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特許7573427給湯機制御装置、給湯システム、給湯機制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】給湯機制御装置、給湯システム、給湯機制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/168 20220101AFI20241018BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20241018BHJP
   F24H 15/20 20220101ALI20241018BHJP
   F24H 15/375 20220101ALI20241018BHJP
【FI】
F24H15/168
F24H1/18 G
F24H15/20
F24H15/375
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020199365
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087437
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】森實 優太
(72)【発明者】
【氏名】的場 一彰
(72)【発明者】
【氏名】坂本 忠昭
(72)【発明者】
【氏名】村本 吉史
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-096509(JP,A)
【文献】特開2014-137215(JP,A)
【文献】特開2015-012719(JP,A)
【文献】特開2015-012720(JP,A)
【文献】特開2013-098809(JP,A)
【文献】特開2001-050587(JP,A)
【文献】特開2008-267708(JP,A)
【文献】特開2015-206552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00-15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と
停止している前記給湯機の運転再開を要求する運転再開要求情報を取得する運転再開要求取得部と、
運転中の複数の前記給湯機の中から前記残湯量が最も多い前記給湯機を特定する給湯機特定部と、
前記給湯機特定部により特定された前記給湯機の前記残湯量が予め設定された基準残湯量よりも多いか否かを判定する残湯量判定部と、を備え、
前記給湯機選出部は、特定された前記給湯機の前記残湯量が前記基準残湯量よりも多いと判定されると、前記運転再開要求情報に対応する前記給湯機を、運転を再開させる給湯機として選出し、特定された前記給湯機を、停止させる給湯機として選出する
給湯機制御装置。
【請求項2】
給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と、
前記基準総電力を設定する対象となる前記複数の住宅から構成される第1住宅群とは異なる前記給湯機が設置された他の複数の住宅から構成される第2住宅群の前記総電力を示す総電力情報を取得する総電力取得部と、
前記他の複数の住宅についての前記総電力情報に基づいて、前記基準総電力を決定する基準総電力設定部と、を備える、
湯機制御装置。
【請求項3】
前記基準総電力設定部は、複数の前記第2住宅群の前記総電力の平均値に基づいて、前記基準総電力を設定する、
請求項に記載の給湯機制御装置。
【請求項4】
前記第2住宅群における実際に人が入居している住宅の戸数を示す入居戸数情報を取得する戸数取得部を更に備え、
前記基準総電力設定部は、前記第2住宅群の前記総電力を前記第2住宅群の前記入居戸数情報が示す戸数で除して得られる1戸当たりの電力に基づいて、前記基準総電力を決定する、
請求項またはに記載の給湯機制御装置。
【請求項5】
給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と、
予め設定された基準総電力更新時期が到来する毎に、過去の総電力の実績値の平均値、中間値または最大値を基準総電力として決定する基準総電力設定部と、を備える、
給湯機制御装置。
【請求項6】
給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の給湯量を示す給湯量情報を取得する給湯量取得部と、を備え、
前記給湯機選出部は、予め設定された給湯機停止判定時期が到来する毎に、前記給湯量情報に基づいて、前記給湯量が予め設定された基準給湯量未満となる給湯機が存在するか否かを判定し、前記給湯量が前記基準給湯量未満となる給湯機が存在すると判定すると、前記給湯量が前記基準給湯量未満となる給湯機を、停止させる前記給湯機として選出する、
給湯機制御装置。
【請求項7】
前記台数算出部は、前記給湯機選出部により停止させる前記給湯機が選出された後において、前記総電力が前記基準総電力以下であると判定されると、前記給湯機の1台当たりの前記消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、運転を再開させる前記給湯機の台数である運転再開台数を算出し、
前記優先順位決定部は、前記残湯量に基づいて、停止させた前記給湯機の少なくとも1つの運転を再開させる際の運転再開優先順位を、前記残湯量が少ない給湯機ほど高くなるように決定し、
前記給湯機選出部は、前記運転再開台数が算出された後、前記運転再開台数と前記運転再開優先順位とに基づいて、運転を再開させる前記給湯機を選出する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の給湯機制御装置。
【請求項8】
過去の前記総電力の実績値に基づいて、前記基準総電力を決定する基準総電力設定部を更に備える、
請求項1から5、7のいずれか1項に記載の給湯機制御装置。
【請求項9】
前記基準総電力設定部は、前記総電力の実績値の代表値と予め設定された係数との積に基づいて、前記基準総電力を設定する、
請求項に記載の給湯機制御装置。
【請求項10】
災害情報を取得して前記給湯機の利用者が所持する端末装置へ送信する災害情報通知部と、
前記利用者が前記災害情報に応じて前記端末装置を介して送信した前記給湯機を停止するよう指示する停止指示情報を取得する指示情報取得部と、を更に備え、
前記給湯機選出部は、前記指示情報取得部が前記停止指示情報を取得すると、前記停止指示情報に基づいて停止させる前記給湯機を選出する、
請求項1からのいずれか1項に記載の給湯機制御装置。
【請求項11】
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の給湯量を示す給湯量情報を取得する給湯量取得部を更に備え、
前記給湯機選出部は、前記給湯量情報に基づいて、前記給湯量が予め設定された基準給湯量未満となる給湯機が存在する場合、前記給湯量が前記基準給湯量未満となる給湯機を、停止させる前記給湯機として選出する、
請求項1から5、7から10のいずれか1項に記載の給湯機制御装置。
【請求項12】
複数の住宅それぞれに設置された給湯機と、
前記複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と
停止している前記給湯機の運転再開を要求する運転再開要求情報を取得する運転再開要求取得部と、
運転中の複数の前記給湯機の中から前記残湯量が最も多い前記給湯機を特定する給湯機特定部と、
前記給湯機特定部により特定された前記給湯機の前記残湯量が予め設定された基準残湯量よりも多いか否かを判定する残湯量判定部と、を備え、
前記給湯機選出部は、特定された前記給湯機の前記残湯量が前記基準残湯量よりも多いと判定されると、前記運転再開要求情報に対応する前記給湯機を、運転を再開させる給湯機として選出し、特定された前記給湯機を、停止させる給湯機として選出する
給湯システム。
【請求項13】
複数の住宅それぞれに設置された給湯機と、
前記複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と、
前記基準総電力を設定する対象となる前記複数の住宅から構成される第1住宅群とは異なる前記給湯機が設置された他の複数の住宅から構成される第2住宅群の前記総電力を示す総電力情報を取得する総電力取得部と、
前記他の複数の住宅についての前記総電力情報に基づいて、前記基準総電力を決定する基準総電力設定部と、を備える、
給湯システム。
【請求項14】
複数の住宅それぞれに設置された給湯機と、
表示部および入力部を有する端末装置と、
前記複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と、
予め設定された基準総電力更新時期が到来する毎に、過去の前記総電力の実績値の平均値、中間値または最大値と前記端末装置から送信される係数情報が示す係数との積に基づいて、前記基準総電力を設定する基準総電力設定部と、を備え、
前記端末装置は、前記総電力の実績値を前記表示部に表示させ、前記入力部を介して前記係数が入力されると、入力された前記係数を示す係数情報を送信する、
湯システム。
【請求項15】
給湯システムが、給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得するステップと、
前記給湯システムが、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出するステップと、
前記給湯システムが、前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定するステップと、
前記給湯システムが、前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出するステップと、
前記給湯システムが、前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得するステップと、
前記給湯システムが、前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定するステップと、
前記給湯システムが、前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出するステップと、
前記給湯システムが、停止している前記給湯機の運転再開を要求する運転再開要求情報を取得するステップと、
前記給湯システムが、運転中の複数の前記給湯機の中から前記残湯量が最も多い前記給湯機を特定するステップと、
前記給湯システムが、特定した前記給湯機の前記残湯量が予め設定された基準残湯量よりも多いか否かを判定するステップと、
前記給湯システムが、特定された前記給湯機の前記残湯量が前記基準残湯量よりも多いと判定されると、前記運転再開要求情報に対応する前記給湯機を、運転を再開させる給湯機として選出し、特定された前記給湯機を、停止させる給湯機として選出するステップと、を含む、
給湯機制御方法。
【請求項16】
給湯システムが、給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得するステップと、
前記給湯システムが、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出するステップと、
前記給湯システムが、前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定するステップと、
前記給湯システムが、前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出するステップと、
前記給湯システムが、前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得するステップと、
前記給湯システムが、前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定するステップと、
前記給湯システムが、前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出するステップと、
前記給湯システムが、前記基準総電力を設定する対象となる前記複数の住宅から構成される第1住宅群とは異なる前記給湯機が設置された他の複数の住宅から構成される第2住宅群の前記総電力を示す総電力情報を取得するステップと、
前記他の複数の住宅についての前記総電力情報に基づいて、前記基準総電力を決定するステップと、を含む、
給湯機制御方法。
【請求項17】
コンピュータを、
給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部、
停止している前記給湯機の運転再開を要求する運転再開要求情報を取得する運転再開要求取得部、
運転中の複数の前記給湯機の中から前記残湯量が最も多い前記給湯機を特定する給湯機特定部、
前記給湯機特定部により特定された前記給湯機の前記残湯量が予め設定された基準残湯量よりも多いか否かを判定する残湯量判定部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記給湯機選出部は、特定された前記給湯機の前記残湯量が前記基準残湯量よりも多いと判定されると、前記運転再開要求情報に対応する前記給湯機を、運転を再開させる給湯機として選出し、特定された前記給湯機を、停止させる給湯機として選出する
ログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部、
前記基準総電力を設定する対象となる前記複数の住宅から構成される第1住宅群とは異なる前記給湯機が設置された他の複数の住宅から構成される第2住宅群の前記総電力を示す総電力情報を取得する総電力取得部、
前記他の複数の住宅についての前記総電力情報に基づいて、前記基準総電力を決定する基準総電力設定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯機制御装置、給湯システム、給湯機制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の貯湯式の給湯機の沸き上げ動作を制御する給湯機制御装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この給湯機制御装置は、複数の給湯機それぞれが設置された住宅において将来の給湯機以外の電気機器での総消費電力と各住宅での使用湯量とを予測し、複数の給湯機それぞれの消費電力と前述の総消費電力との総和が予め設定された消費電力閾値以下に低減されるように複数の給湯機それぞれの稼働スケジュールを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-137215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、予期しない寒波が突然到来した場合、複数の住宅全体において湯の使用量が増加し、これに伴い、複数の住宅それぞれにおいて湯切れの発生を防止するために当初の稼働スケジュールにおける稼働予定期間以外の期間において給湯機を運転させざるを得なくなる場合がある。この場合、複数の住宅それぞれにおける給湯機の稼働タイミングが重なってしまい、その結果、複数の住宅全体における電力使用量のピークが稼働スケジュール生成時に想定したピークを大きく超えてしまう虞がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされたものであり、給湯機が設置された複数の住宅全体での電力使用量のピーク値を低減できる給湯機制御装置、給湯システム、給湯機制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る給湯機制御装置は、
給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて前記給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、
前記複数の住宅それぞれの前記給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、
前記総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、
前記総電力が前記基準総電力を超えると判定されると、前記給湯機の1台当たりの消費電力および前記総電力と前記基準総電力との差分電力に基づいて、前記総電力が前記基準総電力以下となるように、停止させる前記給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、
前記複数の住宅それぞれにおける前記給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、
前記残湯量に基づいて、前記複数の住宅それぞれの前記給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、前記残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、
前記停止台数が算出された後、前記停止台数と前記停止優先順位とに基づいて、停止させる前記給湯機を選出する給湯機選出部と
停止している前記給湯機の運転再開を要求する運転再開要求情報を取得する運転再開要求取得部と、
運転中の複数の前記給湯機の中から前記残湯量が最も多い前記給湯機を特定する給湯機特定部と、
前記給湯機特定部により特定された前記給湯機の前記残湯量が予め設定された基準残湯量よりも多いか否かを判定する残湯量判定部と、を備え、
前記給湯機選出部は、特定された前記給湯機の前記残湯量が前記基準残湯量よりも多いと判定されると、前記運転再開要求情報に対応する前記給湯機を、運転を再開させる給湯機として選出し、特定された前記給湯機を、停止させる給湯機として選出する
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、台数算出部が、複数の住宅それぞれの給湯機全体の総電力が基準総電力を超えると判定すると、給湯機の1台当たりの消費電力および総電力と基準総電力との差分電力に基づいて、給湯機の停止台数を算出する。また、優先順位決定部が、複数の住宅それぞれの給湯機の残湯量に基づいて、給湯機の停止優先順位を、残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する。そして、給湯機選出部が、停止台数が算出された後、停止台数と停止優先順位とに基づいて、停止させる給湯機を選出する。これにより、複数の住宅それぞれにおいて湯切れの発生を抑制しつつ、複数の住宅それぞれの給湯機全体での総電力を基準総電力以下に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る給湯システムの概略構成図
図2】実施の形態に係る給湯システムのハードウェア構成を示すブロック図
図3】実施の形態に係る給湯機の機能構成を示すブロック図
図4】(A)は実施の形態に係る残湯量記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る優先順位記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図5】実施の形態に係る給湯システムの動作の一例を示すシーケンス図
図6】実施の形態に係る給湯システムの動作の一例を示すシーケンス図
図7】実施の形態に係る給湯システムの動作の一例を示すシーケンス図
図8】実施の形態に係る給湯システムの動作の一例を示すシーケンス図
図9】(A)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の他の一例を示す図
図10】実施の形態に係る給湯機制御装置が実行する給湯機制御処理の流れの一例を示すフローチャート
図11】実施の形態に係る給湯機制御装置が実行する給湯機制御処理の流れの一例を示すフローチャート
図12】実施の形態に係る給湯機制御装置が実行する給湯機制御処理の流れの一例を示すフローチャート
図13】変形例に係る給湯機の機能構成を示すブロック図
図14】変形例に係る総電力使用量記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図15】変形例に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図
図16】変形例に係る給湯機の機能構成を示すブロック図
図17】(A)は変形例に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図、(B)は変形例に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の他の一例を示す図
図18】変形例に係る給湯機の機能構成を示すブロック図
図19】変形例に係る給湯量記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図20】変形例に係る給湯機制御装置が実行する給湯機制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の各実施の形態に係る給湯システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る給湯機制御装置は、給湯機が設置された複数の住宅それぞれにおいて給湯機で消費される電力を示す電力情報を取得する電力取得部と、複数の住宅それぞれの給湯機で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する総電力算出部と、総電力が予め設定された基準総電力を超えるか否かを判定する電力判定部と、を備える。また、給湯機制御装置は、前述の総電力が基準総電力を超えると判定すると、給湯機の1台当たりの消費電力および総電力と基準総電力との差分電力に基づいて、停止させる給湯機の台数である停止台数を算出する台数算出部と、複数の住宅それぞれにおける給湯機の残湯量を示す残湯量情報を取得する残湯量取得部と、残湯量に基づいて、複数の住宅それぞれの給湯機の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する優先順位決定部と、停止台数が算出された後、停止台数と停止優先順位とに基づいて、停止させる給湯機を選出する給湯機選出部と、を備える。
【0010】
本実施の形態に係る給湯システムは、例えば図1に示すような、複数の住宅H[0]、H[1]、・・・、H[i]、・・・(iは0以上の整数)からなる住宅群を構成する集合住宅B1について使用される。ここで、集合住宅B1とは、例えば高圧一括受電方式により系統電源PSから電力供給を受けるマンションである。各住宅H[i]には、給湯機3と、電気機器4と、給湯機3および電気機器4それぞれへ電力を供給する分電盤21と、給湯機3および電気機器4へ供給される電力を計測する電力計測装置22と、が設置されている。分電盤21は、系統電源PSから供給される電力を給湯機3および電気機器4へ分岐して供給する。また、集合住宅B1には、住宅H[i]に設置された給湯機3および電力計測装置22と局所ネットワークNW2を介して通信可能なブロードバンドルータ(以下、「BBR」と称する。)61が設置されている。BBR61は、インターネットのような広域ネットワークNW1に接続されている。局所ネットワークNW2は、無線LAN(Local Area Network)または有線LANである。ここで、本実施の形態に係る給湯システムは、集合住宅B1への電力供給を管理するいわゆるアグリゲータが管理する端末装置7と、住宅H[i]の居住者それぞれが管理する端末装置8と、クラウドサーバ1と、を備える。端末装置7、8とクラウドサーバ1とは、広域ネットワークNW1を介して通信可能となっている。電気機器4は、例えば、エアコン、照明器、床暖房システム、冷蔵庫、IH(Induction Heating)調理器、テレビ等である。電気機器4は、各住宅に設置され、分電盤21から電力供給を受ける。
【0011】
電力計測装置22は、クラウドサーバ1との間での局所ネットワークNW2、BBR61および広域ネットワークNW1を介した通信を制御する通信アダプタ229を備えたいわゆるスマートメータである。電力計測装置22は、分電盤21から給湯機3へ供給される電力を計測し、計測した給湯機3で消費された電力を示す電力情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、電力計測装置22は、それぞれ、クラウドサーバ1から電力情報のクラウドサーバ1への送信を要求する電力情報要求情報をクラウドサーバ1から受信すると、それに応じて、電力情報を生成する。そして、電力計測装置22は、生成した電力情報をクラウドサーバ1へ送信する。
【0012】
給湯機3は、貯湯タンク(図示せず)とヒートポンプユニット(図示せず)とを有する貯湯式の給湯機であり、貯湯タンクに貯めた水をヒートポンプユニットが沸き上げる。ヒートポンプユニットは、ヒートポンプ(図示せず)と、ヒートポンプを制御する制御基板(図示せず)と、を有する。ここで、貯湯タンクからポンプにより熱交換機へ送られた水が、ヒートポンプの熱交換器において温められ、再び貯湯タンクへ戻される。そして、貯湯タンクに設けられた出湯管から住宅H[i]内の浴室または台所に湯が供給される。また、給湯機3は、図2に示すように、前述の制御基板と通信線(図示せず)を介して接続されヒートポンプユニットの動作を制御するコントローラ31と、貯湯タンク内に貯留する湯の量である残湯量を計測する残湯量計測部32と、通信アダプタ39と、を有する。残湯量計測部32は、コントローラ31と通信線を介して接続され、計測した残湯量を示す残湯量情報を定期的にコントローラ31へ出力する。
【0013】
通信アダプタ39は、コントローラ31とクラウドサーバ1との間での局所ネットワークNW2、BBR61および広域ネットワークNW1を介した通信を制御する。コントローラ31は、ヒートポンプユニットの稼働スケジュールを示すスケジュール情報を記憶するスケジュール記憶部(図示せず)を有し、スケジュール情報が示す稼働スケジュールに沿って前述の制御基板へ運転開始指令情報または停止指令情報を送信することにより、ヒートポンプユニットの動作を制御する。また、コントローラ31は、クラウドサーバ1から給湯機3を停止させるよう指令する停止指令情報を取得すると、ヒートポンプユニットの制御基板へ停止指令情報を送信することにより、ヒートポンプユニットおよびポンプを強制的に停止させる。一方、コントローラ31は、クラウドサーバ1から給湯機3の運転を開始させるよう指令する運転開始指令情報を取得すると、スケジュール情報が示す稼働スケジュールに沿って、ヒートポンプユニットの制御基板へ運転開始指令情報を送信することにより、ヒートポンプユニットおよびポンプの前述の稼働スケジュールに従った運転を開始させる。
【0014】
端末装置7は、例えば汎用のパーソナルコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)と主記憶部と補助記憶部と表示部と入力部と広域通信部とを備え、アグリゲータに属する利用者により利用される。ここで、主記憶部は、CPUの作業領域として使用される揮発性メモリであり、補助記憶部は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、端末装置7の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。表示部は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等であり各種情報を表示する。入力部は、例えばキーボードであり、アグリゲータに属する利用者の操作に応じた各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPUへ出力する。広域通信部は、広域ネットワークNW1に接続するためのインタフェースを有する。
【0015】
端末装置8は、例えばスマートフォンであり、CPUと主記憶部と補助記憶部と表示部と入力部と広域通信部とを備え、住宅H[i]の居住者により利用される。主記憶部は、CPUの作業領域として使用される揮発性メモリであり、補助記憶部は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、端末装置8の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。表示部は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり各種情報を表示する。入力部は、例えば表示部に重ねて配置された透明なタッチパッドであり、居住者の操作に応じた各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPUへ出力する。広域通信部は、広域ネットワークNW1に接続するためのインタフェースを有する。
【0016】
クラウドサーバ1は、給湯機3と局所ネットワークNW2、BBR61および広域ネットワークNW1を介して接続され、給湯機3を制御する給湯機制御装置として機能する。クラウドサーバ1は、例えばサーバ用途のコンピュータであり、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、広域通信部106と、計時部108と、各部を接続するバス109と、を備える。CPU101は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部102は、揮発性メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、不揮発性メモリを有し、ROM、ストレージとして機能し、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。広域通信部106は、広域ネットワークNW1およびBBR61を介して給湯機3と通信する。計時部108は、例えばRTC(Real Time Clock)を有する。
【0017】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図3に示すように、電力取得部112、総電力算出部113、電力判定部114、台数算出部115、残湯量取得部116、優先順位決定部117、給湯機選出部118、指令部119、運転状態取得部120、運転状態判定部121、運転再開要求取得部141、給湯機特定部142および残湯量判定部143として機能する。また、図2に示す補助記憶部103は、図3に示すように、電力記憶部131と、基準総電力記憶部132と、残湯量記憶部133と、優先順位記憶部134と、運転状態記憶部135と、基準残湯量記憶部136と、を有する。
【0018】
電力記憶部131は、住宅H[i](iは0以上の整数)毎に、住宅H[i]の予め設定された複数の時間帯それぞれにおける給湯機3で消費された電力の実績値を、日付、時間帯を示す情報および給湯機3を識別する給湯機識別情報に対応づけて記憶する。また、電力記憶部131は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3で消費される電力の合計に相当する総電力を、日付、時間帯を示す情報に対応づけて記憶する。基準総電力記憶部132は、集合住宅B1を構成する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3で消費された電力の合計値に相当する総電力に対する基準となる予め設定された基準総電力を示す基準総電力情報を記憶する。
【0019】
残湯量記憶部133は、例えば図4(A)に示すように、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量を示す残湯量情報を、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3を識別する給湯機識別情報IDW[i]に対応づけて記憶する。
【0020】
優先順位記憶部134は、例えば図4(B)に示すように、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を示す停止優先順位情報を、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3を識別する給湯機識別情報IDW[i]に対応づけて記憶する。また、優先順位記憶部134は、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3のうち停止している少なくとも1つの給湯機3の運転を再開させる際の運転開始優先順位を示す運転開始優先順位情報を、給湯機3が停止している少なくとも1つの住宅H[j+k](j、kは0以上の整数)それぞれに設置された給湯機3を識別する給湯機識別情報IDW[j+k]に対応づけて記憶する。
【0021】
図3に戻って、運転状態記憶部135は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3が運転中であるか停止中であるかを示す運転状態情報を、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3を識別する給湯機識別情報に対応づけて記憶する。基準残湯量記憶部136は、給湯機3の残湯量に対する基準となる予め設定された基準残湯量を示す基準残湯量情報を記憶する。
【0022】
電力取得部112は、給湯機3が設置された複数の住宅H[i]それぞれにおける給湯機3で消費される電力を示す電力情報を電力計測装置22から取得する。電力取得部112は、計時部108が計時する日時から予め設定された給湯機停止判定時期が到来したと判定すると、電力計測装置22に対して電力情報の送信を要求する電力情報要求情報を電力計測装置22へ送信することにより、電力計測装置22から送信される電力情報を取得する。また、電力取得部112は、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3のうちの少なくとも1つの給湯機3を強制的に停止させた後、計時部108が計時する日時から予め設定された給湯機運転再開判定時期が到来したと判定すると、前述の電力情報要求情報を電力計測装置22へ送信することにより、電力計測装置22から送信される電力情報を取得する。そして、電力取得部112は、取得した電力情報を電力記憶部131に記憶させる。更に、電力取得部112は、運転を停止した給湯機3から運転停止通知情報を取得した場合も、前述の電力情報要求情報を電力計測装置22へ送信することにより電力情報を取得する。なお、給湯機停止判定時期および給湯機運転再開判定時期が到来する時間間隔は、例えばクラウドサーバ1から給湯機3へ送信される停止指令情報または運転開始指令情報に対する給湯機3の応答性能に基づいて設定され、例えば5min以上30min以下に設定することができる。
【0023】
総電力算出部113は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する。総電力算出部113は、算出した総電力を示す総電力情報を電力記憶部131に記憶させるとともに、電力判定部114に通知する。電力判定部114は、基準総電力記憶部132が記憶する基準総電力情報を取得し、総電力算出部113から通知される総電力情報が示す総電力が取得した基準総電力情報が示す基準総電力を超えるか否かを判定する。電力判定部114は、判定結果を示す情報を台数算出部115に通知する。
【0024】
台数算出部115は、電力判定部114により複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力が前述の基準総電力を超えると判定されると、1台の給湯機3で消費される電力に基づいて、停止させる給湯機3の台数である停止台数を算出する。ここで、1台の給湯機3で消費される電力は、例えば全ての給湯機3について一律1.5kWに設定される。また、台数算出部115は、給湯機3の総電力と基準総電力との差分電力に基づいて、総電力が基準総電力以下となるように、給湯機3の停止台数を算出する。また、台数算出部115は、給湯機選出部118により停止させる給湯機3が選出された後において、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力が基準総電力以下であると判定されると、1台の給湯機3で消費される電力に基づいて、運転を再開させる給湯機3の台数である運転再開台数を算出する。ここで、台数算出部115は、給湯機3の総電力と基準総電力との差分電力に基づいて、総電力が基準総電力以下となるように、給湯機3の再開台数を算出する。
【0025】
残湯量取得部116は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3に対してそれらの残湯量を示す残湯量情報の送信を要求する残湯量情報要求情報を給湯機3へマルチキャスト送信することにより、各給湯機3から各給湯機3の残湯量を示す残湯量情報を取得する。残湯量取得部116は、取得した残湯量情報を、残湯量情報の送信元の給湯機3の給湯機識別情報に対応づけて残湯量記憶部133に記憶させる。
【0026】
優先順位決定部117は、残湯量記憶部133が記憶する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量に基づいて、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、残湯量が多い給湯機3ほど高くなるように決定する。ここで、優先順位決定部117は、各住宅H[i]に設置された給湯機3の残湯量が多い順にソートすることにより停止優先順位を決定する。また、優先順位決定部117は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量に基づいて、停止させた給湯機3の少なくとも1つの運転を再開させる際の運転再開優先順位を、残湯量が少ない給湯機3ほど高くなるように決定する。ここで、優先順位決定部117は、各住宅H[i]に設置された給湯機3の残湯量が少ない順にソートすることにより運転再開優先順位を決定する。このように、停止優先順位が、残湯量が多い給湯機3ほど高く、運転再開優先順位が、残湯量が少ない給湯機3ほど高く設定されることにより、給湯機3の停止中における湯切れ発生の可能性を低くすることができる。
【0027】
給湯機選出部118は、給湯機3の停止台数が算出された後、給湯機3の停止台数と前述の給湯機3の停止優先順位とに基づいて、停止させる給湯機3を選出する。また、給湯機選出部118は、給湯機3の運転再開台数が算出された後、給湯機3の運転再開台数と前述の給湯機3の運転再開優先順位とに基づいて、運転を再開させる給湯機3を選出する。更に、給湯機選出部118は、後述する残湯量判定部143により後述する給湯機特定部142により特定された給湯機3の残湯量が後述する基準残湯量よりも多いと判定されると、運転再開要求情報に対応する給湯機3を、運転を再開させる給湯機3として選出し、特定された給湯機3を、停止させる給湯機として選出する。
【0028】
指令部119は、給湯機3を停止させるよう指令する停止指令情報を、給湯機選出部118により停止させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信する。また、指令部119は、給湯機3の運転を開始させるよう指令する運転開始指令情報を、給湯機選出部118により運転を開始させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信する。更に、指令部119は、停止指令情報または運転開始指令情報を送信した場合、それらの送信先の給湯機3の給湯機識別情報を含む運転停止通知情報を運転状態取得部120に通知する。
【0029】
運転状態取得部120は、指令部119から運転停止通知情報を取得すると、取得した運転停止通知情報に対応する給湯機3の給湯機識別情報に対応付けられた運転状態情報を停止中に更新する。運転状態取得部120は、給湯機3から運転停止通知情報を取得すると、取得した運転停止通知情報の送信元の給湯機3の給湯機識別情報に対応する運転状態情報を停止中に更新する。運転状態判定部121は、運転状態記憶部135が記憶する運転状態情報を参照して、運転中の給湯機3の給湯機識別情報を優先順位決定部117に通知する。電力通知部122は、電力記憶部131が記憶する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力情報と、基準総電力記憶部132が記憶する基準総電力情報と、を取得し、取得した総電力情報および基準総電力情報を端末装置7へ送信する。
【0030】
基準総電力設定部123は、過去の複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力の実績値に基づいて、基準総電力を決定し、決定した基準総電力を示す基準総電力情報を基準総電力記憶部132に記憶させる。具体的には、基準総電力設定部123は、予め設定された基準総電力更新時期が到来する毎に、電力記憶部131が記憶する過去の総電力情報が示す総電力の実績値の平均値を基準総電力として決定する。なお、基準総電力設定部123は、電力記憶部131が記憶する過去の総電力情報が示す総電力の実績値の中間値、最大値等の他の代表値を基準総電力として決定してもよい。また、基準総電力設定部123は、端末装置7から基準総電力情報を取得すると、取得した基準総電力情報に基づいて基準総電力情報を更新する。ここで、基準総電力情報は、例えば過去の総電力情報が示す総電力の実績値の平均値に対する新たな基準総電力の比率を示す係数を示す情報とすることができる。この場合、基準総電力設定部123は、過去の総電力の実績値の平均値と予め設定された係数との積に基づいて、基準総電力を設定すればよい。
【0031】
運転再開要求取得部141は、端末装置8から停止している給湯機3の運転再開を要求する運転再開要求情報を取得すると、取得した運転再開要求情報を給湯機特定部142に通知する。給湯機特定部142は、残湯量記憶部133が記憶する残湯量情報および運転状態判定部121から通知される給湯機識別情報に基づいて、運転中の給湯機3の中から残湯量が最大の給湯機3を特定する。そして、給湯機特定部142は、特定した給湯機識別情報とそれに対応する給湯機3の残湯量情報とを残湯量判定部143に通知する。残湯量判定部143は、基準残湯量記憶部136が記憶する基準残湯量情報を取得し、給湯機特定部142から通知される残湯量情報が示す残湯量が取得した基準残湯量情報が示す基準残湯量よりも多いか否かを判定する。残湯量判定部143は、給湯機特定部142から通知される残湯量情報が示す残湯量が基準残湯量よりも多いと判定すると、給湯機特定部142から通知された給湯機識別情報を給湯機選出部118に通知する。一方、残湯量判定部143は、給湯機特定部142から通知される残湯量情報が示す残湯量が基準残湯量以下であると判定すると、給湯機特定部142から通知された給湯機識別情報を不許可通知部144に通知する。不許可通知部144は、残湯量判定部143から給湯機識別情報が通知されると、給湯機3の運転再開が許可できない旨を通知する不許可通知情報を、通知された給湯機識別情報で識別される給湯機3へ送信する。
【0032】
次に、本実施の形態に係る給湯システムの動作について図5から図9を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、給湯機3_i、3_j、3_kは、複数の給湯機3から選択された互いに異なる1台の給湯機3を示す。まず、図5に示すように、予め設定された給湯機停止判定時期が到来すると、電力計測装置22に対して電力情報の送信を要求する電力情報要求情報が、クラウドサーバ1から電力計測装置22へ送信される(ステップS1)。一方、電力計測装置22は、電力情報要求情報を受信すると、それに応じて、電力情報を生成する(ステップS2)。次に、生成された電力情報が、電力計測装置22それぞれからクラウドサーバ1へ送信される(ステップS3)。このとき、クラウドサーバ1は、受信した電力情報を電力記憶部131に記憶させる。
【0033】
次に、クラウドサーバ1は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する(ステップS4)。ここで、クラウドサーバ1が、算出した総電力Ptが予め設定された基準総電力Ptthを超えると判定したとする(ステップS5)。この場合、クラウドサーバ1は、1台の給湯機3で消費される電力に基づいて、停止させる給湯機3の台数である停止台数を算出する(ステップS6)。続いて、前述の残湯量情報要求情報が、クラウドサーバ1から給湯機3_iを含むクラウドサーバ1と通信可能な全ての給湯機3へマルチキャスト送信される(ステップS7)。一方、給湯機3_iは、残湯量情報要求情報に応じて、自機の残湯量を示す残湯量情報を生成する(ステップS8)。その後、生成された残湯量情報が、給湯機3_iからクラウドサーバ1へ送信される(ステップS9)。ここで、クラウドサーバ1は、取得した残湯量情報を、対応する給湯機識別情報に対応づけて残湯量記憶部133に記憶させる。
【0034】
次に、クラウドサーバ1は、残湯量記憶部133が記憶する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量に基づいて、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、残湯量が多い給湯機3ほど高くなるように決定する(ステップS10)。続いて、クラウドサーバ1は、給湯機3の停止台数と前述の給湯機3の停止優先順位とに基づいて、停止させる給湯機3_iを選出する(ステップS11)。その後、選出された給湯機3_iを停止させるための停止指令情報が、クラウドサーバ1から給湯機3_iへ送信される(ステップS12)。一方、給湯機3_iは、停止指令情報を取得すると、ヒートポンプユニットを停止させることにより運転を停止する(ステップS13)。
【0035】
また、図6に示すように、給湯機3_iが停止した後、給湯機3_iの利用者が端末装置8に対して給湯機3_iの運転を再開するための操作を行ったとする。この場合、前述の運転再開要求情報が、端末装置8からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS14)。一方、クラウドサーバ1が運転再開要求情報を取得すると、残湯量情報要求情報が、クラウドサーバ1から給湯機3_i、3_jを含むクラウドサーバ1と通信可能な全ての給湯機3へマルチキャスト送信される(ステップS15、S16)。一方、給湯機3_iは、残湯量要求情報を取得すると、これに応じて、残湯量情報を生成し(ステップS17)、生成された残湯量情報が、給湯機3_iからクラウドサーバ1へ送信される(ステップS18)。また、給湯機3_jも、残湯量要求情報を取得すると、これに応じて、残湯量情報を生成し(ステップS19)、生成された残湯量情報が、給湯機3_jからクラウドサーバ1へ送信される(ステップS20)。
【0036】
次に、クラウドサーバ1は、運転中の複数の給湯機3の中から残湯量Wrが最大の給湯機3_jを特定する(ステップS21)。ここで、クラウドサーバ1が、残湯量Wrが最大の給湯機3_jの残湯量Wr_maxが基準残湯量Wr_t以上であると判定したとする(ステップS22)。この場合、給湯機3_iの運転を開始させるよう指令する運転開始指令情報が、クラウドサーバ1から給湯機3_iへ送信される(ステップS23)。一方、給湯機3_iは、運転開始指令情報を取得すると、ヒートポンプユニットを動作させることにより運転を開始する(ステップS24)。続いて、クラウドサーバ1が特定した給湯機3_jの運転を停止させるよう指令する停止指令情報が、クラウドサーバ1から給湯機3_jへ送信される(ステップS25)。一方、給湯機3_jは、停止指令情報を取得すると、ヒートポンプユニットを停止させることにより運転を停止する(ステップS26)。
【0037】
また、図7に示すように、ステップS21の後、クラウドサーバ1が、残湯量Wrが最大の給湯機3_jの残湯量Wr_maxが基準残湯量Wr_t未満であると判定したとする(ステップS27)。この場合、給湯機3_jの運転再開が許可されない旨を通知する不許可通知情報が、クラウドサーバ1から端末装置8へ送信される(ステップS28)。一方、端末装置8は、不許可通知情報を取得すると、表示部に不許可通知メッセージを表示させる(ステップS29)。
【0038】
また、運転中の給湯機3_kが停止した場合、運転を停止したことを通知する運転停止通知情報が、給湯機3_kからクラウドサーバ1へ送信される(ステップS30)。その後、前述の電力情報要求情報が、クラウドサーバ1から電力計測装置22へ送信される(ステップS31)。一方、電力計測装置22は、電力情報要求情報を受信すると、それに応じて、電力情報を生成する(ステップS32)。次に、生成された電力情報が、電力計測装置22それぞれからクラウドサーバ1へ送信される(ステップS33)。次に、クラウドサーバ1は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力を算出する(ステップS34)。ここで、クラウドサーバ1が、算出した総電力Ptが予め設定された基準総電力Ptth以下であると判定したとする(ステップS35)。この場合、クラウドサーバ1は、運転を開始させる給湯機3の台数である運転再開台数を算出する(ステップS36)。
【0039】
続いて、前述の残湯量情報要求情報が、クラウドサーバ1から給湯機3_iを含むクラウドサーバ1と通信可能な全ての給湯機3へマルチキャスト送信される(ステップS37)。一方、給湯機3_iは、残湯量情報要求情報に応じて、自機の残湯量を示す残湯量情報を生成する(ステップS38)。その後、生成された残湯量情報が、給湯機3_iからクラウドサーバ1へ送信される(ステップS39)。次に、図8に示すように、クラウドサーバ1は、残湯量記憶部133が記憶する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量に基づいて、停止させた給湯機3の少なくとも1つの運転を再開させる際の運転再開優先順位を、残湯量が少ない給湯機3ほど高くなるように決定する(ステップS40)。続いて、クラウドサーバ1は、給湯機3の運転再開台数と前述の給湯機3の運転再開優先順位とに基づいて、運転を再開させる給湯機3_iを選出する(ステップS41)。その後、選出された給湯機3_iの運転を開始させるための運転開始指令情報が、クラウドサーバ1から給湯機3_iへ送信される(ステップS42)。一方、給湯機3_iは、運転開始指令情報を取得すると、ヒートポンプユニットを動作させることにより運転を開始する(ステップS43)。なお、ステップS31からS43の一連の処理は、クラウドサーバ1が予め設定された給湯機運転再開判定時期が到来したと判定した場合にも実行される。
【0040】
また、アグリゲータに属する利用者が端末装置7に対して基準総電力を変更するための準備操作を行ったとする。この準備操作は、例えば利用者が基準総電力を変更するためのアプリケーションを起動する操作である。この場合、クラウドサーバ1に対して複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力情報および現時点で設定されている基準総電力情報の送信を要求する総電力情報・基準総電力情報要求情報が、端末装置7からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS44)。一方、クラウドサーバ1が総電力情報・基準総電力情報要求情報を取得すると、電力記憶部131が記憶する総電力情報と基準総電力情報とが、クラウドサーバ1から端末装置7へ送信される(ステップS45)。一方、端末装置7は、総電力情報および基準総電力情報を取得すると、取得した総電力情報および基準総電力情報それぞれが示す電力を表示部に表示させる(ステップS46)。
【0041】
ここで、端末装置7は、例えば図9(A)に示すような操作画面画像GA11を表示部に表示させる。操作画面画像GA11は、集合住宅B1で予め設定された最大使用可能電力と、集合住宅B1全体で過去に集合住宅B1に設置された全ての給湯機3で消費された総電力と基準総電力とを含むメッセージ画像M11と、基準総電力を設定するための入力欄B11と、を含む。なお、端末装置7は、例えば図9(B)に示すような操作画面画像GA12を表示部に表示させてもよい。ここで、操作画面画像GA12は、集合住宅B1で予め設定された最大使用可能電力を示すメッセージ画像M12と、複数の時間帯それぞれにおいて集合住宅B1に設置された全ての給湯機3で消費される総電力と基準総電力とを含むメッセージ画像M13と、複数の時間帯それぞれについて基準総電力を設定するための入力欄B12、B13と、を含む。これにより、利用者は、複数の時間帯それぞれについて個別に基準総電力を設定することができる。この場合、基準総電力記憶部132は、複数種類の基準総電力情報を、対応する時間帯を示す時間帯情報に対応づけて記憶するようにすればよい。そして、電力判定部114は、計時部108が計時する時刻と時間帯情報とに基づいて、採用する基準総電力情報を選択するようにすればよい。なお、入力欄B11、B12、B13は、アグリゲータに属する利用者が数値を入力する仕様であってもよい。或いは、利用者が、入力欄B11、B12、B13を選択する操作を行うと、複数種類の数値が列挙表示されるプルダウンメニュー画像が表示され、利用者が複数種類の数値から1つの数値を選択するものであってもよい。
【0042】
図8に戻って、次に、アグリゲータに属する利用者が端末装置7に対して基準総電力を変更する操作を行ったとする。この基準総電力を変更する操作は、例えば利用者が図9(A)に示す操作画面画像GA11における入力欄B11に数値を入力する操作である。この場合、端末装置7は、利用者の操作に応じて基準総電力情報を生成する(ステップS47)。続いて、生成された基準総電力情報が、端末装置7からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS48)。一方、クラウドサーバ1は、基準総電力情報を取得すると、取得した基準総電力情報を用いて基準総電力記憶部132が記憶する基準総電力情報を更新する(ステップS49)。
【0043】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する給湯機制御処理について図10から図12を参照しながら説明する。この給湯機制御処理は、クラウドサーバ1において給湯機制御処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、電力取得部112は、予め設定された給湯機停止判定時期が到来したか否かを判定する(ステップS101)。電力取得部112が、未だ給湯機停止判定時期が到来していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS112の処理が実行される。一方、電力取得部112は、給湯機停止判定時期が到来したと判定すると(ステップS101:Yes)、電力情報要求情報を各住戸H[i]に設置された電力計測装置22へ送信する(ステップS102)。そして、電力取得部112は、電力計測装置22から送信される電力情報を取得し、取得した電力情報を電力記憶部131に記憶させる(ステップS103)。
【0044】
次に、総電力算出部113は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3で消費される電力の合計に相当する総電力を算出する(ステップS104)。ここで、総電力算出部113は、算出した総電力を示す総電力情報を電力記憶部131に記憶させるとともに、電力判定部114に通知する。続いて、電力判定部114は、基準総電力記憶部132が記憶する基準総電力情報を取得し、総電力算出部113から通知される総電力情報が示す総電力Ptが取得した基準総電力情報が示す基準総電力Ptthを超えるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、電力判定部114が、総電力Ptが基準総電力Ptth以下であると判定すると(ステップS105:No)、後述のステップS112の処理が実行される。
【0045】
一方、電力判定部114により総電力Ptが基準総電力Ptthを超えると判定されると(ステップS105:Yes)、台数算出部115は、1台の給湯機3で消費される電力に基づいて、停止させる給湯機3の台数である停止台数を算出する(ステップS106)。その後、残湯量取得部116は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3に対してそれらの残湯量を示す残湯量情報の送信を要求する残湯量情報要求情報を給湯機3へマルチキャスト送信する(ステップS107)。これにより、残湯量取得部116は、各給湯機3から各給湯機3の残湯量を示す残湯量情報を取得する(ステップS108)。ここで、残湯量取得部116は、取得した残湯量情報を、残湯量情報の送信元の給湯機3の給湯機識別情報に対応づけて残湯量記憶部133に記憶させる。
【0046】
次に、優先順位決定部117は、残湯量記憶部133が記憶する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量に基づいて、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3の少なくとも1つを停止させる際の停止優先順位を、残湯量が多い給湯機3ほど高くなるように決定する(ステップS109)。続いて、給湯機選出部118は、給湯機3の停止台数と前述の給湯機3の停止優先順位とに基づいて、停止させる給湯機3を選出する(ステップS110)。その後、指令部119は、給湯機3を停止させるよう指令する停止指令情報を、給湯機選出部118により停止させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信する(ステップS111)。ここで、指令部119は、停止指令情報を送信した場合、送信先の給湯機3の給湯機識別情報を含む運転停止通知情報を運転状態取得部120に通知し、運転状態取得部120は、運転停止通知情報に対応する給湯機3の給湯機識別情報に対応付けられた運転状態情報を停止中に更新する。
【0047】
次に、残湯量取得部116は、住所H[i]に居住する利用者が所持する端末装置8から送信された運転再開要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS112)。残湯量取得部116が、運転再開要求情報を取得していないと判定すると(ステップS112:No)、後述するステップS121の処理が実行される。一方、残湯量取得部116は、運転再開要求情報を取得したと判定すると(ステップS112:Yes)、残湯量情報要求情報を、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3へマルチキャスト送信する(ステップS113)。これにより、残湯量取得部116は、各給湯機3から残湯量情報を取得する(ステップS114)。続いて、図11に示すように、給湯機特定部142は、各給湯機3の残湯量情報に基づいて、運転中の給湯機3の中から残湯量が最大の給湯機3を特定する(ステップS115)。ここで、給湯機特定部142は、特定した給湯機識別情報とそれに対応する給湯機3の残湯量情報とを残湯量判定部143に通知する。その後、残湯量判定部143は、基準残湯量記憶部136が記憶する基準残湯量情報を取得し、給湯機特定部142から通知される残湯量情報が示す残湯量Wr_maxが取得した基準残湯量情報が示す基準残湯量Wt_tよりも多いか否かを判定する(ステップS116)。ここで、残湯量判定部143は、給湯機特定部142から通知される残湯量情報が示す残湯量が基準残湯量よりも多いと判定すると(ステップS116:Yes)、給湯機特定部142から通知された給湯機識別情報を給湯機選出部118に通知する。そして、給湯機選出部118は、運転再開要求情報に対応する給湯機3を、運転を再開させる給湯機3として選出し、給湯機特定部142により特定された給湯機3を、停止させる給湯機として選出する(ステップS117)。
【0048】
次に、指令部119は、給湯機3の運転を開始させるよう指令する運転開始指令情報を、給湯機選出部118により運転を再開させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信するとともに(ステップS118)、停止指令情報を給湯機選出部118により停止させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信する(ステップS119)。ここで、指令部119は、運転開始指令情報の送信先の給湯機3の給湯機識別情報を含む運転開始通知情報および停止指令情報の送信先の給湯機3の給湯機識別情報を含む運転停止通知情報を運転状態取得部120に通知する。続いて、後述のステップS121の処理が実行される。
【0049】
一方、ステップS116において、残湯量判定部143は、給湯機特定部142により特定された給湯機3の残湯量Wr_maxが基準残湯量Wr_t以下であると判定すると(ステップS116:No)、給湯機特定部142から通知された給湯機識別情報を不許可通知部144に通知する。そして、不許可通知部144は、残湯量判定部143から給湯機識別情報が通知されると、給湯機3の運転再開が許可できない旨を通知する不許可通知情報を、通知された給湯機識別情報で識別される給湯機3へ送信する(ステップS120)。
【0050】
その後、電力取得部112は、予め設定された運転再開判定時期が到来したか否かを判定する(ステップS121)。電力取得部112が、運転再開判定時期が到来したと判定すると(ステップS121:Yes)、後述のステップS123の処理が実行される。一方、電力取得部112は、運転再開判定時期が未だ到来していないと判定すると(ステップS121:No)、給湯機3の運転が停止したことを通知する運転停止通知情報を給湯機3から取得したか否かを判定する(ステップS122)。ここで、電力取得部112が、運転停止通知情報を取得していないと判定すると(ステップS122:No)、後出のステップS133の処理が実行される。一方、電力取得部112は、運転停止通知情報を取得したと判定すると(ステップS122:Yes)、電力情報要求情報を各住戸H[i]に設置された電力計測装置22へ送信する(ステップS123)。そして、電力取得部112は、電力計測装置22から送信される電力情報を取得し、取得した電力情報を電力記憶部131に記憶させる(ステップS124)。
【0051】
次に、総電力算出部113は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力を算出する(ステップS125)。続いて、電力判定部114は、総電力算出部113が算出した総電力Ptが基準総電力Ptth以下であるか否かを判定する(ステップS126)。ここで、電力判定部114が、総電力Ptが基準総電力Ptthを超えると判定すると(ステップS126:No)、後述のステップS133の処理が実行される。一方、電力判定部114により総電力Ptが基準総電力Ptth以下であると判定されると(ステップS126:Yes)、台数算出部115は、1台の給湯機3で消費される電力に基づいて、運転を再開させる給湯機3の台数である運転再開台数を算出する(ステップS127)。その後、残湯量取得部116は、残湯量情報要求情報を給湯機3へマルチキャスト送信する(ステップS128)。これにより、図12に示すように、残湯量取得部116は、各給湯機3から各給湯機3の残湯量を示す残湯量情報を取得する(ステップS129)。ここで、残湯量取得部116は、取得した残湯量情報を、残湯量情報の送信元の給湯機3の給湯機識別情報に対応づけて残湯量記憶部133に記憶させる。
【0052】
次に、優先順位決定部117は、残湯量記憶部133が記憶する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量に基づいて、優先順位決定部117は、複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の残湯量に基づいて、停止させた給湯機3の少なくとも1つの運転を再開させる際の運転再開優先順位を、残湯量が少ない給湯機3ほど高くなるように決定する(ステップS130)。続いて、給湯機選出部118は、給湯機3の運転再開台数と前述の給湯機3の運転再開優先順位とに基づいて、運転を開始させる給湯機3を選出する(ステップS131)。その後、指令部119は、給湯機3の運転を開始させるよう指令する運転開始指令情報を、給湯機選出部118により運転を開始させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信する(ステップS132)。
【0053】
次に、基準総電力設定部123は、予め設定された基準電力更新時期が到来したか否かを判定する(ステップS133)。基準総電力設定部123が、未だ基準電力更新時期が到来していないと判定すると(ステップS133:No)、後述のステップS135の処理が実行される。一方、基準総電力設定部123は、基準電力更新時期が到来したと判定すると(ステップS133:Yes)、過去の複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力の実績値に基づいて、基準総電力を決定し、決定した基準総電力を示す基準総電力情報を基準総電力記憶部132に記憶させる(ステップS134)。
【0054】
続いて、電力通知部122は、アグリゲータに属する利用者が所持する端末装置7から送信される、クラウドサーバ1に対して複数の住宅H[i]の総電力情報および基準総電力情報の送信を要求する総電力情報・基準総電力情報要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS135)。電力通知部122が、総電力情報・基準総電力情報要求情報を取得していないと判定すると(ステップS135:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、電力通知部122が、総電力情報・基準総電力情報要求情報を取得したと判定したとする(ステップS135:Yes)。この場合、電力通知部122は、電力記憶部131が記憶する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3の総電力情報と、基準総電力記憶部132が記憶する基準総電力情報と、を取得し、取得した総電力情報および基準総電力情報を端末装置7へ送信する(ステップS136)。
【0055】
その後、基準総電力設定部123は、総電力情報および基準総電力情報を端末装置7へ送信した後予め設定された待機時間内に端末装置7から基準総電力情報を取得したか否かを判定する(ステップS137)。ここで、基準総電力設定部123が、総電力情報および基準総電力情報を端末装置7へ送信した後予め設定された待機時間内に端末装置7から基準総電力情報を取得しなかったと判定すると(ステップS137:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、基準総電力設定部123は、端末装置7から基準総電力情報を取得したと判定すると(ステップS137:Yes)、取得した基準総電力情報に基づいて基準総電力情報を更新する(ステップS138)。ここで、基準総電力情報が、例えば過去の総電力情報が示す総電力の実績値の平均値に対する新たな基準総電力の比率を示す係数を示す情報である場合、基準総電力設定部123は、過去の総電力の実績値の平均値と予め設定された係数との積に基づいて、基準総電力を設定する。次に、再びステップS101の処理が実行される。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態に係るクラウドサーバ1によれば、台数算出部115が、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3全体の総電力が基準総電力を超えると判定すると、1台の給湯機3で消費される電力に基づいて給湯機3の停止台数を算出する。また、優先順位決定部117が、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3の残湯量に基づいて、給湯機3の停止優先順位を、残湯量が多い給湯機ほど高くなるように決定する。そして、給湯機選出部118が、停止台数と停止優先順位とに基づいて、停止させる給湯機3を選出する。これにより、複数の住宅H[i]それぞれにおいて湯切れの発生を抑制しつつ、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3全体での総電力を基準総電力以下に抑制することができる。
【0057】
ところで、集合住宅B1では、集合住宅B1全体での電力使用量を平準化して電力使用量のピークが大きくならないようにするために、各住宅H[i]に設置された給湯機3の稼働タイミングが分散されるように稼働スケジュールが設定される場合がある。但し、この場合であっても、例えば長期間の停電から復旧した場合または急激な寒波の到来により通常よりも湯の使用量が増加した場合には、集合住宅B1の各住宅H[i]に設置された給湯機3は、湯切れ防止を優先して当初の稼働スケジュールを無視して直ぐに稼働させる制御を行うことが多い。この場合、複数の住宅H[i]に設置された給湯機3の稼働タイミングが重なってしまい、集合住宅B1全体での電力使用量が基準総電力を大きく超えてしまう虞がある。これに対して、本実施の形態に係るクラウドサーバ1は、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3の残湯量に基づいて、集合住宅B1に設置された給湯機3全体の総電力が基準総電力以下となるように、残湯量が多い給湯機3から優先的に停止させる。これにより、複数の住宅H[i]それぞれにおける湯切れの発生の抑制と集合住宅B1全体で消費される総電力の低減との両立を図ることができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る台数算出部115は、給湯機選出部118により停止させる給湯機3が選出された後において、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3全体での総電力が基準総電力以下であると判定されると、給湯機3の1台当たりの消費電力および総電力と基準総電力との差分電力に基づいて、運転を再開させる給湯機3の運転再開台数を算出する。また、優先順位決定部117が、複数の住宅H[i]それぞれの給湯機3の残湯量に基づいて、停止させた給湯機3の少なくとも1つの運転を再開させる際の運転再開優先順位を、残湯量が少ない給湯機ほど高くなるように決定する。そして、給湯機選出部118が、運転再開台数と運転再開優先順位とに基づいて、運転を再開させる給湯機3を選出する。これにより、運転中の給湯機3全体での総電力が基準総電力未満になった場合、給湯機3全体での総電力が基準総電力を超えないように強制的に停止させていた給湯機3について残湯量の少ない給湯機3から優先的に運転を再開させることができる。従って、強制的に停止させた給湯機3について湯切れが発生することを抑制できる。
【0059】
更に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1は、住居H[i]に居住する利用者が所持する端末装置7から、停止している給湯機3の運転再開を要求する運転再開要求情報を取得する運転再開要求取得部141を備える。また、クラウドサーバ1は、運転再開要求取得部141が運転再開要求情報を取得すると、運転中の給湯機3の中から残湯量が最も多い給湯機3を特定する給湯機特定部142と、特定された給湯機3の残湯量が基準残湯量よりも多いか否かを判定する残湯量判定部143と、を備える。そして、給湯機選出部118が、特定された給湯機3の残湯量が基準残湯量よりも多いと判定されると、運転再開要求情報に対応する給湯機3を、運転を再開させる給湯機として選出し、特定された給湯機3を、停止させる給湯機として選出する。これにより、強制的に給湯機3が停止させられた後において、その給湯機3の利用者に給湯機3を稼働させる必要が生じた場合、その利用者の給湯機3を稼働させることができるので、給湯機3の利用者の利便性を高めることができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る基準総電力設定部123は、過去の集合住宅B1における給湯機3全体の総電力の実績値に基づいて、基準総電力を決定する。これにより、集合住宅B1を構成する複数の住宅H[i]それぞれに設置された給湯機3のうち停止させる給湯機3の台数を適切な台数で推移させることができる。
【0061】
更に、本実施の形態に係る基準総電力設定部123は、過去の集合住宅B1における給湯機3全体の総電力の実績値の代表値と予め設定された係数との積に基づいて、基準総電力を設定する。これにより、アグリゲータに属する利用者が、例えば季節または集合住宅B1が存在する地域に応じて係数を変更することにより、基準総電力を季節または集合住宅B1が存在する地域に適した大きさに設定することができる。
【0062】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えばクラウドサーバが、制御対象の給湯機3がそれぞれに設置された複数の住宅、即ち、制御対象の給湯機3が設置された集合住宅B1以外の他の集合住宅の総電力を示す総電力情報に基づいて、制御対象の給湯機3が設置された集合住宅B1における基準総電力を決定するものであってもよい。例えば図13に示すように、本変形例に係るクラウドサーバ2001は、広域ネットワークNW1を介して、マンション管理サーバ2009と通信可能となっている。なお、図13において、実施の形態と同様の構成については図3と同一の符号を付している。
【0063】
マンション管理サーバ2009は、他の集合住宅を構成する住宅の戸数および他の集合住宅の入居戸数を示す情報を、各集合住宅を識別する集合住宅識別情報に対応づけて管理している。ここで、他の集合住宅は、例えばクラウドサーバ2001が制御対象とする給湯機3が設置された集合住宅B1と同一の地域に建設された集合住宅である。また、マンション管理サーバ2009は、他の集合住宅を構成する住宅それぞれに設置された給湯機3で消費される電力の総和に相当する総電力を示す総電力情報も集合住宅識別情報に対応づけて管理している。ここで、マンション管理サーバ2009は、クラウドサーバ2001からマンション管理サーバ2009に対してクラウドサーバ2001の制御対象の給湯機3が設置された集合住宅以外の他の集合住宅の給湯機3の総電力を示す総電力情報の送信を要求する総電力要求情報を取得したとする。この場合、マンション管理サーバ2009は、総電力要求情報に対応する集合住宅それぞれの総電力情報とこれらに対応する集合住宅識別情報とを選出してクラウドサーバ2001へ送信する。また、マンション管理サーバ2009は、クラウドサーバ2001からマンション管理サーバ2009に対して各集合住宅における住戸数を示す住戸数情報および入居戸数を示す入居戸数情報の送信を要求する戸数要求情報を取得すると、集合住宅それぞれの住戸数情報および入居戸数情報とこれらに対応する集合住宅識別情報とをクラウドサーバ2001へ送信する。
【0064】
端末装置7は、例えばアグリゲータに属する利用者が端末装置7の入力部に対して基準総電力を更新するための操作が行われると、クラウドサーバ1に対して基準総電力の更新を要求する基準総電力更新要求情報を送信する。また、端末装置7は、他の集合住宅それぞれの名称を示す集合住宅名称情報を、集合住宅識別情報に対応づけて記憶する集合住宅名称記憶部(図示せず)を備える。そして、端末装置7は、クラウドサーバ2001から後述する他の集合住宅それぞれの総電力情報、入居戸数情報、住宅1件当たりの給湯機3で消費される電力を示す情報および集合住宅識別情報と基準総電力情報とを取得すると、集合住宅名称記憶部が記憶する集合住宅名称情報を参照して、集合住宅識別情報を対応する集合住宅名称情報に変換した上で表示部に表示させる。
【0065】
本変形例に係るクラウドサーバ2001は、実施の形態で説明したクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成を有する。以下、実施の形態で説明したクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成については図2と同一の符号を用いて説明する。CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、総電力取得部2124、電力算出部2125、電力通知部2122および基準総電力設定部2123として機能する。また、補助記憶部103は、総電力記憶部2137を有する。総電力記憶部2137は、例えば図14に示すように、複数の集合住宅それぞれについて集合住宅を構成する複数の住宅それぞれに設置された給湯機3で消費される電力の総和に相当する総電力情報を、集合住宅を識別する集合住宅識別情報および集合住宅の名称を示す集合住宅名称情報に対応づけて記憶する。また、総電力記憶部2137は、他の集合住宅を構成する住宅の戸数および他の集合住宅の入居戸数を示す情報を、各集合住宅を識別する集合住宅識別情報に対応づけて記憶している。ここで、「入居戸数」とは、他の集合住宅における実際に人が入居している住宅の戸数を示す。
【0066】
図13に戻って、総電力取得部2124は、基準総電力設定部2123が基準電力を決定する対象となる複数の住宅から構成される第1住宅群とは異なる給湯機が設置された他の複数の住宅から構成される第2住宅群の総電力を示す総電力情報を取得する。ここで、第1住宅群および第2住宅群は、それぞれ集合住宅に相当する。具体的には、総電力取得部2124は、端末装置7から送信される基準総電力更新要求を取得すると、マンション管理サーバ2009に対して前述の総電力要求情報をマンション管理サーバ2009へ送信する。これにより、総電力取得部2124は、マンション管理サーバ2009から各集合住宅における給湯機3の総電力情報およびこれに対応する集合住宅識別情報を取得する。総電力取得部2124は、取得した総電力情報および集合住宅識別情報を互いに対応づけて総電力記憶部2137に記憶させるとともに、総電力情報を電力算出部2125に通知する。
【0067】
戸数取得部2126は、端末装置7から送信される基準総電力更新要求を取得すると、マンション管理サーバ2009に対して前述の戸数要求情報をマンション管理サーバ2009へ送信する。これにより、戸数取得部2126は、制御対象の給湯機3が設置された集合住宅および給湯機3が設置された他の集合住宅の住戸数を示す住戸数情報、入居戸数を示す入居戸数情報および集合住宅識別情報を取得する。戸数取得部2126は、取得した住戸数情報、入居戸数情報および集合住宅識別情報を互いに対応づけて総電力記憶部2137に記憶させるとともに、入居戸数情報を電力算出部2125に通知する。また、戸数取得部2126は、制御対象の給湯機3が設置された集合住宅の入居戸数情報を基準総電力設定部2123に通知する。
【0068】
電力算出部2125は、他の集合住宅の給湯機3の総電力の平均値をその集合住宅の入居戸数情報が示す戸数で除することにより、住宅1戸当たりの給湯機3で消費される電力を算出する。電力算出部2125は、算出した電力を、対応する集合住宅の集合住宅識別情報に対応づけて総電力記憶部2137に記憶させる。
【0069】
基準総電力設定部2123は、他の集合住宅についての総電力情報が示す総電力および入居戸数情報に基づいて基準総電力を設定する。具体的には、基準総電力設定部2123は、電力算出部2125が算出した住宅1件当たりの給湯機3で消費される電力と、戸数取得部2126から通知される制御対象の給湯機3が設置された集合住宅B1における入居戸数情報が示す入居戸数との積に相当する電力を基準総電力として算出する。そして、基準総電力設定部2123は、算出した基準総電力を示す基準総電力情報を基準総電力記憶部132に記憶させる。
【0070】
電力通知部2122は、基準総電力設定部2123が新たな基準総電力情報を基準総電力記憶部132に記憶させると、これに応じて、総電力記憶部2137が記憶する他の集合住宅それぞれの総電力情報、入居戸数情報、住宅1件当たりの給湯機3で消費される電力を示す情報および集合住宅識別情報と基準総電力記憶部132が記憶する基準総電力情報とを取得する。そして、電力通知部2122は、取得した総電力情報、入居戸数情報、住戸1件当たりの給湯機3で消費される電力を示す情報および基準総電力情報を端末装置7へ送信する。
【0071】
ここで、端末装置7は、例えば図15に示すような操作画面画像GA2を表示部に表示させる。操作画面画像GA2は、表示部に表示させる情報の説明を示すメッセージ画像M21と、他の集合住宅それぞれの集合住宅名称、総電力、入居戸数、住戸1件当たりの給湯機3で消費される電力を示す情報を含むメッセージ画像M22とを含む。また、操作画面画像GA2は、クラウドサーバ2001の制御対象の給湯機3が設置された集合住宅B1の入居戸数および基準総電力を含むメッセージ画像M23も含まれる。
【0072】
本構成によれば、他の集合住宅における給湯機3全体で消費される総電力に基づいて、基準総電力を適切に設定することができる。また、基準総電力設定部2123は、他の集合住宅の総電力を他の集合住宅の入居戸数情報が示す戸数で除して得られる1戸当たりの電力に基づいて、基準総電力を決定する。これにより、住宅1件における給湯機3で消費される電力を算出する際、例えば引っ越しにより居住者が存在しない住宅を除外することができるので、基準総電力をより適切に設定することができる。
【0073】
なお、前述の変形例において、電力算出部2125が、例えば他の集合住宅の給湯機3の総電力の中間値または最大値をその集合住宅の入居戸数情報が示す戸数で除することにより入居している住宅1件当たりの給湯機3で消費される電力を算出してもよい。或いは、電力算出部2125は、例えば他の集合住宅の給湯機3の総電力の平均値、中間値または最大値をその集合住宅の住戸数で除することにより住宅1件当たりの給湯機3で消費される電力を算出してもよい。
【0074】
また、前述の変形例において、アグリゲータに属する利用者が、他の集合住宅それぞれの総電力の中から1つの総電力を選択して基準総電力として設定できるものであってもよい。更に、他の集合住宅のみならず、複数の一戸建て住宅からなる住宅群或いは複数の一戸建て住宅とマンションのような集合住宅とが存在する地域全体の総電力を管理する総電力管理サーバが広域ネットワークNW1に接続されているとする。この場合、クラウドサーバ2001は、この総電力管理サーバから複数の一戸建て住宅からなる住宅群或いは複数の一戸建て住宅とマンションのような集合住宅とが存在する地域全体の総電力情報を取得するものであってもよい。
【0075】
実施の形態において、クラウドサーバが、災害が発生した場合に給湯機3の利用者が所持する端末装置8へその旨を通知する機能を備えるものであってもよい。例えば図16に示すように、本変形例に係るクラウドサーバ3001は、気象サーバ3010と広域ネットワークNW1を介して通信可能となっている。なお、図16において、実施の形態と同様の構成については図3と同一の符号を付している。気象サーバ3010は、災害が発生すると災害情報を広域ネットワークNW1に接続されたクラウドサーバ3001へブロードキャスト送信する。住戸に居住する給湯機3の利用者が所持する端末装置8は、クラウドサーバ1から送信される災害情報を取得すると、例えば図17(A)に示すような利用者に対して避難するか否かの問いかけを示すメッセージ画像M31を含む操作画面画像GA31を表示部に表示させる。また、操作画面画像GA31には、「Yes」、「No」を示す2種類の釦画像BU31、BU32が含まれる。ここで、利用者が、入力部における釦画像BU31に対応する部分にタッチすると、端末装置8は、利用者が利用している給湯機3の給湯機識別情報を含む停止指示情報を生成してクラウドサーバ3001へ送信する。その後、端末装置8は、図17(B)に示すような給湯機3を停止させる旨を利用者に報知するメッセージ画像M32を含む操作画面画像GA32を表示部に表示させる。
【0076】
本変形例に係るクラウドサーバ3001は、実施の形態で説明したクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成を有する。以下、実施の形態で説明したクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成については図2と同一の符号を用いて説明する。CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図16に示すように、災害情報通知部3127、指示情報取得部3128および給湯機選出部3118として機能する。災害情報通知部3127は、気象サーバ3010から送信される災害情報を取得すると、取得した災害情報を給湯機3の利用者が所持する端末装置8へ送信する。指示情報取得部3128は、住戸に居住する給湯機3の利用者が災害情報に応じて端末装置8を介して送信した給湯機3を停止するよう指示する停止指示情報を取得する。そして、指示情報取得部3128は、取得した停止指示情報を給湯機選出部3118に通知する。給湯機選出部3118は、指示情報取得部3128から通知される停止指示情報に基づいて停止させる給湯機3を選出する。ここで、給湯機選出部3118は、停止指示情報に含まれる給湯機識別情報で識別される給湯機3を停止させる給湯機3として選出する。そして、指令部119が、停止指令情報を、給湯機選出部3118が選出した給湯機3へ送信する。
【0077】
本構成によれば、災害発生に起因して利用者が外出する住宅において無駄に給湯機3が運転を継続することを抑制できるので、その分、集合住宅における給湯機3全体で消費される総電力を低減することができる。
【0078】
実施の形態において、例えばクラウドサーバが、複数の住宅それぞれの給湯機3の給湯量を監視し、給湯量が予め設定された基準給湯量未満となる給湯機が存在する場合、その給湯機3を停止させるものであってもよい。図18に示すように、本変形例に係る給湯機4003は、自機の貯湯タンクに設けられた出湯管から住宅内の浴室または台所に供給される湯量である給湯量を計測する給湯量計測部33を備える。そして、給湯量計測部33は、コントローラ31と通信線を介して接続され、計測した給湯量を示す給湯量情報を定期的にコントローラ31へ出力する。そして、コントローラ31は、給湯機4003の給湯量を示す給湯量情報をクラウドサーバ4001へ定期的に送信する。
【0079】
本変形例に係るクラウドサーバ4001は、実施の形態で説明したクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成を有する。以下、実施の形態で説明したクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成については図2と同一の符号を用いて説明する。CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、給湯量取得部4129および給湯機選出部4118として機能する。また、補助記憶部103は、複数の住宅それぞれにおける給湯量を示す給湯量情報を記憶する給湯量記憶部4138を有する。給湯量記憶部4138は、例えば図19に示すように、複数の住宅それぞれに設置された給湯機3について予め設定された各時間帯における給湯量を示す給湯量情報を、給湯機識別情報に対応づけて記憶する。
【0080】
図18に戻って、給湯量取得部4129は、複数の住宅それぞれの給湯機3から定期的に送信される給湯機情報を取得し、取得した給湯機情報を送信元の給湯機3の給湯機識別情報に対応づけて給湯量記憶部4138に記憶させる。給湯機選出部4118は、給湯量記憶部4138が記憶する給湯量情報に基づいて、給湯量が予め設定された基準給湯量未満となる給湯機3が存在する場合、その給湯機3を停止させる給湯機3として選出する。一方、給湯機選出部4118は、給湯量記憶部4138が記憶する給湯量情報に基づいて、給湯量が基準給湯量未満の状態から基準給湯量以上に増加した給湯機3が存在する場合、その給湯機3を運転開始させる給湯機3として選出する。
【0081】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する給湯機制御処理について図20を参照しながら説明する。なお、図20において、実施の形態で説明した給湯機制御処理と同様の処理については図10から図12と同一の符号を付している。まず、電力取得部112は、予め設定された給湯機停止判定時期が到来したか否かを判定する(ステップS101)。電力取得部112が、給湯機停止判定時期が到来したと判定すると(ステップS101:Yes)、そのままステップS102からステップS111までの一連の処理が実行される。その後、後述のステップS4103の処理が実行される。一方、電力取得部112が、未だ給湯機停止判定時期が到来していないと判定したとする(ステップS101:No)。この場合、給湯機選出部4118は、給湯量が予め設定された基準給湯量未満となる給湯機3が存在するか否かを判定する(ステップS4101)。ここで、給湯機選出部4118が、給湯量が基準給湯量未満となる給湯機3が存在しないと判定すると(ステップS4101:No)、後述のステップS4103の処理が実行される。一方、給湯機選出部4118は、給湯量が基準給湯量未満となる給湯機3が存在すると判定すると(ステップS4101:Yes)、その給湯機3を停止させる給湯機3として選出する。そして、指令部119が、停止指令情報を、給湯機選出部4118により停止させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信する(ステップS4102)。続いて、ステップS102からステップS111までの一連の処理が実行される。
【0082】
その後、給湯機選出部4118は、給湯量が基準給湯量未満の状態から基準給湯量以上に増加した給湯機3が存在するか否かを判定する(ステップS4103)。ここで、給湯機選出部4118により給湯量が基準給湯量以上に増加した給湯機3が存在しないと判定されると(ステップS4103:No)、そのままステップS112以降の処理が実行される。一方、給湯機選出部4118は、給湯量が基準給湯量以上に増加した給湯機3が存在すると判定すると(ステップS4103:Yes)、その給湯機3を運転開始させる給湯機3として選出する。そして、指令部119が、運転開始指令情報を、給湯機選出部4118により運転開始させる給湯機3として選出された給湯機3へ送信する(ステップS4104)。次に、ステップS112以降の処理が実行される。
【0083】
本構成によれば、給湯機3からの給湯量に追従して給湯機3の運転状態を変更するので、利用者の生活パターンに応じて適切に給湯機3を稼働させることができる。
【0084】
実施の形態において、台数算出部115は、給湯機3の停止台数を算出する際に用いる1台の給湯機3で消費される電力を季節に応じて異なる電力値に切り替えるようにしてもよい。具体的には、台数算出部115が、例えば冬季における1台の給湯機3の消費電力をその他の季節の消費電力に比べて1.2倍に設定してもよい。
【0085】
実施の形態では、アグリゲータに属する利用者が、複数の時間帯それぞれについて個別に基準総電力を設定することができる例について説明した。但し、これに限らず、アグリゲータに属する利用者が、複数の季節それぞれについて個別に基準総電力を設定することができるものであってもよい。例えば利用者が、湯の使用量が少ない夏季に対して基準総電力を低く設定し、湯の使用量が多い冬季に対して基準総電力を高く設定することができる。この場合、基準総電力記憶部132は、複数種類の基準総電力情報を、対応する季節を示す季節情報に対応づけて記憶するようにすればよい。そして、電力判定部114は、計時部108が計時する日時と季節情報とに基づいて、採用する基準総電力情報を選択するようにすればよい。
【0086】
また、本開示に係るクラウドサーバ1、2001、3001、4001の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0087】
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本開示は、電力会社と一括受電契約を締結している集合住宅における各住宅に設置された給湯機の制御を行う給湯システムとして好適である。
【符号の説明】
【0089】
1,2001,3001,4001 クラウドサーバ、3,4003 給湯機、4 電気機器、7,8 端末装置、21 分電盤、22 電力計測装置、31 コントローラ、32 残湯量計測部、33 給湯量計測部、39,229 通信アダプタ、101 CPU、102 主記憶部、103 補助記憶部、106 広域通信部、108 計時部、109 バス、112 電力取得部、113 総電力算出部、114 電力判定部、115 台数算出部、116 残湯量取得部、117 優先順位決定部、118,3118,4118 給湯機選出部、119 指令部、120 運転状態取得部、121 運転状態判定部、122,2122 電力通知部、123,2123 基準総電力設定部、131 電力記憶部、132 基準総電力記憶部、133 残湯量記憶部、134 優先順位記憶部、135 運転状態記憶部、141 運転再開要求取得部、142 給湯機特定部、143 残湯量判定部、144 不許可通知部、2009 マンション管理サーバ、2124 総電力取得部、2125 電力算出部、2126 戸数取得部、2137 総電力記憶部、3010 気象サーバ、3127 災害情報通知部、3128 指示情報取得部、4129 給湯量取得部、4138 給湯量記憶部、B1 集合住宅、B11,B12,B13 入力欄、BU31,BU32 釦画像、GA2,GA11,GA12,GA31,GA32 操作画面画像、H[0],H[1],H[i] 住宅、M11,M12,M13,M21,M22,M23,M31,M32 メッセージ画像、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク、PS 系統電源
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