(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】排ガス処理装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/021 20060101AFI20241018BHJP
F01N 11/00 20060101ALI20241018BHJP
F01N 13/00 20100101ALI20241018BHJP
【FI】
F01N3/021
F01N11/00
F01N13/00 Z
(21)【出願番号】P 2024150122
(22)【出願日】2024-08-30
【審査請求日】2024-08-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524326163
【氏名又は名称】李 欣悦
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】李 欣悦
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114935631(CN,A)
【文献】特表2000-512710(JP,A)
【文献】米国特許第4277442(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00
F01N 11/00
F01N 13/00
G01M 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主筐体(11)を含むとともに持ち運びが可能な排ガス処理装置であって、
前記主筐体(11)は、案内キャビティ(12)と、連通孔と、外部の排ガスが導入される排気ガス導入孔と、を有し、
前記案内キャビティ(12)には、前記案内キャビティ(12)を二分割するフィルタ機構が設けられ、
前記主筐体(11)の下方には、ベース(24)が設けられ、
前記ベース(24)の上方には、上下方向に沿って延在するとともに上下方向に延びる軸線周りに回転可能な昇降駆動軸(26)が設けられ、
前記昇降駆動軸(26)と平行となるように前記ベース(24)に設けられたガイド軸(47)が設けられ、
前記昇降駆動軸(26)の外周面と螺合するとともに前記ガイド軸(47)にガイドされて昇降可能な昇降スライダ(27)が設けられ、
前記昇降スライダ(27)は、前記主筐体(11)と接続され、
前記主筐体(11)と前記昇降駆動軸(26)との間には、貯蔵キャビティ(31)が形成された貯蔵フレーム(29)が設けられ、
前記主筐体(11)と前記貯蔵フレーム(29)との間には、前記主筐体(11)と前記貯蔵フレーム(29)とを連通するためのガス導入管(28)が設けられ、
前記連通孔は、前記ガス導入管(28)と連通し、
前記排気ガス導入孔は、前記主筐体(11)の前記フィルタ機構の一方側に位置するとともに、前記連通孔は、前記主筐体(11)の前記フィルタ機構の他方側に位置し、
前記主筐体(11)、前記昇降駆動軸(26)及び前記ガイド軸(47)は、前記排ガス処理装置の長手方向に沿って、配列されている、
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項2】
前記案内キャビティ(12)内には、前記長手方向と直交する幅方向に沿って第1位置と第2位置との間に水平移動可能な移動フレーム(13)が設けられ、
前記移動フレーム(13)内には、前記移動フレーム(13)に対し着脱可能な交換フレーム(15)が設けられ、
前記交換フレーム(15)内には、フィルタ機構が設けられ、
前記フィルタ機構は、前記幅方向に沿って配列された二つのフィルタを有し、
前記移動フレーム(13)が第1位置に移動したとき、一方の前記フィルタは、前記案内キャビティ(12)を二分割し、前記移動フレーム(13)が第2位置に移動したとき、他方の前記フィルタは、前記案内キャビティ(12)を二分割する、
ことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項3】
前記移動フレーム(13)の幅方向の両側には、前記交換フレーム(15)及び前記移動フレーム(13)を貫通するねじ孔(43)が形成され、
前記ねじ孔(43)には、ねじ(44)が螺合され、
前記交換フレーム(15)は、前記ねじ(44)と螺合されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の排ガス処理装置。
【請求項4】
前記主筐体(11)内には、移動モータ(46)が設けられ、
前記主筐体(11)の下方には、前記幅方向に沿って延在する軸線周りに回転可能な移動軸(42)が設けられ、
前記移動軸(42)の外周面には、水平移動可能な移動スライダ(18)が螺合され、
前記移動スライダ(18)は、前記移動フレーム(13)に接続されるとともに、前記案内キャビティ(12)にガイドされ、
前記移動軸(42)は、前記移動モータ(46)に接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の排ガス処理装置。
【請求項5】
前記主筐体(11)の上端面には、幅方向対称で伸縮運動可能な二つの空気圧伸縮ロッド(21)が設けられ、
前記空気圧伸縮ロッド(21)の先端には、互いに対向する一対の当接フレーム(23)が設けられ、
前記空気圧伸縮ロッド(21)が縮むとき、一対の前記当接フレーム(23)は、一方又は他方の前記フィルタを覆い、
前記空気圧伸縮ロッド(21)が伸びるとき、一方又は他方の前記フィルタは、一対の前記当接フレーム(23)から露出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の排ガス処理装置。
【請求項6】
前記ベース(24)の上方には、コントローラ(22)が設けられ、
前記ベース(24)内には、昇降モータ(25)が設けられ、
前記昇降駆動軸(26)の下端は、前記昇降モータ(25)と接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項7】
前記貯蔵フレーム(29)の下端面には、送りフレーム(32)が設けられ、
前記送りフレーム(32)と前記貯蔵フレーム(29)の下端面との間には、進入キャビティ(33)が設けられ、
前記送りフレーム(32)には、前記進入キャビティ(33)と貯蔵キャビティ(31)とを連通するノズル(34)が形成され、
前記ノズル(34)には、ガスが前記進入キャビティ(33)から前記貯蔵キャビティ(31)へ流れることのみを許可する副逆止弁(35)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項8】
前記貯蔵フレーム(29)の上方には、前記貯蔵キャビティ(31)と連通する検出フレーム(36)が設けられ、
前記検出フレーム(36)内には、検出キャビティ(40)が形成され、
前記検出キャビティ(40)には、マルチガス検出器(37)が設けられ、
前記検出フレーム(36)と前記主筐体(11)との間には、前記検出フレーム(36)と前記フィルタ機構の一方側に位置する前記主筐体(11)とを連通するための循環管(45)が設けられ、
前記循環管(45)の前記主筐体(11)と連通する一端には、ガスが前記循環管(45)から前記主筐体(11)へ流れることのみを許可する主逆止弁(30)が設けられている、
前記循環管(45)の他端は、前記検出フレーム(36)の上端面と連通され、
前記検出フレーム(36)の上端面には、ガスを外部へ排出するための排気管(39)が設けられ、
前記検出フレーム(36)には、前記検出キャビティ(40)と前記排気管(39)との連通を遮断するとともに前記検出キャビティ(40)と前記循環管(45)との連通を開放する第1状態と、前記検出キャビティ(40)と前記排気管(39)との連通を開放するとともに前記検出キャビティ(40)と前記循環管(45)との連通を遮断する第2状態とを切り替えるスイッチング機構が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項9】
前記スイッチング機構の切り替えを制御するコントローラ(22)をさらに備え、
前記マルチガス検出器(37)により検出された排ガス含有量が基準値に達した場合に、コントローラ(22)は、前記スイッチング機構を第2状態に切り替えるように制御し、
前記マルチガス検出器(37)により検出された排ガス含有量が基準値に達していない場合に、コントローラ(22)は、前記スイッチング機構を第1状態に切り替えるに制御する、
ことを特徴とする請求項8に記載の排ガス処理装置。
【請求項10】
前記スイッチング機構は、
上下方向に延びる軸線周りに回転可能に前記検出フレーム(36)の上端面に設けられた回転フレーム(41)と、
前記回転フレーム(41)を回転させるように前記検出フレーム(36)の上端面に設けられた動力モータ(38)と、を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の排ガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスの技術分野に関し、具体的には、排ガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排ガスに含まれる汚染物質は、種類が多く、物理的及び化学的性質が非常に複雑であり、毒性も同じではない。燃料を燃焼して排出された排ガスには、二酸化硫黄、窒素酸化物、炭化水素などが含まれ、工業生産に用いられる原料及びプロセスが異なるため、重金属などの様々な成分を含む様々な有害ガス及び固形廃棄物が排出される。
【0003】
従来の排ガス処理装置は、使用過程において、いずれも排ガス中のダスト粒子とガス中の有毒ガスを処理するため、処理後にサンプリング検出を行う必要があるが、検出過程において、常に一定の排ガス漏れを引き起こして、直接的に環境に影響を与え、周囲の動植物を死滅させ、従来の排ガス濾過用フィルタエレメントが一定の耐用年数に達すると交換される必要があるため、装置をオフにする必要があり、密閉交換を実現できず、さらに作業効率の低下を招く。
【0004】
そして、従来の排ガス処理装置では、取付場所の制約等によって、排ガス処理装置の排気ガス導入孔を被処理対象の外部管路に取り付けることが困難であるという不具合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、取付場所の制約等の影響を受けにくく、排気ガス導入孔を容易に被処理対象の外部管路に取り付けることができる排ガス処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる様態によれば、主筐体を含むとともに持ち運びが可能な排ガス処理装置であって、前記主筐体は、案内キャビティと、連通孔と、外部の排ガスが導入される排気ガス導入孔と、を有し、前記案内キャビティには、前記案内キャビティを二分割するフィルタ機構が設けられ、前記主筐体の下方には、ベースが設けられ、前記ベースの上方には、上下方向に沿って延在するとともに上下方向に延びる軸線周りに回転可能な昇降駆動軸が設けられ、前記昇降駆動軸と平行となるように前記ベースに設けられたガイド軸が設けられ、前記昇降駆動軸の外周面と螺合するとともに前記ガイド軸にガイドされて昇降可能な昇降スライダが設けられ、前記昇降スライダは、前記主筐体と接続され、前記主筐体と前記昇降駆動軸との間には、貯蔵キャビティが形成された貯蔵フレーが設けられ、前記主筐体と前記貯蔵フレームとの間には、前記主筐体と前記貯蔵フレームとを連通するためのガス導入管が設けられ、前記連通孔は、前記ガス導入管と連通し、前記排気ガス導入孔は、前記主筐体の前記フィルタ機構の一方側に位置するとともに、前記連通孔は、前記主筐体の前記フィルタ機構の他方側に位置し、前記主筐体、前記昇降駆動軸及び前記ガイド軸は、前記排ガス処理装置の長手方向に沿って、配列されている排ガス処理装置が提供される。
【0007】
また、本発明にかかる様態において、前記案内キャビティ内には、前記長手方向と直交する幅方向に沿って第1位置と第2位置との間に水平移動可能な移動フレームが設けられ、前記移動フレーム内には、前記移動フレームに対し着脱可能な交換フレームが設けられ、前記交換フレーム内には、フィルタ機構が設けられ、前記フィルタ機構は、前記幅方向に沿って配列された二つのフィルタを有し、前記移動フレームが第1位置に移動したとき、一方の前記フィルタは、前記案内キャビティを二分割し、前記移動フレームが第2位置に移動したとき、他方の前記フィルタは、前記案内キャビティを二分割する。
【0008】
また、本発明にかかる様態において、前記移動フレームの幅方向の両側には、前記交換フレーム及び前記移動フレームを貫通するねじ孔が形成され、前記ねじ孔には、ねじが螺合され、前記交換フレームは、前記ねじと螺合されている。
【0009】
また、本発明にかかる様態において、前記主筐体内には、移動モータが設けられ、前記主筐体の下方には、前記幅方向に沿って延在する軸線周りに回転可能な移動軸が設けられ、前記移動軸の外周面には、水平移動可能な移動スライダが螺合され、前記移動スライダは、前記移動フレームに接続されるとともに、前記案内キャビティにガイドされ、前記移動軸は、前記移動モータに接続されている。
【0010】
また、本発明にかかる様態において、前記主筐体の上端面には、幅方向対称で伸縮運動可能な二つの空気圧伸縮ロッドが設けられ、前記空気圧伸縮ロッドの先端には、互いに対向する一対の当接フレームが設けられ、前記空気圧伸縮ロッドが縮むとき、一対の前記当接フレームは、一方又は他方の前記フィルタを覆い、前記空気圧伸縮ロッドが伸びるとき、一方又は他方の前記フィルタは、一対の前記当接フレームから露出する。
【0011】
また、本発明にかかる様態において、前記ベースの上方には、コントローラが設けられ、前記ベース内には、昇降モータが設けられ、前記昇降駆動軸の下端は、前記昇降モータと接続される。
【0012】
また、本発明にかかる様態において、前記貯蔵フレームの下端面には、送りフレームが設けられ、前記送りフレームと前記貯蔵フレームの下端面との間には、進入キャビティが設けられ、前記送りフレームには、前記進入キャビティと貯蔵キャビティとを連通するノズルが形成され、前記ノズルには、ガスが前記進入キャビティから前記貯蔵キャビティへ流れることのみを許可する副逆止弁が設けられている。
【0013】
また、本発明にかかる様態において、前記貯蔵フレームの上方には、前記貯蔵キャビティと連通する検出フレームが設けられ、前記検出フレーム内には、検出キャビティが形成され、前記検出キャビティには、マルチガス検出器が設けられ、前記検出フレームと前記主筐体との間には、前記検出フレームと前記フィルタ機構の一方側に位置する前記主筐体とを連通するための循環管が設けられ、前記循環管の前記主筐体と連通する一端には、ガスが前記循環管から前記主筐体へ流れることのみを許可する主逆止弁が設けられ、前記循環管の他端は、前記検出フレームの上端面と連通され、前記検出フレームの上端面には、ガスを外部へ排出するための排気管が設けられ、前記検出フレームには、前記検出キャビティと前記排気管との連通を遮断するとともに前記検出キャビティと前記循環管との連通を開放する第1状態と、前記検出キャビティと前記排気管との連通を開放するとともに前記検出キャビティと前記循環管との連通を遮断する第2状態とを切り替えるスイッチング機構が設けられている。
【0014】
また、本発明にかかる様態において、排ガス処理装置は、前記スイッチング機構の切り替えを制御するコントローラをさらに備え、前記マルチガス検出器により検出された排ガス含有量が基準値に達した場合に、コントローラは、前記スイッチング機構を第2状態に切り替えるように制御し、前記マルチガス検出器により検出された排ガス含有量が基準値に達していない場合に、コントローラは、前記スイッチング機構を第1状態に切り替えるに制御する。
【0015】
また、本発明にかかる様態において、前記スイッチング機構は、上下方向に延びる軸線周りに回転可能に前記検出フレームの上端面に設けられた回転フレームと、前記回転フレームを回転させるように前記検出フレームの上端面に設けられた動力モータと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0017】
1、本発明では、昇降モータが起動することにより、回転させるように昇降駆動軸を駆動して、上に移動するように昇降スライダ及び主筐体を駆動し、所定の高さに達すると、主筐体の排気ガス導入孔を、被処理対象の固定された外部管路に接続(具体的には、溶接)させることにより、取付装置で所定の高さに達することができることを確保して、後続の使用時の利便性を確保し、さらに装置の柔軟性及び実用性を確保する。
【0018】
2、本発明では、左側のねじを回転させ、ねじが交換フレームから離れるとともに、左側の空気圧伸縮ロッドが伸長運動を開始することにより、上に移動するように当接フレームを駆動し、その後、交換フレーム、フィルタを直接的に取り外すことができ、動作中の交換を実現し、当接フレームの後端面が移動フレーム、主筐体に当接する状態となり、後続の交換フレームの交換過程において常に密封状態を維持して交換することを確保し、さらに交換するために装置をオフにする必要があるという従来の問題を改善し、装置の実用性を確保することができる。
【0019】
3、本発明により処理された排ガスが検出キャビティ内に入り、この時、マルチガス検出器により排ガス含有量を検出し、所定の閾値に達する場合、動力モータが起動することにより、反時計回りに90度回転させるように回転フレームを駆動し、この時、排ガスが排気管により外部に排出され、不合格であると検出した場合、動力モータが逆方向に起動することにより、時計回りに90度回転させるように回転フレームを駆動し、この時、空気が循環管を通過し、主逆止弁内に入った後、主筐体内に還流して繰り返して処理を行い、さらに排ガスの段階的処理を実現できることを確保することにより、排ガスを十分で徹底的に浄化することを確保し、さらにガスによる環境への汚染を低減し、環境保護のための支出を節約し、さらに従来の装置の浄化効率及び安定性を向上させ、産業排ガスの浄化品質をさらに向上させ、産業排ガスの徹底的な浄化を確保するとともに、合格に達するまで循環処理を行うことを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】本発明の
図3中のA-Aに沿った概略図である。
【
図5】本発明の
図2中のB-Bに沿った概略図である。
【
図6】本発明の
図4中の貯蔵フレーム部材の部分拡大概略図である。
【
図7】本発明の
図4中の交換フレーム部材の部分拡大概略図である。
【
図8】本発明の
図6中の回転フレーム部材の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を行わない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0022】
図1~
図8に示すように、本発明の実施例に係る密閉性の高い排ガス処理装置は、持ち運びが可能に設けられている。排ガス処理装置は、主筐体11を含む。主筐体11は、案内キャビティ12と、連通孔と、外部の排ガスが導入される排気ガス導入孔と、を有し、案内キャビティ12には、案内キャビティ12を二分割するフィルタ機構が設けられ、主筐体11の下方には、ベース24が設けられ、ベース24の上方には、上下方向に沿って延在するとともに上下方向に延びる軸線周りに回転可能な昇降駆動軸26が設けられ、昇降駆動軸26と平行となるようにベース24に設けられたガイド軸47が設けられ、昇降駆動軸26の外周面と螺合するとともにガイド軸47にガイドされて昇降可能な昇降スライダ27が設けられ、昇降スライダ27は、主筐体11と接続され、主筐体11と前記昇降駆動軸26との間には、貯蔵キャビティ31が形成された貯蔵フレーム29が設けられ、主筐体11と貯蔵フレーム29との間には、主筐体11と貯蔵フレーム29とを連通するためのガス導入管28が設けられ、連通孔は、ガス導入管28と連通し、排気ガス導入孔は、主筐体11のフィルタ機構の一方側に位置するとともに、連通孔は、主筐体11のフィルタ機構の他方側に位置し、主筐体11、昇降駆動軸26及びガイド軸47は、排ガス処理装置の長手方向に沿って、配列されている。
【0023】
案内キャビティ12内には、長手方向と直交する幅方向に沿って第1位置と第2位置との間に水平移動可能な移動フレーム13が設けられ、移動フレーム13内には、移動フレーム13に対し着脱可能な交換フレーム15が設けられ、交換フレーム15内には、フィルタ機構が設けられ、フィルタ機構は、幅方向に沿って配列された二つのフィルタを有し、移動フレーム13が第1位置に移動したとき、一方のフィルタは、案内キャビティ12を二分割し、移動フレーム13が第2位置に移動したとき、他方のフィルタは、案内キャビティ12を二分割する。移動フレーム13内には、左右に均一に分布した2つの押動キャビティ14が設けられ、押動キャビティ14内に交換フレーム15が設けられ、交換フレーム15内に位置決めキャビティ16が設けられ、位置決めキャビティ16内にフィルタ機構が設けられている。フィルタ機構を構成する各フィルタは、粒子状ダストを濾過する濾過網17と、異臭吸収の役割を果たす活性炭濾過網19と、を有する。濾過網17と活性炭濾過網19とは、積層されている。
【0024】
移動フレーム13の幅方向の両側には、交換フレーム15及び移動フレーム13を貫通するねじ孔43が形成され、ねじ孔43には、ねじ44が螺合され、交換フレーム15は、ねじ44と螺合されている。これにより、ねじ44を回転させることにより、ねじ44が交換フレーム15から離れて、交換フレーム15、交換フレーム15の内部のフィルタを迅速に交換することができる。
【0025】
主筐体11内には、移動モータ46が設けられ、主筐体11の下方には、幅方向に沿って延在する軸線周りに回転可能な移動軸42が設けられ、移動軸42の外周面には、水平移動可能な移動スライダ18が螺合され、移動スライダ18は、移動フレーム13に接続されるとともに、案内キャビティ12にガイドされ、移動軸42は、移動モータ46に接続されている。これにより、移動モータ46が起動して、回転させるように移動軸42を駆動し、幅方向に移動するように移動スライダ18及び移動フレーム13を駆動する。
【0026】
主筐体11の上端面には、幅方向対称で伸縮運動可能な二つの空気圧伸縮ロッド21が設けられ、空気圧伸縮ロッド21の先端には、互いに対向する一対の当接フレーム23が設けられ、空気圧伸縮ロッド21が縮むとき、一対の当接フレーム23は、一方又は他方のフィルタを覆い、空気圧伸縮ロッド21が伸びるとき、一方又は他方のフィルタは、一対の当接フレーム23から露出する。
【0027】
ベース(24)の上方には、コントローラ22が設けられ、ベース24内には、昇降モータ25が設けられ、昇降駆動軸26の下端は、昇降モータ25と接続される。これにより、昇降モータ25が起動することにより、回転させるように昇降駆動軸26を駆動し、上下に移動するように昇降スライダ27及び主筐体11を駆動することにより、主筐体11(具体的には、排気ガス導入孔)の高さを調整することができる。
【0028】
貯蔵フレーム29の下端面には、送りフレーム32が設けられ、送りフレーム32と貯蔵フレーム29の下端面との間には、進入キャビティ33が設けられ、送りフレーム32には、進入キャビティ33と貯蔵キャビティ31とを連通するノズル34が形成され、ノズル34には、ガスが進入キャビティ33から貯蔵キャビティ31へ流れることのみを許可する副逆止弁35が設けられている。
【0029】
貯蔵フレーム29の上方には、貯蔵キャビティ31と連通する検出フレーム36が設けられ、検出フレーム36内には、検出キャビティ40が形成され、検出キャビティ40には、マルチガス検出器37が設けられ、検出フレーム36と主筐体11との間には、検出フレーム36とフィルタ機構の一方側に位置する主筐体11とを連通するための循環管45が設けられ、循環管45の主筐体11と連通する一端には、ガスが循環管45から主筐体11へ流れることのみを許可する主逆止弁30が設けられ、循環管45の他端は、検出フレーム36の上端面と連通され、検出フレーム36の上端面には、ガスを外部へ排出するための排気管39が設けられ、検出フレーム36には、検出キャビティ40と前記排気管39との連通を遮断するとともに検出キャビティ40と循環管45との連通を開放する第1状態と、検出キャビティ40と排気管39との連通を開放するとともに検出キャビティ40と循環管45との連通を遮断する第2状態とを切り替えるスイッチング機構が設けられている。
ここでは、スイッチング機構は、上下方向に延びる軸線周りに回転可能に検出フレーム36の上端面に設けられた回転フレーム41と、回転フレーム41を回転させるように検出フレーム36の上端面に設けられた動力モータ38と、を有する。これにより、動力モータ38が起動すると、回転させるように回転フレーム41を駆動することにより、循環と排出の役割を制御することができる。
【0030】
具体的には、コントローラ22は、スイッチング機構の切り替えをさらに制御し、マルチガス検出器37により検出された排ガス含有量が基準値に達した場合に、コントローラ22は、スイッチング機構を第2状態に切り替えるように制御し、一方、マルチガス検出器37により検出された排ガス含有量が基準値に達していない場合に、コントローラ22は、スイッチング機構を第1状態に切り替えるに制御する。
【0031】
本発明の排ガス処理装置の動作フローは、以下のとおりである。
【0032】
動作時、使用者は、コントローラ22を制御して、昇降モータ25が起動することにより、回転させるように昇降駆動軸26を駆動して、上に移動するように昇降スライダ27及び主筐体11を駆動し、所定の高さに達するとき、主筐体11の排気ガス導入孔を、固定された外部管路20に接続(具体的には、溶接)させることにより、取付装置で所定の高さに達することができることを確保して、後続の使用時の利便性を確保し、さらに装置の柔軟性及び実用性を確保する。
【0033】
この時、外部管路20から排ガスが導入され、排ガスが案内キャビティ12内に入り、濾過網17を通過することで、排ガス中のダスト粒子を濾過し吸着し、この時、排ガスが活性炭濾過網19を通過し、排ガス中の刺激臭を二次処理し、処理された排ガスがガス導入管28内に入り、この排ガスは、ガス導入管28を通過して進入キャビティ33に入り、この時、気圧の増加により、副逆止弁35からノズル34内に入って、空気清浄液に噴射され、この時、排ガスを吸着処理して、処理された排ガスが検出キャビティ40内に入り、マルチガス検出器37により排ガス含有量を検出し、検出された排ガス含有量が所定の基準値に達する(すなわち、排ガス含有量が閾値を下回る)場合、反時計回りに90度回転させるように回転フレーム41を動力モータ38により駆動する。そして、ガスが処理済みガスとして排気管39により外部に排出される。一方、検出された排ガス含有量が所定の基準値に達していない(すなわち、排ガス含有量が閾値以上である)場合に、すなわち、不合格であると検出した場合、時計回りに90度回転させるように回転フレーム41を動力モータ38により駆動する。そして、ガスが循環管45を通過し、主逆止弁30内に入った後、主筐体11内に還流して繰り返して処理を行い、さらに排ガスの段階的処理を実現できることを確保することにより、排ガスを十分で徹底的に浄化することを確保し、さらにガスによる環境への汚染を低減し、環境保護のための支出を節約し、さらに従来の装置の浄化効率及び安定性を向上させ、産業排ガスの浄化品質をさらに向上させ、産業排ガスの徹底的な浄化を確保するとともに、合格に達するまで循環処理を行うことを確保する。
【0034】
濾過網17及び活性炭濾過網19が耐用年数に達するとき、回転させるように移動軸42を移動モータ46により駆動すると、左側に移動させるように移動スライダ18及び移動フレーム13を駆動し、移動過程において、左右両側にある濾過網17及び活性炭濾過網19は、動作過程において交換されるため、排ガス処理の進度及び効率に影響を与えず、そして、交換が完了すると、左側のねじ44を回転させ、ねじ44が交換フレーム15から離れるとともに、左側の空気圧伸縮ロッド21が伸長運動を開始することにより、上に移動するように当接フレーム23を駆動し、その後、交換フレーム15、濾過網17、活性炭濾過網19を直接的に取り外すことができ、動作中の交換を実現し、当接フレーム23の後端面が移動フレーム13、主筐体11に当接する状態となり、後続の交換フレーム15の交換過程において常に密封状態を維持して交換することを確保し、さらに交換するために装置をオフにする必要があるという従来の問題を改善し、装置の実用性を確保することができる。
【0035】
以上に開示された本発明の好ましい実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎない。好ましい実施例は、全ての詳細を詳しく説明するものではなく、本発明を、説明された具体的な実施形態のみに限定するものではない。明らかに、本明細書の内容に基づいて、多くの修正及び変更を行うことができる。本明細書においてこれらの実施例を選択して具体的に説明するのは、本発明の原理及び実際の適用をよりよく解釈し、当業者が本発明をよく理解して利用することができるためである。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0036】
11 主筐体
12 案内キャビティ
13 移動フレーム
14 押動キャビティ
15 交換フレーム
16 位置決めキャビティ
17 濾過網
18 移動スライダ
19 活性炭濾過網
20 外部管路
21 空気圧伸縮ロッド
22 コントローラ
23 当接フレーム
24 ベース
25 昇降モータ
26 昇降駆動軸
27 昇降スライダ
28 ガス導入管
29 貯蔵フレーム
30 主逆止弁
31 貯蔵キャビティ
32 送りフレーム
33 進入キャビティ
34 ノズル
35 副逆止弁
36 検出フレーム
37 マルチガス検出器
38 動力モータ
39 排気管
40 検出キャビティ
41 回転フレーム
42 移動軸
43 ねじ孔
44 ねじ
45 循環管
46 移動モータ
【要約】
本発明は、排ガス処理装置であり、該排ガス処理装置内に主筐体が設けられ、主筐体内に主筐体を貫通する案内キャビティが設けられ、案内キャビティ内には、左右に移動可能な移動フレームが設けられ、移動フレーム内には、左右に均一に分布した2組の押動キャビティが設けられ、押動キャビティ内に前に移動可能な交換フレームが設けられ、交換フレーム内に前方に開口した位置決めキャビティが設けられ、位置決めキャビティ内に濾過網が固定して設けられ、濾過網の後端面に活性炭濾過網が固定して設けられ、主筐体の下側にベースが設けられ、ベースの上端面に昇降駆動軸が回転可能に設けられ、昇降駆動軸の外周面に昇降スライダが回転可能に設けられ、昇降スライダの前端面が主筐体に固定接続され、主筐体の後端面にガス導入管が固定して設けられる。
【選択図】
図1