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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】エアモビリティー
(51)【国際特許分類】
   B64D 33/08 20060101AFI20241018BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20241018BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20241018BHJP
   B64C 27/26 20060101ALI20241018BHJP
   B64C 13/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B64D33/08
B64D27/24
B64D47/00
B64C27/26
B64C13/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021118808
(22)【出願日】2021-07-19
(65)【公開番号】P2022099223
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-11-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0181245
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒクワン
(72)【発明者】
【氏名】イム、チョンシク
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ギュフン
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10669037(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0167800(US,A1)
【文献】特開2020-131781(JP,A)
【文献】特開2020-183210(JP,A)
【文献】特開平07-232700(JP,A)
【文献】米国特許第09764833(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0172259(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/00-13/50
B64C 27/24-27/26
B64D 33/08-33/12
B64D 47/00-47/08
B64U 20/94-20/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアモビリティーの回転翼装着位置の下側に位置し、エアモビリティーに開口部を備え、回転可能に装着され、回転翼の下側に流動する空気又は開口部の上側で流動する空気がエアモビリティーの内部に流入するようにガイドするエアフラップと、
エアフラップを通過した空気が回転翼のモーター,インバーター,又はモーター及びインバーター,又はバッテリーに向かうようにエアフラップを回転させるアクチュエーターと、
エアモビリティーの運行状態又は回転翼のモーター、インバーター,又はモーター及びインバーター,又はバッテリーの温度によってアクチュエーターを制御してエアフラップを通過した空気の流れを制御する制御部とを含
少なくとも前記エアフラップは、前記開口部の開放方向によって、前記エアモビリティーの内部に流れる空気を前記モーター及び前記インバーターに誘導するか、又は前記エアモビリティーに流入する空気を前記バッテリーに誘導する、エアモビリティー。
【請求項2】
アクチュエーターは、回転軸を回転させるように駆動される駆動モーターと、一端部が駆動モーターの回転軸と回転可能に連結され、他端部がエアフラップと連結され、駆動モーターの回転によってエアフラップを回転させる連結リンクとを含むことを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項3】
回転翼はエアモビリティーのブームに装着され、モーター及びインバーターはブームの内部に位置し、バッテリーはエアモビリティーのウイングに装着され、
エアフラップはブームに装着され、アクチュエーターの作動によって回転して回転翼の下側に流動する空気をブームの内部又はブームの内部を通してウイングの内部に流動させることを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項4】
エアフラップが回転翼側に回転するとき、回転翼の下側に流動する空気はエアフラップを通過してブームの内部に流動してモーター及びインバーターを冷却させ、エアフラップが回転翼の反対側に回転するとき、回転翼の下側に流動する空気はエアフラップを通過してブームの内部を通してウイングの内部に流動してバッテリーを冷却させることを特徴とする、請求項3に記載のエアモビリティー。
【請求項5】
エアフラップを通して空気がバッテリーに向かうように形成された空気流路と、
エアフラップを通して流動した空気がモーター、インバーター,又はモーター 及びインバーター,又はバッテリーを冷却させてから外部に排出される排出口とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項6】
エアフラップの初期状態では、開口部をカバーして、回転翼の下側に流動する空気がエアモビリティーの内部に流入することを防止することを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項7】
モーター及びインバーターの温度を測定する第1温度センサーと、
バッテリーの温度を測定する第2温度センサーとをさらに含み、
制御部は、第1温度センサー又は第2温度センサーで測定した温度に基づいてアクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項8】
制御部は、第1温度センサーで測定された温度が既設定の第1温度以上であれば、回転翼の下側に流動する空気又はエアフラップ前方で流動する空気がエアフラップを通してモーター及びインバーターに向かうようにアクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティー。
【請求項9】
制御部は、第2温度センサーで測定された温度が既設定の第2温度以上であれば、エアフラップの前方で流動する空気がエアフラップを通してバッテリーに向かうようにアクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティー。
【請求項10】
制御部は、第1温度センサーで測定された温度及び第2温度センサーで測定された温度が既設定の第3温度以下であれば、開口部をエアフラップがカバーするようにアクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティー。
【請求項11】
制御部は、エアモビリティーが垂直離陸又は着陸するとき、回転翼の下側に流動する空気がエアフラップを通してモーター及びインバーターに向かうようにアクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項12】
制御部は、エアモビリティーがクルージングするとき、エアフラップの前方で流動する空気がエアフラップを通してバッテリーに向かうようにアクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項13】
制御部は、エアモビリティーがクルージングするとき、開口部をエアフラップがカバーするようにアクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【請求項14】
エアフラップは複数が形成され、アクチュエーターは複数のエアフラップと連結されて複数のエアフラップを同時に回転させることを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアモビリティーに関するもので、詳しくはエアモビリティーの回転翼の下側に回転して開放するフラップを備え、外部空気を翼部の内部に誘導して回転翼のモーター,インバーター,又はモーター 及びインバーター,又はバッテリーを冷却させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近に開発されたエアモビリティーは、回転翼及び固定翼が装着され、高電圧バッテリーによって回転翼に装着されたモーター及びインバーターを作動させてエアモビリティーの垂直離陸又は着陸を遂行し、垂直離陸以後に固定翼によってクルージング飛行を遂行して高電圧バッテリーの電力消耗を減らすように開発された。
【0003】
しかし、従来のエアモビリティーは、胴体又は固定翼の内部に位置するモーター、インバーター又はバッテリーが長期間作動することによって発熱し、これを冷却させるために外気をエアモビリティーの胴体又は固定翼の内部に吸気する冷却装置が開発されて来た。
【0004】
よって、エアモビリティーのモーター、インバーター又はバッテリーの発熱温度による冷却の時点にモーター、インバーター又はバッテリーを冷却させる技術が要求され、エアモビリティーがクルージング飛行を遂行するときに外気を内部に吸気する吸気装置によってエアモビリティーのクルージング飛行性能を低下させる問題があった。
【0005】
前記背景技術として説明した事項は本発明の背景に対する理解増進のためのものであるだけ、当該技術分野で通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に相当することを認めるものとして受け入れてはいけないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許公開第10-2019-0076508A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するために提案されたもので、エアモビリティーの固定翼の下側に位置し、開口部をもって回転するように作動するエアフラップを通して外部空気をエアモビリティーの内部に流入させてエアモビリティーのモーター、インバーター及びバッテリーを冷却させ、エアモビリティーのモーター、インバーター及びバッテリーの冷却が不要であるとき、エアフラップが開口部をカバーしてエアモビリティーの飛行性能を向上させることにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるエアモビリティーは、エアモビリティーの回転翼装着位置の下側に位置し、エアモビリティーに開口部を備え、回転可能に装着され、回転翼の下側に流動する空気又は開口部の上側で流動する空気がエアモビリティーの内部に流入するようにガイドするエアフラップと、エアフラップを通過した空気が回転翼のモーター,インバーター,又はモーター 及びインバーター,又はバッテリーに向かうようにエアフラップを回転させるアクチュエーターと、エアモビリティーの運行状態又は回転翼のモーター,インバーター,又はモーター 及びインバーター,又はバッテリーの温度によってアクチュエーターを制御してエアフラップを通過した空気の流れを制御する制御部とを含む。
アクチュエーターは、回転軸を回転させるように駆動される駆動モーターと、一端部が駆動モーターの回転軸と回転可能に連結され、他端部がエアフラップと連結され、駆動モーターの回転によってエアフラップを回転させる連結リンクとを含むことができる。
回転翼はエアモビリティーのブームに装着され、モーター及びインバーターはブームの内部に位置し、バッテリーはエアモビリティーのウイングに装着され、エアフラップはブームに装着され、アクチュエーターの作動によって回転して回転翼の下側に流動する空気をブームの内部又はブームの内部を通してウイングの内部に流動させることができる。
エアフラップが回転翼側に回転するとき、回転翼の下側に流動する空気はエアフラップを通過してブームの内部に流動してモーター及びインバーターを冷却させ、エアフラップが回転翼の反対側に回転するとき、回転翼の下側に流動する空気はエアフラップを通過してブームの内部を通してウイングの内部に流動してバッテリーを冷却させることができる。
エアモビリティーは、エアフラップを通して空気がバッテリーに向かうように形成された空気流路と、エアフラップを通して流動した空気がモーター,インバーター,又はモーター 及びインバーター,又はバッテリーを冷却させてから外部に排出される排出口とをさらに含むことができる。
エアフラップの初期状態では、開口部をカバーして、回転翼の下側に流動する空気がエアモビリティーの内部に流入することを防止することができる。
エアモビリティーは、モーター及びインバーターの温度を測定する第1温度センサーと、バッテリーの温度を測定する第2温度センサーとをさらに含み、制御部は、第1温度センサー又は第2温度センサーで測定した温度に基づいてアクチュエーターを制御することができる。
制御部は、第1温度センサーで測定された温度が既設定の第1温度以上であれば、回転翼の下側に流動する空気又はエアフラップ前方で流動する空気がエアフラップを通してモーター及びインバーターに向かうようにアクチュエーターを制御することができる。
制御部は、第2温度センサーで測定された温度が既設定の第2温度以上であれば、エアフラップの前方で流動する空気がエアフラップを通してバッテリーに向かうようにアクチュエーターを制御することができる。
制御部は、第1温度センサーで測定された温度及び第2温度センサーで測定された温度が既設定の第3温度以下であれば、開口部をエアフラップがカバーするようにアクチュエーターを制御することができる。
制御部は、エアモビリティーが垂直離陸又は着陸するとき、回転翼の下側に流動する空気がエアフラップを通してモーター及びインバーターに向かうようにアクチュエーターを制御することができる。
制御部は、エアモビリティーがクルージングするとき、エアフラップの前方で流動する空気がエアフラップを通してバッテリーに向かうようにアクチュエーターを制御することができる。
制御部は、エアモビリティーがクルージングするとき、開口部をエアフラップがカバーするようにアクチュエーターを制御することができる。
エアフラップは複数が形成され、アクチュエーターは複数のエアフラップと連結されて複数のエアフラップを同時に回転させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるエアモビリティーは、エアモビリティーの飛行状態によってエアフラップを回転させて回転翼のモーター,インバーター,又はモーター 及びインバーターを冷却させるか又はバッテリーを冷却させ、クルージング走行の際に開口部をカバーするようにエアフラップを制御することにより、エアモビリティーが効率的に飛行することができる効果がある。
また、モーター、インバーター及びバッテリーの温度と外部空気の温度を比較してエアフラップを回転させて効率的に作動させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例によるエアモビリティーの斜視図である。
図2】本発明の実施例によるエアモビリティーのエアフラップを通して空気をモーター及びインバーターにガイドしてモーター及びインバーターを冷却させることを示す斜視図である。
図3図2の側断面図である。
図4】本発明の実施例によるエアモビリティーのエアフラップを通して空気をバッテリーにガイドしてバッテリーを冷却させることを示す斜視図である。
図5図4の側断面図である。
図6】本発明の実施例によるエアモビリティーのエアフラップが開口部を閉める状態を示す斜視図である。
図7図6の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施例についての特定の構造的又は機能的説明は単に本発明による実施例を説明するための目的で例示したもので、本発明による実施例は多様な形態に実施されることができ、本明細書又は出願で説明した実施例に限定されるものと解釈されてはいけない。
【0012】
本発明による実施例は多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、本明細書又は出願に詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明の概念による実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されなければならない。
【0013】
第1及び/又は第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使われることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで、例えば本発明の概念による権利範囲から逸脱しない範疇内で第1構成要素は第2構成要素と名付けることができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも名付けることができる。
【0014】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されている”とか“接続されている”とかと言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されるかあるいは接続されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されている”とか“直接接続されている”とかと言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならないであろう。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち“~の間に”と“すぐ~の間に”又は“~に隣り合う”と“~に直接隣り合う”なども同様に解釈されなければならない。
【0015】
本明細書で使用した用語は単に特定の実施例を説明するために使用したもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、“含む”又は“有する”などの用語は開示した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指示しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0016】
他に定義しない限り、技術的な又は科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味である。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味と解釈されなければならなく、本明細書で明白に定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味と解釈されない。
【0017】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明することによって本発明を詳細に説明する。各図に提示した同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0018】
本発明の例示的な実施例による制御部10は、車両の多様な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム又は前記アルゴリズムを再生するソフトウェア命令語についてのデータを記憶するように構成された非揮発性メモリ(図示せず)及び当該メモリに記憶されたデータを用いて以下で説明する動作を遂行するように構成されたプロセッサ(図示せず)によって具現されることができる。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップから具現されることができる。代案として、メモリ及びプロセッサは互いに統合した単一チップから具現されることができる。プロセッサは一つ以上のプロセッサの形態を取ることができる。
【0019】
図1は本発明の実施例によるエアモビリティーの斜視図、図2は本発明の実施例によるエアモビリティーのエアフラップ100を通して空気をモーター300及びインバーター400にガイドしてモーター300及びインバーター400を冷却させることを示す斜視図、図3図2の側断面図、図4は本発明の実施例によるエアモビリティーのエアフラップ100を通して空気をバッテリー500にガイドしてバッテリー500を冷却させることを示す斜視図、図5図4の側断面図である。
【0020】
図1図5を参照して本発明によるエアモビリティーの好適な実施例について説明する。
【0021】
本発明によるエアモビリティーは、回転翼800と固定翼が形成されて垂直離陸又は着陸が可能であり、垂直離陸以後に固定翼によってクルージング飛行が可能である。
【0022】
本発明によるエアモビリティーはバッテリー500によって作動することができ、バッテリー500ではなくて内燃機関によって作動することもできる。
【0023】
本発明によるエアモビリティーは、エアモビリティーの回転翼800の装着位置の下側に位置し、エアモビリティーに開口部610を有し、回転可能に装着され、回転翼800の下側に流動する空気又は開口部610の上側で流動する空気をエアモビリティーの内部に流入するようにガイドするエアフラップ100と、エアフラップ100を通過した空気が回転翼800のモーター300,インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500に向かうようにエアフラップ100を回転させるアクチュエーター200と、エアモビリティーの運行状態又は回転翼800のモーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500の温度によってアクチュエーター200を制御して、エアフラップ100を通過した空気の流れを制御する制御部10とを含む。
【0024】
図1図5に示すように、エアモビリティーには回転軸が上方に向かう回転翼800が装着され、回転翼800の下側には開口部610が形成され、開口部610を開放又は閉鎖するように作動するエアフラップ100が位置することができる。
【0025】
エアフラップ100は、開放の際、外部空気をエアモビリティーの内部に誘導することができ、開放方向によって外部空気を回転翼800のモーター300及びインバーター400に誘導するか、又は外部空気をバッテリー500側に誘導することにより、発熱したモーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500を外部空気で冷却させることができる。
【0026】
アクチュエーター200はエアフラップ100と連結されてエアフラップ100を回転させるように作動し、エアフラップ100の開放が必要なときにのみ開放するように作動することができる。
【0027】
制御部10はアクチュエーター200と連結されてアクチュエーター200の作動を制御し、エアモビリティーの運行状態又は外部空気の温度とモーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500の温度差によってエアフラップ100が開放するか閉鎖するように制御することができる。
【0028】
エアフラップ100の作動によって外部空気をエアモビリティーの内部に流入させて回転翼800のモーター300及びインバーター400とエアモビリティーのバッテリー500を冷却させ、冷却が不要なとき、エアフラップ100が開口部610を閉鎖するように制御することにより、エアモビリティーが効率的に飛行することができる効果がある。
【0029】
アクチュエーター200は、回転軸を回転させるように駆動される駆動モーター300、及び一端部が駆動モーター300の回転軸と回転可能に連結され、他端部がエアフラップ100と連結され、駆動モーター300の回転によってエアフラップ100を回転させる連結リンク220を含むことができる。
【0030】
図2に示すように、アクチュエーター200は、回転軸を回転させるように駆動される駆動装置210と、駆動軸とエアフラップ100を連結し、駆動軸の回転によってエアフラップ100を回転させる連結リンク220とから構成されることができる。
【0031】
連結リンク220は複数のリンクから形成され、駆動軸の回転力をエアフラップ100の回転に変換することができる。
これにより、制御部10が駆動装置210を制御してエアフラップ100を前方又は後方に回転させることができる。
【0032】
また、アクチュエーター200は、図面に示す駆動装置210及び連結リンク220からなる形状の他にも、リニア装置のような形状に形成されることができ、多様な形状に形成されることができる。
【0033】
回転翼800はエアモビリティーのブーム600に装着され、モーター300及びインバーター400はブーム600の内部に位置し、バッテリー500はエアモビリティーのウイング700に装着され、エアフラップ100はブーム600に装着され、アクチュエーター200の作動によって回転し、回転翼800の下側に流動する空気又はエアフラップ100の前方で流動する空気をブーム600の内部に又はブーム600の内部を通してウイング700の内部に流動させることができる。
【0034】
エアモビリティーは胴体から延びたウイング700及びウイング700から延びたブーム600を含むことができ、バッテリー500はウイング700の内部に装着されることができ、回転翼800はブーム600の上部に装着されることができる。
【0035】
回転翼800はエアモビリティーの垂直離着陸に使われることができ、ウイング700はエアモビリティーのクルージングに使われることができる。
これにより、回転翼800のモーター300及びインバーター400はブーム600の内部に位置し、エアフラップ100は回転翼800の下部のブーム600に位置し、エアフラップ100が開放するとき、ブーム600の内部に外部空気を流入させて回転翼800のモーター300及びインバーター400を冷却させるか又はブーム600の内部を通してウイング700の内部に外部空気を流入させてバッテリー500を冷却させることができる。一方、図2と4のそれぞれに示された図面符号620は、開口部610と連通するようにブーム600に提供される排出口を示す。
【0036】
エアフラップ100が回転翼800側に回転するとき、回転翼800の下側に流動する空気はエアフラップ100を通過してブーム600の内部に流動してモーター300及びインバーター400を冷却させ、エアフラップ100が回転翼800の反対側に回転するとき、エアフラップ100の前方に流動する空気はエアフラップ100を通過し、ブーム600の内部を通してウイング700の内部に流動してバッテリー500を冷却させることができる。
【0037】
図2及び図3に示すように、回転翼800のモーター300及びインバーター400を冷却させるとき、エアフラップ100は回転翼800側に回転し、回転翼800の回転によって回転翼800の下側に流動する空気がブーム600の内部に流入するように外部空気の流れをガイドすることができる。
【0038】
また、図4及び図5に示すように、バッテリー500を冷却させるとき、エアフラップ100は回転翼800の反対側に回転し、前方で流動する空気がブーム600の内部に流動してウイング700の内部に流動してウイング700の内部に位置するバッテリー500を冷却させることができる。
【0039】
また、本発明は、空気がエアフラップ100を通してバッテリー500に向かうように形成された空気流路710と、エアフラップ100を通して流動する空気がモーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500を冷却させてから外部に排出される排出口620、720とをさらに含むことができる。
【0040】
エアフラップ100によってバッテリー500を冷却させるとき、ブーム600及びウイング700の内部に外部空気が流入することができ、ブーム600に流入した空気がウイング700の内部に流入するように外部空気の流れをガイドする空気流路710がブーム600の内部に形成されることができる。
【0041】
また、エアフラップ100を通してエアモビリティーの内部に流入した空気がモーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500を冷却させてから外部に排出される排出口620、720が形成されることにより、エアモビリティーの機体内部に外部空気が流入して機体が搖れることを防止することができる効果がある。
【0042】
図6は本発明の実施例によるエアモビリティーのエアフラップ100が開口部610を閉める状態を示す斜視図、図7図6の側断面図である。
【0043】
図6及び図7に示すように、エアフラップ100の初期状態では、開口部610をカバーすることにより、回転翼800の下側に流動する空気がエアモビリティーの内部に流入することを防止することができる。
【0044】
モーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500の冷却が不要なとき、エアフラップ100は開口部610をカバーした状態に位置し、外部の空気が内部に流入しない状態を維持することができる。
これにより、エアモビリティーが飛行するとき、外部空気が流入しなくて効率的に飛行することができる効果がある。
【0045】
また、本発明は、モーター300及びインバーター400の温度を測定する第1温度センサー20と、バッテリー500の温度を測定する第2温度センサー30とをさらに含み、制御部10は第1温度センサー20又は第2温度センサー30で測定した温度に基づいてアクチュエーター200を制御することができる。
【0046】
第1温度センサー20は回転翼800のモーター300及びインバーター400の温度を測定し、第2温度センサー30はバッテリー500の温度を測定し、制御部10はモーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500の温度に基づいてエアフラップ100を回転させることができる。
これにより、モーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500の温度を比較して効率的にエアフラップ100を回転させることができる効果がある。
【0047】
制御部10は、第1温度センサー20で測定された温度が第1温度以上であれば、回転翼800の下側に流動する空気がエアフラップ100を通してモーター300及びインバーター400に向かうようにアクチュエーター200を制御することができる。
【0048】
第1温度センサー20で測定されたモーター300及びインバーター400の温度が第1温度以上であれば、モーター300及びインバーター400の冷却が必要であると判断される。この際、制御部10は、エアフラップ100を回転翼800側に回転させるようにアクチュエーター200を制御することができる。
【0049】
これにより、外部空気がモーター300及びインバーター400側に流入してモーター300及びインバーター400を冷却させることができる。
【0050】
したがって、モーター300及びインバーター400の温度上昇を感知してエアフラップ100を制御することができる効果がある。
【0051】
制御部10は、第2温度センサー30で第2温度以上の温度が測定されれば、エアフラップ100の前方で流動する空気がエアフラップ100を通してバッテリー500に向かうようにアクチュエーター200を制御することができる。
【0052】
第2温度センサー30で測定されたバッテリー500の温度が第2温度以上であれば、バッテリー500の冷却が必要であると判断される。この際、制御部10はエアフラップ100を回転翼800の反対側に回転させることができる。
これにより、外部空気がバッテリー500側に流入してモーター300及びインバーター400を冷却させることができる。
【0053】
モーター及びインバーターの冷却必要温度とバッテリーの冷却必要温度が互いに異なるように設定されることができるので、第1温度と第2温度は互いに異なるように設定されることができる。
【0054】
また、制御部は、第1温度センサー20で測定された温度が第1温度以上の状態での相互間の第1差値と第2温度センサー30で測定された温度が第2温度以上の状態での相互間の第2差値とを比較してアクチュエーター200の作動を制御することができる。
【0055】
したがって、外部空気とモーター300、インバーター400,又はモーター300 及びインバーター400,又はバッテリー500との温度差を感知して有機的にエアフラップ100を制御することができる効果がある。
【0056】
制御部10は、第1温度センサー20で測定された温度及び第2温度センサー30で測定された温度が既設定の第3温度以下であれば、開口部610をエアフラップ100がカバーするようにアクチュエーター200を制御することができる。
【0057】
第1温度センサー20で測定されたモーター300又はインバーター400の温度及び第2温度センサーで測定されたバッテリー500の温度が既設定の第3温度以下であれば、モーター300、インバーター400,又はモーター300及びインバーター400,又はバッテリー500を冷却させる必要がない。
【0058】
既設定の第3温度は第1温度及び第2温度より低い温度に設定されることができる。
これにより、制御部10はエアフラップ100を回転させずに開口部610をカバーするようにアクチュエーター200を制御することができる。
これにより、エアモビリティーが飛行するとき、外部空気がブーム600の外側面に沿って流動してエアモビリティーの電費を向上させることができる効果がある。
【0059】
制御部10は、エアモビリティーが垂直離陸又は着陸するとき、回転翼800の下側に流動する空気がエアフラップ100を通してモーター300及びインバーター400に向かうようにアクチュエーター200を制御することができる。
【0060】
エアモビリティーの垂直離陸又は着陸の際、回転翼800の回転数が増加し、モーター300及びインバーター400の冷却が必要になる。
この際、エアフラップ100は回転翼800側に回転し、回転翼800が回転するときに回転翼800の下側に流動する空気がエアモビリティーの内部に流入するように外部空気の流れをガイドすることができる。
エアフラップ100を通してエアモビリティーのブーム600の内部に流入した外部空気は回転翼800のモーター300及びインバーター400を冷却させ、排出口620を通して外部に排出されることができる。
これにより、エアモビリティーの垂直離着陸を効率的に遂行することができる効果がある。
【0061】
制御部10は、エアモビリティーがクルージングするとき、エアフラップ100の前方で流動する空気がエアフラップ100を通してバッテリー500に向かうようにアクチュエーター200を制御することができる。
【0062】
エアモビリティーのクルージングの際、回転翼800の回転が減少するか停止してモーター300及びインバーター400の冷却が不要になり、バッテリー500の冷却が必要になることがある。
この際、エアフラップ100は回転翼800の反対側に回転し、エアフラップ100の前方で流動する空気をエアモビリティーの内部に流入させ、外部空気を空気流路710を通してウイング700にガイドしてバッテリー500を冷却させることができ、バッテリーを冷却させた外部空気は排出口720を通して外部に排出されることができる。
【0063】
制御部10は、エアモビリティーがクルージングするとき、エアフラップ100が開口部610をカバーするようにアクチュエーター200を制御することができる。
【0064】
エアモビリティーがクルージングするとき、バッテリー500が充分に冷却されてバッテリー500の冷却が不要になるとき、エアモビリティーの空力性能を最大化するためにエアフラップ100が開口部610をカバーするように制御部10がアクチュエーター200を制御することができる。
これにより、エアモビリティーリが効率的な飛行を遂行することができる効果がある。
【0065】
エアフラップ100は複数が形成され、アクチュエーター200は複数のエアフラップ100と連結されて複数のエアフラップ100を同時に回転させることができる。
図1図7に示すように、エアフラップ100は複数が形成されることができ、多様なサイズのエアモビリティーに適用されることができる。
【0066】
また、複数のエアフラップ100とアクチュエーター200が一体に連結されることにより、複数のエアフラップ100が同時に回転することができる。
【0067】
本発明を特定の実施例に基づいて図示して説明したが、以下の特許請求範囲によって決定される本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で本発明が多様に改良及び変化されることができるというのは当該分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0068】
10 制御部
20 第1温度センサー
30 第2温度センサー
100 エアフラップ
200 アクチュエーター
210 駆動装置
220 連結リンク
300 モーター
400 インバーター
500 バッテリー
600 ブーム
610 開口部
620 排出口
700 ウイング
710 空気流路
720 排出口
800 回転翼
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7