IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-充電システム 図1
  • 特許-充電システム 図2
  • 特許-充電システム 図3
  • 特許-充電システム 図4
  • 特許-充電システム 図5
  • 特許-充電システム 図6
  • 特許-充電システム 図7
  • 特許-充電システム 図8
  • 特許-充電システム 図9
  • 特許-充電システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20241018BHJP
【FI】
H02J7/02 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021001662
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106567
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大貫 泰道
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-211842(JP,A)
【文献】国際公開第2012/098794(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0228055(US,A1)
【文献】国際公開第2022/054367(WO,A1)
【文献】特開2022-047050(JP,A)
【文献】特開2018-201327(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0234671(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0080917(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置を形成する複数の蓄電モジュールを充電する充電システムであって、
交流電力源と、
前記交流電力源と前記複数の蓄電モジュールの各々との間に接続されるとともに、前記交流電力源から供給される交流電力を整流して得られる直流電力を前記複数の蓄電モジュールに供給する複数の整流部と、
前記複数の蓄電モジュールの各々と前記複数の整流部の各々との間に接続されるとともに、前記複数の蓄電モジュールと前記複数の整流部との間の電流の導通及び遮断を前記複数の整流部の各々に入力される前記交流電力に応じて自動的に切り替える複数の電流遮断部と
を備える
ことを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記複数の電流遮断部の各々は、
前記蓄電モジュールと前記整流部との間に接続されるとともに、少なくとも1つのスイッチング素子を備えるスイッチ部と、
前記整流部の交流入力端と前記スイッチ部の制御端子との間に接続されるとともに、前記スイッチ部の開閉を切り替える制御信号を前記交流入力端に入力される前記交流電力に応じて生成する駆動部と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記駆動部は、
前記交流入力端に接続されるキャパシタと、
前記キャパシタに接続される整流回路と、
前記整流回路と前記スイッチ部との間に接続される放電抵抗と
を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、直列に接続された複数の電池モジュールに電力を供給する電力供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電力供給装置は、複数の電池モジュールの各々に接続される整流回路と、複数の整流回路間を順次接続する交流電路と、交流電路に交流電圧を印加する交流発生回路とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-67021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した従来技術の電力供給装置では、複数のダイオードの組み合わせによって形成される整流回路を備えることにより、例えば損失低減のために順方向電圧が小さい特性のダイオードを用いた場合等において、逆方向の漏れ電流が増大するおそれがある。整流回路の漏れ電流が増大すると、電池モジュールの放電が生じるとともに複数の電池モジュールの各々の充電量が不均一になるという問題が生じる。
このような問題に対して、例えば機械的接点を有するリレーを追加する場合、機械的な動作保証に制約があるとともに、ターンオン時の突入電流又はターンオフ時のアーク等によって接点部位が劣化しやすいという問題が生じる。また、直列に接続された複数の電池モジュールの各々の電位が相互に異なることに対応して、例えばフォトカプラ又は絶縁型のDC-DCコンバータ等を追加する場合には、装置構成に要する費用が嵩むという問題が生じる。
【0005】
本発明は、構成に要する費用の増大を抑制しつつ漏れ電流を遮断することができる充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る充電システム(例えば、実施形態での充電システム10,10A,10B,10C)は、蓄電装置(例えば、実施形態でのバッテリ1)を形成する複数の蓄電モジュール(例えば、実施形態でのバッテリモジュール4)を充電する充電システムであって、交流電力源(例えば、実施形態での交流電力源11)と、前記交流電力源と前記複数の蓄電モジュールの各々との間に接続されるとともに、前記交流電力源から供給される交流電力を整流して得られる直流電力を前記複数の蓄電モジュールに供給する複数の整流部(例えば、実施形態での整流回路33)と、前記複数の蓄電モジュールの各々と前記複数の整流部の各々との間に接続されるとともに、前記複数の蓄電モジュールと前記複数の整流部との間の電流の導通及び遮断を前記複数の整流部の各々に入力される前記交流電力に応じて自動的に切り替える複数の電流遮断部(例えば、実施形態での正極側電流遮断回路35,35A、負極側電流遮断回路37)とを備える。
【0007】
(2)上記(1)に記載の充電システムでは、前記複数の電流遮断部の各々は、前記蓄電モジュールと前記整流部との間に接続されるとともに、少なくとも1つのスイッチング素子(例えば、実施形態での正極側第1トランジスタ61a及び正極側第2トランジスタ61b、負極側第1トランジスタ71a及び負極側第2トランジスタ71b)を備えるスイッチ部(例えば、実施形態での正極側スイッチ部61、負極側スイッチ部71)と、前記整流部の交流入力端(例えば、実施形態でのA相端子AS及びB相端子BS)と前記スイッチ部の制御端子(例えば、実施形態でのゲートG)との間に接続されるとともに、前記スイッチ部の開閉を切り替える制御信号を前記交流入力端に入力される前記交流電力に応じて生成する駆動部(例えば、実施形態での正極側スイッチ駆動部63,63A、負極側スイッチ駆動部73)とを備えてもよい。
【0008】
(3)上記(2)に記載の充電システムでは、前記駆動部は、前記交流入力端に接続されるキャパシタ(例えば、実施形態での正極側キャパシタCP、負極側キャパシタCN)と、前記キャパシタに接続される整流回路(例えば、実施形態での正極側整流回路65,81、負極側整流回路75)と、前記整流回路と前記スイッチ部との間に接続される放電抵抗(例えば、実施形態での正極側抵抗RP、負極側抵抗RN)とを備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
上記(1)によれば、複数の蓄電モジュールと複数の整流部との間の電流の導通及び遮断を各整流部に入力される交流電力に応じて自動的に切り替える複数の電流遮断部を備えることによって、構成に要する費用の増大を抑制しつつ整流部を介した蓄電モジュールの漏れ電流の増大を抑制することができる。
【0010】
上記(2)の場合、スイッチング素子のオン(導通)/オフ(遮断)を自動的に切り替える駆動部を備えることによって、構成に要する費用の増大を抑制しつつ整流部を介した蓄電モジュールの漏れ電流の増大を抑制することができる。
【0011】
上記(3)の場合、交流電力の印加有無に応じて自動的に電流の導通及び遮断を切り替えることができる。交流電力が通じていない状態では放電抵抗の放電によってスイッチング素子が遮断され、交流電力が通じている状態ではスイッチ部の制御端子の電位が増大してスイッチング素子が導通する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態での充電システムの構成を示す図。
図2】本発明の実施形態での充電システムの交流電力源の構成を示す図。
図3】本発明の実施形態での充電システムの整流回路の構成を示す図。
図4】本発明の実施形態での充電システムの正極側電流遮断回路の構成を示す図。
図5】本発明の実施形態の充電システムでの充電電流、ソース・ゲート間電位及び交流電圧振幅の各々の変化の一例を示す図。
図6】本発明の実施形態の第1変形例での充電システムの構成を示す図。
図7】本発明の実施形態の第1変形例での充電システムの負極側電流遮断回路の構成を示す図。
図8】本発明の実施形態の第2変形例での充電システムの構成を示す図。
図9】本発明の実施形態の第2変形例での充電システムの正極側電流遮断回路及び負極側電流遮断回路の構成を示す図。
図10】本発明の実施形態の第3変形例での充電システムの正極側電流遮断回路の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る充電システム10について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態での充電システム10の構成を示す図である。
本実施形態による充電システム10は、例えば電動車両等の車両に搭載されている。充電システム10は、車両に搭載されている蓄電装置に接続されている。電動車両は、電気自動車、ハイブリッド車両及び燃料電池車両等である。電気自動車は、バッテリを動力源として駆動する。ハイブリッド車両は、バッテリ及び内燃機関を動力源として駆動する。燃料電池車両は、燃料電池を動力源として駆動する。
【0014】
図1に示すように、充電システム10に接続されている蓄電装置は、例えば、車両の動力源である高圧のバッテリ1である。バッテリ1は、例えば、直列に接続される複数のセル2によって形成されるストリング3と、ストリング3の両端の正極端子及び負極端子とを備える。バッテリ1は、ストリング3を直列の複数のサブストリングに分割して形成される複数のバッテリモジュール4を備える。複数のバッテリモジュール4は、例えば、ストリング3を4分割して形成される第1バッテリモジュール4a、第2バッテリモジュール4b、第3バッテリモジュール4c及び第4バッテリモジュール4dである。例えば、第1バッテリモジュール4a、第2バッテリモジュール4b、第3バッテリモジュール4c及び第4バッテリモジュール4dは、順次に直列に接続されている。
【0015】
充電システム10は、交流電力源11と、複数の回路モジュール13と、制御装置15とを備える。
図2は、実施形態での充電システム10の交流電力源11の構成を示す図である。
図2に示すように、交流電力源11は、直流電源21と、第1電力変換部22と、第2電力変換部23とを備える。
直流電源21は、例えば太陽電池等である。
【0016】
第1電力変換部22は、例えば、昇圧及び降圧の2つの電力変換を行うDC-DCコンバータ等を備える。第1電力変換部22は、第1正極端子P1及び第1負極端子N1と、第2正極端子P2及び第2負極端子N2とを備える。
第1電力変換部22の第1正極端子P1及び第1負極端子N1は、直流電源21の正極端子DP及び負極端子DNに接続されている。第1電力変換部22の第2正極端子P2及び第2負極端子N2は、第2電力変換部23の正極端子PT及び負極端子NTに接続されている。
【0017】
第1電力変換部22は、例えば、2相で対を成すローサイドアーム及びハイサイドアームのスイッチング素子と、リアクトルとを備える。スイッチング素子は、MOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のトランジスタであり、例えばNチャネル型のMOSFETである。リアクトルは、チョークコイルLである。
なお、各トランジスタは整流素子を備えてもよい。整流素子は、各トランジスタに並列に接続されるダイオードである。整流素子は、例えば、MOSFETのドレイン-ソース間でソースからドレインに向けて順方向に接続される還流ダイオードである。
第1電力変換部22は、第1相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアーム第1相トランジスタS1H,S1Lと、第2相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアーム第2相トランジスタS2H,S2Lとを備える。
【0018】
ハイサイドアーム第1相トランジスタS1Hのドレインは、第1正極端子P1に接続されている。ハイサイドアーム第2相トランジスタS2Hのドレインは、第2正極端子P2に接続されている。ローサイドアーム第1相トランジスタS1Lのソースは、第1負極端子N1に接続されている。ローサイドアーム第2相トランジスタS2Lのソースは、第2負極端子N2に接続されている。ハイサイドアーム第1相トランジスタS1Hのソース及びローサイドアーム第1相トランジスタS1Lのドレインは、チョークコイルLの両端の第1端に接続されている。ハイサイドアーム第2相トランジスタS2Hのソース及びローサイドアーム第2相トランジスタS2Lのドレインは、チョークコイルLの両端の第2端に接続されている。
【0019】
第1電力変換部22は、第1正極端子P1と第1負極端子N1との間に接続される第1平滑コンデンサ(キャパシタ)SC1と、第2正極端子P2と第2負極端子N2との間に接続される第2平滑コンデンサ(キャパシタ)SC2とを備える。第1平滑コンデンサSC1及び第2平滑コンデンサSC2は、各トランジスタS1H,S1L,S2H,S2Lのオン/オフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
【0020】
第1電力変換部22は、各トランジスタS1H,S1L,S2H,S2Lのゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号に基づき、各トランジスタS1H,S1L,S2H,S2Lのオン(導通)/オフ(遮断)を切り替える。
第1電力変換部22は、昇圧時において、直流電源21から第1正極端子P1及び第1負極端子N1に入力される電力を昇圧して、昇圧後の電力を第2正極端子P2及び第2負極端子N2から出力する。第1電力変換部22は、昇圧時において、ハイサイドアーム第1相トランジスタS1Hのオン(導通)及びローサイドアーム第1相トランジスタS1Lのオフ(遮断)を維持する。
【0021】
第1電力変換部22は、ハイサイドアーム第2相トランジスタS2Hのオフ(遮断)及びローサイドアーム第2相トランジスタS2Lのオン(導通)時にリアクトル(チョークコイルL)の直流励磁によって磁気エネルギーを蓄積する。第1電力変換部22は、ハイサイドアーム第2相トランジスタS2Hのオン(導通)及びローサイドアーム第2相トランジスタS2Lのオフ(遮断)時にリアクトル(チョークコイルL)の磁気エネルギーによって発生する誘導電圧と第1正極端子P1及び第1負極端子N1に印加される電圧との重畳によって、第1正極端子P1及び第1負極端子N1よりも高い電圧を第2正極端子P2及び第2負極端子N2に発生させる。
【0022】
第1電力変換部22は、降圧時において、第1正極端子P1及び第1負極端子N1から入力される電力を降圧して、降圧後の電力を第2正極端子P2及び第2負極端子N2から出力する。第1電力変換部22は、降圧時において、ハイサイドアーム第2相トランジスタS2Hのオン(導通)及びローサイドアーム第2相トランジスタS2Lのオフ(遮断)を維持する。
第1電力変換部22は、ハイサイドアーム第1相トランジスタS1Hのオン(導通)及びローサイドアーム第1相トランジスタS1Lのオフ(遮断)時にリアクトル(チョークコイルL)の直流励磁によって磁気エネルギーを蓄積する。第1電力変換部22は、ハイサイドアーム第1相トランジスタS1Hのオフ(遮断)及びローサイドアーム第1相トランジスタS1Lのオン(導通)時にリアクトル(チョークコイルL)の磁気エネルギーによって発生する誘導電圧の降圧によって、第1正極端子P1及び第1負極端子N1よりも低い電圧を第2正極端子P2及び第2負極端子N2に発生させる。
【0023】
第2電力変換部23は、例えば、第1電力変換部22から入力される直流電力を交流電力に変換して交流電路12に出力するインバータ等を備える。
第2電力変換部23は、例えば、A相及びB相の2相でブリッジ接続される複数のスイッチング素子によって形成されるブリッジ回路を備える。スイッチング素子は、MOSFET又はIGBT等のトランジスタであり、例えばNチャネル型のMOSFETである。なお、各トランジスタは整流素子を備えてもよい。整流素子は、各トランジスタに並列に接続されるダイオードである。整流素子は、例えば、MOSFETのドレイン-ソース間でソースからドレインに向けて順方向に接続される還流ダイオードである。
第2電力変換部23は、A相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアームA相トランジスタSaH,SaLと、B相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアームB相トランジスタSbH,SbLとを備える。
【0024】
ハイサイドアームA相トランジスタSaH及びハイサイドアームB相トランジスタSbHの各ドレインは、正極端子PTに接続されている。ローサイドアームA相トランジスタSaL及びローサイドアームB相トランジスタSbLの各ソースは、負極端子NTに接続されている。ハイサイドアームA相トランジスタSaHのソース及びローサイドアームA相トランジスタSaLのドレインは、A相端子ATに接続されている。ハイサイドアームB相トランジスタSbHのソース及びローサイドアームB相トランジスタSbLのドレインは、B相端子BTに接続されている。
【0025】
第2電力変換部23は、各トランジスタSaH,SaL,SbH,SbLのゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号に基づき、各相のトランジスタ対のオン(導通)/オフ(遮断)を切り替える。第2電力変換部23は、正極端子PT及び負極端子NTから入力される直流電力を単相交流電力に変換してA相端子AT及びB相端子BTから出力する。第2電力変換部23のA相端子ATは、交流電力源11のA相端子11Aに接続され、第2電力変換部23のB相端子BTは、交流電力源11のB相端子11Bに接続されている。
【0026】
交流電力源11は、例えば、後述する交流電路31(共振電路)の共振周波数に近似した周波数の交流を発生させる場合には、バッテリ1の各バッテリモジュール4に同一の電流(電力)を供給する。
【0027】
図1に示すように、複数の回路モジュール13は、交流電力源11と複数のバッテリモジュール4の各々との間に接続されている。複数の回路モジュール13の個数は、複数のバッテリモジュール4の個数と同数である。複数の回路モジュール13は、例えば、第1回路モジュール13a、第2回路モジュール13b、第3回路モジュール13c及び第4回路モジュール13dである。
例えば、第1バッテリモジュール4a及び第1回路モジュール13aは一体的に接続され、第2バッテリモジュール4b及び第2回路モジュール13bは一体的に接続され、第3バッテリモジュール4c及び第3回路モジュール13cは一体的に接続され、第4バッテリモジュール4d及び第4回路モジュール13dは一体的に接続されている。各バッテリモジュール4と各回路モジュール13とは、例えば、絶縁被覆を有するバスバー(図示略)によって接続されている。複数の回路モジュール13は、交流電力源11から順次に配線(図示略)によって接続されている。例えば、第2回路モジュール13b及び第1回路モジュール13aは交流電力源11から順次に接続され、第3回路モジュール13c及び第4回路モジュール13dは交流電力源11から順次に接続されている。
【0028】
図1に示すように、複数の回路モジュール13の各々は、交流電路31と、整流回路33と、正極側電流遮断回路35とを備える。例えば、第1回路モジュール13aは第1交流電路31a、第1整流回路33a及び第1正極側電流遮断回路35aを備える。第2回路モジュール13bは第2交流電路31b、第2整流回路33b及び第2正極側電流遮断回路35bを備える。第3回路モジュール13cは第3交流電路31c、第3整流回路33c及び第3正極側電流遮断回路35c備える。第4回路モジュール13dは第4交流電路31d、第4整流回路33d及び第4正極側電流遮断回路35dを備える。
各交流電路31は、交流電力源11のA相端子11Aに直接的又は間接的に接続されるA相電路41及び交流電力源11のB相端子11Bに直接的又は間接的に接続されるB相電路43を備える。A相電路41及びB相電路43の各々は、交流電力の入力側で直列に接続される第1コンデンサ(キャパシタ)C1及び第1リアクトルL1のLC列45と、第2リアクトルL2とを備える。
第2リアクトルL2は、交流電路31にて交流電力の入力側からLC列45を介して設けられる第1接続点47と整流回路33側の第2接続点49との間に接続されている。第2接続点49は、第2リアクトルL2と整流回路33及び正極側電流遮断回路35とに接続されている。
【0029】
なお、複数の回路モジュール13の各々での交流電路31のコンデンサの合成キャパシタンス及びインダクタの合成インダクタンスの組み合わせ(例えば、合成キャパシタンスと合成インダクタンスの積等)は、適宜の組み合わせであってもよい。例えば、バッテリ1の各バッテリモジュール4に対応する各段ごとの共振電路の合成キャパシタンスと合成インダクタンスの積(LC積)が同一である場合には、各バッテリモジュール4に対する電流ゲインが同一となり、各バッテリモジュール4に同一の電流(電力)が均一に供給される。
例えば、第1バッテリモジュール4aに対する第1LC積、第2バッテリモジュール4bに対する第2LC積、第3バッテリモジュール4cに対する第3LC積及び第4バッテリモジュール4dに対する第4LC積が相互に同一である場合には、各バッテリモジュール4a,4b,4c,4dに同一の電流(電力)が均一に供給される。例えば、各LC積は、交流電力源11から各整流回路33に至る各電路での第2リアクトルL2以外のコンデンサ及びリアクトルによる合成キャパシタンスと合成インダクタンスの積である。
【0030】
第1LC積は、第2回路モジュール13bを介して交流電力源11に間接的に接続される第1回路モジュール13aの第1コンデンサC1及び第1リアクトルL1と、第2回路モジュール13bの第1コンデンサC1及び第1リアクトルL1とによる合成キャパシタンスと合成インダクタンスの積である。
第2LC積は、交流電力源11に直接的に接続される第2回路モジュール13bの第1コンデンサC1及び第1リアクトルL1による合成キャパシタンスと合成インダクタンスの積である。
第3LC積は、交流電力源11に直接的に接続される第3回路モジュール13cの第1コンデンサC1及び第1リアクトルL1による合成キャパシタンスと合成インダクタンスの積である。
第4LC積は、第3回路モジュール13cを介して交流電力源11に間接的に接続される第4回路モジュール13dの第1コンデンサC1及び第1リアクトルL1と、第3回路モジュール13cの第1コンデンサC1及び第1リアクトルL1とによる合成キャパシタンスと合成インダクタンスの積である。
【0031】
複数の回路モジュール13の各々の整流回路33は、交流電路31と、バッテリ1での対応するバッテリモジュール4との間に接続されている。複数の回路モジュール13の各々にて、交流電路31のA相電路41の第2接続点49は整流回路33のA相端子ASに接続されている。交流電路31のB相電路43の第2接続点49は整流回路33のB相端子BSに接続されている。
図3は、実施形態での充電システム10の整流回路33の構成を示す図である。
図3に示すように、整流回路33は、例えば、第1列及び第2列の2つでブリッジ接続される複数のダイオードによって形成されるブリッジ回路を備える。
整流回路33は、例えば全波整流回路である。整流回路33は、第1列で順方向に接続される第1ダイオード51a及び第2ダイオード51bと、第2列で順方向に接続される第3ダイオード51c及び第4ダイオード51dとを備える。
【0032】
第1ダイオード51aのアノード及び第2ダイオード51bのカソードの接続点33AはA相端子ASに接続されている。第3ダイオード51cのアノード及び第4ダイオード51dのカソードの接続点33BはB相端子BSに接続されている。
第1ダイオード51a及び第3ダイオード51cの各々のカソードは、正極端子PRに接続されている。第2ダイオード51b及び第4ダイオード51dの各々のアノードは、負極端子NRに接続されている。整流回路42の正極端子PR及び負極端子NRは、バッテリ1での対応するバッテリモジュール4の正極端及び負極端に接続されている。
整流回路33は、A相端子AS及びB相端子BSから入力される交流電力を全波整流して、整流後の直流電力を正極端子PR及び負極端子NRから出力する。
【0033】
図4は、実施形態での充電システム10の正極側電流遮断回路35の構成を示す図である。
図4に示すように、複数の回路モジュール13の各々の正極側電流遮断回路35は、整流回路33と、バッテリ1での対応するバッテリモジュール4の正極端との間に接続されている。正極側電流遮断回路35は、正極側スイッチ部61と、正極側スイッチ駆動部63とを備える。
正極側スイッチ部61は、整流回路33の正極端子PRとバッテリ1での対応するバッテリモジュール4の正極端との間に接続されている。正極側スイッチ部61は、例えば、2つのスイッチング素子によって形成される双方向スイッチである。スイッチング素子は、MOSFET又はIGBT等のトランジスタであり、例えばNチャネル型のMOSFETである。なお、各トランジスタは整流素子を備えてもよい。整流素子は、各トランジスタに並列に接続されるダイオードである。整流素子は、例えば、MOSFETのドレイン-ソース間でソースからドレインに向けて順方向に接続される還流ダイオードである。
【0034】
正極側スイッチ部61は、逆直列に接続される正極側第1トランジスタ61a及び正極側第2トランジスタ61bを備える。
正極側第1トランジスタ61a及び正極側第2トランジスタ61bの互いのゲートGは、正極側スイッチ駆動部63の正極端(例えば、後述する正極側整流回路65の接続点65P等)に接続されている。正極側第1トランジスタ61a及び正極側第2トランジスタ61bの互いのソースは、正極側スイッチ駆動部63の負極端(例えば、後述する正極側整流回路65の接続点65N等)に接続されている。正極側第1トランジスタ61aのドレインは、バッテリ1での対応するバッテリモジュール4の正極端に接続されている。正極側第2トランジスタ61bのドレインは、整流回路33の正極端子PRに接続されている。
【0035】
正極側スイッチ部61は、正極側第1トランジスタ61a及び正極側第2トランジスタ61bの各々のゲート-ソース間に正極側スイッチ駆動部63から印加される電圧によるスイッチング指令であるゲート信号に基づき、正極側第1トランジスタ61a及び正極側第2トランジスタ61bのオン(導通)/オフ(遮断)を切り替える。正極側スイッチ部61は、正極側第1トランジスタ61a及び正極側第2トランジスタ61bのオン(導通)/オフ(遮断)によって、各バッテリモジュール4と整流回路33との間の電流の導通及び遮断を切り替える。
【0036】
正極側スイッチ駆動部63は、直流絶縁用の2つの正極側コンデンサ(キャパシタ)CPと、正極側整流回路65と、放電用の正極側抵抗RPとを備える。
2つの正極側コンデンサCPは、交流電路31のA相電路41及びB相電路43の各々の第2接続点49に接続されている。
正極側整流回路65は、例えば、第1列及び第2列の2つでブリッジ接続される複数のダイオードによって形成されるブリッジ回路を備える。
正極側整流回路65は、例えば全波整流回路である。正極側整流回路65は、第1列で順方向に接続される正極側第1ダイオード65a及び正極側第2ダイオード65bと、第2列で順方向に接続される正極側第3ダイオード65c及び正極側第4ダイオード65dとを備える。
【0037】
正極側第1ダイオード65aのアノード及び正極側第2ダイオード65bのカソードの接続点(A相接続点)65Aは、正極側キャパシタCPを介してA相電路41の第2接続点49に接続されている。正極側第3ダイオード65cのアノード及び正極側第4ダイオード65dのカソードの接続点(B相接続点)65Bは、正極側キャパシタCPを介してB相電路43の第2接続点49に接続されている。
正極側第1ダイオード65a及び正極側第3ダイオード65cの各々のカソードの接続点65Pは、正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのゲートGに接続されている。正極側第2ダイオード65b及び正極側第4ダイオード65dの各々のアノードの接続点65Nは、正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのソースに接続されている。
正極側整流回路65は、A相電路41及びB相電路43からA相接続点65A及びB相接続点65Bに入力される交流電力を全波整流して、整流後の直流電力を接続点65P及び接続点65Nから出力する。
【0038】
正極側抵抗RPは、正極側整流回路65の接続点65Pと接続点65Nとの間に接続されている。
正極側スイッチ駆動部63は、A相電路41及びB相電路43から整流回路33に入力される交流電力に応じて、正極側スイッチ部61の電流の導通及び遮断を自動的に切り替える。
正極側スイッチ駆動部63は、先ず、交流電路31に交流電力が通じていない状態では、放電用の正極側抵抗RPにより正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのゲート-ソース間の電荷が放電されていることによって、各トランジスタ61a,61bは遮断状態となり、整流回路33を経由したバッテリモジュール4の漏れ電流は極めて小さくなる。
交流電力源11が起動し、交流電路31から正極側スイッチ駆動部63に交流電力が印加されると、正極側コンデンサCPを介して、交流成分のみが正極側整流回路65に入力される。正極側整流回路65によって整流された直流電力により正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのゲート-ソース間のキャパシタンスが充電され、ゲート-ソース間電位が充分に高くなると、各トランジスタ61a,61bが導通して、整流回路33により生成された直流電力がバッテリモジュール4に充電される。
交流電力源11が停止し、交流電路31の交流電力が途絶えると、再び正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bは遮断状態となり、整流回路33を経由したバッテリモジュール4の漏れ電流は極めて小さくなる。
【0039】
図5は、実施形態の充電システム10での充電電流、ソース・ゲート間電位及び交流電圧振幅の各々の変化の一例を示す図である。
図5に示すように、例えば時刻t1以降のように交流電圧の振幅が増大することに伴い、正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのソース-ゲート間の電位が増大傾向に変化する。
そして、時刻t2以降に示すように、交流電圧の振幅が所定振幅Vbに到達するとともに各トランジスタ61a,61bのソース-ゲート間の電位が所定電位Vaに到達する以降では、正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bが導通状態に転じ、バッテリモジュール4に所定の充電電流Iaが通流する。
そして、時刻t3以降に示すように、交流電圧の振幅が所定振幅Vbから低下することにより、バッテリモジュール4の充電電流が所定の充電電流Iaから低下する。これに伴い、時刻t4以降に示すように、各トランジスタ61a,61bのソース-ゲート間の電位が所定電位Vaから低下する。
そして、時刻t5に示すように、交流電圧の振幅及びバッテリモジュール4の充電電流がゼロに到達し、各トランジスタ61a,61bのソース-ゲート間の電位が下降して、正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bが遮断状態となる。
以上のように、交流電力の印加により,各トランジスタ61a,61bが自動的に導通し、交流電力を停止することにより、各トランジスタ61a,61bが自動的に遮断状態となる。
【0040】
図1に示すように、制御装置15は充電システム10の動作を制御する。例えば、制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPU等のプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマー等の電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、制御装置15の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路であってもよい。
例えば、制御装置15は、交流電力源11の各スイッチング素子をオン(導通)/オフ(遮断)駆動するタイミングを設定し、実際に各スイッチング素子をオン(導通)/オフ(遮断)駆動するためのゲート信号を生成する。
【0041】
上述したように、実施形態の充電システム10は、バッテリモジュール4と整流回路33との間の電流の導通及び遮断を整流回路33に入力される交流電力に応じて自動的に切り替える正極側電流遮断回路35を備えることによって、構成に要する費用の増大を抑制しつつ整流回路33を介したバッテリモジュール4の漏れ電流の増大を抑制することができる。
正極側電流遮断回路35は、正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのオン(導通)/オフ(遮断)を自動的に切り替える正極側スイッチ駆動部63を備えることによって、例えばフォトカプラ又は絶縁型のDC-DCコンバータ等を追加する場合に比べて、構成に要する費用の増大を抑制することができる。
正極側スイッチ駆動部63は、交流電力の印加有無に応じて正極側スイッチ部61の電流の導通及び遮断を自動的に切り替えることができる。交流電力が通じていない状態では正極側抵抗RPの放電によって各トランジスタ61a,61bが遮断され、交流電力が通じている状態では各トランジスタ61a,61bのゲート-ソース間電位が増大して各トランジスタ61a,61bが導通する。
【0042】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0043】
(第1変形例)
上述した実施形態では、複数の回路モジュール13の各々は、整流回路33とバッテリモジュール4の正極端との間に正極側電流遮断回路35を備えるとしたが、これに限定されない。
図6は、実施形態の第1変形例での充電システム10Aの構成を示す図である。図7は、実施形態の第1変形例での充電システム10Aの負極側電流遮断回路37の構成を示す図である。
図6に示すように、第1変形例での充電システム10Aは、交流電力源11と、複数の回路モジュール13Aと、制御装置15とを備える。複数の回路モジュール13Aは、交流電力源11と複数のバッテリモジュール4の各々との間に接続されている。複数の回路モジュール13Aの個数は、複数のバッテリモジュール4の個数と同数である。複数の回路モジュール13Aは、例えば、第1回路モジュール13Aa、第2回路モジュール13Ab、第3回路モジュール13Ac及び第4回路モジュール13Adである。
複数の回路モジュール13Aの各々は、交流電路31と、整流回路33と、負極側電流遮断回路37とを備える。例えば、第1回路モジュール13Aaは第1交流電路31a、第1整流回路33a及び第1負極側電流遮断回路37aを備える。第2回路モジュール13Abは第2交流電路31b、第2整流回路33b及び第2負極側電流遮断回路37bを備える。第3回路モジュール13Acは第3交流電路31c、第3整流回路33c及び第3負極側電流遮断回路37cを備える。第4回路モジュール13Adは第4交流電路31d、第4整流回路33d及び第4負極側電流遮断回路37dを備える。
【0044】
図7に示すように、複数の回路モジュール13Aの各々の負極側電流遮断回路37は、整流回路33と、バッテリ1での対応するバッテリモジュール4の負極端との間に接続されている。負極側電流遮断回路37は、負極側スイッチ部71と、負極側スイッチ駆動部73とを備える。
負極側スイッチ部71は、整流回路33の負極端子NRとバッテリ1での対応するバッテリモジュール4の負極端との間に接続されている。負極側スイッチ部71は、例えば、2つのスイッチング素子によって形成される双方向スイッチである。スイッチング素子は、MOSFET又はIGBT等のトランジスタであり、例えばNチャネル型のMOSFETである。なお、各トランジスタは整流素子を備えてもよい。整流素子は、各トランジスタに並列に接続されるダイオードである。整流素子は、例えば、MOSFETのドレイン-ソース間でソースからドレインに向けて順方向に接続される還流ダイオードである。
【0045】
負極側スイッチ部71は、逆直列に接続される負極側第1トランジスタ71a及び負極側第2トランジスタ71bを備える。
負極側第1トランジスタ71a及び負極側第2トランジスタ71bの互いのゲートGは、負極側スイッチ駆動部73の正極端(例えば、後述する負極側整流回路75の接続点75P等)に接続されている。負極側第1トランジスタ71a及び負極側第2トランジスタ71bの互いのソースは、負極側スイッチ駆動部73の負極端(例えば、後述する負極側整流回路75の接続点75N等)に接続されている。負極側第1トランジスタ71aのドレインは、整流回路33の負極端子NRに接続されている。負極側第2トランジスタ71bのドレインは、バッテリ1での対応するバッテリモジュール4の負極端に接続されている。
【0046】
負極側スイッチ部71は、負極側第1トランジスタ71a及び負極側第2トランジスタ71bの各々のゲート-ソース間に負極側スイッチ駆動部73から印加される電圧によるスイッチング指令であるゲート信号に基づき、負極側第1トランジスタ71a及び負極側第2トランジスタ71bのオン(導通)/オフ(遮断)を切り替える。負極側スイッチ部71は、負極側第1トランジスタ71a及び負極側第2トランジスタ71bのオン(導通)/オフ(遮断)によって、各バッテリモジュール4と整流回路33との間の電流の導通及び遮断を切り替える。
【0047】
負極側スイッチ駆動部73は、直流絶縁用の2つの負極側コンデンサ(キャパシタ)CNと、負極側整流回路75と、放電用の負極側抵抗RNとを備える。
2つの負極側キャパシタCNは、交流電路31のA相電路41及びB相電路43の各々の第2接続点49に接続されている。
負極側整流回路75は、例えば、第1列及び第2列の2つでブリッジ接続される複数のダイオードによって形成されるブリッジ回路を備える。
負極側整流回路75は、例えば全波整流回路である。負極側整流回路75は、第1列で順方向に接続される負極側第1ダイオード75a及び負極側第2ダイオード75bと、第2列で順方向に接続される負極側第3ダイオード75c及び負極側第4ダイオード75dとを備える。
【0048】
負極側第1ダイオード75aのアノード及び負極側第2ダイオード75bのカソードの接続点(A相接続点)75Aは、負極側キャパシタCNを介してA相電路41の第2接続点49に接続されている。負極側第3ダイオード75cのアノード及び負極側第4ダイオード75dのカソードの接続点(B相接続点)75Bは、負極側キャパシタCNを介してB相電路43の第2接続点49に接続されている。
負極側第1ダイオード75a及び負極側第3ダイオード75cの各々のカソードの接続点75Pは、負極側スイッチ部71の各トランジスタ71a,71bのゲートGに接続されている。負極側第2ダイオード75b及び負極側第4ダイオード75dの各々のアノードの接続点75Nは、負極側スイッチ部71の各トランジスタ71a,71bのソースに接続されている。
負極側整流回路75は、A相電路41及びB相電路43からA相接続点75A及びB相接続点75Bに入力される交流電力を全波整流して、整流後の直流電力を接続点75P及び接続点75Nから出力する。
【0049】
負極側抵抗RNは、負極側整流回路75の接続点75Pと接続点75Nとの間に接続されている。
負極側スイッチ駆動部73は、A相電路41及びB相電路43から整流回路33に入力される交流電力に応じて、負極側スイッチ部71の電流の導通及び遮断を自動的に切り替える。
【0050】
(第2変形例)
上述した実施形態又は第1変形例では、複数の回路モジュール13の各々は、整流回路33とバッテリモジュール4の正極端又は負極端との間に正極側電流遮断回路35又は負極側電流遮断回路37を備えるとしたが、これに限定されない。
図8は、実施形態の第2変形例での充電システム10Bの構成を示す図である。図9は、実施形態の第2変形例での充電システム10Bの正極側電流遮断回路35及び負極側電流遮断回路37の構成を示す図である。
図8及び図9に示すように、第2変形例での充電システム10Bは、交流電力源11と、複数の回路モジュール13Bと、制御装置15とを備える。複数の回路モジュール13Bは、交流電力源11と複数のバッテリモジュール4の各々との間に接続されている。複数の回路モジュール13Bの個数は、複数のバッテリモジュール4の個数と同数である。複数の回路モジュール13Bは、例えば、第1回路モジュール13Ba、第2回路モジュール13Bb、第3回路モジュール13Bc及び第4回路モジュール13Bdである。
複数の回路モジュール13Bの各々は、交流電路31と、整流回路33と、正極側電流遮断回路35及び負極側電流遮断回路37とを備える。例えば、第1回路モジュール13Baは第1交流電路31a、第1整流回路33a、第1正極側電流遮断回路35a及び第1負極側電流遮断回路37aを備える。第2回路モジュール13Bbは第2交流電路31b、第2整流回路33b、第2正極側電流遮断回路35b及び第2負極側電流遮断回路37bを備える。第3回路モジュール13Acは第3交流電路31c、第3整流回路33c、第3正極側電流遮断回路35c及び第3負極側電流遮断回路37cを備える。第4回路モジュール13Bdは第4交流電路31d、第4整流回路33d、第4正極側電流遮断回路35d及び第4負極側電流遮断回路37dを備える。
【0051】
(第3変形例)
上述した実施形態では、複数の回路モジュール13の各々の正極側電流遮断回路35は、複数のダイオードによって形成されるブリッジ回路を備えるとしたが、これに限定されず、他の整流回路を備えてもよい。
図10は、実施形態の第3変形例での充電システム10Cの正極側電流遮断回路35Aの構成を示す図である。
図10に示すように、第3変形例での充電システム10Cの正極側電流遮断回路35Aは、正極側スイッチ部61と、正極側スイッチ駆動部63Aとを備える。正極側スイッチ駆動部63Aは、直流絶縁用の2つの負極側コンデンサ(キャパシタ)CNと、正極側整流回路81と、放電用の正極側抵抗RPとを備える。
正極側整流回路81は、例えば、第1ダイオード81a、第2ダイオード81b及び第3ダイオード81cを備える。
第1ダイオード81aのカソードはA相側の正極側キャパシタCPに接続され、第1ダイオード81aのアノードはB相側の正極側キャパシタCPに接続されている。
第2ダイオード81bのカソードは正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのゲートGに接続され、第2ダイオード81bのアノードは第1ダイオード81aのカソードに接続されている。
第3ダイオード81cのカソードは第1ダイオード81aのアノードに接続され、第3ダイオード81cのアノードは正極側スイッチ部61の各トランジスタ61a,61bのソースに接続されている。
【0052】
上述した実施形態では、第1電力変換部22は昇圧及び降圧の2つの電力変換を行うとしたが、これに限定されず、昇圧回路又は降圧回路を備えてもよい。
上述した実施形態では、充電システム10は車両に搭載されるとしたが、これに限定されず、他の機器に搭載されてもよい。
上述した実施形態では、充電システム10は蓄電装置に接続されるとしたが、これに限定されず、他の負荷に接続されて電力を供給してもよい。
【0053】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1…バッテリ(蓄電装置)、4…バッテリモジュール(蓄電モジュール)、10,10A,10B,10C…充電システム、11…交流電力源、15…制御装置、33…整流回路(整流部)、35,35A…正極側電流遮断回路(電流遮断部)、37…負極側電流遮断回路(電流遮断部)、61…正極側スイッチ部(スイッチ部)、61a…正極側第1トランジスタ(スイッチング素子)、61b…正極側第2トランジスタ(スイッチング素子)、63,63A…正極側スイッチ駆動部(駆動部)、65…正極側整流回路(整流回路)、71…負極側スイッチ部(スイッチ部)、71a…負極側第1トランジスタ(スイッチング素子)、71b…負極側第2トランジスタ(スイッチング素子)、73…負極側スイッチ駆動部(駆動部)、75…負極側整流回路(整流回路)、81…正極側整流回路(整流回路)、AS…A相端子(交流入力端)、BS…B相端子(交流入力端)、CP…正極側キャパシタ(キャパシタ)、CN…負極側キャパシタ(キャパシタ)、G…ゲート(制御端子)、RP…正極側抵抗(放電抵抗)、RN…負極側抵抗(放電抵抗)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10