(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】収支管理装置、収支管理方法、および、収支管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20241018BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20241018BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q30/02
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2020215650
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 裕太
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-042405(JP,A)
【文献】特開2008-171338(JP,A)
【文献】特開2020-042769(JP,A)
【文献】WingArc1st Inc.,導入事例 一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC),[online],2019年11月19日,[検索日 2024.09.06],インターネット,<URL:https://www.wingarc.com/product/usecase/197.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた収支管理装置であって、
前記記憶部は、
作品、エピソード、許諾権利、権利者、および、当該権利者への配分率を紐付けて設定した二次利用マスタを記憶する二次利用記憶手段
と、
前記作品、前記エピソード、前記権利者、一次利用売上金額、および、一次利用支払金額を紐付けて設定した制作時情報を記憶する売上記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記作品、前記エピソード、前記許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得する二次売上取得手段と、
前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての
作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報を取得する収支取得手段と、
前記制作時情報、および、前記二次利用売上情報についての前記収支情報に基づいて、前記制作時情報についての作品別エピソード別権利者別の収支情報と、前記二次利用売上情報についての前記作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報と、を比較可能に出力させる分析出力手段と、
を備えたことを特徴とする収支管理装置。
【請求項2】
前記収支取得手段は、
更に、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての権利者別の収支情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の収支管理装置。
【請求項3】
前記収支取得手段は、
更に、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についてのエピソード別の収支情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の収支管理装置。
【請求項4】
前記収支取得手段は、
更に、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての作品別の収支情報を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の収支管理装置。
【請求項5】
前記二次利用記憶手段は、
更に、二次利用対象の前記作品を設定した作品マスタ、前記作品毎の前記エピソードを設定したエピソードマスタ、二次利用における前記許諾権利を設定した許諾権利マスタ、および、前記二次利用に対する前記権利者を設定した権利者マスタを記憶し、
前記制御部は、
前記権利者への前記配分率を取得し、前記作品マスタ、前記エピソードマスタ、前記許諾権利マスタ、および、前記権利者マスタに基づいて、当該配分率および前記制作時情報から前記二次利用マスタを設定するマスタ設定手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項
1に記載の収支管理装置。
【請求項6】
前記許諾権利は、
動画配信権、海外番組販売権、国内番組販売権、または、電気的録音録画物販売権であることを特徴とする請求項1から
5のいずれか一つに記載の収支管理装置。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えた収支管理装置に実行させるための収支管理方法であって、
前記記憶部は、
作品、エピソード、許諾権利、権利者、および、当該権利者への配分率を紐付けて設定した二次利用マスタを記憶する二次利用記憶手段
と、
前記作品、前記エピソード、前記権利者、一次利用売上金額、および、一次利用支払金額を紐付けて設定した制作時情報を記憶する売上記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記作品、前記エピソード、前記許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得する二次売上取得ステップと、
前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての
作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報を取得する収支取得ステップと、
前記制作時情報、および、前記二次利用売上情報についての前記収支情報に基づいて、前記制作時情報についての作品別エピソード別権利者別の収支情報と、前記二次利用売上情報についての前記作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報と、を比較可能に出力させる分析出力ステップと、
を含むことを特徴とする収支管理方法。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた収支管理装置に実行させるための収支管理プログラムであって、
前記記憶部は、
作品、エピソード、許諾権利、権利者、および、当該権利者への配分率を紐付けて設定した二次利用マスタを記憶する二次利用記憶手段
と、
前記作品、前記エピソード、前記権利者、一次利用売上金額、および、一次利用支払金額を紐付けて設定した制作時情報を記憶する売上記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記作品、前記エピソード、前記許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得する二次売上取得ステップと、
前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての
作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報を取得する収支取得ステップと、
前記制作時情報、および、前記二次利用売上情報についての前記収支情報に基づいて、前記制作時情報についての作品別エピソード別権利者別の収支情報と、前記二次利用売上情報についての前記作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報と、を比較可能に出力させる分析出力ステップと、
を実行させるための収支管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収支管理装置、収支管理方法、および、収支管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、既に公開された作品を組み合わせたパッケージ候補を生成し、当該パッケージ候補に含まれる構成作品を販売する場合の支出額および収入額を算出することで、構成作品の収支額を取得する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、作品の二次利用において、どの作品がどの利用形態で売れているのかがわからず、ワンソースマルチユース戦略において素早い経営判断の妨げになっているという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、作品のエピソードに紐づく許諾権利毎に異なる権利処理を体系的に管理し、権利毎の収支管理をすることができる収支管理装置、収支管理方法、および、収支管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る収支管理装置は、記憶部と制御部とを備えた収支管理装置であって、前記記憶部は、作品、エピソード、許諾権利、権利者、および、当該権利者への配分率を紐付けて設定した二次利用マスタを記憶する二次利用記憶手段、を備え、前記制御部は、前記作品、前記エピソード、前記許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得する二次売上取得手段と、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての許諾権利別の収支情報を取得する収支取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る収支管理装置において、前記収支取得手段は、更に、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての権利者別の収支情報を取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る収支管理装置において、前記収支取得手段は、更に、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についてのエピソード別の収支情報を取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る収支管理装置において、前記収支取得手段は、更に、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての作品別の収支情報を取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る収支管理装置において、前記収支取得手段は、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報を取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る収支管理装置において、前記記憶部は、前記作品、前記エピソード、前記権利者、一次利用売上金額、および、一次利用支払金額を紐付けて設定した制作時情報を記憶する売上記憶手段、を更に備え、前記制御部は、前記制作時情報、および、前記二次利用売上情報についての前記収支情報に基づいて、前記制作時情報についての作品別エピソード別権利者別の収支情報と、前記二次利用売上情報についての前記作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報と、を比較可能に出力させる分析出力手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る収支管理装置において、前記二次利用記憶手段は、更に、二次利用対象の前記作品を設定した作品マスタ、前記作品毎の前記エピソードを設定したエピソードマスタ、二次利用における前記許諾権利を設定した許諾権利マスタ、および、前記二次利用に対する前記権利者を設定した権利者マスタを記憶し、前記制御部は、前記権利者への前記配分率を取得し、前記作品マスタ、前記エピソードマスタ、前記許諾権利マスタ、および、前記権利者マスタに基づいて、当該配分率および前記制作時情報から前記二次利用マスタを設定するマスタ設定手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る収支管理装置において、前記許諾権利は、動画配信権、海外番組販売権、国内番組販売権、または、電気的録音録画物販売権であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る収支管理方法は、記憶部と制御部とを備えた収支管理装置に実行させるための収支管理方法であって、前記記憶部は、作品、エピソード、許諾権利、権利者、および、当該権利者への配分率を紐付けて設定した二次利用マスタを記憶する二次利用記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、前記作品、前記エピソード、前記許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得する二次売上取得ステップと、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての許諾権利別の収支情報を取得する収支取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る収支管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた収支管理装置に実行させるための収支管理プログラムであって、前記記憶部は、作品、エピソード、許諾権利、権利者、および、当該権利者への配分率を紐付けて設定した二次利用マスタを記憶する二次利用記憶手段、を備え、前記制御部において、前記作品、前記エピソード、前記許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得する二次売上取得ステップと、前記二次利用マスタに基づいて、前記二次利用売上情報についての許諾権利別の収支情報を取得する収支取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エピソードに紐づく許諾権利毎に異なる権利者および/または配分計算等を体系的に管理することで、作品別・エピソード別・権利別に収支管理をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、番組制作時の権利者情報(実演家)を二次利用の情報として連携できるという効果を奏する。また、本発明によれば、作品制作時と二次利用時との情報を連動して管理することで、一元的に収支や配分計算を見える化できるという効果を奏する。また、本発明によれば、作品別・エピソード別・権利別に収支管理をしているので、どの作品のどんなエピソードがどんな権利で儲けているのかがわかるという効果を奏する。また、本発明によれば、ワンソースマルチユース戦略の推進において有効な情報を素早く提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態における収支管理処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における収支管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における作品マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態におけるエピソードマスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における許諾権利マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における権利者マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における収支管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施形態におけるマスタ設定処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における二次利用売上情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における収支情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における分析出力情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、
図1を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、本実施形態における収支管理処理の一例を示す図である。
【0020】
テレビ局(外部委託する場合も含む)が制作したテレビ番組の利用形態としては、初回利用(テレビ放送によるオンエア、配信等)だけでなく、二次利用(見逃し配信、機内上映、海外配信等)がある。また、テレビ番組に関する権利処理としては、制作時の権利情報(実演家、一般人、取材先、資料映像等)が管理されるだけでなく、二次利用時に各権利者へ改めて確認され、許諾範囲の変更がある場合、その都度権利情報が変更される。更に、二次利用時の権利処理としては、許諾範囲の変更履歴が管理され、権利(利用形態)毎に売上金額が権利者(実演家)に配分される。
【0021】
従来、テレビ番組の権利管理においては、番組制作時の権利情報と配分計算とが一元管理されていなかったため、番組制作と権利処理とを行う担当部署(会社)が異なることが多く、制作時の情報と二次利用時の情報とが切り離されて管理されていた。
【0022】
そこで、本実施形態においては、
図1に示すように、制作時情報を参照して、二次利用情報を作成することで、エピソードに紐づく許諾権利毎に異なる権利処理を体系的に管理し、作品別、エピソード別および/または権利別に収支管理を可能とする仕組みを提供している。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る収支管理装置100の構成の一例について、
図2から
図6を参照して説明する。
図2は、本実施形態における収支管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、収支管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、収支管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
収支管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。収支管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、収支管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、収支管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、売上データベース106aと作品マスタ106bとエピソードマスタ106cと許諾権利マスタ106dと権利者マスタ106eと二次利用マスタ106fとを備えている。
【0028】
売上データベース106aは、売上データを記憶する。ここで、売上データベース106aは、売上識別子(例えば、売上番号等)、作品、エピソード、権利者、一次利用売上金額、および/または、一次利用支払金額を紐付けて設定した制作時情報を記憶していてもよい。また、売上データベース106aは、売上識別子(例えば、売上番号等)、作品、エピソード、許諾権利、および/または、二次利用売上金額等を紐付けて設定した二次利用売上情報を記憶していてもよい。ここで、制作時情報は、作品識別子(例えば、作品番号等)、エピソード識別子(例えば、エピソード番号および/エピソードタイトル等)、権利者識別子(例えば、権利者コード、および/または、権利者名等)、一次利用売上金額、および/または、一次利用支払金額(例えば、ギャラおよび/または制作費等)を含んでいてもよい。また、二次利用売上情報は、売上識別子(例えば、売上番号等)、作品識別子(例えば、作品番号等)、エピソード識別子(例えば、エピソード番号および/またはエピソードタイトル等)、許諾権利識別子(例えば、許諾権利コードおよび/または許諾権利名等)、および/または、売上金額等を含んでいてもよい。また、売上データベース106aは、二次利用売上情報についての収支情報を記憶していてもよい。
【0029】
作品マスタ106bは、二次利用対象の作品を設定したマスタである。ここで、作品マスタ106bは、作品番号、および、作品名等が設定されていてもよい。
【0030】
ここで、
図3を参照して、本実施形態における作品マスタ106bの一例を説明する。
図3は、本実施形態における作品マスタ106bの一例を示す図である。
【0031】
図3に示すように、本実施形態における作品マスタ106bは、作品番号、および、作品名が設定され、作品番号がプライマリキーであってもよい。
【0032】
図2に戻り、エピソードマスタ106cは、作品毎のエピソードを設定したマスタである。ここで、エピソードマスタ106cは、作品番号、エピソード番号、および、エピソードタイトル等が設定されていてもよい。
【0033】
ここで、
図4を参照して、本実施形態におけるエピソードマスタ106cの一例を説明する。
図4は、本実施形態におけるエピソードマスタ106cの一例を示す図である。
【0034】
図4に示すように、本実施形態におけるエピソードマスタ106cは、作品番号、エピソード番号、および、エピソードタイトルが設定され、作品番号またはエピソード番号がプライマリキーであってもよい。
【0035】
図2に戻り、許諾権利マスタ106dは、二次利用における許諾権利を設定したマスタである。許諾権利は、動画配信権、海外番組販売権、国内番組販売権、または、電気的録音録画物販売権であってもよい。ここで、許諾権利マスタ106dは、許諾権利コード、および、許諾権利名等が設定されていてもよい。
【0036】
ここで、
図5を参照して、本実施形態における許諾権利マスタ106dの一例を説明する。
図5は、本実施形態における許諾権利マスタ106dの一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、本実施形態における許諾権利マスタ106dは、許諾権利コード、および、許諾権利名が設定され、許諾権利コードがプライマリキーであってもよい。
【0038】
図2に戻り、権利者マスタ106eは、二次利用に対する権利者を設定したマスタである。ここで、権利者マスタ106eは、権利者コード、および、権利者名等が設定されていてもよい。
【0039】
ここで、
図6を参照して、本実施形態における権利者マスタ106eの一例を説明する。
図6は、本実施形態における権利者マスタ106eの一例を示す図である。
【0040】
図6に示すように、本実施形態における権利者マスタ106eは、権利者コード、および、権利者名等が設定され、権利者コードがプライマリキーであってもよい。
【0041】
図2に戻り、二次利用マスタ106fは、作品、エピソード、許諾権利、権利者、および、当該権利者への配分率を紐付けて設定したマスタである。ここで、二次利用マスタ106fは、作品番号、エピソード番号、許諾権利名、権利者コード、権利者名、および/または、権利者への配分率が設定され、作品番号、エピソード番号、許諾権利名、または、権利者コードがプライマリキーであってもよい。
【0042】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0043】
制御部102は、収支管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタ設定部102aと二次売上取得部102bと収支取得部102cと分析出力部102dとを備えている。
【0044】
マスタ設定部102aは、マスタを設定する。ここで、マスタ設定部102aは、権利者への配分率を取得し、作品マスタ106b、エピソードマスタ106c、許諾権利マスタ106d、および、権利者マスタ106eに基づいて、当該配分率および制作時情報から二次利用マスタ106fを設定してもよい。
【0045】
二次売上取得部102bは、二次利用売上金額が設定された二次利用売上情報を取得する。ここで、二次売上取得部102bは、作品、エピソード、許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得してもよい。また、二次売上取得部102bは、二次利用売上情報を売上データベース106aに登録してもよい。
【0046】
収支取得部102cは、二次利用売上情報についての収支情報を取得する。ここで、収支取得部102cは、二次利用マスタ106fに基づいて、二次利用売上情報についての許諾権利別の収支情報を取得してもよい。また、収支取得部102cは、二次利用マスタ106fに基づいて、二次利用売上情報についての権利者別の収支情報を取得してもよい。また、収支取得部102cは、二次利用マスタ106fに基づいて、二次利用売上情報についてのエピソード別の収支情報を取得してもよい。また、収支取得部102cは、二次利用マスタ106fに基づいて、二次利用売上情報についての作品別の収支情報を取得してもよい。また、収支取得部102cは、二次利用マスタ106fに基づいて、二次利用売上情報についての作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報を取得してもよい。また、収支取得部102cは、収支情報を売上データベース106aに登録してもよい。
【0047】
分析出力部102dは、制作時情報についての収支情報と、二次利用売上情報についての収支情報と、を比較可能に出力させる。ここで、分析出力部102dは、制作時情報、および、二次利用売上情報についての収支情報に基づいて、制作時情報についての作品別エピソード別権利者別の収支情報と、二次利用売上情報についての作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報と、を比較可能に出力させてもよい。また、分析出力部102dは、制作時情報についての収支情報と、二次利用売上情報についての収支情報と、を比較可能に表示させてもよい。また、分析出力部102dは、制作時情報についての収支情報と、二次利用売上情報についての収支情報と、を比較可能に印刷出力させてもよい。
【0048】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図3から
図12を参照して説明する。
【0049】
[収支管理処理]
ここで、
図7を参照して、本実施形態における収支管理処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態における収支管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
図7に示すように、マスタ設定部102aは、ユーザにより入力装置112を介して入力された権利者への配分率を取得し、作品マスタ106b、エピソードマスタ106c、許諾権利マスタ106d、および、権利者マスタ106eに基づいて、当該配分率および売上データベース106aに記憶された制作時情報から二次利用マスタ106fを設定する(ステップSA-1)。
【0051】
そして、二次売上取得部102bは、作品、エピソード、許諾権利、および、二次利用売上金額が紐付けて設定された二次利用売上情報を取得する(ステップSA-2)。
【0052】
そして、収支取得部102cは、二次利用マスタ106fに基づいて、二次利用売上情報についての作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報を取得する(ステップSA-3)。
【0053】
そして、分析出力部102dは、売上データベース106aに記憶された制作時情報、および、二次利用売上情報についての収支情報に基づいて、制作時情報についての作品別エピソード別権利者別の収支情報と、二次利用売上情報についての作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報と、を比較可能に出力装置114に表示させ(ステップSA-4)、処理を終了する。
【0054】
ここで、
図3から
図6および
図8を参照して、本実施形態におけるマスタ設定処理の一例について説明する。
図8は、本実施形態におけるマスタ設定処理の一例を示す図である。
【0055】
図8に示すように、本実施形態においては、ユーザ設定の権利者への配分率が取得され、
図3に示す作品マスタ106b、
図4に示すエピソードマスタ106c、
図5に示す許諾権利マスタ106d、および、
図6に示す権利者マスタ106eに基づいて、ユーザ設定の許諾権利毎の権利者への配分率、および、制作時情報から、作品番号、エピソード番号、許諾権利名、権利者コード(CD)、権利者名および配分率が紐付けて設定された二次利用マスタ106fが設定される。ここで、
図8に示す制作時情報は、作品番号、エピソード番号、または、権利者コードがプライマリキーであってもよい。また、
図8に示す二次利用マスタ106fは、作品番号、エピソード番号、許諾権利名、または、権利者コードがプライマリキーであってもよい。
【0056】
また、
図8から
図11を参照して、本実施形態における収支管理処理の一例について説明する。
図9は、本実施形態における二次利用売上情報の一例を示す図である。
図10は、本実施形態における収支情報の一例を示す図である。
図11は、本実施形態における分析出力情報の一例を示す図である。
【0057】
本実施形態においては、
図10に示すように、
図9に示す二次利用売上情報が取得された場合、
図8に示す二次利用マスタ106fに基づいて、二次利用売上情報についての作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報が取得される。ここで、
図9に示す二次利用売上情報は、売上番号がプライマリキーであってもよい。また、
図10に示す収支情報は、作品番号、エピソード番号、許諾権利コード、または、権利者コードがプライマリキーであってもよい。
【0058】
そして、本実施形態においては、
図11に示すように、
図8に示す制作時情報、および、
図10に示す二次利用売上情報についての収支情報に基づいて、制作時情報についての作品別エピソード別権利者別の収支情報と、二次利用売上情報についての作品別エピソード別許諾権利別権利者別の収支情報と、を含む分析出力情報を取得し、当該分析出力情報を比較可能に出力させる。ここで、
図11に示す分析出力情報は、作品番号、エピソード番号、許諾権利コード、または、権利者コードがプライマリキーであってもよい。
【0059】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0062】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0063】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0064】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0065】
また、収支管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0066】
例えば、収支管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて収支管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0067】
また、このコンピュータプログラムは、収支管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0068】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0069】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0070】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0071】
また、収支管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、収支管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0072】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、コンテンツ制作業界、および、版権業務を取り扱う業界において有用である。
【符号の説明】
【0074】
100 収支管理装置
102 制御部
102a マスタ設定部
102b 二次売上取得部
102c 収支取得部
102d 分析出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 売上データベース
106b 作品マスタ
106c エピソードマスタ
106d 許諾権利マスタ
106e 権利者マスタ
106f 二次利用マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク