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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】設計支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/13 20200101AFI20241018BHJP
   G06F 30/27 20200101ALI20241018BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20241018BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241018BHJP
   E04B 1/00 20060101ALN20241018BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/27
G06F30/10
G06T19/00 A
E04B1/00 ESW
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020121712
(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公開番号】P2022024316
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 侑樹
(72)【発明者】
【氏名】石田 高義
(72)【発明者】
【氏名】亀森 淳也
(72)【発明者】
【氏名】内山 元希
(72)【発明者】
【氏名】川上 沢馬
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】前田 周作
(72)【発明者】
【氏名】和多田 遼
(72)【発明者】
【氏名】木下 拓也
(72)【発明者】
【氏名】松岡 康友
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 琢也
(72)【発明者】
【氏名】九嶋 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 周英
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 孝
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191954(JP,A)
【文献】特開2020-030786(JP,A)
【文献】特開平08-221463(JP,A)
【文献】特開2019-121386(JP,A)
【文献】特開2019-149148(JP,A)
【文献】植田 考哉ほか,"深層生成モデルに対する分類器を用いたファインチューニングと住宅設計への適用",情報処理学会 研究報告 コンピュータビジョンとイメージメディア (CVIM),情報処理学会,2018年03月01日,Vol.2018-CVIM-211 No.2,pp.1-2
【文献】Alireza Makhzani et al.,“Adversarial autoencoders”,International Conference on Learning Representations (ICLR) 2016 Workshop,2015年11月18日
【文献】Vincent Dumoulin et al.,Adversarially Learned Inference,International Conference on Learning Representations 2017 (ICLR 2017),2017年02月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/13
G06F 30/27
G06F 30/10
G06T 19/00
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の実績情報から得られた、当該建物のボリュームを表す画像と、前記ボリュームを表す画像に構造部材の位置を付加した画像とのペアを学習用データとして、複数の学習用データを用いて、建物のボリュームを表す画像を入力とし、構造部材を付与すべき位置情報を付加した付加画像を生成するための生成モデルを学習する学習部と、
設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力とし、構造部材を付与すべき位置情報を付加した付加画像を生成するための生成モデルを用いて、前記付加画像を生成する画像生成部と、
前記生成された前記付加画像に基づいて、前記設計対象の建物のボリュームに対する前記構造部材の配置を生成する構造部材生成部と、
を含み、
前記生成モデルは、エンコーダ及びデコーダを含む自己符号化器であり、
前記学習部は、前記複数の学習用データに基づいて、前記学習用データの、建物のボリュームを表す画像を入力したときに、当該学習用データの付加画像が出力されるように、前記生成モデルを学習することと、
前記生成モデルに、ノイズからなる画像を入力して生成された付加画像と、前記学習用データの付加画像とを、識別モデルに入力して、正しく識別できるように識別モデルを学習すると共に、前記識別モデルを騙せるように前記生成モデルを学習することと、
を予め定められた反復終了条件を満たすまで繰り返す
設計支援装置。
【請求項2】
前記入力される画像は、部屋の属性毎に色分けしたものであり、
前記付加画像は、部屋の属性毎に色分けした前記画像に、構造部材を付与すべき度合いに応じた画素値を付加したものである請求項記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記生成モデルは、前記ボリュームを表す画像と設計情報とを入力とし、前記付加画像を生成し、
前記画像生成部は、前記設計対象の建物のボリュームを表す画像及び前記設計対象の建物の設計情報を入力とし、前記生成モデルを用いて、前記付加画像を生成する請求項1又は2記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記生成された前記構造部材の配置を、前記ボリュームに重畳させて表示する表示部を更に含む請求項1~請求項の何れか1項記載の設計支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄骨構造物の基本事項データを入力する工程と、前記基本事項データと予め設定された所定の部材配置ルールとに基づいて鉄骨構造物の構造部材データを生成する工程とを備えたことを特徴とする鉄骨構造物の設計支援システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、意匠設計用CAD情報を入力し、意匠設計用CAD情報に含まれる複数の柱又は複数の壁の形状、寸法、及び位置を示す情報に基づいて建物の通り芯を示す情報を生成する構造解析用情報生成装置が知られている(例えば、特許文献2)。
【0004】
また、建物に含まれる全ての平面モジュールで使用される各製品部材の本数、当該各製品部材を切断することによって当該各製品部材より取得される構造部材の本数および当該各構造部材の大きさと配置される位置を示す情報を求める建物用CADシステムが知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-245040号公報
【文献】特開2008-158793号公報
【文献】特開2017-10413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、入力画面における基本事項データの入力完了後に、鉄骨構造物の構造部材データを生成して生成結果を表示する。しかしながら、上記特許文献1には、ボリュームを表す画像から構造部材を付与すべき位置を表した画像を生成することについては記載されていない。
【0007】
上記特許文献2に記載の技術では、建物のボリュームを含む意匠設計のCADデータから構造解析用のデータを一連の流れで作成する。しかしながら、上記特許文献2には、ボリュームを表す画像から構造部材を付与すべき位置を表した画像を生成することについては記載されていない。
【0008】
また、上記特許文献3には、ボリュームを表す画像から構造部材を付与すべき位置を表した画像を生成することについては記載されていない。
【0009】
本発明は上記事実を考慮して、簡易に、適切な構造部材の配置を生成することができ、建物の構造設計を支援することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る設計支援装置は、設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力とし、構造部材を付与すべき位置情報を付加した付加画像を生成するための生成モデルを用いて、前記付加画像を生成する画像生成部と、前記生成された前記付加画像に基づいて、前記設計対象の建物のボリュームに対する前記構造部材の配置を生成する構造部材生成部と、を含んで構成されている。
【0011】
本発明に係る設計支援装置によれば、画像生成部によって、設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力とし、構造部材を付与すべき位置情報を付加した付加画像を生成するための生成モデルを用いて、前記付加画像を生成する。そして、構造部材生成部によって、前記生成された前記付加画像に基づいて、前記設計対象の建物のボリュームに対する前記構造部材の配置を生成する。
【0012】
このように、設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力とし、構造部材を付与すべき位置情報を付加した付加画像を生成するための生成モデルを用いて、付加画像を生成し、付加画像に基づいて、前記設計対象の建物のボリュームに対する前記構造部材の配置を生成することにより、簡易に、適切な構造部材の配置を生成することができ、建物の構造設計を支援することができる。
【0013】
本発明に係る設計支援装置において、前記生成モデルは、建物の実績情報から得られた、当該建物のボリュームを表す画像と、前記ボリュームを表す画像に構造部材の位置を付加した画像とのペアを学習用データとして予め学習されたものである。これにより、建物の実績情報から得られるデータから、生成モデルを学習することができる。
【0014】
本発明に係る設計支援装置において、前記生成モデルは、エンコーダ及びデコーダを含む自己符号化器であり、GAN(Generative Adversarial Networks)を用いて予め学習されたものである。これにより、付加画像を精度よく生成する生成モデルを学習することができる。
【0015】
本発明に係る設計支援装置において、前記入力される画像は、部屋の属性毎に色分けしたものであり、前記付加画像は、部屋の属性毎に色分けした前記画像に、構造部材を付与すべき度合いに応じた画素値を付加したものである。これにより、部屋の属性に応じて付加画像を生成することができる。
【0016】
本発明に係る設計支援装置において、前記生成モデルは、前記ボリュームを表す画像と設計情報とを入力とし、前記付加画像を生成し、前記画像生成部は、前記設計対象の建物のボリュームを表す画像及び前記設計対象の建物の設計情報を入力とし、前記生成モデルを用いて、前記付加画像を生成することができる。これにより、建物の設計情報を考慮して付加画像を生成することができる。
【0017】
本発明に係る設計支援装置は、前記生成された前記構造部材の配置を、前記ボリュームに重畳させて表示する表示部を更に含むことができる。これにより、より効果的に、建物の構造設計を支援することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明の設計支援装置によれば、設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力とし、構造部材を付与すべき位置情報を付加した付加画像を生成するための生成モデルを用いて、付加画像を生成し、付加画像に基づいて、前記設計対象の建物のボリュームに対する前記構造部材の配置を生成することにより、簡易に、適切な構造部材の配置を生成することができ、建物の構造設計を支援することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る学習装置及び設計支援装置を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る学習装置を示す機能ブロック図である。
図3】建物のボリュームを表す画像の例を示す図である。
図4】(A)梁の位置を付加した付加画像の例を示す図、及び(B)柱の位置を付加した付加画像の例を示す図である。
図5】学習済みモデルの例を示す図である。
図6】GANの例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態に係る設計支援装置を示す機能ブロック図である。
図8】建物のボリュームの例を示す図である。
図9】建物のボリュームに柱の配置を重畳して表示する画面の例を示す図である。
図10】本発明の実施の形態に係る学習装置の学習処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施の形態に係る設計支援装置の設計支援処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図12】部屋の属性に応じて色分けした、建物のボリュームを表す画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
<本発明の形態の学習装置の構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る学習装置100は、CPU12、グラフィックカード13、GPU14、RAM16、HDD18、通信インタフェース21、及びこれらを相互に接続するためのバス23を備えている。
【0022】
CPU12、GPU14は、各種プログラムを実行する。RAM16は、CPU12による各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられる。記録媒体としてのHDD18には、後述する学習処理ルーチンを実行するためのプログラムを含む各種プログラムや各種データが記憶されている。
【0023】
本実施の形態における学習装置100を、学習処理ルーチンを実行するためのプログラムに沿って、機能ブロックで表すと、図2に示すようになる。学習装置100は、入力部10、演算部20、及び出力部50を備えている。
【0024】
入力部10は、建物の実績情報から得られた、当該建物のボリュームを表す画像と、ボリューム画像に構造部材の位置を付加した画像と、のペアを含む学習用データを入力として受け付ける。
【0025】
具体的には、建物の実績情報から、図3に示すような、建物のボリュームを表す画像と、図4に示すような、構造部材の位置を付加した画像とを作成しておく。図3では、各画素値が、ボリュームに該当するか否かを示す0又は1となる、建物のボリュームを表す画像の例を示している。図4(A)では、建物のボリュームを表す画像に対して、梁の位置を付加した画像の例を示しており、図4(B)では、建物のボリュームを表す画像に対して、柱の位置を付加した画像の例を示している。そして、当該建物のボリュームを表す画像と、ボリューム画像に構造部材の位置を付加した画像と、のペアを含む学習用データを受け付ける。
【0026】
本実施の形態では、この学習用データを、構造部材の種類(柱、梁、壁、ブレース等)毎に受け付ける。
【0027】
演算部20は、学習部22を備えている。
【0028】
学習部22は、入力部10により受け付けた複数の学習用データに基づいて、構造部材の種類毎に、学習済みモデルを得る。
【0029】
具体的には、学習済みモデルは、建物のボリュームを表す画像を入力データとし、構造部材を付与すべき位置に対応する画素に、付与すべき度合いに応じた画素値を付加した付加画像を出力データとする。例えば、図5に示されるように、学習済みモデルの一例としてエンコーダ及びデコーダを含む自己符号化器を用いることができ、学習アルゴリズムの一例として、GANを用いることができる(図6)。図5では、建物のボリュームを表す画像の各画素値x1、x2、・・・、xmを入力データとし、エンコーダにより、潜在変数y(x)に変換し、デコーダにより、付加画像の各画素値を出力する例を示している。図6では、学習済みモデルである生成モデルに、ノイズからなる画像zを入力して生成された付加画像と、建物の実績情報から得られた真の付加画像とを、真のデータであるか否かを識別する識別モデルに入力して、正しく識別できるように識別モデルを学習すると共に、生成した付加画像が識別モデルによって真のデータであると識別されるように生成モデルを学習する例を示している。
【0030】
また、学習用データの、建物のボリュームを表す画像を入力したときに、当該学習用データの付加画像が出力されるように、学習済みモデルである生成モデルが学習される。
【0031】
本実施の形態では、構造部材の種類(柱、梁、壁、ブレース等)毎に、学習済みモデルを生成する。
【0032】
<本発明の形態の設計支援装置の構成>
上記図1に示すように、本発明の実施の形態に係る設計支援装置200は、学習装置100と同様に、CPU12、グラフィックカード13、GPU14、RAM16、HDD18、通信インタフェース21、及びこれらを相互に接続するためのバス23を備えている。
【0033】
CPU12、GPU14は、各種プログラムを実行する。RAM16は、CPU12による各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられる。記録媒体としてのHDD18には、後述する設計支援処理ルーチンを実行するためのプログラムを含む各種プログラムや各種データが記憶されている。
【0034】
本実施の形態における設計支援装置200を、設計支援処理ルーチンを実行するためのプログラムに沿って、機能ブロックで表すと、図7に示すようになる。設計支援装置200は、入力部110、演算部120、及び出力部150を備えている。
【0035】
入力部110は、設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力として受け付ける。例えば、図8に示すような、設計対象の建物のボリュームの3次元空間を、2次元平面に投影した画像を入力として受け付ける。
【0036】
演算部120は、画像生成部122、モデル記憶部124、構造部材生成部126、及び表示部128を備えている。
【0037】
画像生成部122は、構造部材の種類毎に、入力された設計対象の建物のボリュームを表す画像から、学習済みモデルを用いて、付加画像を生成する。
【0038】
モデル記憶部124には、学習装置100によって構造部材の種類毎に学習された学習済みモデルが記憶されている。
【0039】
構造部材生成部126は、構造部材の種類毎に、生成された付加画像に基づいて、構造部材の配置を生成する。具体的には、構造部材の種類毎に、付加画像から、構造部材を付与すべき度合いが閾値以上となる位置に対して構造部材を設けるように、構造部材の配置を生成する。
【0040】
表示部128は、構造部材の種類毎に、生成された構造部材の配置を、ボリュームに重畳させて、出力部150により表示する(図9)。図9では、設計対象の建物のボリュームに、生成された柱の配置を重畳させて表示する例を示している。
【0041】
<学習装置の動作>
次に、本発明の実施の形態に係る学習装置100の動作について説明する。
【0042】
入力部10によって、構造部材の種類毎に、建物の実績情報から得られた、当該建物のボリュームを表す画像と、ボリューム画像に構造部材の位置を付加した画像と、のペアを含む複数の学習用データを入力として受け付ける。そして、学習装置100によって、図10に示す学習処理ルーチンが実行される。
【0043】
まず、ステップS100において、学習部22は、入力部10により受け付けた複数の学習用データに基づいて、構造部材の種類毎に、学習用データの、建物のボリュームを表す画像を入力したときに、当該学習用データの付加画像が出力されるように、学習済みモデルである生成モデルを学習する。
【0044】
ステップS102では、学習部22は、構造部材の種類毎に、学習済みモデルである生成モデルに、ノイズからなる画像zを入力して生成された付加画像と、学習用データの付加画像とを、識別モデルに入力して、正しく識別できるように識別モデルを学習すると共に、識別モデルを騙せるように学習済みモデルである生成モデルを学習する。
【0045】
ステップS104では、予め定められた反復終了条件を満たすか否かを判定し、反復終了条件を満たさない場合には、上記ステップS100へ戻り、一方、反復終了条件を満たす場合には、学習処理ルーチンを終了する。ここで、反復終了条件は、例えば、反復回数が上限回数に到達したことである。
【0046】
<設計支援装置の動作>
次に、本発明の実施の形態に係る設計支援装置200の動作について説明する。
【0047】
まず、学習装置100によって学習された構造部材の種類毎の学習済みモデルに関するデータが、モデル記憶部124に格納される。
【0048】
そして、入力部110によって、設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力として受け付けると、設計支援装置200によって、図11に示す設計支援処理ルーチンが実行される。
【0049】
まず、ステップS110において、画像生成部122は、入力された設計対象の建物のボリュームを表す画像を取得する。
【0050】
ステップS112では、画像生成部122は、構造部材の種類毎に、入力された設計対象の建物のボリュームを表す画像から、学習済みモデルを用いて、付加画像を生成する。
【0051】
ステップS114では、構造部材生成部126は、構造部材の種類毎に、生成された付加画像に基づいて、構造部材の配置を生成する。
【0052】
ステップS116では、表示部128は、構造部材の種類毎に、生成された構造部材の配置を、ボリュームに重畳させて、出力部150により表示し、設計支援処理ルーチンを終了する。
【0053】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る設計支援装置によれば、設計対象の建物のボリュームを表す画像を入力とし、構造部材を付与すべき位置情報を付加した付加画像を生成するための生成モデルを用いて、付加画像を生成し、付加画像に基づいて、設計対象の建物のボリュームに対する構造部材の配置を生成することにより、簡易に、適切な構造部材の配置を生成することができ、建物の構造設計を支援することができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0055】
例えば、上述した実施形態では、入力として、建物のボリュームのみを2次元平面に投影した画像を用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、図12に示すように、建物のボリュームを表し、かつ、部屋の属性毎に色分けした画像を入力としてもよい。この場合、この部屋の属性毎に色分けした画像に、付与すべき度合いに応じた画素値を付加した付加画像を出力するようにすればよい。例えば、部屋の用途や、積載荷重の大小、無柱空間であるか、といった設計条件毎に色分けした画像を入力としてもよい。
【0056】
また、生成モデルは、建物のボリュームを表す画像と設計情報とを入力とし、付加画像を生成するようにしてもよい。この場合には、設計対象の建物の設計情報を更に入力として受け付け、建物のボリュームを表す画像と設計情報とを、生成モデルに入力して、付加画像を生成するようにすればよい。
【0057】
また、学習装置と設計支援装置とが別々の装置として構成されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、学習装置と設計支援装置とを一つの装置として構成してもよい。
【0058】
また、本発明のプログラムは、記憶媒体に格納して提供するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10、110 入力部
20、120 演算部
22 学習部
50、150 出力部
100 学習装置
122 画像生成部
124 モデル記憶部
126 構造部材生成部
128 表示部
200 設計支援装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12