(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 304Z
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2021166712
(22)【出願日】2021-10-11
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】中村 一寛
【審査官】藤脇 沙絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-025568(JP,A)
【文献】特開2006-068252(JP,A)
【文献】特開2014-226313(JP,A)
【文献】特開2019-208776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を備える遊技機であって、
前記基板は、
所定の電源電圧が入力される入力コネクタと、
前記所定の電源電圧に基づいてバックアップ電源を生成するバックアップ電源生成回路と、
前記バックアップ電源を出力する出力コネクタと、
前記入力コネクタにおいて前記所定の電源電圧が入力される端子と前記バックアップ電源生成回路とを接続する第1の配線パターンと、
前記バックアップ電源生成回路と前記出力コネクタにおいて前記バックアップ電源が出力される端子とを接続する第2の配線パターンと、
を備え、
前記第2の配線パターンは、前記第1の配線パターンより短い
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に係るものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、電源断時にRAMに記憶されているデータをバックアップするためのバックアップ電源が生成される(特許文献1参照)。そして、電源断時には、バックアップ電源がRAMに供給されることで、RAMに記憶されているデータがバックアップ(一時的に保持)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機においては、バックアップ電源にノイズが多く含まれると、RAMに記憶されているデータのバックアップの安定性を欠くおそれがある。
【0005】
そこで、本発明では、バックアップの安定性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が入力される入力コネクタと、前記所定の電源電圧に基づいてバックアップ電源を生成するバックアップ電源生成回路と、前記バックアップ電源を出力する出力コネクタと、前記入力コネクタにおいて前記所定の電源電圧が入力される端子と前記バックアップ電源生成回路とを接続する第1の配線パターンと、前記バックアップ電源生成回路と前記出力コネクタにおいて前記バックアップ電源が出力される端子とを接続する第2の配線パターンと、を備え、前記第2の配線パターンは、前記第1の配線パターンより短い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バックアップの安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】遊技機において前枠を開放したときの斜視図である。
【
図5】先読み予告演出の例についての説明図である。
【
図7】払出制御基板の部品面の配線パターンを示した図である。
【
図8】払出制御基板の半田面の配線パターンを示した図である。
【
図9】払出制御基板における電子部品の配置図である。
【
図10】払出制御基板に設けられたスルーホールの直径を示した図である。
【
図12】払出制御基板の入出力電圧及び供給先を説明する図である。
【
図13】払出制御基板に設けられる回路構成のうち、コネクタCN1が接続される回路構成を示した図である。
【
図14】払出制御基板に設けられる回路構成のうち、コネクタCN3が接続される回路構成を示した図である。
【
図15】払出制御基板に設けられる回路構成のうち、集積回路IC7が接続される回路構成を示した図である。
【
図16】35V直流電圧の配線パターンを合成した図である。
【
図17】12V直流電圧の配線パターンを合成した図である。
【
図18】5V直流電圧の配線パターンを合成した図である。
【
図19】バックアップ電源の配線パターンを合成した図である。
【
図20】集積回路IC7の電源供給配線を合成した図である。
【
図21】電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
【
図22】電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
【
図23】電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
【
図24】電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
【
図25】他の実施形態における払出制御基板の部品面の配線パターンを示した図である。
【
図26】他の実施形態における払出制御基板の半田面の配線パターンを示した図である。
【
図27】他の実施形態における払出制御基板における電子部品の配置図である。
【
図28】他の実施形態における払出制御基板に設けられる回路構成のうち、コネクタCN1が接続される回路構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。
<1.遊技機の構造>
<2.遊技機の制御構成>
[2.1 主制御基板]
[2.2 演出制御基板]
<3.動作の概要説明>
[3.1 遊技状態]
[3.2 図柄変動表示ゲーム]
[3.3 大当りについて]
[3.4 演出について]
<4.基板の接続構成>
[4.1 主制御側メイン処理]
[4.2 主制御側タイマ割込み処理]
<5.払出制御基板の構成>
[5.1 払出制御基板の構造]
[5.2 払出制御基板の入出力電圧]
[5.3 払出制御基板42の回路構成]
[5.4 35V直流電圧の供給配線]
[5.5 12V直流電圧の供給配線]
[5.6 5V直流電圧の供給配線]
[5.7 バックアップ電源の供給配線]
[5.8 集積回路IC7の電源供給配線]
<6.構成例>
【0010】
<1.遊技機の構造>
図1及び
図2を参照して、本発明に係る実施形態としての遊技機1の全体構造について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の遊技機1の外観を示す斜視図であり、
図2は、実施形態の遊技機1において前枠4を開放したときの斜視図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、遊技機1は、木製の外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた内枠3と、内枠3にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた前枠4とを備える。
内枠3は、額縁状に形成され、内部に遊技盤5が保持されている。遊技盤5の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(
図4参照)が配設されている。
【0012】
前枠4は、中央に透明ガラス6が保持されているとともに、透明ガラス6の周囲の全部又は一部を囲むようにサイドユニット7が設けられている。
サイドユニット7は、それ自体が遊技機1のテーマに合わせた装飾形状とされるとともに、内部にLEDや役物等の演出部材が設けられることもあり、遊技者に遊技の雰囲気を伝える演出効果を発揮する。このサイドユニット7は前枠4に対して交換可能に取り付けられたユニットとされる。
【0013】
前枠4の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば内枠3に対する前枠4のロック状態が解除されて前枠4を前側に開放でき、また、他方側に操作すれば外枠2に対する内枠3のロック状態が解除されて内枠3を前側に開放できるようになっている。なお、前枠4は、上部及び下部が分かれて開放できるようになっていてもよい。
【0014】
前枠4の下側には、前面操作パネル8が配置されている。前面操作パネル8には、上受け皿ユニット9が設けられ、この上受け皿ユニット9には、排出された遊技球を貯留する上受け皿10が形成されている。
【0015】
また、上受け皿ユニット9には、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入された有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12と、上受け皿10に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン13とが設けられている。
【0016】
また、上受け皿ユニット9には、遊技者が操作可能に構成された操作部14が設けられている。操作部14は、演出ボタン14a、十字キー14b及び決定ボタン14cを含んで構成されている。演出ボタン14aは、所定の入力受付期間中に内蔵ランプ(ボタンLED49)が点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯中に所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。
十字キー14bは、遊技者やホールスタッフ等の使用者が各種の項目の選択や方向指示等を行うための操作子である。決定ボタン14cは、選択項目の決定を指示するための操作子である。
【0017】
前面操作パネル8の右端部側には、発射装置44(
図4参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。
【0018】
前枠4の適所には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ16(例えばフルカラーLEDによる光演出用LED等)が複数設けられている。この装飾ランプ16は、遊技機1の周囲、例えば前枠4の周縁やサイドユニット7内に複数個設けられている。
【0019】
また内枠3の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ17が設けられている。
複数のスピーカ17により、演出に関する音などについて、いわゆるステレオ音響再生や、より多チャネルの音響再生を行うことができるようにされている。
【0020】
次に、
図3を参照して、遊技盤5の構成について説明する。
図3は、遊技盤5の正面図である。
図示の遊技盤5には、発射された遊技球を案内する球誘導レール18が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール18に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域19、四隅は非遊技領域となっている。
遊技領域19は、遊技盤5と透明ガラス6との間に形成される空間であって、遊技球が流下可能な領域である。
【0021】
この遊技領域19の略中央部には、液晶表示装置(LCD)20が設けられている。液晶表示装置20は、例えば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(例えば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動表示及び停止表示)が可能である。
この液晶表示装置20は、後述する演出制御基板41の制御の下、装飾図柄の変動表示動作の他、種々の演出を画像により表示する。
【0022】
また遊技領域19の中央には、液晶表示装置20の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り21が設けられている。センター飾り21は、遊技盤5の前面側に沿って設けられ、液晶表示装置20の表示面を遊技球の衝突から保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さ又はストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として機能する。
本実施形態では、センター飾り21は、遊技領域19のほぼ中央部に配置され、遊技領域19を左右それぞれの左遊技領域19a及び右遊技領域19bに分割している。発射装置44により所定の発射強度未満で発射された遊技球は、左遊技領域19aを流下し、所定の発射強度以上で発射された遊技球は、右遊技領域19bを流下することになる。
【0023】
遊技盤5の下部の非遊技領域は各種機能表示部となっており、ドット表示器による特別図柄表示装置22aと特別図柄表示装置22bとが設けられている。
なお、特別図柄表示装置22a、22bを含む各種機能表示部を
図5に拡大して示している。
【0024】
特別図柄表示装置22a、22bでは、ドット表示器により表現される「特別図柄」の変動表示動作による特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置20では、特別図柄表示装置22a、22bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示して、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0025】
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置22a、22bと同じくドット表示器からなる複合表示装置22cが配設されている。複合と称したのは、第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特
図1」と略称する)、第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特
図2」と略称する)、普通図柄の保留球数の表示、時短状態中及び高確率状態中の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
【0026】
また各種機能表示部には、同じくドット表示器からなる複合表示装置22dが設けられている。
この複合表示装置22dでは、4つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知するラウンド数表示が行われる。
また複合表示装置22dでは、普通図柄表示として、1個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また複合表示装置22dでは、3個のLEDにより右打ち表示が行われるようになっている。なお、右打ち表示は、右遊技領域19bに向けて遊技球の発射をした方が、左遊技領域19aに向けて遊技球を発射した場合により遊技者に有利であることを示している。
【0027】
遊技盤5の中央であって液晶表示装置20の下側には、第1始動口23が設けられている。第1始動口23の内部には、遊技球の通過を検出する第1始動口検出センサ23a(
図4参照)が設けられている。
また右遊技領域19bには、第2始動口24が設けられ、内部には、遊技球の通過を検出する第2始動口検出センサ24a(
図3参照)が設けられている。
【0028】
第1始動口23は、特別図柄表示装置22aにおける特別図柄1の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放又は拡大可能にする手段)を有しない固定始動口として構成されている。本実施形態では、遊技領域19内の遊技球落下方向変換部材(例えば遊技くぎ、風車、センター飾り21など)の作用により、第1始動口23へは、左遊技領域19aを転動してきた遊技球については入球容易な構成であるのに対し、右遊技領域19bを転動してきた遊技球については入球困難又は入球不可能な構成となっている。
【0029】
第2始動口24は、特別図柄表示装置22bにおける特別図柄2の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、普通電動役物25によって開閉制御がなされる可変始動口として構成されている。
普通電動役物25は、第2始動口24への遊技球の入球を可能とする開状態と、第2始動口24への遊技球の入球を困難又は不可能にする閉状態とに制御される。なお、本実施形態では、第2始動口24は右遊技領域19bに設けられ、右遊技領域19bを転動してきた遊技球のみが入球可能であるが、左遊技領域19aを転動してきた遊技球が入球可能であってもよい。
【0030】
また第2始動口24の上方、つまり右遊技領域19bの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な普通図柄ゲート26が設けられている。この普通図柄ゲート26は、複合表示装置22dにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄ゲート検出センサ26a(
図4参照)が設けられている。なお、本実施形態では、普通図柄ゲート26は右遊技領域19bにのみに設けられ、右遊技領域19bを転動してきた遊技球のみが進入可能である。しかし本発明はこれに限らず、左遊技領域19aのみに設けられていてもよいし、双方にそれぞれ設けられていてもよい。
【0031】
右遊技領域19bにおける第2始動口24よりも下方には、第1大入賞口27及び第2大入賞口28が設けられている。第1大入賞口27及び第2大入賞口28は、右遊技領域19bを転動する遊技球のみが入球可能な位置に配される。ただし、第1大入賞口27及び第2大入賞口28は、左遊技領域19aを転動してきた遊技球のみが入球可能に配されてもよいし、左遊技領域19a及び右遊技領域19bを転動してきた遊技球が入球可能に配されてもよい。
第1大入賞口27は、第1特別電動役物29によって開閉制御がなされる。第1特別電動役物29は、第1大入賞口27への遊技球の入球を可能とする開状態と、第1大入賞口27への遊技球の入球を困難又は不可能にする閉状態とに制御される。
第2大入賞口28は、第2特別電動役物30によって開閉制御がなされる。第2特別電動役物30は、第2大入賞口28への遊技球の入球を可能とする開状態と、第2大入賞口28への遊技球の入球を困難又は不可能にする閉状態とに制御される。
第1大入賞口27及び第2大入賞口28の内部には、遊技球の通過を検出する第1大入賞口検出センサ27a及び第2大入賞口検出センサ28a(
図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0032】
また、遊技領域19における左右下方には、一般入賞口31が複数設けられており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口検出センサ31a(
図4参照)が設けられている。
また遊技盤の領域内には遊技球の転動を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が配設されている。
【0033】
本実施形態の遊技機1においては、遊技領域19に設けられた各種入賞口に遊技球が入球した場合、遊技球が入球した入賞口に設定された賞球数(例えば、第1始動口23は3個、第2始動口24は1個、第1大入賞口27及び第2大入賞口28は15個、一般入賞口31は5個)が遊技球払出装置46(
図4参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口32を介して遊技領域19から排出される。
【0034】
<2.遊技機の制御構成>
図4は、遊技機1の制御構成を示すブロック図である。
図4のブロック図を参照して、遊技機1の遊技動作制御を実現するための構成(制御構成)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板40と、主制御基板40から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御を統括的に司る演出制御基板41と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板42と、外部電源から遊技機1に必要な電源電圧を生成し供給する電源基板(図示せず)と、を含んで構成される。
【0035】
[2.1 主制御基板]
主制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)40a(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM(Read Only Memory)40b(主制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)40c(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータを構成している。
【0036】
また図示はしていないが、主制御基板40は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、CPU40aに割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力してCPU40aをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路等も備えている。
【0037】
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU40aは、処理状態に応じてサンプリング回路に指示を送ることで、乱数生成回路が示している数値を大当り判定用乱数(0~65535)として取得し、大当り判定用乱数を大当り抽選(当否抽選)に利用する。なお、大当り判定用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
【0038】
主制御基板40には、第1始動口23への遊技球の入球を検出する第1始動口検出センサ23aと、第2始動口24への遊技球の入球を検出する第2始動口検出センサ24aと、普通図柄ゲート26への遊技球の通過を検出する普通図柄ゲート検出センサ26aと、第1大入賞口27への遊技球の入球を検出する第1大入賞口検出センサ27aと、第2大入賞口28への遊技球の入球を検出する第2大入賞口検出センサ28aと、一般入賞口31への遊技球の入球を検出する一般入賞口検出センサ31aと、遊技領域19から排出される遊技球(アウト球)を検出するOUT監視センサ32aが接続されている。主制御基板40は、これらから出力される検出信号を受信可能とされている。したがって、主制御基板40は、各センサからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球したのかを把握可能とされる。
【0039】
また、主制御基板40には、第2始動口24を開閉する普通電動役物25を動作させる普通電動役物ソレノイド25aと、第1大入賞口27を開閉する第1特別電動役物29を動作させる第1特別電動役物ソレノイド29aと、第2大入賞口28を開閉する第2特別電動役物30を動作させる第2特別電動役物ソレノイド30aとが接続されている。主制御基板40は、これらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0040】
また、主制御基板40には、特別図柄表示装置22a及び特別図柄表示装置22bが接続されている。主制御基板40は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
また、主制御基板40には、複合表示装置22c及び複合表示装置22dが接続されている。主制御基板40は、複合表示装置22c及び複合表示装置22dに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
【0041】
主制御基板40は、RAMクリアスイッチ33が接続されており、RAMクリアスイッチ33からの検出信号を受信可能とされている。
RAMクリアスイッチ33は、前枠4が開放された状態で操作可能に設けられており、例えば、主制御基板40上に配置される。RAMクリアスイッチ33は、RAM40cの所定領域を初期化することを指示入力するための例えば押しボタン式のスイッチとされる。
【0042】
また主制御基板40は、性能表示器34が接続されている。
性能表示器34は、例えば7セグメント表示器を有して構成され、後述する性能情報の表示が可能とされた表示手段として機能する。性能表示器34は、例えば主制御基板40上又は払出制御基板42上の視認し易い位置に搭載されている。
主制御基板40は、性能表示器34に対して性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
【0043】
主制御基板40には、払出制御基板42が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板42に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能とされている。
【0044】
また、主制御基板40には、払出制御基板42を介して枠用外部集中端子基板43が接続され、外部に設けられたホールコンピュータHCに対し所定の遊技情報(例えば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動実行情報等)を送信可能とされている。
なお、ホールコンピュータHCは、主制御基板40からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理するための情報処理装置(コンピュータ装置)である。
【0045】
払出制御基板42には、発射装置44を制御する発射制御基板45と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置46とが接続されている。この払出制御基板42の主な役割は、主制御基板40からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置46の賞球払い出し制御、主制御基板40への状態信号の送信などである。
【0046】
遊技球払出装置46には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ46aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ46bが設けられており、払出制御基板42は、これらの各検出信号を受信可能とされている。また遊技球払出装置46には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ46cが設けられており、払出制御基板42は、払出モータ46cを制御するための制御信号を送信可能とされている。
【0047】
払出制御基板42には、上受け皿10が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ47と、前枠2の開放状態を検出する前扉開放センサ48が接続されている。
【0048】
払出制御基板42は、満杯検出センサ47、前扉開放センサ48、補給切れ検出センサ46a、球計数センサ46bからの検出信号に基づいて、主制御基板40に対して、各種の状態信号を送信可能となっている。この状態信号には、満杯状態を示す球詰り信号、少なくとも前枠2が開放されていることを示す扉開放信号、遊技球払出装置46からの遊技球の供給不足を示す補給切れ信号、賞球の払出不足や球計数センサ46bに異常が発生したこと示す計数エラー信号、払い出し動作が完了したことを示す払出完了信号などが含まれ、様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御基板40は、これら状態信号に基づいて、前枠2の開放状態(扉開放エラー)や、遊技球払出装置46の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿10の満杯状態(球詰りエラー)等を監視する。
【0049】
また、払出制御基板42は、発射制御基板45に対し発射を許可する許可信号を送信可能とされている。発射制御基板45は、払出制御基板42からの許可信号が出力されていることに基づき、発射装置44に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板42から発射許可信号が出力されていること(発射許可信号ON状態)、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることが検出されていること、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。したがって、発射許可信号が出力されていない場合には(発射許可信号OFF状態)、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の発射強度は、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
なお、払出制御基板42は、発射制御基板45に対する発射の許可信号の出力を、主制御基板40より発射許可が指示されたことを条件に行う。
【0050】
(性能表示について)
主制御基板40は、性能表示器34に対し所定の性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
性能情報とは、パチンコホールや関係各庁が確認したい情報であり、遊技機1に対する過剰賞球等の不正賞球ゴトの有無や遊技機1本来の出玉性能などに関する情報などがその代表例である。したがって、性能情報自体は、予告演出等とは異なり、遊技者が遊技に興じる際に、その遊技進行自体には直接的に関係の無い情報となる。
【0051】
このため性能表示器34は、遊技機1内部、例えば、主制御基板40、払出制御基板42、発射制御基板45、中継基板、演出制御基板41上や、基板ケース(基板を保護する保護カバー)など、前枠2が開放状態とされたときに表示情報を視認可能となる位置に設けられている。
【0052】
ここで、性能情報には、具体的に次のような情報を採用することができる。
(1)特定状態中において入賞により払い出された総払出個数(特定中総賞球数:α個)を、当該特定状態中おいて遊技領域19から排出された総アウト球数(特定中アウト球数:β個)で除した値(α/β)に基づく情報(特定比率情報)を、性能情報として採用することができる。
上記「総払出個数」とは、入賞口(第1始動口23、第2始動口24、一般入賞口31、第1大入賞口27、第2大入賞口28)に遊技球が入球(入賞)した際に払い出された遊技球(賞球)の合計値である。
また、特定状態として、何れの状態を採用するかについては、如何なる状態下の性能情報を把握したいかに応じて適宜定めることができる。本実施形態の場合であれば、複数の遊技状態、大当り遊技中のうち、何れの状態も採用することができる。また、複数種類の状態を計測対象としてもよい。例えば、大当り遊技中を除く全ての遊技状態等であり、その計測対象とする種類は適宜定めることができる。
また、1又は複数の特定の入賞口を計測対象から除外したものを総払出個数としてもよい(特定入賞口除外総払出個数)。例えば、各入賞口のうち、第1大入賞口27及び第2大入賞口28を計測対象から除外したものを、総払出個数としてもよい。
【0053】
(2)その他、総払出個数、特定入賞口除外総払出個数、総アウト球数の何れかだけを計測し、その計測結果を性能情報としてもよい。
【0054】
本実施形態では、通常状態中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の総アウト球数(通常時アウト球数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト球数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト球数×100で算出される値)を性能情報(以下「通常時比率情報」と称する)として表示する。なお、この際の表示値は、小数点第1位を四捨五入した値とする。
したがって、通常時払出個数、通常時アウト球数、通常時比率情報の各データが、RAM40cの該当領域(特定中総賞球数格納領域、特定中アウト球数格納領域、特定比率情報格納領域)にそれぞれ格納(記憶)されるようになっている。但し、単に永続的に計測して性能情報を表示するのではなく、総アウト球数が所定の規定個数(例えば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了する。この規定個数とは、通常状態の総アウト球数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の総アウト球数(以下「全状態アウト球数」と称する)である。この全状態アウト球数もリアルタイムに計測され、RAM40cの該当領域(全状態アウト球数格納領域)に格納される。以下、説明の便宜のために、特定中総賞球数格納領域、特定中アウト球数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト球数格納領域を「計測情報格納領域」と略称する。
【0055】
そして、終了時点の通常時比率情報をRAM40cの所定領域(性能表示格納領域)に格納し(今回の通常時比率情報を記憶)、その後、計測情報格納領域(通常時払出個数、通常時アウト球数及び全状態アウト球数)をクリアしてから、再度、計測を開始する(通常時払出個数、通常時アウト球数、通常時比率情報及び全状態アウト球数の計測を開始する)。そして、性能表示器34には、前回の通常時比率情報(計測履歴情報)と、現在計測中の通常時比率情報とが表示されるようになっている。なお、前回の情報に限らず、前々回やその前(3回前)などの履歴を表示可能に構成してもよく、何回前までの情報を表示するかについては適宜定めることができる。
【0056】
(演出制御コマンド)
主制御基板40は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御基板41に対して送信可能とされている。但し、ゴト行為等の不正を防止するために、主制御基板40は演出制御基板41に対して信号を送信するのみで、演出制御基板41からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
【0057】
ここで、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとされている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU40a(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板41にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU41a(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU40aによりアクティブ状態に制御される。
【0058】
[2.2 演出制御基板]
演出制御基板41は、CPU41aを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM41bと、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM41cとを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源IC)、各部とのインターフェース回路、演出のための抽選用乱数を生成する乱数生成回路、各種の時間計数のためのCTC、ウォッチドッグタイマ(WDT)回路、CPU41aに割込み信号を与える割込コントローラ回路、RTC(Real Time Clock)機能部、リセット回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。
【0059】
CPU41aは、演出制御プログラム及び主制御基板40から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、本実施形態の遊技機1の場合、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M、副液晶表示装置20S)、光表示装置16a、音響発生装置17a、及び図示を省略した可動体役物となる。
【0060】
ROM41bは、CPU41aによる演出動作の制御プログラムや、演出動作制御に必要な種々のデータを記憶する。
RAM41cは、CPU41aが各種演算処理に使用するワークエリアや、テーブルデータ領域、各種入出力データや処理データのバッファ領域等として用いられる。
【0061】
この演出制御基板41の主な役割は、主制御基板40からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置20の表示制御(表示データ供給)、音響発生装置17aの音声出力制御、光表示装置16aの発光制御、可動体役物の動作制御(可動体役物モータ50の駆動制御)などとなる。
【0062】
この演出制御基板41は、液晶表示装置20に対する制御装置としての機能も備えているため、演出制御基板41には、いわゆるVDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)としての機能も備えられ、またCPU41aは、液晶制御部としても機能する。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う機能を指している。
画像ROMとは、VDPが画像展開処理を行う画像データが格納されているメモリを指す。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域である。
【0063】
演出制御基板41は、これらの構成により、主制御基板40からの演出制御コマンドに基づいて各種の画像データを生成し、主液晶表示装置20M及び副液晶表示装置20Sに出力する。これによって主液晶表示装置20M及び副液晶表示装置20Sにおいて各種の演出画像が表示される。
ここで、
図3において示される「液晶表示装置20」は「主液晶表示装置20M」である。副液晶表示装置20Sについては
図3における図示が省略されている。
【0064】
また演出制御基板41は、複数のスピーカ17を含む音響発生装置17aに対する音響制御部を有しており、音響制御部が出力する音響信号はアンプ部17bで増幅されてスピーカ17に供給される。
また、演出制御基板41には、装飾ランプ16を含む光表示装置16aに対する光表示制御部として機能するランプドライバ部16bと、可動体(図示せず)を動作させる可動体役物モータ50に対する駆動制御部として機能するモータドライバ部50a(モータ駆動回路)とが接続されている。演出制御基板41は、これらランプドライバ部16bやモータドライバ部50aに指示を行って光表示装置16aによる光表示動作や可動体役物モータ50の動作を制御する。
【0065】
また、演出制御基板41には、可動体役物の動作を監視するための原点スイッチ51や位置検出センサ52が接続されている。
原点スイッチ51は、例えばフォトインターラプタ等で構成され、可動体役物モータ50が原点位置にあるか否かを検出する。原点位置は、例えば可動体が
図2の盤面に通常は表出しない位置などとされる。演出制御基板41は、この原点スイッチ51の検出情報に基づいて可動体役物モータ50が原点位置にあるか否かを判定可能とされている。
また、演出制御基板41は、位置検出センサ52からの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(例えば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。さらに演出制御基板41は、位置検出センサ52からの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これをエラーとして検出する。
【0066】
また、演出制御基板41には、操作部14として示す演出ボタン14a、十字キー14b、決定ボタン14cの操作検出スイッチが接続され、演出制御基板41は、演出ボタン14a、十字キー14b、決定ボタン14cからの操作検出信号をそれぞれ受信可能とされている。
【0067】
さらに、演出制御基板41には、
図1に示した発射操作ハンドル15が遊技者に触れられているか否かを検出するためのハンドルセンサ53(タッチセンサ)が設けられている。演出制御基板41は、ハンドルセンサ53の検出情報に基づいて発射操作ハンドル15が使用者によりタッチされているか否かを判定可能とされる。
【0068】
演出制御基板41は、主制御基板40から送られてくる演出制御コマンドに基づき、予め用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により、又は一意に演出パターンを選択(決定)し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置20による演出画像の表示、スピーカ17からの音の再生、装飾ランプ16の点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
【0069】
ここで、演出制御コマンドについて、演出制御基板41(CPU41a)は、主制御基板40(CPU40a)が送信する上記したストローブ信号の入力に基づき割込み処理を発生させてその受信・解析を行う。具体的に、CPU41aは、上記したストローブ信号の入力に基づいてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、これにより実現される割込み処理において、演出制御コマンドを取得し、コマンド内容の解析を行う。
この際、CPU41aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生した場合には、他の割込みに基づく割込み処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込みが同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
【0070】
<3.動作の概要説明>
次に、上記のような制御構成(
図4)により実現される遊技機1の遊技動作の概要について説明する。
【0071】
[3.1 遊技状態]
遊技機1では、特別遊技状態である大当り遊技の他、複数種類の遊技状態を設定可能に構成されている。本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
【0072】
遊技機1は、低確率状態又は高確率状態のどちらかと、非時短状態又は時短状態のどちらかとが組み合わされた何れかの遊技状態で遊技が進行する。
【0073】
低確率状態は、大当り抽選の当選確率が相対的に低い状態であり、高確率状態は、大当り抽選の当選確率が相対的に高い状態である。
非時短状態は、第2始動口24に遊技球が相対的に入球しにくい状態であり、時短状態は、第2始動口24に遊技球が相対的に入球しやすい状態である。例えば、時短状態の方が非時短状態よりも、普図当り抽選に当選したときの第2始動口24の開放時間が長く設定されている。しかしながら、時短状態の方が非時短状態よりも第2始動口24に遊技球が入球しやすいのであれば、時短状態の方が非時短状態よりも、例えば、普図当り抽選の当選確率を高くしたり、普通図柄の変動時間を短くしたりしてもよい。
【0074】
本実施形態において、「通常状態」とは、低確率状態及び非時短状態を言い、初期状態に相当する。
【0075】
[3.2 図柄変動表示ゲーム]
(特図保留について)
遊技機1では、第1始動口23又は第2始動口24へ遊技球が入球した場合、すなわち、第1始動口検出センサ23a又は第2始動口検出センサ24aからの検出信号の入力があった場合、後述する特別図柄変動表示ゲームに係る乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数)が取得され、これらの乱数を保留データとして、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)までRAM40cの特図保留記憶エリアに記憶されるようになっている。
この特図保留記憶エリアは、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した特図保留記憶エリア、すなわち、特
図1保留記憶エリアと、特
図2保留記憶エリアとが設けられている。
【0076】
これら特図保留記憶エリアには、保留1記憶エリア~保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。なお、特
図1保留記憶エリア及び特
図2保留記憶エリアの最大保留記憶数は特に制限されない。また、各図柄の最大保留記憶数の全部又は一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
この特図保留記憶エリアに記憶されている保留データに係る遊技球を、「保留球」とも称する。この保留球の数を遊技者に明らかにするため、複合表示装置22cにおける特別図柄1及び特別図柄2の保留球数に対応するドット表示器を点灯表示させたり、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M又は副液晶表示装置20S)による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させたりする。
【0077】
(特別図柄変動表示ゲーム)
遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御基板40において乱数抽選による「大当り抽選」が行われる。主制御基板40は、大当り抽選の抽選結果に基づき、特別図柄表示装置22a、22bに特別図柄1、特別図柄2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定の変動時間の経過後に、その結果を特別図柄表示装置22a、22bに表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。なお、特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称する(場合により「特図」と略称する)。
【0078】
ここで本実施形態では、第1始動口23への入賞に基づく特別図柄1の大当り抽選と、第2始動口24への入賞に基づく特別図柄2の大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、特別図柄1の大当り抽選結果は特別図柄表示装置22aで、特別図柄2の大当り抽選結果は特別図柄表示装置22bで表示されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置22aにおいては、第1始動口23に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置22bにおいては、第2始動口24に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置22a又は特別図柄表示装置22bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動時間の経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「はずれ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が報知されるようになっている。
【0079】
なお、説明の便宜上、特別図柄表示装置22a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置22b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
【0080】
大当り抽選結果が「大当り」となった場合、すなわち、特別図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として特別図柄表示装置22a又は特別図柄表示装置22bに「大当り」態様で特別図柄が停止表示された場合、その後に、特別図柄変動表示ゲーム中よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。
【0081】
(装飾図柄変動表示ゲーム)
また、上記の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、主液晶表示装置20Mに装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置22a、22bには大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして主液晶表示装置20Mには当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
【0082】
したがって、例えば特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置22a、22bにおいて、特別図柄が大当りを示す表示態様(例えば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、主液晶表示装置20Mには、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が同一の表示状態(例えば「7」、「7」、「7」))で停止表示される。
【0083】
装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、先ず主制御基板40が、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球したことに基づき、具体的には、第1始動口検出センサ23a又は第2始動口検出センサ24aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」又は「はずれ」の何れであるかを抽選する大当り抽選と、最終的に停止表示される特別図柄の種別(大当り種別、はずれ種別)を抽選する図柄抽選とを行い、その抽選結果に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。
図柄抽選では、大当り抽選結果が「大当り」であったならば複数の大当り種別の何れかを、「はずれ」であったならば複数のはずれ種別の何れかを抽選により決定する。ただし、大当り種別及びはずれ種別は1つのみであってもよく、その場合、抽選を行うことなく決定してもよい。
そして、主制御基板40は、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターンの情報(変動パターン情報(例えば、大当り抽選結果及び特別図柄の変動時間に関する情報等))を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御基板41側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御基板41に送られる。
【0084】
特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(例えば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、大当りの場合の「大当り変動パターン」と、はずれの場合の「はずれ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、例えば、リーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連なし通常変動パターン’等、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
【0085】
演出制御基板41は、主制御基板40から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置22a、22bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、主液晶表示装置20Mによる装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御基板41は、演出シナリオに対応するように、主液晶表示装置20M又は光表示装置16a或いは音響発生装置17aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、主液晶表示装置20Mでの画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ16やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
【0086】
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この二つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記二つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
【0087】
(普図保留について)
遊技機1では、普通図柄ゲート26へ遊技球が通過した場合、すなわち、普通図柄ゲート検出センサ26aからの検出信号の入力があった場合、普通図柄変動表示ゲームに係る乱数(普図当り判定用乱数)が取得され、この乱数を保留データとして、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)までRAM40cの普図保留記憶エリアに保留記憶されるようになっている。
普図保留記憶エリアには、保留1記憶エリア~保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。なお、普図保留記憶エリアの最大保留記憶数は特に制限されない。
この普図保留記憶エリアに記憶されている保留データに係る遊技球を、「普図保留球」とも称する。この普図保留球の数を遊技者に明らかにするため、複合表示装置22cにおける普図保留球数に対応するドット表示器を点灯表示させたり、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M又は副液晶表示装置20S)による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させたりする。
【0088】
(普通図柄変動表示ゲーム)
遊技機1は、普通図柄ゲート26に遊技球が通過したことに基づき、主制御基板40において乱数抽選による「普図当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を複合表示装置22dに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間の経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。例えば、普図当り抽選の結果が「普図当り」であった場合、普図当り種別に応じて、複合表示装置22dの特定のLEDを特定の点灯状態(例えば、2個のLEDが全て点灯状態、又は「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。なお、本実施形態では、普図当り種別は1種類のみ設けられている。
【0089】
この「普図当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド25a(
図4参照)が作動し、第2始動口24が開放又は拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、第2始動口24が閉鎖しているときよりも遊技者に有利な遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通電動役物25により第2始動口24の開放時間が所定時間(例えば5.7s)経過するまでか、又は第2始動口24に入球した遊技球数が所定個数(例えば10個)に達するまで、その入賞領域が開放又は拡大され、これら何れかの条件を満たした場合に第2始動口24を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大1回)繰り返されるようになっている。
【0090】
[3.3 大当りについて]
続いて、遊技機1における「大当り」について説明する。
遊技機1では、大当り種別として例えば「4R1」「10R」「4R2」が設けられており、大当り抽選の結果が「大当り」であった場合に、図柄抽選において大当り種別の抽選が行われる。
なお、上記「R」の表記は、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を意味する。
【0091】
大当り種別は、条件装置の作動契機となる当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、又は遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものを言う。
【0092】
大当り遊技は、大当り遊技が開始する旨を報知するための開放前インターバル時間(オープニング時間)が経過した後、第1大入賞口27又は第2大入賞口28が開放されてから所定時間(最大開放時間:例えば、29.8)経過するか、第1大入賞口27又は第2大入賞口28に入球した遊技球数が所定個数(最大入賞数)に達すると、第1大入賞口27又は第2大入賞口28が閉鎖されるといった「ラウンド遊技」が、予め定められた規定ラウンド数(大当り種別に基づくラウンド数)繰り返される。そして、規定ラウンド数終了後に、大当り遊技が終了する旨を報知するための開放後インターバル時間(エンディング時間)が経過すると、大当り遊技が終了するようになっている。なお、数字の後の「s」は「秒」である。
【0093】
大当り遊技が実行された場合、大当り当選時の遊技状態、決定された大当り種別に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態、確変回数、時短回数が決定される。
確変回数は、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態である場合に設定される。遊技機1では、大当り遊技後の高確率状態が、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が確変回数(例えば154回)を終了するまで継続し、大当り抽選で大当りに当選することなく確変回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が低確率状態に設定(移行)される。
時短回数は、大当り遊技後の遊技状態が時短状態である場合に設定される。遊技機1では、大当り遊技後の時短状態が、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が時短回数(例えば150回)を終了するまで継続し、大当り抽選で大当りに当選することなく時短回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が非時短状態に設定(移行)される。
但し、遊技機1は、確変回数及び時短回数が大当り抽選において大当りに当選するまで(次回まで)継続するタイプの「一般確変機」としてもよい。
なお、時短回数は、特別図柄変動表示ゲーム1及び特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特
図1及び特
図2の合計変動回数)であってもよいし、何れか一方の実行回数(例えば特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。
【0094】
ここで、本実施形態では、大当り種別と同様に「はずれ」についても複数のはずれ種別が設けられている。具体的には、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の三種のはずれ種別が設けられている。
上記のように、大当り抽選の結果が「はずれ」であった場合には、図柄抽選においてはずれ種別の抽選が行われる。
【0095】
[3.4 演出について]
(演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態の遊技機1には、遊技状態に関連する演出を現出させるための複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、設定されている遊技状態に対応した演出モードが設けられている。各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出により表示され、遊技者が現在、どのような遊技状態に滞在しているかを把握することができるようになっている。
【0096】
演出制御基板41(CPU41a)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御基板41(CPU41a)は、主制御基板40(CPU40a)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、主制御基板40側で管理される遊技状態情報を含む演出制御コマンドに基づいて、主制御基板40側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、現在の遊技状態を把握し、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記のような特定の演出制御コマンドとしては、例えば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態に変化が生じる際に送られる遊技状態指定コマンド等がある。
【0097】
(予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御基板41は、主制御基板40からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。このような予告演出は、大当り種別に当選したか否かの期待度(以下「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」や「疑似連演出」、さらには「先読み予告演出」等がある。演出制御基板41は、これら演出を実行(現出)制御可能な予告演出制御手段として機能する。
【0098】
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)を言い、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様を言う。リーチ演出には当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。例えば、ノーマルリーチ演出が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘スーパーリーチ演出’と言う。この「スーパーリーチ」の多くは、当選期待感を煽るべく、ノーマルリーチよりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、ノーマルリーチやスーパーリーチには複数種類のリーチ演出が含まれる。スーパーリーチには、スーパーリーチ1、2、3、4という複数種類のリーチ演出が含まれ、これらスーパーリーチ1~4の当選期待度については「スーパーリーチ1<スーパーリーチ2<スーパーリーチ3<スーパーリーチ4」という関係性を持たせている。
【0099】
「疑似連演出」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似連変動)を伴う演出態様を言い、「疑似連変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部又は全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回又は複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。このような「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率(出現率)が定められており、例えば、疑似変動回数に応じて、スーパーリーチ等の期待感を煽るための演出が選択され易くされている。
【0100】
「先読み予告演出」(以下では「先読み予告」や「先読み演出」と略称する場合もある)とは、先読み判定の結果に基づいて、判定対象の図柄の変動表示が行われるよりも前に、有利状態に制御される可能性を報知する演出を意味する。なお、「有利状態」は、遊技者にとって有利な状態を意味する。
具体的に、先読み演出は、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない保留球(未消化の保留球)について、主に、保留表示態様や先に実行される図柄変動表示ゲームの背景演出等を利用して、当該保留球が図柄変動表示ゲームに供される前に、当選期待度を事前に報知し得る演出態様で行われる。なお、図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」の他、いわゆる「SU(ステップアップ)予告演出」や「タイマ予告演出」、「復活演出」、「プレミア予告演出」などの種々の演出が発生し、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
【0101】
ここで、
図5を参照し、上記先読み予告演出の一例としての「保留変化予告演出」について説明する。
本実施形態の遊技機1の場合、主液晶表示装置20Mの画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の保留球数を表示する保留表示領域60(保留表示部a1~d1)と特別図柄2側の保留球数を表示する保留表示領域61(保留表示部a2~d2)とが設けられている。保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。
図5では、保留球の有無を点灯状態(保留球あり:図示の「○(白丸印)」)、又は消灯状態(保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の保留球数に関する情報が報知される例を示している。
【0102】
保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域60、61において、一番左側の保留球が、当該保留表示内の全保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)保留球として表示される。また、保留表示領域60、61の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている保留球を示すための変動中表示領域62が設けられている。本実施形態の場合、変動中表示領域62は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1又は特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域60、61に表示されていた最も古い保留表示部a1又はa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域62おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたって維持される。
【0103】
保留球が発生した場合、主制御基板40から、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の保留球数(今回発生した保留球を含め、現存する保留球数)とを指定する「保留加算コマンド」が演出制御基板41に送信される。
本実施形態の場合、上記保留加算コマンドは2バイトで構成され、保留加算コマンドは、先読み判定時の保留球数を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定情報を特定可能とする下位バイト側のデータとから構成される。
【0104】
ここで、上記説明から理解されるように、本実施形態では、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球して新たに保留球が生じたことに基づいて、その保留球に係る図柄変動表示ゲームについての大当り抽選が先読み判定として行われる。主制御基板40は、このような先読み判定によって得られる先読み判定情報を、RAM40cの該当記憶領域に保留記憶する。
【0105】
ここで、先読み判定情報とは、具体的には、主制御基板40において、保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や変動開始時の変動パターンを先読み判定して得られる遊技情報である。すなわち、この情報には、少なくとも変動開始時の大当り抽選結果を先読み判定した情報(先読み当否情報)が含まれ、その他、図柄抽選結果を先読み判定した情報(先読み図柄情報)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した情報(先読み変動パターン情報)を含ませることができる。如何なる情報を含む保留加算コマンドを演出制御基板41に送るかについては、先読み予告にて報知する内容に応じて適宜定めることができる。
なお、保留加算コマンドには先読み当否情報、先読み図柄情報、及び先読み変動パターン情報が含まれているものとする。
【0106】
演出制御基板41は、主制御基板40が送信した上記の保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、先読み予告演出の実行可否を抽選する「先読み予告抽選」を行い、これに当選した場合には、先読み予告演出を現出させる。
【0107】
なお、保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。例えば、上記変動開始時の変動パターンが「スーパーリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明すれば、本ケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が「スーパーリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「スーパーリーチ種別」である旨を指定することができる。
【0108】
本実施形態の場合、先読み予告抽選に当選した場合には、保留表示部a1~d1、a2~d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、例えば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、デンジャー柄(或いは虹色などの特殊な色彩や絵柄)による保留表示(特別保留表示態様)に変化し得る「保留表示変化系」の先読み予告演出(「保留変化予告」とも称する)が行われる。
図5では、ハッチングされた保留表示部b1の保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、デンジャー柄の表示は、この順に、当選期待度が高いことを意味しており、特にデンジャー柄の保留アイコンの表示は、大当り当選期待度が極めて高い表示となるプレミアム的な保留アイコンとされている。
【0109】
(演出手段)
遊技機1における各種の演出は、遊技機1に配設された演出手段により現出される。この演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ16やLED装置などの光発生手段(光表示装置16a:光演出手段)、スピーカ17などの音響発生装置(音響発生装置17a:音演出手段)、主液晶表示装置20Mや副液晶表示装置20Sなどの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで、演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(例えば7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
【0110】
<4.基板の接続構成>
遊技機1に設けられた各基板への電源電圧の供給経路について説明する。
【0111】
図6は、遊技機1の電源系統図である。
図6に示すように、遊技機1には、上記した主制御基板40、演出制御基板41、払出制御基板42に加え、電源基板70、遊技球貸出装置接続端子板71、中継基板72、電源中継基板73を備える。なお、これらの各基板は、遊技機1に搭載される基板の一部であり、図示するもの以外にも各種の基板が設けられている。また、中継基板72は、払出制御基板42と他の基板(例えば、枠用外部集中端子基板43、発射制御基板45)とを中継する基板であり、1又は複数設けられているが、説明の便宜上1つのみを記載している。
【0112】
電源基板70は、AC入力電源(AC24V)が外部から入力され、入力されたAC入力電源(AC24V)に基づいて各部の動作電源となる直流電圧を生成する。電源基板70は、AC入力電源から35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA、DC12VB)及び5V直流電圧(DC5VA、DC5VB)を生成する。
【0113】
電源基板70には、伝送線路H1を介して払出制御基板42及び遊技球貸出装置接続端子板71が接続されている。伝送線路H1は、電源基板70に一端が接続されており、途中で分岐して払出制御基板42及び遊技球貸出装置接続端子板71に他端が別れて接続されている。電源基板70は、35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)及び5V直流電圧(DC5VA)を、伝送線路H1を介して払出制御基板42に供給する。また、電源基板70は、AC入力電源(AC24V)を、伝送線路H1を介して遊技球貸出装置接続端子板71に供給する。遊技球貸出装置接続端子板71は、遊技球貸出装置に接続され、遊技球貸出装置との間で各種信号を送受信する。
【0114】
払出制御基板42には、伝送線路H2を介して主制御基板40が接続されている。払出制御基板42は、5V直流電圧(DC5VA)に基づいて、電源断時にRAM40c及び集積回路IC7(
図9参照)のRAMに供給されるバックアップ電源(VBB)を生成する。バックアップ電源(VBB)は、電源断時にRAM40c及び集積回路IC7のRAMに供給されることで、RAM40c及び集積回路IC7のRAMに記憶されているデータを一定期間(例えば、1日以上)に亘ってバックアップ(保持)させることが可能となる。
払出制御基板42は、35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)、5V直流電圧(DC5VA)及びバックアップ電源(VBB)を、伝送線路H2を介して主制御基板40に供給する。
【0115】
払出制御基板42は、12V直流電圧(DC12VA)に基づいて、5V直流電圧(DC5VH)を生成する。また、払出制御基板42は、伝送線路H3を介して中継基板72が接続されている。払出制御基板42は、35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)及び5V直流電圧(DC5VH)を、伝送線路H3を介して中継基板72に供給する。
【0116】
また、電源基板70には、伝送線路H4、電源中継基板73、伝送線路H5を介して演出制御基板41が接続されている。電源基板70は、12V直流電圧(DC12VB)及び5V直流電圧(DC5VB)を、伝送線路H4、電源中継基板73、伝送線路H5を介して演出制御基板41に供給する。
【0117】
<5.払出制御基板の構成>
[5.1 払出制御基板の構造]
図7は、払出制御基板42の部品面42aの配線パターンを示した図である。
図8は、払出制御基板42の半田面42bの配線パターンを示した図である。
図9は、払出制御基板42における電子部品の配置図である。なお、
図8は、
図7、
図9との接続関係を容易に理解できるよう左右に反転した図となっている。
図10は、払出制御基板42に設けられたスルーホールの直径を示した図である。
図11は、
図10に示す直径の凡例を説明する図である。
以下では、説明の便宜上、払出制御基板42に搭載された電子部品及び配線パターンのうち、一部についてのみ説明する。
【0118】
図7、
図8に示すように、払出制御基板42は、表面となる部品面42a、及び、裏面となる半田面42bに、ベタグランドとしてのグランドパターン42cが形成されるとともに導電体の配線パターンが複数形成された両面基板である。払出制御基板42には、
図10及び
図11に示すように、直径が異なる複数のスルーホールが形成されており、これらのスルーホールを介して、部品面42a及び半田面42bに形成された配線パターンが電気的に接続される。なお、配線パターン及びスルーホールの詳細については後述する。
【0119】
本実施形態において、「スルーホール」は、部品面42a及び半田面42bを貫通した孔に導電体のメッキ処理が施されたものであり、電子部品の端子が挿入されるスルーホール、部品面42a及び半田面42bの配線パターンを電気的に接続するスルーホールビア等を含むものである。
【0120】
払出制御基板42には、
図9に示すように、複数の電子部品が搭載される。電子機器は、全てリード部品であり、部品面42a側に配置された電子部品の端子(リード)がスルーホールに挿通された後、半田面42b側からハンダ付けされることで払出制御基板42に固定されるとともに、部品面42a及び半田面42bに形成される配線パターンと電気的に接続される。
【0121】
このように、払出制御基板42は、一方の面である部品面42aに全ての電子部品が配置され、部品面42aが目視可能に遊技盤5の背面に取り付けられることになるため、払出制御基板42が遊技盤5に取り付けられている状態で、払出制御基板42に搭載された電子部品を確認(目視)させることが可能となる。
【0122】
電子部品としては、コネクタCN(CN1~CN7)、集積回路IC(IC1~IC22)、抵抗R(R1~R97)、コンデンサC(C1~C79)、ノイズ除去フィルタFLT(FLT1~FLT10)、スイッチSW(SW1~SW4)、7セグディスプレイFND(FND1)等が設けられている。これらの電子部品は、
図9に示す位置でハンダ付けられ払出制御基板42に固定される。
【0123】
例えば、コネクタCN1は、電源基板70との間を接続する伝送線路H1(
図6参照)の伝送線路端が接続される。したがって、払出制御基板42には、コネクタCN1を介して、様々な動作電源(直流電圧)が供給されることになる。
コネクタCN2、CN6は、中継基板72との間を接続する伝送線路H3(
図6参照)の伝送線路端が接続される。
コネクタCN3は、主制御基板40との間を接続する伝送線路H2(
図6参照)の伝送線路端が接続される。したがって、払出制御基板42は、コネクタCN3を介して、様々な動作電源(直流電圧)、バックアップ電源(VBB)及び各種信号を主制御基板40に供給(出力)することになる。
コネクタCN4は、遊技球貸出装置接続端子板71との間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続され、払出制御基板42と遊技球貸出装置接続端子板71との間での各種信号を伝送する。
【0124】
[5.2 払出制御基板の入出力電圧]
図12は、払出制御基板42の入出力電圧及び供給先を説明する図である。払出制御基板42には、上記したように、電源基板70から35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)及び5V直流電圧(DC5VA)が供給される。
【0125】
図12に示すように、電源基板70から供給される35V直流電圧(DC35VA)は、最大電流容量が2.5Aに設定されており、主に、主制御基板40(第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30a)、発射装置44に設けられた発射ソレノイド、発射装置44に遊技球を送る玉送りソレノイド(図示せず)に供給されることになる。
【0126】
電源基板70から供給される12V直流電圧(DC12VA)は、最大電流容量が5.0Aに設定されており、主に、主制御基板40(普通電動役物ソレノイド25a、近接スイッチ、各種機能表示部、磁気センサ、振動センサ、ソレノイド等)、払出モータ46c、近接スイッチに供給されることになる。なお、近接スイッチとは、遊技球が通過したことを検出するセンサであり、例えば、第1始動口検出センサ23aや補給切れ検出センサ46a等である。
【0127】
電源基板70から供給される5V直流電圧(DC5VA)は、最大電流容量が2.5Aに設定されており、主に、主制御基板40(CPU40a)、払出制御基板42に設けられた集積回路IC7に供給されるとともに、払出制御基板42において制御信号を生成するために使用される。
【0128】
また、払出制御基板42では、電源基板70から供給される12V直流電圧(DC12VA)に基づいて5V直流電圧(DC5VH)が生成(内製)される。5V直流電圧(DC5VH)は、最大電流容量が1.0Aに設定されており、主に、発射装置44に設けられた、発射操作ハンドル15の操作量を検出するハンドルボリューム(図示せず)、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチセンサ(図示せず)に供給される。
【0129】
したがって、電源基板70から供給される5V直流電圧(DC5VA)と、払出制御基板42で生成される5V直流電圧(DC5VH)とは、同一の電圧であるが、最大電流容量及び供給先が異なることとなる。特に、CPU40aや集積回路IC7等の遊技の制御に直接関する供給先には、安定した動作電源である、電源基板70から供給された5V直流電圧(DC5VA)が供給される。一方、ハンドルボリューム、タッチセンサ等の遊技の制御に直接関わらない供給先(遊技球の発射に関する供給先)には、払出制御基板42で生成される5V直流電圧(DC5VH)が供給されることになる。
【0130】
また、払出制御基板42では、電源基板70から供給される5V直流電圧(DC5VA)に基づいてバックアップ電源(VBB)が生成(内製)される。バックアップ電源(VBB)は、主に、主制御基板40(RAM40c)、集積回路IC7のRAMに供給される。
【0131】
また、払出制御基板42から出力される動作電源(出力電圧)としては、35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)、5V直流電圧(DC5VA)、5V直流電圧(DC5VH)及びバックアップ電源(VBB)がある。
【0132】
払出制御基板42から出力される35V直流電圧(DC35VA)は、最大電流容量が1.3Aに設定されており、主に、主制御基板40(第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30a)に供給されることになる。
【0133】
払出制御基板42から出力される12V直流電圧(DC12VA)は、最大電流容量が3.0Aに設定されており、主に、主制御基板40(普通電動役物ソレノイド25a、近接スイッチ、各種機能表示部、磁気センサ、振動センサ、ソレノイド等)、払出モータ46c、枠制御スイッチ、近接スイッチに供給されることになる。
【0134】
払出制御基板42から出力される5V直流電圧(電源基板70で生成された電源電圧:DC5VA)は、最大電流容量が1.0Aに設定されており、主に、主制御基板40(CPU40a)に供給される。
【0135】
払出制御基板42から出力される5V直流電圧(払出制御基板42で生成された電源電圧:DC5VH)は、最大電流容量が1.0Aに設定されており、主に、ハンドルボリューム、タッチセンサに供給される。
【0136】
払出制御基板42から出力されるバックアップ電源(VBB)は、主に、主制御基板40(RAM40c)に供給される。
【0137】
[5.3 払出制御基板42の回路構成]
図13は、払出制御基板42に設けられる回路構成のうち、コネクタCN1が接続される回路構成を示した図である。
図14は、払出制御基板42に設けられる回路構成のうち、コネクタCN3が接続される回路構成を示した図である。
図15は、払出制御基板42に設けられる回路構成のうち、集積回路IC7が接続される回路構成を示した図である。
【0138】
図13に示すように、電源基板70と接続するためのコネクタCN1は“1”~“26”の数字を付したように第1ピンから第26ピンまでの26端子構成である。なお、説明の便宜上、電子部品の「ピン」という用語は、リード(端子)形状のオス端子のみを指すのではなく、オス端子、メス端子の何れも含み、また、いわゆる平面上のコンタクトパターンや、それに対応する端子なども含むものとして用いる。
【0139】
第1ピン、第2ピン、第7ピン、第8ピン、第13ピン、第14ピン、第19ピン~26ピンはグランド端子とされる。
第3ピン~第6ピンは、35V直流電圧(DC35VA)の端子とされ、電源基板70から35V直流電圧(DC35VA)が入力される。
第9ピン~第12ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされ、電源基板70から12V直流電圧(DC12VA)が入力される。
第15ピン~第18ピンは、5V直流電圧(DC5VA)の端子とされ、電源基板70から5V直流電圧(DC5VA)が入力される。
【0140】
図14に示すように、主制御基板40と接続するためのコネクタCN3は“1”~“34”の数字を付したように第1ピンから第34ピンまでの34端子構成である。
第1ピン、第2ピン、第7ピン、第8ピン、第13ピン、第14ピン、第18ピン、第19ピン、第22ピン、第30ピン、第33ピン、第34ピンは、グランド端子とされる。
第3ピン、第5ピンは、35V直流電圧(DC35VA)又は12V直流電圧(DC12VA)の電圧異常を示す電源異常信号(ABNORMAL)の端子としてアサインされている。
第4ピン、第6ピンは、バックアップ電源(VBB)の端子とされ、バックアップ電源(VBB)を主制御基板40に出力する。
第9ピン、第11ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされ、12V直流電圧(DC12VA)を主制御基板40に出力する。
第10ピン、第12ピンは、5V直流電圧(DC5VA)の端子とされ、5V直流電圧(DC5VA)を主制御基板40に出力する。
第15ピン、第17ピンは、35V直流電圧(DC35VA)の端子とされ、35V直流電圧(DC35VA)を主制御基板40に出力する。
第16ピンは、払出制御基板42から出力される非同期シリアル信号(CRX1)の端子としてアサインされている。
第20ピンは、主制御基板40から入力される非同期シリアル信号(CTX1)の端子としてアサインされている。
第21ピン、第23ピンは、前枠4の開放信号(枠下開放信号)の端子としてアサインされている。
第24ピン、第26ピン、第28ピン、第32ピンは、主制御基板40から入力される各種のデータ信号(SS、DATA、RESET、CLK)の端子としてアサインされている。
第25ピン、第27ピンは、前枠4の開放信号(枠上開放信号)の端子としてアサインされている。
第29ピンは、発射制御信号の端子としてアサインされている。
第31ピンは、RAM40cをクリアするためのRWMクリア信号の端子としてアサインされている。
【0141】
なお、電源異常信号、非同期シリアル信号、枠下開放信号、枠上開放信号、RWMクリア信号は、シュミットトリガバッファとして機能する集積回路IC2を介して入力される。
【0142】
図15に示すように、集積回路IC7は“1”~“71”の数字を付したように第1ピンから第71ピンまでの71端子構成である。集積回路IC7は、CPU、RAM、ROMが内蔵されており、第8ピン、第19ピン、第52ピンを介して供給される5V直流電圧(DC5VA)によってCPUが動作し、払出制御基板42の各部、発射装置44、遊技球払出装置46を制御する。
【0143】
集積回路IC7のCPUは、払出制御基板42の各部、発射装置44及び遊技球払出装置46の動作を制御し、RAMは、払出制御基板42の各部、発射装置44及び遊技球払出装置46の動作を制御するために必要なデータ(情報)が記憶されている。また、RAMは、第20ピンを介してバックアップ電源(VBB)が供給されるようになされており、電源断時においてバックアップ電源(VBB)が供給されることで記憶しているデータをバックアップ(保持)することが可能である。
【0144】
[5.4 35V直流電圧の供給配線]
図16は、35V直流電圧(DC35VA)の配線パターンを合成した図である。
図16は、
図7に示した部品面42aに設けられた配線パターンと、
図8に示した半田面42bに設けられた配線パターンと、
図9に示した払出制御基板42に配置された電子部品のうち、コネクタCN1の第3ピン~第6ピン(CN1_3~CN1_6)からコネクタCN3の第15ピン、第17ピン(CN3_15、CN3_17)までの35V直流電圧(DC35VA)の供給配線を抜き出して合成した図である。
【0145】
図7~
図9、
図13、
図14、
図16に示すように、払出制御基板42では、35V直流電圧(DC35VA)が、コネクタCN1の4つの第3ピン~第6ピン(CN1_3~CN1_6)を介して電源基板70から入力される。
【0146】
コネクタCN1の4つの第3ピン~第6ピン(CN1_3~CN1_6)は、半田面42bの配線パターンL35b_1の一端に接続される。配線パターンL35b_1の途中には、4つのスルーホールT35_1~T35_4を介して部品面42aの配線パターンL35a_1の一端が接続される。配線パターンL35a_1の他端には、4つのスルーホールT35_5~T35_8を介して半田面42bの配線パターンL35b_2の一端が接続される。配線パターンL35b_2の他端には、コネクタCN3の第15ピン及び第17ピン(CN3_15、CN_17)が接続される。
【0147】
したがって、コネクタCN1の4つの第3ピン~第6ピン(CN1_3~CN1_6)に入力された35V直流電圧(DC35VA)は、配線パターンL35b_1、配線パターンL35a_1、配線パターンL35b_2を通ってコネクタCN3の第15ピン及び第17ピン(CN3_15、CN_17)に供給され、コネクタCN3の第15ピン及び第17ピン(CN3_15、CN_17)から主制御基板40に出力されることになる。
【0148】
また、配線パターンL35b_1の他端には、集積回路IC22が接続されており、配線パターンL35b_1を介して35V直流電圧(DC35VA)が集積回路IC22に供給される。集積回路IC22に供給された35V直流電圧(DC35VA)は、発射ソレノイドや球送ソレノイドの動作電源として用いられるため、コネクタCN6を介して発射装置44に出力される。
【0149】
また、配線パターンL35b_1の途中には、ノイズ除去フィルタFLT1等を介して電源異常信号生成回路に供給される。電源異常信号生成回路は、主に、集積回路IC5、抵抗R16~R21、コンデンサC20~C26、集積回路IC3の一部によって構成される。電源異常信号生成回路は、35V直流電圧(DC35VA)及び後述する12V直流電圧(DC12VA)の電圧低下を監視し、所定閾値以下の電圧となった場合に電源異常信号(ABNORMAL)を、コネクタCN3の第3ピン、第5ピンを介して主制御基板40に出力するとともに、集積回路IC7の第70ピンに入力する。
【0150】
[5.5 12V直流電圧の供給配線]
図17は、12V直流電圧(DC12VA)の配線パターンを合成した図である。
図17は、
図7に示し部品面42aに設けられた配線パターンと、
図8に示し半田面42bに設けられた配線パターンと、
図9に示し払出制御基板42に配置された電子部品のうち、コネクタCN1の第9ピン~第12ピン(CN1_9~CN1_12)からコネクタCN3の第9ピン、第11ピン(CN3_9、CN3_11)までの12V直流電圧(DC12VA)の供給配線を抜き出して合成した図である。
【0151】
図7~
図9、
図13、
図14、
図17に示すように、払出制御基板42では、12V直流電圧(DC12VA)が、コネクタCN1の4つの第9ピン~第12ピン(CN1_9~CN1_12)を介して電源基板70から入力される。
【0152】
コネクタCN1の4つの第9ピン~第12ピン(CN1_9~CN1_12)は、半田面42bの配線パターンL12b_1の一端に接続される。配線パターンL12b_1の他端は、9つのスルーホールT12_1~T12_9を介して部品面42aの配線パターンL12a_1の一端が接続される。配線パターンL12a_1は、途中で配線パターンL12a_2及び配線パターンL12a_3に分岐し、配線パターンL12a_2の端部が6つのスルーホールT12_10~T12_15を介して半田面42bの配線パターンL12b_2の一端に接続される。配線パターンL12b_2の他端には、コネクタCN3の第9ピン及び第11ピン(CN3_9、CN3_11)が接続される。
【0153】
したがって、コネクタCN1の4つの第9ピン~第12ピン(CN1_9~CN1_12)に入力された12V直流電圧(DC12VA)は、配線パターンL12b_1、配線パターンL12a_1、配線パターンL12a_2、配線パターンL12b_2を通ってコネクタCN3の第9ピン及び第11ピン(CN3_9、CN3_11)に供給され、コネクタCN3の第9ピン及び第11ピン(CN3_9、CN3_11)から主制御基板40に出力されることになる。
【0154】
一方、配線パターンL12a_3の端部は、ノイズ除去フィルタFLT2に接続されており、ノイズ除去フィルタFLT2を通った12V直流電圧(DC12VA)は、電源異常信号生成回路、集積回路IC12~IC15、IC18、コネクタCN2の第24ピン、コネクタCN6の第4ピン、第6ピン、第18ピン等に供給される。
【0155】
なお、集積回路IC12、IC13は、7セグディスプレイFND1を表示制御するための回路であり、供給された12V直流電圧(DC12VA)及び後述する5V直流電圧(DC5VA)によって動作して7セグディスプレイFND1を表示させる。なお、7セグディスプレイFND1は、性能表示器34と同様に、性能情報を表示可能である。
【0156】
また、ノイズ除去フィルタFLT2を通った12V直流電圧(DC12VA)は、集積回路IC1に供給される。
集積回路IC1は、LDO(Low Drop Out)レギュレータであり、供給される12V直流電圧(DC12VA)から5V直流電圧(DC5VH)を生成する。集積回路IC1で生成された5V直流電圧(DC5VH)は、ノイズ除去フィルタFLT9を介してコネクタCN4の第1ピン(CN4_1)に供給される。これにより、5V直流電圧(DC5VH)は、コネクタCN4の第1ピン(CN4_1)、遊技球貸出装置接続端子板71を介して遊技球貸出装置に出力されることになる。
【0157】
また、集積回路IC1で生成された5V直流電圧(DC5VH)は、ボリュームセンサ及びタッチセンサの動作電圧にもなる。
【0158】
[5.6 5V直流電圧の供給配線]
図18は、5V直流電圧(DC5VA)の配線パターンを合成した図である。
図18は、
図7に示した部品面42aに設けられた配線パターンと、
図8に示した半田面42bに設けられた配線パターンと、
図9に示した払出制御基板42に配置された電子部品のうち、コネクタCN1の第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)からコネクタCN3の第10ピン、第12ピン(CN3_10、CN3_12)までの5V直流電圧(DC5VA)の供給配線を抜き出して合成した図である。
【0159】
図7~
図9、
図13、
図14、
図18に示すように、払出制御基板42では、5V直流電圧(DC5VA)が、コネクタCN1の4つの第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)を介して電源基板70から入力される。
【0160】
コネクタCN1の4つの第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)は、半田面42bの配線パターンL5b_1の一端に接続される。配線パターンL5b_1の他端は、2つのスルーホールT5_1~T5_2を介して部品面42aの配線パターンL5a_1の一端に接続される。配線パターンL5a_1の他端は、2つのスルーホールT5_3~T5_4を介して半田面42bの配線パターンL5b_2の途中に接続される。配線パターンL5b_2の一端には、コネクタCN3の第10ピン及び第12ピン(CN3_10、CN3_12)が接続される。
【0161】
したがって、コネクタCN1の4つの第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)に入力された5V直流電圧(DC5VA)は、配線パターンL5b_1、配線パターンL5a_1、配線パターンL5b_2を通ってコネクタCN3の第10ピン及び第12ピン(CN3_10、CN3_12)に供給され、コネクタCN3の第10ピン及び第12ピン(CN3_10、CN3_12)から主制御基板40に出力されることになる。
【0162】
また、配線パターンL5b_2の他端は、ノイズ除去フィルタFLT3に接続されており、ノイズ除去フィルタFLT3を通った5V直流電圧(DC5VA)は、DC5VA監視回路、バックアップ電源生成回路80等に供給されるとともに、払出制御基板42の各部(例えば集積回路IC2、IC7~IC11,IC17)に動作電源として供給される。また、5V直流電圧(DC5VA)は、各種の制御信号を生成するための電圧としても使用される。
【0163】
[5.7 バックアップ電源の供給配線]
図19は、バックアップ電源(VBB)の配線パターンを合成した図である。
図19は、
図7に示した部品面42aに設けられた配線パターンと、
図8に示した半田面42bに設けられた配線パターンと、
図9に示した払出制御基板42に配置された電子部品のうち、配線パターンL5b_2からコネクタCN3の第4ピン、第6ピン(CN3_4、CN3_6)までのバックアップ電源の供給配線を抜き出して合成した図である。
【0164】
図7~
図9、
図13、
図14、
図19に示すように、配線パターンL5b_2の他端には、ノイズ除去フィルタFLT3を介して半田面42bの配線パターンL5b_3の一端が接続されている。配線パターンL5b_3の途中には、バックアップ電源生成回路80が接続されている。バックアップ電源生成回路80は、大容量の電解コンデンサC13及びダイオードD5を備えている。
ダイオードD5は、アノード端子が配線パターンL5b_3の途中に接続され、カソード端子が半田面42bの配線パターンLVb_1の一端に接続されている。電解コンデンサC13は、2端子コンデンサであり、プラス端子(リードピン)が配線パターンLVb_1の途中に接続され、マイナス端子(リードピン)がグランドに接続されている。したがって、電解コンデンサC13は、5V直流電圧(DC5VA)が供給されることによりバックアップ電源(VBB)としての電荷を蓄え、5V直流電圧(DC5VA)が供給されなくなると(電源断時に)、バックアップ電源(VBB)を配線パターンLVb_1に出力する。
【0165】
配線パターンLVb_1の途中には、ノイズ除去フィルタFLT4を介して配線パターンLVb_2の一端が接続されており、配線パターンLVb_2の他端にはコネクタCN3の第4ピン及び第6ピン(CN3_4、CN3_6)が接続されている。これにより、バックアップ電源VBBは、コネクタCN3の第4ピン及び第6ピン(CN3_4、CN3_6)、伝送線路H2を介して主制御基板40(RAM40c)に出力されることになる。
【0166】
また、配線パターンLVb_1の他端には、詳しくは後述するように、スルーホールTB_1を介して部品面42aの配線パターンLVa_1の一端が接続されており、配線パターンLVa_1を通ったバックアップ電源(VBB)は、集積回路IC7(RAM)に供給される。
【0167】
[5.8 集積回路IC7の電源供給配線]
図20は、集積回路IC7の電源供給配線を合成した図である。
図20は、
図7に示した部品面42aに設けられた配線パターンと、
図8に示した半田面42bに設けられた配線パターンと、
図9に示した払出制御基板42に配置された電子部品のうち、集積回路IC7への電源供給配線を抜き出して合成した図である。
【0168】
図7~
図9、
図15、
図20に示すように、配線パターンL5b_3の途中には、スルーホールT5_5を介して部品面42aの配線パターンL5a_2の一端が接続されており、配線パターンL5a_2の他端はスルーホールT5_6を介して半田面42bの配線パターンL5b_4の途中に接続されている。
【0169】
配線パターンL5b_4の一端には、スルーホールT5_7を介して部品面42aの配線パターンL5a_3の一端が接続されており、配線パターンL5a_3の一端にはスルーホールT5_8を介して半田面42bの配線パターンL5b_5の一端が接続されている。配線パターンL5b_5の他端には、スルーホールT5_9を介して部品面42aの配線パターンL5a_4の一端が接続されており、配線パターンL5a_4の他端には、集積回路IC7の第52ピンが接続されている。
【0170】
また、配線パターンL5b_4の他端は、スルーホールT5_10を介して部品面42aの配線パターンL5a_5の途中に接続されており、配線パターンL5a_5の途中にはスルーホールT5_11を介して配線パターンL5b_6の一端が接続されている。配線パターンL5b_6の他端には、集積回路IC7の第8ピンが接続されている。
【0171】
また、配線パターンL5a_5の途中にはスルーホールT5_12を介して半田面42bの配線パターンL5b_7の一端も接続されている。配線パターンL5b_7の他端には、スルーホールT5_13を介して部品面42aの配線パターンL5a_6の一端が接続されている。配線パターンL5a_6の他端には、集積回路IC7の第19ピンが接続されている。
【0172】
したがって、集積回路IC7には、第8ピン、第19ピン、第52ピンから5V直流電圧(DC5VA)が供給される。
【0173】
一方、配線パターンLVb_1の他端には、スルーホールTB_1を介して部品面42aの配線パターンLVa_1の一端が接続されており、配線パターンLVa_1の他端にはスルーホールTB2を介して半田面42bの配線パターンLVb_3の一端が接続されている。配線パターンLVb_3の他端には、抵抗R22を介して配線パターンLVb_4の一端が接続されている。配線パターンLVb_4の他端には、集積回路IC7の第20ピンが接続されている。したがって、集積回路IC7には、第20ピンからバックアップ電源(VBB)が供給される。
【0174】
集積回路IC7のCPUは、第8ピン、第19ピン、第52ピンから供給される5V直流電圧(DC5VA)によって動作し、ROMに記憶されているプログラムをRAMに展開して実行することで、払出制御基板42の各部、発射装置44、遊技球払出装置46を制御する。例えば、CPUは、発射装置44に対して発射強度を指示したり、遊技球払出装置46に対して遊技球の払出を指示したりする。
【0175】
集積回路IC7のRAMは、払出制御基板42の各部、発射装置44、遊技球払出装置46に指示するためのデータを一時的に記憶している。
【0176】
集積回路IC7は、5V直流電圧(DC5VA)が電源断によって供給されなくなると、CPUの動作が停止するとともに、バックアップ電源(VBB)が第20ピンを介して供給されるようになる。そして、集積回路ICでは、バックアップ電源(VBB)によってRAMに記憶されているデータがバックアップ(保持)されることになる。
【0177】
<6.構成例>
以下では、遊技機1の構成例を説明する。
【0178】
実施形態の遊技機1は次の(構成A1-1)を有する。
(構成A1-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が入力される入力コネクタと、所定の電源電圧に基づいてバックアップ電源を生成するバックアップ電源生成回路と、バックアップ電源を出力する出力コネクタと、入力コネクタにおいて所定の電源電圧が入力される端子とバックアップ電源生成回路とを接続する第1の配線パターンと、バックアップ電源生成回路と出力コネクタにおいてバックアップ電源が出力される端子とを接続する第2の配線パターンと、を備え、第2の配線パターンは、第1の配線パターンより短い構成とされている。
【0179】
この(構成A1-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当し、所定の電源減圧は5V直流電圧(DC5VA)に相当し、入力コネクはコネクタCN1に相当し、バックアップ電源はバックアップ電源(VBB)に相当し、出力コネクタはコネクタCN3に相当し、入力コネクタにおいて所定の電源電圧が入力される端子はコネクタCN3の第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)に相当する。また、第1の配線パターンは、配線パターンL5b_1、L5a_1、L5b_3、LVb_1に相当し、第2の配線パターンは、配線パターンLVb_1、LVb_2に相当する。
【0180】
図18~
図20に示したように、5V直流電圧(DC5VA)は、コネクタCN1の第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)に入力されると、半田面42bの配線パターンL5b_1を通って2つのスルーホールT5_1、T5_2に入力される。2つのスルーホールT5_1、T5_2に入力された5V直流電圧(DC5VA)は、スルーホールT5_1、T5_2を介して部品面42a側に導かれた後に配線パターンL5a_1を通って2つのスルーホールT5_3、T5_4に入力される。2つのスルーホールT5_3、T5_4に入力された5V直流電圧(DC5VA)は、スルーホールT5_3、T5_4を介して半田面42b側に導かれた後に配線パターンL5b_2を通ってノイズ除去フィルタFLT3に入力される。ノイズ除去フィルタFLT3に入力された5V直流電圧(DC5VA)はバックアップ電源生成回路80のダイオードD5のアノード端子に入力されカソード端子から出力されて配線パターンLVb_1を通って電解コンデンサC13のプラス端子に入力される。そして、コネクタCN1の第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)からバックアップ電源生成回路80(ダイオードD5)までの5V直流電圧(DC5VA)が通る配線パターンの合計の長さは約290mmとなっている。
【0181】
一方、
図19に示したように、バックアップ電源(VBB)は、5V直流電圧(DC5VA)に基づいてバックアップ電源生成回路80で生成されて電解コンデンサC13に蓄積される。電源断により電解コンデンサC13のプラス端子に5V直流電圧が供給されなくなると、バックアップ電源(VBB)は、電解コンデンサC13のプラス端子から半田面42bの配線パターンLVb_1を通ってノイズ除去フィルタFLT4に入力される。ノイズ除去フィルタFLT4に入力されたバックアップ電源は、ノイズ除去フィルタFLT4を介して半田面42bの配線パターンLVb_2を通ってコネクタCN3の第4ピン、第6ピン(CN3_4、CN3_6)から主制御基板40に出力される。そして、電解コンデンサC13からコネクタCN3の第4ピン、第6ピン(CN3_4、CN3_6)までのバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さは約56mmとなっている。
【0182】
したがって、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さ(約56mm)は、電源基板70から入力される5V直流電圧(DC5VA)が通る配線パターンの合計の長さ(約290mm)よりも短い。このように、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)の配線パターンを、電源基板70から入力される5V直流電圧(DC5VA)が通る配線パターンよりも短くすることにより、バックアップ電源(VBB)のノイズを低減し、電源断時におけるRAM40cのバックアップの安定性を向上することができる。
【0183】
具体的には、
図9に示したように、払出制御基板42では、コネクタCN1が右上、コネクタCN3が左上のように、コネクタCN1とコネクタCN3とが長手方向(左右方向)の離隔した位置に配置されている。そして、バックアップ電源生成回路80(電解コンデンサC13、ダイオードD5)は、払出制御基板42の左側やや上方であって、コネクタCN1よりもコネクタCN3に近い位置(コネクタCN3の真下)に配置されている。
【0184】
このように、バックアップ電源生成回路80をコネクタCN1よりもコネクタCN3の近傍に配置することで、払出制御基板42では、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVb_2を短く設計することが可能となる。かくして、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVb_2を短くしてノイズの影響を低減し、電源断時におけるRAM40cのバックアップの安定性を向上することができる。
【0185】
また、ダイオードD5は、電解コンデンサC13よりもコネクタCN1に近い位置に配置されている。さらに、ダイオードD5は、アノード端子がカソード端子よりもコネクタCN1に近くなるように配置されている。これにより、払出制御基板42では、コネクタCN1の第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)とバックアップ電源生成回路80を構成するダイオードD5とを接続する際の配線パターンを短くすることができ、5V直流電圧(DC5VA)が通る配線パターンへのノイズの影響を低減することができる。
【0186】
また、実施形態の遊技機1は(構成A1-1)に加えて、次の(構成A1-2)を有する。
(構成A1-2)
基板は、バックアップ電源が入力される制御回路と、バックアップ電源生成回路と制御回路とを接続する第3の配線パターンと、を備え、第2の配線パターンは、第3の配線パターンより短い構成とされる。
【0187】
この(構成A1-2)の考え方の場合、制御回路は集積回路IC7に相当し、第3の配線パターンは、配線パターンLVb_1、LVa_1、LVB_3、LVb_4に相当する。
【0188】
図20に示したように、電源断により電解コンデンサC13のプラス端子に5V直流電圧が供給されなくなると、バックアップ電源(VBB)は、電解コンデンサC13のプラス端子から半田面42bの配線パターンLVb_1を通ってスルーホールTB_1に入力される。スルーホールTB_1に入力されたバックアップ電源(VBB)は、スルーホールTB_1を介して部品面42a側に導かれた後に配線パターンLVa_1を通って抵抗R22に入力される。抵抗R22に入力されたバックアップ電源(VBB)は、抵抗R22を介して配線パターンLVb_4を通って集積回路IC7の第20ピンに入力される。そして、電解コンデンサC13から集積回路IC7の第20ピンまでのバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さは約228mmとなっている。
【0189】
したがって、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さ(約56mm)は、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さ(約228mm)よりも短い。このように、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)の配線パターンを短くすることにより、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)に入ってくるノイズを低減し、電源断時におけるRAM40cのバックアップを確実に行わせることができる。
【0190】
具体的には、
図9に示したように、払出制御基板42では、集積回路IC7が左側やや下方に配置されている。そして、バックアップ電源生成回路80は、集積回路IC7よりもコネクタCN3に近い位置に配置されている。
【0191】
このように、バックアップ電源生成回路80を集積回路IC7よりもコネクタCN3の近傍に配置することで、払出制御基板42では、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVb_2を短く設計することが可能となる。かくして、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVb_2を短くしてノイズの影響を低減し、電源断時におけるRAM40cのバックアップの安定性をより確実に行わせることができる。
【0192】
また実施形態の遊技機1は(構成A1-1)、(構成A1-2)に加えて、次の(構成A1-3)を有する。
(構成A1-3)
遊技機1は、出力コネクタは、所定の電源電圧及びバックアップ電源を出力する構成とされる。
【0193】
この(構成A1-3)の考え方の場合、出力コネクタであるコネクタCN3は、5V直流電圧(DC5VA)及びバックアップ電源(VBB)を主制御基板40に出力するものである。すなわち、電源基板70から入力された5V直流電圧(DC5VA)は、配線パターンL5b_2で分岐され、一方はそのままコネクタCN3の第10ピン及び第12ピン(CN3_10、CN3_12)に供給されて主制御基板40に出力され、他方はバックアップ電源生成回路80に供給されてバックアップ電源が生成されることになる(
図19参照)。
【0194】
このような場合、5V直流電圧(DC5VA)について、分岐された一方をコネクタCN3に供給し、他方をバックアップ電源生成回路80に供給することになるため、5V直流電圧(DC5VA)をコネクタCN3の近傍で分岐させることが可能となる。したがって、分岐後の配線パターン(L5b_2)を短くすることができるとともに、配線の簡略化が可能となる。
【0195】
実施形態の遊技機1は次の(構成A2-1)を有する。
(構成A2-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が入力される入力コネクタと、前記所定の電源電圧に基づいてバックアップ電源を生成するバックアップ電源生成回路と、前記バックアップ電源が入力される制御回路と、入力コネクタにおいて所定の電源電圧が入力される端子とバックアップ電源生成回路とを接続する第1の配線パターンと、バックアップ電源生成回路と制御回路とを接続する第2の配線パターンと、を備え、第2の配線パターンは、第1の配線パターンより短い構成とされる。
【0196】
この(構成A2-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当し、所定の電源減圧は5V直流電圧(DC5VA)に相当し、入力コネクはコネクタCN1に相当し、バックアップ電源はバックアップ電源(VBB)に相当し、バックアップ電源生成回路はバックアップ電源生成回路80に相当し、制御回路は集積回路IC7に相当する。また、第1の配線パターンは、配線パターンL5b_1、L5a_1、L5b_3、LVb_1に相当し、第2の配線パターンは、配線パターンLVb_1、LVa_1、LVb_3、LVb_4に相当する。
【0197】
上記したように、主制御基板40から入力されバックアップ電源生成回路80に入力される配線パターンの合計の長さ、すなわち、コネクタCN1の第15ピン~第18ピン(CN1_15~CN1_18)からバックアップ電源生成回路80(ダイオードD5)までの5V直流電圧(DC5VA)が通る配線パターンの合計の長さは約290mmとなっている。
【0198】
また、電源断により電解コンデンサC13のプラス端子に5V直流電圧が供給されなくなると、バックアップ電源(VBB)は、電解コンデンサC13の+端子から半田面42bの配線パターンLVb_1を通ってスルーホールTB_1に入力される。スルーホールTB_1に入力されたバックアップ電源(VBB)は、スルーホールTB_1を介して部品面42a側に導かれた後に配線パターンLVa_1を通ってスルーホールTB_2に入力される。スルーホールTB_2に入力されたバックアップ電源(VBB)は、スルーホールTB_2を介して半田面42b側に導かれた後に配線パターンLVb_3を通って抵抗R22に入力される。抵抗R22に入力されたバックアップ電源(VBB)は、抵抗R22を介して配線パターンLVb_4を通って集積回路IC7の第20ピンに入力される。そして、電解コンデンサC13から集積回路IC7の第20ピンまでのバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さは約228mmとなっている。
【0199】
したがって、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さ(約228mm)は、電源基板70からバックアップ電源生成回路80に入力される5V直流電圧(DC5VA)が通る配線パターンの合計の長さ(約290mm)よりも短い。このように、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)の配線パターンを、電源基板70からバックアップ電源生成回路80に入力される5V直流電圧(DC5VA)が通る配線パターンよりも短くすることにより、バックアップ電源(VBB)に入ってくるノイズを低減し、電源断時における集積回路IC7のRAMのバックアップの安定性を向上することができる。
【0200】
具体的には、
図9に示したように、払出制御基板42では、コネクタCN1が右上、バックアップ電源生成回路80(電解コンデンサC13、ダイオードD5)が左側やや上方、集積回路IC7が左側やや下方に配置されている。そして、バックアップ電源生成回路80(電解コンデンサC13、ダイオードD5)は、コネクタCN1よりも集積回路IC7に近い位置に配置されている。
【0201】
このように、バックアップ電源生成回路80をコネクタCN1よりも集積回路IC7の近傍に配置することで、払出制御基板42では、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVa_1、LVb_3、LVb_4を短く設計することが可能となる。かくして、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVa_1、LVb_3、LVb_4を短くしてノイズの影響を低減し、電源断時における集積回路IC7のRAMのバックアップの安定性を向上することができる。
【0202】
また、実施形態の遊技機1は(構成A2-1)に加えて、次の(構成A2-2)を有する。
(構成A2-2)
入力コネクタには、電圧が異なる第1及び第2の電源電圧が入力され、基板では、第2の電源電圧に基づいて、第1の電源電圧と同電圧の第3の電源電圧が生成され、バックアップ電源生成回路は、第1の電源電圧に基づいてバックアップ電源を生成する構成とされる。
【0203】
この(構成A2-2)の考え方の場合、第1の電源電圧は5V直流電圧(DC5VA)に相当し、第2の電源電圧は12V直流電圧(DC12VA)に相当し、第3の電源電圧は5V直流電圧(DC5VH)に相当する。
【0204】
ここで、5V直流電圧(DC5VA)は主制御基板40に供給されるとともに、リセット信号等の各種制御信号を生成するためなど、遊技の制御に直接関わる部品に供給される。一方、5V直流電圧(DC5VH)は、ハンドルボリューム、タッチセンサ等の遊技の制御に直接関わらない部品(発射に関わる部品)に供給される。
【0205】
したがって、電源基板70で生成された5V直流電圧(DC5VA)によって遊技の制御に直接関わる部品で安定した制御を実現するとともに、払出制御基板42で生成された5V直流電圧(DC5VH)によって遊技の制御に直接関わらない部品を動作させる。これにより、遊技の制御に直接関わらない部品に供給される動作電圧による、制御に直接関われる部品に与える影響を低減することができる。
【0206】
実施形態の遊技機1は次の(構成A3-1)を有する。
(構成A3-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧に基づいてバックアップ電源を生成するバックアップ電源生成回路と、バックアップ電源を出力する出力コネクタと、バックアップ電源が入力される制御回路と、バックアップ電源生成回路と出力コネクタにおいてバックアップ電源が出力される端子とを接続する第1の配線パターンと、バックアップ電源生成回路と制御回路とを接続する第2の配線パターンと、を備え、第1の配線パターンは、第2の配線パターンより短い構成とされる。
【0207】
この(構成A3-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当し、所定の電源減圧は5V直流電圧(DC5VA)に相当し、バックアップ電源はバックアップ電源(VBB)に相当し、出力コネクタはコネクタCN3に相当し、バックアップ電源生成回路はバックアップ電源生成回路80に相当し、制御回路は集積回路IC7に相当する。また、第1の配線パターンは、配線パターンLVb_1、LVb_2に相当し、第2の配線パターンは、配線パターンLVb_1、LVa_1、LVb_3、LVb_4に相当する。
【0208】
上記したように、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さは約56mmであり、集積回路IC7に供給されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さ(約228mm)よりも短い。このように、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)の配線パターンを短くすることにより、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)に入力されるノイズを低減し、電源断時におけるRAM40cのバックアップの安定性を向上することができる。
【0209】
具体的には、
図9に示したように、払出制御基板42では、コネクタCN3が左上、バックアップ電源生成回路80(電解コンデンサC13、ダイオードD5)が左側やや上方、集積回路IC7が左側やや下方に配置されている。そして、バックアップ電源生成回路80(電解コンデンサC13、ダイオードD5)は、集積回路IC7よりもコネクタCN3に近い位置(コネクタCN3の真下)に配置されている。
【0210】
このように、バックアップ電源生成回路80を集積回路IC7よりもコネクタCN3の近傍に配置することで、払出制御基板42では、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVb_2を短く設計することが可能となる。かくして、主制御基板40に出力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVb_2を短くしてノイズの影響を低減し、電源断時におけるRAM40cのバックアップの安定性を向上することができる。
【0211】
また、実施形態の遊技機1は(構成A3-1)に加えて、次の(構成A3-2)を有する。
(構成A3-2)
基板は、所定の電源電圧が入力される入力コネクタと、入力コネクタにおいて所定の電源電圧が入力される端子とバックアップ電源生成回路とを接続する第3の配線パターンと、を備え、第3の配線パターンは、第2の配線パターンより長い構成とされる。
【0212】
この(構成A3-2)の考え方の場合、入力コネクタはコネクタCN1に相当し、第3の配線パターンは、配線パターンL5b_1、L5a_1、L5b_2、L5b_3、LVb_1に相当する。
【0213】
上記したように、コネクタCN1から電解コンデンサC13までの配線パターンの長さは約290mmであり、集積回路IC7に供給されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンの合計の長さ(約228mm)よりも長い。このように、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)の配線パターンを短くすることにより、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)に入ってくるノイズを低減し、集積回路IC7のRAMのバックアップの安定性を向上することができる。
【0214】
具体的には、
図9に示したように、払出制御基板42では、コネクタCN1が右上に配置されている。そして、バックアップ電源生成回路80(電解コンデンサC13、ダイオードD5)は、コネクタCN1よりも集積回路IC7に近い位置に配置されている。
【0215】
このように、バックアップ電源生成回路80をコネクタCN1よりも集積回路IC7の近傍に配置することで、払出制御基板42では、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVa_1、LVb_3、LVb_4を短く設計することが可能となる。かくして、集積回路IC7に入力されるバックアップ電源(VBB)が通る配線パターンLVb_1、LVa_1、LVb_3、LVb_4を短くしてノイズの影響を低減し、電源断時における集積回路IC7のRAMのバックアップの安定性を向上することができる。
【0216】
また、実施形態の遊技機1は(構成A3-1)、(構成A3-2)に加えて、次の(構成A3-3)を有する。
(構成A3-3)
バックアップ電源生成回路は、ダイオード及びコンデンサを含んで構成される。
この(構成A3-3)の考え方の場合、ダイオードはダイオードD5に相当し、コンデンサは電解コンデンサC13に相当する。
【0217】
これにより、バックアップ電源(VBB)を生成する電子部品として、電池等のように劣化すると現状復帰できないおそれがある電子部品を避けて、充電でき性能が変化しない電解コンデンサC13を用いることで、遊技及び出玉に影響を及ぼすRAM40c及び集積回路IC7のRAMのバックアップの安定性をさらに向上することができる。
【0218】
また、実施形態の遊技機1は(構成A3-1)~(構成A3-3)に加えて、次の(構成A3-4)を有する。
(構成A3-4)
ダイオードは、バックアップ電源の逆流を防止する構成とされる。
【0219】
これにより、簡易な構成で、バックアップ電源(VBB)が逆流して5V直流電圧(DC5VA)の配線パターンに流れ込み、5V直流電圧(DC5VA)で動作する電子部品に影響を与えてしまうことを防止することができる。また、バックアップ電源(VBB)の供給によってRAM40c及び集積回路IC7のRAMのバックアップ時間が減ってしまうことを防止することができる。
【0220】
また、実施形態の遊技機1は(構成A3-3)~(構成A3-4)に加えて、次の(構成A3-5)を有する。
(構成A3-5)
ダイオードは、カソード端子がアノード端子よりもコンデンサのプラス端子に近くなるように配置されている構成とされる。
【0221】
ここで、
図9に示したように、ダイオードD5は、カソード端子がアノード端子よりも電解コンデンサC13のプラス端子に近くなるように配置されている。また、電解コンデンサC13は、プラス端子がマイナス端子よりもダイオードD5のカソード端子に近くなるように配置されている。すなわち、電解コンデンサC13のプラス端子とダイオードD5のカソード端子との距離は、電解コンデンサC13のマイナス端子とダイオードD5のカソード端子との距離より短くなるように、各電子部品が払出制御基板42に配置されている。
【0222】
これにより、払出制御基板42では、バックアップ電源生成回路80を構成する電解コンデンサC13とダイオードD5とを接続する際の配線パターンを短くすることができ、ノイズの影響をさらに低減することができる。
【0223】
実施形態の遊技機1は次の(構成B1-1)を有する。
(構成B1-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が供給され、最大電流容量が異なる複数の電源ラインと、基板の異なる層に形成された電源ラインを接続する1又は複数のスルーホールと、を備え、最大電流容量が大きい電源ラインは、最大電流容量が小さい電源ラインより、接続されるスルーホールの数が多い構成とされる。
【0224】
この(構成B1-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当する。また、電源ライン及びその電源ラインを接続するスルーホールは、配線パターンL12b_1、L12a_1とスルーホールT12_1~T12_9との組み合わせ、配線パターンL12a_2、L12b_2とスルーホールT12_10~T12_15との組み合わせ、配線パターンL35a_1、L35b_2とスルーホールT35_5~T35_8との組み合わせに相当する。
【0225】
図21は、電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
図21に示すように、配線パターンL12b_1、L12a_1は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、ライン幅(以下では、単に幅と表記する)が5mmで、最大電流容量が5.0Aに設定されている。また、配線パターンL12b_1、L12a_1は9つのスルーホール(T12_1~T12_9)を介して接続されており、9つのスルーホール(T12_1~T12_9)は直径が0.5mmである。
【0226】
また、配線パターンL12a_2、L12b_2は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、幅が3mmで、最大電流容量が3.0Aに設定されている。また、配線パターンL12a_2、L12b_2は6つのスルーホール(T12_10~T12_15)を介して接続されており、6つのスルーホール(T12_10~T12_15)は直径が0.5mmである。
【0227】
また、配線パターンL35a_1、L35b_2は、35V直流電圧(DC35VA)が供給され、幅が2mmで、最大電流容量が1.3Aに設定されている。また、配線パターンL35a_1、L35b_2は2つのスルーホール(T35_1~T35_2)を介して接続されており、2つのスルーホール(T35_1~T35_2)は直径が0.5mmである。
【0228】
したがって、最大電流容量が大きい配線パターンの組み合わせの方が、最大電流容量が小さい配線パターンの組み合わせよりも、接続されるスルーホールの数が多くなっている。
【0229】
このように、最大電流容量が大きい配線パターンの組み合わせほど、接続されるスルーホールの数を多くすることで、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときのスルーホールでの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0230】
また、実施形態の遊技機1は(構成B1-1)に加えて、次の(構成B1-2)を有する。
(構成B1-2)
複数の電源ラインは、電圧値が異なる電源電圧が供給される構成とされる。
【0231】
例えば、
図21に示した配線パターンL12b_1、L12a_1とスルーホールT12_1~T12_9との組み合わせ、及び、配線パターンL35a_1、L35b_1とスルーホールT35_5~T35_8との組み合わせは、異なる電源電圧(DC12VA、DC35VA)が供給される。
【0232】
このように、供給される電源電圧が異なる場合であっても、最大電流容量が大きい配線パターンの組み合わせほど、接続されるスルーホールの数を多くすることで、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときのスルーホールでの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0233】
また、実施形態の遊技機1は(構成B1-1)、(構成B1-2)に加えて、次の(構成B1-3)を有する。
(構成B1-3)
最大電流容量が大きい電源ラインは、最大電流容量が小さい電源ラインより幅が太い構成とされる。
【0234】
図21に示したように、最大電流容量が大きい配線パターンほど、配線パターンの幅が太くなっている。
【0235】
このように、最大電流容量が大きい配線パターンの組み合わせほど、配線パターンの幅を太くすることで、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0236】
実施形態の遊技機1は次の(構成B2-1)を有する。
(構成B2-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が供給され、最大電流容量が異なる1又は複数の電源ラインと、基板の異なる層に形成された電源ラインを接続する複数のスルーホールと、を備え、電源電圧が同一であり最大電流容量が異なる電源ラインは、接続されるスルーホールの数が異なる構成とされる。
【0237】
この(構成B2-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当する。また、電源ライン及びその電源ラインを接続するスルーホールは、配線パターンL12b_1、L12a_1とスルーホールT12_1~T12_9との組み合わせ、配線パターンL12a_2、L12b_2とスルーホールT12_10~T12_15との組み合わせに相当する。
【0238】
図22は、電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
図22に示すように、配線パターンL12b_1、L12a_1は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、幅が5mmで、最大電流容量が5.0Aに設定されている。また、配線パターンL12b_1、L12a_1は9つのスルーホール(T12_1~T12_9)を介して接続されており、9つのスルーホール(T12_1~T12_9)は直径が0.5mmである。
【0239】
配線パターンL12a_2、L12b_2は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、幅が3mmで、最大電流容量が3.0Aに設定されている。また、配線パターンL12a_2、L12b_2は6つのスルーホール(T12_10~T12_15)を介して接続されており、6つのスルーホール(T12_10~T12_15)は直径が0.5mmである。
【0240】
したがって、同一の電源電圧が供給される配線パターンの組み合わせでも、最大電流容量が異なれば接続されるスルーホールの数も異なる。
【0241】
このように、同一の電源電圧が供給される配線パターンの組み合わせでも、最大電流容量が異なれば接続されるスルーホールの数を異ならせることで、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときのスルーホールでの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0242】
また、実施形態の遊技機1は(構成B2-1)に加えて、次の(構成B2-2)を有する。
(構成B2-2)
電源電圧が同一であり最大電流容量が大きい電源ラインは、最大電流容量が小さい電源ラインより幅が太い構成とされる。
【0243】
図22に示したように、電源電圧が同一(DC12VA)であっても、最大電流容量が大きい配線パターンほど、配線パターンの幅が太くなっている。
【0244】
このように、電源電圧が同一であっても、最大電流容量が大きい配線パターンの組み合わせほど、配線パターンの幅を太くすることで、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0245】
実施形態の遊技機1は次の(構成B3-1)を有する。
(構成B3-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が供給される電源ラインと、基板の異なる層に形成された電源ラインを接続する1又は複数のスルーホールと、を備え、電源ラインは、複数に分岐することがあり、分岐前の電源ラインに接続されるスルーホールの数は、分岐後の電源ラインに接続されるスルーホールの数より多い構成とされる。
【0246】
この(構成B3-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当する。また、分岐前の電源ライン及びその電源ラインを接続するスルーホールは、配線パターンL12a_1とスルーホールT12_1~T12_9との組み合わせに相当する。また、分岐後の電源ライン及びその電源ラインを接続するスルーホールは、配線パターンL12a_2とスルーホールT12_10~T12_15との組み合わせに相当する。また、上記したように、配線パターンL12a_1は、途中で配線パターンL12a_2、L12a_3に分岐している。
【0247】
図22に示したように、分岐前の配線パターンL12a_1は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、幅が5mmで、最大電流容量が5.0Aに設定されている。また、分岐前の配線パターンL12a_1は9つのスルーホール(T12_1~T12_9)を介して接続されており、9つのスルーホール(T12_1~T12_9)は直径が0.5mmである。
【0248】
また、分岐後の配線パターンL12a_2は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、幅が3mmで、最大電流容量が3.0Aに設定されている。また、分岐後の配線パターンL12a_2は6つのスルーホール(T12_10~T12_15)を介して接続されており、6つのスルーホール(T12_10~T12_15)は直径が0.5mmである。
【0249】
したがって、分岐前の配線パターンL12a_1に接続されるスルーホールの数(9)は、分岐後の配線パターンL12a_2に接続されるスルーホールの数(6)よりも多い。また、分岐前の配線パターンL12a_1は、分岐後の配線パターンL12a_2よりも最大電流容量が多い。
【0250】
このように、分岐前の配線パターンL12a_1に接続されるスルーホールの数を、分岐後の配線パターンL12a_2に接続されるスルーホールの数よりも多くすることで、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときのスルーホールでの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0251】
また、実施形態の遊技機1は(構成B3-1)に加えて、次の(構成B3-2)を有する。
(構成B3-2)
分岐前の電源ラインは、分岐後の電源ラインよりも幅が太い構成とされる。
【0252】
分岐前の配線パターンL12a_1の幅(5mm)は、分岐後の電源ラインの幅(3mm)よりも太い。このように、分岐前の配線パターンL12a_1を、分岐後の電源ラインより幅を太くすることで、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0253】
実施形態の遊技機1は次の(構成B4-1)を有する。
(構成B4-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が供給される複数の電源ラインと、基板の異なる層に形成された電源ラインを接続する1又は複数のスルーホールと、を備え、接続されるスルーホールの数が少ない電源ラインは、接続されるスルーホールの数が多い電源ラインより、直径が大きいスルーホールが接続される構成とされる。
【0254】
この(構成B4-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当する。また、電源ライン及びその電源ラインを接続するスルーホールは、配線パターンL5b_1、L5a_1とスルーホールT5_1~T5_2との組み合わせ、配線パターンL35a_1、L35b_2とスルーホールT35_5~T35_8との組み合わせに相当する。
【0255】
図23は、電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
図23に示すように、配線パターンL5b_1、L5a_1は、5V直流電圧(DC5VA)が供給され、幅が3mmで、最大電流容量が2.5Aに設定されている。また、配線パターンL5b_1、L5a_1は2つのスルーホール(T5_1~T5_2)を介して接続されており、2つのスルーホール(T5_1~T5_2)は直径が0.8mmである。
【0256】
また、配線パターンL35a_1、L35b_2は、35V直流電圧(DC35VA)が供給され、幅が2mmで、最大電流容量が1.3Aに設定されている。また、配線パターンL35b_1、L35a_1は4つのスルーホール(T35_1~T35_4)を介して接続されており、4つのスルーホール(T35_1~T35_2)は直径が0.5mmである。
【0257】
したがって、接続されるスルーホールの数が少ない配線パターンL5b_1、L5a_1は、接続されるスルーホールの数が多い配線パターンL35a_1、L35b_2よりも、直径が大きいスルーホール(直径が0.8mmのスルーホール)に接続されている。
【0258】
これにより、接続されるスルーホールの数が少なく、1つのスルーホールに多くの電流が流れてしまうおそれがある場合に、そのスルーホールの直径を大きくすることで、スルーホールでの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0259】
実施形態の遊技機1は次の(構成B5-1)を有する。
(構成B5-1)
遊技機1は、基板を備える遊技機であって、基板は、所定の電源電圧が供給され、最大電流容量が異なる1又は複数の電源ラインと、基板の異なる層に形成された電源ラインを接続する複数のスルーホールと、を備え、最大電流容量が大きい電源ラインは、最大電流容量が小さい電源ラインより、スルーホールの直径と数の積が大きくなるようにスルーホールが接続される構成とされる。
【0260】
この(構成B5-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当する。また、電源ライン及びその電源ラインを接続するスルーホールは、配線パターンL12b_1、L12a_1とスルーホールT12_1~T12_9との組み合わせ、配線パターンL12a_2、L12b_2とスルーホールT12_10~T5_15との組み合わせ、配線パターンL5b_1、L5a_1とスルーホールT5_1~T5_2との組み合わせに相当する。
【0261】
図24は、電源電圧の最大電流容量及びスルーホール数の関係を説明する図である。
図24に示すように、配線パターンL12b_1、L12a_1は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、幅が5mmで、最大電流容量が5.0Aに設定されている。また、配線パターンL12b_1、L12a_1は9つのスルーホール(T12_1~T12_9)を介して接続されており、9つのスルーホール(T12_1~T12_9)は直径が0.5mmである。したがって、この場合、スルーホールの直径と数の積は4.5となる。
【0262】
また、配線パターンL12a_2、L12b_2は、12V直流電圧(DC12VA)が供給され、幅が3mmで、最大電流容量が3.0Aに設定されている。また、配線パターンL12a_2、L12b_2は6つのスルーホール(T12_10~T12_15)を介して接続されており、6つのスルーホール(T12_10~T12_15)は直径が0.5mmである。したがって、この場合、スルーホールの直径と数の積は3.0となる。
【0263】
配線パターンL5b_1、L5a_1は、5V直流電圧(DC5VA)が供給され、幅が3mmで、最大電流容量が2.5Aに設定されている。また、配線パターンL5b_1、L5a_1は2つのスルーホール(T5_1~T5_2)を介して接続されており、2つのスルーホール(T5_1~T5_2)は直径が0.8mmである。したがって、この場合、スルーホールの直径と数の積は1.6となる。
【0264】
このように、最大電流容量が大きい配線パターンは、最大電流容量が小さい配線パターンより、スルーホールの直径と数の積が大きいスルーホールに接続されている。
【0265】
これにより、最大電流容量が大きい配線パターンにおいては、スルーホールの合計の表面積を増やして、スルーホールでの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0266】
実施形態の遊技機1は次の(構成C1-1)を有する。
(構成C1-1)
遊技機1は、基板は、所定の電源電圧が供給され、最大電流容量が異なる複数の電源ラインと、基板の異なる層に形成された電源ラインを接続する1又は複数のビアと、を備え、電源ラインによって接続されるビアの数が異なる構成とされる。
【0267】
この(構成C1-1)の考え方の場合、基板は払出制御基板42に相当する。また、電源ライン及びその電源ラインを接続するスルーホールは、配線パターンL12b_1、L12a_1とスルーホールT12_1~T12_9との組み合わせ、配線パターンL12a_2、L12b_2とスルーホールT12_10~T12_15との組み合わせ、配線パターンL35a_1、L35b_2とスルーホールT35_1~スルーホールT35_4との組み合わせに相当する。
【0268】
例えば
図21に示したように、配線パターンによって接続されるスルーホールの数が異なることになるため、電流量が大きい配線パターンに電流を流したときの電気抵抗を減らし、発熱を抑制することができる。
【0269】
以上、実施形態を説明してきたが、上記(構成A1-1)から(構成C1-1)までの各構成例は、各種の組み合わせが可能で、任意に組み合わせることでそれぞれの構成で説明した効果を兼ね備える遊技機1とすることができる。
またそれ以外に実施形態で説明した構成や動作を組み合わせることも可能である。
また各種例示した具体例は、各構成を実現する一態様にすぎない。特に明示していない具体例も各種考えられる。
また実施形態はパチンコ遊技機で説明したが、いわゆるスロット遊技機のような回胴型遊技機にも本発明は適用できる。
このような回胴型遊技機においても、各実施形態で説明したような基板構成、回路構成、コネクタ構成、電源構成等を採用できる。
【0270】
また、遊技球が遊技機1内で循環する管理遊技機にも本発明は適用できる。管理遊技機の場合、遊技球貸出装置接続端子板71にAC入力電源(AC24V)を供給する必要がない。
図6で示したように伝送線路H1を分岐させる必要がない。しかしながら、遊技球貸出装置接続端子板71にAC入力電源(AC24V)を供給しなくするために電源基板70も変更するとなると、新たに電源基板70も設計し直す必要があるとともに、今までの電源基板70を流用することもできない。
【0271】
そこで、管理遊技機においては、
図25~
図28に示すように、払出制御基板42のコネクタCN1の第25ピン、第26ピンからAC入力電源(AC24V)を入力させ、ブリッジ回路DB1、抵抗R1を介してLED1を点灯させる。このようにすることで、実施形態のような遊技機1と同一の電源基板70を使用することが可能となる。これにより、新たな設計を省略することが可能であるとともに、今までの電源基板70を流用することも可能となる。
【0272】
また、実施形態において、払出制御基板42のコネクタCN1(入力コネクタ)には、電源基板70から所定の電源電圧(例えば、5V直流電圧(DC5VA))が入力されるようにした。しかしながら、入力コネクタに所定の電源電圧を入力する供給元基板はこれに限らず、電源基板70の間に設けられた中継基板であってもよく、また、他の基板であってもよい。
【0273】
また、実施形態において、払出制御基板42のコネクタCN3(出力コネクタ)から主制御基板40に所定の電源電圧(例えば、5V直流電圧(DC5VA))及びバックアップ電源の少なくとも一方(実施形態においては双方)を出力するようにした。しかしながら、所定の電源電圧及びバックアップ電源の少なくとも一方を出力する供給先基板はこれに限らず、例えば、演出制御基板41、発射制御基板45等の基板であってもよい。
【符号の説明】
【0274】
1 遊技機
40 主制御基板
40a CPU
40b RPM
40c RAM
42 払出制御基板
80 バックアップ電源生成回路
IC7 集積回路(CPU、ROM、RAM)