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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】駐車支援装置、及び駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20241018BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20241018BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20241018BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20241018BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W40/02
B60W50/10
B60W60/00
G08G1/16 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020088677
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021183431
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野田 真
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 光貴
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-096306(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058781(WO,A1)
【文献】特開2012-116282(JP,A)
【文献】特開2017-030567(JP,A)
【文献】特開2018-122789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
B62D 6/00- 6/10
B60R 99/00
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両の周囲の障害物を検出する障害物検出部と、
前記障害物検出部の検出結果に基づいて、目標駐車位置を決定する位置決定部と、
前記車両を前記目標駐車位置に走行させる走行制御部と、
ユーザーからの指示を受け付ける受付部と、
を備え、
前記位置決定部は、前記目標駐車位置に向けて前記車両の走行を開始した後、前記障害物検出部の検出結果に基づいて、前記目標駐車位置よりも更に先に進んだ位置に補正された目標駐車位置を決定し、
前記位置決定部は、前記目標駐車位置に前記車両が停止したときに、前記障害物検出部が障害物を検出しない場合には、前記障害物検出部の検出可能範囲に基づいて、前記補正された目標駐車位置を繰り返し決定し、
前記走行制御部は、前記車両が停止したときに、前記受付部がユーザーから前記補正された目標駐車位置を受け入れる指示を受け付けた場合に、前記車両を前記補正された目標駐車位置まで走行させる、
駐車支援装置。
【請求項2】
前記位置決定部は、前記障害物検出部が前記障害物を検出した場合に、前記走行制御部の走行制御の精度に基づいて、前記補正された目標駐車位置を決定する、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記目標駐車位置、及び前記補正された目標駐車位置を表示する表示制御部を備える、
請求項1又は請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
車両の駐車を支援する駐車支援装置の駐車支援方法であって、
前記駐車支援装置が、
前記車両の周囲の障害物を検出する第1検出ステップと、
前記第1検出ステップでの検出結果に基づいて、目標駐車位置を決定する第1位置決定ステップと、
前記車両を前記目標駐車位置に走行させる走行制御ステップと、
前記目標駐車位置に向けて前記車両の走行を開始した後、前記車両の周囲の障害物を検出する第2検出ステップと、
前記第2検出ステップでの検出結果に基づいて、前記目標駐車位置よりも更に先に進んだ位置に補正された目標駐車位置を決定する第2位置決定ステップと、
を実行し、
前記目標駐車位置に前記車両が停止したときに、前記第2検出ステップにおいて前記障害物を検出しない場合には、前記第2位置決定ステップにおいて、前記第2検出ステップでの前記障害物の検出可能範囲に基づいて、前記補正された目標駐車位置を繰り返し決定し、
前記走行制御ステップにおいて、前記車両が停止したときに、ユーザーから前記補正された目標駐車位置を受け入れる指示を受け付けた場合に、前記車両を前記補正された目標駐車位置まで走行させる、駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置、及び駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の駐車支援に関する技術が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、「駐車枠を認識するとともに、認識した前記駐車枠に応じた所定位置への車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、前記所定位置に自車両が駐車したと想定した場合の該所定位置の周囲の空き状況に基づいて、前記所定位置への自車両の駐車の可否を判定することを特徴とする駐車支援装置。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2019/012848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の駐車支援装置では、車両の移動によって障害物の検出可能範囲が変化し、例えば目標駐車位置である駐車枠の先に障害物がないことが認識できた場合であっても、駐車支援装置を利用して更に先に進んで駐車させることはできなかった。
本発明は、目標駐車位置よりも更に先に進んで駐車することが可能な場合には、更に先に進んで駐車できる駐車支援装置、及び駐車支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の駐車支援装置は、車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、前記車両の周囲の障害物を検出する障害物検出部と、前記障害物検出部の検出結果に基づいて、目標駐車位置を決定する位置決定部と、前記車両を前記目標駐車位置に走行させる走行制御部と、ユーザーからの指示を受け付ける受付部と、を備え、前記位置決定部は、前記目標駐車位置に向けて前記車両の走行を開始した後、前記障害物検出部の検出結果に基づいて、前記目標駐車位置よりも更に先に進んだ位置に補正された目標駐車位置を決定し、前記位置決定部は、前記目標駐車位置に前記車両が停止したときに、前記障害物検出部が障害物を検出しない場合には、前記障害物検出部の検出可能範囲に基づいて、前記補正された目標駐車位置を繰り返し決定し、前記走行制御部は、前記車両が停止したときに、前記受付部がユーザーから前記補正された目標駐車位置を受け入れる指示を受け付けた場合に、前記車両を前記補正された目標駐車位置まで走行させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、目標駐車位置に向けて車両の走行を開始した後、障害物検出部の検出結果に基づいて、目標駐車位置と相違する、補正された目標駐車位置を決定するため、目標駐車位置よりも更に先に進んだ、補正された目標駐車位置に駐車することが可能な場合には、補正された目標駐車位置に駐車できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】駐車支援装置を含む車載装置の構成の一例を示す図である。
図2】第1目標駐車位置、及び駐車経路の一例を示す平面図である。
図3】第1目標駐車位置に停止した車両の一例を示す平面図である。
図4】第1目標駐車位置で障害物を検出しない場合に表示される駐車支援画面の一例を示す画面図である。
図5】第1目標駐車位置で障害物を検出する場合に表示される駐車支援画面の一例を示す画面図である。
図6】第2目標駐車位置で障害物を検出しない場合に表示される駐車支援画面の一例を示す画面図である。
図7】駐車支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図8】駐車支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、駐車支援装置100を含む車載装置3の構成の一例を示す図である。車載装置3は、車両1に搭載される。
車載装置3は、位置検出ユニット10、検出部20、操作部50、表示部60、車両制御ユニット70、操舵装置71、駆動装置73、制動装置75、変速装置77及び駐車支援装置100を備える。
【0009】
位置検出ユニット10は、車両1の位置を検出する。位置検出ユニット10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を受信するGNSS受信器と、GNSS受信器が受信したGNSS信号に基づいて車両1の位置を算出するプロセッサと、を備える。GNSS受信器、及びプロセッサの図示は省略する。位置検出ユニット10は、車両1の位置を示す位置情報を駐車支援装置100に出力する。
【0010】
検出部20は、車両1の周囲の障害物RT(図5参照)を検出し、検出した障害物RTと車両1との距離を検出する1個又は複数個のセンサを備える。本実施形態の検出部20は、センサとして、撮影部30及びソナーユニット40を備える。検出部20は、撮影部30の撮影画像や、ソナーユニット40のセンサ値を検出情報として駐車支援装置100に出力する。
本実施形態では、検出部20がカメラ及びソナーセンサを備える場合について説明するが、検出部20が備えるセンサは、カメラ及びソナーセンサに限定されない。例えば、電波や光等を利用して障害物RTとの間の距離を測定可能なレーダーやLiDAR(Light Detection and Ranging)を検出部20が備えてもよい。
【0011】
撮影部30は、車両1の前方を撮影するフロントカメラ31、車両1の後方を撮影するリアカメラ33、車両1の左側方を撮影する左サイドカメラ35、及び車両1の右側方を撮影する右サイドカメラ37を備える。これらのカメラの各々は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサから撮影画像を生成するデータ処理回路とを備える。
撮影部30は、4台のカメラによって車両1を中心に360°の範囲を撮影可能となるように、4台のカメラの各々の画角が調整される。フロントカメラ31、リアカメラ33、左サイドカメラ35及び右サイドカメラ37の各々は、撮影範囲を所定のフレームレートで撮影して撮影画像を生成する。撮影部30は、生成した撮影画像を駐車支援装置100に出力する。駐車支援装置100は、入力された撮影画像をメモリ110に記憶させる。
【0012】
ソナーユニット40は、車両1の前方、後方、左側方及び右側方等の複数箇所にソナーセンサを備え、超音波を用いて障害物RTの大きさ、位置、及び障害物RTまでの距離を検出する。
本実施形態では、ソナーユニット40が障害物RTを検出する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、撮影部30が障害物RTを検出してもよい。また、例えば、レーダーやLiDARが障害物RTを検出してもよい。
【0013】
操作部50は、車両1に乗車したユーザーの操作を受け付ける。ユーザーは、例えば、運転者である。操作部50は、受け付けた操作に対応した操作信号を駐車支援装置100に出力する。操作部50が受け付ける操作には、例えば、駐車支援処理の開始を指示する操作や、駐車支援処理を終了させる操作等が含まれる。
操作部50は、例えば、図略の駐車支援オンスイッチ、及び図略の駐車支援オフスイッチを備え、駐車支援オンスイッチが押下された場合には、駐車支援装置100は、駐車支援処理の開始を指示する操作を受け付ける。また、駐車支援処理を実行中に、駐車支援オフスイッチが押下された場合には、駐車支援装置100は、駐車支援処理を終了させる操作を受け付ける。
なお、「駐車支援処理」とは、駐車支援装置100が、目標駐車位置を決定し、目標駐車位置に向けて車両1を走行させ、目標駐車位置で車両1を停止させる処理を示す。
【0014】
表示部60は、表示パネル61と、タッチセンサ63と、を備える。
表示パネル61には、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が用いられる。表示部60は、駐車支援装置100から入力される表示データに基づく表示画像を表示パネル61に表示させる。
タッチセンサ63は、抵抗膜方式や静電容量方式等のセンサが用いられる。表示部60は、表示パネル61に対するユーザーの指でのタッチ操作を、タッチセンサ63によって検出し、検出したタッチ操作の操作位置を示す位置信号を生成する。表示部60は、生成した位置信号を駐車支援装置100に出力する。
【0015】
車両制御ユニット70は、車両1に搭載された操舵装置71、駆動装置73、制動装置75及び変速装置77を制御する。車両制御ユニット70は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータを備える。また、車両制御ユニット70は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して、操舵装置71、駆動装置73、制動装置75及び変速装置77と通信可能に接続される。
また、車両制御ユニット70は、駐車支援装置100から入力される制御情報に従って、操舵装置71、駆動装置73、制動装置75及び変速装置77を制御する。その結果、例えば、車両1が目標駐車位置に向けて走行する。
目標駐車位置は、駐車支援装置100によって決定される駐車位置の目標値である。
【0016】
操舵装置71は、車両1の操舵輪の操舵角を調整するアクチュエータを含み、車両1を操舵する装置である。
駆動装置73は、車両1の駆動輪の駆動力を調整するアクチュエータを含み、車両1を駆動する装置である。このアクチュエータには、車両1の動力源がエンジンである場合にはスロットルアクチュエータが対応し、車両1の動力源がモータである場合には当該モータが対応する。
制動装置75は、車両1の車輪へ付与する制動力を調整するアクチュエータを含み、車両1を制動する装置である。このアクチュエータは、駐車支援装置100からの制御情報に基づいて、車両1に設けられたブレーキシステムを制御する。
変速装置77は、変速機及びアクチュエータを含み、変速機の変速比等を切り換える装置である。変速装置77は、アクチュエータを駆動させて変速機のシフト位置を調整することによって、変速機の変速比や、車両1の前進及び後進を切り換える。
【0017】
駐車支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサ130と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ110と、を備えるコンピュータである。駐車支援装置100は、これらの装置の他に、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ装置や、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路、車載ネットワークを介して他の車載装置と通信する車載ネットワーク通信回路等を備える。駐車支援装置100は、メモリ110又はストレージ装置が記憶する制御プログラムを、プロセッサ130が実行することで各種の機能的構成を実現する。
【0018】
駐車支援装置100は、位置取得部131、検出情報取得部132、マップ生成部133、障害物検出部134、目標駐車位置決定部135、経路生成部136、走行制御部137及び表示制御部138を備える。具体的には、プロセッサ130が、メモリ110又はストレージ装置が記憶する制御プログラムを実行することによって、位置取得部131、検出情報取得部132、マップ生成部133、障害物検出部134、目標駐車位置決定部135、経路生成部136、走行制御部137及び表示制御部138として機能する。
【0019】
位置取得部131は、位置検出ユニット10によって検出された車両1の位置を位置情報として取得する。位置取得部131は、公知のデッドレコニングの手法を用いて、車両1の位置を推定し、位置検出ユニット10から入力された車両1の位置を、推定結果に基づき補正する。
【0020】
検出情報取得部132は、撮影部30が車両1の周囲を撮影した撮影画像を検出情報として取得する。検出情報取得部132は、取得した撮影画像をメモリ110に記憶させる。また、検出情報取得部132は、ソナーユニット40のセンサ値を検出情報として取得する。検出情報取得部132は、取得したセンサ値をメモリ110に記憶させる。
【0021】
マップ生成部133は、車両1の周囲の障害物RTや、車両1の位置をローカル座標系に記録したマップデータを生成する。このマップデータは、メモリ110に記憶される。障害物RTは、車両1の走行を阻害、或いは規制する物体である。障害物RTの例として、例えば柱や壁等の建造物、車両1が走行可能な走行領域と駐車領域とを区画するポールや地面の区画線、他の車両、カート、歩行者等が挙げられる。
また、マップ生成部133は、位置取得部131から逐次入力される車両1の位置や、検出情報取得部132が取得した検出情報に基づき、マップデータの登録情報である車両1の位置や、障害物RTの位置や大きさを逐次更新する。
【0022】
本実施形態では、マップ生成部133によってマップデータを生成する場合について説明するが、障害物RTの位置が予め記録されたマップデータを駐車支援装置100が取得する構成であってもよい。例えば、駐車支援装置100がサーバ装置からマップデータをダウンロードしてもよいし、メモリ110に予め記憶させたマップデータを駐車支援装置100が読み出してもよい。これらの場合には、駐車支援装置100は、取得したマップデータに、位置取得部131から入力される車両1の位置を記録してマップデータを生成する。
【0023】
障害物検出部134は、車両1の周囲の障害物RTを検出する。また、障害物検出部134は、車両1の進行方向の障害物RTを検出する。
障害物検出部134は、マップ生成部133が生成したマップデータに基づいて、車両1の進行方向の障害物RTを検出する。
障害物検出部134は、例えば、車両1との距離が、予め設定された設定距離以下の障害物RTを検出する。設定距離は、例えば、ソナーユニット40の検出可能範囲に基づいて設定される。ソナーユニット40の検出可能範囲は、ソナーユニット40が精度良好に検出可能な範囲を示す。設定距離は、例えば、5mである。
また、障害物検出部134が検出する障害物RTは、例えば、車両1を駐車経路に沿って走行させた場合に、車両1の走行の障害となり得る候補の物体である。なお、駐車経路は、経路生成部136によって生成される。
【0024】
目標駐車位置決定部135は、車両1を駐車させる位置である目標駐車位置を決定する。目標駐車位置決定部135は、マップ生成部133が生成したマップデータや、障害物検出部134の検出結果に基づき、車両1を駐車させる目標駐車位置を決定する。
【0025】
本実施形態では、図2図6を参照して、旗竿地の竿に対応する通路部分に車両1を駐車する場合について説明する。この場合には、目標駐車位置決定部135は、例えば、撮影部30の撮影画像、及びソナーユニット40のセンサ値に基づき、駐車可能な領域を検出する。目標駐車位置決定部135は、駐車可能な領域の検出結果と、マップデータとに基づいて第1目標駐車位置P3を決定する。第1目標駐車位置P3は、図2を参照して後述するように、旗竿地の竿に対応する通路部分の入出口近傍に決定される。
第1目標駐車位置P3は、「目標駐車位置」の一例に対応する。
【0026】
また、目標駐車位置決定部135は、第1目標駐車位置P3に車両1を停止したときに、第2目標駐車位置P4を決定する。
障害物検出部134が障害物RTを検出していない場合には、目標駐車位置決定部135は、ソナーユニット40の検出可能範囲に基づいて、第2目標駐車位置P41を決定する。第2目標駐車位置P41は、第2目標駐車位置P4の一例に対応する。
第2目標駐車位置P41については、後述にて、図4を参照して説明する。
第2目標駐車位置P41は、「補正された目標駐車位置」の一例に対応する。
【0027】
障害物検出部134が障害物RTを検出した場合には、目標駐車位置決定部135は、障害物RTの位置に基づいて、第2目標駐車位置P42を決定する。第2目標駐車位置P42は、第2目標駐車位置P4の一例に対応する。
第2目標駐車位置P42については、後述にて、図5を参照して説明する。
第2目標駐車位置P42は、「補正された目標駐車位置」の一例に対応する。
【0028】
また、障害物検出部134が障害物RTを検出した場合には、目標駐車位置決定部135は、走行制御部137の走行制御の精度に基づいて、第2目標駐車位置P42を決定する。
例えば、走行制御部137の走行制御の精度が高い程、障害物RTに近い位置に第2目標駐車位置P42を決定する。
また、小型車両、例えば軽自動車は、大型車両、例えば大型トラック、大型バス等と比較して、走行制御部137の走行制御の精度が高い。
したがって、車両1が小型車両である場合には、車両1が大型車両である場合と比較して、目標駐車位置決定部135は、障害物RTに近い位置に第2目標駐車位置P42を決定する。
【0029】
また、目標駐車位置決定部135は、第2目標駐車位置P41に車両1を停止したときに、第3目標駐車位置P5を決定する。
障害物検出部134が障害物RTを検出していない場合には、目標駐車位置決定部135は、ソナーユニット40の検出可能範囲に基づいて、第3目標駐車位置P5を決定する。
第3目標駐車位置P5については、後述にて、図6を参照して説明する。
【0030】
本実施形態では、目標駐車位置決定部135は、第1目標駐車位置P3に車両1を停止したときに、第2目標駐車位置P4を決定するが、これに限定されない。目標駐車位置決定部135は、第1目標駐車位置P3に向けて車両1の走行を開始した後に、第2目標駐車位置P4を決定すればよい。目標駐車位置決定部135は、例えば、第1目標駐車位置P3に向けて車両1の走行を開始し、車両1が第1目標駐車位置P3に停止するまでの間に、第2目標駐車位置P4を決定してもよい。この場合には、第1目標駐車位置P3に車両1を停止することなく、第2目標駐車位置P4に向けて車両1を走行させてもよい。
【0031】
経路生成部136は、駐車経路を生成する。経路生成部136は、マップ生成部133が生成したマップデータに基づき、障害物RTと接触せずに車両1を目標駐車位置に駐車させるための駐車経路を生成する。以下では、駐車支援の開始後、経路生成部136が最初に生成する駐車経路を駐車経路R1と記載する。経路生成部136は、生成した駐車経路R1を走行制御部137に出力する。
【0032】
走行制御部137は、経路生成部136が生成した駐車経路R1に基づいて車両1の走行を制御する制御情報を生成する。この制御情報は、駐車経路R1に沿って車両1を走行させるための情報であり、操舵、駆動、制動及び変速をそれぞれ制御する情報が含まれる。
走行制御部137は、生成した制御情報に基づいて、車両1の走行を制御する。例えば、走行制御部137は、駐車経路R1に沿って第1目標駐車位置P3まで車両1の走行を制御する。
【0033】
表示制御部138は、表示パネル61に表示させる表示データを生成し、生成した表示データを表示部60に出力する。
表示制御部138は、第1目標駐車位置P3に車両1を停止したときに、例えば、第2目標駐車位置P41を表示する駐車支援画面300、又は第2目標駐車位置P42を表示する駐車支援画面400を生成する。そして、表示制御部138は、駐車支援画面300、又は駐車支援画面400を表示パネル61に表示させる。
駐車支援画面300については、後述にて図4を参照して説明する。
駐車支援画面400については、後述にて図5を参照して説明する。
【0034】
また、表示制御部138は、第2目標駐車位置P41に車両1を停止したときに、例えば、第3目標駐車位置P5を表示する駐車支援画面500を生成する。そして、表示制御部138は、駐車支援画面500を表示パネル61に表示させる。
駐車支援画面500については、後述にて図6を参照して説明する。
【0035】
図2は、第1目標駐車位置P3、及び駐車経路R1の一例を示す平面図である。なお、図2図6に示す網掛け部は、車両1が走行できない領域、例えば、壁、建造物等を示す。
初期位置P1は、操作部50が、駐車支援処理の開始を指示する操作をユーザーから受け付けるときの車両1の位置を示す。
車両1が初期位置P1に配置されている状態で、操作部50が、駐車支援処理の開始を指示する操作をユーザーから受け付けたときには、目標駐車位置決定部135は、第1目標駐車位置P3を決定する。
第1目標駐車位置P3は、例えば、旗竿地の竿に対応する通路PWの出入口EEの近傍に決定される。旗竿地は、通路PWの出入口EEと反対側、すなわち、図2の下側に、例えば家屋等が配置される矩形状の敷地を備える。矩形状の敷地は、旗竿地の旗に対応する。
【0036】
経路生成部136が生成する駐車経路R1には、車両1が経路に沿った走行を開始した後、車両1を一旦停車させて車両1の進行方向を変更する経路が含まれる場合がある。進行方向の変更には、車両1の進行方向を前進から後進に変更する場合と、後進から前進に変更する場合とが含まれる。以下、進行方向の変更のため、車両1を一旦停車させる位置を中間位置P2という。中間位置P2には、車両1が左折する位置、車両1が右折する位置等を含めてもよい。
【0037】
図2に示すように、駐車経路R1が、例えば、駐車経路R11と駐車経路R12とによって構成される場合について説明する。駐車経路R11は、車両1を前進で走行させる区間であり、駐車経路R12は、車両1を後進で走行させる区間である。
【0038】
また、駐車経路R1は、初期位置P1、中間位置P2及び第1目標駐車位置P3を含む。
走行制御部137によって、車両1は、初期位置P1をスタートし、駐車経路R11に沿って中間位置P2に向けて前進で走行する。中間位置P2に到達すると車両1は一旦停車し、変速装置77を介して、進行方向を前進から後進に切り換える。その後、車両1は、駐車経路R12に沿って第1目標駐車位置P3に向けて後進で走行し、第1目標駐車位置P3に到達すると、車両1は停車する。
【0039】
車両範囲220は、中間位置P2における車両1の範囲を示す。車両範囲230は、第1目標駐車位置P3における車両1の範囲を示す。
図2に示すように、車両1が中間位置P2に到達したときに車両1が車両範囲220内に配置されるように、走行制御部137は、車両1の走行を制御する。
【0040】
図3は、第1目標駐車位置P3に停止した車両1の一例を示す平面図である。
図3に示すように、車両1が第1目標駐車位置P3に到達したときに車両1が車両範囲230内に配置されるように、走行制御部137は、車両1の走行を制御する。
また、第1目標駐車位置P3に車両1が停止した状態では、車両1の進行方向である図3における車両1の下側には、障害物がない。そこで、車両1は更に後進することが可能である。
【0041】
図4は、第1目標駐車位置P3に車両1が停止した状態で障害物検出部134が障害物RTを検出しない場合に、表示制御部138が表示パネル61に表示する駐車支援画面300の一例を示す画面図である。
駐車支援画面300には、車両1を上方から撮影した俯瞰画像BVが表示される。俯瞰画像BVは、図1に示すフロントカメラ31、リアカメラ33、左サイドカメラ35及び右サイドカメラ37の撮影画像を合成して生成される画像である。
俯瞰画像BVは、通路画像PWaを含む。通路画像PWaは、図2及び図3に示す通路PWに対応する。
【0042】
また、駐車支援画面300は、第1目標駐車位置画像P3a、車両範囲画像230a、第2目標駐車位置画像P41a、車両範囲画像240a、及び駐車経路画像R21aを含む。
第1目標駐車位置P3に車両1が停止した状態で障害物検出部134が障害物RTを検出しない場合には、目標駐車位置決定部135は、障害物検出部134の検出可能範囲に基づいて、第2目標駐車位置P41を決定する。経路生成部136は、マップ生成部133が生成したマップデータに基づき、障害物RTと接触せずに車両1を第2目標駐車位置P41に駐車させるための駐車経路R21を生成する。また、車両1が第2目標駐車位置P41に到達したときに車両1が車両範囲240内に配置されるように、走行制御部137は、車両1の走行を制御する。
【0043】
第1目標駐車位置画像P3aは、第1目標駐車位置P3を示す画像であり、車両範囲画像230aは、車両範囲230を示す画像である。図4では、車両範囲画像230aを破線で示している。
第2目標駐車位置画像P41aは、第2目標駐車位置P41を示す画像であり、車両範囲画像240aは、車両範囲240を示す画像である。図4では、車両範囲画像240aを実線で示している。
駐車経路画像R21aは、駐車経路R21を示す画像である。
【0044】
また、駐車支援画面300には、ガイダンス画像310が表示される。
ガイダンス画像310は、ガイダンス表示部311と、YESボタン312と、NOボタン313とを含む。
ガイダンス表示部311には、ユーザーに対するガイダンス情報が表示される。ガイダンス表示部311には、例えば、「追加して後進しますか?」とのガイダンス情報が表示される。
YESボタン312は、車両1を第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P41まで後進させる場合に、ユーザーによってタッチされる。YESボタン312がタッチされたことをタッチセンサ63が検出した場合には、走行制御部137は、車両1を第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P41まで後進させるように、操舵装置71、駆動装置73、制動装置75、及び変速装置77を制御する。
タッチセンサ63は、「受付部」の一例に対応する。
本実施形態では、タッチセンサ63がユーザーの指示を受け付ける場合について説明するが、操作部50がユーザーの指示を受け付けてもよい。
また、YESボタン312がタッチされ、車両1が第2目標駐車位置P41に到達し、走行制御部137によって車両1が車両範囲240内に停車された場合には、表示制御部138は表示パネル61に図6に示す駐車支援画面500を表示する。
NOボタン313は、車両1を第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P41まで後進させない場合に、ユーザーによってタッチされる。NOボタン313がタッチされた場合には、駐車支援装置100は、駐車支援処理を終了する。
【0045】
図5は、第1目標駐車位置P3に車両1が停止した状態で障害物検出部134が障害物RTを検出する場合に、表示制御部138が表示パネル61に表示する駐車支援画面400の一例を示す画面図である。
駐車支援画面400には、車両1を上方から撮影した俯瞰画像BVが表示される。
俯瞰画像BVは、通路画像PWa及び障害物画像RTaを含む。通路画像PWaは、図2及び図3に示す通路PWに対応する。障害物画像RTaは、通路PWに配置された障害物RTを示す。障害物RTは、例えば、通路PWの幅方向に沿って配列された3つの三角コーンである。
【0046】
また、駐車支援画面300は、第1目標駐車位置画像P3a、車両範囲画像230a、第2目標駐車位置画像P42a、車両範囲画像240a、及び駐車経路画像R22aを含む。
第1目標駐車位置P3に車両1が停止した状態で障害物検出部134が障害物RTを検出する場合には、目標駐車位置決定部135は、障害物RTの位置に基づいて、第2目標駐車位置P42を決定する。目標駐車位置決定部135は、例えば、障害物RTに対して進行方向について手前の位置に第2目標駐車位置P42を決定する。経路生成部136は、マップ生成部133が生成したマップデータに基づき、障害物RTと接触せずに車両1を第2目標駐車位置P42に駐車させるための駐車経路R22を生成する。また、車両1が第2目標駐車位置P42に到達したときに車両1が車両範囲250内に配置されるように、走行制御部137は、車両1の走行を制御する。
【0047】
第1目標駐車位置画像P3aは、第1目標駐車位置P3を示す画像であり、車両範囲画像230aは、車両範囲230を示す画像である。図5では、車両範囲画像230aを破線で示している。
第2目標駐車位置画像P42aは、第2目標駐車位置P42を示す画像であり、車両範囲画像250aは、車両範囲250を示す画像である。図5では、車両範囲画像250aを実線で示している。
駐車経路画像R22aは、駐車経路R22を示す画像である。
【0048】
また、駐車支援画面400には、ガイダンス画像410が表示される。
ガイダンス画像410は、図4に示すガイダンス画像310と同様に、ガイダンス表示部411と、YESボタン412と、NOボタン413とを含む。
ガイダンス表示部411、YESボタン412、及びNOボタン413の各々は、図4に示すガイダンス表示部311、YESボタン312、及びNOボタン313に対応するため、その説明を省略する。ただし、YESボタン412がタッチされた場合には、走行制御部137は、車両1を第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P42まで後進させるように、操舵装置71、駆動装置73、制動装置75、及び変速装置77を制御する。すなわち、図4では、車両1を第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P41まで後進させるのに対して、図5では、車両1を第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P42まで後進させる点で相違している。
また、YESボタン412がタッチされ、車両1が第2目標駐車位置P42に到達し、走行制御部137によって車両1が車両範囲250内に停車された場合には、駐車支援装置100は、駐車支援処理を終了する。
【0049】
本実施形態では、障害物RTが三角コーンである場合について説明したが、これに限定されない。障害物RTが車両1の走行を阻害、或いは規制する物体であればよい。障害物RTは、例えば、柱や壁等の建造物、車両1が走行可能な走行領域と駐車領域とを区画するポールや地面の区画線、他の車両等でもよい。
【0050】
図6は、第2目標駐車位置P41に車両1が停止した状態で障害物検出部134が障害物RTを検出しない場合に、表示制御部138が表示パネル61に表示する駐車支援画面500の一例を示す画面図である。
駐車支援画面500には、車両1を上方から撮影した俯瞰画像BVが表示される。
俯瞰画像BVは、通路画像PWaを含む。通路画像PWaは、図2及び図3に示す通路PWに対応する。
【0051】
また、駐車支援画面300は、第2目標駐車位置画像P41a、車両範囲画像240a、第3目標駐車位置画像P5a、車両範囲画像260a、及び駐車経路画像R3aを含む。
第2目標駐車位置P41に車両1が停止した状態で障害物検出部134が障害物RTを検出しない場合には、目標駐車位置決定部135は、障害物検出部134の検出可能範囲に基づいて、第3目標駐車位置P5を決定する。経路生成部136は、マップ生成部133が生成したマップデータに基づき、障害物RTと接触せずに車両1を第3目標駐車位置P5に駐車させるための駐車経路R3を生成する。また、車両1が第3目標駐車位置P5に到達したときに車両1が車両範囲260内に配置されるように、走行制御部137は、車両1の走行を制御する。
【0052】
第2目標駐車位置画像P41aは、第2目標駐車位置P41を示す画像であり、車両範囲画像240aは、車両範囲240を示す画像である。図6では、車両範囲画像240aを破線で示している。
第3目標駐車位置画像P5aは、第3目標駐車位置P5を示す画像であり、車両範囲画像260aは、車両範囲260を示す画像である。図6では、車両範囲画像260aを実線で示している。
駐車経路画像R3aは、駐車経路R3を示す画像である。
【0053】
また、駐車支援画面500には、ガイダンス画像510が表示される。
ガイダンス画像510は、図4に示すガイダンス画像310と同様に、ガイダンス表示部511と、YESボタン512と、NOボタン513とを含む。
ガイダンス表示部511、YESボタン512、及びNOボタン513の各々は、図4に示すガイダンス表示部311、YESボタン312、及びNOボタン313に対応するため、その説明を省略する。
【0054】
なお、YESボタン512がタッチされ、車両1が第3目標駐車位置P5に到達し、走行制御部137によって車両1が車両範囲260内に停車された場合には、表示制御部138は図略の駐車支援画面を表示パネル61に表示する。図略の駐車支援画面は、第3目標駐車位置画像P5a、及び第4目標駐車位置画像を含む。なお、第4目標駐車位置は、車両1が第3目標駐車位置P5に到達した場合に、目標駐車位置決定部135によって決定される目標駐車位置を示す。
このように、障害物検出部134が障害物RTを検出しない場合には、目標駐車位置決定部135は、目標駐車位置を繰り返し決定し、走行制御部137は、決定された目標駐車位置に停止するように車両1の走行を制御する。
【0055】
本実施形態では、図2図6を参照して説明したように、経路生成部136が、車両1を後進で目標駐車位置まで走行させる駐車経路を生成する場合について説明したが、これに限定されない。経路生成部136が、車両1を前進で目標駐車位置まで走行させる駐車経路を生成してもよい。
【0056】
また、本実施形態では、図2図6を参照して説明したように、旗竿地の竿に対応する通路PWに車両1を駐車する場合について説明したが、これに限定されない。前後方向のスペースが、車両1の前後方向の長さよりも長い場所に車両1を駐車する形態であればよい。例えば、車両1を前後方向に2台以上並べて駐車可能な駐車場に車両1を駐車する形態でもよい。
【0057】
図7及び図8は、駐車支援装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図7に示すように、ステップS101において、駐車支援装置100は、操作部50を介して、駐車支援処理の開始を指示する操作を受け付けたか否かを判定する。
駐車支援処理の開始を指示する操作を受け付けていないと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS101;NO)には、処理が待機状態になる。駐車支援処理の開始を指示する操作を受け付けたと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS101;YES)には、処理がステップS103に進む。
そして、ステップS103において、検出情報取得部132は、検出部20の検出結果を取得する。検出情報取得部132は、例えば、撮影部30の撮影画像、及びソナーユニット40の検出結果を取得する。
【0058】
次に、ステップS105において、位置取得部131は、車両1の位置を位置情報として取得し、マップ生成部133は、車両1の周囲の障害物RTや、車両1の位置をローカル座標系に記録したマップデータを生成する。
次に、ステップS107において、目標駐車位置決定部135は、駐車可能な領域の検出結果と、マップデータとに基づいて第1目標駐車位置P3を決定する。
次に、ステップS109において、経路生成部136は、駐車経路R1を生成する。
次に、ステップS111において、表示制御部138は、第1目標駐車位置P3及び駐車経路R1を含む駐車支援画面を表示パネル61に表示させる。
次に、ステップS113において、走行制御部137は、車両1の走行制御を実行し、駐車経路R1に沿って、車両1を第1目標駐車位置P3に走行させる。
次に、ステップS115において、検出情報取得部132は、検出部20の検出結果を取得する。
次に、ステップS117において、走行制御部137は、検出部20の検出結果に基づいて、車両1が第1目標駐車位置P3に到達したか否かを判定する。
車両1が第1目標駐車位置P3に到達していないと走行制御部137が判定した場合(ステップS117;NO)には、処理がステップS113に戻る。車両1が第1目標駐車位置P3に到達したと走行制御部137が判定した場合(ステップS117;YES)には、処理が図8のステップS119に進む。
【0059】
そして、図8に示すにように、ステップS119において、駐車支援装置100は、駐車支援処理を繰り返し実行する旨の設定がされているか否かを判定する。
本実施形態では、駐車支援オンスイッチが押下されて、駐車支援処理の実行が開始された場合には、駐車支援処理を繰り返し実行する旨の設定がされる。換言すれば、本実施形態では、第1目標駐車位置P3に到達した場合に、以下に示すように、第2目標駐車位置P4を決定し、ユーザーからの指示に基づいて、第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P4に車両を移動させる。
駐車支援処理を繰り返し実行する旨の設定がされていないと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS119;NO)には、処理が終了する。駐車支援処理を繰り返し実行する旨の設定がされていると駐車支援装置100が判定した場合(ステップS119;YES)には、処理がステップS121に進む。
そして、ステップS121において、検出情報取得部132は、検出部20の検出結果を取得する。
【0060】
次に、ステップS123において、位置取得部131は、車両1の位置を位置情報として取得し、マップ生成部133は、車両1の周囲の障害物RTや、車両1の位置をローカル座標系に記録したマップデータを生成する。
次に、ステップS125において、障害物検出部134は、マップ生成部133が生成したマップデータに基づいて、車両1の進行方向の障害物RTを検出したか否かを判定する。
障害物RTを検出したと障害物検出部134が判定した場合(ステップS125;YES)には、処理がステップS127に進む。
そして、ステップS127において、目標駐車位置決定部135は、障害物RTの位置に基づいて、第N目標駐車位置を決定する。回数Nは、駐車支援装置100が実行する駐車支援処理の回数を示す。ここで、回数Nの初期値は、「2」である。すなわち、目標駐車位置決定部135は、障害物RTの位置に基づいて、第2目標駐車位置P42を決定する。その後、処理がステップS131に進む。
障害物RTを検出していないと障害物検出部134が判定した場合(ステップS125;NO)には、処理がステップS129に進む。
そして、ステップS129において、目標駐車位置決定部135は、ソナーユニット40の検出可能範囲に基づいて、第N目標駐車位置を決定する。回数Nは、駐車支援装置100が実行する駐車支援処理の回数を示す。ここで、回数Nの初期値は、「2」である。すなわち、目標駐車位置決定部135は、ソナーユニット40の検出可能範囲に基づいて、第2目標駐車位置P41を決定する。
次に、ステップS131において、経路生成部136は、駐車経路R2を生成する。
次に、ステップS133において、表示制御部138は、駐車支援画面を表示パネル61に表示させる。例えば、ステップS125で障害物RTを検出したと障害物検出部134が判定した場合には、表示制御部138は、図5に示す駐車支援画面400を表示パネル61に表示させる。また、例えば、ステップS125で障害物RTを検出していないと障害物検出部134が判定した場合には、表示制御部138は、図4に示す駐車支援画面300を表示パネル61に表示させる。
【0061】
次に、ステップS135において、駐車支援装置100は、第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P41又は第2目標駐車位置P42への車両1の移動指示を受け付けたか否かを判定する。例えば、駐車支援装置100は、駐車支援画面300のYESボタン312、又は駐車支援画面400のYESボタン412のタッチを受け付けたか否かを判定する。
第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P4への車両1の移動指示を受け付けたと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS135;YES)には、処理がステップS139に進む。第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P4への車両1の移動指示を受け付けていないと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS135;NO)には、処理がステップS137に進む。
そして、ステップS137において、駐車支援装置100は、第1目標駐車位置P3からの追加走行の終了を受け付けたか否かを判定する。換言すれば、駐車支援装置100は、第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P4へ車両1を移動しないことを示す指示を受け付けたか否かを判定する。例えば、駐車支援装置100は、駐車支援画面300のNOボタン313、又は駐車支援画面400のNOボタン413のタッチを受け付けたか否かを判定する。
第1目標駐車位置P3からの追加走行の終了を受け付けたと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS137;YES)には、処理が終了する。第1目標駐車位置P3からの追加走行の終了を受け付けていないと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS137;NO)には、処理がステップS135に戻る。
【0062】
第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P4への車両1の移動指示を受け付けたと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS135;YES)には、ステップS139において、走行制御部137は、車両1の走行制御を実行し、駐車経路R2に沿って、車両1を第1目標駐車位置P3から第2目標駐車位置P4へ走行させる。
次に、ステップS141において、検出情報取得部132は、検出部20の検出結果を取得する。
次に、ステップS143において、走行制御部137は、検出部20の検出結果に基づいて、車両1が第N目標駐車位置、すなわち第2目標駐車位置P4に到達したか否かを判定する。
車両1が第N標駐車位置に到達していないと走行制御部137が判定した場合(ステップS143;NO)には、処理がステップS139に戻る。車両1が第N標駐車位置に到達したと走行制御部137が判定した場合(ステップS143;YES)には、処理がステップS145に進む。
そして、ステップS145において、駐車支援装置100が回数Nを1だけインクリメントする。その後、処理がステップS119に戻る。
【0063】
ステップS103は、「第1検出ステップ」の一例に対応する。ステップS107は、「第1位置決定ステップ」の一例に対応する。ステップS113は、「走行制御ステップ」の一例に対応する。ステップS121及びステップS125は、「第2検出ステップ」の一例に対応する。ステップS127及びステップS129は、「第2位置決定ステップ」の一例に対応する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の駐車支援装置100は、車両1の駐車を支援する駐車支援装置100であって、車両1の周囲の障害物RTを検出する障害物検出部134と、障害物検出部134の検出結果に基づいて、第1目標駐車位置P3を決定する目標駐車位置決定部135と、車両1を第1目標駐車位置P3に走行させる走行制御部137と、を備え、目標駐車位置決定部135は、第1目標駐車位置P3に向けて車両1の走行を開始した後、障害物検出部134の検出結果に基づいて、第1目標駐車位置P3と相違する第2目標駐車位置P4を決定する。
したがって、障害物検出部134の検出結果に基づいて、第1目標駐車位置P3と相違する第2目標駐車位置P4を決定するため、第1目標駐車位置P3よりも更に先に進んで駐車することが可能な場合には、更に先に進んだ第2目標駐車位置P4に駐車できる。
【0065】
また、目標駐車位置決定部135は、第1目標駐車位置P3に車両が停止したときに、第1目標駐車位置P3と相違する第2目標駐車位置P4を決定する。
したがって、第1目標駐車位置P3に車両が停止したときに、第2目標駐車位置P4を決定するため、適正なタイミングで第2目標駐車位置P4を決定できる。換言すれば、第1目標駐車位置P3に車両が停止したときに、第2目標駐車位置P4を決定するため、第2目標駐車位置P4に進むか否かをユーザーは余裕を持って決定できる。
【0066】
また、目標駐車位置決定部135は、障害物検出部134の検出可能範囲に基づいて、第2目標駐車位置P4を決定する。
したがって、障害物検出部134の検出可能範囲に基づいて第2目標駐車位置P4を決定するため、障害物RTが検出されない場合に、第2目標駐車位置P4を適正に決定できる。
【0067】
また、目標駐車位置決定部135は、障害物検出部134が障害物RTを検出した場合に、走行制御部137の走行制御の精度に基づいて、第2目標駐車位置P4を決定する。
したがって、障害物RTを検出した場合に、走行制御部137の走行制御の精度に基づいて第2目標駐車位置P4を決定するため、第2目標駐車位置P4を適正に決定できる。
【0068】
また、ユーザーからの指示を受け付けるタッチセンサ63を備え、走行制御部137は、タッチセンサ63がユーザーからの指示を受け付けた場合に、車両1を第2目標駐車位置P4まで走行させる。
よって、ユーザーからの指示を受け付けた場合に、車両1を第2目標駐車位置P4まで走行させるため、ユーザーの所望するタイミングで、車両1を第2目標駐車位置P4まで走行できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
【0069】
また、第1目標駐車位置P3、及び第2目標駐車位置P4を表示する表示制御部138を備える。
よって、第1目標駐車位置P3、及び第2目標駐車位置P4を表示するため、ユーザーは、第1目標駐車位置P3、及び第2目標駐車位置P4を確認できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
【0070】
また、本実施形態の駐車支援方法は、車両の駐車を支援する駐車支援方法であって、車両1の周囲の障害物RTを検出する第1検出ステップと、第1検出ステップでの検出結果に基づいて、第1目標駐車位置P3を決定する第1位置決定ステップと、車両1を第1目標駐車位置P3に走行させる走行制御ステップと、第1目標駐車位置P3に向けて車両1の走行を開始した後、車両1の周囲の障害物RTを検出する第2検出ステップと、第2検出ステップでの検出結果に基づいて、第1目標駐車位置P3と相違する第2目標駐車位置P4を決定する第2位置決定ステップと、を含む。
したがって、第2検出ステップでの検出結果に基づいて、第1目標駐車位置P3と相違する第2目標駐車位置P4を決定するため、第1目標駐車位置よりも更に先に進んで駐車することが可能な場合には、更に先に進んだ第2目標駐車位置P4に駐車できる。
【0071】
上述した本実施形態は、あくまでも本発明の一実施形態を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、図1は、本発明の理解を容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した図であり、構成要素は、処理内容に応じて、更に多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素が更に多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0072】
また、図1において、駐車支援装置100が、位置検出ユニット10及び検出部20の少なくとも一方を一体に備えてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、駐車支援装置100が、位置取得部131、検出情報取得部132、マップ生成部133、障害物検出部134、目標駐車位置決定部135、経路生成部136、走行制御部137及び表示制御部138を備えるが、これに限定されない。駐車支援装置100とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置が、位置取得部131、検出情報取得部132、マップ生成部133、障害物検出部134、目標駐車位置決定部135、経路生成部136、走行制御部137及び表示制御部138の少なくとも1つを備えてもよい。サーバ装置が、例えば、位置取得部131、マップ生成部133、障害物検出部134、目標駐車位置決定部135、及び経路生成部136を備えてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、駐車支援処理を実行中に、駐車支援オフスイッチが押下されるか、又は駐車支援画面のNOボタンがタッチされるまで、繰り返し駐車支援処理を実行するが、これに限定されない。例えば、駐車支援処理を実行する回数Nの最大値が予め設定されていてもよい。例えば、回数Nの最大値は、2回でもよいし、3回以上でもよい。
また、図5を参照して説明したように、障害物検出部134が車両1の周囲の障害物RTを検出した場合には、その後に、目標駐車位置決定部135は、目標駐車位置を1回だけ決定するようにしてもよい。この場合には、ユーザーの利便性を向上できる。
【0075】
また、本発明の駐車支援方法を、コンピュータを用いて実現する場合には、このコンピュータに実行させる制御プログラムを記録媒体、又はこの制御プログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。
記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、駐車支援装置100が備えるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
また、制御プログラムを、駐車支援装置100とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置から駐車支援装置100がダウンロードしてもよい。
【0076】
また、例えば、図7及び図8に示すフローチャートの処理単位は、駐車支援装置100の処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。駐車支援装置100の処理は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割してもよい。また、駐車支援装置100の処理は、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 車両
3 車載装置
5 障害物
10 位置検出ユニット
20 検出部
30 撮影部
40 ソナーユニット
50 操作部
60 表示部
61 表示パネル
63 タッチセンサ(受付部)
70 車両制御ユニット
71 操舵装置
73 駆動装置
75 制動装置
77 変速装置
100 駐車支援装置
110 メモリ
130 プロセッサ
131 位置取得部
132 検出情報取得部
133 マップ生成部
134 障害物検出部
135 目標駐車位置決定部
136 経路生成部
137 走行制御部
138 表示制御部
220、230、240、250、260 車両範囲
230a、240a、250a、260a 車両範囲画像
300、400、500 駐車支援画面
310、410、510 ガイダンス画像
311、411、511 ガイダンス表示部
312、412、512 YESボタン
313、413、513 NOボタン
BV 俯瞰画像
P1 初期位置
P2 中間位置
P3 第1目標駐車位置(目標駐車位置)
P3a 第1目標駐車位置画像
P41、P42、P4 第2目標駐車位置(補正された目標駐車位置)
P41a、P42a、P4a 第2目標駐車位置画像
P5 第3目標駐車位置
P5a 第3目標駐車位置画像
PW 通路
PWa 通路画像
R11、R12、R1 駐車経路
R21、R22、R2、R3 駐車経路
R21a、R22a、R2a、R3a 駐車経路画像
RT 障害物
RTa 障害物画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8