(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/20 20060101AFI20241018BHJP
A47K 3/02 20060101ALI20241018BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20241018BHJP
A61H 9/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47K3/20
A47K3/02
A47K3/00 E
A61H23/00 520
(21)【出願番号】P 2020155337
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 壱成
(72)【発明者】
【氏名】松下 圭太
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-277925(JP,A)
【文献】特開平06-154114(JP,A)
【文献】特開2019-013482(JP,A)
【文献】実開平06-017732(JP,U)
【文献】特開2019-010532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0154951(US,A1)
【文献】特開2017-104192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/20
A47K 3/02
A47K 3/00
A61H 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の水を圧送するポンプと、
前記ポンプの下流に接続される第1流路と、
前記第1流路の下流に接続され三方弁である第1弁と、
前記第1弁の下流に接続され前記第1弁を介して分岐する第2流路および第3流路と、
前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路のいずれかの流路から分岐する第4流路と、
前記第4流路および前記第4流路の分岐位置のいずれかに設けられる第2弁と、を有
し、
前記第4流路は、前記第1流路から分岐し、
前記第2弁は、前記第4流路に設けられる吐水装置。
【請求項2】
前記第4流路の流量は、前記第2流路の流量と
前記第3流路の流量とを合わせた値よりも少ない
請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
浴槽の水を圧送するポンプと、
前記ポンプの下流に接続される第1流路と、
前記第1流路の下流に接続され三方弁である第1弁と、
前記第1弁の下流に接続され前記第1弁を介して分岐する第2流路および第3流路と、
前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路のいずれかの流路から分岐する第4流路と、
前記第4流路および前記第4流路の分岐位置のいずれかに設けられる第2弁と、を有
し、
前記第4流路は、前記第2流路および前記第3流路のいずれかの流路から分岐し、
前記第2弁は、三方弁であり前記第4流路の分岐位置に設けられる吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽の水や湯を循環させて入浴者の肩にかけたり、腰に噴射したりしてマッサージ効果を与える吐水装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。本明細書における「水」は、冷水および温水(湯)を含む用語として用いられる。このような吐水装置は、1つのポンプから入浴者の肩への吐水と、腰への吐水とを行う場合、ポンプの下流に三方弁などの切替弁を設けて肩への吐水と、腰への吐水とを切り替えている。このような吐水装置において、マッサージ効果をより高めるために、入浴者の肩や腰への吐水の他に、首への吐水を追加することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
首への吐水も肩や腰と同じポンプから行う場合、肩への吐水と、腰への吐水とを切り替えるための切替弁の他に、首への吐水に切り替えるための切替弁を追加する必要がある。切替弁は、その種類や設置位置によって、切り替える吐水の組み合わせが限定されたり、施工性が悪くなったりすることがある。切替弁の数が増えたり、使用可能な切替弁の機能が限定されたりするため、設置スペースを広く確保する必要があるとともに、コストが増えてしまうという問題もある。
【0005】
本開示は、3つの流路への切り替えを可能とするとともに、簡便な構造で省スペース化を図ることができる吐水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る吐水装置は、浴槽の水を圧送するポンプと、前記ポンプの下流に接続される第1流路と、前記第1流路の下流に接続され三方弁である第1弁と、前記第1弁の下流に接続され、前記第1弁を介して分岐する第2流路および第3流路と、前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路のいずれかの流路に設けられる第2弁と、前記第2弁の下流に接続される第4流路と、を有し、前記第4流路は、前記第1流路から分岐し、前記第2弁は、前記第4流路に設けられる。
上記目的を達成するため、本開示に係る吐水装置は、浴槽の水を圧送するポンプと、前記ポンプの下流に接続される第1流路と、前記第1流路の下流に接続され三方弁である第1弁と、前記第1弁の下流に接続され、前記第1弁を介して分岐する第2流路および第3流路と、前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路のいずれかの流路に設けられる第2弁と、前記第2弁の下流に接続される第4流路と、を有し、前記第4流路は、前記第2流路および前記第3流路のいずれかの流路から分岐し、前記第2弁は、三方弁であり前記第4流路の分岐位置に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態による吐水装置を示す図である。
【
図2】第1実施形態による吐水装置を示す模式図である。
【
図3】第2実施形態による吐水装置を示す模式図である。
【
図4】第3実施形態による吐水装置を示す模式図である。
【
図5】第4実施形態による吐水装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態による吐水装置1は、浴槽2に設置され、浴槽2に溜められている水や湯を循環させて入浴者11の肩、首および腰に吐水するように構成されている。浴槽2に溜められ、吐水装置1によって入浴者11にかけられる水や湯を「浴槽水21」と表記する。吐水装置1は、肩吐水部311と、腰吐水部321と、首吐水部331と、を有している。肩吐水部311は、浴槽水21を入浴者11の肩に吐水する肩吐水口31を備える。腰吐水部321は、浴槽水21を入浴者11の腰に吐水する腰吐水口32を備える。首吐水部331は、浴槽水21を入浴者11の首に吐水する首吐水口33を備える。肩吐水口31および首吐水口33は、浴槽2の水位よりも上方に位置している。腰吐水口32は、浴槽2の水位よりも下方に位置している。肩吐水口31は、横方向に延びるスリット状に形成され、浴槽水21を膜状に吐水する。腰吐水口32は、丸孔状に形成され、浴槽水21を線状に噴射する。腰吐水口32は、複数設けられていてもよい。首吐水口33は、丸孔状に形成され、浴槽水21を線状に噴射する。首吐水口33は、複数設けられていてもよい。首吐水口33からの吐水は、肩吐水口31からの吐水および腰吐水口32からの吐水よりも流量が少ない。
【0009】
図2に示すように、吐水装置1は、ポンプ3と、第1流路41と、第2流路42と、第3流路43と、第4流路44と、第1弁51と、第2弁52と、制御部34(
図1参照)と、を有している。ポンプ3は、浴槽水21(
図1参照)を圧送する。第1流路41は、ポンプ3の下流に接続される。第1弁51は、第1流路41の下流に接続される。第2流路42および第3流路43は、第1弁51の下流に接続され、第1弁51を介して分岐する。第4流路44は、第1弁51よりも上流において第1流路41から分岐する。第2弁52は、第4流路44に設けられる。制御部34は、ポンプ3、第1弁51および第2弁52を制御する。第2流路42は、肩吐水口31に接続されている。第3流路43は、腰吐水口32に接続されている。第4流路44は、首吐水口33に接続されている。第1流路41-第4流路44はいずれも管体が形成している。
【0010】
第1弁51は、三方弁である。第1弁51は、第1流路41からの浴槽水21を第2流路42のみに流すモード(肩吐水モードとする)、第3流路43のみに流すモード(腰吐水モードとする)、第2流路42および第3流路43の両方に流すモード(肩腰吐水モードとする)、のいずれかに切り替え可能に構成されている。第1弁51は、第2流路42および第3流路43の両方に浴槽水21を流さないモード(肩腰吐水停止モード)も切り替え可能であってもよい。例えば、第1弁51がボール弁の場合、ボールの回転角度を調整することによって、上記の4つのモードに対応することができる。
【0011】
第2弁52は、二方弁である。第2弁52は、第1流路41から分岐して第4流路44に流入した浴槽水21が更に下流側へ流れることを切り替え可能に構成されている。第2弁52が開放されると第4流路44に浴槽水21が流れる。第2弁52が閉鎖されると第4流路44には浴槽水21が流れない。第1流路41および第2流路42は、第3流路43および第4流路44よりも流路の径(流路の断面積)が大きい。これにより、ポンプから圧送された浴槽水21の流れは、第1流路41および第2流路42を通る流れがメインの流れとなる。第4流路44の流量は、第2流路42および第3流路43それぞれの流量を合わせた流量よりも少ない。
【0012】
吐水装置1は、ポンプ3から圧送された浴槽水21が、第1流路41に流れ、一部がそのまま第1流路41を流れて第1弁51に達し、残りが第1流路41の下流の第1弁51よりも上流で第4流路44に流入する。第1弁51に達した浴槽水21は、第1弁51の切り替えによって、第2流路42のみ、第3流路43のみ、および第2流路42および第3流路43の両方、のいずれかに流入する。浴槽水21が第2流路42のみに流入する場合は、肩吐水口31から浴槽2に吐水される。浴槽水21が第3流路43のみに流入する場合は、腰吐水口32から浴槽2に吐水される。浴槽水21が、第2流路42および第3流路43に流入する場合は、肩吐水口31および腰吐水口32の両方から浴槽2に吐水される。第4流路44に流入した浴槽水21は、第2弁52が開放されていると、第4流路44を流れ、首吐水口33から浴槽2へ吐水される。第4流路44に流入した浴槽水21は、第2弁52が閉鎖されていると第4流路44を流れず、首吐水口33から吐水されない。
【0013】
制御部34は、入浴者11が操作したスイッチ35(
図1参照)の信号に応じて、ポンプ3、第1弁51および第2弁52の駆動を制御する。肩吐水口31からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁52を閉鎖するとともに、第1弁51を肩吐水モードとする。これにより、第1流路41を流れる浴槽水21は、第2流路42のみに流入する。浴槽水21は、第1流路41から第2流路42を通って肩吐水口31から浴槽2に吐水される。腰吐水口32からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁52を閉鎖するとともに、第1弁51を腰吐水モードとする。これにより、第1流路41を流れる浴槽水21は、第3流路43のみに流入するとする。浴槽水21は、第1流路41から第3流路43を通って腰吐水口32から浴槽2に吐水される。
【0014】
肩吐水口31および腰吐水口32の両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁52を閉鎖するとともに、第1弁51を肩腰吐水モードとする。第1流路41を流れる浴槽水21は、を第2流路42および第3流路43とする。浴槽水21は、第1流路41から第2流路42に流入し肩吐水口31から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路41から第3流路43に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水される。
【0015】
肩吐水口31および首吐水口33の両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁52を開放するとともに、第1弁51を肩吐水モードとする。第1流路41を流れる浴槽水21は、第2流路42および第4流路44に流入する。浴槽水21は、第1流路41から第2流路42に流入し肩吐水口31から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路41から第4流路44に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。腰吐水口32および首吐水口33の両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁52を開放するとともに、第1弁51を腰吐水モードとする。第1流路41を流れる浴槽水21は、第3流路43および第4流路44に流入する。浴槽水21は、第1流路41から第3流路43に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路41から第4流路44に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。
【0016】
肩吐水口31、腰吐水口32および首吐水口33の全てからの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁52を開放するとともに、第1弁51を肩腰吐水モードとする。第1流路41を流れる浴槽水21は、第2流路42、第3流路43および第4流路44に流入する。浴槽水21は、第1流路41から第2流路42に流入し肩吐水口31から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路41から第3流路43に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水され、さらに第1流路41から第4流路44に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。
【0017】
首吐水口33からの吐水のみを行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁52を開放するとともに、第1弁51を肩腰吐水停止モードとする。第1流路41を流れる浴槽水21は、第4流路44のみに流入する。浴槽水21は、第1流路41から第4流路44に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。
【0018】
第1実施形態による吐水装置1は、肩吐水口31からの吐水と腰吐水口32からの吐水とを切り替える三方弁(第1弁51)の他に二方弁(第2弁52)を設けることで、肩吐水口31からの吐水、腰吐水口32からの吐水、首吐水口33からの吐水の3種類の吐水を切り替えることが可能である。二方弁は、三方弁や電磁弁と比べて、構造が簡便でサイズが小さいため、第2弁52に三方弁や電磁弁を採用する場合と比べて、吐水装置1を簡便な構造とし、設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0019】
第1実施形態による吐水装置1では、第4流路44が第1流路41から分岐し、第4流路44に第2弁52が設けられている。これにより、第2弁52を閉鎖すれば第1弁51を切り替えることで、肩吐水口31からの吐水および首吐水口33からの吐水の切り替えを行うことができる。
【0020】
第1実施形態による吐水装置1では、第4流路44の流量は、第2流路42および第3流路43それぞれの流量を合わせた流量よりも少ない。これにより、第4流路44が第2流路42および第3流路43よりも上流において第1流路41から分岐していても、第4流路44とともに第2流路42および第3流路43の一方または両方に浴槽水21を流す場合に第2流路42および第3流路43の一方または両方の流量を確保することができる。例えば、第2流路42および第4流路44の両方に浴槽水21を流して肩吐水口31からの吐水および首吐水口33からの吐水の両方を行う場合に第2流路42の流量、すなわち肩吐水口31からの吐水量を確保することができる。
【0021】
(他の実施形態)
上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0022】
(第2実施形態)
図3に示すように、第2実施形態による吐水装置1Bは、ポンプ3と、第1流路61と、第2流路62と、第3流路63と、第4流路64と、第1弁71と、第2弁72と、制御部34(
図1参照)と、を有している。ポンプ3は、浴槽水21(
図1参照)を圧送する。第1流路61は、ポンプ3の下流に接続される。第1弁71は、第1流路61の下流に接続される。第2流路62および第3流路63は、それぞれ第1弁71の下流に接続され、第1弁71を介して分岐する。第4流路64は、第2流路62から分岐する。第2弁72は、第4流路64に設けられる。制御部34は、ポンプ3、第1弁71および第2弁72を制御する。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第2流路62は、肩吐水口31に接続されている。第3流路63は、腰吐水口32に接続されている。第4流路64は、首吐水口33に接続されている。第1流路61および第2流路62は、第3流路63および第4流路64よりも流路の径(流路の断面積)が大きい。
【0023】
第1弁71は、三方弁である。第1弁71は、第1流路61を流れる浴槽水21を第2流路62のみに流すモード(肩吐水モードとする)、第3流路63のみに流すモード(腰吐水モードとする)、および第2流路62および第3流路63の両方に流すモード(肩腰吐水モードとする)、のいずれかに切り替え可能に構成されている。
【0024】
第2弁72は、二方弁である。第2流路62から分岐して第4流路64に流入した浴槽水21が下流側へ流れることを切り替え可能に構成されている。
【0025】
第2実施形態においても制御部34は、入浴者11が操作したスイッチ35(
図1参照)の信号に応じて、ポンプ3、第1弁71および第2弁72の駆動を制御する。肩吐水口31からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁72を閉鎖するとともに、第1弁71を肩吐水モードとする。第1流路61を流れる浴槽水21は、第2流路62のみに流入する。浴槽水21は、第1流路61から第2流路62に流入し肩吐水口31から浴槽2に吐水される。腰吐水口32からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁72を閉鎖するとともに、第1弁71を腰吐水モードとする。第1流路61を流れる浴槽水21は、第3流路63のみに流入する。浴槽水21は、第1流路61から第3流路63に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水される。
【0026】
肩吐水口31および腰吐水口32両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁72を閉鎖するとともに、第1弁71を肩腰吐水モードとする。第1流路61を流れる浴槽水21は、第2流路62および第3流路63に流入する。浴槽水21は、第1流路61から第2流路62に流入し肩吐水口31から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路61から第3流路63に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水される。肩吐水口31および首吐水口33の両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁72を開放するとともに、第1弁71を肩吐水モードとする。第1流路61を流れる浴槽水21は、第2流路62に流入し、第2流路62から第4流路64にも流入する。浴槽水21は、第2流路62を流れて肩吐水口31から浴槽2に吐水されるとともに、第2流路62から第4流路64に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。
【0027】
肩吐水口31、腰吐水口32および首吐水口33の全てからの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁72を開放するとともに、第1弁71を肩腰吐水モードとする。第1流路61を流れる浴槽水21は、第2流路62および第3流路63に流入し、第2流路62から第4流路64にも流入する。浴槽水21は、第2流路62を流れ肩吐水口31から浴槽2に吐水されるとともに、第3流路63を流れ腰吐水口32から浴槽2に吐水され、さらに第2流路62から第4流路64に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。
【0028】
第2実施形態による吐水装置1Bでは、第4流路64が第2流路62から分岐しているため、浴槽水21を第2流路62に流さずに第4流路64に流すことができない。このため、肩吐水口31からの吐水を行わずに、首吐水口33から吐水することができない構成となっている。
【0029】
第2実施形態による吐水装置1Bでは、肩吐水口31からの吐水と腰吐水口32からの吐水とを切り替える三方弁(第1弁71)の他に二方弁(第2弁72)を設けることで、肩吐水口31からの吐水、腰吐水口32からの吐水、肩吐水口31からの吐水の3種類の吐水を切り替えることが可能である。二方弁は、三方弁と比べて、構造が簡便でサイズが小さいため、第2弁72にも三方弁を設ける場合と比べて、吐水装置1Bを簡便な構造とし、設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0030】
第2実施形態による吐水装置1Bでは、第4流路64が第2流路62から分岐し、第4流路64に第2弁72が設けられている。これにより、第2実施形態による吐水装置1Bは、肩吐水口31からの吐水を行わずに、首吐水口33から吐水することができない構成となるが、このような構成を前提とする場合に、簡便な構造となり、設置スペースの省スペース化を図ることができるとともに、吐水の切り替えの制御の簡便化を図ることができる。
【0031】
(第3実施形態)
図4に示すように、第3実施形態による吐水装置1Cは、ポンプ3と、第1流路81と、第2流路82と、第3流路83と、第4流路84と、第1弁91と、第2弁92と、制御部34(
図1参照))と、を有している。ポンプ3は、浴槽水21(
図1参照)を圧送する。第1流路81は、ポンプ3の下流に接続される。第1弁91は、第1流路81の下流に接続される。第2流路82および第3流路83は、それぞれ第1弁91の下流に接続され、第1弁91を介して分岐する。第4流路84は、第2流路82から分岐される。第2弁92は、第4流路84の分岐位置に設けられる。制御部34は、ポンプ3、第1弁91および第2弁92を制御する。第2流路82のうちの第2弁92よりも上流側を第2流路上流側821とし、第2弁92よりも下流側を第2流路下流側822とする。第3実施形態では、第2流路82が肩吐水口31に接続され、第4流路84が首吐水口33に接続され、第3流路83が腰吐水口32に接続されている。第1流路81、第2流路82は、第3流路83および第4流路84よりも流路の径(流路の断面積)が大きい。
【0032】
第1弁91は、三方弁である。第1弁91は、第1流路81を流れる浴槽水21を第2流路82のみに流入させるモード(第1吐水肩首モードとする)、第3流路83のみに流入させるモード(腰吐水モードとする)、および第2流路82および第3流路83の両方に流入させるモード(肩首腰吐水モードとする)、のいずれかに切り替え可能に構成されている。
【0033】
第2弁92は、三方弁である。第2弁92は、第1流路81から第2流路82に流入した浴槽水21を第2流路上流側821から第2流路下流側822のみに流入させるモード(肩吐水モードとする)、第2流路上流側821から第4流路84のみに流入させるモード(首吐水モードとする)、および第2流路上流側821から第2流路下流側822および第4流路84の両方に流入させるモード(第2肩首吐水モードとする)、のいずれかに切り替え可能に構成されている。
【0034】
第3実施形態においても制御部34は、入浴者11が操作したスイッチ35(
図1参照)の信号に応じて、ポンプ3、第1弁91および第2弁92の駆動を制御する。肩吐水口31からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第1弁91を第1肩首吐水モードとするとともに、第2弁92を肩吐水モードとする。浴槽水21は、第1流路81、第2流路上流側821および第2流路下流側822を流れて肩吐水口31から浴槽2に吐水される。腰吐水口32からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第1弁91を腰吐水モードとする。第1流路81を流れる浴槽水21は、第3流路83のみに流入する。浴槽水21は、第1流路81から第3流路83に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水される。
【0035】
肩吐水口31および腰吐水口32両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第1弁91を肩首腰吐水モードとするとともに、第2弁92を肩吐水モードとする。浴槽水21は、第1流路81から第2流路上流側821、第2流路下流側822に流入し肩吐水口31から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路81から第3流路83に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水される。肩吐水口31および首吐水口33の両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第1弁91を第1肩首吐水モードとし、第2弁92を第2肩首吐水モードとする。浴槽水21は、第1流路81から第2流路上流側821に流入し、第2流路上流側821から第2流路下流側822および第4流路84に流入し肩吐水口31および首吐水口33の両方から浴槽2に吐水される。
【0036】
腰吐水口32および首吐水口33の両方からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第1弁91を肩首腰吐水モードとし、第2弁92を首モードとする。浴槽水21は、第1流路81から第3流路83に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路81から第2流路上流側821、第4流路84に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。肩吐水口31、腰吐水口32および首吐水口33の全てからの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第1弁91を肩首腰吐水モードとするとともに、第2弁92を第2肩首モードとする。浴槽水21は、第1流路81から第2流路上流側821に流入し、第2流路上流側821から第2流路下流側822および第4流路84に流入して肩吐水口31および首吐水口33から浴槽2に吐水されるとともに、第1流路81から第3流路83に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水される。
【0037】
第3実施形態による吐水装置1Cでは、第4流路84は、第2流路82から分岐し、第2弁92は、三方弁であり第4流路84の分岐位置に設けられている。これにより、肩吐水口31からの吐水、腰吐水口32からの吐水、首吐水口33からの吐水の3種類の流路からの吐水を容易に切り替えることできる。このため、第3実施形態による吐水装置1Cでは、吐水の切り替えの制御が単純となる。
【0038】
(第4実施形態)
図5に示すように、第4実施形態による吐水装置1Dは、ポンプ3と、第1流路121と、第2流路122と、第3流路123と、第4流路124と、第1弁131と、第2弁132と、第3弁133と、制御部34(
図1参照)と、を有している。ポンプ3は、浴槽水21(
図1参照)を圧送する。第1流路121は、ポンプ3の下流に接続される。第1弁131は、第1流路121の下流に接続される。第2流路122は、第1弁131の下流に接続される。第3流路123は、第1弁131よりも上流において第1流路121から分岐する。第2弁132は、第3流路123に設けられる。第4流路124は、第3流路123よりも上流において第1流路121から分岐する。第3弁133は、第4流路124に設けられる。制御部34は、ポンプ3、第1弁131、第2弁132および第3弁133を制御する。第2流路122は、肩吐水口31に接続されている。第3流路123は、腰吐水口32に接続されている。第4流路124は、首吐水口33に接続されている。
【0039】
第1弁131は、二方弁である。第1弁131は開放されると、第1流路121からの浴槽水21を第2流路122に流入し、閉鎖されると第1流路121からの浴槽水21を第2流路122に流入しないように切り替え可能に構成されている。第2弁132は、二方弁である。第1弁131は開放されると、第1流路121からの浴槽水21を第3流路123に流入し、閉鎖されると第1流路121からの浴槽水21を第3流路123に流入しないように切り替え可能に構成されている。第3弁133は、二方弁である。第3弁133は開放されると、第1流路121からの浴槽水21を第4流路124に流入し、閉鎖されると第1流路121からの浴槽水21を第4流路124に流入しないように切り替え可能に構成されている。第1流路121および第2流路122は、第3流路123および第4流路124よりも流路の径(流路の断面積)が大きい。
【0040】
吐水装置1Dは、ポンプ3から圧送された浴槽水21が、第1流路121に流れ、一部がそのまま第1流路121を流れ、残りが第1流路121の下流の第1弁131よりも上流で第2流路122および第3流路123の両方に流入する。
【0041】
制御部34は、入浴者11が操作したスイッチ35(
図1参照)の信号に応じて、ポンプ3、第1弁131、第2弁132および第3弁133の駆動を制御する。肩吐水口31からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第1弁131を開放するとともに、第2弁132および第3弁133を閉鎖する。浴槽水21は、第1流路121から第2流路122に流入し肩吐水口31から浴槽2に吐水される。腰吐水口32からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第2弁132を開放するとともに、第1弁131および第3弁133を閉鎖する。浴槽水21は、第1流路121から第3流路123に流入し腰吐水口32から浴槽2に吐水される。首吐水口33からの吐水を行う場合は、ポンプ3を作動し、第3弁133を開放するとともに、第1弁131および第2弁132を閉鎖する。浴槽水21は、第1流路121から第4流路124に流入し首吐水口33から浴槽2に吐水される。
【0042】
第4実施形態では、肩吐水口31からの吐水、腰吐水口32からの吐水、首吐水口33からの吐水の組み合わせは、第1弁131、第2弁132および第3弁133の切り替えによって容易に行うことができる。いずれの組み合わせの場合も、肩吐水口31からの吐水を行う場合は第1弁131を開放し、肩吐水口31からの吐水を行わない場合は第1弁131を閉鎖する。首吐水口33からの吐水を行う場合は第3弁133を開放し、首吐水口33からの吐水を行わない場合は第3弁133を閉鎖する。腰吐水口32からの吐水を行う場合は第2弁132を開放し、腰吐水口32からの吐水を行わない場合は第2弁132を閉鎖する。
【0043】
第4実施形態による吐水装置1Dでは、肩吐水口31からの吐水、腰吐水口32からの吐水、首吐水口33からの吐水の組み合わせを容易に行うことができる。これにより、吐水の切り替えの制御を容易に行うことができる。
【0044】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。上記の実施形態では、3種類の吐水が、肩吐水口31からの吐水、腰吐水口32からの吐水、首吐水口33からの吐水である。吐水される位置は上記以外であってもよい。上記の第1実施形態では、第4流路44が第1流路41から分岐し、第2実施形態および第3実施形態では、第4流路64,84が第2流路62,82から分岐している。第4流路は、第1流路、第2流路および第3流路のいずれ流路から分岐していてもよい。
【0045】
上記の実施形態では、第1流路、第2流路の径(流路の断面積)が他の流路よりも大きいが、各流路の径は適宜設定されてよい。上記の第1実施形態では、第4流路44の流量は、第2流路42および第3流路43それぞれの流量を合わせた流量よりも少ない。各流路の流量は適宜設定されてよい。
【符号の説明】
【0046】
1,1B,1C,1D 吐水装置、2 浴槽、3 ポンプ、21 浴槽水(浴槽の水)、41,61,81,121 第1流路、42,62,82,122 第2流路、43,63,83,123 第3流路、44,64,84,124 第4流路、51,71,91,131 第1弁、52,72,92,132 第2弁、85 第5流路(第2流路)