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特許7573467連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q40/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021045204
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144279
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 雅之
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-325419(JP,A)
【文献】特開2017-182786(JP,A)
【文献】特開2016-095755(JP,A)
【文献】特開2012-014609(JP,A)
【文献】特開2016-184405(JP,A)
【文献】特開2020-009028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた連結会計システムであって、
前記制御部は、
連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定したコード変換用マスタと、
連結会社毎に、会計データのデータ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法及び連結セグメント又は個社セグメントのセグメント入力方法とを関連づけて登録した入力方法設定マスタと、
にアクセス可能に構成されており、
個社毎に、前記コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データと、当該変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データとを取得する集計結果取得手段と、
対象の変換後会計データについて、その科目入力方法及びセグメント入力方法に応じた調整入力画面を表示部に表示し、当該調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて集計金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとして登録する調整入力手段と、
対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む集計金額を確認リストとして出力する確認手段と、
を備えたことを特徴とする連結会計システム。
【請求項2】
前記会計データは、会社間取引データ、PL/BSデータ、セグメントPL/BSデータ、キャッシュフローデータ、及び変動計算書データのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の連結会計システム。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
対象の個社会計システムに、前記コード変換用マスタ及び入力方法設定マスタの当該個社の設定を送信するマスタ送信手段を備え、
前記対象の個社会計システムは、前記コード変換用マスタ及び入力方法設定マスタの当該個社の設定を受け取って、当該コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データを生成し、生成した変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データを生成して、生成した変換前会計データ及び変換後会計データを前記連結会計システムに送信し、
前記集計結果取得手段は、前記対象の個社会計システムから送信される変換前会計データ及び変換後会計データを受け取って取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の連結会計システム。
【請求項4】
前記調整入力手段は、前記調整入力画面上での集計金額のセルに対する所定の操作に応じて、その科目入力方法及びセグメント入力方法単位で調整が可能な金額調整用のダイアログ画面を表示することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の連結会計システム。
【請求項5】
前記コード変換用マスタは、
連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換元補助科目、変換元補助内訳科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、
連結会社毎に、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、分析コード、変換先分析コードを登録した分析コード変換マスタと、
連結会社毎に、取引先、相手連結会社、相手連結セグメントのデータを登録した取引先特定マスタと、
を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の連結会計システム。
【請求項6】
前記仕訳データは、当該個社についての、伝票番号、発生日、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、分析コード、取引先、金額のデータを含むことを特徴とする請求項5に記載の連結会計システム。
【請求項7】
前記会計データは、会社間取引データであり、
前記仕訳データは、前記科目変換マスタ、前記分析コード変換マスタ、及び前記取引先特定マスタの当該個社の設定に従って変換されて集計されることにより、変換前会社間取引データが生成されることを特徴とする請求項6に記載の連結会計システム。
【請求項8】
制御部を備えた情報処理装置で実行される連結会計方法であって、
前記制御部は、
連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定したコード変換用マスタと、
連結会社毎に、会計データのデータ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法及び連結セグメント又は個社セグメントのセグメント入力方法とを関連づけて登録した入力方法設定マスタと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
個社毎に、前記コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データと、当該変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データとを取得する集計結果取得工程と、
対象の変換後会計データについて、その科目入力方法及びセグメント入力方法に応じた調整入力画面を表示部に表示し、当該調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて集計金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとして登録する調整入力工程と、
対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む集計金額を確認リストとして出力する確認工程と、
を含むことを特徴とする連結会計方法。
【請求項9】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための連結会計プログラムであって、
前記制御部は、
連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定したコード変換用マスタと、
連結会社毎に、会計データのデータ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法及び連結セグメント又は個社セグメントのセグメント入力方法とを関連づけて登録した入力方法設定マスタと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
個社毎に、前記コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データと、当該変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データとを取得する集計結果取得工程と、
対象の変換後会計データについて、その科目入力方法及びセグメント入力方法に応じた調整入力画面を表示部に表示し、当該調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて集計金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとして登録する調整入力工程と、
対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む集計金額を確認リストとして出力する確認工程と、
を実行させるための連結会計プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、連結会計システムにおいて、個社会計システムで作成された財務会計情報を基にして、連結決算情報を開示するための調整業務がある。連結会計のコード体系の変換に関するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-181731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1においては、連結会計のコード体系と個社会計のコード体系(例えば、科目情報、セグメント、会社間取引の内部取引判定)において、会計データの集計結果の変換前後及び調整前後の数字を効率的に確認することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、連結会計のコード体系と個社会計のコード体系において、会計データの集計結果の変換前後及び調整前後の数字を効率的に確認することが可能な連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた連結会計システムであって、前記制御部は、連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定したコード変換用マスタと、連結会社毎に、会計データのデータ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法及び連結セグメント又は個社セグメントのセグメント入力方法とを関連づけて登録した入力方法設定マスタと、にアクセス可能に構成されており、個社毎に、前記コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データと、当該変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データとを取得する集計結果取得手段と、対象の変換後会計データについて、その科目入力方法及びセグメント入力方法に応じた調整入力画面を表示部に表示し、当該調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて集計金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとして登録する調整入力手段と、対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む集計金額を確認リストとして出力する確認手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記会計データは、会社間取引データ、PL/BSデータ、セグメントPL/BSデータ、キャッシュフローデータ、及び変動計算書データのうちの少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、対象の個社会計システムに、前記コード変換用マスタ及び入力方法設定マスタの当該個社の設定を送信するマスタ送信手段を備え、前記対象の個社会計システムは、前記コード変換用マスタ及び入力方法設定マスタの当該個社の設定を受け取って、当該コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データを生成し、生成した変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データを生成して、生成した変換前会計データ及び変換後会計データを前記連結会計システムに送信し、前記集計結果取得手段は、前記対象の個社会計システムから送信される変換前会計データ及び変換後会計データを受け取って取得することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記連結調整入力手段は、前記調整入力画面上での集計金額のセルに対する所定の操作に応じて、その科目入力方法及びセグメント入力方法単位で調整が可能な金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記コード変換用マスタは、連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換元補助科目、変換元補助内訳科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、連結会社毎に、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、分析コード、変換先分析コードを登録した分析コード変換マスタと、連結会社毎に、取引先、相手連結会社、相手連結セグメントのデータを登録した特定先特定マスタと、を含むことにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記仕訳データは、当該個社についての、伝票番号、発生日、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、分析コード、取引先、金額のデータを含むことにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記会計データは、会社間取引データであり、前記仕訳データは、前記科目変換マスタ、前記分析コード変換マスタ、及び前記取引先特定マスタの当該個社の設定に従って変換されて集計されることにより、変換前会社間取引データが生成されることにしてもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される連結会計方法であって、前記制御部は、連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定したコード変換用マスタと、連結会社毎に、会計データのデータ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法及び連結セグメント又は個社セグメントのセグメント入力方法とを関連づけて登録した入力方法設定マスタと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、個社毎に、前記コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データと、当該変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データとを取得する集計結果取得工程と、対象の変換後会計データについて、その科目入力方法及びセグメント入力方法に応じた調整入力画面を表示部に表示し、当該調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて集計金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとして登録する調整入力工程と、対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む集計金額を確認リストとして出力する確認工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための連結会計プログラムであって、前記制御部は、連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定したコード変換用マスタと、連結会社毎に、会計データのデータ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法及び連結セグメント又は個社セグメントのセグメント入力方法とを関連づけて登録した入力方法設定マスタと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、個社毎に、前記コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データと、当該変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データとを取得する集計結果取得工程と、対象の変換後会計データについて、その科目入力方法及びセグメント入力方法に応じた調整入力画面を表示部に表示し、当該調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて集計金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとして登録する調整入力工程と、対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む集計金額を確認リストとして出力する確認工程と、を実行させるための連結会計プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、連結会計のコード体系と個社会計のコード体系において、会計データの集計結果の変換前後及び調整前後の数字を効率的に確認することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本願の背景を説明するための図である。
図2図2は、本願の背景を説明するための図である。
図3図3は、本願の背景を説明するための図である。
図4図4は、本願の背景を説明するための図である。
図5図5は、本願の背景を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態における連結会計システムの構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、入力方法設定マスタの構成例を示す図である。
図8図8は、科目変換マスタの構成例を示す図である。
図9図9は、分析コード変換対象項目マスタの構成例を示す図である。
図10図10は、分析コード変換マスタの構成例を示す図である。
図11図11は、取引先特定方法マスタの構成例を示す図である。
図12図12は、取引先特定マスタの構成例を示す図である。
図13図13は、本実施の形態に係る連結会計システムと個社会計システムの全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。
図14図14は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図15図15は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図16図16は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図17図17は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図18図18は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図19図19は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図20図20は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図21図21は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図22図22は、本実施の形態に係る連結会計システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
例えば、連結会計の処理を行う場合に、個社会計データから連結会計データを作成する場合には、科目変換、セグメント変換、内部取引の特定など変換に使用する項目に様々なパターンがあり、変換前後の数字を効率的に比較・確認することが難しかった。また、個社会計システムと連結会計システムはシステム(データベース)が分かれていることが一般的であり、直接比較することが難しかった。一般的な連結会計システムでは、コード変換の機能はあるが、変換前後、および変換後の調整金額まで含めて常時確認できる状態は実現できていなかった。
【0019】
そこで、本実施の形態では、連結会計のコード体系と個社会計のコード体系において、会計データの集計結果の変換前後及び調整前後の数字を効率的に確認することが可能なシステムを構築した。
【0020】
具体的には、本実施の形態では、(1)変換に必要なマスタを連結会計システムから個社会計システムに転送してから変換を行うことで、システム間のデータ転送量を削減した。(2)1次集計テーブルと2次集計テーブルを工夫することで、連結会計視点での集計値と個社会計視点での集計値の双方の粒度で見られるようにした。(3)連結会計の調整入力を連結科目/連結セグメントで行う場合と個社科目/個社セグメントで行う場合のどちらでも共通のレイアウトで確認を可能とし、統一的な突合確認ができるようにした。
【0021】
これにより、連結会計システムと個社会計システムをシームレスに連携することで、コード体系の変更による会計数値の比較を容易にし、連結決算を早期化できる。また、科目情報、セグメント、会社間取引の内部取引判定の複雑な変換にも対応し、変換前後の結果をドリルダウンにより詳細に比較することが可能となる。
【0022】
図1図5を参照して、本願の背景を詳細に説明する。グループ企業の親会社が有価証券報告書等の財務諸表の開示を行う際、グループ内企業の財務諸表を合算・内部取引等の調整を行い、連結財務諸表を作成する必要がある。連結会計情報システムによる財務諸表作成のパターンには、図1及び図2に示すように、大きく2パターンが考えられる。
【0023】
図1は、(1)連結会計システムと個社の財務会計システムが別システムの場合を示す図である。図1において、個社の財務会計システム(「個社会計システム」ともいう)で、それぞれ、個社のPL/BSデータ、セグメントPL/BSデータ、会社間取引データ、CF増減データ等の会計データを作成して、連結会計システムに送信する。連結会計システムでは、個社の会計データをデータ変換して連結会計データを作成する。
【0024】
図2は、(2)連結会計システムと個社の財務会計システムが同一システムの場合を示す図である。図2において、連結会計/単体会計一体型のシステムでは、個社の財務会計システムの会計データを、連結会計システムに連携して、個社の会計データをデータ変換して連結会計データを作成する。
【0025】
上記図1及び図2のいずれの場合も、ファイル形式での受け渡しか、システム内の直接連携かの違いはあるにしても、連結会計システム側で確認、調整が必要という点が共通しており、親会社の連結担当者の業務負荷が高いという課題があった。
【0026】
また、世の中の流れとして単体会計の期末の処理が完了してから連結調整・開示までを早期に行いたいというニーズもあり、これまでよりも連結会計処理のスピードが求められるようになってきている。そこで、上記図1図2のプロセスを改善し、次の図3及び図4に示すように、子会社担当者に連結手続きの一部を分担入力させるパターンの必要性が考えられる。
【0027】
図3は、(3)連結会計システムと個社の財務会計システムが別システムの場合(子会社担当者による入力あり)を示す図である。図3において、連結会計システムにおいて、変換した個社の連結会計データ(子会社入力用)に対して、子会社担当者が入力確認できる作業を分担する。親会社担当者は、連結全体に係る調整、最終確認のみを行う。
【0028】
図4は、(4)連結会計システムと個社の財務会計システムが同一システムの場合(子会社担当者による連携・入力あり)を示す図である。図4において、連結会計/単体会計一体型のシステムにおいて、個社の財務会計システム及び連結会計システムにおいて、子会社担当者に連携から入力確認まででできる作業を分担してもらう。連結会計システムにおいて、親会社担当者は、連結全体に係る調整、最終確認のみを行う。
【0029】
ここで、図3及び図4のパターンで子会社担当者が連結手続きの一部を行う場合に、新たに以下のような課題が発生する。(1)子会社担当者用の連結会計データを作成する際に、単体会計データと連結会計データで科目やセグメント情報の粒度が異なり、データ変換を行う必要がある。(2)子会社担当者用の連結会計データを作成する際に先に連結会計用の科目・セグメントに変換を行った場合、子会社単体会計システムの帳票等と数字を突合することができず、金額の確認に時間がかかる。(3)子会社担当者用の連結会計データを作成する際に連結会計用の科目・セグメントに変換を行わない場合、親会社担当者が使用する連結会計データに連携するまで、連結上の数字を確認することができない。
【0030】
図5は、従来のイメージの例を説明するための図である。この例では、A社の会計データとB社の会計データを連結する場合を説明する。例えば、A社、B社の仕訳データの総勘定科目を科目変換マスタで連結総勘定科目に変換して、変換後の集計値を集計PL/BSデータとして生成する。変換元補助科目/変換補助内訳科目は変換ルールに含めない場合は、「*」を指定可能である。連結確認画面では、連結科目のみ表示され、個社確認画面では、個社科目が表示される。そのため、子会社(この例では、例えば、A社)の担当者が、連結会計データと単体会計データを確認・調整する際には、比較に時間がかかってしまう。なお、連結担当者(親会社担当者)は、連結科目で確認できるため問題ない。
【0031】
本実施の形態では、このように子会社担当者が連結会計システムの入力・確認を分担して行う場合に、子会社/連結上の双方の数値を可能にするためにあらかじめ変換を行うかどうかのいずれを選択した場合にも、効率的な変換前後の突合ができる仕組みを構築した。
【0032】
[2.構成]
本実施形態に係る連結会計システム100の構成の一例について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態における連結会計システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図6に示すように、連結会計システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、連結会計システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0034】
連結会計システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。連結会計システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0035】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、連結会計システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、連結会計システム100と、サーバ200や個社会計システム400・・・とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。個社会計システム400・・は、連結対象の各社の会計システムであり、例えば、A社、B社、C社、・・・の会計システムである。
【0036】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0037】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、入力方法設定マスタ106aと、科目変換マスタ106bと、分析コード変換対象項目マスタ106cと、分析コード変換マスタ106dと、取引先特定方法マスタ106eと、取引先特定マスタ106fと、データテーブル106gとを備えている。
【0038】
科目変換マスタ106b、分析コード変換対象項目マスタ106c、分析コード変換マスタ106d、取引先特定方法マスタ106e、及び取引先特定マスタ106fは、連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定した「コード変換用マスタ」と称する。
【0039】
図7は、入力方法設定マスタ106aの構成例を示す図である。図8は、科目変換マスタ106bの構成例を示す図である。図9は、分析コード変換対象項目マスタ106cの構成例を示す図である。図10は、分析コード変換マスタ106dの構成例を示す図である。図11は、取引先特定方法マスタ106eの構成例を示す図である。図12は、取引先特定マスタ106fの構成例を示す図である。
【0040】
入力方法設定マスタ106aは、連結上にデータ収集・変換後の調整を連結科目/連結セグメントで行うか、個社科目/個社セグメントで行うかの設定を行うためのマスタである。入力方法設定マスタ106aは、図7に示すように、連結会社、データ種別(例えば、PL/BS、セグメントPL/BS、会社間取引、キャッシュフロー、変動計算書データ等)、科目入力方法(例えば、1:連結科目(=連結会計用に変換する変換先の勘定科目)、0:個社科目(=変換元の勘定科目))、セグメント入力方法(例えば、1:連結セグメント(=連結会計用に変換する変換先のセグメント)、0:個社セグメント(=変換元のセグメント))を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。通常、科目入力方法及びセグメント入力方法は会社毎にいずれかに統一するが、別々の粒度を設定することも可能である。
【0041】
図7に示す例では、3行目は、連結会社「A社」、データ種別「会社間取引」、科目入力方法「1:連結科目」、セグメント入力方法「1:連結セグメント」となっているので、A社の会社間取引の調整入力画面(図18参照)では、連結科目/連結セグメント単位で調整が行われる。また、7行目は、連結会社「B社」、データ種別「会社間取引」、科目入力方法「0:個社科目」、セグメント入力方法「0:個社セグメント」となっているので、B社の会社間取引の調整入力画面(図19参照)では、個社科目/個社セグメント単位で調整が行われる。また、11行目は、連結会社「C社」、データ種別「会社間取引」、科目入力方法「0:個社科目」、セグメント入力方法「0:個社セグメント」となっているので、C社の会社間取引の調整入力画面では、個社科目/個社セグメント単位で調整が行われる。
【0042】
科目変換マスタ106bは、個社科目情報から連結科目情報に変換するためのルール設定を行うためのマスタである。科目変換マスタ106bは、図8に示すように、連結会社、変換元総勘定科目、変換元補助科目、変換元補助内訳科目、変換先総勘定科目を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。変換元補助科目が「*」の場合、変換規則に補助科目は含まない。変換元補助内訳科目が「*」の場合、変換規則に補助内訳科目は含まない。これにより、科目変換の粒度を柔軟に切り替えが可能となっている。
【0043】
図8に示す例では、1行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「製品売上高」、変換元補助科目「*」、変換元補助内訳科目「*」、変換先総勘定科目「売上高」、2行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上高」、変換元補助科目「*」、変換元補助内訳科目「*」、変換先総勘定科目「売上高」、3行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「当座預金」、変換元補助科目「*」、変換元補助内訳科目「*」、変換先総勘定科目「現金・預金」となっている。
【0044】
分析コード変換対象項目マスタ106cは、個社セグメントから連結セグメントに変換するための変換項目の組み合わせを設定するためのマスタである。分析コード変換対象項目マスタ106cは、図9に示すように、連結会社、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、分析コードのデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0045】
図9に示す例では、1行目は、連結会社「A社」、事業所グループ「対象外」、事業所「対象外」、部門グループ「対象外」、部門「対象外」、総勘定科目「対象外」、補助科目「対象外」、補助内訳科目「対象外」、分析コード「分析コード1」、2行目は、連結会社「B社」、事業所グループ「対象外」、事業所「対象外」、部門グループ「対象外」、部門「対象」、総勘定科目「対象外」、補助科目「対象外」、補助内訳科目「対象外」、分析コード「対象外」、3行目は、連結会社「C社」、事業所グループ「事業所グループ1」、事業所「対象」、部門グループ「部門グループ2」、部門「対象」、総勘定科目「対象外」、補助科目「対象外」、補助内訳科目「対象外」、分析コード「対象外」となっている。
【0046】
分析コード変換マスタ106dは、個社セグメントから連結セグメントに変換するための変換項目のルールを設定するためのマスタである。分析コード変換マスタ106dは、図10に示すように、連結会社、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、分析コード、変換先分析コードのデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。分析コード変換対象項目マスタ106cで対象外の項目は「*」とし、変換規則に含まない。これにより、セグメント変換の粒度を柔軟に切り替えることが可能となっている。
【0047】
図10に示す例では、1行目は、連結会社「A社」、事業所グループ「対象外」、事業所「*」、部門グループ「対象外」、部門「*」、総勘定科目「*」、補助科目「*」、補助内訳科目「*」、分析コード「食品」、変換先分析コード「飲食料品事業」、2行目は、連結会社「A社」、事業所グループ「対象外」、事業所「*」、部門グループ「対象外」、部門「*」、総勘定科目「*」、補助科目「*」、補助内訳科目「*」、分析コード「飲料」、変換先分析コード「飲食料品事業」、3行目は、連結会社「A社」、事業所グループ「対象外」、事業所「*」、部門グループ「対象外」、部門「*」、総勘定科目「*」、補助科目「*」、補助内訳科目「*」、分析コード「医薬品」、変換先分析コード「ケミカル事業」となっている。
【0048】
取引先特定方法マスタ106eは、個社の仕訳データからグループ内企業との取引であることを特定するための項目を設定するためのマスタである。取引先特定方法マスタ106eは、図11に示すように、連結会社、取引先特定方法のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0049】
図11に示す例では、1行は、連結会社「A社」、取引先特定方法「取引先」、2行目は、連結会社「B社」、取引先特定方法「分析コード1」、3行目は、連結会社「C社」、取引先特定方法「分析コード2」となっている。
【0050】
取引先特定マスタ106fは、個社の取引先特定項目から、内部取引の相手連結会社、相手連結セグメントを特定・変換するためのルールを設定するためのマスタである。取引先特定マスタ106fは、図12に示すように、連結会社、取引先特定コード、相手連結会社、相手連結セグメントのデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0051】
図12に示す例では、1行目は、連結会社「A社」、取引先特定コード「取引先1」、相手連結会社「B社」、相手連結セグメント「飲食料品事業」、2行目は、連結会社「A社」、取引先特定コード「取引先2」、相手連結会社「B社」、相手連結セグメント「ケミカル事業」、3行目は、連結会社「A社」、取引先特定コード「取引先3」、相手連結会社「B社」、相手連結セグメント「生活雑貨事業」となっている。
【0052】
データテーブル106gは、各社の個社会計システム400・・・から取得して集約した変換前会計データ、変換後会計データ、調整後会計データ等を格納するためのファイルである。ここで、会計データは、例えば、会社間取引データ、PL/BSデータ、セグメントPL/BSデータ、キャッシュフローデータ、又は変動計算書データである。
【0053】
変換前会社間取引データは、連結決算期、連結会社、科目変換元総勘定科目、科目変換元補助科目、科目変換元補助内訳科目、変換先総勘定科目、分析変換元事業所グループ、分析変換元事業所、分析変換元部門グループ、分析変換元部門、分析変換元総勘定科目、分析変換元補助科目、分析変換元補助内訳科目、分析変換元分析コード、変換先セグメント、取引先特定コード、相手連結会社、相手セグメント、集計金額(「収集金額」ともいう)のデータを含んでいてもよい(図17(A)参照)。
【0054】
変換後会社間取引データは、連結決算期、連結会社、科目変換元総勘定科目、科目変換元補助科目、科目変換元補助内訳科目、変換先総勘定科目、分析変換元事業所グループ、分析変換元事業所、分析変換元部門グループ、分析変換元部門、分析変換元総勘定科目、分析変換元補助科目、分析変換元補助内訳科目、分析変換元分析コード、変換先セグメント、相手連結会社、相手セグメント、集計金額のデータを含んでいてもよい(図17(B)参照)。
【0055】
調整会社間取引データは、連結決算期、連結会社、科目変換元総勘定科目、科目変換元補助科目、科目変換元補助内訳科目、変換先総勘定科目、分析変換元事業所グループ、分析変換元事業所、分析変換元部門グループ、分析変換元部門、分析変換元総勘定科目、分析変換元補助科目、分析変換元補助内訳科目、分析変換元分析コード、変換先セグメント、相手連結会社、相手セグメント、調整額、調整後金額のデータを含んでいてもよい(図18(F)参照)。
【0056】
図6に戻り、制御部102は、連結会計システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0057】
制御部102は、記憶部106に格納されている、科目変換マスタ106b、分析コード変換対象項目マスタ106c、分析コード変換マスタ106d、取引先特定方法マスタ106e、取引先特定マスタ106f、及びデータテーブル106gにアクセス可能に構成されている。なお、これらのマスタ群やデータテーブル106gは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0058】
制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、マスタ送信部102bと、集計結果取得部102cと、調整入力部102dと、確認部102eと、を備えている。
【0059】
マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、入力方法設定マスタ106a、科目変換マスタ106b、分析コード変換対象項目マスタ106c、分析コード変換マスタ106d、取引先特定方法マスタ106e、取引先特定マスタ106fに対するデータの入力・追加・変更等の設定を行うためのものである。
【0060】
マスタ送信部102bは、対象の個社の個社会計システム400に、入力方法設定マスタ106a及びコード変換用マスタの当該対象の個社の設定を送信する。
【0061】
これに応じて、当該対象の個社会計システム400では、コード変換用マスタ及び入力方法設定マスタ106aの当該個社の設定を受け取って、当該コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換し、変換前のコード及び変換後のコード単位で集計した変換前会計データを生成し、生成した変換前会計データを入力方法設定マスタ106aの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データを生成して、生成した変換前会計データ及び変換後会計データを連結会計システム100に送信する。
【0062】
なお、コード変換用マスタは、連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換元補助科目、変換元補助内訳科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタ106bと、連結会社毎に、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、分析コード、変換先分析コードを登録した分析コード変換マスタ106dと、連結会社毎に、取引先、相手連結会社、相手連結セグメントのデータを登録した取引先特定マスタ106fと、を含むことにしてもよい。
【0063】
仕訳データは、当該個社についての、伝票番号、発生日、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、分析コード、取引先、金額のデータを含むことにしてもよい。会計データが会社間取引データである場合、仕訳データは、科目変換マスタ106b、分析コード変換マスタ106d、及び取引先特定マスタ106fの当該個社の設定に従って変換されて集計されることにより、変換前会社間取引データが生成されることにしてもよい。
【0064】
集計結果取得部102cは、個社会計システム400・・・から送信される変換前会計データと変換後会計データを受信して取得し、データテーブル106gに格納する。会計データは、会社間取引データ、PL/BSデータ、セグメントPL/BSデータ、キャッシュフローデータ、及び変動計算書データの少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0065】
なお、ここでは、個社会計システム400が変換前会計データと変換後会計データを生成する構成としているが、集計結果取得部102cが、個社会計システム400から仕訳データを取得して、取得した仕訳データに基づいて、変換前会計データと変換後会計データを生成して取得する構成としてもよい。
【0066】
調整入力部102dは、対象の変換後会計データについて、その科目入力方法(連結科目又は個社科目)及びセグメント入力方法(連結セグメント又は個社セグメント)に応じた調整入力画面をモニタ114に表示し、調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとしてデータテーブル106gに登録する。また、調整入力部102dは、調整入力画面上での金額のセルに対する所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて、その科目入力方法及びセグメント入力方法単位で調整が可能な金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0067】
確認部102eは、対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、変換前後である個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む金額を確認リストとしてモニタ114に表示出力する。
【0068】
[3.具体例]
図7図22を参照して、本実施の形態に係る連結会計システム100の制御部102における処理の具体例を説明する。以下の説明では、会計データとして、会社間取引データを一例に挙げて説明する。
【0069】
(全体の処理)
図13を参照して、本実施の形態に係る連結会計システム100及び個社会計システム400の全体の処理の流れの概略を説明する。図13は、本実施の形態に係る連結会計システム100及び個社会計システム400の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。
【0070】
図13において、まず、連結会計システム100のマスタ送信部102bは、マスタ送信処理を実行する(ステップS1)具体的には、マスタ送信処理では、マスタ送信部102bは、対象の個社の個社会計システム400に、入力方法設定マスタ106a及びコード変換用マスタ(科目変換マスタ106b、分析コード変換対象項目マスタ106c、分析コード変換マスタ106d、取引先特定方法マスタ106e、取引先特定マスタ106f)の当該対象の個社の設定を送信する。
【0071】
個社会計システム400は、マスタ取得処理を実行する(ステップT1)。具体的には、マスタ取得処理では、個社会計システム400は、連結会計システム100から送信されてくる入力方法設定マスタ106a及びコード変換用マスタの当該対象の設定を受信して、記憶部に格納する。
【0072】
個社会計システム400は、1次集計・2次集計処理を実行する(ステップT2)。具体的には、1次集計・2次集計処理では、個社会計システム400は、コード変換用マスタの設定を参照して、個社の対象の仕訳データを連結会計のコード体系に変換し、変換前のコードと変換後のコードを含む会計データ(例えば、会社間取引データ、PL/BSデータ、セグメントPL/BSデータ、キャッシュフローデータ、又は変動計算書データ)を生成し、変換前のコード及び変換後のコード単位で集計した変換前会計データ(1次集計結果)を生成する。また、個社会計システム400は、入力方法設定マスタ106aの設定を参照して、変換前会計データを入力方法設定マスタ106aの科目入力方法及び/又はセグメント入力方法に応じて集計した変換後会計データ(2次集計結果)を生成する。
【0073】
個社会計システム400は、集計結果送信処理を実行する(ステップT3)。具体的には、集計結果送信処理では、個社会計システム400は、生成した変換前会計データ及び変換後会計データを連結会計システム100に送信する。
【0074】
連結会計システム100の集計結果取得部102cは、集計結果取得処理を実行する(ステップS2)。具体的には、集計結果取得処理では、集計結果取得部102cは、個社会計システム400・・・から送信される変換前会計データ(1次集計結果)と変換後会計データ(2次集計結果)を受信して取得し、データテーブル106gに格納する。
【0075】
連結会計システム100の調整入力部102dは、連結調整入力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、連結調整入力処理では、調整入力部102dは、対象の変換後会計データについて、その科目入力方法(連結科目又は個社科目)及びセグメント入力方法(連結セグメント又は個社セグメント)に応じた調整入力画面をモニタ114に表示し、調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとしてデータテーブル106gに登録する。また、調整入力部102dは、調整入力画面上での金額のセルに対する所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて、その科目入力方法及びセグメント入力方法単位で調整が可能な金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0076】
連結会計システム100の確認部102eは、変換前後・調整確認処理を実行する(ステップS4)。具体的には、変換前後・調整確認処理では、確認部102eは、対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、変換前後である個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む金額を確認リストとしてモニタ114に表示出力する。
【0077】
(サンプルデータ)
次に、図14図22を参照して、本実施の形態に係る連結会計システム100及び個社会計システム400の処理の具体例を説明する。図14図22は、本実施の形態に係る連結会計システム100及び個社会計システム400の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【0078】
個社の仕訳情報を連結データに収集するためにはデータベースを跨いでデータを集計する必要がある。仕訳のデータ量が多い場合は処理負荷や通信量が高まる問題を防止するため、以下の3段階のステップに分けて行うことにしてもよい。(1)連結会計システム100から個社会計システム400へのマスタ情報転送、(2)個社会計システム400内での変換・集計(1次集計・2次集計)、(3)個社会計システム400の集計結果を連結会計システム100へ送信する。
【0079】
(S1:マスタ送信処理)
図14は、マスタ送信処理の具体例を説明するための図である。マスタ送信処理では、マスタ送信部102bは、A社、B社、C社の個社会計システム400・・・に、入力方法設定マスタ106a及びコード変換用マスタ(科目変換マスタ106b、分析コード変換対象項目マスタ106c、分析コード変換マスタ106d、取引先特定方法マスタ106e、取引先特定マスタ106f)のA社、B社、C社の設定をそれぞれ送信する。
【0080】
(T2:1次集計・2次集計処理)
図15は、1次集計・2次集計処理の具体例を説明するための図である。ここでは、A社の個社会計システム400の会社間取引データに対する処理を一例として説明する。図15(A)は、A社の仕訳データの例、図15(B)は科目変換マスタ106bのA社の設定例、図15(C)は、分析コード変換対象項目マスタ106cのA社の設定例、図15(D)は、分析コード変換マスタ106dのA社の設定例、図15(E)は、取引先特定方法マスタ106eのA社の設定例、図15(F)は、取引先特定マスタ106fのA社の設定例、図15(G)は、A社の変換前会社間取引データの例、図15(H)は、A社の変換後会社間取引データの例を示している。
【0081】
(1次集計)
個社会計システム400は、コード変換用マスタ(科目変換マスタ106b、分析コード変換対象項目マスタ106c、分析コード変換マスタ106d、取引先特定方法マスタ106e、取引先特定マスタ106f)の設定を参照して、個社の対象の仕訳データを連結会計のコード体系に変換し、変換前のコードと変換後のコードを含む会社間取引データを生成し、変換前のコード及び変換後のコード単位で集計した変換前会社間取引データ(1次集計結果)を生成する。変換ルールに含まれない項目は全て「*」に置換を行うことで、同一レコードに集約する。
【0082】
図15(A)に示す仕訳データの例では、1行目は、伝票番号「A1001」、発生日「2020/3/1」、総勘定科目「製品売上高」、補助科目「売上01」、補助内訳科目「○○売上」、事業所グループ1「東日本」、事業所グループ2「関東」、事業所「東京本社」、部門「第一営業部」、分析コード1「食品」、取引先「取引先1」、金額「¥10,000」となっている。
【0083】
個社会計システム400は、図15(B)に示す科目変換マスタ106bのA社の設定を参照して、仕訳データの総勘定科目(変換元総勘定科目)、補助科目(変換元補助科目)、補助内訳科目(変換元補助内訳科目)のうち、科目変換マスタ106bで変換ルールに含まれない項目(*)以外の組み合わせをキーとして、変換先総勘定科目に変換する。
【0084】
仕訳データの1行目は、総勘定科目「製品売上高」となっているので、科目変換マスタ106bの1行目より変換ルールに含まれる変換元総勘定科目「製品売上高」、変換ルールに含まれない変換元補助科目「*」、変換元補助内訳科目「*」の行を取得し、連結会社「A社」及び変換先総勘定科目「売上高」に変換され、変換ルールに含まれない項目として変換元補助科目「*」、変換元補助内訳科目「*」に変換される。
【0085】
個社会計システム400は、図15(C)及び(D)に示す分析コード変換対象項目マスタ106c及び分析コード変換マスタ106dを参照して、連結会社及び、分析コード変換対象項目マスタ106cで「分析コード」の対象として設定されている分析コード1をキーとして、仕訳データの事業所グループ、事業所、部門グループ、部門、総勘定科目、補助科目、補助内訳科目、分析コード1のデータを、分析変換元事業所グループ、分析変換元事業所、分析変換元部門グループ、分析変換元部門、分析変換元総勘定科目、分析変換元補助科目、分析変換元補助内訳科目、分析変換元分析コード、変換先セグメントに変換する。
【0086】
仕訳データの1行目の分析コード1は、「食品」となっているので、分析コード変換対象項目マスタ106c及び分析コード変換マスタ106dの1行目より、分析変換元事業所グループ「*」、分析変換元事業所「*」、分析変換元部門グループ「*」、分析変換元部門「*」、分析変換元総勘定科目「*」、分析変換元補助科目「*」、分析変換元補助内訳科目「*」、分析変換元分析コード「食品」、変換先セグメント「飲食料品事業」に変換される。
【0087】
個社会計システム400は、図15(E)及び(F)の取引先特定方法マスタ106e及び取引先特定マスタ106fを参照して、連結会社及び取引先をキーとして、仕訳データの取引先のデータを、相手連結会社及び相手連結セグメントに変換する。
【0088】
仕訳データの1行目の取引先は「取引先1」となっているので、取引先特定方法マスタ106e及び取引先特定マスタ106fの1行目より、相手連結会社「B社」、相手連結セグメント「飲食料品事業」に変換される。
【0089】
これらの変換後に、変換前のコード及び変換後のコード単位で集計して変換前会社間取引データを生成する。図15(G)に示す変換前会社間取引データの例では、1行目は、伝票番号A001とA002を集計したものとなっており、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、科目変換元総勘定科目「製品売上高」、科目変換元補助科目「*」、科目変換元補助内訳科目「*」、変換先総勘定科目「売上高」、分析変換元事業所グループ「*」、分析変換元事業所「*」、分析変換元部門グループ「*」、分析変換元部門「*」、分析変換元総勘定科目「*」、分析変換元補助科目「*」、分析変換元補助内訳科目「*」、分析変換元分析コード「食品」、変換先セグメント「飲食料品事業」、取引先特定コード「取引先1」、相手連結会社「B社」、相手セグメント「飲食料品事業」、収集金額「¥30,000」となっている。
【0090】
(2次集計)
個社会計システム400は、変換前会計データを入力方法設定マスタ106a(図7参照)の科目入力方法及び/又はセグメント入力方法に応じて集計した変換後会計データ(2次集計結果)を生成する。科目入力方法が連結科目の場合、科目変換元を「*」に置換して集約する。科目入力方法が個社科目の場合は置換しない。セグメント入力方法が連結セグメントの場合、分析変換元を「*」に置換して集約する。セグメント入力方法が個社セグメントの場合は置換しない。相手連結会社・相手セグメントで集約する。
【0091】
図15(H)に示す変換後会社間取引データの例では、1行目は、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、科目変換元総勘定科目「*」、科目変換元補助科目「*」、科目変換元補助内訳科目「*」、変換先総勘定科目「売上高」、分析変換元事業所グループ「*」、分析変換元事業所「*」、分析変換元部門グループ「*」、分析変換元部門「*」、分析変換元総勘定科目「*」、分析変換元補助科目「*」、分析変換元補助内訳科目「*」、分析変換元分析コード「*」、変換先セグメント「飲食料品事業」、相手連結会社「B社」、相手セグメント「飲食料品事業」、集計金額「¥30,000」となっている。
【0092】
(T3:集計結果送信処理、S2:集計結果取得処理)
図16は、集計結果送信処理の具体例を説明するための図である。A社、B社、C社の個社会計システム400・・・は、それぞれ、A社、B社、C社の変換前会計データ及び変換後会計データを連結会計システム100に送信する。会計データは、例えば、会社間取引データ、PL/BSデータ、セグメントPL/BSデータ、キャッシュフローデータ、又は変動計算書データである。
【0093】
(S2:集計結果取得処理)
図17は、集計結果取得処理の具体例を説明するための図である。以下では、会計データとして、会社間取引データを例示して説明する。連結会計システム100は、A社、B社、C社の個社会計システム400・・・から送信される、A社、B社、C社の変換前会計データ及び変換後会計データを受信し、A社、B社、C社のデータを集約してデータテーブル106gに格納する。
【0094】
図17(A)は、A社、B社、C社の変換前会社間取引データを集約した変換前会社間取引データの例を示している。図17(B)は、A社、B社、C社の変換後会社間取引データを集約した変換後会社間取引データの例を示している。
【0095】
図17(B)の変換後会社間取引データに示すように、A社については、図7に示す入力方法設定マスタ106aの例では、データ種別「会社間取引」について、科目入力方法が「1:連結科目」であるので、科目変換元が「*」に置換され、セグメント入力方法が「1:連結セグメント」となっているので、分析変換元が「*」に置換される。B社、C社については、図7に示す入力方法設定マスタ106aの例では、データ種別「会社間取引」について、科目入力方法が「0:個社科目」であるので、科目変換元が「*」に置換されず、セグメント入力方法が「0:個社セグメント」となっているので、分析変換元が「*」に置換されない。
【0096】
(S3:連結調整入力処理)
図18及び図19は、連結調整入力処理の具体例を説明するための図である。調整入力部102dは、対象の変換後会計データについて、その科目入力方法(連結科目又は個社科目)及びセグメント入力方法(連結セグメント又は個社セグメント)に応じた調整入力画面をモニタ114に表示し、調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとしてデータテーブル106gに登録する。また、調整入力部102dは、調整入力画面上での金額のセルに対する所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて、その科目入力方法及びセグメント入力方法単位で調整が可能な金額調整用のダイアログ画面を表示する。
【0097】
図18は、科目入力方法が「連結科目」、セグメント入力方法が「連結セグメント」の場合(A社)の調整入力画面及び金額の調整を説明するための図である。
【0098】
図18(A)は、A社の変換後会社間取引データの例が示されている。変換後会社間取引データの第1レコードを対象とした場合には、図18(B)に示すような調整入力画面が表示される。調整入力画面は、連結決算期、連結会社、連結セグメント/個社セグメントが表示されるヘッダエリアと、明細表示エリアとを備えている。明細表示エリアには、相手連結会社、相手セグメント、連結科目/個社科目の金額が表示される。明細表示エリアでは、金額を調整(修正)可能に構成されている。
【0099】
図18(B)に示す例では、ヘッダエリアでは、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、連結セグメント「飲食料品事業」が表示されている。変換後会社間取引データの1行目の個社セグメント(変換元事業部、変換元部門)が「*」であるので、個社セグメントが表示されない。
【0100】
明細表示エリアでは、相手連結会社「B社」、相手セグメント「飲食料品事業」の連結科目「売上高」の金額「¥30,000」が表示されている。変換後会社間取引データの1行目の個社科目(科目変換元総勘定科目)が「*」であるので、個社科目は表示されない。
【0101】
また、調整入力画面において、金額のセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて、例えば、図18(C)に示すような金額調整用の調整ダイアログ画面を表示する。調整ダイアログ画面では、連結科目/連結セグメント単位での修正が可能に構成されている。調整ダイアログ画面では、連結科目、金額、調整額、調整後金額が表示され、調整額の入力が可能となっている。調整後金額=集計金額+調整額となる。調整額を入力した後、不図示の反映ボタンを押すと、対応するセルの金額が修正される。このように、セルの金額の修正は、直接修正してもよいし、調整ダイアログ画面で修正してもよい。図18(D)に示す例では、調整額に「¥5,000」が入力され、調整後金額が「¥35,000」に修正されて、調整入力画面の金額が(E)に示すように修正される。
【0102】
不図示の登録ボタンを押すと、図18(F)に示すような、金額の調整が反映された調整会社間取引データがデータテーブル106gに登録される。同図に示す例では、調整額「¥5,000」、調整後金額「¥35,000」となっている。
【0103】
図19は、科目入力方法が「個社科目」、セグメント入力方法が「個社セグメント」の場合(B社)の調整入力画面及び金額の調整を説明するための図である。
【0104】
図19(A)は、B社の変換後会社間取引データの例が示されている。変換後会社間取引データの第1レコード及び第3レコードを対象とした場合には、図19(B)に示すような調整入力画面が表示される。図19(B)に示す例では、ヘッダエリアでは、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「B社」、連結セグメント「飲食料品事業」、個社セグメント「東京本社・飲食事業部」が表示される。
【0105】
明細表示エリアでは、1行目には、相手連結会社「A社」、相手セグメント「飲食料品事業」、個社科目「商品売上」の金額「¥10,000」が表示されている。2行目には、相手連結会社「C社」、相手セグメント「飲食料品事業」、個社科目「商品仕入高」の金額「¥30,000」が表示されている。
【0106】
また、調整入力画面において、金額のセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて、例えば、図19(C)に示すような金額調整用の調整ダイアログ画面を表示する。調整ダイアログ画面では、個社科目/個社セグメント単位での修正が可能に構成されている。
【0107】
調整ダイアログ画面では、個社科目、補助科目、補助内訳科目、金額、調整額、調整後金額が表示され、調整額の入力が可能となっている。図19(D)に示す例では、調整額に「¥2,000」が入力され、調整後金額が「¥32,000」に修正されて、調整入力画面の「商品仕入高」の金額が図19(E)に示すように修正される。
【0108】
不図示の登録ボタンを押すと、図19(F)に示すような、金額の調整が反映された調整会社間取引データがデータテーブル106gに登録される。同図に示す例では、調整額「¥2,000」、調整後金額「¥32,000」となっている。
【0109】
(S4:変換前後・調整確認処理)
図20図22は、変換前後・調整確認処理の具体例を説明するための図である。確認部102eは、対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、変換前後である個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む金額を確認リストとしてモニタ114に表示出力する。
【0110】
図20は、変換後会社間取引データ及び調整後会社間取引データに基づいて、ヘッダ情報を集計する工程を説明するための図である。図20(A)は、変換後会社間取引データ及び調整後会社間取引データの例を示す図である。図20(B)は、ヘッダ情報の例を示す図である。
【0111】
確認部102eは、図20(A)に示す変換後会社間取引データ及び調整後会社間取引に基づいて、図20(B)に示すようなヘッダ情報(連結決算期、連結会社、連結セグメント、連結科目、相手会社、及び相手セグメント単位での集計金額、調整額、調整後金額)を集計する。
【0112】
図21は、変換前会社間取引データ及び調整後会社間取引データに基づいて、明細情報を集計する工程を説明するための図である。図21(A)は、変換前会社間取引データ及び調整後会社間取引データの例を示す図である。図21(B)は、明細情報の例を示す図である。
【0113】
確認部102eは、図21(A)に示す変換前会社間取引データ及び調整後会社間取引データに基づいて、図21(B)に示すような明細情報(連結決算期、連結会社、連結セグメント、連結科目、相手会社、相手セグメント、個社総勘定科目、個社補助科目、個社補助内訳科目、個社セグメント、及び取引先特定コード単位での集計金額、調整額、調整後金額)を集計する。
【0114】
図22は、確認リストの出力例を示す図である。確認部102eは、ヘッダ情報と明細情報を同一のヘッダ項目(連結決算期、連結会社、連結セグメント、連結科目、相手会社、及び相手セグメント)で結合した、図22に示すような確認リストをモニタ114に表示出力する。なお、確認部102eは、必要に応じて確認リストのレイアウトを加工する。
【0115】
確認リストでは、連結決算期と、連結会社、連結セグメント/個社セグメント、連結科目/個社総勘定科目・個社補助科目・個社補助内訳科目、相手会社、及び相手セグメント/取引先特定コード毎の集計金額、調整額、調整後金額が表示される。図22に示す例では、A社は科目入力方法が連結科目、セグメント入力方法が連結セグメントのため、個社科目・個社セグメントはすべて「*」の行に調整値が表示される。B社は科目入力方法が個社科目、セグメント入力方法が個社セグメントのため、個社科目・個社セグメント単位で調整値が表示される。
【0116】
以上説明したように、本実施の形態によれば、連結会社毎に、個社会計のコード体系を連結会計のコード体系にデータ変換するルールを規定したコード変換用マスタと、連結会社毎に、会計データのデータ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法及び連結セグメント又は個社セグメントのセグメント入力方法とを関連づけて登録した入力方法設定マスタと、個社毎に、前記コード変換用マスタの当該個社の設定に基づいて仕訳データをデータ変換して集計した変換前会計データと、当該変換前会計データを前記入力方法設定マスタの当該個社の設定に基づいて変換して集計した変換後会計データと、を取得する集計結果取得部102cと、対象の変換後会計データについて、その科目入力方法及びセグメント入力方法に応じた調整入力画面を表示部に表示し、当該調整入力画面上でのオペレータの操作に応じて集計金額の調整を行い、調整後のデータを調整会計データとして登録する調整入力部102dと、対象の変換前会計データ、変換後会計データ、及び調整会計データに基づいて、個社科目/連結科目及び個社セグメント/連結セグメントについての調整額を含む集計金額を確認リストとして出力する確認部102eと、を備えているので、連結会計のコード体系と個社会計のコード体系において、会計データの集計結果の変換前後及び調整前後の数字を効率的に確認することが可能となる。
【0117】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0118】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0119】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0120】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0121】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0122】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0123】
また、連結会計システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0124】
例えば、連結会計システム100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて連結会計システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0125】
また、このコンピュータプログラムは、連結会計システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0126】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0127】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0128】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0129】
また、連結会計システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、連結会計システム100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0130】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0131】
100 連結会計システム
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b マスタ送信部
102c 集計結果取得部
102d 調整入力部
102e 確認部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 入力方法設定マスタ
106b 科目変換マスタ
106c 分析コード変換対象項目マスタ
106d 分析コード変換マスタ
106e 取引先特定方法マスタ
106f 取引先特定マスタ
106g データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 個社会計システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図18
図19
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図22