(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】身体の少なくとも部分に作用を及ぼすための装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61N5/06 B
A61N5/06 A
A61N5/06 Z
(21)【出願番号】P 2021558982
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 IB2020053145
(87)【国際公開番号】W WO2020202062
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-10
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512069599
【氏名又は名称】ジェイケイ-ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルステンマイヤー, ユルゲン
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0033666(US,A1)
【文献】特表2007-520285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0085317(US,A1)
【文献】特開2005-000376(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0160710(US,A1)
【文献】特表2004-526485(JP,A)
【文献】特開2006-345942(JP,A)
【文献】特表平10-508776(JP,A)
【文献】特表2018-531437(JP,A)
【文献】特開2016-059689(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0014777(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
A61H 7/00
9/00
23/00 - 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療・美容用放射線を用いて、かつ/または機械的動作によって、使用者の身体の少なくとも部分に医療的かつ/または美容的な作用を及ぼすための装置であって、
調整可能な動作パラメータを有する、人体に作用を及ぼす手段(22、23、32)と、
前記動作パラメータを設定する、前記作用を及ぼす手段(22、23、32)に接続されるコントローラ(38)と
を備える装置であって、
前記動作パラメータを制御するための前記使用者の音声入力を取り込むことができる少なくとも1つのマイクロホン(51)が設けられ、
前記マイクロホン(51)が、前記マイクロホンによって取り込まれた音声入力を前記作用を及ぼす手段(22、23、32)のための制御コマンドに変換する評価ユニットに接続され、
前記評価ユニットが、前記マイクロホン(51)によって取り込まれた前記音声入力を分析し、かつ前記制御コマンドを前記コントローラ(38)に転送する、音声認識ユニットを有するプロセッサユニットを備え、
前記使用者の音声パラメータがメモリユニットに記憶され、
取り込まれた前記音声入力の評価において前記使用者の特定の発音を考慮に入れるために、この目的で提供されたインターフェースによって前記音声入力を読み取った後に前記評価ユニットによって音声パラメータを評価することができ、
キーワード
の音声入力
が取り込まれると、前記キーワードの前記音声入力に続く音声入力が、前記評価ユニットにおいて、動作パラメータのための記憶された制御コマンドとの対応性について比較され、
前記キーワードの
前記音声入力が取り込まれると、音量の発生をもたらす動作パラメータおよび雑音の発生をもたらす動作パラメータが、前記コントローラ(38)によって下げられ、
前記キーワードの前記音声入力に続く前記音声入力が取り込まれ、前記下げが、
前記キーワードの前記音声入力の終了から予め設定可能な時間後に戻される、装置。
【請求項2】
スピーカが設けられ、前記評価ユニットが、認識に成功した音声入力を、前記スピーカによって出力される音響信号で確認することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
タッチセンサ式表示画面(40)
がタッチ
されると、
前記タッチセンサ式表示画面のタッチに続く音声入力が、前記評価ユニットにおいて、動作パラメータのための記憶された制御コマンドとの対応性について比較されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロホン(51)の隣にボタン(52)が設けられ
、前記ボタン(52)
が作動
されると、
前記ボタンの作動に続く音声入力が、前記評価ユニットにおいて、動作パラメータのための記憶された制御コマンドとの対応性について比較されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記音声入力の視覚的説明および/または音響的説明が前記
タッチセンサ式表示画面および前記スピーカによって提示可能であることを特徴とする、請求項2を引用する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記動作パラメータが、顔ランプ(23)、身体ランプ(22、32)、LED、身体換気、顔換気、温度、水分供給、音楽再生、音量、アロマ供給、赤色光、青色光、ウォータージェット強度、マッサージ強度、マッサージプログラム、光プログラムの動作パラメータを含む群より選択されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
プラス、マイナス、最大、最小、標準、オン、オフを含む群より選択される、前記動作パラメータのためのパラメータ変数が予め定義可能であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記身体の部分が、皮膚、結合組織、筋肉組織、および骨を含む群より選択されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラ(38)が、前記人体に作用を及ぼす手段以外の手段も設定することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、前記使用者のための膜状の横臥面を有するハイドロマッサージ装置であって、前記横臥面の下に少なくとも1つの作動可能なマッサージノズルを前記人体に作用を及ぼす手段として備えるマッサージ装置として設計されており、前記マッサージノズルが、前記膜状の横臥面に対してマッサージウォータージェットを向けて前記横臥面に横たわっている前記使用者をマッサージすることができることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記作用を及ぼす手段が、UV光を放出する蛍光管、可視光を放出する蛍光管、UV光を放出するLED、可視光を放出するLED、UV光を放出する高圧ランプを含む群より選択されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
マイクロホンを有するポータブル移動端末が前記装置に接続可能であり、前記ポータブル移動端末の前記マイクロホンが、前記ポータブル移動端末が前記装置の前記マイクロホンとして機能するように、前記使用者の前記音声入力を取り込むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記作用を及ぼす手段(22、23、32)が、前記マイクロホン(51)が配置される自立式収容部(24、39)に収容されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
医療・美容用放射線を用いて使用者の身体の少なくとも部分に作用を及ぼすための装置であって、
人体に作用を及ぼすアセンブリ(22、23、32)を収容する自立式収容部(24、39)であって、前記人体に作用を及ぼすアセンブリ(22、23、32)が、調整可能な動作パラメータを有し、医療・美容用放射線を放出する、自立式収容部(24、39)と、
前記動作パラメータを設定する、前記作用を及ぼすアセンブリに接続されるコントローラ(38)と
を備える装置であって、
前記自立式収容部(24、39)に、前記動作パラメータを制御するための前記使用者の音声入力を取り込むことができる少なくとも1つのマイクロホン(51)が設けられ、
前記マイクロホン(51)が、前記マイクロホン(51)によって取り込まれた前記音声入力を前記作用を及ぼすアセンブリ(22、23、32)のための制御コマンドに変換する評価ユニットに接続され、
前記評価ユニットが、前記マイクロホン(51)によって取り込まれた前記音声入力を分析し、かつ前記制御コマンドを前記コントローラ(38)に転送する、音声認識ユニットを有するプロセッサユニットを備え、
前記使用者の音声パラメータが、メモリユニットに記憶され、前記音声入力の読み取り後に前記評価ユニットを設定するために使用可能であり、
取り込まれた前記音声入力の評価において前記使用者の特定の発音を考慮に入れるために、この目的で提供されたインターフェースによって前記音声入力を読み取った後に前記評価ユニットによって音声パラメータを評価することができ、
キーワード
の音声入力
が取り込まれると、
前記キーワードの前記音声入力に続く音声入力が、前記評価ユニットにおいて、動作パラメータのための記憶された制御コマンドとの対応性について比較され、
前記キーワードの
前記音声入力が取り込まれると、音量の発生をもたらす動作パラメータおよび雑音の発生をもたらす動作パラメータが、前記コントローラ(38)によって下げられ、
前記キーワードの前記音声入力に続く前記音声入力が取り込まれ、前記下げが、
前記キーワードの前記音声入力の終了から予め設定可能な時間後に戻される、装置。
【請求項15】
前記自立式収容部が、固定収容部(39)と可動収容部(24)とを備え、前記可動収容部(24)が連結軸(A)を介して前記固定収容部(39)に結合されていることを特徴とする、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記固定収容部(39)が前記使用者のための横臥面(34)を形成しており、前記可動収容部(24)が、
前記固定収容部(39)と共に外側のチューブを形成するように、前記固定収容部(39)まで下方に枢動可能であることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記マイクロホン(51)が前記可動収容部(24)に配置されることを特徴とする、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記マイクロホン(51)が前記可動収容部(24)の長手方向端部に配置されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記マイクロホン(51)が、少なくとも医療・美容用放射線を透過させる、前記可動収容部(24)を形成するプラスチックシェルの穿孔に配置されることを特徴とする、請求項15~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記マイクロホン(51)が、医療・美容用放射線による直接照射の領域の外側に配置されることを特徴とする、請求項15~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記マイクロホン(51)が、前記可動収容部(24)を補強するフレーム部分(24a)の領域に配置されることを特徴とする、請求項15~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の装置を作動させる方法であって、
前記装置が、
調整可能な動作パラメータを有する、人体に作用を及ぼす手段(22、23、32)と、
前記動作パラメータを設定する、前記作用を及ぼす手段に接続されるコントローラ(38)と
を備え、
前記方法は、
音声入力によって
指定された前記動作パラメータの少なくとも一部
を、少なくとも1つのマイクロホン(51)
が取り込むことと、
取り込まれた前記音声入力
を、評価ユニット
が、前記作用を及ぼす手段(22、23、32)のための制御コマンドに変換
することと、
を含み、
キーワード
の音声入力
が取り込まれると、前記キーワードの前記音声入力に続
く音声入力
を、前記評価ユニット
が、動作パラメータのための記憶された
制御コマンドとの対応性について比較
し、
前記キーワードの
前記音声入力が取り込まれると、
前記コントローラ(38)が、音量の発生をもたら
す動作パラメータおよび雑音の発生をもたらす動作パラメータ
を下
げ、前記マイクロホンが、前記キーワードの前記音声入力に続く前記音声入力を取り込み、前記コントローラが、前記下げ
を前記キーワードの前記音声入力の終了から予め設定可能な時間後に戻
す、方法。
【請求項23】
前記評価ユニットに記憶される前記動作パラメータが、顔ランプ(23)、身体ランプ(22、32)、LED、身体換気、顔換気、温度、水分供給、音楽再生、音量、アロマ供給、赤色光、青色光、ウォータージェット強度、マッサージ強度、マッサージプログラム、光プログラムの動作パラメータを含む群より選択されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
プラス、マイナス、最大、最小、標準、オン、オフを含む群より選択される、前記記憶された動作パラメータのためのパラメータ変数が前記評価ユニットに記憶されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に医療・美容用放射線を用いて、かつ/または機械的影響によって、使用者の身体の少なくとも部分に作用を及ぼすための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
規制上の理由で、またはリラクゼーションの理由で目の使用が不可能である、身体の部分に作用を及ぼすための装置は実際上公知である。例えば、特に紫外線での、皮膚照射によって使用者の身体に作用を及ぼす装置は、特定の波長の放射線が目に有害である可能性があるため、保護眼鏡と併用されるか、または少なくとも目を閉じた状態でのみ使用されるべきである。公知の装置には、使用者の所望または好みへの個別の適合が、保護眼鏡をかけては見ることができない、タッチセンサ式ディスプレイによって行われる状況という欠点がある。
【0003】
皮膚の照射の分野では、医療・美容用放射線を放出するアセンブリが使用され、その放射線は、照射された人に光生物学的効果をもたらす。医療・美容用放射線はこの場合、人の皮膚に入射するが、特定の波長に応じて、身体のより深い領域まで透過することができる。その効果には、例えば、肌の日焼けだけでなく、照射から生じるさらなる生理的効果および心理的効果も含まれる。医療・美容用放射線は、紫外線(UV)放射、可視(VIS)放射、および近赤外(nIR)放射のスペクトルを含む。この場合のUV放射は、100nm~約380nmのスペクトルの波長を有し、この場合のVIS放射は、約380nm~約780nmのスペクトルの波長を有し、この場合のnIR放射は、約780nm~1400nmのスペクトルの波長を有する。前述のスペクトルは互いに混ざり合う。医療美容用途に応じて、放射線を、前述のスペクトルの一部のスペクトルに集中させることができる。このために、医療・美容用放射線を放出するアセンブリを、専用の個々の波長、例えば、放射管によって生成されるUV放射と関連付けることもできる。しかしながら、放射管の使用は必須ではない。その治療効果ゆえに、医療・美容用放射線を医療・美容用放射線治療と呼ぶこともできる。
【0004】
使用者の皮膚に作用を及ぼすための装置は、例えば、日焼けサロンで使用されるため、実際上公知であり、その場合、被照射者は、色素沈着によって肌を日焼けさせる目的で横臥面または表面処理面を形成するカバー上に横たわることができ、UV放射線を放出するアセンブリは、一般には複数の放射管、特に蛍光管を有し、カバーの下に配置されており、放射管にアクセスするためにカバーを取り外すかまたは枢動させることができる。そのような日焼け装置は通常、人を両側から日焼けさせることができるように被照射者に向けて一緒に枢動させることができるさらなる放射管と第2のカバーとを有するさらなるモジュールも有する。この場合、使用者は、自分の目を危険にさらすか、または操作を中断することなく、照射中に装置の動作パラメータを容易に調整することができないという問題がある。
【0005】
被照射者がカバー上に水平に横たわるのではなく、むしろ、垂直位置でUV放射線を放出するアセンブリによって囲まれる、いわゆる垂直サンベッドも実際には公知である。垂直サンベッドでは、放射管は特に垂直方向に延在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、これを使用して、使用者が、特に実行動作中にも、装置を自分の要件に設定することができる、使用者の身体の少なくとも部分に作用を及ぼすための装置を明記することである。
【0007】
この目的は、本発明によれば、独立請求項の特徴を有する装置によって達成される。
【0008】
本発明の一態様によれば、特に、医療・美容用放射線を用いて、かつ/または機械的影響によって、使用者の身体の少なくとも部分に作用を及ぼすための装置であって、調整可能な動作パラメータを有する、人体に作用を及ぼす手段と、動作パラメータを設定する、作用を及ぼす手段に接続されるコントローラとを備え、動作パラメータを制御するための使用者の音声入力を取り込むことができる少なくとも1つのマイクロホンが設けられ、マイクロホンが、マイクロホンによって取り込まれた音声入力を作用を及ぼす手段のための制御コマンドに変換する評価ユニットに接続されることにおいて識別される装置が提供される。好適には、このようにして、使用者がこのために自分の目を使用する必要なく、目を閉じた状態で使用者の望みに従って装置の1つまたは複数の動作パラメータを設定する可能性が提供され、これは特に視覚障害者の場合にも好適である。さらなる利点として、動作パラメータを実行動作中に設定することができるので、身体の部分に作用を及ぼすことを伴う処置が中断されなくてもよく、むしろ使用者の要件に動的に適合可能である。マイクロホンは、音声入力のためのインターフェースを提供し、これにより使用者は、このために目を開けることなく、特にコマンドの形態で音声入力を行うことができる。マイクロホンによって取り込まれた音声入力は、制御コマンドがはっきりと認識された場合に、それに応じて作用を及ぼす手段を設定するためにコントローラに出力される評価ユニット内の特定の制御コマンドと関連付けられる。
【0009】
音声入力が、装置の動作中または特定のアプリケーションの持続期間中だけでなく、この前および/または後にも可能であることは明らかである。よって、特に装置の効果照明、一般に可視光スペクトルの色付きLEDを、例えば、可能なパラメータ変数の色または輝度を指定することによって設定することもできる。
【0010】
評価ユニットは、好都合には、マイクロホンによって取り込まれた音声入力を分析し、かつ制御コマンドをコントローラに転送する音声認識ユニットを有する、プロセッサユニットを備える。音声認識ユニットは、この場合、音声認識ユニットのメモリユニットに記憶されたいくつかの用語を備えていることが好都合であり、これらの用語は、予め設定可能な音声入力の対応性の程度を超えると正しい入力として評価される。装置内にローカル音声認識ユニットを設けられるので、音声入力を外部サーバ上で分析する必要がなく、音声入力に対する迅速な反応が可能である。さらに、音声認識ユニットに記憶される用語セットの指定によって高度のエラー耐性を付与することができる。
【0011】
装置には、好ましくは、スピーカが設けられ、評価ユニットは、認識に成功した音声入力を音響信号で確認する。第1の実施形態の変形例によれば、音響信号は、認識された制御コマンドの音声再生からなることができ、そのため、誤った入力の場合、使用者はこれを直ちに認識し、新しい入力によってこれを打ち消すことができる。音声入力を制御コマンドにはっきりと割り当てることができなかった場合、または記憶された音声データへの対応性が予め設定可能な閾値を下回った場合、使用者は、はいまたはいいえまたはその他の明確な指定で応答することができるので、対応する告知によって使用者に質問を促すことも可能である。しかしながら、音声入力および音声入力に関連するコマンドが認識されたことを使用者に伝達する音響信号によって、音声入力の認識成功を確認することが特に好ましい。音響信号を、触覚信号、例えば振動と組み合わせることもできる。
【0012】
評価ユニットは、好都合には、キーワードの音声入力によって起動可能である。評価ユニットの起動により、続いて取り込まれた音声入力は、それらが許容可能な制御コマンドであるかどうかを明確化するために、評価ユニットに記憶された用語と比較される。これにより、人体に作用を及ぼす手段が、議論、外部ソースからの雑音、再生された放送番組、または会話の途中でランダムに使用される用語が原因でランダムに変更されることが防止される。キーワードの認識は、ここでは、使用者が音声入力を意図的に実行しようとしていることを確実にし、さらに、制御コマンドに偶然に対応する使用された用語が動作パラメータの誤った変更をもたらすことを防止する。
【0013】
さらなる好適な実施形態では、評価ユニットは、タッチセンサ式表示画面をタッチすることによって起動可能である。よって、評価ユニットを起動するための触覚インタラクションが可能であり、これはその場合、キーワードが知られていないか、または評価ユニットによって認識されない場合、使用者が音声入力を行うことも可能にする。表示画面のタッチを、音声入力を受け入れる準備ができていることを使用者に知らせるために音響信号で確認することもできる。
【0014】
さらに別の好ましい実施形態によれば、別個のボタンまたは押しボタンが設けられ、評価ユニットは、ボタンを作動させることによって起動可能である。ボタンは、好都合には、マイクロホンの隣に配置され、これにより、使用者の音声入力がマイクロホンの方向に無意識的に向けられる。あるいは、対応するボタンを使用者のハンドレスト面の領域に配置することも可能である。ボタンの代わりに、手のタッチによって起動可能なタッチセンサ式フィルムまたは電気接点を設けることもできる。
【0015】
装置は、好ましくは、少なくとも1つのディスプレイと少なくとも1つのスピーカとを有し、それによって音声コマンドの視覚的説明および/または音響的説明がディスプレイおよびスピーカによって提示可能である。よって、例えば、使用者がまだ目を使用することができる時点で、よって対応する処置の前に、制御コマンドのための可能な音声入力および音声入力のための可能なパラメータ変数を、説明ビデオによって文字および音響形式で説明することができる。これは、特に、使用される用語の記述に精通していない外国語を話す使用者が、音声入力によって装置を制御しようとする場合に好適である。このようにして、好適には、装置の動作モードを同時に説明することもでき、調整可能なパラメータを示すことができる。1つの特別な利点は、音声入力の連続的な拡張時に対応する情報項目を更新できることである。同時に、ディスプレイによって、広告映画や装置の運営者の情報項目などを発信することができる。
【0016】
1つの特に好都合な改良形態では、装置のマイクロホンは、装置の外部の制御センタに接続され、よって、使用者の健康に関するさらなる問い合わせを可能にする。よって、例えば、処置が長時間続く場合、制御センタの運営者は、使用者と連絡を取り、使用者の応答によって、装置と使用者の両方が悪影響を受けないことを確認することができる。
【0017】
対応する方法では、装置のマイクロホンを、例えばインターネットを介して、装置の外部のプロバイダに接続することができる。よって使用者は、マイクロホンを使用して、自身の制御コマンドを生成することもなく、例えば、別の人に電話したり、またはインターネット上のコンテンツにアクセスしたりすることができる。処置以外に、さらに、インターネットからの視覚コンテンツを、装置に設けられたディスプレイによって表示することもできる。さらなるまたは追加の使用がこのようにして使用者にもたらされ、使用者はマイクロホンを外部プロバイダとの通信のために使用することもできる。
【0018】
1つの特に好適な実施態様によれば、音声入力が取り込まれると、特にキーワードが取り込まれると、または別の方法での評価ユニットが起動すると、音量の発生に関連する動作パラメータがコントローラによって下げられまたは低減される。この場合、人体に作用を及ぼす手段の動作パラメータを下げることができるだけでなく、特に雑音の発生、例えば音楽の再生などに関連する他の動作パラメータも下げることができる。音声入力が取り込まれると、例えば、装置の換気においてファンの速度が低減されたり、再生中の音楽の音量において音楽が完全にオフにされるか、またはその音量が低減されるなど、雑音を発生させる動作パラメータが低減されることが特に好ましい。
【0019】
特に好ましい一実施形態によれば、装置のスピーカによって再生された音響信号は、別個の入力によって評価ユニットに供給され、それらの音響信号は、マイクロホンによってランダムに取り込まれた雑音が、はっきりと、制御コマンドとして理解されないように反転される。よって、例えば、ラジオ司会者の音声などの音声の再生中に、番組でキーワードを使用しても、評価ユニットにおいてこれを無効にすることが可能である。このようにして、作用の経験を損なう可能性がある評価ユニットのランダムな起動が確実に防止されることを特に好ましい方法で保証することができる。動作パラメータの下げは、好ましくは、入力の終了から予め設定可能な時間後に戻され、それによって評価ユニットが再び非起動状態になったことが使用者に知らされる。
【0020】
設定されるべき動作パラメータは、音声入力のために指定されることが好都合であり、動作パラメータは、評価ユニットに記憶されている動作パラメータセットから選択される。動作パラメータとパラメータ変数との組み合わせにより身体に作用を及ぼす手段の簡単で効果的な調整が可能になるように、対応する動作パラメータをパラメータ変数によって修飾することができる。加えて、身体に作用を及ぼす手段に関連しない動作パラメータ、例えば、装置がセットアップされている部屋の照明や温度、または音楽再生の音量も設定することができる。
【0021】
動作パラメータは、好都合には、顔ランプ、身体ランプ、LED、身体換気、顔換気、温度、水分供給、音楽再生、音量、アロマ供給、赤色光、青色光、ウォータージェット強度、マッサージ強度、マッサージプログラム、光プログラムを含む群より選択される。このために、それぞれの動作パラメータが正確な技術的機能を指定する必要はない。よって、身体換気の強度を設定するために、対応するポンプの速度は、ポンプがこのために特に指定する必要なく設定される。
【0022】
動作パラメータに加えて、動作パラメータを特徴付けるパラメータ変数セットを予め定義することができる。この場合、パラメータ変数は、好都合には、プラス、マイナス、最大、最小、標準、オン、オフを含む群より選択される。パラメータ変数「オン」または「オフ」は、特定の動作パラメータがそれぞれスイッチオンまたはスイッチオフに切り替えられるべきことを指定する。例えば、光または音楽を、このようにしてスイッチオンまたはスイッチオフに切り替えることができる。しかしながら、処置全体をスイッチオンまたはスイッチオフに切り替えることも可能である。パラメータ変数「プラス」および「マイナス」は、スケーラブルな動作パラメータの場合に、対応する動作パラメータが増分または減分されるべきことを指定する。このようにして、好適には、このために特定の数が選択され、または知られる必要なく、複数のレベルに分割された動作パラメータを上げるかまたは下げることが可能である。このようにして、好適には、このために動作パラメータの絶対値を知る必要なく、使用者が状況において強すぎるかまたは弱すぎる動作パラメータを適合させることが可能になる。このようにして、特に使用者は、好適には、動作パラメータを処置中の使用者の要件に個別に適合させることができる。パラメータ変数「最大」、「最小」、および「標準」は、このために動作パラメータが現在どのレベルに位置しているかを知る必要なく、使用者が動作パラメータを最大、最小、または標準化された、一般的に中程度のレベルに設定することを可能にする。このようにして、使用者は、動作パラメータの特定の設定から開始して処置を実行させることが容易に可能になる。
【0023】
音声入力を使用して、処置をコース内で誘導するための作用を及ぼす手段の特定の指定を予め定義することがさらに可能である。よって、音声入力「マッサージオン」は、マッサージアセンブリが身体に作用を及ぼすようにスイッチオンにされるべきであることを指定することができる。よって、音声入力「身体換気プラス」は、身体に作用を及ぼすための身体換気アセンブリが1レベル上げられるべきであることを指定することができる。よって、音声入力「顔ランプ最大」は、医療・美容用放射線によって身体に、この場合は使用者の顔に作用を及ぼすための顔ランプを備えるアセンブリが最大出力に設定されるべきであることを指定することができる。
【0024】
評価ユニットによって制御コマンドに変換されないコマンドとして理解されるさらなる用語を定義することが可能である。例えば、使用者が音声入力「電話」を行った場合、評価ユニットは、装置に結合された、または結合することができる携帯電話を、電話をかけるために提供させることができる。音声入力「インターネット」は、例えば、使用者にインターネット、特に使用者の移動端末の音声入力、例えば検索エンジンにアクセスさせることができる。
【0025】
装置が作用を及ぼす身体の部分は、好都合には、皮膚、結合組織、筋肉組織、および骨を含む群より選択される。特に、機械的影響による身体または身体の部分に作用を及ぼす場合、結合組織および筋肉組織は、例えば、対応する身体の部分の弾性変形によって再生される。このようにして身体の部分のかん流が刺激され、改善され、再生効果が達成される。身体または身体の部分への対応する力の伝達は、例えば、身体に直接または膜状中間層を介して間接的に作用を及ぼす空気圧式または油圧式ウォータージェットによって、様々な方法で行うことができる。膜状中間層は、ここでは使用者が横たわることができる横臥面を形成することができる。人体に作用を及ぼす他の手段は、異なる波長の放射線、特に紫外線放射、可視放射、および赤外線放射を使用する。医療・美容用放射線は、皮膚外層に作用を及ぼすだけでなく、下に位置する身体の領域にも作用を及ぼし、特に皮膚の色素沈着を刺激する。加えて、波長および影響を受ける身体の部分の関数として、異なる深さの身体の部分に到達し、よって作用を及ぼす。
【0026】
特に好適な一実施形態では、使用者の特定の音声パラメータが、メモリユニットに、例えば、使用者に固有の顧客カードに記憶される。これらの特定の音声パラメータを、取り込まれた音声入力の評価において使用者の特定の発音を考慮に入れるために、この目的で提供されたインターフェースによってデータを読み取った後に評価ユニットによって評価することができる。特に、使用者が使用したい個々のキーワードもそこに記憶することができる。使用者に関する情報のさらなる項目をメモリユニットに記憶することが可能であり、これにより、使用者に名前で挨拶し、または装置に使用者の基本設定を設定することが可能になる。
【0027】
コントローラは、人体に作用を及ぼす手段以外の手段、例えば、各々装置の外部の、音楽の音量や周囲温度や照明も設定することが好都合である。
【0028】
好適な一実施形態によれば、装置は、使用者のための膜状の横臥面を有するハイドロマッサージ装置であって、横臥面の下に配置された少なくとも1つの起動可能なマッサージノズルを有するマッサージ装置として設計されており、マッサージノズルは、膜状の横臥面に対してマッサージウォータージェットを向けて横臥面に横たわっている使用者をマッサージすることができる。対称なマッサージ体験のために複数のマッサージノズルを互いに連携して設けることもでき、または異なる身体領域を同時に働かせるために互いに独立して設けることができることは明らかである。
【0029】
別の実施形態によれば、作用を及ぼす手段は、UV光を放出する蛍光管、可視光を放出する蛍光管、UV光を放出するLED、可視光を放出するLED、UV光を放出する高圧ランプを含む群より選択される。上述の手段は、各々、例えば、顔の日焼けや身体の日焼けを達成する医療・美容用放射線の所定の部分スペクトルを放出するように設計される。この場合、異なる手段を個別にまたはグループとして設定することができる。
【0030】
好ましい一改良形態によれば、マイクロホンは、装置に有線または無線方式で接続可能であり、そのために装置の収容部内のマイクロホンの設置が不要である、ポータブル移動端末のマイクロホンとして設計される。外部マイクロホンは、評価ユニットへの接続により音声入力を取り込むことができる。よって、評価ユニットは、例えば、移動端末用のソフトウェアアプリケーションにおいてポータブル移動端末上にも実装されることが可能であり、そのためその場合、制御コマンドのみは依然として携帯端末から制御ユニットに送られなければならない。ただし、マイクロホンは、装置の収容部内に設置されることが好ましい。
【0031】
本発明の一態様によれば、医療・美容用放射線を用いて使用者の身体の少なくとも部分に作用を及ぼすための装置であって、調整可能な動作パラメータを用いて医療・美容用放射線を放出する、人体に作用を及ぼすアセンブリを収容する自立式収容部と、動作パラメータを設定する、作用を及ぼすアセンブリに接続されるコントローラとを備え、収容部に、動作パラメータを制御するための使用者の音声入力を取り込むことができる少なくとも1つのマイクロホンが設けられ、マイクロホンが、マイクロホンによって取り込まれた音声入力を作用を及ぼすアセンブリのための制御コマンドに変換する評価ユニットに接続されることにおいて識別される装置が提供される。このようにして、音声入力によって制御することができる、特に日焼け装置として設計された装置が好適に提供される。特に、医療・美容用放射線を放出するアセンブリの構成要素は、使用者がこのために自分の目を使用する必要なく、制御コマンドの口頭入力によって設定することができ、視力に有害である可能性がある医療・美容用放射線の視覚器官への作用が回避されるという好適な効果を有する。加えて、使用者は残りの感覚に集中することができ、これはリラックス効果に寄与する。使用者は、動作パラメータの調整のために処置を中断することを強いられなくなり、それによって装置の有用度が増大する。
【0032】
作用を及ぼす手段は、好都合には、自立式収容部内に収容される。よって、好適には、作用を及ぼす手段が確実に封入され、作用を及ぼす手段が塵埃および環境の影響から保護されることが保証される。
【0033】
収容部は、好ましくは、固定収容部と可動収容部とを備え、可動収容部は、連結軸を介して固定収容部に結合される。この場合、可動収容部および固定収容部は、好都合には、垂直または水平のチューブを形成するが、チューブが円筒形の断面を有する必要はない。収容部は、好ましくは、放射線が低損失で通過することができる、アクリルガラスとも呼ばれる、医療・美容用放射線の少なくとも大部分を透過させるポリメチルメタクリレートとして形成される。
【0034】
収容部は、好都合には、固定収容部と可動収容部とを備え、可動収容部は、連結軸を介して固定収容部に結合される。このようにして、収容部を、好適には、使用者のアクセスのために上方に枢動させることができ、使用者に対して作用を及ぼす前に閉じることができる。
【0035】
好適な一改良形態では、固定収容部は、大部分が平面である、使用者のための横臥面を形成する。その場合可動収容部は、チューブを形成するように、固定収容部まで下方に枢動可能である。このようにして、使用者が装置内で臥位で、すなわち横臥面上に仰向けになって空間を占めることができる可能性が好適に提供される。
【0036】
マイクロホンは、好都合には、可動収容部に配置され、そのため、横臥面上に仰向けに横たわっている使用者は、自分の顔をマイクロホンの方に向けている。マイクロホンは、このようにして使用者から発せられる音波を良好に取り込むことができる。
【0037】
好ましい一実施形態によれば、マイクロホンは、可動収容部の一方の軸方向端部に配置される。このようにして、マイクロホンの接触に必要なワイヤが使用者によってアクリルガラスを通して見えないことが特に好適に保証される。加えて、マイクロホンはよって、放射線の必須領域の外側に配置され、よって、マイクロホンの金属部品が加熱する危険が低減される。マイクロホンは、可動収容部の軸方向ヘッド端部に配置されることが好都合である。
【0038】
好ましい一実施形態によれば、マイクロホンは、収容部を形成する安定したプラスチックシェルの穿孔に配置され、医療・美容用放射線の少なくとも大部分を透過させる。穿孔は、使用者から発する音波が確実に取り込まれることを保証する。
【0039】
マイクロホンは、好都合には、医療・美容用放射線の直接的な作用が及ぶ領域の外側に配置され、そのため、マイクロホンにはUV光による経年の影響も温度によって誘発される影響も生じない。
【0040】
マイクロホンは、好都合には、収容部、特に可動収容部を補強する収容部のフレーム部分の領域に配置され、これにより、マイクロホンの端子が視覚的に好適な方法で隠され得る。
【0041】
本発明の一態様によれば、調整可能な動作パラメータを有する、人体に作用を及ぼす手段と、動作パラメータを設定する、作用を及ぼす手段に接続されるコントローラとを備える、特に美容・医療用放射線を用いて、かつ/または機械的影響によって、使用者の身体の少なくとも部分に作用を及ぼすための方法であって、使用者が、音声入力によって動作パラメータの少なくとも一部を指定し、少なくとも1つのマイクロホンによって取り込まれた音声入力が、評価ユニットによって作用を及ぼす手段のための制御コマンドに変換される方法。このようにして、目を使用することができないか、または目を使用することを許容されていない-これはUV放射線によって皮膚に作用を及ぼすための装置における規則である-使用者は、実行動作中であっても、作用を及ぼすための装置、特に作用を及ぼす手段の設定の変更を好適に行うことができ、それによって使用者の健康および使用者の製品に対する信頼が向上する。
【0042】
この方法は特に、装置、特に上述の装置を動作させるための方法としても使用することができ、これにより、上述の方法の特徴を有する、作用を及ぼすための装置を動作させるための方法が得られる。
【0043】
評価ユニットは、好ましくは、キーワードの音声入力によって起動され、キーワードの音声入力に続く音声入力は、評価ユニットにおいて、動作パラメータのための記憶されたコマンドとの対応性について比較される。このようにして、個々の制御コマンドの意図されない言及が、好適には、評価ユニットが前もって、キーワードの言及によって音声入力を能動的に取り込む状態に置かれた場合にのみ考慮される。このようにして、意図されない誤操作が回避される。
【0044】
好適な一改良形態では、評価ユニットに記憶される動作パラメータは、顔ランプ、身体ランプ、LED、身体換気、顔換気、温度、水分供給、音楽再生、音量、アロマ供給、赤色光、青色光、ウォータージェット強度、マッサージ強度、マッサージプログラム、光プログラムを含む群より選択される。
【0045】
動作パラメータは、好都合には、音声入力によっても検出可能なパラメータによって適切に修飾される。記憶された動作パラメータのためのパラメータ変数が評価ユニットに記憶されることが好ましく、パラメータ変数は、プラス、マイナス、最大、最小、標準、オン、オフを含む群より選択される。
【0046】
音声入力が取り込まれると、音量の発生に関連した動作パラメータがコントローラによって下げられ、その下げが入力の終了から予め設定可能な時間後に戻される場合、音声入力の識別の改善が得られる。このために、キーワードの音声入力、例えばファーストネームやラストネーム、イブ、アフロディーテ、ヘラ、またはビーナスなどを、評価ユニットを起動するために好適に提供することができる。
【0047】
この方法を、装置に関連して上述された特徴によって改良することもできることは明らかである。特に、この方法は、対応して設計された装置上で実行可能である。
【0048】
本発明のさらなる利点、特徴、特性、および改良点は、好ましい例示的な実施形態の以下の説明および従属請求項から得られる。
【0049】
本発明を以下で、好ましい例示的な実施形態に基づく添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明による装置の好ましい例示的な実施形態を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1に、少なくとも皮膚と部分的にその下にある身体の部分とに医療・美容用放射線によって作用
を及ぼす、日焼け装置として設計された皮膚照射装置10を示す。装置10は、可動上部20と固定下部30とを備える。上部20を、ヒンジ(詳細には図示されていない)によって連結軸Aに沿って下方に枢動させることができ、これにより、チューブの形態の比較的小さい空間が臥位の被照射者、すなわち使用者に提供される。
【0052】
上部20は、水平方向に設置された、UV放射線を放出する複数の放射管22を有する医療・美容用放射線を放出するアセンブリ21と、UV放射線を放出するLEDに基づく顔面日焼け装置として設計されたさらなる放射装置23とを備える。上部20は収容部24内に配置されており、収容部24は、UV放射を透過させるポリメチルメタクリレートまたはアクリルガラスから少なくとも部分的に形成されている。ポリメチルメタクリレートの壁厚は、あまり大きな機械的負荷を吸収する必要がないため、非常に薄い寸法である。さらに、タッチディスプレイ40が上部20内に収容されており、タッチディスプレイは、その操作インターフェース41と共に下部30の方に面している。蛍光管22へのアクセスを得るために、上部20の外側カバー20aを開くことが可能である。
【0053】
下部30は、台のように設計されており、コントローラ38、電源、およびファン、接触器などの皮膚照射装置10のさらなる部品を収容する収容部39を備える。収容部39は、UV放射線を放出する複数の蛍光管32と、蛍光管32の各々に両端で接続される電子安定器33とを有する、医療・美容用放射線を放出するアセンブリ31をさらに備える。
【0054】
アセンブリ31を覆う、ポリメチルメタクリレートで作られたカバー30aが、UV光線を放出するアセンブリ31の上方および放射管32の上方に設けられる。上部20の方に面した上部表面処理面を有するカバー34が、カバー30aの上方に設けられる。表面処理面34上の頸部支持体34aが、使用者の頭部を中心に置くので、顔面日焼け装置23は使用者の顔の方に面し、放射管22、32は使用者の胴体の方に面する。使用者の口もまた、このようにしてその位置においてきわめて正確に画定される。
【0055】
被照射者がここで表面処理面34上に横たわる場合、この人は、例えば、コントローラ38によって、予め設定された標準値から始めて、UV放射線を放出するアセンブリ21、31、23の出力を制御することができ、その都度互いに独立して制御することができる。被照射者がUV放射線を放出するアセンブリ21および/またはアセンブリ31の出力を変更したい場合、被照射者は、コントローラ38に接続されるタッチディスプレイ40内のメニューによって対応するコマンドを入力することができる。その場合タッチディスプレイ40を、皮膚照射装置10、特に被照射者の顔の方に面する上部20の領域に恒久的に設置することができる。上部20に設置されたスピーカによって音楽などを再生することも可能である。
【0056】
しかしながら、タッチディスプレイ40によるコマンドの入力の場合、原則としてこれが使用者の身体に対してUV放射線の作用を及ぼす前に行われなければならないという状況が問題である。これは、UV放射線を放出するアセンブリ21、31、23がスイッチオンになるとすぐに、使用者は目を閉じたままでいなければならず、適用される規制によっては保護眼鏡を着用しなければならないからである。しかしながら、タッチディスプレイ40は、保護眼鏡を通して確実に読み取られない可能性もある。したがって、上部収容部24には、マイクロホン51と、押しボタンとして設計されたボタン52とからなる、音響操作ユニット50が追加的に形成されている。
【0057】
音響操作ユニット50は、このために、可動上部収容部24の一方の軸方向端部に、具体的には、上部収容部24が下方に枢動されるときに形成されるチューブのほぼ最高点に配置されている。同時に、音響操作ユニット50は、収容部24を補強するフレーム部分24aも形成されている、上部収容部24の近位端に配置されている。したがって、マイクロホン51は、放射装置23の直接放射の外側に位置しているので、有害物質中で加熱されない。使用者の音波を取り込むことができるように、上部収容部24のアクリルガラス材料には、マイクロホン51が挿入される円筒形の穿孔が貫通している。
【0058】
コントローラ38は、音声入力が記憶されるメモリを有する評価ユニットを備え、評価ユニットは、使用者の音声入力を記憶されたコマンドとの対応性について比較するソフトウェアによって機能する。記憶された制御コマンドとの対応性の閾値を超える場合、音声入力は、この制御要求に関連するものとして割り当てられ、コントローラ38は、対応する制御コマンドを作用を及ぼす手段22、32、23に出力させる。医療・美容用放射線によって作用を及ぼす手段に加えて、さらなる作用を及ぼす手段、例えば、循環身体換気、顔換気、換気における水分割合なども考慮される。加えて、さらなる動作パラメータ、例えば、音楽の音量、音楽番組なども設定することができる。
【0059】
評価ユニットは、任意選択的に、キーワード、例えば装置の名前、例えば「イブ」と言うことによって、ボタン52を押すことによって、またはディスプレイ40にタッチすることによって起動され、すなわち、続いて言われるコマンドが、許容される制御コマンドとの対応性について比較される。評価ユニットが音声入力を受け取る準備ができている限り、雑音を引き起こす動作パラメータ、例えば、音楽再生、循環身体換気などが低減される。
【0060】
音声入力は、この場合、動作パラメータ、例えば、顔ランプ、身体ランプ、LED、身体換気、顔換気、温度、水分供給、音楽再生、音量、アロマ供給、赤色光、青色光、ウォータージェット強度、マッサージ強度、マッサージプログラム、光プログラムを含む。動作パラメータに加えて、動作パラメータを特徴付けるパラメータ変数セットが予め定義される。パラメータ変数は、例えば、動作パラメータを増分するための「プラス」、動作パラメータを減分するための「マイナス」、動作パラメータの最大値を設定するための「最大」、動作パラメータの最小値を設定するための「最小」、動作パラメータの中程度の値を設定するための「標準」、動作パラメータをスイッチオンにするための「オン」、動作パラメータをスイッチオフにするための「オフ」を読み出す。
【0061】
例えば、使用者が「イブ顔ランプ最大」と言うと、評価ユニットは、キーワード「イブ」により、起動されること、および、その後の音声入力がコマンドであることを認識する。「顔ランプ最大」という言葉が正しく認識された場合、コントローラ38は顔ランプ23に使用者に対して最大設定電力で作用を及ぼすよう指示する。
【0062】
キーワードが認識されるとすぐに、評価ユニットはコントローラ38に雑音の発生関連する動作パラメータを低減させるよう指示するので、マイクロホン51は、音声入力を検出するときに雑音によって妨げられない。評価ユニットは、音声コマンドが理解されたことを知らせる音響信号によって音声入力の識別に成功したことを確認応答する。
【0063】
音声入力により、実行動作中であっても目を使用することなく、装置10を使用者の要件に合わせて調整することが可能である。特に、UV光によって作用を及ぼすためのアセンブリをパラメータの変更中にスイッチオフにする必要はない。
【0064】
以上では本発明を、装置が日焼けベッドのように設計されている例示的な実施形態に基づいて説明した。記載のような音声での通信を、身体の部分に作用を及ぼすための他の装置、例えば健康器具、特にマッサージベッドにおいても提供することができることは明らかである。
【0065】
以上では本発明を、医療・美容用放射線が本質的に、UVAおよびUVBの範囲のUV放射線を含む例示的な実施形態に基づいて説明した。皮膚または皮膚の下にある領域を照射するためにさらなる医療・美容用放射線スペクトルの放射線を使用することもできることは明らかである。
【0066】
以上では本発明を、医療・美容用放射線が放射管22、32を使用することによって発生させたUV放射線である例示的な実施形態に基づいて説明した。特にUV放射線および医療・美容用放射線一般を、例えばLEDやハロゲンランプによる、放射管の使用以外の方法で発生させることもできることは明らかである。
【0067】
以上では本発明を、装置10が、横臥面34を有する水平に位置合わせされた下部30と、下方に枢動させることができる上部20とを有して形成されている例示的な実施形態に基づいて説明した。装置を、作用を及ぼす手段を収容する収容部が垂直にセットアップされており、垂直チューブまたは垂直トンネルの形態で設計された内部にアクセスするためのドアのような枢動可能な収容部が設けられる垂直サンベッドとして設計することもできることは明らかである。この場合マイクロホンは固定収容部に、好ましくは作用を及ぼしている最中に使用者の方に面する収容部の部分の上方の領域に配置されることが好都合である。