(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】荷物配送システム、構外配送システム、構内配送システム、荷物配送方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241018BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/083
G16Y10/40
(21)【出願番号】P 2020189526
(22)【出願日】2020-11-13
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆史
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-123379(JP,A)
【文献】特開2020-160524(JP,A)
【文献】特開2019-108219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムと、前記構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムとの間で前記荷物の配送情報を連携する荷物配送システムであり、
前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記荷物の配送先の建物に導入された前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶部と、
前記構内配送システムにおける
セキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する取得部と、
前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ
、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる第1の出力制御部と
を備える、荷物配送システム。
【請求項2】
前記構内配送システムが導入された建物を示す建物情報を記憶する建物情報記憶部と、
前記建物情報を参照し、前記配送先が前記構内配送システムを導入された建物である場合、前記第1の識別情報を含む前記荷物の荷物情報を前記構内配送システムへ送信させる第2の出力制御部と、
をさらに備える、請求項
1に記載の荷物配送システム。
【請求項3】
前記荷物情報は、前記荷物の受取者及び前記荷物の到着予定日時を示す情報を含み、
前記荷物情報に基づき、前記荷物の配送スケジュールを設定するスケジュール設定部、
をさらに備える、請求項
2に記載の荷物配送システム。
【請求項4】
前記特定の情報は、前記荷物の配送状況を示す情報である、
請求項1~請求項
3のいずれか1項に記載の荷物配送システム。
【請求項5】
建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムであって、
建物の構内で荷物の配送を行う構内配送システムが導入された建物を示す建物情報を記憶する建物情報記憶部と、
前記建物情報を参照し、前記荷物の配送先が前記構内配送システムを導入された建物である場合、前記荷物の第1の識別情報を含む前記荷物の荷物情報を前記構内配送システムへ送信させる出力制御部と、
前記荷物情報を前記配送先の建物に導入された前記構内配送システムへ送信し、前記荷物情報を送信した前記構内配送システムから
、前記構内配送システムにおけるセキュリティ設定に基づき前記荷物の配送情報
から取得される特定の情報を
、API(Application Programming Interface)による制御に応じて受信する通信部と
を備える、構外配送システム。
【請求項6】
建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムであって、
前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶部と、
前記構内配送システムにおける
セキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する取得部と、
前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ
、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる出力制御部と、
前記構外配送システムから前記第1の識別情報を受信し、前記特定の情報を前記構外配送システムへ送信する通信部と
を備える、構内配送システム。
【請求項7】
建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムと、前記構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムとの間で前記荷物の配送情報を連携する荷物配送方法であり、
対応情報記憶部が、前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記荷物の配送先の建物に導入された前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する過程と、
取得部が、前記構内配送システムにおける
セキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する過程と、
第1の出力制御部が、前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ
、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる過程と
を含む、荷物配送方法。
【請求項8】
建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムと、前記構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムとの間で前記荷物の配送情報を連携する荷物配送システムとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記荷物の配送先の建物に導入された前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶部と、
前記構内配送システムにおける
セキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する取得部と、
前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ
、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる第1の出力制御部と
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物配送システム、構外配送システム、構内配送システム、荷物配送方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の配送において、配送状況が情報化され、アプリケーションやウェブサイトを通じて荷物の配送状況の追跡が可能になっている(例えば特許文献1)。また、荷物の配送システムのサービスと、eコマース(電子商取引:Electronic Commerce)サイトのサービスや、インターネットオークションのサービス、コンビニエンスストアや宅配ロッカーのシステムなどとの間で、API(Application Programming Interface)で配送情報を連携させ、発送や受け取りの作業を容易にするなどの工夫がなされている。
【0003】
また、荷物の配送をロボットにより行う自動配送が提案されている(例えば特許文献2)。荷物の配送ロボットとしては、建物のエレベータ制御や3次元地図などとロボット制御を連携させ、建物内で階をまたいで自律配送を可能にするものが開発されている。また、例えば、特許文献3には、建物内のロッカー等の設備について、使用状況をセンシングし、ユーザに与えられたセキュリティレベルに応じて開示する仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4130311号公報
【文献】特表2019-502975号公報
【文献】特開2019-204350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建物の構内でのロボットによる自動配送が可能になると、情報化によってより効率的できめ細かいサービスができるようになる。例えば、受取人の在宅時に受け取れるよう細かく時間を指定して配達したり、受取人が違う部屋にいる場合に別の部屋に荷物を配達したり等のサービスが考えられる。
【0006】
構内配送としてロボットが配備されると、スケールメリットのために複数のフロアやテナントをまたいだ自動配送が行われることが予想される。建物の構内では、社内便や個別配送として自動配送が日常的に機能し、建物の構外から荷物が届くと建物の集荷室にて一括で荷受けし、自動配送用のロボットに乗せ換える運用が考えられる。
【0007】
しかしながら、建物の構内での移動の経路や、配達場所などは、受取人にとっては詳細に知りたい情報であるが、建物の構外(社外)の依頼人や物流業者に対しては開示すべき情報ではない。また、複数テナントが入居する建物の場合、構内自動配送システムの管理者は、建物全体の配送状況をモニタリングする必要があるが、同じ建物内でもテナント毎に見えてもよい詳細情報は異なる。一方、依頼人や物流業者に対しては、詳細は通知せずとも、配達が完了したかなど重要なポイントは通知する必要がある。
【0008】
上述の課題を鑑み、本発明は、建物の構外における荷物の配送情報と建物の構内における荷物の配送情報をセキュアに連携することが可能な荷物配送システム、構外配送システム、構内配送システム、荷物配送方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を鑑み本発明の一態様に係る荷物配送システムは、建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムと、前記構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムとの間で前記荷物の配送情報を連携する荷物配送システムであり、前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記荷物の配送先の建物に導入された前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶部と、前記構内配送システムにおけるセキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する取得部と、前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる第1の出力制御部とを備える。
【0010】
本発明の一態様に係る構外配送システムは、建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムであって、建物の構内で荷物の配送を行う構内配送システムが導入された建物を示す建物情報を記憶する建物情報記憶部と、前記建物情報を参照し、前記荷物の配送先が前記構内配送システムを導入された建物である場合、前記荷物の第1の識別情報を含む前記荷物の荷物情報を前記構内配送システムへ送信させる出力制御部と、前記荷物情報を前記配送先の建物に導入された前記構内配送システムへ送信し、前記荷物情報を送信した前記構内配送システムから、前記構内配送システムにおけるセキュリティ設定に基づき前記荷物の配送情報から取得される特定の情報を、API(Application Programming Interface)による制御に応じて受信する通信部とを備える。
【0011】
本発明の一態様に係る構内配送システムは、建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムであって、前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶部と、前記構内配送システムにおけるセキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する取得部と、前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる出力制御部と、前記構外配送システムから前記第1の識別情報を受信し、前記特定の情報を前記構外配送システムへ送信する通信部とを備える。
【0012】
本発明の一態様に係る荷物配送方法は、建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムと、前記構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムとの間で前記荷物の配送情報を連携する荷物配送方法であり、対応情報記憶部が、前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記荷物の配送先の建物に導入された前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する過程と、取得部が、前記構内配送システムにおけるセキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する過程と、第1の出力制御部が、前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる過程とを含む。
【0013】
本発明の一態様に係るプログラムは、建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムと、前記構外配送システムが建物へ配送した前記荷物の配送を建物の構内で行う構内配送システムとの間で前記荷物の配送情報を連携する荷物配送システムとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記構外配送システムが発行する前記荷物の第1の識別情報と前記荷物の配送先の建物に導入された前記構内配送システムが発行する前記荷物の第2の識別情報を対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶部と、前記構内配送システムにおけるセキュリティ設定に基づき、前記荷物の配送情報から特定の情報を取得する取得部と、前記対応情報を参照し、前記特定の情報が取得された前記荷物の前記第2の識別情報と対応する前記第1の識別情報を発行した前記構外配送システムへ、API(Application Programming Interface)による制御に応じて前記特定の情報を送信させる第1の出力制御部ととして機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システムでの荷物の配送情報と、建物の構内で荷物の配送を行う構内配送システムとの間で、配送完了のような特定の配送情報に限って、APIにより情報を共有している。そのため、本発明は、建物の構内における荷物の配送情報と建物の構外における荷物の配送情報をセキュアに連携することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る荷物配送システムの概要の説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る配送業者管理装置の概要を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る構内配送管理装置の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る荷物配送システム1は、複数テナントが入居するビルディングの各部屋に荷物を届ける場合や、複数の部署からなる会社の各部署に荷物を届ける場合のように、1つの建物若しくは物理的に1つの建物として扱える建造物の各所に荷物を届けるのに利用される。以下、1つの建物若しくは物理的に1つの建物として扱える建造物を、単に建物と称する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る荷物配送システム1の概要の説明図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る荷物配送システム1は、建物31の構外で荷物の配送を行う構外配送システム2と、建物31の構内で荷物の配送を行う構内配送システム3との間で荷物の配送情報を連携して荷物の配送を行う。
【0018】
構外配送システム2は、配送業者により構築されている配送システムである。構内配送システム3は、その建物31に設置されたマテリアルハンドリングシステム50のサポートにより構内配送を行う建物独自の配送システムである。マテリアルハンドリングシステム50は、建物31における荷物の配送に関するシステムである。マテリアルハンドリングシステム50は、荷物の移動に関わる資材や機械等で構成される。本実施形態のマテリアルハンドリングシステム50は、
図1に示す自動ピッキングマシン51や配送ロボット52のように自動化された機械を含み、これらの自動化された機械によってマテリアルハンドリングが行われる構成となっている。なお、自動化された機械はかかる例に限定されない。例えば、荷物の自動仕分けが可能なベルトコンベヤ等であってもよい。また、マテリアルハンドリングシステム50は、必ずしも自動化された機械を含んでいなくてもよいし、マテリアルハンドリングが人によって行われる構成を含んでいてもよい。人が行うマテリアルハンドリングの一例として、例えば、荷物に付与された1次元バーコードや2次元バーコード等をバーコードリーダで読み取り、荷物を所定の位置に置く作業が挙げられる。
【0019】
図1において、配送業者管理装置10は、構外配送システム2の中核となる装置である。配送業者管理装置10は、建物31の構外において、配送業者が発行する追跡番号(第1の識別情報)を基に、荷物の現在地や、発送、通過、配送完了のステータス等、構外での荷物の配送情報の管理を行っている。また、配送業者管理装置10は、荷物が建物31の構外にある場合には、API(Application Programming Interface)により、配送完了のような、配送業者や依頼人に開示してよい特定の配送情報のみ共有できる。なお、ここでは、1つの配送業者管理装置10のみを図示しているが、配送業者管理装置10は、業者毎に、複数あってもよい。また、管理している荷物の位置やステータスは、業者ごとに独自のものであってもよい。
【0020】
構内配送管理装置11は、構内配送システム3での中核となる装置である。構内配送管理装置11は、マテリアルハンドリングシステム50を構成する自動ピッキングマシン51、配送ロボット52と、無線或いは有線で接続されている。構内配送管理装置11は、マテリアルハンドリングシステム50を構成する各機器の情報から、建物31の構内での荷物の現在地やステータスを取得して、構内での荷物の配送情報を管理している。また、構内配送管理装置11は、無線或いは有線でインターネット15に接続されている。構内配送管理装置11は、構内で配送される荷物を管理する際に、荷物ごとに管理番号(第2の識別情報)を発行し、各荷物に付与する。この管理番号は、配送業者が発行する追跡番号と対応付けて保存される。配送業者や依頼人に開示してよい特定の配送情報について、APIにより配送業者管理装置10に送信するときには、構内配送管理装置11は管理番号に対応する追跡番号を読み出し、追跡番号と対応付けて配送情報を配送業者管理装置10に送信する。なお、ここでは、1つの構内配送管理装置11のみを図示しているが、構内配送管理装置11は、構内配送システム3が導入されている建物毎に、複数設けられている。
【0021】
アドレス管理データベース12(建物情報記憶部)は、構内配送システム3が導入された建物を示す建物情報を記憶する。建物情報は、例えば、物理的な建物の住所と構内配送管理装置11のネットワーク上のアドレス(例えばIPアドレス(Internet Protocol Address))とを対応付けた情報である。即ち、アドレス管理データベース12は、物理的な建物の住所から、構内配送管理装置11のネットワーク上のIPアドレスを知らせるデータベースである。アドレス管理データベース12は、建物の住所を入力すると、その建物に構内配送システム3が備えられていれば、その構内配送システム3を管理している構内配送管理装置11のIPアドレスを出力する。アドレス管理データベース12は、例えばインターネット15上のサイトとして設けられる。アドレス管理データベース12をインターネット15上のサイトとして設けた場合には、多数の配送業者がアドレス管理データベース12を利用しやすいとともに、アドレス管理データベース12の更新が容易である。なお、アドレス管理データベース12は、配送業者管理装置10の機能の一部として提供してもよい。
なお、建物情報は、IPアドレス等のアドレスに限定されない。例えば、建物情報は、URL(Uniform Resource Locator)(又はドメイン名)であってもよい。この場合、アドレス管理データベース12から出力されるURLに含まれるドメイン名あるいは直接出力されるドメイン名に基づき、DNS(Domain Name System)を参照してIPアドレスを取得することが可能である。また、取得したIPアドレスへアクセスする際の通信方式は特に限定されず、例えばP2P(Peer to Peer)型であってもよいし、クライアントサーバ型であってもよい。
【0022】
APIサーバ13は、配送業者管理装置10と構内配送管理装置11とを連携させるAPIを提供している。配送業者管理装置10と構内配送管理装置11とを連携させるAPIとしては、構内配送システム3で収集される建物31の構内における配送情報の中で、依頼人や配送業者に知られてもよい配送情報(特定の情報)だけを、構内配送管理装置11から配送業者管理装置10に知らせるものが含まれる。特定の情報は、例えば、荷物が配送中であることを示す情報や荷物の配送が完了したことを示す情報などの配送状況を示す情報(以下、「配送状況情報」とも称される)等であるAPIサーバ13は、配送業者管理装置10や構内配送管理装置11の機能の一部として提供してもよい。
【0023】
配送事業者端末21は、配送業者45の担当者が操作する端末である。配送事業者端末21は、独自ネットワーク網或いはインターネット15を介して、配送業者管理装置10に接続されている。配送事業者端末21は、PC、携帯情報端末、タブレット端末等により実現される。配送事業者端末21には、依頼人40からの荷物の配送を受け付けるときに、追跡番号と対応させて、受取人の住所、氏名、配送先の住所、氏名等の情報が入力される。
【0024】
依頼人携帯端末22は、荷物の依頼人40のユーザ端末である。受取人携帯端末23は、荷物の受取人41のユーザ端末である。依頼人携帯端末22及び受取人携帯端末23は、PC(Personal Computer)、携帯情報端末、タブレット端末等により実現される。依頼人携帯端末22及び受取人携帯端末23は、インターネット15を介して、配送業者管理装置10に接続でき、アプリケーションプログラムやウェブページで、荷物の発送依頼や受取確認、依頼した荷物の現在位置やステータスの確認等を行える。なお、受取人携帯端末23については、構内配送管理装置11と接続可能としておき、受取人携帯端末23で、構内の荷物の配送状況を取得できるようにしてもよい。また、受取人携帯端末23を使って、荷物の配送に関する各種のサービスを設定できるようにしてもよい。
【0025】
構内配送機器端末24は、自動ピッキングマシン51や配送ロボット52等からなるマテリアルハンドリングシステム50を管理する端末である。構内配送機器端末24は、構内配送管理装置11に接続されている。構内配送機器端末24は、PC、携帯情報端末、タブレット端末等により実現される。また、構内配送機器端末24は、荷物にバーコード等により付加されている追跡番号を読み取ることができる。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る配送業者管理装置10の概要を示すブロック図である。
図2に示すように、配送業者管理装置10は、通信部100、制御部101、及び記憶部103を備える。
【0027】
通信部100は、インターネット15を介して、各種情報の送受信を行う機能を有する。なお、通信部100による通信は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。通信部100は、例えば、依頼人40による荷物の配送の依頼時に、配送事業者端末21から荷物の追跡番号、荷物の受取者を示す受取者情報、荷物の到着予定日時を示す日時情報等を受信する。また、通信部100は、例えば、構外配送システム2によって配送先の建物へ配送される荷物の荷物情報を、配送先の建物に導入された構内配送システム3へ送信する。荷物情報には、例えば、荷物の追跡番号が含まれる。また、荷物情報には、追跡番号以外に、例えば受取者情報、日時情報等が含まれてもよい。また、通信部100は、荷物情報を送信した構内配送システム3から、構内配送システム3における荷物の配送情報に含まれる特定の情報を受信する。また、通信部100は、構内配送システム3から受信した特定の情報を、依頼人携帯端末22へ送信する。配送業者管理装置10や依頼人携帯端末22は、構内配送管理装置11から送信される特定の情報により、建物31の構内の配送情報について、必要な情報だけ共有できる。
【0028】
制御部101は、配送業者管理装置10の動作全般を制御する機能を有する。制御部101は、例えば、配送業者管理装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように制御部101は、出力制御部102(第2の出力制御部)を備える。
【0029】
出力制御部102は、配送業者管理装置10における出力を制御する。例えば、出力制御部102は、荷物情報の出力を制御する。具体的に、出力制御部102は、アドレス管理データベース12に記憶された建物情報を参照し、荷物の配送先が構内配送システム3が導入された建物であるか否かを判定する。荷物の配送先が構内配送システム3が導入された建物であったとする。この場合、出力制御部102は、当該建物に導入された構内配送管理装置11のIPアドレスに基づき、追跡番号を含む荷物の荷物情報を通信部100から構内配送システム3へ送信させる。
【0030】
記憶部103は、配送業者管理装置10がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部103は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部103は、荷物の荷物情報を記憶する。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係る構内配送管理装置11の概要を示すブロック図である。
図3に示すように、構内配送管理装置11は、通信部110、制御部111、対応情報記憶部116、配送情報記憶部117、サービス情報記憶部118、及び機器インターフェース部119を備える。
【0032】
通信部110は、インターネット15を介して、各種情報の送受信を行う機能を有する。なお、通信部110による通信は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。通信部110は、例えば、構外配送システム2から追跡番号を含む荷物情報を受信する。また、通信部110は、例えば、配送情報に含まれる特定の情報を構外配送システム2へ送信する。
【0033】
制御部111は、構内配送管理装置11の動作全般を制御する機能を有する。制御部111は、例えば、構内配送管理装置11がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図3に示すように制御部111は、管理番号発行部112、スケジュール設定部113、取得部114、及び出力制御部115(第1の出力制御部)を備える。
【0034】
管理番号発行部112は、構内配送システム3によって建物31の構内で配送される荷物の管理番号を発行する。建物31内での荷物の追跡は、この管理番号に基づいて行われる。なお、配送業者の追跡番号とは別に管理番号が独自に発行されるのは、構内便や他の物流業者から持ち込まれた荷物も、同一の構内配送システム3上で扱われるためである。
例えば、管理番号発行部112は、通信部110が構外配送システム2の配送業者管理装置10から追跡番号を含む荷物情報を受信すると、当該追跡番号が付与された荷物の管理番号を発行する。管理番号発行部112は、追跡番号と発行した管理番号とを対応づけた情報を対応情報として対応情報記憶部116に記憶させる。
【0035】
スケジュール設定部113は、荷物情報に基づき、構内配送システム3が荷物を構内で配送する際の配送スケジュールを設定する。例えば、スケジュール設定部113は、荷物情報に含まれる受取者情報や日時情報に基づき、各荷物の配送順を決定する。
【0036】
取得部114は、各種情報を取得する。例えば、取得部114は、配送情報を取得する。具体的に、取得部114は、マテリアルハンドリングシステム50を構成する各機器の情報から、建物31の構内での荷物の現在地やステータス等の配送情報を取得する。取得部114は、取得した配送情報を配送情報記憶部117に記憶させる。
また、取得部114は、配送情報から特定の情報を取得する。例えば、取得部114は、取得した配送情報から配送状況情報を取得する。具体的に、取得部114は、構内配送システム3におけるセキュリティ設定に基づき、荷物の配送情報から特定の情報を取得する。セキュリティ設定は、例えば、建物ごとに、建物の管理者によって設定され得る。
【0037】
出力制御部115は、構内配送管理装置11における出力を制御する。例えば、出力制御部115は、後述の対応情報記憶部116に記憶されている対応情報を参照し、特定の情報が取得された荷物の管理番号と対応する追跡番号を取得する。出力制御部115は、取得した追跡番号を発行した構外配送システム2へ、特定の情報を通信部110から送信させる。出力制御部115は、例えば、APIによる制御に応じて特定の情報を構外配送システム2の配送業者管理装置10へ通信部110から送信させる。
また、出力制御部115は、各ユーザ(受取人)へ提供するサービスを制御する。例えば、出力制御部115は、後述のサービス情報記憶部118に記憶されているサービス情報に基づいて、各ユーザに、荷物の配送に関する各種のサービスを提供する。サービスとしては、以下のものが考えられる。
【0038】
(a)受取人の部屋へ荷物を配達する。
(b)宅配ボックスへ荷物を配達する。
(c)受取人の端末の位置情報から、受取人の現在の居場所へ荷物を配達する。
(d)別の部屋へ荷物を転送する。
(e)配送ロボットや宅配ボックスからの情報によって配送完了を示す情報を受取人の端末に通知する。
(f)配送ロボットの情報から配達の所要時間を予測する。
(g)荷物を一時保管し、あらかじめ予約された時間に、指定の場所に荷物を配達する。
【0039】
対応情報記憶部116、配送情報記憶部117、及びサービス情報記憶部118は、構内配送管理装置11がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。対応情報記憶部116は、構外配送システム2が発行する荷物の追跡番号と、当該荷物の配送先の建物に導入された構内配送システム3が発行する荷物の管理番号を対応付けた対応情報を記憶する。配送情報記憶部117は、建物の構内で配送されている荷物の現在地やステータス等を示す配送情報を記憶する。サービス情報記憶部118は、ユーザごとに設定されたサービスを示すサービス情報を記憶する。
【0040】
機器インターフェース部119は、マテリアルハンドリングシステム50を構成する自動ピッキングマシン51や配送ロボット52、及び構内配送機器端末24との接続インターフェースである。機器インターフェース部119としては、無線による接続であっても、有線による接続であってもよい。
【0041】
次に、本発明の実施形態に係る荷物配送システム1での処理について説明する。
この例では、依頼人40が建物31内の一室を受取人住所として、受取人41に荷物30の配送を依頼する例について説明する。
【0042】
依頼人40は配送業者45に出向き、荷物30の配送を依頼する。なお、依頼人40が配送業者45に行かず、配送業者45の担当者が荷物30を集荷してもよい。このとき、依頼人40は、受取人の住所、氏名を含む伝票の記入を行う。また、このとき、荷物30を識別するために、一意の追跡番号が発行される。荷物30には、バーコード等で追跡番号が付加され、また、依頼人40が依頼した荷物30の情報は、配送事業者端末21から入力され、追跡番号に対応させて、配送業者管理装置10に登録される。
【0043】
配送業者管理装置10は、受取人の住所をアドレス管理データベース12に送る。前述したように、アドレス管理データベース12は、構内配送システム3が導入されている建物の住所と、その建物に対応する構内配送管理装置11のIPアドレスとの関係を示すデータベースを有している。アドレス管理データベース12は、受取人の住所を入力すると、このデータベースを参照して、受取人となる住所の建物に構内配送システム3が備えられているか否かを判定する。構内配送システム3が備えられている場合、アドレス管理データベース12は、その構内配送システム3を管理している構内配送管理装置11のIPアドレスを返す。これにより、配送業者管理装置10は、荷物の受取先の建物を管理している構内配送管理装置11のIPアドレスを取得できる。
【0044】
配送業者管理装置10は、IPアドレスを取得すると、そのIPアドレスで指定される構内配送管理装置11に対して、追跡番号を知らせる。
【0045】
構内配送管理装置11は、追跡番号を受け取ると、構内管理用の管理番号を予約発行する。そして、構内配送管理装置11は、管理番号と追跡番号とを対応付けて、対応情報記憶部116に記憶させる。
【0046】
配送業者45は、配送車46により、受取人41がいる建物31まで、荷物30を配送する。配送業者45が依頼人40から荷物30を引き受け、建物31に着く前までの間の荷物は、配送業者で発行した追跡番号をキー項目として、配送業者管理装置10で追跡できる。
【0047】
荷物30が建物31まで届けられると、荷物30は配送車46から降ろされる。ここから先の荷物30の管理は、構内配送システム3で行われることになる。
【0048】
荷物30が建物31の構内に配送されると、荷物30に付加されている配送業者45の追跡番号が構内配送機器端末24により読み取られる。なお、バーコードの読み取りは、バーコードリーダ、携帯情報端末のカメラ、ベルトコンベア上などでの自動判別、ロボットの入力装置等、任意の手段によって行われてよい。読み取られた追跡番号は、構内配送機器端末24から構内配送管理装置11に送られる。
【0049】
構内配送管理装置11は、追跡番号を受信すると、対応情報記憶部116から追跡番号に対応する管理番号を読み出す。また、構内配送管理装置11は、サービス情報記憶部118から、その受取人に設定されているサービスを読み出す。そして、構内配送管理装置11は、その受取人に設定されているサービスに従って、マテリアルハンドリングシステム50に指令を与え、荷物30を配送していく。
【0050】
例えば、設定されているサービスが「受取人の部屋に配達する」である場合には、マテリアルハンドリングシステム50は、荷物30を配送ロボット52に載せ替え、配送ロボット52を受取人41の部屋まで自律走行させる。配送ロボット52は、荷物の配送が終了すると、管理番号と対応付けて、配送完了のステータスを構内配送管理装置11に送信する。
【0051】
また、例えば、受取人41が設定しているサービスが「宅配ボックスに配達する」である場合には、マテリアルハンドリングシステム50は、自動ピッキングマシン51により、その受取人の宅配ボックス54に荷物30を投入させる。宅配ボックス54への荷物の投入が終了すると、自動ピッキングマシン51は、管理番号と対応付けて、配送完了のステータスを構内配送管理装置11に送信する。
【0052】
構外配送システム2での荷物30の追跡は、荷物30が建物31まで届けられるまでは、配送業者管理装置10に保存された配送情報を基に行われる。荷物30が建物31の構内に配送されてからは、配送業者管理装置10は、APIにより、構内配送管理装置11から配送情報を受信する。構内配送管理装置11から構外配送システム2に配送情報を送信する際、構内配送管理装置11は、対応情報記憶部116から、管理番号に対応する追跡番号を読み出す。そして、構内配送管理装置11は、追跡番号と対応付けて、配送完了のステータスを配送業者管理装置10に送信する。配送業者管理装置10は、追跡番号と対応付けて、配送完了のステータスを受信し、追跡情報として共有する。
【0053】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る荷物配送システム1では、建物の構外で荷物の配送を行う構外配送システム2と、建物の構内で荷物の配送を行う構内配送システム3との間で配送情報を連携して荷物の配送が行われる。そして、構外配送システム2では、荷物の配送の管理に、配送業者により発行された追跡番号が用いられ、構内配送システム3では、荷物の配送の管理に、追跡番号とは異なる独自の管理番号が発行され、用いられる。構内配送システム3から構外配送システム2には、配送完了等の特定の配送情報に限って、APIにより情報が送信され、構外配送システム2と構内配送システム3との間で、配送情報が共有される。これにより、建物の構内の受取人41は、建物の構外の依頼人40や配送業者45には情報を知らせずに、詳細な荷物位置の把握や受取方法の指定ができる。
【0054】
例えば、荷物30の追跡番号を「AAA」とし、管理番号を「BBB」とすると、本発明の実施形態に係る荷物配送システム1では、荷物30の位置やステータス等の配送情報は、荷物30が建物31に到着するまでは、追跡番号「AAA」をキー項目として、構外配送システム2により管理される。荷物30が建物31に到着してからは、荷物30の位置やステータス等の配送情報は、管理番号「BBB」をキー項目として、構内配送システム3で管理される。荷物30が構内を配送されている間、配送業者管理装置10や依頼人携帯端末22には、管理番号「BBB」は知らされないので、配送業者45や依頼人40は、建物31の構内での荷物30の配送手順はわからない。すなわち、その荷物30が受取人41の部屋まで配送されたのか、宅配ボックスに収納されたのか等については、配送業者45や依頼人40には知らされない。
【0055】
受取人41が部屋で荷物30を受け取った場合、配送ロボット52から構内配送管理装置11へ、管理番号に対応付けて配送完了のステータスが送信される。また、荷物30が宅配ボックス54に投入された場合には、自動ピッキングマシン51から構内配送管理装置11へ、管理番号に対応付けて配送完了のステータスが送信される。構内配送管理装置11は、配送完了のステータスを受信すると、管理番号に対応する追跡番号を読み出す。構内配送管理装置11は、APIにより、読み出した追跡番号に対応付けて配送完了のステータスを配送業者管理装置10に送信する。これにより、配送業者管理装置10は、追跡番号「AAA」と対応付けて、配送完了のステータスを配送情報として共有する。
【0056】
依頼人40は、依頼人携帯端末22で配送業者管理装置10をアクセスすることで、荷物30の配送状況を追跡できる。このとき、依頼人40は、依頼人携帯端末22により追跡番号「AAA」をキー項目として依頼した荷物30の追跡を行う。上述のように、荷物30が受取人41に届いていれば、建物31の構内の配送手順にかかわらず、追跡番号「AAA」の荷物のステータスは、「配送完了」となっている。これにより、依頼人40は、荷物30が受取人41に届けられたことを確認できる。
【0057】
なお、上述した実施形態では、配送業者45が配送車46を荷物30の配送手段として用いる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、配送業者45は、電車、汽車、新幹線、モノレール等の鉄道や、飛行機、ヘリコプター、ドローン等の飛行体や、貨物船等の船や、台車(人が手押しする台車)等を荷物30の配送手段として用いてもよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、荷物30は、建物31まで届けられると配送車46から降ろされる例について説明したが、荷物30が配送車46から降ろされる位置は特に限定されない。例えば、荷物30は、建物31の構内において、建物31の内部又は外部のいずれの位置で配送車46から降ろされてもよい。具体的に、配送車46が建物31の内部へ乗り入れ可能な場合、荷物30は、建物31の内部で配送車46から降ろされてもよい。また、建物31の構内(敷地内)に駐車スペースがある場合、荷物30は、当該駐車スペース(即ち建物31の外部)で配送車46から降ろされてもよい。
また、荷物30は、建物31の構外にて配送車46から降ろされてもよい。例えば、建物31の構外(敷地外)に駐車スペースがある場合、荷物30は、当該駐車スペースで配送車46から降ろされてもよい。また、荷物30は、建物31の構外にある近隣の配送センターにて配送車46から降ろされてもよい。
建物31の外部にて配送車46から降ろされた荷物30は例えば台車等で建物31の内部まで運ばれてもよい。
【0059】
上述した実施形態における荷物配送システム1、構外配送システム2、構内配送システム3の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1…荷物配送システム、2…構外配送システム、3…構内配送システム、10…配送業者管理装置、11…構内配送管理装置、12…アドレス管理データベース、30…荷物、31…建物、50…マテリアルハンドリングシステム、100…通信部、101…制御部、102…出力制御部、103…記憶部、110…通信部、111…制御部、112…管理番号発行部、113…スケジュール設定部、114…取得部、115…出力制御部、116…対応情報記憶部、117…配送情報記憶部、118…サービス情報記憶部、119…機器インターフェース部