90をガイド孔91に沿って斜め上方且つ前方にスライドさせることにより、取付ベース90の湾曲対向面95を含む径方向内端部90aを保持ベース80の小径部81から径方向外側に離反させる。
図17(b)の状態では、ベース支軸102はガイド孔91における車軸3に近い端部に位置している。
【0070】
次に、操作レバー92を持ち上げて取付ベース90をベース支軸102を支点として上方に回動させる。そして、
図18(a)のように、一旦、操作レバー92を保持フック93よりも上側に持ち上げた後、
図18(b)のように操作レバー92を後方に引くようにして取付ベース90をガイド孔91に沿ってスライドさせて、操作レバー92を保持フック93に引っ掛ける。
【0071】
このように、ガイド孔91を長孔とすることにより、取付ベース90をガイド孔91の長手方向に沿って平行移動させることができると共にベース支軸102を支点として回動させることができる。即ち、取付ベース90のブレーキ位置と退避位置との間の移動を、スライド動作と回動動作の組み合わせとすることができる。尚、
図20のようにガイド孔91が傾斜していない場合であっても同様である。
【0072】
但し、取付ベース90のブレーキ位置と退避位置との間の移動は、回動動作を伴わないものであってもよく、例えば、上下方向に平行移動するものであってもよい。
【0073】
尚、上記実施形態におけるディスクブレーキ装置は、油圧式であったが、機械式であってもよい。また、キャリパ31は、車軸3に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 地車
2 地車本体
2a 乗り台
3 車軸
4 車輪
4a 貫通孔
4b 凹部
5 土台部
6 本体部
7 縦枠材
7a 上溝
8 横枠材
9 軸支持材
9a 下溝
10 車輪用軸受け
11 軸受け筒部
12 軸受けフランジ部
13 嵌合凹部
14 軸受けスリーブ
15 軸受けプレート
16 ボルト
17 ナット
20 ストッパスリーブ
21 摺動ワッシャ
22 耐摩耗材
23 アウターワッシャ
24 スラストベアリング
25 インナーワッシャ
30 ブレーキロータ
30a 外周面
31 キャリパ
32 キャリパ溝
33 径方向対向面
40 ブレーキペダル
41 第1リンク
42 第2リンク
43 第3リンク
44 フロントブラケット
45 フロント支軸
46 リアブラケット
47 リア支軸
48 シリンダブラケット
49 マスターシリンダ
50 リザーブホース
51 供給ホース
60 ベース筒
61 キャリパベース
62 ベース筒部
63 車輪取付用フランジ部
64 ロータ取付用フランジ部
65 ボルト挿通孔
66 嵌合凸部
67 ボールベアリング
68 内輪抑え
70 内側段部
71 ベーススリーブ
72 車輪取付リング
73 ロータ取付リング
74 位置決め段部
80 保持ベース
81 小径部(規制部)
82 大径部
83 ベース本体
84 外輪抑え
90 取付ベース
90a 径方向内端部
90b 径方向外端部
91 ガイド孔
92 操作レバー
93 保持フック
94 支持棒
95 湾曲対向面(当接部)
96 キャリパブラケット
100 ベースガイド
101 ガイドブラケット
102 ベース支軸
103 取付板部
104 支持板部
110 中心線
111 長手方向
200 地面
201 太鼓
θ 傾斜角度
【要約】
【課題】メンテナンスが容易な地車のブレーキシステムを提供する。
【解決手段】地車本体に車軸3が着脱自在に取り付けられ、車軸3に車輪4が回転自在に支持されている、地車におけるブレーキシステムであって、ディスクブレーキ装置を備え、ディスクブレーキ装置は、車輪4と一体に回転するブレーキロータ30と、ブレーキロータ30を制動するキャリパ31と、を備え、ブレーキロータ30は、車輪4と共に車軸3に対して軸方向に所定範囲内で移動可能に設けられ、ディスクブレーキ装置は、ブレーキロータ30の軸方向の移動にキャリパ31を追従させる追従機構部を備えている。
【選択図】
図4