(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 29/00 20060101AFI20241018BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D23/00 305G
(21)【出願番号】P 2021035352
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】浅田 尚志
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-052796(JP,A)
【文献】特開2019-027723(JP,A)
【文献】特開平08-094241(JP,A)
【文献】特開2004-101055(JP,A)
【文献】特開2020-169736(JP,A)
【文献】特開2002-039673(JP,A)
【文献】米国特許第05419148(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 29/00
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫内壁を形成している内箱と、
前記庫内壁に取り付けられている操作部と
を備え、
前記操作部は、
表面パネルと、
前記表面パネルの裏面側に配置されているベース部品と、
前記表面パネルと前記ベース部品との間に配置され、
左右方向の側端辺にコネクタ取付部を有している配線基板と、
前記コネクタ取付部に配置されたコネクタを介して前記配線基板と接続されているハーネスと
を有しており、
前記ベース部品の前記庫内壁の裏側における前記配線基板の前記コネクタ取付部と
左右方向に隣接する位置には、ハーネス収容部が設けられて
おり、
前記表面パネルの裏面側の外周には、前記配線基板の上方に位置している上壁部と、前記上壁部に連なって前記配線基板の左右方向の側方に位置している側壁部と、が設けられており、
前記側壁部のうち前記コネクタ取付部を配している側の側壁部には、壁部が設けられない開放部が形成されており、
前記開放部の上方に位置する前記側壁部の端部には、下方に向かって前記配線基板から遠ざかる方向に傾斜した庇部が設けられている、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記操作部は、
前記開放部の下方に位置する前記側壁部の端部に、前記ハーネスを前記ハーネス収容部の方へ押す
第1の突起を有している、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記表面パネルおよび前記ベース部品の少なくともいずれかには、下方端辺に水排出部が設けられている、
請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記上壁部は、前記操作部の表面側から裏面側へ向かって上方へ傾斜しており、
前記上壁部の上端には上方へ向かって突出する第2の突起が設けられている、
請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、庫内に操作部を備える冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫には、冷蔵室及び冷凍室の温度設定、製氷装置の操作及び設定、並びに、その他の各種の操作及び設定を行う操作部(操作パネル)が内蔵されているものがある。例えば、特許文献1には、内箱の側面に操作部が設けられている冷蔵庫が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている冷蔵庫においては、操作部を構成している基板収納部材7を内箱1の側面に埋設させている。そして、基板収納部材7の後方に、基板3と結束される配線11を収納する空間が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、冷蔵庫の庫内容積の割合を増加させることなどを目的として、断熱箱体の薄型化を実現することが求められている。これにより、内箱の側面に埋設されるようにして取り付けられる操作部についても、薄型化することが要求される。
【0006】
例えば、特許文献1に開示されている冷蔵庫のように、操作部を構成している基板の裏側に配線を収納する構成では、操作部の厚さが増大してしまう。そのため、基板の裏側以外の場所に配線を収容する領域を確保する必要がある。しかし、このような構成にすることで、庫内の壁面への操作部の取り付け作業が行いにくくなるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明では、庫内の壁面への操作部の取り付け作業を行い易くすることのできる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面にかかる冷蔵庫は、庫内壁を形成している内箱と、前記庫内壁に取り付けられている操作部とを備えている。前記操作部は、表面パネルと、前記表面パネルの裏面側に配置されているベース部品と、前記表面パネルと前記ベース部品との間に配置され、側端辺にコネクタ取付部を有している配線基板と、前記コネクタ取付部に配置されたコネクタを介して前記配線基板と接続されているハーネスとを有している。前記庫内壁の裏側における前記配線基板の前記コネクタ取付部と隣接する位置には、ハーネス収容部が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明の一局面にかかる冷蔵庫によれば、庫内の壁面への操作部の取り付け作業を行い易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる冷蔵庫の冷蔵室内の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す冷蔵庫に備えられている操作部の周辺を示す斜視図である。
【
図3】冷蔵庫から取り外された操作部を示す平面図である。
【
図4】
図3に示す操作部の各構成部品を分解した状態で示す斜視図である。
【
図5】
図3に示す操作部のA-A線部分の構成を示す断面図である。
【
図6】
図3に示す操作部の下側を示す斜視図である。
【
図7】
図4に示す表面パネルの裏面側を示す斜視図である。
【
図8】
図4に示す表面パネルおよび配線基板を冷蔵室の側壁に取り付ける様子を示す斜視図である。
【
図9】
図4に示す表面パネルおよび配線基板を冷蔵室の側壁に取り付ける様子を示す斜視図である。
【
図10】冷蔵庫に取り付けられた操作部に上方から水が落下した場合の水の流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
<第1の実施形態>
(冷蔵庫の全体構成)
先ず、第1の実施形態にかかる冷蔵庫1の全体構成を説明する。
図1には、冷蔵庫1の外観を示す。
図1では、冷蔵室の扉の図示は省略している。
【0013】
冷蔵庫1の外形は、主として断熱箱体50で構成されている。断熱箱体50は、主として、内箱51と、外箱52と、内箱51と外箱52との間に形成された断熱層(図示せず)とで構成されている。この断熱箱体50によって冷蔵庫1の貯蔵空間が形成される。断熱箱体50によって形成される貯蔵空間は、水平方向に延びる複数の仕切りによって、例えば、上段から順に、冷蔵室11と、野菜室と、製氷室および第2冷凍室と、冷凍室とに区分けされている。
【0014】
冷蔵室11には、左右に分割された観音開き式の冷蔵室扉(図示せず)が設けられている。野菜室には、引き出し式の野菜室扉12aが設けられている。冷凍室には、引き出し式の冷凍室扉13aが設けられている。製氷室には、引き出し式の製氷室扉14aが設けられている。第2冷凍室には、引き出し式の冷凍室扉15aが設けられている。
【0015】
以上のように、本実施の形態にかかる冷蔵庫1は、複数の貯蔵空間に区分けされて、冷蔵室11および野菜室などが設けられている。但し、各貯蔵空間の配置位置については、これに限定はされない。また、各貯蔵空間に設けられている扉の構成も、上記のものに限定はされない。
【0016】
本実施形態では、扉が設けられている面を冷蔵庫の正面または前面と呼ぶ。そして、前面を基準にして、冷蔵庫1を通常の状態で設置した場合に存在する位置に基づいて、冷蔵庫1の各面を、上面、側面、背面、及び底面とする。また、冷蔵庫1を設置面に載置した状態で、冷蔵庫1の上下の方向のことを、冷蔵庫1の上下方向という。また、冷蔵庫1を設置面に載置した状態で、冷蔵庫1を正面から見て前後の方向のことを、冷蔵庫1の前後方向という。また、冷蔵庫1の前面側から見て左側に位置する側を、冷蔵庫1の左側と呼び、冷蔵庫1の前面側から見て右側に位置する側のことを、冷蔵庫1の右側と呼ぶ。
【0017】
(操作部の構成)
続いて、冷蔵庫1に備えられている操作部20について説明する。操作部20は、冷蔵庫1の庫内壁を形成している内箱51に取り付けられている。本実施形態では、操作部20は、冷蔵室11内の右側の側壁51aに取り付けられている(
図1参照)。
図2には、操作部20が配置されている冷蔵室11の右側の側壁51aの周辺を拡大して示す。
図2に示す側壁51aは、その右側が冷蔵室11の間口側に位置し、その左側が冷蔵室11の奥側に位置する。
【0018】
操作部20の表面は、表面パネル21で形成されている。表面パネル21は、冷蔵室11の側壁51aに沿うように配置されている。表面パネル21には、冷蔵室11などの各貯蔵室の温度設定、製氷装置の操作及び設定、並びに、その他の各種の操作及び設定を行うための操作ボタン31が複数設けられている(
図2参照)。
【0019】
図3、
図5、および
図6には、冷蔵庫1から取り外した状態の操作部20を示す。
図3には、操作部20の表面側の構成を示す。
図5には、操作部20の内部構成を示す。
図5は、
図3に示す操作部20のA-A線部分の断面図である。
図6には、操作部20の下側の構成を示す。また、
図4には、操作部20を各構成部品に分解した状態を示す。なお、
図4では、コネクタ24を介して配線基板23に接続されるハーネス(配線)25も図示している。
【0020】
図4に示すように、操作部20は、主として、表面パネル21、ベース部品22、および配線基板23で構成されている。
【0021】
表面パネル21は、樹脂材料を所定の形状に成形して得られる。表面パネル21は、冷蔵室11の側壁51aに沿うように設けられた操作面部21aを有している。操作面部21aには、複数の操作ボタン31が設けられている。操作面部21aの裏面側には、配線基板23が配置される配線基板設置部21bが設けられている。
【0022】
図7には、表面パネル21の裏面側の構成を示す。
図7に示すように、配線基板設置部21bの外周には、壁部34(具体的には、上壁部34a、下壁部34b、後方側壁部34c、および前方側壁部34d)が設けられている。配線基板設置部21bに配線基板23が配置されると、配線基板23の周囲は、壁部34で囲まれた状態となる。
【0023】
なお、表面パネル21の後方側壁部34cには、壁部が設けられていない開放部34eが存在する。後述するように、この開放部34eには、ハーネス25が通される(
図10参照)。また、開放部34eの下方に位置する後方側壁部34cの端部には、突起35が設けられている。また、開放部34eの上方に位置する後方側壁部34cの端部には、傾斜部(傾斜した庇部)36が設けられている。
【0024】
また、表面パネル21の後方側壁部34cには、複数の第1爪部32が設けられている。また、表面パネル21の前方側壁部34dには、複数の第2爪部33が設けられている。これらの爪部がベース部品22の各所に嵌め込まれることで、表面パネル21は、ベース部品22に対して固定される。
【0025】
突起35は、コネクタ24が取り付けられる配線基板23の側端辺23d側に設けられている。そして、突起35は、表面パネル21および配線基板23を冷蔵室11の側壁51aに取り付ける際に、コネクタ24に接続されたハーネス25をハーネス収容部43の方へ押し込むように作用する。
【0026】
このような突起35が設けられていることで、コネクタ24を介して配線基板23と接続されるハーネス25を、配線基板23(具体的には、配線基板23の側端辺23d)から遠ざけることができる。これにより、ハーネス25をつたった水が、配線基板23の方へ誘導されることを防ぐことができる。
【0027】
表面パネル21の裏側に配線基板23が配置された状態で、傾斜部36は、配線基板23に取り付けられるコネクタ24の上方に位置する。また、傾斜部36は、下方へ向かって配線基板23から遠ざかる方向に傾斜している。これにより、傾斜部36は、コネクタ24の上方から落下する水をコネクタ24および配線基板23側へ侵入させないようにすることができる。
【0028】
また、表面パネル21には、下方端辺に水排出穴(水排出部)37が設けられている。
図6に示すように、表面パネル21において水排出穴37が形成されている箇所は、表面パネル21がベース部品22に取り付けられた状態で、わずかに開口している。これにより、操作部20の上方から水が落下し、表面パネル21とベース部品22との間にできた隙間に万一水が浸入した場合であっても、浸入した水を、配線基板設置部21bを取り囲む壁部34の外周をつたって水排出穴37から排出することができる。
【0029】
なお、水排出穴37は、表面パネル21の裏面の下方端辺の一部に凹部を形成することによって得られる(
図7参照)。この凹部は、表面パネル21をベース部品22から取り外す際の引っ掛け部として利用することもできる。
【0030】
ベース部品22は、樹脂材料を所定の形状に成形して得られる。ベース部品22は、表面パネル21の裏面側に配置されている。ベース部品22は、断熱箱体50の内箱51に形成された開口部55に取り付けられ、表面パネル21および配線基板23が設置される空間(凹部22a)を形成する(
図8参照)。
【0031】
ベース部品22は、凹部22aの外周にフランジ部42を有している。ベース部品22に表面パネル21が取り付けられた状態で、フランジ部42は、表面パネル21の外周に位置している。このフランジ部42が内箱51の裏面に接触するように取り付けられることで、ベース部品22は内箱51の開口部55に取り付けられる。
【0032】
また、ベース部品22には、表面パネル21の各爪部(すなわち、第1爪部32および第2爪部33)が嵌め込まれる嵌め込み部41が設けられている。
【0033】
さらに、ベース部品22には、凹部22aの一領域にハーネス収容部43が設けられている。操作部20が冷蔵室11の側壁51aに取り付けられた状態で、ハーネス収容部43には、ハーネス25が収容される。
【0034】
後述するように、このハーネス収容部43は、表面パネル21を冷蔵室11の側壁51aに取り付ける際の差し込み側の端辺(すなわち、表面パネル21の第1爪部32が設けられている側の端辺と対応する端辺)に設けられている。
【0035】
また、ベース部品22が冷蔵室11の側壁51aに取り付けられた状態で、ハーネス収容部43は、内箱51の裏側に位置している(
図8参照)。本実施形態では、ハーネス収容部43は、側壁51aの開口部55における冷蔵室11の奥側(間口部から遠い側)の側端辺に位置している(
図8参照)。
【0036】
配線基板23は、表面パネル21とベース部品22との間に配置される。すなわち、配線基板23は、表面パネル21とベース部品22とで挟まれた状態となる(
図5参照)。配線基板23、略長方形の平板形状を有している。
【0037】
配線基板23において、表面パネル21と面する側を、便宜上、配線基板23の表面23aとする。配線基板23の表面23aおよび裏面には、種々の電子回路が設けられている。また、長方形の平板状の配線基板23の各端辺を、上端辺23b、下端辺23c、側端辺23d(奥側側端辺)、および側端辺23e(手前側側端辺)とする。
【0038】
配線基板23の側端辺(例えば、側端辺23d)には、コネクタ24が取り付けられるコネクタ取付部24aが設けられている。
図4では、配線基板23のコネクタ取付部24aに取り付けられたコネクタ24およびハーネス25も図示している。
【0039】
(操作部の取り付け方法)
続いて、操作部20を冷蔵庫1に取り付ける方法について説明する。
図8および
図9には、表面パネル21および配線基板23が、冷蔵室11の側壁51aの開口部55に取り付けられる様子を順に示す。
図8および
図9に示す側壁51aは、その右側が冷蔵室11の間口側に位置し、その左側が冷蔵室11の奥側に位置する。
【0040】
操作部20を冷蔵庫1に取り付ける場合には、先ず、ベース部品22を、内箱51に対して取り付ける。具体的には、ベース部品22の凹部22aを内箱51の開口部55に位置合わせして、ベース部品22のフランジ部42を内箱51の裏面にテープなどで貼り付ける。このとき、ハーネス25は、断熱箱体50内を通されて、ベース部品22のハーネス収容部43の裏側から凹部22aへ引き出されている。ハーネス25の先端には、コネクタ24が取り付けられており、ハーネス25とともに凹部22aへ引き出されている。その後、内箱51と外箱52との間にウレタンなどの発泡断熱材を充填する。これにより、ベース部品22が発泡断熱材によって内箱51に強固に固定される。
【0041】
これにより、
図8に示すように、側壁51aの開口部55に表面パネル21などが配置される凹部22aが形成される。側壁51aに取り付けられたベース部品22において、ハーネス収容部43は、冷蔵室11の奥側に位置している。
【0042】
続いて、側壁51aの凹部22aに表面パネル21を取り付ける。この表面パネル21の配線基板設置部21bには、配線基板23が取り付けられている。表面パネル21を側壁に51aに取り付けるにあたって、先ず、配線基板23のコネクタ取付部24aに、ベース部品22の凹部22a内に引き出されているハーネス25のコネクタ24を取り付ける。
【0043】
図8に示すように、表面パネル21は、先ず、ハーネス25と接続されている奥側の側端辺から凹部22aに嵌め込まれる。すなわち、表面パネル21の後方側壁部34cに設けられている各第1爪部32が、ベース部品22の嵌め込み部41に差し込まれる。
【0044】
開口部55の奥側の側端辺にはハーネス収容部43が設けられているため、ハーネス25は、ハーネス収容部43の方へ誘導される。このとき、ハーネス25は、表面パネル21に設けられている突起35によってハーネス収容部43側へ押される。
【0045】
その後、表面パネル21の奥側の側端辺を回動軸として、表面パネル21を回動させる(
図9参照)。そして、表面パネル21の手前側(間口部側)の側端辺を凹部22aへ押し込み、表面パネル21の前方側壁部34dに設けられている各第2爪部33を、ベース部品22の嵌め込み部41に嵌め込む。
【0046】
以上のように、表面パネル21を冷蔵室11の側壁51aに取り付ける際には、冷蔵室11の奥側に位置する側から表面パネル21を凹部22aへ嵌め込む。配線基板23に接続されるハーネス25は、この嵌め込み側から冷蔵庫1の本体とつながっている。これにより、表面パネル21の冷蔵庫1への取り付け作業が行い易くなる。
【0047】
(操作部内の水の排出について)
続いて、操作部20内に水が浸入した場合の水の排出経路について説明する。
図10には、表面パネル21の裏面側(配線基板設置部21b側)の構成を示す。
図10では、操作部20の上方から水が落下した場合の水の流れを矢印で示す。また、
図10では、表面パネル21に取り付けられる配線基板23のコネクタ取付部24a、および、コネクタ取付部24aに接続されるハーネス25も破線で図示している。
【0048】
上述したように、表面パネル21の裏面側には、配線基板23の外周を取り囲むように壁部34(具体的には、上壁部34a、下壁部34b、後方側壁部34c、および前方側壁部34d)が設けられている。表面パネル21の裏面とベース部品22の凹部22aの底面との間の空間は、この壁部34で取り囲まれた状態となっている。そして、この壁部34で取り囲まれた空間の内部に配線基板23が配置されている(
図5参照)。
【0049】
操作部20の上方から表面パネル21とベース部品22との隙間に浸入した水は、
図10に示すように、壁部34の外周を通って、操作部20の下方に設けられている水排出穴37から排出される。これにより、配線基板設置部21b内に水が浸入することを抑制することができる。
【0050】
また、
図5に示すように、上方側の壁部34を形成している上壁部34aは、操作部20の表面側(操作面部21a側)から裏面側(ベース部品22側)へ向かって上方へ傾斜している。そして、上壁部34aの最上方に位置する裏面側には、上方へ向かって突出する突起38が設けられている。この突起38は、ベース部品22の凹部22aと接触している。
【0051】
上壁部34aがこのような形状を有していることによって、上壁部34aの上面に落下した水が、配線基板設置部21bへ浸入することをより確実に防ぐことができる。上壁部34aの上面に落下した水は、上壁部34aの最下方に位置する表面側の方へ誘導され、壁部34の外周を通って、下方の水排出穴37へと導かれる。
【0052】
また、ハーネス25が通る後方側壁部34cの開放部34eには、コネクタ24の上方に傾斜部36が設けられている。傾斜部36は、下方へ向かって配線基板23から遠ざかる方向に傾斜している。これにより、傾斜部36は、コネクタ24の上方から落下する水をコネクタ24および配線基板23側へ侵入させないようにすることができる。すなわち、傾斜部36は、コネクタ24および配線基板23に対して傘のような役割を果たす。
【0053】
また、ハーネス25は、表面パネル21に設けられている傾斜部36によって、壁部34の開放部34eから下方へ誘導される。これにより、コネクタ24は、ハーネス25の最下方位置よりも高くに位置する。そのため、ハーネス25をつたって冷蔵庫1の本体側から結露水が配線基板23の方へ進行した場合であっても、ハーネス25の最下方位置からコネクタ24および配線基板23側へ結露水が浸入(上昇)することを抑制することができる。
【0054】
また、水排出穴37は、表面パネル21に設けられている下壁部34bからある程度離れた位置に設けられていることが好ましい。これにより、下壁部34bと水排出穴37との間の空間に、水を溜める領域を確保することができる。
【0055】
(第1の実施形態のまとめ)
以上のように、本実施形態にかかる冷蔵庫1は、内箱51と、操作部20とを備えている。内箱51は、冷蔵室11などの庫内空間の側壁(庫内壁)51aを形成している。操作部20は、側壁51aに取り付けられている。操作部20は、表面パネル21と、表面パネル21の裏面側に配置されているベース部品22と、表面パネル21とベース部品22との間に配置されている配線基板23とを有している。配線基板23は、側端辺(例えば、側端辺23d)にコネクタ取付部24aを有している。コネクタ取付部24aには、コネクタ24を介してハーネス25が接続されている。側壁51aの裏側における配線基板23のコネクタ取付部24aと隣接する位置には、ハーネス収容部43が設けられている。本実施形態では、ハーネス収容部43は、ベース部品22で形成されている。
【0056】
本実施形態では、操作部20を構成する配線基板23の側端辺にコネクタ取付部24aが設けられている。そして、このコネクタ取付部24aと隣接する位置に、ハーネス収容部43が設けられている。これにより、例えば、特許文献1に開示されている冷蔵庫のように、基板の裏側に配線を配置する領域を確保する必要がなくなる。そのため、操作部20の薄型化を実現することができる。
【0057】
そして、上記のような構成を有する操作部20を冷蔵室11の側壁51aに取り付ける際には、冷蔵室11の奥側に位置する側から表面パネル21を凹部22aへ嵌め込むことで、ハーネス25をハーネス収容部43内へ容易に誘導することができる。これにより、表面パネル21の冷蔵庫1への取り付け作業が行い易くなる。
【0058】
さらに、本実施形態では、表面パネル21の裏側の壁部34(具体的には、後方側壁部34c)に、突起35が設けられている。突起35は、コネクタ24が取り付けられる配線基板23の側端辺23d側に位置している。この突起35は、表面パネル21および配線基板23を冷蔵室11の側壁51aに取り付ける際に、コネクタ24に接続されたハーネス25をハーネス収容部43の方へ押し込むように作用する。これにより、表面パネル21および配線基板23を側壁51aへの取り付ける際のハーネス25の位置決めが行い易くなる。
【0059】
また、このような突起35が設けられていることで、操作部20が側壁51aに取り付けられたときに、ハーネス25を配線基板23からある程度離した状態で配置させることができる。これにより、ハーネス25をつたった水が、配線基板23の方へ誘導されることを防ぐことができる。
【0060】
なお、本実施形態では、表面パネル21の裏面側に壁部34を形成し、この壁部34で囲まれた領域(すなわち、配線基板設置部21b)内に配線基板23を配置している。しかし、別の実施態様では、配線基板23はベース部品22に設置されてもよい。このような構成の場合、ベース部品22の凹部22aに配線基板設置部21bが設けられている。そして、配線基板設置部21bの外周を取り囲むように壁部34が形成される。
【0061】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、配線基板に設けられているコネクタ取付部の位置が第1の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0062】
第1の実施形態にかかる冷蔵庫1では、冷蔵室11の奥側に位置する配線基板23の側端辺(すなわち、側端辺23d)にコネクタ取付部24aが設けられている。しかし、コネクタ取付部24aは、冷蔵室11の手前側に位置する配線基板23の側端辺(すなわち、側端辺23e)に設けられていてもよい。
【0063】
このような構成の場合、配線基板23に接続されたハーネス25は、冷蔵室11の手前側へ向かって延びている。また、ベース部品22のハーネス収容部43も、コネクタ取付部24aの位置に合わせて、冷蔵室11の手前側に位置する凹部22aの側端辺に設けられている。また、表面パネル21の壁部34に設けられている開放部34e、突起35、および傾斜部36も、コネクタ取付部24aの位置に合わせて、冷蔵室11の手前側に位置する前方側壁部34dに設けられている。
【0064】
すなわち、第2の実施形態にかかる操作部20は、第1の実施形態で説明した操作部20とは左右対称の構成を有している。そして、断熱箱体50内を引き回されたハーネス25は、凹部22aの手前側の側端辺に位置するハーネス収容部43から冷蔵室11へ飛び出している。
【0065】
このような構成の操作部20(具体的には、表面パネル21および配線基板23)を冷蔵室11の側壁51aに取り付ける場合には、先ず、表面パネル21の手前側(間口側)の側端辺を凹部22aに嵌め込む。
【0066】
以上のように、本実施形態において、表面パネル21を冷蔵室11の側壁51aに取り付ける際には、冷蔵室11の手前側に位置する側から表面パネル21を凹部22aへ嵌め込む。配線基板23に接続されるハーネス25は、この嵌め込み側から冷蔵庫1の本体とつながっている。これにより、表面パネル21の冷蔵庫1への取り付け作業が行い易くなる。
【0067】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、操作部に設けられている水排出部の構成が第1の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0068】
第1の実施形態にかかる冷蔵庫1では、表面パネル21に水排出穴(水排出部)37となる凹部が形成されている。しかし、別の実施態様では、ベース部品22側に水排出穴37となる凹部を形成してもよい。また、表面パネル21およびベース部品22の両方に凹部を形成し、これらの凹部を向かい合わせに配置して水排出穴37を形成してもよい。
【0069】
(まとめ)
本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)は、庫内壁(例えば、側壁51a)を形成している内箱(例えば、内箱51)と、前記庫内壁に取り付けられている操作部(例えば、操作部20)とを備えている。前記操作部は、表面パネル(例えば、表面パネル21)と、前記表面パネルの裏面側に配置されているベース部品(例えば、ベース部品22)と、前記表面パネルと前記ベース部品との間に配置され、側端辺(例えば、側端辺23dまたは23e)にコネクタ取付部(例えば、コネクタ取付部24a)を有している配線基板(例えば、配線基板23)と、前記コネクタ取付部に配置されたコネクタ(例えば、コネクタ24)を介して前記配線基板と接続されているハーネス(例えば、ハーネス25)とを有している。前記庫内壁の裏側における前記配線基板の前記コネクタ取付部と隣接する位置には、ハーネス収容部(例えば、ハーネス収容部43)が設けられている。
【0070】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記操作部(例えば、操作部20)は、前記コネクタ取付部(例えば、コネクタ取付部24a)が配置されている前記配線基板(例えば、配線基板23)の前記側端辺側に、前記ハーネス(例えば、ハーネス25)を前記ハーネス収容部(例えば、ハーネス収容部43)の方へ押す突起(例えば、突起35)を有していてもよい。
【0071】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記操作部(例えば、操作部20)は、前記コネクタ取付部(例えば、コネクタ取付部24a)の上方に、傾斜した庇部(例えば、傾斜部36)を有していてもよい。
【0072】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記表面パネル(例えば、表面パネル21)および前記ベース部品(例えば、ベース部品22)の少なくともいずれかには、下方端辺に水排出部(例えば、水排出穴37)が設けられていてもよい。
【0073】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記表面パネル(例えば、表面パネル21)および前記ベース部品(例えば、ベース部品22)の少なくともいずれかには、前記配線基板(例えば、配線基板23)の上方に位置している上壁部(例えば、上壁部34a)が設けられており、前記上壁部は、前記操作部(例えば、操作部20)の表面側(例えば、操作面部21a側)から裏面側(例えば、ベース部品22側)へ向かって上方へ傾斜していてもよい。
【0074】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1 :冷蔵庫
11 :冷蔵室
20 :操作部
21 :表面パネル
22 :ベース部品
23 :配線基板
23d :(配線基板の)側端辺
23e :(配線基板の)側端辺
24 :コネクタ
24a :(配線基板の)コネクタ取付部
25 :ハーネス
34a :(操作部の)上壁部
35 :(操作部の)突起
36 :(操作部の)傾斜部(傾斜した庇部)
37 :(操作部の)水排出穴(水排出部)
43 :ハーネス収容部
50 :断熱箱体
51 :内箱
51a :(内箱の)側壁(庫内壁)